JP2009109799A - 塗布装置及び塗布方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 大きな塗布領域に均一にムラなく、色度の仕様に関する要求を満たすカラーフィルター等を低コストで実現する塗布装置を提供する。
【解決手段】 塗布対象物に塗布材を供給する複数の吐出ノズルを有する塗布ヘッドと、前記塗布対象物を保持するステージと、前記塗布対象物へ塗布するための複数の吐出ノズルの中から1つ以上の使用しない吐出ノズルを挟んで吐出を行う制御手段とを備え、それぞれの吐出ノズルからの塗布材の吐出量を均一にして塗布対象物への塗布を行う塗布装置。
【選択図】 図4
【解決手段】 塗布対象物に塗布材を供給する複数の吐出ノズルを有する塗布ヘッドと、前記塗布対象物を保持するステージと、前記塗布対象物へ塗布するための複数の吐出ノズルの中から1つ以上の使用しない吐出ノズルを挟んで吐出を行う制御手段とを備え、それぞれの吐出ノズルからの塗布材の吐出量を均一にして塗布対象物への塗布を行う塗布装置。
【選択図】 図4
Description
本発明は、装置内の所定の位置に保持された塗布対象物に対して、複数の吐出ノズルを有する塗布ヘッドによって塗布材を供給する塗布装置に関する。
最近の情報端末の画像表示技術の進展は目を見張るものがあり、大画面のものや、或いは小型の画面でも、非常に高い精細度の表示機器(ディスプレイ)が製造、実用化されている。そのような状況の中、低コストで高品位な画像表示を可能とするディスプレイに対する要求が強い。こうした要求に応えるディスプレイのキーデバイスとして、カラーフィルタがあり、そのカラーフィルタ製造方法・装置にも様々な工夫が取り入れられている。
そうした製造方法・装置にむけた開発技術の一つに、従来からの、遮光機能を果たす種々の材料によってマトリクス状に遮光部を形成したガラス基板等において、形成されたそのマトリクス状の遮光部のマス目の内部を、カラーフィルタとしての機能を付与するよう着色するためにコーティング技術を利用してガラス基板等へ着色材料を塗布している。しかしこの工法ではRGB3色の着色材料の塗布の工程それぞれが独立しており、それぞれの工程で、遮光などのための非常に高い精度を要求する遮蔽部材(マスク)を必要とし、工数的にも、使用する装置及び部材といった点でも製造コストが高くつくという問題を抱えていた。現在そういった工法に代わり、最近では塗布ヘッドとしてインクジェットヘッドを装備した塗布装置を用いて、マトリクス状に遮光部を形成したガラス基板等上に塗布材である着色材料をインクジェットヘッドに形成された吐出ノズルであるインクジェットノズルから供給・塗布してカラーフィルタを製造する方法が提案されている(特許文献1および特許文献2参照)。
インクジェットヘッドを用いて着色材料等を塗布する場合、大画面をもつディスプレイなど大きな面積に着色材料等を塗布する場合、或いは個々の製品に必要な塗布面積が小さいものでも大量に一枚の基板に同時並行で塗布工程を経て生産しようとすると、結果として大型のディスプレイと同じように大きな面積で有効な領域に着色材料等を塗布するために大量の着色材料等を供給する必要がある。こうした場合、効率的に塗布工程を完了させるには、大きな領域(幅)に一度の塗布装置の塗布ヘッドの走査(移動)等による、塗布ヘッドと基板との相対的な移動によって材料を供給・塗布する必要があり、着色材料を塗布するインクジェットヘッドを複数で並列に配置する必要がある。しかし、単純にインクジェットヘッドを複数で並列に配置すると展開したインクジェットヘッド部全体の横幅が大きくなる。
これを解消する方法として特許文献1ではインクジェットヘッドの配列・配置において、それぞれのインクジェットヘッドを傾けて配置する方法が開示されている。
また、上記のような大きな塗布の領域を少ない塗布の工程で実現するには、一定の限定幅のインクジェットノズルをもつインクジェットヘッドを必要数配列して移動する架台に装着することにより、一度の塗布動作(工程)で済むよう大型の塗布装置が必要になる。こうした場合、複数のインクジェットヘッドの配列によっては、その配列による弊害、例えばインクの吐出量の偏りによる塗布量のバラツキ、結果としての色のムラが発生することがある。
こうした状況から、本発明者等は現状のインクジェットヘッドによる塗布に適用する塗布方法・装置の開発に取り組む中で、細かいピッチで並べたインクジェットノズルで同時に連続したインクジェットノズルから吐出動作をさせた場合、ある1つのインクジェットノズルに注目すると、隣りのインクジェットノズルの吐出による影響を受け、単発で吐出した場合に比べ5〜10%塗布材の吐出量が増減することが確認された。
したがって、連続したインクジェットノズルを同時に吐出駆動すると、その吐出駆動した連続するインクジェットノズルのうちで両端に位置したインクジェットノズルは中間にあるインクジェットノズルより10%程度、塗布材の吐出量が少なくなる。
つまり、インクジェットヘッドの両端に位置するインクジェットノズルの吐出量は常に他のインクジェットノズルよりも吐出量が少なく、直線的に移動するインクジェットバーの移動に応じて連続塗布をした場合に、この両端のインクジェットノズルが通過した塗布領域に塗布量が少ない部分がスジ状に現れてしまうことを確認した。
つまり、インクジェットヘッドの両端に位置するインクジェットノズルの吐出量は常に他のインクジェットノズルよりも吐出量が少なく、直線的に移動するインクジェットバーの移動に応じて連続塗布をした場合に、この両端のインクジェットノズルが通過した塗布領域に塗布量が少ない部分がスジ状に現れてしまうことを確認した。
