JP5524719B2 - トナーバインダーおよびトナー組成物 - Google Patents

トナーバインダーおよびトナー組成物 Download PDF

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Description

本発明は電子写真、静電記録、静電印刷等に用いられるトナーバインダーおよびトナー組成物に関する。
複写機、プリンター等における画像の定着方式として一般的に採用されている熱定着方式用の電子写真用トナーバインダーは、高い定着温度でもトナーが熱ロールに融着せず(耐ホットオフセット性)、定着温度が低くてもトナーが定着できること(低温定着性)や、高温・多湿という過酷な条件下においても吸湿しにくく、帯電安定性に優れることや、微粒子としての保存安定性(耐ブロッキング性)などが求められる。
近年、複写機・プリンターのカラー化・高速・高信頼性・コンパクト・低コスト・省エネがますます求められている。特に、環境負荷低減(省エネ)の要求から、トナーのさらなる低温定着性と耐ブロッキング性の両立に対する対応が急務である。
トナーの低温定着性能を向上させる目的で、バインダーとしてポリエステル樹脂を用いることが従来より知られている。また、定着性改良の目的で、高酸価なポリエステル樹脂を含有させる方法が提案されている(特許文献1、2等)。
特開2004−294735号公報 特開2008−122931号公報
しかし、高酸価および高水酸基価の場合、帯電安定性に悪影響を与えることが予想される。また、低温定着性を向上させるためにトナーバインダーの低分子量化が知られているが、単純に低分子量化を行うと、それに伴いガラス転移点も低下して、保存安定性が悪化し、耐ホットオフセット性も低下するという問題も発生し、上記特性をいずれも満足するようなものは得られていない。
本発明の目的は、低温定着性の向上に伴う定着温度幅の増大と耐ブロッキング性、帯電安定性に優れたトナー組成物を提供することにある。
本発明者らは、これらの問題点を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、線形ポリエステル樹脂(A)と非線形ポリエステル樹脂(B)から構成されるトナーバインダーにおいて、(A)のピークトップ分子量が2500以下、ガラス転移温度〔Tg〕が50〜80℃、〔Tg〕とフロー軟化点〔Tm〕との関係がTm−Tg≦35(℃)であり、かつ酸価が0〜20(mgKOH/g)であり、(A)が芳香族モノカルボン酸(x1)および/またはポリカルボン酸(x2)から構成されるカルボン酸成分(x)と、ポリオール成分(y)とが重縮合されてなるポリエステル樹脂であって、ポリオール成分(y)中にビスフェノールA、ビスフェノールAのアセチル化物、ビスフェノールS、ビスフェノールSのアセチル化物、ビスフェノールSのポリオキシアルキレンエーテル(オキシアルキレン単位の数2〜4)、および水素化ビスフェノールAからなる群から選ばれる1種類以上(y1)を30モル%以上含有することを特徴とするトナーバンダー;並びに、このトナーバインダー、着色剤、並びに、必要により離型剤、荷電制御剤、および流動化剤から選ばれる1種以上の添加剤を含有するトナー組成物;である。
本発明のトナーバインダーおよびトナー組成物を用いることにより、低温定着性に優れたトナーとすることが可能となり、トナーの耐ブロッキング性および帯電安定性のいずれにも優れたトナーバインダーを提供することが可能となった。
以下、本発明を詳述する。
本発明における線形ポリエステル樹脂(A)は、芳香族モノカルボン酸(x1)および/またはポリカルボン酸(x2)から構成されるカルボン酸成分(x)と、ポリオール成分(y)とが重縮合されて得られるポリエステル樹脂であることが好ましい。
上記ポリオール成分(y)としては、ビスフェノールA、ビスフェノールAのアセチル化物、ビスフェノールS、ビスフェノールSのアセチル化物、ビスフェノールSのポリオキシアルキレンエーテル(オキシアルキレン単位の数2〜4)、および水素化ビスフェノールAからなる群から選ばれる1種類以上(y1)、(y1)以外のジオール(y2)、および3〜8価またはそれ以上のポリオール(y3)が挙げられる。
(y1)以外のジオール(y2)としては、炭素数2〜36のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、および1,6−ヘキサンジオール等);炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびポリテトラメチレンエーテルグリコール等);炭素数6〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール等);上記脂環式ジオールの(ポリ)オキシアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜4、以下のポリオキシアルキレン基も同じ)エーテル〔オキシアルキレン単位(以下AO単位と略記)の数1〜30〕;および2価フェノール〔単環2価フェノール(例えばハイドロキノン)、およびビスフェノール類(ビスフェノールAおよびビスフェノールF等)〕のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)およびこれらの併用である。さらに好ましいものは、ビスフェノール類(とくにビスフェノールA)のポリオキシアルキレンエーテル(アルキレン基の炭素数2および/または3、AO単位の数2〜8)、炭素数2〜12のアルキレングリコール(とくにエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール)、およびこれらの併用(重量比100:0〜20:80)である。
3価〜8価またはそれ以上のポリオール(y3)としては、炭素数3〜36の3価〜8価またはそれ以上の脂肪族多価アルコール(アルカンポリオールおよびその分子内もしくは分子間脱水物、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセリン、およびジペンタエリスリトール;糖類およびその誘導体、例えばショ糖およびメチルグルコシド);上記脂肪族多価アルコールの(ポリ)オキシアルキレンエーテル(AO単位の数1〜30);トリスフェノール類(トリスフェノールPA等)のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30);ノボラック樹脂(フェノールノボラックおよびクレゾールノボラック等、平均重合度3〜60)のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
