JP2008304714A - クリーニング機構及びこれを用いた定着装置、画像形成装置 - Google Patents

クリーニング機構及びこれを用いた定着装置、画像形成装置 Download PDF

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Tatsuya Shinkawa
達也 新川
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Abstract

【課題】ローラ部材とウェブシートとの当接状態を変化させることにより、ローラ部材の表面を傷つけることなく表面に付着したトナーを確実に除去することができるクリーニング機構及びこれを用いた定着装置、画像形成装置を提供する。
【解決手段】回転する加熱ローラ61の外周面にウェブシート64を圧接して加熱ローラ61の表面を清掃するクリーニング機構63であって、加熱ローラ61とウェブシート64の当接状態を変化させるウェブ部材圧接手段65を備えることを特徴とするものとする。
【選択図】図3

Description

本発明は、クリーニング機構及びこれを用いた定着装置、画像形成装置に係り、特に、回転するローラ部材の外周面にウェブ部材を圧接して該ローラ体の表面を清掃するクリーニング機構及びこれを用いた定着装置と、前記クリーニング機構を用いた定着装置を備えてトナー像を記録媒体に転写することで画像出力を行う画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式を用いたプリンタ等の画像形成装置では、回転駆動される感光体ドラムを帯電器により帯電し、前記感光体ドラムに画像情報に応じた光照射により静電潜像を形成し、現像装置によりこの静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成し、このトナー像をシート材、用紙などの記録媒体に転写して画像を出力するようにされている。
この画像形成装置には、搬送される記録媒体上の未定着トナーを溶融・固着する定着装置が配置され、未定着トナーを溶融・固着する部位には加熱ローラ及び加圧ローラを備える一対のローラ部材が用いられ、この両ローラの圧接領域(定着ニップ部)で記録媒体上のトナーに熱を与えて該記録媒体に定着させる熱定着ローラ方式が多く採用されている。
ここで、従来の画像形成装置に用いられる定着装置について例を挙げて説明する。
従来の定着装置160は、図8に示すように、加熱ローラ161と加圧ローラ162を主構成部材として構成され、両ローラを所定温度に加熱する加熱部材(発熱源)161a,162aを複数本備えている。すなわち、加熱ローラ161及び加圧ローラ162の内部には、熱源が内包されている。そして、画像形成装置の印字処理部で用紙上に画像情報を転写された未定着トナーを加熱ローラ161と加圧ローラ162の圧接部の定着ニップ部Aにおいて加熱ローラ161、加圧ローラ162から熱の授受を行うことにより定着工程が実行される。
図中の符号611,622は用紙剥離爪、612はローラ表面温度検出部材(サーミスター)、623はローラ表面クリーニング部材である。
加熱ローラ161の所定温度とは、加熱ローラ161の表面において、搬送される用紙上の未定着トナーを定着ニップ部Aで溶融、固着するために必要な温度であり、画像形成装置で用いられるトナーの溶融温度で相違はあるものの、概ね、トナーの溶融温度+(30〜40℃)とされ、一般的に加熱ローラ表面温度は160〜200℃で制御されている。
尚、加圧ローラ162は、ローラ内部に熱源を有する場合と有さない場合がある。この理由は、加圧ローラ自体の機能が、搬送用紙が定着装置160を通過する時の定着ニップ部Aで加熱ローラ161を介して用紙を加圧し、その加圧力で用紙を構成する繊維分(セルロース等)に用紙上の溶融トナーを浸透させ、溶融トナーが固化した時に用紙に対し投鋲作用を発揮させるために加圧ローラ162が配置されている関係上、装置構成によって加圧ローラ162内部に熱源を有する場合と有さない場合とがある。
搬送用紙に投鋲作用を発揮させる溶融トナーは、搬送用紙の温度によって投鋲作用の長さ(用紙への浸透距離)が異なり、用紙温度が高い程、溶融トナーの冷却が少なく浸透距離が長くなり、用紙上で固着するトナーの付着力の増加が図れ、定着性能の向上が図れる。通常、前記画像形成装置の印字処理速度(プロセス速度)が低速の時は、連続印字用紙の用紙間隔が長く、前記加熱ローラの表面温度が前記定着ニップ部を介して加圧ローラの表面加熱を行うために加圧ローラには熱源を必要とはしない。
しかしながら、印字処理速度が高速になると、前記搬送用紙の間隔が短く、前記加熱ローラの表面温度が前記定着ニップ部を介して加圧ローラへの表面加熱が不足するため、加圧ローラ内部、若しくは外部に熱源を必要とする。このような加圧ローラ162の表面温度は、加熱ローラ161の表面温度より低く、概ね110〜150℃位でコントロールされ、定着ニップ部Aで加圧ローラ162を介して用紙を暖めることで投鋲作用が促進される事となる。このようにして搬送される用紙上の未定着トナーは定着ニップ部Aで用紙上に定着される。
上述したように、加熱ローラ161は、内部に加熱ローラ161の表面を加熱する熱源として加熱部材161aを内包している。
印字処理速度が低速機では、用紙及びトナーに奪われる熱量が少ないことから1本ヒータで加熱ローラを加熱する事が主流であったが、近年のように印字処理速度が高速となった時には、単位時間当たりの通過用紙枚数が多くなり、用紙及びトナーに奪われる熱量が増大し、加熱ローラ内部に複数本の熱源を配置する手法が多く採用されている。
更に、印字に用いられる用紙サイズに適したように、小サイズ紙を通紙する時には、加熱ローラの中央部の奪われる熱量を補給する一方の熱源のON−OFF制御を行い、大サイズ紙を通紙する時には、加熱ローラの全面から奪われる熱量を補給する他方の熱源のON−OFF制御を行う事で、通紙サイズに適合した加熱ローラ表面温度の一定化を行う手法が用いられている。
他方、加圧ローラ162にも内部に熱源として加熱部材162aを有し、搬送される用紙を加熱して、用紙を暖めた状態で定着ニップ部Aでのトナーの定着性能を向上する手法が近年の高速画像形成装置では多用されている。
即ち、定着ニップ部Aの温度は、加熱ローラ表面温度が160〜200℃であるのに対し、搬送用紙の表面温度が装置内温度(概ね、15〜35℃)であり、温度差が大き過ぎるため、溶融されたトナーが用紙中のセルロース間に投鋲作用で浸透する時に急冷され、投鋲作用が弱い状態となる。このような弊害を避けるため、搬送用紙を定着面(未定着トナーを保持する用紙の1面)とは逆側の面から加熱し、投鋲作用の増大を図るために熱源が配置されていることがある。
しかしながら、加熱ローラ161の外周には、前記画像情報を形成するトナーは定着ニップ部Aで溶融、定着されるが、定着工程中のトナーは、全てのトナーが用紙上に定着されるとは言いがたく、トナーの一部は、溶融状態で加熱ローラ表面に付着した状態となって加熱ローラ161とともに回転することになる。この状態で、次印字工程が行われると、用紙の裏汚れ、印字汚れを招来するという問題が生じる。
そこで、従来では、加熱ローラの表面をクリーニングする技術として、シリコンオイルを含浸させたオイルローラにより加熱ローラ表面にオイルを塗布してトナーが付着し難くして、フェルトローラにより加熱ローラに付着したトナーを払拭するようにしたものが知られている(特許文献1を参照)。
ここでは、その他の方法として、加熱ローラ161の表面を清掃するウェブシート164を用いたクリーニング部材163を加熱ローラ161表面に配置してその表面をクリーニングするようにしている。図中の符号611,622は用紙剥離爪、612は加熱ローラ表面温度検出用のサーミスタである。
クリーニング部材163は、ウェブシート164が加熱ローラ161と対峙する圧接ローラ165によって所定圧力で加圧された状態(クリーニング部)で加熱ローラ161上に付着したトナー汚れを清掃する構成となっている。
詳細には、ウェブシート164を送出す送出しローラ164a、ウェブシート164を巻取る巻取りローラ163b、ウェブシート164の張力を一定化するテンションローラ166a,166bおよび圧接ローラ165で構成されている。
