JP2008500285A - 塩ホメオスタシス及び/又は水分ホメオスタシスに伴う疾患のための治療薬及び診断薬としての、プロウログアニリン、及びそれに由来する合成類似体又はタンパク質分解切断産物 - Google Patents

塩ホメオスタシス及び/又は水分ホメオスタシスに伴う疾患のための治療薬及び診断薬としての、プロウログアニリン、及びそれに由来する合成類似体又はタンパク質分解切断産物 Download PDF

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Abstract

塩類貯留、水分貯留、及びそれらの組み合わせによって特徴付けられる障害を、治療するため方法。塩類貯留、水分貯留、塩分喪失、水分喪失、及びそれらの組み合わせによって特徴付けられる障害の存在、又は進行を測定するための方法。サンプル中のプロウログアニリンのレベルを検出するための免疫検定キット。
【選択図】図1

Description

(関連出願に対する相互参照)
本出願は、利益及び2004年5月14日に出願された米国仮特許出願シリアルナンバー第60/571,172号に対する利益、及び優先権を主張するものであり、該開示は引用によって本明細書に全体として組み込まれている。
(技術分野)
ここで開示される主題は、プロウログアニリン及び/又はその活性派生物を使用して、水分アンバランス及び/又は塩アンバランスを治療、若しくは診断するための方法に関する。
(政府の権利)
本発明は、国立科学財団グラントナンバーIBN−9808335、及び国立衛生研究所グラントナンバーP30−DK34987−17からの米国政府支援で創作された。米国政府は、本発明に一定の権利を有する。
(略語)
ACE=アンジオテンシン変換酵素
ANOVA=分散分析
ANP=心房性ナトリウム利尿ペプチド
ATCC=アメリカンタイプカルチャーコレクション
BSA=ウシ血清アルブミン
°C=摂氏温度
cDNA=相補的DNA
cGMP=グアノシン 3’,5’−サイクリック一リン酸
CGN=慢性糸球体腎炎
CNP=C型ナトリウム利尿ペプチド
cpm=カウント毎分
CRF=慢性腎不全
DMEM=ダルベッコ最小必須培地
DNA=デオキシリボ核酸
dpm=壊変毎分
ED50=最大反応の50%を引き起こす有効量
EDTA=エチレンジアミン四酢酸
EC cells=クロム親和性細胞
ELISA=酵素免疫測定法
fmol=フェムトモル
GC-C=グアニル酸シクラーゼ C
GI=胃腸
Gn=グアニリン
HAT=ヒポキサンチン−アミノプテリン−チミジン−感受性
HCl=塩酸
HD=血液透析
HEPES=4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸
hr=時間
HPLC=高圧液体クロマトグラフィー
ip=腹腔内
ir-uroguanylin=免疫反応性ウログアニリン
iv=静脈内
K=カリウム
kDa=キロダルトン
KO=ノックアウト
LC=液体クロマトグラフィー
MALDI−TOF=マトリックス支援レーザー脱離イオン化−飛行時間
MBP=マルトース結合タンパク質
min=分
mL=ミリリットル
mRNA=メッセンジャーリボ核酸
MS=質量分析
Na=ナトリウム
NaCl=塩化ナトリウム
NCBI=全米バイオテクノロジー情報センター
NLM=米国国立医学図書館
nmol=ナノモル
OMIM=ヒトにおけるオンラインメンデル性遺伝
PCR=ポリメラーゼ連鎖反応
PEG=ポリエチレングリコール
P.I.=免疫前
pmol=ピコモル
proGn=プログアニリン
proUGn=プロウログアニリン
rGC=受容体/グアニル酸シクラーゼ
r-proUGn=組換えプロウログアニリン
RIA=放射線免疫検定法
RNA=リボ核酸
SDS-PAGE=ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動
STa=耐性毒素, タイプA
TFA=トリフルオロ酢酸
UGn=ウログアニリン
(アミノ酸略語)
1文字表記 3文字表記 名前
A Ala アラニン
V Val バリン
L Leu ロイシン
I Ile イソロイシン
P Pro プロリン
F Phe フェニルアラニン
W Trp トリプトファン
M Met メチオニン
G Gly グリシン
S Ser セリン
T Thr スレオニン
C Cys システイン
Y Tyr チロシン
N Asn アスパラギン
Q Gln グルタミン
D Asp アスパラギン酸
E Glu グルタミン酸
K Lys リジン
R Arg アルギニン
H His ヒスチジン
(背景)
高血圧、心不全、腎疾患及び肝疾患などの多くの慢性疾患状態は、ナトリウム貯留及び/又は浮腫に関連している。ネフロン中の異なる部位でナトリウム(Na)再吸収を阻害することによって、通常の利尿薬はナトリウムホメオスタシス及び水分ホメオスタシスを制御し、浮腫を緩和させることを助ける。いくつかの異なるクラスの小分子利尿薬は既知であり、ヘンレ上行脚で機能するフロセミド、ブメタニド及びトラセミドなどのループ利尿薬;遠位尿細管で機能するインダパミド、ヒドロクロロチアジド及びベンドロフルメチアジン(bendroflumethiazine)を含むチアジド関連化合物;及び皮質集合管で機能するアミロリド及びトリアムテレンを含むカリウム保持性利尿薬を含む。Plant, L.の論文, Clinical Medicine, 3, 517−519 (2003)を参照されたい。しかしながら、高血圧又はうっ血性心不全を有する多くの患者は、通常の利尿薬には反応しない。それゆえ、そのような患者及び他の対象において、血圧、及び水分量を制御するための新しい治療戦略の必要性がある。
(要旨)
ここで開示される主題は、プロウログアニリン(proUGn)のフラグメント及び/又は類似体に加えて、プロウログアニリンそれ自体の診断的並びに治療的使用に関するものであり、任意のその代謝産物及び化学的誘導体(ラットにおいてUGn18、及びヒトにおいてUGn16としてすでに同定されたC末端フラグメントとは異なる)を含む。
いくつかの実施態様において、ここで開示される主題は、それらを必要とする患者において、塩類貯留、水分貯留、及びそれらの組み合わせによって特徴付けられる障害を治療する方法を提供し、該方法は有効量のプロウログアニリン又はそのフラグメント若しくは類似体を患者に投与することを含む。
いくつかの実施態様において、ここで開示される主題は患者において塩分貯留、水分貯留、塩分喪失、水分喪失、及びそれらの組み合わせによって特徴付けられる障害の存在又は進行を測定するための方法を提供し、該方法は該患者からのサンプル(いくつかの実施態様において血漿サンプル)におけるプロウログアニリンのレベルを検出することを含む。いくつかの実施態様において、プロウログアニリンのレベルの検出は免疫検定法によるものである。
いくつかの実施態様において、ここで開示される主題は、サンプル中のプロウログアニリンのレベルを検出するための免疫検定法キットを提供する。
それゆえ、塩類貯留、水分貯留、及びそれらの組み合わせによって特徴付けられる障害を治療する方法を提供することは、ここで開示される主題の目的である。塩類貯留、水分貯留、塩分喪失、水分喪失、及びそれらの組み合わせによって特徴付けられる障害の存在又は進行を測定するための方法を提供することは、ここで開示される主題の別の目的である。サンプル中のプロウログアニリンのレベルを検出するための免疫検定法キットを提供することは、ここで開示される主題の別の目的である。
本明細書の上記に規定されるここで開示される主題の具体的な対象は、ここで開示される主題によって全体的又は部分的に記載され、他の対象及び態様は本明細書の下記に最もよく記載されるような添付の実施例との関連に含まれる場合に、本記載を進めるにつれて明白となる。
(配列表中の配列の簡単な説明)
配列番号:1は、ラットUGn18のアミノ酸配列である。
配列番号:2は、ヒトUGn16のアミノ酸配列である。
配列番号:3は、ラットプレプロウログアニリンのアミノ酸配列である。
配列番号:4は、ヒトプレプロウログアニリンのアミノ酸配列である。
配列番号:5は、ヒトプロウログアニリンのアミノ酸配列である。
配列番号:6は、ラットGn15のアミノ酸配列である。
配列番号:7は、ポリクローナル抗proUGn抗体6910の抗体産生に使用した免疫原のアミノ酸配列である。
配列番号:8は、Li Z.らの論文, Regul. Pept., 68, 45−56 (1997)に基づきクローン化された、ラットプロウログアニリンのアミノ酸配列である。
配列番号:9は、Currie, M. G.らの論文, Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A., 89, 947−951 (1992)に基づきクローン化された、ラットプログアニリンのアミノ酸配列である。
配列番号:10は、ポリクローナル抗proUGn抗体6912の抗体産生に使用した免疫原のアミノ酸配列である。
配列番号:11は、ポリクローナル抗proGn抗体2538の抗体産生に使用した免疫原のアミノ酸配列である。
配列番号:12は、ポリクローナル抗proGn抗体6240の抗体産生に使用した免疫原のアミノ酸配列である。
(詳細な説明)
ここで開示される主題は、部分的に下記の態様に関する:(I)注入されたプロウログアニリン(proUGn)又はその誘導体の利尿及びナトリウム利尿効果は、例えば通常の利尿薬に応答しない患者と同様に、高血圧、心疾患、腎疾患又は肝疾患を有する患者を含み、塩及び/又は水分ホメオスタシスの異常を引き起こす疾患に苦しむヒト患者に有益である;及び、(II)内因性proUGnの血漿レベル(及び/又はラットにおける内因性UGn18及びヒトのUGn16に対する内因性proUGnの割合)を測定することは、そのような疾患を有する患者の状態を判断することにおける診断的評価である。
ここで開示される主題は、代表的な実施態様が示されている添付の実施例への言及によって、これから以下により十分に記載される。しかしながら、ここで開示される主題は異なる形態で具現化することができるため、本明細書に説明される実施態様に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろこれらの実施態様は、この開示が徹底的かつ完全になり、また実施態様の範囲を当業者に完全に伝えるために提供される。
他に定義されないならば、本明細書に使用される全ての技術及び化学用語は、このここで開示される主題が属する任意の当業者によって共通に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載される全ての出版物、特許出願書類、特許、及び他の参考文献は、引用によって完全に本明細書に組み込まれる。
本明細書及び特許請求の範囲を通じて、与えられた化学式又は化学名は、それらのような異性体及び混合物が存在するラセミ混合物と同様に、全ての光学異性体並びに立体異性体を含むものとする。
(1.定義)
長年の特許法の慣習に従って、用語「a」及び「an」が、特許請求の範囲を含む本出願書類に使用される場合、「1以上」を意味する。
本明細書で使用されるように、「利尿薬」は、尿生成の速度を増加させる化合物をさす。本明細書で使用されるように、用語「ナトリウム利尿」は、尿のナトリウム***の程度を増加させる化合物をさす。それゆえ本明細書で使用されるように、用語「利尿」は水分***の増加をさし、また用語「ナトリウム利尿」はナトリウム***の増加をさす。
本明細書で使用されるように、用語「ポリペプチド」は、そのサイズにかかわらず、任意の20種類のタンパク質アミノ酸を含む、任意のポリマーを意味する。「タンパク質」はしばしば比較的大きなポリペプチドへの言及で使用されるが、「ペプチド」はしばしば小さなポリペプチドへの言及で使用され、当業者においてこれらの用語の使用は重複しかつ変化する。本明細書で使用されるように、用語「ポリペプチド」は、他に記載がないならば、ペプチド、ポリペプチド及びタンパク質をさす。本明細書で使用されるように、用語「タンパク質」、「ポリペプチド」及び「ペプチド」は、本明細書で遺伝子産物に言及する場合に可換的に使用される。
本明細書で使用されるように、用語「UGn18」(ラットにおける)又は「UGn16」(ヒトにおける)はプロウログアニリンのC末端ドメインに由来するペプチドをさし、これは15個、16個、17個、18個、19個及び/又は20個のアミノ酸を含む、15〜20個のいずれをも含み得る。これらのペプチドはグアニル酸シクラーゼC(GC−C)の強力な活性剤であり、受容体/グアニル酸シクラーゼは腸上皮においてリガンド活性型cGMP合成に関与する。ラットの配列TIATDECELCINVACTGC(配列番号:1)はすでに発表されている。Li, Z.らの論文, Reg. Peptides, 68, 45−56 (1997)を参照されたい。ヒトの配列NDDCELCVNVACTGCL(配列番号:2)についての参照は、Kita, T.らの論文, Am. J. Physiol., 266, F342−F348 (1994)である。本明細書で使用されるように、用語「ウログアニリン」は、ウログアニリンプロペプチドとグアニル酸シクラーゼC(GC−C)活性化ペプチドとの間の区別をすることが有用でない(又は不可能)である場合に使用される。本明細書で使用されるように、用語「プロウログアニリン」及び「proUGn」は、ラットのUGn18、及びヒトのUGn16のプロペプチドをさし、かつ可換的に使用され得る。
Li Z.,らの論文, Regul. Pept., 68, 45−56 (1997)によって精製されかつ配列決定されたラットのプレプロウログアニリンは、MSGSQLWAAVLLLLVLQSAQGVYIKYHG FQVQLESVKKLNELEEKQMSDPQQQKSGLLPDVCYNPALPLDLQPVCASQEAASTFKALRTIATDECELCINVACTGC(配列番号:3)のアミノ酸配列を有する。シグナル配列はイタリック体で示され、かつUGn18はボールド体で示される。シグナルペプチドの除去は通常、プレプロペプチドが作られるように自動的に起こり、プロウログアニリンを生じる。