これらのうち好ましいものは、3〜8価またはそれ以上の脂肪族多価アルコールおよびノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)であり、さらに好ましいものはノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)である。
ポリオール成分(y)中のビスフェノールA、ビスフェノールAのアセチル化物、ビスフェノールS、ビスフェノールSのアセチル化物、ビスフェノールSのポリオキシアルキレンエーテル(オキシアルキレン単位の数2〜4)、および水素化ビスフェノールAからなる群から選ばれる1種類以上のジオール(y1)の含有量は、保存安定性の観点から、好ましくは30モル%以上、さらに好ましくは45モル%以上、とくに好ましくは55モル%以上である。
線形ポリエステル樹脂(A)の構成単位となるカルボン酸成分(x)のうち、芳香族モノカルボン酸(x1)としては、炭素数7〜14の安息香酸およびその誘導体(誘導体とは、安息香酸の芳香環の1個以上の水素が、炭素数1〜7の炭化水素基もしくはアシル基に置換された構造を有するものを意味する。例えば、安息香酸、4−フェニル安息香酸、パラ−tert−ブチル安息香酸、トルイル酸、オルト−ベンゾイル安息香酸、およびナフトエ酸。)、並びに炭素数8〜14の芳香族置換基を有する酢酸の誘導体(誘導体とは、酢酸のカルボキシル基に含まれる以外の1個以上の水素が、炭素数6〜12の芳香族基に置換された構造を有するものを意味する。例えば、ジフェニル酢酸、フェノキシ酢酸、およびα−フェノキシプロピオン酸。)等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。これらのうち好ましくは、炭素数7〜14の安息香酸およびその誘導体であり、さらに好ましくは安息香酸である。
ポリカルボン酸(x2)としては、ジカルボン酸(x21)および3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸(x22)が挙げられる。
ジカルボン酸(x21)としては、炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸(例えばコハク、アジピン、およびセバシン酸)およびアルケニルコハク酸(例えばドデセニルコハク酸);炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸〔例えばダイマー酸(2量化リノール酸)〕;炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸(例えばマレイン、フマル、シトラコン、およびメサコン酸);炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル、イソフタル、テレフタル、およびナフタレンジカルボン酸等);およびこれらのエステル形成性誘導体〔例えば、無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)等〕;等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルカンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸、並びにこれらのエステル形成性誘導体である。
3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸(x22)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット、およびピロメリット酸等)、炭素数6〜36の脂肪族ポリカルボン酸(ヘキサントリカルボン酸等)、およびこれらのエステル形成性誘導体等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
これらのうち好ましいものは、トリメリット酸およびピロメリット酸、並びにこれらのエステル形成性誘導体である。
線形ポリエステル樹脂(A)のカルボン酸成分(x)中には、保存安定性の観点から、芳香族モノカルボン酸(x1)を含有するのが好ましい。(x)中の(x1)の含有量は、好ましくは60モル%以下、さらに好ましくは1〜55モル%、とくに好ましくは20〜50モル%である。
本発明における線形ポリエステル樹脂(A)は、通常のポリエステル製造法と同様にして製造することができる。例えば、不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気中で、ポリオール成分(y)とカルボン酸成分(x)とを、反応温度が好ましくは150〜280℃、さらに好ましくは160〜250℃、とくに好ましくは170〜235℃で反応させることにより行うことができる。また反応時間は、重縮合反応を確実に行う観点から、好ましくは30分以上、とくに2〜40時間である。
ポリオール成分(y)とカルボン酸成分(x)との反応比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/2、さらに好ましくは1.5/1〜1/1.3、とくに好ましくは1.3/1〜1/1.2である。
このとき必要に応じてエステル化触媒を使用することができる。エステル化触媒の例には、反応性と環境保護の点から、チタン、アンチモン、ジルコニウム、ニッケル、およびアルミニウムから選ばれる一種以上の金属を含有するエステル化触媒を用いるのが好ましく、チタン含有触媒を用いるのがさらに好ましい。
チタン含有触媒としては、チタンアルコキシド、シュウ酸チタン酸カリウム、テレフタル酸チタン、特開2006−243715号公報に記載の触媒〔チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムモノヒドロキシトリス(トリエタノールアミネート)、およびそれらの分子内重縮合物等〕、および特開2007−11307号公報に記載の触媒(チタントリブトキシテレフタレート、チタントリイソプロポキシテレフタレート、およびチタンジイソプロポキシジテレフタレート等)等が挙げられる。
アンチモン含有触媒としては、三酸化アンチモン等が挙げられる。