ウェブシート164は、送出しローラ164aと巻取りローラ164bで架橋され、架橋されている距離の間に配置される圧接ローラ165の圧接力で加熱ローラ161の表面に圧接されている。更に、ウェブシート164が架橋されている距離の間で、ローラ表面をクリーニングする部位でウェブシートに“タルミ”が発生したり、送出しローラ164a及び巻取りローラ164bの各々の駆動で移動するウェブシート164に斜行等が発生しないように、テンションローラ166a,166bにより、一定の張力を保持し、常に一定のクリーニング性能を得るようにされている。
このウェブシート164は、50〜150μm厚の繊維で構成され、加熱ローラ161との圧接部で加熱ローラ161上の溶融状態の汚れトナーがウェブシート164の繊維の織目に浸透することでウェブシート164との結びつきを強くしてウェブシート164内部に回収するようにされている。更に、ウェブシート164の加熱ローラとの圧接部では、圧接ローラ165の圧力でウェブシート164が加熱ローラ161側に押し付けられることにより汚れトナーが圧接部を通過しないように、圧接ローラ165による圧接力を装置の設計段階で検討され一定圧力で設定されている。
更に、ウェブシート164は、印字処理枚数(定着機構を通過する用紙枚数)が一定枚数になった時に、送出しローラ164a及び巻取りローラ164bが駆動して、所定量の移動が行われ、常に未使用のウェブシート面により加熱ローラ161の清掃を行うように制御されている。
このようにして、加熱ローラ161に付着したトナーをクリーニングするようにしている。
また、上述したウェブクリーニング手法を用いたクリーニング機構として、ウェブシートを圧接する圧接ローラを2本設けて、ウェブシートを加熱ローラに対して広範囲で当接させることにより、さらにクリーニング効果の向上を図ったクリーニング機構が提案されている(特許文献2を参照)。
特開2001−166626号公報 特開2006−65230号公報
しかしながら、従来のウェブクリーニング手法を用いるクリーニング機構では、以下に示す問題点を有している。
装置の定着機構への通電が継続されている時(印字処理工程中、待機モード中、省エネモード中等)は、ウェブシート上で加熱ローラ表面と圧接する部分の回収トナーは、加熱ローラ表面温度の制御温度(一般的には「定着設定温度」と言う。)によって溶融状態となっている。この定着設定温度は、トナーの溶融温度は定着設定温度より充分に低く、定着ニップ部を通過する用紙が温められると共に未定着トナーが溶融し、用紙上に定着されるように設定される温度である。この定着設定温度は、トナーの溶融温度が120〜150℃の時に概ね160〜200℃となっている。
しかしながら、装置への通電が開始された直後のウォームアップ中、装置の節電モード(節電モード中は、装置の制御部の一部と表示部のみに通電され、定着機構への通電電力は0Wとなっている。)から印字処理工程への復帰中は、加熱ローラ表面温度が定着設定温度に比較して低いため、前工程でクリーニングしたウェブシートの圧接部に滞留する回収トナーは溶融状態ではなく固化した状態となっている。
このように固化した回収トナーと接触した状態で加熱ローラが回転すると加熱ローラ表面の傷が発生し、加熱ローラのライフ特性の低下が生じるだけでなく、傷ついた加熱ローラと圧接されるウェブシートのクリーニング性能も低下するという問題があった。
また、加熱ローラ表面が定着設定温度に到達した直後に印字要求がなされると、加熱ローラ表面は定着設定温度に到達していても、ウェブシート上のトナーは溶融温度に到達しておらず、半溶融状態(固化状態から軟化状態への変化過程)となっている。そのような表面状態の回収トナーに、次のクリーニング動作により新たに溶融状態の回収トナーが加えられると、半溶融状態のウェブシート上の回収トナー(先に回収されたトナー)により今回の回収トナーの熱量が奪われ、溶融状態から半溶融状態に急激に状態変化する。ウェブクリーニング部で“クリーニング不良”が発生する。
詳しくは、この半溶融状態の回収トナーは、圧接ローラにより圧接されたウェブシートをすり抜けて再び加熱ローラの表面に付着してクリーニング性能の低下を招来するとともに、加熱ローラの表面に付着したトナーが用紙上に転写される、いわゆる“カブリトナー”の発生や“印字用紙の裏汚れ”が発生し、印字品位の低下を招来するという問題があった。このような問題は、圧接ローラが1本の場合には特に顕著になる。
ここで、ウェブシートにより回収されたトナーの温度推移の一例について、図面を参照して説明する。図9は従来の画像形成装置に搭載された定着装置のクリーニング機構により回収されたトナーの温度推移を示すグラフである。
クリーニング機構のウェブシートにより回収されたトナーは、図9に示すように、定着装置のウォームアップ完了直後では溶融状態ではなく半溶融状態となっている。この状態で、ウォームアップ完了直後に印字要求がされると、加熱ローラの表面の汚れトナー(溶融状態)が半溶融状態の回収トナーの表面に接触するので温度が奪われ、加熱ローラ表面のクリーニング性能が低下して、用紙上にトナー汚れが発生することになる。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、クリーニングされるローラ部材とウェブシートとの当接状態を変化させることにより、ローラ部材の表面を傷つけることなく表面に付着したトナーを確実に除去することができるクリーニング機構及びこれを用いた定着装置、画像形成装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するための本発明に係るクリーニング機構及びこれを用いた定着装置、画像形成装置の構成は、次の通りである。
請求項1に記載したクリーニング機構は、回転するローラ部材の外周面にウェブ部材を圧接して該ローラ体の表面を清掃するクリーニング機構であって、前記ローラ部材と前記ウェブ部材の当接状態を変化させるウェブ部材圧接手段を備えることを特徴とするものである。
本発明において、前記ローラ部材と前記ウェブ部材の当接状態は、前記ローラ部材と前記ウェブ部材の接触面積の広さ、前記ローラ部材への前記ウェブ部材の圧接力の大きさを含むものである。
請求項2に記載したクリーニング機構は、請求項1に記載した構成に加えて、前記ウェブ部材圧接手段の構成として、前記ウェブ部材を前記ローラ部材に圧接させる複数の圧接ローラと、前記圧接ローラの前記ローラ部材への接離動作を行うローラ接離手段と、前記ローラ接離手段を駆動する駆動手段と、を備えることを特徴とするものである。
請求項3に記載したクリーニング機構は、請求項2に記載した構成に加えて、前記ウェブ部材圧接手段の構成として、1つの駆動手段により前記ローラ接離手段を駆動することを特徴とするものである。
請求項4に記載のクリーニング機構は、請求項2または3に記載した構成に加えて、前記ウェブ部材圧接手段の構成として、前記複数の圧接ローラのうちの何れか1つの圧接ローラが前記ローラ部材に対して圧接されている時、その他の圧接ローラが前記ローラ部材から離間された状態とすることを特徴とするものである。
請求項5に記載したクリーニング機構は、請求項2乃至4のうちの何れか一項に記載した構成に加えて、前記ウェブ部材圧接手段の構成として、前記複数の圧接ローラのうちの何れの圧接ローラが前記ローラ部材に圧接した状態においても前記ウェブ部材の張力を一定にするウェブ張力調整手段を備えることを特徴とするものである。
本発明において、前記ウェブ張力調整手段として、前記ウェブ部材に張力を与えるようにテンションローラを用いるものであっても良い。
請求項6に記載のクリーニング機構は、請求項2乃至5のうちの何れか一項に記載した構成に加えて、前記ローラ接離手段の構成として、前記複数の圧接ローラを同時に保持する保持部材と、前記駆動手段に連動して前記保持部材に作用する偏心カムと、前記保持部材に作用して前記複数の圧接ローラのうちの一部の圧接ローラを前記ローラ部材側に付勢する弾性部材と、を備えることを特徴とするものである。
請求項7に記載の定着装置は、少なくとも1本のローラ部材に発熱手段を備えた一対のローラ部材を備え、前記ローラ部材同士を圧接させたニップ部に未定着のトナー像が形成された記録媒体を通過させることで前記トナー像を溶融させて前記記録媒体上に定着させる定着ローラと、前記定着ローラの外周面にウェブ部材を当接させてローラ表面を清掃するクリーニング機構とを備えた定着装置であって、前記クリーニング機構として、請求項1乃至6のうちの何れか一項に記載のクリーニング機構を用いることを特徴とするものである。