ヒトのプレプロウログアニリンは、MGCRAASGLLPGVAVVLLLLLQSTQSVYIQYQ GFRVQLESMKKLSDLEAQWAPSPRLQAQSLLPAVCHHPALPQDLQPVCASQEASSIFKTLRTIANDDCELCVNVACTGCL(配列番号:4)のアミノ酸配列を有する。シグナル配列はイタリック体で示され、かつUGn16はボールド体で示される。ヒトにおいて、ペプチドの活性型C末端形態は尿(腸ではない)から精製され、ペプチドの活性型C末端形態は実際には16アミノ酸残基のみを含む、わずかに短い配列を有する(再び上記のボールド体、及びKita, T.らの論文, Am. J. Physiol., 266, F342−F348 (1994)に報告されている)。それゆえ、ヒトUGn16はラットUGn18に「同等」である。
ヒトのプロウログアニリンは、VYIQYQGFRVQLESMKKLSDLEAQWAPSPRLQAQS LLPAVCHHPALPQDLQPVCASQEASSIFKTLRTIANDDCELCVNVACTGCL(配列番号:5)のアミノ酸配列を有する。
本明細書で使用されるように、用語「Gn15」は、GC−Cを活性化させるプログアニリンのC末端配列をさす。ラットGn15はPNTCEICAYAACTGC(配列番号:6)の配列を有する。用語「プログアニリン」及び「proGn」はGn15のプロペプチドをさし、かつ可換的に用いられ得る。用語「グアニリン」は、グアニリンプロペプチドとGC−C活性化ペプチドとの間の区別をすることが有用でない(又は不可能)である場合に使用される。
本明細書で使用されるように、用語「フラグメント」は、完全な参照ペプチド又はタンパク質のアミノ酸配列よりも短いアミノ酸配列を有するペプチド若しくはタンパク質をさす。そのようなフラグメントは、代謝産物又はタンパク質分解フラグメントであってよい。本明細書で使用されるように、用語「代謝産物」及び「タンパク質分解フラグメント」は酵素(例えばプロテアーゼなど)の作用、又はインビボで起こる、若しくはインビトロ又は別の環境で実行される他のプロセスを介して産生されるペプチドフラグメントをさす。フラグメントはまた、化学的に合成された又は組換えによって産生されたペプチド若しくはタンパク質配列であってよい。フラグメントはまた、インビトロで酵素的作用によって産生されてもよい。
ここで開示される主題のいくつかの実施態様において、利尿活性を有するプロウログアニリンの「腎性代謝産物」の有効量を、治療の必要性のある患者に投与する。本明細書で使用されるように、「プロウログアニリンの腎性代謝産物」は、腎臓中の該プロペプチドの生体分解から産生される代謝産物をさし、ここで該代謝産物はラットのUGn18及びヒトのUGn16ではない。
本明細書で使用されるように、用語ペプチド「類似体」は、天然のペプチド又はタンパク質と比較して1以上の構造的修飾を含むペプチドをさす。そのような修飾は、ペプチド配列中の1以上のアミノ酸基の付加又は削除をさすことができる。また修飾は、立体化学の変化、例えば天然のL−アミノ酸の代わりに1以上のD−アミノ酸の含有に関連することができる。修飾はまた、放射性標識成分又は蛍光部分などのペプチド若しくはタンパク質の検出を補助するための基、脂肪酸群、炭水化物又はポリマー群などのペプチド若しくはタンパク質の溶解性を変化させることができる基、又は酵素分解からペプチド又はタンパク質を保護することができる基を含み得る非ペプチド基の付加を含んでよい。
本明細書の上記に与えられたように、用語「フラグメント」及び「類似体」は、代謝産物及び化学的誘導体を含み得る。
本明細書で使用されるように、用語「発現」は一般的に、ポリペプチドがRNAから産生される細胞プロセスをさす。
本明細書で使用されるように、用語「ラベルされた」とは、分光学的、放射線医学的又は他の方法によって検出することができる部分のプローブ分子への結合を意味する。
本明細書で使用されるように、用語「突然変異」はその慣習的含意を有し、核酸又はポリペプチド配列中の遺伝的、自然発生的若しくは導入された変化を意味し、かつ当業者に一般的に周知であるような意味で使用される。
用語「食後ナトリウム利尿」は、口胃の(口胃的)塩分摂取に応答する完全な腎臓ナトリウム利尿を表現するために使用される。用語「腸−腎臓軸」は、腸に由来するこの反応の特定の成分を記載するために使用される。
本明細書で使用されるように、用語「有効量」及び「治療的有効量」は可換的に使用され、かつ治療されている病状に対する治療を提供するために十分な用量を意味する。この用量は、効果が及ぶ患者、疾患及び治療によって変化し得る。
いくつかの実施態様において、有効量のプロウログアニリン又はそのフラグメント若しくは類似体は、塩バランス、水分バランス、又は塩及び水分バランスの両方に影響を与える1以上の他の薬剤との組み合わせで投与する。用語「組み合わせで」とは、単一の組成物又は1以上の別々の組成物での活性剤の投与をさすことができる。
本明細書で使用されるように、用語「約」は、それらのような変動が開示されている方法を実行するのに適している限り、数値、又は質量、重量、時間、体積若しくはパーセンテージをさす場合、特定の量から±20%又は±10%、より好ましくは±5%、及びさらにより好ましくは±0.1%の変動を含むことを意味する。
ここで開示される主題の原理は、ここで開示される主題が、用語「患者」に含まれることが意図される哺乳動物を含む全ての脊椎動物種に効果的であることを示すことは理解されているが、本明細書で開示される多くの実施態様で治療される患者は好ましくはヒトの患者である。この文脈において、哺乳動物は、治療が望ましい任意の哺乳動物種、特にウマ、ウシ、ブタ、イヌ及びネコなどの農業用及び飼育用哺乳動物種を含むことが理解される。
(II.全般的考察)
(II.A.ウログアニリン及びグアニリン)
UGn18及びproUGnの同定は、腸の電解質処理に関連する臨床的問題の副産物として始まった。大腸菌の病原株は、上皮細胞のアピカル(apical)表面上で発現している受容体へ結合することによって、下痢を引き起こす毒素(STa)を産生する。Sack, R. B.の論文, Annu. Rev. Microbiol., 29, 333−353 (1975)を参照されたい。受容体活性化は、CFTRクロライドチャネルを活性化させ、かつNa/H交換を阻害するcGMP合成を促進し、腸管腔中への水及び電解質の制御不可能な貯留をもたらす。Vaandrager, A. B.の論文, Mol. Cell Biochem., 230, 73−83 (2002)を参照されたい。1990年に、STaに対する受容体がクローン化され、また受容体/グアニル酸シクラーゼ(rGC)のファミリーのメンバーであることが示された。Schultz, S.らの論文, Cell, 63, 941−948 (1990)を参照されたい。このファミリーの3番目のメンバーであったため、該STa受容体はグアニル酸シクラーゼ−C又はGC−Cと命名された。
rGCファミリーの他のメンバー(GC−A及びGC−B)はナトリウム利尿ペプチドに対する受容体であり、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)に対する受容体はGC−Aであり、かつC型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)に対する受容体はGC−Bである。Kuhn, M.の論文, Circ. Res., 93, 700−709 (2003);Koller, K. J.の論文, Science, 252, 120−123 (1991)を参照されたい。それゆえ、内因性リガンドは生理的環境において(STaによる病理的活性化とは対照的に)GC−Cを活性化させることが最終的に見出されるであろうことは広く推測されていた。この予想は、2つのGC−C活性化リガンド、すなわちグアニリンとよばれる15アミノ酸のペプチド(Gn15)並びにウログアニリンとよばれる18アミノ酸のペプチド(UGn18)が尿及び腸の抽出物から精製されたときに達成された。Currie, M. G.らの論文., Proc. Natl. Acad. Sci., 89, 947−951 (1992);Hamra, F. K.らの論文, Proc. Natl. Acad. Sci., 90, 10464−10468 (1993);Li, Z.らの論文, Regul. Pept., 68, 45−56 (1997);Currieらの米国特許第5,489,670号;Waldmanの米国特許第5,879,656号を参照されたい。先に記載したように、ヒトにおいて該ペプチドの活性型C末端形態は尿から精製され(腸ではない)、かつ該ペプチドの活性型C末端形態は16アミノ酸残基のみからなるわずかに短い配列を実際に有する。それゆえ、ヒトUGn16はラットUGn18に「同等」である。
(II.B.プロウログアニリン及びプログアニリン)
Gn15及びUGn18配列は前駆体タンパク質、すなわちそれぞれプログアニリン並びにプロウログアニリンのC末端で見出される。プロウログアニリン及びプログアニリンは、それらのN末端のシグナルペプチド、Gn15並びにUGn18配列が位置するそれらのC末端の相同性、及びそれらのシグナルペプチドに近接した短い領域の相同性(しかし機能未知)を含む、いくつかの構造特性を共有する(図1を参照されたい)。これらの領域の外側の2種類のプロペプチドの配列は、比較的不十分に保存されている。
proUGnに対する配列は、ヒト、ブタ、ラット、マウス、フクロネズミ及びモルモットを含む多くの種に関して発表されている。Hidaka, Y.らの論文, J. Biol. Chem., 275, 25155−25162 (2000)を参照されたい。proUGn及びproGnは、ほとんど専ら腸において発現し(少量のproUGnポリペプチドはまた腎臓においても見出されるが)、それぞれのプロペプチドは異なる型の腸細胞によって産生される。Perkins, A.らの論文, Gastroenterology, 113, 1007−1014 (1997);Qian, X.らの論文, Endocrinology, 141, 3210−3224 (2000);Li., Zらの論文, Gastroenterology, 109, 1863−1875 (1995)を参照されたい。
proGnは、大部分が小腸末端及び結腸内の杯細胞によって産生される。Qian, X.らの論文, Endocrinology, 141, 3210−3224 (2000);Li, Z.らの論文, Gastroenterology, 109, 1863−1875 (1995)を参照されたい。杯細胞は、腸管腔中へと分泌される糖タンパク質であるムチンの供給源としてよく知られており、そこでムチンは水及び電解質を吸収することによって粘液ゲルを形成する。ムチン分泌の外分泌性に一致して、単離された腔内的かつ血管的にかん流された結腸の研究は、グアニリン(Gn15としてほとんど再生される)もまた、血漿に対して40倍を超える内腔の割合で内腔へと選択的に分泌されることを発見した。Moro, F.らの論文, Endocrinology, 141, 2594−2599 (2000);Martin, S.らの論文, Endocrinology, 140, 5022−5029 (1999)を参照されたい。これらの知見は、グアニリンが、ムチンの放出とGn15誘導性流体運動との間の密接な空間的かつ時間的関連を提供することによって、特に比較的脱水された腸末端においてムチンの水和に役割を担うという提言を導いた。Qian, X.らの論文, Endocrinology, 141, 3210−3224 (2000);Li, Z.らの論文, Gastroenterology, 109, 1863−1875 (1995);Cohen, M. B.らの論文, Biochem. Biophys. Res. Commun., 209, 803−808 (1995)を参照されたい。
対照的に腸proUGnは、ほとんど専ら小腸内の腸クロム親和性(EC)細胞によって産生される。Perkins, A.らの論文 , Gastroenterology, 113, 1007−1014 (1997);Li, Z.らの論文, Regul. Pept., 68, 45−56 (1997);Miyazato, M.らの論文, FEBS Lett., 398, 170−174 (1996)を参照されたい。EC細胞は、消化管内で最も豊富な内分泌細胞の1つである。EC細胞は通常1以上のペプチドと共にセロトニンを含む。Solcia, E.らの文献、『消化管の生理学』中の消化器系における内分泌細胞(L. R. Johnson編, Raven Press, New York, 1987), 111−130を参照されたい。EC細胞はバソラテラル的(basolaterally)及びアピカル的(apically)の両方でセロトニンを放出するが、バソラテラル分泌が優勢である。Nilsson, O.らの論文, Cell Tissue Res., 248, 49−54 (1987)を参照されたい。
該プロペプチドは腸組織において発現するが、同組織はUGn18又はGn15をほとんど含まないようである。UGn18及びGn15は小さすぎるために免疫ブロット法では検出できない。代わりにそれらは通常、標準的RIA法、又は(より一般的には)「レポーター細胞」、すなわち高レベルのGC−Cを発現し、それゆえGC−C活性化リガンドに曝された場合にcGMPを合成する結腸ガン由来T84細胞株を用いたバイオアッセイのどちらかによって測定される。Guarino, A.らの論文, Am. J. Physiol., 253, G775−G780 (1987);Dharmsathaphorn, K.らの論文, Am. J. Physiol., 246, G204−G208 (1984)。いささか驚いたことに、小腸又は大腸の水性抽出物は、該抽出物がプロテアーゼを用いて前処理されていない場合には、T84細胞におけるcGMP反応を誘導できない。Li, Z.らの論文, Regul. Pept., 68, 45−56 (1997)を参照されたい。例えば図2aに描かれているように、ラットの十二指腸抽出物から得られた全てのHPLCフラクションは、レポーター細胞アッセイ(黒丸)でテストした場合に、初めは不活性である;しかしながら、フラクション44〜49(proUGnの滞留時間にわたる)はタンパク質分解によって活性化されることができ(図2b)、かつ活性化された構成要素が再びクロマトグラフされた場合、その滞留時間はUGn18(図2a、白丸)の滞留時間に一致する、クロマトグラム中のより早い点にただちに推移する。この知見は、proUGn及びproGnにはGC−Cを活性化させる能力がないという他の報告に一致する。Hamra, F. K.らの論文, Endocrinology, 137, 257−265 (1996)を参照されたい。腸組織の抽出物はGn15及びUGn18をほとんど含まないので、プロセシングは該プロペプチドの分泌後に起こると推測される。
