JP5662837B2 - プランジャポンプおよびプランジャポンプの製造方法 - Google Patents
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Description
このようなプランジャポンプとしては、縮径部および拡径部が形成されたシリンダ孔を有するポンプボディと、縮径部内を摺動するとともに拡径部内に突出するプランジャと、プランジャに外嵌されるシール部材と、を備えているものがある(例えば、特許文献1参照)。
そして、プランジャの摺動部を縮径部内に挿入していく段階においては、シール部材が保持部から離脱して拡径され、シール部材がシール溝に嵌め込まれる。したがって、シール部材を保持するためのストッパ部材等の別部品を組み付ける工程が不要になるため、プランジャポンプの製造工数を削減するとともに、部品点数を削減することができる。
この構成では、シール部材を保持部に安定して保持させることができるため、シール部材をシリンダ孔内に確実に組み付けることができる。
また、シール部材を突出部に外嵌させたときには、シール部材の締め付け力が必要以上に大きくなるのを防ぐことができるため、プランジャとシール部材の摺動抵抗力を低減することができる。
この構成では、シール部材を突出部に外嵌させたときに、シール部材の締め付け力が必要以上に大きくなるのを防ぐことができるため、プランジャとシール部材の摺動抵抗力を低減することができる。また、保持部に対してシール部材を簡単に装着することができる。
本実施形態では、自動車などの車両に搭載されるブレーキ液圧制御装置の油圧発生装置として用いられるプランジャポンプを例として説明する。
このプランジャポンプ1は、シリンダ孔10内でプランジャ30が往復動することにより、吸入口110からシリンダ孔10内のポンプ室16に吸入されたブレーキ液を吐出口120から吐出するように構成されている。
吸入口110は、ポンプボディ100内の吸入液路110Aに通じており、吸入液路110Aから吸入口110を通じて、拡径部12内にブレーキ液が吸入される。
吐出口120は、ポンプボディ100内の吐出液路120Aに通じており、拡径部12内のブレーキ液は、吐出口120を通じて吐出液路120Aに吐出される。
吸入弁60は、吸入孔65が貫通している円筒部材64と、吸入孔65の拡径部12側の開口部を封止する吸入弁体61と、吸入弁体61を収容するリテーナ62と、リテーナ62内に収められたばね部材63と、を備えている。
吸入弁体61は、球状の金属部品であり、吸入孔65の弁座に当接することで吸入孔65の開口部を封止している。
リテーナ62は、有底の円筒状の蓋体であり、開口部が円筒部材64の拡径部12側の端部に外嵌されている。このリテーナ62内には吸入弁体61が収められている。また、リテーナ62には複数の連通孔が形成されており、リテーナ62内と吸入液路110A内とが連通している。
ばね部材63は、リテーナ62の底部の内面と吸入弁体61との間に圧縮状態で配置されたコイルばねであり、吸入弁体61を吸入孔65側に押圧している。
吐出弁70は、吐出孔75が貫通している円筒部材74と、吐出孔75の拡径部12側の開口部を封止する吐出弁体71と、吐出弁体71を収容するリテーナ72と、リテーナ72内に収められたばね部材73と、を備えている。
また、保持部33には、底面33aから一端30a側および突出部32側に向かうに従って拡径されたテーパ面33b,33cが形成されている。
したがって、保持部33の底面33aにシール部材40を囲繞させ、シール部材40が保持部33の位置にある状態では、シール部材40は変形することなく、凸部41が底面33aに接触した状態となる。すなわち、凸部41が底面33aに対して実質的に内圧を発生させない程度に接している状態となる。
また、シール部材40の外径C2は、拡径部12の内径A2よりも小さく、かつ縮径部11の内径A1よりも大きく形成されている。
このバックアップリング80がシール部材40と拡径部12の底面12aとの間に介設されることで、シール部材40の一部が縮径部11内に入り込むのを防ぐことができる。
このコイルばね50は、プランジャ30を偏心カム140側に押圧しており、カム面141がプランジャ30から離れる方向に変位したときには、プランジャ30を偏心カム140側に移動させる。これにより、プランジャ30の一端30aがカム面141に当接した状態に保たれる。
図1に示すように、ポンプ室16内にブレーキ液が満たされた状態で、回転する偏心カム140のカム面141に押されて、プランジャ30が蓋部材20側に往動作したときには、ポンプ室16の容積が減少して、ポンプ室16内のブレーキ液の液圧が上昇する。これにより、吐出弁70が開弁して、ポンプ室16内のブレーキ液が吐出液路120Aに吐出される。
まず、図1に示すポンプボディ100の内部に、シリンダ孔10や軸受穴130などの穴からなる液路を形成する。このとき、シリンダ孔10の拡径部12にシール溝15を形成する。また、プランジャ30の摺動部31に保持部33を形成する。
また、保持部33の底面33aにシール部材40を組み付ける。このように、シール部材40が保持部33の位置にある状態では、シール部材40の外径は、拡径部12の内径よりも小さく、かつ縮径部11の内径よりも大きくなっている(図3(a)参照)。また、プランジャ30の他端30bに、受け部材34およびコイルばね50を取り付ける。
