JP2009135777A - マイクロフォンユニット及び音声入力装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 外形が小さく、かつ、高品質のマイクロフォンユニット、及び、音声入力装置を提供すること。
【解決手段】 マイクロフォンユニット1は、内部空間100を有する筐体10と、内部空間100を第1の空間102と第2の空間104とに分割する少なくとも一部が振動膜30で構成された仕切り部材20と、振動膜30の振動に基づいて電気信号38にゲインを与えて出力する出力部40と、を含む。筐体10には、第1の空間102と筐体10の外部空間110とを連通する第1の開口部12と、第2の空間104と筐体10の外部空間110とを連通する第2の開口部14とが形成されている。出力部40は、第1の開口部12及び第2の開口部14が開放されている状態では、第1の開口部12又は第2の開口部14が閉塞されている状態よりも高いゲインを電気信号38に与えて出力する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、マイクロフォンユニット及び音声入力装置に関する。
電話などによる通話や、音声認識、音声録音などに際しては、目的の音声(ユーザの音声)のみを収音することが好ましい。しかし、音声入力装置の使用環境では、背景雑音など目的の音声以外の音が存在することがある。そのため、雑音が存在する環境で使用される場合にもユーザの音声を正確に抽出することが可能にする、雑音を除去する機能を有する音声入力装置の開発が進んでいる。
雑音が存在する使用環境で雑音を除去する技術として、マイクロフォンユニットに鋭い指向性を持たせること、あるいは、音波の到来時刻差を利用して音波の到来方向を識別して信号処理により雑音を除去する方法が知られている。
また、近年では、電子機器の小型化が進んでおり、音声入力装置を小型化する技術が重要になっている。
特開平7−312638号公報 特開平9−331377号公報 特開2001−186241号公報
マイクロフォンユニットに鋭い指向性を持たせるためには、多数の振動膜を並べる必要があり、小型化は困難である。
また、音波の到来時刻差を利用して音波の到来方向を精度よく検出するためには、複数の振動膜を、可聴音波の数波長分の1程度の間隔で設置する必要があるため、小型化は困難である。
さらに、雑音がほとんど存在しない環境では積極的に雑音を除去する必要がなく、むしろマイクロフォンユニットの内部で発生する雑音に対してSNR(Signal to Noise Ratio)を向上することが望まれる。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、外形が小さく、かつ、高品質のマイクロフォンユニット、及び、音声入力装置を提供することを目的とする。
(1)本発明に係るマイクロフォンユニットは、
内部空間を有する筐体と、
前記筐体の内部空間を第1の空間と第2の空間とに分割する少なくとも一部が振動膜で構成された仕切り部材と、
前記振動膜の振動に基づく電気信号にゲインを与えて出力する出力部と、
を含み、
前記筐体には、前記第1の空間と前記筐体の外部空間とを連通する第1の開口部と、前記第2の空間と前記筐体の外部空間とを連通する第2の開口部とが形成され、
前記出力部は、
前記第1の開口部及び前記第2の開口部が開放されている状態では、前記第1の開口部又は前記第2の開口部が閉塞されている状態よりも高いゲインを前記電気信号に与えて出力することを特徴とする。
筐体は、第1の空間及び第2の空間以外の空間を有していてもよい。
第1の開口部又は第2の開口部が閉塞されている状態では振動膜の振動に基づく電気信号に与えるゲインを所定の第1の値に設定し、第1の開口部及び第2の開口部が開放されている状態では振動膜の振動に基づく電気信号に与えるゲインを第1の値よりも大きい所定の第2の値に設定するようにしてもよい。
本発明によれば、2つの開口部がともに開放されている状態では、振動膜の両面に、ユーザ音声及び雑音が入射する。遠方から振動膜の両面に入射する雑音は、ほぼ同じ音圧になるため、振動膜で打ち消しあう。そのため、振動膜を振動させる音圧は、ユーザ音声を示す音圧であるとみなすことができ、振動膜の振動に基づいて取得された電気信号は、雑音が除去された、ユーザ音声を示す電気信号であるとみなすことができる。
また、本発明によれば、音声が振動膜の両面に入射した場合には振動膜の両面に加わる音圧の差に応じた電圧レベルの電気信号が取得される。そして、音圧は音源からの距離に反比例するので、音源から2つの開口部までの距離の差が大きいほど、取得される電気信号の電圧レベルが高くなる。すなわち、2つの開口部がともに開放されている状態では、2つの開口部を結ぶ直線上に音源が存在する場合に感度が最も高くなる両指向特性のマイクロフォンとして機能させることができる。
また、本発明によれば、2つの開口部の一方が閉塞されている状態では、振動膜の片面に、ユーザ音声及び雑音が入射する。音声が振動膜の両面に入射した場合には振動膜を振動させる音圧は振動膜の両面に加わる音圧の差であるのに対して、音声が振動膜の片面に入射した場合には振動膜を振動させる音圧は振動膜の片面に加わる音圧である。従って、2つの開口部の一方が閉塞されている状態では、ユーザ音声を示す電気信号の電圧レベルを向上させることができる。その結果、雑音がほとんど存在しない環境においては、2つの開口部の一方が閉塞されている状態の方が、2つの開口部がともに開放されている状態よりもSNRを向上させることができる。
また、本発明によれば、2つの開口部の一方が閉塞されている状態では、振動膜の片面に、ユーザ音声及び雑音が入射するので、無指向特性のマイクロフォンとして機能させることができる。従って、本発明に係るマイクロフォンユニットは、周囲の音を意図的に集音させるような用途にも使用することができる。
さらに、本発明によれば、2つの開口部がともに開放されている状態におけるユーザ音声を示す電気信号の電圧レベルは、2つの開口部の一方が閉塞されている状態におけるユーザ音声を示す電気信号の電圧レベルよりも低い。そこで、2つの開口部がともに開放されている時は、ユーザ音声を示す電気信号に、2つの開口部の一方が閉塞されている時よりも高いゲインを与えて出力する。その結果、ゲインを適切に設定しておけば、2つの開口部がともに開放されている状態でも、2つの開口部の一方が閉塞されている状態でも、マイクロフォンユニットが出力するユーザ音声の音量を一定に保つことができる。そのため、音量の急激な変化により会話の相手方が聞き取りづらくなることを防止することができる。
以上より、本発明によれば、簡単な構成で、必要に応じてマイクの特性を変えることができる高品質のマイクロフォンユニットを提供することができる。
(2)本発明に係るマイクロフォンユニットは、
前記出力部は、
前記第1の開口部又は前記第2の開口部が閉塞されている状態から前記第1の開口部及び前記第2の開口部が開放されている状態に変化した時は、前記電気信号に与えるゲインを高くするようにしてもよい。
第1の開口部又は第2の開口部が閉塞されている状態から第1の開口部及び第2の開口部が開放されている状態に変化した時は、振動膜の振動に基づく電気信号に与えるゲインを所定の値だけ増加するようにしてもよいし、振動膜の振動に基づく電気信号に与えるゲインを所定の第2の値に設定するようにしてもよい。
(3)本発明に係るマイクロフォンユニットは、
前記出力部は、
前記第1の開口部及び前記第2の開口部が開放されている状態から前記第1の開口部又は前記第2の開口部が閉塞されている状態に変化した時は、前記電気信号に与えるゲインを低くするようにしてもよい。
第1の開口部及び第2の開口部が開放されている状態から第1の開口部又は第2の開口部が閉塞されている状態に変化した時は、振動膜の振動に基づく電気信号に与えるゲインを所定の値だけ減少するようにしてもよいし、振動膜の振動に基づく電気信号に与えるゲインを所定の第1の値に設定するようにしてもよい。
(4)本発明に係るマイクロフォンユニットは、
前記第1の開口部及び前記第2の開口部が開放されている状態、もしくは前記第1の開口部又は前記第2の開口部が閉塞されている状態を検出する検出部を含み、
前記出力部は前記検出部の検出結果に基づいて、前記電気信号に与えるゲインを切り替えるようにしてもよい。
検出部は2つの開口部がともに開放状態にあるか一方の開口部が閉塞状態にあるかを検出することができればよく、その構造は限定されない。例えば、機械的構造により開口部に対する接触を検知するスイッチのようなものであってもよいし、筐体内の光量を検出する光センサであってもよい。
(5)本発明に係るマイクロフォンユニットは、
前記検出部は、
前記第1の開口部又は前記第2の開口部に隣接して配置され、前記第1の開口部又は前記第2の開口部が塞がれた時にオン又はオフになるスイッチとして構成され、
前記出力部は、
前記スイッチのオン又はオフに基づいて、前記電気信号に与えるゲインを切り替えるようにしてもよい。
本発明によれば、開口部に隣接してスイッチを設けることにより、指等で開口部を塞ぐと同時にスイッチを押すことが可能になる。従って、簡単な構造で開口部の開閉状態に応じて出力部のゲインを制御することができる。
(6)本発明に係るマイクロフォンユニットは、
開閉状態に応じて、前記第1の開口部又は前記第2の開口部の一方を開放状態または閉塞状態にする蓋部を含み、
前記出力部は、
前記蓋部の開閉状態に基づいて、前記電気信号に与えるゲインを切り替えるようにしてもよい。
蓋部は、ユーザが手動で開閉するような構造であってもよいし、所定のボタンを押下することにより開閉が行われるような構造であってもよい。
蓋部は、開閉機構を有するものであればよく、開閉方式は限定されない。例えば、スライド式や回転式の開閉機構であってもよい。
本発明によれば、蓋部を有することにより、開口部を指等で押さえ続ける必要がなく、開口部を連続的に開放状態あるいは閉塞状態に保つことができる。
(7)本発明に係るマイクロフォンユニットは、
話者音量に基づいて前記蓋部の開閉状態を制御する開閉制御部を含むようにしてもよい。
開閉制御部は、話者音量と所定の基準値を比較し、比較結果に基づいて蓋部の開閉状態を制御するようにしてもよいし、過去の一定期間の話者音量の変化に基づいて蓋部の開閉状態を制御するようにしてもよい。
開閉制御部は、話者音量と蓋部の現在の開閉状態に基づいて蓋部の開閉状態を制御するようにしてもよい。例えば、蓋部が閉まっている状態において、話者音量が急激に大きくなった場合には雑音の多い環境に変化したと推測されるので、蓋部を開けるように制御してもよい。また、例えば、蓋部が開いている状態において、話者音量が急激に小さくなった場合には雑音の少ない環境に変化したと推測されるので、蓋部を閉めるように制御してもよい。
開閉制御部は、出力部の出力信号の電圧レベルに基づいて話者音量を推定するようにしてもよい。
本発明によれば、話者音量に基づいて蓋部の開閉状態を制御する開閉制御部を有するので、ユーザが蓋の開閉を意識する必要がなくなり、実用性をより向上させることができる。
(8)本発明は、
上記のいずれかに記載のマイクロフォンユニットが実装された音声入力装置である。