(II.C.腸−腎臓軸及びウログアニリン)
新しいタイプの利尿薬のための調査において、研究の1つの領域は、ナトリウム摂取に対する腸の応答と腎臓との間の関連を決定することに焦点を当てる。溶質***の制御に関与する腸−腎臓内分泌軸は、1970年代に初めて提案された。Lennane, R. J.らの論文, Clin. Sci. Mol. Med., 49, 433−436 (1975)を参照されたい。細胞外Na含量のどのような変化も(例えば、塩の経口摂取によってもたらされた)、口渇、及び細胞外液量の補償的変化を誘起させる抗利尿薬ホルモン機構を開始させる。Skorecki, K. L. 及びBrenner, B. M.の論文, Am. J. Med., 70, 77−88 (1981)を参照されたい。しかしながら、細胞外容量は塩分摂取量の変化にゆっくりと応答し、Na摂取量と尿量との間の新しい平衡を確立するために数時間ないし数日が必要とされてもよい。Carey, R. M.の論文, Circ. Res., 43, 19−23 (1978);Simpson, F. O.の論文, Lancet, 2, 25−29 (1988)を参照されたい。しばしば、食後ナトリウム利尿反応として参照される迅速な腸−腎臓反射(Ise, T.らの論文, Kidney Int. Suppl., 67, S245−S249 (1998);Villarreal, D.らの論文, Am. J. Physiol., 258, R232−R239 (1990)を参照されたい)は、同等の溶質負荷が経口的かつ静脈的にもたらされた場合に、ナトリウム利尿は経口デリバリーでより迅速に誘起されるという事実に実証される。Lennane, R. J.らの論文, Clin. Sci. Mol. Med., 49, 433−436 (1975);Singer, D. R.らの論文, Am. J. Physiol., 274, F111−F119 (1998);Mu, J.らの論文, Pflugers Arch., 438, 159−164 (1999)を参照されたい。
この腸−腎臓軸の機構は、今も活発に調査されている。2つのモデル:ナトリウム利尿因子が管腔内の刺激に応答して腸から放出される直接的機構;及び腸からのシグナルが、他の部位からのナトリウム利尿因子の放出を開始させる間接的機構が提案されている。該間接的機構はほとんどの場合、門脈における塩レベルに応答し、かつ腎臓神経活性の変化を介して、又はおそらく中枢若しくは末梢部位からのナトリウム利尿剤の放出によって反射性ナトリウム利尿を開始させると考えられる肝求心性神経に関連している。Nishida, Y.らの論文, Am. J. Physiol., 274, R97−R103 (1998);Haberle, D. A.らの論文, Kidney Int. Suppl., 67, S242−S244(1998)を参照されたい。近年、ある症例はまた、腎臓においてナトリウム利尿がNa摂取に応答して腸から放出されるペプチドによって誘導される直接的機構に寄与している。
(III.ここで開示される主題のペプチド、ポリペプチド及びポリヌクレオチド成分)
以下の項は、ここで開示される主題の態様を形成することができる分子のいくつかを開示する。しかしながら、この議論はここで開示される主題の態様を形成することができる分子の包括的なリストであることを意味しない。ここで開示されるペプチド分子、ポリペプチド分子及びポリヌクレオチド分子に関するヌクレオチド並びにペプチド配列情報を含む生物学的情報は、例えば、米国国立医学図書館(NLM)に本拠地を置く全米バイオテクノロジー情報センター(NCBI)によって提供される公開データベースから入手可能である。NCBIは、ワールドワイドウェブ上のURL「http://www.ncbi.nlm.nih.gov/」に所在し、及びNLMは、ワールドワイドウェブ上のURL「http://www.nlm.nih.gov/」に所在する。NCBIウェブサイトは、ジーンバンク(GenBank)、パブメド(PubMed)、ゲノムス(Genomes)、ローカスリンク(LocusLink)、ヒトにおけるオンラインメンデル性遺伝(OMIM)、プロテインス(Proteins)及びストラクチュアズ(Structures)を含む、多くの科学的データベース源へのアクセスを提供する。ポリペプチドデータベース及びポリヌクレオチドデータベースへの共通のインターフェースは、ワールドワイドウェブ上のURL「http://www.ncbi.nlm.nih.gov/Entrez/」のNCBIウェブサイトからアクセスできるエントレズ(Entrez)として、又はローカスリンクウェブサイトを通じて照会される。
プロウログアニリンのアミノ酸配列、及びプレプロウログアニリンのアミノ酸配列は、先に記載したように、当業者に知られている。ここで開示される主題は、ウシ、ブタ、ウマ、イヌ及び他の哺乳動物のプロウログアニリンを含む相同プロウログアニリンに加えて、ヒトプロウログアニリンの使用のために提供する。いくつかの実施態様において、プレプロウログアニリンを用いることができ、それゆえ、開示される方法及び手法に関連して本明細書において使用されるように、用語「プロウログアニリン」は「プレプロウログアニリン」を含むことは予測される。またここで開示される主題は、本主題のプロウログアニリンのタンパク質分解的切断によってもたらされ得るフラグメント、又は該フラグメントを投与する前の本主題の外側などの、プロウログアニリンのフラグメントの使用のために提供する。いくつかの実施態様において、プロウログアニリンフラグメントを、当業者に既知の手法に従って修飾し、さらなる分解に対して抵抗性にすることができる。そのような手法は、分解に抵抗性であるフラグメント中のアミノ酸配列を含むが、それに限定されない。
いくつかの実施態様において、ここで開示される主題は、利尿作用及び/又はナトリウム利尿作用を有するプロウログアニリンの腎性代謝産物の使用を開示する。先に与えられたように、「プロウログアニリンの腎性代謝産物」は、代謝産物がラットのUGn18、及び同様にヒトのUGn16でないという条件下で、腎臓内でのプロペプチドの生体分解から(例えば、いくつかの実施態様において、近位尿細管に存在する刷子縁プロテアーゼから)産生される代謝産物をさす。プロウログアニリン腎性代謝産物のアミノ酸配列を決定するための方法は、本明細書下記の実施例において論じる。
ここで開示される主題はまた、プロウログアニリン及び/又は、例えばプロウログアニリン類似体のようなプロウログアニリンフラグメントに実質的に同一な配列を有するポリペプチドの使用を記載する。与えられた参照ポリペプチドに「実質的に同一」であるポリペプチドは、与えられた参照ポリペプチド配列のその配列に、少なくとも85%の同一性を有する配列を有するポリペプチドである。実質的に同一なポリペプチドはまた、例えば、90%、95%、98%又は99%の高パーセンテージの同一性を有してもよい。ここで開示される主題はまた、プロウログアニリン及び/又はプロウログアニリンフラグメントに機能的に同等なポリペプチドを含む。これらのポリペプチドはプロウログアニリン及び/又はプロウログアニリンフラグメントに同等であり、生体システムにおいて、プロウログアニリン並びに/若しくはプロウログアニリンフラグメントの1以上の機能を実行することができる。そのようなポリペプチドは、全長プロウログアニリン及び/又はプロウログアニリンフラグメントの1以上の生物活性の60%、75%、80%、又は90%さえ有する。そのような比較は通常、同濃度の当該ポリペプチドを使用して比較することによる、生物活性のアッセイに基づいている。その比較はまた、得ることができる最大活性の50%に達するために必要とされる当該ポリペプチドの量に基づいてもよい。
機能的に同等なポリペプチドは、例えば、付加的に又は置換されたアミノ酸残基を含んでいてもよい。置換は、含まれる残基の極性、電荷、溶解度、疎水性、親水性及び/又は両親媒的性質に基づいてなされてよい。例えば、機能的に同等なポリペプチドは、全長、天然存在型プロウログアニリン及び/又はプロウログアニリンフラグメントの10%若しくはそれ以下が、保存アミノ酸置換によって置き換えられているものであり、かつその機能的に同等なポリペプチドは、全長プロウログアニリン及び/又はプロウログアニリンフラグメントの生物活性の少なくとも50%を維持する。
保存アミノ酸置換は、あるアミノ酸に対する同じクラスの別のアミノ酸(例えば、グリシンに対するバリン、又はリジンに対するアルギニン)の置換をさす。プロウログアニリン及び/又はプロウログアニリンフラグメントに機能的に同等なポリペプチドは、当業者に周知の手法によって、遺伝子をコードしている核酸へのランダム変異導入を用いて作成できる。しかしながら、そのようなポリペプチドは、(この場合も当業者に周知の手法を使用して)部位指定変異導入によって産生される可能性が高い。これらのポリペプチドは、向上した機能性、又は低下した機能性を有し得る。
機能的に同等なポリペプチドを設計するために、保存された部位と可変部位とを区別することは有用である。この区別は、ある種からのここで開示される主題のタンパク質のアミノ酸配列を、別の種からのそのホモログと並べることによって達成され得る。保存されたアミノ酸は機能の保存のために必要である可能性が高いということを、当業者は認識するであろう。それゆえ、保存された残基は変化しないのが好ましい。
プロウログアニリン及び/又はプロウログアニリンフラグメントをコードする核酸分子のコード配列内の突然変異を作出し、選択された宿主細胞内での発現のためにより適する変異体遺伝子を産生することができる。例えば、N−結合型糖鎖付加部位を変更又は削除して、例えばN−結合型部位を高度に糖鎖付加させることが知られている酵母宿主からより容易に再生及び精製される、均質な製品の発現を実現することができる。この目的を達成するために、糖鎖付加が発生する任意の1以上の糖鎖付加認識配列の1つ、又は1番目若しくは3番目のアミノ酸位置での様々なアミノ酸置換、及び/又は任意の1以上のそのような認識配列の2番目の位置でのアミノ酸削除は、修飾されたトリペプチド配列での糖鎖付加を妨げる(例えば、Miyajimaらの論文, EMBO J., 5, 1193 (1986)を参照されたい)。
ここで開示される主題に従って使用されるプロウログアニリン及び/又はポリペプチドプロウログアニリン類似体並びに/若しくはプロウログアニリンフラグメント及び/又はプロウログアニリンフラグメント類似体を、例えばマーカーポリペプチド又は融合パートナーのような別のポリペプチドと融合させて発現させることができる。例えば、ポリペプチドをヘキサ−ヒスチジンタグに融合させてバクテリアで発現したタンパク質の精製を容易にし、又はヘマグルチニンタグに融合させて真核生物細胞内で発現したタンパク質の精製を容易にすることができる。融合タンパク質は、発現している融合タンパク質に対して特異的な抗体を利用することによって、容易に精製することができる。例えば、Janknechtらによって記載されたシステムは、ヒト細胞株内で発現する非変性融合タンパク質の敏速な精製を可能にする(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88: 8972−8976 (1991))。このシステムにおいて、興味のある遺伝子を、該遺伝子のオープンリーディングフレームが翻訳的に6個のヒスチジン残基からなるアミノ末端タグに融合するような、ワクシニア組換えプラスミド内にサブクローン化させる。組換えワクシニアウイルスを用いて感染させた細胞からの抽出物をNi2+ニトリロ酢酸−アガロースカラム上にのせ、ヒスチジン−タグ付加タンパク質をイミダゾール含有バッファーを用いて選択的に溶出させる。
ここで開示される主題の構成要素として使用されるプロウログアニリン及び/又はポリペプチドプロウログアニリン類似体並びに/若しくはプロウログアニリンフラグメント及び/又はプロウログアニリンフラグメント類似体はまた、化学的に合成し、及び/又は化学的に修飾し(例えば、Creightonの文献, 『タンパク質:構造及び分子原理』, W.H. Freeman & Co., NY, 1983を参照されたい)、若しくは、本明細書に記載されるような組換えDNA技術によって、おそらくより大きなペプチドを対象として、より有利に産生することができる。さらなる手引きとして、当業者はAusubel, F.M.らの文献, 『分子生物学におけるプロトコール』, New York: Greene Publishing Associates and John Wiley & Sons, 1992;Sambrookらの文献, 『分子クローニング、研究室マニュアル』, Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, NY (1989)を参考にできる。
