JP2008286083A - プランジャポンプ - Google Patents

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Takuro Kodama
拓郎 児玉
Motoyasu Nakamura
元泰 中村
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Nissin Kogyo Co Ltd
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Abstract

【課題】軸方向に小さくすることができるとともに、部品点数を少なくすることができ、さらに、プランジャの組み付け効率を向上させることができるプランジャポンプを提供することを課題とする。
【解決手段】ポンプボディ3内に形成されたシリンダ11と、このシリンダ11内に摺動自在に装着され、一端はシリンダ11内にポンプ室20を画成し、他端は偏心カム2(駆動手段)に当接しているプランジャ30とを備え、プランジャ30がシリンダ11内で往復動することにより、ポンプ室20内に吸入したブレーキ液を吐出するプランジャポンプ1であって、プランジャ30の外周面にはシール溝31(周溝)が形成され、シール溝31には環状のシール部材32が嵌め込まれており、プランジャ30は軸方向の中心位置よりも一端側の形状と他端側の形状とが同一であることを特徴としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、プランジャを軸方向に往復動させることで液体を吐出するプランジャポンプに関する。
従来、偏心カムによってプランジャ(ピストンとも呼ばれる)を軸方向に往復動させることで液体を吐出するプランジャポンプが知られている。
このようなプランジャポンプ100としては、図4に示すように、ポンプボディ3内に形成されたシリンダ111と、このシリンダ111内に摺動自在に装着され、一端はシリンダ111内にポンプ室120を画成し、他端は偏心カム2のカム面2aに当接しているプランジャ130と、を備えているものがある(例えば、特許文献1参照)。
なお、シリンダ111は、ポンプボディ3内に形成された取付孔3aの室部113a及び摺動部113bと、取付孔3aの室部113a内に内嵌された有底円筒状の底部材112とによって構成されており、室部113aよりも他端側に形成された摺動部113b内でプランジャ130が軸方向に摺動するように構成されている。
このプランジャポンプ100では、プランジャ130が偏心カム2側に移動したときに、吸入口114からポンプ室120内に液体が吸入され、偏心カム2に押されてプランジャ130がポンプ室120側に移動したときに、ポンプ室120内の液体が吐出室180を通じて吐出口(図示せず)から吐出されるように構成されている。
また、前記した従来のプランジャポンプ100では、ポンプ室120内にプランジャ130の一端が突出しており、このプランジャ130の一端には、プランジャ130の外周面と摺動部113bの内周面との間を液密にシールするための環状のシール部材132が外嵌されている。
特開2005−030365号公報(段落0003、図4)
前記した構造のプランジャポンプ100を有するポンプボディ3では、プランジャポンプ100を軸方向(図4の左右方向)に小さくすることで、ポンプボディ3を小型化することが望まれている。
前記した従来のプランジャポンプ100では、ポンプ室120内にシール部材132を収めるために、ポンプ室120が軸方向に大きくなっているため、プランジャポンプ100が軸方向に大きくなっている。
なお、シール部材132を収めるためにポンプ室120を軸方向に延ばした長さに対応させて摺動部113bを軸方向に短くすることで、プランジャポンプ100を小さくすることもできるが、この場合にはプランジャ130を支持している摺動部113bが短くなるため、プランジャ130をシリンダ111内で往復動させたときに、プランジャ130が軸ぶれを起こし易く不安定になってしまう。
また、プランジャを軸方向に二分割し、その間にシール部材を挟み込むことにより、摺動部を軸方向に短くすることなく、シール部材をポンプ室の外側に配設したプランジャポンプもあるが(特許文献1の段落0019、図1参照)、この構成では、プランジャポンプの部品点数が増加するため、プランジャポンプの組み付け作業が煩雑になるとともに、プランジャポンプの製造コストが高くなってしまうという問題がある。
