JP2008216425A - 電気光学装置、駆動方法および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一の走査線112に選択電圧を印加する前に、すべてのデータ線114を、極性とは無関係の電圧Vb(-)でプリチャージし、この後、書込極性に応じた極性に応じた電圧Vg(+)またはVg(-)をプリチャージし、一の走査線112に選択電圧を印加したときに、一のデータ線114と選択電圧を印加した走査線112との交差に対応する画素110の階調に応じ、かつ、書込極性に応じた電圧を、一のデータ線114に供給する。
【選択図】図1
Description
このため、複数行の走査線を順番に選択して、選択した走査線に選択電圧を印加して、TFTをオンさせるとともに、選択走査線に位置する画素電極に対し、階調(明るさ)に応じた電圧のデータ信号を、データ線およびオン状態のTFTを介して供給すると、各液晶容量に対しデータ信号に応じた電圧を保持させることができるので、所定の画像を形成することが可能となる。
ここで、プロジェクタに適用される電気光学装置では、画素間が非常に狭いので、いわゆるディスクリネーション(配向不良)が問題となるが、このディスクリネーションについては、隣接画素同士を互いに同一極性とする面反転方式を採用することで回避することができる(特許文献1参照)。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、このような縦クロストークの発生を抑えた電気光学装置、駆動方法および電子機器を提供することにある。
また、本発明において、前記複数列のデータ線に前記第2電圧を印加するときに、前記一の走査線に選択電圧を印加しても良い。
なお、本発明は、電気光学装置の駆動方法のみならず、電気光学装置、さらには、当該電気光学装置を有する電子機器としても概念することが可能である。
この図に示されるように、電気光学装置10は、制御回路50と液晶表示パネル100とを含む。
このうち、液晶表示パネル100は、表示領域100aの周辺に走査線駆動回路130およびデータ線駆動回路140を内蔵した周辺回路内蔵型となっている。表示領域100aでは、1080行の走査線112が行(X)方向に延在するように設けられ、また、1920列のデータ線114が列(Y)方向に延在するように、かつ、各走査線112と互いに電気的に絶縁を保つように設けられ、さらに、画素110が1080行の走査線112と1920列のデータ線114との交差に対応して、それぞれ配列している。したがって、本実施形態では、画素110が縦1080行×横1920列のマトリクス状に配列することになる。
ここで、各画素110については互いに同一構成なので、i行j列に位置するもので代表させて説明すると、当該i行j列の画素110におけるTFT116のゲート電極はi行目の走査線112に接続される一方、そのソース電極はj列目のデータ線114に接続され、そのドレイン電極は液晶容量120の一端である画素電極118に接続されている。また、液晶容量120の他端は、対向電極108に接続されている。この対向電極108は、全ての画素110にわたって共通であって、本実施形態では、時間的に一定の電圧LCcomが印加されている。
成される。
なお、本実施形態では、液晶容量120において保持される電圧実効値がゼロに近ければ、液晶容量を通過する光の透過率が最大となって白色表示になる一方、電圧実効値が大きくなるにつれて透過率が減少して、ついには透過率が最小の黒色表示になるノーマリーホワイトモードに設定されている。
なお、走査線112が非選択電圧になると、TFT116がオフ(非導通)状態となるが、液晶容量120では、TFT116がオン状態となったときに書き込まれた電圧が、その容量性により保持される。
、供給するものである。ここで、走査線駆動回路130は、選択した走査線への走査信号をHレベルに相当する電圧Vddとし、それ以外の走査線への走査信号をLレベルに相当する非選択電圧(接地電位Gnd)とする。
走査線駆動回路130の構成については、特に詳述しないが、簡単にいえば例えば図5に示されるように、垂直走査期間(F)の最初に供給されるスタートパルスDyを、クロ
ック信号Clyの論理レベルが遷移する(立ち下がり及び立ち上がる)毎に順番にシフト転送して、このシフト信号を走査信号として出力する構成である。
S1920を出力するものである。
