JP2009064000A - 液晶配向剤、液晶配向膜および液晶表示素子 - Google Patents

液晶配向剤、液晶配向膜および液晶表示素子 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリアミック酸に添加剤を加え、電圧保持率および長期信頼性の良い配向膜剤を提供する。
【解決手段】ポリアミック酸およびその誘導体から選ばれる少なくとも1つのポリマーと複数のアリル基を有する化合物とを含有する組成物からなる液晶配向剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアミック酸と複数のアリル基を有する化合物とを含有する液晶配向剤とその用途に関する。
液晶表示素子は、ノートパソコンやデスクトップパソコンのモニターをはじめ、ビデオカメラのビューファインダー、投写型のディスプレイ等の様々な液晶表示装置に使われており、最近ではテレビとしても用いられるようになってきた。さらに、光プリンターヘッド、光フーリエ変換素子、ライトバルブ等のオプトエレクトロニクス関連素子としても利用されている。
液晶表示素子は、通常は、1)対向配置されている一対の基板、2)前記一対の基板それぞれの対向している面の一方または両方に形成されている電極、3)前記一対の基板それぞれの対向している面に形成された液晶配向膜、および4)前記一対の基板間に形成された液晶層、を有する。
従来の液晶表示素子としては、ネマチック液晶を用いた表示素子が主流であり、1)90度ツイストしたTN(Twisted Nematic)型液晶表示素子、2)通常180度以上ツイストしたSTN(Super Twisted Nematic)型液晶表示素子、3)薄膜トランジスタを使用したいわゆるTFT(Thin Film Transistor)型液晶表示素子が実用化されている。これらの液晶表示素子は、画像が適正に視認できる視野角が狭く、斜め方向から見たときに輝度やコントラストの低下および中間調での輝度反転を生じるという欠点を有している。
近年、この視野角の問題については、1)光学補償フィルムを用いたTN−TFT型液晶表示素子、2)垂直配向と光学補償フィルムを用いたVA(Vertical Alignment)型液晶表示素子、3)垂直配向と突起構造物の技術を併用したMVA(Multi Domain Vertical Alignment)型液晶表示素子、または4)横電界方式のIPS(In-Plane Switching)型液晶表示素子、5)ECB(Electrically Controlled Birefringence)型液晶表示素子、6)光学補償ベンド(Optically Compensated BendまたはOptically self-Compensated Birefringence:OCB)型液晶表示素子等の技術により改良されている。そして、改良された技術が実用化され、または実用化が検討されている。
液晶表示素子の技術の発展は、単にこれらの駆動方式や素子構造の改良のみならず、液晶表示素子に使用される構成部材の改良によっても達成されている。液晶表示素子に使用される構成部材のなかでも、特に液晶配向膜は、液晶表示素子の表示品位に係わる重要な要素の1つであり、液晶表示素子の高品質化に伴って液晶配向膜の役割が年々重要になってきている。
液晶配向膜は、液晶配向剤より調製される。現在、主として用いられている液晶配向剤は、ポリアミック酸または可溶性のポリイミドを有機溶剤に溶解させた溶液である。このような溶液を基板に塗布した後、加熱等の手段により成膜してポリイミド系配向膜を形成させる。ポリアミック酸以外の種々の液晶配向剤も検討されているが、耐熱性、耐薬品性(耐液晶性)、塗布性、液晶配向性、電気特性、光学特性、表示特性等の点から、ほとんど実用化されていない。
液晶表示素子の表示品位を向上させるために液晶配向膜に要求される重要な特性として、電圧保持率が挙げられる。電圧保持率が低いと、フレーム期間中に液晶にかかる電圧が低下し、結果として輝度が低下して正常な諧調表示に支障をきたすことがある。また、例え初期の電圧保持率が高くても、高温加速試験後の電圧保持率(長期信頼性)が低下してしまうような場合は問題である。
前記の問題を解決する試みとして、最近ではいくつかの方法が提案されている。
1)液晶配向膜を形成させるための、物性の異なる2つ以上のポリアミック酸を組み合わせて含むポリアミック酸組成物が知られている(例えば特許文献1および2参照)。
2)ポリアミック酸とポリアミドを含むポリマー成分と、溶剤とを含有するワニス組成物が知られている(例えば特許文献3参照)。
3)物性の異なる2つ以上のポリアミック酸およびポリアミド、ならびに溶剤を含有するワニス組成物が知られている(例えば特許文献4参照)。
4)特定構造のジアミンを用いて合成されるポリアミック酸等を含むワニス組成物が知られている(例えば特許文献5参照)。
5)ポリイミドおよびポリアミック酸ワニスに低分子エポキシ樹脂を添加する技術が知られている(例えば特許文献6参照)。
ポリアミック酸に添加剤を加えることによって、液晶表示素子の性能の改善を含む課題の解決を図っている技術が幾つか提案されている。このような技術としては、例えば、ポリアミック酸とオキサジン構造またはオキサゾリン構造を有する硬化促進剤とを含有する液晶配向剤(例えば特許文献7参照)、ポリアミック酸とアルケニル置換ナジイミド化合物とを含有する液晶配向剤(例えば特許文献8および9参照)、およびポリアミック酸とエポキシ基含有化合物とを含有する液晶配向剤(例えば特許文献10および11参照)が挙げられる。
また、光配向用化合物に添加剤を加えることによって、液晶表示素子の性能の改善を含む課題の解決を図っている技術も幾つか提案されている。このような技術としては、例えば、二色性分子とラジカル重合性基としてナジイミド基を有する化合物とを含有する光配向用組成物(例えば特許文献12参照)が挙げられる。
しかしながら、これらの先行技術によって、電圧保持率および長期信頼性の問題は十分に解決されていない。例えば、特許文献7では、前記硬化促進剤は、液晶配向膜を作製する際のイミド化において蒸発、昇華、分解するとされており、このような液晶配向膜を用いて作製された液晶配向膜において硬化促進剤が液晶配向膜の電気特性に及ぼす影響については検討されていない。
特開平11−193345号公報 特開平11−193347号公報 国際公開2000/61684号パンフレット 国際公開2001/00733号パンフレット 特開2002−162630号公報 特開2005−189270号公報 特開平9−302225号公報 特開2004−341030号公報 特開平9−269491号公報 特開平7−234410号公報 特開2002−323701号公報 特開2003−270638号公報
上記状況を考慮して、電圧保持率の経時的な変動に伴う電気特性に対する長期信頼性の問題が改善された液晶表示素子用の液晶配向剤、それを用いて形成される液晶配向膜、およびそれを具備した液晶表示素子の開発が望まれている。
本発明者らは、前記課題を解決するべく鋭意研究を行った。その結果、ポリアミック酸とこのポリアミック酸の誘導体とから選ばれるポリマーと分子内に複数のアリル基を有する化合物とを含有する液晶配向剤を使用して液晶配向膜を作製するとき、この配向膜を有する液晶表示素子では、良好な長期信頼性を付与することができることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の液晶配向剤は次の[1]項に示される。
[1] ポリアミック酸およびその誘導体から選ばれる少なくとも1つのポリマーと複数のアリル基を有する化合物とを含有する組成物であって、複数のアリル基を有する化合物が式(A−1)〜式(A−7)で表される化合物の群から選ばれる少なくとも1つである液晶配向剤:

Figure 2009064000

Figure 2009064000

Figure 2009064000
(ここに、Zは独立して単結合、−O−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH−、−C(CF−、−(CH−、または−O−(CH−O−であって、tは1〜8の整数であり;Zは−CHCH−または1,4−フェニレンであり;Qは式(B−1)で表される基であり;Qは式(B−2)で表される基であり;Qは水素または式(B−3)で表される基であり;そして、ベンゼン環の任意の水素はフッ素、メチルまたは−OHで置き換えられてもよい。)
本発明の液晶配向剤を用いて液晶配向膜とすることにより、液晶表示素子の電圧保持率の低下を顕著に抑制することができる。
まず最初に、本明細書で用いる用語について説明する。式(A−1)で表される化合物を化合物(A−1)と略記することがある。他の式で表される化合物についても同様の略記法を適用することがある。化学式を定義する際に用いる用語「任意の」は、位置だけでなく個数についても任意であることを意味する。そして、例えば、「任意のAはB、CまたはDで置き換えられてもよい」という表現は、任意のAがBで置き換えられる場合、任意のAがCで置き換えられる場合および任意のAがDで置き換えられる場合に加えて、複数のAがB〜Dの少なくとも2つで置き換えられる場合をも含むことを意味する。但し、任意の−CH−が−O−で置き換えられてもよい場合には、連続する複数の−CH−が−O−で置き換えられることは含まれない。
六角形で囲んだB、Cなどの記号はそれぞれ環B、環Cなどを意味する。環構造の基の炭素原子の位置に結合手が固定されていない置換基または遊離基は、その環構造の基とのそれらの結合位置が任意であることを意味する。下記のナジイミド基における置換基の結合位置は、1、5または7位である。

Figure 2009064000
上記の式(A−6)または式(A−7)で表されるアリル置換ナジイミド化合物は、マレイミド基を3つまたは4つ有する化合物とアリルシクロペンタジエンを反応させるか、またはアミノ基を3つまたは4つ有する化合物とアリルビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物を反応させることによって得られる。そして、アリルビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物は、アリルシクロペンタジエンと無水マレイン酸を反応させることによって得られる。即ち、アリルシクロペンタジエンはアリル置換ナジイミド化合物を製造するために必須の中間体である。アリルクロライドとシクロペンタジエンを反応させることによって得られるこのアリルシクロペンタジエンは、単一の化合物であるよりも、アリル基の結合位置が異なる複数の化合物の混合物である可能性が強い。そして、この混合物を単一の化合物に分別することは経済上の観点から非常に困難である。また、この単一の化合物を用いることが本発明の目的を達成するために必須というわけでもない。即ち、本発明においては、アリル置換ナジイミド化合物がアリル基の置換位置が異なる化合物の混合物であっても同じ効果が得られるので、このアリルシクロペンタジエンは混合物である可能性を残したまま用いられる。従って、アリル置換ナジイミド化合物もアリル基の結合位置が異なる化合物の混合物である可能性が強い。これが、アリル置換ナジイミド化合物を示す式において、アリル基の置換位置が環を構成するいずれかの炭素に固定されていない理由である。
側鎖型ジアミンおよび非側鎖型ジアミンについては、本発明で用いるジアミンに関する説明の最初にこれらの用語の定義を述べる。
本発明は、前記の[1]項と次に示す[2]〜[23]項で構成される。
[2] ポリアミック酸およびその誘導体から選ばれる少なくとも1つのポリマーと複数のアリル基を有する化合物とを含有する組成物であって、複数のアリル基を有する化合物が式(A−1)、式(A−2)、式(A−6)および式(A−7)で表される化合物の群から選ばれる少なくとも1つの化合物である、[1]項に記載の液晶配向剤。

