JP2008281614A - プリズムシート - Google Patents

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Abstract

【課題】シートの反りが小さく、且つプリズム先端形状が荷重に対し変形し難いプリズムシートを提供する。
【解決手段】プリズム部の押込み弾性率が550MPa以下で、且つ、マルテンス硬さが10MPa以上になるようプリズムシートのレンズ物性を調整する。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶テレビやノートパソコンなどの表示部として使用される液晶表示装置において、エッジライト方式の光源装置と組み合わせて使用可能なプリズムシートに関する。
近年、液晶表示装置においては消費電力の低減のため、エッジライトライト方式のバックライトと、バックライトの出射角度をできるだけ小さくする効果があるプリズムシートとを組み合わせたものが主流となりつつある。例えば、特開2004−233938号公報には、プリズム形状に工夫を加え、バックライトのピーク輝度を向上する方法が提案されている。
ここで例示されている実施例のレンズ形状を比較するとわかるように、プリズム頂部付近の角度の小さいもの程ピーク輝度が高い傾向が認められる。しかしながら、同じピッチのプリズムシートでは、頂角が小さいほどプリズムの山の高さが高くなるため、複数のプリズムからなるレンズ部の断面積が大きくなる。このため、プリズムシートの反りが大きくなってしまう問題があった。また、プリズム頂部付近の角度が小さいものは、積み重ね保管時に、プリズムシートの間に挟まったゴミなどにより押されることによってプリズム先端が変形して跡が付き易く、バックライト上で点状欠陥として確認される問題があった。
特開2004−233938号公報
本発明の目的は、反りが小さく、且つプリズム先端形状が荷重に対し変形し難いプリズムシートを提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決するために、レンズ材料物性をはじめ種々の検討の結果、プリズムシートの反りを小さくし、且つ欠陥が発生し難い条件を見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明は、複数のプリズム部が並列されてなるプリズム配列面を有し、プリズム部の押込み弾性率が550MPa以下で、且つ、マルテンス硬さが10MPa以上であるプリズムシートに関する。
本発明によれば、反りが小さく、且つプリズム先端形状が荷重に対し変形し難い(耐変形性に優れた)プリズムシートを提供できる。
以下に、本発明の最良の実施形態について詳細に説明する。
本発明のプリズムシートは、複数のプリズム部が並列されてなるプリズム配列面(レンズ部)を有し、プリズム部の押込み弾性率が550MPa以下で、且つ、マルテンス硬さが10MPa以上である。このようなプリズムシートは、反りが抑えられ、且つプリズム先端形状の耐変形性に優れる。
反りを低減する方法の一つとして、レンズ材料の弾性率を低くする方法が挙げられる。しかしながら、弾性率を低くすると、硬さの低下を招き、プリズム先端形状の変形による欠陥が発生し易くなる傾向がある。また、プリズム頂部の角度が小さくなり先端部付近の断面積が小さくなる場合においても、弾性率を低くした場合と同様の欠陥が発生し易くなる。そこで、本発明者は、樹脂硬化物からなる微小なプリズム部における弾性率および硬さと、プリズムシートの反り及びプリズム先端形状の耐変形性との関係について鋭意検討した。その結果、押込み弾性率とマルテンス硬さとが特定の関係を満たすことにより、反りが抑えられ、十分な耐変形性を有するプリズムシートが得られることを見出した。
本発明のプリズムシートは、反りを抑制する点から、プリズム部における押込み弾性率が550MPa以下であり、400MPa以下が好ましい。また、プリズム先端部の変形を抑制する点で押し込み弾性率は10MPa以上が好ましく、100MPa以上がより好ましい。また、プリズム先端部の変形を抑制する点から、プリズム部のマルテンス硬さが10MPa以上であり、13MPa以上が好ましい。また、プリズムシートと接触する導光板が傷つくのを防ぐため、マルテンス硬さは100MPa以下が好ましく、50MPa以下がより好ましい。