特許文献2では、こうした弊害を避ける一案が開示されており、塗布装置および塗布方法の導入により色ムラの発生が抑えることができると開示している。しかしながら、特許文献2で従来の複数のインクジェットヘッドを配列した液の塗布によるカラーフィルタの製造装置では、インクジェットヘッドの両端の吐出量の低いインクジェットノズルがそのままで連続しており、この構成による塗布では部分的に塗布量が低いインクジェットノズルによる吐出・塗布された区画が移動方向に、同じインクジェットノズルの吐出・塗布による着色材料の量が少ない塗布の区画で連続し、該当する着色材料による色の透過色に欠陥が線状に起こる可能性がある。また吐出量の低い部分を使用しないように、移動方向に直角な方向に重ねあわせてインクジェットヘッドを配列・配置すれば、インクジェットヘッドの配置スペースに大きな無駄が生じて装置の大型化等を誘因し、またすべてのインクジェットヘッドの両端のノズルを使用しないのは不経済である。
本発明では、特許文献2のようなインクジェットヘッドの端部にあるインクジェットノズルに不可避的に現出する着色材料の吐出量の少ないインクジェットノズルを利用しても、カラーフィルターに要求される色度の許容値である千分の三、それを着色材料のカラーフィルター基板それぞれの画素への塗布量の許容値で換算して3%以内を実現する塗布方法及び塗布装置を実現することを目的とする。
このため、本発明では、
複数の吐出ノズルを有する塗布ヘッドで塗布対象物に塗布材を微量の液滴として噴射塗布する塗布装置の、
前記塗布ヘッドと前記塗布対象物を相対移動させ、塗布対象物に塗布材を供給して、前記塗布対象物の有効塗布領域を塗布する工程において、
前記塗布対象物へ塗布するための複数の吐出ノズルの中から1つ以上の使用しない吐出ノズルを挟んで吐出を行う制御手段を備える構成とした。
また、前記塗布対象物へ塗布するための複数の吐出ノズルの中から1つ以上の使用しない吐出ノズルを挟んで吐出を行う制御手段において、使用しない吐出ノズルを挟むパターンを吐出タイミング毎に選択可能に複数持つ構成とした。
さらに、前記塗布ヘッド内の各吐出ノズルから吐出される吐出一回当たりの量を変化させることのできる吐出ノズル制御手段とを備え、
前記塗布ヘッド内各吐出ノズルの持つ吐出一回当たりの量の合計が塗布すべき単位領域毎で均一に近づけられるように吐出ノズル制御手段を制御して、前記塗布対象物に塗布材を塗布する構成とした。
複数の吐出ノズルを有する塗布ヘッドで塗布対象物に塗布材を微量の液滴として噴射塗布する塗布装置の、
前記塗布ヘッドと前記塗布対象物を相対移動させ、塗布対象物に塗布材を供給して、前記塗布対象物の有効塗布領域を塗布する工程において、
前記塗布対象物へ塗布するための複数の吐出ノズルの中から1つ以上の使用しない吐出ノズルを挟んで吐出を行う制御手段を備える構成とした。
また、前記塗布対象物へ塗布するための複数の吐出ノズルの中から1つ以上の使用しない吐出ノズルを挟んで吐出を行う制御手段において、使用しない吐出ノズルを挟むパターンを吐出タイミング毎に選択可能に複数持つ構成とした。
さらに、前記塗布ヘッド内の各吐出ノズルから吐出される吐出一回当たりの量を変化させることのできる吐出ノズル制御手段とを備え、
前記塗布ヘッド内各吐出ノズルの持つ吐出一回当たりの量の合計が塗布すべき単位領域毎で均一に近づけられるように吐出ノズル制御手段を制御して、前記塗布対象物に塗布材を塗布する構成とした。
本発明の請求項1、又は請求項4によれば、塗布ヘッドの各吐出ノズルから1回に吐出する塗布材の一塗布領域当たりの総量が均一化し、複数の塗布ヘッドを搭載して縦横に塗布ヘッド、或いは塗布対象物を移動させ塗布材を塗布することにより、大きな面積を全体にわたり塗布量のバラツキが少なく塗布することが可能で、さらに塗布ヘッドの直線的な移動による連続した領域に起こりやすいスジ状の塗布ムラが発生することも払拭することができる。
また、請求項2、又は請求項5によれば、塗布ヘッドの一部ノズルに塗布不具合が出た場合にも、その不具合の発生したノズルが塗布すべき領域に一定のパターンで塗布のバラツキが発生することを防止でき、或いは間欠的な塗布動作での塗布動作によって、同じノズルによる吐出動作の時間間隔が長くなって吐出ノズルの塗布動作休止が長引いたノズルに発生確率が高い「吐出口近傍に滞留する着色材料の乾燥が進んで開口部からの液滴の吐出が停止する等による吐出不良を起こす」ことも少ない安定した塗布を実現することができる。
そして、請求項3、又は請求項6によれば、制御手段により各吐出ノズルごとの吐出量の変化を抑制し、或いは必要に応じて吐出量を増減し、塗布対象物に区画された塗布領域の単位領域ごとの塗布総量を制御することが可能となり、塗布対象物の部分的な塗布領域の狭い範囲だけでなく塗布領域の全域において、より高い精度で塗布量を均一化して塗布することを実現することが可能になる。
以下、添付図面を参照して、本発明の塗布装置の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下においては、カラーフィルタ製造装置を例にとって説明している。
図1はカラーフィルタ製造のための塗布装置の一実施形態を示す斜視図である。この例のカラーフィルタ製造装置は、機台1上に吸着テーブル3、塗布ガントリー4、カメラガントリー6などを支承している。保持ステージである吸着テーブル3は、ガラス基板2を吸着保持するものであり、このガラス基板2の位置決めを達成するために、図示しない駆動機構、ガイド機構によって、回転駆動されるとともに、Y方向に駆動される。塗布ガントリー4は、インクジェットヘッドバー5を保持するものであり、ガラス基板2に着色材料を塗布するために、図示しない駆動機構、ガイド機構によって、X方向に駆動される。また、ガラス基板2に対する相対位置を調整するために、図示しない駆動機構、ガイド機構によって、Z方向、Y方向に駆動される。
