JP2008233763A - 電子写真用キャリア、並びに、これを用いた電子写真用現像剤、電子写真用現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真用キャリア、並びに、これを用いた電子写真用現像剤、電子写真用現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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章洋 飯塚
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Abstract

【課題】帯電特性、磁性体粒子との密着性に優れた電子写真用キャリアであって、かぶりや白抜けのない高画質が形成される電子写真用キャリアを提供することにある。さらに該キャリアを用いた電子写真用現像剤、電子写真用現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することにある。
【解決手段】少なくとも、磁性体粒子と、該磁性体粒子の表面を被覆する被覆樹脂層と、を有し、該被覆樹脂層は、側鎖にシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルと側鎖に窒素原子を有する(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体を含有し、該共重合体の酸価が10mgKOH/g以上40mgKOH/g以下であることを特徴とする電子写真用キャリア。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真用キャリア、並びに、これを用いた電子写真用現像剤、電子写真用現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
電子写真法など静電潜像を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々の分野で利用されている。電子写真法においては、帯電、露光工程により感光体上に静電潜像を形成し、トナーを含む現像剤で静電潜像を現像し、転写、定着工程を経て可視化される。
ここで用いられる現像剤には、トナーとキャリアからなる二成分現像剤と、磁性トナーなどのようにトナー単独で用いられる一成分現像剤とがある。その中でも二成分現像剤は、キャリアが現像剤の攪拌・搬送・帯電などの機能を分担し、現像剤として機能分離されているため、制御性がよいなどの特徴があり、現在広く用いられている。特に、樹脂被覆を施したキャリアを用いる現像剤は、帯電制御性が優れ、環境依存性の改善が比較的容易である。
芯材との密着性向上のために、脂環式メタクリル酸エステルと鎖式メタクリル酸エステルの重合体を被覆樹脂として用いたキャリアが提案されている(特許文献1参照)。
さらに環境依存性を抑制するという観点から、酸価が2〜40mgKOH/gのビニル系共重合体を被覆樹脂層として用いたキャリアが提案されている(特許文献2参照)
特開平7−114219号公報 特開平10−333364号公報
文献1のごとく、該鎖式メタクリル酸エステルは親水性が高いことから、当該キャリアは湿度等の環境変化に伴う帯電変化(環境依存性)が生じることがある。また樹脂自体がもろいことから、現像機内で攪拌等により被覆樹脂が削られ、そのためキャリアの帯電能力が低下し、その結果現像に必要な帯電量の確保のために現像剤中のトナー量が増加し、現像量が低下する、または該現像剤中のトナー量を増加した結果としてトナーが現像器から飛散し、画像汚染(かぶり)を生じることがある。
また、磁性キャリアとトナーとからなる二成分現像剤を用いた場合、トナーの現像は、現像ロールに所定の現像バイアスを印加し、現像ロールと像担持体との間に現像電界を作用させることで静電潜像にトナーを移動させるが、このようなプロセスにおいて、磁性キャリアの一部が静電吸引力によって像担持体表面に移動してしまうという現象が生ずることがある。
一方、現像剤の製造工程や現像装置内で発生した微粉キャリア(破砕されたキャリア)は、略球形状の正常なキャリアとは異なり、鋭利な破片形状の場合が多い。従って、前述の磁性キャリアの一部が静電吸引力によって像担持体表面に移動してしまうという現象が発生するとトナー像を被転写材に転写する際に、転写電界や、像担持体と被転写材との間の転写圧力を受けることにより、微粉キャリアが像担持体表面に埋没し易くなると共に、像担持体表面に付着するとそのまま固着してしまい、画像における白抜けを生じる。
このように、帯電特性、芯材(磁性体粒子)との密着性に優れ、かぶりや白抜けのない高画質を実現するキャリアは現在までに見出されていないのが現状である。
本発明の目的は、帯電特性、磁性体粒子との密着性に優れた電子写真用キャリアであって、かぶりや白抜けのない高画質が形成される電子写真用キャリアを提供することにある。
さらに本発明の目的は、該キャリアを用いた電子写真用現像剤、電子写真用現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することにある。
上記課題は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明は、
<1> 少なくとも、磁性体粒子と、 該磁性体粒子の表面を被覆する被覆樹脂層と、を有し、該被覆樹脂層は、側鎖にシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルと側鎖に窒素原子を有する(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体を含有し、該共重合体の酸価が10mgKOH/g以上40mgKOH/g以下であることを特徴とする電子写真用キャリア。
<2>前記共重合体における前記側鎖にシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの含有量が90重量%以上98重量%以下であることを特徴とする前記<1>に記載の電子写真用キャリア。
<3>前記共重合体の重量平均分子量Mwが3万以上15万以下であることを特徴とする前記<1>または<2>に記載の電子写真用キャリア。
<4>前記磁性体粒子は下記式(1)を満たすことを特徴とする前記<1>から<3>までのいずれかに記載の電子写真用キャリア。
式(1):2.0≦A/a≦7.0
[ここで式(1)中、Aは前記磁性体粒子のBET比表面積(単位:m/g)、aは前記磁性体粒子の球形換算比表面積(単位:m/g)を示し、該球形換算比表面積aは、前記磁性体粒子の体積平均粒子径をd(単位:μm)、前記磁性体粒子の真比重をρ(単位:無次元)とした時、a=6/(d×ρ)で表される。]
<5>前記側鎖にシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが(メタ)アクリル酸シクロヘキシルであることを特徴とする前記<1>から<4>までのいずれかに記載の電子写真用キャリア。
<6>前記被覆樹脂層は、導電剤を含有することを特徴とする前記<1>から<5>までのいずれかに記載の電子写真用キャリア。
<7>トナーと、前記<1>から<6>までのいずれかに記載の電子写真用キャリアと、を含有することを特徴とする電子写真用現像剤。
<8>画像形成装置に脱着可能であり、少なくとも、静電潜像保持体表面上に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段に供給するための現像剤を収納し、該現像剤は、前記<7>に記載の電子写真用現像剤であることを特徴とする電子写真用現像剤カートリッジ。
<9>前記<7>に記載の電子写真用現像剤を収納すると共に、静電潜像保持体表面上に形成された静電潜像を前記電子写真用現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、静電潜像保持体、該静電潜像保持体表面を帯電させるための帯電手段、及び該静電潜像保持体表面に残存したトナーを除去するためのクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一種と、を備え、画像形成装置に脱着されることを特徴とするプロセスカートリッジ。
<10>少なくとも、静電潜像保持体と、該静電潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、該静電潜像保持体表面上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像を現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、該トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、該記録媒体に該トナー像を定着する定着手段と、を備え、該現像剤が、前記<7>に記載の電子写真用現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、帯電特性、磁性体粒子との密着性に優れた電子写真用キャリアであって、かぶりや白抜けのない高画質が形成される電子写真用キャリアを提供することができる。
さらに本発明によれば、該キャリアを用いた電子写真用現像剤、電子写真用現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することができる。
[電子写真用キャリア]
実施の形態の電子写真用キャリア(以下、キャリアと略す場合がある)は、磁性体粒子と、磁性体粒子の表面を被覆する被覆樹脂層を有している。また被覆樹脂層は、側鎖にシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルと側鎖に窒素原子を有する(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体を含有し、共重合体の酸価が10mgKOH/g以上40mgKOH/g以下であることを特徴とする。
実施の形態のキャリアは、帯電特性、磁性体粒子との密着性に優れ、かぶりや白抜けのない高画質を形成することができるといった効果を奏する。この理由は定かではないが、以下の理由によるものと推測される。
シクロアルキル基を有するアクリル樹脂は、疎水性が高く、帯電環境差に対して優れているが、磁性体粒子との密着性及び、樹脂の脆さに問題がある。そこで、シクロアルキル基を有するモノマーと窒素原子を有するモノマーを共重合させることにより、窒素原子を有するモノマーが磁性体粒子側に配向し、磁性体粒子と樹脂との密着性を確保することできる。一方で、シクロアルキル基はキャリア表面へ配向するが、ベンゼン環のようなπ電子雲を持たないため、配向が進みシクロアルキル基の面同士が揃ってくると被覆膜がもろくなり、磨耗に対して弱くなってしまう。
そこで、アクリル酸あるいはメタクリル酸を加える(酸価を高くする)ことにより、シクロアルキル基の配向をある程度崩すことができるとともに、カルボキシル基同士の水素結合により、被覆膜をより強固なものにすることができると考えられる。
また実施の形態の磁性体粒子は後述する式(1)を満たすことが好ましく、これによりシクロアルキル基を有する樹脂を被覆樹脂層に用いても、被覆樹脂層の剥離をより抑制し、長期間の現像機内攪拌に耐えるキャリアとすることができるため、かぶりや白抜けのない高画質画像を長期にわたって安定的に提供することができると考えられる。
−被覆樹脂層−
被覆樹脂層は側鎖にシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルと側鎖に窒素原子を有する(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体を含有する。
前記被覆樹脂層は、後述する磁性体粒子の表面を被覆するものである。
側鎖にシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルにおけるシクロアルキル基としては、炭素数3以上10以下のシクロアルキル基が挙げられ、具体的には例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、アダマンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、イソボニル基、ノルボニル基、ボロニル基等を挙げることができる。なかでも、シクロヘキシル基、シクロペンチル基が好ましく、構造上安定であることにより磁性体粒子との密着性が高いという観点からシクロヘキシル基が特に好ましい。
(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸、メタクリル酸のいずれかまたは両方を意味する。
実施の形態においては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルのいずれも用いることができるが、共重合したポリマーのガラス転移温度の観点からメタクリル酸エステルがより好ましい。
側鎖にシクロアルキル基を有するとは、(メタ)アクリル酸エステルを主鎖構造とし、側鎖にシクロアルキル基を有するということである。
側鎖にシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの共重合体における含有量は90重量%以上98重量%以下であることが好ましく、91重量%以上97重量%以下であることがより好ましく、92重量%以上96重量%以下であることが特に好ましい。上記範囲とすることで、疎水性が高いことから、高温高湿/低温低湿環境下での帯電差を小さくすることができる。
側鎖に窒素原子を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、窒素原子を有しているものであれば、特に制限なく用いることができる。
窒素原子を有する置換基としては、アミノ基、メチルアミノ基、カルバモイル基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基、スルホンアミド基、スルファモイル基カルバモイル基アミド基等を挙げることができる。
