JP2009096826A - 蓄熱材組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】単位量当たりの大きな蓄熱量を損なうことなく、蓄熱材の結晶化温度をさらに高めることが可能な蓄熱材組成物を提供する。
【解決手段】糖アルコールを主成分とする蓄熱材と、この蓄熱材の過冷却を防止する過冷却防止剤と、を含有する蓄熱材組成物であって、前記過冷却防止剤が、2つ以上のカルボキシル基を有する脂肪族カルボン酸類、2つ以上のカルボキシル基を有する芳香族カルボン酸類、2つ以上のアミド基を有する脂肪族アミド類、及び2つ以上のアミド基を有する芳香族アミド類よりなる群から選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする蓄熱材組成物を提供する。
【選択図】なし
【解決手段】糖アルコールを主成分とする蓄熱材と、この蓄熱材の過冷却を防止する過冷却防止剤と、を含有する蓄熱材組成物であって、前記過冷却防止剤が、2つ以上のカルボキシル基を有する脂肪族カルボン酸類、2つ以上のカルボキシル基を有する芳香族カルボン酸類、2つ以上のアミド基を有する脂肪族アミド類、及び2つ以上のアミド基を有する芳香族アミド類よりなる群から選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする蓄熱材組成物を提供する。
【選択図】なし
Description
本発明は、蓄熱材組成物に関し、特に、糖アルコールを主成分とする蓄熱材の過冷却を防止できる蓄熱材組成物に関する。
糖アルコールは、融解潜熱量が大きいことから、少ない容量で効率的に熱を蓄えることができる物質として知られている。また、糖アルコールは、毒性が無いうえ、耐腐食性も良好であることから、蓄熱材としての利用が期待されている。
ところが、糖アルコールは、蓄熱時(融解時)には物質固有の温度で融解するものの、放熱時(凝固時)には融解温度を下回っても固体化しない、いわゆる過冷却現象が起こるという課題を抱えている。このため、このような課題を解決すべく、種々の検討がなされている。
例えば、糖アルコールの過冷却を防止することを目的として、糖アルコール中に過冷却防止剤を添加してなる蓄熱材組成物の検討がなされている。具体的には、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸アルミニウム、リン酸銀、硫酸銀、塩化銀、ヨウ化銀等の無機塩(特許文献1参照)、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド等の炭素数12以上の長鎖脂肪酸のアミド化合物(特許文献2参照)、層状ケイ酸塩(特許文献3参照)等の過冷却防止剤を含有する蓄熱材組成物が開示されている。このような過冷却防止剤を、糖アルコール中に0.01重量%〜30重量%添加することにより、糖アルコールの凝固(結晶化)を促進できるとされている。
また、糖アルコールに外部から刺激を与えることにより、結晶化を促進させて過冷却を防止する方法が検討されている。例えば、糖アルコールを含む潜熱蓄熱材を加熱して融解させる蓄熱工程、及びこれを冷却して凝固させる放熱工程を含み、放熱工程において潜熱蓄熱材に熱衝撃を与えることを特徴とする蓄熱方法が開示されている(特許文献4参照)。また、糖アルコールを含む潜熱蓄熱材組成物と熱媒体との間で熱交換を行う工程を含み、潜熱蓄熱材組成物から熱媒体への放熱工程において過冷却状態にある潜熱蓄熱材組成物に超音波を照射することを特徴とする蓄熱方法が開示されている(特許文献5参照)。これらの蓄熱方法によれば、潜熱蓄熱材の結晶化を促進することができ、過冷却を防止できるとされている。
特開平9−249875号公報
特開平10−88117号公報
特開平10−130637号公報
特開2000−63815号公報
特開2000−38577号公報
しかしながら、上記特許文献1〜5に開示されている蓄熱材組成物や蓄熱方法では、ある程度、蓄熱材の過冷却を防止できるものの、その効果は未だ十分なものとは言えないのが現状である。例えば、より大きな過冷却防止効果を得るために、上記の過冷却防止剤の添加量を増やした場合にあっては、単位量当たりの蓄熱量が減少してしまい、逆に蓄熱性能が低下してしまう。従って、単位量当たりの大きな蓄熱量を損なうことなく、蓄熱材の結晶化温度をさらに高めることが可能な蓄熱組成物の開発が求められている。