JP6955920B2 - ガラス合紙 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス合紙及びその製造方法に関する。
複数のガラスを積層して保管及び運搬する流通過程において、ガラスの割れやガラス表面の傷つき、汚染等を防止する目的で、ガラスの間に合紙が挟み込まれるのが一般的である。近年、液晶フラットパネルディスプレイやプラズマディスプレイの高精細化と大型化に伴い、ディスプレイ用のガラス表面に発生する微小な傷や汚染に対する対策が求められている。
ガラス合紙に起因する傷を低減させるため、例えばガラス合紙に起因する傷防止策として、例えば所定のモース硬度以上の鉱物の含有量を規定する技術が開示されている(特開2016−006240号公報参照)。
また、ガラス合紙に起因する汚染対策として、汚染の原因となるシリコーン油の含有量を低減するために、ガラス合紙表面におけるケイ素の蛍光X線強度を規定する技術が開示されている(特開2016−098468号公報参照)。
特開2016−006240号公報 特開2016−098468号公報
液晶パネルディスプレイ用のガラスは、窓ガラスや車両用窓ガラス用の板ガラス等とは違って、ディスプレイ用ガラス表面に極めて微細な配線や電極等が形成される。例えば、幅3〜5μm程度の微細な配線を、50〜200μm程度の間隔(ピッチ)で形成することが要求されている。本件発明者らの検討によれば、このような微細な配線等の形成においては、ディスプレイ用ガラス表面の高い清浄度と傷品位が要求され、ディスプレイ用ガラス表面に微小な傷や汚染物が存在しても、配線となる金属薄膜(金属化合物薄膜)の成膜やエッチングによるパターンニング等の形成を損なう要因となる。従って、ガラス合紙に起因する傷や汚染の発生を抑制することは、ディスプレイが大型化する状況下においては極めて重要な課題である。
しかしながら、上記従来技術においては、ガラス合紙に起因する傷や汚染の発生の原因となる物質の含有量を減らすための具体的な方策については提案されていない。一方、ガラス合紙に起因する傷や汚染の発生を抑制するために、原料パルプや添加物の選定を行ったり、クリーナーに代表されるような既存設備による洗浄工程を重ねるというような方策は、多大な費用と労力がかかるおそれがある。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、高精細なディスプレイ用ガラスに対するガラス合紙に起因する微小な傷や汚染の抑制効果に優れるガラス合紙を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、パルプ繊維を主成分とし、一方の面が艶面、他方の面が非艶面であり、上記艶面のJIS−P8151(2004)に準拠して測定されたプリント・サーフ表面粗さが1.0μm以上10.0μm以下であり、JIS−P8119(1998)に準拠して測定されたベック平滑度が150秒以上であり、上記非艶面の上記ベック平滑度が10秒以下であり、JAPAN.TAPPI No.32−2(2000)に規定される点滴吸水度が30秒以下であるガラス合紙である。ここで、「艶面」とは、光沢を有する面をいう。「非艶面」とは、光沢性を有さない面をいう。
ディスプレイ用ガラスは、溶融錫の上に浮かせて製板するフロート法や、溶融されたガラスを溶融槽の両側からオーバーフローさせ溶融槽の下部で再び融合させるオーバーフロー法(フュージョン法)により製造されるのが一般的である。
フロート法により成形されたディスプレイ用ガラスは、錫と接した面である錫面(ボトム面)と、錫と接していない反対の面である非錫面(トップ面)とを有し、錫面が、極めて微細な配線や電極等の電子部材が設けられる電子部材搭載面となる。ディスプレイ用ガラスは、高い平坦性が要求されるので、錫面と非錫面の表面管理が必要であり、ディスプレイ用ガラス表面の研磨が必要となる。この研磨されたディスプレイ用ガラス表面は吸着性に大きな要因となる表面水酸基が多く存在し、汚染物質が吸着し易い性状を示す。
一方、オーバーフロー法により製造されるディスプレイ用ガラスは、空気以外には非接触で、表面張力のみによって成型されるため、表面が高品質のディスプレイ用ガラスを製造できる特徴を有するものの、溶融ガラスを冷却した際や製品の保管時などにディスプレイ用ガラス表面が、わずかに汚染されるだけでもディスプレイ用ガラス中に結晶が析出する現象が生じるおそれがある。
当該ガラス合紙は、ヤンキードライヤーで乾燥処理して得られる片艶紙(ヤンキー紙)であり、ディスプレイ用ガラスの極めて微細な配線や電極等の電子部材が設けられる電子部材搭載面に当該ガラス合紙の艶面が接触するように用いられる。