カメラガントリー6は、ガラス基板2のアラインメントのためのアラインメントカメラ7、8を保持しており、そしてガラス基板2に供給された着色材料を検出するための計測手段であるスキャンカメラ9を保持することがより好ましく、アラインメント、着弾した着色材料検出のために、図示しない駆動機構、ガイド機構によって、X方向に駆動される。また、図示しない駆動機構、ガイド機構によって、アラインメントカメラ7、8、スキャンカメラ9をY方向に駆動する。そしてアラインメントカメラ7、8はガラス基板2のマーク(図示せず)を検出するものであり、アラインメントカメラ7、8によるマーク検出結果に基づいて吸着テーブル3を回転させ、および/またはY方向に移動させることにより、ガラス基板2のアラインメントを達成することができる。X方向のアライメント誤差は吐出タイミングを調整することで達成することができる。ここで、X、Yは、吸着テーブル3により吸着保持されたガラス基板2の上面と平行な平面を規定すべく設定された互いに直交する方向を表し、Zは、X、Yにより規定された平面と直交する方向を表している。
なお、スキャンカメラ9に代えて二次元CCDカメラを採用することによれば、着弾痕の高さを計測することもでき、使用する着色材料について事前に得た着弾時の液滴の形状により、その高さの計測によって液滴の体積を算出することが可能であり、より精度の高い各インクジェットノズルからの着色材料の吐出量を知ることができる。
図2は、インクジェットヘッドバー5の構成を示す一例の概略図である。
この例では一つのインクジェットヘッド51を5段で千鳥状に6列配備した合計30ヘッドの例を示している。
この例では一つのインクジェットヘッド51を5段で千鳥状に6列配備した合計30ヘッドの例を示している。
図3は、インクジェットヘッド51に設けられたインクジェットノズル52の、インクジェットバー5の移動方向に直角の向きの配列ピッチを示している。5段のヘッドそれぞれに、着色材料を吐出するインクジェットノズル52を配列ピッチPづつずらして設け、5段ごとの塗布ノズルの密度を連続するように、さらに隣りのインクジェットヘッド51を並べインクジェットバーの中に1回で塗布する幅に応じてインクジェットヘッド51を配列する(図2の例では6列30のインクジェットヘッド51が搭載されている)
こうしたインクジェットノズル52の配列による、本発明の塗布動作の例を次に説明する。
図4は、基本的な吐出時の動作例として、塗布時に駆動すべきインクジェットノズル52を周囲に円を加えて示している。この図では同時に吐出動作の制御指令を伝達されるべきインクジェットノズル52が、1つのインクジェットヘッド51内で、整然と一つおきになっている。
こうすることで、インクジェットヘッド51の内部において着色材料の圧力が、隣り合うインクジェットノズル52を同時に作動させた場合に不可避的に発生する、隣り合うインクジェットノズル52の同時吐出動作による干渉によって圧力上昇そして吐出量の増減変化へ影響することが極めて少ない。
こうしたインクジェットノズル52の配列による、本発明の塗布動作の例を次に説明する。
図4は、基本的な吐出時の動作例として、塗布時に駆動すべきインクジェットノズル52を周囲に円を加えて示している。この図では同時に吐出動作の制御指令を伝達されるべきインクジェットノズル52が、1つのインクジェットヘッド51内で、整然と一つおきになっている。
こうすることで、インクジェットヘッド51の内部において着色材料の圧力が、隣り合うインクジェットノズル52を同時に作動させた場合に不可避的に発生する、隣り合うインクジェットノズル52の同時吐出動作による干渉によって圧力上昇そして吐出量の増減変化へ影響することが極めて少ない。
次に、本発明の塗布装置により塗布領域を全面にわたり均一に塗布する仕組みを説明する。
本発明の実施例として、代表的な37インチサイズの高精細テレビ受像機に対応できる幅180μm、長さ530μmの大きさの画素に着色材料を適量、塗布充填することで説明する。
この場合のインクジェットノズル52の配列密度は1800dpiで、吐出する液滴の互いの位置のズレ=塗布間隔P(ピッチ)は14.11μmのピッチであり、1つのインクジェットノズル52からの着色材料の1発の吐出量を30pl(ピコ・リットル)、合計1500plを吐出・塗布して実現する。
一方で、本発明者らは今回、カラーフィルターとしての色度の許容値が有効画面領域全体において1000分の3であり、この色度の許容値を実現する着色材料の塗布量バラツキの許容値が3%以下であることを確認しており、これをカラーフィルタの目標仕様とし、その仕様を満足する本発明の塗布装置について説明する。
インクジェットノズル52の事前の着弾痕の計測で、基板への飛翔中の液滴の直径が平均すると40μmであることから、着色材料が基板上に形成されたマトリクス状の遮光部を乗り越えて隣の画素への混入することを避けるために、長さ530μmの両端の縁からインクジェットノズル52から基板に塗布された着色材料の着弾痕の半径値である20μmの位置より外側の区域を吐出禁止領域として、塗布するのは490μmの間に位置するインクジェットノズル52からの吐出による、基板に形成されたそれぞれの画素への着色材料の吐出・塗布を行う。従って1800dpiのインクジェットノズル52の配列・配置密度から、この画素1つの領域に着色材料を吐出・塗布可能なインクジェットノズル52の数は34となる。
一方、制御手段による制御で、カラーフィルタの有効領域を含む基板全体のそれぞれの1画素に対し、対応する34のインクジェットノズル52から選択したインクジェットノズル52に吐出指令を送り着色材料を吐出・塗布することで、530×180μmの大きさの1画素に1500plの着色材料を、総量で3%以内の着色材料の吐出量の許容値に収める吐出制御をする。
