JP2009008124A - 一方向クラッチ - Google Patents
一方向クラッチ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009008124A JP2009008124A JP2007167952A JP2007167952A JP2009008124A JP 2009008124 A JP2009008124 A JP 2009008124A JP 2007167952 A JP2007167952 A JP 2007167952A JP 2007167952 A JP2007167952 A JP 2007167952A JP 2009008124 A JP2009008124 A JP 2009008124A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- clutch
- claw
- bodies
- urging means
- driven
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
Abstract
【課題】静音性及び耐久性にも優れた一方向クラッチを提供する。
【解決手段】一方向クラッチ1は、PTO出力軸41とPTO伝動軸42との間に介在し、PTO出力軸41には駆動側クラッチ体2がスプライン係合され、PTO伝動軸42には従動側クラッチ体3がスプライン係合されると共に、両クラッチ体2,3は対向して配置されている。従動側クラッチ体3のボス部3bの外周面3b2にはリターンスプリングが設けられ、内周面3b3には対向スプリング5が設けられており、逆転時に従動側クラッチ体3が、駆動側クラッチ体2に近接しても、対向スプリング5の復元力によって両クラッチ体2,3が互いに接触することはない。
【選択図】図1
【解決手段】一方向クラッチ1は、PTO出力軸41とPTO伝動軸42との間に介在し、PTO出力軸41には駆動側クラッチ体2がスプライン係合され、PTO伝動軸42には従動側クラッチ体3がスプライン係合されると共に、両クラッチ体2,3は対向して配置されている。従動側クラッチ体3のボス部3bの外周面3b2にはリターンスプリングが設けられ、内周面3b3には対向スプリング5が設けられており、逆転時に従動側クラッチ体3が、駆動側クラッチ体2に近接しても、対向スプリング5の復元力によって両クラッチ体2,3が互いに接触することはない。
【選択図】図1
Description
トラクタ等の作業車輌に用いられて好適な一方向クラッチに関し、詳しくは、駆動側及び従動側のクラッチ体に爪部が設けられた一方向クラッチに関する。
従来、駆動軸(原動軸)及び従動軸に円盤状のクラッチ体を対向して配設し、該両クラッチ体の対向面に単一の爪部を設けると共に、爪部の底部(対向端部間)に緩衝部材を配置した一方向クラッチが案出されている(特許文献1参照)。
該一方向クラッチは、駆動軸から従動軸への動力伝達に対しては上記爪部が係合し動力伝達すると共に、従動軸から駆動軸への動力伝達に対しては該爪部が係合せずに両クラッチ体同士が空転し、クラッチが切断されるように構成されている。この爪部はクラッチ体の対向面の略々全周に亘って設けられ、緩やかに傾斜した滑動斜面を有しており、該滑動斜面の始端部と、終端部の間の対向面である爪部の底部(対向端部間)には緩衝部材が配置されている。
特許文献1の発明では、クラッチ切断時に両クラッチ体が空転する際、両爪部が互いに乗り越えて一方のクラッチ体の爪部と他方のクラッチ体の爪部の底部とが衝突し、該衝突により発生する打音を爪部の底部に緩衝部材を配置することによって緩和していた。
しかし、上記のように緩衝部材を爪部の底部に配置しても、クラッチ切断時、クラッチ体同士は依然として衝突を繰り返すため、一定の打音が生じてしまうと共に、緩衝部材の磨耗も避けることができなかった。また、複数の爪部を有する一方向クラッチの場合、爪部の数だけ緩衝部材を設けなければならず、部品点数及び製造コストが増大してしまう。
そこで、本発明は、両クラッチ体の爪部が互いに係合するように付勢する第1付手段に加えて、両クラッチ体の一方の爪部の頂部が他方の爪部の底部に当接しないように付勢する第2付勢手段を新たに設けることによって、静音性及び耐久性にも優れた一方向クラッチを提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、駆動軸(41)及び従動軸(42)にクラッチ体(2,3)を対向して配設すると共に、該両クラッチ体(2,3)の対向面(2c,3c)に設けた爪部(10,11)によって、前記駆動軸(41)から前記従動軸(42)への動力伝達に対して係合し、逆方向の動力伝達に対して切断する一方向クラッチ(1)において、