一方、ディスプレイ用ガラスの電子部材搭載面に接触させるガラス合紙の艶面は平滑度が高いため、ディスプレイ用ガラスに密着する。また、当該ガラス合紙の艶面のプリント・サーフ表面粗さが1.0μm以上10.0μm以下であり、ベック平滑度が150秒以上であることにより、特に液晶フラットパネルディスプレイやプラズマディスプレイ用ガラスのような高精細なディスプレイ用ガラスに対して、ガラス合紙の艶面が密着することにより、ガラスの搬送工程でガラスとガラス合紙が擦れることが抑制される。その結果、上記ディスプレイ用ガラスとガラス合紙とが擦れ合うことによる微小な傷やガラス合紙の汚染のディスプレイ用ガラス表面への転写が発生することを抑制し、ガラス合紙に起因する上記ディスプレイ用ガラスの性能の不具合を低減することができる。
一方、当該ガラス合紙は、上記非艶面のベック平滑度が10秒以下であることにより、上記電子部材の非搭載面であるディスプレイ用ガラスの面と当該ガラス合紙の非艶面側が接触する場合において、上記非艶面が表面に有する凹凸やうねりにより、上記電子部材の非搭載面であるディスプレイ用ガラスの面と上記非艶面との密接度合いが低いために上記ディスプレイ用ガラスの搬送時に適度にズレが生じ、ディスプレイ用ガラスの電子部材搭載面であるディスプレイ用ガラスの面と接触する当該ガラス合紙の艶面側に対して衝撃やズレに対するクッション効果を付与することができる。従って、ディスプレイ用ガラスの電子部材搭載面に対するガラス合紙に起因する微小な傷の発生を抑制する効果が向上する。
さらに、ディスプレイ用ガラスを大気中に保管した場合において、ディスプレイ用ガラス表面が外部雰囲気と反応してディスプレイ用ガラス表面層の組成変化を伴う変質が起こることによってもディスプレイ用ガラス表面の汚染が生じることも言われている。上記変質は、ディスプレイ用ガラス表面に吸着した水に由来する水素イオンと外部雰囲気中に存在するイオンとの間でイオン交換反応が起こることによる。当該ガラス合紙の非艶面が接触するディスプレイ用ガラスの電子部材の非搭載面は、電子部材搭載面と比べて水酸基が比較的少ないが、電子部材搭載面と比べて加工が行われることが少なく、外部雰囲気に晒される度合いが高いので上記変質が起こりやすいおそれがある。また、当該ガラス合紙の上記非艶面が表面に有する凹凸やうねりにより上記非艶面はディスプレイ用ガラスの電子部材の非搭載面との密接度合いが低いことから、外部雰囲気から吸収された当該ガラス合紙が保有する水分が上記非艶面と接触する上記電子部材の非搭載面に吸収され、上記電子部材の非搭載面上に表面水酸基がさらに生成されることにより汚染物質が吸着しやすくなると推察される。このことから、本件発明者らは、フロート法における研磨面やオーバーフロー法における表出面に接する当該ガラス合紙の非艶面側は凹凸があり、表面積が大きく点滴吸水度を30秒以下にすることにより、水由来の水酸基はガラス合紙に吸収されることでガラス表面には水酸基が少なくなり、ディスプレイ用ガラスの電子部材の非搭載面の汚染抑制効果を向上できることを見出した。
上記ガラス合紙を厚み方向に20:80の割合で艶面側領域と上記非艶面側領域とに分割した場合における上記艶面側領域のJIS−P8251(2003)に準拠して測定された灰分としては、0.5%以下が好ましい。上記灰分が上記範囲内であることで、ディスプレイ用ガラスに対するガラス合紙に起因する微小な傷の抑制効果を向上することができる。
当該ガラス合紙の坪量としては、45g/m以上65g/m以下が好ましく、当該ガラス合紙の密度としては、0.55g/cm以上0.80g/cm以下が好ましい。上記坪量が上記範囲であることで、ディスプレイ用ガラスに対するガラス合紙に起因する微小な傷や汚染の抑制効果を向上することができる。
当該ガラス合紙の紙の流れ方向と上記流れ方向と直交する紙の幅方向とにおけるJIS−P8143(2009)に準拠して測定されたクラークこわさの差の絶対値としては、17以下が好ましい。ここで、流れ方向とは、抄紙機で紙を抄紙する際に紙が進んでいく方向を指し、幅方向は、それと直角方法、すなわち紙の進んでいく方向と直角の方向を指す。上記クラークこわさの差の絶対値を上記範囲とすることで、ガラス合紙を侠持したディスプレイ用ガラスの集合体の搬送時におけるガラス合紙へのシワの噛み込み、メクレ、端折れ等を抑制できる。さらに、ガラス合紙を取り扱う際に不用意に折れ曲がったり、皺が生じる様なハンドリング性を向上できる。
本発明によれば、高精細なディスプレイ用ガラスに対するガラス合紙に起因する微小な傷や汚染の抑制効果に優れるガラス合紙を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態に係るガラス合紙について詳説する。
<ガラス合紙>
