JP2008188415A - 圧電素子、その製造方法、及び当該圧電素子を具備する超音波探触子 - Google Patents

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Abstract

【課題】超音波の送信時と受信時における動作を分離したアレイ型超音波探触子を採用することにおいて、送信用圧電素子に無機材料を使用し、受信用に高感度有機圧電素子材料を使用することにより絶縁破壊を生じにくく高感度な超音波探触子を得ることである。具体的には、そのための圧電素子、その製造方法、及び当該圧電素子を具備するアレイ型超音波探触子を提供する。
【解決手段】高比誘電率層と低比誘電率層が積層された圧電素子において、高比誘電率層が有機物質で構成され、該圧電素子の両側に電極が配置されたことを特徴とする圧電素子。
【選択図】なし

Description

本発明は、圧電素子、その製造方法、及び当該圧電素子を具備する、医用診断に使用されるアレイ型超音波探触子に関する。
超音波診断装置は超音波パルス反射法により、体表から生体内の軟組織の断層像を低侵襲に得る医療用画像機器である。この超音波診断装置は、他の医療用画像機器に比べ、小型で安価、X線などの被爆がなく安全性が高い、ドップラー効果を応用して血流イメージングが可能等の特長を有し、循環器系(心臓の冠動脈)、消化器系(胃腸)、内科系(肝臓、膵臓、脾臓)、泌尿科系(腎臓、膀胱)、及び産婦人科系などで広く利用されている。このような医療用超音波診断装置に使用される超音波探触子は、高感度、高解像度の超音波の送受信を行うために、PZTと呼ばれる無機圧電素子が一般的に使用される。この場合、送信用圧電素子の振動モードとしては、単一型探蝕子であるシングル型または複数の探蝕子を2次元配置したアレイ型探触子がよく使用される。アレイ型は精細な画像を得ることができるので、診断検査のための医療用画像として広く普及している。
一方、高調波信号を用いたハーモニックイメージング診断は、従来のBモード診断では得られない鮮明な診断像が得られることから標準的な診断モダリティとなりつつある。
ハーモニックイメージングは基本波に比較して、サイドローブレベルが小さいことにより、S/N比が良くコントラスト分解能が良くなること、周波数が高くなることによって、ビーム幅が細くなり横方向分解能が良くなること、近距離では音圧が小さく、音圧の変動が少ないため、多重反射が起こらないこと(アーチファクトがでにくい、スペックルのノイズが低減される。)、焦点以遠の減衰は基本波並みであり、高調波の周波数を基本波とする超音波に比べ深速度を大きく取れること等の多くの利点を持っている。
ハーモニックイメージング用アレイ型超音波探触子の具体的な構造として、アレイを構成する各振動子エレメントが広帯域一体型の圧電振動子が用いられている。その広帯域特性の低周波側の周波数領域で基本波送信を行い、高周波側の周波数領域で高調波受信を行う方法が一般的に利用されている。このような状況下、従来の超音波探触子において、感度向上を図る技術として特許文献1に記載されたものが知られている。これは、微細な柱状の圧電素子を例えばエポキシ樹脂のような有機化合物で固めた振動子を超音波送受信素子として使用し、各柱状無機圧電素子を縦振動を行わせることによって感度向上を図ったものである。
基本波送信超音波のスペクトルと高調波受信超音波のスペクトルがなるべく重ならないように狭帯域超音波が用いられる。狭帯域超音波は一般に尾曳の長い超音波パルス信号なので、深さ方向分解能に悪影響を及ぼすことになる。
他のハーモニツクイメージング用アレイ型超音波探触子の具体的な構造として、例えば特許文献2や特許文献3に記載されているような、送信用圧電振動子と受信用圧電振動子を別体別配置とした送受信分離型探蝕子が提案されている。例えば特許文献3では、基本波を送信し、高調波を含む超音波を受信するのに、第1の音響インピーダンスを有する配列された複数の圧電素子からなる、中心周波数f1の超音波の送受信を担う圧電層と、第2の音響インピーダンスを有する配列された複数の第2の圧電素子からなり、第1の圧電層に重ねられ、中心周波数f2=2f1の超音波の受信を担う第2の圧電層を設けるなどが提案されているが充分な感度が得られていない。
さらに、感度向上を目的として超音波送受信素子にするために無機圧電素子を積層化し、見かけ上のインピーダンスを低下させ駆動回路との電気的な整合条件を良好にし、素子にかかる電界強度を大きくして大きな歪を発生させ送信感度を向上させることが行われている。しかしながら、積層構造では送信感度が積層数に応じて増大するものの、受信感度は積層数に反比例するため、ハーモニックイメージングには不利となっている。
