JP2008245107A - 撮像素子モジュールおよび電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】撮像素子を効率よく冷却し、かつ、組み立てが複雑とならず、小型化も可能な撮像モジュールを提供する。
【解決手段】絶縁シート28を有する撮像素子21と、該撮像素子に接続され、中央開口部が形成されたFPC35と、上記撮像素子および上記FPCを支持し、さらに、作動流体が循環する蒸発部と凝縮部とを備えたヒートパイプ31,32を保持する保持部とを有する撮像素子モジュール8において、上記保持部は、上記絶縁シート28と上記ヒートパイプの蒸発部31c,32cとの間に開ロ部を設け、上記蒸発部を保持する第一のヒートパイプ保持手段である伝熱板33,34と、上記ヒートパイプの凝縮部31d,32dを保持する第二のヒートパイプ保持手段である撮像素子支持板22とを備えている。上記伝熱板33,34は、表面が高放射性を有する高熱伝導性金属材料からなる。
【選択図】図2

Description

本発明は、撮像素子冷却部を内蔵する撮像素子モジュールおよび電子機器に関する。
従来の電子機器にて、例えば、撮像素子一体型レンズ交換式カメラやカメラヘッド内に撮像素子や制御回路(CPU)を配備する場合、防塵性を持たせた上、さらに、カメラヘッド等に放熱構造を備える必要がある。しかしながら撮像素子や制御回路(CPU)などの電子部品を防塵構造とすると、撮像素子や制御回路(CPU)などで発生した熱を外部へ放熱するのが困難となる。この熱対策を怠ると撮像素子やCPUの温度が上昇して雑音レベルが上がり、画質の劣化を引き起してしまう。この熱対策として例えば、撮像素子、CPU、ICドライバなどの熱発生源と伝熱部材とを結合させた構造が提案されている。
例えば、特許文献1に開示された図16の断面図に示す撮像装置であるカメラ201に適用される撮像ユニット208は、アルミニウム板からなる撮像素子固定板228と、絶縁シート227を介して裏面側を該固定板228に接着固定する撮像素子226とを有している。この撮像素子226は、非撮像面(反撮像面)側表面226aでフレキシブルプリント基板(以下、FPC基板と記載する)と電気的に接続されている。なお、撮像素子固定板228の後方にインターフェイス回路部品や画像処理回路部品などが実装される回路基板229が配されている。そして、カメラ外装の背面側には、モニタ表示窓213の内側に液晶モニタ装置212が配置されている。この撮像ユニット208においては、撮像素子226で発生した熱は、撮像素子固定板228を介して外方に逃げ、撮像素子226が冷却される。
特許文献2に開示された電子機器は、内蔵する熱発生源であるCPU326を冷却するために図17に示すコンテナ336を適用するものである。このコンテナ336は、作動流体338により熱輸送する蒸発部(吸熱部)と凝縮部(放熱部)とを備えたウィック(毛細管現象発生手段)を利用しており、コンテナ336は、上記蒸発部をCPU326に接合し、上記凝縮部をヒートシンク314に接合して配置する。コンテナ336の蒸発部においてCPU326の発性した熱を作動流体338が吸収する。そして、ウィックを介して循環する吸熱作動流体338の蒸気がコンテナ336の上記凝縮部で凝縮して、潜熱を放出(媒体の相変化)することによりCPU326が冷却される。なお、コンテナ336のチューブにはカーボンナノチューブを有する樹脂材料が用いられている。
また、特許文献3に開示された電子機器は、撮像モジュールに組み込まれた撮像素子の冷却をウィック構造部材を適用し、熱発生源である撮像素子側にウィックの蒸発部を接合し、機器の筐体側にウィックの凝縮部を接続したものであり、ウィック内の媒体の相変化を利用して撮像素子の冷却が行われる。この電子機器においては、上記ウィックの蒸発部と凝縮部との間を柔軟性や可撓性に富む材料のチューブで連結し、上記撮像素子の熱は、該チューブを通して機器筐体側に熱伝達されて外部へと放熱される。
非特許文献1,2には、金型やパソコンなどの冷却用として用いられるウィック(毛細管現象発生手段)を適用したヒートパイプの構造について記載されている。
特開2006−332894号公報 特開2004−116871号公報 特開2004−190979号公報 ヒートパイプのカタログ(日本金型産業株式会社) 1mm厚マイクロヒートパイプのカタログ(古川電工株式会社)
しかし、特許文献1に開示されたカメラ201は、上記撮像素子を高速駆動すると、装置内部に配置される撮像素子周辺の空間が狭く、十分な放熱面積をもつ撮像素子固定板228を配置することが困難である。
また、特許文献2に開示された電子機器に適用される冷却構造を、例えば、手ぶれ補正機能付きのカメラに適用した場合、該カメラは撮像素子が振動型モータや電磁モータなどの駆動モータにより駆動される移動枠に保持される構造を有している。従って、上記移動枠に上記コンテナを装着する必要があり、撮像素子を含む撮像モジュールが大型化するおそれがある。
さらに、特許文献3に開示された電子機器では、上記ウィックの蒸発部と凝縮部との間が比較的に長いチューブで連結されている。従って、撮像モジュールの組み立てが複雑になり、同時に小型化も困難になる可能もある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、例えば、携帯または据え置き式撮像ユニットなどの電子機器において、撮像素子の熱源で発生した熱をヒートパイプを用いて効率がよく冷却し、また、組み立てが複雑とならず、小型化が可能な撮像モジュールおよび撮像モジュールを用いた電子機器を提供することを目的とする。