なお、サンプリング信号出力回路142の構成については、特に詳述しないが、簡単にいえば例えば図6に示されるように、水平走査期間(H)の最初に供給されるスタートパルスDxを、クロック信号Clxの論理レベルが遷移する毎に順番にシフト転送して、この
シフト信号をサンプリング信号として出力する構成である。
定信号Nrgとの論理和信号を求めて、j列目のTFT146のゲート電極に供給する。また、j列目のTFT146のドレイン電極がj列目のデータ線114に接続されている。
したがって、j列目のTFT146は、サンプリング信号SjがHレベルになると、ま
たは、プリチャージ指定信号NrgがHレベルになると、オン状態になって、画像信号線148に供給されたデータ信号Vidを、j列目のデータ線114にサンプリングすることになる。
制御回路50には、図示しない上位回路から画像データVdが、垂直同期信号Vs、水平同期信号Hsおよびクロック信号Clkに同期して供給される。ここで、画像データVdは、縦1080行×横1920列の画素110の階調を例えば8ビットで指定するデジタルデータであり、図4に示されるように、垂直同期信号Vsで規定される垂直走査期間(F)
にわたって、1行1列〜1行1920列、2行1列〜2行1920列、3行1列〜3行1920列、…、1080行1列〜1080行1920列という画素の順番で供給される。この供給の際に、水平同期信号Hsで規定される水平走査期間(H)において1行分の画
像データVdが供給され、さらに、クロック信号Clkの1周期で1画素分の画像データVdが供給される。
0列の画素の画像データVdが供給終了してから、次の水平走査期間において1列の画素
の画像データVdが供給開始されるまでの期間をいう。
また、ある垂直走査期間において最終行最終列である1080行1920列の画素の画像データVdが供給終了してから、次の垂直走査期間において1行1列の画素の画像デー
タVdが供給開始されるまでの期間を、特に垂直帰線期間という場合もあるが、本説明で
は、水平帰線期間として区別していない。
本実施形態において8ビットの画像データVdは、十進表記の「0」が最低階調の黒色
を指定し、数値が増加するにつれて明るくなる階調を指定し、「255」が最高階調の白色を指定するものとする。上述したように本実施形態ではノーマリーホワイトモードに設定されているので、階調値「255」で指定された白色とする場合には、液晶容量120で保持される電圧の実効値をゼロ近傍とし、階調値「0」で指定された黒色とする場合には、液晶容量120で保持される電圧の実効値を最高値とすれば良いことになる。
詳細には、画像データVdが図4に示されるように供給される場合に、走査制御回路5
2は、1行目の画像データVdが供給される水平走査期間(H)に1行目の走査線112
が選択されるように、同様に、2、3、4、…、1080行の画像データVdが供給され
る水平走査期間(H)にそれぞれ2、3、4、…、1080行目の走査線112が選択されるように、スタートパルスDyおよびクロック信号Clyを出力して走査線駆動回路13
0を制御する。
さらに、走査制御回路52は、ある走査線112が選択される水平走査期間(H)において、1列目の画像データVdが供給されるときにサンプリング信号S1がHレベルとなるように、同様に、2、3、4、…、1920列目の画像データVdが供給されるときにそ
れぞれサンプリング信号S2、S3、S4、…、S1920がHレベルとなるように、スタート
パルスDxおよびクロック信号Clxを出力してサンプリング信号出力回路142を制御す
る。
やや高位側に設定された基準電圧Vc(図6)に対して高位側の電圧をいい、負極性とは
、基準電圧Vcに対して低位側の電圧をいう。
また、本実施形態において書込極性については、電圧Vcを基準とするが、電圧につい
ては、特に説明のない限り、論理レベルのLレベルに相当する接地電位Gndを電圧ゼロの基準としている。
いてLレベルとなる。
なお、この説明では、水平帰線期間Hbの全域にわたってプリチャージ指定信号Nrgが
Hレベルとしているが、水平帰線期間Hbの一部期間においてプリチャージ指定信号Nrg
がHレベルとなるようにしても良い。
本実施形態では、データ線114へのプリチャージを2回に分けて実行する。信号Praは、第1回目のプリチャージを指定する信号であり、同図に示されるように、プリチャージが実行される水平帰線期間Hbの前半期間PaでHレベルとなり、後半期間PbでLレベ
ルとなる。なお、第2回目のプリチャージは、プリチャージ指定信号NrgがHレベルであって、信号PraがLレベルとなることによって指定される。
