JP2009086490A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被写体光を電気信号に変換して出力する複数の光電変換素子と、光電変換素子から出力される電気信号を読み出す信号読出部と、信号読出部から転送された電気信号に含まれる被写体のコントラスト情報に基づいて複数のフォーカスエリアのうちの所定の計測対象のフォーカスエリアにおける焦点評価値の算出を行うオートフォーカス制御部50とを備える撮像装置であって、信号読出部は、光電変換素子の出力の所定走査方向における走査読み出しを、該所定走査方向と直交する方向である垂直方向の任意の位置で行うことが可能に設けられ、オートフォーカス制御部50がオートフォーカス制御を実行する際には、垂直方向の全読出可能範囲のうち計測対象のフォーカスエリアに対応する領域を含む一部の範囲についてのみ走査読み出しを行うことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明の課題は、オートフォーカス速度が向上した撮像装置を提供することである。
請求項1の発明は、被写体光を電気信号に変換して出力する複数の光電変換素子(S)と、前記光電変換素子から出力される前記電気信号を読み出す信号読出部(70)と、前記信号読出部から転送された前記電気信号に含まれる被写体のコントラスト情報に基づいて、複数のフォーカスエリアのうちの所定の計測対象のフォーカスエリア(F)における焦点評価値の算出を行うオートフォーカス制御部(50)とを備える撮像装置であって、前記信号読出部は、前記光電変換素子の出力の所定走査方向における走査読み出しを、該所定走査方向と直交する方向である垂直方向の任意の位置で行うことが可能に設けられ、前記オートフォーカス制御部がオートフォーカス制御を実行する際には、前記垂直方向の全読出可能範囲のうち前記計測対象のフォーカスエリアに対応する領域を含む一部の範囲についてのみ前記走査読み出しを行うことを特徴とする撮像装置(1)である。
請求項3の発明は、請求項1に記載の撮像装置において、前記信号読出部(70)が前記走査読み出しを行う前記垂直方向の一部の範囲は、前記計測対象のフォーカスエリア(F)に対応する領域の前記垂直方向の範囲と同じであることを特徴とする撮像装置(1)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までの何れか1項に記載の撮像装置において、前記信号読出部(70)から転送される前記電気信号によって形成されるスルー画像を表示部に表示させる表示制御部(40)を備え、前記表示制御部は、前記オートフォーカス制御部がオートフォーカス制御を実行する際には、少なくとも前記計測対象のフォーカスエリア(F)に対応する領域を含む前記一部の範囲の画像を、前記スルー画像として表示することを特徴とする撮像装置(1)である。
請求項6の発明は、請求項5に記載の撮像装置において、前記信号読出部(70)は、前記スルー画像の表示倍率の増加に応じて、前記表示制御部(40)に対して転送する前記電気信号を読み出す際における前記加算度合いを低減させることを特徴とする撮像装置(1)である。
請求項7の発明は、請求項5又は請求項6に記載の撮像装置において、前記信号読出部(70)は、前記画素加算読出モードで読み出した前記電気信号を所定の間引き度合いで間引いて読み出す画素加算間引き読出モードで前記電気信号を読み出すことが可能であり、前記表示制御部(40)に対して前記電気信号を転送する際には、第1の画素加算間引き読出モードで前記光電変換素子(S)の出力を読み出し、前記オートフォーカス制御部(50)に対して前記電気信号を転送する際には、前記第1の画素加算間引き読出モードに比べて前記加算度合い及び前記間引き度合いの少なくとも一方を増加させた第2の画素加算間引き読出モードで前記電気信号を読み出することを特徴とする撮像装置(1)である。
請求項8の発明は、請求項7に記載の撮像装置において、前記信号読出部(70)は、前記スルー画像の表示倍率の増加に応じて、前記表示制御部(40)に対して転送する前記電気信号を読み出す際における前記加算度合い及び前記間引き度合いの少なくとも一方を低減させることを特徴とする撮像装置(1)である。