固相メリフィールド型合成などの合成化学的手法は、純度、抗原特異性、望ましくない副産物がないこと、製造の容易さなどの理由のために、より小さなペプチドに好ましい。多くの利用可能な手法の概要は、Stewardらの文献, 『固相ペプチド合成』, W. H. Freeman Co., San Francisco, California (1969);Bodanszkyらの文献, 『ペプチド合成』, John Wiley & Sons, 第2版 (1976);Meienhoferの文献, 『ホルモンタンパク質及びペプチド』, 2:46, Academic Press, New York, New York (1983);Merrifieldの論文, (1969) Adv. Enzymol. 32:221-96;Fieldsらの論文, (1990) Int. J. Peptide Protein Res. 35:161-214;及び、固相ペプチド合成を対象とした米国特許第4,244,946号、並びに古典的溶液合成を対象としたSchroderらの文献『ペプチド』第1巻, Academic Press, New York, New York, (1965)に見出すことができ、これらのそれぞれは引用により本明細書に組み込まれる。そのような合成において使用可能な適切な保護基は上記テキスト、及びMcOmieの文献『有機化学における保護基』Protective Groups in Organic Chemistry, Plenum Press, New York, New York, (1973)に記載され、これは引用によって本明細書に組み込まれる。
一般的に、与えられる固相合成法は、ペプチド鎖を伸長させるための1以上のアミノ酸残基又は適切に保護されたアミノ酸残基の逐次的付加を含む。通常、最初のアミノ酸残基のアミノ基又はカルボキシル基のどちらかを、適切な、選択的に除去可能な保護基によって保護する。異なる、選択的に除去可能な保護基を、リジンなどの反応性側鎖を含むアミノ酸に使用する。
典型的な固相合成を利用することによって、保護され又は誘導体化されたアミノ酸を、その保護されていないカルボキシル基又はアミノ基を介して不活性な固相支持体へと結合させる。アミノ基又はカルボキシル基の保護基をそれから選択的に除去し、適切に保護された相補(アミノ又はカルボキシル)基を有する配列中の次のアミノ酸を混合し、すでに固相支持体に結合した残基とのアミド結合を形成させるために、適切な条件下で反応させる。アミノ基又はカルボキシル基の保護基をそれからこの新たに付加したアミノ酸残基から除去し、(適切に保護された)次のアミノ酸をそれから付加し、またそのように先へ進める。全ての所望のアミノ酸を適切な配列に結合させた後、任意の残された末端及び側鎖保護基(及び固相支持体)を、最終ポリペプチドを利用するために逐次的に又は一度に除去する。
ここで開示される主題の任意のペプチドは、医薬として許容し得る塩の形態で使用できる。与えられたペプチドを含むペプチドであり得る適切な酸は、トリフルオロ酢酸(TFA)、塩酸(HCl)、臭化水素酸、過塩素酸、硝酸、チオシアン酸、硫酸、リン酸酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、アントラニル酸、桂皮酸、ナフタレンスルホン酸、スルホン酸などの無機酸を含む。HCl塩及びTFA塩が特に好ましい。
与えられたペプチドと塩を形成することができる適切な塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウムなどの無機塩基;及び、モノ−、ジ−並びにトリ−アルキル及びアリールアミン(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、メチルアミン、ジメチルアミンなど)などの有機塩基、並びに任意に置換されるエタノールアミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミンなど)を含む。
ポリペプチドプロウログアニリン類似体及び/又はプロウログアニリンフラグメント類似体に加えて、非ペプチド類似体もまた、ここで開示される主題において用いられ得る。これらの非ペプチド類似体は、プロウログアニリン及び/又はプロウログアニリンフラグメントに同等な活性を示す、任意の小分子を含み得る。そのような類似体は、例えばプロウログアニリン様活性を最大限に高める、組み合わせ化学技術によって生産できる。
ここで開示される主題の分子によって治療され得る疾患の例は、慢性糸球体腎炎及び慢性腎不全を含む腎疾患又は腎機能障害、うっ血性心疾患によって引き起こされる浮腫を含む心疾患又は心不全、肝硬変を含む肝疾患、及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。ここで開示される主題の分子はまた、高血圧の制御に使用できる。
(IV.治療法)
ここで開示される主題は、部分的に、ラットにおいてUGn18の注入を行うよりも、proUGnの注入が、より増大した利尿反応及びナトリウム利尿反応を誘起するという発見に関係する。proUGn、又はproUGnに由来する分子(しかし、ラットのUGn18及びヒトのUGn16とは異なる)は、これらの増幅された反応に役割を担う。ここで開示される主題は、対象の血流中へ外因性proUGnを注入することが、尿の産生の50倍までの増加をもたらすことを証明する。proUGnの注入は腎臓を刺激し、塩(ナトリウム利尿)及び水分(利尿)の両方を排出する。それゆえ、proUGnの注入は、塩貯留及び水分貯留によって特徴付けられる疾患の治療に用いることができる。
それゆえ、いくつかの実施態様において、ここで開示される主題は、塩貯留及び水分貯留、すなわち「塩貯留及び/又は水分貯留によって特徴づけ」られるものを含む、塩ホメオスタシス及び/又は水分ホメオスタシスの異常をもたらす疾患に苦しむ患者のための治療方法を提供する。したがって、ここで開示される主題は、利尿薬の恩恵を受けるが、通常の利尿薬に反応しない患者に加えて、慢性糸球体腎炎及び慢性腎不全を含む腎疾患又は腎機能障害、うっ血性心疾患によって引き起こされる浮腫を含む心疾患又は心不全、肝硬変を含む肝疾患、及び/又は高血圧に苦しむ患者のための治療方法を提供する。
現在、様々な利尿薬が臨床業務で使用されている。しかしながら、多くの患者は、利尿薬の既知スペクトルに抵抗性である。任意の特定の見解に執着することは好ましくないが、proUGnは、他の利尿薬に採用される機構とは異なる機構によって機能することが示唆される。具体的には、proUGnへの反応は、著しく遅い発現(注入開始後20〜40分)、及び非常に長い持続時間(注入終了後数時間以上続く)を有する。これらの際立った特徴は、既知の利尿薬との関係に関連してproUGnを特有なカテゴリーへと位置付けさせる。それゆえ、proUGnは新しい機構を介して機能するようであるので、通常の利尿薬に抵抗性である患者に有益である。
(IV.A.対象)
いくつかの実施態様において、ここで開示される主題の方法は、本明細書で定義されるような対象の治療に有用であり得る。ここで開示される主題の原理は、ここで開示される主題が、用語「対象」に含まれることが意図される哺乳動物を含む全ての脊椎動物種に対して効果的であることを示すことは理解されるが、多くの実施態様において、ここで開示される主題で治療される対象はヒト対象である。この文脈において、哺乳動物は、治療が望まれる任意の哺乳動物種、特に農業用及び飼育用哺乳動物種を含むことが理解される。
したがって、本明細書で使用されるように、用語「対象」は、任意の無脊椎動物種又は脊椎動物種をさす。ここで開示される主題の方法は、特に温血脊椎動物の治療に有用である。それゆえ、ここで開示される主題は、哺乳動物及び鳥に関連する。より具体的には、絶滅寸前のために重要な(シベリアトラなど)、例えば、ヒト以外の肉食動物(ネコ及びイヌなど)、ブタ(swine)(ブタ(pig)、ブタ(hog)、及びイノシシ)、反芻動物(ウシ、雄牛、ヒツジ、キリン、シカ、ヤギ、バイソン及びラクダなど)、及びウマなどのヒトにとって経済的に重要な(ヒトによる消費のために農場で飼育された動物)及び/又は社会的に重要な(ペットとして又は動物園で飼育される動物)これらの動物に加えて、ヒトなどの哺乳動物の治療及び/又は診断である場合である。また、ヒトにとって経済的に重要であるような、野鶏、及びより具体的には飼育用野鶏、例えばシチメンチョウ、ニワトリ、カモ、ガチョウ、ホロホロ鳥などの家禽に加えて、絶滅の危機に瀕している、動物園で飼育されている鳥の種類の治療を含む、鳥の治療である場合である。それゆえ、飼育用ブタ(swine)(ブタ(pig)及びブタ(hog))、反芻動物、ウマ、家禽などを含むが、これらに限定されない家畜の治療である場合である。
(IV.B.製剤)
治療用組成物(例えば、プロウログアニリン、プロウログアニリンの腎性代謝産物、プロウログアニリン又はプロウログアニリンの腎性代謝産物の類似体若しくはフラグメント、又はそれらの組み合わせを含む組成物)は、好ましくは、医薬として許容し得るキャリアーを含む組成物を含む。適切な製剤は、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、殺菌性抗菌物質、及び対象とする受容者の体液に等張な製剤を与える溶質を含み得る、水性滅菌注射液及び非水性滅菌注射液;並びに、懸濁化剤及び増粘剤を含み得る、水性滅菌懸濁液並びに非水性滅菌懸濁液を含む。
いくつかの実施態様において、治療用組成物は、プロウログアニリン、プロウログアニリン代謝産物、プロウログアニリンフラグメント又はプロウログアニリン類似体を組み合わせた追加の治療剤を含むことができ、ここで該追加の治療剤は、利尿及び/又はナトリウム利尿特性を有する。追加の治療剤は、同じ組成、又は異なる組成で投与できる。それゆえ、用語「組み合わせで」は、単一の組成物、又は1以上の異なる組成物を含む活性剤の投与をさす。当業者に周知の利尿薬の一般的なクラスは、炭酸脱水酵素阻害剤、チアジド及びチアジド様利尿薬、ループ(又は強力)利尿薬、並びにカリウム保持性利尿薬を含む。そのような利尿薬の具体例は、フロセミド、ブメタジン、トルセミド、ヒドロクロロチアジド、トリアンテリン、インダパミド、エトクリニック酸、スピロノラクトン、及びメトラゾンを含むが、これらに限定されない。
ここで開示される方法で使用される組成物は、油性媒体又は水性媒体中で、懸濁液、溶液、又は乳濁液のような形態をとることができ、かつ懸濁化剤、安定化剤及び/又は分散剤などの補剤を含み得る。あるいは、活性成分を使用前に、例えば滅菌発熱物質非含有水のような、適切な媒体を構成するために、粉末形態であり得る。
製剤は、例えば密封アンプル及び密封バイアルのような単位用量容器、又は複数用量容器内にあってよく、かつ使用直前に滅菌液体キャリアーの添加のみを必要とする凍結状態、又は凍結乾燥(freeze-dried)(凍結乾燥(lyophilized))状態で保存することができる。
経口投与について、組成物は例えば、結合剤(例えば、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロース);充填剤(例えば、ラクトース、微結晶性セルロース又はリン酸水素カルシウム);滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、滑石又はシリカ);崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプン又はデンプングリコール酸ナトリウム)、又は湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)などの、医薬として許容し得る賦形剤を用いた従来技術によって調製される錠剤、若しくはカプセルの形態で摂取できる。錠剤は、当業者に既知の方法によって被覆できる。例えば、治療用組成物は、該組成物が結腸に達するまで保護する腸溶性被覆剤又は遅延放出被覆剤を有するpH安定核として、ヒドロクロロチアジドと組み合わせて製剤できる。
経口投与用液体製剤は、例えば溶液、シロップ又は懸濁液の形態で摂取でき、若しくはそれらは、使用前に、水又は他の適切な媒体との構成のために、乾燥製品として存在してもよい。そのような液体製剤は、懸濁化剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体、又は硬化食用油脂);乳化剤(例えば、レシチン又はアカシア);非水性媒体(例えば、アーモンドオイル、油性エステル、エチルアルコール又は分画植物油);及び防腐剤(例えば、メチル−p−ヒドロキシ安息香酸又はプロピル−p−ヒドロキシ安息香酸若しくはソルビン酸)などの、医薬として許容し得る添加剤を用いた従来技術によって調製できる。また製剤は、適切な緩衝塩、香料、着色料及び甘味料を含み得る。経口投与用製剤を適切に構成し、活性化合物の制御された放出を与えることができる。組成物の口腔投与について、従来の様式で製剤された錠剤又はトローチ剤の形態で摂取できる。
化合物もまた、注入又は注射用製剤として構成できる。それゆえ例えば、化合物は、適切な高分子素材又は疎水性物質(例えば、許容し得るオイル中における乳剤のような)、又は適切なイオン交換樹脂、若しくは難溶性可溶性誘導体(例えば難溶性可溶性塩のような)のようなものと共に構成できる。
また、化合物は、直腸組成物(例えば、カカオバター又は他のグリセリドなどの、通常の坐薬基剤を含む坐薬又は停留浣腸)、クリーム、ローション、又は経皮貼付で処方できる。
(IV.C.用量)
本明細書で使用される用語「有効量」は、かなりの生物学的反応(利尿及び/又はナトリウム利尿)を誘導するのに十分な治療用組成物(例えば、プロウログアニリン、プロウログアニリンの腎性代謝産物、プロウログアニリン又はプロウログアニリンの腎性代謝産物の類似体若しくはフラグメント、又はそれらの組み合わせを含む組成物)の量をさす。ここで開示される主題の治療用組成物中の活性成分の実際の用量レベルは、具体的な対象及び/又は用途に対して、所望の治療効果を達成するのに効果的な活性化合物の量を投与するために変えることができる。選択される用量レベルは、治療用組成物の活性、剤形、投与経路、他の薬剤又は治療との組み合わせ、治療される病気の程度、及び治療される対象の身体状態並びに先の病歴を含む、様々な因子によって決まる。好ましくは最小用量を投与し、かつ用量は最小限有効量までの用量規定毒性がない範囲内で増量される。いつ、どのようにそのような調整をするかという評価と同様に、治療的に有効な量の決定及び調節は、医学の当業者に既知である。