また、マトリクス状に配列する画素に対してどの極性で書き込むかについては、本実施形態では、垂直走査期間毎の極性反転としている。このため、本実施形態において、極性指定信号Polの論理レベルは、図5に示されるように、同一の垂直走査期間(F)では一定である。
なお、液晶容量120に直流成分が印加されると、液晶が劣化するので、極性指定信号Polは、同図に示されるように、垂直走査期間(F)毎に論理レベルが反転する。
る階調値に応じた電圧であって、極性指定信号Polで指定された極性の電圧のデータ信号Vdaに変換して、スイッチ84における一方の入力端に供給する。
出力する。
第2プリチャージ信号生成回路62は、同図に示されるように、電圧Vg(+)またはVg(-)で交互に切り替わる信号P2を出力するものである。なお、信号P2の電圧切替タイミングは、垂直走査期間(F)の開始時よりも水平帰線期間だけ先んじたタイミングである。
換言すれば、第1プリチャージ信号生成回路61が出力する信号P1の電圧Vb(-)は、
データ線114がとり得る電圧のうち、最も低い電圧である。これは、nチャネル型のTFT116がオフしている場合に、オフリークが最も大きくなる電圧である。
また、第2プリチャージ信号生成回路62が出力する信号P2の電圧Vg(+)、Vg(-)は
、当該電圧が画素電極118に印加されたときに、当該画素電極118で構成される液晶容量120を最低階調の黒色と最高階調の白色とのほぼ中間階調とさせる正極性、負極性電圧である。
なお、電圧Vb(+)およびVb(-)同士、電圧Vg(+)およびVg(-)同士、並びに、電圧Vw(+)およびVw(-)同士は、いずれも電圧Vcを基準に対称の関係にある。
双投型のスイッチ82は、信号PraがLレベルであれば、図において実線の位置となって、他方の入力端に供給された信号P2を選択し、信号PraがHレベルであれば、図にお
いて破線の位置となって、一方の入力端に供給された信号P1を選択して、スイッチ84
の他方の入力端に供給する。
同じく、双投型のスイッチ84は、信号NrgがLレベルであれば、図において実線の位置となって、一方の入力端に供給されたデータ信号Vdaを選択し、信号NrgがHレベルであれば、図において破線の位置となって、他方の入力端に供給された信号、すなわち、スイッチ82により選択された信号P1またはP2を選択して、いずれかで選択した信号をデータ信号Vidとして、液晶表示パネル100(の画像信号線148)に供給する。
、2回目のプリチャージが指定されると信号P2となり、プリチャージの指定が解除され
ていれば、データ信号Vdaとなる。
まず、図4に示されるように、1行目の画素の階調を指定する画像データVdが、1列
〜1080列という順番で供給されるが、その直前の水平走査期間Hbにおいてプリチャ
ージ信号Nrgおよび信号PraがHレベルになって、1回目のプリチャージが指定されたときに、画像信号線148に供給されるデータ信号Vidは、信号P1の電圧Vb(-)となる。
一方、信号NrgがHレベルになると、各列のOR回路144による論理和信号は、サンプリング信号とは無関係にHレベルとなる。このため、1〜1920列のTFT146がオンするので、すべてのデータ線114は、画像信号線148に接続された状態となり、電圧Vb(-)にプリチャージされる。
る。ここで、この水平帰線期間Hbの直後において正極性書込が指定されていれば、信号
P2は、電圧Vg(+)となる。信号Nrgが依然としてHレベルであるから、すべてのデータ
線114は、電圧Vb(-)から電圧Vg(+)にプリチャージされる。
また、1行目の画素の階調を指定する画像データVdが、1列〜1080列という順番
で供給されるので、当該データ信号Vdaは、1行目の画素の階調に応じた正極性電圧となる。
このとき、走査制御回路52は、1行目の画像データVdが供給される水平走査期間(
H)にわたって、走査信号G1がHレベルとなるように走査線駆動回路130を制御する
とともに、画像データVdの供給に同期して、サンプリング信号S1、S2、S3、S4、…
、S1920が順番にHレベルとなるように、サンプリング信号出力回路142を制御する。
なお、信号NrgがLレベルであるので、サンプリング信号がそのまま各列のOR回路144における論理和信号として出力される。
、1920列目のデータ線114には、それぞれ1行2列、1行3列、1行4列、…、1行1920列の画素に対応するデータ信号Vidがサンプリングされる。
一方、走査信号G1がHレベルであると、1行目に位置する画素110におけるTFT