すなわち、本発明に係る音声入力装置には、内部空間を有する筐体と、前記筐体の内部空間を第1の空間と第2の空間とに分割する少なくとも一部が振動膜で構成された仕切り部材と、前記振動膜の振動に基づく電気信号にゲインを与えて出力する出力部と、を含み、前記筐体には、前記第1の空間と前記筐体の外部空間とを連通する第1の開口部と、前記第2の空間と前記筐体の外部空間とを連通する第2の開口部とが形成され、前記出力部は、前記第1の開口部及び前記第2の開口部が開放されている状態では、前記第1の開口部又は前記第2の開口部が閉塞されている状態よりも高いゲインを前記電気信号に与えて出力するマイクロフォンユニットが実装されている。
この音声入力装置によると、マイクロフォンユニットの2つの開口部がともに開放されている状態にすることにより、雑音が精度よく除去された、ユーザ音声を示す電気信号を取得することができる。そのため、本発明によれば、精度の高い音声認識処理や、音声認証処理、あるいは、入力音声に基づくコマンド生成処理などの実現を可能にする音声入力装置を提供することができる。
(9)本発明に係る音声入力装置は、
音情報を出力するスピーカと、
前記スピーカの音量を制御する音量制御部と、を含み、
前記音量制御部は、
前記第1の開口部及び前記第2の開口部が開放されている状態では、前記第1の開口部又は前記第2の開口部が閉塞されている状態よりも前記スピーカの音量を大きくするようにしてもよい。
本発明によれば、ユーザがマイクロフォンユニットの2つの開口部がともに開放されている状態で音声入力装置を使用している場合は雑音の多い環境にいると推測されるので、スピーカの音量を大きくすることにより、スピーカから発せられる音を聞き取りやすくすることができる。
(10)本発明に係る音声入力装置は、
前記音量制御部は、
前記第1の開口部又は前記第2の開口部が閉塞されている状態から前記第1の開口部及び前記第2の開口部が開放されている状態に変化した時は、前記スピーカの音量を大きくするようにしてもよい。
本発明によれば、一方の開口部が閉塞されている状態から2つの開口部がともに開放されている状態に変化した時は、雑音の少ない環境から雑音の多い環境に変化したと推測されるので、スピーカの音量を大きくすることにより、スピーカから発せられる音を聞き取りやすくすることができる。
(11)本発明に係る音声入力装置は、
前記音量制御部は、
前記第1の開口部及び前記第2の開口部が開放されている状態から前記第1の開口部又は前記第2の開口部が閉塞されている状態に変化した時は、前記スピーカの音量を小さくするようにしてもよい。
本発明によれば、2つの開口部がともに開放されている状態から一方の開口部が閉塞されている状態に変化した時は、雑音の多い環境から雑音の少ない環境に変化したと推測されるので、スピーカの音量を小さくすることにより、スピーカから発せられる音を聞き取りやすくすることができる。
以下、本発明を適用した実施の形態について図面を参照して説明する。ただし、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。また、本発明は、以下の内容を自由に組み合わせたものを含むものとする。
1.マイク特性
(A)マイクの構造及び動作原理
図1(A)は、単振動膜の通常マイクの構造及び動作原理について説明するための図である。マイクロフォン700はコンデンサ型のマイクロフォンであり、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)として構成されていてもよい。
マイクロフォン700は、振動膜702を有する。振動膜702は、音波を受けて振動する膜(薄膜)で、導電性を有し、電極の一端を形成している。
マイクロフォン700は、また、ベース基板706上に絶縁膜710を介して形成された電極704を有する。電極704は、絶縁膜708を介して振動膜702と対向して配置されている。これにより、振動膜702と電極704とは容量を形成する。
マイクロフォン700に音波が入射すると、振動膜702の一方の面(上面)703に音圧pfが加わる。その結果、音圧pfに応じて振動膜702が振動して、振動膜702と電極704との間隔(ギャップ間隔712)が変化し、振動膜702と電極704との間の静電容量が変化する。この静電容量の変化を、例えば電圧の変化として取り出すことによって、振動膜702の振動に基づく電気信号を取得することができる。すなわち、マイクロフォン700に入射する音波を、電気信号に変換して出力することができる。
なお、マイクロフォン700では、電極704は、音波の影響を受けない構造をなしていてもよい。例えば、電極704はメッシュ構造をなしていてもよい。
図1(B)は、単振動膜の差動マイクの構造及び動作原理について説明するための図である。マイクロフォン800は、マイクロフォン700と同様の構造の振動膜802、電極804、絶縁膜808及び810を有するコンデンサ型のマイクロフォンであり、MEMSとして構成されていてもよい。
一方、マイクロフォン700と異なり、マイクロフォン800のベース基板806は開口部814を有する。そのため、マイクロフォン800に音波が入射すると、振動膜802の一方の面(上面)803と他方の面(下面)805にそれぞれ音圧pfとpbが加わる。その結果、音圧pfとpbの差に応じて振動膜802が振動して、振動膜802と電極804との間隔(ギャップ間隔812)が変化し、振動膜802と電極804との間の静電容量が変化する。この静電容量の変化を、例えば電圧の変化として取り出すことによって、振動膜802の振動に基づく電気信号を取得することができる。すなわち、マイクロフォン800に入射する音波を、電気信号に変換して出力することができる。
(2)音波の性質
音波は、媒質中を進行するにつれ減衰し、音圧(音波の強度・振幅)が低下する。音圧は、音源からの距離に反比例するため、音圧Pは、音源からの距離Rとの関係において、
Figure 2009135777
と表すことができる。なお、式(1)中、Kは比例定数である。
図2には、式(1)を表すグラフを示すが、本図からもわかるように、音圧(音波の振幅)は、音源に近い位置(グラフの左側)では急激に減衰し、音源から離れるほどなだらかに減衰する。図1(A)で説明したマイクロフォン700では、音源から振動膜702の上面703までの距離がr1の時に振動膜に加わる音圧pfはp1になる。
図1(B)で説明したマイクロフォン800においても、音源から振動膜802の上面803までの距離がr1の時、振動膜802の上面803には音圧p1が加わる。また、開口部814と振動膜802の下面805の間の空間では音波は拡散しないため音波の減衰はほとんどないので、音源から開口部814までの距離がr2であれば、振動膜802の下面805には音圧p2が加わる。
上述したように、マイクロフォン800は、振動膜802の上面803に加わる音圧pfと下面805に加わる音圧pbの差に応じて変化する静電容量を電気信号に変換して出力する。従って、マイクロフォン700とマイクロフォン800を音源から等距離r1に配置した場合、マイクロフォン800の出力レベルはマイクロフォン700の出力レベルの(p1−p2)/p1(=Δp1/p1)に減衰する。
同様に、音源から振動膜702の上面703までの距離がr1、音源から開口部814までの距離がr3であれば、マイクロフォン800の出力レベルはマイクロフォン700の出力レベルの(p1−p3)/p1(=Δp2/p1)に減衰する。
なお、r2−r1(=Δr1)<r3−r1(=Δr2)、Δp1<Δp2であるので、音源から振動膜702の上面703までの距離と開口部814までの距離の差が小さいほど、マイクロフォン800の出力レベルはより減衰することがわかる。
以下では、マイクロフォン700のように振動膜の片面に音圧が加わるマイクロフォンを通常マイク、マイクロフォン800のように振動膜の両面に音圧が加わるマイクロフォンを差動マイクと呼ぶことにする。
図3に、通常マイクの振動膜に加わる音圧レベル特性(通常マイク特性)と差動マイクの振動膜に加わる音圧レベル特性(差動マイク特性)の一例を示す。
上述したように、マイクロフォン700(通常マイク)では振動膜702の片面に音圧pfが加わる。一方、マイクロフォン800(差動マイク)では振動膜802の両面にそれぞれ音圧pf、pbが加わるため、結局、振動膜802に加わる音圧はpf−pbとなる。そのため、図3に示すように、差動マイクの振動膜に加わる音圧レベルは、通常マイクの振動膜に加わる音圧レベルよりも低く、かつ、音源からの距離に対する音圧レベルの減衰も急である。
図4(A)は、通常マイクの指向性について説明するための図である。マイクロフォン700(通常マイク)は、その振動膜702の上面703が0°の方向と垂直になるように配置されている。この時、音源とマイクロフォン700(振動膜702)の距離が一定であれば、音源がどの方向にあってもマイクロフォン700(振動膜702)に加わる音圧pfは一定である。すなわち、通常マイクはあらゆる方向から入射される音波を平等に受ける性質(無指向特性)を有する。
図4(B)は、差動マイクの指向性について説明するための図である。マイクロフォン800(差動マイク)は、その振動膜802の上面803及び下面805がそれぞれ0°及び180°の方向と垂直になるように配置されている。この時、音源とマイクロフォン800(振動膜802)の距離が一定であるとすると、音源が0°又は180°の方向にある時にマイクロフォン800(振動膜802)に加わる音圧が最大になり、音源が90°又は270°の方向にある時にマイクロフォン800(振動膜802)に加わる音圧pf−pbが最小(0)になる。すなわち、差動マイクは0°及び180°の方向から入射される音波を受けやすく、90°及び270°の方向から入射される音波を受けにくい性質(両指向特性)を有する。
マイクロフォン800を接話型の音声入力装置に適用する場合、ユーザの音声は、マイクロフォン800(振動膜802)の近傍から発生する。そのため、ユーザの音声は、振動膜802の上面803と下面805の間で大きく減衰し、振動膜802の上面803及び下面805に入射するユーザ音声の音圧には、大きな差が現れる。
これに対して雑音成分は、ユーザの音声に比べて、音源が、マイクロフォン800(振動膜802)から遠い位置に存在する。そのため、雑音の音圧は、振動膜802の上面803と下面805の間でほとんど減衰せず、振動膜802の上面803及び下面805に入射する雑音の音圧には、ほとんど差が現れない。
(3)雑音除去原理
上述したように、振動膜802は、振動膜802の上面803及び下面805に同時に入射する音波の音圧の差によって振動する。そして、振動膜802の上面803及び下面805に入射する雑音の音圧の差は非常に小さいため、振動膜802で打ち消される。これに対して、振動膜802の上面803及び下面805に入射するユーザ音声の音圧の差は大きいため、ユーザ音声は振動膜802で打ち消されず、振動膜802を振動させる。
このことから、マイクロフォン800によると、振動膜802は、ユーザの音声のみによって振動しているとみなすことができる。そのため、マイクロフォン800から出力される電気信号は、雑音が除去された、ユーザ音声のみを示す信号とみなすことができる。
すなわち、差動マイクによると、簡易な構成で、雑音が除去されたユーザ音声を示す電気信号を取得することが可能である。そのため、雑音の多い環境下においては、一般に差動マイクの出力のSNRは通常マイクの出力のSNRよりも高い。従って、雑音の多い環境下においては、差動マイクを使用した方がより鮮明なユーザ音声を相手に伝えることができる場合が多い。
一方、上述したように、通常マイクの出力は差動マイクの出力よりも大きいので、マイクの出力回路で発生する雑音(ゲインアンプのノイズ等)が外来の雑音よりも大きい環境下(静寂な環境下)においては、一般に通常マイクの出力のSNRは差動マイクの出力のSNRよりも高い。