請求項8に記載の画像形成装置は、静電潜像が形成されて該静電潜像に基づきトナー像が形成される感光体ドラムを備えた画像形成部と、前記感光体ドラムにトナーを供給する現像ローラを備えた現像部と、前記感光体ドラム上に形成されたトナー像を搬送された記録媒体に転写する転写部とを備え、且つ、少なくとも1本のローラ部材に発熱手段を備えた一対のローラ部材を備え、前記ローラ部材同士を圧接させたニップ部に未定着のトナー像が形成された記録媒体を通過させることで前記トナー像を溶融させて前記記録媒体上に定着させる定着ローラと、回転する定着ローラの外周面にウェブ部材を当接させてローラ表面を清掃するクリーニング機構を具備する定着装置を備え、電子写真方式により前記感光体ドラムの表面に形成されたトナー像を記録媒体上に転写して出力する画像形成装置において、前記クリーニング機構の構成として、前記定着ローラと前記ウェブ部材の当接状態を変化させるウェブ部材圧接手段を備えることを特徴とするものである。
請求項9に記載の画像形成装置は、請求項8に記載した構成に加えて、前記クリーニング機構として、請求項2乃至6のうちの何れか一項に記載のクリーニング機構を備えることを特徴とするものである。
請求項10に記載の画像形成装置は、請求項9に記載した構成に加えて、前記定着装置の運転を制御する待機モード、省エネモード及び節電モードを含む複数の運転モードを備え、前記ウェブ部材圧接手段を構成する複数の圧接ローラのうちの前記定着ローラの回転方向下流側に配置される圧接ローラを前記定着ローラに圧接する時は、前記定着装置がウォームアップ中、待機モードから印字処理用の復帰工程中、および前記定着ローラの表面温度が設定温度に到達した後に印字処理工程に移行するまでの間とすることを特徴とするものである。
本発明において、待機モードとは、定着装置に通電されて定着ローラ表面を定着設定温度で維持するようにされた状態を含むものであり、省エネモードとは、定着ローラ表面を定着設定温度よりも低い温度で維持するようにされた状態を含むものであり、節電モードとは、画像形成装置の制御部の一部と表示部を通電状態として、定着ローラの加熱を停止した状態、すなわち定着装置の通電電力を0W(ワット)にする状態を含むものである。
請求項11に記載の画像形成装置は、請求項9または10に記載した構成に加えて、前記複数の圧接ローラのうちの前記定着ローラの回転方向上流側に配置される圧接ローラを前記定着ローラに圧接する時は、前記定着装置がウォームアップ終了後、所定時間経過後に印字処理工程に移行する時とすること特徴とするものである。
請求項12に記載の画像形成装置は、請求項11に記載した構成に加えて、前記所定時間を、前記定着ローラの回転方向下流側に配置される圧接ローラが前記定着ローラに圧接した状態で前記ウェブ部材によるクリーニング処理が行われた後に、回収されたトナーの温度がトナーの溶融温度以上になるまでの時間とすることを特徴とするものである。すなわち、前記所定時間は、前記ローラ上の汚れトナーがウェブ部材によって回収された後に、前記定着ローラの表面温度がトナーの溶融温度以上となって回収されたトナーが溶融状態になるまでの時間とするものである。
請求項13に記載の画像形成装置は、請求項11に記載した構成に加えて、前記所定時間を、前記定着ローラの回転方向下流側に配置される圧接ローラが前記定着ローラに圧接した状態で前記ウェブ部材によるクリーニング処理が行われた後に、前記ウェブ部材を所定量移動するまでの時間とすることを特徴とするものである。すなわち、前記所定時間は、前記定着ローラの回転方向下流側に配置される圧接ローラが前記定着ローラに圧接した状態でクリーニング処理に使用されたウェブ部材を巻き取って、未使用の部分を配置するまでに要する時間とするものである。
請求項14に記載の画像形成装置は、請求項13に記載した構成に加えて、前記ウェブ部材の移動量を、少なくとも前記定着ローラと交互に圧接する複数の圧接ローラの軸間距離以上の長さとすることを特徴とするものである。すなわち、複数の圧接ローラの定着ローラとの圧接状態の切換え時に巻き取られて移動するウェブ部材の移動量は、少なくとも前記複数の圧接ローラが配置される配置間距離以上の長さとするものである。
請求項1に記載した発明によれば、回転するローラ部材の外周面にウェブ部材を圧接して該ローラ体の表面を清掃するクリーニング機構であって、前記ローラ部材と前記ウェブ部材の当接状態を変化させるウェブ部材圧接手段を備えることで、クリーニングされるローラ部材の表面状態に応じて前記ローラ部材とウェブ部材との当接状態を変化させることにより、前記ローラ部材の表面を傷つけることなく表面に付着したトナーを確実に除去することができる。
ここで、前記ローラ部材の表面状態とは、該ローラ部材の表面温度や表面に付着したトナーの状態を含むものである。
また、請求項1〜14に記載の発明で得られる上記共通の効果に加え、各請求項に記載の発明によれば次の効果を得ることができる。
詳しくは、請求項2に記載した発明によれば、請求項1に記載した発明で得られる効果に加えて、請求項1に記載した構成に加えて、前記ウェブ部材圧接手段の構成として、前記ウェブ部材を前記ローラ部材に圧接させる複数の圧接ローラと、前記圧接ローラの前記ローラ部材への接離動作を行うローラ接離手段と、前記ローラローラ接離手段を駆動する駆動手段と、を備えることで、複数の圧接ローラのうちの何れかの圧接ローラを選択的に前記ローラ部材に圧接させて、前記ローラ部材と前記ウェブ部材の当接状態を容易に変化させることができる。
請求項3に記載した発明によれば、請求項2に記載した発明で得られる効果に加えて、前記ウェブ部材圧接手段の構成として、1つの駆動手段により前記ローラ接離手段を駆動するようにしたことで、装置構成の簡略化を図るとともに、簡単な構成で接離動作を行う圧接ローラを同期させることができる。
請求項4に記載した発明によれば、請求項2または3に記載した発明で得られる効果に加えて、前記ウェブ部材圧接手段の構成として、前記複数の圧接ローラのうちの何れか1つの圧接ローラが前記ローラ部材に対して圧接されている時、その他の圧接ローラが前記ローラ部材から離間された状態とすることで、それぞれの圧接ローラと前記ローラ部材との当接位置に応じて前記ローラ部材と前記ウェブ部材の当接状態を容易に変化させることができる。
請求項5に記載した発明によれば、請求項2乃至4のうちの何れか一項に記載した発明で得られる効果に加えて、前記ウェブ部材圧接手段の構成として、前記複数の圧接ローラのうちの何れの圧接ローラが前記ローラ部材に圧接した状態においても前記ウェブ部材の張力を一定にするウェブ張力調整手段を備えることで、前記ウェブ部材に弛みを生じさせることなく、また、前記ウェブ部材の斜行による皺の発生、破れを発生させずに、クリーニング性能の安定化を図ることができる。
また、本発明において、前記ウェブ張力調整手段として、前記ウェブ部材に張力を与えるようにテンションローラを用いることで、装置構成の簡略化を図ることができる。
請求項6に記載した発明によれば、請求項2乃至5のうちの何れか一項に記載した発明で得られる効果に加えて、前記ローラ接離手段の構成として、前記複数の圧接ローラを同時に保持する保持部材と、前記駆動手段に連動して前記保持部材に作用する偏心カムと、前記保持部材に作用して前記複数の圧接ローラのうちの一部の圧接ローラを前記ローラ部材側に付勢する弾性部材と、を備えることで、前記保持部材により同時に保持された複数の圧接ローラを前記偏心カムにより容易に前記ローラ部材に対して接離動作させることができ、さらに弾性部材を前記偏心カムが作用する側と反対側に配置することで、簡単な構成で接離動作する圧接ローラの追従性を図るとともに、圧接ローラを前記ローラ部材に対して圧接させることができる。
請求項7に記載した発明によれば、少なくとも1本のローラ部材に発熱手段を備えた一対のローラ部材を備え、前記ローラ部材同士を圧接させたニップ部に未定着のトナー像が形成された記録媒体を通過させることで前記トナー像を溶融させて前記記録媒体上に定着させる定着ローラと、前記定着ローラの外周面にウェブ部材を当接させてローラ表面を清掃するクリーニング機構とを備えた定着装置であって、前記クリーニング機構として、請求項1乃至6のうちの何れか一項に記載のクリーニング機構を用いることで、前記定着ローラの表面状態に応じて前記定着ローラとウェブ部材との当接状態を変化させることにより、前記定着ローラの表面を傷つけることなく表面に付着したトナーを確実に除去することができる。
ここで、前記定着ローラの表面状態とは、該定着ローラの表面温度や付着したトナーの状態を含むものである。