ジルコニウム含有触媒としては、酢酸ジルコニル等が挙げられる。
ニッケル含有触媒としては、ニッケルアセチルアセトナート等が挙げられる。
アルミニウム含有触媒としては、水酸化アルミニウム、アルミニウムトリイソプロポキシド等が挙げられる。
触媒の添加量は、反応速度が最大になるように適宜決定することが望ましい。添加量としては、全原料に対し、好ましくは10ppm〜1.9%、さらに好ましくは100ppm〜1.7%である。添加量を10ppm以上とすることで反応速度が大きくなる点で好ましい。
上記および以下において、%は、特に断りの無い場合は重量%を意味する。
本発明に用いる線形ポリエステル樹脂(A)の酸価(mgKOH/g、以下同じ)は、0〜20であり、好ましくは0〜18、さらに好ましくは0〜15である。酸価が20を越えると帯電特性が低下する。
(A)の水酸基価(mgKOH/g、以下同じ)は、好ましくは0〜50、さらに好ましくは0〜40、とくに好ましくは、0〜30である。水酸基価が50以下であると耐ホットオフセット性がより良好となる。
本発明における酸価および水酸基価は、JIS K0070に規定の方法で測定される。
線形ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度〔Tg〕は、45℃〜80℃であり、好ましくは50℃〜70℃である。Tgが80℃を越えると低温定着性が低下する。またTgが45℃未満であると耐ブロッキング性が悪くなる。
上記および以下において、ガラス転移温度〔Tg〕はセイコー電子工業(株)製DSC20、SSC/580を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。
(A)のフロー軟化点〔Tm〕は、とくに制限されないが、好ましくは60℃〜110℃であり、さらに好ましくは70℃〜100℃である。Tmが、60℃以上であると耐ホットオフセット性が良好であり、また、110℃以下であると定着性が良好である。
なお、上記および以下において、フロー軟化点〔Tm〕は、フローテスターを用いて、下記条件で等速昇温し、その流出量が1/2になる温度のことである。
装置 : 島津(株)製 フローテスター CFT−500D
荷重 : 20kg
ダイ : 1mmΦ−1mm
昇温速度 : 6℃/min.
(A)は、フロー軟化点〔Tm〕(℃)とガラス転移温度〔Tg〕(℃)の差(Tm−Tg)が35℃以下である。(Tm−Tg)は、好ましくは34℃以下、さらに好ましくは33℃以下である。(Tm−Tg)が35℃を越えると、低温定着性が低下する。
(Tm−Tg)を35℃以下とする方法としては、分子量を小さくして〔Tm〕を低くし、酸価を高くするなどにより共有結合以外の結合(水素結合、分子間力等)で〔Tm〕を上げずに〔Tg〕を上げる方法、結晶性可塑剤(ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム等)を添加し、〔Tg〕を下げずに〔Tm〕を下げる方法等が挙げられる。
線形ポリエステル樹脂(A)のテトラヒドロフラン(THF)可溶分のピークトップ分子量(以下Mpと記載)は2500以下であり、1000〜2400であることが好ましい。Mpが2500を越えると低温定着性が低下する。
なお、上記および以下においてポリエステル樹脂のTHF可溶分の数平均分子量(以下Mnと記載)、Mpは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定される。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25%のTHF溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
得られたクロマトグラム上最大のピーク高さを示す分子量をピークトップ分子量(Mp)と称する。
本発明に用いるトナーバインダーは、低温定着性と耐オフセット性を両立させる点から、線形ポリエステル樹脂(A)と共に非線形ポリエステル樹脂(B)を含有する。
本発明に用いる非線形ポリエステル樹脂(B)は、芳香族モノカルボン酸(x1)および/またはポリカルボン酸(x2)から構成されるカルボン酸成分(x)と、ポリオール成分(y)とが重縮合されて得られる。
(B)は、通常、前記の芳香族モノカルボン酸(x1)および/またはジカルボン酸(x21)、および前記のジオール(y2)と共に、前記の3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸(x22)および/または3価〜8価またはそれ以上のポリオール(y3)を反応させて得られる。
ポリオール成分(y)〔本項では、重縮合反応中に系外に除かれるものを除いた、非線形ポリエステル樹脂(B)の構成単位となるポリオール成分を意味する。〕中の炭素数2〜12のアルキレングリコールの割合は、機械的強度の観点から、好ましくは85〜100モル%、さらに好ましくは90〜100モル%である。
特に、(y)中のエチレングリコールの含有量は、機械的強度の観点から、好ましくは90〜100モル%、さらに好ましくは95〜100モル%、とくに好ましくは100モル%である。
前記の芳香族モノカルボン酸(x1)は、保存安定性の観点から、全体のカルボン酸成分(x)に対し、好ましくは30モル%以下、さらに好ましくは1〜25モル%、とくに好ましくは2〜20モル%である。
また、カルボン酸成分(x)とポリオール成分(y)との合計中の、3〜8価またはそれ以上のポリオール(y3)、および3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸(x22)の合計の割合は0.1〜15モル%が好ましく、さらに好ましくは0.2〜12モル%である。0.1モル%以上ではトナーの保存性が良好となり、15モル%以下ではトナーの帯電特性が良好となる。
芳香族モノカルボン酸(x1)およびポリカルボン酸(x2)から構成されるカルボン酸成分(x)と、ポリオール成分(y)とを重縮合させて非線形ポリエステル樹脂(B)を製造する場合の方法としては、特に限定されず、(x1)と(x2)の混合物と(y)とを一括して重縮合させることもできるが、先に(x2)の少なくとも一部と(y)とを、(y)の水酸基が過剰となるような当量比で重縮合させた後、得られた重縮合物(B0)の水酸基と(x1)のカルボキシル基を反応させて、さらに重縮合させるのが好ましい。必要により、(B0)と(x1)との重縮合後に、3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸(x22)を投入して、さらに重縮合させてもよい。
