JP2008286083A - プランジャポンプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポンプボディ3内に形成されたシリンダ11と、このシリンダ11内に摺動自在に装着され、一端はシリンダ11内にポンプ室20を画成し、他端は偏心カム2(駆動手段)に当接しているプランジャ30とを備え、プランジャ30がシリンダ11内で往復動することにより、ポンプ室20内に吸入したブレーキ液を吐出するプランジャポンプ1であって、プランジャ30の外周面にはシール溝31(周溝)が形成され、シール溝31には環状のシール部材32が嵌め込まれており、プランジャ30は軸方向の中心位置よりも一端側の形状と他端側の形状とが同一であることを特徴としている。
【選択図】図1
Description
このようなプランジャポンプ100としては、図4に示すように、ポンプボディ3内に形成されたシリンダ111と、このシリンダ111内に摺動自在に装着され、一端はシリンダ111内にポンプ室120を画成し、他端は偏心カム2のカム面2aに当接しているプランジャ130と、を備えているものがある(例えば、特許文献1参照)。
なお、シリンダ111は、ポンプボディ3内に形成された取付孔3aの室部113a及び摺動部113bと、取付孔3aの室部113a内に内嵌された有底円筒状の底部材112とによって構成されており、室部113aよりも他端側に形成された摺動部113b内でプランジャ130が軸方向に摺動するように構成されている。
このプランジャポンプ100では、プランジャ130が偏心カム2側に移動したときに、吸入口114からポンプ室120内に液体が吸入され、偏心カム2に押されてプランジャ130がポンプ室120側に移動したときに、ポンプ室120内の液体が吐出室180を通じて吐出口(図示せず)から吐出されるように構成されている。
前記した従来のプランジャポンプ100では、ポンプ室120内にシール部材132を収めるために、ポンプ室120が軸方向に大きくなっているため、プランジャポンプ100が軸方向に大きくなっている。
なお、シール部材132を収めるためにポンプ室120を軸方向に延ばした長さに対応させて摺動部113bを軸方向に短くすることで、プランジャポンプ100を小さくすることもできるが、この場合にはプランジャ130を支持している摺動部113bが短くなるため、プランジャ130をシリンダ111内で往復動させたときに、プランジャ130が軸ぶれを起こし易く不安定になってしまう。
また、プランジャとシリンダとが摺動する距離を短くする必要がないため、プランジャを安定して作動させることができる。
また、プランジャの外周面に形成された周溝にシール部材が嵌め込まれるように構成されており、プランジャポンプの部品点数が少ないため、プランジャポンプを容易に組み付けることができるとともに、プランジャポンプの製造コストを安くすることができる。
さらに、プランジャは軸方向の中心位置よりも一端側の形状と他端側の形状とが同一であり、軸方向の向きが設定されていないため、プランジャをシリンダ内に組み付けるときに、プランジャの向きに注意を払う必要がなくなり、プランジャの組み付け効率を向上させることができる。
また、プランジャとシリンダとが摺動する距離を短くする必要がないため、プランジャを安定して作動させることができる。
また、プランジャポンプの部品点数が少なくなるため、プランジャポンプを容易に組み付けることができるとともに、プランジャポンプの製造コストを安くすることができる。
さらに、プランジャは軸方向の向きが設定されていないため、プランジャをシリンダ内に組み付けるときに、プランジャの向きに注意を払う必要がなくなり、プランジャの組み付け効率を向上させることができる。
本実施形態では、自動車等の車両に搭載されるブレーキ用液圧制御装置の油圧発生装置として用いられるプランジャポンプを例として説明する。
なお、以下の説明において、一端側とは図1の左側に対応し、他端側とは図1の右側に対応している。
プランジャポンプ1は、図1に示すように、ポンプボディ3内に形成されたシリンダ11と、シリンダ11内に摺動自在に装着され、一端はシリンダ11内にポンプ室20を画成し、他端は偏心カム2に当接しているプランジャ30と、このプランジャ30を偏心カム2側に押圧する戻しばね40と、ポンプ室20内へのブレーキ液の流入のみを許容する吸入弁50と、ポンプ室20内からのブレーキ液の流出のみを許容する吐出弁60と、を備えている。