当該ガラス合紙は、パルプ繊維を主成分とし、一方の面が艶面、他方の面が非艶面である。当該ガラス合紙は、上記艶面のJIS−P8151(2004)に準拠して測定されたプリント・サーフ表面粗さが1.0μm以上10.0μm以下であり、JIS−P8119(1998)に準拠して測定されたベック平滑度が150秒以上であり、上記非艶面の上記ベック平滑度が10秒以下であり、JAPAN.TAPPI No.32−2に規定される点滴吸水度が30秒以下である。
(パルプ繊維)
上記パルプ繊維は、基紙の主成分を構成する。主成分とは、質量基準で最も含有量の多い成分をいう。当該ガラス合紙に使用するパルプ繊維としては、特に限定されないが、比較的灰分の少ないパルプ繊維を用いることが好ましい。上記パルプ繊維としては、例えばクラフトパルプ(KP)、サルファイトパルプ(SP)、ソーダパルプ(AP)等の化学パルプ、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグランドウッドパルプ(CGP)等の半化学パルプ、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP、BCTMP)、リファイナーグランドウッドパルプ(RGP)等の機械パルプ、楮、三椏、麻、ケナフ等を原料とする非木材繊維パルプ、古紙を原料とする脱墨パルプ、合成パルプ、合成繊維、レーヨン繊維等が挙げられる。上記パルプ繊維としては、2種以上混合して使用してもよいが、1種類のパルプ繊維を用いることがより好ましい。
これらのパルプ繊維の中でも、ガラス合紙のプリント・サーフ表面粗さ及びベック平滑度を良好な範囲に設定しやすい観点から、広葉樹クラフトパルプのみを使用することが好ましい。
(界面活性剤)
ディスプレイ用ガラス表面に存在する汚染物質の洗浄除去を容易にする観点からパルプスラリー中に界面活性剤を配合すると好ましい。ディスプレイ用ガラス表面の汚染は、オイルミスト、塵埃、包装材からの転写等、色々な要因があり、ディスプレイ用ガラス表面の汚染を全く生じさせないで搬送や保管することは困難である。従って、ディスプレイ用ガラス表面上の汚染を軽減するためには、汚染の発生を抑制する手段と、生じた汚染の除去を容易にする手段との組合せの発想が必要である。本件発明者らは、汚染の除去を容易にする工夫としてガラス合紙中に界面活性剤を含有させる検討を併せて行い、特に汚染除去が困難なシリコーン系の汚染に対する手段として、シリコーンの乳化作用が高いノニオン性界面活性剤を含有させることが好ましい事を見出した。上記ノニオン性界面活性剤としては、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等のエステル型、脂肪アルコールエトキシレート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等のエーテル型、アルキルグリコシドを挙げられる。これらのうち、汚染原因となるガラス合紙の消泡剤等に広く利用されるシリコーンは乳化作用が高く、洗浄処理において汚染物除去効果が高いエーテル型のノニオン性界面活性剤が好ましく、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルがより好ましい。
上記パルプスラリーにおける界面活性剤のパルプ繊維に対する含有量の下限は、0.1kg/パルプtが好ましく、0.5kg/パルプtがより好ましく、1.0kg/パルプtがさらに好ましい。一方、この上限は、5.0g/パルプtが好ましく、4.0kg/パルプtがより好ましく、3.0kg/パルプtがさらに好ましい。なお、「パルプt」とは、乾燥状態のパルプ繊維1tに対する添加量をいう。上述のとおり、ノニオン性界面活性剤を含有させることで、特に汚染除去が困難なシリコーン系の汚染の洗浄効果を向上できるが、ガラス合紙が過剰な界面活性剤を含有することにより、ディスプレイ用ガラスの汚染の原因になるおそれがあるので、界面活性剤の添加量の上限としては5.0kg/パルプtが好ましい。一方、界面活性剤の添加量の下限としては、シリコーンの乳化作用効果が得られる含有量として0.1kg/パルプtが好ましい。
(サイズ剤)
サイズ剤としては、ロジン系のサイズ剤を用いることが好ましい。ロジン系のサイズ剤を配合すると硫酸バンド等の定着剤を添加する必要があるが、他のASA(アルケニルコハク酸無水物)サイズ剤やAKD(アルキルケテンダイマー)サイズ剤と異なり、ロジン系のサイズ剤は、抄紙系等での汚れ発生が少ないサイズ剤である。換言すれば、ロジン系のサイズ剤は、ガラス合紙に用いても汚染性が低いサイズ剤である。さらに、ロジン系のサイズ剤は、他のサイズ剤と比べて高い軟化点を有しているため、比較的高温で乾燥及び艶付けを行うヤンキードライヤーを使用する操業において好適に用いることができる。