Figure 2009064000
(ここに、Zは独立して単結合、−O−、−(CH−、または−O−(CH−O−であって、tは1〜8の整数であり;そして、ベンゼン環の任意の水素は−OHで置き換えられてもよい。)
[3] ポリアミック酸およびその誘導体から選ばれる少なくとも1つのポリマーと複数のアリル基を有する化合物とを含有する組成物であって、複数のアリル基を有する化合物が式(A−1−1)、式(A−2−1)、式(A−6−1)、式(A−6−2)、式(A−7−1)または式(A−7−2)で表される化合物である、1項に記載の液晶配向剤。

Figure 2009064000
[4]ポリアミック酸およびその誘導体から選ばれる少なくとも1つのポリマーと複数のアリル基を有する化合物とを含有する組成物であって、複数のアリル基を有する化合物の割合がこのポリマーに対する重量比で0.01〜1.0である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
[5] ポリアミック酸が式(1)、式(2)、式(5)〜式(7)および式(14)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つとジアミンとを反応させることによって得られるポリマーである、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の液晶配向剤。

Figure 2009064000
[6] ポリアミック酸が式(1)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させることによって得られるポリマーである、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の液晶配向剤。

Figure 2009064000
[7] ポリアミック酸が式(1)、式(2)、式(5)〜式(7)および式(14)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つと芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物との混合物とジアミンを反応させることによって得られるポリマーである、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の液晶配向剤。

Figure 2009064000
[8] ポリアミック酸が式(1)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物との混合物とジアミンを反応させることによって得られるポリマーである、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の液晶配向剤。

Figure 2009064000
[9] ポリアミック酸が式(1)、式(2)、式(5)〜式(7)および式(14)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つと芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物との混合物とジアミンを反応させることによって得られるポリマーであって、芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物が式(19)、式(23)、式(25)、式(35)〜式(37)、式(39)、式(44)および式(49)で表される化合物の少なくとも1つである、[7]項に記載の液晶配向剤。

Figure 2009064000
[10] ポリアミック酸が式(1)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物との混合物とジアミンを反応させることによって得られるポリマーであって、芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物が式(19)、式(23)、式(25)、式(35)〜式(37)、式(39)、式(44)および式(49)で表される化合物の少なくとも1つである、[8]項に記載の液晶配向剤。

Figure 2009064000
[11] ポリアミック酸が式(1)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物との混合物とジアミンを反応させることによって得られるポリマーであって、芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物が式(19)で表される化合物である、[8]項に記載の液晶配向剤。

Figure 2009064000
[12] ジアミンが式(I)〜式(VII)で表される非側鎖型ジアミンの群から選ばれる少なくとも1つである、[5]〜[11]のいずれか1項に記載の液晶配向剤:

Figure 2009064000
ここに、Xは炭素数2〜12の直鎖アルキレンであり;Xは炭素数1〜12の直鎖アルキレンであり;Xは独立して単結合、−O−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH−、−C(CF−、−O−(CH−O−、−S−、−S−S−、−SO−、−S−(CH−S−または炭素数1〜12の直鎖アルキレンであって、tは1〜12の整数であり;シクロヘキサン環またはベンゼン環の任意の水素は、−F、−CH、−OH、−COOH、−SOH、−PO、ベンジルまたはヒドロキシベンジルで置き換えられてもよい。
[13] ジアミンが式(IV−1)、式(IV−2)、式(IV−15)、式(IV−16)、式(V−1)〜式(V−12)、式(V−33)および式(VII−2)で表される非側鎖型ジアミンから選ばれる少なくとも1つである、[5]〜[11]のいずれか1項に記載の液晶配向剤。

Figure 2009064000
[14] ジアミンが請求項12に記載の式(I)〜式(VII)で表される非側鎖型ジアミンから選ばれる少なくとも1つと、炭素数3以上のアルキル、炭素数3以上のアルコキシ、炭素数3以上のアルコキシアルキル、ステロイド骨格を有する基、および炭素数3以上のアルキル、炭素数3以上のアルコキシもしくは炭素数3以上のアルコキシアルキルを末端に有する基から選ばれる側鎖基を有する側鎖型ジアミンの少なくとも1つとの混合物である、[5]〜[11]のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
[15] 側鎖型ジアミンが式(VIII)〜式(XII)で表される化合物の群から選ばれるジアミンである、[14]項に記載の液晶配向剤。

Figure 2009064000
(ここに、Rは単結合、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CHO−、−CFO−、または炭素数1〜6のアルキレンであって、このアルキレンにおける任意の−CH−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;Rはステロイド骨格を有する基、炭素数3〜30のアルキル、炭素数3〜30のアルキルもしくは炭素数3〜30のアルコキシを置換基として有するフェニル、または式(D−1)で表される基であって、このアルキルにおける任意の−CH−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;

Figure 2009064000
ここに、R13、R14およびR15は独立して単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、炭素数1〜4のアルキレン、炭素数1〜3のオキシアルキレン、または炭素数1〜3のアルキレンオキシであり;環Bおよび環Cは独立して1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり;R16およびR17は独立してフッ素またはメチルであって、m1およびm2は独立して0、1または2であり;e、fおよびgは独立して0〜3の整数であって、これらの合計は1以上であり;R18は炭素数3〜30のアルキル、炭素数3〜30のアルコキシ、または炭素数3〜30のアルコキシアルキルであり、これらのアルキル、アルコキシおよびアルコキシアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして任意の−CH−はジフルオロメチレンまたは式(D−2)で表される基で置き換えられてもよく;

Figure 2009064000
ここに、R19、R20、R21およびR22は、独立して炭素数1〜10のアルキルまたはフェニルであり、そしてnは1〜100の整数である。)

Figure 2009064000
(ここに、Rは独立して水素またはメチルであり;Rは水素、炭素数1〜30のアルキル、または炭素数2〜30のアルケニルであり;そして、Rは独立して単結合、−CO−または−CH−である。)

Figure 2009064000
(ここに、Rは独立して水素またはメチルであり;Rは水素、炭素数1〜30のアルキル、または炭素数2〜30のアルケニルであり;Rは独立して単結合、−CO−または−CH−であり;そして、RおよびRは独立して水素、炭素数1〜30のアルキル、またはフェニルである。)

Figure 2009064000
(ここに、Rは炭素数3〜30のアルキルであって、このアルキルの任意の−CH−は−O−、−CH=CH−またはC≡C−で置き換えられてもよく;Rは独立して−O−または炭素数1〜6のアルキレンであり;環Aは1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり;aは0または1であり;bは0、1または2であり;そして、cは独立して0または1である。)

Figure 2009064000
(ここに、R10は炭素数3〜30のアルキルまたは炭素数3〜30のフッ素化アルキルであり;R11は水素、炭素数1〜30のアルキルまたは炭素数1〜30のフッ素化アルキルであり;R12は独立して−O−または炭素数1〜6のアルキレンであり;そして、dは独立して0または1である。)
[16] 側鎖型ジアミンが式(VIII−2)、式(VIII−4)、式(VIII−5)、式(VIII−6)、式(XI−2)および式(XI−4)で表される化合物から選ばれるジアミンである、[14]項に記載の液晶配向剤。

Figure 2009064000
(ここに、R23、R24、R29およびR30は、独立して炭素数3〜30のアルキル、または炭素数3〜30のアルコキシである。)
[17] 非側鎖型ジアミンが式(IV−1)、式(IV−2)、式(IV−15)、式(IV−16)、式(V−1)〜式(V−12)、式(V−33)および式(VII−2)で表される化合物から選ばれるジアミンであり、側鎖型ジアミンが式(VIII−2)、式(VIII−4)、式(VIII−5)、式(VIII−6)、式(XI−2)および式(XI−4)で表される化合物から選ばれるジアミンである、[14]項に記載の液晶配向剤。

Figure 2009064000

Figure 2009064000
(ここに、R23、R24、R29およびR30は、独立して炭素数3〜30のアルキル、または炭素数3〜30のアルコキシである。)
[18] ポリマーが、式(1)、式(2)、式(5)〜式(7)および式(14)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つと式(19)、式(23)、式(25)、式(35)〜式(37)、式(39)、式(44)および式(49)で表される芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つとの混合物と、式(IV−1)、式(IV−2)、式(IV−15)、式(IV−16)、式(V−1)〜式(V−12)、式(V−33)および式(VII−2)で表される非側鎖型ジアミンの少なくとも1つを反応させることによって得られるポリアミック酸およびその誘導体並びに前記のテトラカルボン酸二無水物の混合物と式(VIII−2)、式(VIII−4)、式(VIII−5)、式(VIII−6)、式(XI−2)および式(XI−4)で表される側鎖型ジアミンから選ばれる少なくとも1つと前記の非側鎖型ジアミンの少なくとも1つとの混合物を反応させることによって得られるポリアミック酸およびその誘導体から選ばれる少なくとも1つである、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の液晶配向剤。