請求項10の発明は、請求項9に記載の撮像装置において、前記信号読出部(70)は、前記スルー画像の表示倍率の増加に応じて、前記表示制御部(40)に対して転送する前記電気信号を読み出す際における前記間引き度合いを低減させることを特徴とする撮像装置(1)である。
請求項11の発明は、請求項5から請求項10までの何れか1項に記載の撮像装置において、前記表示制御部(40)は、前記オートフォーカス制御部(50)がオートフォーカス制御を実行する際には、少なくとも前記計測対象のフォーカスエリア(F)に対応する領域を含む領域の画像を前記スルー画像として表示することを特徴とする撮像装置(1)である。
なお、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
以下、図面を参照して、本発明を適用した撮像装置の実施形態であるカメラについて説明する。
図1は、第1実施形態のカメラの構造を示す図である。
この図1において、(a)は、被写体光をファインダ光学系に導く観察状態を示し、(b)は、被写体光を撮像素子(本実施形態では、CMOS21を使用)に露光する露光状態を示している。
信号処理部22は、CMOS21から出力された電気信号のノイズ除去、A/D変換等を行って画像データを生成する部分である。
ミラーユニット23は、図示しないレリーズ釦が全押し操作されると、端部に設けられた軸回りに回動して、その反射面が光軸に対して略平行となる位置に退避(図1(b)参照)する、いわゆる、クイックリターンミラーである。
また、カメラ1は、CMOS21の出力に基づく画像(スルー画像)を、略リアルタイムで表示部26に表示させる機能を有しており、撮影者は、この画像を確認しながら撮影構図の決定を行うことができるようになっている。以下、本明細書において、このような機能をライブビュー機能と称して説明する。また、このライブビュー機能を用いて撮影を行う際に表示部26に表示される画像をスルー画像と称して説明する。
ライブビュー機能を用いた撮影モード(ライブビュー撮影モード)と、ファインダ光学系を用いた撮影モード(ファインダ撮影モード)との切り替えは、図示しない動作モード選択ダイヤルを操作することによって行う。
制御部30は、表示制御部40及びAF(オートフォーカス)制御部50を備えている。
表示制御部40は、ライブビュー撮影モードにおいて、スルー画像の表示制御を行う部分である。この表示制御部40が行う制御については、後に説明する。
AF制御部50は、撮影者からの指示に応じてフォーカスレンズ群を駆動し、例えば、主要な被写体に対して自動的にピント合わせを行う部分である。
図2は、図1に示すカメラに備えられたCMOSの構造を示す図である。
以下、各図面において、CMOS21の撮像面の長手方向にX軸を、これと直交する方向にY軸をそれぞれ設定して説明する。
センサアレイ部60は、被写体光を電気信号に変換する複数の光電変換素子S(以下、画素Sと称して説明する)と、これらの画素Sから出力される電気信号を増幅する不図示のトランジスタとを含んでいる。複数の画素Sは、図4に示すように二次元マトリクス状に配列されている。また、トランジスタは、複数の画素Sのそれぞれに設けられている。
センサアレイ部60に備えられた複数の画素Sのそれぞれには、R、G(Gr及びGb)、Bのいずれかのカラーフィルタが設けられている(図4参照)。これらのカラーフィルタの配列は、公知のベイヤー配列となっており、隣接する4つの画素Sによって形成される領域内には、R、Gr、Gb、Bフィルタがひとつずつ配置されている。
信号読出部70は、水平転送回路71、垂直転送回路72、取り込み範囲指定回路73、間引き制御部74及び画素加算回路75を備えている。
ここで、画像撮影時において、信号読出部70がセンサアレイ部60から出力される電気信号を読み出す際の信号読み出し手順について説明する。
図3は、図2に示す信号読出部が行う信号読み出し手順を示す図である。