また、後述するように通常マイクは差動マイクに比べて出力部のゲインを低く設定することができるので、一般に、通常マイクの消費電流は差動マイクの消費電流よりも小さくて済む。
すなわち、マイクを使用する周囲環境に応じて、通常マイクと差動マイクを切り替えることができれば、周囲環境によらずに常に鮮明なユーザ音声を相手に伝えることができるし、無駄な消費電流を削減することもできる。以下に説明する本実施の形態のマイクロフォンユニット及び音声入力装置は、通常マイクとして機能することもできるし、差動マイクとして機能することもできる構造を有する。
2.マイクロフォンユニット1の構成
次に、本実施の形態に係るマイクロフォンユニット1の構成について説明する。
本実施の形態に係るマイクロフォンユニット1は、図5及び図6(A)に示すように、筐体10を含む。筐体10は、マイクロフォンユニット1の外形を構成する部材である。筐体10(マイクロフォンユニット1)の外形は多面体構造となっていてもよい。筐体10の外形は、図5に示すように、六面体(直方体又は立方体)となっていてもよい。ただし、筐体10の外形は六面体以外の多面体構造となっていてもよい。あるいは、筐体10の外形は、球状構造(半球状構造)等の、多面体以外の構造となっていてもよい。
筐体10は、図6(A)に示すように、内部空間100(第1及び第2の空間102,104)を有する。すなわち、筐体10は所定の空間を区画する構造をなしており、内部空間100とは、筐体10によって区画される空間である。筐体10は、内部空間100と、筐体10の外部の空間(外部空間110)とを電気的・磁気的に遮蔽する遮蔽構造(電磁シールド構造)をなしていてもよい。これにより、後述する振動膜30及び出力部40が、筐体10の外部(外部空間110)に配置された電子部品の影響を受けにくくすることができるため、精度の高い雑音除去機能を実現することが可能なマイクロフォンユニットを提供することができる。
そして、筐体10には、図5及び図6(A)に示すように、筐体10の内部空間100と外部空間110とを連通させる開口部が形成されている。本実施の形態では、筐体10には、第1の開口部12と第2の開口部14とが形成されている。ここで、第1の開口部12は、第1の空間102と外部空間110とを連通する開口部である。また、第2の開口部14は、第2の空間104と外部空間110とを連通する開口部である。なお、第1及び第2の空間102,104については後で詳述する。第1及び第2の開口部12,14の外形は特に限定されるものではないが、例えば図5に示すように、円形となっていてもよい。ただし、第1及び第2の開口部12,14の外形は、円形以外の形状であってもよく、例えば矩形であってもよい。
本実施の形態では、図5及び図6(A)に示すように、第1及び第2の開口部12,14は、六面体構造(多面体構造)をなす筐体10の1つの面15に形成されている。これにより、第1及び第2の開口部12,14から、筐体10の内部に入射する雑音の音圧を(ほぼ)等しくすることができるため、雑音を、精度良く除去することが可能になる。ただし、変形例として、第1及び第2の開口部12,14は、それぞれ、多面体の異なる面に形成されていてもよい。例えば、第1及び第2の開口部12,14は、六面体の対向する面に形成されていてもよく、六面体の隣り合う面に形成されていてもよい。また、本実施の形態では、筐体10には、1つの第1の開口部12と1つの第2の開口部14とが形成されている。ただし、本発明はこれに限られず、筐体10には、複数の第1の開口部12及び複数の第2の開口部14が形成されていてもよい。
本実施の形態に係るマイクロフォンユニット1は、図6(A)及び図6(B)に示すように、仕切り部材20を含む。ここで、図6(B)は、仕切り部材20を正面から観察した図である。仕切り部材20は、筐体10内に、内部空間100を分割するように設けられる。本実施の形態では、仕切り部材20は、内部空間100を、第1の空間102及び第2の空間104に分割するように設けられる。すなわち、第1及び第2の空間102,104は、それぞれ、筐体10及び仕切り部材20で区画された空間であるといえる。
仕切り部材20は、音波を伝搬する媒質が、筐体10の内部で、第1の空間102と第2の空間104との間を移動しないように(移動できないように)設けられていてもよい。例えば、仕切り部材20は、内部空間100(第1及び第2の空間102,104)を筐体10内部で気密に分離する、気密隔壁であってもよい。
仕切り部材20は、図6(A)及び図6(B)に示すように、少なくとも一部が振動膜30で構成されている。振動膜30は、音波が入射すると、法線方向に振動する部材である。そして、マイクロフォンユニット1では、振動膜30の振動に基づいて電気信号38を抽出することで、振動膜30に入射した音声を示す電気信号を取得する。すなわち、振動膜30は、マイクロフォン(音響信号を電気信号に変換する電気音響変換器)の振動膜であってもよい。また、振動膜30は、第1及び第2の面35,37を有する。第1の面35は第1の空間102を向く面であり、第2の面37は第2の空間104を向く面である。
第1の開口部12及び第2の開口部14が開放されている状態では、音源からの音波は振動膜30の第1の面35及び第2の面37に入射し、振動膜30の第1の面35及び第2の面37にそれぞれ音圧pf及びpbが加わる。すなわち、マイクロフォンユニット1は、図1(B)のマイクロフォン800と同様に差動マイクとして機能する。
第1の開口部14を例えば指で塞ぐことにより第1の開口部12及び第2の開口部14がそれぞれ開放状態及び閉塞状態になると、音源からの音波は振動膜30の第1の面35に入射し、振動膜30の第1の面35に音圧pfが加わる。同様に、第1の開口部12を例えば指で塞ぐことにより第1の開口部12及び第2の開口部14がそれぞれ閉塞状態及び開放状態になると、音源からの音波は振動膜30の第2の面37に入射し、振動膜30の第2の面37に音圧pbが加わる。すなわち、マイクロフォンユニット1は、図1(A)のマイクロフォン700と同様に通常マイクとして機能する。
本実施の形態に係るマイクロフォンユニット1は、図6(A)に示すように、振動膜30の振動に基づく電気信号38にゲインを与えて出力信号49を出力する出力部40を含む。
図3で説明したのと同様に、マイクロフォンユニット1が差動マイクとして機能する時の振動膜30に加わる音圧レベル(pf−pb)は、マイクロフォンユニット1が通常マイクとして機能する時の振動膜30に加わる音圧レベル(pf又はpb)よりも低い。そのため、電気信号38の電圧レベルは、マイクロフォンユニット1が差動マイクとして機能する時は通常マイクとして機能する時よりも低くなる。
そこで、出力部40は、第1の開口部12及び第2の開口部14が開放されている状態(マイクロフォンユニット1が差動マイクとして機能する状態)では、第1の開口部12又は第2の開口部14が閉塞されている状態(マイクロフォンユニット1が通常マイクとして機能する状態)よりも高いゲインを電気信号38に与えて出力信号49を出力する。
出力部40は、第1の開口部12又は第2の開口部14が閉塞されている状態から第1の開口部12及び第2の開口部14が開放されている状態に変化した時は、電気信号38に与えるゲインを高くするようにしてもよい。
また、出力部40は、第1の開口部12及び第2の開口部14が開放されている状態から第1の開口部12又は第2の開口部14が閉塞されている状態に変化した時は、電気信号38に与えるゲインを低くするようにしてもよい。
また、出力部40は、第1の開口部12又は第2の開口部14が閉塞されている状態から第1の開口部12及び第2の開口部14が開放されている状態に変化した時は電気信号38に与えるゲインを高くし、第1の開口部12及び第2の開口部14が開放されている状態から第1の開口部12又は第2の開口部14が閉塞されている状態に変化した時は電気信号38に与えるゲインを低くするようにしてもよい。出力部40は、少なくとも一部が、筐体10の内部空間100内に形成されてもよい。
出力部40は、例えば、筐体10の内壁面に形成されてもよい。すなわち、本実施の形態では、筐体10を電気回路の回路基板として利用してもよい。
本実施の形態に係るマイクロフォンユニット1は、第1の開口部12及び第2の開口部14が開放されている状態、もしくは第1の開口部12又は第2の開口部14が閉塞されている状態を検出する検出部50を含んでもよい。
出力部40は、検出部50の検出結果に基づいて、電気信号38に与えるゲインを切り替えるようにしてもよい。例えば、出力部40は、検出部50の検出信号52に基づいて第1の開口部12及び第2の開口部14が開放されている状態であると判断した場合は、第1の開口部12又は第2の開口部14が閉塞されていると判断した場合よりも高いゲインを電気信号38に与えて出力信号49を出力するようにしてもよい。
検出部50は、少なくとも一部が、筐体10の内部空間100内に形成されてもよい。検出部50は、例えば、筐体10の内壁面に形成されてもよい。また、検出部50は、少なくとも一部が、筐体10の外部空間110に形成されてもよい。検出部50は、例えば、筐体10の外壁面に形成されてもよい。
なお、本実施の形態に係るマイクロフォン(振動膜30)として、図1(A)及び図1(B)で説明したようなコンデンサ型のマイクロフォン(振動膜702、802)を適用することができる。
ただし、本発明に適用可能なマイクロフォン(振動膜30)は、コンデンサ型マイクロフォンに限られるものではなく、既に公知となっているいずれかのマイクロフォンを適用することができる。例えば、振動膜30は、動電型(ダイナミック型)、電磁型(マグネティック型)、圧電型(クリスタル型)等の、種々のマイクロフォンの振動膜であってもよい。
あるいは、振動膜30は、半導体膜(例えばシリコン膜)であってもよい。すなわち、振動膜30は、シリコンマイク(Siマイク)の振動膜であってもよい。シリコンマイクを利用することで、マイクロフォンユニット1の小型化、及び、高性能化を実現することができる。
振動膜30の外形は特に限定されるものではない。図6(B)に示すように、振動膜30の外形は円形をなしていてもよい。このとき、振動膜30と第1及び第2の開口部12,14とは、径が(ほぼ)同じ円形であってもよい。ただし、振動膜30は、第1及び第2の開口部12,14よりも大きくてもよく、小さくてもよい。
なお、本実施の形態では、振動膜30は、図6(A)に示すように、法線が筐体10の面15に平行に延びるように設けられていてもよい。言い換えると、振動膜30は、面15と直交するように設けられていてもよい。そして、振動膜30は、第1及び第2の開口部12,14の中間に配置されていてもよい。ただし、変形例として、振動膜30は、第2の開口部14の側方(近傍)に配置されていてもよい(図示せず)。すなわち、振動膜30は、第1の開口部12からの距離と、第2の開口部14からの距離とが等しくならないように配置されていてもよい。
本実施の形態では、仕切り部材20は、図6(A)及び図6(B)に示すように、振動膜30を保持する保持部32を含んでいてもよい。そして、保持部32は、筐体10の内壁面に密着していてもよい。保持部32を筐体10の内壁面に密着させることで、第1及び第2の空間102,104を気密に分離することができる。
図7には、本実施の形態に適用可能な出力部40の一例を示す。出力部40は、コンデンサ42(振動膜30を有するコンデンサ型マイクロフォン)の静電容量の変化に基づく電気信号38を、信号増幅回路44で増幅して出力信号49を出力するように構成されている。
