JP2009184704A - ガラス用合紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】高度な表面性が必要とされるガラスの間に挿入され使用される合紙、特に一方の辺が1,500mm以上の大判のガラス用に関して、合紙が挿入された状態での搬送時において、ガラスと合紙との境界に存在する異物等によるガラス表面の傷入りを防止でき、かつ高品質なパルプ原料として多様な用途への再利用ができるガラス用合紙とする。
【解決手段】パルプ原料を主成分とするガラス用合紙であって、坪量が30〜60g/m2であり、JISP8118に準拠した、ガラス用合紙の巾方向の紙厚を2cm間隔で測定した、隣接する測定点の最大紙厚差が8μm以下かつ紙厚の最大値と最小値の差が16μm以下である
【選択図】なし

Description

本発明は、高い表面性が必要とされるガラス、特に液晶テレビやプラズマテレビなどのフラットパネルディスプレイに用いられるガラス基板の間に挿入され使用される合紙に関する。さらに詳しくは、合紙が挿入された状態での搬送時において、ガラス基板と合紙が不均一に接触することによるガラス表面の傷入りが防止できるガラス用合紙に関するものであり、特に一方の辺が、1,500mmを超える、大判のガラス基板に好適に用いられるガラス用合紙に関するものである。
この種のガラス用合紙は、ガラスどうしの擦れによる傷入り防止を主な目的として、長網抄紙機で抄造したクラフト紙や更紙等がガラス間に挿入され使用されていた。
近年、ガラスの多様化により、ガラス用合紙に対する品質要求がきびしくなっている。たとえば、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイに用いられるガラス基板では、ガラス表面に電子部材等が皮膜処理されるため、ガラス表面に要求される清浄度や表面平坦性が高く、そのためガラス用合紙に対する品質要求も厳しくなってきている。さらに、ガラス基板の大型化・量産化に伴い、搬送効率を高めるため、ガラス基板を極力重ねて搬送するようになり、ガラス合紙との接触面積が飛躍的に拡大する結果から、ガラス基板が横ズレした際の、ガラス基板と合紙との境界に存在するガラス粉等異物による傷入りの発生がさらに大きな問題となっている。
フラットパネルディスプレイに用いられるガラス基板に対しては、これまでガラス表面への汚染と傷入りの防止を目的として、内添薬品とパルプ原料をコントロールし、紙中の樹脂分を極力低減するとともに密度を下げる提案が開示されている(特許文献1:特開平18−044674)。しかしながら、ガラス基板の搬送時に起きる横ズレ、特に大判のガラス搬送に対しては、表面平坦性の低い従来のクラフト紙や更紙では上述の課題を十分に達成することが難しく、ガラス基板との密着性がよく、かつクッション性のあるガラス用合紙が望まれていた。また、ガラス基板の量産化、大型化によりガラス用合紙の使用量が増大しているため、使用済みガラス合紙の保管場所や処理方法にも問題が生じている。
ガラス合紙は、比較的樹脂分の低いパルプ原料で構成されており、薬品の添加や樹脂分が浸出し易い叩解処理等の、従来抄紙する際に成されていた前処理が殆ど施されていないため、純度の高いバージンパルプ原料として幅広い用途への再利用が可能である。そこで、リサイクル性に優れている点に着目し、使用済みガラス用合紙が発生したのち、離解してパルプ化する、すなわち減容化し、原料パルプとして用いることで上記問題が解決できるため、使用時の品質要求だけでなく、使用後の離解性にも優れたガラス用合紙も要望されている。
特開平18−044674号公報
本発明が解決しようとする主たる課題は、高い表面性(傷入り、密着性等)が必要とされるガラス、その中でも特に液晶テレビやプラズマテレビなどのフラットパネルディスプレイに用いられるガラス基板の間に挿入され使用される合紙、特に一方の辺が1,500mm以上の大判のガラス用にも好適に用いられるガラス合紙を提供することにある。特に、合紙が挿入された状態での搬送時において、ガラス基板と合紙との境界に存在する異物等によるガラス表面の傷入りの防止、ガラスとの密着性に優れ、かつ高品質なパルプ原料として多様な用途への再利用ができるガラス用合紙を提供する。
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
パルプ原料を主成分とするガラス用合紙であって、坪量が30〜60g/m2であり、 JISP8118に準拠した、ガラス用合紙の巾方向の紙厚を2cm間隔で測定した、隣接する測定点の最大紙厚差が8μm以下かつ紙厚の最大値と最小値の差が16μm以下であることを特徴とするガラス用合紙。
〔請求項2記載の発明〕
JISP8220に準拠して離解したガラス用合紙製品離解パルプの、JISP8121に準拠したカナダ標準ろ水度試験器による濾水度が500〜680mlである請求項1記載のガラス用合紙。
〔請求項3記載の発明〕
前記パルプ原料として、使用するパルプ原料の平均繊維長が1.0mm以上1.6mm未満であり、NBKPとLBKPの配合割合が50/50〜15/85重量%である請求項1または2記載のガラス用合紙。
〔請求項4記載の発明〕
紙中に濡れ向上剤を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス用合紙。
〔請求項5記載の発明〕
少なくとも片方が艶面を有するヤンキー紙である請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラス用合紙。
本発明によると、高い表面性が必要とされるガラス、特に液晶テレビやプラズマテレビなどのフラットパネルディスプレイに用いられるガラス基板の間に挿入され使用される合紙、特に一方の辺が1,500mm以上の大判のガラス用にも好適に用いられるガラス合紙に関し、合紙が挿入された状態での搬送時において、ガラス基板と合紙との境界存在する異物等によるガラス表面の傷入りが防止でき、かつ高品質なパルプ原料として多様な用途への再利用ができるガラス用合紙を提供することができる。
次に、本発明の実施の形態を説明する。
本発明におけるガラス合紙の坪量については、30〜60g/m2の範囲で抄造される。より好ましくは35〜55g/m2である。米坪30g/m2未満では十分なクッション性を得ることができず、ガラス合紙として、特に一方の辺が1,500mm以上の大判のガラスに用いた場合、ガラスの荷重によりクッション性が著しく損なわれ、傷入りの問題が顕在化する。また、60g/m2を超えると、ガラス合紙の地合等に起因する、紙厚ムラが顕在化すると共に表面平坦性が低下し、特に接触面積の大きい一方の辺が1,500mm以上の大判のガラスに用いた場合にガラスとの密着が生じにくくなる。さらに、離解性、搬送時の荷重も増加するため作業性も低下する。
本発明に基づくガラス合紙は、JISP8220に準拠して離解したガラス用合紙製品離解パルプの、JISP8121に準拠した濾水度が500〜680mlが望ましく、より好適には、580〜670ml、さらに好適には610〜650mlである。
濾水度が500ml未満の原料パルプを用いたガラス合紙は、緊度が高くなるため、加圧時のクッション性が低くなり、ガラスと合紙の境界に異物が存在すると傷入りが発生する場合がある。また、紙自体の腰(剛度)が低くなり、搬送中や作業中にガラスからガラス合紙が脱落する問題が生じるおそれがある。一方、濾水度が680mlを超えると、ガラス合紙の地合が悪くなり、本発明者等の鋭意検討で知見した、ガラス用合紙の巾方向の紙厚を2cm間隔で測定した最大隣接差が8μm以下かつ紙厚の最大値と最小値の差が16μm以下に調整することが困難である。
本発明に基づく、ガラス用合紙の巾方向の紙厚は、JISP8118に準拠した、ガラス用合紙の巾方向の紙厚を2cm間隔で測定した、隣接する測定点の最大紙厚差(以下「最大隣接差」ともいう。)が8μm以下、好ましくは6〜8μm、より好ましくは、6〜7μmであり、かつ紙厚の最大値と最小値の差が16μm以下、好適には15μm以下、より好適には14μm以下である。特に一方の辺が1,500mm以上の大判のガラス用合紙では、ガラスとの接触面積が多くなるため、傷入りの問題が顕在化する。
本発明における、JISP8118に準拠した、ガラス用合紙の巾方向の紙厚の最大隣接差は、ガラス合紙の幅方向において、2cmの間隔を開けて測定した紙厚の幅方向において隣あう測定値の差異を指し、紙厚の最大値と最小値の差は、同様に測定したガラス合紙の幅方向連続する40箇所の紙厚における最大値と最小値の差を云う。紙厚の巾方向への測定は、紙中のフロックの大きさが約2cmであるため、2cmの間隔で測定を行うのが望ましい。