本明細書に記載されている治療用組成物の投与について、マウス動物モデルに投与された用量に基づいたヒト用量の従来型推定方法は、マウス用量からヒト用量に変換させるための変換係数:ヒト1kg当たりの用量=マウス1kg当たりの用量×12(Freireichらの論文, (1966) Cancer Chemother Rep. 50:219−244)を使用して実施できる。また、体重よりも体表面積1平方メートル当たりのミリグラムで実施する方法が、特定の代謝及び***機能によい相関を示すことから、薬剤投与量は、体表面積1平方メートル当たりのミリグラムで与えられることがある。さらに、体表面積は、Freireichらによって記載されたような、様々な動物種(Freireichらの論文, (1966) Cancer Chemother Rep. 50:219−244)と同様に、成人及び子供における薬物用量のための共通の基準として使用できる。手短に言うと、mg/平方メートル用量当量として任意の与えられた種においてmg/kg用量を表すには、mg/kg用量を適切なkm係数とかける。ヒト成人では、100mg/kgは、100mg/kg×37kg/平方メートル=3700mg/mに等しい。
製剤及び用量に関するさらなる手引きのために、米国特許第5,326,902号;米国特許第5,234,933号;PCT国際公開第WO 93/25521号;Berkowらの文献, (1997)『医療情報のメルクマニュアル』,家庭版 Merck Research Laboratories, Whitehouse Station, New Jersey;Goodmanらの文献, (1996)『グッドマン及びギルマンの薬物治療学の薬理学的基礎』,第9版. McGraw−Hill Health Professions Division, New York;Ebadiの文献, (1998)『臨床薬理学のCRC卓上参考書』, CRC Press, Boca Raton, Florida;Katzungの文献, (2001)『基礎及び臨床薬理学』,第8版, Lange Medical Books/McGraw−Hill Medical Pub. Division, New York;Remingtonらの文献, (1975)『レミングストンの薬学』,第15版, Mack Pub. Co., Easton, Pennsylvania;及び、Speightらの文献, (1997)『アベリーの薬物療法:疾病管理における薬剤の特性、選択、治療的使用、及び経済的価値のガイド』,第4版. Adis International, Auckland/ Philadelphia;並びに、Duchらの論文, (1998) Toxicol. Lett. 100−101:255−263を参照されたい。
(IV.D.投与経路)
対象に、ここで開示される主題の組成物を投与するための適切な方法は、これらに限定されないが、全身投与、非経口投与(血管内投与、筋肉内投与、動脈内投与を含む)、経口送達、口腔送達、皮下投与、吸入、気管内設置、外科的移植、経皮送達、局所注射、及び超高速注入/照射を含む。適用できる場合、連続注入は、標的部位での薬剤の蓄積を増幅し得る(例えば米国特許第6,180,082号を参照されたい)。
ここで開示される主題の方法に従って使用される薬剤投与の具体的な様式は、使用される治療剤及び/又は薬物キャリアー、治療される病気の重症度、並びに投与後の薬物の代謝若しくは***の機構を含むが、これらに限定されない、様々な因子次第で決まる。
(V.水分ホメオスタシス及び/又はナトリウムホメオスタシスに関連した疾患の診断、並びにモニタリング)
また、ここで開示される主題は、血漿中の内因性proUGnのレベルが、経口塩摂取で変化する:増加した経口塩は増加した循環proUGnをもたらし、その一方で減少した経口塩は減少した循環proUGnをもたらすことを立証する。それゆえ、血漿proUGnの測定(及び/又は、ラットにおける血漿UGn18に対する血漿proUGnの割合、並びに同様にヒトのUGn16に対する血漿proUGnの割合)は、腎臓、心臓、肝臓、腸、及び循環系を含む疾患の発病並びに進行を評価するための診断ツールとして役立てることができる。それゆえ、いくつかの実施態様において、ここで開示される主題は、水分ホメオスタシス及び/又はナトリウムホメオスタシスを含む疾患の診断方法並びに/若しくはモニタリング方法を提供する。代表的病状は、これらに限定されないが、体液量過剰、腎臓機能の低下、心機能の低下、及び/又は高血圧をもたらす疾患を含み、それらの全ては血漿中のproUGnのレベルを上昇させる。
いくつかの実施態様において、本方法は、抗proUGn特異的免疫検定法の使用を介して、生体サンプル中のプロウログアニリンの定量的解析を含む。
当該業界で現在使用可能なウログアニリン放射線免疫検定法(RIA)は、ペプチドレベルを計算するためのUGn18に基づいた標準曲線を使用し、かつproUGn及びUGn18に対する抗体の相対的親和力を確立していないため、現在使用可能なウログアニリン放射線免疫検定法(RIA)は、proUGnを測定するのに適切でない。ここで開示される主題は、プロペプチド及びプロペプチドの最もよく知られた分解産物であるUGn18の同時検出に起因する合併症を避ける、proUGnの正確な定量的検出のために調整された免疫検定法を提供する。それゆえ、ここで開示される主題はまた、いくつかの実施態様において、proUGnの血漿レベルを測定するための免疫検定法手段を提供する。
免疫検定法を実行するための標準プロトコルに加えて、免疫検定法における使用のための組織及び血漿サンプルを調製するための一般的方法は、当業者に周知である。
いくつかの実施態様において、proUGnの生体レベルの検出における使用のためのここで開示される主題によって提供される抗proUGn抗体は、ポリクローナル抗体である。その様々な文法形式における熟語「ポリクローナル抗体」は、多くの種の抗体結合部位を含む、抗体分子の集団をさす。ポリクローナル抗体の集団の一部は、興味のある特定のエピトープに対して結合親和性を示す。ここで開示される主題において、興味のある免疫原は、ラットのUGn18及びヒトのUGn16のアミノ酸配列とは異なるプロウログアニリンペプチドの一部である。それゆえ、例えば本明細書に記載される、抗proUGnポリクローナル抗体のあるもの(6910)は、アミノ酸配列PALPLDLQPVCASQE (配列番号:7)を含む免疫原を使用して作られた抗原に対して誘発された。
本明細書で使用されるように、用語「抗原」は、抗体又はT細胞受容体に結合する分子をさす。抗体に結合する抗原は、全てのクラスの分子を含む。本明細書で使用されるように、用語「エピトープ」は、抗体が結合する高分子抗原の特定の一部をさす。T細胞によって認識されるタンパク質抗原の場合、エピトープは、T細胞受容体による認識のために、MHC分子に結合するペプチド部分である。ポリクローナル抗体は、抗原への完全な免疫応答を表し、それゆえ興味のあるエピトープ以外のエピトープに結合する抗体を含む。
本明細書で使用されるように、用語「免疫原」は、免疫応答を誘導する抗原をさす。
その様々な文法形式における、熟語「モノクローナル抗体」は、特定のエピトープに免疫応答できる抗体結合部位の1種類のみを含む、抗体分子の集団をさす。それゆえ、モノクローナル抗体は通常、モノクローナル抗体が免疫応答する任意のエピトープに対して、唯一の結合親和性を示す。
ここで開示される主題の方法は、抗proUGn抗体に対して、本明細書で記載されるエピトープから産生されたモノクローナル抗体の使用に影響を受けやすい。モノクローナル抗体は通常、1種類のみの抗体分子を分泌する(産生する)、ハイブリドーマと呼ばれる単一細胞のクローンによって産生される抗体から構成される。ハイブリドーマ細胞は、抗体産生細胞とミエローマ又は他の自己永続的細胞株との融合によって形成される。そのような抗体の調製は、Kohler及びMilsteinの論文, (1975) Nature 256:495-497に最初に記載され、この記述は引用により組み込まれる。付加的な方法は、Zolaの文献, 『モノクローナル抗体:技術マニュアル』, CRC Press, Inc, Boca Raton, Florida (1987)に記載される。そのように調製されたハイブリドーマ上清は、プロウログアニリン又はプロウログアニリンフラグメント、若しくはそれらの類似体で免疫反応する抗体分子の存在を選別できる。
手短に言うと、モノクローナル抗体組成物が産生されるハイブリドーマを作成するために、ミエローマ又は他の自己永続的細胞株を、proUGnエピトープを含む抗原で過免疫された哺乳動物の脾臓から得られたリンパ球と融合させる。ハイブリドーマを調製するために使用されるミエローマ細胞株は、リンパ球と同じ種由来であることが好ましい。通常、マウスの系統129GIX+が、好ましい哺乳動物である。ここで開示される主題における使用のための適切なマウスミエローマは、ヒポキサンチン−アミノプテリン−チミジン感受性(HAT)細胞株P3X63-Ag8.653、及び、それぞれCRL 1580及びCRL 1581の名称で、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC), Manassas, Virginiaから入手可能なSp2/0−Ag14を含む。
脾細胞は通常、ポリエチレングリコール(PEG)1500を使用して、ミエローマと融合させる。融合ハイブリッドを、HATに対するその感受性によって選別する。ここで開示される主題のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、酵素免疫測定法(ELISA)を用いて同定することができる。
提供されたモノクローナル抗体はまた、適切な特異性を有する抗体分子を分泌するハイブリドーマを含む栄養培地を含むモノクローナルハイブリドーマ培地を惹起させることによって産生し得る。培地は、ハイブリドーマが該培地へ抗体分子を分泌するために十分な条件下及び時間で維持する。抗体含有培地をそれから回収する。抗体分子はそれから、当業者に既知の手法を使用して、さらに単離できる。これらの組成物の調製のために有用な培地は、当業者に周知であって、かつ市販されており、合成培地、近交系マウスなどを含む。典型的な合成培地は、4.5グラム当たり1グラムのグルコース、20mMグルタミン、及び20%ウシ胎仔血清を補足した、ダルベッコ最小必須培地(DMED)(Dulbecco らの論文., (1959) Virol. 8:396)である。典型的な近交系マウス系統はBalb/Cである。
モノクローナル抗体、ハイブリドーマ細胞、又はハイブリドーマ細胞培地を産生する他の方法もまた周知である。例えば、Sastryらの論文, (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 86:5728-5732;及び、Huseらの論文, (1989) Science 246:1275-1281によって記載されるような免疫学的レパートリーから、モノクローナル抗体を単離する方法を参照されたい。
また、必要以上の実験をしないで、モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体がここで開示される主題の抗体と同じ(すなわち、同等の)特異性(免疫反応特性)を有するかを、モノクローナル抗体が、予め選別した標的分子へのポリクローナル抗体の結合を妨げるかを確定することによって決定することができる。テストされる抗体が、ここで開示される主題の抗体と競合することを条件として、標的分子が固相に存在する場合に、該標的分子に結合することに対する標準的競合アッセイにおいて、ここで開示される主題の抗体による結合の減少が示されるならば、その時点で該2種類の抗体は、同じ、又は密接に関連したエピトープに結合する可能性がある。
抗体が、ここで開示される主題の抗体の特異性を有するかを決定するためのさらに別の方法は、ここで開示される主題の抗体と、通常の反応性である標的分子とをプレインキュベートすることであり、それからテストされる抗体を添加し、標的分子に結合する能力において阻害されるかどうかを決定することである。テストされる抗体が阻害された場合、その時点で、おそらくその抗体は、ここで開示される主題のモノクローナル抗体と同じ、又は機能的に同等なエピトープ特異性を有する。
以下の実施例は、当業者が、ここで開示される主題の代表的実施例を実施するための手引きを提供することを含む。本開示、及び当業者の一般的なレベルを考慮すると、当業者は、下記の実施例が、典型のみ、及びここで開示される主題の範囲から逸脱することなく用いられる多くの変化、修飾並びに変更を対象とすることは、十分に理解できる。
(実施例1〜7のための材料及び方法)
組織及び抽出物調製のための適切な方法と共に、ラットプロウログアニリンのcDNA配列、及びノーザンブロッティング並びにウエスタンブロッティングの手法は、先に記載されている。Li, Z.らの論文, Regul. Pept., 68, 45−56 (1997)を参照されたい。ラットproUGnは、すでにクローン化されている。Currie, M.G.らの論文, Proc. Natl. Acad. Sci., 89, 947−951 (1992)を参照されたい。
ラットプロウログアニリンの配列は: VYIKYHGFQVQLESVKKLNELEEKQMSDPQQQKSGLLPDVCYNPALPLDLQPVCASQEAASTFKALRTIATDECELCINVACTGC(配列番号:8)である。
ラットプログアニリンの配列は:MNAWLLSVLCLLGALAVLVEGVTVQDGDLSFPLESVKQLKHLREVQEPTLMSHKKFALRLPKPVAPELCSQSAFPEALRPLCEKPNAEEILQRLEAIAQDPNTCEICAYAACTGC(配列番号:9)である。
200〜250gのオスのスプレイグダウリーラット(Charles River Laboratories社, Wilmington, Massachusetts, United States of America)を用いて実験を行った。ラットの試験食餌は、供給業者から入手した(Harlan Teklad社, Madison, Wisconsin, United States of America)。いくつかの実験について、腎茎の外科的緊急結紮によって無腎動物を準備した。必要に応じて、ネムブタルで動物を麻酔した(60mg/kg初期体重)。