出力部40は、例えば、ゲイン切り替え回路45を含む。ゲイン切り替え回路45は、スイッチ43をオン又はオフすることにより、信号増幅回路44の増幅率(ゲイン)を切り替える役割を果たす。スイッチ43がオフの時のゲインはR3/R2+1であり、スイッチ43がオンの時のゲインはR3・(R1+R2)/R1・R2+1である。すなわち、スイッチ43がオンの時のゲインはスイッチ43がオフの時のゲインよりも高い。
上述したように、マイクロフォンユニット1が差動マイクとして機能する時の電気信号38の電圧レベルは、通常マイクとして機能する時よりも低くなる。従って、出力部40(ゲイン切り替え回路45)は、第1の開口部12及び第2の開口部14が開放状態(マイクロフォンユニット1が差動マイクとして機能する状態)の時はスイッチをオンにし、第1の開口部12又は第2の開口部14が閉塞状態(マイクロフォンユニット1が通常マイクとして機能する状態)の時はスイッチをオフにすることにより、マイクロフォンユニット1が差動マイクとして機能する時は通常マイクとして機能する時よりも高いゲインを電気信号38に与えて出力信号49を出力するようにすることができる。その結果、抵抗値R1、R2、R3によって決定するゲインを適切に選択すれば、マイクロフォンユニット1が通常マイクとして機能しても差動マイクとして機能しても出力信号49の電圧レベルをほぼ一定に保つことができる。そのため、音量の急激な変化により会話の相手方が聞き取りづらくなることを防止することができる。
ゲイン切り替え回路45は、筐体10の内部に設けられていてもよいが、筐体10の外部に設けられていてもよい。コンデンサ42は、例えば、振動膜ユニット41の一部を構成していてもよい。なお、出力部40は、チャージポンプ回路46と、オペアンプ48(ボルテージホロワ)とを含んで構成されていてもよい。これにより、コンデンサ42の静電容量の変化を精密に取得することが可能になる。本実施の形態では、例えば、コンデンサ42、信号増幅回路44、チャージポンプ回路46、オペアンプ48は、筐体10の内壁面に形成されていてもよい。
ただし、振動膜30としてシリコンマイクを適用する場合には、出力部40は、シリコンマイクの半導体基板に形成された集積回路によって実現してもよい。
また、出力部40は、アナログ信号をデジタル信号に変換する変換回路や、デジタル信号を圧縮(符号化)する圧縮回路などをさらに含んでいてもよい。
3.マイクロフォンユニット1’の構成
次に、本実施の形態に係るマイクロフォンユニット1’の構成について説明する。
本実施の形態に係るマイクロフォンユニット1’は、図8〜図10に示すように、マイクロフォンユニット1に開閉機構60(蓋部)を付加した構成である。開閉機構60は、第2の開口部14の上部に取り付けられており、開閉状態に応じて、第2の開口部14を開放状態または閉塞状態にする。図9は開閉機構60が閉じられた状態のマイクロフォンユニット1’を示しており、図10は開閉機構60が開かれた状態のマイクロフォンユニット1’を示している。
マイクロフォンユニット1は、開閉機構60に相当するものがないので、ユーザが第1の開口部12又は第2の開口部14を指等で塞ぐか否かによって通常マイク又は差動マイクとして使用することができる。そのため、通常マイクとして使用する場合には、ユーザが第1の開口部12又は第2の開口部14を指等で塞ぎながら発話しなければならない。
一方、マイクロフォンユニット1’は、開閉機構60を備えるので、ユーザは発話する前に開閉機構60を開閉するための操作をすればよい。開閉機構60は、ユーザが手動で開閉するような構造であってもよいし、例えば、ユーザが所定のボタンを押下することにより開閉が行われるような構造であってもよい。
なお、開閉機構60は、第1の開口部12の上部に取り付けられ、開閉状態に応じて、第1の開口部12を開放状態または閉塞状態にするようにしてもよい。
さらに、マイクロフォンユニット1’は、開閉制御部70を含むようにしてもよい。開閉制御部70は、話者音量に基づいて開閉機構60(蓋部)の開閉状態を制御する。
開閉制御部70は、出力部40の出力信号49の電圧レベルに基づいて話者音量を推定するようにしてもよい。
また、開閉制御部70は、話者音量と所定の基準値を比較し、比較結果に基づいて開閉機構60の開閉状態を制御するようにしてもよいし、過去の一定期間の話者音量の変化に基づいて開閉機構60の開閉状態を制御するようにしてもよい。
また、開閉制御部70は、話者音量と開閉機構60の現在の開閉状態に基づいて開閉機構60の開閉状態を制御するようにしてもよい。例えば、開閉機構60が閉まっている状態において、話者音量が急激に大きくなった場合には雑音の多い環境に変化したと推測されるので、開閉機構60を開けるように制御してもよい。また、例えば、開閉機構60が開いている状態において、話者音量が急激に小さくなった場合には雑音の少ない環境に変化したと推測されるので、開閉機構60を閉めるように制御してもよい。
4.マイクロフォンユニット2の構成
次に、本実施の形態に係るマイクロフォンユニット2の構成について説明する。
本実施の形態に係るマイクロフォンユニット2は、図11及び図12に示すように、マイクロフォンユニット1と同様に、筐体10、第1の開口部12、第2の開口部14、仕切り部材20(振動膜30、保持部32を含む)、出力部40を含む。そして、本実施の形態では、図11及び図12に示すように、第1の開口部12は、六面体構造(多面体構造)をなす筐体10の1つの面15に形成されている。また、第2の開口部14は、面15と対向する面17に形成されている。
第2の開口部14が開放状態の時は、音源からの音波は振動膜30の第1の面35及び第2の面37に入射し、振動膜30の第1の面35及び第2の面37にそれぞれ音圧pf及びpbが加わる。すなわち、マイクロフォンユニット2は、図1(B)のマイクロフォン800と同様に差動マイクとして機能する。
第2の開口部14を例えば指で塞ぐことにより第2の開口部14が閉塞状態になると、音源からの音波は振動膜30の第1の面35に入射し、振動膜30の第1の面35に音圧pfが加わる。すなわち、マイクロフォンユニット2は、図1(A)のマイクロフォン700と同様に通常マイクとして機能する。
さらに、本実施の形態ではスイッチ54が付加されている。スイッチ54は第2の開口部14に隣接して配置されているので、ユーザが第2の開口部14を指等で塞ぐと、スイッチ54が押下された状態(オン)になる。すなわち、スイッチ54は、第2の開口部14が開放状態又は閉塞状態のいずれの状態であるかを検出して検出信号52を出力するので、マイクロフォンユニット1の検出部50として機能する。
出力部40は、検出信号52に基づいて第2の開口部14が開放状態であると判断した場合(マイクロフォンユニット2が差動マイクとして機能する場合)は、第2の開口部14が閉塞状態であると判断した場合(マイクロフォンユニット2が通常マイクとして機能する場合)よりも高いゲインを電気信号38に与えて出力信号49を出力する。
なお、スイッチ54は、第1の開口部12に隣接して配置され、第1の開口部12が開放状態又は閉塞状態のいずれの状態であるかを検出して検出信号52を出力するようにしてもよい。
5.マイクロフォンユニット2’の構成
次に、本実施の形態に係るマイクロフォンユニット2’の構成について説明する。
本実施の形態に係るマイクロフォンユニット2’は、図13〜図15に示すように、マイクロフォンユニット2に開閉機構60(蓋部)を付加した構成である。開閉機構60は、第2の開口部14の下部に取り付けられており、開閉状態に応じて、第2の開口部14を開放状態または閉塞状態にする。図14は開閉機構60が閉じられた状態のマイクロフォンユニット2’を示しており、図15は開閉機構60が開かれた状態のマイクロフォンユニット2’を示している。
マイクロフォンユニット2’は、開閉機構60が閉じられるとスイッチ54が押下された状態(オン)になり、開閉機構60が開かれるとスイッチ54が押下されていない状態(オフ)になる。
出力部40は、検出信号52に基づいて第2の開口部14が開放状態であると判断した場合(マイクロフォンユニット2が差動マイクとして機能する場合)は、第2の開口部14が閉塞状態であると判断した場合(マイクロフォンユニット2が通常マイクとして機能する場合)よりも高いゲインを電気信号38に与えて出力信号49を出力する。
マイクロフォンユニット2は、開閉機構60に相当するものがないので、ユーザが第1の開口部12又は第2の開口部14を指等で塞ぐか否かによって通常マイク又は差動マイクとして使用することができる。そのため、通常マイクとして使用する場合には、ユーザが第1の開口部12又は第2の開口部14を指等で塞ぎながら発話しなければならない。
一方、マイクロフォンユニット2’は、開閉機構60を備えるので、ユーザは発話する前に開閉機構60を開閉するための操作をすればよい。開閉機構60は、ユーザが手動で開閉するような構造であってもよいし、例えば、ユーザが所定のボタンを押下することにより開閉が行われるような構造であってもよい。
なお、開閉機構60は、第1の開口部12の上部に取り付けられ、開閉状態に応じて、第1の開口部12を開放状態または閉塞状態にするようにしてもよい。
本実施の形態に係るマイクロフォンユニット1,1’,2,2’は、以上のように構成されていてもよい。マイクロフォンユニット1,1’,2,2’によると、簡単な構成で、精度の高い雑音除去機能を実現することができる。以下、マイクロフォンユニット1,1’,2,2’の雑音除去原理について、代表してマイクロフォンユニット1を例にとり説明するが、マイクロフォンユニット1’,2,2’についても同様に説明することができる。
6.マイクロフォンユニット1が差動マイクとして機能する時の雑音除去原理
(1)マイクロフォンユニット1の構成と、振動膜30の振動原理
はじめに、マイクロフォンユニット1の構成から導き出される、振動膜30の振動原理について説明する。
本実施の形態では、第1の開口部12及び第2の開口部14が開放されている状態(マイクロフォンユニット1が差動マイクとして機能する状態)では、振動膜30は、両側(第1及び第2の35,37)から音圧を受ける。そのため、振動膜30の両側に、同時に、同じ大きさの音圧がかかると、当該2つの音圧は振動膜30で打ち消しあい、振動膜30を振動させる力とはならない。逆に言うと、振動膜30は、両側に受ける音圧に差があるときに、その音圧の差によって振動する。
また、第1及び第2の開口部12,14に入射した音波の音圧は、第1及び第2の空間102,104の内壁面に均等に伝達される(パスカルの原理)。そのため、振動膜30の第1の空間102を向く面(第1の面35)は、第1の開口部12に入射した音圧と等しい音圧を受け、振動膜30の第2の空間104を向く面(第2の面37)は、第2の開口部14に入射した音圧と等しい音圧を受ける。
すなわち、第1及び第2の面35,37が受ける音圧は、それぞれ、第1及び第2の開口部12,14に入射した音の音圧であり、振動膜30は、第1及び第2の面35,37(第1及び第2の開口部12,14)に入射した音波の音圧の差によって振動する。
(2)音波の性質
上述したように、音圧(音波の振幅)は、音源に近い位置では急激に減衰し、音源から離れるほどなだらかに減衰する。
