JP2009063987A - トナー用樹脂およびトナー組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 線形ポリエステル(A1)と非線形ポリエステル(A2)とで構成されるポリエステル樹脂(A)を含有するトナー用樹脂において、炭素数9〜22の脂肪族ポリカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体から選ばれる1種以上を80モル%以上含有するカルボン酸成分とアルコール成分との重縮合ポリエステル樹脂であって、SP値が9.0〜10.5(cal/cm3)1/2である結晶性ポリエステル(A11)を、(A1)中に20重量%以上含有することを特徴とするトナー用樹脂を用いる。
【選択図】 なし
Description
本発明の目的は、低温定着性と耐ブロッキング性に優れたトナー組成物およびそれに用いるトナー用樹脂を提供することにある。
すなわち、本発明は、 線形ポリエステル(A)と非線形ポリエステル(B)とで構成されるポリエステル樹脂(I)を含有するトナー用樹脂において、炭素数9〜30の脂肪族ポリカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体から選ばれる1種以上を40モル%以上含有するカルボン酸成分とアルコール成分との重縮合ポリエステル樹脂であって、SP値が9.0〜10.5(cal/cm3)1/2である結晶性ポリエステル(A1)を、(A)中に5重量%以上含有することを特徴とするトナー用樹脂;並びにこのトナー用樹脂と、着色剤、並びに、必要により離型剤、荷電制御剤、および流動化剤から選ばれる1種以上の添加剤を含有するトナー組成物;である。
さらに、THF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーのピークトップ分子量が5000〜150000の結晶性ポリエステルを用いた場合は、トナーとしたときの低温定着性と耐ホットオフセット性がバランスよく向上し、1000以上5000未満の結晶性ポリエステルを用いた場合は、特にトナーの低温定着性が大幅に向上する。
本発明におけるポリエステル樹脂(I)は、例えば、1種類以上のアルコール成分(x)と、1種類以上のカルボン酸成分(y)とを重縮合して得られる。
アルコール成分(x)としては、ジオール(x1)および/または3〜8価もしくはそれ以上のポリオール(x2)が挙げられる。また、必要により、好ましくは60モル%以下、さらに好ましくは50モル%以下、とくに好ましくは40モル%以下のモノオール(x3)を用いてもよい。
カルボン酸成分(y)としては、ジカルボン酸(y1)および/または3〜6価もしくはそれ以上のポリカルボン酸(y2)が挙げられる。また、必要により、好ましくは60モル%以下、さらに好ましくは50モル%以下、とくに好ましくは40モル%以下のモノカルボン酸(y3)を用いてもよい。
これら(x1)のうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)およびこれらの併用である。さらに好ましいものは、ビスフェノール類(とくにビスフェノールA)のポリオキシアルキレンエーテル(アルキレン基の炭素数2および/または3、AO単位の数2〜8)、炭素数2〜12のアルキレングリコール(とくにエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール)、およびこれらの併用である。
これら(x2)のうち好ましいものは、3〜8価もしくはそれ以上の脂肪族多価アルコール、およびノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)であり、とくに好ましいものはノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)である。
これら(x3)のうち好ましいものは、炭素数1〜30のアルカノールであり、さらに好ましくは、ドデシルアルコール、およびステアリルアルコールである。
上記エステル形成性誘導体としては、酸無水物、アルキル(炭素数1〜24:メチル、エチル、ブチル、ステアリル等)エステル、および部分アルキル(上記と同様)エステル等が挙げられる。以下のエステル形成性誘導体についても同様である。
これら(y1)のうち好ましいものは、炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸、炭素数4〜20のアルケンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸、並びにこれらのエステル形成性誘導体である。
これら(y2)のうち好ましいものは、トリメリット酸、ピロメリット酸、およびこれらのエステル形成性誘導体である。
これら(y3)のうち好ましいものは、炭素数1〜30のアルカンモノカルボン酸であり、さらに好ましくは、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、およびベヘン酸である。
このとき必要に応じてエステル化触媒を使用することができる。エステル化触媒の例には、スズ含有触媒(例えばジブチルスズオキシド)、三酸化アンチモン、チタン含有触媒[例えばチタンアルコキシド、シュウ酸チタン酸カリウム、テレフタル酸チタン、特開2006−243715号公報に記載の触媒〔チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムモノヒドロキシトリス(トリエタノールアミネート)、およびそれらの分子内重縮合物等〕、および特開2007−11307号公報に記載の触媒(チタントリブトキシテレフタレート、チタントリイソプロポキシテレフタレート、およびチタンジイソプロポキシジテレフタレート等)]、ジルコニウム含有触媒(例えば酢酸ジルコニル)、および酢酸亜鉛等が挙げられる。これらの中で好ましくはチタン含有触媒である。