全長proUGn(シグナルペプチドを差し引いた)をコードしたcDNAテンプレートから、35S−Cys及び35S−Met存在下で、共役インビトロ転写/翻訳によって、放射性proUGnを調製した。
一般的に、検出される全ての分子種が全長proUGnに一致する分子量を有することを確実にするために、生体サンプルを免疫検定法の実行前のSDS−PAGEで分画し、それによって、proUGn切断産物、又は非特異的に該抗体に反応し得る他の無関係なタンパク質との、あらゆる抗体の交差反応性を排除した。
特に明記しない限り、proUGn及び関連ペプチドの検出、並びに同定のためのHPLC条件は以下の通りである:Vydac 218TP(商標)C−18逆相カラム(Grace Vydac社, Hesperica, California, United States of America);0.1%TFA含有HOで25分間カラムを平衡化し、次に0%アセトニトリル(0.1%含有)から50%アセトニトリル(0.1%TFA含有)へと30分の勾配をかけ、100%アセトニトリル(0.1%TFA)で5分洗浄する。
IFモデル943 炎光光度計(Instrumentation Laboratory Company社, Lexington, Massachusetts, United States of America)で、Na、K及び水分***:Na濃度及びK濃度を解析する。尿を、尿管カニューレから、又は代謝ケージで採取する。尿量を、重量測定法で測定する。
使用する場合、プロテアーゼ阻害剤は、1mM EDTA、0.01% バシトラシン、2.5mM 4−(2−アミノエチル)−ベンゼンスルホニルフルオリド、38μM ペプスタチンA、35μM トランス−エポキシスクシニル−L−ロイシルアミド(4−グアニジノ)ブタン、0.1mM ベスタチン、55μM ロイペプチン、及び2μM アプロチニンを含む、シグマ社(Sigma-Aldrich社, Milwaukee, Wisconsin, United States of America)からの阻害剤の市販混合物である。
(実施例1)
(抗proUGn抗体、及び抗proGn抗体)
先に記載したように、ラットproUGn分子の、2種類の異なる15アミノ酸領域に対する抗体を産生させた。Perkins, A.らの論文, Gastroenterology, 113, 1007−1014 (1997)を参照されたい。ラットproUGnの2つの領域に対する抗体もまた、産生させた。2種類の抗proUGn抗体である6910及び6912、並びに2種類の抗proGn抗体である2538及び6240用の抗原として使用される配列を、図1に示す。
ポリクローナル抗proUGn抗体6910を産生するために使用される免疫原用のアミノ酸配列は、PALPLDLQPVCASQE(配列番号:7)である。
ポリクローナル抗proUGn抗体6912を産生するために使用される免疫原用のアミノ酸配列は、QQQKSGLLPDVCYN(配列番号:10)である。
ポリクローナル抗proGn抗体2538を産生するために使用される免疫原用のアミノ酸配列は、VQDGDLSFPLESVK(配列番号:11)である。
ポリクローナル抗proGn抗体6240を産生するために使用される免疫原用のアミノ酸配列は、LCEKPNAEEILQRLE(配列番号:12)である。
図3a〜3dは、抗proUGn抗体6910及び6912の性質決定並びに確認を示す。図3aは、抗体6910及び6912が、放射性標識されたproUGnを免疫沈降させることを示しているSDS−PAGEゲルのオートラジオグラムである。免疫に先立ってウサギから採取される血清中の抗体(6912P.I.及び6910P.I.と記されたレーンにおいて使用される)は、該プロペプチドを免疫沈降させず、これは該免疫反応性が抗proUGn抗原の免疫の結果であり、かつ該ウサギ血清中にすでに存在する抗体の結果としての、非特異的反応ではないことを示唆している。ブロットの左側のチェックマークによって示されるように、免疫沈降タンパク質は、シグナルペプチド除去後の全長proUGnの補正サイズである、約8.5kDaの分子量を有する。それゆえ、放射性標識されたproUGnを調製する反応もまた、所望の産物を与えるようである。図3bは、ラット小腸の組織サンプルから、抗proUGn抗体によって検出されたタンパク質のウエスタンブロットを示す。該抗体は、図3aにおいて沈降された、8.5kDaの放射性標識されたproUGnと同じサイズであるように見えるタンパク質、おそらく天然型proUGnを標識する。該抗体はまた、両方の高分子量タンパク質を標識するが、この場合には、1つの抗体によって認識される交差反応分子は、他の抗体によって認識される交差反応分子の同等物ではないようである(それゆえ、高分子量タンパク質は、proUGnに関連性のない、非特異的免疫反応性分子であることを示す)。免疫前血清は、全く反応しない。図3cは、図3aで産生された、本実験において使用される放射性標識されたproUGnが、ラット小腸からの免疫反応性の8.5kDaタンパク質と同じHPLC滞留時間を有することを示す。HPLCクロマトグラム上の黒丸記号は、放射性標識されたproUGnのクロマトグラフィーから回収された画分のシンチレーション計数の結果である。ウエスタンブロットの挿入図は、該腸サンプルのHPLCにおいて対応する時間点で回収された画分における8.5kDaタンパク質の存在を示す。図3dは、抗proUGn抗体(6910及び6912)が、組換えproGn(同様に放射性標識されたproUGnに対して調製された)を認識しないことを示すウエスタンブロットである。抗proGn抗体(2538と記されたレーン)は、放射性標識されたproGnとは相互作用しない。
また、抗proUGn抗体を使用して、ラット腸の異なる部分における組織内のプロペプチド分布を測定した。図4は、抗proUGn抗体6910を用いた実験からのウエスタンブロットデータ(上のブロット)、及びアンチセンスUGnリボプローブを用いた実験からのノーザンブロットデータ(下のブロット)を対比する。本実験で使用された組織サンプルは、下のブロットに示されているような、ラット腸の異なる部分から選んだ;それゆえ、該ブロットは、体軸全体に沿ったproUGnペプチド及びウログアニリンmRNAの分布を示す。各ブロットは複数回の測定の典型であり、かつ該結果は、実験から実験へと再現可能である(各方法においてn=4)。プロペプチド及び該mRNA転写産物は、腸において、本質的に区別できない局所パターンを有する(図4は、Qian, X.らの論文, Endocrinology, 141, 3210−3224 (2000)を再現する)。
抗proUGn抗体及び抗proGn抗体が、血漿中のproUGn、及びproGnを検出できるかを測定するための最初のテストにおいて、5mgのラット血漿タンパク質を、逆相HPLCによって分画した。信頼性のあるスタンダードを用いて確立されたproUGn及びproGnの既知の滞留時間を一括している画分を回収した。抗proUGn抗体6910又は抗proGn抗体2538を用いて、個々の画分を免疫ブロットした。
図5aは、proUGn及びproGnの、画策された細胞分泌の模式図を示す。proGnは杯細胞において発現し、そして腸管腔へとアピカル的に分泌される。該内腔において、proGnはおそらく、腸プロテアーゼによってGn15へと還元され、管腔配向型GC−C受容体を活性化させる。対照的に、proUGnはEC細胞内で発現し、アピカル的及びバソラテラル的の両方で分泌される。それゆえ、proUGnのみが血漿中に検出されるはずである。血漿の免疫ブロット実験の結果は、この模式図通りのようである。図5bは、ラット血漿のHPLC画分からの、11個のHPLC画分(42−52)を用いて、抗proUGn抗体6910を使用したウエスタンブロットを示す。画分47及び48において、約8.5kDaのタンパク質を検出する(矢印で示されているように)。抗proGn抗体2538は、該HPLC画分からタンパク質を検出しない(図5c)。信頼できるサンプルのHPLC滞留時間に基づいて、proGnを含んでいるはずの画分(455及び46)は、矢印をつけている。図5b及び5cにおいて、「std」と記されたレーンは、コントロールとして、本物のproUGn(図5b)又は本物のproGn(図5c)を泳動したものである。
この手法の次の改良点は、逆相カラムをHPLCサイズ排除カラムに替える。この改良手順は、proUGnと、アルブミン及び免疫グロブリンなどの他の大量の血漿タンパク質とのよい分離を与える。これらの大量の干渉タンパク質の除去は、ウエスタンブロット法の解像度を大幅に向上させ、それゆえ該アッセイの検出感度を大幅に高める(図5dを参照されたい)。
(実施例2)
(定量的proUGn特異的免疫検定法)
周辺効果を避けるために、最も外側の2レーンをブランクのままにした20レーンのゲル上で、定量的免疫検定法を実施した。左側の6レーンを使用して、標準曲線を構築し、かつr−proUGnの希釈系列(500 fmol、250 fmol、125 fmol、62.5 fmol、31.3 fmol、及び15.6 fmol)で泳動した。分子量スタンダード及び内部較正スタンダード用に、さらに2レーンを使用した。残りの10レーンに実験サンプルを泳動した。ゲル内容物を共電気泳動し、標準的な免疫ブロット手順で、ニトロセルロース捕獲膜に共転写した。該膜をそれから2%硬骨魚ゲルを用いて一晩ブロッキングし、抗proUGn一次抗体(6910又は6912)と共にインキュベートし、十分に洗浄し、そしてIRDye(商標)800結合ヤギ由来抗ウサギ二次抗体(Li-Cor Biosciences社, Lincoln, Nebraska, United States of America)と共にインキュベートした。さらなる洗浄後、Li-Cor Biosciences Odyssey(登録商標)Infrared Imaging Systemを使用して、proUGnに結合した二次抗体の量を測定した。
スタンダードによって作成された、検出されたinfra−red(IR)強度測定値にラインを適合させ、未知のr−proUGnの量を補間によって決定した。該アッセイは、少なくとも8pmolまで線形に決定し、15.6fmolスタンダードからわずかに高い検出限界を有する。同じアッセイで実施される、同一のテストサンプル用の平均変動係数は、4.2±0.2%であった。
定量的免疫検定法の結果を、図6a及び6bに示す。図6aは、2つの異なる抗proUGn抗体(6910及び6912)を用いてテストされたr−proUGnの希釈系列によって作成された、変動赤外強度を示す。これらのレーンからのデータを使用して、図6b中のラインによって示される標準曲線を作成する。ラット結腸、ラット遠位回腸、及びラット近位空腸から取り出した実験サンプル由来のproUGnの量を、これらのサンプルから作成されたIR強度データを該標準曲線に適合させることによって決定した。それゆえ、図6bに示されるように、結腸サンプルはproUGnをほとんど含まず、遠位回腸サンプルは全タンパク質60μg当たり0.2pmol程度のproUGnを含み、また近位空腸由来のサンプルは全タンパク質60μg当たり約1.0pmolのproUGnを含む。
(実施例3)
(塩摂取への応答におけるproUGnの血漿レベル)
口胃の塩負荷のための急性モデル:実験開始前に、動物を通常の塩分(標準的なラット食物、0.5% NaCl)の食事で維持した。急性塩負荷実験前の12時間、水ではなく、食物を没収した。実験開始時に、動物を麻酔し、圧力変換器と連結した胃管を取り付け、非閉塞人工呼吸を保証するPE240気管切開チューブを付けて、テスト溶液を供給し、胃内容排出をモニターした。頸静脈中の留置カテーテルを静脈内(iv)注入のために使用し、動脈圧力変換器を頸動脈中のカニューレへと接続し、血圧をモニターした。それぞれの尿管カニューレから尿を回収し、腎臓機能とproUGn***を調査した。腸を退縮させることによって門脈を露出させ、ガーゼの背後の肝臓を反映させた。全ての動物に、頸静脈カニューレを介して、2%BSAを含む生理食塩水の一定に維持された注入を与えた(30μl/分/100g体重)。許容可能な実験条件の指標として、麻酔深度、血圧、血球容量、及び尿産生をモニターした。一旦、これらのパラメータを固定し、門脈及び頸動脈からの血漿サンプリング(150μl)を始め、それぞれの実験時間の間、60分間隔で続けた。また、それぞれの実験の進行の間、逐次的な30分の尿サンプルを回収した。各実験の終わりに、近位小腸、近位結腸、腎臓、及び肝臓を摘出し、proUGn及びウログアニリンmRNA発現のレベルを測定した。
血漿及び尿proUGnの基準レベルが、実験条件によって影響されるかを測定するために、塩の胃内注入なしで、上記プロトコルに従って、6匹のラットのコントロール群をテストした。6匹のラットのテスト群に、30分の強制投与によって、300mM NaCl3mlを与えた。
図7aは、胃内塩注入(黒丸)後、約100分に始まる、尿Na***の大幅な増加があることを示す。コントロール動物(白丸)では、尿Na産出量の実質の増加は見られなかった。対応する血漿proUGnのレベルの増加が見られた。図7aの右側の棒グラフは、塩負荷後100分に測定したproUGnの血漿濃度(該グラフ中の「after」バー)は、塩負荷前のproUGn血漿濃度(該グラフ中の「before」バー)の2倍以上であったことを示す。
