JP4881790B2 - 使い捨てカイロ - Google Patents

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Description

本発明は、貼り付け型の使い捨てカイロの製造に用いられる使い捨てカイロ用袋体構成部材および該袋体構成部材を用いてなる使い捨てカイロに関する。また、それらの製造方法に関する。
現在、貼るタイプの使い捨てカイロ(貼付型発熱体)は、冬場における簡易採暖手段、夏場の冷房環境下における冷え性防止などの目的で季節を問わずに広く利用されるようになっている(例えば、特許文献1〜10参照)。このような貼るタイプの使い捨てカイロは、例えば、靴下や下着等の衣類;靴等の履物;皮膚などに貼付して使用されている。
従来の一般的な使い捨てカイロの構造としては、例えば、図1に示されるようなものが挙げられる。具体的には、2種類の袋体構成部材(袋体構成部材1および袋体構成部材2)をヒートシール手段を利用して袋体とし、この袋体の内部に鉄粉等を主成分とする発熱体成分3が封入された構成である。袋体構成部材としては、例えば、(i)通気性を有する多孔質フィルム基材に不織布層を積層した部材、(ii)ヒートシール性を有する非通気性のフィルム基材に不織布層を積層した部材などが用いられており、これら(i)、(ii)をヒートシール加工することにより袋体が形成されている。上記、(i)や(ii)において、フィルム基材と不織布層は接着剤により強固に接着されたものが使用されている。
しかしながら、近年、使い捨てカイロへの要求特性が高まり、袋体の風合いや肌触りの更なる改善が求められてきているのが現状である。
特開平10−314208号公報 特開平10−328224号公報 特開2000−42021号公報 特開2000−126217号公報 特開2000−288008号公報 特開2001−260293号公報 特開2002−36471号公報 特開2002−85442号公報 特開2002−113819号公報 特開2002−127316号公報
本発明の目的は、従来の使い捨てカイロと比較して、風合いや肌触り、手触り感を改善した使い捨てカイロを製造するための袋体構成部材を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、フィルム基材と不織布層の積層構造において、フィルム基材と不織布層を仮着状態とすることにより、使い捨てカイロとした際の風合いや肌触り、手触り感が向上する捨てカイロ用袋体構成部材が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、フィルム基材上に不織布層が積層された構造を少なくとも含む積層部材であって、前記フィルム基材と前記不織布層がホットメルト型接着剤を介して積層されており、かつ前記フィルム基材と前記不織布層が仮着状態であることを特徴とする使い捨てカイロ用袋体構成部材を、カイロ用袋体の構成部材の少なくとも一部として含み、前記フィルム基材が前記不織布層よりも前記カイロ用袋体の内部側に位置することを特徴とする使い捨てカイロを提供する。
さらに、本発明は、前記使い捨てカイロ用袋体構成部材が、表面張力が30〜45dyn/cmである前記フィルム基材表面上に、前記不織布層を、前記ホットメルト型接着剤により貼り合わせ温度60〜100℃の条件で貼り合わせる方法により製造された使い捨てカイロ用袋体構成部材である前記の使い捨てカイロを提供する。
さらに、本発明は、前記フィルム基材が、多孔質フィルムによるヒートシール層を有するフィルム基材である前記の使い捨てカイロを提供する。
さらに、本発明は、前記多孔質フィルムが、ポリオレフィン系多孔質フィルムである前記の使い捨てカイロを提供する。
さらに、本発明は、前記カイロ用袋体がヒートシールにより形成されており、使用時に、ヒートシール部以外の前記フィルム基材と前記不織布層が剥離し、ヒートシール部の前記フィルム基材と前記不織布層は剥離しない状態となる前記の使い捨てカイロを提供する。
さらに、本発明は、前記ヒートシール部における前記フィルム基材と前記不織布層の接着力が3.0N/25mm以上である前記の使い捨てカイロを提供する。
本発明の使い捨てカイロ用袋体構成部材は、上記構成を有しているため、使い捨てカイロとした場合の風合いや肌触りが良好である。このため、かかる使い捨てカイロ用袋体構成部材は産業上有益である。
以下に、必要に応じて図面を参照しながら、本発明の使い捨てカイロ用袋体構成部材および使い捨てカイロについて、詳細に説明する。
[カイロ用袋体構成部材]
本発明の使い捨てカイロ用袋体構成部材(以下、単に「袋体構成部材」と称することがある)は、使い捨てカイロにおいて、発熱体を封入するための袋体を構成する部材である。本発明における袋体構成部材とは、使い捨てカイロを被着体に貼付する際に被着体側(以下、「内側」ともいう)として用いられる部材(裏材とも称する)、及び、被着体と反対側(以下、「外側」ともいう)として用いられる部材(表材とも称する)のいずれでもよく、また表材および裏材の両方として用いてもよい。
本発明の袋体構成部材は、フィルム基材上に不織布層が積層された積層構造を少なくとも有する。上記、フィルム基材と不織布層は接着剤(接着剤層)を介して貼り合わされていることが好ましい(図2)。また、本発明の袋体構成部材には、上記フィルム基材、不織布層および接着剤層の他にも、必要に応じて、被着体に貼付するための粘着剤層、剥離処理層などの他の層が設けられていてもよい。