また、上述のように、ディスプレイ用ガラス表面の汚染原因として、ディスプレイ用ガラス表面の水に起因する表面水酸基が着目されており、この表面水酸基の影響を軽減することを目的として、水に対する撥水性を担保するためにガラス合紙中にサイズ剤を含有させることも汚染抑制手段として挙げられる。本件発明者らの知見によれば、従来からサイズ剤はガラス合紙製造における助剤としてその使用が一般的な記載として開示されているものの、サイズ剤に起因する汚染の検討例は何ら開示されていない。本件発明者らは、汚染抑制手段としてサイズ剤の活用についても検討を重ね、ロジン系サイズ剤が好適に用いられることを見出した。ロジン系サイズ剤は、硫酸バンドとの組合せにより高いサイズ性とパルプ繊維への吸着性を備え、ガラス合紙に過剰に含有させるとディスプレイ用ガラス表面の汚染の原因にもなり得るが、適切な量を添加することで、他の合成サイズ剤と比較すると撥水効果及び表面水酸基に対する汚染物質の吸着阻害効果を有するとの知見を得た。上記パルプスラリーにおけるサイズ剤のパルプ繊維に対する含有量の下限としては、0.5kg/パルプtが好ましく、上記含有量の上限としては、2.0kg/パルプtが好ましい。
(その他の成分等)
当該ガラス合紙の基紙においては、上記界面活性剤及びサイズ剤以外のその他の内添剤が添加されていてもよいが、ディスプレイ用ガラス表面への汚染が生じるおそれがない範囲の添加量で、その他の内添剤を添加することにより、基紙中の樹脂分を低減し、ガラスへの樹脂分の付着を低減することができる。このような内添剤としては、ガラス表面に傷及び汚染を発生させない範囲で、例えば、硫酸アルミニウム、硫酸、ロジン系、石油樹脂系、高級脂肪酸系、スチレン−アクリル系、スチレン−マレイン酸系、アルケニル無水コハク酸系、アルケニルケテンダイマー系、アルキルケテンダイマー系等のサイズ剤、ポリアクリルアミド等の各種紙力増強剤、濾水歩留り向上剤、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン等の耐水化剤、柔軟剤、帯電防止剤、消泡剤、スライムコントロール剤、ピッチコントロール剤、填料、染料等を使用することができる。
当該ガラス合紙は、一方の面が艶面、他方の面が非艶面である。当該ガラス合紙は、艶面側が液晶パネルディスプレイ、プラズマディスプレイ等に用いられるディスプレイ用ガラスの電子部材が搭載される面に密着し、非艶面側が電子部材の非搭載面側に接触するように設置され、複数枚のディスプレイ用ガラスが積層される。従って、ディスプレイ用ガラスの電子部材の非搭載面におけるガラス合紙がディスプレイ用ガラスから容易に剥離し、ディスプレイ用ガラスの電子部材搭載面側においてガラス合紙のズレを招かないため傷抑制効果が向上する。
(プリント・サーフ表面粗さ)
プリント・サーフ表面粗さは、JIS−P8151(2004)に準拠して測定した値である。プリント・サーフ表面粗さは、空気の流通量から平滑性を求める装置であるが、ベック平滑度と異なり、ガラス合紙表面の微細な凹凸に基づく結果が得られるので表面性を精査に評価できる。
ディスプレイ用ガラスの電子部材搭載面側と接触する当該ガラス合紙の艶面側(表面側)のプリント・サーフ表面粗さの下限としては、1.0μmであり、1.5μmが好ましく、2.0μmがより好ましい。プリント・サーフ表面粗さが1.0μm未満の場合、上記ディスプレイ用ガラスの電子部材搭載面側と接触するガラス合紙の艶面が過度に密着し、汚染移転が多くなる。一方、上記上限としては、10.0μmであり、9.5μmが好ましく、9.0μmがより好ましい。プリント・サーフ表面粗さが10.0μmを超えるとガラス合紙表面に凹凸部が多く形成される。従って、上記ディスプレイ用ガラスの搬送工程においてガラスとの密着性が悪化し、搬送時に傷が発生しやすくなる。
(ベック平滑度)
ベック平滑度は、JIS−P8119(1999)に準拠して測定した値である。ベック平滑度は、プリント・サーフ表面粗さと同様に空気の流通量から平滑性を求める装置であり、比較的広い面におけるマクロ的な平滑性を評価する。当該ガラス合紙においては、ベック平滑度により表面のいわゆるうねり性を評価できる。このように、上記プリント・サーフ表面粗さとベック平滑度との評価値の両者を所定の範囲に収めることで、微視的な面と或る程度広い面における傷及び汚染の抑制性を評価できる。
上記ディスプレイ用ガラスの電子部材搭載面側と接触する当該ガラス合紙の艶面側のベック平滑度の下限としては、150秒であり、155秒が好ましい。上記艶面側のベック平滑度が150秒未満の場合、ディスプレイ用ガラスの電子部材搭載面側と接触する上記艶面側との面におけるズレが生じやすく、傷や汚染の転写が生じやすくなる。一方、上記上限としては、400秒が好ましく、300秒がより好ましい。上記艶面側のベック平滑度が400秒を超える場合、上記ディスプレイ用ガラスの電子部材搭載面側とガラス合紙との密着性が高くなり、ガラス合紙からのディスプレイ用ガラスに汚れが移転し、不具合を招くおそれがある。