このプランジャポンプ1では、プランジャ30がシリンダ11内で軸方向に往復動することにより、ポンプ室20内に吸入したブレーキ液を吐出するように構成されている。
ポンプボディ3は、車両に搭載される金属製のブロックであり、その内部には複数の油路(図示せず)が形成されており、プランジャポンプ1が挿入される円形断面の取付孔3aが設けられている。
取付孔3aの他端は、ポンプボディ3の外面に凹設された円形断面の収納穴3bに連通している。本実施形態では、取付孔3aは図1の左右方向に延ばされ、収納穴3bは取付孔3aに直交する方向(紙面に対して垂直方向)に延ばされている。
取付孔3aには、プランジャポンプ1に供給されるブレーキ液の流路となる吸入路3cと、プランジャポンプ1から吐出されたブレーキ液の流路となる排出路3dとが連通している。吸入路3cは取付孔3aの軸方向の略中間位置に連通し、排出路3dは吸入路3cよりも一端側で取付孔3aに連通している。
リザーバ3fは、ポンプボディ3内に形成された空間であり、その内部にはピストン4が摺動自在に装着されている。ピストン4は、リザーバ3f内に設けられたばね部材4aによって吸入路3c側に付勢されている。
吸入弁50は、吸入孔55が吸入路3cの軸方向に貫通している円筒部材54と、吸入孔55の取付孔3a側の開口部を封止する吸入弁体51と、この吸入弁体51を覆うように配置され、円筒部材54のポンプ室20側の端部に保持されたリテーナ52と、このリテーナ52内に収められており、吸入弁体51を吸入孔55の開口部側に押圧するばね部材53と、から構成されている。
吸入弁体51は、金属製の球体であり、吸入孔55の弁座55aに当接することで吸入孔55の開口部を封止している。
リテーナ52は、金属製のカップ状の蓋体であり、凹側を円筒部材54側に向けた状態で、円筒部材54の取付孔3a側の端部に外嵌されることにより、吸入弁体51を覆っている。また、リテーナ52には連通孔52aが複数形成されており、リテーナ52内と吸入路3c内とが連通している。
ばね部材53は、リテーナ52の内面と吸入弁体51との間に圧縮状態で配設されたコイルスプリングである。
プランジャポンプ1の駆動手段である偏心カム2は、ポンプボディ3に取り付けられた電動モータ(図示せず)の回転軸に設けられており、ポンプボディ3に形成された収納穴3bに収められている。この偏心カム2の中心位置は、回転軸の軸中心Aに対して偏心しており、偏心カム2は回動軸の回転に伴って、回転軸の軸中心A回りに回転するように構成されている。
取付孔3aの一端には、有底円筒状のキャップ70が内嵌されている。このキャップ70は金属製の部材であり、内部に形成された空洞部71は他端側に開口している。なお、空洞部71は吐出室80を構成する空間となっている。
キャップ70の外周面には、シール溝72が全周に形成されている。シール溝72には、樹脂製のシール部材73が嵌め込まれており、このシール部材73によって、キャップ70の外周面と取付孔3aの内周面との間が液密にシールされている。
また、取付孔3aの内周面において、一端側の開口部の近傍には、抜け止め溝3eが全周に形成されている。この抜け止め溝3eには、金属製のC字形状のクリップ74の外周側が嵌め込まれており、取付孔3a内においてクリップ74よりも他端側に配設されたキャップ70の外周縁がクリップ74の内周側に当接することにより、キャップ70は取付孔3a内に係止されている。
シリンダ11は、ポンプボディ3内に形成されており、その内部にプランジャ30が摺動自在に装着される。このシリンダ11は、取付孔3aの室部13a及び摺動部13bと、室部13a内に内嵌された金属製の底部材12とによって構成されている。
また、底部材12の底部12bの中心位置には、円形断面の吐出孔12cが貫通しており、この吐出孔12cの一端側(吐出室80側)の開口縁には、漏斗状に拡径した弁座12dが形成されている。
摺動部13bは、取付孔3aにおいて室部13aよりも他端側に形成されており、一端は室部13aに連通し、他端は収納穴3bに連通している。この摺動部13bにはプランジャ30が摺動自在に装着される。
プランジャ30は、シリンダ11の摺動部13b内に装着される金属製又は樹脂製の棒状の部材であり、一端は室部13a内に突出し、他端は収納穴3b内に突出している。このプランジャ30は円形断面となっており、プランジャ30をシリンダ11内で軸方向に往復動させたときには、プランジャ30の外周面が摺動部13bの内周面を摺動するように構成されている。