本発明の請求項1記載の撮像素子モジュールは、非撮像面側に絶縁シートを有する撮像素子と、該撮像素子に接続され、上記絶縁シートに対向する位置に開口部が形成されたプリント基板と、上記撮像素子および上記プリント基板を支持し、さらに、作動流体が循環する蒸発部と凝縮部とを備えたヒートパイプを保持する保持部材とを有する撮像素子モジュールにおいて、上記保持部材は、上記絶縁シートと上記ヒートパイプの蒸発部との間に開ロ部を設け、上記蒸発部を保持する第一のヒートパイプ保持手段と、上記ヒートパイプの凝縮部を保持する第二のヒートパイプ保持手段とを備えている。
本発明の請求項2記載の撮像素子モジュールは、請求項1に記載の撮像素子モジュールにおいて、上記第一のヒートパイブ保持手段は、高熱伝導性金属材料、または、フィラー入り合成樹脂材料からなり、上記蒸発部に結合される。
本発明の請求項3記載の撮像素子モジュールは、請求項1または2に記載の撮像素子モジュールにおいて、上記第一のヒートパイプ保持手段の表面には、アルマイト処理、または、規則性のエンボス処理、または、不規則性のエンボス処理のいずれかの処理が施されている。
本発明の請求項4記載の撮像素子モジュールは、請求項1または2に記載の撮像素子モジュールにおいて、上記ヒートパイプは、蒸発部と凝縮部との複数の対からなり、且つ、それぞれの蒸発部同士は、対向する位置に配置されている。
本発明の請求項5記載の撮像素子モジュールは、請求項1または4記載の撮像素子モジュールにおいて、上記ヒートパイプの外形断面形状は、円形または矩形または長円のいずれかである。
本発明の請求項6記載の撮像素子モジュールは、固定部材と、上記固定部材に対して移動可能に支持される移動部材と、非撮像面側に絶縁シートを有する撮像素子と、該撮像素子に接続され、上記絶縁シートに対向する位置に開口部が形成されたプリント基板と、上記移動部材に支持され、上記撮像素子および上記プリント基板を支持する部材であって、かつ、作動流体が循環する蒸発部と凝縮部とを備えたヒートパイプが保持される撮像素子保持板とを有する撮像素子モジュールにおいて、上記プリント基板の開口部は、上記絶縁シートと上記ヒートパイプの蒸発部との間に位置し、上記ヒートパイプの蒸発部は、上記移動部材に配置し、上記ヒートパイプの凝縮部は、上記固定部材に設けられる伝熱ブロック体に配置し、上記蒸発部と上記凝縮部との間に可撓性樹脂ケーブルを配置する。
本発明の請求項7記載の撮像素子モジュールは、請求項6記載の撮像素子モジュールにおいて、上記可撓性樹脂ケーブルは、プリント基板と接合して構成されている。
本発明の請求項8記載の電子機器は、撮影レンズが装着された機器筐体と、上記撮像素子で取得した画像データが再生可能な画面表示部と、請求項1、または、6に記載の撮像素子モジュールとを備えている。
本発明によれば、撮像素子を効率よく冷却し、かつ、組み立てが複雑とならず、小型化も可能な撮像モジュールおよび該撮像モジュールを用いた電子機器を提供することができる。
以下、図を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態である電子機器としての一眼レフデジタルカメラ(以下カメラと記載する)の要部の光軸を含む縦断面図である。図2は、上記デジタルカメラに内蔵される冷却式撮像モジュールを含む断面図である。図3は、上記撮像モジュールの撮像素子冷却ユニットまわりの断面図である。図4は、図3のA矢視図である。図5は、図3のB−B断面図である。
なお、以下に説明するカメラの撮影レンズの光軸は、各図中「O」で示す。また、以下の説明で光軸の被写体側を前方側とし、撮像面側を後方側として説明する。また、光軸に対して直交する方向であって、図1にて上下方向をY方向とし、Y方向に直交する方向をX方向(光軸方向からみて左右方向)とする。
本実施形態のカメラ1は、交換式撮影レンズ14が着脱可能な一眼レフデジタルカメラであって、図1に示すように下記の各構成部材を収容するカメラ外装2と、カメラ外装2に固定支持され、光軸に沿った中央開口部4aを有するカメラ構造体4と、上記交換式レンズ鏡筒が着脱されるボディ側マウント3と、さらに、カメラ構造体4の中央開口部4aの後方に光軸上に沿って配置される構成部材として、メインミラー5と、フォーカルプレーン式シャッタ6と、冷却式撮像モジュール8と、さらに、カメラ構造体4の上側に固定支持され、ファインダ装置を構成する部材としてフォーカシングスクリーン9と、ペンタプリズム10と、接眼レンズ11とを有している。さらに、カメラ外装2の背面側のモニタ表示窓13の内方に液晶モニタ装置12が配されている。
カメラ構造体4は、冷却式撮像モジュール8を支持する枠体であって、軽量化およびコスト低減が可能であって、さらに、熱伝導率の高い素材として炭素繊維などのフィラーが混入させているポリカボネート樹脂やPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂が適用される。そして、カメラ構造体4は、後述の撮像素子支持板22と連結され、撮像素子21周辺で発生した熱の一部を外気へ放出する機能を有する。これによって放熱板を別途配置するスペースが不要となる。
ボディ側マウント3は、カメラ構造体4の前面に当て付けた状態で固定される。メインミラー5は、被写体光束を上方のフォーカシングスクリーン側に反射する斜設位置と光軸Oの被写体光路上から退避した退避位置とに回動駆動される。シャッタ6は、光軸O上であって斜設位置にあるメインミラー5の後方位置に配される。
冷却式撮像モジュール8は、図2に示すようにシャッタ6の後方位置に配され、カメラ構造体4に密着して直接的に支持され、保持部材を構成する撮像素子支持板22と、撮像素子21の前面側に配される防塵機構部と、極めて薄い絶縁シート28を介して撮像素子支持板22に非撮像面(裏面)側が接着固定される撮像素子21と、撮像素子21の非撮像面側に取り付け接続され、撮像回路基板36にコネクタ39を介して接続される接続フレキシブルプリント基板(以下、接続FPCと記載する)35と、撮像素子21の後方の非撮像面に対向して撮像素子支持板22に支持される撮像素子冷却ユニット30と、さらに、撮像素子支持板22の後方に配される撮像回路基板36とからなる。