2cm以上の間隔で測定を行うと、紙中の凹凸を捕らえ難く最大隣接差が小さくなるため、抄紙条件ごとの差が出難い。 2cm以下の間隔で測定を行っても、最大隣接差、最大値と最小値の差が、2cm間隔で測定した結果と変化がない。このため、2cm間隔で測定することで、最小の測定数で、信頼できる値を得ることができる。このように、測定間隔は2cm間隔が最適であるが、1.0〜4.0cmの範囲内である限り、前述の目的を達成できることを知見している。
パルプ原料としては、清浄度が要求されるガラスに対し、漂白処理を施し樹脂分を低くコントロールさせた晒クラフトパルプ(NBKP、LBKP)を好適に用いることができる。
古紙からなる古紙再生パルプ(一般にDIPと呼ぶ)の使用も考えられるが、古紙に異物として混入する背糊等に使われる樹脂分や、紙中に内添されたサイズ剤、紙力増強剤などの機能性薬品、塗工紙に用いられるラテックス等のバインダー成分が古紙パルプ中には多量に含まれており、樹脂分が多いとガラス表面のシラノール基に極性有機物が水素結合により強く付着し、その上にファンデルワールス力により炭化水素系の有機物層が形成されるためガラス表面を汚染する場合があり、本発明者らの知見によるとISO624−1974のパルプ中に存在する樹脂量を測定する方法に準じて測定した紙中に含まれる樹脂分が0.2%を超えるとガラス表面を汚染させる可能性が大ききため、0.2%以下に抑えなくてはならないとの報告がなされている(特開2006−44674号公報の段落0028参照)。そのため、DIPを使用する際には、古紙に含まれている不純物を取り除き、さらに離解した後、アルカリ等薬品を用いて、パルプ繊維から無機物や樹脂分等からなるインキ膜を取り除き、界面活性剤等に捕集させ繊維から分離除去して得られたDIPを使用することが好ましい。
本発明のガラス合紙における好適な原料パルプとして、ガラスに密着した際のガラス表面の傷入り防止機能、搬送適性、耐汚染性、密着性を向上するため、パルプ原料の平均繊維長が1.0mm以上1.6mm未満、好適には1.2〜1.6mm未満、特には、1.3〜1.5mmの範囲の原料パルプを用いることが好ましい。
原料パルプの平均繊維長が1.0mm以上1.6mm未満の範囲であれば、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができるが、好適には、樹脂含有分の少ない漂白処理パルプである、NBKPとLBKPを選択して用いることができる。
パルプ原料の平均繊維長が1.0mm未満であると、地合の均一性は向上するものの、緊度が上がるため、十分なクッション性が得られず、圧縮された際に異物の吸収ができず、ガラス表面の傷入りが発生しやすくなる。
一方、平均繊維長が1.6mm以上であると、パルプ繊維の結束が発生し、地合の低下を招き、表面平坦性が低下するためガラス用合紙の巾方向の紙厚を2cm間隔で測定すると最大隣接差が8μm以下かつ紙厚の最大値と最小値の差が16μm以下に調整することが困難であるとともに、ガラス基板に対するガラス用合紙の密着性が低下して、特に一方の辺が1,500mm以上の大判のガラス用合紙では、搬送時において横ズレによる傷入りが発生しやすくなる。また、繊維長が長いため離解時にフロックや未離解残渣を生じやすく、再利用時の妨げになる。
好適に用いることができるNBKPとLBKPは、その配合比を50/50〜15/85重量%とすることがより好ましい。NBKPの配合量については、15重量%未満であると、ガラス用合紙に十分なクッション性を付与することが困難でとなり、50重量%を超えると、パルプ繊維の結束が発生しやすくなり、搬送時において横ズレによる傷入りも発生しやすくなる傾向がある。
他方、ガラス合紙の表面性とクッション性の関係においては、ガラス間に圧縮された状態でのガラスと合紙との密着状態を知る指標として、加圧条件下での平滑性が測定できるマイクロトポグラフがある。ガラス合紙では、圧縮された状態での平滑性がより高いほうが、ガラスとの密着が高まるため、ガラス表面の傷入りが発生しにくくなる。合紙の少なくとも片面のマイクロトポグラフについては、搬送時の加圧力と想定される23kgf/cm2条件下で6.0μmを超えると、圧縮条件下でもガラスと合紙との境界で横ズレが生じ、ガラス表面に存在するガラス粉等異物によるガラス傷入りが生じやすくなる。好ましくは、23kgf/cm2条件下で5.0μm以下である。
JIS Z 4502に準拠した水解性が180秒を超えると、パルパー設備での離解性が低下し減容効果が低いとともに、未離解(完全にパルプ繊維がほぐれない状態)が発生しやすいことから、パルプ原料としても再利用が困難となる。
本発明においては、JIS Z 4502に準拠した水解性が180秒以下、好ましくは170秒以下が好ましい。
クッション性に寄与する要素として、坪量、平均繊維長、ガラス合紙自体の緊度、抄紙方法のほかに、パルプ繊維自体の構造がある。パルプ繊維には内腔が存在し、それ自体が潰れることによって、紙全体としてのクッション機能に繋がるため、内腔と外環となる細胞壁の厚みとの比率がクッション性にとって重要となる。そこで、パルプ繊維のクッション性を評価する指標としてルンケル比Rがある。ルンケル比は、繊維のルーメン(内腔)の幅Lと細胞壁の厚さtによって求められる値であり、R =2 ・t /L によって表される。このルンケル比は、数値が低いほど同じ径に対して繊維壁の厚みが小さくなり、繊維は柔軟性を持つ。ルンケル比が0.8以下であれば、圧縮条件下でガラスとの境界にあるガラス粉等異物を紙中に吸収しやすくなる。ルンケル比が0.8以下のパルプ繊維を得るには、木材として比較的成長の早い植林木等を原料とするのが好ましい。また、クッション機能として重要となるパルプ繊維本来の形状を保つには、叩解をできるだけ抑え、原料フリーネスを500ml以上、好適には580ml以上とするのが望ましい。
クッション性を得る抄紙方式としては、円網もしくは長網により脱水し、少なくとも片面が艶面となるヤンキー乾燥機を備えたヤンキー抄紙機を採用することが好ましい。ヤンキー抄紙機を用いて製造することで、寸法安定性も向上する付帯効果を有する。
寸法安定性については、ヤンキー抄紙機を用いて製造することの他、パルプ原料として、使用するパルプ原料の平均繊維長を1.0mm以上1.6mm未満にすること、NBKPとLBKPの配合割合を50/50〜15/85重量%とすることで寸法安定性の指標である水中伸度を、好ましくは2.5%以下、さらに好ましくは2.0%以下となるよう製造することが可能になる。水中伸度が2.5%を超えると、吸湿時に紙が伸び、シワ・タルミが発生する可能性が高くなる。シワ・タルミがある紙をガラス用合紙として挿入すると、ガラス基板への傷入りが発生し易くなる。
さらに、坪量が30〜60g/m2、JISP8220に準拠して離解したガラス用合紙製品離解パルプの、JISP8121に準拠した濾水度が500〜680mlであり、JISP8118に準拠した、ガラス用合紙の巾方向の紙厚を2cm間隔で測定した最大隣接差が8μm以下かつ紙厚の最大値と最小値の差が16μm以下の本発明に基づくガラス合紙を得やすくなる。
また、ヤンキー抄紙機を用いて製造することで、平均繊維長が1.0mm以上1.6mm未満、NBKPとLBKPを50/50〜15/85重量%の比率で配合しても、少なくとも片面のマイクロトポグラフが23kgf/cm2条件下で6.0μm以下となる表面平坦性が得られ、特に一方の辺が1,500mm以上の大判のガラス用合紙においても、圧縮条件下においてガラスとの密着性とクッション性を兼ね備えた性能を持ち、搬送時等において、ガラスと合紙とが横ズレせず、さらにはガラス表面に存在するガラス粉等の異物を合紙中に吸収し、ガラス表面の傷入りを防止することができる。
本発明におけるガラス合紙の紙面pHは、5.0以上になるように調整することが好ましい。紙面pHが5.0未満となるよう硫酸バンドを添加すると、パルプが凝集しフロックが発生し易くなるため地合が悪くなり、搬送時に傷が入り易くなる。硫酸バンドは、地合のことを考えると添加しないことが望ましいが、ドライヤー剥離性や他の薬品の定着を考慮すると、0.05重量%以下の添加を行う場合がある。(なお、紙面pHは紙面測定用pH計(型式MPC、共立理化学研究所製)などで測定することができる。すなわち、前記紙面測定用pH計に付属の、pH測定範囲が4.6〜6.8であるBCP溶液での発色、またはpH測定範囲が6.0〜8.0であるBTB溶液での発色を、標準板と対比させて紙面PHを測定する。)
本発明においては、さらに紙中に濡れ向上剤(界面活性剤)を内添することにより、ガラス表面に紙中物質が付着しても、付着物自体に濡れ向上剤を含むため、ガラス表面の濡れ性を低下することなく、さらに水溶液によるガラスの洗浄性も向上する。
濡れ向上剤としては、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の界面活性剤が挙げられる。その中でも特に、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルは、他の界面活性剤と比べ汎用性があり、安価であり、パルプ繊維への定着が良好であるため、パルプ繊維の離解性にも大きく寄与する。