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、軸方向に小さくすることができるとともに、部品点数を少なくすることができ、さらに、プランジャの組み付け効率を向上させることができるプランジャポンプを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、ポンプボディ内に形成されたシリンダと、このシリンダ内に摺動自在に装着され、一端はシリンダ内にポンプ室を画成し、他端は駆動手段に当接しているプランジャと、を備え、プランジャがシリンダ内で軸方向に往復動することにより、吸入口からポンプ室内に吸入した液体を吐出口から吐出するプランジャポンプであって、プランジャの外周面には周溝が形成され、周溝には環状のシール部材が嵌め込まれており、プランジャは軸方向の中心位置よりも一端側の形状と他端側の形状とが同一であることを特徴としている。
この構成では、プランジャの外周面とシリンダの内周面との間を液密にシールするためのシール部材が、ポンプ室の外側に配設されるため、ポンプ室を軸方向に小さくすることができ、プランジャポンプを軸方向に小さくすることができる。
また、プランジャとシリンダとが摺動する距離を短くする必要がないため、プランジャを安定して作動させることができる。
また、プランジャの外周面に形成された周溝にシール部材が嵌め込まれるように構成されており、プランジャポンプの部品点数が少ないため、プランジャポンプを容易に組み付けることができるとともに、プランジャポンプの製造コストを安くすることができる。
さらに、プランジャは軸方向の中心位置よりも一端側の形状と他端側の形状とが同一であり、軸方向の向きが設定されていないため、プランジャをシリンダ内に組み付けるときに、プランジャの向きに注意を払う必要がなくなり、プランジャの組み付け効率を向上させることができる。
前記したプランジャポンプにおいて、周溝は、プランジャの軸方向の中心位置に形成されているように構成することができる。
この構成では、プランジャの形状が簡単になるため、プランジャポンプの製造コストを安くすることができる。
本発明のプランジャポンプによれば、シール部材がポンプ室の外側に配設されるため、プランジャポンプを軸方向に小さくすることができ、ポンプボディを小型化することができる。
また、プランジャとシリンダとが摺動する距離を短くする必要がないため、プランジャを安定して作動させることができる。
また、プランジャポンプの部品点数が少なくなるため、プランジャポンプを容易に組み付けることができるとともに、プランジャポンプの製造コストを安くすることができる。
さらに、プランジャは軸方向の向きが設定されていないため、プランジャをシリンダ内に組み付けるときに、プランジャの向きに注意を払う必要がなくなり、プランジャの組み付け効率を向上させることができる。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態では、自動車等の車両に搭載されるブレーキ用液圧制御装置の油圧発生装置として用いられるプランジャポンプを例として説明する。
なお、以下の説明において、一端側とは図1の左側に対応し、他端側とは図1の右側に対応している。
[プランジャポンプの全体構成]
プランジャポンプ1は、図1に示すように、ポンプボディ3内に形成されたシリンダ11と、シリンダ11内に摺動自在に装着され、一端はシリンダ11内にポンプ室20を画成し、他端は偏心カム2に当接しているプランジャ30と、このプランジャ30を偏心カム2側に押圧する戻しばね40と、ポンプ室20内へのブレーキ液の流入のみを許容する吸入弁50と、ポンプ室20内からのブレーキ液の流出のみを許容する吐出弁60と、を備えている。
このプランジャポンプ1では、プランジャ30がシリンダ11内で軸方向に往復動することにより、ポンプ室20内に吸入したブレーキ液を吐出するように構成されている。
(ポンプボディの構成)
ポンプボディ3は、車両に搭載される金属製のブロックであり、その内部には複数の油路(図示せず)が形成されており、プランジャポンプ1が挿入される円形断面の取付孔3aが設けられている。