マイクロフォンユニット1を接話型の音声入力装置に適用する場合、ユーザの音声は、マイクロフォンユニット1(第1及び第2の開口部12,14)の近傍から発生する。そのため、ユーザの音声は、第1及び第2の開口部12,14の間で大きく減衰し、第1及び第2の開口部12,14に入射するユーザ音声の音圧、すなわち、第1及び第2の面35,37に入射するユーザ音声の音圧には、大きな差が現れる。
これに対して雑音成分は、ユーザの音声に比べて、音源が、マイクロフォンユニット1(第1及び第2の開口部12,14)から遠い位置に存在する。そのため、雑音の音圧は、第1及び第2の開口部12,14の間でほとんど減衰せず、第1及び第2の開口部12,14に入射する雑音の音圧には、ほとんど差が現れない。
(3)雑音除去原理
上述したように、振動膜30は、第1及び第2の面35,37に同時に入射する音波の音圧の差によって振動する。そして、第1及び第2の面35,37に入射する雑音の音圧の差は非常に小さいため、振動膜30で打ち消される。これに対して、第1及び第2の面35,37に入射するユーザ音声の音圧の差は大きいため、ユーザ音声は振動膜30で打ち消されず、振動膜30を振動させる。
このことから、マイクロフォンユニット1によると、振動膜30は、ユーザの音声のみによって振動しているとみなすことができる。そのため、マイクロフォンユニット1(出力部40)から出力される電気信号49は、雑音が除去された、ユーザ音声のみを示す信号とみなすことができる。
すなわち、本実施の形態に係るマイクロフォンユニット1によると、簡易な構成で、雑音が除去されたユーザ音声を示す電気信号を取得することが可能な音声入力装置を提供することができる。
7.マイクロフォンユニット1で、より精度の高い雑音除去機能を実現するための条件
以下ではマイクロフォンユニット1を例にとり説明するが、マイクロフォンユニット1’,2,2’についても同様に説明することができる。
上述したように、マイクロフォンユニット1によると、第1の開口部12及び第2の開口部14が開放されている状態(マイクロフォンユニット1が差動マイクとして機能する状態)では、雑音が除去された、ユーザ音声のみを示す電気信号を取得することが可能になる。ただし、音波は位相成分を含んでいる。そのため、第1及び第2の開口部12,14(振動膜30の第1及び第2の面35,37)に入射する音波の位相差を考慮すれば、より精度の高い雑音除去機能を実現することが可能な条件(マイクロフォンユニット1の設計条件)を導出することができる。以下、より精度の高い雑音除去機能を実現するために、マイクロフォンユニット1が満たすべき条件について説明する。
マイクロフォンユニット1によると、先に説明したように、振動膜30を振動させる音圧(第1及び第2面35,37が受ける音圧の差:以下、適宜、「差分音圧」と称する)に基づいて出力される信号を、ユーザ音声を示す信号とみなす。このマイクロフォンユニットによると、振動膜30を振動させる音圧(差分音圧)に含まれる雑音成分が、第1又は第2の面35,37に入射する音圧に含まれる雑音成分よりも小さくなったことをもって、雑音除去機能が実現されたと評価することができる。詳しくは、差分音圧に含まれる雑音成分の強度の、第1又は第2の面35,37に入射する音圧に含まれる雑音成分の強度に対する比を示す雑音強度比が、差分音圧に含まれるユーザ音声成分の強度の、第1又は第2の面35,37に入射する音圧に含まれるユーザ音声成分の強度に対する比を示すユーザ音声強度比よりも小さくなれば、この雑音除去機能が実現されたと評価することができる。
以下、この雑音除去機能を実現するために、マイクロフォンユニット1(筐体10)が満たすべき具体的な条件について説明する。
はじめに、振動膜30の第1及び第2の面35,37(第1及び第2の開口部12,14)に入射する音声の音圧について検討する。ユーザ音声の音源から第1の開口部12までの距離をR、第1及び第2の開口部12,14の中心間距離をΔrとすると、位相差を無視すれば、第1及び第2の開口部12,14に入射する、ユーザ音声の音圧(強度)P(S1)及びP(S2)は、
Figure 2009135777
と表すことができる。
そのため、ユーザ音声の位相差を無視したときの、第1の面35(第1の開口部12)に入射するユーザ音声の音圧の強度に対する、差分音圧に含まれるユーザ音声成分の強度の比率を示すユーザ音声強度比ρ(P)は、
Figure 2009135777
と表される。
ここで、マイクロフォンユニット1が接話型の音声入力装置に利用される場合、ΔrはRに比べて充分小さいとみなすことができる。
そのため、上述の式(4)は、
Figure 2009135777
と変形することができる。
すなわち、ユーザ音声の位相差を無視した場合のユーザ音声強度比は、式(A)と表されることがわかる。
ところで、ユーザ音声の位相差を考慮すると、ユーザ音声の音圧Q(S1)及びQ(S2)は、
Figure 2009135777
と表すことができる。なお、式中、αは位相差である。
このとき、ユーザ音声強度比ρ(S)は、
Figure 2009135777
と表される。式(7)を考慮すると、ユーザ音声強度比ρ(S)の大きさは、
Figure 2009135777
と表すことができる。
ところで、式(8)のうち、sinωt−sin(ωt−α)項は位相成分の強度比を示し、Δr/Rsinωt項は振幅成分の強度比を示す。ユーザ音声成分であっても、位相差成分は、振幅成分に対するノイズとなるため、ユーザ音声を精度よく抽出するためには、位相成分の強度比が、振幅成分の強度比よりも充分に小さいことが必要である。すなわち、sinωt−sin(ωt−α)と、Δr/Rsinωtとは、
Figure 2009135777
の関係を満たしていることが重要である。
ここで、
Figure 2009135777
と表すことができるため、上述の式(B)は、
Figure 2009135777
と表すことができる。
式(10)の振幅成分を考慮すると、本実施の形態に係るマイクロフォンユニット1は、
Figure 2009135777
を満たす必要があることがわかる。
なお、上述したように、ΔrはRに比べて充分小さいとみなすことができるため、sin(α/2)は充分小さいとみなすことができ、
Figure 2009135777
と近似することができる。
そのため、式(C)は、
Figure 2009135777
と変形することができる。
また、位相差であるαとΔrとの関係を、
Figure 2009135777
と表せば、式(D)は、
Figure 2009135777
と変形することができる。
すなわち、本実施の形態では、マイクロフォンユニット1が式(E)に示す関係を満たしていれば、ユーザ音声を精度よく抽出することができる。
次に、第1及び第2の面35,37(第1及び第2の開口部12,14)に入射する雑音の音圧について検討する。
第1及び第2の面35,37に入射する雑音成分の振幅を、A,A´とすると、位相差成分を考慮した雑音の音圧Q(N1)及びQ(N2)は、
Figure 2009135777
と表すことができ、第1の面35(第1の開口部12)に入射する雑音成分の音圧の強度に対する、差分音圧に含まれる雑音成分の強度の比率を示す雑音強度比ρ(N)は、
Figure 2009135777
と表すことができる。
なお、先に説明したように、第1及び第2の面35,37(第1及び第2の開口部12,14)に入射する雑音成分の振幅(強度)はほぼ同じであり、A=A´と扱うことができる。そのため、上記の式(15)は、
Figure 2009135777
と変形することができる。
そして、雑音強度比の大きさは、
Figure 2009135777
と表すことができる。
ここで、上述の式(9)を考慮すると、式(17)は、
Figure 2009135777
と変形することができる。
そして、式(11)を考慮すると、式(18)は、
Figure 2009135777
と変形することができる。
ここで、式(D)を参照すれば、雑音強度比の大きさは、
Figure 2009135777
と表すことができる。なお、Δr/Rとは、式(A)に示すように、ユーザ音声の振幅成分の強度比である。式(F)から、このマイクロフォンユニット1では、雑音強度比がユーザ音声の強度比Δr/Rよりも小さくなることがわかる。
以上のことから、ユーザ音声の位相成分の強度比が振幅成分の強度比よりも小さくなるマイクロフォンユニット1によれば(式(B)参照)、雑音強度比がユーザ音声強度比よりも小さくなる(式(F)参照)。逆に言うと、雑音強度比がユーザ音声強度比よりも小さくなるように設計されたマイクロフォンユニット1によると、精度の高い雑音除去機能を実現することができる。
8.マイクロフォンユニット1の製造方法
以下、本実施の形態に係るマイクロフォンユニット1の製造方法について説明する。なお、以下ではマイクロフォンユニット1を例にとり説明するが、マイクロフォンユニット1’,2,2’についても同様に説明することができる。
本実施の形態では、第1及び第2の開口部12,14の中心間距離Δrと雑音の波長λとの比率を示すΔr/λの値と、雑音強度比(雑音の位相成分に基づく強度比)との対応関係を示すデータを利用して、マイクロフォンユニット1を製造してもよい。
雑音の位相成分に基づく強度比は、上述した式(18)で表される。そのため、雑音の位相成分に基づく強度比のデシベル値は、
Figure 2009135777
と表すことができる。
そして、式(20)のαに各値を代入すれば、位相差αと、雑音の位相成分に基づく強度比との対応関係を明らかにすることができる。図16には、横軸をα/2πとし、縦軸に雑音の位相成分に基づく強度比(デシベル値)を取った時の、位相差と強度比との対応関係を表すデータの一例を示す。
なお、位相差αは、式(12)に示すように、距離Δrと波長λとの比であるΔr/λの関数で表すことができ、図16の横軸は、Δr/λとみなすことができる。すなわち、図16は、雑音の位相成分に基づく強度比と、Δr/λとの対応関係を示すデータであるといえる。
本実施の形態では、このデータを利用して、マイクロフォンユニット1を製造する。図17は、このデータを利用してマイクロフォンユニット1を製造する手順について説明するためのフローチャート図である。
はじめに、雑音の強度比(雑音の位相成分に基づく強度比)と、Δr/λとの対応関係を示すデータ(図16参照)を用意する(ステップS10)。
次に、用途に応じて、雑音の強度比を設定する(ステップS12)。なお、本実施の形態では、雑音の強度が低下するように雑音の強度比を設定する必要がある。そのため、本ステップでは、雑音の強度比を、0dB以下に設定する。
次に、当該データに基づいて、雑音の強度比に対応するΔr/λの値を導出する(ステップS14)。
そして、λに主要な雑音の波長を代入することによって、Δrが満たすべき条件を導出する(ステップS16)。
具体例として、主要な雑音が1kHzであり、その波長が0.347mとなる環境下で、雑音の強度が20dB低下するマイクロフォンユニット1を製造する場合について考える。
はじめに、雑音の強度比が0dB以下になるための条件について検討する。図16を参照すると、雑音の強度比を0dB以下とするためには、Δr/λの値を0.16以下とすればよいことがわかる。すなわち、Δrの値が55.46mm以下とすればよいことがわかり、これが、マイクロフォンユニット1(筐体10)の必要条件となる。
次に、1kHzの雑音の強度を20dB低下させるための条件について考える。図16を参照すると、雑音の強度を20dB低下させるためには、Δr/λの値を0.015とすればよいことがわかる。そして、λ=0.347mとすると、Δrの値が5.199mm以下のときに、この条件を満たすことがわかる。すなわち、Δrを約5.2mm以下に設定すれば、雑音除去機能を有するマイクロフォンユニットを製造することが可能になる。