濡れ向上剤の添加量としては、0.01〜0.50重量%が好ましく、0.50重量%を超えると、吸湿性が大きくなり折れシワが発生しやすくなるためガラス表面を傷つける可能性がある。一方、0.01重量%未満では、ガラス表面に対し、その特性効果が発現しにくい。また、濡れ向上剤の添加は、合紙自体の吸水性を高める効果があるため、離解性の向上にも寄与し、特に米坪が高いほど有効である。より好適な添加量は、対パルプ0.10〜0.30重量%である。
内添薬品としては、濡れ向上剤のほか、サイズ剤、ドライヤー剥離剤、硫酸バンド等が使用できるが、ガラスへの転移を少なくするために、ドライヤー剥離に影響が出ない範囲で、極力少ないほうが好ましい。
上記の説明から推測できるように、本発明に係る隣接する測定点の最大紙厚差及び紙厚の最大値と最小値の差を得るためには、坪量、パルプ原料の種別及び繊維長、濾水度、緊度、抄紙条件(とりわけヤンキー抄紙機の採用)などの選定によって可能である。
次に本発明に係る実施例を比較例と共に示す。得られた紙材における平均繊維長及び離解フリーネス、ルンケル比、濡れ向上剤の含有量、米坪、マイクロトポグラフ、水解性、耐汚染性、クッション性、ガラス密着性について下記の方法により評価した。結果を表1及び表2に示す。
Figure 2009184704
Figure 2009184704
表1においては、市販されている金属合紙(市販A)、金属合紙(市販B)、及び、本発明と同様にヤンキードライヤーにて乾燥処理が施され、包装用紙(手提げ袋)に供される片艶クラフト紙(市販C)を例にとり、本発明に近似の従来品として比較した。市販Cは、ガラスへの汚染対策が考慮されていないため、紙中の樹脂成分が多く、ガラス汚れが顕著であり、ガラス合紙への転用はできない品質であった。
〔坪量〕
JIS P 8124に準じて測定した値である。
〔厚み〕
JIS P 8118に準じて測定した値である。
〔水解性〕
JIS Z 4502に準じて測定した値である。詳細には、500ccビーカーに、水300cc(水温20±5℃)と直径35mm厚さ12mmの円盤状マグネット回転子とを入れる。これをマグネットスターラーに載せ、マグネット回転子の回転数を600±10回転/分になるように調整する。そのビーカー内に114mm角の試験片を投入し、試験片の離解が完全に行なわれた後、ビーカー内の回転子の回転数が540回転まで回復するまでの時間(秒)を計測した。
〔ガラスとの密着性〕
表面に十字線を明記した縦1500mm×横1500mm×厚み0.7mmサイズの大判および縦500mm×横500mm×厚み0.7mmサイズの小判のガラス及び試験片を用い、十字線が重なり合うようにガラス10枚と各ガラスの間に試験片を挿入して、ガラスセットを作成した。ガラスセットの全周囲には、外部からの塵等の混入を防ぐため透湿性のある包装材で覆った。トラックによるガラス輸送時の環境及び垂直方向の荷重、水平方向の振動を想定し、温度50℃湿度90%に保持した恒温高湿室内に設置した振動機の架台上に、ガラスセットを縦1500mm×横1500mm×厚み0.7mmサイズの大判および縦500mm×横500mm×厚み0.7mmサイズの小判のガラス面が当たるように載せ、さらにガラスセットの上面に23kgf/cm2の圧力となるように錘を載せ、この状態で15Hzの振動数で100時間横振動をさせた。振動テストをした後、ガラス中心点における試験片の横ズレ量を定規で測定し、試験片1枚あたりに数値化して、下記の基準で評価した。
・大判
5:ガラスと試験片との横ズレ量が3mm未満/枚
4:ガラスと試験片との横ズレ量が3mm以上6mm未満/枚
3:ガラスと試験片との横ズレ量が6mm以上9mm未満/枚
2:ガラスと試験片との横ズレ量が9mm以上12mm未満/枚
1:ガラスと試験片との横ズレ量が12mm以上/枚
・小判
5:ガラスと試験片との横ズレ量が1mm未満/枚
4:ガラスと試験片との横ズレ量が1mm以上2mm未満/枚
3:ガラスと試験片との横ズレ量が2mm以上3mm未満/枚
2:ガラスと試験片との横ズレ量が3mm以上4mm未満/枚
1:ガラスと試験片との横ズレ量が4mm以上/枚
評価3〜5であれば、ガラス用合紙として合格レベルである。
〔ガラスへの傷入り性〕
前記ガラスとの密着性評価において、試験片を取り除いた後のガラスを、500mm×500mmに9分割した。純水を用いて超音波洗浄機で洗浄した後、ガラス表面の状態を拡大顕微鏡で観察して、500mm×500mmのガラス1枚あたりの傷の平均個数を、下記基準で評価した。
5:ガラス表面の傷が0個/枚
4:ガラス表面の傷が1個/枚
3:ガラス表面の傷が2個/枚
2:ガラス表面の傷が3個/枚
2:ガラス表面の傷が4個以上5個未満/枚
1:ガラス表面の傷が5個以上/枚
評価3〜5であれば、ガラス用合紙として合格レベルである。
〔ガラスへの汚染性〕
前記ガラスへの傷入り性評価において、超音波洗浄した後のガラス表面について、純水による接触角を接触角測定器で測定した。この測定値を試験片と接触する前のガラス表面の接触角と対比し、ガラス表面の接触角の変化率について、下記基準で評価した。
5:接触角の変化率が10%未満/枚
4:接触角の変化率が10%以上20%未満/枚
3:接触角の変化率が20%以上30%未満/枚
2:接触角の変化率が30%以上50%未満/枚
1:接触角の変化率が50%以上/枚
評価3〜5であれば、ガラス用合紙として合格レベルである。
本発明は、高度な表面性が必要とされるガラスの間に挿入され使用される合紙、好ましくは液晶テレビやプラズマテレビなどのフラットパネルディスプレイに用いられる、特に一方の辺が1,500mm以上の大判のガラス基板の間に挿入され使用されるガラス用合紙として適用可能である。
本発明は、高い表面性が必要とされるガラス、特に液晶テレビやプラズマテレビなどのフラットパネルディスプレイに用いられるガラス基板の間に挿入され使用される合紙に関する。さらに詳しくは、合紙が挿入された状態での搬送時において、ガラス基板と合紙が不均一に接触することによるガラス表面の傷入りが防止できるガラス用合紙に関するものであり、特に一方の辺が、1,500mmを超える、大判のガラス基板に好適に用いられるガラス用合紙に関するものである。
この種のガラス用合紙は、ガラスどうしの擦れによる傷入り防止を主な目的として、長網抄紙機で抄造したクラフト紙や更紙等がガラス間に挿入され使用されていた。
近年、ガラスの多様化により、ガラス用合紙に対する品質要求がきびしくなっている。たとえば、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイに用いられるガラス基板では、ガラス表面に電子部材等が皮膜処理されるため、ガラス表面に要求される清浄度や表面平坦性が高く、そのためガラス用合紙に対する品質要求も厳しくなってきている。さらに、ガラス基板の大型化・量産化に伴い、搬送効率を高めるため、ガラス基板を極力重ねて搬送するようになり、ガラス合紙との接触面積が飛躍的に拡大する結果から、ガラス基板が横ズレした際の、ガラス基板と合紙との境界に存在するガラス粉等異物による傷入りの発生がさらに大きな問題となっている。
フラットパネルディスプレイに用いられるガラス基板に対しては、これまでガラス表面への汚染と傷入りの防止を目的として、内添薬品とパルプ原料をコントロールし、紙中の樹脂分を極力低減するとともに密度を下げる提案が開示されている(特許文献1:特開平18−044674)。しかしながら、ガラス基板の搬送時に起きる横ズレ、特に大判のガラス搬送に対しては、表面平坦性の低い従来のクラフト紙や更紙では上述の課題を十分に達成することが難しく、ガラス基板との密着性がよく、かつクッション性のあるガラス用合紙が望まれていた。また、ガラス基板の量産化、大型化によりガラス用合紙の使用量が増大しているため、使用済みガラス合紙の保管場所や処理方法にも問題が生じている。
ガラス合紙は、比較的樹脂分の低いパルプ原料で構成されており、薬品の添加や樹脂分が浸出し易い叩解処理等の、従来抄紙する際に成されていた前処理が殆ど施されていないため、純度の高いバージンパルプ原料として幅広い用途への再利用が可能である。そこで、リサイクル性に優れている点に着目し、使用済みガラス用合紙が発生したのち、離解してパルプ化する、すなわち減容化し、原料パルプとして用いることで上記問題が解決できるため、使用時の品質要求だけでなく、使用後の離解性にも優れたガラス用合紙も要望されている。
特開平18−044674号公報