Figure 2009064000

Figure 2009064000

Figure 2009064000

Figure 2009064000
(ここに、R23、R24、R29およびR30は、独立して炭素数3〜30のアルキル、または炭素数3〜30のアルコキシである。)
[19] ポリマーが芳香族テトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つと芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つとの混合物と非側鎖型ジアミンの少なくとも1つを反応させることによって得られるポリアミック酸である、[18]項に記載の液晶配向剤。
[20] ポリマーが、芳香族テトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つと芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つとの混合物と非側鎖型ジアミンの少なくとも1つを反応させることによって得られるポリアミック酸並びに前記のテトラカルボン酸二無水物の混合物と非側鎖型ジアミンの少なくとも1つと側鎖型ジアミンの少なくとも1つとの混合物を反応させることによって得られるポリアミック酸の混合物である、[18]項に記載の液晶配向剤。
[21] ポリマーが、芳香族テトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つと芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つとの混合物と非側鎖型ジアミンの少なくとも1つと側鎖型ジアミンの少なくとも1つとの混合物を反応させることによって得られるポリアミック酸およびその誘導体から選ばれる少なくとも1つである、[18]項に記載の液晶配向剤。
[22] [1]〜[21]のいずれか1項に記載の液晶配向剤を基板上に塗布し、膜の状態で焼成することによって形成される液晶配向膜。
[23] 対向配置されている一対の基板と、前記一対の基板それぞれの対向している面の一方又は両方に形成されている電極と、前記一対の基板それぞれの対向している面に形成された液晶配向膜と、前記一対の基板間に形成された液晶層とを有する液晶表示素子において、前記液晶配向膜が[22]項に記載の液晶配向膜であることを特徴とする液晶表示素子。
本発明の液晶配向剤は、ポリアミック酸およびその誘導体から選ばれる少なくとも1つのポリマーと複数のアリル基を有する化合物とを含有する組成物である。そして、この複数のアリル基を有する化合物は式(A−1)〜式(A−7)で表される化合物の群から選ばれる少なくとも1つの化合物である。

Figure 2009064000

Figure 2009064000
式(A−1)〜式(A−7)において、Zは独立して単結合、−O−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH−、−C(CF−、−(CH−、または−O−(CH−O−であって、tは1〜8の整数であり;Zは−CHCH−または1,4−フェニレンであり;Qは式(B−1)で表される基であり;Qは式(B−2)で表される基であり;Qは水素または式(B−3)で表される基であり;そして、ベンゼン環の任意の水素はフッ素、メチルまたは−OHで置き換えられてもよい。これらの中では−OHが好ましい。

Figure 2009064000
複数のアリル基を有する化合物の好ましい例は、式(A−1)、式(A−2)、式(A−6)および式(A−7)で表される化合物の群から選ばれる少なくとも1つの化合物である。

Figure 2009064000
(ここに、Zは独立して単結合、−O−、−(CH−、または−O−(CH−O−であって、tは1〜8の整数であり;QおよびQの意味は前記の通りであり;そして、ベンゼン環の任意の水素は−OHで置き換えられてもよい。)
化合物(A−1)の具体例を次に示す。

Figure 2009064000
化合物(A−2)の具体例を次に示す。

Figure 2009064000
化合物(A−3)の具体例を次に示す。

Figure 2009064000
化合物(A−6)および化合物(A−7)はアリル置換ナジイミド化合物である。これらの具体例を次に示す。

Figure 2009064000
(Qの意味は前記の通りである。)
そして、複数のアリル基を有する化合物のより好ましい例は、式(A−1−1)、式(A−2−1)、式(A−6−1)、式(A−6−2)、式(A−7−1)および式(A−7−2)で表される化合物の群から選ばれる少なくとも1つの化合物である。
次に、本発明で用いるポリアミック酸およびその誘導体について説明する。
ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応させることによって得られるポリマーであり、これを溶剤に溶解して基板に塗布し、加熱することによって基板表面にポリイミド薄膜からなる液晶配硬膜を形成させることができる。このようなポリアミック酸の誘導体の例は、可溶性ポリイミド、ポリアミック酸エステル、およびポリアミック酸アミドである。より具体的には、ポリアミック酸のアミド結合とカルボキシル基とを完全に脱水閉環させたポリイミド、部分的に脱水閉環させた部分ポリイミド、ポリアミック酸のカルボキシル基がエステルに変換されたポリアミック酸エステル、テトラカルボン酸二無水物の一部をジカルボン酸(またはそのハライドもしくは無水物)に置き換えて反応させて得られるポリアミック酸−ポリアミド共重合体、およびこのポリアミック酸−ポリアミド共重合体を部分的にまたは完全に脱水閉環させて得られるポリアミドイミドが挙げられる。なお、酸成分として、テトラカルボン酸二無水物とジカルボン酸を混合して用いる場合は、ポリアミック酸−ポリアミド共重合体だけではなく、ポリアミドおよび/またはポリアミック酸を含む混合物が得られる可能性があるが、本発明ではこのような可能性を前提にポリアミック酸−ポリアミド共重合体と称する。本発明では、このようなポリアミック酸およびその誘導体から選ばれる少なくとも1つのポリマーを用いる。そして、このようなポリマーの少なくとも2つを混合して用いることが好ましい。
テトラカルボン酸二無水物は、これを用いて得られるポリアミック酸が液晶配向剤に用いる溶剤に可溶であることを条件に選択することができる。そして、このようなテトラカルボン酸二無水物のうち、芳香族テトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つを用いることが好ましい。芳香族テトラカルボン酸二無水物の好ましい例を次に示す。

Figure 2009064000
上記の芳香族テトラカルボン酸二無水物のうち、化合物(1)、化合物(2)、化合物(5)、化合物(6)、化合物(7)および化合物(14)がより好ましく、化合物(1)(ピロメリット酸二無水物)が特に好ましい。
本発明では、前記の芳香族テトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つと、芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つを併用することができる。芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物の好ましい例を次に示す。

Figure 2009064000

Figure 2009064000

Figure 2009064000
上記の芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物のうち、化合物(19)〜化合物(39)および化合物(49)がより好ましく、化合物(19)、化合物(23)、化合物(25)、化合物(35)〜化合物(37)、化合物(39)、化合物(44)および化合物(49)が更に好ましい。そして、化合物(19)(1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物)が特に好ましい。
一方、本発明におけるポリアミック酸またはその誘導体を、溶剤に可溶なポリイミドとするには、式(24)、式(35)〜式(44)、式(49)、式(50)、式(53)および式(60)で表されるテトラカルボン酸二無水物を用いることが好ましい。
そして、本発明では、前記の芳香族テトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つと芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つを組み合わせて用いることが好ましく、化合物(1)(ピロメリット酸二無水物)と化合物(19)(1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物)とを組み合わせて用いることが特に好ましい。このようにして得られるポリアミック酸と化合物(A)とを含有する液晶配向剤を用いて液晶配向膜を形成させるとき、それを含む液晶表示素子に、電圧保持率に関して良好な長期信頼性を付与することができる。
さらに、本発明におけるテトラカルボン酸二無水物には、化合物(1)〜化合物(67)以外の他のテトラカルボン酸二無水物も用いることができる。他のテトラカルボン酸二無水物の選択は、本発明の目的が達成される範囲内であれば任意であり、種々の形態のテトラカルボン酸二無水物を用いることができるが、例えば、側鎖構造を有するテトラカルボン酸二無水物を挙げることもできる。側鎖構造を有するテトラカルボン酸二無水物を用いて得られるポリアミック酸を液晶配向剤に用いれば、この液晶配向剤から形成される液晶配向膜は、それを含む液晶表示素子におけるプレチルト角を大きくすることができる。
側鎖構造を有するテトラカルボン酸二無水物は特に限定されないが、好ましい例としてステロイド骨格を有する化合物(68)および化合物(69)を挙げることができる。

Figure 2009064000
本発明では、テトラカルボン酸二無水物の一部を、カルボン酸無水物に置き換えて用いてもよい。テトラカルボン酸二無水物の一部をカルボン酸無水物に置き換えることにより、重合反応のターミネーションを起こすことができる。そして、このターミネーションにより、それ以上の反応の進行を抑えることができるので、得られるポリアミック酸の分子量を容易に制御することができる。テトラカルボン酸二無水物に対するカルボン酸無水物の比率は、本発明の効果を損なわない範囲にすればよいが、目安として全テトラカルボン酸二無水物量の10モル%以下にすることが好ましい。
本発明では任意のジアミンを用いることができる。しかしながら、VA型液晶表示素子の場合には80〜90°程度の大きなプレチルト角が、OCB型液晶表示素子の場合には7〜20°程度のプレチルト角が、TN型液晶表示素子やSTN型液晶表示素子の場合には3〜10°程度のプレチルト角が、およびIPS型液晶表示素子の場合には0〜3°程度の小さなプレチルト角が要求される場合が多い。従って、プレチルト角の調整を考慮する必要がある。
ところで、ジアミンはその構造の違いによって2種類に分けることができる。即ち、2つのアミノ基を結ぶ骨格を主鎖として見たときに、主鎖から分岐する基、即ち側鎖基を有するジアミンと側鎖基を持たないジアミンである。側鎖基を有するジアミンをテトラカルボン酸二無水物と反応させることによって、ポリマーの主鎖に対して多数の側鎖基を有するポリアミック酸またはポリイミドが得られる。このようなポリマー主鎖に対して側鎖基を有するポリアミック酸またはポリイミドを使用するとき、このポリマーを含有する液晶配向剤から形成される液晶配向膜は、液晶表示素子におけるプレチルト角を大きくすることができる。即ち、この側鎖基はプレチルト角を大きくする効果を有する基であり、炭素数3以上のアルキル、炭素数3以上のアルコキシ、炭素数3以上のアルコキシアルキル、ステロイド骨格を有する基、および炭素数3以上のアルキル、炭素数3以上のアルコキシもしくは炭素数3以上のアルコキシアルキルを末端に有する基から選ばれる。本発明ではこのような側鎖基を有するジアミンを側鎖型ジアミンと称する。このような側鎖基を持たないジアミンを非側鎖型ジアミンと称する。
そして、側鎖型ジアミンと非側鎖型ジアミンを適宜組み合わせることにより、上記の種々の表示素子のそれぞれに必要なプレチルト角に対応することができる。即ち、大きなプレチルト角が必要でない場合には非側鎖型ジアミンの少なくとも1つを用いればよい。上記のVA型液晶表示素子、OCB型液晶表示素子、STN型液晶表示素子等の用途の場合には、非側鎖型ジアミンの少なくとも1つと側鎖型ジアミンの少なくとも1つを組み合わせて用いればよい。このとき非側鎖型ジアミンと側鎖型ジアミンの配合比率は、目的とするプレチルト角の大きさに応じて決めればよい。もちろん、側鎖基を適当に選ぶことにより、側鎖型ジアミンのみを用いて対応することも可能である。このように、本発明の液晶配向剤は、任意の種類の液晶表示素子に適用することができる。なお、このような側鎖基の効果は、前記のテトラカルボン酸二無水物においても同様である。
側鎖基の具体例は次の通りである。
まず最初に、アルキル、アルキルオキシ、アルキルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アルケニル、アルケニルオキシ、アルケニルカルボニル、アルケニルカルボニルオキシ、アルケニルオキシカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキニル、アルキニルオキシ、アルキニルカルボニル、アルキニルカルボニルオキシ、アルキニルオキシカルボニル、アルキニルアミノカルボニル等を挙げることができる。そして、これらの基におけるアルキル、アルケニルおよびアルキニルは、いずれも炭素数3以上の基である。但し、アルキルオキシアルキルにおいては、全体として炭素数3以上であればよい。なお、これらの基は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
次に、末端の環が置換基として炭素数3以上のアルキル、炭素数3以上のアルコキシまたは炭素数3以上のアルコキシアルキルを有することを条件に、フェニル、フェニルアルキル、フェニルアルキルオキシ、フェニルオキシ、フェニルカルボニル、フェニルカルボニルオキシ、フェニルオキシカルボニル、フェニルアミノカルボニル、フェニルシクロヘキシルオキシ、炭素数3以上のシクロアルキル、シクロヘキシルアルキル、シクロヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシカルボニル、シクロヘキシルフェニル、シクロヘキシルフェニルアルキル、シクロヘキシルフェニルオキシ、ビス(シクロヘキシル)オキシ、ビス(シクロヘキシル)アルキル、ビス(シクロヘキシル)フェニル、ビス(シクロヘキシル)フェニルアルキル、ビス(シクロヘキシル)オキシカルボニル、ビス(シクロヘキシル)フェニルオキシカルボニル、およびシクロヘキシルビス(フェニル)オキシカルボニル等の環構造の基を挙げることができる。なお、ビス(シクロヘキシル)およびビス(フェニル)は、それぞれ単結合ではなくアルキレンにより結合されたものでもよい。
さらに、2個以上のベンゼン環またはシクロヘキサン環が単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−もしくは炭素数1〜3のアルキレンを介して結合し、末端の環が置換基として炭素数3以上のアルキル、炭素数3以上のフッ素置換アルキル、炭素数3以上のアルコキシ、または炭素数3以上のアルコキシアルキルを有する環集合基を挙げることができる。もちろん、ステロイド骨格を有する基も側鎖基として有効である。
非側鎖型ジアミンの好ましい例を次に挙げる。