この図3において、(a)は、いわゆる全画素読み出しを行う場合を示し、(b)は、特定の領域についてのみ電気信号の読み出しを行う場合を示している。
信号読出部70は、撮影時や構図決定用のスルー画像を表示部26に表示される際には、センサアレイ部60に含まれる全ての画素Sから出力される電気信号を読み出す(全画素読み出し)。
全画素読み出しを行う場合、信号読出部70は、図3(a)に示すように、水平転送回路71によってこれらの電気信号の水平走査読み出し(X軸方向読み出し)を行いつつ、この水平走査読み出しによって読み出された電気信号を垂直転送回路72によって垂直方向に順次読み出して(Y軸方向読み出し)、後述する画素加算回路75に出力する。なお、水平走査読み出しとは、電気信号の読み出し動作を必ず水平方向に行うということを意味するものではなく、カメラ1の撮影時の姿勢によっては、この読み出しの方向が水平にならない場合もある。
また、カメラ1は、図3(b)に示すように、水平走査読み出し(X方向読み出し)を垂直方向(Y方向)の任意の位置で行うことができるようになっている。この図3(b)では、フォーカスエリアFに対応する領域Y1について水平走査読み出しを行う場合を示しているが、信号読出部70が水平走査読み出しを行うことができる垂直方向の位置及び範囲は、これに限られない。
図4は、垂直方向の間引き度合いが、例えば、1/3に設定された場合を示している。
この場合、間引き制御部74は、2行分の水平走査読み出しを行った後、次の4行分の電気信号を非転送とする制御を行う。これによってセンサアレイ部60からは、全画素読み出しを行った場合に比べ略1/3の電気信号が出力される。
図5は、画素加算回路75によって、例えば、4画素加算処理が行われる場合を示しており、画素加算回路75は、矩形の領域を形成する16個(4画素×4画素)の画素Sのうち、図5(a)〜(d)に示すように同じ色のカラーフィルタが設けられた画素Sの出力を合計(加算)して前述の信号処理部22に電気信号を転送する。この場合、CMOS21は、総画素数が略1/4になったのと同等に機能し、全画素読み出しを行った場合に比べ出力する電気信号量が1/4となる。
なお、図5では、画素加算度合い(全画素読み出しに対する電気信号の減少度合い)が1/4の場合を示したが、画素加算度合いはこれに限らず適宜変更が可能であり、例えば、矩形の領域を形成する36個の画素(6画素×6画素)において画素加算処理(画素加算度合い1/9)を行ってもよい。
図6は、図1に示すカメラを用いて撮影を行う際に制御部が行う制御を示すフローチャートである。
制御部30は、ライブビュー撮影モードが選択され状態でレリーズ釦の全押し操作を検出すると、まず、図1(b)に示すようにミラーユニット23を退避位置に駆動するとともにシャッタを開放状態とし、CMOS21の撮像面に対して被写体光を露光可能な状態とする。
次いで、制御部30は、CMOS21を駆動し、CMOS21は、被写体光を電気信号に変換して信号処理部22に出力する。表示制御部40は、信号処理部22で生成された画像データを表示部26に連続的に表示させることによってスルー画像を表示する(ステップS02に進む)。
また、CMOS21の駆動モードは、間引き処理のみを行う間引き駆動モードであっても、画素加算処理のみを行う画素加算処理モードであってもよい。これらの場合であっても、全画素読み出しに比べて信号読み出し時間を短縮することができ、フレームレートを向上させることができる。
このスルー画像の表示状態において、CMOS21は、測光センサとして機能し、制御部30は、CMOS21の出力に基づいて被写体光の輝度検出を行う。このときの測光パターンは、撮像面の複数個所に測光ポイントを設定したマルチパターン測光である。
表示制御部40は、スルー画像の表示状態で図示しない表示倍率変更釦が操作されたことを検出すると、ステップS03に進んで、これに応じてスルー画像の表示倍率を変更する。