116がすべてオンするので、データ線114にサンプリングされたデータ信号Vidの電圧が画素電極118に印加される。このため、1行目であって1、2、3、4、…、1920列の画素における液晶容量120には、画像データVdで指定された階調に相当する
正極性電圧が書き込まれて、保持されることになる。
最終列の1920列の画素における液晶容量120に対して階調に応じた正極性電圧が書き込まれると、水平帰線期間Hbとなる。
この後、2行目の画素の階調を指定する画像データVdが、1列〜1080列という順
番で供給されて、1行目と同様な動作が実行される。これにより、2行目であって1、2、3、4、…、1920列の画素における液晶容量120には、画像データVdで指定さ
れた階調に相当する正極性電圧が書き込まれて、保持されることになる。
以降同様な動作が1080行目の画像データVdが供給されるまで繰り返される。
すなわち、すべてのデータ線114が1回目で電圧Vb(-)にプリチャージされ、2回目で電圧Vg(+)にプリチャージされた後に、電圧Vg(+)と同じ極性であって階調に応じた電圧のデータ信号が供給される、という動作が、1行目から1080行目まで繰り返される。これにより、すべての画素における液晶容量120には、画像データVdで指定された
階調に相当する正極性電圧が書き込まれて、保持されることになる。
グで電圧Vg(+)からVg(-)に切り替わる。
このため、液晶容量120に対する書き込みの前に、すべてのデータ線114が1回目で電圧Vb(-)にプリチャージされ、2回目で負極性電圧Vg(-)にプリチャージされる。
そして、2回のプリチャージを経た後に、電圧Vg(-)と同じ負極性であって階調に応じた電圧のデータ信号が供給される、という動作が、1行目から1080行目まで繰り返される。これにより、すべての画素における液晶容量120には、画像データVdで指定さ
れた階調に相当する負極性電圧が書き込まれて、保持されることになる。
この図に示されるように、j列目のデータ線は、信号NrgがHレベルであって信号PraがHレベルであるときに、1回目のプリチャージによって電圧Vb(-)になり、信号NrgがHレベルの状態で信号PraがLレベルになったときに、2回目のプリチャージによって電圧Vg(+)になる。さらに、j列目のデータ線は、信号NrgがLレベルになっても電圧Vg(+)を保持し、サンプリング信号SjがHレベルになったときに、データ信号Vidがサンプ
リングされ、これによって当該データ信号Vidの電圧となり、この後、サンプリング信号SjがLレベルになっても保持される、という状態が示されている。
また、図7は、負極性書込が指定される垂直走査期間において、i行目が選択される水平走査期間(H)でのデータ信号Vidの電圧波形の一例を示すとともに、j列目のデータ線114の電圧がどのように変化するのかを示す図である。この図では、データ信号Vidの極性が反転し、これに伴って、2回目のプリチャージ電圧はVg(-)になる。ただし、1回目のプリチャージ電圧は、極性にかかわらず電圧Vb(-)である。
ここで、1回目で電圧Vb(-)にプリチャージしている理由は、液晶容量120におけるTFT116を介したオフリークを促進させて、縦クロストークを目立たなくするためである。この点について詳述する。
正極性電圧を書き込む垂直走査期間において、灰色を背景として黒色の矩形領域をウィンドウ表示させる場合に、当該黒色領域よりも下側に位置し、かつ、当該黒色領域と同列に位置する画素の非選択期間は、背景となる自己の行が選択されてから、次の負極性電圧を書き込む垂直走査期間に移行して黒色を含む領域の複数行の選択を経て、背景となる自己の行が再び選択されるまでの期間である。
nチャネル型のTFT116がオフしている状態のオフ抵抗は、ソース電極に接続されたデータ線114の電圧が低いほど、小さくなる。換言すれば、TFT116のオフリークは、正極性と負極性とでは負極性の方が大きくなり、また、負極性であれば、黒色を指定する電圧の方が大きくなる(ノーマリーホワイトモードである場合)。オフ抵抗が小さくなるにつれ、画素電極118は、ソース電極に接続されたデータ線の電圧に近づく。
灰色領域と黒色領域との双方を含む列のうち、黒色領域よりも下側に位置する画素からみると、当該列のデータ線では、オフリークの影響が最も大きくなる電圧側に振られる期間の占める割合が大きくなる。
これに対して、灰色領域のみを含む列のデータ線では、常に灰色に相当する電圧に保たれるので、オフリークの影響はさほど大きくはならない。