請求項8に記載した発明によれば、静電潜像が形成されて該静電潜像に基づきトナー像が形成される感光体ドラムを備えた画像形成部と、前記感光体ドラムにトナーを供給する現像ローラを備えた現像部と、前記感光体ドラム上に形成されたトナー像を搬送された記録媒体に転写する転写部とを備え、且つ、少なくとも1本のローラ部材に発熱手段を備えた一対のローラ部材を備え、前記ローラ部材同士を圧接させたニップ部に未定着のトナー像が形成された記録媒体を通過させることで前記トナー像を溶融させて前記記録媒体上に定着させる定着ローラと、回転する定着ローラの外周面にウェブ部材を当接させてローラ表面を清掃するクリーニング機構を具備する定着装置を備え、電子写真方式により前記感光体ドラムの表面に形成されたトナー像を記録媒体上に転写して出力する画像形成装置において、前記クリーニング機構の構成として、前記定着ローラと前記ウェブ部材の当接状態を変化させるウェブ部材圧接手段を備えることで、前記定着ローラの表面状態に応じて前記定着ローラとウェブ部材との当接状態を変化させることにより、前記定着ローラの表面を傷つけることなく表面に付着したトナーを確実に除去することができる。
ここで、前記定着ローラの表面状態とは、該定着ローラの表面温度や表面に付着したトナーの状態を含むものである。
請求項9に記載した発明によれば、請求項8に記載した発明で得られる効果に加えて、前記クリーニング機構として、請求項2乃至6のうちの何れか一項に記載のクリーニング機構を備えることで、複数の圧接ローラのうちの何れかの圧接ローラを選択的に定着ローラに圧接させて、前記定着ローラとウェブ部材の当接状態を容易に変化させることができる。
請求項10に記載した発明によれば、請求項9に記載した発明で得られる効果に加えて、前記定着装置の運転を制御する待機モード、省エネモード及び節電モードを含む複数の運転モードを備え、前記ウェブ部材圧接手段を構成する複数の圧接ローラのうちの前記定着ローラの回転方向下流側に配置される圧接ローラを前記定着ローラに圧接する時は、前記定着装置がウォームアップ中、待機モードから印字処理用の復帰工程中、および前記定着ローラの表面温度が設定温度に到達した後に印字処理工程に移行するまでの間とすることで、前記定着ローラの回転方向下流側に配置される圧接ローラによりウェブ部材を圧接する状態で、印字処理が行われる前に定着ローラの表面をクリーニングすることができる。
請求項11に記載した発明によれば、請求項9または10に記載した発明で得られる効果に加えて、前記複数の圧接ローラのうちの前記定着ローラの回転方向上流側に配置される圧接ローラを前記定着ローラに圧接する時は、前記定着装置がウォームアップ終了後、所定時間経過後に印字処理工程に移行する時とすることで、前記定着ローラの回転方向下流側に配置される圧接ローラによりウェブ部材を圧接する状態から圧接状態を変化させて、印字処理が行われる時の定着ローラの表面をクリーニングすることができる。
請求項12に記載した発明によれば、請求項11に記載した発明で得られる効果に加えて、前記所定時間を、前記定着ローラの回転方向下流側に配置される圧接ローラが前記定着ローラに圧接した状態で前記ウェブ部材によるクリーニング処理が行われた後に、回収されたトナーの温度がトナーの溶融温度以上になるまでの時間とすることで、新たに回収されたトナーが、先に回収されたトナーに熱を奪われることなく溶融した状態でウェブ部材により回収されるので、印字処理が行われる前の定着ローラの表面をより良くクリーニングすることができる。
請求項13に記載した発明によれば、請求項11に記載した発明で得られる効果に加えて、前記所定時間を、前記定着ローラの回転方向下流側に配置される圧接ローラが前記定着ローラに圧接した状態で前記ウェブ部材によるクリーニング処理が行われた後に、前記ウェブ部材を所定量移動するまでの時間、すなわち、クリーニング処理に使用されたウェブ部材を巻き取って未使用の部分を配置するまでに要する時間とすることで、前処理工程時に回収したトナー(定着ローラ回転方向上流側の圧接ローラで回収したトナー)が固化状態であっても、ウェブ部材の未使用の部分が定着ローラに圧接可能となり、定着ローラが回転する時にすでに回収したトナーによって擦られることがないので、定着ローラの表面を損傷することなく、安定したクリーニングを行うことができる。
請求項14に記載した発明によれば、請求項13に記載した発明で得られる効果に加えて、前記ウェブ部材の移動量を、少なくとも前記定着ローラと交互に圧接する複数の圧接ローラの軸間距離以上の長さ、すなわち、少なくとも前記複数の圧接ローラが配置される配置距離以上の長さとすることで、定着ローラの回転方向下流側の圧接ローラから上流側の圧接ローラへウェブ部材を圧接する圧接ローラの切換え操作が行われた時に、ウェブ部材の未使用の部分を定着ローラに圧接できるので、安定したクリーニング性能の維持することができ、印字品位の向上を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係るクリーニング機構が採用された画像形成装置の全体の構成を示す説明図、図2は前記画像形成装置の装置本体の構成を示す部分詳細図である。
本実施形態に係る画像形成装置1Aは、スキャナ等に読み込まれた画像データや外部から伝達された画像データを電子写真方式によって、記録媒体となる所定のシート状の記録用紙(以下、用紙と称する。)にモノクロ画像として出力形成するものであって、静電潜像が形成されて該静電潜像に基づきトナー像が形成される感光体ドラム3を備えた画像形成部14と、感光体ドラム3にトナーを供給する現像ローラ2aを備えた現像器(現像部)2と、感光体ドラム3上に形成されたトナー像を搬送された用紙に転写する転写機構(転写部)10と、未定着のトナー像を用紙に定着する定着ユニット(定着装置)6とを備え、電子写真方式により感光体ドラム3の表面に形成されたトナー像を用紙Pに転写するように制御された画像形成装置1Aにおいて、定着ユニット6を構成する加熱ローラ(定着ローラ)61の表面をクリーニングするクリーニング機構として、本発明に係るクリーニング機構63を備えたものである。
まず、本実施形態に係る画像形成装置1Aの全体構成について説明する。
画像形成装置1Aは、図1,図2に示すように、主に、露光ユニット1、現像器(現像部)2、感光体ドラム3、帯電器4、除電装置41、クリーナユニット5、定着ユニット6、用紙搬送装置7、給紙トレイ8、排紙トレイ9及び転写機構(転写部)10等より構成される装置本体1A1と、自動原稿処理装置1A2とにより構成されている。
装置本体1A1の上面部には、原稿が載置される透明ガラスからなる原稿載置台21が設けられ、この原稿載置台21の上方には、自動原稿処理装置1A2が上方に向かい揺動開放自在に設けられ、一方、この原稿載置台21の下方には、原稿の画像情報を読み取る原稿読み取り部であるスキャナ部22が配置されている。
そのスキャナ部22の下方には、露光ユニット1、現像器2、感光体ドラム3、帯電器4、除電装置41、クリーナユニット5、定着ユニット6、用紙搬送装置7、排紙トレイ9及び転写機構10が配設され、さらに、その下方には、用紙Pが収納された給紙トレイ8が配設されている。
露光ユニット1は、図示しない画像処理部から出力された画像データ(印字用画像情報)に応じてレーザ光を、帯電器4によって均一に帯電された感光体ドラム3の表面に照射して露光することにより、該感光体ドラム3の表面に画像データに応じた静電潜像を書込み形成する機能を有するものである。
露光ユニット1は、スキャナ部22の直下で且つ感光体ドラム3上方に配置され、レーザ照射部11および反射ミラー12を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)13a,13bが採用されている。本実施形態では、高速印字処理を行う為に、複数のレーザ光を利用し、照射タイミングの高速化を低減する手法を採用し、2ビーム手法を採用している。
尚、本実施形態では、露光ユニット1にレーザスキャニングユニット(LSU)13a,13bを用いているが、発光素子をアレイ状に並べたもの、例えばELやLED書込みヘッドを用いるものであっても良い。
感光体ドラム3は、図2に示すように、円筒状を呈し、露光ユニット1の下方に配設され、図示しない駆動手段と制御手段により所定方向(図中の矢印A方向)に回転するように制御されている。この感光体ドラム3の外周面に沿って、画像転写終了後の位置を基準として感光体ドラム回転方向下流側に向かい、用紙剥離爪31、クリーナユニット5、電界発生部としての帯電器4、現像器2、除電装置41の順に配置されている。