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、単位量当たりの大きな蓄熱量を損なうことなく、蓄熱材の結晶化温度をさらに高めることが可能な蓄熱材組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、特定の構造を有する化合物からなる過冷却防止剤を、糖アルコールを主成分とする蓄熱材中に添加することにより、単位量当たりの大きな蓄熱量を損なうことなく、蓄熱材の結晶化温度を高めることが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) 糖アルコールを主成分とする蓄熱材と、この蓄熱材の過冷却を防止する過冷却防止剤と、を含有する蓄熱材組成物であって、前記過冷却防止剤が、2つ以上のカルボキシル基を有する脂肪族カルボン酸類、2つ以上のカルボキシル基を有する芳香族カルボン酸類、2つ以上のアミド基を有する脂肪族アミド類、及び2つ以上のアミド基を有する芳香族アミド類よりなる群から選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする蓄熱材組成物。
(2) 前記糖アルコールが、meso−エリスリトール、L−エリスリトール、D−エリスリトール、DL−エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、キシリトール、D−アラビトール、L−アラビトール、DL−アラビトール、D−ソルビトール、L−ソルビトール、DLソルビトール、D−マンニトール、L−マンニトール、DL−マンニトール、D−スレイトール、L−スレイトール、及びDL−スレイトールよりなる群から選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする(1)記載の蓄熱材組成物。
(3) 前記過冷却防止剤が、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジアミド、及び芳香族ジアミドよりなる群から選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする(1)又は(2)記載の蓄熱材組成物。
(4) 前記蓄熱材組成物中における前記過冷却防止剤の含有量が、0.1質量%〜30質量%であることを特徴とする蓄熱材組成物。
本発明によれば、単位量当たりの大きな蓄熱量を損なうことなく、蓄熱材の結晶化温度をさらに高めることが可能な蓄熱材組成物を提供できる。
以下、本発明の実施形態について詳しく説明する。
本発明に係る蓄熱材組成物は、糖アルコールを主成分とする蓄熱材と、この蓄熱材の過冷却を防止する過冷却防止剤と、を含有する。より詳しくは、糖アルコールが本来有する単位量当たりの大きな蓄熱量を損なうことなく、結晶化温度を高めることができる蓄熱材組成物である。
[蓄熱材]
本発明で用いられる蓄熱材は、糖アルコールを主成分とすることを特徴とする。糖アルコールは、相変化に伴う潜熱を利用して蓄熱又は放熱を行う潜熱蓄熱物質であり、パラフィン等の他の潜熱蓄熱物質に比して大きな融解潜熱量を有する。このため、糖アルコールを主成分とする本発明の蓄熱材は、大きな蓄熱量を備える。本発明で用いられる蓄熱材は、糖アルコールを主成分とするものであればよく、糖アルコール以外にも糖類や無機塩類、無機塩水和物類等を含んでいてもよい。なお、糖アルコールとしては特に限定されず、従来公知の糖アルコールを用いることができる。
本発明で用いられる蓄熱材は、糖アルコールを主成分とすることを特徴とする。糖アルコールは、相変化に伴う潜熱を利用して蓄熱又は放熱を行う潜熱蓄熱物質であり、パラフィン等の他の潜熱蓄熱物質に比して大きな融解潜熱量を有する。このため、糖アルコールを主成分とする本発明の蓄熱材は、大きな蓄熱量を備える。本発明で用いられる蓄熱材は、糖アルコールを主成分とするものであればよく、糖アルコール以外にも糖類や無機塩類、無機塩水和物類等を含んでいてもよい。なお、糖アルコールとしては特に限定されず、従来公知の糖アルコールを用いることができる。
本発明では、従来公知の糖アルコールのうち、meso−エリスリトール、L−エリスリトール、D−エリスリトール、DL−エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、キシリトール、D−アラビトール、L−アラビトール、DL−アラビトール、D−ソルビトール、L−ソルビトール、DL−ソルビトール、D−マンニトール、L−マンニトール、DL−マンニトール、D−スレイトール、L−スレイトール、及びDL−スレイトールよりなる群から選ばれる一種又は二種以上の糖アルコールが好ましく用いられる。これらの糖アルコールを主成分として用いることにより、より大きな蓄熱量を有する蓄熱材が得られる。