上記および以下において、%はとくに断りの無い限り重量%を意味する。
なお、本発明において、「結晶性ポリエステル」とは、25℃以上の融点〔Tmp〕を有するポリエステルのことをいう。Tmpは後述の方法で測定される。
(A1)を構成するアルコール成分(x)中のジオール(x1)の具体例としては前記のものが挙げられる。(x1)として好ましくは、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールおよび1,12−ドデカンジオールであり、さらに好ましくは、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、および1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールおよび1,12−ドデカンジオールである。
3価〜8価もしくはそれ以上のポリオール(x2)の具体例としては、前記のものが挙げられる。これら(x2)のうち、グリセリンおよびトリメチロールプロパンが好ましい。
モノオール(x3)の具体例としては、前記のものが挙げられる。(x3)のうち、炭素数1〜30(とくに1〜24)のアルカノールが好ましく、ドデシルアルコール、およびステアリルアルコールがさらに好ましい。
(y)中の必須構成成分である炭素数9〜30(好ましくは9〜22)の脂肪族ポリカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体から選ばれる1種以上(y*)としては、前記(y1)中の炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸、および炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸の中で、炭素数が9〜30のものおよびそれらのエステル形成性誘導体、前記(y2)中の炭素数6〜36の脂肪族(脂環式を含む)ポリカルボン酸の中で、炭素数が9〜30のものおよびそれらのエステル形成性誘導体等が挙げられる。
これらのうち、好ましくは炭素数9〜22のアルカンジカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体であり、さらに好ましくは、アゼライン酸、ゼバシン酸、1,12−ドデカン二酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸、およびそれらのエステル形成性誘導体であり、とくに好ましくはゼバシン酸、1,12−ドデカン二酸である。
炭素数1〜30のモノカルボン酸(y31)および炭素数1〜30のモノオール(x31)としては、前記モノカルボン酸(y3)および前記モノオール(x3)のうち炭素数が1〜30のものが挙げられる。これらの中で好ましくは、炭素数1〜30のアルカンモノカルボン酸、および炭素数1〜30のアルカノールであり、さらに好ましくは、炭素数1〜30のアルカンモノカルボン酸である。なお、(A1)のうち結晶性ポリエステル(A12)の構成モノマーとしては、好ましくは、炭素数10〜30のアルカンモノカルボン酸、および炭素数10〜30のアルカノールであり、さらに好ましくは、炭素数10〜30のアルカンモノカルボン酸である。
(y31)または(x31)を構成単位として含有する場合の(A1)の重縮合条件は、前記のポリエステル樹脂(I)の製造法と同様にして行われるが、(y31)および/または(x31)以外の、カルボン酸成分(y)およびアルコール成分(x)であらかじめ結晶性ポリエステルを製造した後に、得られたポリエステルの分子末端に(y31)および/または(x31)を反応させる方法が好ましい。
(A12)は、炭素数10〜30のモノカルボン酸(y311)および/または炭素数10〜30のモノオール(x311)を、全構成モノマー(カルボン酸成分とアルコール成分の合計)の5〜40モル%(とくに10〜30モル%)含有するのが、結晶化速度および耐ブロッキング性の観点から好ましい。
また、結晶性ポリエステル(A12)を構成するカルボン酸成分(y)とアルコール成分(x)の当量比(OH基/COOH基)は、分子量の観点等から、1.40〜2.00が好ましく、さらに好ましくは1.45〜1.95、とくに好ましくは1.50〜1.90である。
また、(A1)の水酸基価は、好ましくは0〜100(mgKOH/g、以下同じ)、さらに好ましくは0〜80、とくに好ましくは0〜50である。水酸基価が100以下であるとトナー化時の耐ホットオフセット性がより良好となる。
なお、試料に架橋にともなう溶剤不溶解分がある場合は、以下の方法で溶融混練後のものを試料として用いる。
混練装置 : 東洋精機(株)製 ラボプラストミル MODEL4M150
混練条件 : 130℃、70rpmにて30分
SP値が9.0未満では、非線形ポリエステル(B)との相溶性が不十分で耐久性が不十分となり、10.5を越えるとTgが低下し、耐ブロッキング性が悪化する。
なお、本発明におけるSP値は、Fedorsらが提案した下記の文献に記載の方法によって計算されるものである。
「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,FEBRUARY,1974,Vol.14,No.2,ROBERT F.FEDORS.(147〜154頁)」
一方、結晶性ポリエステル(A12)のMnは、500〜5000が好ましく、さらに好ましくは1000〜4500、とくに好ましくは1000〜4000である。
(A11)のTHF可溶分のMpは、通常5000〜150000であり、好ましくは8000〜100000、さらに好ましくは10000〜90000である。