ここで、押込み弾性率およびマルテンス硬さとは、フィッシャー社製の超微小硬さ試験機(商品名:フィッシャースコープHM−2000)で測定される微小表面領域の弾性率と硬さの値を意味する。詳細な測定方法については、後述の実施例で説明する。また、押込み弾性率に関する説明は、「材料試験技術」(vol.43,No.2,p148−152,1998年4月号)に掲載の「ユニバーサル硬さ試験による材料特性値の評価」(Cornelia Heermant, Dieter Dengel 共著、片山繁雄,佐藤茂夫 共訳)に「除荷時の弾性係数E*」として記載されている。また、マルテンス硬さに関する説明は、「塗装技術」(p135−138,2004年6月号)に掲載の「塗膜の硬さ評価試験技術とその応用」(片山繁雄著)に記載されている。
本発明のプリズムシートのプリズム形状は、プリズム頂部の角度が40度〜70度の範囲にあり、且つプリズム間のピッチが30μm以上であることが好ましい。なお、プリズム頂部の角度αとは二つのプリズム面を外挿した交差部のなす角度を指す。また、プリズム間のピッチPとは、プリズム延在方向に垂直な断面において、隣り合うプリズムで形成される谷と谷との間(隣りあう谷間)の距離を指す。プリズム構造の一例の断面図である図1において、プリズム頂部αとピッチPを示す。
プリズム頂部の角度が小さすぎると、プリズム先端部の変形による欠陥を防止することが困難になる。逆に、プリズム頂部の角度が70度より広角になりすぎると、バックライトユニットのピーク輝度を十分に高くできなくなる。
プリズム間のピッチは、金型の加工が容易な点、および輝度の低下を防ぐ点で、30μm以上であることが好ましく、40μm以上であることがより好ましい。また、プリズム間のピッチは、明暗線の発生を抑制し、輝度斑を低減し、シートの反りを低減する点で100μm以下が好ましく、70μm以下がより好ましい。
プリズム間のピッチが30μm以上であり、且つプリズム頂部の角度が70度以下であると、バックライトユニットのピーク輝度を十分に高くすることが可能となる。
本発明のプリズムシートは、透明シート状基材の少なくとも一方の表面に、樹脂硬化物からなるレンズ部を設けることにより形成することができる。例えば、図1に示すプリズムシートは、透明シート状基材1と、その上面側に樹脂硬化物からなる多数のプリズム部が並列したレンズ部2を有している。このレンズ部のプリズム配列面において、各プリズム部は二つのプリズム面で構成され、その稜線が互いに平行になるように並列に配列されている。
本発明のプリズムシートの厚みは例えば70〜350μmの範囲に設定することができ、好ましくは100〜300μmの範囲に設定できる。透明シート状基材の厚みは、50〜200μmの範囲に設定することができ、プリズム部の高さ(谷の底部に対するプリズム頂点の高さ)は20〜150μmの範囲に設定することができる。
透明シート状基材1としては、光透過性の高い合成樹脂から構成することができ、レンズ部として活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物の硬化物を形成する場合は活性エネルギー線を透過するものを用いることが好ましい。例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリメタクリルイミド樹脂等の樹脂からなるフィルム、シートまたは板などが使用できる。
レンズ部2は、透明シート状基材1の表面に直接設けてもよいし、密着性の向上のために表面処理層3を形成してからレンズ部2を設けてもよい。この表面処理部の形成方法としては、例えば、透明シート状基材1の表面にポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などからなる易接着層を形成する方法や、或いは透明シート状基材1の表面を粗面化処理する方法、大気圧プラズマ照射やコロナ放電などの表面処理方法が挙げられる。更に、透明シート状基材1のレンズ部2側とは反対側に、プリズムシートの透過光をより均一にするために、表面加工層4を形成してもよい。この表面加工層には、活性エネルギー線硬化性樹脂に屈折率の異なる有機系微粒子やシリカ微粒子等の拡散剤を配合したものを使用できる。
また、透明シート状基材1には、帯電防止、反射防止など他の処理を施すこともできる。
本発明のプリズムシートのレンズ部の材料としては、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いることができ、その硬化物の押込み弾性率が550MPa以下で、且つ、マルテンス硬さが10MPa以上となるものであれば特に限定されない。例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、エステル系(メタ)アクリレート、ポリエンとポリチオールとからなるエンチオール系化合物などと、ラジカル性光重合開始剤とを含む樹脂組成物、および/または、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル化合物などと、カチオン性光重合開始剤とを含む樹脂組成物が使用できる。この中で、ウレタン(メタ)アクリレート化合物と、エステル系(メタ)アクリレート化合物と、ラジカル性光重合開始剤とを含む樹脂組成物が好ましい。このような樹脂組成物として、分子中に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物を少なくとも1種以上含有するウレタン(メタ)アクリレート化合物と、分子中にウレタン結合を有さず、2つの(メタ)アクリロイル基を有するジ(メタ)アクリレート化合物と、ラジカル性光重合開始剤とを含有する樹脂組成物がより好ましい。