具体的には例えば、エステル化合物(ポリアミド、ポリイミド等)やジメチルアミノメチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノメチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジメチルアミノメチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノメチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジエチルアミノメチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピルメタクリレート、N,N−ジプロピルアミノメチルアクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチルアクリレート、N,N−ジプロピルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジプロピルアミノメチルメタクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジプロピルアミノプロピルメタクリレート、N,N−メチルエチルアミノメチルアクリレート、N,N−メチルエチルアミノエチルアクリレート、N,N−メチルエチルアミノプロピルアクリレート、N,N−メチルエチルアミノメチルメタクリレート、N,N−メチルエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−メチルエチルアミノプロピルメタクリレート、N,N−メチルプロピルアミノメチルアクリレート、N,N−メチルプロピルアミノエチルアクリレート、N,N−メチルプロピルアミノプロピルアクリレート、N,N−メチルプロピルアミノメチルメタクリレート、N,N−メチルプロピルアミノエチルメタクリレート、N,N−メチルプロピルアミノプロピルメタクリレート、N,N−エチルプロピルアミノメチルアクリレート、N,N−エチルプロピルアミノエチルアクリレート、N,N−エチルプロピルアミノプロピルアクリレート、N,N−エチルプロピルアミノメチルメタクリレート、N,N−エチルプロピルアミノエチルメタクリレート、N,N−エチルプロピルアミノプロピルメタクリレート等を挙げることができる。
なかでも、帯電付与能力の観点からジメチルアミノエチルメタクリレートが好ましい。
側鎖に窒素原子を有する(メタ)アクリル酸エステルの共重合体における含有量は0.1重量%以上8.5重量%以下であることが好ましく、0.5重量%以上8.0重量%以下であることがより好ましく、0.8重量%以上5.0重量%以下であることが特に好ましい。
上記範囲とすることで、良好な帯電特性を保つことができる。
側鎖に窒素原子を有するとは、(メタ)アクリル酸エステルを主鎖構造とし、側鎖に窒素原子を含有する置換基を有するということである。
側鎖にシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルと側鎖に窒素原子を有する(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体における重合比は、99.5:0.5〜92:8であることが好ましく、99.5:0.5〜95:5であることがより好ましい。
上記範囲とすることで、キャリアとしての良好な帯電特性を保ちながら、被覆樹脂層と磁性体粒子との密着性、流動性を向上させることができる。
上記共重合体には、実施の形態の効果を損なわない範囲において、他の成分を含有することができる。
側鎖にシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルと側鎖に窒素原子を有する(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体の酸価は、10mgKOH/g以上40mgKOH/g以下であることが好ましく、12mgKOH/g以上38mgKOH/g以下であることがより好ましく、15mgKOH/g以上35mgKOH/g以下であることが特に好ましい。
酸価を上記範囲とすることで、共重合体におけるシクロアルキル基のキャリア表面への配向を崩すことができるとともに、カルボキシル基同士の水素結合により、被覆樹脂層の被覆膜をより強固なものにすることができる。
酸価が40mgKOH/g超であると、被覆膜の強度は向上するが、(メタ)アクリル酸がキャリア表面に滲み出て、帯電特性を悪化させる可能性がある。また酸価が10mgKOH/g未満であると膜の強度を充分に向上させることが困難となる場合がある。
共重合体の重量平均分子量Mwは3万以上15万以下であることが好ましく、4万以上14万以下であることがより好ましく、5万以上12万以下であることが特に好ましい。
重量平均分子量を上記範囲とすることで、充分に膜の強度を保つことができる。
重量平均分子量Mwが3万未満であると、分子鎖の絡まりが少なくなるため、重合体におけるシクロアルキル基がキャリア表面に配向しようとする力が強くなり、被覆樹脂の強度を充分保つことが困難となると考えられる。
一方で重量平均分子量Mwが15万超であると分子鎖の絡まりが強くなるため、窒素原子を有する(メタ)アクリル酸エステルが磁性体粒子側へ配向することができず、磁性体粒子との密着性が向上しないばかりでなく、窒素原子を有する(メタ)アクリル酸エステル、アクリル酸、あるいはメタクリル酸がキャリアの表面に出やすくなるため帯電特性が悪化することがある。
また実施の形態に用いる被覆樹脂層には、上記した共重合体以外の他の樹脂を併用しても良い。併用する樹脂としては、例えばポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレア樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
実施の形態のキャリア中における被覆樹脂層の全含有量は、磁性体粒子100重量部に対し、0.5重量部以上10重量部以下の範囲が好ましく、さらに好ましくは1重量部以上5重量部以下、特に好ましくは1重量部以上3重量部以下である。被覆樹脂層の含有量が0.5重量部より少ないと、磁性体粒子の表面露出が多すぎるため、現像電界が注入しやすくなる可能性がある。また被覆樹脂層の含有量が10重量部より多いと、被覆樹脂層から遊離する樹脂粉が多くなり、初期から現像剤中に剥がれたキャリア樹脂粉が含有されるようになってしまう可能性がある。
被覆樹脂層による磁性体粒子表面の被覆率は80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、100%に近ければ近いほど好ましい。被覆率が80%未満の場合には、長期に渡って使用した場合に被覆樹脂の剥がれ等によりキャリアの電気抵抗が低下し、その結果キャリアへの電荷注入が発生するため、電荷注入が起こったキャリアが感光体上へ移行し、画像上に白抜けが発生してしまう場合がある。
なお、被覆樹脂層の被覆率は、XPS測定により求めることができる。XPS測定装置としては、日本電子製、JPS80を使用し、測定は、X線源としてMgKα線を用い、加速電圧を10kV、エミッション電流を20mVに設定して実施し、被覆樹脂層を構成する主たる元素(通常は炭素)と、磁性体粒子を構成する主たる元素(例えば磁性体粒子がマグネタイトなどの酸化鉄系材料の場合は鉄および酸素)とについて測定する(以下、磁性体粒子が、酸化鉄系である場合を前提に説明する)。ここで、炭素についてはC1sスペクトルを、鉄についてはFe2p3/2スペクトルを、酸素についてはO1sスペクトルを測定する。
これらの各々の元素のスペクトルに基づいて、炭素(A)、酸素(A)、鉄(AFe)の元素個数(A+A+AFe)を求めて、得られた炭素、酸素、鉄の元素個数比率より下記式(I)に基づいて、磁性体粒子単体、および、磁性体粒子を被覆樹脂層で被覆した後(キャリア)の鉄量率を求め、続いて、下記式(II)により被覆率を求めた。
式(I):鉄量率(atomic%)=AFe/(A+A+AFe)×100
式(II):被覆率(%)={1−(キャリアの鉄量率)/(磁性体粒子単体の鉄量率)}×100
各被覆樹脂層の平均膜厚は、0.1μm以上10μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以上3.0μm以下であり、特に好ましくは0.1μm以上1.5μm以下である。被覆樹脂層の平均膜厚が0.1μmよりも薄いと、長時間使用時に被覆樹脂層剥離による抵抗低下が発生したり、キャリアの粉砕を充分に制御し難くなる場合がある。一方、被覆樹脂層の平均膜厚が10μmを超えると、飽和帯電量に達するまでの時間がかかる場合がある。
被覆樹脂層の平均膜厚(μm)は、磁性体粒子の真比重をρ(無次元)、磁性体粒子の体積平均粒径をd(μm)、被覆樹脂層の平均比重をρ、磁性体粒子100重量部に対する被覆樹脂層の全含有量をW(重量部)とすると、以下のようにして求めることができる。
平均膜厚(μm)=[キャリア1個当たりの被覆樹脂量(導電剤等の添加物もすべて含む)/キャリア1個当たりの表面積]÷被覆樹脂層の平均比重=[4/3π・(d/2)・ρ・W]/[4π・(d/2)]÷ρ
=(1/6)・(d・ρ・W/ρ
−磁性体粒子−
実施の形態の磁性体粒子は下記式(1)を満たすことが好ましい。
式(1):2.0≦A/a≦7.0
[ここで式(1)中、Aは前記磁性体粒子のBET比表面積(単位:m/g)、aは前記磁性体粒子の球形換算比表面積(単位:m/g)を示し、該球形換算比表面積aは、前記磁性体粒子の体積平均粒子径をd(単位:μm)、前記磁性体粒子の真比重をρ(単位:無次元)とした時、a=6/(d×ρ)で表される。]
またBET比表面積は、BET方式によって求められる単位質量あたりの比表面積であり、球形換算比表面積aは、磁性体粒子を完全平滑球体と仮定した場合における単位質量あたりの比表面積である。
したがって、(A/a)の値は磁性体粒子表面の凹凸をあらわす。すなわち、(A/a)の値が大きいほど磁性体粒子表面の凹凸が大きく、逆に(A/a)の値が小さいほど磁性体粒子表面が滑らかとなる。
この構成により、実施の形態の電子写真用キャリアでは、より被覆樹脂層を剥離しにくくすることができる。
磁性体粒子表面に適度な凹凸をつけることで、磁性体粒子の表面積を拡大すると同時に、磁性体粒子表面の凹部に樹脂を染み込ませ、被覆樹脂層と磁性体粒子表面との引っかかりを加える効果、すなわちアンカー効果を被覆樹脂層に付与することができるようになる。これにより、被覆樹脂層の剥離を抑制することが可能となる。
磁性体粒子の(A/a)が2.0よりも小さい場合、被覆樹脂層と磁性体粒子との引っかかり、すなわち磁性体粒子表面凹凸による樹脂へのアンカー効果が小さく、現像機攪拌などにより、被覆樹脂層の剥離が生じ、その剥離した樹脂粉(キャリア樹脂剥がれ粉)は帯電的にトナーと逆極性のため、感光体潜像の背景部に現像されることがある。
逆に磁性体粒子の(A/a)が7.0より大きいと、磁性体粒子内部に細孔が存在するようになり、樹脂が磁性体粒子内部に染み込んでしまうため、キャリア表面に磁性体粒子が露出し、キャリア抵抗が低くなりすぎ、現像電界が注入することによって、キャリアスペントが生じるようになってしまうことがある。
実施の形態における磁性体粒子のBET比表面積A(m/g)は、以下の方法により測定する。
測定装置として、BET比表面積計(SA3100、ベックマンコールター社製)を用い、測定試料である多孔質窒化ケイ素微粉末を0.1g精秤し、サンプルチューブに入れた後、脱ガス処理し、多点法の自動測定により得られた数値を、磁性体粒子のBET比表面積Aとする。
また磁性体粒子の球形換算比表面積a(m/g)は、下記式(2)で表される。
式(2):a=6/(d×ρ)
ここで、dは磁性体粒子の体積平均粒径(単位:μm)、ρは磁性体粒子の真比重(単位:無次元)を示す。
球形換算比表面積aは、磁性体粒子を完全平滑球体と仮定した場合における、単位質量あたりの比表面積であるため、以下のようにして導出することができる。
磁性体粒子の体積平均粒径をd(μm)とすると、磁性体粒子1個の表面積S(m)および体積V(m)は、下記式(3)および(4)で表される。
式(3):S=4π×{(d/2)×10−6
式(4):V=(4/3)×π×{(d/2)×10−6
また、磁性体粒子の真比重をρ(無次元)とすると、磁性体粒子の密度はρ×10(g/m)で表され、磁性体粒子1個の質量M(g)は下記式(5)で表される。
式(5):M=V×ρ×10=(1/6)πρd×10−12
よって上記の通り、球形換算比表面積aは単位質量あたりの表面積であるから、下記式(6)のようにして、上記式(2)が導かれる。
式(6):a=S/M=6/(d×ρ)
磁性体粒子の体積平均粒径dは、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、BECKMAN COULTER社製)を用いて測定する。得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径dとする。
また磁性体粒子の真比重ρは、ルシャテリエ比重瓶を用い、JIS−K−0061の5−2−1に準拠して真比重を測定する。操作は次の通りに行う。
(1)ルシャテリエ比重瓶に約250mlのエチルアルコールを入れ、メニスカスが目盛りの位置にくるように調整する。
(2)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2℃になったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取る。(精度0.025mlとする)
(3)試料を約100g量り取り、その質量をW(g)とする。
(4)量り取った試料を比重瓶に入れ泡を除く。
(5)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2℃になったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取る。(精度0.025mlとする)
(6)下記式により真比重を算出する。
D=W/(L2−L1)
ρ=D/0.9982
上記式中、Dは試料の密度(20℃)(g/cm3)、ρは試料の真比重(20℃)、Wは試料の見かけの質量(g)、L1は試料を比重瓶に入れる前のメニスカスの読み(20℃)(ml)、L2は試料を比重瓶に入れた後のメニスカスの読み(20℃)(ml)、0.9982は20℃における水の密度(g/cm3)である。
実施の形態で使用する磁性体粒子は、上記条件を満足すれば、特に制限されるものではないが、例えば、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属;フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物;ガラスビーズなどを挙げることができる。特に、実施の形態に好適に用いられる磁性体粒子としては、表面均一化が容易で帯電性が安定するため、フェライト粒子が好ましい。
磁性体粒子は、造粒、焼結により形成されるが、前処理として、微細に粉砕することが好ましい。粉砕方法は特に問わず、公知の粉砕方法に従って粉砕等することができ、具体的には例えば、乳鉢、ボールミル、ジェットミル等を挙げる事ができる。前処理での最終的な粉砕状態は、材質等によって異なるが、体積平均粒径が2μm以上10μm以下であることが好ましい。2μm未満では、所望の粒径を得ることができない場合があり、10μmを超えると、粒径が大きくなり過ぎるか、あるいは円形度が小さくなってしまう場合がある。