用紙剥離爪31は、ソレノイド32により感光体ドラム3の外周面に接離可能に配置されている。この用紙剥離爪31は、感光体ドラム3の外周面に当接した状態で、感光体ドラム3上の未定着トナー像を用紙Pに転写する際にその感光体ドラム3の表面に張り付いた用紙Pを剥離するものである。
尚、用紙剥離爪31の駆動手段として、ソレノイド32の換わりに駆動用モータ等を採用しても良く、その他の駆動手段の選択も可能である。
現像器2は、感光体ドラム3上に形成された静電潜像を黒トナーで顕像化するものであって、感光体ドラム回転方向(図中の矢印A方向)で帯電器4より下流側で感光体ドラム3の側方で略水平(図中で右側)に配置されている。この現像器2下方には記録媒体搬送方向上流側にレジストローラ15が配置されている。
レジストローラ15は、給紙トレイ8から供給された用紙Pの先端と感光体ドラム3上のトナー像とを整合して感光体ドラム3と転写ベルト103との間に搬送するように、図示しない駆動手段と制御手段とのより動作制御されている。
帯電器4は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であって、感光体ドラム3の上方でその外周面に近接して配置されている。
尚、本実施形態では、チャージャー型の帯電器4を用いているが、接触型のローラ方式によるものやブラシ方式によるものを用いるものであっても良い。
除電装置41は、感光体ドラム3の表面に形成されたトナー像を用紙Pに転写し易くするために該感光体ドラム3の表面電位を低下させるための転写前除電手段であって、感光体ドラム回転方向で現像器2より下流側で、且つ該感光体ドラム3の下方でその外周面に近接して配置されている。
尚、本実施形態では、除電装置41は、除電電極を用いて構成されているが、除電電極の替わりに除電ランプを用いたり、その他の方式により除電するようにしたものであっても良い。
クリーナユニット5は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを除去・回収するものであって、感光体ドラム3を挟んで現像器2と略対向する位置で感光体ドラム3の側方で略水平(図中で左側)に配置されている。
上述した様に、感光体ドラム3上で顕像化された静電像は、静電像が有する電荷の逆極性の電界が搬送される用紙P上に転写機構10から印加されることで用紙P上に転写される。例えば、静電像が(−)極性の電荷を有している時は、転写機構10の印加極性は(+)極性となる。
転写機構10は、図2に示すように、駆動ローラ101、従動ローラ102及び他のローラで架橋されるとともに、所定の抵抗値(本実施形態では1×109〜1×1013Ω・cmの範囲)を有する転写ベルト103が配置された転写ベルト式ユニットで構成され、感光体ドラム3の下方で、転写ベルト103の表面が感光体ドラム3の外周面の一部と接触するように配置されている。この転写ベルト103により、用紙Pを感光体ドラム3に押圧しながら搬送するようになっている。
感光体ドラム3と転写ベルト103の接触部104には、駆動ローラ101及び従動ローラ102とは異なる導電性で転写電界を印加可能な弾性導電性ローラ105が配置されている。
弾性導電性ローラ105は、弾性ゴム、発泡性樹脂等の軟質材料により構成されている。この弾性導電性ローラ105が弾性を有することで、感光体ドラム3と転写ベルト103とが線接触でなく、所定の幅(転写ニップと呼ばれる。)を有する面接触となるので搬送される用紙Pへの転写効率の向上を図ることができる。
更に、転写ベルト103の転写領域の用紙搬送方向下流側には、搬送される用紙Pが転写領域で印加された電界を除電し、次工程への搬送をスムーズに行う為の除電ローラ106が転写ベルト103の背面側に配置されている。
また、転写機構10には、転写ベルト103の残留トナーによる汚れを取るクリーニングユニット107と、転写ベルト103の除電を行う複数の除電機構108が配置されている。この除電機構108に用いられる除電を行うための手法として、装置を介して接地する手法、若しくは積極的に前記転写電界の極性とは逆極性を印加する手法がある。
転写機構10で用紙P上に転写された静電像(未定着トナー)は、定着ユニット6に搬送されて加圧・加熱されることで未定着トナーが溶融されて用紙P上に定着される。
定着ユニット6は、図2に示すように、一対の定着ローラとして加熱ローラ61及び加圧ローラ62とを備え、この加熱ローラ61と加圧ローラ62とにより用紙Pを挟持した状態で加熱ローラ61を回転させ、加熱ローラ61と加圧ローラ62との間を通過させることにより、用紙P上に転写されたトナー像を溶融して定着させるものである。定着ユニット6の用紙搬送方向下流側には、用紙Pを搬送する搬送ローラ16が設けられている。
加熱ローラ61は、その外周部には用紙剥離爪611、ローラ表面温度検出部材(サーミスター)612、クリーニング機構63が配置され、内周部には加熱ローラ表面を所定温度(定着設定温度:概ね160〜200℃)とする熱源614が設けられている。
加圧ローラ62は、ローラの両端部で加熱ローラ61に対し所定圧量で加圧ローラ62が圧接することが可能な加圧部材621が配置され、さらに、加圧ローラ62の外周には加熱ローラ61の外周と同様に用紙剥離爪622、ローラ表面クリーニング部材623が配置され、内周部には加圧ローラ表面を内部より加熱する熱源624が設けられている。
この定着ユニット6は、図2に示すように、加熱ローラ61と加圧ローラ62との圧接部(いわゆる定着ニップ部と呼ばれる。)600において、搬送される用紙P上の未定着トナーを加熱ローラ61により加熱して溶融し、該加熱ローラ61と加圧ローラ62との圧接力による用紙P上への投鋲作用で、未定着トナーを用紙P上に定着するようになっている。
給紙トレイ8は、画像情報が出力(印字)されるシート(用紙)を複数枚蓄積しておくためのものであり、露光ユニット1、現像器2、感光体ドラム3、帯電器4、除電装置41、クリーナユニット5、定着ユニット6等で構成される画像形成部14の下側に構成されている。この給紙トレイ8の排紙側上部には、用紙ピックアップローラ8aが配置されている。
この用紙ピックアップローラ8aは、給紙トレイ8内に積載収容された用紙Pを最上層から1枚ずつピックアップし、下流側に向かって(便宜上の用紙Pの流れ出し側(カセット側)を上流、排紙側を下流とする。)用紙搬送装置7を構成する用紙搬送路7a上のレジストローラ(「アイドルローラ」とも称する。)15側に搬送するようになっている。
また、本実施形態に係る画像形成装置1Aでは、高速印字処理を行うことを目的とする為、画像形成部14の下方に定型サイズの用紙Pを各々のトレイに500〜1500枚収納可能な複数の給紙トレイ8が配置され、一方、装置側面には複数の用紙種類を多量に収納可能な大容量給紙カセット81が配置されるとともに、該大容量給紙カセット81の上方に、主に不定型サイズの印字等に対応する手差し給紙トレイ82が設けられている。
排紙トレイ9は、手差し給紙トレイ82とは反対側の装置側面に配置されている。また、排紙トレイ9に変わって、排紙用紙の後処理装置(ステープル、パンチ処理等を行う装置)や複数段排紙トレイ等をオプションとして配置することも可能な構成となっている。
次に、本実施形態に係る特徴的なクリーニング機構63について図面を参照して詳細に説明する。図3は本実施形態に係る画像形成装置を構成する定着ユニットに設けられたクリーニング機構の概略構成を示す説明図である。
本実施形態に係るクリーニング機構63は、図3に示すように、回転する加熱ローラ61の外周面にウェブシート(ウェブ部材)64を圧接して加熱ローラ61の表面を清掃するクリーニング機構であって、第1圧接ローラ651及び第2圧接ローラ652によって加熱ローラ61とウェブシート64の当接状態を変化させるウェブ部材圧接手段65を備えている。
ウェブシート64は、加熱ローラ61に近接して配置された送出しローラ64aと巻取りローラ64bとで架橋され、ウェブ部材圧接手段65によって、架橋されている範囲内に配置される第1圧接ローラ651及び第2圧接ローラ652のうちの何れかの圧接ローラによる圧接力で加熱ローラ61の表面に圧接される。このウェブシート64は、50〜150μm厚の繊維で構成され、加熱ローラ61と当接して加熱ローラ61上に付着した溶融状態の汚れトナーをウェブシート64の繊維の織目に浸透させることでウェブシート64内部に回収するようになっている。