上記防塵機構部は、図2に示すようにカメラ構造体4に固定される基台23と、基台23により弾性体からなる支持部材27を介して支持される保護ガラス24と、ゴム枠23aを介して保護ガラス24の先端部に装着される圧電素子26と、基台23の裏面側に押さえ板により押さえられた状態で支持される光学フィルタ25からなる。この防塵機構部により保護ガラス24および基台23で囲まれた撮像素子21の撮像面側表面への埃の侵入が防止される。さらに、圧電素子26により保護ガラス24が振動駆動されると保護ガラス24上の付着したゴミが除去される。
撮像回路基板36には、制御回路部(CPU)38やインターフェース回路部品や画像処理回路部品が実装される。
撮像素子支持板22は、アルミニウム板、あるいは、ステンレス鋼板で形成され、撮像素子21を保持すると共に撮像素子の放熱機能も有しており、カメラ構造体4の背面部に固定して取り付けられる。撮像素子支持板22は、撮像素子21側の絶縁シート28に対向する開口部22aを有している。なお、撮像素子支持板22は、カメラ構造体4と同一材料である熱伝導率の高い素材であって、炭素繊維などのフィラーを混入させたポリカボネートやPPS樹脂を適用してもよい。上記PPS樹脂には、球状黒鉛と非結晶(ガラス)繊維やカーボン繊維が充填されたポリフェニレンサルファイド樹脂の成型品を適用する。このPPS樹脂を撮像素子支持板22に適用すると、後述するヒートパイプ31,32と圧着接合が可能であり、PPS樹脂と該ヒートパイプ間の接着剤介在による熱伝導の低下が阻止できる。
絶縁シート28は、所定寸法の極めて薄い厚みを有するシートであり、接着剤塗布用穴28aが設けられる。この絶縁シート28には赤外線カットフィルタをコーティングしたものや赤外線カットフィルタや白色塗装シート(放射率0.1〜0.6以下)を接合したものを適用する。
撮像素子から放射される赤外線が対向するヒートパイプの表面で反射して、再び撮像素子に吸収されると、撮像素子が再温度上昇することになるが、例えば、上記の白色塗装シートを接合した絶縁シートを適用すると、上記赤外線が白色塗装シート等で反射され、上記撮像素子の再温度上昇が防止される。
接続FPC35は、絶縁シート28に対向する部分が開口部となっており、両端部が回路基板36の接続コネクタ部39に接続されている。
撮像素子21は、ベアチップタイプ(非パッケージ)の撮像素子であって、接続FPC35に接続された状態の撮像素子21の非撮像面側(光電変換面である撮像面の裏面側)に絶縁シート28を貼り付けた状態で撮像素子支持板22の前面側に接着固定される。
なお、カメラ構造体4に対して撮像素子支持板22は、光軸と直交する方向の位置が精度よく位置決めされており、カメラ構造体4の前面側に固着されるボディ側マウント3の前端面から撮像素子支持板22上の撮像素子21の撮像面までの距離(フランジバック)の距離精度は、撮像素子21がベアチップであることも加味されて高精度が確保される。
撮像素子冷却ユニット30は、図3に示すように第二のヒートパイプ保持手段としての撮像素子支持板22に支持されるユニットであって、撮像素子支持板22に保持され、蒸発部と凝縮部とを備えたヒートパイプ31,32と、ヒートパイプ31,32の前後面に密着して配される第一のヒートパイプ保持手段としての伝熱板33,34とからなる。
ヒートパイプ31,32は、複数対からなり、撮像素子支持板22の後方側に開口部22aを跨いでY方向に沿って所定の隙間のある状態で対向配置される。
ヒートパイプ31と32は、同一断面形状の部材であり、非特許文献1に記載されるヒートパイプが適用可能である。ヒートパイプ31は、棒状、かつ、円形断面を有する銅製パイプ材からなるコンテナ31aと、該パイプ材内に沿って配される毛細管作用をする構造をもつウイック31bと、該ウイック内部に形成される蒸気通路部とからなる。コンテナ31aは、密封されており、ウイック31b内に純水、メタノール、アンモニア水、または、公知の潜熱蓄熱材や高温度(例えば、59°C)で発色開始および記憶可能な可逆熱変色性顔料を内包したマイクロカプセルの分散液等の作動流体である作動液を封入されている。上記蒸気通路部は、一端側(ヒートパイプ対向側)の蒸発部31cと他端側の凝縮部31dとからなる。なお、ヒートパイプ外径(コンテナ31aの外径)が1〜2mmであるものを適用する。
ヒートパイプ32も31と同様にコンテナ32aとウイック32bと一端側の蒸発部32c、他端側の凝縮部32dとからなる蒸気通路部とを有している。
伝熱板33,34は、アルミニウム材やステンレス鋼材等の金属材料、または、フィラー入り合成樹脂からなる一対の高熱伝導性板部材を適用し、その表面はアルミニウム材の場合、黒色アルマイト処理して高放射率の表面とする。アルミニウム材以外の場合、その表面に高放射率シートを貼付してもよい。さらには、表面に規則性、または、不規則性形状の微小エンボス加工を施して高放射率を得るようにしてもよい。これらの処理により伝熱板33,34の表面を0.9以上の高放射率とすることが望ましい。また、伝熱板33,34は、図5に示すようにヒートパイプ外径が密着可能なY方向に沿った所定のピッチの凹部(半円状溝)を有している。伝熱板33,34の中央部には、開口部33a,34aが設けられる。この開口部により内部に淀む熱が排出される。
ヒートパイプ31,32は、撮像素子支持板22の背面側凹部22bに収納され、該ヒートパイプの凝縮部31d側と32d側が撮像素子支持板22の凹部22bに直接、熱伝導性のよい接着剤で接着固定される。そして、ヒートパイプ31,32の撮像素子支持板22の開口部22a側であって、ヒートパイプが互いに対向する側の端部である蒸発部31c、および、32cの光軸方向前後面を光軸直交平面に沿った伝熱板33,34の凹部で挟持した状態で熱伝導性のよい紫外線硬化型接着剤40、または、高熱伝導性合成樹脂シートと接着剤により接合される(図5)。