前記両クラッチ体(2,3)の爪部(10,11)が互いに係合するように付勢する第1の付勢手段(4)と、
前記第1の付勢手段(4)の付勢力に抗して、前記両クラッチ体(2,3)の一方の爪部(11)の頂部(11b)が他方の爪部(10)の底部(2c1)に当接しないように付勢する第2の付勢手段(5)と、を備え、
前記一方向クラッチ(1)の切断時に前記両クラッチ体(2,3)が近接しても、前記一方の爪部(11)の頂部(11b)が前記他方の爪部(10)の底部(2c1)に接触しないように構成した、ことを特徴とする一方向クラッチにある。
前記両クラッチ体(2,3)の爪部(10,11)が互いに係合するように付勢する第1の付勢手段(4)と、
前記第1の付勢手段(4)の付勢力に抗して、前記両クラッチ体(2,3)の一方の爪部(11)の頂部(11b)が他方の爪部(10)の底部(2c1)に当接しないように付勢する第2の付勢手段(5)と、を備え、
前記一方向クラッチ(1)の切断時に前記両クラッチ体(2,3)が近接しても、前記一方の爪部(11)の頂部(11b)が前記他方の爪部(10)の底部(2c1)に接触しないように構成した、ことを特徴とする一方向クラッチにある。
請求項2に係る発明は、前記第1の付勢手段(4)及び第2の付勢手段(5)は、それぞれコイルスプリングからなり、
前記第1のスプリング(4)の復元力は、前記両クラッチ体(2,3)の爪部(10,11)と、前記爪部(10,11)の底部(2c1,3c1)とが近接した際に最小となり、該両クラッチ体(2,3)の爪部(10,11)の頂部(10b,11b)が当接する際に最大となるように該両クラッチ体(2,3)間の距離に比例して増減し、
前記第2のスプリング(5)の復元力は、該第1のスプリング(4)の復元力が最大の際に最小となり、該第1のスプリング(4)の復元力が最小の際に最大となるように該第1のスプリング(4)の復元力と反比例して増減すると共に、
該第1及び第2のスプリング(4,5)の復元力の釣合い位置(ロ)において前記一方の爪部(11)の頂部(11b)と、前記他方の爪部(10)の底部(2c1)との間には一定の隙間(s)が生じるように構成された、
ことを特徴とする請求項1記載の一方向クラッチにある。
前記第1のスプリング(4)の復元力は、前記両クラッチ体(2,3)の爪部(10,11)と、前記爪部(10,11)の底部(2c1,3c1)とが近接した際に最小となり、該両クラッチ体(2,3)の爪部(10,11)の頂部(10b,11b)が当接する際に最大となるように該両クラッチ体(2,3)間の距離に比例して増減し、
前記第2のスプリング(5)の復元力は、該第1のスプリング(4)の復元力が最大の際に最小となり、該第1のスプリング(4)の復元力が最小の際に最大となるように該第1のスプリング(4)の復元力と反比例して増減すると共に、
該第1及び第2のスプリング(4,5)の復元力の釣合い位置(ロ)において前記一方の爪部(11)の頂部(11b)と、前記他方の爪部(10)の底部(2c1)との間には一定の隙間(s)が生じるように構成された、
ことを特徴とする請求項1記載の一方向クラッチにある。
請求項3に係る発明は、前記一方向クラッチ(1)は、エンジンからの動力を作業機の動力取り出し軸(43)に伝達するPTO動力伝動経路間(A)の前記駆動軸(41)と前記従動軸(42)との間に介在し、前記第1の付勢手段(4)が前記従動側クラッチ体(3)の外周側に配設されると共に、前記第2の付勢手段(5)は前記従動側クラッチ体(3)の内周側に配設され、該第1及び第2の付勢手段(4,5)が該従動側クラッチ体(3)を挟んで対向して形成される、ことを特徴とする請求項1又は2記載の一方向クラッチにある。
なお、括弧内の符号等は、図面と対照するためのものであるが、これにより特許請求の範囲に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る発明によると、通常、クラッチ体に爪部を有した一方向クラッチは、切断時においてクラッチ体が爪部を乗り越えて空転する際に、クラッチ体同士が近接し、一方のクラッチ体の爪部頂部と、他方のクラッチ体の爪部の底部とが接触して打音を生じていたが、
両クラッチ体を軸方向に近接させる第1の付勢手段の他に、該両クラッチ体を軸方向に離間させる方向に付勢する第2の付勢手段を設けたことによって、爪部を乗り越える際のクラッチ体間の接触を解消し、打音による騒音を大幅に低減すると共に、クラッチ体の耐久性をも向上することができる。
両クラッチ体を軸方向に近接させる第1の付勢手段の他に、該両クラッチ体を軸方向に離間させる方向に付勢する第2の付勢手段を設けたことによって、爪部を乗り越える際のクラッチ体間の接触を解消し、打音による騒音を大幅に低減すると共に、クラッチ体の耐久性をも向上することができる。