また、焼結温度は従来の場合よりも低く抑えることが好ましく、具体的には、用いる材質によって異なるが、500℃以上1200℃以下が好適であり、600℃以上1000℃以下がより好適である。焼結温度が500℃未満であると、キャリアとして必要な磁力が得られない場合があり、1200℃を超えると、結晶成長が速く、内部構造の不均一化が起こりやすくなり、クラック、ひびが入りやすくなる。
焼結温度を低く抑えるために、焼結工程では、仮焼結を段階的に行うことが好ましい。そのため、全体の焼結にかける時間は長くすることが好ましい。
磁性体粒子の体積平均粒径は、10μm以上100μm以下が好ましく、より好ましくは20μm以上60μm以下である。磁性体粒子の体積平均粒径が10μm未満であると、電子写真用現像剤に用いた場合にトナー・キャリア間の付着力が高くなり、トナーの現像量が減少する場合がある。一方、100μmを超えると、磁気ブラシが荒くなり、きめ細かい画像が形成され難くなる場合がある。
磁性体粒子の磁力は、1000エルステッドにおける飽和磁化が50emu/g以上であることが好ましく、より好ましくは60emu/g以上である。飽和磁化が50emu/gより弱いとキャリアがトナーと共に、感光体上に現像されてしまう場合がある。
磁気特性の測定としての装置は振動試料型磁気測定装置VSMP10−15(東英工業社製)を用いる。測定試料は内径7mm、高さ5mmのセルに詰めて前記装置にセットする。測定は印加磁場を加え、最大1000エルステッドまで掃引する。ついで、印加磁場を減少させ、記録紙上にヒステリシスカーブを作製する。カーブのデータより、飽和磁化、残留磁化、保持力を求める。実施の形態においては、飽和磁化は1000エルステッドの磁場において測定された磁化を示す。
磁性体粒子の体積電気抵抗(体積抵抗率)は、10Ω・cm以上109.5Ω・cm以下の範囲であることが好ましく、10Ω・cm以上10Ω・cm以下の範囲であることがより好ましい。体積電気抵抗が10Ω・cmより小さいと、繰り返し複写によって、現像剤中のトナー濃度が減少した際に、キャリアへ電荷が注入され、キャリア自体が現像されてしまう可能性がある。一方、体積電気抵抗が109.5Ω・cmより大きくなると、際立った該エッジ効果や擬似輪郭等、画質に悪影響を及ぼす場合がある。
上記磁性体粒子の体積電気抵抗(Ω・cm)は以下のように測定する。なお、測定環境は、温度20℃、湿度50%RHとする。
20cmの電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象物を1〜3mm程度の厚さになるように平坦に載せ、層を形成する。この上に前記同様の20cmの電極板を載せ層を挟み込む。測定対象物間の空隙をなくすため、層上に載置した電極板の上に4kgの荷重をかけてから層の厚み(cm)を測定する。層の上下の両電極には、エレクトロメーターおよび高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が103.8V/cmとなるように高電圧を印加し、このとき流れた電流値(A)を読み取ることにより、測定対象物の体積電気抵抗(Ω・cm)を計算する。測定対象物の体積電気抵抗(Ω・cm)の計算式は、下記式に示す通りである。
式:R=E×20/(I−I0)/L
上記式中、Rは測定対象物の体積電気抵抗(Ω・cm)、Eは印加電圧(V)、Iは電流値(A)、I0は印加電圧0Vにおける電流値(A)、Lは層の厚み(cm)をそれぞれ表す。また、20の係数は、電極板の面積(cm)を表す。
特に、被覆樹脂層中に導電剤を含有することで抵抗を調整するキャリアでは、さらに著しい電荷漏洩が生ずるため、この漏洩を抑制することはさらに重要である。またトナーが結晶性樹脂を含有する場合、トナーの発生電荷量も少なくなるため、よりいっそう電荷漏洩を抑制する必要がある。したがってこのような場合、被覆樹脂層表面に、電荷特性が良好な実施の形態のキャリアを用いることが特に有効である。
特に、カーボンブラックなどをキャリア中の導電剤として用いた場合、被覆樹脂層の剥離が起こると黒色のキャリア樹脂剥がれ粉が生じるため、カブリとなって認識されてしまう。透明あるいは白色の導電剤を用いたとしても、キャリア樹脂剥がれ粉によって機内汚染を生じ、露光部を汚染し精細な潜像を形成できなくなったり、帯電器を汚染し感光体を均一に帯電することができず、白点や黒点を生じるようになったりする。したがってこのような場合、被覆樹脂層が剥離しにくい実施の形態のキャリアを用いることが特に有効である。
また、現像機内にトナーとキャリアからなる二成分現像剤が収容され、現像機から定期的あるいは連続的に二成分現像剤の一部を排出する一方、トナーとキャリアを現像機へ供給する現像方式(以下、トリクル方式と称する場合がある。)を用いる画像形成方法においては特に、トナー消費に応じて新しいキャリアが現像機中に供給されることとなるため、被覆樹脂層が剥離しやすいキャリアを用いると、キャリア樹脂剥がれ粉が現像機中に蓄積されることとなる。この場合、導電剤を含んだキャリア樹脂剥がれ粉が現像剤中トナーに付着することにより、現像電界がそのキャリア樹脂剥がれ粉を通してトナーへ注入される。すると電界が注入されたトナーは感光体上の背景部にかぶりとして現像されてしまう。そのためこのような場合においても、被覆樹脂層の剥離を抑制することが非常に重要となり、実施の形態のキャリアを用いることが特に有効である。
−導電剤−
被覆樹脂層には、抵抗を制御するためなどの目的で、必要に応じて導電剤を含むのが好ましい。
導電剤として具体的には例えば、金、銀、銅等の金属粒子;カーボンブラック;ケッチェンブラック;アセチレンブラック;酸化チタン、酸化亜鉛等の半導電性酸化物粒子;酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム粉末等の表面を酸化スズ、カーボンブラック、金属等で覆った粒子;などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
導電剤としては、製造安定性、コスト、導電性等が良好である点で、カーボンブラック粒子が好ましい。
カーボンブラックの種類としては、特に制限はないが、DBP吸油量が50〜250ml/100g程度であるカーボンブラックが、製造安定性に優れて好ましい。
導電剤の体積平均粒径は、0.5μm以下のものが好ましく、より好ましくは0.05μm以上0.5μm以下であり、更に好ましくは、0.05μm以上0.35μm以下である。体積平均粒径が0.5μmより大きいと、導電剤が被覆樹脂層から脱落しやすく、安定した帯電性が得られなくなる可能性がある。
導電剤の体積平均粒径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700:堀場製作所製)を用いて測定する。
測定法としては、界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液50ml中に測定試料を2g加え、超音波分散機(1,000Hz)にて2分間分散して、試料を作製し、測定する。
得られたチャンネルごとの体積平均粒径を、体積平均粒径の小さい方から累積し、累積50%になったところを体積平均粒径とする。
導電剤の体積電気抵抗は、10Ω・cm以上1011Ω・cm以下であることが好ましく、10Ω・cm以上10Ω・cm以下がより好ましい。
また導電剤の体積電気抵抗は、磁性体粒子の体積電気抵抗と同様にして測定する。
導電剤の含有量は、被覆樹脂層全体に対し、1重量部以上50重量部以下が好ましく、3重量部以上20重量部以下がより好ましい。含有量が50重量部より多いと、キャリア抵抗の低下を招き、現像像へのキャリア付着などにより画像欠損を引き起こす場合がある。一方、含有量が1重量部より小さいと、キャリアが絶縁化され、現像時、キャリアが現像電極として働きにくくなり、特にベタ画像を形成した際に該エッジ効果が出る等、ソリッド画像の再現性が劣る場合がある。
また被覆樹脂層は、他に樹脂粒子を含有しても良い。樹脂粒子としては、例えば、熱可塑性樹脂粒子、熱硬化性樹脂粒子等があげられる。これらの中でも、比較的硬度を上げることが容易な観点から熱硬化性樹脂が好ましく、トナーに負帯電性を付与する観点からは、窒素原子を含有する含窒素樹脂による樹脂粒子が好ましい。なお、これらの樹脂粒子は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂粒子の体積平均粒径としては、例えば、0.1μm以上2.0μm以下が好ましく、より好ましくは0.2μm以上1.0μm以下である。樹脂粒子の平均粒径が0.1μm未満であると、被覆樹脂層における樹脂粒子の分散性が非常に悪くなる可能性があり、一方、2.0μmを越えると、被覆樹脂層から樹脂粒子の脱落が生じ易く、本来の効果を発揮しなくなることがある。
樹脂粒子の体積平均粒径は、導電剤の体積平均粒径と同様な測定を行うことによって求めることができる。
被覆樹脂層を磁性体粒子表面に形成する方法としては、特に制限はないが、例えば、導電剤と、被覆樹脂と、を溶剤中に含む被覆樹脂層形成用液を用いる方法などが挙げられる。
例えば、磁性体粒子を被覆樹脂層形成用液に浸漬する浸漬法、被覆樹脂層形成用液を磁性体粒子の表面に噴霧するスプレー法、磁性体粒子を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆樹脂層形成用液と混合し溶剤を除去するニーダーコーター法、等が挙げられる。これらの中でも、実施の形態においては、ニーダーコーター法が好ましい。
被覆樹脂層形成用液に用いる溶剤としては、樹脂のみを溶解することが可能なものであれば、特に制限はなく、それ自体公知の溶剤の中から選択することができる。具体的には例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;などが挙げられる。
被覆樹脂層中に樹脂粒子が分散されている場合において、その厚み方向及びキャリア表面の接線方向に、樹脂粒子が均一に分散しているため、キャリアを長期間使用して被覆樹脂層が摩耗したとしても、常に未使用時と同様な表面形成を保持でき、トナーに対し、良好な帯電付与能力を長期間にわたって維持することができる。
また、被膜樹脂層に導電剤が分散されている場合においては、その厚み方向及びキャリア表面の接線方向に、導電剤が均一に分散しているため、キャリアを長期間使用して被膜樹脂層が摩耗したとしても、常に未使用時と同様な表面形成を保持でき、キャリア劣化を長期間防止することができる。
なお、被膜樹脂層に樹脂粒子と導電剤とが分散されている場合において、上述の効果を同時に奏する事ができる。
<キャリアの特性>
キャリアの体積平均粒径は、15μm以上50μm以下が好ましく、より好ましくは25μm以上40μm以下である。キャリアの体積平均粒径が15μmより小さいと、キャリア汚染が悪化する可能性がある。またキャリアの体積平均粒径が50μmより大きいと、攪拌によるトナー劣化が顕著となる可能性がある。
キャリアの体積平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、BECKMAN COULTER社製)を用いて測定する。
得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径とする。
また、キャリアの形状係数SF1は、100以上145以下であることが好ましい。高画質と現像剤の攪拌効率を両立するためである。
なお、キャリアの形状係数SF1は、下記式(III)により求められる値を意味する。
式(III):SF1=100π×(ML)/(4×A)
ここで、MLはキャリア粒子の最大長、Aはキャリア粒子の投影面積である。なお、キャリア粒子の最大長と投影面積は、スライドガラス上にサンプリングしたキャリア粒子を光学顕微鏡により観察し、ビデオカメラを通じて画像解析装置(LUZEX III、NIRECO社製)に取り込んで、画像解析を行うことにより求めたものである。この際のサンプリング数は100個以上で、その平均値を用いて、式(III)に示す形状係数を求める。
キャリアの飽和磁化は、40emu/g以上であることが好ましく、50emu/g以上であることがより好ましい。
磁気特性の測定としての装置は振動試料型磁気測定装置VSMP10−15(東英工業社製)を用いる。測定試料は内径7mm、高さ5mmのセルに詰めて前記装置にセットする。測定は印加磁場を加え、最大1000エルステッドまで掃引する。ついで、印加磁場を減少させ、記録紙上にヒステリシスカーブを作製する。カーブのデータより、飽和磁化、残留磁化、保持力を求める。実施の形態においては、飽和磁化は1000エルステッドの磁場において測定された磁化を示す。
キャリアの体積電気抵抗は、1×10Ω・cm以上1×1015Ω・cm以下の範囲に制御されることが好ましく、1×10Ω・cm以上1×1014Ω・cm以下の範囲であることがより好ましく、1×10Ω・cm以上1×1013Ω・cm以下の範囲であることが特に好ましい。
キャリアの体積電気抵抗が1×1015Ω・cmを超える場合、高抵抗になり、現像時に現像電極として働きにくくなるため、特にベタ画像部で該エッジ効果が出るなど、ソリッド再現性が低下する場合がある。一方、1×10Ω・cm未満の場合、低抵抗になるため、現像剤中のトナー濃度が低下した時に現像ロールからキャリアへ電荷が注入し、キャリア自体が現像されてしまう不具合が発生しやすくなる場合がある。
またキャリアの体積電気抵抗は、磁性体粒子の体積電気抵抗と同様にして測定を行う。
[電子写真用現像剤]
実施の形態の電子写真用現像剤は、少なくともトナーと、実施の形態の電子写真用キャリアを含む。以下、実施の形態の電子写真用現像剤(以下、現像剤と略す場合がある)について説明する。
トナーとしては、特に制限はなく、公知のトナーを用いることができ例えば、結着樹脂と着色剤を有する着色トナーを挙げることができる。その他にも、結着樹脂と赤外線吸収剤を有する赤外線吸収トナーなどを用いることも可能である。
結着樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα-メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等の単独重合体又は共重合体等が挙げられる。これらの中でも特に代表的な結着樹脂としては、例えばポリスチレン、スチレン-アクリル酸アルキル共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体、ポリスチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン等が挙げられる。
結着樹脂の重量平均分子量Mwは、8万以上20万以下の範囲が好ましく、14万以上19万以下の範囲がより好ましく、15万以上18万以下の範囲が特に好ましい。
上記範囲とすることで、特に高速機のように現像剤に大きなストレスがかかる場合であっても、トナーの劣化を抑制することができる。