個々のインクジェットノズル52からの着色材料の吐出量は、事前に行うそれぞれの装備するインクジェットヘッド51の試射による計測で、或いは後述するテストパターン検査により計測され、塗布開始前に最新の状態でのテストパターン塗布における着弾痕の直径や体積などのデータとして格納された数値、或いは前述の事前にそれぞれのインクジェットヘッド51のインクジェットノズル52の吐出量を計測したデータにより、記憶素子にその数値やデータをデータテーブルとして格納した数値等を用いてインクジェットノズル52の選択と吐出数の制御を行い、カラーフィルタの有効領域での色度の仕様を満足させる。
個々のインクジェットノズル52からの着色材料の吐出量は、事前に行うそれぞれの装備するインクジェットヘッド51の試射による計測で、或いは後述するテストパターン検査により計測され、塗布開始前に最新の状態でのテストパターン塗布における着弾痕の直径や体積などのデータとして格納された数値、或いは前述の事前にそれぞれのインクジェットヘッド51のインクジェットノズル52の吐出量を計測したデータにより、記憶素子にその数値やデータをデータテーブルとして格納した数値等を用いてインクジェットノズル52の選択と吐出数の制御を行い、カラーフィルタの有効領域での色度の仕様を満足させる。
図5は、本発明に用いたインクジェットヘッド51の幅方向に配列されたインクジェットノズル52の隣接するインクジェットノズル52を同時に吐出した場合の各インクジェットノズル52の吐出する着色材料の吐出速度を表したグラフであり、両端の数ノズルの吐出速度が10〜15%程度低い(=速度と吐出量が比例しており、吐出量が少ない)ことを示している。
図6は、同じインクジェットヘッド51において、配列された隣接するインクジェットノズル52を1つおきに着色材料を吐出した場合のインクジェットノズル52からの吐出速度を表したグラフであり、図5で見られた両端に位置するインクジェットノズル52の吐出速度の低下は確認されず、こうした隣接したインクジェットノズル52を同時に作動させない動作条件(=1つ以上の使用しないインクジェットノズル52を挟んで吐出を行う)においては、インクジェットヘッド51内のインクジェットノズル52からの着色材料の吐出量が均一であり、こうした吐出動作の制御指令の最適化によりインクジェットヘッド51内インクジェットノズル52を区別なく動作させることが可能である。
また、1800dpiのインクジェットノズル52の配列ピッチPは、14.11μmとなるが、この数字は現状の基本的なインクジェット方式によるインクジェットノズルを構成する部材寸法・機構上等の制約から1つのインクジェットヘッド51で実現することが困難であることもあり、5列基本のインクジェットヘッド51で実現する構成としており、1つのインクジェットヘッド51に形成されたインクジェットノズル52の配列間隔は360dpiで70.56μmとしている。
こうした塗布装置の設定では、490μmの実効塗布幅に14.11μmのピッチで配列されたインクジェットノズル52は34個が含まれ、1つのインクジェットヘッド51にはインクジェットノズル52が70.64μmピッチで装備されているので5列で構成すると一端のインクジェットヘッド51で6個、それ以外のインクジェットヘッド51では7個のインクジェットノズル52が着色材料の吐出動作の対象となる。
この場合に、1つおきのインクジェットノズル52を動作させることができるのは、一端のインクジェットヘッド51では6個のインクジェットヘッド51で3個づつ、残りのインクジェットヘッド51では3個と4個の組合せで吐出動作が可能となる。この動作可能なインクジェットノズル52で50発の着色材料を吐出するには、配列した5つのインクジェットヘッド51から、
1)3+4+3+4+3 の合計17個
2)3+3+4+3+4 の合計17個
のインクジェットノズル52を吐出動作させることができるので、それぞれに3発の吐出をすることで50発の着色材料の吐出を確保できる。この場合には、選択され得るインクジェットノズル52の総吐出量に着色材料の吐出1発分=2%の余裕度があり、各インクジェットノズルの吐出量が僅かに低下した場合にも適正な吐出・塗布量を確保できる。
この場合に、1つおきのインクジェットノズル52を動作させることができるのは、一端のインクジェットヘッド51では6個のインクジェットヘッド51で3個づつ、残りのインクジェットヘッド51では3個と4個の組合せで吐出動作が可能となる。この動作可能なインクジェットノズル52で50発の着色材料を吐出するには、配列した5つのインクジェットヘッド51から、
1)3+4+3+4+3 の合計17個
2)3+3+4+3+4 の合計17個
のインクジェットノズル52を吐出動作させることができるので、それぞれに3発の吐出をすることで50発の着色材料の吐出を確保できる。この場合には、選択され得るインクジェットノズル52の総吐出量に着色材料の吐出1発分=2%の余裕度があり、各インクジェットノズルの吐出量が僅かに低下した場合にも適正な吐出・塗布量を確保できる。
従って、この5列構成のインクジェットヘッド51の群の数を増やし、連続して配備することにより、必要な塗布幅のインクジェットバー5を構成することが可能で、大きな塗布面積を塗布する要求に対しても、必要な工程時間等との兼ね合いで、使用するインクジェットヘッドバーの設計を行うことが可能である。
図2に示すインクジェットヘッドバー5は、赤(R)、緑(G)、青(B)の着色材料のいずれかを塗布するためのものであり、特には図示していないが、他の着色材料を塗布するためのインクジェットヘッドバーも設けられている。