上記特許文献1に記載される複合振動子は、無機圧電素子をダイサ等の切断機によって切断することにより、柱状構造を構成したのち、切断溝をエポキシ樹脂等の有機材料で埋めることにより製造される。また、アレイ型探触子においても同様に各チャンネルの分割はダイサ等の切断機で行われる。
しかしながら、超音波探触子の送受信周波数は、無機圧電素子の厚さに依存するため、高周波になるほど、それらの柱状構造あるいはチャンネルピッチの寸法が小さくなる。したがってダイサ等の切断機による機械加工の行程が増加するとともに、無機圧電素子の機械的強度が低下し、破損や加工時の熱や歪等による特性劣化が無視できなくなり、振動子あるいは探触子製造の歩留りの低下や性能劣化を誘発しやすくなるという問題点を含んでいた。また、所望する周波数に対応する送信用圧電素子を製作するためには両端面の研削および研磨が不可欠であり、製造コストを引き上げる要因となっている。このように無機材料を使用することは有機材料に比べて探蝕子の製造において解決すべき課題があった。
しかしながら、有機材料を使用する場合、有機材料に圧電性を付与するために、高電圧を掛けることや出力の高いコロナ放電処理をするなどの効果的な分極処理をする必要があった。ところが、この場合、有機膜が破損したり、破壊されてしまうという欠点があり高い電圧を掛けられないという課題があった。
この課題に対して、圧電性材料からなる多孔膜を挟む方法が特許文献4に記載されている。この方法は、当該多孔膜の分極処理において、誘電体シートで挟む或いは、多孔膜の穴に絶縁油を注入すること等を提案していているが、当該方法のように無機圧電層が既に分極処理されていて、その上に有機の圧電層が塗設されている場合、誘電体シートで挟んでも、確かに絶縁破壊が避けられるが、分極処理の効率は低下してしまう。更に、絶縁油を使用するとその拭き取りや電極設置において、表面の電極焼き付けが不具合となることが問題になる。即ち、清浄面にする費用、コストがかかるという問題がある。
特開昭63−252140号公報 特開平8−187245号公報 特開平11−276478号公報 特開平6−342947号公報
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、超音波探触子に係る上記問題を解決することであり、特に超音波の送信時と受信時における動作を分離したアレイ型超音波探触子を採用することにおいて送信用圧電素子に無機材料を使用し、受信用に高感度有機圧電素子材料を使用することにより絶縁破壊を生じにくく高感度な超音波探触子を得ることである。具体的には、そのための圧電素子、その製造方法、及び当該圧電素子を具備するアレイ型超音波探触子を提供することである。
本発明に係る上記課題を解決すべく、特に超音波の送信時と受信時における動作を分離したアレイ型超音波探触子を採用することにおいて送信用圧電素子に無機材料を使用し、受信用に高感度有機圧電素子材料を使用することにより高感度な超音波探触子を得る研究開発を鋭意進めた結果、受信用素子を高比誘電率層(高比誘電体薄膜)に低比誘電率層を隣接せしめて構成し、当該構成された受信用素子を分極処理し、圧電性を付与せしめる考えに至り、本発明に至った。
1.高比誘電率層と低比誘電率層が積層された圧電素子において、高比誘電率層が有機物質で構成され、該圧電素子の両側に電極が配置されたことを特徴とする圧電素子。
2.前記高比誘電率層と前記低比誘電率層のいずれもが有機物質で構成されたことを特徴とする前記1に記載の圧電素子。
3.前記低比誘電率層の比誘電率が1〜10であることを特徴とする前記1又は2に記載の圧電素子。
4.前記1〜3のいずれか一項に記載の圧電素子を分極処理する際、高比誘電率層及び低比誘電率層を同時に分極処理することを特徴とする圧電素子の製造方法。
5.前記圧電素子の製造方法において、分極処理時に印加する電圧が1MV/m〜1GV/mであることを特徴とする前記4に記載の圧電素子の製造方法。
6.前記圧電素子の製造方法において、前記分極処理が直流電圧印加処理、交流電圧印加処理又はコロナ放電処理のいずれかであることを特徴とする前記4又は5に記載の圧電素子の製造方法。
7.圧電素子を具備した超音波探触子において、該圧電素子として前記1〜3のいずれか一項に記載の圧電素子又は前記4〜6のいずれか一項に記載の製造方法で製造された圧電素子を超音波送受信用圧電素子として用いたことを特徴とする超音波探触子。
8.前記超音波探触子において、超音波送受信用圧電素子が、送信用圧電素子と受信用圧電素子とを含み、該受信用圧電素子が、前記1〜3のいずれか一項に記載の圧電素子又は前記4〜6のいずれか一項に記載の製造方法で製造された圧電素子であることを特徴とする超音波探触子。
9.前記超音波探触子において、前記送信用圧電素子と前記受信用圧電素子が積層されていることを特徴とする前記7又は8に記載の超音波探触子。