非線形ポリエステル樹脂(B)を製造する際の、カルボン酸成分(x)とポリオール成分(y)との重縮合は、公知のエステル化反応を利用して行うことができる。一般的な方法として、例えば、不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気中で、重合触媒の存在下、反応温度が好ましくは150〜280℃、さらに好ましくは180〜270℃、とくに好ましくは200〜260℃で反応させることにより行うことができる。また反応時間は、重縮合反応を確実に行う観点から、好ましくは30分以上、とくに2〜40時間である。
反応末期の反応速度を向上させるために減圧することも有効である。
前記第一段階の、ポリオール成分(y)とポリカルボン酸(x2)の少なくとも一部との反応における反応比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/1、さらに好ましくは1.5/1〜1.01/1、とくに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
また、(B)の製造に用いる全てのポリオール成分(y)と全てのカルボン酸成分(x)の比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/2、さらに好ましくは1.5/1〜1/1.3、とくに好ましくは1.3/1〜1/1.2である。
非線形ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度〔Tg〕は、好ましくは45℃〜80℃であり、さらに好ましくは50℃〜70℃である。Tgが80℃以下であると低温定着性が向上する。またTgが45℃以上であると耐ブロッキング性が良好である。
(B)のフロー軟化点〔Tm〕は、とくに制限されないが、好ましくは90℃〜170℃であり、さらに好ましくは120℃〜160℃である。Tmが、90℃以上であると耐ホットオフセット性が良好であり、また、170℃以下であると定着性が良好である。
非線形ポリエステル樹脂(B)のテトラヒドロフラン(THF)可溶分のMpは、2000〜12000であることが好ましく、3000〜10000であることがさらに好ましい。
非線形ポリエステル樹脂(B)中のTHF不溶解分は、低温定着性の点から、3〜50%が好ましい。さらに好ましくは5〜40%、とくに好ましくは10〜35%である。THF不溶解分が50%以下であると、画像の光沢度(グロス)が良好である。
本発明におけるTHF不溶解分は、以下の方法で求めたものである。
試料0.5gに50mlのTHFを加え、3時間撹拌還流させる。冷却後、グラスフィルターにて不溶解分をろ別し、グラスフィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥する。グラスフィルター上の乾燥した樹脂分の重量と試料の重量比から、不溶解分を算出する。なお、このろ液をTHF可溶分としてGPC測定に使用する。
非線形ポリエステル樹脂(B)の酸価と水酸基価の和は、好ましくは3〜40、さらに好ましくは10〜40、とくに好ましくは18〜39である。酸価と水酸基価の和が3以上では保存安定性が良好で、40以下であると帯電安定性が向上する。
また、非線形ポリエステル樹脂(B)の酸価は、好ましくは3〜40、さらに好ましくは10〜38であり、水酸基価は、好ましくは0〜30、さらに好ましくは0〜10である。
線形ポリエステル樹脂(A)と非線形ポリエステル樹脂(B)の重量比〔(A)/(B)〕は、低温定着性と耐ホットオフセット性および粉砕性との両立の点で、好ましくは90/10〜20/80、さらに好ましくは80/20〜30/70である。
本発明のトナーバインダーは、その特性を損なわない範囲で、トナーバインダーとして通常用いられる他の樹脂を含有してもよい。他の樹脂としては、例えば、Mnが1000〜100万の(A)、(B)以外のポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、ポリオレフィン樹脂にビニル樹脂がグラフトした構造を有する樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂が挙げられる。他の樹脂は、(A)および(B)とブレンドしてもよいし、一部反応させてもよい。他の樹脂の含有量は、好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下である。
本発明のトナー組成物は、本発明のトナーバインダーと、着色剤、および必要により、離型剤、荷電制御剤、流動化剤等から選ばれる1種以上のトナー用添加剤を含有する。
着色剤としては、トナー用着色剤として使用されている染料、顔料等のすべてを使用することができる。具体的には、カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトロアニリンレッド、トルイジンレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンBおよびオイルピンクOP等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。また、必要により磁性粉(鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属の粉末もしくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の化合物)を着色剤としての機能を兼ねて含有させることができる。
離型剤としては、軟化点が50〜170℃のものが好ましく、ポリオレフィンワックス、天然ワックス、炭素数30〜50の脂肪族アルコール、炭素数30〜50の脂肪酸およびこれらの混合物等が挙げられる。