分子中に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物としては、分子中に2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物と、分子中に1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有し且つ水酸基を有する(メタ)アクリロイル化合物の1種以上とを反応させて得られる化合物が挙げられる。
分子中に2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物としては、脂肪族系、脂環族系、芳香族系に分類される種々のポリイソシアネート化合物を使用できる。硬化時の着色性や硬化物の耐光黄変性などを考慮すると、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびその3量体(アダクト型、ビウレット型またはイソシアヌレート型)が好ましい。その中でも、イソホロンジイソシアネートとイソシアヌレート型のヘキサメチレンジイソシアネート3量体が、得られる硬化物の耐擦傷性および耐熱性の点でより好ましい。
分子中に1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有し且つ水酸基を有する(メタ)アクリロイル化合物としては、特に制限はないが、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−アクリロイルオキシ−3−メタクリロイルオキシプロパンなどが挙げられる。ここで、アクリレート化合物の方がメタクリレート化合物よりも、光硬化性の点で好ましい。
分子中にウレタン結合を有さず、2つの(メタ)アクリロイル基を有するジ(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、分子量500以上の脂肪族のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA又はF系のジ(メタ)アクリレートなどが好ましい。具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどのポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのカプロラクトン変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシドの付加数が4モル以上のジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのエチレンオキシドの付加数が4モル以上のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFのエチレンオキシドの付加数が4モル以上のジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールFのエチレンオキシドの付加数が4モル等量以上のジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの成分は、主に樹脂組成物の粘度を低下させ、透明プラスチック基材表面へのレンズ部成形性を向上し、更に樹脂硬化物の押込み弾性率やマルテンス硬さを設計値へ調整するための成分である。
本発明における樹脂組成物に使用するラジカル性光重合開始剤は、紫外線や可視光線等の活性エネルギー線の照射によりフリーラジカルが発生し、エチレン性不飽和化合物のラジカル重合を開始させる化合物であり、従来から光ラジカル重合開始剤として知られている化合物を用いることができる。具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインモノメチルエーテル、ベンゾインモノエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アセトイン、アセトフェノン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、カンファーキノン、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名IRGACURE784]などが挙げられる。