このため、黒色領域よりも下側に位置し、黒色領域と同列に位置する灰色領域の画素は、灰色に相当する正極性電圧が書き込まれた後、次の負極性書込が指定される垂直走査期間に移行して負極性の電圧が書き込まれるまでの間にオフリークが進行するので、黒色領域と異なる列に位置する灰色領域の画素よりも明るくなってしまうのである。
すなわち、負極性電圧を書き込む垂直走査期間において、同様に灰色を背景として黒色の矩形領域をウィンドウ表示させる場合に、灰色領域と黒色領域との双方を含む列のうち、黒色領域よりも上側に位置する画素からみると、当該列のデータ線では、オフリークの影響が最も大きくなる電圧側に振られる期間の占める割合が大きくなる。これに対して、灰色領域のみを含む列のデータ線では、常に灰色に相当する電圧に保たれるので、オフリ
ークの影響はさほど大きくはならない。このため、黒色領域よりも上側に位置し、黒色領域と同列に位置する灰色領域の画素は、灰色に相当する負極性電圧が書き込まれた後、次の負極性書込が指定される垂直走査期間に移行して正極性の電圧が書き込まれるまでの間にオフリークが進行するので、黒色領域と異なる列に位置する灰色領域の画素よりも明るくなってしまうのである。
なお、負極性電圧を書き込む垂直走査期間において、当該黒色領域よりも下側に位置し、かつ、当該黒色領域と同列に位置する画素の非選択期間では、黒色領域が次の垂直走査期間において正極性電圧で書き込まれるので、オフリークの影響が比較的小さい。また、灰色領域のみを含む列のデータ線では、常に灰色に相当する電圧に保たれるので、オフリークの影響はさほど大きくはならない。
このため、黒色領域よりも下側に位置し、負極性電圧が書き込まれる灰色領域の画素は、黒色領域と同列であるか、異なる列であるかにかかわらず、明るさの変化が小さい。
本実施形態では、1回目において、すべてのデータ線114を電圧Vb(-)にプリチャージしている。このため、電圧Vb(-)でプリチャージされる期間では、すべての画素においてTFT116を介したオフリークが促進されるので、図8(b)に示されるように、黒色領域と異なる列に位置する灰色領域も明るくなり、上述した縦クロストークが目立たなくなるのである。
上述したように、データ線114は素子基板に形成され、また、配列ピッチも狭く、さらに、走査線112などと交差するために、様々な容量が寄生する。このため、TFT146のオンによってデータ線114にデータ信号Vidがサンプリングされると、TFT146がオフしても、データ線114では、サンプリングされた電圧が保持される。ここで、プリチャージを実行しない構成とした場合、例えばi行目の走査線を選択して階調に応じた電圧のデータ信号Vidをデータ線にサンプリングする前の電圧状態は、1行前の(i−1)行目の走査線を選択したときにサンプリングしたときの電圧に保持される。したがって、i行目の走査線を選択して、データ線にデータ信号Vidをサンプリングする前の状態は、1行前の表示内容に応じて異なることになる。このため、隣接するデータ線同士で同じ電圧をサンプリングしようとしても、サンプリング前の状態が異なっていると、隣接するデータ線のサンプリング電圧は、TFT146がオフした直後では異なってしまい、同じ階調とすることができない等の不都合がある。
これに対して、本実施形態では、データ線に階調に応じたデータ信号Vidをサンプリングする前の状態は、2回目のプリチャージによる電圧Vg(+)またはVg(-)に揃っているので、上記不都合が発生しない。
さらに、データ線に階調に応じたデータ信号Vidをサンプリングする前に揃えられる電圧Vg(+)またはVg(-)は、当該階調に応じたデータ信号Vidの極性と同一極性であるので、当該階調に応じたデータ信号Vidをデータ線にサンプリングするための充放電量が少な
くて済む。このため、階調に応じたデータ信号Vidをサンプリングするのに要する期間を短くすることが可能となる。
信号をLレベルとしたが、直後にi行目の書き込みを行う場合には、走査信号GiがHレ
ベルとなる期間を時間的前方に延ばして、期間PbにおいてHレベルとなるようにしても
良い。このように2回目のプリチャージの際に、走査信号GiをHレベルにすると、i行
目のTFT116がオンするので、データ線114のみならず、画素電極118も電圧Vg(+)またはVg(-)に揃う。このため、液晶容量120に対し階調に応じた電圧の書き込みに要する期間の短縮化を図ることが可能となる。