図7は、図1に示すカメラに備えられた表示部に表示されるスルー画像の一例を示す図である。この図7において、(a)は、拡大倍率が1倍のスルー画像を示している。また、(b)は、(a)において破線によって囲まれた領域が拡大されたスルー画像を示している。さらに、(c)は、(a)において符号Fを付して示すフォーカスエリアFを拡大表示したスルー画像を示している。
表示制御部40は、図7(a)に示す拡大率1倍の画像から、図7(b)に示すような拡大表示を行う場合には、CMOSの駆動モードを変更する制御を行う。
表示制御部40は、例えば、図7(b)に示すような拡大表示を行う場合には、間引き度合いを低減(例えば、間引き度合い1/3から間引き度合いゼロに)し、さらに、画素加算度合いを低減(例えば、4画素加算(画素加算度合い1/4)から加算度合いをゼロに)する。
また、図7(b)に示すような拡大表示を行った後、表示倍率を図7(a)のように元に戻す(縮小表示を行う)場合には、間引き度合いを増加するとともに画素加算度合いを増加して、それぞれをステップS01で設定した値に戻すとよい。
これに対し、本実施形態のカメラ1では、表示倍率の増加に伴って間引き度合い及び画素加算度合いを低減させる(場合によっては、間引き処理及び画素加算処理を行わない)ので、スルー画像の表示倍率を増加させてもその視認性を良好に保つことができる。表示倍率の増加に応じて間引き度合い、画素加算度合いをどの程度低減させるかは、スルー画像の視認性、スルー画像のフレームレート等を考慮して設定するとよい。なお、例えば、表示倍率の増加が指示された場合に、まず間引き度合いの低減、及び、画素加算度合いの低減の一方を行ない、次いで、さらに表示倍率の増加が指示された場合に、これらの両方を行うようにしてもよい。
制御部30は、レリーズ釦の半押し操作、又は、図示しないAF専用釦の操作を検出した場合には、ステップS05に進む。これらの操作を検出しない場合には、スルー画像の表示を続行したまま待機状態となる。
AF制御部50は、AF制御を実行する前にコントラスト検出式のAF制御を実行できる条件が整っているか否かの確認を行う。具体的には、焦点評価値の計測対象となるAFエリアFが設定されているか確認を行い、このAFエリアFの近傍に設けられた測光ポイントで被写体輝度の測光(スポット測光)を行って露出条件を決定する。なお、スポット測光を行う際の測光ポイントは、AFエリアFよりも広い領域で設定するとよい。これにより、AFエリアFに対応する位置が暗くかつAFエリアF外の領域が明るい被写体であっても、露出がアンダー気味になることを防止できる。
この測光時において、測光レベルをAF時の焦点評価値算出に最も適したレベル(例えば、本来の適正露出よりも1段程度露出オーバー)にするとよく、これによって、低コントラストの被写体に対してもコントラスト検出式のAFを確実に行うことができる。
また、制御部30は、フォーカスレンズ群を含む撮影レンズ11の全てが停止していることを確認し、これらが満たされている場合には、ステップS06に進む。
制御部30は、ステップS05で決定した露出条件に応じて撮像感度Svを固定する。また、撮像蓄積時間Tvを固定して、ステップS07に進む。これは、コントラスト検出式のAFを行っている際にこれらの数値が変化すると、被写体像のコントラストが変化し、AF動作を確実に行うことができなくなるためである。ここで、撮像蓄積時間Tvとは、前述のシャッタ24によって設定されるシャッタスピードを意味するものではなく、CMOS21における被写体光を蓄積する時間(CMOS自身における電子シャッタ時間)を意味する。
AF制御部50は、信号処理部22によって生成された画像データに基づいてコントラスト検出式のAF制御を行う。
以下、AF制御部50が行うAF制御について図8に示すフローチャートを用いて説明する。
図8は、図1に示すAF制御部が行うコントラスト検出式のAF制御を示すフローチャートである。
制御部30は、CMOS21の駆動モードを図6のステップS01で設定した駆動モード、すなわち、スルー画像の視認性を優先して決定した駆動モードから、コントラスト検出式のAFを行うのに適した(例えば、焦点評価値(コントラストのピーク値)の演算を最も高速で行うことができるような)駆動モードに切り替えてステップS21に進む。