本発明の袋体構成部材の不織布層における不織布としては、特に制限されず、例えば、ナイロン製不織布(ポリアミド製不織布)、ポリエステル製不織布、ポリオレフィン製不織布、レーヨン製不織布など公知乃至慣用の不織布(天然繊維による不織布、合成繊維による不織布など)を使用することができる。また、不織布の製造方式も特に限定されず、例えば、スパンボンド方式により製造された不織布(スパンボンド不織布)であってもよりし、スパンレース方式により製造された不織布(スパンレース不織布)であってもよい。なお、不織布は単層、複層のいずれの形態を有していてもよい。なお、不織布において、繊維径、繊維長、目付などは特に制限されない。不織布は、1種の繊維のみから構成されていてもよく、複数種の繊維が組み合わせられて構成されていてもよい。
本発明の袋体構成部材に用いられるフィルム基材は、オレフィン系樹脂などから構成されるフィルム状の基材であれば特に限定されず、単層構造であってもよいし、単一または異なる部材からなる多層構造であってもよい。また、多孔性基材、非多孔性基材のいずれであってもよい。多孔性基材を用いる場合には、通気性や、発熱体成分への酸素供給性などの効果を得ることができる。
上記基材は、例えば、ヒートシール層、フィルム層などから構成されていることが好ましい。より具体的には、基材としては、ヒートシール可能なフィルムからなる単層の基材やヒートシール層とヒートシール性のないフィルム層との積層体の基材などが挙げられる。
上記ヒートシール層は、ヒートシール性を有する樹脂(ヒートシール性樹脂)を含むヒートシール性樹脂組成物により形成することができる。このようなヒートシール性樹脂としては、特に制限されないが、オレフィン系樹脂を好適に用いることができる。オレフィン系樹脂としては、少なくともオレフィン成分(エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1等のα−オレフィンなど)をモノマー成分とする樹脂であれば特に制限されない。具体的には、オレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(直鎖状低密度ポリエチレン)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体(例えば、エチレン−プロピレン共重合体など)等のエチレン系樹脂の他、プロピレン系樹脂(ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体など)や、ポリブテン系樹脂(ポリブテン−1など)、ポリ−4−メチルペンテン−1などが挙げられる。また、オレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体;アイオノマー;エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等のエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体;エチレン−ビニルアルコール共重合体なども用いることができる。オレフィン系樹脂としては、エチレン系樹脂が好適であり、なかでも、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体が好ましい。
上記エチレン−α−オレフィン共重合体において、α−オレフィンとしては、エチレン以外のα−オレフィンであれば特に制限されないが、例えば、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1等の炭素数が3〜10のα−オレフィン等が挙げられる。従って、エチレン−α−オレフィン共重合体としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−(ブテン−1)共重合体などが挙げられる。また、オレフィン系樹脂に係るプロピレン−α−オレフィン共重合体におけるα−オレフィンとしては、例えば、炭素数が4〜10のα−オレフィンの中から適宜選択することができる。
ヒートシール性樹脂は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
上記の中でも、ヒートシール性樹脂組成物としては、オレフィン系樹脂としてエチレン−α−オレフィン共重合体を少なくとも含むオレフィン系樹脂組成物が好適であり、特に、低密度ポリエチレン及び/又は線状低密度ポリエチレンと、エチレン−α−オレフィン共重合体とを含むオレフィン系樹脂組成物を好適に用いることができる。なお、エチレン−α−オレフィン共重合体を少なくとも含むオレフィン系樹脂組成物や、低密度ポリエチレン及び/又は線状低密度ポリエチレンと、エチレン−α−オレフィン共重合体とを含むオレフィン系樹脂組成物において、エチレン−α−オレフィン共重合体の含有割合としては、特に制限されず、例えば、オレフィン系樹脂全重量に対して5重量%以上(好ましくは10〜50重量%、さらに好ましくは15〜40重量%)の範囲から適宜選択することができる。
ヒートシールをより低温で行って高速加工するためには、より低融点のヒートシール性樹脂を用いることが有効であり、そのためには、例えば、メタロセン系触媒を用いて調製された低密度ポリエチレンなどが最も有効である。
なお、ヒートシール層は単層、複層のいずれの形態を有していてもよい。
上記ヒートシール層としては、通気性や、発熱体成分への酸素供給性などの観点から、多孔性を有するヒートシール層(例えば、多孔質フィルムによるヒートシール層)が好ましい。従って、ヒートシール層としては、ポリオレフィン系多孔質フィルム(特に、ポリエチレン系多孔質フィルム)によるヒートシール層が好適である。