なお、蓄熱材を、内燃機関等を熱源とした蓄熱に利用する場合には、蓄熱材の融点は高い方が好ましく、具体的には、融点が30℃〜200℃であることが好ましい。上記で例示した糖アルコールであれば、この範囲内の融点を有するため好ましい。
[過冷却防止剤]
本発明で用いられる過冷却防止剤は、2つ以上のカルボキシル基を有する脂肪族カルボン酸類、2つ以上のカルボキシル基を有する芳香族カルボン酸類、2つ以上のアミド基を有する脂肪族アミド類、及び2つ以上のアミド基を有する芳香族アミド類よりなる群から選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする。上記過冷却防止剤のうち、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジアミド、及び芳香族ジアミドよりなる群から選ばれる一種又は二種以上がより好ましく用いられる。
本発明で用いられる過冷却防止剤は、2つ以上のカルボキシル基を有する脂肪族カルボン酸類、2つ以上のカルボキシル基を有する芳香族カルボン酸類、2つ以上のアミド基を有する脂肪族アミド類、及び2つ以上のアミド基を有する芳香族アミド類よりなる群から選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする。上記過冷却防止剤のうち、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジアミド、及び芳香族ジアミドよりなる群から選ばれる一種又は二種以上がより好ましく用いられる。
脂肪族ジカルボン酸の具体例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。芳香族ジカルボン酸の具体例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等が挙げられる。
脂肪族ジアミドの具体例としては、オキサミド、マロンジアミド、コハク酸ジアミド、フマルアミド、アジボアミド等が挙げられる。芳香族ジアミドの具体例としては、フタルジアミド等が挙げられる。上記の脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジアミド、芳香族ジアミドは、いずれか一種を単独で用いてもよく、複数種を併用してもよい。
上記過冷却防止剤の含有量は、特に限定されないが、少量であることが好ましい。具体的には、蓄熱材組成物中における上記過冷却防止剤の含有量は、0.1質量%〜30質量%であることが好ましい。上記過冷却防止剤の含有量が0.1質量%以上であれば、単位量当たりの蓄熱量を大きく損なうことなく、糖アルコールを主成分とする蓄熱材の結晶化を促進でき、結晶化温度を高めることができる。また、上記過冷却防止剤の含有量が30質量%以下であれば、蓄熱材の含有量の減少に伴う単位量当たりの蓄熱量の減少を抑制できる。より好ましい過冷却防止剤の含有量は、1.0質量%〜10質量%である。
本発明に係る蓄熱材組成物は、糖アルコールを主成分とする蓄熱材に対して、上記の過冷却防止剤を所定量添加して混合することにより得られる。添加、混合の方法は特に限定されず、蓄熱材と過冷却防止剤とを均一に混合できればよい。例えば、蓄熱材及び過冷却防止剤をそれぞれ所定量、秤量した後、メノウ乳鉢で均一になるまで粉砕混合することにより、所望の蓄熱材組成物が得られる。
以上の通り、本発明に係る蓄熱材組成物は、大きな融解潜熱量を有する糖アルコールを蓄熱材の主成分として用いるため、単位量当たりの大きな蓄熱量を有する。また、糖アルコールの過冷却を有効に防止できる過冷却防止剤を含有するため、単位量当たりの大きな蓄熱量を損なうことなく、蓄熱材の結晶化を促進でき、結晶化温度をさらに高めることができる。従って、蓄熱材組成物の使用に際して、過剰な冷却を伴うことなく蓄熱、放熱を繰り返すことができる結果、蓄熱材組成物の繰り返しの利用が可能である。
本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、%は質量%を表す。
[実施例1]
meso−エリスリトール(ACROS ORGANICS社製、以下同様)4995mgと、コハク酸ジアミド(関東化学社製、以下同様)5mgを秤量した。次いで、これらをメノウ乳鉢で均一になるまで粉砕混合し、コハク酸ジアミド0.1%添加の蓄熱材組成物を得た。
meso−エリスリトール(ACROS ORGANICS社製、以下同様)4995mgと、コハク酸ジアミド(関東化学社製、以下同様)5mgを秤量した。次いで、これらをメノウ乳鉢で均一になるまで粉砕混合し、コハク酸ジアミド0.1%添加の蓄熱材組成物を得た。