Figure 2009064000
式(I)〜式(VII)において、Xは炭素数2〜12の直鎖アルキレンであり;Xは炭素数1〜12の直鎖アルキレンであり;Xは独立して単結合、−O−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH−、−C(CF−、−O−(CH−O−、−S−、−S−S−、−SO−、−S−(CH−S−または炭素数1〜12の直鎖アルキレンであって、tは1〜12の整数であり;シクロヘキサン環またはベンゼン環の任意の水素は、−F、−CH、−OH、−COOH、−SOH、−PO、ベンジルまたはヒドロキシベンジルで置き換えられてもよい。
式(I)で表されるジアミンの好ましい例を次に示す。

Figure 2009064000
式(II)で表されるジアミンの好ましい例を次に示す。

Figure 2009064000
式(III)で表されるジアミンの好ましい例を次に示す。
Figure 2009064000
式(IV)で表されるジアミンの好ましい例を次に示す。

Figure 2009064000
式(V)で表されるジアミンの好ましい例を次に示す。

Figure 2009064000

Figure 2009064000
式(VI)で表されるジアミンの好ましい例を次に示す。

Figure 2009064000
式(VII)で表されるジアミンの好ましい例を次に示す。

Figure 2009064000
これらのジアミンのうち、より好ましい例は、化合物(IV−1)〜化合物(IV−5)、化合物(IV−15)、化合物(IV−16)、化合物(V−1)〜化合物(V−12)、化合物(V−26)、化合物(V−27)、化合物(V−31)、化合物(V−33)、化合物(VI−1)、化合物(VI−2)、化合物(VI−6)、および化合物(VII−1)〜化合物(VII−5)であり、特に好ましい例は化合物(IV−1)、化合物(IV−2)、化合物(IV−15)、化合物(IV−16)、化合物(V−1)〜化合物(V−12)、化合物(V−33)、および化合物(VII−2)である。
本発明に用いられる側鎖型ジアミンとしては、具体的には下記の式(VIII)〜式(XII)で表されるジアミンが挙げられる。

Figure 2009064000
式(VIII)中、Rは単結合、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CHO−、−CFO−、または炭素数1〜6のアルキレンであって、このアルキレンにおける任意の−CH−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;Rはステロイド骨格を有する基、炭素数3〜30のアルキル、炭素数3〜30のアルキルもしくは炭素数3〜30のアルコキシを置換基として有するフェニル、または式(D−1)で表される基であって、このアルキルにおける任意の−CH−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。

Figure 2009064000
ここに、R13、R14およびR15は独立して単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、炭素数1〜4のアルキレン、炭素数1〜3のオキシアルキレン、または炭素数1〜3のアルキレンオキシであり;環Bおよび環Cは独立して1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり;R16およびR17は独立してフッ素またはメチルであって、m1およびm2は独立して0、1または2であり;e、fおよびgは独立して0〜3の整数であって、これらの合計は1以上であり;R18は炭素数3〜30のアルキル、炭素数3〜30のアルコキシ、または炭素数3〜30のアルコキシアルキルであり、これらのアルキル、アルコキシおよびアルコキシアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして任意の−CH−はジフルオロメチレンまたは式(D−2)で表される基で置き換えられてもよい。

Figure 2009064000
ここに、R19、R20、R21およびR22は、独立して炭素数1〜10のアルキルまたはフェニルであり、そしてnは1〜100の整数である。

Figure 2009064000
ここに、Rは独立して水素またはメチルであり;Rは水素、炭素数1〜30のアルキル、または炭素数2〜30のアルケニルであり;そして、Rは独立して単結合、−CO−または−CH−である。2つのアミノフェニル−R−O−基の一方はステロイド骨格の3位に結合し、もう一方は6位に結合していることが好ましい。また、2つのアミノ基のベンゼン環への結合位置はそれぞれ、Rの結合位置に対してメタ位またはパラ位であることが好ましい。なお、ステロイド骨格を形成する炭素に結合している任意の水素はメチルで置き換えられてもよい。

Figure 2009064000
ここに、Rは独立して水素またはメチルであり;Rは水素、炭素数1〜30のアルキル、または炭素数2〜30のアルケニルであり;Rは独立して単結合、−CO−または−CH−であり;そして、RおよびRは独立して水素、炭素数1〜30のアルキル、またはフェニルである。2つのR置換アミノフェニル−R−O−基のベンゼン環への結合位置はそれぞれ、ステロイド骨格が結合している炭素に対してメタ位またはパラ位であることが好ましい。また、2つのアミノ基のベンゼン環への結合位置はそれぞれ、Rに対してメタ位またはパラ位であることが好ましい。

Figure 2009064000
ここに、Rは炭素数3〜30のアルキルであって、このアルキルの任意の−CH−は−O−、−CH=CH−またはC≡C−で置き換えられてもよく;Rは独立して−O−または炭素数1〜6のアルキレンであり;環Aは1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり;aは0または1であり;bは0、1または2であり;そして、cは独立して0または1である。2つのアミノ基のベンゼン環への結合位置は、それぞれR9に対してメタ位またはパラ位であることが好ましい。

Figure 2009064000
ここに、R10は炭素数3〜30のアルキルまたは炭素数3〜30のフッ素化アルキルであり;R11は水素、炭素数1〜30のアルキルまたは炭素数1〜30のフッ素化アルキルであり;R12は独立して−O−または炭素数1〜6のアルキレンであり;そして、dは独立して0または1である。2つのアミノ基のベンゼン環への結合位置は、それぞれR12に対してメタ位またはパラ位であることが好ましい。
式(VIII)で表されるジアミンの例として、式(VIII−1)〜式(VIII−43)で表されるジアミンを挙げることができる。

Figure 2009064000
式(VIII−1)〜式(VIII−11)において、R23およびR24はいずれも炭素数3〜30のアルキルまたは炭素数3〜30のアルコキシであることが好ましく、炭素数5〜25のアルキルまたは炭素数5〜25のアルコキシであることがさらに好ましい。

Figure 2009064000
式(VIII−12)〜式(VIII−15)において、R25は炭素数4〜30のアルキルであることが好ましく、炭素数6〜25のアルキルであることがさらに好ましい。式(VIII−16)および(VIII−17)において、R26は炭素数6〜30のアルキルであることが好ましく、炭素数8〜25のアルキルであることがさらに好ましい。

Figure 2009064000

Figure 2009064000
式(VIII−18)〜(VIII−37)において、R27およびR28はいずれも、炭素数3〜30のアルキル、または炭素数3〜30のアルコキシであることが好ましく、炭素数5〜25のアルキルまたは炭素数5〜25のアルコキシであることがさらに好ましい。

Figure 2009064000
これらのうち、式(VIII−1)〜式(VIII−11)で表されるジアミンが好ましく、式(VIII−2)、式(VIII−4)、式(VIII−5)および式(VIII−6)のいずれか1つで表されるジアミンがより好ましい。
式(IX)で表されるジアミンの例としては、式(IX−1)〜式(IX−4)で表されるジアミンが挙げられる。

Figure 2009064000
式(X)で表されるジアミンの例として、式(X−1)〜式(X−8)で表されるジアミンが挙げられる。

Figure 2009064000

Figure 2009064000
式(XI)で表されるジアミンの例として、式(XI−1)〜式(XI−8)で表されるジアミンが挙げられる。

Figure 2009064000

Figure 2009064000
式(XI−1)〜式(XI−3)において、R29は炭素数3〜30のアルキルであることが好ましく、式(XI−4)〜式(XI−8)において、R30は炭素数3〜20のアルキルであることが好ましい。
式(XII)で表されるジアミンの例として、式(XII−1)〜式(XII−3)で表されるジアミンが挙げられる。