上記フィルム層は、従来使用されている樹脂フィルムからなるフィルム層を利用することができる。フィルム層を形成する樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂等を用いることができる。中でも、価格、柔軟性の観点から、オレフィン系樹脂を好適に用いることができる。オレフィン系樹脂としては、公知慣用のオレフィン系樹脂を用いることが可能で、特に限定されないが、例えば、上記ヒートシール層の説明において例示したオレフィン系樹脂の中から選択することが可能である。フィルム層を形成する樹脂(例えば、オレフィン系樹脂)は、ヒートシール性を有していても良いし、ヒートシール性のない樹脂であってもよいが、フィルム基材がフィルム層のみからなる単層基材である場合には、ヒートシールにより袋体を形成する観点から、ヒートシール性の樹脂であることが好ましい。フィルム基材がヒートシール層とフィルム層の積層体である場合には、ヒートシール性の樹脂である必要はない。
上記フィルム層は単層フィルムであっても、2層以上の積層フィルムであってもよい。また、無配向フィルムであってもよいし、1軸または2軸方向に延伸配向したフィルムであってもよいが、好ましくは無配向フィルムである。
なお、フィルムに隠蔽性を付与するために、フィラー(例えば、チタン白など)を添加してもよく、具体的には、例えば、多層フィルムの中間層にフィラー(例えば、チタン白など)を添加してもよい。
フィルム基材の厚みは、特に制限されず、例えば、10〜500μm(好ましくは12〜200μm、さらに好ましくは15〜100μm程度である。なお、フィルム基材には、必要に応じて、背面処理、帯電防止処理などの各種処理が施されていてもよい。
本発明の袋体構成部材においては、上記フィルム基材と上記不織布層は、仮着状態で積層されていることが必要である。なお、上記「仮着状態」とは、袋体構成部材として製造された段階においては十分に密着しているが、使い捨てカイロの製造時または使用時の外力により、分離させることが可能な状態をいう。具体的には、フィルム基材と不織布層の剥離力(引張速度300mm/分の条件おけるT型剥離試験で測定)が、0.2N/25mm以下であることをいい、好ましくは0.1N/25mm以下、より好ましくは0.0001〜0.1N/25mmである。フィルム基材と不織布層が上記の剥離力の範囲で貼り合わされている場合(即ち、仮着状態である場合)には、袋体構成部材の生産時や加工段階では、両層は十分な接着力で貼り合わされているため、生産・加工性がよく、一方、使い捨てカイロの製造時に外力を加えることにより、または、使い捨てカイロの使用時(発熱体の発熱時)に、減圧によりフィルム基材が発熱体と密着することや、使用者が触ったり揉んだりすることにより、フィルム基材と不織布層が剥離するため、不織布単独の風合いや肌触り(手触り感)が発揮される。剥離力が0.2N/25mmを超える場合には、カイロ製造時または使用時においてもフィルム基材と不織布層が剥離しないため、不織布の風合いや肌触りが損なわれる。
本発明の袋体構成部材において、上記フィルム基材と上記不織布層を積層する方法としては、特に限定されないが、両層は接着剤を介して貼り合わされていること好ましい。上記接着剤としては、特に制限されず、例えば、ゴム系(天然ゴム、スチレン系エラストマーなど)、ウレタン系(アクリルウレタン系)、アクリル系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリアミド系、エポキシ系、ビニルアルキルエーテル系、フッ素系などの公知の接着剤を用いることができる。また、上記接着剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記の中でも、アミド系接着剤、ポリエステル系接着剤が特に好ましい。
また、接着剤は、いずれの形態を有している接着剤であってもよく、特に限定されないが、溶剤を用いなくても、熱により溶融させることにより塗工することができ、不織布に対しても直接塗布して接着剤層を形成することができる利点を有することから、ホットメルト型(熱溶融型)接着剤が特に好ましく例示される。また、ホットメルト型接着剤を用いることにより、ヒートシールされた部分(ヒートシール部)においては、不織布層とフィルム基材が強固に接着されることから、使用時に不織布層とフィルム基材が完全に分離してしまうトラブルが生じないため好ましい。不織布層とフィルム基材をホットメルト型接着剤により貼り合わせない場合には、ヒートシール部の強度を保つため、不織布にヒートシール性の繊維を混入させるなどの必要が生じる場合がある。
なお、ヒートシール部における不織布層とフィルム基材の接着力(剥離力)は、3.0N/25mm以上が好ましく、より好ましくは5.0〜20.0N/25mmである。
即ち、上記接着剤としては、アミド系又はポリエステル系のホットメルト型接着剤が好ましく、より好ましくは、熱可塑性のアミド系又はポリエステル系のホットメルト型接着剤である。
フィルム基材と不織布層の具体的な積層方法としては、接着剤の種類などによっても異なり、特に限定されないが、ホットメルト型接着剤を用いる場合には、不織布上及び/又はフィルム基材上に接着剤を塗布した後、両者を貼り合わせる方法が挙げられる。中でも、不織布層上にホットメルト型接着剤を塗布した後、基材フィルムを貼り合わせる方法が好ましく例示される。