制御部30は、具体的には、間引き度合い及び画素加算度合いを増加させる制御を行うが、その増加度合いは特に限定されないものとする。なお、ステップS01で設定したスルー画像の表示に適した間引き度合い及び画素加算度合いは、スルー画像の拡大率に応じて適宜変更されるが、このコントラスト検出式のAFに適した間引き度合い及び画素加算度合いは、固定値とされる。
前述のように、信号読出部70は、水平走査読み出しを垂直方向の任意の位置で行うことができるようになっており、AF制御部50は、信号読出部70に備えられた取り込み範囲指定回路73に対して信号を発信して、垂直方向の一部についてのみ水平走査読み出しを行うように電気信号の取り込み範囲(読み出し範囲)を指定する。具体的に説明すると、AF制御部50は、図3(b)に示すように、センサアレイ部60の垂直方向(y方向)の位置のうち、AFエリアFに対応する領域の画素Sを含む位置を信号読出部70による垂直方向の信号読み出し範囲として指定する。コントラスト検出式のAFを行う場合、計測対象のフォーカスエリアFに対応する位置の画素Sからの出力を読み出せば焦点評価値の演算を行うことができるからである。このとき指定した信号読み出しの垂直方向の範囲は、AFエリアFに対応する領域の垂直方向の範囲と略同じとなっている。
このように、制御部30は、CMOS21に含まれる全ての画素Sから出力される電気信号を読み出すことなく、焦点評価値の演算を行うのに必要な分だけピンポイントで電気信号を読み出させる制御を行う。
信号読出部70は、これに応じてAFエリアFに対応する画素Sを含む領域についてのみ、水平走査読み出しを行うことによって電気信号を読み出し、これを信号処理部22に転送する(ステップS22に進む)。
AF制御部50は、信号処理部22から画像データを転送してもらい、ステップS23及びステップS25に進む。信号処理部22が生成した画像データは、AF制御部50とともに、表示制御部40にも転送される。
AF制御部50は、信号処理部22から転送された画像データに基づいて、公知の焦点評価値(コントラストのピーク値)の算出処理を行う(ステップS24に進む)。このとき信号処理部22から転送される画像データは、前述したように、AFエリアFを含む帯状の領域の画像データである。
このように、AF制御部50は、AFエリアFを含む帯状の領域についてのみ、信号処理部22から画像データの転送をしてもらうので、水平走査読み出しを垂直方向に順次行う場合(全画素読み出しを行う場合)に比べ、焦点評価値の演算を早く開始することができる。また、全画素読み出しの終了を待ってから焦点評価値の演算を行う場合に比べ、焦点評価値の演算を早く終了することができる。
AF制御部50は、AFエリアFにおける焦点評価値を算出しつつ、交換レンズ10に備えられた駆動機構13を制御してフォーカスレンズ群を駆動する(ステップS27に進む)。なお、AF動作に前に予めフォーカスレンズ群を合焦位置の近傍に配置しておくと、AF速度を向上させることができる。これは、例えば、AF前にマニュアルフォーカスによって撮影者が粗調整的なピント合わせを行うことや、スルー画像の表示開始前(ステップS01よりも前)に位相差検出式のAFを行うことによって可能である。
制御部30は、ステップS23及びステップS24においてAF制御部50が行う制御と並行して、表示制御部40が以下の処理を行う。
表示制御部40は、ステップS22において信号処理部22から転送された画像データに基づいて、スルー画像を表示部26に表示させる。
ここで、表示制御部40は、図7(c)に示すように、フォーカスエリアFに対応する位置の画像を表示部26に対して全画面表示(拡大表示)する。これによって、撮影者は、フォーカスエリアFにおけるピントの合い具合を詳細に確認することができる。
AF制御部50は、ステップS24においてフォーカスレンズ群を駆動することによってAFエリアFに対応する領域のコントラスト値をピークにすることができた場合には、AF制御を終了して、図6のステップS08に進む。これに対して、例えば、被写体が低コントラストである等、コントラスト検出式のAF制御が正常に完了しなかった場合には、ステップS22に戻り、再び信号処理部22から画像データの転送を受ける。