さらに、上述した実施形態では、ある1行の走査線112に対応する画素に、階調に応じた電圧を、1列〜1920列のデータ信号Vidを順番にサンプリングすることによって、当該行の画素を1列から1920列まで順に書き込むという、いわゆる点順次の構成としたが、データ信号を時間軸にn(nは2以上の整数)倍に伸長するとともに、n本の画像信号線に供給する、いわゆる相展開(シリアル−パラレル変換ともいう)駆動を併用した構成としても良いし(特開平2000−112437号公報参照)、すべてのデータ線114に対しデータ信号を一括して供給する、いわゆる線順次の構成としても良い。
さらに、実施形態では、電圧無印加状態において白色を表示するノーマリーホワイトモードとしたが、電圧無印加状態において黒色を表示するノーマリーブラックモードとしても良い。
このプロジェクタ2100において、ライトバルブに入射させるための光は、内部に配置された3枚のミラー2106および2枚のダイクロイックミラー2108によってR(赤)、G(緑)、B(青)の3原色に分離されて、各原色に対応するライトバルブ100R、100Gおよび100Bにそれぞれ導かれる。
なお、Bの光路長は、他のRおよびGの光路長と比較して長くなっているので、Bの光路の途中には光路長を補正するために、入射レンズ2122、リレーレンズ2123および出射レンズ2124からなるリレーレンズ系2121を介して導かれる。
略)から供給されるR、G、Bの各色に対応する表示データでそれぞれ駆動されるものである。
ライトバルブ100R、100G、100Bによってそれぞれ変調された光は、ダイクロイックプリズム2112に3方向から入射する。そして、このダイクロイックプリズム2112において、R色およびB色の光は90度に屈折する一方、G色の光は直進する。したがって、各色の画像が合成された後、レンズユニット2114によって拡大投影されるので、スクリーン2120には、カラー画像が表示されることとなる。
Claims (5)
- 複数行の走査線と複数列のデータ線との交差に対応して設けられ、走査線に選択電圧を印加したときに、データ線に供給されるとともに所定電位を基準とした正極性電圧または負極性電圧に応じた階調となる複数の画素を備える電気光学装置の駆動方法であって、
前記複数行の走査線を所定の順番で選択して、前記選択電圧を印加し、
前記複数列のデータ線に対して、一の走査線に前記選択電圧を印加する前に、極性とは無関係の第1電圧を印加し、
前記第1電圧の印加後に、前記正極性または前記負極性に応じた第2電圧を印加し、
前記一の走査線に選択電圧を印加したときに、一のデータ線と前記一の走査線との交差に対応する画素の階調に応じ、かつ、前記第2電圧を印加したときの極性に応じた電圧を、前記一のデータ線に供給する
ことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。 - 前記画素は、
画素電極と対向電極とで液晶を挟持した液晶容量と、
走査線に印加されたときに、データ線と画素電極との間で導通状態となるスイッチング素子と、
を有し、
前記第1電圧は、前記データ線に供給される電圧範囲のうち、前記スイッチング素子が非導通状態であるときに、前記液晶容量のリークが最大となる電圧である
ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の駆動方法。 - 前記複数列のデータ線に前記第2電圧を印加するときに、前記一の走査線に選択電圧を印加する
ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の駆動方法。 - 複数行の走査線と複数列のデータ線との交差に対応して設けられ、走査線に選択電圧が印加されたときに、データ線に供給されるとともに所定電位を基準とした正極性電圧または負極性電圧に応じた階調となる複数の画素と、
前記複数行の走査線を所定の順番で選択して、選択した走査線に前記選択電圧を印加する走査線駆動回路と、
前記複数列のデータ線に対して、一の走査線に前記選択電圧が印加される前に、極性とは無関係の第1電圧を印加し、
前記第1電圧の印加後に、前記正極性または前記負極性に応じた第2電圧を印加し、
前記一の走査線に選択電圧が印加されたときに、一のデータ線と前記一の走査線との交差に対応する画素の階調に応じ、かつ、前記第2電圧を印加したときの極性に応じた電圧を、前記一のデータ線に供給するデータ線駆動回路と、
を具備することを特徴とする電気光学装置。 - 請求項4に記載の電気光学装置を有することを特徴とする電子機器。
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