JP2009078796A - ゴムクローラ及びこれに適したスプロケット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】外周面にラグ2を有すると共に、内周面には駆動力を伝達するための駆動係合部を有し、当該駆動係合部にスプロケット100を係合させることにより駆動力を伝達されるゴムクローラ1であって、前記駆動係合部が、前記ゴムクローラ1の周方向に一定のピッチをもって埋設した硬質の係合部材5と、前記係合部材5の間毎に配置してあり前記スプロケットの歯部を受け入れる凹部3とを含んでいる。かかるゴムクローラによると、硬質の係合部材の間毎に配置した凹部にスプロケットの歯部が係合するので、内周面上に突出している駆動突部に歯部を当接させていた従来の場合と比較して、駆動係合部への損傷等の発生を抑制できる。また、凹部の形状を適宜に変更して歯部に対する係合面積を拡大して面圧低減を図ることもできる。
【選択図】図1
Description
これは、ゴムクローラの内周面に、一定のピッチで、ゴム塊からなる駆動突部を形成したものであり、駆動突部は内周面上に山状に盛り上げた突起状の物体であって、この駆動突部に、駆動軸に取付けたスプロケットの歯を係合させることによってゴムクローラに駆動力を伝達するものである。
そして、この係合部材は、ゴムクローラ内に所定のピッチで埋設した芯金とすることが好ましい。
ここで、「標準的な内周面」とは、芯金の羽根根元部のゴムクローラ内周面側を通る平面を指す。
ところでこの場合は、ゴムクローラの幅方向に延びる溝部を、***表面の全幅にわたって形成することの他、***表面の、幅方向の両側部分に対応させて形成すること、その***表面の、幅方向の中央部分に対応させて形成することが好ましい。
また、上記目的は、上述したいずれかのゴムクローラに適用されるスプロケットであって、円形基部部分と、この円形基部部分の周縁部に配備される複数の歯部とを含み、それらの歯部を、円形基部部分に対し、クローラ幅方向の両側へ突出させてなるスプロケットによっても達成することができる。
よって、本発明にかかるゴムクローラは損傷等の発生を抑制して、耐久性を向上させることができる。
そしてこのことは、溝部を、***表面の全幅にわたって連続させて形成した場合にとくに効果的である。
この駆動係合部は、ゴムクローラ1の周方向に一定のピッチをもって埋設した後述の硬質の係合部材と、この係合部材の間毎に配置した凹部3とを含んでいる。
なお、説明の便宜上、ゴムクローラ1の回転方向を周方向CD、これと直角な方向を幅方向RDと称して説明に用いる。
芯金5の構造については後に詳述するが、図示のように中央部分の内周面側に一対の角部5a、5aが形成されている。すなわち、一対で二股状に形成した角部5a,5aがゴムクローラ1の内周面から内側に向けて突出しており、これがゴムクローラと同じゴム材で覆われて突起部4となっている。
スチールコード6はゴムクローラ1内に埋設される抗張部材で、ゴムクローラ1の、向CDへの伸びを規制しつつ、スプロケット100から受ける駆動力に基づいてゴムクローラ1がスムーズに回転するように補助する。
凹部3を貫通孔とした場合には泥土や砂利などの排出性を高めた構造とすることができる。また、スプロケット100の歯部101が係合する(当接する)凹部3の壁面形状を変更することで、歯部101との接触面積を適宜に調整できる。この接触面積を増加させるように凹部3の壁面を設計すれば、歯部101との面圧を低減させることができる。
転輪102は、荷重を支持しつつゴムクローラ1をガイドして安定駆動するために配備される荷重支持輪で、駆動輪となるスプロケット100と従動輪となるアイドラ(図示せず)との間に必要に応じて配される。
この芯金5の角部5aは、幅方向RDの寸法よりも周方向CDの寸法の方が大きい、周方向に長尺の形状をなし、一対の角部5a、5a間でスプロケット100や前述した転輪102を円滑にガイドできるように構成してある。
したがって、上記一対の角部5a相互の間隔は被覆するゴムの厚みを見込んだ分だけ大きく設定してある。