AF制御の完了後、図6に戻って、制御部30は、レリーズ釦の全押し操作を検出すると、ステップS09に進んで撮影動作を制御する。また、レリーズ釦の全押し操作を検出しない場合は、ステップS02に戻る。
制御部30は、まず、退避位置のミラーユニット23を反射位置に復帰させるとともに開放状態のシャッタを閉制御(図1(a)参照)してスルー画像の表示を終了させてステップS10に進む。
(ステップS10:撮影動作)
制御部30は、ミラーユニット23を退避位置に駆動するとともに、シャッタ24を開閉制御して被写体光をCMOS21の撮像面に露光させる。
CMOS21は、被写体光を電気信号に変換して出力し、信号処理部22がこの電気信号に基づいて画像データを生成する。制御部30は、この画像データを図示しない記録媒体に記録するとともに表示部26に表示して処理を終了する。なお、撮影動作の終了後にスルー画像の表示を自動的に再開する制御を行ってもよく、この場合には、ステップS01に戻って、CMOS21の駆動が再開される。
(1)AF制御部50は、センサアレイ部60から出力される信号を読み出す際、信号読出部70を制御して、計測対象のフォーカスエリアに対応する領域を含む一部の範囲についてのみ、ピンポイントで水平走査読み出しをさせるので、全画素読み出しを行う(水平走査読み出しを垂直方向に順番に行う)場合に比べ、焦点評価値の算出を早く開始することができる。
(2)制御部30は、AF動作実行時には、表示部26にAFエリアFの画像のみをスルー画像として拡大表示するので、AFエリアFにおける合焦状態を詳細に確認することができる。
(3)スルー画像の表示に適した間引き度合いで電気信号を間引いて読み出しつつ、スルー画像の表示に適した間画素加算度合いで電気信号を加算して読み出すので、スルー画像の視認性を確保しつつ、スルー画像のフレームレートを向上させることができる。また、スルー画像を拡大表示する場合には、間引き度合い及び画素加算度合いを低減するので、スルー画像を拡大表示しても、その視認性を良好に確保することができる。
(4)コントラスト検出式のAF(焦点評価値の演算)を行う際には、間引き度合い及び画素加算度合いを増加させるので、焦点評価値の演算を早く行うことができる。
(5)AF時に画素加算処理を行うことによって撮像感度が上昇するので、例えば、被写体輝度が低い場合であってもコントラスト検出式のAFを行うことができる。
次に本発明を適用した撮像装置の第2実施形態であるカメラ1aについて説明する。
第2実施形態のカメラ1aは、AF時におけるCMOS21の信号読み出し手法が第1実施形態のカメラ1と異なるが、これ以外の構成は図1に示す第1実施形態のカメラ1と略同じであるので、カメラ1aについては、図1中に括弧付きの数字を付して示すものとする。
制御部30aは、図9(a)に示すように、信号読出部70による信号読み出し範囲として、AFエリアFに対応する画素Sを含み、かつ、AFエリアFよりも垂直方向に広い領域Y2を指定する。
また、図9(b)に示すように、第2実施形態の表示制御部40は、第1実施形態と同様に、AFエリアFに対応する位置の画像を表示部26にスルー画像として拡大表示する。
図9(b)を用いて説明すると、信号処理部22は、信号読出部70からの出力に基づいて、AFエリア外の画像データ(図9(b)において符号xを付す部分)も生成するので、例えば、フォーカスレンズ群の移動によって画角が広くなった場合には、この符号xを付した部分が表示部26に表示される。したがって、AF時にスルー画像の一部が表示部26に表示されなくなることを防止できる。どの程度AFエリアFよりも広めに信号を取り込むかは、AF動作時の画角変化量を考慮して決定するとよい。
本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内に含まれる。