ポリオレフィンワックスとしては、オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセンおよびこれらの混合物等)の(共)重合体[(共)重合により得られるものおよび熱減成型ポリオレフィンを含む]、オレフィンの(共)重合体の酸素および/またはオゾンによる酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物[例えばマレイン酸およびその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチルおよびマレイン酸ジメチル等)変性物]、オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸および無水マレイン酸等]および/または不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステルおよびマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル等]等との共重合体、およびサゾールワックス等が挙げられる。
天然ワックスとしては、例えばカルナウバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックスおよびライスワックスが挙げられる。炭素数30〜50の脂肪族アルコールとしては、例えばトリアコンタノールが挙げられる。炭素数30〜50の脂肪酸としては、例えばトリアコンタンカルボン酸が挙げられる。
荷電制御剤としては、ニグロシン染料、3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸金属塩、ベンジル酸のホウ素錯体、スルホン酸基含有ポリマー、含フッ素系ポリマー、ハロゲン置換芳香環含有ポリマー等が挙げられる。
流動化剤としては、コロイダルシリカ、アルミナ粉末、酸化チタン粉末、炭酸カルシウム粉末等が挙げられる。
本発明のトナー組成物の組成比は、トナー重量に基づき、本発明のトナーバインダーが、好ましくは30〜97%、さらに好ましくは40〜95%、とくに好ましくは45〜92%;着色剤が、好ましくは0.05〜60%、さらに好ましくは0.1〜55%、とくに好ましくは0.5〜50%;トナー用添加剤のうち、離型剤が、好ましくは0〜30%、さらに好ましくは0.5〜20%、とくに好ましくは1〜10%;荷電制御剤が、好ましくは0〜20%、さらに好ましくは0.1〜10%、とくに好ましくは0.5〜7.5%;流動化剤が、好ましくは0〜10%、さらに好ましくは0〜5%、とくに好ましくは0.1〜4%である。また、トナー用添加剤の合計含有量は、好ましくは3〜70%、さらに好ましくは4〜58%、とくに好ましくは5〜50%である。トナーの組成比が上記の範囲であることで帯電性が良好なものを容易に得ることができる。
本発明のトナー組成物は、混練粉砕法、乳化転相法、重合法等の従来より公知のいずれの方法により得られたものであってもよい。例えば、混練粉砕法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を乾式ブレンドした後、溶融混練し、その後粗粉砕し、最終的にジェットミル粉砕機等を用いて微粒化して、さらに分級することにより、体積平均粒径(D50)が好ましくは5〜20μmの微粒とした後、流動化剤を混合して製造することができる。なお、粒径(D50)はコールターカウンター[例えば、商品名:マルチサイザーIII(コールター社製)]を用いて測定される。
また、乳化転相法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を有機溶剤に溶解または分散後、水を添加する等によりエマルジョン化し、次いで分離、分級して製造することができる。トナーの体積平均粒径は、3〜15μmが好ましい。
本発明のトナー組成物は、必要に応じて鉄粉、ガラスビーズ、ニッケル粉、フェライト、マグネタイトおよび樹脂(アクリル樹脂、シリコーン樹脂等)により表面をコーティングしたフェライト等のキャリアー粒子と混合されて電気的潜像の現像剤として用いられる。トナーとキャリアー粒子との重量比は、好ましくは1/99〜100/0である。また、キャリア粒子の代わりに帯電ブレード等の部材と摩擦し、電気的潜像を形成することもできる。
本発明のトナー組成物は、複写機、プリンター等により支持体(紙、ポリエステルフィルム等)に定着して記録材料とされる。支持体に定着する方法としては、公知の熱ロール定着方法、フラッシュ定着方法等が適用できる。
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、部は重量部を示す。
製造例1[線形ポリエステル樹脂(A1)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、無水フタル酸110部(51.7モル%)、ビスフェノールS・エチレンオキサイド2モル付加物400部(100.0モル%)、安息香酸85部(48.3モル%)、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら3時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になるまで反応させた。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A1)とする。
(A1)のTgは58℃、Tmは91℃(Tm−Tg:33℃)、Mpは2400、酸価は1、水酸基価は30であった。
なお、( )内のモル%は、カルボン酸成分またはポリオール成分中のモル%を意味する(以下同様)。
製造例2[線形ポリエステル樹脂(A2)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、コハク酸110部(56.1モル%)、水素化ビスフェノールA430部(100.0モル%)、安息香酸100部(39.3モル%)重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら3時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になるまで反応させた。さらに、無水トリメリット酸15部(4.6モル%)を加え、常圧下で1時間反応させた。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A2)とする。
(A2)のTgは58℃、Tmは90℃(Tm−Tg:32℃)、Mpは1800、酸価は14、水酸基価は18であった。