Figure 2009064000
これらの式において、R31は炭素数6〜20のアルキルであることが好ましく、R32は水素、または炭素数1〜10のアルキルであることが好ましい。
本発明においては、式(I)〜式(XII)で表されるジアミン以外のその他のジアミンを併用してもよい。このようなその他のジアミンの例として、ナフタレン構造を有するナフタレン系ジアミン、フルオレン構造を有するフルオレン系ジアミン、およびシロキサン結合を有するシロキサン系ジアミンを挙げることができ、これらのジアミンは側鎖基を有するものであってもよい。
シロキサン系ジアミンの好ましい例は、下記の式(XV)で表される化合物である。

Figure 2009064000
式(XV)において、R33およびR34はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、Xは独立して炭素数1〜6のアルキレン、またはフェニレンであり、mは1〜10の整数である。なお、このフェニレンの任意の水素は炭素数1〜4のアルキルで置き換えられてもよい。
その他のジアミンの好ましい例としては、前記シロキサン系ジアミン以外に、下記の式(1’)〜式(8’)で表される化合物を挙げることができる。

Figure 2009064000
これらの式において、R35およびR36はそれぞれ独立して炭素数3〜30のアルキルである。
本発明では、ジアミンに加えてモノアミンを用いてもよい。こうすることにより、重合反応のターミネーションを起こすことができ、それ以上の反応の進行を抑えることができるので、得られる重合体(ポリアミック酸)の分子量を容易に制御することができる。ジアミンに対するモノアミンの比率は、本発明の効果を損なわない範囲にすればよいが、目安として全アミン量の10モル%以下にすることが好ましい。
本発明におけるポリアミック酸またはその誘導体は、任意の重量平均分子量を有することができる。前記ポリアミック酸またはその誘導体の重量平均分子量は特に限定されないが、液晶配向剤の成分として用いられる場合は5×10以上であることが好ましく、1×10以上であることがより好ましい。5×10以上の重量平均分子量を有するポリアミック酸またはその誘導体は、液晶配向膜を焼成するステップにおいて蒸発することがなく、液晶配向剤の成分として好ましい物性を有する。
この重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により測定される。例えば、得られたポリアミック酸またはその誘導体をジメチルホルムアミド(DMF)でポリマー濃度が約1重量%になるように希釈し、クロマトパックC−R7A(島津製作所製)を用い、DMFを展開溶剤としてゲル浸透クロマトグラフ分析(GPC)法により測定し、ポリスチレン換算することにより求められる。さらに、ポリアミック酸やポリアクリル酸等のGPC測定を精度良く行うために、リン酸、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸やリチウムブロミド、リチウムクロリド等の無機塩をDMF溶剤に溶解させた展開溶剤を調製することがある。
本発明におけるポリアミック酸またはその誘導体は、公知の方法を用いて製造することができる。例えば、原料投入口、窒素導入口、温度計、攪拌機およびコンデンサーを備えた反応容器に、式(I)〜式(XII)で表されるジアミンの少なくとも1つと、場合によってその他のジアミンから選択される少なくとも1つのジアミン、さらに必要に応じてモノアミンの所望量を仕込む。
次に、溶剤(例えばアミド系極性溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンやジメチルホルムアミド等)およびテトラカルボン酸二無水物の1種または2種以上、さらに必要に応じてカルボン酸無水物を投入する。このときテトラカルボン酸二無水物の総仕込み量は、ジアミンの総モル数とほぼ等モル(モル比0.9〜1.1程度)とすることが好ましい。
攪拌下に温度0〜70℃で1〜48時間反応させることによりポリアミック酸の溶液を得ることができる。また、加熱して反応温度を上げる(例えば、50〜80℃)ことにより、分子量の小さいポリアミック酸を得ることもできる。得られたポリアミック酸の溶液は、所望の粘度に調整するために溶剤で希釈して使用することができる。
本発明におけるポリアミック酸は、多量の貧溶剤で沈殿させ、固形分と溶剤とを濾過等により完全に分離し、IR、NMRで分析することにより同定される。さらには、KOHやNaOH等の強アルカリの水溶液で固形のポリアミック酸を分解後、有機溶剤で抽出し、GC、HPLCもしくはGC−MSで分析することにより、使用されているモノマーを同定することができる。
また、本発明におけるポリアミック酸をポリアミック酸誘導体である可溶性ポリイミドとする場合には、ポリアミック酸溶液を、脱水剤である無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸等の酸無水物、および脱水閉環触媒であるトリエチルアミン、ピリジン、コリジン等の三級アミンとともに、温度20〜150℃でイミド化反応させて得ることができる。
または、ポリアミック酸溶液から多量の貧溶剤(メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤やグリコール系溶剤)を用いてポリアミック酸を析出させ、析出させたポリアミック酸を、トルエン、キシレン等の溶剤中で、前記と同様の脱水剤および脱水閉環触媒とともに、温度20〜150℃でイミド化反応させて得ることもできる。
前記イミド化反応において、脱水剤と脱水閉環触媒の割合は0.1〜10(モル比)であることが好ましい。両者の合計使用量は、使用するテトラカルボン酸二無水物に含まれる酸二無水物のトータルのモル量に対して1.5〜10倍モルであることが好ましい。この化学的イミド化の脱水剤、触媒量、反応温度および反応時間を調整することによって、イミド化の程度を制御し、部分ポリイミドを得ることができる。
得られたポリイミドは、溶剤と分離して、後述する溶剤に、前記アルケニル置換ナジイミド化合物と前記ヘテロ環化合物から選ばれる少なくとも1種類とを組み合わせた改良剤と共に再溶解させて液晶配向剤として使用することもできるし、または溶剤と分離することなく該改良剤を添加して液晶配向剤として使用することもできる。
また前記したように、本発明におけるテトラカルボン酸二無水物に用いる酸二無水物の一部は有機ジカルボン酸に置き換えられていてもよい。有機ジカルボン酸およびテトラカルボン酸二無水物を用いて本発明におけるポリアミック酸を製造すると、ポリアミック酸−ポリアミド共重合体を得ることができる。ここで、テトラカルボン酸二無水物に対する有機ジカルボン酸の比率は、本発明の効果を損なわない範囲にすればよいが、目安としては、10モル%以下にすることが好ましい。
さらに、該ポリアミック酸−ポリアミド共重合体を化学的にイミド化することによってポリアミドイミドを製造することができる。
本発明の液晶配向剤は、粘度等の物性の調整、取り扱いの容易さ、工程の簡略化等の観点から、溶剤を含んでいてもよく、通常の液晶配向剤に含有される各種添加剤をさらに含んでいてもよい。
本発明の液晶配向剤における化合物(A)の含有率は、液晶表示素子に用いたときその電気特性を長期に安定させる観点から、液晶配向剤中のポリアミック酸またはその誘導体に対する重量比で0.01〜1.0であることが好ましく、0.01〜0.7であることがより好ましく、0.01〜0.5であることがさらに好ましい。この重量比の特に好ましい範囲は0.1〜0.5である。
本発明の液晶配向剤におけるポリアミック酸またはその誘導体の含有率は、液晶配向剤の基板への塗布方法によって適宜選択されることができる。例えば、通常の液晶表示素子の製造工程で用いられる印刷機(オフセット印刷機やインクジェット印刷機を含む。以下、「印刷機」と略すことがある。)で使用される液晶配向剤におけるポリアミック酸またはその誘導体の含有率は、総量で0.5〜30重量%であることが好ましく、より好ましくは総量で1〜15重量%であることが好ましいが、液晶配向剤の粘度との関係で適宜調整される。
本発明に用いられる溶剤は、ポリアミック酸、可溶性ポリイミド、およびポリアミドイミド等の高分子成分の製造工程や用途で通常使用されている溶剤を広く含み、使用目的に応じて適宜選択され得る。該溶剤は、1)ポリアミック酸や可溶性ポリイミドに対して易溶性である非プロトン性極性有機溶剤と、2)表面張力を変えて塗布性改善等を目的とする溶剤とを含む混合溶剤であることが好ましい。
これらの溶剤を例示すれば以下のとおりである。
1)ポリアミック酸や可溶性ポリイミドに対し良溶剤である非プロトン性極性有機溶剤(以下、非プロトン性極性有機溶剤):例えば、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、N−メチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、ジエチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンである。これらのうち、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等がさらに好ましく例示される。
2)表面張力を変えて塗布性改善等を目的とした溶剤(以下、その他の溶剤):例えば、乳酸アルキル、3−メチル−3−メトキシブタノール、テトラリン、イソホロン、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のジエチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールモノアルキルまたはフェニルアセテート、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル、マロン酸ジエチル等のマロン酸ジアルキル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、これらアセテート類等のエステル化合物である。これらのうち、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等がさらに好ましく例示される。
非プロトン性極性溶剤とその他の溶剤の種類および割合は、液晶配向剤の印刷性、塗布性、溶解性および保存安定性等を考慮して、適宜に設定することができる。非プロトン性極性溶剤は、その他の溶剤よりも相対的に溶解性および保存安定性に優れ、その他の溶剤は印刷性および塗布性に優れる傾向がある。
本発明の液晶配向剤は各種添加剤を含有してもよい。例えば、有機溶剤に可溶性のポリマーを添加剤としてもよく、それらを添加することにより、形成される液晶配向膜の電気特性や配向性を制御することができる。このようなポリマーの例としては、ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエステル、ポリエポキサイド、ポリエステルポリオール、シリコーン変性ポリウレタン、シリコーン変性ポリエステル等を挙げることができる。
その他の添加剤としては、例えば1)塗布性の向上を望むときにはかかる目的に沿った界面活性剤を、2)帯電防止の向上を必要とするときは帯電防止剤を、3)基板との密着性や耐ラビング性の向上を望むときにはシランカップリング剤やチタン系のカップリング剤を、また、4)低温でイミド化を進行させる場合はイミド化触媒を、用いることができる。
シランカップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、パラアミノフェニルトリメトキシシラン、パラアミノフェニルトリエトキシシラン、メタアミノフェニルトリメトキシシラン、メタアミノフェニルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロピルアミン、およびN,N’−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミンを挙げることができる。