より詳細には、芯金5が周方向CDにおいて等ピッチに配設されて、その間毎(ごと)に凹部3がスプロケットの歯部を受け入れるように、これも等ピッチで点線状に配置されている。この凹部3は、ゴムクローラ1の標準的な内周面10を窪ませたように形成されている。
そして、凹部3は幅方向RDにおける中央位置で周方向CDへ等ピッチとして配置されている。
すなわち、ゴムクローラ1の内周面に一定ピッチで配置してあるそれぞれの凹部3に、回転するスプロケット100の歯部101が順に進入する動作を繰り返すことで凹部3の壁面を順に押圧してゴムクローラ1を回転させる。
これに対して、実施形態に係る前述のゴムクローラ1では標準的な内周面10の位置から外周面側へ窪ませるように形成した凹部3に、スプロケット100の歯部101を係合させるので、歯部の係合による、駆動係合部の損傷の問題を確実に抑制できる。
よって、実施形態に係るゴムクローラ1は耐久性を向上させたゴムクローラとして提供できる。
また、このように標準的な内周面10より外周面側へ窪ませた凹部3を設けると、スプロケット100の歯部101が係合する係合位置(駆動伝達点)が下がることによりスチールコード6からこの係合位置までの距離が短くなるので、駆動力の伝達効率の良いゴムクローラとすることができる。
以下、この点について説明する。
再度、図2及び図3を参照すると、周方向CDで芯金5の前後に、ゴム材を盛り上げてなる***表面20を形成してある。左右の突起部4間での内周面が低くなると、スプロケット100との接触面積が減少して面圧が上昇してしまう。そこで、芯金5の中央部前後に他の標準的な内周面10よりもゴムを肉盛りして***させた***表面20を設けておくのが望ましい。
これにより歯部101によって作用される面圧を低下させることができる。
ゴムクローラ1が連続的に回転しているとき、定期的にスプロケットとアイドラに巻き掛けられる。このときに芯金5に内接する部分には大きな圧縮力が作用してゴムに歪が発生し易い。よって、これを原因として、ゴムクローラ1の内周面が損傷して耐久性が低下する場合がある。
すなわち、更に芯金5に沿って溝部25を設けることで耐久性を一層向上させることができる。
なお、ゴムクローラ1の製造時にあっては金型内で芯金5を精度良く位置決めしながらゴム材内に埋設する(組込む)のが好ましい。そのためには、芯金5の両側を支持部材で支持して位置決めする。このようにして使用した支持部材を加硫後に取除くと、芯金5の両側に凹部が形成されるので、この凹部空間を利用して溝部とすればよいので、上述した溝部25を備える構造は簡単に実現できる。
これらのことは、溝部25を、図示のように、***表面の全幅にわたって連続させて形成した場合にとくに効果的である。
また、図4(b)に示す後者によれば、製品クローラで、ゴムのとくに剥れ易い、角部5aの突出基部部分に、十分なゴム厚みを確保して、その基部部分でのゴムの剥離のおそれを有効に取り除くことができる。
スプロケットは、ゴムクローラ1の内周面に形成した凹部3内に進入可能な歯部を備える構造であることが求められる。よって、図1、図2で示すように、歯部がスプロケットの本体となる円形基部部分より径方向外方へ突出する構造とすればよい。
歯部の形状については特に限定するものではなく、凹部3に進入したときに接触面積を広く確保して面圧を低減できるものが望ましい。
図5で例示しているスプロケットは本体の円形基部部分を薄く形成してある。そして、円形基部部分の厚み方向(ゴムクローラの幅方向RD)へ歯部の部分だけを両側へ広げた(幅方向の両側へ突出する)構造としてゴムクローラ1の凹部3内での接触面積の増加を図っている。
このスプロケットは、本体となる円形基部部分を薄くして軽量化が図られており、また、歯部の幅を凹部3の内法に対応する寸法に拡大することで、面圧の低減とガイド機能の向上とを図っている。
後者の構造は、カゴ型と称されるスプロケットの構造であり、2枚の薄い円盤材の周縁部に沿って所定ピッチで歯部が配設される。そして、歯部を円盤材より半径方向外方へ突出するように設定しておけばよい。