製造例3[線形ポリエステル樹脂(A3)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、コハク酸110部(52.4モル%)、ビスフェノールA・アセチル化物(ビスフェノールAと無水酢酸をモル比1:3で80℃、還流下で合成)430部(100.0モル%)を入れ、140℃で2時間反応させた。次いでtert−ブチル安息香酸180部(47.6モル%)を入れ、140℃で2時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下で反応させ、酸価が2以下になるまで反応させた。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A3)とする。
(A3)のTgは45℃、Tmは78℃(Tm−Tg:33℃)、Mpは1900、酸価は1、水酸基価は0であった。
製造例4[線形ポリエステル樹脂(A4)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、コハク酸110部(52.2モル%)、ビスフェノールS・アセチル化物(ビスフェノールSと無水酢酸をモル比1:3で80℃、還流下で合成)430部(100.0モル%)を入れ、140℃で2時間反応させた。次いでtert−ブチル安息香酸180部(47.8モル%)を入れ、140℃で2時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下で反応させ、酸価が2以下になるまで反応させた。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A4)とする。
(A4)のTgは50℃、Tmは84℃(Tm−Tg:34℃)、Mpは2000、酸価は0、水酸基価は0であった。
製造例5[線形ポリエステル樹脂(A5)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、無水フタル酸110部(58.0モル%)、ビスフェノールS・エチレンオキサイド2モル付加物415部(100.0モル%)、tert−ブチル安息香酸81部(35.7モル%)、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら3時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になるまで反応させた。さらに、無水トリメリット酸15部(6.3モル%)を加え、常圧下で1時間反応させた。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A5)とする。
(A5)のTgは62℃、Tmは96℃(Tm−Tg:34℃)、Mpは2400、酸価は15、水酸基価は40であった。
製造例6[線形ポリエステル樹脂(A6)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、コハク酸120部(66.3モル%)、水素化ビスフェノールA420部(100.0モル%)、tert−ブチル安息香酸89部(27.2モル%)、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら3時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になるまで反応させた。さらに、無水トリメリット酸23部(6.4モル%)を加え、常圧下で1時間反応させた。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A6)とする。
(A6)のTgは58℃、Tmは89℃(Tm−Tg:31℃)、Mpは1900、酸価は17、水酸基価は37であった。
製造例7[線形ポリエステル樹脂(A7)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、コハク酸82部(68.1モル%)、ビスフェノールA・アセチル化物(ビスフェノールAと無水酢酸をモル比1:3で80℃、還流下で合成)385部(100.0モル%)を入れ、140℃で2時間反応させた。次いでtert−ブチル安息香酸60部(28.2モル%)を入れ、140℃で2時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下で反応させ、酸価が2以下になるまで反応させた。さらに、無水トリメリット酸9部(3.7モル%)を加え、常圧下で1時間反応させた。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A7)とする。
(A7)のTgは50℃、Tmは84℃(Tm−Tg:34℃)、Mpは2100、酸価は8、水酸基価は45であった。
製造例8[線形ポリエステル樹脂(A8)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、コハク酸78部(68.0モル%)、ビスフェノールS・アセチル化物(ビスフェノールSと無水酢酸をモル比1:3で80℃、還流下で合成)390部(100.0モル%)を入れ、140℃で2時間反応させた。次いでtert−ブチル安息香酸57部(28.1モル%)を入れ、140℃で2時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下で反応させ、酸価が2以下になるまで反応させた。さらに、無水トリメリット酸9部(3.9モル%)を加え、常圧下で1時間反応させた。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A8)とする。
(A8)のTgは55℃、Tmは89℃(Tm−Tg:34℃)、Mpは2200、酸価は6、水酸基価は40であった。
製造例9[線形ポリエステル樹脂(A9)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、無水マレイン酸140部(67.1モル%)、ビスフェノールA470部(100.0モル%)を入れ、140℃で2時間反応させた。次いで安息香酸72部(27.3モル%)を入れ、140℃で2時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下で反応させ、酸価が2以下になるまで反応させた。さらに、無水トリメリット酸23部(5.5モル%)を加え、常圧下で1時間反応させた。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A9)とする。
(A9)のTgは58℃、Tmは93℃(Tm−Tg:35℃)、Mpは2300、酸価は18、水酸基価は40であった。