一方、(A12)のMpは、通常1000以上5000未満であり、好ましくは1200〜4900、さらに好ましくは1500〜4500、とくに好ましくは2000〜4400である。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25%のTHF(テトラヒドロフラン)溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
得られたクロマトグラム上最大のピーク高さを示す分子量をピークトップ分子量(Mp)と称する。また、分子量の測定は、ポリエステル樹脂をTHFに溶解し、不溶解分をグラスフィルターでろ別したものを試料溶液とする。
<融点〔Tmp〕>
示差走査熱量計{たとえば、セイコー電子工業社製、DSC210}を用いて、測定試料を200℃まで昇温してから、降温速度10℃/分で0℃まで冷却した後、昇温速度10℃/分で昇温して吸発熱変化を測定して、「吸発熱量」と「温度」とのグラフを描き、吸発熱量の最大ピークに対応する温度を融点〔Tmp〕とする。
<フロー軟化点〔Tm〕>
降下式フローテスター{たとえば、(株)島津製作所製、CFT−500D}を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)をフロー軟化点〔Tm〕とする。
(A1)が(A11)である場合、{〔Tm〕/〔Tmp〕}は、さらに好ましくは1.0〜1.8であり、とくに好ましくは1.0〜1.4である。また、(A1)が(A12)である場合、{〔Tm〕/〔Tmp〕}は、好ましくは0.8〜1.4である。
すなわち、当量比(OH基/COOH基)が1に近づくと、Mnが大きくなるとともに、Tm、Tmpがともに高くなり、1から離れるとMnが小さくなるとともに、Tm、Tmpはともに低くなる。また、(y*)の炭素数が大きくなると、Tm、Tmpがともに低くなるが、Tmpがより大きく低下する。従って(y*)のカルボン酸の炭素数と当量比(OH基/COOH基)を調整することによって、{〔Tm〕/〔Tmp〕}をコントロールできる。
線形ポリエステル(A2)は、例えば、前記ジオール(x1)とジカルボン酸(y1)を重縮合させることにより得られるが、さらに、分子末端を前記カルボン酸成分(y)のうち(y1)または(y2)の無水物等で変性してもよい。これらの中では、分子末端を(y1)または(y2)の無水物で変性したものが好ましい。アルコール成分(x)とカルボン酸成分(y)との反応比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは3/1〜1/3、さらに好ましくは2.5/1〜1/2.5、とくに好ましくは2/1〜1/2である。
本発明において、ガラス転移温度〔Tg〕はセイコー電子工業(株)製DSC20、SSC/580を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。
また、(A2)のMpは、樹脂強度と、低温定着性、および樹脂の粉砕性のバランスの観点から、好ましくは2000〜12000、さらに好ましくは3000〜10000である。
本発明におけるTHF不溶解分は、以下の方法で求めたものである。
試料0.5gに50mlのTHFを加え、3時間撹拌還流させる。冷却後、グラスフィルターにて不溶解分をろ別し、グラスフィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥する。グラスフィルター上の乾燥した樹脂分の重量と試料の重量比から、不溶解分を算出する。
(B)としては、(x)と(y)の重縮合反応物であるポリエステル樹脂(a)に、さらに1種以上のカルボン酸(b)を反応させて得られる樹脂であることがさらに好ましい。
(a)の酸価、水酸基価をこれらの範囲とするには、アルコール成分(x)とカルボン酸成分(y)との反応比率で調整するのが有効である。
モノカルボン酸とポリカルボン酸(2〜6価もしくはそれ以上)の比率は、反応に使用するカルボン酸の全カルボキシル基の当量を100とするとき、モノカルボン酸由来のカルボキシル基とポリカルボン酸由来のカルボキシル基の当量比が、(0〜50)/(50〜100)が好ましく、(0〜20)/(80〜100)がさらに好ましい。モノカルボン酸由来のカルボキシルの比率が50以下であると架橋が不足せず、樹脂の強度が十分に得られる。また、反応生成物の酸価を所定範囲に調整しやすい。
酸価が15以上であるとトナー化時の定着の強度が十分である。また水酸基価が40以下、あるいは酸価が80以下であると、環境条件の影響を受けにくく、安定性が良好である。
本発明において、(B)の酸価と水酸基価は、次式(1)の関係を満たすのが好ましく、式(1’)の関係を満たすのがさらに好ましい。
酸価/水酸基価 ≧1 ・・・式(1)
酸価/水酸基価 ≧1.1 ・・・式(1’)
(酸価/水酸基価)が1以上であると、トナー化時の光沢度発現温度や定着温度域における光沢度が良好である。なお、式(1)を満たすポリエステル樹脂(I)を製造するためには、ポリエステル樹脂(a)とカルボン酸(b)との反応比率を調整することにより達成できる。
THF不溶解分(%)/フロー軟化点(℃) ≦0.2 ・・式(2)
0.01≦ THF不溶解分(%)/フロー軟化点(℃) ≦0.19 ・・式(2’)
(THF不溶解分/フロー軟化点)が0.2以下であると、(A)と(B)が均一に混ざりやすく、そのためトナー化時の低温定着性および耐ホットオフセット性が良好であり、また光沢度発現温度や定着温度域における光沢度が良好である。
なお、式(2)を満たす非線形ポリエステル(B)を製造するためには、例えば、ポリエステル樹脂(a)を製造した後に(a)とカルボン酸(b)とを反応させる方法で(B)を製造し、その際、(a)の水酸基価を10〜70mgKOH/gとし、かつ(a)と(b)の反応比率を調整することで達成できる。