10.前記超音波探触子において、前記送信用圧電素子と前記受信用圧電素子が二次元配置されていることを特徴とする前記7〜9のいずれか一項に記載の超音波探触子。
11.前記1〜3のいずれか一項に記載の圧電素子を分極処理する際、高比誘電率層のみを分極処理することを特徴とする圧電素子の製造方法。
12.前記圧電素子の製造方法において、分極処理時に印加する電圧が1MV/m〜1GV/mであることを特徴とする前記11に記載の圧電素子の製造方法。
13.前記圧電素子の製造方法において、前記分極処理が直流電圧印加処理、交流電圧印加処理又はコロナ放電処理のいずれかであることを特徴とする前記11又は12に記載の圧電素子の製造方法。
14.圧電素子を具備した超音波探触子において、該圧電素子として前記1〜3のいずれか一項に記載の圧電素子または前記11〜13のいずれか一項に記載の製造方法で製造された圧電素子を超音波送受信用圧電素子として用いたことを特徴とする超音波探触子。
15.前記超音波探触子において、超音波送受信用圧電素子が、送信用圧電素子と受信用圧電素子とを含み、該受信用圧電素子が前記1〜3のいずれか一項に記載の圧電素子又は前記11〜13のいずれか一項に記載の製造方法で製造された圧電素子であることを特徴とする超音波探触子。
16.前記超音波探触子において、前記送信用圧電素子と前記受信用圧電素子が積層されていることを特徴とする前記14又は15に記載の超音波探触子。
17.前記超音波探触子において、前記送信用圧電素子と前記受信用圧電素子が二次元配置されていることを特徴とする前記14〜16のいずれか一項に記載の超音波探触子。
本発明の上記手段により、超音波の送信時と受信時における動作を分離したアレイ型超音波探触子を採用することにおいて、送信用圧電素子に無機材料を使用し、受信用に高感度有機圧電素子材料を使用することにより絶縁破壊を生じにくく高感度な超音波探触子を得ることができる。具体的には、そのための圧電素子、その製造方法、及び当該圧電素子を具備するアレイ型超音波探触子を提供することができる。
本発明の圧電素子は、高比誘電率層と低比誘電率層が積層された圧電素子において、高比誘電率層が有機物質で構成され、該圧電素子の両側に電極が配置されたことを特徴とする。この特徴は、請求項1〜17に係る発明に共通する技術的特徴である。すなわち、本発明の超音波探触子は、当該圧電素子を具備することを特徴とする。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための最良の形態・態様について詳細な説明をする。
(圧電素子)
本発明の圧電素子は、高比誘電率層(「強誘電体層」、「強誘電体薄膜」、又は「高比誘電率膜」ともいう。)と低比誘電率層(「低比誘電率膜」ともいう。)が積層された圧電素子において、高比誘電率層が有機物質で構成され、該圧電素子の両側に電極が配置されたことを特徴とする。
本発明の効果発現の観点から、以下の条件を満たす態様が好ましい。
すなわち、本発明においては、前記高比誘電率層と前記低比誘電率層のいずれもが有機物質で構成されたこが好ましい。なお、前記低比誘電率層の比誘電率が1〜10であることが好ましい。
本発明の圧電素子の製造方法においては、当該圧電素子の両面に設置される電極の形成前、片側のみ電極形成後又は両側に電極形成後のいずれかで高比誘電率層及び低比誘電率層を同時に分極処理すること又は高比誘電率層のみを分極処理することが好ましい。また、当該製造方法において、分極処理時に印加する電圧が1MV/m〜1GV/mであることが好ましい。なお、当該分極処理が直流電圧印加処理、交流電圧印加処理又はコロナ放電処理のいずれかであることが好ましい。
(超音波探触子の基本構造)
超音波探触子の基本構造は、高比誘電率層の少なくとも一方に低比誘電率層が合体していて、その合体物の両最外層に電極のある態様の構造である。この探蝕子は、発信と受信を行う送受信型として使用しても良いし、受信感度が高いことを利用して従来の水晶やPZT等の無機圧電素子を送信素子として利用し、本発明に係る高比誘電率層と低比誘電率層からなる有機薄膜を重畳して送受信分離型圧電素子とすることができる。送受信分離型圧電素子は送信用圧電素子と受信用圧電素子を電極を介した積層構造とすることができる。
本発明に係る高比誘電率層は、10よりも大きい比誘電率を有する物質であり、広いバンドギャップを有し、直流電圧に対しては絶縁体として振る舞う素材である。素材として、無機物質又は有機物質からなるものに分類されるが、本発明では、有機物質であることが、好ましく、更には、高分子化合物であることが好ましい。誘電体内部では電子は自由に動くことができないが、誘電体に外から電界を与えると、誘電体中の原子又は分子はプラスの電荷に偏った部分と、マイナスの電荷に偏った部分に分かれる。配向分極は誘電体を構成する分子が極性を持っている場合で、電界がかかっていないときには、分子はランダムな方向を向いているため全体としては電気的双極子を持たないが、電界を与えると分子が配向するために双極子が生じる。さらに電界を充分に長時間かけていると電荷担体が誘電体の中を移動して双極子を生じる。このような強誘電体を低比誘電率体と合体させた圧電素子は、全体としても圧電性を有し、本発明の従来の無機圧電素子の上に配置して有機圧電層を分極処理することで、感度が高く、絶縁破壊の生じにくい圧電素子が形成される。