[実施例2]
meso−エリスリトール495mgと、コハク酸ジアミド5mgを秤量した。次いで、これらをメノウ乳鉢で均一になるまで粉砕混合し、コハク酸ジアミド1%添加の蓄熱材組成物を得た。
meso−エリスリトール495mgと、コハク酸ジアミド5mgを秤量した。次いで、これらをメノウ乳鉢で均一になるまで粉砕混合し、コハク酸ジアミド1%添加の蓄熱材組成物を得た。
[実施例3]
meso−エリスリトール475mgと、コハク酸ジアミド25mgを秤量した。次いで、これらをメノウ乳鉢で均一になるまで粉砕混合し、コハク酸ジアミド5%添加の蓄熱材組成物を得た。
meso−エリスリトール475mgと、コハク酸ジアミド25mgを秤量した。次いで、これらをメノウ乳鉢で均一になるまで粉砕混合し、コハク酸ジアミド5%添加の蓄熱材組成物を得た。
[実施例4]
meso−エリスリトール450mgと、コハク酸ジアミド50mgを秤量した。次いで、これらをメノウ乳鉢で均一になるまで粉砕混合し、コハク酸ジアミド10%添加の蓄熱材組成物を得た。
meso−エリスリトール450mgと、コハク酸ジアミド50mgを秤量した。次いで、これらをメノウ乳鉢で均一になるまで粉砕混合し、コハク酸ジアミド10%添加の蓄熱材組成物を得た。
[実施例5]
meso−エリスリトール350mgと、コハク酸ジアミド150mgを秤量した。次いで、これらをメノウ乳鉢で均一になるまで粉砕混合し、コハク酸ジアミド30%添加の蓄熱材組成物を得た。
meso−エリスリトール350mgと、コハク酸ジアミド150mgを秤量した。次いで、これらをメノウ乳鉢で均一になるまで粉砕混合し、コハク酸ジアミド30%添加の蓄熱材組成物を得た。
[実施例6]
meso−エリスリトール325mgと、コハク酸ジアミド175mgを秤量した。次いで、これらをメノウ乳鉢で均一になるまで粉砕混合し、コハク酸ジアミド35%添加の蓄熱材組成物を得た。
meso−エリスリトール325mgと、コハク酸ジアミド175mgを秤量した。次いで、これらをメノウ乳鉢で均一になるまで粉砕混合し、コハク酸ジアミド35%添加の蓄熱材組成物を得た。
[実施例7]
meso−エリスリトール495mgと、セバシン酸(関東化学社製、以下同様)5mgを秤量した。次いで、これらをメノウ乳鉢で均一になるまで粉砕混合し、セバシン酸1%添加の蓄熱材組成物を得た。
meso−エリスリトール495mgと、セバシン酸(関東化学社製、以下同様)5mgを秤量した。次いで、これらをメノウ乳鉢で均一になるまで粉砕混合し、セバシン酸1%添加の蓄熱材組成物を得た。
[実施例8]
meso−エリスリトール475mgと、セバシン酸25mgを秤量した。次いで、これらをメノウ乳鉢で均一になるまで粉砕混合し、セバシン酸5%添加の蓄熱材組成物を得た。
meso−エリスリトール475mgと、セバシン酸25mgを秤量した。次いで、これらをメノウ乳鉢で均一になるまで粉砕混合し、セバシン酸5%添加の蓄熱材組成物を得た。
[実施例9]
meso−エリスリトール450mgと、セバシン酸50mgを秤量した。次いで、これらをメノウ乳鉢で均一になるまで粉砕混合し、セバシン酸10%添加の蓄熱材組成物を得た。
meso−エリスリトール450mgと、セバシン酸50mgを秤量した。次いで、これらをメノウ乳鉢で均一になるまで粉砕混合し、セバシン酸10%添加の蓄熱材組成物を得た。
[比較例1]
meso−エリスリトール500mgを秤量し、これをメノウ乳鉢で充分に粉砕して過冷却防止剤無添加の蓄熱材組成物を得た。
meso−エリスリトール500mgを秤量し、これをメノウ乳鉢で充分に粉砕して過冷却防止剤無添加の蓄熱材組成物を得た。
[比較例2]
meso−エリスリトール495mgと、ステアリン酸アミド(関東化学製、以下同様)5mgを秤量した。次いで、これらをメノウ乳鉢で均一になるまで粉砕混合し、ステアリン酸アミド1%添加の蓄熱材組成物を得た。
meso−エリスリトール495mgと、ステアリン酸アミド(関東化学製、以下同様)5mgを秤量した。次いで、これらをメノウ乳鉢で均一になるまで粉砕混合し、ステアリン酸アミド1%添加の蓄熱材組成物を得た。
[比較例3]
meso−エリスリトール475mgと、ステアリン酸アミド25mgを秤量した。次いで、これらをメノウ乳鉢で均一になるまで粉砕混合し、ステアリン酸アミド5%添加の蓄熱材組成物を得た。
meso−エリスリトール475mgと、ステアリン酸アミド25mgを秤量した。次いで、これらをメノウ乳鉢で均一になるまで粉砕混合し、ステアリン酸アミド5%添加の蓄熱材組成物を得た。
[比較例4]