このプランジャ30は、棒状の部材を所定の長さで切断し、切断した部材の軸方向の中心位置の外周面に周溝(シール溝31)を凹設することで得られるものであり、軸方向の中心位置よりも一端側の形状と他端側の形状とが同一となっている。すなわち、プランジャ30の外形形状は、軸方向を法線方向とするとともに、軸方向の中心に位置する仮想基準面について面対称となっている。
また、プランジャ30の一端には、蓋状の係合部材33が被せられている。この係合部材33の開口縁には、フランジ部33aが全周に形成されており、プランジャ30の一端側の外周面の全周にフランジ部33aが突設された状態となっている。
戻しばね40は、一端41が底部材12に当接し、他端42がプランジャ30の外周面に係合しているコイルスプリングであり、圧縮状態でポンプ室20内に配設されている。具体的には、戻しばね40の一端41は、底部材12の底部12bの内面に当接し、戻しばね40の他端42は、プランジャ30の一端に取り付けられた係合部材33のフランジ部33aに当接している。
吐出弁60は、吐出室80内へのブレーキ液の流入のみを許容する逆止弁であり、底部材12に形成された吐出孔12cの吐出室80側の開口部に設けられている。
吐出弁60は、吐出孔12cの吐出室80側の開口部を封止する吐出弁体61と、この吐出弁体61を覆うようにして底部材12に保持されたリテーナ62と、このリテーナ62内に収められており、吐出弁体61を吐出孔12cの開口部側に押圧するばね部材63と、から構成されている。
リテーナ62は、金属製のカップ状の蓋体であり、底部材12の一端に外嵌されることで吐出弁体61を覆っている。また、リテーナ62には連通孔62aが複数形成されており、リテーナ62内と吐出室80内とが連通している。また、リテーナ62の底部の中心位置には、リテーナ62の内方に向けて窪んでいる保持部62bが形成されている。
ばね部材63は、リテーナ62の内面と吐出弁体61との間に圧縮状態で配設されたコイルスプリングであり、リテーナ62の保持部62bがばね部材63の中心孔に挿入されることで、ばね部材63はリテーナ62内に位置決めされている。
以上のように構成されたプランジャポンプ1の動作について説明する。
プランジャポンプ1のシリンダ11内のポンプ室20、及び吐出室80内にブレーキ液が満たされた状態において、回転する偏心カム2に押されて、プランジャ30が図1の状態から一端側に向けて軸方向に往動作したときには、ポンプ室20の容積が減少し、ポンプ室20内のブレーキ液の液圧が上昇する。
これにより、ポンプ室20内のブレーキ液圧から吐出室80内のブレーキ液圧を差し引いたときの値が、吐出弁60の開弁圧以上になるため、吐出弁60が開弁してポンプ室20内のブレーキ液が吐出室80に流入する。そして、ブレーキ液は吐出室80から吐出口15を介してポンプボディ3の排出路3dに吐出される。
ポンプ室20の容積が増大することにより、ポンプ室20内は負圧状態となり、吸入弁50ではリザーバ3f内のブレーキ液圧からポンプ室20内のブレーキ液圧を差し引いたときの値が、吸入弁50の開弁圧以上になるため、吸入弁50が開弁し、吸入路3c内のブレーキ液が、吸入口14を介して取付孔3a内のポンプ室20に流入する。
このように、プランジャポンプ1では、プランジャ30がシリンダ11内で軸方向に往復動することにより、吸入口14からポンプ室20に吸入したブレーキ液を吐出口15から吐出するように構成されている。
本実施形態のプランジャポンプ1では、プランジャ30の外周面とシリンダ11(摺動部13b)の内周面との間を液密にシールするためのシール部材32が、ポンプ室20の外側に配設されており、ポンプ室20を軸方向に小さくすることができるため、プランジャポンプ1を軸方向に小さくすることができ、ポンプボディ3を小型化することができる。
また、プランジャ30が摺動する摺動部13bを軸方向に短くする必要がないため、プランジャ30を安定してシリンダ11内で往復動させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に設計変更が可能である。
また、貫通孔94内には円筒部材95が内嵌されており、この円筒部材95には吐出孔95aが中心軸に沿って貫通している。
吐出弁60Aのリテーナ64は、凹部12eの開口部に配設された円形の蓋体であり、凹部12e内の吐出弁体61はリテーナ64によって覆われている。