尚、実施の形態において、前記結着樹脂のガラス転移温度の測定には、示差走査熱量計(DSC)を用い、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時のJIS K−7121に示す入力補償示差走査熱量測定のオンセット温度として求めることができる。
着色剤としては、特に制限はないが例えば、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デユポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・ブルー15:1、ピグメント・ブルー15:3等が挙げられる。
またトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含むことができる。その際、特にカラートナー等に用いる場合には、色調に影響を与えない無色又は淡色の帯電制御剤が好ましい。その帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯体;サルチル酸もしくはアルキルサルチル酸の金属錯体もしくは金属塩;等を用いることが好ましい。またトナーは、低分子量プロピレン、低分子量ポリエチレン、ワックス等のオフセット防止剤等、その他の公知の成分を含むこともできる。
ワックスは例えば、次のようなものが挙げられる。パラフィンワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体等である。誘導体とは酸化物、ビニルモノマーとの重合体、グラフト変性物を含む。この他に、アルコール、脂肪酸、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、エステルワックス、酸アミド等も利用できる。
またトナーは、内部に無機酸化物粒子を添加しても良い。無機酸化物粒子としては例えば、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO2、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等を例示することができる。これらのうち、特にシリカ粒子、チタニア粒子が好ましい。
無機酸化物粒子の表面は、必ずしも予め疎水化処理されている必要はないが、疎水化処理されていてもよい。疎水化処理されていると、内部の無機粒子の一部がトナー表面に露出した場合においても、帯電の環境依存性およびキャリア汚染性を、効果的に少なく抑えることができる。
疎水化処理は、疎水化処理剤に無機酸化物を浸漬等することにより行うことができる。疎水化処理剤としては特に制限はないが、例えば、シランカップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。これらの中でもシランカップリング剤が好適に挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えばクロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれかのタイプを使用することも可能である。具体的には、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−(トリメチルシリル)ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシピロピルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
疎水化処理剤の量としては、無機酸化物粒子の種類等により異なり一概に規定することはできないが、通常無機酸化物粒子100重量部に対して、5〜50重量部程度が好ましい。
またトナーは、無機酸化物粒子をトナー表面に添加する事もできる。トナー表面に添加される無機酸化物粒子としては、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO2、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等を例示することができる。これらのうち、特にシリカ粒子、チタニア粒子が好ましい。
外添剤としての無機酸化物粒子のトナー全量に対する添加量は、2重量部以上10重量部以下が好ましく、3重量部以上9重量部以下がより好ましく、3.5重量部以上8重量部以下が特に好ましい。
上記範囲とすることで、現像器内で良好な流動性を確保できるため、現像剤にかかるストレスを低減させる効果がある。
無機酸化物粒子は、表面が予め疎水化処理されていることが望ましい。この疎水化処理によりトナーの粉体流動性改善のほか、帯電の環境依存性、キャリア汚染性を効果的に少なく抑えることができる。
疎水化処理は、上記と同様に、疎水化処理剤に無機酸化物を浸漬等することにより行うことができる。疎水化処理剤としては特に制限はないが、例えば、シランカップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。これらの中でもシランカップリング剤が好適に挙げられる。
前記シランカップリング剤としては、例えばクロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれかのタイプを使用することも可能である。具体的にはメチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−(トリメチルシリル)ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシピロピルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
疎水化処理剤の量としては、上記と同様に、無機酸化物粒子の種類等により異なり一概に規定することはできないが、通常無機酸化物粒子100重量部に対して、5〜50重量部程度が好ましい。
トナーの粒度分布については、4μm以下の粒径のトナー粒子が、全トナー粒子数の6〜25個数%であることが好ましく、より好ましくは、6〜16個数%である。4μm以下の粒径のトナー粒子が6個数%未満であると、微小なドット再現性や粒状性に寄与する粒子が少なく、有効な粒径であるがゆえに選択的に消費されるため、繰り返し複写を行うと現像に寄与しにくい粒径のトナーが現像機中へ滞留してしまうため、次第に画質が悪化する場合がある。一方、25個数%を越えると、トナーの流動性が悪化するため、現像剤の搬送性が低下し、現像性に悪影響を及ぼす懸念がある。
また、16μm以上の粒径のトナー粒子は、1.0体積%以下であることが好ましい。1.0体積%より大きいと、細線再現性や階調性に悪影響を及ぼすだけでなく、転写時、16μm以上の粗粉トナーがトナー層中に介在することによって、感光体と転写体の静電的付着状態を妨げる働きをするため、転写効率の低下、ひいては画質の低下を招く恐れがある。
また、トナーの体積平均粒径が、5〜9μmであることが好ましく、高画質を再現するためには上述した粒度分布の好ましい範囲と両立していることが望ましい。体積平均粒径5μm未満であると、トナーの流動性が悪化するばかりでなく、キャリアから十分な帯電能を付与されにくくなるため、背景部へのカブリが生じたり、濃度再現性が低下しやすくなったりする場合がある。体積平均粒径が9μmを越えると、先述したキャリアの特性を十分発揮できず、微細なドットの再現性、階調性、粒状性の改善効果が乏しくなる場合がある。
従って、上述したトナーの粒度分布および体積平均粒径を有することによって、写真や絵画、パンフレット等の画像面積の大きく、濃度階調がある原稿の繰り返し複写においても微細な潜像のドットに対して、忠実な再現性が期待できる。
トナーの粒度分布および体積平均粒径については、後述する。
トナーの製造方法は、一般に使用されている混練粉砕法や湿式造粒法等を利用することができる。ここで、湿式造粒法としては、懸濁重合法、乳化重合法、乳化重合凝集法、ソープフリー乳化重合法、非水分散重合法、in−situ重合法、界面重合法、乳化分散造粒法、凝集・合一法等を用いることができる。
混練粉砕法で実施の形態のトナーを作製するには、結着樹脂、必要に応じて着色剤やその他の添加剤等を、ヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機により充分混合し、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダの如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類を互いに相溶せしめた中に、赤外線吸収剤、酸化防止剤等を分散又は溶解せしめ、冷却固化後粉砕及び分級を行ってトナーを得ることができる。
湿式造粒法によりトナー粒子を作製した場合には、トナー粒子の形状係数は110〜135の範囲であることが好ましい。
ここで上記トナー粒子の形状係数は、キャリアの形状係数SF1と同様にして求められる。
実施の形態の現像剤における、トナーとキャリアの混合重量比としては、トナー重量/キャリア重量が0.01以上0.3以下が好ましく、0.03以上0.2以下がより好ましい。
実施の形態の現像剤は、予め現像手段(現像剤収容容器)内に収容される現像剤としてはもちろんのこと、例えばトリクル現像方式などに利用される供給用現像剤としても適用することができる。
[電子写真用現像剤カートリッジ、画像形成装置、プロセスカートリッジ]
次に、実施の形態の電子写真用現像剤カートリッジ(以下、カートリッジと略す場合がある)について説明する。実施の形態のカートリッジは、画像形成装置に脱着可能であり、少なくとも、静電潜像保持体表面上に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段に供給するための現像剤を収納し、現像剤が既述した実施の形態の現像剤であることを特徴とする。
従って、カートリッジの脱着が可能な構成を有する画像形成装置において、実施の形態の現像剤を収納した実施の形態のカートリッジを利用することにより、温度や湿度等の環境依存性が少ないとともに、被覆樹脂層が剥離しにくく、長期にわたり安定的に画像形成を行うことができる。
ここで実施の形態のカートリッジは、特にトリクル現像方式の画像形成装置に用いる場合、実施の形態の現像剤を収納するカートリッジであっても良いし、トナーを単独で収納するカートリッジと実施の形態のキャリアを単独で収納するカートリッジとを別体としたものであってもよい。
実施の形態の画像形成装置は、静電潜像保持体と、静電潜像保持体表面上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、静電潜像を現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に前記トナー像を定着する定着手段とを少なくとも備え、現像剤が既述した実施の形態の電子写真用現像剤であることを特徴とする。
従って、実施の形態の現像剤を用いた実施の形態の画像形成装置を利用することにより、温度や湿度等の環境依存性が少ないとともに、被覆樹脂層が剥離しにくく、長期にわたり安定的に画像形成を行うことができる。
なお、実施の形態の画像形成装置は、上記のような静電潜像保持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段と、を少なくとも含むものであれば特に限定はされないが、その他必要に応じてクリーニング手段や除電手段等を含んでいていても良い。
また現像手段は、実施の形態の現像剤を収容するための現像剤収容容器と、現像剤を現像剤収容容器に供給するための現像剤供給手段と、現像剤収容容器内に収容されている現像剤の少なくとも一部を、排出するための現像剤排出手段とを備える構成、すなわち、トリクル現像方式を採用しても良い。
ここで、現像剤収容容器に供給するための現像剤(供給用現像剤)は、トナー・キャリア混合重量比が、トナー重量/キャリア重量≧2であることが好ましく、より好ましくは重量比がトナー重量/キャリア重量≧3であり、さらに好ましくはトナー重量/キャリア重量≧5以上である。
このようなトリクル現像方式を用いる場合、被覆樹脂層が剥離しやすい樹脂被覆キャリアを用いると、もともと現像剤収容容器にある現像剤における被覆樹脂層の剥離が起こるだけでなく、現像剤供給手段から現像剤収容容器に随時供給される現像剤における被覆樹脂層の剥離も起こることとなり、トリクル現像方式を用いない場合に比べて、キャリア樹脂剥がれ粉による影響が大きくなる。
しかし、実施の形態の現像剤を用いた実施の形態の画像形成装置を利用すれば、実施の形態の現像剤における樹脂被覆層が剥離しにくく、トリクル現像方式を用いても上記問題が生じにくいため、帯電特性を維持しつつ、かつ、長期にわたり安定的に画像形成を行うことができる。
実施の形態のプロセスカートリッジは、実施の形態の現像剤を収納すると共に、画像形成装置に脱着可能であり、現像手段を備え、かつ、静電潜像保持体、帯電手段、及びクリーニング手段から選択される少なくとも一種を備えることを特徴とする。また、実施の形態のプロセスカートリッジは、その他必要に応じて、除電手段等のその他の部材を含んでいても良い。
したがって、プロセスカートリッジの脱着が可能な構成を有する画像形成装置において、実施の形態のプロセスカートリッジを利用することにより、帯電特性を維持しつつ、被覆樹脂層が剥離しにくく、長期にわたり安定的に画像形成を行うことができる。
以下、実施の形態の電子写真用現像剤カートリッジ、画像形成装置、及びプロセスカートリッジについて、図面を用いて具体的に説明する。
図1は、画像形成装置の好適な一実施形態(第一実施形態)の基本構成を概略的に示す断面図である。図1に示す画像形成装置は、実施の形態のカートリッジを備えた構成となっている。
図1に示す画像形成装置10は、静電潜像保持体12、帯電手段14、静電潜像形成手段16、現像手段18、転写手段20、クリーニング手段22、除電手段24、定着手段26、カートリッジ28を備える。
なお、現像手段18中およびカートリッジ28中に収納される現像剤は、実施の形態の現像剤である。
また図1は便宜上、実施の形態の現像剤を収納した現像手段18およびカートリッジ28を一つずつ備えた構成のみを図示しているが、例えばカラー画像形成装置の場合などは、画像形成装置に応じた数の現像手段18およびカートリッジ28を備えた構成をとることも可能である。
図1示す画像形成装置は、カートリッジ28の着脱が可能な構成を有する画像形成装置であり、カートリッジ28は、現像剤供給管30を通して現像手段18に接続されている。よって画像形成を行う際は、カートリッジ28の中に収納されている実施の形態の現像剤が、現像剤供給菅30を通して現像手段18に供給されることにより、長期間にわたり、実施の形態の現像剤を用いた画像を形成することができる。また、カートリッジ28の中に収納されている現像剤が少なくなった場合には、このカートリッジ28を交換することができる。