高比誘電率層(強誘電体薄膜)としては、高分子強誘電膜であるフッ化ビニリデン/3フッ化エチレン共重合体を好ましい例として挙げることができる。なお、「強誘電体」とは、自発分極が存在し、その分極方向を電界によって人為的に変化させることが可能であり、電界をゼロにした時に人工的に変化させた分極が残る(残留分極)物質と定義することができる。
高比誘電率層(強誘電体薄膜)の原料ポリマーの分子量に関しては、一般に、高分子では分子量の増加にともなって高分子特有の柔軟性やしなやかさを持った圧電膜となる。P(VDF−TrFE)および/またはP(VDF−TeFE)において、230℃における溶融流動速度(Melt Flow Rate)が0.03g/min以下、より好ましくは、0.02g/min以下、更に好ましくは、0.01g/minである高分子圧電体を使用すると高感度な圧電層用の薄膜が得られる。
上記のVDFは、フッ化ビニリデンを、TrFEは3フッ化エチレンを、TeFEはテトラフルオロエチレンを表す。一方、フッ化ビニリデン/3フッ化エチレンの場合、共重合比によって厚み方向の電気機械結合定数(圧電効果)が変化すので、例えば、前者の共重合比が60〜99モル%が好ましいが、無機圧電素子と有機圧電素子を重ねる時に使用する有機結合剤の使用方法にもよるので、その最適値は変化する。最も好ましい前記前者の共重合比の範囲は85〜99モル%である。フッ化ビニリデンを85〜99モル%にして、パーフルオロアルキルビニルエーテル、パーフルオロアルコキシエチレン、パーフルオロヘキサエチレン等を1〜15モル%にしたポリマーは、送信用無機圧電素子と受信用有機圧電素子との組み合わせにおいて、送信基本波を抑制して、高調波受信の感度を高めることができる。従来は、テトラフルオロエチレンや3フッ化エチレンがよいとされていたが、本発明に係る複合素子では、パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)やパーフルオロアルコキシエチレン(PAE)、パーフルオロヘキサエチレンを使用することができる。
本発明に係る好ましい低比誘電率層(低比誘電率薄膜)としては、耐熱性・耐電圧性に優れた薄膜が用いられ、それらの2種類以上の共重合体やブレンド成形物などが挙げられる。
上記高比誘電率層(誘電体薄膜)の誘電率を調節するには、無機の誘電材料の微粒子を含有させてもよい。そのような微粒子としては、後述する無機圧電素子に使用する素材を挙げることができる。
これら誘電体樹脂膜の使用量は、求める感度、周波数特性などで適宜選択されるが、膜厚にして、10〜1000μm、好ましくは20〜500μmである。比誘電率は誘電体の特徴を示す物質定数で、誘電体の誘電率と真空の誘電率との比を比誘電率といい、本発明の低比誘電率では比誘電率が1.5〜10の範囲が好ましく用いられる。特に好ましい比誘電率は、2.0〜9.0である。比誘電率が10を超える場合には、圧電の周波数制御が複雑になるため好ましくない。しかし、比誘電率が10を超える誘電体樹脂膜を使用する場合に、比誘電率が10を超えない誘電体膜と併用することもできるし、多数の空孔を導入する多孔質化によって、膜全体の比誘電率の低減を図ることができる。この場合には、機械的強度も低下してしまうことが問題となるので好ましくはないが、機械的強度を計算に入れて適宜採用することができる。低比誘電率の具体的な例を下記に樹脂名(P1〜P57)と比誘電率を示す。
P1.メタクリル酸メチル樹脂 3.0
P2.アクリロニトリル樹脂 4.0
P3.アセチルセルロース 3.0
P4.アセテート樹脂3.4
P5.アニリン樹脂 3.5
P6.アニリンホルムアルデヒド樹脂 4.0
P7.アミノアルキル樹脂 4.0
P8.アルキッド樹脂 5.0
P9.テフロン(登録商標)(4F) 2.0
P10.天然ゴム 3.0
P11.アクリロニトリル・スチレン(AS)樹脂 3.0
P12.アクリロニトリル・ブチレン・スチレン(ABS)樹脂 3.1
P13.エチルセルロース 3.1
P14.ナイロン 4.0
P15.ナイロン−6 3.7
P16.エチレン樹脂 2.2
P17.ナイロン−6−6 3.4
P18.エポキシ樹脂 2.5
P19.エボナイト 2.6
P20.軟質塩化ビニル樹脂 3.3
P21.軟質ビニルブチラール樹脂 3.9