図7は、インクジェットノズル52を選択するためにインクジェットヘッドバー5を制御するための構成を示す概略ブロック図である。ここでの構成は、計測手段であるスキャンカメラ9及びスキャンカメラ9による撮像データ(例えば、全てのインクジェットノズル52から着色材料を試験領域に吐出・塗布させた状態に対応する撮像データ)を入力として各インクジェットノズル52から吐出した着色材料の着弾痕のX,Y座標、及び着色材料の直径、面積、または体積を算出する画像処理装置11、算出された直径、面積、または体積などの必要なデータや、吐出データテーブルを記憶・保持する保持手段であるメモリ12、メモリ12に保持されている直径、面積、または体積などのデータや、吐出データテーブル内のデータを考慮して動作させるべきインクジェットノズル52を選択するために、外部の周辺装置とのデータや制御信号などを授受する入出力のインターフェースなどを受け持つ周辺回路や演算回路などを含むインクジェットヘッドバー5を駆動・停止させる制御手段である制御装置13を有している。
したがって、この計測手段及び保持手段を装備することにより、インクジェットヘッドバー5による塗布動作を行う毎にメモリ12に保持されている面積、直径、または体積を更新することも可能で、インクジェットヘッドバー5による次の塗布動作を行うに当って、最新の面積、直径、または体積を考慮して動作させるべきインクジェットノズル52を選択し、吐出動作の制御指令を出す等によりインクジェットヘッドバー5を制御することができる。
なお、制御装置13は、それぞれのインクジェットノズル52から着色材料を吐出した着弾痕を計測した体積などのデータや、吐出データテーブル内のデータ等のメモリー12に保持されたそれぞれのインクジェットノズル52からの吐出量のデータによって、それぞれの画素領域23に着弾させるべき着色材料の供給量を一定にするよう吐出すべきインクジェットノズル52の選択と着色材料の液滴の吐出数などにより着色材料の供給量を塗布領域全体で平均化すべく、対応するインクジェットヘッド51及びインクジェットヘッドバー5を制御することが好ましく、結果としてカラーフィルターとしての色度の要求を満たすものとなる。
或いは、それぞれのインクジェットノズル52から着色材料を吐出した着弾痕を計測して得た体積などのデータや、吐出データテーブル内のデータ等のメモリー12に保持されたそれぞれのインクジェットノズル52からの吐出量のデータによって、それぞれの画素領域23に着弾させるべき着色材料の供給量の最適化を狙いとして、吐出すべき対応インクジェットノズル52の選択とそのインクジェットノズル52からの液滴の数の吐出指令などにより着色材料の供給量を許容誤差範囲内にすべく、対応するインクジェットヘッド51及びインクジェットヘッドバー5を制御して塗布領域全体の塗布量を色度の許容範囲にすることが好ましく、結果としてカラーフィルターとしての色度の要求を満たすものとなる。
前者の場合には、画素領域23に対する着色材料の塗布品質を著しく高めることができる。後者の場合には、画素領域23に対する1回の吐出量が増減変化したインクジェットノズル52でも塗布動作に供することができるようになり、着色材料の塗布品質の維持と使用可能なインクジェットノズル52の数の増加とを両立させることができる。
次いで、上記の構成のカラーフィルタ製造装置の作用を説明する。
図8は着色材料塗布及びテストパターン検査の処理を説明するタイミングチャートである。
図9はガラス基板2上に6個のカラーフィルタCFが形成された状態を示しており、しかも、カラーフィルタCFよりも外方の余剰領域に各着色材料毎のテストパターンTPが形成されている。
図10はテストパターンTP形成部を拡大して示す図であり、カメラガントリー6により検査されるものとして、3色分のインクジェットノズル52によって形成されたテストパターンTPを示している。このテストパターンTPはガラス基板上に各インクジェットノズル52から吐出された着色材料の着弾痕の形状そのものである。
着色材料同士は互いに離れているとともに千鳥状に着弾させている。こうすることで、着色材料同士の間隔が大きく、計測時の画像処理にゆとりがあり、検査精度を高めて、カメラガントリー6のスキャンカメラ9によりテストパターンTPを検査することができ、インク着弾痕のX,Y座標と共に、必要に応じてインク着弾痕の直径、面積或いは体積も計測される。そしてインク着弾痕の形状の不正や、未着弾などの吐出不良が検出された場合には、後述するように、直ちに必要な対処(カラーフィルタの製造中断、インクジェットヘッド51の交換など)を行うことができ、不良品が製造されることを最小限にすることができる。
図11はテストパターン検査処理の一例を説明するフローチャートである。なお、図8のタイミングチャートには、図11のフローチャートに基づく処理は示されていない。
図11により、テストパターン検査処理を説明する。
ステップSP1において、図示しない搬入ロボットなどによる吸着テーブル3へのテスト用ガラス基板の搬入が行われた後に、ステップSP2において、図示しない外形規制手段によって、テスト用ガラス基板の概略の位置決めを達成する。そして、ステップSP3において、吸着テーブル3によりテスト用ガラス基板を吸着し、その後、ステップSP4において、カメラガントリー6を往動させ、ステップSP5において、テスト用ガラス基板のアラインメントマークを検出し、Y方向の位置決め、θ(Z軸回りの回点)方向のアラインメントを達成し、ステップSP6において、カメラガントリー6を復動させる。
次いで、ステップSP7において、塗布ガントリー4を往動/復動させるとともに、塗布ガントリー4のX座標値を出力し、ステップSP8において、X座標値に基づいて塗布ガントリー4がテストパターン塗布位置に達したか否かを判定し、テストパターン塗布位置に達していない場合には、再びステップSP7の処理を行う。