静電潜像保持体12の周囲には、静電潜像保持体12の回転方向(矢印A方向)に沿って順に、静電潜像保持体12表面を均一に帯電させる帯電手段14、画像情報に応じて静電潜像保持体12表面に静電潜像を形成させる静電潜像形成手段16、形成された静電潜像に実施の形態の現像剤を供給する現像手段18、静電潜像保持体12表面に当接し静電潜像保持体12の矢印A方向への回転に伴い矢印B方向に従動回転することができるドラム状の転写手段20、静電潜像保持体12表面に当接するクリーニング装置22、静電潜像保持体12表面を除電する除電手段24が配置されている。
静電潜像保持体12と転写手段20との間は、矢印C方向と反対側から不図示の搬送手段により矢印C方向に搬送される記録媒体50が挿通可能である。静電潜像保持体12の矢印C方向側には加熱源(不図示)を内蔵した定着手段26が配置され、定着手段26には圧接部32が設けられている。また、静電潜像保持体12と転写手段20との間を通過した記録媒体50は、この圧接部32を矢印C方向へと挿通可能である。
静電潜像保持体12としては、例えば感光体または誘電記録体等が使用できる。
感光体としては例えば、単層構造の感光体または多層構造の感光体等を用いることができる。また感光体の材質としては、セレンやアモルファスシリコン等の無機感光体や、有機感光体等が考えられる。
帯電手段14としては、例えば、導電性または半導電性のローラー、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触帯電装置、コロナ放電を利用したコロトロン帯電やスコロトロン帯電などの非接触型の帯電装置等、公知の手段を使用することができる。
静電潜像形成手段16としては、露光手段の他に、トナー像を記録媒体表面の所望の位置に形成しうるような信号を形成できるような、従来公知のいずれの手段を使うこともできる。
露光手段としては、例えば、半導体レーザー及び走査装置の組み合わせ、光学系からなるレーザー走査書き込み装置、あるいは、LEDヘッドなど、従来公知の露光手段を使用することができる。均一で、解像度の高い露光像を作るという好ましい態様を実現させるためには、レーザー走査書き込み装置またはLEDヘッドを使うことが好ましい。
転写手段20としては、具体的には例えば、電圧を印加した導電性または半導電性のローラー、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いて、静電潜像保持体12と記録媒体50との間に電界を作り、帯電したトナーの粒子からなるトナー像を転写する手段や、コロナ放電を利用したコロトロン帯電器やスコロトロン帯電器などで記録媒体50の裏面をコロナ帯電して、帯電したトナーの粒子からなるトナー像を転写する手段など、従来公知の手段を使用することができる。
また転写手段20として、二次転写手段を用いることもできる。すなわち、図示しないが二次転写手段は、トナー像を一旦中間転写体に転写した後、中間転写体から記録媒体50にトナー像を二次転写する手段である。
クリーニング手段22としては例えば、クリーニングブレード、クリーニングブラシなどが挙げられる。
除電手段24としては例えば、タングステンランプ、LEDなどが挙げられる。
定着手段26としては、例えば加熱ロールと加圧ロールとからなるような加熱加圧によりトナー像を定着する熱定着器や、フラッシュランプ等による光照射によりトナー像を加熱して定着する光定着器などが利用できる。
加熱ロールまたは加圧ロール等のロール表面を形成する材料は、トナーを付着させない目的で、例えばトナーに対して離型性の優れた材料、シリコンゴムやフッ素系樹脂などであることが好ましい。この際、シリコーンオイル等の離型性液体を、ロール両面に塗布しないことが望ましい。離型性液体は、定着ラチチュードを広くすることに対しては有効であるが、定着される記録媒体に転移する為、画像形成された印刷物にベトツキが生じ、テープを貼れないことやマジックで文字を書き加えられないこと等の問題が生じる可能性がある。この問題は、記録媒体としてOHPなどのフィルムを用いる場合により顕著となる。また離型性液体は、定着画像表面の荒さをスムーズにすることが困難であるため、記録媒体としてOHPフィルムを用いる場合に特に重要となる画像透明性が低下する要因にもなる場合がある。しかし、トナーにワックス(オフセット防止剤)を含む場合には、十分な定着ラチチュードを示すので、定着ロールに塗布されるシリコーンオイル等の離型性液体は必要無い。
記録媒体50としては、特に制限はなく、普通紙や光沢紙等をはじめとする従来公知のものが利用できる。また記録媒体は、基材と基材上に形成された受像層を有するものを利用することもできる。
次に、画像形成装置10を用いた画像形成について説明する。まず、静電潜像保持体12の矢印A方向への回転に伴い、帯電手段14により静電潜像保持体12表面を帯電し、帯電された静電潜像保持体12表面に静電潜像形成手段16により画像情報に応じた静電潜像を形成し、この静電潜像が形成された静電潜像保持体12表面に、静電潜像の色情報に応じて現像手段18から実施の形態の現像剤を供給することによりトナー像を形成する。
次に、静電潜像保持体12表面に形成されたトナー像は、静電潜像保持体12の矢印A方向への回転に伴い、静電潜像保持体12と転写手段20との接触部に移動する。この際、接触部を、記録媒体50が、不図示の用紙搬送ロールにより矢印C方向に挿通され、静電潜像保持体12と転写手段20との間に印加された電圧により、静電潜像保持体12表面に形成されたトナー像が接触部にて記録媒体50表面に転写される。
トナー像を転写手段20に転写した後の静電潜像保持体12の表面は、クリーニング手段22のクリーニングブレードによって残留しているトナーが除去され、除電手段24により除電される。
このようにしてトナー像がその表面に転写された記録媒体50は、定着手段26の圧接部32に搬送され、圧接部32を通過する際に、内蔵された加熱源(不図示)によってその圧接部32の表面が加熱された定着手段26によって加熱される。この際、トナー像が記録媒体50表面に定着されることにより画像が形成される。
図2は、画像形成装置の他の好適な一実施形態(第二実施形態)の基本構成を概略的に示す断面図である。図2に示す画像形成装置は、実施の形態の現像剤(供給用現像剤)を、現像手段内にある現像剤収容容器へ現像剤供給手段により適宜供給すると共に、現像剤収容容器に収容されている現像剤の少なくとも一部を、現像剤排出手段により適宜排出する、トリクル現像方式を採用した構成となっている。
実施の形態の実施形態に係る画像形成装置100は、図2に示すように、矢印aで示すように、時計回り方向に回転する静電潜像保持体110と、静電潜像保持体110の上方に、静電潜像保持体110に相対して設けられ、静電潜像保持体110の表面を負に帯電させる帯電手段120と、帯電手段120により帯電した静電潜像保持体110の表面に、現像剤(トナー)で形成しようとする画像を書き込んで静電潜像を形成する静電潜像形成手段130と、静電潜像形成手段130の下流側に設けられ、静電潜像形成手段130で形成された静電潜像にトナーを付着させて静電潜像保持体110の表面にトナー像を形成する現像手段140と、静電潜像保持体110に当接しつつ矢印bで示す方向に走行するとともに、静電潜像保持体110の表面に形成されたトナー像を転写するエンドレスベルト状の中間転写ベルト150と、中間転写ベルト150にトナー像を転写した後の静電潜像保持体110の表面を除電して、表面に残った転写残トナーを除去し易くする除電手段160と、静電潜像保持体110の表面を清掃して前記転写残トナーを除去するクリーニング手段170とを備える。
帯電手段120、静電潜像形成手段130、現像手段140、中間転写ベルト150、除電手段160、及びクリーニング手段170は、静電潜像保持体110を囲む円周上に、時計周り方向に配設されている。
中間転写ベルト150は、内側から、張架ローラ150A、150B、バックアップローラ150C、及び駆動ローラ150Dによって緊張され、保持されるとともに、駆動ローラ150Dの回転に伴い矢印bの方向に駆動される。中間転写ベルト150の内側における静電潜像保持体110に相対する位置には、中間転写ベルト150を正に帯電させて中間転写ベルト150の外側の面に静電潜像保持体110上のトナーを吸着させる1次転写ローラ151が設けられている。中間転写ベルト150の下方における外側には、記録媒体Pを正に帯電させて中間転写ベルト150に押圧することにより、中間転写ベルト150に形成されたトナー像を記録媒体P上に転写する2次転写ローラ152がバックアップローラ150Cに対向して設けられている。
中間転写ベルト150の下方には、さらに、2次転写ローラ152に記録媒体Pを供給する記録媒体供給装置153と、2次転写ローラ152においてトナー像が形成された記録媒体Pを搬送しつつ、前記トナー像を定着させる定着手段180とが設けられている。
記録媒体供給装置153は、1対の搬送ローラ153Aと、搬送ローラ153Aで搬送される記録媒体Pを2次転写ローラ152に向かって誘導する誘導スロープ153Bと、を備える。一方、定着手段180は、2次転写ローラ152によってトナー像が転写された記録媒体Pを加熱・押圧することにより、前記トナー像の定着を行う1対の熱ローラである定着ローラ181と、定着ローラ181に向かって記録媒体Pを搬送する搬送コンベア182とを有する。
記録媒体Pは、記録媒体供給装置153と2次転写ローラ152と定着手段180とにより、矢印cで示す方向に搬送される。
中間転写ベルト150の近傍には、さらに、2次転写ローラ152において記録媒体Pにトナー像を転写した後に中間転写ベルト150に残ったトナーを除去するクリーニングブレードを有する中間転写体クリーニング手段154が設けられている。
以下、現像手段140について詳細に説明する。現像手段140は、現像領域で静電潜像保持体110に対向して配置されており、例えば、負(−)極性に帯電するトナー及び正(+)極性に帯電するキャリアからなる2成分現像剤を収容する現像剤収容容器141を有している。現像剤収容容器141は、現像剤収容容器本体141Aとその上端を塞ぐ現像剤収容容器カバー141Bとを有している。
現像剤収容容器本体141Aはその内側に、現像ロール142を収容する現像ロール室142Aを有しており、現像ロール室142Aに隣接して、第1攪拌室143Aと第1攪拌室143Aに隣接する第2攪拌室144Aとを有している。また、現像ロール室142A内には、現像剤収容容器カバー141Bが現像剤収容容器本体141Aに装着された時に現像ロール142表面の現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材145が設けられている。
第1攪拌室143Aと第2攪拌室144Aとの間には仕切り壁141Cにより仕切られており、図示しないが、第1攪拌室143A及び第2攪拌室144Aは仕切り壁141Cの長手方向(現像装置長手方向)両端部に連通部が設けられて連通しており、第1攪拌室143A及び第2攪拌室144Aによって循環攪拌室(143A+144A)を構成している。
そして、現像ロール室142Aには、静電潜像保持体110と対向するように現像ロール142が配置されている。現像ロール142は、図示しないが磁性を有する磁性ロール(固定磁石)の外側にスリーブを設けたものである。第1攪拌室143Aの現像剤は磁性ロールの磁力によって現像ロール142の表面上に吸着されて、現像領域に搬送される。また、現像ロール142はそのロール軸が現像剤収容容器本体141Aに回転自由に支持されている。ここで、現像ロール142と静電潜像保持体110とは、逆方向に回転し、対向部において、現像ロール142の表面上に吸着された現像剤は、静電潜像保持体110の進行方向と同方向から現像領域に搬送するようにしている。
また、現像ロール142のスリーブには、不図示のバイアス電源が接続され、所定の現像バイアスが印加されるようになっている(本実施の形態では、現像領域に交番電界が印加されるように、直流成分(DC)に交流成分(AC)を重畳したバイアスを印加)。
第1攪拌室143A及び第2攪拌室144Aには現像剤を攪拌しながら搬送する第1攪拌部材143(攪拌・搬送部材)及び第2攪拌部材144(攪拌・搬送部材)が配置されている。第1攪拌部材143は、現像ロール142の軸方向に伸びる第1回転軸と、回転軸の外周に螺旋状に固定された攪拌搬送羽根(突起部)とで構成されている。また、第2攪拌部材144も、同様に、第2回転軸及び攪拌搬送羽根(突起部)とで構成されている。なお、攪拌部材は現像剤収容容器本体141Aに回転自由に支持されている。そして、第1攪拌部材143及び第2攪拌部材144は、その回転によって、第1攪拌室143A及び第2攪拌室144Aの中の現像剤は互いに逆方向に搬送されるように配設されている。
そして、第2攪拌室144Aの長手方向一端側には、供給用トナー及び供給用キャリアを含む供給用現像剤を第2攪拌室144Aへ適宜供給するための現像剤供給手段146の一端が連結されており、現像剤供給手段146の他端には、供給用現像剤を収容している現像剤カートリッジ147が連結されている。また、第2攪拌室144Aの長手方向一端側には、収容している現像剤を適宜排出するための現像剤排出手段148の一端も連結されており、現像剤排出手段148の他端には図示しないが排出した現像剤を回収する現像剤回収容器と連結されている。
このように現像手段140は、現像剤カートリッジ147から現像剤供給手段146を経て供給用現像剤を現像手段140(第2攪拌室144A)へ適宜供給し、古くなった現像剤を現像剤排出手段148から適宜排出する、所謂トリクル現像方式(現像剤の帯電性能の低下を防止して現像剤交換のインターバルを延ばすために、現像装置内に供給用現像剤(トリクル現像剤)を徐々に供給する一方で、過剰になった(劣化したキャリアを多く含む)劣化現像剤を排出しながら現像を行う現像方式である)を採用している。
ここで本実施形態では、実施の形態の供給用現像剤を収容している現像剤カートリッジ147を用いる構成を一例として挙げたが、現像剤カートリッジ147は、供給用トナーを単独で収納するカートリッジと実施の形態の供給用キャリアを単独で収納するカートリッジとを別体としたものであっても良い。
次に、クリーニング手段170について詳細に説明する。クリーニング手段170は、ハウジング171と、ハウジング171から突出するように配設されるクリーニングブレード172を含んで構成されている。クリーニングブレード172は、静電潜像保持体110の回転軸の延在方向に延びる板状のものであって、静電潜像保持体110における1次転写ローラ151による転写位置より回転方向(矢印a方向)下流側で且つ、除電手段160によって除電される位置より回転方向下流側に、先端部(以下、エッジ部という)が圧接されるように設けられている。
クリーニングブレード172は、静電潜像保持体110が所定方向(矢印a方向)に回転することによって、1次転写ローラ151により記録媒体Pに転写されずに静電潜像保持体110上に保持されている未転写残留トナーや記録媒体Pの紙粉等の異物を、堰き止めて静電潜像保持体110から除去する。