上記接着剤の塗布方法としては、公知慣用の塗布方法を用いることが可能である。例えば、ホットメルト型接着剤を用いる場合も、当該接着剤の塗布方法として用いられる公知慣用の方法を用いることが可能であり、特に限定されないが、例えば、フィルム基材として多孔質フィルム基材を用いる場合には、通気性を維持する観点から、スプレー塗布による塗布が好ましい。一方、非通気性のフィルム基材の場合には、スプレー塗布の他、ストライプ塗工や全面塗工を用いてもよい。
接着剤の塗布量(固形分)は、特に限定されないが、カイロ製袋時のヒートシール部の接着性と経済性の観点から、0.5〜20g/m2が好ましく、より好ましくは1〜8g/m2である。
本発明の袋体構成部材において、フィルム基材と不織布層の剥離力を上記範囲に制御する観点からは、不織布層を貼り合わせる側のフィルム基材表面の表面張力(JIS K6768に準拠して測定)を30〜45dyn/cmとすることが好ましく、より好ましくは33〜40dyn/cmである。フィルム基材の表面張力が45dyn/cmを超える場合には強固に接着しすぎる場合があり、30dyn/cm未満では接着剤をはじく場合がある。なお、上記表面張力範囲に制御するためには、フィルム基材に一般的に施されるコロナ処理などを行わないことが好ましい。
また、フィルム基材と不織布層の貼り合わせる際の貼り合わせ温度は、40〜110℃が好ましく、より好ましくは60〜100℃、さらに好ましくは60〜95℃である。貼り合わせ温度はフィルム基材と不織布層の剥離力に大きな影響を及ぼし、40℃未満では、剥離力が低すぎて、製造・加工工程中にフィルム基材と不織布層が剥離して、生産性が低下する場合がある。一方、110℃を超えると、剥離力が高くなりすぎて、カイロ製造段階で又はカイロ使用時にフィルム基材と不織布層が剥離せず、風合いや肌触りが悪くなる場合がある。
本発明の袋体構成部材には、必要に応じて、被着体にカイロを貼付するための粘着剤層が設けられていてもよい。上記粘着剤としては、特に制限されず、例えば、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤(アクリルウレタン系粘着剤)、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、フッ素系粘着剤などの公知の粘着剤を用いることができる。また、上記粘着剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記の中でも、ゴム系、ウレタン(アクリルウレタン)系粘着剤が特に好ましい。
上記ゴム系粘着剤としては、例えば、天然ゴムや各種の合成ゴムをベースポリマーとしたゴム系粘着剤が挙げられる。合成ゴムをベースポリマーとしたゴム系粘着剤としては、例えば、スチレン・ブタジエン(SB)ゴム、スチレン・イソプレン(SI)ゴム、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)ゴム、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)ゴム、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)ゴム、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)ゴム、スチレン・エチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIPS)ゴム、スチレン・エチレン・プロピレンブロック共重合体(SEP)ゴムなどのスチレン系ゴム(スチレン系エラストマーともいう)、ポリイソプレンゴム、再生ゴム、ブチルゴム、ポリイソブチレンや、これらの変性体などが挙げられる。中でも、スチレン系エラストマーの粘着剤が好ましく、さらに好ましくは、SIS、SBSである。これらの1種又は2種以上の混合物を適宜選択して用いることができる。
上記ウレタン系粘着剤としては、公知慣用のウレタン系粘着剤を用いることが可能で、特に限定されないが、例えば、特許第3860880号や特開2006−288690号公報で例示されているウレタン系粘着剤等を好適に用いることができる。中でも、イソシアネート/ポリエステルポリオールから構成されるアクリルウレタン系粘着剤が好ましい。また、肌に直接貼付する場合の肌への刺激を低減する観点から、上記アクリルウレタン系粘着剤は、気泡を有する発泡タイプの粘着剤であることが好ましい。このような発泡タイプの粘着剤は、例えば、粘着剤中に公知慣用の発泡剤を添加するなどの方法により作製することができる。
また、粘着剤は、いずれの形態を有している粘着剤であってもよく、例えば、エマルジョン型粘着剤、溶剤型粘着剤、熱溶融型粘着剤(ホットメルト型粘着剤)などが挙げられる。なお、上記の中でも、溶剤を用いなくても、熱により溶融させることにより塗工することができ、塗布面(粘着剤層を形成する面)が、多孔性の面(例えば、不織布による面など)であっても、多孔性の面に直接塗布して粘着剤層を形成することができる利点から、熱溶融型粘着剤(ホットメルト型粘着剤)が特に好ましく例示される。
上記粘着剤を袋体構成部材上に塗布する際には、公知乃至慣用のコーティング方式、例えば、ロールコーティング方法、ダイコーティング方法、グラビアコーティング方法、バーコーティング方法、メルトブローやカーテンスプレー方法等の適宜の塗工方式を利用することができる。粘着剤層は、例えば、ストライプ塗工を利用してストライプ状に、ドット塗工を利用してドット状に部分的に形成されていてもよい。