ステップSP8において塗布ガントリー4がテストパターン塗布位置に達したと判定された場合には、ステップSP9において、塗布ガントリー4の移動を停止させ、インクジェットヘッドバー5の全てのインクジェットノズル52から着色材料の液滴を吐出し、ステップSP10において、塗布ガントリー4を復動させ、待機位置で停止させる。
次いで、テストパターン(TP)の撮像及び検査を行うフローに入り、ここではステップSP11において、カメラガントリー6を往動させ、ステップSP12において、カメラガントリー6がテストパターン検査位置に達したか否かを判定する。
そして、テストパターン検査位置に達していない場合には、再びステップSP11の処理を行う。
そして、テストパターン検査位置に達していない場合には、再びステップSP11の処理を行う。
そして、ステップSP12においてカメラガントリー6がテストパターン検査位置に達したと判定された場合には、ステップSP13において、カメラガントリー6を停止させ、ステップSP14において、スキャンカメラ9をY方向に移動させてテストパターンを検出しながらテストパターンを終端まで撮像し、その後、スキャンカメラ9をY方向に戻す。
ステップSP14の処理後、ステップSP15において、カメラガントリー6を復動させて待機位置で停止させ「テストパターン(TP)撮像フロー」を終えて、ステップSP16において、テスト用ガラス基板の吸着を解除して、排出し、一連の処理を終了する。
また、ステップSP15、ステップSP16の処理と並行して、ステップSP17において、スキャンカメラ9による検出信号を画像処理し、X,Y座標と、着色材料の着弾痕の直径、面積そして/又は体積を計測・演算し、ステップSP18において、テストパターンの着色材料着弾痕から検出した座標位置情報等を入力し、ステップSP19において、テスト用ガラス基板上の全画素の位置情報(座標値)を入力し、ステップSP20において、その他のパラメータを入力し、ステップSP21において、データテーブルの演算/作成を行い、ステップSP22において、演算結果を吐出データテーブルに記憶し、画像処理及び計測・演算といった一連の処理を終了する。
次いで、図12に示すカラーフィルタ製造フローチャートにより、カラーフィルタ製造処理の実施例を説明する。
装置の効率的な稼動を実現するためには、塗布ガントリー4の所定の開始位置から「一筆書き」で塗布動作を完了するよう必要塗布領域に対し、塗布ガントリー4を1回の往復動作で済むように有効インクジェットヘッドノズルの幅を設定することが望ましい。
ステップSP1において、図示しない搬入ロボットなどによる吸着テーブル3へのガラス基板2の搬入が行われた後に、ステップSP2において、図示しない外形規制手段によって、ガラス基板2の概略の位置決めを達成する。そして、ステップSP3において、吸着テーブル3によりガラス基板2を吸着し、その後、ステップSP4において、カメラガントリー6を往動させ、ステップSP5において、ガラス基板2のアラインメントマークを検出し、Y方向、θ(シータ)方向の位置決めを行うことによって、ガラス基板2のアラインメントを達成し、ステップSP6において、カメラガントリー6を復動させる。
そして、ステップSP7において、往路塗布か、復路塗布かを判定する。
ステップSP7において往路塗布であると判定された場合には、ステップSP8において、塗布ガントリー4を往動させるとともに、塗布ガントリー4のX座標値を出力し、逆に、ステップSP7において復路塗布であると判定された場合には、ステップSP9において、塗布ガントリー4を復動させる。
そして、ステップSP8の処理、またはステップSP9の処理が行われた場合には、ステップSP10において、塗布が塗布領域終端まで行われたか否かを判定する。
ステップSP10において塗布が塗布領域終端までは行われていないと判定された場合には、ステップSP11において、塗布ガントリー4のX座標出力信号と吐出データテーブルとを比較し、ステップSP12において、X座標と吐出データとが一致しているか否かを判定し、X座標と吐出データとが一致していれば、ステップSP13において、インクジェットノズル52により着色材料の液滴を吐出し、一致していなければ、ステップSP7に戻る。
このステップSP13の着色材料の液滴の吐出動作について説明する。
前述のように、塗布すべき画素のサイズから制御指令に基づいて吐出動作対象となるインクジェットノズル52の数は対応する5列のインクジェットヘッド51の塗布すべき画素の制限幅490μm内に位置するインクジェットノズルで、最外側に位置する両端のノズルのどちらかが制限幅の区域から外れる以外は、有効な塗布可能なインクジェットノズルとなり、7個のインクジェットノズル52からそれぞれ3ないし4個のノズルを互いに隣接するインクジェットノズル52を同時には動作させない制約で駆動すると
1)3+4+3+4+3 の合計17個、或いは
2)3+3+4+3+4 の合計17個
のインクジェットノズルを吐出動作させることができる。
これらのインクジェットノズル52に対し3発の吐出動作の制御指令を実行することで、1つの画素当たりに必要な1500plの着色材料を充填することができる。
前述のように、塗布すべき画素のサイズから制御指令に基づいて吐出動作対象となるインクジェットノズル52の数は対応する5列のインクジェットヘッド51の塗布すべき画素の制限幅490μm内に位置するインクジェットノズルで、最外側に位置する両端のノズルのどちらかが制限幅の区域から外れる以外は、有効な塗布可能なインクジェットノズルとなり、7個のインクジェットノズル52からそれぞれ3ないし4個のノズルを互いに隣接するインクジェットノズル52を同時には動作させない制約で駆動すると
1)3+4+3+4+3 の合計17個、或いは
2)3+3+4+3+4 の合計17個
のインクジェットノズルを吐出動作させることができる。
これらのインクジェットノズル52に対し3発の吐出動作の制御指令を実行することで、1つの画素当たりに必要な1500plの着色材料を充填することができる。