上述した構成を有する本実施形態のカメラ1の冷却式撮像モジュール8において、撮像動作により撮像素子21が駆動電流により加熱された場合、撮像素子21の放射熱は、絶縁シート28を通して表面が赤外線を吸収しやすい高放射率表面を通して伝熱板33,34に吸収される。伝熱板33,34の熱は、ヒートパイプ31,32の蒸気通路部の蒸発部31c,32cに伝わる。蒸発部31c,32cにてウイック31b,32bにより搬送された作動液が加熱され、蒸気となる。その蒸気は、撮像素子支持板22の凹部22bに支持されている凝縮部31d,32dに搬送される。撮像素子支持板22は、高熱伝導性板部材よりなり、さらに、熱容量の大きなカメラ構造体4に密着されて支持さていることから上記凝縮部31d,32dに到達した蒸気の熱は、撮像素子支持板22で吸収されて液体化する。その液体化した作動液は、ウイック31bを通して再度蒸発部31c,32cに搬送され、吸放熱サイクルが繰り返される。このような吸放熱作用によって撮像素子21の熱は、吸収され、温度上昇が抑えられる。
なお、撮像素子21の近傍に温度センサを配した場合、電源動作開始時や撮影モードに切り替えた後、上記温度センサの信号出力により撮像素子21の異常な温度上昇が検出されたとき、カメラ表示装置に撮像素子21まわりの温度が異常であることをユーザに知らせることが可能である。
上述したように本実施形態のカメラ1の冷却式撮像モジュール8においては、撮像素子21の背面部に撮像素子支持板22に開口部22aを設け、その後方に高放射率の表面をもつ伝熱板33,34により蒸発部側が挟持されるヒートパイプ31,32が配置されている。さらに、伝熱板33,34に対して大きく離間しない位置でヒートパイプ31,32の端部の凝縮部側を撮像素子支持板22にて接着保持した構造を有している。さらには撮像素子21がパッケージタイプではなくベアチップタイプである。
従って、撮像素子21の熱は、効率よく伝熱板33,34側に伝達される状態にあり、その熱は、ヒートパイプ31,32を介して撮像素子支持板22側に逃がすことができ、撮像素子21の温度上昇を抑えることができる。また、構成が簡単であり組み立てが容易となり、さらに、該モジュールの配置スペースも小さく、カメラの小型化にも寄与する。
なお、上述した第一の実施形態における撮像素子冷却ユニット30では対向するヒートパイプ31,32の先端側(蒸発部)が互いに離間して配置されてたがその変形例として上記先端部をY方向に重畳させて配置する撮像素子冷却ユニットを提案することも可能である。
図6は、本変形例の撮像素子冷却ユニットを光軸方向から見た図である。本図に示すように本変形例に適用するヒートパイプ31Aと32Aは、蒸発部31Ac,32Acが配される先端部をY方向に距離Sだけ重畳させて配置されている。ヒートパイプ31Aと32Aは、高放射率の表面を有する高熱伝導性の金属材料や合成樹脂、例えば、黒色アルマイト処理がなされたアルミニウムからなる伝熱板33Aにより挟持されている。伝熱板33Aには円形の開口部33Aaがヒートパイプ先端部位置に対向して配されている。また、伝熱板33Aの側面には複数のフィン33Abが設けられている。なお、本変形例ではヒートパイプ31Aと32Aは、外径d1 、d2 の異なるものを適用して交互に配置している。但し、同一外径のものを適用してもよい。
本変形例によれば、ヒートパイプの蒸発部を重畳させて配置することにより撮像素子からの熱を効率よく吸収して撮像素子の温度上昇を抑えることができる。また、撮像素子冷却ユニットの配置スペースも小さく抑えることができる。
また、上述した第一の実施形態にて適用したヒートパイプ31,32は、円形断面形状のものであったがこれに限らず、その変形例として長円断面形状(扁平型)のヒートパイプを適用した撮像素子冷却ユニットも提案することも可能である。図7は、本変形例の撮像素子冷却ユニットの断面図であり、図8は、図7のC−C断面図である。
本変形例の撮像素子冷却ユニット30Bにおけるヒートパイプ31Bには、例えば、非特許文献2に記載されているマイクロヒートパイプが適用可能であって、図8に示すように長円断面形状(扁平型)の外形を有している。その内部は、例えば、断面上、三領域に区切られ、中央部が蒸気通路部31Bdを形成し、両側部がウイック部31Bb,31Bcを形成している。作動液は、ウイック部31Bb,31Bcを通過して蒸気通路部31Bdの蒸発部で加熱され、蒸気となる。その蒸気は、蒸気通路部31Bdを通って凝縮部に達し、そこで放熱して凝縮し、再度、作動液に変化する。ヒートパイプ31Bに対向して配される他方のヒートパイプ32Bも同様に長円断面形状を有している。
なお、本変形例では、ヒートパイプ31B,32Bの一方の前面側に開口部33Baを有する高放射性表面をもつ伝熱板33Bが接着固定されているが、背面側には伝熱板に替えてヒートパイプ31B,32Bに接合される複数のフィン34B,35Bが設けられている。ヒートパイプ31B,32Bの厚さTとすると、フィン34B,35Bを加えた全体の厚みはHとなる。
本変形例の撮像素子冷却ユニット30Bによれば、ヒートパイプの構成本数が少なく、構成が簡単であり、ヒートパイプの伝熱面積も大きくとることができる。同時に複数のフィン34B,35Bを設けることにより放熱効率が改善される。
なお、撮像素子冷却ユニットに適用するヒートパイプとして円形断面や長円断面の外形のもの以外、例えば、矩形断面形状、あるいは、三角断面形状のヒートパイプを適用することも可能である。
また、上述した第一の実施形態、または、その変形例では、対向するヒートパイプ31,32の蒸発部を離間させた状態で配置したが、これに限らず互いの蒸発部を連結させて配置することも可能である。この場合、上記蒸発部での吸熱効率が上がり、また、吸熱の相互干渉も少なくすることができる。