請求項2に係る発明によると、第1及び第2の付勢手段をコイルスプリングによって構成し、該第1の付勢手段の復元力と、該第2の付勢手段の復元力と、の関係を、その釣合い位置において前記一方のクラッチ体の爪部の頂部と、前記他方のクラッチ体の爪部の底部と、の間に一定の隙間が生じるようにしたことにより、クラッチ体間の接触により生じていた打音を低減することができると共に、該クラッチ体間の摺動により生じていた磨耗を低減させることもできる。
請求項3に係る発明によると、第1の付勢手段を前記従動側クラッチ体の外周側に配設し、第2の付勢手段を前記従動側クラッチ体の内周側に配設し、該第1及び第2の付勢手段が該従動側クラッチ体を挟んで対向して形成されることにより、簡単な構造でクラッチ体間の接触に起因する打音による騒音を低減することができると共に、クラッチ体の耐久性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図5に示すようにトラクタ20は、前輪21及び後輪22に支持された走行機体23を有しており、走行機体23の前部にはボンネット24に覆われてエンジン及びバッテリー50が配置されている。該エンジンの下方から後方に向かっては、ミッションケース31が延設されていると共に、機体中央部から後方にかけて、ステアリングハンドル25及び運転席26からなる操縦部が設けられている。
また、運転席26の後方には安全フレーム28が設けられ、機体後部には作業機を取付ける三点リンク機構29及び該作業機を駆動させるPTO軸(動力取り出し軸)43が設けられている。
なお、上記バッテリー50は、図6に示すようにバッテリー収納用の凹部に納められており、該凹部の底面52はスプリング53により上方に付勢されている。また、鍵爪部51aを有した板状部材である一対のバッテリー保持部材51,51が該凹部の上面54にスプリングヒンジによって取付けられており、バッテリー50側に回動することによって、バッテリー50の上面を該鍵爪51aによって常に下方に付勢している。
従って、バッテリー50は、上述した底面52からの上方への付勢力と、バッテリー保持部材51からの下方への付勢力と、が相俟って確実に保持されると共に、オペレータは、バッテリー保持部材51のヒンジを開閉することによって容易にバッテリー50を脱着することができ、従来のようなボルトによって固定された保持部材を外す手間がなくなった。
図4に示すように、上記ミッションケース31の内部には、エンジンからの動力を伝達する伝動軸32、主変速装置としての油圧式無段変速装置(HST)33、副変速装置34、PTO切換え装置40等からなるトランスミッション30が設けられており、該油圧式無段変速装置33により走行動力伝動経路Bと、PTO動力伝動経路Aとに分岐して動力伝達をしている。
上記走行動力伝動経路Bは、エンジンからの動力を後輪駆動軸22aへと動力伝達し、PTO動力伝動経路Aは、エンジンからの動力を作業機を駆動するためのPTO軸43へと伝達する。また、油圧式無段変速装置33は、走行出力ギヤ35を介して走行動力伝動経路Bへと動力伝達をし、PTO出力軸(駆動軸)41を介してPTO動力伝動経路Aへと動力伝達する。
走行動力伝動経路Bに設けられた副変速装置34は、走行出力ギヤ35によって回転が伝達される走行伝動軸36と、該走行伝動軸36と平行に配設された走行出力軸37とを有している。走行伝動軸36にはそれぞれ歯数の異なる3つのギヤ36a,36b,36cが設けられ、ギヤ36aは走行出力ギヤ35と常時噛合していると共に、一体に形成されたギヤ36b,36cは、走行出力軸37に軸方向移動自在に形成されたギヤ37a,37bと選択的に噛合するように構成されている。
該走行出力軸37は、不図示のディファレンシャルギアなどを介して後輪駆動軸22aに動力伝達をし、走行動力伝動経路Bが構成される。
一方、PTO動力伝動経路Aに設けられたPTO切換え装置40は、PTO伝動軸42(従動軸)と、該PTO伝動軸42と平行に配置されたPTO軸43とを有しており、PTO伝動軸42は後述する一方向クラッチ1を介してPTO出力軸41と接続している。
PTO伝動軸42には互いに歯数の異なるギヤ42a,42bが設けられており、ギヤ42aは軸方向移動自在で、PTO軸43にベアリングを介して回転自在に設けられたギヤ43aと選択的に係合・離脱可能に構成されている。また、ギヤ42bは、PTO伝動軸42に固定して設けられており、同じくPTO軸43にベアリングを介して設けられたギヤ43bと噛合している。PTO軸43のギヤ43a,43bとの間にはギヤ43bに対して選択的に係合・離脱可能なシフト部材43cが軸方向移動自在に配置されており、これにより、エンジンからの動力がPTO軸43へと伝達され、PTO動力伝動経路Aが構成されている。