また、ウェブシート64は、印字処理枚数(定着機構を通過する用紙枚数)が一定枚数になった時に、送出しローラ64a及び巻取りローラ64bが駆動することにより所定量移動して、常に未使用のウェブシート面により加熱ローラ61表面の清掃を行うように制御されている。このウェブシート64の移動方向は、当接する加熱ローラ61の回転方向(図3中の矢印C方向)とは反対方向(図3中の矢印D方向)の向きに移動するようになっている。
ウェブ部材圧接手段65は、ウェブシート64を加熱ローラ61に圧接させる第1圧接ローラ651及び第2圧接ローラ652と、第1圧接ローラ651及び第2圧接ローラ652の加熱ローラ61への接離動作を行うローラ接離構造(ローラ接離手段)653と、ローラ接離構造653を駆動する駆動モータ(駆動手段)654とを備えている。
また、ウェブ部材圧接手段65は、第1圧接ローラ651及び第2圧接ローラ652のうちの何れかの圧接ローラが加熱ローラ61に圧接した状態においてもウェブシート64の張力を一定にするテンションローラ(ウェブ張力調整手段)66a,66bを備えている。テンションローラ66a,66bは、ウェブシート64が架橋されている範囲内で、それぞれ送出しローラ64aと第2圧接ローラ652の間、第1圧接ローラ651と巻取りローラ64bの間に配置され、加熱ローラ61の表面をクリーニングする部位(第1圧接ローラ651または第2圧接ローラ652により加熱ローラ61に圧接される部位)でウェブシート64に“タルミ”が発生したり、送出しローラ64a及び巻取りローラ64bの各々の駆動で移動する際にウェブシート64に斜行等が発生しないように、一定の張力を保持して、常に一定のクリーニング性能を得るようにされている。
ローラ接離構造653は、主に、第1圧接ローラ651及び第2圧接ローラ652を同時に保持する保持バー(保持部材)653aと、駆動モータ654に連動して保持バー653aの一端側に作用する偏心カム653bと、保持バー653aの他端側に作用して第2圧接ローラ652を加熱ローラ側に付勢するコイルばね(弾性部材)653cとにより構成されている。このローラ接離構造653は、駆動モータ654により偏心カム653bを回転させて、保持バー653aに保持された第1圧接ローラ651及び第2圧接ローラ652の加熱ローラ61への接離動作を行うようになっている。
第1圧接ローラ651及び第2圧接ローラ652は、保持バー653aの両端部にそれぞれ接続バー651a,652aを介して連結されている。第1圧接ローラ651は、加熱ローラ61の回転方向(矢印C方向)で第2圧接ローラ652よりも上流側に配置されている。また、第1圧接ローラ651は、第2圧接ローラ652よりも大きな外径で形成されている。
保持バー653aは、その長手方向の略中央部が支軸653a1により回動可能に軸支され、第1圧接ローラ651が連結される一端側には、この一端部に当接して該保持バー653aを揺動させる偏心カム653bが配置されている。また、第2圧接ローラ652が連結される他端部には、第2圧接ローラ652を加熱ローラ61側に付勢するコイルばね653cが配置されている。
このように構成されたウェブ部材圧接手段65により、第1圧接ローラ651は、通常の印字処理の時、すなわち、ウォームアップ直後および節電モードからの復帰等の加熱ローラ61が定着設定温度に到達した直後の印字処理を除き、定着装置がウォームアップ終了後に所定時間経過後に印字処理工程に移行する時に、加熱ローラ61表面に向かい圧接するように駆動制御される。
本実施形態において、前述した所定時間は、加熱ローラ61の回転方向下流側に配置される第2圧接ローラ652が加熱ローラ61に圧接した状態でウェブシート64によるクリーニング処理が行われた後に、回収されたトナーの温度がトナーの溶融温度以上になるまでの時間とする。
また、この所定時間は、加熱ローラ61の回転方向下流側に配置される第2圧接ローラ652が加熱ローラ61に圧接した状態でウェブシート64によるクリーニング処理が行われた後に、ウェブシート64を所定量移動するまでの時間を含むものとする。
このウェブシート64の移動時間は、少なくとも第1圧接ローラ651と第2圧接ローラ652の軸間距離以上の長さを移動する時間とする。
一方、第2圧接ローラ652は、通常の印字処理ではない時、すなわち、定着装置がウォームアップ中、待機モードから印字処理用の復帰工程中、ウォームアップ直後および節電モードからの復帰等の加熱ローラ61が定着設定温度に到達した直後に印字処理に移行する時に、加熱ローラ61表面に向かい圧接するように駆動制御される。
また、第1圧接ローラ651または第2圧接ローラ652のうちの何れか一方の圧接ローラが加熱ローラ61側に向かい圧接されている時は、他方の圧接ローラが加熱ローラ61から離間した状態となるようにされている。
次に、本実施形態のクリーニング機構63による加熱ローラ61のクリーニング作用について図面を参照して説明する。
図4は本実施形態のクリーニング機構における第1圧接ローラによりウェブシートを加熱ローラに圧接した状態を示す説明図、図5は前記クリーニング機構における第2圧接ローラによりウェブシートを加熱ローラに圧接した状態を示す説明図である。
クリーニング機構63において、ウェブシート64を第1圧接ローラ651によって加熱ローラ61に圧接する時は、図4に示すように、偏心カム653bを回転させて、保持バー653aの第1圧接ローラ651側の偏心カム653bとの当接位置が加熱ローラ61に接近する方向に移動する。
これにより、保持バー653aに連結された第1圧接ローラ651は、偏心カム653bの回転に伴い加熱ローラ61に向かって押され、加熱ローラ61に圧接される。この時、保持バー653aの第2圧接ローラ652側は、コイルばね653cのばね力を抗して加熱ローラ61から離れる方向に移動して、第2圧接ローラ652が加熱ローラ61から離間した状態となる。
ウェブシート64は、第1圧接ローラ651と加熱ローラ61とによるニップ部Bで加熱ローラ61に圧接される。第1圧接ローラ651によるウェブシート64への押圧力は偏心カム653bの外形状(偏心量)により設定される。この時、加熱ローラ61の回転方向上流側に位置するウェブシート64の一部は、加熱ローラ61の表面に対して傾斜角度θ1で配置される。
一方、ウェブシート64を第2圧接ローラ652によって加熱ローラ61に圧接する時は、図5に示すように、偏心カム653bをさらに回転させ、或いは戻し方向に回転させて、保持バー653aの第1圧接ローラ651側の偏心カム653bとの当接位置が加熱ローラ61から離れる方向に移動する。
これにより、保持バー653aに連結された第1圧接ローラ651は、偏心カム653bの回転に伴い加熱ローラ61から離間する。この時、保持バー653aの第2圧接ローラ652側は、コイルばね653cのばね力によって加熱ローラ61に接近する方向に押されて、第2圧接ローラ652が加熱ローラ61に対して圧接される状態となる。
ウェブシート64は、第2圧接ローラ652と加熱ローラ61とによるニップ部Cで加熱ローラ61に圧接される。第2圧接ローラ652によるウェブシート64への押圧力はコイルばね653cにより設定される。この時、加熱ローラ61の回転方向上流側に位置するウェブシート64の一部は、加熱ローラ61の表面に対して傾斜角度θ2で配置される。
上述したように、ウェブシート64の加熱ローラ61への当接状態は、第1圧接ローラ651と第2圧接ローラ652とにより異なった当接状態となる。すなわち、第1圧接ローラ651の外径を第2圧接ローラ652の外径よりも大きく形成することで、ニップ部Cよりもニップ部Bのニップ量が大きくなる。
従って、第1圧接ローラ651によりウェブシート64を加熱ローラ61に圧接する場合は、第2圧接ローラ652による場合と比較してウェブシート64と加熱ローラ61との当接面積を大きくすることができるので、溶融状態のトナーを効果的にクリーニングすることができる。
また、加熱ローラ61の回転方向上流側に位置するウェブシート64の配置状態は、第1圧接ローラ651によるウェブシート64の傾斜角度θ1と第2圧接ローラ652によるウェブシート64の傾斜角度θ2とを比較すると、第1圧接ローラ651による傾斜角度θ2の方が大きくなっている。