また、リテーナ64の中心位置には開口部64aが形成されており、この開口部64aによってリテーナ64内と吐出室80とが連通している。
さらに、リテーナ64では、開口部64aの内方に突出した舌状のばね部64b,64bが形成されている(図3(a)参照)。このばね部64bは、先端側に向かうに連れて凹部12eの底部側に傾斜している。そして、各ばね部64b,64bの先端部は、吐出弁体61に当接しており、吐出弁体61を吐出孔12cの開口部側に押圧している。
また、ばね部材をリテーナ64内に配設する必要がないため、プランジャポンプの部品点数が少なくなり、プランジャポンプを容易に組み付けることができるとともに、プランジャポンプの製造コストを安くすることができる。
吐出弁60Cでは、ポンプ室20内のブレーキ液圧が吐出室80内のブレーキ液圧よりも大きい場合には、ポンプ室20側からの圧力によって、吐出弁体61が吐出室80側に押し上げられて開弁状態となる。また、吐出室80内のブレーキ液圧がポンプ室20内のブレーキ液圧よりも大きい場合には、吐出室80から連通孔65aを通じて吐出弁体61に作用した圧力によって、吐出弁体61が吐出孔12cの弁座12dに押し付けられて閉弁状態となる。
この構成では、吐出弁体61を吐出孔12cの開口部側に押圧するためのばね部材をリテーナ65内に収めたり、ばね部をリテーナ65に形成したりする必要がなくなるため、吐出弁60Cを容易に組み付けることができるとともに、吐出弁60Cの製造コストを安くすることができる。
2 偏心カム
3 ポンプボディ
3a 取付孔
3b 収納穴
3c 吸入路
3d 排出路
3f リザーバ
11 シリンダ
12 底部材
12c 吐出孔
13a 室部
13b 摺動部
14 吸入口
15 吐出口
20 ポンプ室
30 プランジャ
31 シール溝
32 シール部材
50 吸入弁
51 吸入弁体
52 リテーナ
53 ばね部材
60 吐出弁
61 吐出弁体
62 リテーナ
63 ばね部材
70 キャップ
80 吐出室
Claims (2)
- ポンプボディ内に形成されたシリンダと、
前記シリンダ内に摺動自在に装着され、一端は前記シリンダ内にポンプ室を画成し、他端は駆動手段に当接しているプランジャと、を備え、
前記プランジャが前記シリンダ内で軸方向に往復動することにより、吸入口から前記ポンプ室内に吸入した液体を吐出口から吐出するプランジャポンプであって、
前記プランジャの外周面には周溝が形成され、前記周溝には環状のシール部材が嵌め込まれており、
前記プランジャは軸方向の中心位置よりも一端側の形状と他端側の形状とが同一であることを特徴とするプランジャポンプ。 - 前記周溝は、前記プランジャの軸方向の中心位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプランジャポンプ。
Priority Applications (1)
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JP2007131216A JP2008286083A (ja) | 2007-05-17 | 2007-05-17 | プランジャポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008286083A true JP2008286083A (ja) | 2008-11-27 |
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Family Applications (1)
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JP2007131216A Pending JP2008286083A (ja) | 2007-05-17 | 2007-05-17 | プランジャポンプ |
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Citations (4)
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2007
- 2007-05-17 JP JP2007131216A patent/JP2008286083A/ja active Pending
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