さらに、第一の実施形態の変形例として制御回路(CPU)やタイミングジェネレータ回路が配置されている固定側のプリント基板上に棒状マイクロヒートパイプの凝縮部を有する伝熱ブロック体を絶縁シートを介して配置したものも提案できる。また、図示していないが、電子機器に組み付けたときに複数の回路基板の間に配置された金属仕切り板やモータと撮像信号処理基板との間に配置されたシャーシや三脚ネジが取り付け可能な底面全体に伝熱ブロック体を配置して該伝熱ブロック体に直接、棒状マイクロヒートパイプの蒸発部を接触される構造を採用すると、機器本体の冷却効果がさらに向上する。また、撮像素子の背面から放熱金属板までの寸法を薄くすることができ、組み込まれたときに、機器本体の厚みを押えることができる。
次に本発明の第二の実施形態であって、撮像部を備えていない形式の一眼レフデジタルカメラボディに着脱可能な冷却式撮像モジュール内蔵レンズ側マウントについて、図9〜12を用いて説明する。
図9は、本実施形態の冷却式撮像モジュールを内蔵するレンズマウントの光軸を含む縦断面図である。図10は、図9のレンズマウントに組み込まれる冷却式撮像モジュールの光軸を含む縦断面図である。図11は、図10のD矢視図であり、図12は、E矢視図である。
本実施形態の撮像モジュール内蔵レンズ側マウント58には、図9に示すように前面側に冷却式撮像モジュール41が組み込まれており、その前方側には図示しない交換式撮影レンズの鏡筒部が装着される。また、後端のレンズマウント面58a上に接続端子基板59が取り付けられている。
冷却式撮像モジュール41は、図9,10に示すように金属製のレンズマウント58の凹部に固定支持される撮像素子支持板53と、撮像素子支持板53に固着され、中央開口部44aを有するるセラミックパッケージ44と、低放射率の絶縁シート47を介してセラミックパッケージ44に固着され、光軸上の所定位置に位置決めされるベアチップタイプの撮像素子42と、撮像素子42にボンディングワイヤ45aを介して接続される端子板45と、端子板45に接続され、撮像素子支持板53に支持される接続プリント基板46と、セラミックパッケージ44に前面に固着され、撮像素子42の前面側を密封する保護ガラス43と、撮像素子冷却ユニット50とからなる。なお、接続プリント基板46は、FPC(フレキシブルプリント基板)で構成することも可能である。
撮像素子冷却ユニット50は、図10〜12に示すように第二のヒートパイプ保持手段である撮像素子支持板53により支持され、その裏面側に高熱伝導性の接着剤により接着固定される複数対の棒状ヒートパイプ48,49と、ヒートパイプ48,49を挟持する第一のヒートパイプ保持手段である伝熱板51,52と、ヒートパイプ48,49の背面側を押さえる押さえ板54とからなる。
撮像素子支持板53は、金属材料、または、熱伝導率の高い素材であって、炭素繊維などのフィラーを混入させたポリカボネートや球状黒鉛および非結晶(ガラス)繊維あるいはカーボン繊維が充填されたポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂材料からなり、四隅に突起部53bが設けられている。この突起部53bは、接続プリント基板46の幅より広く、該プリント基板の基板面より突起し、該基板の厚さ程度の矩形形状を有する。中央部には撮像素子と同じ大きさの開口部53aが設けられる。さらにこの開口部53aの背面側には複数対の棒状のヒートパイプ48,49(例えば、片側8本で、両側で16本)が収納できる開口部53cを有する。さらに、撮像素子支持板53は、一方のヒートパイプ48の凝縮部48bの端部を位置決めする位置決め部と凹凸形状の側壁部を有し、他方のヒートパイプ49の凝縮部49bの端部を開放状態で保持している。そして、それぞれのヒートパイプ48,49は一対の押え板54でそれぞれ撮像素子支持板53に押さえられて固定される。
伝熱板51,52は、金属材料(アルミニウム材やステンレス鋼材)、または、フィラー入り合成樹脂材料の一対の高熱伝導性板材からなり、アルミニウム材である場合、その表面は、黒色アルマイト処理を施した高放射率の表面とする。また、ステンレス材やフィラー入り外装樹脂材料の場合、その表面に高放射率を有するシートを貼付してもよい。さらには、表面に規則性、または、不規則性の微小エンボス処理を施して高放射率表面を得るようにしてもよい。
この伝熱板51,52は、それぞれヒートパイプ48,49の各外径を覆うY方向に沿った凹部(半円状溝部)を有しており、該凹部によりヒートパイプ48,49の蒸発部48a,49aを挟持した状態で高熱伝導性の紫外線硬化型接着剤55により接合される。また、伝熱板51,52の中央部には開口部51a,52aが設けられており、この開口部により内部に淀む熱が排出される。
ヒートパイプ48,49は、第一の実施形態における撮像素子冷却ユニット30に適用したヒートパイプ31,32と同様の構造を有しており、複数対のヒートパイプがY方向に沿って配されている。そして、撮像素子42の下方の中央開口部44a,接続プリント基板開口部46a,撮像素子支持板開口部53aの後方に伝熱板51,52で挟持された状態のヒートパイプ48,49の蒸発部48a,49aを位置させる。また、ヒートパイプ48,49の両端の凝縮部48b,49b側は、撮像素子支持板53に高熱伝導性の接着剤55により接着固定される。
上述した構成を有する本実施形態の撮像ユニット内蔵レンズマウント58においては、該マウントをカメラに装着した状態で撮像素子42が駆動状態にあるとき、撮像素子42の放射熱を伝熱板51,52で受け、その熱は、ヒートパイプ48,49の蒸発部48a,49aに伝わり、ヒートパイプ31,32中の作動液を蒸発させる。その蒸気は、ヒートパイプ48,49の凝縮部48b,49bに移動し、撮像素子支持板53により冷却され、再度、作動液に変態し、ウイック部を通して蒸発部に戻される。この吸熱サイクルを繰り返すことにより撮像素子42の熱が吸収され、温度上昇が抑えられる。