本発明が解決しようとする主たる課題は、高い表面性(傷入り、密着性等)が必要とされるガラス、その中でも特に液晶テレビやプラズマテレビなどのフラットパネルディスプレイに用いられるガラス基板の間に挿入され使用される合紙、特に一方の辺が1,500mm以上の大判のガラス用にも好適に用いられるガラス合紙を提供することにある。特に、合紙が挿入された状態での搬送時において、ガラス基板と合紙との境界に存在する異物等によるガラス表面の傷入りの防止、ガラスとの密着性に優れ、かつ高品質なパルプ原料として多様な用途への再利用ができるガラス用合紙を提供する。
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
パルプ原料を主成分とするガラス用合紙であって、坪量が30〜60g/m2であり、 JISP8118に準拠した、ガラス用合紙の巾方向の紙厚を2cm間隔で測定した、隣接する測定点の最大紙厚差が8μm以下かつ紙厚の最大値と最小値の差が16μm以下であり、
さらに、ルンケル比が0.8以下、かつ、少なくとも片面のマイクロトポグラフが23kgf/cm 2 条件下で6.0μm以下であることを特徴とするガラス用合紙。
〔請求項2記載の発明〕
JISP8220に準拠して離解したガラス用合紙製品離解パルプの、JISP8121に準拠したカナダ標準ろ水度試験器による濾水度が500〜680mlである請求項1記載のガラス用合紙。
〔請求項3記載の発明〕
前記パルプ原料として、使用するパルプ原料の平均繊維長が1.0mm以上1.6mm未満であり、NBKPとLBKPの配合割合が50/50〜15/85重量%である請求項1または2記載のガラス用合紙。
〔請求項4記載の発明〕
紙中に、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルから選ばれる濡れ向上剤を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス用合紙。
〔請求項5記載の発明〕
少なくとも片方が艶面を有するヤンキー紙である請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラス用合紙。
本発明によると、高い表面性が必要とされるガラス、特に液晶テレビやプラズマテレビなどのフラットパネルディスプレイに用いられるガラス基板の間に挿入され使用される合紙、特に一方の辺が1,500mm以上の大判のガラス用にも好適に用いられるガラス合紙に関し、合紙が挿入された状態での搬送時において、ガラス基板と合紙との境界存在する異物等によるガラス表面の傷入りが防止でき、かつ高品質なパルプ原料として多様な用途への再利用ができるガラス用合紙を提供することができる。
次に、本発明の実施の形態を説明する。
本発明におけるガラス合紙の坪量については、30〜60g/m2の範囲で抄造される。より好ましくは35〜55g/m2である。米坪30g/m2未満では十分なクッション性を得ることができず、ガラス合紙として、特に一方の辺が1,500mm以上の大判のガラスに用いた場合、ガラスの荷重によりクッション性が著しく損なわれ、傷入りの問題が顕在化する。また、60g/m2を超えると、ガラス合紙の地合等に起因する、紙厚ムラが顕在化すると共に表面平坦性が低下し、特に接触面積の大きい一方の辺が1,500mm以上の大判のガラスに用いた場合にガラスとの密着が生じにくくなる。さらに、離解性、搬送時の荷重も増加するため作業性も低下する。
本発明に基づくガラス合紙は、JISP8220に準拠して離解したガラス用合紙製品離解パルプの、JISP8121に準拠した濾水度が500〜680mlが望ましく、より好適には、580〜670ml、さらに好適には610〜650mlである。
濾水度が500ml未満の原料パルプを用いたガラス合紙は、緊度が高くなるため、加圧時のクッション性が低くなり、ガラスと合紙の境界に異物が存在すると傷入りが発生する場合がある。また、紙自体の腰(剛度)が低くなり、搬送中や作業中にガラスからガラス合紙が脱落する問題が生じるおそれがある。一方、濾水度が680mlを超えると、ガラス合紙の地合が悪くなり、本発明者等の鋭意検討で知見した、ガラス用合紙の巾方向の紙厚を2cm間隔で測定した最大隣接差が8μm以下かつ紙厚の最大値と最小値の差が16μm以下に調整することが困難である。
本発明に基づく、ガラス用合紙の巾方向の紙厚は、JISP8118に準拠した、ガラス用合紙の巾方向の紙厚を2cm間隔で測定した、隣接する測定点の最大紙厚差(以下「最大隣接差」ともいう。)が8μm以下、好ましくは6〜8μm、より好ましくは、6〜7μmであり、かつ紙厚の最大値と最小値の差が16μm以下、好適には15μm以下、より好適には14μm以下である。特に一方の辺が1,500mm以上の大判のガラス用合紙では、ガラスとの接触面積が多くなるため、傷入りの問題が顕在化する。
本発明における、JISP8118に準拠した、ガラス用合紙の巾方向の紙厚の最大隣接差は、ガラス合紙の幅方向において、2cmの間隔を開けて測定した紙厚の幅方向において隣あう測定値の差異を指し、紙厚の最大値と最小値の差は、同様に測定したガラス合紙の幅方向連続する40箇所の紙厚における最大値と最小値の差を云う。紙厚の巾方向への測定は、紙中のフロックの大きさが約2cmであるため、2cmの間隔で測定を行うのが望ましい。
2cm以上の間隔で測定を行うと、紙中の凹凸を捕らえ難く最大隣接差が小さくなるため、抄紙条件ごとの差が出難い。 2cm以下の間隔で測定を行っても、最大隣接差、最大値と最小値の差が、2cm間隔で測定した結果と変化がない。このため、2cm間隔で測定することで、最小の測定数で、信頼できる値を得ることができる。このように、測定間隔は2cm間隔が最適であるが、1.0〜4.0cmの範囲内である限り、前述の目的を達成できることを知見している。
パルプ原料としては、清浄度が要求されるガラスに対し、漂白処理を施し樹脂分を低くコントロールさせた晒クラフトパルプ(NBKP、LBKP)を好適に用いることができる。
古紙からなる古紙再生パルプ(一般にDIPと呼ぶ)の使用も考えられるが、古紙に異物として混入する背糊等に使われる樹脂分や、紙中に内添されたサイズ剤、紙力増強剤などの機能性薬品、塗工紙に用いられるラテックス等のバインダー成分が古紙パルプ中には多量に含まれており、樹脂分が多いとガラス表面のシラノール基に極性有機物が水素結合により強く付着し、その上にファンデルワールス力により炭化水素系の有機物層が形成されるためガラス表面を汚染する場合があり、本発明者らの知見によるとISO624−1974のパルプ中に存在する樹脂量を測定する方法に準じて測定した紙中に含まれる樹脂分が0.2%を超えるとガラス表面を汚染させる可能性が大ききため、0.2%以下に抑えなくてはならないとの報告がなされている(特開2006−44674号公報の段落0028参照)。そのため、DIPを使用する際には、古紙に含まれている不純物を取り除き、さらに離解した後、アルカリ等薬品を用いて、パルプ繊維から無機物や樹脂分等からなるインキ膜を取り除き、界面活性剤等に捕集させ繊維から分離除去して得られたDIPを使用することが好ましい。
本発明のガラス合紙における好適な原料パルプとして、ガラスに密着した際のガラス表面の傷入り防止機能、搬送適性、耐汚染性、密着性を向上するため、パルプ原料の平均繊維長が1.0mm以上1.6mm未満、好適には1.2〜1.6mm未満、特には、1.3〜1.5mmの範囲の原料パルプを用いることが好ましい。
原料パルプの平均繊維長が1.0mm以上1.6mm未満の範囲であれば、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができるが、好適には、樹脂含有分の少ない漂白処理パルプである、NBKPとLBKPを選択して用いることができる。
パルプ原料の平均繊維長が1.0mm未満であると、地合の均一性は向上するものの、緊度が上がるため、十分なクッション性が得られず、圧縮された際に異物の吸収ができず、ガラス表面の傷入りが発生しやすくなる。
一方、平均繊維長が1.6mm以上であると、パルプ繊維の結束が発生し、地合の低下を招き、表面平坦性が低下するためガラス用合紙の巾方向の紙厚を2cm間隔で測定すると最大隣接差が8μm以下かつ紙厚の最大値と最小値の差が16μm以下に調整することが困難であるとともに、ガラス基板に対するガラス用合紙の密着性が低下して、特に一方の辺が1,500mm以上の大判のガラス用合紙では、搬送時において横ズレによる傷入りが発生しやすくなる。また、繊維長が長いため離解時にフロックや未離解残渣を生じやすく、再利用時の妨げになる。
好適に用いることができるNBKPとLBKPは、その配合比を50/50〜15/85重量%とすることがより好ましい。NBKPの配合量については、15重量%未満であると、ガラス用合紙に十分なクッション性を付与することが困難でとなり、50重量%を超えると、パルプ繊維の結束が発生しやすくなり、搬送時において横ズレによる傷入りも発生しやすくなる傾向がある。