P22.塩化ビニル樹脂 3.3
P23.塩化ビニリデン樹脂 3.0
P24.塩素化ポリエーテル樹脂 2.9
P25.尿素ホルムアルデヒド樹脂 7.0
P26.ネオプレン 7.0
P27.ポリビニルアルコール 1.8
P28.フッ素樹脂 5.0
P29.硬質塩化ビニル樹脂 2.9
P30.硬質ビニルブチラール樹脂 3.3
P31.フラン樹脂 5.0
P32.ポリアセタール樹脂 3.6
P33.ポリアミド 2.5
P34.ポリウレタン 5.0
P35.ポリエステルペレット 3.2
P36.ポリエチレン 2.3
P37.ポリエチレン(高圧) 2.2
P38.ジアレルフタレート 3.8
P39.ポリエチレン(低圧) 2.3
P40.ジアレルフタレート樹脂 3.4
P41.ポリエチレンオキサイト 7.8
P42.ポリエチレン架橋 2.3
P43.ポリエチレンテレフタレート 2.9
P44.ポリカーポネート樹脂 2.9
P45.ポリビニルアルコール 2.0
P46.ポリブチレン 2.2
P47.ポリブチレン樹脂 2.3
P48.ポリプロピレン樹脂 2.2
P49.シリコンゴム 3.3
P50.メラミン樹脂 5.1
P51.メラミンホルムアルデヒド樹脂 8.0
P52.酢酸セルロース 3.2
P53.酢酸ビニル樹脂 2.7
P54.スチレン樹脂 2.3
P55.スチレンブタジエンゴム 3.0
P56.スチロール樹脂 2.4
P57.フッ化エチレン樹脂 2.0
上記素材を組み合わせたり、上記樹脂内に、異なる比誘電率の素材を粒子状にして調節して使用することもできる。上記樹脂の使用方法は、DMSO,DMF,DME、アセトン、メチルエチルケトン等の溶媒、又はこれらの混合溶媒に溶解して使用してもよいし、溶媒を使用せず、バルクを溶解温度まで加温して熱溶解して使用してもよい。
送信圧電層と受信圧電層はそれぞれ、インピーダンスを適宜選択したものとなることが好ましい。また、送信用圧電層をグリーンシートの積層工法によって焼成製作し、分極処理を施し受信圧電素子を後から被覆してもよいし、あらかじめシートとして塗布乾燥され、1軸延伸されたシートを重ねて加工したものを使用して接着した構造でもよい。特に、あらかじめ圧電効果が最大となるように1軸延伸し又は2軸延伸した高分子薄膜を積層することができる。
高比誘電率層に低比誘電率層を隣接させる方法は、低比誘電率層上に強誘電性ポリマーを適当な有機溶媒に溶解したものを塗布したり、強誘電ポリマーを溶融して塗設する方法や高比誘電率層(高比誘電率膜)と低比誘電率層(低比誘電率膜)を予め作製しておいて、加圧しながら密着する加圧密着や接着剤を使用して密着する接着剤密着がある。加圧は1Pa〜1GPaの範囲で任意に設定することができる。1GPa以上の加圧には、特殊な加圧器が必要となるので、設備の点から好ましくない。また、1Pa以下では、加圧が弱く、密着が不十分となる。好ましくは、1kPa〜1MPaが製造の上で都合がよい。
本発明に係る分極処理は分極が最大になるまで実施することが好ましく、直流又は交流、コロナ放電処理することにより分極が可能である。このような分極分布状態の形成条件は温度によって異なる。尚、本発明において分極処理(「ポーリング処理」、「ポーリング」という場合もある。)とは、電極を設けた圧電素子層に直流又は交流高電界を印加し、強誘電体に圧電活性を与えるプロセスをいう。
高分子圧電膜は、分極処理を直流又は交流、或いはコロナ放電処理において単位処理速度は1〜1000kW/m2/minが好ましく、上記範囲よりも低い場合には分極処理の効果が低く、上記範囲よりも高い場合には、誘電加熱で絶縁破壊が生じるので好ましくない。電圧としては、1V〜100kV、好ましくは、100V〜60kV、交流の周波数としては、10Hz〜100MHz、好ましくは、100Hz〜40MHz、更に好ましくは、1kH〜30MHzである。電流密度としては、0.1mA〜100A、好ましくは1mA〜10Aである。上記範囲を超えて電圧、電流或いは周波数が高いと高分子膜の絶縁破壊が生じるので好ましくないし、上記範囲以下であると分極が生じる閾値以下となり、圧電効果が生じない。連続印加に比較してパルス電圧印加の場合は、印加時間が短いので、高電圧を印加することができる。
直流、交流及コロナ放電の処理速度は、それぞれの装置の電極の長さLmと処理速度Vm/minの積で出力を割った値(Wp/(L*V))で表される。有機受信用圧電素子の直流又は交流の単位長当たりの電圧は、0.1MV〜1GV/mの範囲が好ましい。より好ましくは1MV〜0.9GV/m、更に好ましくは、10MV〜0.5GV/mである。この電圧範囲を超えると低比誘電率体があっても有機強誘電圧電膜まで破壊が進むので好ましくない。また、この範囲以下では、分極発現しなくなるので好ましくない。分極処理時間は、1秒〜12時間、作業工程を考えると1秒〜3時間、好ましくは1時間以内、更には10分以内が好ましい。