なお、本実施の形態に係るマイクロフォンユニット1を接話型の音声入力装置に利用する場合、ユーザ音声の音源とマイクロフォンユニット1(第1及び第2の開口部12,14)との間隔は、通常5cm以下である。また、ユーザ音声の音源とマイクロフォンユニット1(第1及び第2の開口部12,14)との間隔は、マイクロフォンユニット1が収納される筐体の設計によって設定することが可能である。そのため、ユーザの音声の強度比であるΔr/Rの値は、0.1(雑音の強度比)よりも大きくなり、雑音除去機能が実現されることがわかる。
なお、通常、雑音は単一の周波数に限定されるものではない。しかし、主要な雑音として想定された雑音よりも周波数の低い雑音は、当該主要な雑音よりも波長が長くなるため、Δr/λの値は小さくなり、このマイクロフォンユニット1で除去される。また、音波は、周波数が高いほどエネルギーの減衰が早い。そのため、主要な雑音として想定された雑音よりも周波数の高い雑音は、当該主要な雑音よりも早く減衰するため、マイクロフォンユニット1(振動膜30)に与える影響を無視することができる。このことから、本実施の形態に係るマイクロフォンユニット1は、主要な雑音として想定された雑音とは異なる周波数の雑音が存在する環境下でも、差動マイクとして機能させることにより優れた雑音除去機能を発揮することができる。
また、本実施の形態では、式(12)からもわかるように、第1及び第2の開口部12,14を結ぶ直線上から入射する雑音を想定した。この雑音は、第1及び第2の開口部12,14の見かけ上の間隔が最も大きくなる雑音であり、現実の使用環境において、位相差が最も大きくなる雑音である。すなわち、本実施の形態に係るマイクロフォンユニット1は、差動マイクとして機能させることにより、位相差が最も大きくなる雑音を除去することが可能に構成されている。そのため、本実施の形態に係るマイクロフォンユニット1によると、差動マイクとして機能させることにより、すべての方向から入射する雑音を除去することができる。
9.効果
以下、本実施の形態に係るマイクロフォンユニットが奏する効果についてまとめる。
(1)マイクロフォンユニット1の効果
マイクロフォンユニット1によれば、第1及び第2の開口部12,14がともに開放されている状態では、振動膜30の両面(35,37)に、ユーザ音声及び雑音が入射する。遠方から振動膜30の両面(35,37)に入射する雑音は、ほぼ同じ音圧になるため、振動膜30で打ち消しあう。そのため、振動膜30を振動させる音圧は、ユーザ音声を示す音圧であるとみなすことができ、振動膜30の振動に基づいて取得された電気信号38は、雑音が除去された、ユーザ音声を示す電気信号であるとみなすことができる。
また、マイクロフォンユニット1によれば、音声が振動膜30の両面(35,37)に入射した場合には振動膜30の両面(35,37)に加わる音圧の差pf−pbに応じた電圧レベルの電気信号38が取得される。そして、音圧は音源からの距離に反比例するので、音源から第1及び第2の開口部12,14までの距離の差が大きいほど、取得される電気信号38の電圧レベルが高くなる。すなわち、第1及び第2の開口部12,14がともに開放されている状態では、第1及び第2の開口部12,14を結ぶ直線上に音源が存在する場合に感度が最も高くなる両指向特性のマイクロフォンとして機能させることができる。
また、マイクロフォンユニット1によれば、第1及び第2の開口部12,14の一方が閉塞されている状態、例えば第2の開口部14が閉塞されている状態では、振動膜30の片面35に、ユーザ音声及び雑音が入射する。音声が振動膜30の両面(35,37)に入射した場合には振動膜30を振動させる音圧は振動膜30の両面(35,37)に加わる音圧の差pf−pbであるのに対して、音声が振動膜30の片面35に入射した場合には振動膜30を振動させる音圧は振動膜30の片面35に加わる音圧pfである。従って、第1及び第2の開口部12,14の一方が閉塞されている状態では、ユーザ音声を示す電気信号38の電圧レベルを向上させることができる。その結果、雑音がほとんど存在しない環境においては、第1及び第2の開口部12,14の一方が閉塞されている状態の方が、第1及び第2の開口部12,14がともに開放されている状態よりもSNRを向上させることができる。
また、マイクロフォンユニット1によれば、第1及び第2の開口部12,14の一方が閉塞されている状態では、振動膜30の片面35に、ユーザ音声及び雑音が入射するので、無指向特性のマイクロフォンとして機能させることができる。従って、マイクロフォンユニット1は、周囲の音を意図的に集音させるような用途にも使用することができる。
さらに、マイクロフォンユニット1によれば、第1及び第2の開口部12,14がともに開放されている状態におけるユーザ音声を示す電気信号38の電圧レベルは、第1及び第2の開口部12,14の一方が閉塞されている状態におけるユーザ音声を示す電気信号38の電圧レベルよりも低い。そこで、第1及び第2の開口部12,14がともに開放されている時は、ユーザ音声を示す電気信号38に、第1及び第2の開口部12,14の一方が閉塞されている時よりも高いゲインを与えて出力する。その結果、ゲインを適切に設定しておけば、第1及び第2の開口部12,14がともに開放されている状態でも、第1及び第2の開口部12,14の一方が閉塞されている状態でも、マイクロフォンユニット1が出力するユーザ音声の音量を一定に保つことができる。そのため、音量の急激な変化により会話の相手方が聞き取りづらくなることを防止することができる。
なお、マイクロフォンユニット1によると、第1及び第2の開口部12,14をともに開放状態にすることにより、壁などで反射した後に振動膜30(第1及び第2の面35,37)に入射したユーザ音声成分も除去することができる。詳しくは、壁などで反射したユーザ音声は、長距離を伝搬した後にマイクロフォンユニット1に入射するため、通常のユーザ音声よりも遠くに存在する音源から発生した音声であるとみなすことができ、かつ、反射により大きくエネルギーを消失しているため、雑音成分と同様に、第1及び第2の開口部12,14の間で音圧が大きく減衰することがない。そのため、このマイクロフォンユニット1によると、壁などで反射した後に入射するユーザ音声成分も、雑音と同様に(雑音の一種として)除去される。
以上より、マイクロフォンユニット1によれば、簡単な構成で、必要に応じてマイクの特性を変えることができる高品質のマイクロフォンユニットを提供することができる。
そして、マイクロフォンユニット1を利用すれば、第1及び第2の開口部12,14をともに開放状態にすることにより、雑音を含まない、ユーザ音声を示す信号を取得することができる。そのため、マイクロフォンユニット1を利用することで、精度の高い音声認識や音声認証、コマンド生成処理を実現することができる。
(2)マイクロフォンユニット1’の効果
マイクロフォンユニット1’によれば、開閉機構60を有することにより、マイクロフォンユニット1により得られる効果に加えて以下の効果が得られる。
すなわち、マイクロフォンユニット1’によれば、開閉機構60を有することにより、差動マイクとして機能させるために第2の開口部14を指等で押さえ続ける必要がなく、第2の開口部14を連続的に開放状態又は閉塞状態に保つことができる。
また、マイクロフォンユニット1’によれば、話者音量に基づいて開閉機構60の開閉状態を制御する開閉制御部70を有するので、ユーザが開閉機構60の開閉を意識する必要がなくなり、実用性をより向上させることができる。
マイクロフォンユニット1’によれば、マイクロフォンユニット1により得られる効果に加えて以下の効果が得られる。
すなわち、マイクロフォンユニット1’によれば、開閉機構60を有することにより、差動マイクとして機能させるために第2の開口部14を指等で押さえ続ける必要がなく、第2の開口部14を連続的に開放状態又は閉塞状態に保つことができる。
(3)マイクロフォンユニット2の効果
マイクロフォンユニット2によれば、スイッチ54を有することにより、マイクロフォンユニット1により得られる効果に加えて以下の効果が得られる。
すなわち、マイクロフォンユニット2によれば、第2の開口部14に隣接してスイッチ54を設けることにより、指等で第2の開口部14を塞ぐと同時にスイッチ54を押すことが可能になる。従って、簡単な構造で第2の開口部14の開閉に応じて出力部40のゲインを制御することができる。
(4)マイクロフォンユニット2’の効果
マイクロフォンユニット2によれば、開閉機構60及びスイッチ54を有することにより、マイクロフォンユニット1,1’,2により得られる効果と同じ効果が得られる。
10.音声入力装置
次に、本実施の形態に係るマイクロフォンユニットを有する音声入力装置200について説明する。なお、以下ではマイクロフォンユニット1を有する音声入力装置を例にとり説明するが、マイクロフォンユニット1’,2,2’を有する音声入力装置についても同様に説明することができる。
(1)音声入力装置200の構成
はじめに、音声入力装置200の構成について説明する。図18及び図19は、音声入力装置200の構成について説明するための図である。なお、以下に説明する音声入力装置200は、接話型の音声入力装置であって、例えば、携帯電話やトランシーバー等の音声通信機器や、入力された音声を解析する技術を利用した情報処理システム(音声認証システム、音声認識システム、コマンド生成システム、電子辞書、翻訳機や、音声入力方式のリモートコントローラなど)、あるいは、録音機器やアンプシステム(拡声器)、マイクシステムなどに適用することができる。
図18は、音声入力装置200の構造を説明するための図である。
音声入力装置200は、筐体210を有する。筐体210は、音声入力装置200の外形を構成する部材である。筐体210には基本姿勢が設定されていてもよく、これにより、ユーザ音声の進行径路を規制することができる。筐体210には、ユーザの音声を受け付けるための開口212が形成されていてもよい。
音声入力装置200では、マイクロフォンユニット1は、筐体210内部に設置される。マイクロフォンユニット1は、第1及び第2の開口部12,14が開口212に連通(重複)するように、筐体210に設置されていてもよい。マイクロフォンユニット1は、弾性体214を介して、筐体210に設置されていてもよい。これにより、筐体210の振動がマイクロフォンユニット1(筐体10)に伝わりにくくなるため、マイクロフォンユニット1を精度よく動作させることができる。
マイクロフォンユニット1は、第1及び第2の開口部12,14がユーザ音声の進行方向に沿ってずれて配置されるように、筐体210に設置されていてもよい。そして、ユーザ音声の進行径路の上流側に配置される開口部を第1の開口部12とし、下流側に配置される開口部を第2の開口部14としてもよい。
振動膜30が第2の開口部14の側方に配置されたマイクロフォンユニット1を、上記のように配置すると、第1及び第2の開口部12,14を塞がない状態(マイクロフォンユニット1が差動マイクとして機能する状態)では、ユーザ音声を、振動膜30の両面(第1及び第2の面35,37)に同時に入射させることができる。
詳しくは、マイクロフォンユニット1では、第1の開口部12の中心から第1の面35までの距離が、第1の開口部12から第2の開口部14までの距離とほぼ等しくなるため、第1の開口部12を通過したユーザ音声が第1の面35に入射するまでに必要な時間は、第1の開口部12上を通過したユーザ音波が第2の開口部14を介して第2の面37に入射するまでに必要な時間と、ほぼ等しくなる。