取付孔3aの他端は、ポンプボディ3の外面に凹設された円形断面の収納穴3bに連通している。本実施形態では、取付孔3aは図1の左右方向に延ばされ、収納穴3bは取付孔3aに直交する方向(紙面に対して垂直方向)に延ばされている。
取付孔3aには、プランジャポンプ1に供給されるブレーキ液の流路となる吸入路3cと、プランジャポンプ1から吐出されたブレーキ液の流路となる排出路3dとが連通している。吸入路3cは取付孔3aの軸方向の略中間位置に連通し、排出路3dは吸入路3cよりも一端側で取付孔3aに連通している。
吸入路3cは、取付孔3aとリザーバ3fとを連通している流路であり、この吸入路3cを通じて取付孔3a内にブレーキ液が供給される。
リザーバ3fは、ポンプボディ3内に形成された空間であり、その内部にはピストン4が摺動自在に装着されている。ピストン4は、リザーバ3f内に設けられたばね部材4aによって吸入路3c側に付勢されている。
吸入路3c内には、取付孔3a内へのブレーキ液の流入のみを許容する逆止弁である吸入弁50が設けられている。
吸入弁50は、吸入孔55が吸入路3cの軸方向に貫通している円筒部材54と、吸入孔55の取付孔3a側の開口部を封止する吸入弁体51と、この吸入弁体51を覆うように配置され、円筒部材54のポンプ室20側の端部に保持されたリテーナ52と、このリテーナ52内に収められており、吸入弁体51を吸入孔55の開口部側に押圧するばね部材53と、から構成されている。
円筒部材54は、吸入孔55が中心軸に沿って貫通している金属製の部材であり、吸入路3c内に内嵌されている。また、吸入孔55のポンプ室20側の開口縁には、漏斗状に拡径した弁座55aが形成されている。
吸入弁体51は、金属製の球体であり、吸入孔55の弁座55aに当接することで吸入孔55の開口部を封止している。
リテーナ52は、金属製のカップ状の蓋体であり、凹側を円筒部材54側に向けた状態で、円筒部材54の取付孔3a側の端部に外嵌されることにより、吸入弁体51を覆っている。また、リテーナ52には連通孔52aが複数形成されており、リテーナ52内と吸入路3c内とが連通している。
ばね部材53は、リテーナ52の内面と吸入弁体51との間に圧縮状態で配設されたコイルスプリングである。
吸入弁50では、吸入路3c内においてリザーバ3f側のブレーキ液圧から取付孔3a側のブレーキ液圧を差し引いたときの値が、開弁圧(ばね部材53の付勢力)以上になったときに、ばね部材53の付勢力に抗して吸入弁体51が弁座55aから離間することで開弁するように構成されている。
(偏心カムの構成)
プランジャポンプ1の駆動手段である偏心カム2は、ポンプボディ3に取り付けられた電動モータ(図示せず)の回転軸に設けられており、ポンプボディ3に形成された収納穴3bに収められている。この偏心カム2の中心位置は、回転軸の軸中心Aに対して偏心しており、偏心カム2は回動軸の回転に伴って、回転軸の軸中心A回りに回転するように構成されている。
(キャップの構成)
取付孔3aの一端には、有底円筒状のキャップ70が内嵌されている。このキャップ70は金属製の部材であり、内部に形成された空洞部71は他端側に開口している。なお、空洞部71は吐出室80を構成する空間となっている。
キャップ70の外周面には、シール溝72が全周に形成されている。シール溝72には、樹脂製のシール部材73が嵌め込まれており、このシール部材73によって、キャップ70の外周面と取付孔3aの内周面との間が液密にシールされている。
また、取付孔3aの内周面において、一端側の開口部の近傍には、抜け止め溝3eが全周に形成されている。この抜け止め溝3eには、金属製のC字形状のクリップ74の外周側が嵌め込まれており、取付孔3a内においてクリップ74よりも他端側に配設されたキャップ70の外周縁がクリップ74の内周側に当接することにより、キャップ70は取付孔3a内に係止されている。
(シリンダの構成)
シリンダ11は、ポンプボディ3内に形成されており、その内部にプランジャ30が摺動自在に装着される。このシリンダ11は、取付孔3aの室部13a及び摺動部13bと、室部13a内に内嵌された金属製の底部材12とによって構成されている。