このように、スプロケット100の歯部101が凹部3だけに係合する場合には、内周面に立設してある一対の突起部4はスプロケット100や転輪102のガイドとして機能することになる。
ただし、本願に係る発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、図5に示したスプロケット100の歯部101の一部が突起部4に係合するように構成してもよい。すなわち、図6に示すように、歯部101が凹部3内に進入したときに、その上側の一部が突起部4の基部(突出している部分の根元付近)4BSに係合する形態を採用してもよい。このような形態を採用すると、形成する凹部3を浅めに形成することができるので、ゴムクローラ1の内周面の加工を容易化できる。なお、この場合、歯部101は突起部4の基部に係合し、突起部4を倒すような力が作用しないので前述した従来の問題は殆ど生じない。
また、駆動力伝達点の位置をスチールコードに近付けることができるので駆動力の伝達効率を向上させることもできる。そして、基体となる円形基部部分の外縁より外側に突出する歯部を有するスプロケットを合わせて採用することで、上記ゴムクローラを確実に駆動させることができる。
例えば、前述した実施形態では硬質の係合部材として金属製の芯金5を採用する場合を例示したがこれに限らず、ゴムクローラを形成するゴム素材より硬い材料、例えば硬質プラスチックなどを係合部材として採用してもよい。また、前述した実施形態では芯金5がゴムクローラの内周面に形成される突起部のベースとなる角部を備えていたが、このような角部を有さない芯金或いは硬質プラスチックを採用してもよい。
2 ラグ
3 凹部
4 突起部
5 芯金
5a 角部
6 スチールコード
10 標準的な内周面
20 ***表面
25 溝部
100 スプロケット
101 歯部
CD ゴムクローラの周方向
RD ゴムクローラの幅方向
Claims (10)
- 外周面にラグ部を有すると共に、内周面には駆動力を伝達するための駆動係合部を有し、当該駆動係合部にスプロケットを係合させることにより駆動力を伝達されるゴムクローラであって、
前記駆動係合部が、前記ゴムクローラの周方向に一定のピッチをもって埋設した硬質の係合部材と、前記係合部材の間毎に配置されて、前記スプロケットの歯部を受け入れる凹部とを含んでなるゴムクローラ。 - 係合部材に、ゴムクローラの内周面側に突出する一対の角部を、前記スプロケットの転動スペースを隔てて形成してなる請求項1に記載のゴムクローラ。
- 係合部材を、ゴムクローラ内に所定のピッチで埋設した芯金としてなる請求項1もしくは2に記載のゴムクローラ。
- 係合部材と前記凹部との間のクローラ内周面を、標準的な内周面より***させて設けた***表面としてなる請求項1〜3のいずれかに記載のゴムクローラ。
- 係合部材と各***表面との間には、前記ゴムクローラの幅方向に延びる溝部を形成してなる請求項4に記載のゴムクローラ。
- ゴムクローラの幅方向に延びる溝部を、***表面の全幅にわたって連続させて形成してなる請求項5に記載のゴムクローラ。
- 前記溝部を、***表面の、幅方向の両側部分に対応させて形成してなる請求項5に記載のゴムクローラ。
- 前記溝部を、***表面の、幅方向の中央部分に対応させて形成してなる請求項5に記載のゴムクローラ。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のゴムクローラに適用されるスプロケットであって、
前記スプロケットは、円形基部部分と、この円形基部部分の周縁部に配備される複数の歯部とを含み、それらの歯部を、円形基部部分の周縁より径方向外方へ突出させてなるスプロケット。 - 請求項1〜8からのいずれかに記載のゴムクローラに適用されるスプロケットであって、
前記スプロケットは、円形基部部分と、この円形基部部分の周縁部に配備される複数の歯部とを含み、歯部を、円形基部部分に対し、クローラ幅方向の両側へ突出させてなるスプロケット。
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