Mp、Mw、およびMw/Mnが上記範囲内であると、トナー化時の耐ホットオフセット性と低温定着性のバランスが良好である。
なお、200℃で加熱溶融した前後におけるTmの差は、例えば次のようにして測定される。
(B)を3g入れた試験管を、200℃に温調したブロックバスに入れ、10分程度加熱溶解した後に、溶解した(B)を試験管ごと氷水中に投入し冷却する。加熱溶融した(I)および加熱溶融前の(B)についてフロー軟化点〔Tm〕を測定し、その差を求める。
なお、200℃での加熱溶融処理の方法は前項の方法と同じである。
200℃で加熱溶融した前後におけるTmの差、および200℃で加熱溶融した前後におけるTHFに可溶な成分のMpの差を小さくする方法としては、例えば(a)と(b)の反応終了後の非線形ポリエステル(B)の冷却を、ベルトクーラー、ドラムクーラーなどの装置を用いてより短時間で行う方法が挙げられる。
また、トナー化時の低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、100℃における損失弾性率〔G”100〕(dyn/cm2)、および150℃における損失弾性率〔G”150〕(dyn/cm2)は、次の式(3)を満たすことが好ましく、式(3’)を満たすことがさらに好ましい。
〔G”100〕/〔G”150〕≦50 ・・・式(3)
〔G”100〕/〔G”150〕≦45 ・・・式(3’)
〔G”100〕、〔G”150〕が式(3)を満たすと、低温領域での粘度が小さく、かつ高温領域でも粘度が低くなりすぎないと考えられ、トナーとして使用したときの定着幅が広い。
(I)の損失弾性率(G”)を調整するには、例えば、結晶性ポリエステル(A11)の量、(A)中の樹脂の分子量や架橋点の数を増減させればよい。
装置 :ARES−24A(レオメトリック社製)
治具 :25mmパラレルプレート
周波数 :20Hz
歪み率 :5%
昇温速度:5℃/min
0.6≦〔Q2〕/〔Q1〕≦1.0 ・・・式(4)
0.7≦〔Q2〕/〔Q1〕≦1.0 ・・・式(4’)
〔Q2〕/〔Q1〕が式(4)を満たすと、結晶化速度および結晶化度が高く、トナーとして使用したときの耐ブロッキング性が良好である。
(I)の〔Q2〕/〔Q1〕を調整するには、結晶性ポリエステル(A12)のSP値を増減させればよい。例えば、〔Q2〕/〔Q1〕を大きくする(1に近づける)には、SP値を小さくすればよく、逆に〔Q2〕/〔Q1〕を小さくするには、SP値を大きくすればよい。また、SP値を小さくする手段としては、(A12)中の炭素数10〜30のモノカルボン酸(y311)および炭素数10〜30のモノオール(x311)の量を増やす、もしくは(A12)中の炭素数9〜30の脂肪族ポリカルボン酸(y*)の中で炭素数が大きいものを用いればよい。逆にSP値を大きくするには、(A12)中の炭素数10〜30のモノカルボン酸(y311)および炭素数10〜30のモノオール(x311)の量を減らす、もしくは(A12)中の炭素数9〜30の脂肪族ポリカルボン酸(y*)の中で炭素数が小さいものを用いればよい。
溶融混合する場合の混合装置としては、反応槽等のバッチ式混合装置、および連続式混合装置が挙げられる。適正な温度で短時間で均一に混合するためには、連続式混合装置が好ましい。連続混合装置としては、エクストルーダー、コンティニアスニーダー、3本ロール等が挙げられる。
粉体混合する場合の混合装置としては、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、およびバンバリーミキサー等が挙げられる。好ましくはヘンシェルミキサーである。
ポリオレフィンワックスとしては、オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセンおよびこれらの混合物等)の(共)重合体[(共)重合により得られるものおよび熱減成型ポリオレフィンを含む]、オレフィンの(共)重合体の酸素および/またはオゾンによる酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物[例えばマレイン酸およびその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチルおよびマレイン酸ジメチル等)変性物]、オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸および無水マレイン酸等]および/または不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステルおよびマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル等]等との共重合体、およびサゾールワックス等が挙げられる。
天然ワックスとしては、例えばカルナウバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックスおよびライスワックスが挙げられる。炭素数30〜50の脂肪族アルコールとしては、例えばトリアコンタノールが挙げられる。炭素数30〜50の脂肪酸としては、例えばトリアコンタンカルボン酸が挙げられる。
また、乳化転相法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を有機溶剤に溶解または分散後、水を添加する等によりエマルジョン化し、次いで分離、分級して製造することができる。トナーの体積平均粒径は、3〜15μmが好ましい。