送信用圧電素子の材料はPZTが屡々使用されるが、近年は鉛を含まないものが推奨される。水晶、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、ニオブ酸タンタル酸カリウム[K(Ta,Nb)O3]、チタン酸バリウム(BaTiO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、又はチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)等である。尚、PZTはPb(Zr1-nTin)O3(0.47≦n≦1)が好ましい。
本発明に係る受信用有機圧電層の高分子の合成は、数種のモノマーを開始剤を使用して共重合するラジカル重合法、光増感剤を使用して光重合する方法、モノマーを低い圧力雰囲気下において、低温で蒸発させながら、薄膜形成する蒸着重合法などがある。本発明においていずれの重合法を採用するかは、モノマー種や共重合組成比などで適宜選択することができる。本発明に係る受信用圧電素子に作用する好ましい態様の1つとしてポリ尿素の場合は、蒸着重合法を採用するのが好ましい。ポリ尿素ポリマーは、一般式として(−NH−CO−NH−R−)n構造を示すことができるが、ここでRが任意の置換基で置換されてもよいアルキレン基、フェニレン基、2価のヘテロ環基、ヘテロ環基を含んでもよい。ポリ尿素は尿素誘導体とその他のモノマーとの共重合体であってもよい。好ましいポリ尿素として、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MDA)と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)を使用する芳香族ポリ尿素を挙げることができる。
(超音波探触子)
以上圧電素子について説明してきたが、この圧電素子を1個使用してバッキング層、音響整合層、音響レンズなどを設置して、シングルの探蝕子を製造してもよいが、64個、128個、256個、1024個、4096個等と個数を増加させ、配置を2次元に並べた探蝕子を作製することもできる。複数の2次元配列した探蝕子を順次走査して、画像化するスキャナーとして構成させることもできる。
なお、本発明に係る超音波探触子は、圧電素子を具備した超音波探触子において、該圧電素子として本発明の上記圧電素子を送受信用圧電素子として用いたこと特徴とする。
また、本発明に係る課題解決の観点から、前記超音波探触子において、超音波を送受信する圧電素子が、少なくとも送信用圧電素子と、受信用圧電素子とから構成され、該受信用圧電素子が本発明の上記圧電素子であることが好ましい。更に、少なくとも送信用圧電素子と受信用圧電素子が積層されていることが好ましい。また、少なくとも送信用圧電素子と受信用圧電素子が二次元配置されていることが好ましい。
以下に本発明を実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1
(探蝕子の作製)
送信用圧電素子膜として、鉛を含まない素子膜S1及び鉛を含む素子膜S2の例を示す。
〈鉛を含まないチタン酸系圧電素子膜の作製(S1)〉
成分原料であるCaCO3、La23、Bi23とTiO2、及び副成分原料であるMnOを準備し、成分原料については、成分の最終組成が(Ca0.97La0.03)Bi4.01Ti415となるように秤量した。次に、純水を添加し、純水中でジルコニア製メディアを入れたボールミルにて8時間混合し、十分に乾燥を行い、混合粉体を得た。得られた混合粉体を、仮成形し、空気中、800℃で2時間仮焼を行い仮焼物を作製した。次に、得られた仮焼物に純水を添加し、純水中でジルコニア製メディアを入れたボールミルにて微粉砕を行い、乾燥することにより圧電セラミックス原料粉末を作製した。微粉砕においては、微粉砕を行う時間および粉砕条件を変えることにより、それぞれ粒子径100nmの圧電セラミックス原料粉末を得た。それぞれ粒子径の異なる各圧電セラミックス原料粉末にバインダーとして純水を6質量%添加し、プレス成形して、厚み100μmの板状仮成形体とし、この板状仮成形体を真空パックした後、235MPaの圧力でプレスにより成形した。次に、上記の成形体を焼成した。最終焼結体の厚さは20μmの焼結体を得た。なお、焼成温度は、それぞれ1100℃であった。1.5×Ec(MV/m)以上の電界を1分間印加して分極処理を施した。
〈鉛を含む素子膜(S2)〉
PZT圧電素子の作製