底部材12は、シリンダ11の底部を構成するものであり、取付孔3aの室部13a内に内嵌される有底円筒状の部材である。この底部材12の内部に形成された空洞部12aは他端側に開口している。
また、底部材12の底部12bの中心位置には、円形断面の吐出孔12cが貫通しており、この吐出孔12cの一端側(吐出室80側)の開口縁には、漏斗状に拡径した弁座12dが形成されている。
また、底部材12とキャップ70とは軸方向に離間して配置されており、底部材12の底部12bと、キャップ70の周壁部との隙間が、プランジャポンプ1からブレーキ液を吐出するための吐出口15となっている。この吐出口15は、ポンプボディ3の排出路3dに通じており、キャップ70内の吐出室80から排出路3dへのブレーキ液の排出を可能にしている。
室部13aは、取付孔3aにおいて軸方向の略中間位置に形成されており、その内部空間はポンプ室20を構成している。また、室部13aにはポンプボディ3の吸入路3cに連通する吸入口14が形成されており、ポンプボディ3からシリンダ11(ポンプ室20)内へのブレーキ液の供給を可能にしている。
摺動部13bは、取付孔3aにおいて室部13aよりも他端側に形成されており、一端は室部13aに連通し、他端は収納穴3bに連通している。この摺動部13bにはプランジャ30が摺動自在に装着される。
(プランジャの構成)
プランジャ30は、シリンダ11の摺動部13b内に装着される金属製又は樹脂製の棒状の部材であり、一端は室部13a内に突出し、他端は収納穴3b内に突出している。このプランジャ30は円形断面となっており、プランジャ30をシリンダ11内で軸方向に往復動させたときには、プランジャ30の外周面が摺動部13bの内周面を摺動するように構成されている。
プランジャ30の外周面において、軸方向の中心位置には、シール溝31が全周に形成されている。シール溝31には、樹脂製のシール部材32が嵌め込まれており、このシール部材32によって、プランジャ30の外周面と摺動部13bの内周面との間が液密にシールされている。
このプランジャ30は、棒状の部材を所定の長さで切断し、切断した部材の軸方向の中心位置の外周面に周溝(シール溝31)を凹設することで得られるものであり、軸方向の中心位置よりも一端側の形状と他端側の形状とが同一となっている。すなわち、プランジャ30の外形形状は、軸方向を法線方向とするとともに、軸方向の中心に位置する仮想基準面について面対称となっている。
プランジャ30の一端は、室部13a内に突出しており、シリンダ11内にポンプ室20を画成している。
また、プランジャ30の一端には、蓋状の係合部材33が被せられている。この係合部材33の開口縁には、フランジ部33aが全周に形成されており、プランジャ30の一端側の外周面の全周にフランジ部33aが突設された状態となっている。
プランジャ30の他端面は、摺動部13bから収納穴3b内に突出しており、偏心カム2のカム面2aに当接している。偏心カム2は、回転軸(図示せず)の軸中心A回りに偏心して回転するため、回転軸を回転させたときには、プランジャ30は図1の位置から偏心カム2に押されて一端側に向けて軸方向に移動することになる。
(戻しばねの構成)
戻しばね40は、一端41が底部材12に当接し、他端42がプランジャ30の外周面に係合しているコイルスプリングであり、圧縮状態でポンプ室20内に配設されている。具体的には、戻しばね40の一端41は、底部材12の底部12bの内面に当接し、戻しばね40の他端42は、プランジャ30の一端に取り付けられた係合部材33のフランジ部33aに当接している。
戻しばね40は、プランジャ30を偏心カム2側に押圧しており、偏心カム2に押されてプランジャ30が一端側に移動した後に、偏心カム2のカム面2aがプランジャ30から離れる方向に変位したときには、プランジャ30を偏心カム2側に移動させる。すなわち、プランジャ30は戻しばね40からの押圧力によって、偏心カム2側に向けて軸方向に移動することになる。これにより、プランジャ30の他端面が偏心カム2のカム面2aに当接した状態が保たれる。
(吐出弁の構成)
吐出弁60は、吐出室80内へのブレーキ液の流入のみを許容する逆止弁であり、底部材12に形成された吐出孔12cの吐出室80側の開口部に設けられている。