イミド化触媒の好ましい例として、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等の脂肪族アミン類;N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、メチル置換アニリン、ヒドロキシ置換アニリン等の芳香族アミン類;およびピリジン、メチル置換ピリジン、ヒドロキシ置換ピリジン、キノリン、メチル置換キノリン、ヒドロキシ置換キノリン、イソキノリン、メチル置換イソキノリン、ヒドロキシ置換イソキノリン、イミダゾール、メチル置換イミダゾール、ヒドロキシ置換イミダゾール等の環式アミン類を挙げることができる。特に、N,N−ジメチルアニリン、o−,m−,p−ヒドロキシアニリン、o−,m−,p−ヒドロキシピリジン、およびイソキノリンが好ましい。
シランカップリング剤の添加量は、通常、ポリアミック酸またはその誘導体の総重量に対して0〜10重量%であり、0.1〜3重量%であることが好ましい。
イミド化触媒の添加量は、通常、ポリアミック酸またはその誘導体のカルボニル基に対して0.01〜5等量であり、0.05〜3等量であることが好ましい。
その他の添加剤の添加量は、その用途に応じて異なるが、通常、ポリアミック酸またはその誘導体の総重量に対して0〜30重量%であり、0.1〜10重量%であることが好ましい。
本発明の液晶配向剤の別の好ましい形態は、2種以上のポリアミック酸を含む組成物である。例えば、テトラカルボン酸二無水物およびジアミンのいずれにも側鎖基を有する化合物が用いられていない第1のポリアミック酸と、テトラカルボン酸二無水物およびジアミンの一方または両方に側鎖基を有する化合物が用いられている第2のポリアミック酸とを含む液晶配向剤が挙げられる。より具体的には、このポリアミック酸の1種は、芳香族テトラカルボン酸二無水物(好ましくは前記の化合物(1)〜化合物(18))の少なくとも1つおよび芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物(好ましくは前記の化合物(19)〜化合物(67))の少なくとも1つの一方または両方と非側鎖型ジアミン(好ましくは化合物(I)〜化合物(VII))の少なくとも1つとを反応させて得られるポリアミック酸またはその誘導体(以下、「ポリアミック酸I」と称することがある。)であり、別の1種は、前記の芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物の一方または両方と、側鎖型ジアミン(好ましくは化合物(VIII)〜化合物(XII))の少なくとも1つ、またはこの側鎖型ジアミンの少なくとも1つと非側鎖型ジアミンの少なくとも1つの混合物とを反応させて得られるポリアミック酸またはその誘導体(以下、「ポリアミック酸II」と称することがある。)である。
本発明におけるポリアミック酸Iおよびポリアミック酸IIを含有する組成物は、前述のポリアミック酸Iとポリアミック酸IIを混合することにより調製される。混合されるポリアミック酸Iとポリアミック酸IIの重量比は、I/II=99/1〜50/50であることが好ましく、I/II=95/5〜80/20であることがより好ましい。この重量比は、求められるプレチルト角に応じて適宜調整されればよく、ポリアミック酸IIの比率を上げればプレチルト角を大きくすることができる。
なお、本発明の液晶配向剤は、ポリアミック酸Iとポリアミック酸IIだけを含有してもよく、ポリアミック酸Iおよびポリアミック酸II以外のポリアミック酸またはその誘導体をさらに含有してもよい。
一方、前記ポリアミック酸IIは、これを含有する液晶配向剤を用いて形成される液晶配向膜を含む液晶表示素子に、好適なプレチルト角を付与するのに効果的である。ポリアミック酸IIを合成するに際しては側鎖を有するジアミン以外のジアミンを併用してもよい。併用してもよいジアミンの例として、前記の化合物(I)〜化合物(VII)、フルオレン系ジアミン、およびシロキサン系ジアミンが挙げられる。
前記ポリアミック酸Iとポリアミック酸IIとを組み合わせる(ブレンドする)ことにより、本発明の液晶配向剤として好ましい特性を付与することができる。具体的には、ポリアミック酸の原料であるジアミンについて、用いるジアミンの種類およびその組み合わせを適宜選択することにより、本発明の組成物を用いて形成される液晶配向膜に、さらに良好な長期信頼性および好適なプレチルト角を付与することができる。
本発明の液晶配向膜は、例えば液晶表示素子用の基板、またはフッ化カルシウムやシリコン等の測定用の基板に本発明の液晶配向剤を塗布し、この液晶配向剤の膜を例えば150〜400℃、好ましくは180〜280℃に加熱することによって形成することができる。ここで液晶配向膜の膜厚は、10〜300nmであることが好ましく、30〜100nmであることがより好ましい。また、液晶配向膜はラビング処理されていることが好ましい。
液晶配向膜の膜厚は、液晶配向剤の粘度や液晶配向剤の塗布方法によって調整することができる。また液晶配向膜の膜厚は、段差計やエリプソメータ等の公知の膜厚測定装置によって測定することができる。さらに液晶配向膜中の成分は、必要に応じて加水分解等の処理を行い、IRやMS等の通常の分析手段を利用して分析することができる。
次に、本発明の液晶表示素子について説明する。本発明の液晶表示素子は、1)対向配置された一対の基板、2)この一対の基板それぞれの対向している面に形成された本発明の液晶配向膜、および3)前記一対の基板間に挟持された液晶層を含む。対向配置された一対の電極付基板は、透明基板(例えばガラス基板)であることが好ましい。
一対の基板の少なくとも一方または両方の表面には、液晶表示素子の形態に応じて電極が設けられる。この電極は、基板の一面に形成される電極であれば特に限定されない。このような電極には、例えばITOや金属の蒸着膜等が挙げられる。電極は、基板の表面の全体に形成されていてもよいし、例えばパターン化されている所定の形状に形成されていてもよい。電極が設けられていない基板には基板の表面上に本発明の液晶配向膜が形成され、電極が設けられている基板には電極の上に本発明の液晶配向膜が形成される。本発明の液晶配向膜の形成については前述のとおりである。
前記一対の基板間に挟持された液晶層は、通常液晶組成物で構成される。ここで液晶組成物は特に制限はされず、駆動モードに応じて、誘電率異方性が正の液晶組成物および誘電率異方性が負の液晶組成物についていずれの組成物も用いることができる。
誘電率異方性が正である好ましい液晶組成物の例は、特許第3086228号公報、特許第2635435号公報、特表平5−501735号公報、特開平8−157826号公報、特開平8−231960号公報、特開平9−241644号公報(EP885272A1)、特開平9−302346号公報(EP806466A1)、特開平8−199168号公報(EP722998A1)、特開平9−235552号公報、特開平9−255956号公報、特開平9−241643号公報(EP885271A1)、特開平10−204016号公報(EP844229A1)、特開平10−204436号公報、特開平10−231482号公報、特開2000−087040号公報、特開2001−48822号公報等に開示されている。
VA型液晶表示素子において用いられる液晶組成物は、誘電率異方性が負の各種の液晶組成物とすることができる。好ましい液晶組成物の例は、特開昭57−114532号公報、特開平2−4725号公報、特開平4−224885号公報、特開平8−40953号公報、特開平8−104869号公報、特開平10−168076号公報、特開平10−168453号公報、特開平10−236989号公報、特開平10−236990号公報、特開平10−236992号公報、特開平10−236993号公報、特開平10−236994号公報、特開平10−237000号公報、特開平10−237004号公報、特開平10−237024号公報、特開平10−237035号公報、特開平10−237075号公報、特開平10−237076号公報、特開平10−237448号公報(EP967261A1)、特開平10−287874号公報、特開平10−287875号公報、特開平10−291945号公報、特開平11−029581号公報、特開平11−080049号公報、特開2000−256307号公報、特開2001−019965号公報、特開2001−072626号公報、特開2001−192657号公報等に開示されている。
前記誘電率異方性が正または負の液晶組成物に、1つ以上の光学活性化合物を添加して使用することも何ら差し支えない。
本発明の液晶表示素子は、もちろんその他の部材を有してもよい。例えば、薄膜トランジスタを使用したカラー表示のTFT型液晶素子においては、第1の透明基板上に薄膜トランジスタ、絶縁膜、保護膜、信号電極および画素電極等が形成されており、第2の透明基板上に画素領域以外の光を遮断するブラックマトリクス、カラーフィルター、平坦化膜および画素電極等を有してもよい。
VA型液晶表示素子、特にMVA型液晶表示素子においては、第1の透明基板上にドメインと称される微小な突起物が形成されている。また、基板間のセルギャップの調整用にスペーサーが形成されていてもよい。
本発明の液晶表示素子は任意の方法で製作することができる。1つの例は、1)前記二枚の透明基板上に液晶配向剤を塗布する工程、2)塗布された液晶配向剤を乾燥する工程、3)乾燥された液晶配向剤を脱水・閉環反応させるために必要な加熱処理をする工程、4)得られた配向膜を配向処理する工程、5)二枚の基板を所定の隙間を有して張り合わせた後に、基板の間の隙間に液晶を封入する工程、または一方の基板に液晶を滴下させた後に、もう一方の基板と張り合わせる工程を含む方法である。
前記の液晶配向剤を塗布する方法としては、スピンナー法、印刷法、ディッピング法、滴下法、インクジェット法等が一般に知られている。これらの方法が本発明においても適用可能である。
乾燥工程および脱水反応に必要な加熱処理を施す工程では、オーブンまたは赤外炉の中で加熱処理する方法、ホットプレート上で加熱処理する方法等が一般に知られている。これらの方法が本発明においても適用可能である。乾燥工程は、溶剤の蒸発が可能な範囲内の比較的低温(50〜140℃)で実施することが好ましい。加熱処理の工程は一般に150〜300℃程度の温度で行うことが好ましい。
液晶配向膜への配向処理は、IPS型液晶表示素子、OCB型液晶表示素子、TN型液晶表示素子、STN型液晶表示素子では通常ラビング処理を行う。VA型液晶表示素子ではラビング処理を行わないことが多いが行ってもよい。
次いで、一方の基板上に接着剤を塗布し貼りあわせ真空中で液晶を注入する。滴下注入法の場合には、貼りあわせる前に液晶を基板上に滴下し、その後もう一方の基板で貼りあわせる。貼りあわせに使用した接着剤を熱または紫外線で硬化させて本発明の液晶表示素子が作製される。
本発明の液晶表示素子には、偏光板(偏光フィルム)、波長板、光散乱フィルム、駆動回路等が実装されてもよい。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例において用いる化合物は次の通りである。
<テトラカルボン酸二無水物>
化合物(1):ピロメリット酸二無水物
化合物(19):1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
化合物(23):1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物
<ジアミン>
化合物(V−1):4,4’−ジアミノジフェニルメタン
化合物(V−7):1,2−ビス(4−アミノフェニル)エタン
化合物(VII−2):1,3−ビス(4−(4−アミノベンジル)フェニル)プロパン
化合物(XI−2−1):1,1−ビス(4−(4−アミノベンジル)フェニル)−4−ヘプチルシクロヘキサン
化合物(XI−4−1):1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル−4−(トランス−4−n−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキサン
<複数のアリル基を有する化合物>
化合物(A−1−1):