他方、ガラス合紙の表面性とクッション性の関係においては、ガラス間に圧縮された状態でのガラスと合紙との密着状態を知る指標として、加圧条件下での平滑性が測定できるマイクロトポグラフがある。ガラス合紙では、圧縮された状態での平滑性がより高いほうが、ガラスとの密着が高まるため、ガラス表面の傷入りが発生しにくくなる。合紙の少なくとも片面のマイクロトポグラフについては、搬送時の加圧力と想定される23kgf/cm2条件下で6.0μmを超えると、圧縮条件下でもガラスと合紙との境界で横ズレが生じ、ガラス表面に存在するガラス粉等異物によるガラス傷入りが生じやすくなる。好ましくは、23kgf/cm2条件下で5.0μm以下である。
JIS Z 4502に準拠した水解性が180秒を超えると、パルパー設備での離解性が低下し減容効果が低いとともに、未離解(完全にパルプ繊維がほぐれない状態)が発生しやすいことから、パルプ原料としても再利用が困難となる。
本発明においては、JIS Z 4502に準拠した水解性が180秒以下、好ましくは170秒以下が好ましい。
クッション性に寄与する要素として、坪量、平均繊維長、ガラス合紙自体の緊度、抄紙方法のほかに、パルプ繊維自体の構造がある。パルプ繊維には内腔が存在し、それ自体が潰れることによって、紙全体としてのクッション機能に繋がるため、内腔と外環となる細胞壁の厚みとの比率がクッション性にとって重要となる。そこで、パルプ繊維のクッション性を評価する指標としてルンケル比Rがある。ルンケル比は、繊維のルーメン(内腔)の幅Lと細胞壁の厚さtによって求められる値であり、R =2 ・t /L によって表される。このルンケル比は、数値が低いほど同じ径に対して繊維壁の厚みが小さくなり、繊維は柔軟性を持つ。ルンケル比が0.8以下であれば、圧縮条件下でガラスとの境界にあるガラス粉等異物を紙中に吸収しやすくなる。ルンケル比が0.8以下のパルプ繊維を得るには、木材として比較的成長の早い植林木等を原料とするのが好ましい。また、クッション機能として重要となるパルプ繊維本来の形状を保つには、叩解をできるだけ抑え、原料フリーネスを500ml以上、好適には580ml以上とするのが望ましい。
クッション性を得る抄紙方式としては、円網もしくは長網により脱水し、少なくとも片面が艶面となるヤンキー乾燥機を備えたヤンキー抄紙機を採用することが好ましい。ヤンキー抄紙機を用いて製造することで、寸法安定性も向上する付帯効果を有する。
寸法安定性については、ヤンキー抄紙機を用いて製造することの他、パルプ原料として、使用するパルプ原料の平均繊維長を1.0mm以上1.6mm未満にすること、NBKPとLBKPの配合割合を50/50〜15/85重量%とすることで寸法安定性の指標である水中伸度を、好ましくは2.5%以下、さらに好ましくは2.0%以下となるよう製造することが可能になる。水中伸度が2.5%を超えると、吸湿時に紙が伸び、シワ・タルミが発生する可能性が高くなる。シワ・タルミがある紙をガラス用合紙として挿入すると、ガラス基板への傷入りが発生し易くなる。
さらに、坪量が30〜60g/m2、JISP8220に準拠して離解したガラス用合紙製品離解パルプの、JISP8121に準拠した濾水度が500〜680mlであり、JISP8118に準拠した、ガラス用合紙の巾方向の紙厚を2cm間隔で測定した最大隣接差が8μm以下かつ紙厚の最大値と最小値の差が16μm以下の本発明に基づくガラス合紙を得やすくなる。
また、ヤンキー抄紙機を用いて製造することで、平均繊維長が1.0mm以上1.6mm未満、NBKPとLBKPを50/50〜15/85重量%の比率で配合しても、少なくとも片面のマイクロトポグラフが23kgf/cm2条件下で6.0μm以下となる表面平坦性が得られ、特に一方の辺が1,500mm以上の大判のガラス用合紙においても、圧縮条件下においてガラスとの密着性とクッション性を兼ね備えた性能を持ち、搬送時等において、ガラスと合紙とが横ズレせず、さらにはガラス表面に存在するガラス粉等の異物を合紙中に吸収し、ガラス表面の傷入りを防止することができる。
本発明におけるガラス合紙の紙面pHは、5.0以上になるように調整することが好ましい。紙面pHが5.0未満となるよう硫酸バンドを添加すると、パルプが凝集しフロックが発生し易くなるため地合が悪くなり、搬送時に傷が入り易くなる。硫酸バンドは、地合のことを考えると添加しないことが望ましいが、ドライヤー剥離性や他の薬品の定着を考慮すると、0.05重量%以下の添加を行う場合がある。(なお、紙面pHは紙面測定用pH計(型式MPC、共立理化学研究所製)などで測定することができる。すなわち、前記紙面測定用pH計に付属の、pH測定範囲が4.6〜6.8であるBCP溶液での発色、またはpH測定範囲が6.0〜8.0であるBTB溶液での発色を、標準板と対比させて紙面PHを測定する。)
本発明においては、さらに紙中に濡れ向上剤(界面活性剤)を内添することにより、ガラス表面に紙中物質が付着しても、付着物自体に濡れ向上剤を含むため、ガラス表面の濡れ性を低下することなく、さらに水溶液によるガラスの洗浄性も向上する。
濡れ向上剤としては、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の界面活性剤が挙げられる。その中でも特に、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルは、他の界面活性剤と比べ汎用性があり、安価であり、パルプ繊維への定着が良好であるため、パルプ繊維の離解性にも大きく寄与する。
濡れ向上剤の添加量としては、0.01〜0.50重量%が好ましく、0.50重量%を超えると、吸湿性が大きくなり折れシワが発生しやすくなるためガラス表面を傷つける可能性がある。一方、0.01重量%未満では、ガラス表面に対し、その特性効果が発現しにくい。また、濡れ向上剤の添加は、合紙自体の吸水性を高める効果があるため、離解性の向上にも寄与し、特に米坪が高いほど有効である。より好適な添加量は、対パルプ0.10〜0.30重量%である。
内添薬品としては、濡れ向上剤のほか、サイズ剤、ドライヤー剥離剤、硫酸バンド等が使用できるが、ガラスへの転移を少なくするために、ドライヤー剥離に影響が出ない範囲で、極力少ないほうが好ましい。
上記の説明から推測できるように、本発明に係る隣接する測定点の最大紙厚差及び紙厚の最大値と最小値の差を得るためには、坪量、パルプ原料の種別及び繊維長、濾水度、緊度、抄紙条件(とりわけヤンキー抄紙機の採用)などの選定によって可能である。
次に本発明に係る実施例を比較例と共に示す。得られた紙材における平均繊維長及び離解フリーネス、ルンケル比、濡れ向上剤の含有量、米坪、マイクロトポグラフ、水解性、耐汚染性、クッション性、ガラス密着性について下記の方法により評価した。結果を表1及び表2に示す。
Figure 2009184704
Figure 2009184704
表1においては、市販されている金属合紙(市販A)、金属合紙(市販B)、及び、本発明と同様にヤンキードライヤーにて乾燥処理が施され、包装用紙(手提げ袋)に供される片艶クラフト紙(市販C)を例にとり、本発明に近似の従来品として比較した。市販Cは、ガラスへの汚染対策が考慮されていないため、紙中の樹脂成分が多く、ガラス汚れが顕著であり、ガラス合紙への転用はできない品質であった。
〔坪量〕
JIS P 8124に準じて測定した値である。
〔厚み〕
JIS P 8118に準じて測定した値である。
〔水解性〕
JIS Z 4502に準じて測定した値である。詳細には、500ccビーカーに、水300cc(水温20±5℃)と直径35mm厚さ12mmの円盤状マグネット回転子とを入れる。これをマグネットスターラーに載せ、マグネット回転子の回転数を600±10回転/分になるように調整する。そのビーカー内に114mm角の試験片を投入し、試験片の離解が完全に行なわれた後、ビーカー内の回転子の回転数が540回転まで回復するまでの時間(秒)を計測した。
〔ガラスとの密着性〕
表面に十字線を明記した縦1500mm×横1500mm×厚み0.7mmサイズの大判および縦500mm×横500mm×厚み0.7mmサイズの小判のガラス及び試験片を用い、十字線が重なり合うようにガラス10枚と各ガラスの間に試験片を挿入して、ガラスセットを作成した。ガラスセットの全周囲には、外部からの塵等の混入を防ぐため透湿性のある包装材で覆った。トラックによるガラス輸送時の環境及び垂直方向の荷重、水平方向の振動を想定し、温度50℃湿度90%に保持した恒温高湿室内に設置した振動機の架台上に、ガラスセットを縦1500mm×横1500mm×厚み0.7mmサイズの大判および縦500mm×横500mm×厚み0.7mmサイズの小判のガラス面が当たるように載せ、さらにガラスセットの上面に23kgf/cm2の圧力となるように錘を載せ、この状態で15Hzの振動数で100時間横振動をさせた。振動テストをした後、ガラス中心点における試験片の横ズレ量を定規で測定し、試験片1枚あたりに数値化して、下記の基準で評価した。