吐出弁60は、吐出孔12cの吐出室80側の開口部を封止する吐出弁体61と、この吐出弁体61を覆うようにして底部材12に保持されたリテーナ62と、このリテーナ62内に収められており、吐出弁体61を吐出孔12cの開口部側に押圧するばね部材63と、から構成されている。
吐出弁体61は、金属製の球体であり、吐出孔12cの弁座12dに当接することにより、吐出孔12cの開口部を封止している。
リテーナ62は、金属製のカップ状の蓋体であり、底部材12の一端に外嵌されることで吐出弁体61を覆っている。また、リテーナ62には連通孔62aが複数形成されており、リテーナ62内と吐出室80内とが連通している。また、リテーナ62の底部の中心位置には、リテーナ62の内方に向けて窪んでいる保持部62bが形成されている。
ばね部材63は、リテーナ62の内面と吐出弁体61との間に圧縮状態で配設されたコイルスプリングであり、リテーナ62の保持部62bがばね部材63の中心孔に挿入されることで、ばね部材63はリテーナ62内に位置決めされている。
吐出弁60では、ポンプ室20内のブレーキ液圧から吐出室80内のブレーキ液圧を差し引いたときの値が、開弁圧(ばね部材63の付勢力)以上になったときに、ばね部材63の付勢力に抗して吐出弁体61が弁座12dから離間することで開弁するように構成されている。
[プランジャポンプの動作]
以上のように構成されたプランジャポンプ1の動作について説明する。
プランジャポンプ1のシリンダ11内のポンプ室20、及び吐出室80内にブレーキ液が満たされた状態において、回転する偏心カム2に押されて、プランジャ30が図1の状態から一端側に向けて軸方向に往動作したときには、ポンプ室20の容積が減少し、ポンプ室20内のブレーキ液の液圧が上昇する。
これにより、ポンプ室20内のブレーキ液圧から吐出室80内のブレーキ液圧を差し引いたときの値が、吐出弁60の開弁圧以上になるため、吐出弁60が開弁してポンプ室20内のブレーキ液が吐出室80に流入する。そして、ブレーキ液は吐出室80から吐出口15を介してポンプボディ3の排出路3dに吐出される。
続いて、プランジャ30が最も一端側(上死点)まで移動し、ポンプ室20の容積が最小となった後に、回転する偏心カム2のカム面2aはプランジャ30から離れる方向に変位することになる。このとき、プランジャ30は、戻しばね40からの押圧力によって、他端側に向けて軸方向に復動作することになり、ポンプ室20の容積が増大する。
ポンプ室20の容積が増大することにより、ポンプ室20内は負圧状態となり、吸入弁50ではリザーバ3f内のブレーキ液圧からポンプ室20内のブレーキ液圧を差し引いたときの値が、吸入弁50の開弁圧以上になるため、吸入弁50が開弁し、吸入路3c内のブレーキ液が、吸入口14を介して取付孔3a内のポンプ室20に流入する。
そして、プランジャ30が最も他端側(下死点)まで復動作して、ポンプ室20の容積が最大となった後に、プランジャ30は回転する偏心カム2のカム面2aに押されて再び往動作し、前記した往動作の場合と同様に、ポンプ室20内のブレーキ液がプランジャ30によって加圧されて吐出室80に流入し、吐出口15から排出路3dに吐出される。
このように、プランジャポンプ1では、プランジャ30がシリンダ11内で軸方向に往復動することにより、吸入口14からポンプ室20に吸入したブレーキ液を吐出口15から吐出するように構成されている。
[プランジャポンプの作用効果]
本実施形態のプランジャポンプ1では、プランジャ30の外周面とシリンダ11(摺動部13b)の内周面との間を液密にシールするためのシール部材32が、ポンプ室20の外側に配設されており、ポンプ室20を軸方向に小さくすることができるため、プランジャポンプ1を軸方向に小さくすることができ、ポンプボディ3を小型化することができる。
また、プランジャ30が摺動する摺動部13bを軸方向に短くする必要がないため、プランジャ30を安定してシリンダ11内で往復動させることができる。
また、プランジャ30の外周面の全周に形成されたシール溝31にシール部材32が嵌め込まれるように構成されているため、プランジャポンプ1の部品点数が少なくなり、プランジャポンプ1を容易に組み付けることができるとともに、プランジャポンプ1の製造コストを安くすることができる。