上述したように本実施形態の撮像ユニット内蔵レンズマウント58においては、撮像素子42がパッケージタイプではなくベアチップタイプであることから該素子の熱は、効率よく伝熱板51,52側に伝達される。さらに、撮像素子支持板53で吸収された熱は、さらに、熱容量の大きい金属製のレンズマウント58に速やかに伝わる。従って、撮像素子42の温度上昇を効率よく抑えることができる。また、撮像ユニット内蔵レンズマウントとして大型化することなく、コンパクトにまとめることができる。
次に本発明の第三の実施形態であって、交換式撮影レンズの鏡筒部(図示せず)が着脱可能な、手ぶれ補正機能を有する一眼レフデジタルカメラに適用可能な冷却式撮像モジュールについて図13〜15を用いて説明する。
図13は、本実施形態の冷却式撮像モジュールを構成する撮像部の光軸を含む縦断面図である。図14は、図13のF−F断面図であるが、移動枠64と保護ガラス支持押さえ板65を除いて示している。図15は、本実施形態の冷却式撮像モジュールを構成する放熱部の断面図である。
本実施形態の冷却式撮像モジュールは、撮像部60と放熱部90とからなり、手ぶれ補正機能を有する一眼レフデジタルカメラに適用される。従って、撮像部60がカメラ構造体(図示せず)によって光軸と直交するXY平面上移動可能な状態で支持され、撮影時に手ぶれ駆動機構部(例えば、本出願人による特願2006−222709号の図3,4に示される)により手ぶれ状態に対応してXY平面上を駆動される。放熱部90は、上記カメラ構造体に対して固定支持される。
本実施形態の冷却式撮像モジュールの撮像部60は、図13,14に示すよう固定部材である上記カメラ構造体に対してXY平面上移動可能に支持される移動部材である移動枠64と、移動枠64の後面に固着される撮像素子支持板66と、移動枠64に撮像素子支持板66を介して固着される基板押さえ板71と、絶縁シート67を介して撮像素子支持板66の前面側に接着固定される撮像素子62と、撮像素子62や該撮像素子を駆動するためのタイミングジェネレータを含むインターフェースIC素子72、温度センサ73等が実装され、基板押さえ板71に保持される中央開口部を有する接続FPC(フレキシブルプリント基板)68と、撮像素子62の撮像面側に保護ガラス支持用押さえ板65を介して移動枠64に支持される保護ガラス63と、撮像素子支持板66および基板押さえ板71の背面側に固着される第一のヒートパイプ保持手段である伝熱板75,76と、伝熱板75,76に挟持される複数本(例えば、5本)の棒状ヒートパイプ(蒸発部)74と、伝熱板76の背面側に固着される放熱板77と、さらに、ヒートパイプ(蒸発部)74の蒸気送出側S1 に接続されるベローズ接続管83と該接続管に接続される可撓性合成樹脂管82、および、ヒートパイプ(蒸発部)74への作動液流入側S2 に接続されるベローズ接続管85と該接続管に接続される可撓性合成樹脂管84からなる。
移動枠64は、球状黒鉛と非結晶(ガラス)繊維やカーボン繊維が充填されたPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂からなる部材である。また、基板押さえ板71は、薄いアルミニウム板、または、ステンレス鋼板からなる。そして、接続FPC68は、基板押さえ板71によって振れ防止状態で補強されて保持されている。
撮像素子支持板66は、金属板、または、熱伝導率の高いフィラー(例えば、炭素繊維)やセラミックなどが混入したABS樹脂やポリカーボネート樹脂材料からなり、中央部に開口部が設けられている。
ヒートパイプ(蒸発部)74は、第一の実施形態にて適用したヒートパイプ31の蒸発部のみで形成されるものとし、棒状以外、平型形状であってもよい。ヒートパイプ(蒸発部)74の複数本の一方の蒸気送出側は、単一の管にまとめられ、ベローズ接続管83に接続される。さらに、ベローズ接続管83は、蒸気送出側S1 の気相流体流路用可撓性合成樹脂管82に接続される。また、作動液流入側S2 の液相流体流路用可撓性合成樹脂管84は、ベローズ接続管85を経た後、複数本に分割され、ヒートパイプ(蒸発部)74の作動液流入側に接続される。可撓性合成樹脂管82,84は、ヒートパイプ74を直径2mmとすると接続FPC68よりやや狭い幅15mm×高さ3mmのサイズを有し、接続FPC68と一体の状態で保持される可撓性樹脂ケーブルを構成し、放熱部90側接続される。
伝熱板75,76は、酸化アルミニウム(Al2 O3 )、または、熱伝導率の高いフィラー(例えば、炭素繊維)やセラミックなどが混入したABS樹脂やポリカーボネート樹脂材料、あるいは、球状黒鉛と非結晶(ガラス)繊維やカーボン繊維が充填されたポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂からなる。この伝熱板75,76にはY方向に沿って形成されるヒートパイプ外径に合わせた形状の溝部が設けられる。該溝部によりヒートパイプを挟み込み、面接触した状態で熱伝導性の高い接着剤で接合される。さらに、伝熱板75側は、基板押さえ板71の背面部に熱伝導性の高い接着剤で接合される。なお、伝熱板75,76は、酸化アルミニウムの場合は黒色アルマイト処理されたものを適用し、また、それ以外の素材の場合、表面に小さい凹凸を付し、高放射性表面を有するものとする。
なお、上記PPS樹脂は、熱伝導に優れており、このPPS樹脂を撮像素子支持板22に適用すると、ヒートパイプ74とは圧着接合が可能であり、PPS樹脂と該ヒートパイプ間の接着剤介在による熱伝導の低下が阻止できる。
放熱板77は、アルミニウム材、または、熱伝導率の高いフィラー(例えば、炭素繊維)やセラミックなどが混入したABS樹脂やポリカーボネート樹脂材料からなり、伝熱板76の背面側に密着して配される。放熱板77の中央部に2枚の金属板78,79で囲われた熱媒体室が設けられている。該熱媒体室にはシリコングリース81が注入され、さらに、伝熱フィン78a,79aが配されている。この放熱板77は、伝熱板76に熱伝導性の高い両面接着剤で接合される。なお、上記シリコングリース81は、グラファイト、炭素繊維を含有した樹脂からなる発砲材に置き換えることもできる。