・大判
5:ガラスと試験片との横ズレ量が3mm未満/枚
4:ガラスと試験片との横ズレ量が3mm以上6mm未満/枚
3:ガラスと試験片との横ズレ量が6mm以上9mm未満/枚
2:ガラスと試験片との横ズレ量が9mm以上12mm未満/枚
1:ガラスと試験片との横ズレ量が12mm以上/枚
・小判
5:ガラスと試験片との横ズレ量が1mm未満/枚
4:ガラスと試験片との横ズレ量が1mm以上2mm未満/枚
3:ガラスと試験片との横ズレ量が2mm以上3mm未満/枚
2:ガラスと試験片との横ズレ量が3mm以上4mm未満/枚
1:ガラスと試験片との横ズレ量が4mm以上/枚
評価3〜5であれば、ガラス用合紙として合格レベルである。
〔ガラスへの傷入り性〕
前記ガラスとの密着性評価において、試験片を取り除いた後のガラスを、500mm×500mmに9分割した。純水を用いて超音波洗浄機で洗浄した後、ガラス表面の状態を拡大顕微鏡で観察して、500mm×500mmのガラス1枚あたりの傷の平均個数を、下記基準で評価した。
5:ガラス表面の傷が0個/枚
4:ガラス表面の傷が1個/枚
3:ガラス表面の傷が2個/枚
2:ガラス表面の傷が3個/枚
2:ガラス表面の傷が4個以上5個未満/枚
1:ガラス表面の傷が5個以上/枚
評価3〜5であれば、ガラス用合紙として合格レベルである。
〔ガラスへの汚染性〕
前記ガラスへの傷入り性評価において、超音波洗浄した後のガラス表面について、純水による接触角を接触角測定器で測定した。この測定値を試験片と接触する前のガラス表面の接触角と対比し、ガラス表面の接触角の変化率について、下記基準で評価した。
5:接触角の変化率が10%未満/枚
4:接触角の変化率が10%以上20%未満/枚
3:接触角の変化率が20%以上30%未満/枚
2:接触角の変化率が30%以上50%未満/枚
1:接触角の変化率が50%以上/枚
評価3〜5であれば、ガラス用合紙として合格レベルである。
本発明は、高度な表面性が必要とされるガラスの間に挿入され使用される合紙、好ましくは液晶テレビやプラズマテレビなどのフラットパネルディスプレイに用いられる、特に一方の辺が1,500mm以上の大判のガラス基板の間に挿入され使用されるガラス用合紙として適用可能である。
本発明は、高い表面性が必要とされるガラス、特に液晶テレビやプラズマテレビなどのフラットパネルディスプレイに用いられるガラス基板の間に挿入され使用される合紙に関する。さらに詳しくは、合紙が挿入された状態での搬送時において、ガラス基板と合紙が不均一に接触することによるガラス表面の傷入りが防止できるガラス用合紙に関するものであり、特に一方の辺が、1,500mmを超える、大判のガラス基板に好適に用いられるガラス用合紙に関するものである。
この種のガラス用合紙は、ガラスどうしの擦れによる傷入り防止を主な目的として、長網抄紙機で抄造したクラフト紙や更紙等がガラス間に挿入され使用されていた。
近年、ガラスの多様化により、ガラス用合紙に対する品質要求がきびしくなっている。たとえば、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイに用いられるガラス基板では、ガラス表面に電子部材等が皮膜処理されるため、ガラス表面に要求される清浄度や表面平坦性が高く、そのためガラス用合紙に対する品質要求も厳しくなってきている。さらに、ガラス基板の大型化・量産化に伴い、搬送効率を高めるため、ガラス基板を極力重ねて搬送するようになり、ガラス合紙との接触面積が飛躍的に拡大する結果から、ガラス基板が横ズレした際の、ガラス基板と合紙との境界に存在するガラス粉等異物による傷入りの発生がさらに大きな問題となっている。
フラットパネルディスプレイに用いられるガラス基板に対しては、これまでガラス表面への汚染と傷入りの防止を目的として、内添薬品とパルプ原料をコントロールし、紙中の樹脂分を極力低減するとともに密度を下げる提案が開示されている(特許文献1:特開平18−044674)。しかしながら、ガラス基板の搬送時に起きる横ズレ、特に大判のガラス搬送に対しては、表面平坦性の低い従来のクラフト紙や更紙では上述の課題を十分に達成することが難しく、ガラス基板との密着性がよく、かつクッション性のあるガラス用合紙が望まれていた。また、ガラス基板の量産化、大型化によりガラス用合紙の使用量が増大しているため、使用済みガラス合紙の保管場所や処理方法にも問題が生じている。
ガラス合紙は、比較的樹脂分の低いパルプ原料で構成されており、薬品の添加や樹脂分が浸出し易い叩解処理等の、従来抄紙する際に成されていた前処理が殆ど施されていないため、純度の高いバージンパルプ原料として幅広い用途への再利用が可能である。そこで、リサイクル性に優れている点に着目し、使用済みガラス用合紙が発生したのち、離解してパルプ化する、すなわち減容化し、原料パルプとして用いることで上記問題が解決できるため、使用時の品質要求だけでなく、使用後の離解性にも優れたガラス用合紙も要望されている。
特開平18−044674号公報
本発明が解決しようとする主たる課題は、高い表面性(傷入り、密着性等)が必要とされるガラス、その中でも特に液晶テレビやプラズマテレビなどのフラットパネルディスプレイに用いられるガラス基板の間に挿入され使用される合紙、特に一方の辺が1,500mm以上の大判のガラス用にも好適に用いられるガラス合紙を提供することにある。特に、合紙が挿入された状態での搬送時において、ガラス基板と合紙との境界に存在する異物等によるガラス表面の傷入りの防止、ガラスとの密着性に優れ、かつ高品質なパルプ原料として多様な用途への再利用ができるガラス用合紙を提供する。
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
パルプ原料を主成分とするガラス用合紙であって、坪量が30〜60g/m2であり、 JISP8118に準拠した、ガラス用合紙の巾方向の紙厚を2cm間隔で測定した、隣接する測定点の最大紙厚差が8μm以下かつ紙厚の最大値と最小値の差が16μm以下であり、
さらに、ルンケル比が0.8以下、かつ、少なくとも片面のマイクロトポグラフが23kgf/cm2条件下で6.0μm以下であり、かつ少なくとも片方が艶面を有するヤンキー紙であることを特徴とするガラス用合紙。
〔請求項2記載の発明〕
JISP8220に準拠して離解したガラス用合紙製品離解パルプの、JISP8121に準拠したカナダ標準ろ水度試験器による濾水度が500〜680mlである請求項1記載のガラス用合紙。
〔請求項3記載の発明〕
前記パルプ原料として、使用するパルプ原料の平均繊維長が1.0mm以上1.6mm未満であり、NBKPとLBKPの配合割合が50/50〜15/85重量%である請求項1または2記載のガラス用合紙。
〔請求項4記載の発明〕
紙中に、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルから選ばれる濡れ向上剤を0.01〜0.50重量%含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス用合紙。
本発明によると、高い表面性が必要とされるガラス、特に液晶テレビやプラズマテレビなどのフラットパネルディスプレイに用いられるガラス基板の間に挿入され使用される合紙、特に一方の辺が1,500mm以上の大判のガラス用にも好適に用いられるガラス合紙に関し、合紙が挿入された状態での搬送時において、ガラス基板と合紙との境界存在する異物等によるガラス表面の傷入りが防止でき、かつ高品質なパルプ原料として多様な用途への再利用ができるガラス用合紙を提供することができる。
次に、本発明の実施の形態を説明する。
本発明におけるガラス合紙の坪量については、30〜60g/m2の範囲で抄造される。より好ましくは35〜55g/m2である。米坪30g/m2未満では十分なクッション性を得ることができず、ガラス合紙として、特に一方の辺が1,500mm以上の大判のガラスに用いた場合、ガラスの荷重によりクッション性が著しく損なわれ、傷入りの問題が顕在化する。また、60g/m2を超えると、ガラス合紙の地合等に起因する、紙厚ムラが顕在化すると共に表面平坦性が低下し、特に接触面積の大きい一方の辺が1,500mm以上の大判のガラスに用いた場合にガラスとの密着が生じにくくなる。さらに、離解性、搬送時の荷重も増加するため作業性も低下する。
本発明に基づくガラス合紙は、JISP8220に準拠して離解したガラス用合紙製品離解パルプの、JISP8121に準拠した濾水度が500〜680mlが望ましく、より好適には、580〜670ml、さらに好適には610〜650mlである。