(1)実施形態のカメラは、コントラスト検出式のAFを行うAFエリアが一点であったが、AFエリアは、これに限らず複数点であってもよい。この場合であっても、垂直方向の全読出可能範囲のうち計測対象のAFエリアに対応する領域を含む一部の範囲についてのみ水平走査読み出しを行うことによって、AF速度を向上することができる。
(2)実施形態においてスルー画像を表示する際及びコントラスト検出式のAF制御を行う際のCMOSの駆動モードは、間引き処理、画素加算処理の両方を行う間引き画素加算駆動モードであったが、これに限らず、例えば、間引き処理のみを行う間引き駆動モード、又は、画素加算処理のみを行う画素加算駆動モードでもよい。
(3)上記実施形態では、コントラストAFを行う際に画素加算度合いを増加させる手法を述べたが、本発明は、これに限られるものではない。例えば、低輝度被写体をライブビュー表示する際に撮像素子の感度を上げたような状況の際には、コントラストAFを行うにあたって、画素加算度合いをそのライブビュー表示における画素加算度合いに比して減少せしめるようにしてもよい。なぜなら、画素加算をしすぎると高周波成分が減少してしまうため、コントラストAFに適さない状況になることがあるので、本変形形態のように、コントラストAFを行うのに必要な高周波成分が得られるように、画素加算度合いを調節(低減)できるのが望ましい。
(4)上記各実施形態で使用するCMOSイメージセンサ21は、図2に示したように、X軸方向に水平走査読み出しを行う水平転送回路71と、その水平走査読み出しされた電気信号をY軸方向に垂直転送する垂直転送回路72とを備えている。このイメージセンサ21に、Y軸方向に水平走査読み出しを行う水平転送回路と、その読み出された電気信号をX軸方向に垂直転送する垂直転送回路とを設けて、上記実施形態とはX、Yの向きが逆の読み出し走査を行えるようにしてもよい。このように構成すれば、図3においてY軸方向に読み出す水平走査ラインのうち、X軸方向における任意の位置に存在する走査ラインのみについての読み出しを行うことができる。
さらに、このような構成にすれば、さらに領域を絞って信号読み出しを行うことができる。例えば、図3において、Y軸方向の任意の範囲に存在する走査線と、X軸方向の任意の範囲に存在する走査線とが交差する領域(X軸方向の帯状の領域と、Y軸方向の帯状の領域とが交差する領域)に存在する画素から出力される電気信号のみを読み出すことも可能となる。
(5)上記各実施形態では、AF動作実行時に表示部26にAFエリアFの画像のみを表示するようにしているが、AF動作中の表示形態としては、他の表示形態で表示を行うようにしてもよい。
例えば、上記第1実施形態の場合において、図3(b)において読み出される帯状の領域(幅Y1をもつX軸方向に延びた帯状の領域)に対応する画像(帯状の画像)を表示するようにしてもよい。
また、第2実施形態の場合には、図9(a)に示されるような幅Y2をもつ帯状の領域の画像を表示するようにしてもよい。あるいは、上記第2実施形態(図9(a))の場合には、AFエリアよりも若干広い領域(例えば、AFエリアFを構成する4辺に対して、それぞれ「(Y2−Y1)/2」だけ広げた領域)の画像を表示するようにしてもよい。
Claims (11)
- 被写体光を電気信号に変換して出力する複数の光電変換素子と、
前記光電変換素子から出力される前記電気信号を読み出す信号読出部と、
前記信号読出部から転送された前記電気信号に含まれる被写体のコントラスト情報に基づいて、複数のフォーカスエリアのうちの所定の計測対象のフォーカスエリアにおける焦点評価値の算出を行うオートフォーカス制御部と
を備える撮像装置であって、
前記信号読出部は、前記光電変換素子の出力の所定走査方向における走査読み出しを、該所定走査方向と直交する方向である垂直方向の任意の位置で行うことが可能に設けられ、前記オートフォーカス制御部がオートフォーカス制御を実行する際には、前記垂直方向の全読出可能範囲のうち前記計測対象のフォーカスエリアに対応する領域を含む一部の範囲についてのみ前記走査読み出しを行うこと
を特徴とする撮像装置。 - 請求項1に記載の撮像装置において、