適正な塗布量(固形分)としては、粘着剤の種類などに応じて適宜選択することができるが、例えば、10〜200g/m2程度であり、好ましくは15〜150g/m2である。
上記粘着剤の塗布層には、粘着剤の種類によっても異なり特に限定されないが、乾燥、熱硬化や活性エネルギー線硬化処理が施される。上記塗布層を乾燥乃至熱硬化させる際などで加熱する方法としては、特に制限されず、公知の加熱方法(例えば、電熱ヒーターを用いた加熱方法、赤外線等の電磁波を用いた加熱方法など)から適宜選択して採用することができる。また、活性エネルギー線硬化させる際に活性エネルギー線を照射する方法としては、特に制限されず、公知の方法(例えば、有電極の高圧水銀ランプ、オゾンレスランプ、メタルハライドランプ、無電極マイクロウェーブランプ等の公知の紫外線ランプを用いた紫外線照射方法など)から適宜選択して採用することができる。
粘着剤層の厚み(乾燥乃至硬化後の厚み)は、粘着力やコスト等の観点から、10〜200μmが好ましく、より好ましくは15〜150μm程度である。
本発明の袋体構成部材には、伸縮性を向上させたり、応力を分散し剥がれを防止する観点、通気性を付与し汗を逃がす観点から、スリットが設けられていてもよい。
[使い捨てカイロ]
本発明の袋体構成部材と本発明の袋体構成部材、または本発明の袋体構成部材と多孔質フィルムなどの他の袋体構成部材とをヒートシールして袋体とし、袋体の内部に発熱体を封入することにより、本発明の使い捨てカイロを形成することができる。なお、袋体に用いられる2つの袋体構成部材のうち、少なくとも片方は通気性を有している必要があり、例えば、多孔質のフィルム基材と不織布の積層体が用いられる。本発明の袋体構成部材のみから袋体を形成する場合、本発明の袋体構成部材は表材および裏材の両方として用いられる。また、本発明の袋体構成部材と他の袋体構成部材から袋体を形成する場合には、本発明の袋体構成部材は、カイロの裏材(貼り付ける際に被着体側となる部材)として用いてもよいし、表材(貼り付ける際に被着体と反対側となる部材)として用いてもよい。なお、図3は本発明の袋体構成部材を表材、他の袋体構成部材を裏材として用いた使い捨てカイロの一例(フィルム基材と不織布層が仮着状態であるカイロの例)を示す概略断面図である。また、図5は本発明の袋体構成部材を表材および裏材の両方として用いた使い捨てカイロの一例(フィルム基材と不織布層が仮着状態であるカイロの例)を示す概略断面図である。
なお、本発明の袋体構成部材と貼り合わされる他の袋体構成部材としては、特に限定されず、公知の袋体構成部材を用いることが可能であり、例えば、本発明の袋体構成部材に用いられるフィルム基材として例示したものと同様のフィルム基材や粘着シート、不織布とヒートシール層の積層体などを用いることが可能である。
本発明の使い捨てカイロにおける袋体の形成は、例えば、一の袋体構成部材ともう一つの袋体構成部材とが向かい合った状態で且つ袋体となるようにヒートシールすることにより行う。この際、ヒートシール性樹脂からなる層同士が向かい合うようにすることが好ましい。ヒートシールする方法(装置)は特に限定されないが、ヒートシーラーによる圧着が好ましい。その際のヒートシール温度は、強固に接着する観点から、90〜250℃が好ましく、より好ましくは130〜200℃である。圧力は0.5〜30kg/cm2が好ましく、より好ましくは2.0〜10kg/cm2である。また、ヒートシール時間は、生産性の観点から0.02〜1.0秒が好ましく、より好ましくは0.05〜0.5秒である。
本発明の使い捨てカイロに用いられる発熱体は、従来の使い捨てカイロ等に用いられる発熱体を使用することができ、特に限定されず、例えば、鉄粉などの金属粉、活性炭、水、保水剤(木粉、バーミキュライト、けい藻土、パーライト、シリカゲル、アルミナ、吸水性樹脂など)、食塩などを用いることができる。
本発明の使い捨てカイロには、使用までの間、粘着剤層を保護するために、公知乃至慣用の剥離フィルム(セパレータ)が設けられていてもよい。
本発明の使い捨てカイロにおいては、本発明の袋体構成部材は、カイロの使用段階では、ヒートシール部以外の部分の、フィルム基材と不織布層が剥離した状態となる(図4、図6)。このため、不織布層が独立した状態となり、不織布層独特の風合い、肌触りが損なわれることなく発揮される。本発明の袋体構成部材をカイロの裏材(内側部材)として用いた場合には肌触りが向上し、表材(外側部材)として用いた場合には手触り感や外観などの風合いが向上する。なお、ヒートシール部は、比較的高温でヒートシールされていることにより、フィルム基材と不織布層が強固に接着しているため、使用工程で両層が剥離してトラブルを生じることはない。
上記のように、使用段階で袋体構成部材のフィルム基材と不織布層が上記のように剥離した状態とするためには、使い捨てカイロの製造工程において同時にフィルム基材と不織布層を剥離させてもよいし、使い捨てカイロの使用の際にフィルム基材と不織布層が剥離するようになっていてもよい。前者の場合(カイロ製造工程で剥離させる場合)には、使い捨てカイロとして販売される段階では、既に、ヒートシール部以外のフィルム基材と不織布層は剥離された状態であり、一方、後者の場合(カイロ使用時に剥離する場合)には、使い捨てカイロ販売時においては、フィルム基材と不織布層は仮着状態のままである。