Figure 2009064000

化合物(A−2−1):

Figure 2009064000
化合物(A−6−1):

Figure 2009064000

化合物(A−6−2):

Figure 2009064000
化合物(A−7−1):

Figure 2009064000
化合物(A−7−2):

Figure 2009064000
<溶剤>
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
BC:ブチルセロソルブ(エチレングリコールモノブチルエーテル)
GBL:γ―ブチロラクトン
[合成例1]
<ポリアミック酸の合成>
温度計、攪拌機、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた100mLの四つ口フラスコに、化合物(V−1)(2.919g)、および脱水NMP(54g)、脱水GBL(15g)を入れ、乾燥窒素気流下で攪拌して溶解した。次いで、化合物(19)(1.155g)、化合物(1)(1.927g)を添加し、室温環境下で30時間反応させた。反応中に反応温度が上昇する場合は、反応温度を約70℃以下に抑えて反応させた。得られた溶液に、BC(25g)を加えて、ポリマー濃度が6重量%のポリアミック酸溶液(PA1)を得た。PA1中のポリマーの重量平均分子量は58,000であった。
ポリアミック酸の重量平均分子量は次のようにして求めた。まず、合成反応によって得られたポリアミック酸濃度6重量%の溶液を希釈してポリアミック酸濃度が約1重量%の溶液とした。次に、この希釈液にGPC法を適用し、測定データをポリスチレン換算して重量平均分子量を求めた。ポリアミック酸溶液の希釈にはリン酸−DMF混合液(リン酸/DMF重量比=0.6/100)を用い、この混合液をGPC法の展開剤としても用いた。なお、GPC法の測定装置としてはクロマトパックC−R7A(島津製作所製)を使用し、カラムにはGF−7HQ(昭和電工株式会社製)を用い、カラム温度50℃、流速0.6mL/minとした。
[合成例2〜5]
表1に示したようにテトラカルボン酸二無水物およびジアミンを変更した以外は、合成例1に準拠してポリアミック酸溶液(PA2〜PA5)を得た。合成例1を含めて、結果を表1にまとめた。
<表1>
Figure 2009064000
[実施例1]
合成例1で得られたPA1と合成例2で得られたPA2を重量比8/2で混合した。得られた混合物に、これに含まれるポリアミック酸に対する重量比で0.2に相当する化合物(A−2−1)を添加した。その後、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶剤を加え、ポリアミック酸濃度が4重量%になるように希釈して液晶配向剤とした。
得られた液晶配向剤を、二枚のITO電極付ガラス基板にスピンナーにて塗布し、膜厚70nmの膜を形成させた。塗膜後80℃にて約5分間加熱乾燥した後、210℃にて20分間加熱処理を行い、次いでラビング処理を行って液晶配向膜を形成させた。このガラス基板上に形成された液晶配向膜を超純水中で5分間超音波洗浄してからオーブン中120℃で30分間乾燥した。次いで、一方のガラス基板に7μmのギャップ材を散布し、液晶配向膜を形成させた面を内側にして、ラビング方向が逆平行になるように、もう1枚のガラス基板を対向配置させた後、液晶配向膜の周囲をエポキシ硬化剤でシールし、ギャップ7μmのアンチパラレルセルを作製した。このセルに、下記に示す液晶組成物を注入し、注入口を光硬化剤で封止した。次いで、110℃で30分間加熱処理を行い、液晶表示素子を作製した。
<液晶組成物>
Figure 2009064000
[実施例2]
合成例1で得られたPA1と合成例3で得られたPA3を重量比8/2で混合した。得られた混合物に、これに含まれるポリアミック酸に対する重量比で0.2に相当する化合物(A−2−1)を添加した。その後、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶剤を加え、ポリアミック酸濃度が4重量%になるように希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
[実施例3]
合成例4で得られたPA4に、これに含まれるポリアミック酸に対する重量比で0.2に相当する化合物(A−1−1)を添加した。その後、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶剤を加え、ポリアミック酸濃度が4重量%になるように希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
[実施例4]
前記のPA4に、これに含まれるポリアミック酸に対する重量比で0.2に相当する化合物(A−2−1)を添加した。その後、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶剤を加え、ポリアミック酸濃度が4重量%になるように希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
[実施例5]
前記のPA1とPA2を重量比8/2で混合した。得られた混合物に、これに含まれるポリアミック酸に対する重量比で0.2に相当する化合物(A−6−2)を添加した。その後、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶剤を加え、ポリアミック酸濃度が4重量%になるように希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
[実施例6]
合成例5で得られたPA5と前記のPA2を重量比8/2で混合した。得られた混合物に、これに含まれるポリアミック酸に対する重量比で0.2に相当する化合物(A−7−1)を添加した。その後、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶剤を加え、ポリアミック酸濃度が4重量%になるように希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
[実施例7]
前記のPA1とPA2を重量比8/2で混合した。得られた混合物に、これに含まれるポリアミック酸に対する重量比で0.2に相当する化合物(A−6−1)を添加した。その後、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶剤を加え、ポリアミック酸濃度が4重量%になるように希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
[実施例8]
前記のPA1とPA2を重量比8/2で混合した。得られた混合物に、これに含まれるポリアミック酸に対する重量比で0.4に相当する化合物(A−6−1)を添加した。その後、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶剤を加え、ポリアミック酸濃度が4重量%になるように希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
[実施例9]
前記のPA5とPA2を重量比8/2で混合した。得られた混合物に、これに含まれるポリアミック酸に対する重量比で0.2に相当する化合物(A−6−1)を添加した。その後、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶剤を加え、ポリアミック酸濃度が4重量%になるように希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
[実施例10]
前記のPA1とPA2を重量比8/2で混合した。得られた混合物に、これに含まれるポリアミック酸に対する重量比で0.2に相当する化合物(A−7−2)を添加した。その後、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶剤を加え、ポリアミック酸濃度が4重量%になるように希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
[比較例1]
前記のPA1とPA2を重量比8/2で混合した。得られた混合物にNMP/BC=1/1(重量比)の混合溶剤を加え、ポリアミック酸濃度が4重量%になるように希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
[比較例2]
前記のPA1とPA3を重量比8/2で混合した。得られた混合物にNMP/BC=1/1(重量比)の混合溶剤を加え、ポリアミック酸濃度が4重量%になるように希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
[比較例3]
前記のPA4にNMP/BC=1/1(重量比)の混合溶剤を加え、ポリアミック酸濃度が4重量%になるように希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
[試験例1〜13]
<電気特性の評価>
実施例1〜10および比較例1〜3で作製した液晶表示素子について、電圧保持率の測定と長期信頼性の測定を以下のようにして行った。
1)電圧保持率(%)の測定
東陽テクニカ製液晶物性評価装置6254型を用いて電圧保持率の測定を行った。測定条件は、ゲート幅60μs、周波数0.3Hz、波高±5Vであり、測定温度は60℃とした。この値が大きいほど電気特性は良好であると言える。結果を表2に示す。
2)長期信頼性の測定
作製した液晶表示素子について、経時的に電圧保持率を求め、保持特性を評価した。保持特性の試験方法は、温度60℃の雰囲気中に液晶表示素子を500時間放置し、途中経時的に取り出し電圧保持率を測定した。電圧保持率の低下が小さいほど(例えば前記の条件で放置時間が500時間以上で電圧保持率の低下量が2%未満であれば)長期信頼性は良好であると言える。結果を表2に示す。測定温度は60℃とした。
<表2>

Figure 2009064000
表2に示されたように、本発明の液晶配向剤を用いて得られた液晶表示素子の場合、電圧保持率の低下が顕著に抑制された。

Claims (23)

  1. ポリアミック酸およびその誘導体から選ばれる少なくとも1つのポリマーと複数のアリル基を有する化合物とを含有する組成物であって、複数のアリル基を有する化合物が式(A−1)〜式(A−7)で表される化合物の群から選ばれる少なくとも1つである液晶配向剤:

    Figure 2009064000

    Figure 2009064000

    Figure 2009064000
    (ここに、Zは独立して単結合、−O−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH−、−C(CF−、−(CH−、または−O−(CH−O−であって、tは1〜8の整数であり;Zは−CHCH−または1,4−フェニレンであり;Qは式(B−1)で表される基であり;Qは式(B−2)で表される基であり;Qは水素または式(B−3)で表される基であり;そして、ベンゼン環の任意の水素はフッ素、メチルまたは−OHで置き換えられてもよい。)
  2. ポリアミック酸およびその誘導体から選ばれる少なくとも1つのポリマーと複数のアリル基を有する化合物とを含有する組成物であって、複数のアリル基を有する化合物が式(A−1)、式(A−2)、式(A−6)および式(A−7)で表される化合物の群から選ばれる少なくとも1つの化合物である、請求項1に記載の液晶配向剤。

    Figure 2009064000
    (ここに、Zは独立して単結合、−O−、−(CH−、または−O−(CH−O−であって、tは1〜8の整数であり;そして、ベンゼン環の任意の水素は−OHで置き換えられてもよい。)
  3. ポリアミック酸およびその誘導体から選ばれる少なくとも1つのポリマーと複数のアリル基を有する化合物とを含有する組成物であって、複数のアリル基を有する化合物が式(A−1−1)、式(A−2−1)、式(A−6−1)、式(A−6−2)、式(A−7−1)または式(A−7−2)で表される化合物である、請求項1に記載の液晶配向剤。