次に本発明の要部である一方向クラッチについて説明する。
一方向クラッチ1は、上述したようにPTO動力伝動経路AのPTO出力軸41と、PTO伝動軸42との間に介在しており、図1に示すように、駆動側クラッチ体2と従動側クラッチ体3とが互いに対向して設けられている。
駆動側クラッチ体2は、円筒形のボス部2bと、円盤状のクラッチ部2aとからなり、該ボス部2bの内径部には内スプライン2b1が形成されて、PTO出力軸41のX2方向端に形成された外スプライン41aとスプライン係合している。また、駆動側クラッチ体2のクラッチ部2aの内径部かつボス部の前端部には抜止め8が形成されており、駆動側クラッチ体2がX1方向に移動することを防止している。
一方、従動側クラッチ体3も、円筒状のボス部3bと、円盤状のクラッチ部3aとからなり、ボス部3bの内径部には内スプライン3b1が形成され、PTO伝動軸42のX1方向端に形成された外スプライン42aとスプライン係合している。
該従動側クラッチ体3のボス部3bの外周面(外周側)3b2とPTO伝動軸42に固設された係止部材7との間にはリターンスプリング(第1の付勢手段)4が配設されており、従動側クラッチ体3を常にX1方向へと付勢している。また、PTO伝動軸42のX1方向端においてスナップリング9によりX1軸方向に固定された係止板6と、ボス部材3bの内周面(内周側)3b3との間には対向スプリング(第2の付勢手段)5が配設されており、従動側クラッチ体3をX2方向へと常に付勢している。
図2(a),(b),(c)に示すように駆動側及び従動側の両クラッチ体2,3の対向面2c,3cには複数の爪部10,11が設けられている。該爪部10,11は、滑動斜面10a,11aと、頂部10b,11bと、係合面10c,11cとからなり、駆動側及び従動側のクラッチ体2,3の頂部10b,11bと対向面3c,2cに形成される爪部3,2の底部3c1,2c1とは、スプリング4,5の復元力の関係により図2(c)に示すように一定の隙間sを有するように構成されている。
なお、該一定の隙間sは、爪部10,11の係合面10c,11cの高さtよりも大きく形成されることはなく、
0<s<t
の関係となるように構成され、隙間sが係合面10c,11cよりも大きくなって一方向クラッチ1が係合できなくなることはない。また、両クラッチ体2,3が近接した際の慣性によって生じる振り幅と、一方向クラッチ1の動力伝達率を考慮して隙間sは設定されることが望ましい。
0<s<t
の関係となるように構成され、隙間sが係合面10c,11cよりも大きくなって一方向クラッチ1が係合できなくなることはない。また、両クラッチ体2,3が近接した際の慣性によって生じる振り幅と、一方向クラッチ1の動力伝達率を考慮して隙間sは設定されることが望ましい。
以下、図2及び図3に基づいて本発明に係る一方向クラッチの作用について説明する。
例えば、オペレータが、ロータリ耕耘機(作業機)をPTO軸43に装着して作業を開始すると、一方向クラッチ1の爪部10,11の係合面10c,11cが係合し、両クラッチ体2,3が一体に回転をして(クラッチ係合時)、エンジンからの動力がPTO動力伝動経路Aにより作業機に伝達される。
耕耘作業が終わるとオペレータは、ロータリ部材が圃場の土に食い込まないようにロータリ部材の回転を停止する前に作業機を上昇させる。作業機が上昇するとロータリ部材への土からの負荷がなくなると共に、該ロータリ部材には慣性力が働くため、PTO伝動軸42とPTO出力軸41との相対的な回転が逆転し、一方向クラッチが切断される(以下、図2のように模式的に駆動側クラッチ体2を固定した状態で考え、一方向クラッチ1が係合する方向を正転、一方向クラッチ1が切断する方向を逆転という)。
図2(a)に示すようにPTO伝動軸42が逆転すると、従動側クラッチ体3の爪部11が駆動側クラッチ体2の爪部10の滑動斜面10aを登り始める。このとき、リターンスプリング4と、対向スプリング5との復元力の関係は、徐々にリターンスプリング4の復元力が大きく、対向スプリング5の復元力が小さくなる方向へと移動して行き、図3における、ロ位置(釣合い位置)からハ位置に向って移動していく状態となる。
図2(b)に示すように従動側クラッチ体3の爪部11が駆動側クラッチ体2の爪部10の滑動斜面10aを登り、頂部10bに達するとリターンスプリング4及び対向スプリング5の復元力の関係は、図3に示すハ位置の関係となり、リターンスプリング4の復元力が最大、対向スプリング5の復元力が最小となる。