さらに、プランジャ30は軸方向の中心位置よりも一端側の形状と他端側の形状とが同一となっており、軸方向の向きが設定されていないため、プランジャ30をシリンダ11内に組み付けるときに、プランジャ30の向きに注意を払う必要がなくなり、プランジャ30の組み付け効率を向上させることができる。
また、プランジャ30に形成されたシール溝31は、プランジャ30の軸方向の中心位置に形成されており、プランジャ30の形状が簡単になるため、プランジャポンプ1の製造コストを安くすることができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に設計変更が可能である。
例えば、本実施形態では、図1に示すように、取付孔3aの一端を閉塞するキャップ70と、シリンダ11の底部を構成する底部材12とが別部材で構成されているが、図2に示すプランジャポンプ1Aのように、取付孔3aの一端を閉塞するキャップ部91と、シリンダ11の底部を構成する底部92とが一体形成されたポンプハウジング90を用いることもできる。
このポンプハウジング90では、軸方向の略中間位置に吐出室80が形成されている。また、吐出室80からポンプハウジング90の外周面に貫通する吐出路93が複数形成されており、各吐出路93の外周面側の開口部は、ポンプボディ3の排出路3dに通じる吐出口15となっている。
ポンプハウジング90において、吐出室80よりも他端側に形成された底部92内には、ポンプ室20を構成する空洞部92aが形成されており、この空洞部92aと吐出室80とを連通する貫通孔94が形成されている。
また、貫通孔94内には円筒部材95が内嵌されており、この円筒部材95には吐出孔95aが中心軸に沿って貫通している。
なお、図2に示すプランジャポンプ1Aにおいて、吐出室80内に吐出弁60を組み込むときには、まず、貫通孔94内に円筒部材95が嵌め込まれていない状態で、ばね部材63と吐出弁体61とを吐出室80内に収める。その後、空洞部92a側から貫通孔94内に円筒部材95を圧入して貫通孔94のプランジャ30側をかしめることにより、ばね部材63を吐出室80の内面と吐出弁体61との間に圧縮状態で配設するとともに、吐出弁体61によって吐出孔95aの開口部を封止する。
図2に示すプランジャポンプ1Aでは、取付孔3aの一端を閉塞するキャップ部91と、シリンダ11の底部を構成する底部92とが一体形成されているとともに、吐出弁60にリテーナを設ける必要がなくなるため、プランジャポンプ1Aの部品点数が少なくなり、プランジャポンプ1Aを容易に組み付けることができるとともに、プランジャポンプ1の製造コストを安くすることができる。
また、本実施形態のプランジャポンプ1では、図1に示すように、プランジャ30の軸方向の中心位置にシール溝31が形成されているが、プランジャ30は軸方向の中心位置よりも一端側の形状と他端側の形状とが同一であればよく、例えば、プランジャ30の軸方向の中心位置を挟んで一端側及び他端側の対象位置にそれぞれシール溝を設けてもよい。この構成では、シール部材が二重に配設されるため、プランジャ30の外周面と摺動部13bの内周面との間の液密性を高めることができる。
また、本実施形態のプランジャポンプ1では、図1に示すように、吐出弁60が吐出室80内に配設されているが、図3(b)に示すように、底部材12の一端面に凹部12eを形成し、この凹部12e内に吐出弁60Aを収めることもできる。
吐出弁60Aの吐出弁体61は、底部材12の凹部12eの底面に形成された吐出孔12cの弁座12dに当接している。
吐出弁60Aのリテーナ64は、凹部12eの開口部に配設された円形の蓋体であり、凹部12e内の吐出弁体61はリテーナ64によって覆われている。
また、リテーナ64の中心位置には開口部64aが形成されており、この開口部64aによってリテーナ64内と吐出室80とが連通している。
さらに、リテーナ64では、開口部64aの内方に突出した舌状のばね部64b,64bが形成されている(図3(a)参照)。このばね部64bは、先端側に向かうに連れて凹部12eの底部側に傾斜している。そして、各ばね部64b,64bの先端部は、吐出弁体61に当接しており、吐出弁体61を吐出孔12cの開口部側に押圧している。
図3(b)に示す吐出弁60Aでは、吐出室80内に吐出弁60Aを収めるためのスペースを確保する必要がなくなり、吐出室80を軸方向に小さくすることができ、プランジャポンプを軸方向に小さくすることができるため、ポンプボディを小型化することができる。