従って、第1圧接ローラ651によりウェブシート64を加熱ローラ61に圧接する場合は、クリーニング処理後にウェブシート64を移動する時に、ウェブシート64の傾斜角度θ1が大きいため、ウェブシート64の剥がし効果が向上し、ウェブシート64内部に回収されたトナーに擦られる影響を少なくできるので、加熱ローラ61の表面を傷つけることなくウェブシート64を移動することができる。
また、第2圧接ローラ652によりウェブシート64を加熱ローラ61に圧接する場合は、加熱ローラ61に対する傾斜角度が小さいので、例えば、ウェブシート64内部に潤滑材等を含浸させて加熱ローラ61の表面に塗布する機能を持たせた場合に、ウェブシート64による潤滑材を塗布する作用の向上を期待できる。
次に、本実施形態の画像形成装置におけるクリーニング機構の動作についてフローチャートに基づき説明する。
図6,図7は本実施形態に係る画像形成装置におけるクリーニング機構の動作を説明するフローチャートである。
まず、画像形成装置1Aに対し通電が開始されると(ステップS1)、画像形成装置1Aの制御部は、定着ユニット6を構成するクリーニング機構63のウェブシート64を加熱ローラ61と圧接する圧接ローラを変更するために、偏心カム653bを駆動する駆動モータ654に通電を行う(ステップS2)。
ステップS2における偏心カム653bの回転により第2圧接ローラ652が加熱ローラ61と圧接されたことが確認されると(ステップS3)、画像形成装置1Aは、初期化工程(感光体ドラム3の初期化、各センサの初期化、各駆動部をホームポジションに復帰させる等々の処理)および定着ユニット6のウォームアップを行う(ステップS4)。
ここで、ステップS2およびステップS3において、偏心カム653bを回転させる駆動モータ654を駆動して第2圧接ローラ652を加熱ローラ61に圧接する理由を以下に説明する。
本実施形態では、通常の印字処理工程においては、第1圧接ローラ651によりウェブシート64を加熱ローラ61に対して圧接する手法を基本としている。この手法によると、第1圧接ローラ651と加熱ローラ61の回転方向の上流側ニップ部に加熱ローラ61の表面の汚れトナーが回収される。通常の印字処理工程では回収トナーは溶融状態であり、加熱ローラ61を傷つけること無く、ウェブシート64を構成する繊維分の空隙に浸透し、ウェブシート64に対し投鋲効果を持ってクリーニングされる状態となっている。
しかしながら、一旦通電が停止されると加熱ローラ61の表面は定着設定温度より降下して室温まで低下するのが一般的であり、このような状態では、ウェブシート64の第1圧接ローラ651と加熱ローラ61の圧接部Aに回収された回収トナーは溶融状態から固化状態となる。そして、固化した回収トナーに対し、画像形成装置1Aの初期化工程の処理の一環として定着ユニット6のウォームアップが行われると、定着設定温度に到達しない加熱ローラ61が回転することにより、固化した回収トナーが加熱ローラ表面を傷つけることになる。
このため、本実施形態では、2本配置した第1圧接ローラ651または第2圧接ローラ652によるウェブシート64と加熱ローラ61の圧接状態のうち第2圧接ローラ652による圧接状態に変更するようにしている。
尚、例えば、ウォームアップ時の圧接ローラを第1圧接ローラ651とした時は、通常の印字処理時の圧接ローラは第2圧接ローラ652となる。この状態では、通常の印字処理で回収された回収トナーが巻取りローラ64bに巻き取られるまでの間の汚れたウェブシート64がウォームアップ工程中に第1圧接ローラ651で定着設定温度に到達していない加熱ローラ61に圧接され、加熱ローラ61の表面に傷が発生する虞がある。
このようにして初期化工程が処理されると(ステップS4)、画像形成装置1Aの制御部は、加熱ローラ61の表面に配置されるサーミスタ612により加熱ローラ表面温度を検出して、加熱ローラ61の表面が定着設定温度に到達したか否かの判定を行うと共に(ステップS5)、画像形成装置1Aの初期化が終了したか否かの判定を行う(ステップS6)。
ステップS5,ステップS6の処理が完了すると、制御部に印字要求されて蓄積されている画像情報があるか否かによって、すでに印字要求がなされているか否かを判定する(ステップS7)。印字要求がない時は、画像形成装置1Aは待機状態となり、定着ユニット6は加熱ローラ61の表面を定着設定温度で維持する待機モードに進む。
他方、ステップS7において、印字要求がある時は、印字条件が入力されているか否かの判定を行い(ステップS8)、入力が完了していることが確認されると印字処理が行われる(ステップS9)。
ステップS9において、印字処理が終了すると、画像形成装置1Aの制御部はウェブシート64を移動するタイミングであるか否かの判定を行う(ステップS10)。
加熱ローラ61の表面に付着したトナーの回収は、加熱ローラ61の表面と圧接されるウェブシート64の圧接部の加熱ローラ61の回転方向上流側の接触ポイントで回収されるが、このウェブシート64の移動タイミングの判定は、所定枚数の印字処理が経過する毎にウェブシート64を送出しローラ64a及び巻取りローラ64bを駆動して、未使用のウェブシート面での回収トナーの回収を行い、加熱ローラ61の表面の汚れをなくすウェブクリーニング手法に基づくものであるため、ウェブシート64の圧接部の汚れ具合に関わらず、印字処理の回数に基づきウェブシート64の移動タイミングの確認がなされる。
ステップS10におけるウェブシート64の移動タイミングの確認で、ウェブシート64の移動が不要の時は、次印字の有無を確認する(ステップS11)。次印字がある時はステップS9に戻り、次印字が無い時は待機状態となる。
一方、ステップS10において、ウェブシート64の移動タイミングであると判断されると、ウェブシート64の送出しローラ64a及び巻取りローラ64bを駆動し、ウェブシート64の未使用の面が加熱ローラ61の表面と対向するようにウェブシート64の移動を行う(ステップS12)。
この時、ウェブシート64の第2圧接ローラ652により圧接されて回収トナーが付着した部分を、第1圧接ローラ651による圧接領域から巻取りローラ46b側に移動するまでウェブシート64を巻き取る必要がある。これは、ウェブシート64で回収した回収トナーが次印字処理で加熱ローラ61を汚して、印字品位の低下を招来しない為に不可欠な制御である。
このようにウェブシート64が移動すると(ステップS13)、ウェブシート64の加熱ローラ61への圧接位置を第2圧接ローラ652による位置から第1圧接ローラ651による位置に変更するため、偏心カム653bを回転させる駆動モータ654を駆動して、ウェブシート64の加熱ローラ61への圧接位置を第1圧接ローラ651による位置に変更する(ステップS14)。圧接位置が第1圧接ローラ651に変更されたことを確認すると(ステップS15)、その後はステップS11に戻り、次印字の有無確認を行い、処理を継続進行させる。
以上のように構成したので、本実施形態によれば、画像形成装置1Aにおける定着ユニット6の加熱ローラ61をクリーニングするクリーニング機構63として、加熱ローラ61にウェブシート64を圧接するための第1圧接ローラ651及び第2圧接ローラ652を備え、これらをウェブ部材圧接手段65により加熱ローラ61とウェブシート64の当接状態を変化させることで、加熱ローラ61の表面を傷つけることなく表面に付着したトナーを確実に除去することができる。
また、本実施形態によれば、上述したように第1圧接ローラ651及び第2圧接ローラ652による圧接位置を切換えるように制御することで、加熱ローラ61の表面に各々の圧接ローラを介して圧接されるウェブシート64は、ウェブシート64の圧接初期状態では常に新鮮な面(未使用の面)が加熱ローラ61に対して圧接される状態となり、加熱ローラ61の表面の回収トナーの回収効率が向上するとともに、適正なクリーニング性能を維持することができ、安定した印字品位の確保することができる。
さらに、本実施形態によれば、ウェブ部材圧接手段65の構成として、第1圧接ローラ651を加熱ローラ61に圧接するための偏心カム653bと、第2圧接ローラ652を加熱ローラ61に圧接するためのコイルばね653cを配置して、これらを一つの駆動モータ654により連動するようにしたので、装置構成を簡略化できるとともに構造をコンパクトにできる。