製造例10[線形ポリエステル樹脂(A10)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、無水マレイン酸115部(66.7モル%)、ビスフェノールS435部(100.0モル%)を入れ、140℃で2時間反応させた。次いで安息香酸62.0部(28.5モル%)を入れ、140℃で2時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下で反応させ、酸価が2以下になるまで反応させた。さらに、無水トリメリット酸16部(4.8モル%)を加え、常圧下で1時間反応させた。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A10)とする。
(A10)のTgは57℃、Tmは91℃(Tm−Tg:34℃)、Mpは2400、酸価は14、水酸基価は45であった。
製造例11[線形ポリエステル樹脂(A11)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、無水フタル酸220部(64.4モル%)、水素化ビスフェノールA180部(55.0モル%)、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物:ニューポールBP−2P(三洋化成工業製:プロピレンオキサイド2モル付加物)215部(45.0モル%)を入れ、140℃で2時間反応させた。次いで安息香酸68部(28.0モル%)を入れ、140℃で2時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になるまで反応させた。さらに、無水トリメリット酸(7.6モル%)20部を加え、常圧下で1時間反応させた。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A11)とする。
(A11)のTgは56℃、Tmは91℃(Tm−Tg:35℃)、Mpは2400、酸価は18、水酸基価は38であった。
製造例12[非線形ポリエステル樹脂(B1)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸388部(44.5モル%)、イソフタル酸388部(44.5モル%)、アジピン酸21部(2.8モル%)、エチレングリコール600部(100.0モル%)、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート0.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、安息香酸17部(2.6モル%)を加え、常圧下で3時間反応させた。さらに、無水トリメリット酸57部(5.7モル%)を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ所定の軟化点で取り出した。回収されたエチレングリコールは280部であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(B1)とする。
(B1)のMpは8000、Tgは60℃、Tmは145℃、酸価は26、水酸基価は1であった。
製造例13
[非線形ポリエステル樹脂(B2)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸298.9部(58.5モル%)、イソフタル酸128部(25.1モル%)、アジピン酸4部(0.8モル%)、エチレングリコール320部(100.0モル%)、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート0.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、安息香酸31部(8.3モル%)を加え、常圧下で3時間反応させた。さらに、無水トリメリット酸43部(7.3モル%)を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ所定の軟化点で取り出した。回収されたエチレングリコールは225部であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(B2)とする。
(B2)のMpは5000、Tgは65℃、Tmは155℃、酸価は18、水酸基価は1であった。
比較製造例1[比較用線形ポリエステル樹脂(RA1)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、無水フタル酸125部(100.0モル%)、水素化ビスフェノールA390部(100.0モル%)、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら3時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になるまで反応させた。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(RA1)とする。
(RA1)のTgは65℃、Tmは110℃(Tm−Tg:45℃)、Mpは2800、酸価は1、水酸基価は110であった。
比較製造例2[比較用線形ポリエステル樹脂(RA2)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、コハク酸155部(88.4モル%)、水素化ビスフェノールA600部(100.0モル%)、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら3時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になるまで反応させた。さらに、無水トリメリット酸40部(11.6モル%)を加え、常圧下で1時間反応させた。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(RA2)とする。
(RA2)のTgは62℃、Tmは100℃(Tm−Tg:38℃)、Mpは2000、酸価は30、水酸基価は90であった。