また、ばね部材をリテーナ64内に配設する必要がないため、プランジャポンプの部品点数が少なくなり、プランジャポンプを容易に組み付けることができるとともに、プランジャポンプの製造コストを安くすることができる。
なお、図3(a)及び(b)に示す吐出弁60Aでは、二体の舌状のばね部64b,64bによって吐出弁体61を押圧しているが、図3(c)及び(d)に示す吐出弁60Bのように、一体の舌状のばね部64bをリテーナ64の開口部64aの内方に突出させてもよく、この構成ではリテーナ62が簡単な構成となり、リテーナ62の加工が簡単になるため、吐出弁60Bの製造コストを安くすることができる。
また、図3(e)及び(f)に示すように、リテーナ65の内面と吐出弁体61との間隔を狭く設定することで、吐出弁体61の移動を規制している吐出弁60Cを用いることもできる。
吐出弁60Cでは、ポンプ室20内のブレーキ液圧が吐出室80内のブレーキ液圧よりも大きい場合には、ポンプ室20側からの圧力によって、吐出弁体61が吐出室80側に押し上げられて開弁状態となる。また、吐出室80内のブレーキ液圧がポンプ室20内のブレーキ液圧よりも大きい場合には、吐出室80から連通孔65aを通じて吐出弁体61に作用した圧力によって、吐出弁体61が吐出孔12cの弁座12dに押し付けられて閉弁状態となる。
この構成では、吐出弁体61を吐出孔12cの開口部側に押圧するためのばね部材をリテーナ65内に収めたり、ばね部をリテーナ65に形成したりする必要がなくなるため、吐出弁60Cを容易に組み付けることができるとともに、吐出弁60Cの製造コストを安くすることができる。
また、図1に示す吐出弁60の他の実施形態として、図3(a)〜(f)に示した吐出弁60A,60B,60Cを説明したが、各吐出弁60A,60B,60Cの構成を図1に示す吸入弁50に適用することもできる。
なお、本実施形態では、自動車等の車両に搭載されるブレーキ用液圧制御装置の油圧発生装置として用いられるプランジャポンプを例として説明したが、本発明のプランジャポンプは、車両のブレーキ系統に限定されるものではなく、各種の液圧路に適用可能となっている。
本実施形態のプランジャポンプを示した側断面図である。 他の実施形態のプランジャポンプを示した側断面図である。 他の実施形態の吐出弁を示した図で、(a)は二体のばね部が形成されたリテーナを備えた吐出弁を吐出室側から見た図、(b)はその側断面図、(c)は一体のばね部が形成されたリテーナを備えた吐出弁を吐出室側から見た図、(d)はその側断面図、(e)はばね部材を用いない構成の吐出弁を吐出室側から見た図、(f)はその側断面図である。 従来のプランジャポンプを示した側断面図である。
符号の説明
1 プランジャポンプ
2 偏心カム
3 ポンプボディ
3a 取付孔
3b 収納穴
3c 吸入路
3d 排出路
3f リザーバ
11 シリンダ
12 底部材
12c 吐出孔
13a 室部
13b 摺動部
14 吸入口
15 吐出口
20 ポンプ室
30 プランジャ
31 シール溝
32 シール部材
50 吸入弁
51 吸入弁体
52 リテーナ
53 ばね部材
60 吐出弁
61 吐出弁体
62 リテーナ
63 ばね部材
70 キャップ
80 吐出室

Claims (2)

  1. ポンプボディ内に形成されたシリンダと、
    前記シリンダ内に摺動自在に装着され、一端は前記シリンダ内にポンプ室を画成し、他端は駆動手段に当接しているプランジャと、を備え、
    前記プランジャが前記シリンダ内で軸方向に往復動することにより、吸入口から前記ポンプ室内に吸入した液体を吐出口から吐出するプランジャポンプであって、
    前記プランジャの外周面には周溝が形成され、前記周溝には環状のシール部材が嵌め込まれており、
    前記プランジャは軸方向の中心位置よりも一端側の形状と他端側の形状とが同一であることを特徴とするプランジャポンプ。
  2. 前記周溝は、前記プランジャの軸方向の中心位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプランジャポンプ。
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