冷却管、撹拌機及び液中バブリング可能な窒素導入管の付いた反応槽中に、酢酸エチル1000部とテレフタル酸800部を入れ、窒素にて液中バブリング下、60℃まで徐々に昇温し、チタンテトライソプロポキシド600部を滴下しながら60℃で4時間反応させスラリー状物である反応混合物を得た。反応混合物をろ紙でろ別し40℃/20kPa・sで乾燥させることで、チタントリイソプロポキシテレフタレートと未反応のテレフタル酸の混合物からなるチタン含有触媒(t1)(チタントリイソプロポキシテレフタレートの濃度65%)を得た。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,6−ヘキサンジオール132部(1.12モル)、1,10−デカンジカルボン酸230部(1.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、210℃で常圧下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下で反応を継続し、酸価が2以下になったところで取り出した。これを結晶性ポリエステル(A11−1)とする。
結晶性ポリエステル(A11−1)のTmpは66℃、Tmは73℃(Tm/Tmp=1.1)、Mpは13500、酸価は1、SP値は9.6であった。
なお( )内のモル数は相対的なモル比を意味する(以下同様)。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,6−ヘキサンジオール121部(1.03モル)、1,10−デカンジカルボン酸230部(1.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、210℃で常圧下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下で反応を継続し、酸価が2以下になったところで取り出した。これを結晶性ポリエステル(A11−2)とする。
結晶性ポリエステル(A11−2)のTmpは73℃、Tmは93℃(Tm/Tmp=1.3)、Mpは90000、酸価は1、SP値は9.6であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,6−ヘキサンジオール132部(1.12モル)、1,18−オクタデカンジカルボン酸343部(1.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、210℃で常圧下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下で反応を継続し、酸価が2以下になったところで取り出した。これを結晶性ポリエステル(A11−3)とする。
結晶性ポリエステル(A11−3)のTmpは68℃、Tmは95℃(Tm/Tmp=1.4)、Mpは20000、酸価は1、SP値は9.3であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、エチレングリコール69部(1.12モル)、1,10−デカンジカルボン酸230部(1.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、200℃で常圧下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下で反応を継続し、酸価が2以下になったところで取り出した。これを結晶性ポリエステル(A11−4)とする。
結晶性ポリエステル(A11−4)のTmpは108℃、Tmは110℃(Tm/Tmp=1.0)、Mpは10500、酸価は2、SP値は10.0であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,6−ヘキサンジオール132部(1.12モル)、1,10−デカンジカルボン酸230部(1.0モル)、および縮合触媒として製造例1で得られたチタン含有触媒(t1)1部を入れ、210℃で常圧下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下で反応を継続し、酸価が2以下とした。次に、ステアリン酸355部(0.16モル)を加え、210℃で常圧下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下で反応を継続し、酸価が2以下となったところで取り出した。これを結晶性ポリエステル(A11−5)とする。
結晶性ポリエステル(A11−5)のTmpは70℃、Tmは75℃(Tm/Tmp=1.1)、Mpは11000、酸価は2、SP値は9.6であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,6−ヘキサンジオール477部(4.04モル)、1,12−ドデカン二酸620部(2.7モル)、および縮合触媒として製造例1で得られたチタン含有触媒(t1)1部を入れ、210℃で常圧下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下で反応を継続し、酸価が2以下とした。次に、ステアリン酸497部(1.74モル)を加え、210℃で常圧下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下で反応を継続し、酸価が2以下となったところで取り出した。これを結晶性ポリエステル(A12−1)とする。