本発明に使用するPZT圧電素子は、鉛、ジルコニウム、チタンの成分がPb(Zr1-nTin)O3(0.47≦n≦1)の式の範囲以内ものであり、ここでは、n=0.2のPZTを調整した。それぞれの酸化物を秤量して純水を添加し、純水中でジルコニア製メディアを入れたボールミルにて8時間混合し、十分に乾燥を行い、混合粉体を得た。得られた混合粉体を、仮成形し、空気中、800℃で2時間仮焼を行い仮焼物を作製した。次に、得られた仮焼物に純水を添加し、純水中でジルコニア製メディアを入れたボールミルにて微粉砕を行い、乾燥することにより圧電セラミックス原料粉末を作製した。それぞれ粒子径の異なる各圧電セラミックス原料粉末にバインダーとして純水を6質量%添加し、プレス成形して、厚み530μmの板状仮成形体とし、この板状仮成形体を真空パックした後、235MPaの圧力でプレスにより成形した。次に、上記の成形体を焼成して最終焼結体の厚さ21μmの焼結体を得た。なお、焼成温度は、それぞれ780℃であった。1.5×Ec(MV/m)以上の電界を1分間印加して分極処理を施した。
(受信用圧電素子膜の作製)
〈高比誘電率有機圧電膜M1の作製〉
P(VDF−TrE)(組成モル比:VDF/トリフッ化エチレン=75/25)膜をDMF(ジメチルホルムアミド)/アセトン混合溶液から流延して厚さ56μmの膜を作製し、さらにこれを140℃で結晶化を行った。
〈高比誘電率有機圧電膜M2の作製〉
モノマーとして、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MDA)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)を選択し、蒸着重合を実施した。2×10-3Paの真空チャンバー内にMDAを受け皿に入れ100℃に加温し、MDIを66℃に加温してチャンバーの上部に基板として、あらかじめ作製した上記無機圧電膜上に厚さ56μmとなるように蒸着させた。得られたMDA/MDI比は1.1であった。
(低比誘電率層と高比誘電率層を重ねた複合膜の作製)
低比誘電率有機膜として、具体例P1〜P57種の中から表1に示す材料を選択して、50μ厚の樹脂膜を常法に従って作製し、これら樹脂膜上に6μ厚の高比誘電率有機圧電膜であるM1膜又はM2膜を重畳作製した。
上記無機圧電素子膜S1及びS2は予め成型し、電極焼き付け取り付け後に分極処理を実施した。そして、上記無機圧電素子膜の上に合体させた。有機圧電層膜の分極処理は、前記低比誘率有機層(有機圧電膜)と重畳作製されていないものについては、そのまま分極処理し、低比誘電率有機層(有機圧電膜)と高比誘電率層(有機圧電膜)が重畳作製されている素子については、重畳作製されたものをそのまま、それぞれ下記電源を使用し実施した。即ち、直流高圧電源はパルス電子技術(株)製のHDV−100K1US(1−100kV)を、交流高圧電源は春日電機社製KAC15−5VA(0−15kV,5mA)及びは高圧交流パルス発生器はPG−3K02(電圧1−3kV,0.2A,パルス幅2−20μS、繰り返し周波数10−100Hz)を、コロナ放電処理用は春日電機社製のCT−0112を使用した。それぞれの使用条件は表1に示す(使用したコロナ放電装置の出力は1kW、使用周波数は35kHz、放電照射量単位はW/m2/minである。)。
分極処理後常法に従いバッキング層と音響整合層を設置し超音波探触子を試作し、5MHzの基本周波数f1を発信させ、受信2次高調波f2として10MHz、3次高調波15MHz、4次高調波として20MHzの受信相対感度を求めた。受信相対感度は、ソノーラメディカルシステム社(Sonora Medical System,Inc:2021Miller Drive Longmont,Colorado(0501 USA))の音響強度測定システムModel805(1〜50MHz)を使用した。
絶縁破壊強度の測定は、負荷電力Pを5倍にして、10時間分極処理した後、相対受信感度を評価した。感度の低下が負荷試験前の1%以内のときを良、1%を超え10%未満を可、10%以上を不良として評価した。その結果を表1に示す。
尚、表1に記載した相対感度は試料102の感度を100としたときの試料間の相対値を示している。この結果は、2次高調波、3次高調波、4次高調波のいずれも、変化しなかった。但し、試料102の2次高調波による相対感度を100としたときの試料102の3次高調波、4次高調波による相対感度は、それぞれ、82、67であった。
Figure 2008188415
表1に示した結果から明らかなように、本発明の手段によれば、高比誘電率膜(強誘電膜)単体での圧電素子に比較して低比誘電率膜を高比誘電率膜と合体させることで絶縁破壊しにくい圧電素子を形成することができる。更に送信用圧電素子として従来の無機圧電素子の上に受信用有機圧電素子を重畳複合化した超音波探触子を形成しても絶縁破壊を生じにくくした高感度の超音波探触子が可能である。
実施例2