当該ガラス合紙の非艶面側(裏面側)のベック平滑度の上限としては、10秒であり、9秒が好ましい。非艶面側のベック平滑度が上記範囲であることにより、上記ディスプレイ用ガラスの電子部材の非搭載面と当該ガラス合紙の非艶面とが接触する場合において、上記ディスプレイ用ガラスの搬送時に適度にズレが生じ、ディスプレイ用ガラスの電子部材搭載面側と接触する艶面側(表面側)に対して衝撃やズレに対するクッション効果を付与することができる。従って、特に液晶フラットパネルディスプレイやプラズマディスプレイ用の高精細のガラスに求められるガラス合紙に起因する微小な傷の抑制効果を高めることができる。
(点滴吸水度)
当該ガラス合紙点滴吸水度は、Japan TAPPI No.32−2(吸収性の紙の吸水速度試験方法)に準拠して、滴下水量1μLで測定したときのガラス合紙に完全に吸収されるまでの時間(秒)で表す。
当該ガラス合紙の非艶面側の点滴吸水度の上限としては、30秒であり、25秒が好ましい。上記非艶面側の点滴吸水度が上記範囲であることにより、当該ガラス合紙の非艶面が保有する水分量が抑制され、上記非艶面と接触するディスプレイ用ガラスの電子部材の非搭載面に当該ガラス合紙の水分が吸着されることを調整することができる。その結果、ディスプレイ用ガラスの電子部材の非搭載面上の水に由来する水素イオンと外部雰囲気中のイオンとの間で行われるイオン交換反応に起因する変質によるディスプレイ用ガラスの電子部材の非搭載面の汚染を抑制できる。
(灰分)
灰分は、JIS−P8251(2003)に準拠して測定される値である。当該ガラス合紙は、厚み方向に20:80の割合で艶面側領域と上記非艶面側領域とに分割した場合における上記艶面側領域の灰分の上限としては、0.5%が好ましく、0.3%がより好ましい。上記灰分が上記範囲内であることで、ディスプレイ用ガラスに対するガラス合紙に起因する微小な傷の抑制効果を向上することができる。
上記特許文献1や特開2016−191162号公報に開示されているように、モース硬度が5以上、若しくはモース硬度4以上の鉱物がガラス合紙中に含有されると、ガラス合紙と接触するディスプレイ用ガラスのモース硬度が4.5から6.5の範囲であることから、ガラス合紙とディスプレイ用ガラスとの擦れにより傷が入りやすくなることは容易に類推される。一方、ガラス合紙においては、抄造時の搾水により、ガラス合紙の湿紙表面から白水と共に上記鉱物類が排出される。従って、上記特許文献1等に規定される鉱物の含有量は、実質的にはガラス合紙の中層部に存在する無機鉱物類の量であると推察される。従って、上記鉱物の含有量と傷抑制効果との関連性は低いと考察される。元来、樹木組織中にはカルシウムを筆頭に無機微量元素が含有されていることは周知である。樹木組織中には、上記特許文献1に記載されているモース硬度が高いシリカ(モース硬度:7)も含まれており、パルプ中のこれらの鉱物を除去することは困難である。しかしながら、ガラス合紙を厚み方向にディスプレイ用ガラスの電子部材搭載面と接触する艶面側と非艶面側とを20:80の割合で分割した際の艶面側の灰分を0.5%以下に規定することにより目に見えないような微小な傷が抑制されることが見出された。
(坪量)
当該ガラス合紙の坪量の下限としては、45g/mが好ましく、50g/mがより好ましい。上記坪量が45g/m未満では、ディスプレイ用ガラスへの合紙供給や梱包時における作業性が低下するおそれがある。上記上限としては、65g/mが好ましい。近年ではディスプレイ用ガラスの大型化と共に搬送効率向上を目的に一度に搬送するディスプレイ用ガラスの枚数が増加している。ディスプレイ用ガラスの間に侠持させる合紙の厚みが大きいと、一度に搬送するディスプレイ用ガラスの枚数が少なくなる。従って、ガラス合紙は、ディスプレイ用ガラスに対するガラス合紙に起因する微小な傷や汚染の抑制効果と併せて軽量化も求められている。ガラス合紙の坪量が65g/mを超えると上記軽量化の観点から好ましくない。
(密度)
当該ガラス合紙の密度の下限としては、0.55g/cmが好ましく、0.60g/cmがより好ましい。当該ガラス合紙の密度が上記下限未満である場合、当該ガラス合紙の強度が不足するおそれがある。一方、当該ガラス合紙の密度の上限としては、当該ガラス合紙中に含まれる水分及び透気量の抑制、並びに上記坪量を有するガラス合紙のしなやかさを向上させる観点から0.80g/cmが好ましい。さらに、当該ガラス合紙におけるプリント・サーフ表面粗さ及びベック平滑度が上述した範囲を充足できるという観点からも、当該ガラス合紙の密度が上記範囲内であることが好ましい。