結晶性ポリエステル(A12−1)のTmpは66℃、Tmは65℃(Tm/Tmp=1.0)、Mpは4400、酸価は2、水酸基価は1、SP値は9.5であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,6−ヘキサンジオール547部(4.63モル)、1,10−デカンジカルボン酸551部(2.73モル)、および縮合触媒として製造例1で得られたチタン含有触媒(t1)1部を入れ、210℃で常圧下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下で反応を継続し、酸価が2以下とした。次に、ステアリン酸488部(1.71モル)を加え、210℃で常圧下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下で反応を継続し、酸価が2以下となったところで取り出した。これを結晶性ポリエステル(A12−2)とする。
結晶性ポリエステル(A12−2)のTmpは57℃、Tmは52℃(Tm/Tmp=0.9)、Mpは2700、酸価は1、水酸基価は38、SP値は9.5であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,6−ヘキサンジオール547部(4.63モル)、1,10−デカンジカルボン酸551部(2.73モル)、および縮合触媒として製造例1で得られたチタン含有触媒(t1)1部を入れ、210℃で常圧下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下で反応を継続し、酸価が2以下とした。次に、ステアリン酸733部(2.57モル)を加え、210℃で常圧下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下で反応を継続し、酸価が2以下となったところで取り出した。これを結晶性ポリエステル(A12−3)とする。
結晶性ポリエステル(A12−3)のTmpは60℃、Tmは58℃(Tm/Tmp=1.0)、Mpは2700、酸価は1、水酸基価は6、SP値は9.4であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,6−ヘキサンジオール516部(4.37モル)、1,10−デカンジカルボン酸589部(2.92モル)、および縮合触媒として製造例1で得られたチタン含有触媒(t1)1部を入れ、210℃で常圧下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下で反応を継続し、酸価が2以下とした。次に、ベヘン酸878部(2.57モル)を加え、210℃で常圧下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下で反応を継続し、酸価が2以下となったところで取り出した。これを結晶性ポリエステル(A12−4)とする。
結晶性ポリエステル(A12−4)のTmpは66℃、Tmは67℃(Tm/Tmp=1.0)、Mpは2800、酸価は1、水酸基価は7、SP値は9.4であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,6−ヘキサンジオール238部(2.02モル)、1,12−ドデカン二酸903部(3.93モル)、および縮合触媒として製造例1で得られたチタン含有触媒(t1)1部を入れ、210℃で常圧下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下で反応を継続し、水酸基価が2以下とした。次に、ステアリルアルコール516部(1.91モル)を加え、210℃で常圧下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下で反応を継続し、水酸基価が2以下となったところで取り出した。これを結晶性ポリエステル(A12−5)とする。
結晶性ポリエステル(A12−5)のTmpは59℃、Tmは62℃(Tm/Tmp=1.1)、Mpは2500、酸価は42、水酸基価は1、SP値は9.4であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール(以下、プロピレングリコールと記載)592部(3モル)、テレフタル酸ジメチルエステル194部(1モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に生成するプロピレングリコールを留去しながら反応させ、Tmが78℃になったところで180℃に冷却し、無水トリメリット酸68部(0.36モル)を加え、常圧密閉下1時間反応後取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(A2−1)とする。
線形ポリエステル(A12−1)のTgは58℃、Tmは96℃、Mpは4000、酸価は40、水酸基価は55、THF不溶解分は0%であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、(A2−1)400部および(A11−1)600部をいれ、180℃に昇温し1時間溶融ブレンドを行った後取り出した。これを線形ポリエステル(A−1)とする。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、(A2−1)400部および(A11−2)600部をいれ、180℃に昇温し1時間溶融ブレンドを行った後取り出した。これを線形ポリエステル(A−2)とする。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、(A2−1)400部および(A11−3)600部をいれ、180℃に昇温し1時間溶融ブレンドを行った後取り出した。これを線形ポリエステル(A−3)とする。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、(A2−1)400部および(A11−4)600部をいれ、180℃に昇温し1時間溶融ブレンドを行った後取り出した。これを線形ポリエステル(A−4)とする。