前記信号読出部が前記走査読み出しを行う前記垂直方向の一部の範囲は、前記計測対象のフォーカスエリアに対応する領域よりも所定量だけ前記垂直方向に広い範囲であること
を特徴とする撮像装置。 - 請求項1に記載の撮像装置において、
前記信号読出部が前記走査読み出しを行う前記垂直方向の一部の範囲は、前記計測対象のフォーカスエリアに対応する領域の前記垂直方向の範囲と同じであること
を特徴とする撮像装置。 - 請求項1から請求項3までの何れか1項に記載の撮像装置において、
前記信号読出部から転送される前記電気信号によって形成されるスルー画像を表示部に表示させる表示制御部を備え、
前記表示制御部は、前記オートフォーカス制御部がオートフォーカス制御を実行する際には、少なくとも前記計測対象のフォーカスエリアに対応する領域を含む前記一部の範囲の画像を、前記スルー画像として表示すること
を特徴とする撮像装置。 - 請求項1から請求項3までの何れか1項に記載の撮像装置において、
前記信号読出部から転送される前記電気信号によって形成されるスルー画像を表示部に表示させる表示制御部を備え、
前記信号読出部は、
隣り合った前記光電変換素子の出力を所定の加算度合いで加算して読み出す画素加算読出モードで前記電気信号を読み出すことが可能であり、
前記表示制御部に対して前記電気信号を転送する際には、第1の画素加算読出モードで前記電気信号を読み出し、
前記オートフォーカス制御部に対して前記電気信号を転送する際には、前記第1の画素加算読出モードに比べて前記加算度合いを増加させた第2の画素加算読出モードで前記電気信号を読み出すこと
を特徴とする撮像装置。 - 請求項5に記載の撮像装置において、
前記信号読出部は、前記スルー画像の表示倍率の増加に応じて、前記表示制御部に対して転送する前記電気信号を読み出す際における前記加算度合いを低減させること
を特徴とする撮像装置。 - 請求項5又は請求項6に記載の撮像装置において、
前記信号読出部は、
前記画素加算読出モードで読み出した前記電気信号を所定の間引き度合いで間引いて読み出す画素加算間引き読出モードで前記電気信号を読み出すことが可能であり、
前記表示制御部に対して前記電気信号を転送する際には、第1の画素加算間引き読出モードで前記光電変換素子の出力を読み出し、
前記オートフォーカス制御部に対して前記電気信号を転送する際には、前記第1の画素加算間引き読出モードに比べて前記加算度合い及び前記間引き度合いの少なくとも一方を増加させた第2の画素加算間引き読出モードで前記電気信号を読み出すること
を特徴とする撮像装置。 - 請求項7に記載の撮像装置において、
前記信号読出部は、前記スルー画像の表示倍率の増加に応じて、前記表示制御部に対して転送する前記電気信号を読み出す際における前記加算度合い及び前記間引き度合いの少なくとも一方を低減させること
を特徴とする撮像装置。 - 請求項4に記載の撮像装置において、
前記信号読出部は、
前記光電変換素子の出力を所定の間引き度合いで間引いて読み出す間引き読出モードで前記電気信号を読み出すことが可能であり、
前記表示制御部に対して前記電気信号を転送する際には、第1の間引き読出モードで前記電気信号を読み出し、
前記オートフォーカス制御部に対して電気信号を転送する際には、前記第1の間引き読出モードに比べて前記間引き度合いを増加させた第2の間引き読出モードで前記電気信号を読み出すること
を特徴とする撮像装置。 - 請求項9に記載の撮像装置において、
前記信号読出部は、前記スルー画像の表示倍率の増加に応じて、前記表示制御部に対して転送する前記電気信号を読み出す際における前記間引き度合いを低減させること
を特徴とする撮像装置。 - 請求項5から請求項10までの何れか1項に記載の撮像装置において、
前記表示制御部は、前記オートフォーカス制御部がオートフォーカス制御を実行する際には、少なくとも前記計測対象のフォーカスエリアに対応する領域を含む領域の画像を前記スルー画像として表示すること
を特徴とする撮像装置。
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