上記撮像素子支持板66,基板押さえ板71,伝熱板75,76,放熱板77は、ビス80によって締結され、一体化される。
接続FPC68は、U字状に折り曲げられて形成され、伝熱板75,76の前方位置であって、撮像素子62の後方位置にインターフェースIC72、温度センサ73が実装されている。この接続FPC68は、可撓性合成樹脂管82,84に積層され、一体状態の可撓性樹脂ケーブルとして放熱部90側に導かれ、プリント基板支持台93に配されるメインプリント基板に接続される。
一方、本実施形態の冷却式撮像モジュールの放熱部90は、図15に示すように上記カメラボディのカメラ構造体(図示せず)により固定支持されるプリント基板支持台93と、プリント基板支持台93上に固着される制御回路(CPU)やTG(タイミングジェネレータ)ICが実装されているプリント基板89と、該プリント基板89に実装される圧電ポンプ用駆動ICチップ91と、プリント基板89に絶縁シート92介して装着される第二のヒートパイプ保持手段である伝熱ブロック体86と、伝熱ブロック体86に取り付けられており、圧電素子88により駆動される圧電ポンプ87とを有している。
伝熱ブロック体86は、例えば、多孔質金属材料などの金属からなり、外部に伝熱用フィン86aが配され、さらに、伝熱ブロック体86の放熱性を改善するために伝熱ブロック体86とプリント基板支持台93との間が金属箔86dで連結されている。そして、伝熱ブロック体86には、蒸気流入側S1 にヒートパイプ(凝縮部)86bと、作動液送出側S2に作動液送出部86cが配されている。
圧電ポンプ87は、作動液が循環する流速を所定の速度に保ち、可撓性合成樹脂管内における熱の淀みを少なくするために伝熱ブロック体86に配されている。なお、圧電ポンプ87と伝熱ブロック体86のヒートパイプ(凝縮部)86bとの間、および、圧電ポンプ87と伝熱ブロック体86の作動液送出部86cとの間にはそれぞれ逆止弁が配されている。
伝熱ブロック体86のヒートパイプ(凝縮部)86bは、撮像部60の蒸気送出側S1の前記可撓性合成樹脂管82に接続されている。伝熱ブロック体86の作動液送出部86cは、撮像部60の作動液流入側S2の前記可撓性合成樹脂管84に接続されてる。
上述した構成を有する本実施形態の撮像部60と放熱部90とからなる冷却式撮像モジュールにおいては、撮像部60にて撮像素子62やインターフェースIC72等の熱が伝熱板75,76を介してヒートパイプ(蒸発部)74に伝わり、その熱により作動液が蒸発し、蒸気に変態する。なお、上記熱の一部は、放熱板77により外部に放出される。
上記蒸気は、ヒートパイプ(蒸発部)74から送出され、可撓性合成樹脂管82を通過して放熱部90の伝熱ブロック体86のヒートパイプ(凝縮部)86bに到達する。そこで冷却され,凝縮して作動液に戻る。その作動液は、圧電ポンプ87により淀むことなく強制的にヒートパイプ(凝縮部)86bから作動液送出部86cへ送られる。そして、該作動液は、可撓性合成樹脂管84を経て再度、撮像部60のヒートパイプ(蒸発部)74に戻され、吸放熱のサイクルが繰り返される。この吸放熱動作によって撮像素子62、さらにはインターフェースIC72が冷却される。
上述した本実施形態の撮像部60と放熱部90とからなる冷却式撮像モジュールによれば、発熱部となる撮像素子を有する可動の撮像部60に対して固定支持される放熱部90を離間させ、独立して配置したことにより、効率のよい十分な冷却が可能となる。特に熱伝導性のよい伝熱ブロック体86を配し、そこに放熱部となるヒートパイプ(蒸発部)74を組み込み、さらに、強制的に作動液送出を行う圧電ポンプ87を配したことにより、作動液の停滞も生じることなく、確実な放熱が行われる。
そして、撮像素子62の背面側に温度センサ73を配したことにより電源動作開始時や撮影モードに切り替えた後、上記温度センサの信号出力により撮像素子62の異常な温度上昇が検出されたときにはカメラ表示装置に撮像素子62まわりの温度が異常であることをユーザに知らせることが可能である。
また、撮像部60にて移動枠64と共に基板押さえ板71が手ぶれ補正動作時にXY平面に沿って移動した場合、撮像部60と放熱部90とを接続する管部材であって、ベローズ接続管83,85を介して接続されている可撓性合成樹脂管82,85が柔軟に変形することにより移動枠64および基板押さえ板71の移動を妨げることがない。例えば、振動型モータや電磁モータなどの駆動モータによって基板押さえ板71を駆動する際に、棒状または平板型マイクロヒートパイプの反力による影響で、撮像素子の所望位置において、位置きめの不安定さや駆動モータの負荷の増大がすることが避けられる。
また、手ぶれ補正のための駆動源が電磁駆動モータであって、ムービングコイル型のアクチュエータを使用する場合にはその電力駆動信号線をベローズ接続管83,85と重ねて配置することも可能となる。さらに、上記駆動信号線がXおよびY軸用それぞれの電力駆動線が2つに分離されている場合には棒状または平板型マイクロヒートパイプも分離することができ、駆動モータヘの過負荷を防止することが可能となる。
また、図示していないが、合成樹脂からなるカメラ構造体において、ストロボ回路や撮像画像処理回路、電源制御回路などのプリント基板、または、液晶表示部および操作部基板と撮像素子支持板との間に介在した金属材料(ステンレス鋼材、アルミニウム材など)の凹凸形状の仕切り板や外部へ露出する金属材料(ステンレス材料、アルミニウム材料など)の前カバー、後カバー、外装体と電気的に導通するアース端子などに対してフィン付き伝熱ブロック体の一部の面(棒状および平板型ヒートパイプ(凝縮部)が接する面)をカシメ加工、弾性力のあるクリップ、小ネジなどにより直接的に接触させて固定する構造を採用することもできる。さらには棒状および平板型ヒートパイプを金属性外装カバーに、また、液晶表示部や操作部基板を覆う金属材料からなる仕切り板と熱伝導率の高い両面テープで接合することも可能である。これらの構造を採用した場合、撮像素子や回路部品の発熱による機器本体の温度上昇を極めて効率よく抑制することができる。