樹脂組成物には、適宜、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤(HALS等)、レベリング剤、熱安定剤、皮膜物質改質剤、難燃剤、重合防止剤、ラジカル性熱重合開始剤、カチオン性光重合開始剤、カチオン性熱重合開始剤、光重合促進剤、増感剤、離型剤等の各種添加剤を含有させてもよい。
プリズムシートの製造に用いる金型としては、例えば、アルミニウム、黄銅、鋼などの金属製の型、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ABS樹脂、フッ素樹脂、ポリメチルペンテン樹脂などの合成樹脂製の型、これらの材料にメッキを施したものや各種金属粉を混合した材料より作製した型などが挙げられる。特に、金属製の型は、耐熱性や強度の面から好ましく、また、連続生産に適している。より具体的には、金属製の型は、重合発熱に強い、変形しにくい、傷が付きにくい、温度制御が可能である、精密成形に適しているなどの利点がある。
プリズムシートの製造に用いる活性エネルギー線発光光源としては、例えば、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、無電極UVランプ、可視光ハロゲンランプ、キセノンランプ、太陽光等が使用できる。活性エネルギー線照射時の雰囲気は、空気中でもよいし、窒素、アルゴン等の不活性ガス中でもよい。照射エネルギーとしては、例えば、波長200〜600nm、好ましくは320〜390nmの範囲における積算エネルギーが、例えば、0.01〜10J/cm2、好ましくは0.4〜8J/cm2となるように照射することが適当である。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を説明する。なお、以下の記載において「部」は「質量部」を意味する。
<合成例1:ウレタンアクリレート化合物(UA1)の合成>
硝子製フラスコに、イソシアネート化合物として、ヘキサメチレンジイソシアネート117.6g(0.7モル)およびイソシアヌレート型のヘキサメチレンジイソシアネート3量体151.2g(0.3モル)と、水酸基を有する(メタ)アクリロイル化合物として、2−ヒドロキシプロピルアクリレート128.7g(0.99モル)およびペンタエリスリトールトリアクリレート693g(1.54モル)と、触媒として、ジラウリル酸ジ−n−ブチル錫100ppmと、重合禁止剤として、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.55gとを仕込み、70〜80℃の条件にて残存イソシアネート濃度が0.1%以下になるまで反応させ、ウレタンアクリレート化合物(UA1)を得た。
<活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の調製>
(樹脂組成物1)
合成例1で得られたウレタンアクリレート化合物(UA1)を45部、ジメタクリレート(商品名:アクリエステルPBOM、三菱レイヨン(株)製)を30部、ジメタクリレート(商品名:ニューフロンティアBPEM−10、第一工業製薬(株)製)を25部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)を2.4部、混合して活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
(樹脂組成物2)
UA1を40部、ジメタクリレート(商品名:アクリエステルPBOM)を25部、ジメタクリレート(商品名:ニューフロンティアBPEM−10)を30部、フェノキシエチルアクリレート(商品名:ニューフロンティアPHE、第一工業製薬(株)製)を5部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:イルガキュア184)を2.4部、混合して活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
(樹脂組成物3)
UA1を55部、ジメタクリレート(商品名:アクリエステルPBOM)を20部、ジメタクリレート(商品名:ニューフロンティアBPEM−10)を20部、フェノキシエチルアクリレート(商品名:ニューフロンティアPHE)を5部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:イルガキュア184)を1.6部、混合して活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