尚、本実施形態では、クリーニング機構63を定着ユニット6の加熱ローラ61に対応して配置しているが、本発明はクリーニングするローラ部材を限定するものではなく、例えば、加熱ローラ62に対応して本発明に係るクリーニング機構を構成しても良い。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した例に限定されないことは言うまでもなく、当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態では、モノクロ用の現像装置を設置する画像形成装置に本発明が適用されているが、複数の現像装置を設置するカラー用の画像形成装置に本発明を適用することも可能である。さらに、ローラ部材を用いた装置であって該ローラ部材をクリーニングする必要性を有する装置に対応して本発明を展開することも可能である。
本発明の実施形態に係るクリーニング機構が採用された画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。 前記画像形成装置の装置本体の構成を示す部分詳細図である。 前記画像形成装置を構成する定着ユニットに設けられたクリーニング機構の概略構成を示す説明図である。 前記クリーニング機構における第1圧接ローラによりウェブシートを加熱ローラに圧接した状態を示す説明図である。 前記クリーニング機構における第2圧接ローラによりウェブシートを加熱ローラに圧接した状態を示す説明図である。 前記画像形成装置におけるクリーニング機構の動作を説明するフローチャートである。 図6に示すフローチャートに連続して前記クリーニング機構の動作を説明するフローチャートである。 従来の画像形成装置に搭載された定着装置に設けられたクリーニング機構の概略構成を示す説明図である。 従来の画像形成装置に搭載された定着装置のクリーニング機構により回収されたトナーの温度推移を示すグラフである。
符号の説明
1A 画像形成装置
2 現像器(現像部)
6 定着ユニット(定着装置)
14 画像形成部
61 加熱ローラ(定着ローラ)
62 加圧ローラ(定着ローラ)
63 クリーニング機構
64 ウェブシート(ウェブ部材)
64a 送り出しローラ
64b 巻取りローラ
65 ウェブ部材圧接手段
66a,66b テンションローラ(ウェブ張力調整手段)
612 サーミスタ
614,624 熱源(発熱手段)
651 第1圧接ローラ(圧接ローラ)
652 第2圧接ローラ(圧接ローラ)
653 ローラ接離構造(ローラ接離手段)
653a 保持バー(保持部材)
653b 偏心カム
653c コイルばね(弾性部材)
654 駆動モータ(駆動手段)

Claims (14)

  1. 回転するローラ部材の外周面にウェブ部材を圧接して該ローラ体の表面を清掃するクリーニング機構であって、
    前記ローラ部材と前記ウェブ部材の当接状態を変化させるウェブ部材圧接手段を備えることを特徴とするクリーニング機構。
  2. 前記ウェブ部材圧接手段は、前記ウェブ部材を前記ローラ部材に圧接させる複数の圧接ローラと、前記圧接ローラの前記ローラ部材への接離動作を行うローラ接離手段と、前記ローラ接離手段を駆動する駆動手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のクリーニング機構。
  3. 前記ウェブ部材圧接手段は、1つの駆動手段により前記ローラ接離手段を駆動することを特徴とする請求項2に記載のクリーニング機構。
  4. 前記ウェブ部材圧接手段は、前記複数の圧接ローラのうちの何れか1つの圧接ローラが前記ローラ部材に対して圧接されている時、その他の圧接ローラが前記ローラ部材から離間された状態とすることを特徴とする請求項2または3に記載のクリーニング機構。
  5. 前記ウェブ部材圧接手段は、前記複数の圧接ローラのうちの何れの圧接ローラが前記ローラ部材に圧接した状態においても前記ウェブ部材の張力を一定にするウェブ張力調整手段を備えることを特徴とする請求項2乃至4のうちの何れか一項に記載のクリーニング機構。
  6. 前記ローラ接離手段は、前記複数の圧接ローラを同時に保持する保持部材と、前記駆動手段に連動して前記保持部材に作用する偏心カムと、前記保持部材に作用して前記複数の圧接ローラのうちの一部の圧接ローラを前記ローラ部材側に付勢する弾性部材と、を備えることを特徴とする請求項2乃至5のうちの何れか一項に記載のクリーニング機構。
  7. 少なくとも1本のローラ部材に発熱手段を備えた一対のローラ部材を備え、前記ローラ部材同士を圧接させたニップ部に未定着のトナー像が形成された記録媒体を通過させることで前記トナー像を溶融させて前記記録媒体上に定着させる定着ローラと、前記定着ローラの外周面にウェブ部材を当接させてローラ表面を清掃するクリーニング機構とを備えた定着装置であって、
    前記クリーニング機構として、請求項1乃至6のうちの何れか一項に記載のクリーニング機構を用いることを特徴とする定着装置。
  8. 静電潜像が形成されて該静電潜像に基づきトナー像が形成される感光体ドラムを備えた画像形成部と、前記感光体ドラムにトナーを供給する現像ローラを備えた現像部と、前記感光体ドラム上に形成されたトナー像を搬送された記録媒体に転写する転写部とを備え、且つ、少なくとも1本のローラ部材に発熱手段を備えた一対のローラ部材を備え、前記ローラ部材同士を圧接させたニップ部に未定着のトナー像が形成された記録媒体を通過させることで前記トナー像を溶融させて前記記録媒体上に定着させる定着ローラと、回転する定着ローラの外周面にウェブ部材を当接させてローラ表面を清掃するクリーニング機構を具備する定着装置を備え、電子写真方式により前記感光体ドラムの表面に形成されたトナー像を記録媒体上に転写して出力する画像形成装置において、
    前記クリーニング機構の構成として、前記定着ローラと前記ウェブ部材の当接状態を変化させるウェブ部材圧接手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
  9. 前記クリーニング機構として、請求項2乃至6のうちの何れか一項に記載のクリーニング機構を備えることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記画像形成装置は、前記定着装置の運転を制御する待機モード、省エネモード及び節電モードを含む複数の運転モードを備え、
    前記ウェブ部材圧接手段を構成する複数の圧接ローラのうちの前記定着ローラの回転方向下流側に配置される圧接ローラを前記定着ローラに圧接する時は、前記定着装置がウォームアップ中、待機モードから印字処理用の復帰工程中、および前記定着ローラの表面温度が設定温度に到達した後に印字処理工程に移行する時とすることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記複数の圧接ローラのうちの前記定着ローラの回転方向上流側に配置される圧接ローラを前記定着ローラに圧接する時は、前記定着装置がウォームアップ終了後、所定時間経過後に印字処理工程に移行する時とすることを特徴とする請求項9または10に記載の画像形成装置。
  12. 前記所定時間は、前記定着ローラの回転方向下流側に配置される圧接ローラが前記定着ローラに圧接した状態で前記ウェブ部材によるクリーニング処理が行われた後に、回収されたトナーの温度がトナーの溶融温度以上になるまでの時間とすることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 前記所定時間は、前記定着ローラの回転方向下流側に配置される圧接ローラが前記定着ローラに圧接した状態で前記ウェブ部材によるクリーニング処理が行われた後に、前記ウェブ部材を所定量移動するまでの時間とすることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
  14. 前記ウェブ部材の移動量は、少なくとも前記定着ローラと交互に圧接する複数の圧接ローラの軸間距離以上の長さとすることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8073373B2 (en) * 2007-09-07 2011-12-06 Sharp Kabushiki Kaisha Image forming apparatus with device for reducing stagnant toner between fixing roller and cleaning web
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