比較製造例3[比較用線形ポリエステル樹脂(RA3)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、無水フタル酸115部(100.0モル%)、水素化ビスフェノールA115部(30.9モル%)、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物:ニューポールBP−2P(三洋化成工業製:プロピレンオキサイド2モル付加物)380部(69.1モル%)、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3.0部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら3時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になるまで反応させた。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(RA3)とする。
(RA3)のTgは36℃、Tmは74℃(Tm−Tg:38℃)、Mpは1400、酸価は1、水酸基価は150であった。
製造例1〜11、比較製造例1〜3で得られた、線形ポリエステル樹脂(A1)〜(A11)、および比較用線形ポリエステル樹脂(RA1)〜(RA3)と、製造例12、13で得られた非線形ポリエステル樹脂(B1)、(B2)を、表1の割合でプラストミルに入れ、140℃で5分間撹拌して溶融混合し、本発明のトナーバインダー(TB1)〜(TB14)、および比較のトナーバインダー(RTB1)〜(RTB3)を得た。これらの樹脂の各トナーバインダー100部に対して、シアニンブルーKRO(山陽色素製)8部、カルナバワックス5部を加え、下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサー[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、体積平均粒径(D50)が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー組成物(T1)〜(T14)、および比較のトナー組成物(RT1)〜(RT3)を得た。
下記評価方法で評価した評価結果を表1に示す。
Figure 0005524719
[評価方法]
〔1〕最低定着温度(MFT)
市販複写機(AR5030;シャープ製)を用いて現像した未定着画像を、市販複写機(AR5030;シャープ製)の定着機を用いて評価した。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって最低定着温度とした。
〔2〕ホットオフセット発生温度(HOT)
上記MFTと同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。ホットオフセットが発生した定着ロール温度をもってホットオフセット発生温度とした。
〔3〕耐ブロッキング性
試料10.0gを200mlポリカップに入れ、40℃の循風乾燥機中で静置した。5日後、乾燥機から取り出し、試料の流動性を確認した。
(判定)
◎:カップを傾けると流れる。
○:カップを傾け、スパチュラでつつくと流れる。
△:カップを傾け、スパチュラで強くつつくと流れる。
×:カップを傾け、スパチュラで強くつついても流れない。
判定が○以上のものが耐ブロッキング性良好と判断される。
〔4〕帯電安定性
トナー組成物0.5gとフェライトキャリア(パウダーテック社製、F−150)20gとを50mlのガラス瓶に入れ、これを23℃、50%R.H.で8時間以上調湿した後、ターブラーシェーカーミキサーにて50rpm×10及び60分間摩擦撹拌し、それぞれの時間毎に帯電量を測定した。測定にはブローオフ帯電量測定装置[東芝ケミカル(株)製]を用いた。摩擦時間60分の帯電量/摩擦時間10分の帯電量を計算し、帯電安定性とした。
帯電安定性の評価基準
◎:0.8以上
○:0.7以上、0.8未満
△:0.6以上、0.7未満
×:0.6未満
以上の通り、本発明のトナーバインダーを用いた本発明のトナー組成物(実施例1〜14)は、比較のトナーバインダーを用いた比較のトナー組成物に比べて、いずれも著しく良好な結果が得られた。
本発明のトナー組成物は、低温定着性、耐ブロッキング性、および帯電安定性に優れる静電荷像現像用トナー、とくにカラー用トナーとして有用である。

Claims (6)

  1. 線形ポリエステル樹脂(A)と非線形ポリエステル樹脂(B)から構成されるトナーバインダーにおいて、(A)のピークトップ分子量が2500以下、ガラス転移温度〔Tg〕が45〜80℃、〔Tg〕とフロー軟化点〔Tm〕との関係がTm−Tg≦35(℃)であり、かつ酸価が0〜20(mgKOH/g)であり、(A)が芳香族モノカルボン酸(x1)および/またはポリカルボン酸(x2)から構成されるカルボン酸成分(x)と、ポリオール成分(y)とが重縮合されてなるポリエステル樹脂であって、ポリオール成分(y)中にビスフェノールA、ビスフェノールAのアセチル化物、ビスフェノールS、ビスフェノールSのアセチル化物、ビスフェノールSのポリオキシアルキレンエーテル(オキシアルキレン単位の数2〜4)、および水素化ビスフェノールAからなる群から選ばれる1種類以上(y1)を30モル%以上含有することを特徴とするトナーバンダー。
  2. カルボン酸成分(x)が芳香族モノカルボン酸(x1)を含み、芳香族モノカルボン酸(x1)が、炭素数7〜14の安息香酸およびその誘導体のうち少なくとも1種類を含有する、請求項記載のトナーバインダー。
  3. 非線形ポリエステル樹脂(B)が、芳香族モノカルボン酸(x1)および/またはポリカルボン酸(x2)から構成されるカルボン酸成分(x)と、ポリオール成分(y)とが重縮合されてなるポリエステル樹脂であって、ポリオール成分(y)の85〜100モル%が炭素数2〜12のアルキレングリコールである、請求項1又は2記載のトナーバンダー。
  4. 非線形ポリエステル樹脂(B)のフロー軟化点〔Tm〕が90〜170℃であり、ピークトップ分子量が2000〜12000ある、請求項1〜3のいずれか記載のトナーバンダー。
  5. 線形ポリエステル樹脂(A)と非線形ポリエステル樹脂(B)の重量比〔(A)/(B)〕が、90/10〜20/80である、請求項1〜のいずれか記載のトナーバンダー。
  6. 請求項1〜のいずれか記載のトナーバインダー、着色剤、並びに、必要により離型剤、荷電制御剤、および流動化剤から選ばれる一種以上の添加剤を含有するトナー組成物。
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