口胃的塩負荷のための慢性モデル:標準的なラット用食物で3日間、別個の代謝ケージで動物を飼育し、それから4日間、標準的食物(0.5%NaCl)、又は高Na食物(2%NaCl)のどちらかに置いた(投与群につき、n=6)。該食物は異なる塩濃度を有するが、他の全ての条件(タンパク質、脂質、炭水化物、及び繊維含有量)は同一であった。食物及び水の消費(適宜得られる)を、毎日モニターした。初めの3日は、それぞれの動物におけるコントロール(刺激前)データをとった。最初の3日間、1日につき2回、ライトオン(午前6時)及びライトオフ(午後6時)に対応して;食物を切り替えた後、最初の24時間の間、3時間間隔で;そして、本調査の残りの期間、1日につき2回、血漿及び尿を採取した。頸動脈中に取り付けた留置カテーテルを介して、血漿サンプル(100μL)を回収した。プロテアーゼ阻害剤カクテル(Sigma社, Milwaukee, Wisconsin, United States of America)を予め入れた、冷却されたチューブ内に、尿を継続的に採取した。免疫検定法で、血漿及び尿中のproUGnレベルを測定し、炎光光度法で、尿Na及びK***を測定した。本実験の最後に組織を摘出し(空腸の近位部10cm、結腸の近位部10cm、腎臓、及び肝臓)、ウログアニリンmRNAレベルをノーザンブロッティングで測定した。ノーザンブロッティングで測定したウログアニリンmRNAのレベルを、β−アクチンmRNAレベルに対して標準化した。
図7b及び7cに慢性塩負荷実験の結果を示す。図7bは、食物の塩変更後3日目における、尿ナトリウム***の劇的な増加を示す。高塩食物を用いた動物からのデータを黒丸で示し、コントロール群からのデータを白丸で示す。塩摂取での急性変化と同様に、食物塩摂取の慢性変化もまた、血漿proUGnレベルの増加を導く。図7bの右側の棒グラフは、高塩食物を用いた動物が、コントロール動物の血漿中に見出された5〜6pmol/mLに比較して、約13pmol/mLの血漿proUGn濃度を有していたことを示す。図7cは、高塩食物で6日間飼育した動物中の空腸のウログアニリンmRNA発現が、低塩食物で6日間飼育した動物での発現よりも高かったことを示す。
(実施例4)
(血漿proUGnの腎臓クリアランス)
放射性ラベルしたr−proUGnを含む溶液を、麻酔したラットに、60分間、ivで注入した。注入の間の時間点で、シンチレーション計数によって、血漿及び尿中の放射能濃度を測定した。図8aは、proUGnの血漿レベル(黒丸)が一定のままである一方で、尿レベル(白丸)が、注入の経過時間の間、劇的に増加したことを示す。60分の注入の終わりに、脳、胸腺、肺、小腸、骨格筋、脾臓、心臓、腎臓及び肝臓から組織サンプルを採取し、シンチレーション計数で放射能を測定した。図8bに示されるように、腎臓サンプルのみが、35S−proUGnの存在に対応する放射能の有意水準を含む。
proUGnの腎臓クリアランス速度を測定するために、放射性標識したプロペプチドのボーラス注入後に、35S−proUGnの血漿レベルをモニターした。ボーラス注入(約10cpm)を、コントロール(すなわち、正常)ラット群、及び無腎ラット群に与えた。注入後、様々な時間点で血液サンプルを採取し、HPLCで分画した。それぞれの画分中の放射能を、シンチレーションカウンターで測定した。図8cは、proUGnが、無腎動物(黒丸)よりも、コントロール動物(白丸)において、より早く除去されたことを示す。まとめると、これらの実験結果は、腎臓が、proUGnの主要なクリアランス経路であり得ることを示す。
(実施例5)
(血漿及び腎臓proUGn代謝)
頸動脈への35S−proUGn(約10cpm)のボーラス注入後、2分、5分及び10分の血漿サンプルを採取した(各時間点でn=2)。尿を、35S−proUGnの60分の動脈注入の最後の30分間採取した(n=7)。ボーラス注入用に使用される溶液中のcpm/μLよりも、注入される物質中のcpm/μLは約100倍低かった。血漿及び尿サンプルをHPLCカラムにアプライし、各画分中の放射能をシンチレーションカウンターで測定しながら溶出させた。
腎臓が、proUGnクリアランスに不可欠であることのさらなる証拠として、及び腎臓がproUGn、又は非UGn18proUGn代謝産物の作用部位であることの可能性のある徴候として、注入された35S−proUGnのHPLC解析は、proUGnが血漿中で完全なままのようであることを示した(図9a)。35S−proUGn濃度は時間と共に減少したが、新たな放射性標識産物は見られなかった。反対に、35S−proUGnの長時間注入後の尿中の放射性種のHPLC解析は、少なくとも2種類、及びおそらくは3種類のproUGn関連産物を示す(図9b)。43分のピークは、proUGnに類似した滞留時間を有する;それゆえ、実施例9より後に提示されるものと同様の構造研究は、該ピークが新しいproUGnフラグメントに関連する、又は無傷のproUGn自身であるかどうかを明確に決定するために必要である。遊離の放射性標識したシステイン及びメチオニンに一致するピークもまた検出した。
(実施例6)
(注入されたproUGnによって誘導される利尿及びナトリウム利尿)
ラット小腸から、天然型proUGnを精製する。麻酔剤の過剰摂取で動物を犠牲にし、小腸の近位部約20cmを摘出する。該組織を縦方向に切り、生理食塩水で洗浄し、粘膜層を顕微鏡用スライドでつぶすことによって単離する。−78.5℃に冷却した金属板上で、つぶした材料を瞬間冷凍し、それから、プロテアーゼ阻害剤を含む、50mM HEPES、pH7.4中でホモジナイズする。50,000×gでの遠心分離によってホモジネートの不純物を除去し、上清を、MonoQ陰イオン交換カラム、及びVYDAC C−18逆相カラムで、逐次的に分画する。この2番目のクロマトグラフィー段階のHPLCクロマトグラムを、proUGnの存在を確認する挿入図で示されるそれぞれのHPLC画分のウエスタンブロットと共に図10aに示す。精製した材料を乾燥させてHPLC溶媒を除去し、生理食塩水中に再懸濁した。proUGnの定量的免疫検定法で回収率を測定する。
天然型proUGnを、5匹の麻酔したラットの群に、約180pmolを含む標準注入で60分間注入する。10mLのラット血漿量を見積もった場合、注入速度は約3pmol/mL/分であった。血圧、尿産生、及びナトリウム***を、注入前の約40分間、注入中及び注入後の約50分間モニターし、利尿及びナトリウム利尿におけるproUGnの効果を測定した。比較用に、5匹のラットのコントロール群に標準生理食塩水を注入し、1匹のラットには、抗体6910及び6912とインキュベーションすることによって中和したproUGn溶液を注入し、1匹のラットには、5μg/kg/時間のSTaを含む溶液を注入した。
図10bは、抽出したproUGn(黒丸)を注入したラットにおける、尿流量の増加を示す。注入に対応する時間を、図中の横方向の実線で示す。尿流量の増加は、注入過程の間に始まるが、注入が完了した後も続いた。コントロール動物(白丸)、免疫中和されたproUGnを投与された動物(三角)、又はSTaを投与された動物(四角)では、尿流量の増加は見られなかった。図10cに示されるように、ナトリウム***は、尿流量速度の増加を反映する。図10c中のウエスタンブロットの挿入図は、注入の間に検出された、尿proUGn***を示す。図10c中の点線上に示されているウエスタンブロットにおける各サンプルは、代表的動物から、ペプチド注入前、ペプチド注入中、及びペプチド注入後の20分間にわたり採取した全尿の50%を表す。
この実験結果は、注入されたproUGnが、UGn18よりも、潜在的に強力な利尿効果、及びナトリウム利尿効果を有することを示す。ナトリウム***は、proUGn注入後、60nmol/分から3200nmol/分へ増加した。この反応は、UGn18を注入した動物に関して報告された反応よりも、何倍も強い。Fonteles, M. C.らの論文, Am. J. Physiol., 275, F191−F197 (1998);Carrithers, S. L.らの論文, Braz. J. Med. Biol. Res., 32, 1337−1344 (1999);Carrithers, S. L.らの論文, Kidney Int., 65, 40−53 (2004)を参照されたい。抗体6910及び6912の混合物を用いた注入剤を前吸収することによって、利尿及びナトリウム利尿が無効化されたことは、該生物活性が、腸組織由来のproUGnの抽出の間に得られた、共溶出された不純物よりむしろ、真にproUGnに関連していることを示す。
(実施例7)
(proUGn代謝産物の産生における循環抗proUGn抗体の効果、及び急性塩負荷後のナトリウム***)
また、35S−proUGnの標準的ボーラス注入で処理した動物に、1mLのウサギ抗proUGn抗体(6910及び6912を各500μL)を事前にiv注入した。35S−proUGNのボーラス注入をしたコントロール動物に、1mLの非免疫原ウサギ血清の前注入した。その後2時間にわたり様々な時間点で血漿サンプルを採取し、初期値と比較した35Sの消失に関して、シンチレーション計数を介して解析した。実験の間中、尿を採取し、放射性物質の***を解析した。図11aに示されるように、抗proUGn抗体を用いた免疫ブロッキングは、血漿からの35S−proUGnクリアランスの顕著な遅延をもたらした。図11b中の棒グラフは、免疫ブロッキングがまた、コントロールに比較して、尿におけるproUGnの***を減少させることを示す。
追加実験において、コントロール動物群、及び抗proUGn抗体を投与した動物群にまた、実施例3のような強制投与を介して、3mLの300mM NaClを与えた。尿サンプルを採取し、Naを定量した。図11cに示されるように、胃への負荷後のナトリウム利尿反応の進展速度は、コントロールラット(白丸)における13±1nEq/分から、抗体でブロックした動物(黒丸、P<0.0005)における7±3nEq/分に減少した。
まとめると、免疫ブロッキング実験は、抗proUGn抗体がproUGnに結合し、腎臓によるproUGnクリアランスを阻害することを示す。免疫ブロックした動物におけるナトリウム利尿の減少はさらに、proUGn(又は、proUGnの腎性代謝産物の1つ)が、間−腎臓軸(intero-renal axis)に関与するナトリウム利尿ペプチドであることの証拠を提供する。
(実施例8)
(proUGnのED50の決定)
組換えproUGn(r−proUGn)を、pMALベクターを使用して、マルトース結合タンパク質とフレームを合わせて(及び、マルトース結合タンパク質と融合させて)細菌内で合成させる。Hisタグ、及びTEVプロテアーゼ切断部位を、MBPとproUGnの間に挿入する。アミロースカラムに結合させることによって該融合タンパク質を精製し、その固定された材料のTEV切断によって、proUGnを放出させる。Ni−セファロースビーズを使用して、組換えTEVプロテアーゼと共に、全ての遊離の非切断融合タンパク質及び遊離のMBPを除去する。それから逆相HPLCで、r−proUGnをさらに精製する。r−proUGnの回収をウエスタンブロッティングでモニターし、酸加水分解後の定量的アミノ酸解析によって、回収したプロペプチドの絶対量を規定する。
60分のコントロール時間の後、合成r−proUGn、又は精製した天然型proUGnを60分にわたりiv注入する。proUGn注入の終了後180分まで、30分間隔で尿を採取し、尿量、ナトリウム***量、及びカリウム***量を、各採取の合間で測定する。血圧を継続的にモニターする。proUGnに対する腎臓応答の遅発性、及び長い経時変化のために、proUGnの1種類の濃度のみを書く動物に投与する。注入量を調製するために使用したストック溶液のアッセイによって投与量を計算して滴定し、Na***に対する用量−反応連関を作成する。注入前後に採取した血漿のアッセイによって、結果の血漿濃度を決定する。
(実施例9)
(腎臓proUGn代謝産物の同一性及び活性の判定)
上記の実施例6において、35S−proUGnの長期注入後に回収した尿のHPLC解析は、proUGnの3種類の可能な腎臓代謝産物を示した(図9bを参照されたい)。HPLC画分に対応する質量スペクトル解析によって、該3種類の可能な各代謝産物の同一性を測定する。質量分析に先立ち、該ピークに陰イオン又は陽イオン交換クロマトグラフィーを介した、さらなる一連の精製を実施し、及び/又は実施例6に記載した方法をスケールアップすることで、さらなるサンプルを産生する。スケールアップ反応において、精製した天然型proUGnに放射性pro−UGnの量トレーサーを組み込ませ、何匹かのラットに注入し、尿を採取する。それから尿を集め、2段階の逆相/イオン交換精製手順を介して精製する。それぞれの可能なproUGn代謝産物を含む最後の画分を凍結乾燥させ、少量の50%メタノール/0.1%ギ酸中に再懸濁させる。これらのサンプル中のペプチドの質量を、例えばBruker Reflex II MALDI−TOF分析計 (Bruker Daltonics社, Billerica, Massachusetts, United States of America)、又はApplied Biosystems Voyager (商標) 4700 MALDI−TOF/TOF分析計(Applied Biosystems社, Foster City, California, United States of America)のような質量分析計を使用して測定し、proUGn由来のこれらのペプチドフラグメントを、MASCOT検索エンジン(Matrix Science社, Boston, Massachusetts, United States of America)を使用して同定する。このペプチドマスフィンガープリンティング法に加えて、タンデムMSを実施し、MALDI−TOF/TOFによって個々のペプチド配列を決定できる。該MALDI−TOF/TOFの結果で結論がでない(すなわち、ペプチド配列と親配列との間に有意な一致がない)場合、その次に、両方ともナノ−ESI及びナノ−キャピラリーLCシステムを備えた、ABI QSTAR (Applied Biosystems社, Foster City, California, United States of America)、又はWaters Micromass Q−TOF (商標) API−US (Waters社, Milford, Massachusetts, United States of America)のどちらかを使用してタンデムESI−MS/MSデータを入手し、MASCOTを使用して、タンデムMSデータからproUGn由来のペプチドを同定する。