また、ハウジング171内の底部には、搬送部材173が配設されており、ハウジング171における搬送部材173の搬送方向下流側にはクリーニングブレード172により除去されたトナー粒子(現像剤)を現像手段140へ供給するための供給搬送手段174の一端が連結されている。そして、供給搬送手段174の他端は現像剤供給手段146へ合流するように連結されている。
このようにクリーニング手段170は、ハウジング171の底部に設けられた搬送部材173の回転に伴い、供給搬送手段174を通じて未転写残留トナー粒子を現像手段140(第2攪拌室144A)へと搬送し、収容されている現像剤(トナー)とともに攪拌搬送して再利用するトナーリクレームを採用している。
図3は、画像形成装置の他の好適な一実施形態(第三実施形態)の基本構成を概略的に示す断面図である。図3に示す画像形成装置は、実施の形態のプロセスカートリッジを備えた構成となっている。
図3に示す画像形成装置200は、画像形成装置本体(図示せず)に脱着可能に配設されるプロセスカートリッジ210と、静電潜像形成手段216と、転写手段220と、定着手段226とを備えている。
プロセスカートリッジ210は、静電潜像形成のための開口部211Aが設けられた筐体211内に静電潜像保持体212と共に、その周囲に帯電手段214、現像手段218、及びクリーニング手段222を取り付けレール(図示せず)により組み合わせて一体化したものである。なお、プロセスカートリッジ210は、これに限られず、現像手段218と、静電潜像保持体212、帯電手段214、及びクリーニング手段222からなる群から選ばれる少なくとも一種と、を備えていれば良い。
一方、静電潜像形成手段216は、プロセスカートリッジ210の筐体211の開口部211Aから静電潜像保持体212に静電潜像形成可能な位置に配置されている。また、転写手段220は静電潜像保持体212に対向する位置に配置されている。
静電潜像保持体212、帯電手段214、静電潜像形成手段216、現像手段218、転写手段220、クリーニング手段222、定着手段226、及び記録媒体250における個々の詳細については、上記図1の画像形成装置10における静電潜像保持体12、帯電手段14、静電潜像形成手段16、現像手段18、転写手段20、クリーニング手段22、定着手段26、及び記録媒体50と同様である。
また図3の画像形成装置200を用いた画像形成についても、上記図1の画像形成装置10を用いた画像形成と同様である。
以下、実施例を交えて実施の形態を詳細に説明するが、実施の形態は以下に示す実施例のみに限定されるものではない。
(粒度および粒度分布測定方法)
実施の形態におけるトナーの粒度および粒度分布測定について述べる。実施の形態において測定する粒子が2μm以上の場合、測定装置としてはコールターマルチサイザー−II型(ベックマンーコールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマンーコールター社製)を使用した。
測定法としては分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に測定試料を0.5〜50mg加える。これを前記電解液100〜150ml中に添加した。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターマルチサイザー−II型により、アパーチャー径として100μmアパーチャーを用いて2〜60μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布を求めた。測定する粒子数は50000であった。
また実施の形態におけるトナーの粒度分布は以下の方法により求めた。測定された粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、粒度の小さいほうから体積累積分布を描き、累積16%となる体積平均粒径をD16と定義し、累積50%となる体積平均粒径をD50vと定義する。さらに累積84%となる体積平均粒径をD84と定義する。
実施の形態における体積平均粒径は該D50vであり、GSDvは以下の式によって算出した。
GSDv=(D84/D16)0.5
(トナーの形状係数SF1測定方法)
トナー形状係数SF1は、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個のトナーにつき各々の最大長(ML)、投影面積(A)を測定し、以下の式から各粒子のSF1を測定し、これを算術平均することにより得られたものである。
SF1={(ML)/A}×(100×π/4)
酸価の測定はJIS K0070に従って行い、中和滴定法を用いた測定で行った。即ち、適当量の試料を分取し、溶剤(ジエチルエーテル/エタノール混合液)100ml、及び、指示薬(フェノールフタレイン溶液)数滴を加え、水浴上で試料が完全に溶けるまで充分に振り混ぜる。これに、0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、指示薬の薄い紅色が30秒間続いた時を終点とした。酸価をA、試料量をS(g)、滴定に用いた0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液をB(ml)、fを0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液のファクターとした時、A=(B×f×5.611)/Sとして算出した。
磁性体粒子の真比重ρは、ルシャテリエ比重瓶を用い、JIS−K−0061の5−2−1に準拠して真比重を測定する。操作は次の通りに行う。
(1)ルシャテリエ比重瓶に約250mlのエチルアルコールを入れ、メニスカスが目盛りの位置にくるように調整する。
(2)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2℃になったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取る。(精度0.025mlとする)
(3)試料を約100g量り取り、その質量をW(g)とする。
(4)量り取った試料を比重瓶に入れ泡を除く。
(5)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2℃になったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取る。(精度0.025mlとする)
(6)下記式により真比重を算出する。
D=W/(L2−L1)
ρ=D/0.9982
上記式中、Dは試料の密度(20℃)(g/cm3)、ρは試料の真比重(20℃)、Wは試料の見かけの質量(g)、L1は試料を比重瓶に入れる前のメニスカスの読み(20℃)(ml)、L2は試料を比重瓶に入れた後のメニスカスの読み(20℃)(ml)、0.9982は20℃における水の密度(g/cm3)である。
磁性体粒子及びキャリアの体積平均粒径dは、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、BECKMAN COULTER社製)を用いて測定する。得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径dとする
磁性体粒子のBET比表面積A(m/g)は、以下の方法により測定する。
測定装置として、BET比表面積計(SA3100、ベックマンコールター社製)を用い、測定試料である多孔質窒化ケイ素微粉末を0.1g精秤し、サンプルチューブに入れた後、脱ガス処理し、多点法の自動測定により得られた数値を、磁性体粒子のBET比表面積Aとする。
また磁性体粒子の球形換算比表面積a(m/g)は、下記式(2)で表される。
式(2):a=6/(d×ρ)
ここで、dは磁性体粒子の体積平均粒径(単位:μm)、ρは磁性体粒子の真比重(単位:無次元)を示す。
球形換算比表面積aは、磁性体粒子を完全平滑球体と仮定した場合における、単位質量あたりの比表面積であるため、以下のようにして導出することができる。
磁性体粒子の体積平均粒径をd(μm)とすると、磁性体粒子1個の表面積S(m)および体積V(m)は、下記式(3)および(4)で表される。
式(3):S=4π×{(d/2)×10−6
式(4):V=(4/3)×π×{(d/2)×10−6
また、磁性体粒子の真比重をρ(無次元)とすると、磁性体粒子の密度はρ×10(g/m)で表され、磁性体粒子1個の質量M(g)は下記式(5)で表される。
式(5):M=V×ρ×10=(1/6)πρd×10−12
よって上記の通り、球形換算比表面積aは単位質量あたりの表面積であるから、下記式(6)のようにして、上記式(2)が導かれる。
式(6):a=S/M=6/(d×ρ)
磁性体粒子の体積電気抵抗(Ω・cm)は以下のように測定する。なお、測定環境は、温度20℃、湿度50%RHとする。
20cmの電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象物を1〜3mm程度の厚さになるように平坦に載せ、層を形成する。この上に前記同様の20cmの電極板を載せ層を挟み込む。測定対象物間の空隙をなくすため、層上に載置した電極板の上に4kgの荷重をかけてから層の厚み(cm)を測定する。層の上下の両電極には、エレクトロメーターおよび高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が103.8V/cmとなるように高電圧を印加し、このとき流れた電流値(A)を読み取ることにより、測定対象物の体積電気抵抗(Ω・cm)を計算する。測定対象物の体積電気抵抗(Ω・cm)の計算式は、下記式に示す通りである。
式:R=E×20/(I−I0)/L
上記式中、Rは測定対象物の体積電気抵抗(Ω・cm)、Eは印加電圧(V)、Iは電流値(A)、I0は印加電圧0Vにおける電流値(A)、Lは層の厚み(cm)をそれぞれ表す。また、20の係数は、電極板の面積(cm)を表す。
〔磁性体粒子A〜Fについて〕
<磁性体粒子Aの製造>
磁性体粒子Aの製造は、以下のようにして行った。
Fe 70重量部、MnO 22.5重量部、Mg(OH) 6.5重量部を混合し、湿式ボールミルで30時間混合/粉砕してスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、ロータリーキルンを用いて850℃、7時間の仮焼成1を行った。こうして得られた仮焼成1物を、湿式ボールミルで2時間粉砕し、体積平均粒径を2.1μmとした後、更にスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、ロータリーキルンを用いて910℃、6時間の仮焼成2を行った。こうして得られた仮焼成2物を、湿式ボールミルで4.8時間粉砕し、体積平均粒径を5.5μmとした後、更にスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、電気炉を用いて温度950℃で16時間の本焼成を行った。解砕工程、分級工程を経て体積平均粒径36.0μmの磁性体粒子Aを調製した。BET比表面積=0.1332m/gであった。
得られた磁性体粒子Aの特性は、表1の通りである。
<磁性体粒子Bの製造>
磁性体粒子Bの製造は、以下のようにして行った。
Fe 70重量部、MnO 22.5重量部、Mg(OH) 6.5重量部を混合し、湿式ボールミルで30時間混合/粉砕してスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、ロータリーキルンを用いて850℃、7時間の仮焼成1を行った。こうして得られた仮焼成1物を、湿式ボールミルで2時間粉砕し、体積平均粒径を2.1μmとした後、更にスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、ロータリーキルンを用いて910℃、6時間の仮焼成2を行った。こうして得られた仮焼成2物を、湿式ボールミルで7時間粉砕し、体積平均粒径を4.6μmとした後、更にスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、電気炉を用いて温度950℃で20時間の本焼成を行った。解砕工程、分級工程を経て体積平均粒径29.6μmの磁性体粒子Bを調製した。BET比表面積=0.0902m/gであった。
得られた磁性体粒子Bの特性は、表1の通りである。
<磁性体粒子Cの製造>
磁性体粒子Cの製造は、以下のようにして行った。
Fe 70重量部、MnO 22.5重量部、Mg(OH) 6.5重量部を混合し、湿式ボールミルで30時間混合/粉砕してスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、ロータリーキルンを用いて850℃、7時間の仮焼成1を行った。こうして得られた仮焼成1物を、湿式ボールミルで2時間粉砕し、体積平均粒径を2.1μmとした後、更にスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、ロータリーキルンを用いて910℃、6時間の仮焼成2を行った。こうして得られた仮焼成2物を、湿式ボールミルで4.8時間粉砕し、体積平均粒径を5.6μmとした後、更にスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、電気炉を用いて温度920℃で10時間の本焼成を行った。解砕工程、分級工程を経て体積平均粒径35.8μmの磁性体粒子Cを調製した。BET比表面積=0.1895m/gであった。
得られた磁性体粒子Cの特性は、表1の通りである。
<磁性体粒子Dの製造>
磁性体粒子Dの製造は、以下のようにして行った。
Fe 70重量部、MnO 22.5重量部、Mg(OH) 6.5重量部を混合し、湿式ボールミルで30時間混合/粉砕してスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、ロータリーキルンを用いて850℃、7時間の仮焼成1を行った。こうして得られた仮焼成1物を、湿式ボールミルで2時間粉砕し、体積平均粒径を2.1μmとした後、更にスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、ロータリーキルンを用いて910℃、6時間の仮焼成2を行った。こうして得られた仮焼成2物を、湿式ボールミルで4.5時間粉砕し、体積平均粒径を5.8μmとした後、更にスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、電気炉を用いて温度850℃で10時間の本焼成を行った。解砕工程、分級工程を経て体積平均粒径37.6μmの磁性体粒子Cを調製した。BET比表面積=0.2421m/gであった。
得られた磁性体粒子Dの特性は、表1の通りである。
<磁性体粒子Eの製造>
磁性体粒子Eの製造は、以下のようにして行った。