試料番号102、105、106、及び121の試料を作製する際、105、106,及び121の試料については分極する時に、低比誘電率層を重畳作製する前に、高比誘電率層のみを分極処理した後、低比誘電率層を重畳し試料を作製する以外は、実施例1と同様にして試料を作製し、基本波と3次高調波の相対感度を実施例1と同様に測定した。結果を表2に示す。
尚、感度は、試料102の3次高調波の感度を100として相対値で表した。
Figure 2008188415
本発明に係る試料に対して、比較試料は明らかに感度が低下していることが判る。

Claims (17)

  1. 高比誘電率層と低比誘電率層が積層された圧電素子において、高比誘電率層が有機物質で構成され、該圧電素子の両側に電極が配置されたことを特徴とする圧電素子。
  2. 前記高比誘電率層と前記低比誘電率層のいずれもが有機物質で構成されたことを特徴とする請求項1に記載の圧電素子。
  3. 前記低比誘電率層の比誘電率が1〜10であることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧電素子。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧電素子を分極処理する際、高比誘電率層及び低比誘電率層を同時に分極処理することを特徴とする圧電素子の製造方法。
  5. 前記圧電素子の製造方法において、分極処理時に印加する電圧が1MV/m〜1GV/mであることを特徴とする請求項4に記載の圧電素子の製造方法。
  6. 前記圧電素子の製造方法において、前記分極処理が直流電圧印加処理、交流電圧印加処理又はコロナ放電処理のいずれかであることを特徴とする請求項4又は5に記載の圧電素子の製造方法。
  7. 圧電素子を具備した超音波探触子において、該圧電素子として請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧電素子又は請求項4〜6のいずれか一項に記載の製造方法で製造された圧電素子を超音波送受信用圧電素子として用いたことを特徴とする超音波探触子。
  8. 前記超音波探触子において、超音波送受信用圧電素子が、送信用圧電素子と受信用圧電素子とを含み、該受信用圧電素子が、請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧電素子又は4〜6のいずれか一項に記載の製造方法で製造された圧電素子であることを特徴とする超音波探触子。
  9. 前記超音波探触子において、前記送信用圧電素子と前記受信用圧電素子が積層されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の超音波探触子。
  10. 前記超音波探触子において、前記送信用圧電素子と前記受信用圧電素子が二次元配置されていることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の超音波探触子。
  11. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧電素子を分極処理する際、高比誘電率層のみを分極処理することを特徴とする圧電素子の製造方法。
  12. 前記圧電素子の製造方法において、分極処理時に印加する電圧が1MV/m〜1GV/mであることを特徴とする請求項11に記載の圧電素子の製造方法。
  13. 前記圧電素子の製造方法において、前記分極処理が直流電圧印加処理、交流電圧印加処理又はコロナ放電処理のいずれかであることを特徴とする請求項11又は12に記載の圧電素子の製造方法。
  14. 圧電素子を具備した超音波探触子において、該圧電素子として請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧電素子または請求項11〜13のいずれか一項に記載の製造方法で製造された圧電素子を超音波送受信用圧電素子として用いたことを特徴とする超音波探触子。
  15. 前記超音波探触子において、超音波送受信用圧電素子が、送信用圧電素子と受信用圧電素子とを含み、該受信用圧電素子が請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧電素子又は請求項11〜13のいずれか一項に記載の製造方法で製造された圧電素子であることを特徴とする超音波探触子。
  16. 前記超音波探触子において、前記送信用圧電素子と前記受信用圧電素子が積層されていることを特徴とする請求項14又は15に記載の超音波探触子。
  17. 前記超音波探触子において、前記送信用圧電素子と前記受信用圧電素子が二次元配置されていることを特徴とする請求項14〜16のいずれか一項に記載の超音波探触子。
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