当該ガラス合紙の紙厚としては、55μm以上116μm以下が好ましく、77μmから97μmの範囲に調整することが、ハンドリング性の面で好ましい傾向を得られる。紙厚は、坪量や密度と関係する指標であり、クラークこわさへの影響も有することから、ガラス表面への傷入りや汚染性への影響を考慮しながら調整することが必要である。紙厚は、JIS−P8118(1998)に記載の「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定される。
(クラークこわさ)
クラークこわさはJIS−P8143(2009)に準拠して測定された値であり、ガラス合紙の剛度の指標となるものである。ガラス合紙は、使用時において所定の設置方向に設置されない場合があることから、紙の流れ方向及び紙の幅方向の配置が一定ではない場合がある。従って、ガラス合紙の紙の流れ方向と上記流れ方向と直交する紙の幅方向とにおけるクラークこわさの差の絶対値が過度に大きいことは、ガラス合紙を侠持したディスプレイ用ガラスの集合体の搬送時にガラス合紙へのシワの噛み込み、メクレ、端折れ等が生じやすくなるため好ましくない。当該ガラス合紙の紙の流れ方向のクラークこわさとしては、40以上55以下が好ましく、幅方向のクラークこわさとしては18以上35以下が好ましい。
当該ガラス合紙の紙の流れ方向と上記流れ方向と直交する紙の幅方向とにおけるクラークこわさの差の絶対値の上限としては、17が好ましく、15がより好ましい。上記上限を17とすることで、ガラス合紙を侠持したディスプレイ用ガラスの集合体の搬送時におけるガラス合紙へのシワの噛み込み、メクレ、端折れ等を抑制できる。一方、クラークこわさの差の絶対値の下限としては、10が好ましく、14がより好ましい。上記下限を10とすることで、ガラス合紙をディスプレイ用ガラスに挿入した際の、ディスプレイ用ガラスの間から突出したガラス合紙の直立性を維持しやすくできる。特に発明者等の知見では、クラークこわさの差を14から17の範囲に調整することでハンドリング性が向上することを見出している。クラークこわさの差を14から17の範囲に調整することで、ガラス合紙が不用意に折れ曲がったり、ガラス合紙に皺が生じたりすることなくガラス合紙を取り扱うことができるハンドリング性能を向上できる。なお、クラークこわさの差の調整は、抄紙時のJ/W比やダンデイロール、シェーキング装置を使用することにより達成できる。
(フリーネス)
当該ガラス合紙は、JIS−P8220−1(2012)のパルプの離解方法に準拠して離解することによって離解パルプとし、この離解パルプをJIS−P8121−2(2012)のカナダ標準ろ水度試験方法に準拠して測定されるフリーネスの下限としては、450mlが好ましく、470mlがより好ましい。離解パルプのフリーネスが450ml未満であると、当該ガラス用合紙は、ガラスの間から突出した合紙が直立の状態を保ち難くなるため、取り出し装置で合紙を掴むことができないおそれがある。一方、上記上限としては、550mlが好ましい。上記フリーネスが550mlを超えると、繊維同士の絡み合いや結合点の数が少なくなり、操業においての断紙が発生しやすくなるおそれがある。
当該ガラス合紙によれば、液晶フラットパネルディスプレイやプラズマディスプレイ等の高精細なディスプレイ用のガラスを複数枚積層して保管、運搬する流通過程や製造工程でガラス間に挿入するガラス合紙において、高精細なディスプレイ用ガラスに対するガラス合紙に起因する微小な傷や汚染の抑制効果に優れる。
<ガラス合紙の製造方法>
当該ガラス合紙の製造方法は特に限定されないが、例えばパルプ繊維を主成分とし、界面活性剤及びサイズ剤を含むパルプスラリーを抄紙する工程を含む。次に、ヤンキードライヤーにて乾燥し、ヤンキードライヤーとの接触面が艶面として形成される。上記製造方法により、基紙中に界面活性剤と、サイズ剤とが内添された当該ガラス合紙を得ることができる。
上記パルプスラリーに含有されるパルプ繊維、界面活性剤及びサイズ剤は、上述したとおりである。
上記ガラス合紙の製造方法においては、初めに、パルプスラリーを脱水(抄紙)する。当該ガラス合紙の抄造は、長網、円網、ギャップフォーマー等の公知の抄造手段を採用でる。ワイヤーパートでの脱水時に不要な鉱物が除去されると同時に灰分を比較的多く含む微細な繊維も除去されるので、灰分が0.5%以下となるように製造できる。さらに、灰分の含有量を低減するために、バージンパルプ100%のパルプスラリー抄紙すること、白水をクローズド化し無機物の混入を排除すること、無機物を一切添加しないこと等が採用される。