Fe 70重量部、MnO 22.5重量部、Mg(OH) 6.5重量部を混合し、湿式ボールミルで30時間混合/粉砕してスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、ロータリーキルンを用いて850℃、7時間の仮焼成1を行った。こうして得られた仮焼成1物を、湿式ボールミルで2時間粉砕し、体積平均粒径を2.1μmとした後、更にスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、ロータリーキルンを用いて910℃、6時間の仮焼成2を行った。こうして得られた仮焼成2物を、湿式ボールミルで7.0時間粉砕し、体積平均粒径を4.5μmとした後、更にスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、電気炉を用いて温度950℃で24時間の本焼成を行った。解砕工程、分級工程を経て体積平均粒径28.5μmの磁性体粒子Eを調製した。BET比表面積=0.0888m/gであった。
得られた磁性体粒子Eの特性は、表1の通りである。
<磁性体粒子Fの製造>
磁性体粒子Fの製造は、以下のようにして行った。
Fe 70重量部、MnO 22.5重量部、Mg(OH) 6.5重量部を混合し、湿式ボールミルで30時間混合/粉砕してスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、ロータリーキルンを用いて850℃、7時間の仮焼成1を行った。こうして得られた仮焼成1物を、湿式ボールミルで2時間粉砕し、体積平均粒径を2.1μmとした後、更にスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、ロータリーキルンを用いて910℃、6時間の仮焼成2を行った。こうして得られた仮焼成2物を、湿式ボールミルで4.5時間粉砕し、体積平均粒径を5.8μmとした後、更にスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、電気炉を用いて温度840℃で8時間の本焼成を行った。解砕工程、分級工程を経て体積平均粒径37.0μmの磁性体粒子Fを調製した。BET比表面積=0.2926m/gであった。
得られた磁性体粒子Fの特性は、表1の通りである。
Figure 2008233763
〔被覆樹脂層の材料となる樹脂の製造〕
<樹脂Aの製造>
樹脂Aの製造は、以下のようにして行った。
メタクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルメタクリレート)960質量部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(ジメチルアミノエチルメタクリレート)10質量部、メタクリル酸(メチルアクリレート)30質量部、ベンゼン1000質量部、アゾビスイソブチロニトリル20質量部を混合し、60℃に加熱しで8時間振とうし、重合する。反応物をメチルエチルケトンに溶解し、7倍量のヘキサンで沈殿させ、樹脂Aを得た。得られた樹脂は、酸価20.03mg・KOH/g、重量平均分子量108,000であった。
<樹脂Bの製造>
樹脂Bの製造は、以下のようにして行った。
メタクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルメタクリレート)975質量部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(ジメチルアミノエチルメタクリレート)10質量部、メタクリル酸(メチルアクリレート)15質量部、ベンゼン1000質量部、アゾビスイソブチロニトリル20質量部を混合し、60℃に加熱しで8時間振とうし、重合する。反応物をメチルエチルケトンに溶解し、7倍量のヘキサンで沈殿させ、樹脂Bを得た。得られた樹脂は、酸価10.38mg・KOH/g、重量平均分子量104,000であった。
<樹脂Cの製造>
樹脂Cの製造は、以下のようにして行った。
メタクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルメタクリレート)945質量部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(ジメチルアミノエチルメタクリレート)10質量部、メタクリル酸(メチルアクリレート)45質量部、ベンゼン1000質量部、アゾビスイソブチロニトリル20質量部を混合し、60℃に加熱しで8時間振とうし、重合する。反応物をメチルエチルケトンに溶解し、7倍量のヘキサンで沈殿させ、樹脂Cを得た。得られた樹脂は、酸価30.82mg・KOH/g、重量平均分子量97,000であった。
<樹脂Dの製造>
樹脂Dの製造は、以下のようにして行った。
メタクリル酸シクロペンチル(シクロペンチルメタクリレート)930質量部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(ジメチルアミノエチルメタクリレート)10質量部、メタクリル酸(メチルアクリレート)60質量部、ベンゼン1000質量部、アゾビスイソブチロニトリル20質量部を混合し、60℃に加熱しで8時間振とうし、重合する。反応物をメチルエチルケトンに溶解し、7倍量のヘキサンで沈殿させ、樹脂Dを得た。得られた樹脂は、酸価39.84mg・KOH/g、重量平均分子量102,000であった。
<樹脂Eの製造>
樹脂Eの製造は、以下のようにして行った。
アクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルアクリレート)960質量部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(ジメチルアミノエチルメタクリレート)10質量部、メタクリル酸(メチルアクリレート)30質量部、ベンゼン1000質量部、アゾビスイソブチロニトリル20質量部を混合し、60℃に加熱しで8時間振とうし、重合する。反応物をメチルエチルケトンに溶解し、7倍量のヘキサンで沈殿させ、樹脂Eを得た。得られた樹脂は、酸価19.81mg・KOH/g、重量平均分子量107,000であった。
<樹脂Fの製造>
樹脂Fの製造は、以下のようにして行った。
メタクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルメタクリレート)970質量部、メタクリル酸(メチルアクリレート)30質量部、ベンゼン1000質量部、アゾビスイソブチロニトリル20質量部を混合し、60℃に加熱しで8時間振とうし、重合する。反応物をメチルエチルケトンに溶解し、7倍量のヘキサンで沈殿させ、樹脂Fを得た。得られた樹脂は、酸価20.25mg・KOH/g、重量平均分子量110,000であった。
<樹脂Gの製造>
樹脂Gの製造は、以下のようにして行った。
アクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルアクリレート)970質量部、メタクリル酸(メチルアクリレート)30質量部、ベンゼン1000質量部、アゾビスイソブチロニトリル20質量部を混合し、60℃に加熱しで8時間振とうし、重合する。反応物をメチルエチルケトンに溶解し、7倍量のヘキサンで沈殿させ、樹脂Gを得た。得られた樹脂は、酸価20.41mg・KOH/g、重量平均分子量108,000であった。
<樹脂Hの製造>
樹脂Hの製造は、以下のようにして行った。
メタクリル酸メチル(メチルメタクリレート)960質量部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(ジメチルアミノエチルメタクリレート)10質量部、メタクリル酸(メチルアクリレート)30質量部、ベンゼン1000質量部、アゾビスイソブチロニトリル20質量部を混合し、60℃に加熱しで8時間振とうし、重合する。反応物をメチルエチルケトンに溶解し、7倍量のヘキサンで沈殿させ、樹脂Hを得た。得られた樹脂は、酸価19.8mg・KOH/g、重量平均分子量105,000であった。
<樹脂Iの製造>
樹脂Iの製造は、以下のようにして行った。
メタクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルメタクリレート) 982質量部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(ジメチルアミノエチルメタクリレート)10質量部、メタクリル酸(メチルアクリレート)8質量部、ベンゼン1000質量部、アゾビスイソブチロニトリル20質量部を混合し、60℃に加熱しで8時間振とうし、重合する。反応物をメチルエチルケトンに溶解し、7倍量のヘキサンで沈殿させ、樹脂Iを得た。得られた樹脂は、酸価5.38mg・KOH/g、重量平均分子量101,000であった。
<樹脂Jの製造>
樹脂Jの製造は、以下のようにして行った。
メタクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルメタクリレート) 910質量部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(ジメチルアミノエチルメタクリレート)10質量部、メタクリル酸(メチルアクリレート)80質量部、ベンゼン1000質量部、アゾビスイソブチロニトリル20質量部を混合し、60℃に加熱しで8時間振とうし、重合する。反応物をメチルエチルケトンに溶解し、7倍量のヘキサンで沈殿させ、樹脂Jを得た。得られた樹脂は、酸価52.33mg・KOH/g、重量平均分子量105,000であった。
<樹脂Kの製造>
樹脂Kの製造は、以下のようにして行った。
メタクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルメタクリレート)1000質量部、ベンゼン1000質量部、アゾビスイソブチロニトリル20質量部を混合し、60℃に加熱しで8時間振とうし、重合する。反応物をメチルエチルケトンに溶解し、7倍量のヘキサンで沈殿させ、樹脂Kを得た。得られた樹脂は、酸価0.23mg・KOH/g、重量平均分子量106,000であった。
樹脂A〜樹脂Kの詳細について表2に示す。
Figure 2008233763
〔キャリア1〜13について〕
<キャリア1の作製>
・磁性体粒子A:1000重量部
・トルエン:100重量部
・樹脂A:25重量部
・カーボンブラック(VXC−72;キャボット社製):2.6重量部
上記材料のうち、樹脂Aをトルエンにて希釈したのち、カーボンブラックを加え、ホモジナイザーで5分間攪拌し、樹脂溶液を作成した。本樹脂溶液と磁性体粒子Aとを真空脱気型ニーダーに入れ、90℃で20分間攪拌した後、減圧してトルエンを除去し、品温が60℃になるまで冷却攪拌を行い、被覆キャリアを取り出し、75μmの篩分網で篩分し、キャリア1を得た。
<キャリア2の作製>
キャリア1の作製において使用した、磁性体粒子Aを磁性体粒子Bに、樹脂Aを樹脂Bに代えた以外は、キャリア1と同様にしてキャリア2を得た。
<キャリア3の作製>
キャリア1の作製において使用した、磁性体粒子Aを磁性体粒子Cに、樹脂Aを樹脂Cに代えた以外は、キャリア1と同様にしてキャリア3を得た。
<キャリア4の作製>
キャリア1の作製において使用した、磁性体粒子Aを磁性体粒子Dに、樹脂Aを樹脂Dに代えた以外は、キャリア1と同様にしてキャリア4を得た。
<キャリア5の作製>
キャリア1の作製において使用した、樹脂Aを樹脂Eに代えた以外は、キャリア1と同様にしてキャリア5を得た。
<キャリア6の作製>
キャリア1の作製において使用した、樹脂Aを樹脂Fに代えた以外は、キャリア1と同様にしてキャリア6を得た。
<キャリア7の作製>
キャリア1の作製において使用した、樹脂Aを樹脂Gに代えた以外は、キャリア1と同様にしてキャリア7を得た。
<キャリア8の作製>
キャリア1の作製において使用した、樹脂Aを樹脂Hに代えた以外は、キャリア1と同様にしてキャリア8を得た。
<キャリア9の作製>
キャリア1の作製において使用した、樹脂Aを樹脂Iに代えた以外は、キャリア1と同様にしてキャリア9を得た。
<キャリア10の作製>
キャリア1の作製において使用した、樹脂Aを樹脂Jに代えた以外は、キャリア1と同様にしてキャリア10を得た。
<キャリア11の作製>
キャリア1の作製において使用した、樹脂Aを樹脂Kに代えた以外は、キャリア1と同様にしてキャリア11を得た。
<キャリア12の作製>
キャリア1の作製において使用した、磁性体粒子Aを磁性体粒子Eに代えた以外は、キャリア1と同様にしてキャリア12を得た。
<キャリア13の作製>
キャリア1の作製において使用した、磁性体粒子Aを磁性体粒子Fに代えた以外は、キャリア1と同様にしてキャリア13を得た。
上記により得られたキャリア1〜13の詳細について表3に示す。
Figure 2008233763
<トナーの製造>
一例として、実施の形態のトナー製造例を挙げて詳しく説明するが、本発明を何ら限定するものではない。
<樹脂粒子分散液の調製>
・スチレン・・・・・・・・・・・・・・・296重量部
・アクリル酸n−ブチル・・・・・・・・・104重量部
・アクリル酸・・・・・・・・・・・・・・・・6重量部
・ドデカンチオール・・・・・・・・・・・・10重量部
・アジピン酸ジビニル・・・・・・・・・・1.8重量部
(以上、和光純薬(株)製)
以上の成分を混合し溶解した混合物を、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール400)12部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)8重量部をイオン交換水610重量部に溶解した溶液に加えて、フラスコ中で分散し、乳化し、10分間ゆっくりと混合しながら、過硫酸アンモニウム(和光純薬(株)製)8部を溶解したイオン交換水50重量部を投入し、窒素置換を0.1リットル/分で20分行った。その後、フラスコ内を撹拌しながら内容物が73℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、固形分濃度が40重量%となる樹脂粒子分散液を調製した。その分散液の一部を100℃のオーブン上に放置して水分を除去し、分子量を測定したところ、重量平均分子量は32,000であった。
−着色剤分散液の調製−
カーボンブラック・・・・・・・・・・・ 100重量部
(キャボット社製:モーガルL)
非イオン性界面活性剤・・・・・・・・・・ 10重量部
(三洋化成(株)製:ノニポール400)
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・490重量部
以上を混合し、溶解し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて30分間分散し、着色剤(カーボンブラック)を分散させてなる着色剤分散液を調製した。
−離型剤分散液の調製−
パラフィンワックス・・・・・・・・・・ 100重量部