使い捨てカイロの製造工程においてフィルム基材と不織布層を剥離させる方法としては、特に限定されないが、例えば、袋体構成部材を繰り出す際に袋体構成部材に比較的高い張力をかけて、フィルム基材と不織布層を剥離させながらヒートシールをする方法が挙げられる。また、仮着状態のままヒートシールを行い使い捨てカイロを製造した後に、本発明の袋体構成部材の不織布層上から真空吸引を行ったり、不織布層上を粘着ロールで処理することにより、フィルム基材から不織布層を剥離させる方法などが挙げられる。
使い捨てカイロの使用の際にフィルム基材と不織布層が剥離する場合には、カイロ使用時(発熱体が発熱する時)に、通気性と酸素消費量のバランスによる減圧効果により袋体構成部材のフィルム基材が発熱体に密着する際に、又は、使用者がカイロを触ったり揉んだりするなどにより、ヒートシール部以外の部分の、フィルム基材と不織布層が剥離する。
本発明の使い捨てカイロは、外袋に収納されてカイロ製品として販売される。上記外袋を構成する基材としては、特に制限されず、例えば、プラスチック系基材、繊維系基材(各種繊維による不織布系基材や織布系基材など)、金属系基材(各種金属成分による金属箔系基材など)などを用いることができる。このような基材としては、プラスチック系基材を好適に用いることができる。プラスチック系基材としては、例えば、ポリオレフィン系基材(ポリプロピレン系基材、ポリエチレン系基材など)、ポリエステル系基材(ポリエチレンテレフタレート系基材など)、スチレン系基材(ポリスチレン系基材の他、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体系基材等のスチレン共重合体系基材など)、アミド樹脂系基材、アクリル樹脂系基材などが挙げられる。なお、外袋用の基材は単層であってもよく、積層体であってもよい。外袋の厚さは、特に制限されず、例えば、30〜300μmが好ましい。
また、上記外袋は、酸素ガスや、水蒸気などのガス成分の透過を阻止する特性(ガスバリア性)を有する層(ガスバリア性層)を有していることが好ましい。ガスバリア性層としては、特に限定されないが、例えば、酸素バリア性樹脂層(例えば、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ポリアミド系樹脂からなる)、水蒸気バリア性樹脂層(例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂からなる)、酸素バリア性や水蒸気バリア性無機化合物層(例えば、アルミニウム等の金属単体、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の金属酸化物などの金属系化合物などからなる)などが挙げられる。ガスバリア性層は単層であってもよく(外袋用基材そのものでもよい)、積層体であってもよい。
上記外袋は、どのような形態又は構造の袋であってもよく、例えば、いわゆる「4方袋」、いわゆる「3方袋」、いわゆる「ピロー袋」、いわゆる自立性型袋(いわゆる「スタンディングパウチ」)、いわゆる「ガゼット袋」などの各種形態の袋が挙げられる。中でも、4方袋が特に好ましい。外袋は、接着剤を用いて作製されていてもよいが、4方ヒートシール袋等の如くヒートシール(熱融着)により作製されていることが好ましい。
本発明の使い捨てカイロは、粘着剤層を有しているので、身体、衣類または履物に貼付して用いられる使い捨てカイロとして好ましく用いられる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
[袋体構成部材の作製]
ナイロン系スパンボンド不織布(旭化成(株)製、商品名「エルタス」、目付量:35g/m2)の片面に、ポリアミド系熱接着剤を5g/m2の塗布量で、繊維状にスプレー塗工(180℃)した。次いで、該塗工表面に、ポリエチレン系多孔質フィルム(日東ライフテック(株)製、商品名「ブレスロン」、厚み:70μm)を、加熱圧着(80℃)して貼り合わせ、本発明の袋体構成部材(通気性袋体構成部材)(表材)を作製した。なお、上記ポリエチレン系多孔質フィルム(フィルム基材)の不織布と貼り合わせる表面の表面張力は表1に示したとおりである(以下同じである)。
[使い捨てカイロの作製]
上記で得られた袋体構成部材と貼り合わせる袋体構成部材(本発明の袋体構成部材以外の部材)(裏材)としては、ヒートシール性のポリオレフィン系フィルム(厚み:70μm)の片面に、粘着剤層(SIS系粘着剤、厚み:35μm)を設けた粘着シート(非通気性袋体構成部材)を用いた。
上記、通気性袋体構成部材のフィルム基材側と非通気性袋体構成部材の粘着剤層を設けた側と反対側が向かい合うように重ね合わせ、発熱体を封入しながら、ヒートシール(ヒートシール条件:110℃、4kg/cm2、0.5秒、テスター産業(株)製ヒートシール試験機を使用)して使い捨てカイロを作製した。なお、発熱体には、市販品カイロの内容物(鉄粉を主成分とする混合物)を用いた。カイロのサイズは、縦130mm×横95mm、ヒートシール幅5mmである(図7参照)。
さらに、該カイロを外袋(市販品カイロの外袋(PPを主成分とするガスバリアー性フィルム)を使用)に入れ、外袋もヒートシールにより密封して、カイロ製品を作製した。
実施例2
不織布としてポリエステル系スパンレース不織布(ユウホウ(株)製、商品名「S0040」、目付量:40g/m2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の袋体構成部材(通気性袋体構成部材)、使い捨てカイロおよびカイロ製品を作製した。
実施例3
実施例2と全く同様にして、本発明の袋体構成部材(通気性袋体構成部材)を作製した。