この発明は、上記各実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記各実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
本発明による撮像モジュールは、パッケージタイプまたはベアチップタイプの撮像素子を用いた電子機器例えば、携帯または据え置き用カメラまたはカメラユニットの撮像素子の熱源で発生した熱をヒートパイプを用いて効率がよく冷却し、且つ、撮像素子の組み立てを複雑化することなく、軽量かつ小型化の撮像モジュールとして利用が可能である。
本発明の第一の実施形態である電子機器としての一眼レフデジタルカメラの要部の光軸を含む縦断面図である。 図1のデジタルカメラに内蔵される冷却式撮像モジュールを含む断面図である。 図2の撮像モジュールの撮像素子冷却ユニットまわりの断面図である。 図3のA矢視図である。 図3のB−B断面図である。 図1の一眼レフデジタルカメラに適用される撮像素子冷却ユニットの変形例を光軸方向から見た図である。 図1の一眼レフデジタルカメラに適用される撮像素子冷却ユニットの別の変形例の断面図である。 図7のC−C断面図である。 本発明の第二の実施形態の冷却式撮像モジュールを内蔵するレンズマウントの光軸を含む縦断面図である。 図9のレンズマウントに組み込まれる冷却式撮像モジュールの光軸を含む縦断面図である。 図10のD矢視図である。 図10のE矢視図である。 本発明の第三の実施形態の冷却式撮像モジュールを構成する撮像部の光軸を含む縦断面図である。 図13のF−F断面図である。 上記第三実施形態の冷却式撮像モジュールを構成する放熱部の断面図である。 従来の撮像ユニットを内蔵するカメラの縦断面図である。 従来の電子機器に内蔵される熱発生源のCPUを冷却するためコンテナの断面図である。
符号の説明
9 …フォーカシングスクリーン
(フォーカス検出用光学系)
11 …接眼レンズ(ファインダ)
12 …液晶モニタ装置(画面表示部)
21,42,62…撮像素子
22,66…撮像素子支持板
(第二のヒートパイプ保持手段,保持部材)
28,47,67…絶縁シート
31,32,31A,32A,31B,32B,
31c,32c,74…ヒートパイプの蒸発部
31d,32d,86b…ヒートパイプの凝縮部
33,34,51,52,75,76
…伝熱板(第一のヒートパイプ保持手段)
35,68…接続FPC(プリント基板)
44…セラミックパッケージ(支持部材)
46 …接続プリント基板
(プリント基板,可撓性樹脂ケーブル)
48,49…(ヒートパイプ)
64 …移動枠(移動部材)
71 …基板押さえ板(移動部材)
82,84…可撓性合成樹脂管
(可撓性樹脂ケーブル)
93…プリント基板支持台(固定部材)

Claims (8)

  1. 非撮像面側に絶縁シートを有する撮像素子と、該撮像素子に接続され、上記絶縁シートに対向する位置に開口部が形成されたプリント基板と、上記撮像素子および上記プリント基板を支持し、さらに、作動流体が循環する蒸発部と凝縮部とを備えたヒートパイプを保持する保持部とを有する撮像素子モジュールにおいて、
    上記保持部は、上記絶縁シートと上記ヒートパイプの蒸発部との間に開ロ部を設け、上記蒸発部を保持する第一のヒートパイプ保持手段と、上記ヒートパイプの凝縮部を保持する第二のヒートパイプ保持手段とを備えていることを特徴とする撮像素子モジュール。
  2. 上記第一のヒートパイブ保持手段は、高熱伝導性金属材料、または、フィラー入り合成樹脂材料からなり、上記蒸発部に結合されることを特徴とする請求項1に記載の撮像素子モジュール。
  3. 上記第一のヒートパイプ保持手段の表面には、アルマイト処理、または、規則性のエンボス処理、または、不規則性のエンボス処理のいずれかの処理が施されていることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像素子モジュール。
  4. 上記ヒートパイプは、蒸発部と凝縮部との複数の対からなり、且つ、それぞれの蒸発部同士が対向する位置に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像素子モジュール。
  5. 上記ヒートパイプの外形断面形状は、円形または矩形または長円のいずれかであることを特徴とする請求項1または4記載の撮像素子モジュール。
  6. 固定部材と、上記固定部材に対して移動可能に支持される移動部材と、非撮像面側に絶縁シートを有する撮像素子と、該撮像素子に接続され、上記絶縁シートに対向する位置に開口部が形成されたプリント基板と、上記移動部材に支持され、上記撮像素子および上記プリント基板を支持する部材であって、かつ、作動流体が循環する蒸発部と凝縮部とを備えたヒートパイプが保持される撮像素子ヒートパイプ保持板とを有する撮像素子モジュールにおいて、
    上記プリント基板の開口部は、上記絶縁シートと上記ヒートパイプの蒸発部との間に位置し、上記ヒートパイプの蒸発部は、上記移動部材に配置し、上記ヒートパイプの凝縮部は、上記固定部材に設けられる伝熱ブロック体に配置し、上記蒸発部と上記凝縮部との間に可撓性樹脂ケーブルを配置したことを特徴とする撮像素子モジュール。
  7. 上記可撓性樹脂ケーブルは、プリント基板と接合して構成されていることを特徴とする請求項6記載の撮像素子モジュール。
  8. 撮影レンズが装着された機器筐体と、
    上記撮像素子で取得した画像データが再生可能な画面表示部と、
    請求項1、または、6に記載の撮像素子モジュールと、
    を備えたことを特徴とする電子機器。
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