表1に、上記の樹脂組成物1〜3の組成をまとめた。
(実施例1、比較例1、比較例2)
<プリズムシートの作製>
樹脂組成物1〜3の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いて、図2に示した製造装置でプリズムシートを製造した。以下、図2を参照しながら説明する。
頂角48度のプリズム形状を連続的に基材フィルムに転写させるための溝が、側部の円周に沿って50μmピッチで多数配列された銅製円筒形プリズム型7と、ゴム製ニップロール6との間に、透明シート状基材5を導入した。この透明シート状基材5としては、密着性向上のための表面処理(図1の表面処理部3の形成)を行ったPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(商品名:A−4300、東洋紡(株)製、厚さ188μm)を用いた。
透明シート状基材1が導入された状態において、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物10をタンク8から先端にノズルを取り付けた配管9を通して、円筒形プリズム型7と透明シート状基材5との間に供給しながら、透明シート状基材5を約5m/minの速度で移動させた。この時、円筒形プリズム型7はこれに合わせて回転しており、円筒形プリズム型7と透明シート状基材5との間に挟まれた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物10は、160W/cmの高圧水銀灯を光源とした紫外線照射装置11付近に到達したところで、照射量約800mJ/cm2(測定機器:UV−350、(株)オーク製作所製使用)の紫外線照射により硬化した。紫外線照射による硬化後、円筒形プリズム型7から離型し、プリズムシート12を得た。
プリズムシートの厚み設定値は258μmとし、全サンプルを同条件で作製した。なお、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を貯蔵するタンク8および円筒形プリズム型7の内部あるいは外部には、温度を一定に制御するためシーズヒータや温水ジャケットなどの熱源設備が配置されており、タンク8内の樹脂温度は45℃、円筒形プリズム型7の表面温度は45〜60℃に保ち、プリズムシートの作製を行った。
<プリズムシートの評価方法>
得られたプリズムシートを以下の方法で評価した。
(1)反りの評価
作製したプリズムシートを、縦210mm、横(プリズム稜線方向)335mmに切断し試験片とした。反り量の測定は、23℃、50%RH環境下で、プリズム面を上側にして平らなステージの上に置き、マイクロスコープ(商品名:VH−6300、(株)キーエンス製)を用いて、ステージ面から四隅の垂直距離を側面から観測し、平均値で評価した。平均値が2.0mm以下のものを良好、2.0mmより大きいものを不良とした。
(2)プリズム部の物性の評価
〔評価用サンプルの作製〕
作製したプリズムシートを、0.5mm間隔で並行した2枚のカミソリ刃を用いて、プリズムの稜線方向と垂直方向に切断し、図3に示す形状に加工した。その際、滑らかに切断するため、ビニルシリコーン系樹脂(商品名:エクザファイン、GC社製)でレンズ部を抱埋して切断を行った。測定サンプルは、必要に応じてスライドガラス上で浮きがないよう固定した。
〔測定装置〕
押込み弾性率およびマルテンス硬さは、超微小硬さ試験システム(商品名:フィッシャースコープHM−2000、フィッシャー社製)を使用し測定した。圧子はビッカース四角錐(材質:ダイヤモンド)を用い、プリズム部1山の中央付近13が圧子作用点となるようにサンプルの位置を調節した。
〔測定手順〕
23℃、50%RH環境下にて以下の手順で測定を行った。
(i)300秒後に25mNに達するよう、一定の速度で荷重を負荷、
(ii)荷重25mNが負荷された状態で60秒間保持、
(iii)10秒後に0.4mNに達するよう、一定の速度で荷重を除荷、
(iv)荷重0.4mNで60秒間保持。
測定位置を変えながら、上記(i)〜(iv)の一連の手順を繰返し行い、1サンプルにつき4点データを取り、押込み弾性率とマルテンス硬さを次の方法で計算し求めた。
〔押込み弾性率の計算〕
上記測定方法で得られた、試験力と圧子の押込み深さとの関係より求めることができる。超微小硬さ試験システム付属の解析ソフト(設定:リニア外挿モード、最大荷重の65%−95%区間を指定)を用いて、除荷−押込み深さ曲線の最小二乗フィットより求めた直線の傾きおよびこの傾きの直線が最大荷重を通るときの押し込み深さ軸との交点を求め、ISO 14577−1(A.5)に従って計算を行った。計算の際、圧子の弾性率は1200GPa、圧子のポアソン比は0.07を用いた。