すなわち、ユーザが発声した音声が、第1の面35に入射するまでにかかる時間と、第2の面37に入射するまでにかかる時間とが等しくなる。そのため、ユーザ音声を、第1及び第2の面35,37に同時に入射させることができ、位相ずれによるノイズが発生しないように、振動膜30を振動させることができる。言い換えると、先に説明した式(8)においてα=0となり、sinωt−sin(ωt−α)=0となることから、Δr/Rsinωt項(振幅成分のみ)が抽出されることがわかる。そのため、人の音声としては高周波帯域である7kHz程度のユーザ音声が入力された場合でも、第1の面35に入射する音圧と第2の面37に入射する音圧との位相ひずみの影響を無視することができ、ユーザ音声を正確に示す電気信号を取得することが可能になる。
(2)音声入力装置200の機能
次に、図19を参照して、音声入力装置200の機能について説明する。なお、図19は、音声入力装置200の機能を説明するためのブロック図である。
音声入力装置200は、マイクロフォンユニット1を有する。マイクロフォンユニット1は、振動膜30の振動に基づいて生成された電気信号49を出力する。なお、マイクロフォンユニット1を差動マイクとして使用する場合、マイクロフォンユニット1から出力される電気信号49は、雑音成分が除去された、ユーザ音声を示す電気信号である。
音声入力装置200は、スピーカ230と、スピーカ230の音量を制御する音量制御部220を有していてもよい。音量制御部220は、マイクロフォンユニット1の第1の開口部12及び第2の開口部14が開放されている状態(マイクロフォンユニット1が差動マイクとして機能する状態)では、第1の開口部12又は第2の開口部14が閉塞されている状態(マイクロフォンユニット1が通常マイクとして機能する状態)よりもスピーカ230の音量を大きくするように制御する。すなわち、音声入力装置200によれば、ユーザがマイクロフォンユニット1の第1及び第2の開口部12,14がともに開放されている状態で音声入力装置200を使用している場合は雑音の多い環境にいると推測されるので、スピーカ230の音量を大きくすることにより、スピーカ230から発せられる音を聞き取りやすくすることができる。
また、音量制御部220は、第1の開口部又は第2の開口部が閉塞されている状態(マイクロフォンユニット1が通常マイクとして機能する状態)から第1の開口部及び第2の開口部が開放されている状態(マイクロフォンユニット1が差動マイクとして機能する状態)に変化した時は、スピーカ330の音量を大きくするように制御してもよい。すなわち、音声入力装置200によれば、マイクロフォンユニット1の第1の開口部12又は第2の開口部14が閉塞されている状態から第1及び第2の開口部12,14がともに開放されている状態に変化した時は、雑音の少ない環境から雑音の多い環境に変化したと推測されるので、スピーカ230の音量を大きくすることにより、スピーカ230から発せられる音を聞き取りやすくすることができる。
さらに、音量制御部220は、第1の開口部及び第2の開口部が開放されている状態(マイクロフォンユニット1が差動マイクとして機能する状態)から第1の開口部又は第2の開口部が閉塞されている状態(マイクロフォンユニット1が通常マイクとして機能する状態)に変化した時は、スピーカ330の音量を小さくするように制御してもよい。すなわち、音声入力装置200によれば、マイクロフォンユニット1の第1及び第2の開口部12,14がともに開放されている状態から第1の開口部12又は第2の開口部14が閉塞されている状態に変化した時は、雑音の多い環境から雑音の少ない環境に変化したと推測されるので、スピーカ230の音量を小さくすることにより、スピーカ230から発せられる音を聞き取りやすくすることができる。
音量制御部220は、マイクロフォンユニット1(検出部50)から出力された検出信号52に基づいて、第1の開口部12及び第2の開口部14が開放されている状態であるか、第1の開口部12又は第2の開口部14が閉塞されている状態であるかを判断してスピーカ230の音量を制御するようにしてもよい。
また、音量制御部220は、マイクロフォンユニット1(出力部40)から出力された電気信号49(話者音量とみなすことができる)に基づいて、第1の開口部12及び第2の開口部14が開放されている状態であるか、第1の開口部12又は第2の開口部14が閉塞されている状態であるかを判断してスピーカ230の音量を制御するようにしてもよい。
音声入力装置200は、演算処理部240を有していてもよい。演算処理部240は、マイクロフォンユニット1(出力部40)から出力された電気信号49に基づいて各種の演算処理を行う。演算処理部240は、電気信号49に対する解析処理を行ってもよい。演算処理部240は、マイクロフォンユニット1からの出力信号49を解析することにより、ユーザ音声を発した人物を特定する処理(いわゆる音声認証処理)を行ってもよい。あるいは、演算処理部240は、マイクロフォンユニット1の出力信号49を解析処理することにより、ユーザ音声の内容を特定する処理(いわゆる音声認識処理)を行ってもよい。演算処理部240は、マイクロフォンユニット1からの出力信号49に基づいて、各種のコマンドを作成する処理を行ってもよい。演算処理部240は、マイクロフォンユニット1からの出力信号49を増幅する処理を行ってもよい。また、演算処理部240は、後述する通信処理部250の動作を制御してもよい。なお、演算処理部240は、上記各機能を、CPUやメモリによる信号処理によって実現してもよい。あるいは、演算処理部240は、上記各機能を、専用のハードウエアによって実現してもよい。
音声入力装置200は、通信処理部250をさらに含んでいてもよい。通信処理部250は、音声入力装置200と、他の端末(携帯電話端末や、ホストコンピュータなど)との通信を制御する。通信処理部250は、ネットワークを介して、他の端末に信号(マイクロフォンユニット1からの出力信号)を送信する機能を有していてもよい。通信処理部250は、また、ネットワークを介して、他の端末から信号を受信する機能を有していてもよい。そして、例えばホストコンピュータで、通信処理部250を介して取得した出力信号を解析処理して、音声認識処理や音声認証処理、コマンド生成処理や、データ蓄積処理など、種々の情報処理を行ってもよい。すなわち、音声入力装置200は、他の端末と協働して、情報処理システムを構成していてもよい。言い換えると、音声入力装置200は、情報処理システムを構築する情報入力端末であるとみなしてもよい。ただし、音声入力装置200は、通信処理部250を有しない構成となっていてもよい。この情報処理システムによると、マイクロフォンユニット1を差動マイクとして機能させることにより、雑音が精度よく除去された、ユーザ音声を示す電気信号を取得することができる。そのため、この情報処理システムによると、精度の高い音声の解析処理の実現を可能にする情報処理システムを提供することができる。
なお、上述した演算処理部240、通信処理部250及び音量制御部220は、パッケージングされた半導体装置(集積回路装置)として、筐体210内に配置されていてもよい。ただし、本発明はこれに限られるものではない。例えば、演算処理部240は、筐体210の外部に配置されていてもよい。演算処理部240が筐体210の外部に配置されている場合、演算処理部240は、通信処理部250を介して、信号を取得してもよい。
なお、音声入力装置200は、表示パネルなどの表示装置や、音声出力装置をさらに含んでいてもよい。また、音声入力装置200は、操作情報を入力するための操作キーをさらに含んでいてもよい。
音声入力装置200は、以上の構成をなしていてもよい。この音声入力装置200は、マイクロフォンユニット1を利用する。そのため、この音声入力装置200は、マイクロフォンユニット1を差動マイクとして使用する場合、雑音を含まない、入力音声を示す信号を取得することができ、精度の高い音声認識や音声認証、コマンド生成処理を実現することができる。
また、音声入力装置200をマイクシステムに適用すれば、マイクロフォンユニット1を差動マイクとして使用する場合、スピーカから出力されるユーザの声も、雑音として除去される。そのため、ハウリングが起こりにくいマイクシステムを提供することができる。
図20及び図21に音声入力装置200の例として、携帯電話300を示す。携帯電話300の筐体には、マイクロフォンユニット1の第1及び第2の開口部12,14とそれぞれ連通する2つの開口部(マイク穴)312が設けられるが、マイク穴312の位置は特に限定されない。図20及び図21に示すように、携帯電話300の1つの面(正面)に2つのマイク穴312を設けてもよいし、携帯電話300の正面と背面(正面と対向する面)にマイク穴312を1つずつ設けるようにしてもよい。
携帯電話300にはノイズキャンセルボタン320が設けられていてもよい。ユーザがノイズキャンセルボタン320を押下すると、マイクロフォンユニット1の蓋部60(図示しない)が開かれてノイズキャンセルモード(マイクロフォンユニット1が差動マイクとして機能する状態)になるようにしてもよい。また、ユーザがノイズキャンセルボタン320を一定時間以上(例えば1秒以上)押下すると、マイクロフォンユニット1の蓋部60(図示しない)が塞がれてノイズキャンセルモードが解除され、通常モード(マイクロフォンユニット1が通常マイクとして機能する状態)になるようにしてもよい。さらに、ノイズキャンセルモードでは、通常モードよりもスピーカ330の音量を大きくするようにしてもよい。
図22及び図23には、音声入力装置200の他の例として、マイク(マイクシステム)400、及び、リモートコントローラ500を、それぞれ示す。また、図24には、情報入力端末としての音声入力装置602と、ホストコンピュータ604とを含む、情報処理システム600の概略図を示す。
11.変形例
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
以下、マイクロフォンユニットの仕切り部材(振動膜)の配置及び筐体に関する具体的な変形例を示す。なお、図25〜図32において、出力部、スイッチ(検出部)、開閉機構(蓋部)、開閉制御部等は図示しないが、それぞれ筐体の内部又は外部に付加することができる。
(1)第1の変形例
図25には、本発明を適用した実施の形態の第1の変形例に係るマイクロフォンユニット3を示す。
マイクロフォンユニット3は、振動膜80を含む。振動膜80は、筐体10の内部空間100を第1の空間112と、第2の空間114とに分割する仕切り部材の一部を構成する。振動膜80は、法線が面15と直交するように(すなわち、面15と平行になるように)設けられている。振動膜80は、第2の開口部14の側方に、第1及び第2の開口部12,14と重複しないように設けられていてもよい。これによると、第1及び第2の開口部12,14を介して、内部空間100に異物が入り込んだ場合でも、当該異物によって振動膜30が直接損傷を受ける可能性を低くすることができる。また、振動膜80は、筐体10の内壁面と間隔をあけて配置されていてもよい。
(2)第2の変形例
図26には、本発明を適用した実施の形態の第2の変形例に係るマイクロフォンユニット4を示す。