濾水度が500ml未満の原料パルプを用いたガラス合紙は、緊度が高くなるため、加圧時のクッション性が低くなり、ガラスと合紙の境界に異物が存在すると傷入りが発生する場合がある。また、紙自体の腰(剛度)が低くなり、搬送中や作業中にガラスからガラス合紙が脱落する問題が生じるおそれがある。一方、濾水度が680mlを超えると、ガラス合紙の地合が悪くなり、本発明者等の鋭意検討で知見した、ガラス用合紙の巾方向の紙厚を2cm間隔で測定した最大隣接差が8μm以下かつ紙厚の最大値と最小値の差が16μm以下に調整することが困難である。
本発明に基づく、ガラス用合紙の巾方向の紙厚は、JISP8118に準拠した、ガラス用合紙の巾方向の紙厚を2cm間隔で測定した、隣接する測定点の最大紙厚差(以下「最大隣接差」ともいう。)が8μm以下、好ましくは6〜8μm、より好ましくは、6〜7μmであり、かつ紙厚の最大値と最小値の差が16μm以下、好適には15μm以下、より好適には14μm以下である。特に一方の辺が1,500mm以上の大判のガラス用合紙では、ガラスとの接触面積が多くなるため、傷入りの問題が顕在化する。
本発明における、JISP8118に準拠した、ガラス用合紙の巾方向の紙厚の最大隣接差は、ガラス合紙の幅方向において、2cmの間隔を開けて測定した紙厚の幅方向において隣あう測定値の差異を指し、紙厚の最大値と最小値の差は、同様に測定したガラス合紙の幅方向連続する40箇所の紙厚における最大値と最小値の差を云う。紙厚の巾方向への測定は、紙中のフロックの大きさが約2cmであるため、2cmの間隔で測定を行うのが望ましい。
2cm以上の間隔で測定を行うと、紙中の凹凸を捕らえ難く最大隣接差が小さくなるため、抄紙条件ごとの差が出難い。 2cm以下の間隔で測定を行っても、最大隣接差、最大値と最小値の差が、2cm間隔で測定した結果と変化がない。このため、2cm間隔で測定することで、最小の測定数で、信頼できる値を得ることができる。このように、測定間隔は2cm間隔が最適であるが、1.0〜4.0cmの範囲内である限り、前述の目的を達成できることを知見している。
パルプ原料としては、清浄度が要求されるガラスに対し、漂白処理を施し樹脂分を低くコントロールさせた晒クラフトパルプ(NBKP、LBKP)を好適に用いることができる。
古紙からなる古紙再生パルプ(一般にDIPと呼ぶ)の使用も考えられるが、古紙に異物として混入する背糊等に使われる樹脂分や、紙中に内添されたサイズ剤、紙力増強剤などの機能性薬品、塗工紙に用いられるラテックス等のバインダー成分が古紙パルプ中には多量に含まれており、樹脂分が多いとガラス表面のシラノール基に極性有機物が水素結合により強く付着し、その上にファンデルワールス力により炭化水素系の有機物層が形成されるためガラス表面を汚染する場合があり、本発明者らの知見によるとISO624−1974のパルプ中に存在する樹脂量を測定する方法に準じて測定した紙中に含まれる樹脂分が0.2%を超えるとガラス表面を汚染させる可能性が大ききため、0.2%以下に抑えなくてはならないとの報告がなされている(特開2006−44674号公報の段落0028参照)。そのため、DIPを使用する際には、古紙に含まれている不純物を取り除き、さらに離解した後、アルカリ等薬品を用いて、パルプ繊維から無機物や樹脂分等からなるインキ膜を取り除き、界面活性剤等に捕集させ繊維から分離除去して得られたDIPを使用することが好ましい。
本発明のガラス合紙における好適な原料パルプとして、ガラスに密着した際のガラス表面の傷入り防止機能、搬送適性、耐汚染性、密着性を向上するため、パルプ原料の平均繊維長が1.0mm以上1.6mm未満、好適には1.2〜1.6mm未満、特には、1.3〜1.5mmの範囲の原料パルプを用いることが好ましい。
原料パルプの平均繊維長が1.0mm以上1.6mm未満の範囲であれば、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができるが、好適には、樹脂含有分の少ない漂白処理パルプである、NBKPとLBKPを選択して用いることができる。
パルプ原料の平均繊維長が1.0mm未満であると、地合の均一性は向上するものの、緊度が上がるため、十分なクッション性が得られず、圧縮された際に異物の吸収ができず、ガラス表面の傷入りが発生しやすくなる。
一方、平均繊維長が1.6mm以上であると、パルプ繊維の結束が発生し、地合の低下を招き、表面平坦性が低下するためガラス用合紙の巾方向の紙厚を2cm間隔で測定すると最大隣接差が8μm以下かつ紙厚の最大値と最小値の差が16μm以下に調整することが困難であるとともに、ガラス基板に対するガラス用合紙の密着性が低下して、特に一方の辺が1,500mm以上の大判のガラス用合紙では、搬送時において横ズレによる傷入りが発生しやすくなる。また、繊維長が長いため離解時にフロックや未離解残渣を生じやすく、再利用時の妨げになる。
好適に用いることができるNBKPとLBKPは、その配合比を50/50〜15/85重量%とすることがより好ましい。NBKPの配合量については、15重量%未満であると、ガラス用合紙に十分なクッション性を付与することが困難でとなり、50重量%を超えると、パルプ繊維の結束が発生しやすくなり、搬送時において横ズレによる傷入りも発生しやすくなる傾向がある。
他方、ガラス合紙の表面性とクッション性の関係においては、ガラス間に圧縮された状態でのガラスと合紙との密着状態を知る指標として、加圧条件下での平滑性が測定できるマイクロトポグラフがある。ガラス合紙では、圧縮された状態での平滑性がより高いほうが、ガラスとの密着が高まるため、ガラス表面の傷入りが発生しにくくなる。合紙の少なくとも片面のマイクロトポグラフについては、搬送時の加圧力と想定される23kgf/cm2条件下で6.0μmを超えると、圧縮条件下でもガラスと合紙との境界で横ズレが生じ、ガラス表面に存在するガラス粉等異物によるガラス傷入りが生じやすくなる。好ましくは、23kgf/cm2条件下で5.0μm以下である。
JIS Z 4502に準拠した水解性が180秒を超えると、パルパー設備での離解性が低下し減容効果が低いとともに、未離解(完全にパルプ繊維がほぐれない状態)が発生しやすいことから、パルプ原料としても再利用が困難となる。
本発明においては、JIS Z 4502に準拠した水解性が180秒以下、好ましくは170秒以下が好ましい。
クッション性に寄与する要素として、坪量、平均繊維長、ガラス合紙自体の緊度、抄紙方法のほかに、パルプ繊維自体の構造がある。パルプ繊維には内腔が存在し、それ自体が潰れることによって、紙全体としてのクッション機能に繋がるため、内腔と外環となる細胞壁の厚みとの比率がクッション性にとって重要となる。そこで、パルプ繊維のクッション性を評価する指標としてルンケル比Rがある。ルンケル比は、繊維のルーメン(内腔)の幅Lと細胞壁の厚さtによって求められる値であり、R =2 ・t /L によって表される。このルンケル比は、数値が低いほど同じ径に対して繊維壁の厚みが小さくなり、繊維は柔軟性を持つ。ルンケル比が0.8以下であれば、圧縮条件下でガラスとの境界にあるガラス粉等異物を紙中に吸収しやすくなる。ルンケル比が0.8以下のパルプ繊維を得るには、木材として比較的成長の早い植林木等を原料とするのが好ましい。また、クッション機能として重要となるパルプ繊維本来の形状を保つには、叩解をできるだけ抑え、原料フリーネスを500ml以上、好適には580ml以上とするのが望ましい。
クッション性を得る抄紙方式としては、円網もしくは長網により脱水し、少なくとも片面が艶面となるヤンキー乾燥機を備えたヤンキー抄紙機を採用することが好ましい。ヤンキー抄紙機を用いて製造することで、寸法安定性も向上する付帯効果を有する。
寸法安定性については、ヤンキー抄紙機を用いて製造することの他、パルプ原料として、使用するパルプ原料の平均繊維長を1.0mm以上1.6mm未満にすること、NBKPとLBKPの配合割合を50/50〜15/85重量%とすることで寸法安定性の指標である水中伸度を、好ましくは2.5%以下、さらに好ましくは2.0%以下となるよう製造することが可能になる。水中伸度が2.5%を超えると、吸湿時に紙が伸び、シワ・タルミが発生する可能性が高くなる。シワ・タルミがある紙をガラス用合紙として挿入すると、ガラス基板への傷入りが発生し易くなる。
さらに、坪量が30〜60g/m2、JISP8220に準拠して離解したガラス用合紙製品離解パルプの、JISP8121に準拠した濾水度が500〜680mlであり、JISP8118に準拠した、ガラス用合紙の巾方向の紙厚を2cm間隔で測定した最大隣接差が8μm以下かつ紙厚の最大値と最小値の差が16μm以下の本発明に基づくガラス合紙を得やすくなる。