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、(A2−1)500部および(A11−5)500部をいれ、180℃に昇温し1時間溶融ブレンドを行った後取り出した。これを線形ポリエステル(A−5)とする。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、(A2−1)800部および(A12−1)200部をいれ、180℃に昇温し1時間溶融ブレンドを行った後取り出した。これを線形ポリエステル(A−6)とする。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、(A2−1)400部および(A12−2)600部をいれ、180℃に昇温し1時間溶融ブレンドを行った後取り出した。これを線形ポリエステル(A−7)とする。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、(A2−1)900部および(A12−3)100部をいれ、180℃に昇温し1時間溶融ブレンドを行った後取り出した。これを線形ポリエステル(A−8)とする。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、(A2−1)900部および(A12−4)100部をいれ、180℃に昇温し1時間溶融ブレンドを行った後取り出した。これを線形ポリエステル(A−9)とする。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、(A2−1)900部および(A12−5)100部をいれ、180℃に昇温し1時間溶融ブレンドを行った後取り出した。これを線形ポリエステル(A−10)とする。
ビスフェノールA・エチレンオキサイド2モル付加物41部(0.13モル)、ビスフェノールA・プロピレンオキサイド3モル付加物457部(1.14モル)、フェノールノボラック(平均官能基数:5.6)のプロピレンオキサイド6モル付加物9部(0.01モル)、テレフタル酸166部(1.0モル)、フマル酸93部(0.8モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸41部(0.21モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、さらに230℃、5〜20mmHgの減圧下で反応させ、Tmが132℃になった時点で取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(B−1)とする。
非線形ポリエステル(B−1)のTgは58℃、Tmは135℃、Mpは11300、酸価は20、水酸基価は5(酸価/水酸基価=4)、THF不溶解分は6%(THF不溶解分/フロー軟化点=0.04)であった。
ビスフェノールA・プロピレンオキサイド3モル付加物486部(1.21モル)、フェノールノボラック(平均官能基数:5.6)のプロピレンオキサイド6モル付加物23部(0.29モル)、テレフタル酸166部(1.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸40部(0.21モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、230℃、5〜20mmHgの減圧下で反応させ、Tmが140℃になった時点で取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(B−2)とする。
非線形ポリエステル(B−2)のTgは57℃、Tmは145℃、Mpは8300、酸価は20、水酸基価は18(酸価/水酸基価=1.1)、THF不溶解分は28%(THF不溶解分/フロー軟化点=0.19)であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,4−ブタンジオール117部(1.3モル)、フマル酸116部(1.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、200℃で常圧下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下で反応を継続し、5時間経過後、水の留去がなくなったところで取り出した。これを結晶性ポリエステル(A11’−6)とする。
結晶性ポリエステル(A11’−6)のTmpは123℃、Tmは82℃(Tm/Tmp=0.7)、SP値は10.7であった。なお、Mp、酸価は測定溶媒に不溶のため測定できなかった。
製造例12で得られた線形ポリエステル(A2−1)を、そのまま比較用線形ポリエステル(A’−11)とする。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、(A2−1)400部および(A11’−6)600部をいれ、180℃に昇温し1時間溶融ブレンドを行った後取り出した。これを比較用線形ポリエステル(A’−12)とする。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、(A2−1)970部および(A11−1)30部をいれ、180℃に昇温し1時間溶融ブレンドを行った後取り出した。これを比較用線形ポリエステル(A’−13)とする。
表1に示す配合比で、線形ポリエステル(A−1)〜(A−10)と、非線形ポリエステル(B−1)、(B−2)をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度130℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用樹脂(I−1)〜(I−14)を得た。
トナー用樹脂の、〔T30000〕、〔G”100〕/〔G”150〕および〔Q2〕/〔Q1〕の測定結果を表1に示す。