マイクロフォンユニット4は、振動膜90を含む。振動膜90は、筐体10の内部空間100を第1の空間122と、第2の空間124とに分割する仕切り部材の一部を構成する。振動膜90は、法線が面15と直交するように設けられている。振動膜90は、筐体10の内壁面(面15とは反対側の面)と面一になるように設けられていてもよい。振動膜90は、筐体10の内側(内部空間100)から、第2の開口部14をふさぐように設けられていてもよい。すなわち、マイクロフォンユニット3では、第2の開口部14の内部空間のみを第2の空間124とし、内部空間100のうち、第2の空間124以外の空間を第1の空間122としてもよい。これによると、筐体10を薄く設計することが可能になる。
(3)第3の変形例
図27には、本発明を適用した実施の形態の第3の変形例に係るマイクロフォンユニット5を示す。
マイクロフォンユニット5は、筐体11を含む。筐体11は、内部空間101を有する。そして、内部空間101は、仕切り部材20によって、第1の領域132と第2の領域134とに分割されている。マイクロフォンユニット5では、仕切り部材20は、第2の開口部14の側方に配置される。また、マイクロフォンユニット5では、仕切り部材20は、内部空間101を、第1及び第2の空間132,134の容積が等しくなるように分割する。
(4)第4の変形例
図28には、本発明を適用した実施の形態の第4の変形例に係るマイクロフォンユニット6を示す。
マイクロフォンユニット6は、図28に示すように、仕切り部材21を有する。そして、仕切り部材21は、振動膜31を有する。振動膜31は、筐体10内部で、法線が面15と斜めに交差するように保持されている。
(5)第5の変形例
図29には、本発明を適用した実施の形態の第5の変形例に係るマイクロフォンユニット7を示す。
マイクロフォンユニット7では、図29に示すように、仕切り部材20が、第1及び第2の開口部12,14の中間に配置されている。すなわち、第1の開口部12と仕切り部材20との距離が、第2の開口部14と仕切り部材20との距離と等しくなっている。なお、マイクロフォンユニット7では、仕切り部材20は、筐体10の内部空間100を均等に分割するように配置されていてもよい。
(6)第6の変形例
図30には、本発明を適用した実施の形態の第6の変形例に係るマイクロフォンユニット8を示す。
マイクロフォンユニット8では、図30に示すように、筐体が、凸曲面16を有する構造となっている。そして、第1及び第2の開口部12,14は、凸曲面16に形成されている。
(7)第7の変形例
図31には、本発明を適用した実施の形態の第7の変形例に係るマイクロフォンユニット9を示す。
マイクロフォンユニット9では、図31に示すように、筐体が、凹曲面17を有する構造となっている。そして、第1及び第2の開口部12,14は、凹曲面17の両側に配置されていてもよい。ただし、第1及び第2の開口部12,14は、凹曲面17に形成されていてもよい。
(8)第8の変形例
図32には、本発明を適用した実施の形態の第8の変形例に係るマイクロフォンユニット13を示す。
マイクロフォンユニット13では、図32に示すように、筐体が、球面18を有する構造となっている。なお、球面18の底面は円形であってもよいが、これに限られるものではなく、底面は楕円形となっていてもよい。そして、第1及び第2の開口部12,14は、球面18に形成されている。
これらのマイクロフォンユニットによっても、上述と同様の効果を奏することができる。そのため、振動膜の振動に基づいて電気信号を取得することで、雑音成分を含まない、ユーザ音声のみを示す電気信号を取得することができる。
図1(A)は単振動膜の通常マイクの構造及び動作原理について説明するための図であり、図1(B)は単振動膜の差動マイクの構造及び動作原理について説明するための図である。 音波の減衰特性について説明するための図。 通常マイク特性と差動マイク特性の一例を示す図。 図4(A)は通常マイクの指向性について説明するための図であり、図4(B)は差動マイクの指向性について説明するための図である。 マイクロフォンユニットについて説明するための図。 図6(A)、図6(B)は、マイクロフォンユニットについて説明するための図である。 マイクロフォンユニットについて説明するための図。 マイクロフォンユニットについて説明するための図。 マイクロフォンユニットについて説明するための図。 マイクロフォンユニットについて説明するための図。 マイクロフォンユニットについて説明するための図。 マイクロフォンユニットについて説明するための図。 マイクロフォンユニットについて説明するための図。 マイクロフォンユニットについて説明するための図。 マイクロフォンユニットについて説明するための図。 位相差と強度比との対応関係を表すデータの一例を示す図。 マイクロフォンユニットを製造する手順を示すフローチャート図。 音声入力装置について説明するための図。 音声入力装置について説明するための図。 音声入力装置の一例としての携帯電話を示す図。 音声入力装置の一例としての携帯電話を示す図。 音声入力装置の一例としてのマイクを示す図。 音声入力装置の一例としてのリモートコントローラを示す図。 情報処理システムの概略図。 変形例に係るマイクロフォンユニットについて説明するための図。 変形例に係るマイクロフォンユニットについて説明するための図。 変形例に係るマイクロフォンユニットについて説明するための図。 変形例に係るマイクロフォンユニットについて説明するための図。 変形例に係るマイクロフォンユニットについて説明するための図。 変形例に係るマイクロフォンユニットについて説明するための図。 変形例に係るマイクロフォンユニットについて説明するための図。 変形例に係るマイクロフォンユニットについて説明するための図。
符号の説明
1 マイクロフォンユニット、1’ マイクロフォンユニット、2 マイクロフォンユニット、2’ マイクロフォンユニット、3 マイクロフォンユニット、4 マイクロフォンユニット、5 マイクロフォンユニット、6 マイクロフォンユニット、7 マイクロフォンユニット、8 マイクロフォンユニット、9 マイクロフォンユニット、10 筐体、11 筐体、12 第1の開口部、13 マイクロフォンユニット、14 第2の開口部、16 凸曲面、17 凹曲面、18 球面、20 仕切り部材、30 振動膜、32 保持部、38 電気信号、40 出力部、41 振動膜ユニット、42 コンデンサ、43 スイッチ、44 信号増幅回路、45 ゲイン切り替え回路、46 チャージポンプ回路、48 オペアンプ、49 出力信号、50 検出部、52 検出信号、54 スイッチ、60 開閉機構(蓋部)、70 開閉制御部、80 振動膜、100 内部空間、101 内部空間、102 第1の空間、104 第2の空間、110 外部空間、112 第1の空間、114 第2の空間、122 第1の空間、124 第2の空間、132 第1の空間、134 第2の空間、200 音声入力装置、210 筐体、212 開口、214 弾性体、220 音量制御部、230 スピーカ、240 演算処理部、250 通信処理部、300 携帯電話、320 ノイズキャンセルボタン、330 スピーカ、400 マイク、500 リモートコントローラ、600 情報処理システム、602 音声入力装置、604 ホストコンピュータ、700 マイクロフォン、702 振動膜、704 電極、706 ベース基板、708 絶縁膜、710 絶縁膜、712 ギャップ間隔、800 マイクロフォン、802 振動膜、804 電極、806 ベース基板、808 絶縁膜、810 絶縁膜、812 ギャップ間隔、814 開口部

Claims (11)

  1. 内部空間を有する筐体と、
    前記筐体の内部空間を第1の空間と第2の空間とに分割する少なくとも一部が振動膜で構成された仕切り部材と、
    前記振動膜の振動に基づく電気信号にゲインを与えて出力する出力部と、
    を含み、
    前記筐体には、前記第1の空間と前記筐体の外部空間とを連通する第1の開口部と、前記第2の空間と前記筐体の外部空間とを連通する第2の開口部とが形成され、
    前記出力部は、
    前記第1の開口部及び前記第2の開口部が開放されている状態では、前記第1の開口部又は前記第2の開口部が閉塞されている状態よりも高いゲインを前記電気信号に与えて出力することを特徴とするマイクロフォンユニット。
  2. 請求項1において、
    前記出力部は、
    前記第1の開口部又は前記第2の開口部が閉塞されている状態から前記第1の開口部及び前記第2の開口部が開放されている状態に変化した時は、前記電気信号に与えるゲインを高くすることを特徴とするマイクロフォンユニット。
  3. 請求項1又は2において、
    前記出力部は、
    前記第1の開口部及び前記第2の開口部が開放されている状態から前記第1の開口部又は前記第2の開口部が閉塞されている状態に変化した時は、前記電気信号に与えるゲインを低くすることを特徴とするマイクロフォンユニット。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記第1の開口部及び前記第2の開口部が開放されている状態、もしくは前記第1の開口部又は前記第2の開口部が閉塞されている状態を検出する検出部を含み、
    前記出力部は前記検出部の検出結果に基づいて、前記電気信号に与えるゲインを切り替えることを特徴とするマイクロフォンユニット。
  5. 請求項4において、
    前記検出部は、
    前記第1の開口部又は前記第2の開口部に隣接して配置され、前記第1の開口部又は前記第2の開口部が塞がれた時にオン又はオフになるスイッチとして構成され、
    前記出力部は、
    前記スイッチのオン又はオフに基づいて、前記電気信号に与えるゲインを切り替えることを特徴とするマイクロフォンユニット。
  6. 請求項1乃至5のいずれかにおいて、
    開閉状態に応じて、前記第1の開口部又は前記第2の開口部の一方を開放状態または閉塞状態にする蓋部を含み、
    前記出力部は、
    前記蓋部の開閉状態に基づいて、前記電気信号に与えるゲインを切り替えることを特徴とするマイクロフォンユニット。
  7. 請求項6において、
    話者音量に基づいて前記蓋部の開閉状態を制御する開閉制御部を含むことを特徴とするマイクロフォンユニット。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載のマイクロフォンユニットが実装された音声入力装置。
  9. 請求項8において、
    音情報を出力するスピーカと、
    前記スピーカの音量を制御する音量制御部と、を含み、
    前記音量制御部は、
    前記第1の開口部及び前記第2の開口部が開放されている状態では、前記第1の開口部又は前記第2の開口部が閉塞されている状態よりも前記スピーカの音量を大きくすることを特徴とする音声入力装置。
  10. 請求項9において、
    前記音量制御部は、
    前記第1の開口部又は前記第2の開口部が閉塞されている状態から前記第1の開口部及び前記第2の開口部が開放されている状態に変化した時は、前記スピーカの音量を大きくすることを特徴とする音声入力装置。
  11. 請求項9又は10において、
    前記音量制御部は、
    前記第1の開口部及び前記第2の開口部が開放されている状態から前記第1の開口部又は前記第2の開口部が閉塞されている状態に変化した時は、前記スピーカの音量を小さくすることを特徴とする音声入力装置。
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