また、ヤンキー抄紙機を用いて製造することで、平均繊維長が1.0mm以上1.6mm未満、NBKPとLBKPを50/50〜15/85重量%の比率で配合しても、少なくとも片面のマイクロトポグラフが23kgf/cm2条件下で6.0μm以下となる表面平坦性が得られ、特に一方の辺が1,500mm以上の大判のガラス用合紙においても、圧縮条件下においてガラスとの密着性とクッション性を兼ね備えた性能を持ち、搬送時等において、ガラスと合紙とが横ズレせず、さらにはガラス表面に存在するガラス粉等の異物を合紙中に吸収し、ガラス表面の傷入りを防止することができる。
本発明におけるガラス合紙の紙面pHは、5.0以上になるように調整することが好ましい。紙面pHが5.0未満となるよう硫酸バンドを添加すると、パルプが凝集しフロックが発生し易くなるため地合が悪くなり、搬送時に傷が入り易くなる。硫酸バンドは、地合のことを考えると添加しないことが望ましいが、ドライヤー剥離性や他の薬品の定着を考慮すると、0.05重量%以下の添加を行う場合がある。(なお、紙面pHは紙面測定用pH計(型式MPC、共立理化学研究所製)などで測定することができる。すなわち、前記紙面測定用pH計に付属の、pH測定範囲が4.6〜6.8であるBCP溶液での発色、またはpH測定範囲が6.0〜8.0であるBTB溶液での発色を、標準板と対比させて紙面PHを測定する。)
本発明においては、さらに紙中に濡れ向上剤(界面活性剤)を内添することにより、ガラス表面に紙中物質が付着しても、付着物自体に濡れ向上剤を含むため、ガラス表面の濡れ性を低下することなく、さらに水溶液によるガラスの洗浄性も向上する。
濡れ向上剤としては、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の界面活性剤が挙げられる。その中でも特に、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルは、他の界面活性剤と比べ汎用性があり、安価であり、パルプ繊維への定着が良好であるため、パルプ繊維の離解性にも大きく寄与する。
濡れ向上剤の添加量としては、0.01〜0.50重量%が好ましく、0.50重量%を超えると、吸湿性が大きくなり折れシワが発生しやすくなるためガラス表面を傷つける可能性がある。一方、0.01重量%未満では、ガラス表面に対し、その特性効果が発現しにくい。また、濡れ向上剤の添加は、合紙自体の吸水性を高める効果があるため、離解性の向上にも寄与し、特に米坪が高いほど有効である。より好適な添加量は、対パルプ0.10〜0.30重量%である。
内添薬品としては、濡れ向上剤のほか、サイズ剤、ドライヤー剥離剤、硫酸バンド等が使用できるが、ガラスへの転移を少なくするために、ドライヤー剥離に影響が出ない範囲で、極力少ないほうが好ましい。
上記の説明から推測できるように、本発明に係る隣接する測定点の最大紙厚差及び紙厚の最大値と最小値の差を得るためには、坪量、パルプ原料の種別及び繊維長、濾水度、緊度、抄紙条件(とりわけヤンキー抄紙機の採用)などの選定によって可能である。
次に本発明に係る実施例を比較例と共に示す。得られた紙材における平均繊維長及び離解フリーネス、ルンケル比、濡れ向上剤の含有量、米坪、マイクロトポグラフ、水解性、耐汚染性、クッション性、ガラス密着性について下記の方法により評価した。結果を表1及び表2に示す。
Figure 2009184704
Figure 2009184704
表1においては、市販されている金属合紙(市販A)、金属合紙(市販B)、及び、本発明と同様にヤンキードライヤーにて乾燥処理が施され、包装用紙(手提げ袋)に供される片艶クラフト紙(市販C)を例にとり、本発明に近似の従来品として比較した。市販Cは、ガラスへの汚染対策が考慮されていないため、紙中の樹脂成分が多く、ガラス汚れが顕著であり、ガラス合紙への転用はできない品質であった。
〔坪量〕
JIS P 8124に準じて測定した値である。
〔厚み〕
JIS P 8118に準じて測定した値である。
〔水解性〕
JIS Z 4502に準じて測定した値である。詳細には、500ccビーカーに、水300cc(水温20±5℃)と直径35mm厚さ12mmの円盤状マグネット回転子とを入れる。これをマグネットスターラーに載せ、マグネット回転子の回転数を600±10回転/分になるように調整する。そのビーカー内に114mm角の試験片を投入し、試験片の離解が完全に行なわれた後、ビーカー内の回転子の回転数が540回転まで回復するまでの時間(秒)を計測した。
〔ガラスとの密着性〕
表面に十字線を明記した縦1500mm×横1500mm×厚み0.7mmサイズの大判および縦500mm×横500mm×厚み0.7mmサイズの小判のガラス及び試験片を用い、十字線が重なり合うようにガラス10枚と各ガラスの間に試験片を挿入して、ガラスセットを作成した。ガラスセットの全周囲には、外部からの塵等の混入を防ぐため透湿性のある包装材で覆った。トラックによるガラス輸送時の環境及び垂直方向の荷重、水平方向の振動を想定し、温度50℃湿度90%に保持した恒温高湿室内に設置した振動機の架台上に、ガラスセットを縦1500mm×横1500mm×厚み0.7mmサイズの大判および縦500mm×横500mm×厚み0.7mmサイズの小判のガラス面が当たるように載せ、さらにガラスセットの上面に23kgf/cm2の圧力となるように錘を載せ、この状態で15Hzの振動数で100時間横振動をさせた。振動テストをした後、ガラス中心点における試験片の横ズレ量を定規で測定し、試験片1枚あたりに数値化して、下記の基準で評価した。
・大判
5:ガラスと試験片との横ズレ量が3mm未満/枚
4:ガラスと試験片との横ズレ量が3mm以上6mm未満/枚
3:ガラスと試験片との横ズレ量が6mm以上9mm未満/枚
2:ガラスと試験片との横ズレ量が9mm以上12mm未満/枚
1:ガラスと試験片との横ズレ量が12mm以上/枚
・小判
5:ガラスと試験片との横ズレ量が1mm未満/枚
4:ガラスと試験片との横ズレ量が1mm以上2mm未満/枚
3:ガラスと試験片との横ズレ量が2mm以上3mm未満/枚
2:ガラスと試験片との横ズレ量が3mm以上4mm未満/枚
1:ガラスと試験片との横ズレ量が4mm以上/枚
評価3〜5であれば、ガラス用合紙として合格レベルである。
〔ガラスへの傷入り性〕
前記ガラスとの密着性評価において、試験片を取り除いた後のガラスを、500mm×500mmに9分割した。純水を用いて超音波洗浄機で洗浄した後、ガラス表面の状態を拡大顕微鏡で観察して、500mm×500mmのガラス1枚あたりの傷の平均個数を、下記基準で評価した。
5:ガラス表面の傷が0個/枚
4:ガラス表面の傷が1個/枚
3:ガラス表面の傷が2個/枚
2:ガラス表面の傷が3個/枚
2:ガラス表面の傷が4個以上5個未満/枚
1:ガラス表面の傷が5個以上/枚
評価3〜5であれば、ガラス用合紙として合格レベルである。
〔ガラスへの汚染性〕
前記ガラスへの傷入り性評価において、超音波洗浄した後のガラス表面について、純水による接触角を接触角測定器で測定した。この測定値を試験片と接触する前のガラス表面の接触角と対比し、ガラス表面の接触角の変化率について、下記基準で評価した。
5:接触角の変化率が10%未満/枚
4:接触角の変化率が10%以上20%未満/枚
3:接触角の変化率が20%以上30%未満/枚
2:接触角の変化率が30%以上50%未満/枚
1:接触角の変化率が50%以上/枚
評価3〜5であれば、ガラス用合紙として合格レベルである。
本発明は、高度な表面性が必要とされるガラスの間に挿入され使用される合紙、好ましくは液晶テレビやプラズマテレビなどのフラットパネルディスプレイに用いられる、特に一方の辺が1,500mm以上の大判のガラス基板の間に挿入され使用されるガラス用合紙として適用可能である。

Claims (5)

  1. パルプ原料を主成分とするガラス用合紙であって、坪量が30〜60g/m2であり、 JISP8118に準拠した、ガラス用合紙の巾方向の紙厚を2cm間隔で測定した、隣接する測定点の最大紙厚差が8μm以下かつ紙厚の最大値と最小値の差が16μm以下であることを特徴とするガラス用合紙。
  2. JISP8220に準拠して離解したガラス用合紙製品離解パルプの、JISP8121に準拠したカナダ標準ろ水度試験器による濾水度が500〜680mlである請求項1記載のガラス用合紙。
  3. 前記パルプ原料として、使用するパルプ原料の平均繊維長が1.0mm以上1.6mm未満であり、NBKPとLBKPの配合割合が50/50〜15/85重量%である請求項1または2記載のガラス用合紙。
  4. 紙中に濡れ向上剤を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス用合紙。
  5. 少なくとも片方が艶面を有するヤンキー紙である請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラス用合紙。
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