次いで、表材、裏材の両方に上記通気性袋体構成部材を用いて使い捨てカイロを作製した。上記通気性袋体構成部材のフィルム基材側同士が向かい合うように重ね合わせ、実施例1と同様にして使い捨てカイロおよびカイロ製品を作製した。
なお、裏材表面には、カイロの両端部分に25mm幅で、実施例1と同じ粘着剤からなる縦方向の帯状の粘着剤層(SIS)を設けた。裏材面の不織布の肌触りを残すために、裏材面の面積の30%以上の非粘着部分を残すように粘着剤層を設けた。実施例4も同様とした。
実施例4
実施例2と全く同様にして、本発明の袋体構成部材(通気性袋体構成部材)(表材)を作製した。
次いで、実施例2で用いたものと同様のポリエステル系スパンレース不織布(ユウホウ(株)製、商品名「S0040」、目付量:40g/m2)の片面に、ポリアミド系熱接着剤を5g/m2の塗布量で、繊維状にスプレー塗工(180℃)した。次いで、該塗工表面に、ヒートシール性のポリエチレン系フィルム(厚み:50μm)を、加熱圧着(80℃)して貼り合わせ、本発明の袋体構成部材(非通気性袋体構成部材)(裏材)を作製した。
上記、通気性袋体構成部材と非通気性袋体構成部材のフィルム基材側同士が向かい合うように重ね合わせ、実施例1と同様にして使い捨てカイロおよびカイロ製品を作製した。
実施例5
不織布とポリエチレン系多孔質フィルムを貼り合わせる際の加熱圧着温度を95℃に変更した以外は、実施例2と同様にして、本発明の袋体構成部材(通気性袋体構成部材)、使い捨てカイロおよびカイロ製品を作製した。
なお、上記実施例1〜5では、使い捨てカイロ製造時に不織布層と基材フィルムは剥離させておらず、使い捨てカイロ製造時に、本発明の袋体構成部材の不織布層と基材フィルムは仮着状態であった。
比較例1
ポリエチレン系多孔質フィルムのかわりに、表面処理(コロナ処理、条件:0.3kW)を施したポリエチレン系多孔質フィルム(実施例1と同じ、厚み:70μm)を用い、貼り合わせる際の加熱圧着温度を90℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、袋体構成部材(通気性袋体構成部材)を作製した。なお、上記表面処理面を不織布との貼り合わせる面とし、該表面の表面張力は表1に示したとおりである(以下同じである)。
通気性袋体構成部材として、上記通気性袋体構成部材を用いた以外は、実施例1と同様にして、使い捨てカイロおよびカイロ製品を作製した。
比較例2
ポリエチレン系多孔質フィルムのかわりに、表面処理(コロナ処理、条件:0.3kW)を施したポリエチレン系多孔質フィルム(実施例1と同じ、厚み:70μm)を用い、貼り合わせる際の加熱圧着温度を100℃に変更した以外は、実施例2と同様にして、袋体構成部材(通気性袋体構成部材)を作製した。
通気性袋体構成部材として、上記通気性袋体構成部材を用いた以外は、実施例1と同様にして、使い捨てカイロおよびカイロ製品を作製した。
比較例3
ポリエチレン系多孔質フィルムのかわりに、表面処理(コロナ処理、条件:1.5kW)を施したポリエチレン系多孔質フィルム(実施例1と同じ、厚み:70μm)を用い、貼り合わせる際の加熱圧着温度を120℃に変更した以外は、実施例3と同様にして、袋体構成部材(通気性袋体構成部材)を作製し、表材、裏材の両方に上記通気性袋体構成部材を用いて、使い捨てカイロおよびカイロ製品を作製した。
比較例4
ポリエチレン系多孔質フィルムのかわりに、表面処理(コロナ処理、条件:1.0kW)を施したポリエチレン系多孔質フィルム(実施例1と同じ、厚み:70μm)を用い、貼り合わせる際の加熱圧着温度を120℃に変更した以外は、実施例4と同様にして、袋体構成部材(通気性袋体構成部材)を作製した。
また、ヒートシール性のポリエチレン系フィルムのかわりに、表面処理(コロナ処理、条件:1.0kW)を施したヒートシール性のポリエチレン系フィルム(実施例4と同じ、厚み:50μm)を用い、貼り合わせる際の加熱圧着温度を120℃に変更した以外は、実施例4と同様にして、袋体構成部材(非通気性袋体構成部材)を作製した。
上記通気性袋体構成部材と非通気性袋体構成部材を用いて、実施例4と同様にして使い捨てカイロおよびカイロ製品を作製した。
上記実施例、比較例における不織布とフィルム基材の貼り合わせ温度およびフィルム基材の不織布と貼り合わせる側の表面の表面張力を表1に示す。
また、上記実施例、比較例において作製した袋体構成部材の不織布層とフィルム基材の剥離力(ヒートシール部以外およびヒートシール部)、使い捨てカイロとして使用した場合の不織布層とフィルム基材の剥離状態および使い捨てカイロの風合い・肌触りの評価結果を表1に示す。
なお、上記の評価は以下のとおり行った。
[評価]
(1)不織布層とフィルム基材の剥離力(ヒートシール部以外の部分)
実施例、比較例で得られた袋体構成部材(不織布層とフィルム基材を有する部材)から、100mm(長手方向)×25mm(幅方向)の短冊状サンプルを切り出して測定に用いた。長手方向に約20mm程度、フィルム基材と不織布を剥がしたものを用いた。
基材フィルムと不織布層のそれぞれを両端として測定機のチャックに挟み、下記の条件で、T型剥離試験を行い剥離力(基材フィルムと不織布層の間の剥離力)を測定した。
装置 : 島津製作所(株)製「島津オートグラフ」
サンプル幅 : 25mm
引張速度 : 300mm/分
温湿度環境 : 23℃、50%RH
繰り返し数 : n=3
算出方法 : 剥離荷重の平均値(剥離距離20〜60mmのデータより算出)
(2)不織布層とフィルム基材の剥離力(ヒートシール部)