次に、従動側クラッチ体3の爪部11が駆動側のクラッチ体2の爪部10を乗り越えると、該従動側クラッチ体の爪部11は、駆動側クラッチ体2の対向面2cに向って下降し、従動側クラッチ体3が駆動側クラッチ体2へと近接する。このとき、両スプリング4,5の復元力の関係は、図3に示すイ位置のような関係へと向おうとするが対向スプリング5の復元力の高まりによってロ位置へと最終的に戻る。
このリターンスプリング4と対向スプリング5の復元力の釣合いにより、従動側クラッチ体3の頂部11bが駆動側クラッチ体2の対向面2cに近接しても該従動側クラッチ体3の頂部11bと駆動側クラッチ体2の爪部10の底部2c1との間には一定の隙間sが生じ、両クラッチ体2,3は接触しない。このように一方向クラッチ1は、逆転時(クラッチ切断時)に端面接触による打音を発生することなく空転する。
また、上記のように一方向クラッチ1を設けたことにより、リターンスプリング4と、対向スプリング5との復元力の釣合いによって、従動側クラッチ体3の爪部11の頂部11bと、駆動側クラッチ体2の爪部の底部2c1との間に隙間sを形成することが可能となった。
それにより、上記従動側クラッチ体3の爪部11が駆動側クラッチ体2の爪部10を乗り越えて、両クラッチ体2,3が近接しても、該クラッチ体2,3は端面接触することがなく(もしくは緩衝されて)、接触による打音を大幅に低減することが可能となった。
また、両クラッチ体2,3間の爪部10,11とその底部3c1,2c1との接触による、クラッチ体2,3の磨耗をも低減することができ、クラッチ体2,3の耐久性を向上させることが可能となった。
更に、両クラッチ体2,3の滑動斜面10a,11a同士の摺動が少なくなることにより、滑動斜面10a,11a間の磨耗も低減し、一層のクラッチ体2,3の耐久性を向上させることも可能となると共に、リターンスプリング4と対向スプリング5とを、受動側クラッチ体3を挟んで対向して配設したことにより、簡単な構成で上記一方向クラッチを構成することができる。
1 一方向クラッチ
2,3 クラッチ体(駆動側クラッチ体,従動側クラッチ体)
2c,3c 対向面
2c1,3c1 爪部の底部
3b2 従動側クラッチ体の外周側(外周面)
3b3 従動側クラッチ体の内周側(内周面)
4 第1の付勢手段(リターンスプリング)
5 第2の付勢手段(対向スプリング)
10,11 爪部
20 トラクタ
41 駆動軸(PTO出力軸)
42 従動軸(PTO伝動軸)
43 動力取り出し軸(PTO軸)
A PTO動力伝動経路
s 隙間
ロ 釣合い位置(ロ位置)
2,3 クラッチ体(駆動側クラッチ体,従動側クラッチ体)
2c,3c 対向面
2c1,3c1 爪部の底部
3b2 従動側クラッチ体の外周側(外周面)
3b3 従動側クラッチ体の内周側(内周面)
4 第1の付勢手段(リターンスプリング)
5 第2の付勢手段(対向スプリング)
10,11 爪部
20 トラクタ
41 駆動軸(PTO出力軸)
42 従動軸(PTO伝動軸)
43 動力取り出し軸(PTO軸)
A PTO動力伝動経路
s 隙間
ロ 釣合い位置(ロ位置)
Claims (3)
- 駆動軸及び従動軸にクラッチ体を対向して配設すると共に、該両クラッチ体の対向面に設けた爪部によって、前記駆動軸から前記従動軸への動力伝達に対して係合し、逆方向の動力伝達に対して切断する一方向クラッチにおいて、
前記両クラッチ体の爪部が互いに係合するように付勢する第1の付勢手段と、
前記第1の付勢手段の付勢力に抗して、前記両クラッチ体の一方の爪部の頂部が他方の爪部の底部に当接しないように付勢する第2の付勢手段と、を備え、
前記一方向クラッチの切断時に前記両クラッチ体が近接しても、前記一方の爪部の頂部が前記他方の爪部の底部に接触しないように構成した、
ことを特徴とする一方向クラッチ。 - 前記第1の付勢手段及び第2の付勢手段は、それぞれコイルスプリングからなり、
前記第1のスプリングの復元力は、前記両クラッチ体の爪部と、前記爪部の底部とが近接した際に最小となり、該両クラッチ体の爪部の頂部が当接する際に最大となるように該両クラッチ体間の距離に比例して増減し、
前記第2のスプリングの復元力は、該第1のスプリングの復元力が最大の際に最小となり、該第1のスプリングの復元力が最小の際に最大となるように該第1のスプリングの復元力と反比例して増減すると共に、
該第1及び第2のスプリングの復元力の釣合い位置において前記一方の爪部の頂部と、前記他方の爪部の底部との間には一定の隙間が生じるように構成された、
ことを特徴とする請求項1記載の一方向クラッチ。 - 前記一方向クラッチは、エンジンからの動力を作業機の動力取り出し軸に伝達するPTO動力伝動経路間の前記駆動軸と前記従動軸との間に介在し、