表1に示す配合比で、(A’−11)〜(A’−13)と(B−2)をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度130℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して比較のトナー用樹脂(I’−15)〜(I’−17)を得た。
比較のトナー用樹脂の、〔T30000〕、および〔G”100〕/〔G”150〕および〔Q2〕/〔Q1〕の測定結果を表1に示す。
本発明のトナー用樹脂(I−1)〜(I−14)、および比較のトナー用樹脂(I’−15)〜(I’−17)のそれぞれ100部に対して、シアニンブルーKRO(山陽色素製)8部、カルナバワックス5部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、粒径D50が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー組成物(T−1)〜(T−14)、および比較のトナー組成物(T’−15)〜(T’−17)を得た。
下記評価方法で評価した評価結果を表2に示す。
〔1〕最低定着温度(MFT)
市販複写機(AR5030;シャープ製)を用いて現像した未定着画像を、市販複写機(AR5030;シャープ製)の定着機を用いて評価した。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって最低定着温度とした。
〔2〕ホットオフセット発生温度(HOT)
上記MFTと同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。ホットオフセットが発生した定着ロール温度をもってホットオフセット発生温度とした。
〔3〕耐ブロッキング性
試料10.0gを200mlポリカップに入れ、40℃の循風乾燥機で静置した。5日後、乾燥機から取り出し、試料の流動性を確認した。
(判定)
◎:カップを傾けると流れる。
○:カップを傾け、スパチュラでつつくと流れる。
△:カップを傾け、スパチュラで強くつつくと流れる。
×:カップを傾け、スパチュラで強くつついても流れない。
判定が○以上のものが耐ブロッキング性良好と判断される。
Claims (10)
- 線形ポリエステル(A)と非線形ポリエステル(B)とで構成されるポリエステル樹脂(I)を含有するトナー用樹脂において、炭素数9〜30の脂肪族ポリカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体から選ばれる1種以上を40モル%以上含有するカルボン酸成分とアルコール成分との重縮合ポリエステル樹脂であって、SP値が9.0〜10.5(cal/cm3)1/2である結晶性ポリエステル(A1)を、(A)中に5重量%以上含有することを特徴とするトナー用樹脂。
- 結晶性ポリエステル(A1)を構成するカルボン酸成分および/またはアルコール成分中に、さらに炭素数1〜30のモノカルボン酸、および炭素数1〜30のモノオールから選ばれる1種以上を含有する請求項1記載のトナー用樹脂。
- 結晶性ポリエステル(A1)の、融点〔Tmp〕が50〜120℃、フロー軟化点〔Tm〕が50〜150℃であり、かつ、〔Tm〕/〔Tmp〕が0.8〜1.8である請求項1または2記載のトナー用樹脂。
- 非線形ポリエステル(B)の、THF不溶解分が1〜36重量%、THF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーのピークトップ分子量が5,000〜20,000、フロー軟化点が120〜180℃、酸価が15〜80であり、かつ(B)が次の式(1)および(2)を満たす請求項1〜3のいずれか記載のトナー用樹脂。
酸価/水酸基価 ≧1 ・・・式(1)
THF不溶解分(重量%)/フロー軟化点(℃) ≦0.2 ・・・式(2) - 結晶性ポリエステル(A1)が、THF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーのピークトップ分子量が5000〜150000である結晶性ポリエステル(A11)である請求項1〜4のいずれか記載のトナー用樹脂。
- ポリエステル樹脂(I)の損失弾性率(G”)が30000(dyn/cm2)になる温度〔T30000〕が130℃以下であり、100℃における損失弾性率〔G”100〕(dyn/cm2)、および150℃における損失弾性率〔G”150〕(dyn/cm2)が、次の式(3)を満たす請求項5記載のトナー用樹脂。
〔G”100〕/〔G”150〕 ≦50 ・・・式(3) - 結晶性ポリエステル(A1)が、THF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーのピークトップ分子量が1000以上5000未満である結晶性ポリエステル(A12)である請求項1〜4のいずれか記載のトナー用樹脂。
- 結晶性ポリエステル(A12)の全構成モノマーの5〜40モル%が、炭素数10〜30のモノカルボン酸および/または炭素数10〜30のモノオールである請求項7記載のトナー用樹脂。
- 線形ポリエステル(A)のDSC測定を行った際の、昇温一回目における結晶性ポリエステル(A12)由来の融解ピークの融解熱量Q1と、昇温二回目における結晶性ポリエステル(A12)由来の融解ピークの融解熱量Q2が、次の式(4)を満たす請求項7または8記載のトナー用樹脂。
0.6≦〔Q2〕/〔Q1〕≦1.0 ・・・式(4) - 請求項1〜9のいずれか記載のトナー用樹脂と、着色剤、並びに、必要により離型剤、荷電制御剤、および流動化剤から選ばれる1種以上の添加剤を含有するトナー組成物。
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