これらのインクジェットノズル52の個々の着色材料の吐出量の僅かなバラツキについては、
制御装置13によって、それぞれのインクジェットノズル52から着色材料を吐出した着弾痕を計測した体積などのデータや、吐出データテーブル内のデータ等のメモリー12に保持されたそれぞれのインクジェットノズル52からの吐出量のデータによって、それぞれの画素領域23に着弾させるべき着色材料の供給量を一定にするよう吐出すべきインクジェットノズル52の組合せの選択により着色材料の供給量を塗布領域全体で平均化すべく、対応するインクジェットヘッド51及びインクジェットヘッドバー5を制御して、結果としてカラーフィルターとしての色度の要求を満たすように吐出動作の制御を行う。
制御装置13によって、それぞれのインクジェットノズル52から着色材料を吐出した着弾痕を計測した体積などのデータや、吐出データテーブル内のデータ等のメモリー12に保持されたそれぞれのインクジェットノズル52からの吐出量のデータによって、それぞれの画素領域23に着弾させるべき着色材料の供給量を一定にするよう吐出すべきインクジェットノズル52の組合せの選択により着色材料の供給量を塗布領域全体で平均化すべく、対応するインクジェットヘッド51及びインクジェットヘッドバー5を制御して、結果としてカラーフィルターとしての色度の要求を満たすように吐出動作の制御を行う。
或いは、制御装置13によって、それぞれのインクジェットノズル52から着色材料を吐出した着弾痕を計測して得た体積などのデータや、吐出データテーブル内のデータ等のメモリー12に保持されたそれぞれのインクジェットノズル52からの吐出量のデータによって、それぞれの画素領域23に着弾させるべき着色材料の供給量の最適化を狙いとして、吐出すべき対応インクジェットノズル52の組合せの選択とそのインクジェットノズル52からの着色材料の吐出量の増減の調節や、液滴の数の吐出指令などにより着色材料の供給量を許容誤差範囲内にすべく、対応するインクジェットヘッド51及びインクジェットヘッドバー5を制御して塗布領域全体の塗布量を色度の許容範囲にすることが好ましく、結果としてカラーフィルターとしての色度の要求を満たすように着色材料の液滴の吐出動作の制御を行なう。
続いて、ステップSP10において、X座標値に基づいて塗布が終端まで行われたか否かを判定する。
そして、ステップSP12においてX座標と吐出データとが一致していないと判定された場合、またはステップSP13の処理が行われた場合には、再びステップSP7に戻り往路復路の判定を行う。
ステップSP10において塗布が終端まで行われたと判定された場合には、ステップSP14において、往路1回目の塗布か否かを判定し、往路1回目の塗布であった場合には、ステップSP15において、塗布ガントリー4をテストパターン塗布位置に移動させ、ステップSP16において、インクジェットヘッドバー5によりテストパターンを形成する。具体的には、インクジェントヘッドバー5をX方向に移動させるとともに、すべてのインクジェットヘッド51のインクジェットノズル52から吐出動作を行うインクジェットノズル52を選択し、着色材料を吐出・塗布することによって、千鳥状のテストパターンを形成する。
ステップSP14において往路1回目の塗布でないと判定された場合、またはステップSP16の処理が行われた場合には、ステップSP17において、塗布領域全域を塗布するための所定回数の塗布が行われたか否かを判定する。
ステップSP17において塗布回数が所定回数に達していないと判定された場合には、ステップSP18において、塗布ガントリー4を停止させ、インクジェットヘッドバー5をY方向に移動させ、再びステップSP7の判定を行う。
Y方向の移動距離は、インクジェットヘッドバー5の仕様によるインクジェットヘッド51の有効塗布幅で決り、塗布領域全幅を偶数回の走査で隙間無く塗布を完了させる。
Y方向の移動距離は、インクジェットヘッドバー5の仕様によるインクジェットヘッド51の有効塗布幅で決り、塗布領域全幅を偶数回の走査で隙間無く塗布を完了させる。
また、ステップSP17において所定回数の塗布が行われたと判定された場合には、ステップSP19において、塗布処理を終了し、ステップSP20において、前記図11で説明した「TP撮像フロー」で得た、全てのインクジェットノズル52から吐出した着色材料の着弾痕の画像から、それぞれのインクジェットノズル52の吐出不良が、塗布領域で対象となる画素単位の範囲で許容される数を超えているかの判定を行う。
判定の結果、許容範囲を超えるインクジェットヘッド51の吐出不良の発生が確認された場合には、クリーニングフローに移り、許容範囲内であれば、ステップSP21において、吸着テーブル3によるガラス基板2の吸着を解除し、図示しない搬出ロボットなどによりガラス基板2を搬出し、そのまま一連の処理を終了する。
一方、ステップ7で復路と判定された場合には、ステップSP9の塗布ガントリー4の復路移動と並行して、図11で説明した「TP撮像フロー」を経て、前記のステップSP19の塗布終了の処理に移る。
前述の例では、塗布ガントリー4を吸着テーブル3に対してX方向に移動させるようにした実施形態を説明したが、塗布ガントリー4を固定し、吸着テーブル3を移動させるように構成することも可能である。
上の実施形態においては、インクジェットノズル52を選択することによってカラーフィルタ上の画素に対する総塗布量を必要塗布量に近づけるようにしているだけであって、インクジェットノズル52から吐出される吐出1回当たりの量を変化させることは全く行っていない。