これにより、図1に示すように、シール部材40の外周部がシール溝15内に嵌め込まれ、シール部材40がシール溝15に保持される。
また、シール部材40が保持部33から離脱するときには、シール部材40はテーパ面33cを乗り越えて移動するため、シール部材40を保持部33からスムーズに離脱させることができる。
また、図1に示すように、シール部材40を突出部32に外嵌させたときに、シール部材40の締め付け力が必要以上に大きくなるのを防ぐことができるため、プランジャ30とシール部材40の摺動抵抗力を低減することができる。
さらに、バックアップリング80がシール部材40の位置決め機能を兼ねるため、部品点数を削減することができ、プランジャポンプ1の組み付け効率を向上させることができる。
例えば、前記実施形態では、図3(a)に示すように、保持部33に組み付けられたシール部材40の最内径C1が、保持部33の底面33aの外径B2と略同径になるように構成されているが、図5に示すように、シール部材40の最内径C5が保持部33の底面33aの外径B2よりも大きく、かつ突出部32の外径B1よりも小さくなるように構成してもよい。
この構成では、シール部材40を突出部32に外嵌させたときに、シール部材40の締め付け力が必要以上に大きくなるのを防ぐことができるため、プランジャ30とシール部材40の摺動抵抗力を低減させることができる。また、保持部33に対してシール部材40を簡単に装着することができる。
さらに、本実施形態では、図1に示すように、保持部33を凹溝の形状に形成しているが、保持部33の底面33aから一端30a側の全てを底面33aと同径に形成してもよい。
10 シリンダ孔
11 縮径部
12 拡径部
12a 底面
15 シール溝
16 ポンプ室
20 蓋部材
30 プランジャ
31 摺動部
32 突出部
33 保持部
33a 底面
33b テーパ面
33c テーパ面
34 受け部材
40 シール部材
50 コイルばね
60 吸入弁
70 吐出弁
80 バックアップリング
100 ポンプボディ
110A 吸入液路
120A 吐出液路
130 軸受穴
140 偏心カム
141 カム面
Claims (6)
- 縮径部および拡径部が形成されたシリンダ孔を有し、前記拡径部の内周面に環状のシール溝が形成されたポンプボディと、
前記シリンダ孔内で往復動するプランジャと、
前記プランジャに外嵌される環状のシール部材と、を備えるプランジャポンプであって、
前記プランジャは、前記縮径部内を摺動する摺動部と、前記拡径部内に突出する突出部とを有し、前記摺動部には、前記シール部材を保持可能に縮径された保持部が形成されており、
前記シール部材が前記保持部の位置にある状態では、前記シール部材の外径は前記拡径部の内径よりも小さく、かつ前記縮径部の内径よりも大きくなり、
前記シール部材が前記突出部の位置にある状態では、前記シール部材の外径が前記拡径部の内径よりも大きくなり、前記シール部材が前記シール溝の内周面に密着することを特徴とするプランジャポンプ。 - 前記保持部には、前記突出部に向かうに従って拡径されたテーパ面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプランジャポンプ。
- 前記シール部材が前記保持部の位置にある状態では、前記シール部材の最内径と前記保持部の外径とが略同径であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプランジャポンプ。
- 前記シール部材が前記保持部の位置にある状態では、前記シール部材の最内径が前記保持部の外径よりも大きく、かつ前記突出部の外径よりも小さいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプランジャポンプ。
- 前記シール部材と前記拡径部の底面との間には、前記プランジャを囲繞するバックアップリングが介設されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のプランジャポンプ。
- 縮径部および拡径部が形成されたシリンダ孔を有し、前記拡径部の内周面には、環状のシール溝が形成されたポンプボディと、
前記シリンダ孔内で往復動するプランジャと、
前記プランジャに外嵌される環状のシール部材と、を備え、
前記プランジャは、前記縮径部内を摺動する摺動部と、前記拡径部内に突出する突出部とを有し、前記摺動部には縮径された保持部が形成されているプランジャポンプの製造方法であって、
前記保持部に前記シール部材を組み付けて、前記シール部材の外径を前記拡径部の内径よりも小さく、かつ前記縮径部の内径よりも大きくした状態で、前記プランジャを前記拡径部内に挿入する工程と、
前記拡径部の底面に前記シール部材を押し当てつつ、前記摺動部を前記縮径部内に挿入し、前記シール部材を前記保持部から離脱させて前記突出部に移動させることで、前記シール部材の外径を前記拡径部の内径よりも拡径させて、前記シール部材を前記シール溝の内周面に密着させる工程と、を備えていることを特徴とするプランジャポンプの製造方法。
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