〔マルテンス硬さの計算〕
マルテンス硬さの値は、試験力を、その試験荷重で生じた押込み深さから求めた圧子の表面積で除した比率で表される。ビッカース圧子の場合、次の式で求められる。マルテンス硬さについても同様に付属の解析ソフトを用いて計算を行った。
マルテンス硬さ=F/26.43h2
F:試験力(N)、h:押し込み深さ(mm)。
〔弾性回復率の計算〕
圧子の埋め込みによる全仕事量は、一部塑性変形の仕事に消費されるが、残りは全て試験荷重除荷時に弾性逆変形の仕事として解放される。弾性回復率の値は、試験力とその試験荷重で生じた押込み深さの関係から求めた全仕事量に占める弾性逆変形仕事量の割合を百分率で表したものである。弾性回復率についても同様に付属の解析ソフトを用いて計算を行った。弾性回復率が高いほど、変形後の形状回復性能が高い。このため、弾性回復率が高いものは、高い硬度のものほど変形し難いという現象とは異なり、形状回復により結果的に耐変形性が優れる。
(3)耐変形性
レンズ部微小領域の物性測定と同様、超微小硬さ試験システム(商品名:フィッシャースコープHM−2000、フィッシャー社製)を用いて評価を行った。得られたプリズムシートを縦4mm、横(プリズム稜線方向)8mmに切り取り、カバーガラスの上に、レンズ面が上になるよう置き、測定ステージに載せた。その状態でボール圧子(直径0.4mm、タングステンカーバイド製)を所定の条件でプリズム頂部に押しつけ、徐荷してから5分後に表面を光学顕微鏡(倍率400倍)で観察し、プリズム頂部の変形が認められないものを良好、変形が認められるものを不良とした。
〔測定手順〕
23℃、50%RH環境下にて以下の手順で測定を行った。
(i)300秒後に30mNに達するよう、一定の速度で荷重を負荷、
(ii)荷重30mNが負荷された状態で60秒間保持、
(iii)10秒後に0.4mNに達するよう、一定の速度で荷重を除荷、
(iv)荷重0.4mNで60秒間保持、
(v)試験終了後の5分後、プリズム先端部を光学顕微鏡にて観察。
測定位置を変えながら、上記(i)〜(v)の一連の手順を繰返し行い、1サンプルにつき3回観察を行った。
以上の評価結果を表2に示す。
Figure 2008281614
表1中の化合物の略号の説明を次に示す。
「UA1」:合成例1で得たウレタンアクリレート化合物、
「PBOM」:下記の式で表されるジメタクリレート(商品名:アクリエステルPBOM、三菱レイヨン(株)製)
Figure 2008281614
「BPEM−10」:下記の式で表されるジメタクリレート(商品名:ニューフロンティアBPEM−10、第一工業製薬(株)製)
Figure 2008281614
「PHE」:フェノキシエチルアクリレート(商品名:ニューフロンティアPHE、第一工業製薬(株)製)、
「HPCK」:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)。
Figure 2008281614
<評価結果>
表2に示すように、押込み弾性率が550MPa以下、且つマルテンス硬さが10MPa以上を満たす実施例1は、プリズムシートの反りが小さく、且つ耐変形性も良好であった。一方、押込み弾性率が550MPaを超えた比較例2はプリズムシートの反りが大きく、マルテンス硬さが10MPa未満の比較例1については、プリズムシートの反りは小さいが、耐変形性については不良であった。
本発明のプリズムシートの一実施態様を示す模式的部分断面図である。 実施例におけるプリズムシートの作製方法を示す概略図である。 実施例において押込み弾性率及びマルテンス硬さ測定に使用した試験片の形状を示す概略図である。
符号の説明
1 透明シート状基材
2 レンズ部
3 密着性向上のための表面処理部
4 透過光の均一性向上のための表面加工部
5 透明シート状基材
6 ニップロール
7 円筒形プリズム型
8 タンク
9 ノズル付き配管
10 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物
11 紫外線照射装置
12 プリズムシート
13 ビッカース圧子作用点

Claims (2)

  1. 複数のプリズム部が並列されてなるプリズム配列面を有し、プリズム部の押込み弾性率が550MPa以下で、且つ、マルテンス硬さが10MPa以上であるプリズムシート。
  2. プリズム頂部の角度が40度〜70度の範囲にあり、且つプリズム間のピッチが30μm以上である請求項1記載のプリズムシート。
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