次に、上記パルプスラリーを脱水して得られるパルプ(抄紙したパルプ)の一方の面側をヤンキードライヤーによって乾燥する。当該ガラス合紙は、ヤンキードライヤーとの接触面が艶面として形成される。より詳細には、ヤンキードライヤーにいわゆる毛布にて湿紙を押し当て、ヤンキードライヤーのシリンダー表面の鏡面を湿紙に写し取ることでガラス合紙の艶面が得られる。また、ヤンキードライヤーとの非接触面が非艶面として形成される。上記非艶面側においては、毛布の素材や毛布をヤンキードライヤーに押し当てるタッチロールの加圧加減でプリント・サーフ表面粗さ及びベック平滑度を調整する。
当該ガラス合紙は、多額の設備投資や複雑な工程を必要とせず、既存の設備を用いて製造することができ、高精細なディスプレイ用ガラスに対するガラス合紙に起因する微小な傷や汚染の抑制効果に優れるガラス合紙を提供することができる。
<その他の実施形態>
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
本件発明に基づくガラス合紙は、多筒式ドライヤーで乾燥及び平滑化される両更クラフト紙と異なり、ヤンキー式ドライヤーにて乾燥処理され、ガラス合紙表面が艶面と非艶面との両面性を有する。そして、ディスプレイ用ガラスの電子素子が設けられる電極搭載面にガラス合紙の艶面が当接する様に用いられる。そのため、ディスプレイ用ガラス表面の高い平坦性の面に、同様に高い平坦性を有するガラス合紙の艶面の平滑度が高いので密着する。その結果、本件発明の課題である傷入りや汚染を改善できる効果を醸し出す事が出来るとともに、上記ガラス合紙が大型化されたディスプレイ用ガラスに対して密着性を保持することにより、ガラス用合紙の脱落や皺入りが生じることがなく、ディスプレイ用ガラスに対する保護性が高い。さらに、当該ガラス合紙は、ディスプレイ用ガラス及びガラス合紙の挿入や取り出し等のハンドリング性に優れ、高いハンドリング効果も確保することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例の物性値の測定方法は以下のとおりである。
[プリント・サーフ表面粗さ(μm)]
PPS TESTER(型番:SE−115 ローレンツェンアンドベットレー社製)を用い、ソフトバッキング、クランプ圧1MPaにて、JIS−P8151(2004)に記載の「プリント・サーフ表面粗さの測定方法」に準拠して測定した。
[ベック平滑度(秒)]
JIS−P8119(1998)に記載の「ベック平滑度の測定方法」に準拠して測定した。
[点滴吸水度(秒)]
JAPAN.TAPPI No.32−2に記載の「紙−吸水性試験方法−第2部:滴下法」に準拠して測定した。滴下水量1μLで測定した。試料に完全に吸収されるまでの時間(秒)を測定した。
[灰分(%)]
各実施例及び比較例を厚み方向に20:80の割合で艶面側領域と上記非艶面側領域とに分割した場合における上記艶面側領域の灰分(%)を測定した。灰分は、JIS−P8251(2003)に記載の「灰分の測定方法」に準拠して測定した。
[坪量(g/m)]
JIS−P8142(1998)に記載の「紙及び板紙−坪量測定方法」に準拠して測定した。
[紙厚(μm)]
JIS−P8118(1998)に記載の「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定した。
[密度(g/cm)]
JIS−P8118(1998)に記載の「「厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定した。
[クラークこわさ(cm/100)]
JIS−P8143(2009)に記載の「クラークこわさ測定方法」に準拠して測定した。
[フリーネス(mL)]
得られたガラス合紙をJIS−P8220−1(2012)のパルプの離解方法に準拠して離解することによって離解パルプとし、この離解パルプをJIS−P8121−2(2012)のカナダ標準ろ水度試験方法に準拠して測定した。
[実施例1]
(1)LBKPの100部のパルプスラリー中に、以下の原料を添加した。
ロジン系サイズ剤(荒川化学工業社の「サイズパインE」):1.35kg/パルプt
硫酸バンドとしての硫酸アルミニウム(大明化学工業):6.00kg/パルプt
界面活性剤としての脂肪酸エステル(星光PMC社のDF6300):2.00kg/パルプt
(2)このパルプスラリーをワイヤーパートが長網抄紙機を用いて、抄紙した。
(3)次に、ヤンキードライヤーを用いてワイヤー面を艶面(表面)とし、実施例1のガラス合紙を得た。
(4)実施例1のガラス合紙の物性値は以下のとおりである。
艶面のプリント・サーフ表面粗さ:5.0μm
ベック平滑度:艶面230秒、非艶面6秒
非艶面の点滴吸水度:20秒
艶面側領域の灰分:0.2(%)
坪量:60g/m
紙厚:85μm
密度:0.70g/cm