前記第1の付勢手段が前記従動側クラッチ体の外周側に配設されると共に、前記第2の付勢手段は前記従動側クラッチ体の内周側に配設され、
該第1及び第2の付勢手段が該従動側クラッチ体を挟んで対向して形成される、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の一方向クラッチ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007167952A JP2009008124A (ja) | 2007-06-26 | 2007-06-26 | 一方向クラッチ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007167952A JP2009008124A (ja) | 2007-06-26 | 2007-06-26 | 一方向クラッチ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009008124A true JP2009008124A (ja) | 2009-01-15 |
Family
ID=40323409
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007167952A Pending JP2009008124A (ja) | 2007-06-26 | 2007-06-26 | 一方向クラッチ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009008124A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018088853A (ja) * | 2016-11-30 | 2018-06-14 | 本田技研工業株式会社 | 電動作業機 |
-
2007
- 2007-06-26 JP JP2007167952A patent/JP2009008124A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018088853A (ja) * | 2016-11-30 | 2018-06-14 | 本田技研工業株式会社 | 電動作業機 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN108361297B (zh) | 具有多排棘齿元件的单向或可选择的离合器 | |
EP2951456B1 (en) | Multi-mode clutch module | |
EP2174038B1 (en) | Reverse sprocket transfer case | |
JP4452301B2 (ja) | 動力伝達装置 | |
JPS6316609B2 (ja) | ||
JP6315812B2 (ja) | パワーユニットの駆動トルクダンパ構造 | |
CN109642654B (zh) | 用于机动车辆的差速器 | |
US8365636B2 (en) | Automatic traction enhancement for a transaxle | |
US6098386A (en) | Riding lawn mower and transmission for the same | |
JP6870168B2 (ja) | トルクリミッタ | |
JP3976430B2 (ja) | 作業機の動力伝達装置 | |
JP2009008124A (ja) | 一方向クラッチ | |
EP1205337B1 (en) | Differential limiting device for a differential device | |
US7470215B2 (en) | Vehicle drivetrain with secondary clutch | |
JP4743808B2 (ja) | コンバインのトランスミッション | |
JP2019120393A (ja) | 動力伝達装置 | |
JP2018168875A (ja) | トルクリミッタ | |
JPH04362346A (ja) | 動力伝達用緩衝ギヤ | |
JP2000270622A (ja) | 田植機の植付部伝動装置 | |
JP3505809B2 (ja) | 電動車両の駆動減速装置 | |
CA2456633A1 (en) | Overload coupling | |
JP3564617B2 (ja) | 農作業機 | |
JPH04181026A (ja) | クラッチ装置 | |
JPS6223304Y2 (ja) | ||
JPH0720435Y2 (ja) | 伝動装置 |