MS解析によって規定されたペプチド配列を、確立されている固相又は液相ペプチド合成法に従って合成する。各合成ペプチドを、proUGnで測定されたED50の100倍以上のmole-to-mole原則で計算した用量でラットに注入する。
この高用量で、任意の合成ペプチドに対して活性が検出された場合、総量/反応連関を決定する。合成物質の末端標識、又は放射性proUGnの腎臓代謝産物から追加物質を回収することのどちらかによって産生されるペプチドの放射性バージョンで、さらなる実験を実施する。この放射性ペプチドを、未処理動物の腎臓動脈中に導入し、尿を採取してHPLCで解析し、該ペプチドが、腎臓内タンパク質分解に抵抗性であるかを測定する。
(参考文献)
本明細書で引用した全ての参考文献と同様に、以下にリスト化した参考文献も引用によって本明細書に組み込まれ、その範囲は、本明細書で採用した、補足、説明、背景の提供、又は方法論、技術、及び/又は組成物の教授である。本出願で言及される全ての特許及び刊行物は、引用によって明確に本明細書に組み込まれる。また、引用によって明確に本明細書に組み込まれたものは、ジーンバンク登録番号、遺伝子座ID、及び他のコンピュータデータベースリストの全ての引用内容である。
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ここで開示される主題の各種の詳細は、ここで開示される主題の範囲から逸脱せずに変更し得ることは理解される。さらに、先の記載は説明を意図するだけであり、限定の意図はない。
図1は、ラットproGn(配列番号:9, 上段配列, Currie, M. G.らの論文, Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A., 89, 947−951 (1992)によってクローン化された)及びラットproUGn(配列番号:8、下段配列、Li Z.らの論文, Regul. Pept., 68, 45−56 (1997)によってクローン化された)のアミノ酸配列を示す。
図2a及び2bは、T84細胞に対する、ラット腸抽出物の活性を示す。図2aは、ラット十二指腸抽出物の、HPLC溶出/T84細胞反応(pmol cGMP/ウエル)である。黒丸は、タンパク質分解前のT84細胞活性画分に対応し、白丸は、タンパク質分解後のT84細胞活性画分に対応する。破線は、HPLC溶離液中の、アセトニトリルの%に対応する。Li, Z.らの論文, Regul. Pept., 68, 45−56 (1997)を再現する。図2bは、図2aのタンパク質分解前からタンパク質分解後の、HPLC画分44〜49に対する、T84細胞の正味のcGMP反応(刺激−基底)を示す棒グラフである。Li, Z.らの論文, Regul. Pept., 68, 45−56 (1997)を再現する。
図3a〜3dは、抗proUGn抗体6910及び6912の特性並びに検証を示す。図3aは、抗体6910及び6912による、放射標識proUGnの免疫沈降を示すSDS−PAGEのオートラジオグラムである。分子量マーカーを、該オートラジオグラムの左側にチェックマークで示す。分子量マーカーのサイズを、kDaで左側に示す。図3bは、抗proUGn抗体6910及び6912を用いたウエスタンブロットであり、proUGnタンパク質をラット小腸の抽出物で検出する。図3cは、黒丸で示されるそれぞれの画分のシンチレーション計数レベル(dpm×10−3/画分)と共に、放射性標識proUGnのHPLCクロマトグラムを示す。挿入図は、ラット小腸のHPLCの比較画分においてproUGn様8.5kDaタンパク質の存在を示す、抗体6910を用いたウエスタンブロットを示す。図3dは、抗proUGn抗体(6910及び6912)及び抗proGn抗体(2538)を使用したウエスタンブロットを示し、組換えproGnのサンプルを識別するそれらの能力(2538)又は不具合(6910、6912)を示す。
図4は、腸の体軸に沿った、proUGnポリペプチド(上方、proUGn抗体6910を用いたウエスタンブロット、proUGnを矢印で示す)、及びウログアニリンmRNA(下方、アンチセンスUGnリボプローブを用いたノーザンブロット、ウログアニリン転写産物を矢印で示す)の分布を示す。
図5a〜5dは、proUGn及びproGnの細胞分泌、並びに血漿での検出を示す。図5aは、proUGn及びproGnの、細胞局在と方向性分泌との差異を要約した模式図である。図5bは、抗proUGn抗体による、血漿proUGnの認識を示すウエスタンブロットである。免疫ブロット前に、HPLCで血漿を分画し、ブロット上の番号は、テストしたHPLC画分を示す。「std」と記したレーンは、proUGnの確証的サンプルを示す。図5cは、HPLC血漿画分のウエスタンブロットと、抗proGn抗体を用いたそれらの解析である。「std」と記したレーンは、確証的にproGnを含む。図5dはHPLCクロマトグラムを示し、図中、逆相カラムを、proUGnと、アルブミン及び免疫グロブリンなどの他の豊富な血漿タンパク質のよい分離を与える、HPLC−サイズ排除カラムと取替え、これらの干渉タンパク質を除去したウエスタンブロットは、ウエスタンブロット法の解像度を向上させる。
図6a及び6bは、proUGnに関する定量的免疫検定法を示す。図6aは、異なる2種類の抗体(6910及び6912)を用いてテストしたr−proUGnの希釈系列を示す。図6bは、抗体6910を用いて3通り行った免疫検定を示す。標準及び未知(ラット腸の3種の領域、すなわち、示されるように、結腸、遠位回腸、及び近位空腸から単離した、60μg全タンパク質)を、LiCor ODYSSEY(商標)赤外線画像化システムで定量した。直線回帰によってラインを基準に適合させ、未知のものの値を補間により決定した。この免疫検定の解析前に、血漿サンプルを前分画し、アルブミンなどの、豊富な干渉タンパク質からproUGnを分離しなければならない。Amersham Hi-prep sephacryl S200 HRカラム(直径16cm、長さ60cm)で前分画を実施し、0.5mL/分の流速で、0.05Mリン酸ナトリウム+0.15M塩化ナトリウム、pH=7で溶出させる。proUGnは、135分〜155分の間に溶出する。
図7a〜7cは、急性及び慢性経口塩負荷プロトコルによって誘導される、ナトリウム(Na)***、血漿proUGnレベル、及び腸のウログアニリンmRNA発現を示す。図7aは、急性モデルにおいて、口胃的塩(300mM NaClを3mL)を、30分の強制投与で麻酔動物に与えたことを示す。30分(胃負荷「前」)及び100(胃負荷「後」)に測定した血漿proUGnのレベルは、溶質負荷(n=3)への応答の約2倍であった。図7bは、慢性モデルにおいて、0.5%から2%食物塩(摂取変更)へと意識のあるラットを移し、すぐにその尿塩***が、12時間以降、新しい定常状態へと増加したことを示す。また、これは、「コントロール」塩摂取(n=4)に比較して、「高」塩摂取における血漿proUGnレベルの、約2倍化に関連した。図7cは、動物中の空腸のウログアニリンmRNA発現が、「高」及び「低」塩食物(対応t-検定p<0.03)で6日間維持されたことを示す。ノーザンブロッティングでウログアニリンmRNAを測定し、β−アクチンmRNAレベルで標準化した。
図8a〜8cは、正常ラット、及び無腎ラットに注入したproUGnの最終結果を示す。図8aは、60分にわたる35S−proUGnの定常注入が、放射能の安定した血漿レベル(黒丸)をもたらすことを示す。尿中に***されたレベルは、同じ時間(白丸)よりも大幅に多い。図8bは、60分の注入の終わりに、腎臓における放射性標識の特異的活性が、他の全ての組織よりも高いことを示す。略語:脳(B)、胸腺(T)、肺(Lu)、小腸(SI)、骨格筋(M)、脾臓(S)、心臓(H)、腎臓(K)、肝臓(Li)。図8cは、35S−proUGnのボーラス投与量が、正常動物(コントロール;白丸)から速やかに除去され、また腎臓切除後(無腎;黒丸)よりも大幅に遅いことを示す。
図9a及び9bは、血漿並びに尿中における、proUGn代謝産物のHPLC解析を示す。図9aは、ボーラス注入後に採取した血漿のHPLC解析を示し、図中、血漿サンプルを、頸動脈への35S−標識したproUGnのボーラス投与量注入後、2分(黒丸)、5分(網かけ丸)、及び10分(白丸)に採取した。図9bは、長時間注入後に採取した尿のHPLC解析を示し、図中、60分の動脈注入(n=7)の最後の30分間、尿を採取した。注入した物質中のcpm/μLは、ボーラス注入用に使用した溶液中のcpm/μLよりも、約100倍低かった。血漿及び尿サンプルを、Vydac 218TP C−18逆相カラムにアプライし、アセトニトリルの勾配(破線)で溶出させた。各HPLC画分中の放射能を、シンチレーションカウンターで測定した。Cys、Met、及びproUGnスタンダードの滞留時間を矢印で示す。proUGn由来の代謝産物を、図9b中のクエスチョンマークで示す。
図10a〜10cは、天然型proUGnの精製、及び尿流量、塩***並びに血圧に対する、注入された天然型proUGnの生物効果を示す。図10aは、ラット腸抽出物由来の天然型proUGnの精製における最終段階のUV吸収プロファイルを示す。挿入図は、proUGnの位置(矢印で示す)を確認するための、各画分のウエスタンブロットを示す。画分40を乾燥させ、生理食塩水に再懸濁し、図10b及び図10cに示す注入実験に使用した。図10bは、コントロール動物(白丸、n=5)、精製proUGnを注入した動物(黒丸)、免疫中和されたproUGnを注入した動物(三角)、又はSTaを注入した動物(四角)における、血圧の経時変化(点線の上方)及び尿産生の経時変化(点線の上方)を示す。横方向のバーで示される合間だけ、作用物質を注入剤に添加した。図10cは、図10bにおいて示した同じ実験で測定した、尿ナトリウム***(点線の下方)の経時変化を示す。ウエスタンブロット挿入図(点線の上方)は、尿proUGn***を示す。各サンプルは、代表的動物:コントロール動物(白丸、n=5)、精製proUGnを注入した動物(黒丸、n=5)、免疫中和したproUGnを注入した動物(三角)、又はSTaを注入した動物(四角)から、ペプチド注入前、ペプチド注入中、及びペプチド注入後、20分間にわたって採取した全尿の50%を表す。
図11a〜11cは、外因的に注入した、循環抗proUGn抗体の効果を示す。図11aは、血漿からの35S−proUGnの消失を示し、図中、循環抗proUGn抗体は、ボーラス注入した35S−proUGnが血漿から消失する速度を遅らせる:短期Abブロック(黒丸);24時間長期Abブロック(網かけ丸);及び非免疫血清(白丸)。図11bは、尿へのproUGn代謝産物の***を示す:コントロール(黒いバー)及び短期Abブロック(白いバー)、図中、循環抗proUGn抗体は、血漿への35S−proUGnのボーラス注入後、標識された代謝産物の尿***を減衰させる。図11cは、胃への負荷後における尿へのNa***を示し、図中、循環抗proUGn抗体は、口胃的Naによって誘導されるNa***を阻害する:非免疫血清(白丸)及び短期Abブロック(黒丸)。

Claims (13)

  1. 塩類貯留、水分貯留、及びそれらの組み合わせによって特徴付けられる疾患を治療する方法であって、それらを必要とする患者において、有効量のプレプロウログアニリン、プロウログアニリン、又はそれらのフラグメント若しくは類似体を該患者に投与することを含む、前記方法。
  2. 前記疾患が、腎疾患、心疾患、肝疾患、高血圧、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
  3. プレプロウログアニリン、プロウログアニリン、又はそれらのフラグメント若しくは類似体が、注入によって投与される、請求項1記載の方法。
  4. プレプロウログアニリン、プロウログアニリン、又はそれらのフラグメント若しくは類似体が、合成、天然及び組換えプレプロウログアニリン、プロウログアニリン、又はそれらのフラグメント若しくは類似体からなる群から選択される、請求項1記載の方法。
  5. 有効量のプレプロウログアニリン、プロウログアニリン、又はそれらのフラグメント若しくは類似体が、塩バランス、水分バランス、又は塩バランス及び水分バランスの両方に影響する1以上の他の薬剤との組み合わせで投与される、請求項1記載の方法。
  6. 前記1以上の薬剤が利尿薬である、請求項5記載の方法。
  7. 前記利尿薬が、炭酸脱水酵素阻害剤、チアジド様利尿薬、ループ利尿薬、又は強力利尿薬、及びカリウム保持性利尿薬からなる群から選択される、請求項6記載の方法。
  8. 前記利尿薬が、フロセミド、ブメタジン、トルセミド、ヒドロクロロチアジド、トリアンテリン、インダパミド、エトクリニック酸、スピロノラクトン、及びメトラゾンからなる群から選択される、請求項6記載の方法。
  9. 患者において、塩類貯留、水分貯留、塩分喪失、水分喪失、及びそれらの組み合わせによって特徴付けられる疾患の存在又は進行を測定するための方法であって、該患者からのサンプル中のプロウログアニリンのレベルを検出することを含む、前記方法。
  10. 前記サンプルが、血液サンプル、尿サンプル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項9記載の方法。
  11. 前記プロウログアニリンのレベルの検出が免疫検定法によるものである、請求項9記載の方法。
  12. 前記サンプル中の、ウログアニリンに対するプロウログアニリンの割合を測定することを含む、請求項9記載の方法。
  13. (a)凍結乾燥された抗プロウログアニリン抗体を含む第1バイアル;及び
    (b)医薬として許容し得る希釈剤を含む第2バイアルを含む、サンプル中のプロウログアニリンのレベルを検出するための免疫検定法キット。
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