クラークこわさ:流れ方向43cm/100、幅方向30cm/100
流れ方向と幅方向との差異(絶対値)13
フリーネス:530mL(mL)
[実施例2〜6及び比較例1〜6]
原料の種類、含有量及び物性値を表1に示すとおりとしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜6及び比較例1〜6のガラス合紙を得た。また、比較例6は、多筒式ドライヤーで乾燥し、片艶処理を行わなかった。なお、以下の表1中の「−」は、該当する成分を用いなかったことを示す。
Figure 0006955920
[評価]
得られた各ガラス合紙に対して、下記方法にて、液晶ディスプレイ用無アルカリガラスへの傷および汚染について評価した。評価結果を表2に示す。
サイズ300×300mm、厚さ0.7mmの液晶ディスプレイ用無アルカリガラスと各ガラス合紙を交互に各10枚積層させた上に、5kgの荷重をかけ、50℃、80%RHの環境で7日間処理し、上記ディスプレイ用ガラスを洗浄した後、上記ガラス表面への傷および汚染を評価した。
評価基準は以下のとおりとした。
(ディスプレイ用ガラス表面への傷)
◎:表面に汚れ・傷は一切見受けられなかった。
○:表面にわずかに傷が見られるが、使用には差し支えのない範囲と判断される。
△:表面に傷がやや多く、使用には差し支えがある範囲と判断される。
×:表面に傷が多く、使用には差し支えがある範囲と判断される。
(ディスプレイ用ガラス表面への汚染)
◎:表面に汚染は一切見受けられなかった。
○:表面に光を照らし、僅かに油膜状の付着が見られるが、使用には差し支えのない範囲と判断される。
△:表面に油膜状の付着が僅かに見られ、使用には差し支えがある範囲と判断される。
×:表面に油膜状の汚れが散見される。
(ハンドリング性)
◎:ハンドリング性が非常に良好である。
○:作業環境条件によっては、若干ハンドリング性が低下するが、使用には差し支えのない範囲と判断される。
△:作業環境条件によっては、ハンドリング性がやや劣り、使用には差し支えがある範囲と判断される。
×:作業環境条件によらず、ハンドリング性が劣り、使用には差し支えがある範囲と判断される。
Figure 0006955920
上記表2に示されるように、実施例1〜実施例6は、高精細なディスプレイ用ガラスに対するガラス合紙に起因する微小な傷や汚染の抑制効果に優れることが示された。また、実施例1〜実施例6は、液晶パネルディスプレイやプラズマパネルディスプレイといったフラットパネルディスプレイ用のガラスを複数枚積層して保管、運搬する流通過程や製造工程において、ハンドリング適性に優れた効果が示された。
一方、比較例1〜比較例6は、ディスプレイ用ガラス表面への傷及び汚染、並びにハンドリング性の全てにおいて劣っていた。
本発明のガラス合紙は、液晶テレビ、プラズマテレビ、スマートフォン、タブレットなどのフラットパネルディスプレイに用いられるガラス基板等の合紙として好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. パルプ繊維を主成分とし、
    ロジン系サイズ剤、硫酸バンド及び界面活性剤を含み、
    上記パルプ繊維が広葉樹クラフトパルプからなり、
    離解パルプのフリーネスが450ml以上507ml以下であり、
    一方の面が艶面、他方の面が非艶面であり、
    上記艶面のJIS−P8151(2004)に準拠して測定されたプリント・サーフ表面粗さが1.0μm以上10.0μm以下であり、JIS−P8119(1998)に準拠して測定されたベック平滑度が150秒以上であり、
    上記非艶面の上記ベック平滑度が10秒以下であり、JAPAN.TAPPI No.32−2に規定される点滴吸水度が30秒以下であり、
    厚み方向に20:80の割合で艶面側領域と上記非艶面側領域とに分割した場合における上記艶面側領域のJIS−P8251(2003)に準拠して測定された灰分が0.5%以下であるガラス合紙。
  2. 上記ロジン系サイズ剤の含有量が、0.5kg/パルプt以上2.0kg/パルプt以下である請求項1に記載のガラス合紙。
  3. 坪量が45g/m以上65g/m以下であり、密度が0.55g/cm以上0.80g/cm以下である請求項1又は請求項2に記載のガラス合紙。
  4. 上記ガラス合紙の紙の流れ方向と上記流れ方向と直交する紙の幅方向とにおけるJIS−P8143(2009)に準拠して測定されたクラークこわさの差の絶対値が17以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載のガラス合紙。
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