(日本精蝋(株)製:HNP0190、融点85℃)
カチオン性界面活性剤・・・・・・・・・・ 10重量部
(花王(株)製:サニゾールB50)
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・ 390重量部
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径が550nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液を調製した。
トナーIの製造
−凝集粒子の調製−
樹脂粒子分散液・・・・・・・・・・・・・・・・ 320重量部
着色剤分散液・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 80重量部
離型剤分散液・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 96重量部
硫酸アルミニウム(和光純薬(株)製)・・・・・ 1.5重量部
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・ 1270重量部
以上の成分を温度調節用ジャケット付き丸型ステンレス製フラスコ中に収容し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて5,000rpmで5分間分散させた後、フラスコに移動し、25℃、20分間4枚パドルで撹拌しながら放置した。その後撹拌しながらマントルヒーターで加熱し1℃/分の昇温速度で内部が48℃になるまで加熱し、48℃で20分間保持した。次に追加で樹脂粒子分散液80部を緩やかに投入し、48℃で30分間保持したのち、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを6.5に調整した。
その後1℃/分の昇温速度で95℃まで昇温し、30分間保持した。0.1N硝酸水溶液を添加してpHを4.8に調整し、95℃で2時間放置した。その後更に前記1N水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを6.5に調整し95℃で5時間放置した。その後5℃/分で30℃まで冷却した。
出来上がったトナー粒子分散液をろ過し、(A)得られたトナー粒子に35℃のイオン交換水2,000部を添加し、(B)20分撹拌放置し、(C)その後ろ過した。(A)から(C)までの操作を5回繰り返した後、ろ紙上のトナー粒子を真空乾燥機に移し、45℃、1,000Pa以下で10時間乾燥した。なお1,000Pa以下としたのは前述のトナー粒子は含水状態であり、乾燥初期においては45℃でおいても水分が凍結し、その後該水分が昇華するため、減圧時の乾燥機の内部圧力が一定にならないためである。ただし乾燥終了時には100Paで安定した。乾燥機内部を常圧に戻した後、これを取り出して、トナー母粒子を得、このトナー母粒子100部に対してシリカ外添剤(日本アエロシル社製、RY−50)を1.5重量部添加して、ヘンシェルミキサーにて3,000rpm、3分間で混合し、トナーIを得た。
得られたトナーIはD50vが5.8μm、GSDvが1.23、形状係数SF1は132であった。
<現像剤の製造>
上記において製造したキャリア(キャリア1〜13)を100重量部と、上記において製造したトナーIを7重量部とを、それぞれ混合しVブレンダーにて40rpmで20分間混合して現像剤を得た。
この現像剤について、富士ゼロックス社製Docu Centre Color 400改造機を用いて画質評価を行った。改造の内容は、黒現像機のみに現像剤が入っている状態であっても作動するようにしたものである。詳細は以下のとおりである。
<実機評価試験>
Fuji Xerox社製Docu Centre Color 400の改造器に前記現像剤を収容して、クリーニングバイアス120V、高温度高湿度環境下(32℃/85%RH)でテストを行った。得られた現像剤をトナー濃度を一定に保ちながら、画像密度20%の画像を1000枚、20000枚、50000枚出力した後、現像量、かぶり、注入性の評価を行う。
<評価方法>
(現像量)
2cm×5cmのベタパッチを2箇所有する画像をコピーし、用紙への転写前に装置を強制停止させて、現像量(用紙への転写前のトナーの量)を測定した。具体的には、精秤したテープを2つ用意し、潜像保持体表面の2箇所の現像部分をそれぞれ前記テープに粘着性を利用し転写して、トナー採取後のテープを再度精秤し、トナー採取前のテープ質量をそれぞれ差し引いた後に平均化することにより現像量とした。
−判断基準−
○ :現像量4.5±0.5g/m2の範囲内
△ :現像量4.5±0.75g/m2の範囲内
×+:現像量5.25g/m2を超える現像量
×−:現像量3.75g/m2より少ない現像量
(かぶり)
上記(現像量評価方法)における、潜像保持体表面からのテープによるトナー採取時に、前記ベタパッチから10mm離れた箇所の背景部について、現像量評価の場合と同様の方法を用いてテープによるトナー採取を行い、該テープにおける1cm 2 当たりのトナー個数をカウントした。
−判断基準−
○:100個未満
△:100個以上200個未満
×:200個以上
(注入性)
クリーニングバイアスを120V、240Vで、画像中の白抜けについて評価を行った。
−判断基準−
○全く問題なし
△若干問題あり
×かなり問題あり
××非常に問題あり
画像を1000枚出力した後のそれぞれについて評価結果を表4に示す。
Figure 2008233763
画像を20000枚出力した後のそれぞれについて評価結果を表5に示す。
Figure 2008233763
画像を50000枚出力した後のそれぞれについて評価結果を表6に示す。
Figure 2008233763
これらの結果から分かるように、本実施例では、比較例に比べ、帯電特性、磁性体粒子との密着性に優れた電子写真用キャリアであって、かぶりや白抜けのない高画質を提供することができる。また被覆樹脂層が剥離しにくく、長期にわたり安定的に画像形成を行うことができる。
〔トナー1〜5について〕
下記の通りトナー1〜5を製造した。
<トナー1の製造>
・ポリエステル樹脂(ビスフェノールAと1,3−プロパンジオールの共重合体、重量平均分子量(Mw)=153,000):77部
・植物系ワックス(カルナバワックス):6部
・芳香族炭化水素共重合石油樹脂:7部
・SiO粒子(R972;日本アエロジル製):5部
・ピグメントブルー15:3 :5部
上記各成分をヘンシェルミキサーで充分予備混合を行い、2軸型ロールミルにより溶融混練し、冷却後ジェットミルにより微粉砕を行い、さらに風力式分級機で2回分級を行い、平均粒径6.3μm、4μm以下の粒径のトナー粒子数15個数%、16μm以上の粒径のトナー粒子0.7体積%のトナー母粒子aを製造した。
この粒子100部と、外添剤として粒径20nmの疎水性酸化チタン粒子1.0部と40nmの疎水性シリカ粒子1.8部、粒径120nmの疎水性シリカ粒子1.8部をヘンシェルミキサーにて混合してトナー1を調整した。
<トナー2の製造>
トナー1の製造に使用した外添剤を、粒径20nmの疎水性酸化チタン粒子0.8部と40nmの疎水性シリカ粒子1.0部、粒径120nmの疎水性シリカ粒子0.6部に代えた以外は、トナー1と同様にしてトナー2を得た。
<トナー3の製造>
トナー1の製造に使用した外添剤を、粒径20nmの疎水性酸化チタン粒子2.0部と40nmの疎水性シリカ粒子2.5部、粒径120nmの疎水性シリカ粒子2.5部に代えた以外は、トナー1と同様にしてトナー3を得た。
<トナー4の製造>
ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)を97,000とした以外はトナー1と同様にして、平均粒径6.1μm、4μm以下の粒径のトナー粒子数18個数%、16μm以上の粒径のトナー粒子0.5体積%のトナー母粒子bを製造した。
この粒子100部と、外添剤として粒径20nmの疎水性酸化チタン粒子1.0部と40nmの疎水性シリカ粒子1.8部、粒径120nmの疎水性シリカ粒子1.8部をヘンシェルミキサーにて混合してトナー4を調整した。
<トナー5の製造>
ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)を195,000とした以外はトナー1と同様にして、平均粒径6.4μm、4μm以下の粒径のトナー粒子数15個数%、16μm以上の粒径のトナー粒子0.8体積%のトナー母粒子cを製造した。
この粒子100部と、外添剤として粒径20nmの疎水性酸化チタン粒子1.0部と40nmの疎水性シリカ粒子1.8部、粒径120nmの疎水性シリカ粒子1.8部をヘンシェルミキサーにて混合してトナー5を調整した。
上記トナー1〜5の特性を表7に示す。
Figure 2008233763
上記において製造したキャリア1を100重量部と、上記において製造したトナー(トナー1〜5)を7重量部とを、それぞれ混合しVブレンダーにて40rpmで20分間混合して現像剤1〜5を得た。
上記現像剤1〜5を用いて、前記実機評価試験と同様な試験を行った。画像を1000枚出力した後の現像量、かぶり、注入性の評価について結果を表8に示す。なお評価方法および判断基準は前記したものと同様である。
Figure 2008233763
画像を20000枚出力した後の現像量、かぶり、注入性について結果を表9に示す。
Figure 2008233763
画像を50000枚出力した後の現像量、かぶり、注入性について結果を表10に示す。
Figure 2008233763
これらの結果からわかるように、実施の形態のキャリアを用いた現像剤は、耐久性に優れていることがわかる。
画像形成装置の好適な一実施形態(第一実施形態)の基本構成を概略的に示す断面図である。 画像形成装置の他の好適な一実施形態(第二実施形態)の基本構成を概略的に示す断面図である。 画像形成装置の他の好適な一実施形態(第三実施形態)の基本構成を概略的に示す断面図である。
符号の説明
10、100、200・・・画像形成装置
12、110、212・・・静電潜像保持体
14、120、214・・・帯電手段
16、130、216・・・静電潜像形成手段
18、140、218・・・現像手段
141・・・現像剤収容容器
146・・・現像剤供給手段
148・・・現像剤排出手段
20、220・・・転写手段
152・・・2次転写ローラ
26、180、226・・・定着手段
28、147・・・カートリッジ
210・・・プロセスカートリッジ

Claims (10)

  1. 少なくとも、磁性体粒子と、
    該磁性体粒子の表面を被覆する被覆樹脂層と、を有し、
    該被覆樹脂層は、側鎖にシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルと側鎖に窒素原子を有する(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体を含有し、
    該共重合体の酸価が10mgKOH/g以上40mgKOH/g以下であることを特徴とする電子写真用キャリア。
  2. 前記共重合体における前記側鎖にシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの含有量が90重量%以上98重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用キャリア。
  3. 前記共重合体の重量平均分子量Mwが3万以上15万以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子写真用キャリア。
  4. 前記磁性体粒子は下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の電子写真用キャリア。
    式(1):2.0≦A/a≦7.0
    [ここで式(1)中、Aは前記磁性体粒子のBET比表面積(単位:m/g)、aは前記磁性体粒子の球形換算比表面積(単位:m/g)を示し、該球形換算比表面積aは、前記磁性体粒子の体積平均粒子径をd(単位:μm)、前記磁性体粒子の真比重をρ(単位:無次元)とした時、a=6/(d×ρ)で表される。]
  5. 前記側鎖にシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが(メタ)アクリル酸シクロヘキシルであることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の電子写真用キャリア。
  6. 前記被覆樹脂層は、導電剤を含有することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の電子写真用キャリア。
  7. トナーと、
    請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の電子写真用キャリアと、を含有することを特徴とする電子写真用現像剤。
  8. 画像形成装置に脱着可能であり、少なくとも、静電潜像保持体表面上に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段に供給するための現像剤を収納し、該現像剤は、請求項7に記載の電子写真用現像剤であることを特徴とする電子写真用現像剤カートリッジ。
  9. 請求項7に記載の電子写真用現像剤を収納すると共に、静電潜像保持体表面上に形成された静電潜像を前記電子写真用現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、静電潜像保持体、該静電潜像保持体表面を帯電させるための帯電手段、及び該静電潜像保持体表面に残存したトナーを除去するためのクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一種と、を備え、画像形成装置に脱着されることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  10. 少なくとも、静電潜像保持体と、該静電潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、該静電潜像保持体表面上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像を現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、該トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、該記録媒体に該トナー像を定着する定着手段と、を備え、該現像剤が、請求項7に記載の電子写真用現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
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