meso−エリスリトール450mgと、ステアリン酸アミド50mgを秤量した。次いで、これらをメノウ乳鉢で均一になるまで粉砕混合し、ステアリン酸アミド10%添加の蓄熱材組成物を得た。
meso−エリスリトール450mgと、ステアリン酸アミド50mgを秤量した。次いで、これらをメノウ乳鉢で均一になるまで粉砕混合し、ステアリン酸アミド10%添加の蓄熱材組成物を得た。
[評価]
実施例1〜9で調製した蓄熱材組成物それぞれを、アルミニウム製の簡易密封容器に5mg採取し、示差走査熱量計(DSC:Seiko Instruments社製DSC/220C)を用いて、室温〜150℃まで10℃/minで昇温した後、10℃/minで冷却を行った際の融点、融解潜熱、結晶化温度の測定結果を表1に示した。また、過冷却防止剤の添加量と、蓄熱材の蓄熱量との関係を図1に示した。
実施例1〜9で調製した蓄熱材組成物それぞれを、アルミニウム製の簡易密封容器に5mg採取し、示差走査熱量計(DSC:Seiko Instruments社製DSC/220C)を用いて、室温〜150℃まで10℃/minで昇温した後、10℃/minで冷却を行った際の融点、融解潜熱、結晶化温度の測定結果を表1に示した。また、過冷却防止剤の添加量と、蓄熱材の蓄熱量との関係を図1に示した。
一方、比較例1〜4でそれぞれ調製した蓄熱材組成物についても、実施例1〜9と同様にして、融点、融解潜熱、結晶化温度の測定を行った。測定結果を表2に示した。
表1及び表2に示されるように、実施例1〜9の蓄熱材組成物はいずれも、比較例1〜4の蓄熱材組成物と同等の大きな単位量当たりの蓄熱量を有するにも関わらず、比較例よりも高い結晶化温度を有することが確認された。また、図1に示されるように、過冷却防止剤の添加量の増加に伴い、単位量当たりの蓄熱量は減少するものの、過冷却防止剤の添加量が0.1質量%〜30質量%の範囲内であれば、200mJ/mg以上の蓄熱量であり、パラフィンワックス等からなる蓄熱材と同等若しくはそれ以上の蓄熱量を有していると言えるため、過冷却防止剤の添加量は0.1質量%〜30質量%の範囲内とするのが好ましいことが分かった。
Claims (4)
- 糖アルコールを主成分とする蓄熱材と、この蓄熱材の過冷却を防止する過冷却防止剤と、を含有する蓄熱材組成物であって、
前記過冷却防止剤が、2つ以上のカルボキシル基を有する脂肪族カルボン酸類、2つ以上のカルボキシル基を有する芳香族カルボン酸類、2つ以上のアミド基を有する脂肪族アミド類、及び2つ以上のアミド基を有する芳香族アミド類よりなる群から選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする蓄熱材組成物。 - 前記糖アルコールが、meso−エリスリトール、L−エリスリトール、D−エリスリトール、DL−エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、キシリトール、D−アラビトール、L−アラビトール、DL−アラビトール、D−ソルビトール、L−ソルビトール、DLソルビトール、D−マンニトール、L−マンニトール、DL−マンニトール、D−スレイトール、L−スレイトール、及びDL−スレイトールよりなる群から選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする請求項1記載の蓄熱材組成物。
- 前記過冷却防止剤が、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジアミド、及び芳香族ジアミドよりなる群から選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の蓄熱材組成物。
- 前記蓄熱材組成物中における前記過冷却防止剤の含有量が、0.1質量%〜30質量%であることを特徴とする請求項1から3いずれか記載の蓄熱材組成物。
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- 2007-10-12 JP JP2007266909A patent/JP2009096826A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20091127 |
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A761 | Written withdrawal of application |
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