    Figure 2009064000
  4. ポリアミック酸およびその誘導体から選ばれる少なくとも1つのポリマーと複数のアリル基を有する化合物とを含有する組成物であって、複数のアリル基を有する化合物の割合がこのポリマーに対する重量比で0.01〜1.0である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
  5. ポリアミック酸が式(1)、式(2)、式(5)〜式(7)および式(14)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つとジアミンとを反応させることによって得られるポリマーである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶配向剤。

    Figure 2009064000
  6. ポリアミック酸が式(1)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させることによって得られるポリマーである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶配向剤。

    Figure 2009064000
  7. ポリアミック酸が式(1)、式(2)、式(5)〜式(7)および式(14)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つと芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物との混合物とジアミンを反応させることによって得られるポリマーである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶配向剤。

    Figure 2009064000
  8. ポリアミック酸が式(1)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物との混合物とジアミンを反応させることによって得られるポリマーである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶配向剤。

    Figure 2009064000
  9. ポリアミック酸が式(1)、式(2)、式(5)〜式(7)および式(14)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つと芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物との混合物とジアミンを反応させることによって得られるポリマーであって、芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物が式(19)、式(23)、式(25)、式(35)〜式(37)、式(39)、式(44)および式(49)で表される化合物の少なくとも1つである、請求項7に記載の液晶配向剤。

    Figure 2009064000
  10. ポリアミック酸が式(1)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物との混合物とジアミンを反応させることによって得られるポリマーであって、芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物が式(19)、式(23)、式(25)、式(35)〜式(37)、式(39)、式(44)および式(49)で表される化合物の少なくとも1つである、請求項8に記載の液晶配向剤。

    Figure 2009064000
  11. ポリアミック酸が式(1)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物との混合物とジアミンを反応させることによって得られるポリマーであって、芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物が式(19)で表される化合物である、請求項8に記載の液晶配向剤。

    Figure 2009064000
  12. ジアミンが式(I)〜式(VII)で表される非側鎖型ジアミンの群から選ばれる少なくとも1つである、請求項5〜11のいずれか1項に記載の液晶配向剤:

    Figure 2009064000
    ここに、Xは炭素数2〜12の直鎖アルキレンであり;Xは炭素数1〜12の直鎖アルキレンであり;Xは独立して単結合、−O−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH−、−C(CF−、−O−(CH−O−、−S−、−S−S−、−SO−、−S−(CH−S−または炭素数1〜12の直鎖アルキレンであって、tは1〜12の整数であり;シクロヘキサン環またはベンゼン環の任意の水素は、−F、−CH、−OH、−COOH、−SOH、−PO、ベンジルまたはヒドロキシベンジルで置き換えられてもよい。
  13. ジアミンが式(IV−1)、式(IV−2)、式(IV−15)、式(IV−16)、式(V−1)〜式(V−12)、式(V−33)および式(VII−2)で表される非側鎖型ジアミンから選ばれる少なくとも1つである、請求項5〜11のいずれか1項に記載の液晶配向剤。

    Figure 2009064000
  14. ジアミンが請求項12に記載の式(I)〜式(VII)で表される非側鎖型ジアミンから選ばれる少なくとも1つと、炭素数3以上のアルキル、炭素数3以上のアルコキシ、炭素数3以上のアルコキシアルキル、ステロイド骨格を有する基、および炭素数3以上のアルキル、炭素数3以上のアルコキシもしくは炭素数3以上のアルコキシアルキルを末端に有する基から選ばれる側鎖基を有する側鎖型ジアミンの少なくとも1つとの混合物である、請求項5〜11のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
  15. 側鎖型ジアミンが式(VIII)〜式(XII)で表される化合物の群から選ばれるジアミンである、請求項14に記載の液晶配向剤。

    Figure 2009064000
    (ここに、Rは単結合、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CHO−、−CFO−、または炭素数1〜6のアルキレンであって、このアルキレンにおける任意の−CH−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;Rはステロイド骨格を有する基、炭素数3〜30のアルキル、炭素数3〜30のアルキルもしくは炭素数3〜30のアルコキシを置換基として有するフェニル、または式(D−1)で表される基であって、このアルキルにおける任意の−CH−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;

    Figure 2009064000
    ここに、R13、R14およびR15は独立して単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、炭素数1〜4のアルキレン、炭素数1〜3のオキシアルキレン、または炭素数1〜3のアルキレンオキシであり;環Bおよび環Cは独立して1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり;R16およびR17は独立してフッ素またはメチルであって、m1およびm2は独立して0、1または2であり;e、fおよびgは独立して0〜3の整数であって、これらの合計は1以上であり;R18は炭素数3〜30のアルキル、炭素数3〜30のアルコキシ、または炭素数3〜30のアルコキシアルキルであり、これらのアルキル、アルコキシおよびアルコキシアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして任意の−CH−はジフルオロメチレンまたは式(D−2)で表される基で置き換えられてもよく;

    Figure 2009064000
    ここに、R19、R20、R21およびR22は、独立して炭素数1〜10のアルキルまたはフェニルであり、そしてnは1〜100の整数である。)

    Figure 2009064000
    (ここに、Rは独立して水素またはメチルであり;Rは水素、炭素数1〜30のアルキル、または炭素数2〜30のアルケニルであり;そして、Rは独立して単結合、−CO−または−CH−である。)

    Figure 2009064000
    (ここに、Rは独立して水素またはメチルであり;Rは水素、炭素数1〜30のアルキル、または炭素数2〜30のアルケニルであり;Rは独立して単結合、−CO−または−CH−であり;そして、RおよびRは独立して水素、炭素数1〜30のアルキル、またはフェニルである。)

    Figure 2009064000
    (ここに、Rは炭素数3〜30のアルキルであって、このアルキルの任意の−CH−は−O−、−CH=CH−またはC≡C−で置き換えられてもよく;Rは独立して−O−または炭素数1〜6のアルキレンであり;環Aは1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり;aは0または1であり;bは0、1または2であり;そして、cは独立して0または1である。)

    Figure 2009064000
    (ここに、R10は炭素数3〜30のアルキルまたは炭素数3〜30のフッ素化アルキルであり;R11は水素、炭素数1〜30のアルキルまたは炭素数1〜30のフッ素化アルキルであり;R12は独立して−O−または炭素数1〜6のアルキレンであり;そして、dは独立して0または1である。)
  16. 側鎖型ジアミンが式(VIII−2)、式(VIII−4)、式(VIII−5)、式(VIII−6)、式(XI−2)および式(XI−4)で表される化合物から選ばれるジアミンである、請求項14に記載の液晶配向剤。

    Figure 2009064000
    (ここに、R23、R24、R29およびR30は、独立して炭素数3〜30のアルキル、または炭素数3〜30のアルコキシである。)
  17. 非側鎖型ジアミンが式(IV−1)、式(IV−2)、式(IV−15)、式(IV−16)、式(V−1)〜式(V−12)、式(V−33)および式(VII−2)で表される化合物から選ばれるジアミンであり、側鎖型ジアミンが式(VIII−2)、式(VIII−4)、式(VIII−5)、式(VIII−6)、式(XI−2)および式(XI−4)で表される化合物から選ばれるジアミンである、請求項14に記載の液晶配向剤。

    Figure 2009064000

    Figure 2009064000
    (ここに、R23、R24、R29およびR30は、独立して炭素数3〜30のアルキル、または炭素数3〜30のアルコキシである。)
  18. ポリマーが、式(1)、式(2)、式(5)〜式(7)および式(14)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つと式(19)、式(23)、式(25)、式(35)〜式(37)、式(39)、式(44)および式(49)で表される芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つとの混合物と、式(IV−1)、式(IV−2)、式(IV−15)、式(IV−16)、式(V−1)〜式(V−12)、式(V−33)および式(VII−2)で表される非側鎖型ジアミンの少なくとも1つを反応させることによって得られるポリアミック酸およびその誘導体並びに前記のテトラカルボン酸二無水物の混合物と式(VIII−2)、式(VIII−4)、式(VIII−5)、式(VIII−6)、式(XI−2)および式(XI−4)で表される側鎖型ジアミンから選ばれる少なくとも1つと前記の非側鎖型ジアミンの少なくとも1つとの混合物を反応させることによって得られるポリアミック酸およびその誘導体から選ばれる少なくとも1つである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶配向剤。

    Figure 2009064000

    Figure 2009064000

    Figure 2009064000

    Figure 2009064000
    (ここに、R23、R24、R29およびR30は、独立して炭素数3〜30のアルキル、または炭素数3〜30のアルコキシである。)
  19. ポリマーが芳香族テトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つと芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つとの混合物と非側鎖型ジアミンの少なくとも1つを反応させることによって得られるポリアミック酸である、請求項18に記載の液晶配向剤。
  20. ポリマーが、芳香族テトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つと芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つとの混合物と非側鎖型ジアミンの少なくとも1つを反応させることによって得られるポリアミック酸並びに前記のテトラカルボン酸二無水物の混合物と非側鎖型ジアミンの少なくとも1つと側鎖型ジアミンの少なくとも1つとの混合物を反応させることによって得られるポリアミック酸の混合物である、請求項18に記載の液晶配向剤。
  21. ポリマーが、芳香族テトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つと芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つとの混合物と非側鎖型ジアミンの少なくとも1つと側鎖型ジアミンの少なくとも1つとの混合物を反応させることによって得られるポリアミック酸およびその誘導体から選ばれる少なくとも1つである、請求項18に記載の液晶配向剤。
  22. 請求項1〜21のいずれか1項に記載の液晶配向剤を基板上に塗布し、膜の状態で焼成することによって形成される液晶配向膜。
  23. 対向配置されている一対の基板と、前記一対の基板それぞれの対向している面の一方又は両方に形成されている電極と、前記一対の基板それぞれの対向している面に形成された液晶配向膜と、前記一対の基板間に形成された液晶層とを有する液晶表示素子において、前記液晶配向膜が請求項22に記載の液晶配向膜であることを特徴とする液晶表示素子。
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