しかし、インクジェットヘッド51を複数持つインクジェットヘッドバー5を塗布ガントリー4に設け、前記インクジェットヘッド51内のインクジェットノズル52から吐出される吐出1回当たりの量を変化させるノズル制御手段(図示せず)と、前記インクジェットヘッド51内の各インクジェットノズル52から吐出される吐出1回当たりの量の合計をインクジェットヘッド51毎に所定量に近づけるようにインクジェットノズル52の制御手段を制御する上位制御手段(図示せず)とをさらに備えていることが好ましい。
しかし、インクジェットヘッド51を複数持つインクジェットヘッドバー5を塗布ガントリー4に設け、前記インクジェットヘッド51内のインクジェットノズル52から吐出される吐出1回当たりの量を変化させるノズル制御手段(図示せず)と、前記インクジェットヘッド51内の各インクジェットノズル52から吐出される吐出1回当たりの量の合計をインクジェットヘッド51毎に所定量に近づけるようにインクジェットノズル52の制御手段を制御する上位制御手段(図示せず)とをさらに備えていることが好ましい。
前記ノズル制御手段は、例えば、インクジェットノズル52に印加する駆動電圧を変化させることによって吐出1回当たりの吐出量を変化させるものである。
前記上位制御手段は、例えば、スキャンカメラ9によって得られた吐出量不均一性データ等を入力として、インクジェットヘッド51内の各インクジェットノズル52の吐出1回当たりの吐出量の合計(インクジェットヘッド51の吐出1回当たりの吐出量)を目標とする吐出量に近づけるように、各インクジェットノズル52の制御手段に対する動作指令を行うものである。
この場合には、塗布量をインクジェットヘッド51毎に合わせ込むことができる。さらに説明すると、特定のインクジェットヘッド51がインクの粘度などの影響を受けて吐出量が低くなった場合にも、上位制御手段によって各ノズル制御手段に対する動作指令を設定し、ノズル制御手段によってインクジェットノズル52に印加する駆動電圧等を変えることで、他のインクジェットヘッド51との吐出量ばらつきを抑えることができる。
以上、塗布装置の代表的な応用例として液晶表示装置などに用いられるカラーフィルタ製造への適用例を述べたが、この装置は他の平面的な部材に着色材料或いは被膜材料を塗布する装置へと展開することも勿論何の支障もなく、適用可能である。
2 ガラス基板
3 吸着テーブル
5 インクジェットヘッドバー
9 スキャンカメラ
11 画像処理装置
12 メモリ
13 制御装置
51 インクジェットヘッド
52 インクジェットノズル
3 吸着テーブル
5 インクジェットヘッドバー
9 スキャンカメラ
11 画像処理装置
12 メモリ
13 制御装置
51 インクジェットヘッド
52 インクジェットノズル
Claims (6)
- 複数の吐出ノズルを有する塗布ヘッドで塗布対象物に塗布材を微量の液滴として噴射塗布する塗布装置であって、
前記塗布ヘッドと前記塗布対象物を相対移動させ、塗布対象物に塗布材を供給して、前記塗布対象物の有効塗布領域を塗布する工程において、
前記塗布対象物へ塗布するための複数の吐出ノズルの中から1つ以上の使用しない吐出ノズルを挟んで吐出を行う制御手段を備える塗布装置。 - 前記塗布対象物へ塗布するための複数の吐出ノズルの中から1つ以上の使用しない吐出ノズルを挟んで吐出を行う制御手段において、使用しない吐出ノズルを挟むパターンを吐出タイミング毎に選択可能に複数持つことを特徴とする請求項1記載の塗布装置。
- 請求項1又は、請求項2に記載の塗布装置において、
さらに、前記塗布ヘッド内の各吐出ノズルから吐出される吐出一回当たりの量を変化させることのできる吐出ノズル制御手段とを備え、
前記塗布ヘッド内各吐出ノズルの持つ吐出一回当たりの量の合計が塗布すべき単位領域毎で均一に近づけられるように吐出ノズル制御手段を制御して、前記塗布対象物に塗布材を塗布することを特徴とする塗布装置。 - 複数の吐出ノズルを有する塗布ヘッドで塗布対象物に塗布材を微量の液滴として噴射塗布する塗布方法であって、
前記塗布ヘッドと前記塗布対象物を相対移動させ、塗布対象物に塗布材を供給して、前記塗布の有効塗布領域を塗布する工程において、
前記塗布対象物へ塗布するための複数の吐出ノズルの中から1つ以上の使用しない吐出ノズルを挟んで吐出を行う制御手段を備え、前記塗布対象物に塗布材を塗布する塗布方法。 - 前記塗布対象物へ塗布するための複数の吐出ノズルの中から1つ以上の使用しない吐出ノズルを挟んで吐出を行う制御手段において、使用しない吐出ノズルを挟むパターンを吐出タイミング毎に選択可能に複数持ち、前記塗布対象物に塗布材を塗布する請求項4記載の塗布方法。
- 請求項4又は、請求項5に記載の塗布方法において、
さらに、前記塗布ヘッド内の各吐出ノズルから吐出される吐出一回当たりの量を変化させることのできる吐出ノズル制御手段とを備え、
前記塗布ヘッド内各吐出ノズルの持つ吐出一回当たりの量の合計が塗布すべき単位領域毎で均一に近づけられるように吐出ノズル制御手段を制御して、前記塗布対象物に塗布材を塗布する塗布方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011189267A (ja) * | 2010-03-15 | 2011-09-29 | Seiko Epson Corp | パターン膜形成部材の製造方法 |
JP2019076849A (ja) * | 2017-10-25 | 2019-05-23 | 東レエンジニアリング株式会社 | 塗布方法および塗布装置 |
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-
2007
- 2007-10-31 JP JP2007282884A patent/JP2009109799A/ja active Pending
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