実施例、比較例で得られた使い捨てカイロから、図7に示すように、ヒートシール部を含むように、50mm(長手方向)×25mm(幅方向)の短冊状サンプルを切り出して測定に用いた。
切り出したサンプルの不織布とフィルム基材を、長手方向に約20mm程度剥がした上で、それぞれ両端として測定機のチャックに挟み、上記(1)と同様にT型剥離試験を行った。剥離力(基材フィルムと不織布層の間の剥離力)を測定した。なお、ヒートシール部(剥離距離にして5mm分)における剥離荷重の最大値をもって、ヒートシール部の剥離力(基材フィルムと不織布層の間の剥離力)とした。
(3)基材フィルムと不織布の剥離状態
実施例、比較例で作製した使い捨てカイロを、外袋から取り出し、実使用を想定して2〜3回手で揉んだ後、衣類(腰部)に貼り付けて1時間使用した後、不織布層とフィルム基材の剥離状態を、目視にて観察した。
ヒートシール部以外の部分において、フィルム基材と不織布層がそれぞれ破壊しておらず、不織布層(接着剤層を含む)とフィルム基材の界面で剥離している場合には、剥離状態良好(○)と判断した。一方、フィルム基材または不織布層が破壊している場合や、不織布層とフィルム基材が剥離していない場合には剥離状態不良(×)と判断した。
(4)風合い、手触り
実施例、比較例で作製した使い捨てカイロを、以下の規準で評価した。なお、実施例については本発明の袋体構成部材について、比較例については本発明の袋体構成部材のかわりに用いた不織布とフィルム基材の積層体からなる袋体構成部材について評価した。
風合い・肌触り良好(○)・・・全面において、不織布同様の柔らかい手触りであり、指を滑らせた際に不織布が変形して柔らかさを感じる。
風合い・肌触り不良(×)・・・不織布がフィルム基材に固定されており、指を滑らせても不織布は変形せず、柔らかさを感じない。
Figure 0004881790
表1からも明らかなとおり、不織布層とフィルム基材を仮着状態(剥離力が0.2N/25mm以下)とした袋体構成部材を用いた使い捨てカイロ(実施例)は、カイロ使用時に不織布層とフィルム基材が剥離状態となり、カイロは優れた風合い・肌触りを有していた。一方、不織布層とフィルム基材の剥離力が0.2N/25mmを超える袋体構成部材を用いた使い捨てカイロ(比較例)はカイロ使用時にも不織布層とフィルム基材が十分に剥離せず、カイロの風合いや肌触りは劣るものであった。
さらに、不織布層とフィルム基材はヒートシール部においては、十分に高い接着力を示していた。
貼り付けタイプの使い捨てカイロの一例を示す概略断面図である。 本発明の使い捨てカイロ用袋体構成部材の一例を示す概略断面図である。 本発明の使い捨てカイロ用袋体構成部材を表材として用いた使い捨てカイロ(使用前・不織布層とフィルム基材が仮着の状態)の一例を示す概略断面図である。 本発明の使い捨てカイロ用袋体構成部材を表材として用いた使い捨てカイロ(使用時に不織布層とフィルム基材が分離した状態)の一例を示す概略断面図である。 本発明の使い捨てカイロ用袋体構成部材を表材及び裏材として用いた使い捨てカイロ(使用前・不織布層とフィルム基材が仮着の状態)の一例を示す概略断面図である。 本発明の使い捨てカイロ用袋体構成部材を表材及び裏材として用いた使い捨てカイロ(使用時に不織布層とフィルム基材が分離した状態)の一例を示す概略断面図である。 実施例で作製した使い捨てカイロの表材側(被着体と反対側)からみた概略説明図およびヒートシール部の不織布層とフィルム基材の剥離力測定用のサンプルの切り出し位置を示した説明図ある。
符号の説明
1 袋体構成部材
2 袋体構成部材
3 発熱体
4 粘着剤層(被着体との貼付用)
5 不織布層
6 接着剤層
7 フィルム基材
8 他の袋体構成部材
9 使い捨てカイロ
10 ヒートシール部
11 ヒートシール部の不織布層とフィルム基材の剥離力測定用のサンプルの切り出し位置

Claims (6)

  1. フィルム基材上に不織布層が積層された構造を少なくとも含む積層部材であって、前記フィルム基材と前記不織布層がホットメルト型接着剤を介して積層されており、かつ前記フィルム基材と前記不織布層が仮着状態であることを特徴とする使い捨てカイロ用袋体構成部材を、カイロ用袋体の構成部材の少なくとも一部として含み、
    前記フィルム基材が前記不織布層よりも前記カイロ用袋体の内部側に位置することを特徴とする使い捨てカイロ。
  2. 前記使い捨てカイロ用袋体構成部材が、表面張力が30〜45dyn/cmである前記フィルム基材表面上に、前記不織布層を、前記ホットメルト型接着剤により貼り合わせ温度60〜100℃の条件で貼り合わせる方法により製造された使い捨てカイロ用袋体構成部材である請求項1に記載の使い捨てカイロ
  3. 前記フィルム基材が、多孔質フィルムによるヒートシール層を有するフィルム基材である請求項1または2に記載の使い捨てカイロ。
  4. 前記多孔質フィルムが、ポリオレフィン系多孔質フィルムである請求項3に記載の使い捨てカイロ。
  5. 前記カイロ用袋体がヒートシールにより形成されており、
    使用時に、ヒートシール部以外の前記フィルム基材と前記不織布層が剥離し、ヒートシール部の前記フィルム基材と前記不織布層は剥離しない状態となる請求項1〜4のいずれか1項に記載の使い捨てカイロ。
  6. 前記ヒートシール部における前記フィルム基材と前記不織布層の接着力が3.0N/25mm以上である請求項5に記載の使い捨てカイロ。
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