JPH0885482A - 移動農機の走行用ゴムクロ−ラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 軟弱な圃場での走行においても機体を沈下さ
せず走行性能を低下させることのないものにし、通常の
圃場においては地面との接触抵抗を小ならしめて旋回性
能を向上させる。 【構成】 走行用ゴムクロ−ラの接地面がわに形成する
ラグ（１）を、前後方向視で逆凸型の形状に成形する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コンバイン等の移動農
機における走行用ゴムクロ−ラに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、走行用ゴムクロ−ラは実開昭５０
−１３２８２０号公報によって例示するように、その接
地面がわには左右幅方向にラグが形成されていることは
説明を要しないところであるが、このラグはゴムクロ−
ラの全幅一杯に設けられているのである。ところが、機
体が次第に大型化し重量も大になるに伴い軟弱な圃場
（湿田）での走行時には機体が沈下して走行性能が低下
する。そこで、この走行性能を低下させないために、ゴ
ムクロ−ラ幅を広くし、また、前後長を長くすることに
より接地圧を下げて機体の沈下を防止するようにしてい
る。しかし、このようにクロ−ラ幅を広く前後長を長く
することにより接地圧は下げることができるものの、機
体を旋回させるときは通常の圃場においても地面との接
触抵抗が大きくなって旋回性能が劣るのである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な現状に鑑みて、軟弱な圃場での走行においても機体を
沈下させず走行性能を低下させることのないもので、こ
れに加えて通常の圃場においては地面との接触抵抗を小
ならしめて旋回性能を向上させるを目的として創案され
たものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】そこで、この発明は接地
面がわに左右幅方向にラグを形成し、内部には芯金を埋
設してなる無端帯を、駆動スプロケットと数個の転輪に
懸回した走行用ゴムクロ−ラにおいて、前記ラグを前後
方向視で逆凸型の形状に成形してあることを特徴とする
ものである。

【０００５】

【作用】これによって、機体が軟弱な圃場（湿田）を走
行するときは、機体の重量を逆凸型に成形したラグの下
面全面で受けて接地圧を下げ、機体は沈下せず走行性能
が低下しないのである。また、通常の圃場を走行すると
きはラグの凸部の下面が接地して走行し旋回の際には地
面との接触抵抗が小になって旋回性能がよくなるのであ
る。

【０００６】

【実施例】以下、本発明による走行用ゴムクロ−ラにつ
いて実施例図を参照し具体的に説明するのであるが、こ
の例示図面に示す移動農機はコンバインであって、「図
５」のように、機体の左右がわで前後の駆動スプロケッ
ト（４）とアイドラ（６）と数個の転輪（５）にゴムク
ロ−ラを懸回してなる走行装置（ａ）上の左側に脱穀部
（Ａ）が搭載され、右側には運転席（７）とエンジン
（Ｅ）を上下に設け、その後がわに脱穀部（Ａ）で脱穀
処理され風選された穀粒を貯留する穀粒タンク（８）が
搭載されている。また、脱穀部（Ａ）の前方がわには刈
取部（Ｂ）が連設され、後方がわに脱穀済の排藁を細断
するカッタ−（９）が取着されて、機体の前進とともに
穀稈を刈取り脱穀風選して穀粒を穀粒タンク（８）に貯
留し、脱穀済の排藁は細断後機体の後方に落下するよう
になり、穀粒タンク（８）に貯留された穀粒は排出オ−
ガ（１０）により適宜の場所に取出されるようになって
いる周知の形態のものである。

【０００７】そして、走行装置（ａ）のゴムクロ−ラは
「図１」と「図２」に示すように、ゴム製の無端帯
（３）の接地面がわに左右の幅方向にラグ（１）を形成
し、内部には一定間隔おきに芯金（２）を埋設して、そ
の埋設した芯金（２）の接地がわにそってスチ−ルコ−
ド（１１）を通してなるもので、その芯金（２）の前記
転輪（５）が圧接するがわにはこの転輪（５）に係合し
て外れを防止する突起（１２）（１２）が形設されてい
る。なお、（１３）は駆動スプロケット（４）が係合し
てゴムクロ−ラを回行させるための係合孔である。

【０００８】そして、前記のラグ（１）はその形状を前
後方向視で逆凸型に成形するのである。即ち、ラグ
（１）の幅方向の中央部に前記転輪（５）幅と同じ幅
（Ｗ）の凸部（１４）を成形してこの凸部（１４）の下
面（１４ａ）と左右両側部（１５）（１５）の下面（１
５ａ）との間に段差（Ｈ）を設けたのである。

【０００９】これによって、駆動スプロケット（４）の
回転によりゴムクロ−ラは回行し、転輪（５）は突起
（１２）（１２）に跨がり無端帯（３）の幅方向の中心
部をはさんでその両脇部分に圧接しながら回転して機体
は走行する。この走行時において圃場が軟弱なときは、
ラグ（１）の凸部（１４）が土中に埋没して機体の重量
を凸部（１４）の下面（１４ａ）と両側部（１５）（１
５）の下面（１５ａ）の全面で受けて接地圧を下げ機体
は沈下せず、凸部（１４）の埋没によって推進力を増し
走行性能は低下しないのである。

【００１０】また、通常の圃場の走行においては、ラグ
（１）の凸部（１４）の下面（１４ａ）が接地して走行
するから、走行も軽快になるとともに機体を旋回させる
場合に地面との摩擦による接触抵抗が小になって旋回性
能がよくなるのである。

【００１１】なお、ラグ（１）を逆凸型に成形する場合
に「図１」と「図２」のものでは、その凸部（１４）を
幅方向の中央部に設けてあるが、「図３」のように左側
に片寄らせてもよく、また、「図４」のように右側に片
寄らせてもよいのである。

【００１２】

【発明の効果】本発明によるところの走行用ゴムクロ−
ラは以上の説明から明らかなように、接地面がわに左右
幅方向にラグ（１）を形成し、内部には芯金（２）を埋
設してなる無端帯（３）を、駆動スプロケット（４）と
数個の転輪（５）に懸回した走行用ゴムクロ−ラにおい
て、前記ラグ（１）を前後方向視で逆凸型の形状に成形
してあることを特徴とするものであるから、機体が軟弱
な圃場（湿田）を走行するときは、機体の重量を逆凸型
に成形したラグ（１）の凸部（１４）の下面（１４ａ）
と両側部（１５）（１５）の下面（１５ａ）の全面で受
けて接地圧を下げ、機体は沈下せず走行性能が低下しな
いのである。また、通常の圃場を走行するときはラグ
（１）の凸部（１４）の下面（１４ａ）が接地して走行
し旋回の際には地面との摩擦による接触抵抗が小になっ
て旋回性能がよくなるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】ゴムクロ−ラの断面図である。

【図２】同クロ−ラの接地面がわの図である。

【図３】同クロ−ラの他の実施例によるものの断面図で
ある。

【図４】同じく他の実施例のものを示した断面図であ
る。

【図５】コンバイン全体の概要側面図である。

【符号の説明】

１ ラグ ２ 芯金 ３ 無端帯 ４ 駆動スプロケット ５ 転輪

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 接地面がわに左右幅方向にラグ（１）を
   形成し、内部には芯金（２）を埋設してなる無端帯
   （３）を、駆動スプロケット（４）と数個の転輪（５）
   に懸回した走行用ゴムクロ−ラにおいて、前記ラグ
   （１）を前後方向視で逆凸型の形状に成形してあること
   を特徴とする移動農機の走行用ゴムクロ−ラ。