JP5347503B2 - 超音波探触子、超音波探触子の製造方法 - Google Patents

超音波探触子、超音波探触子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、医用診断等に使用される超音波探触子およびその製造方法に関し、詳しくは、受信用圧電層が改良された超音波探触子およびその製造方法に関する。
超音波診断装置は超音波パルス反射法により、体表から生体内の軟組織の断層像を無侵襲に得る医療用画像機器である。この超音波診断装置は、他の医療用画像機器に比べ、小型で安価、X線などの被爆がなく安全性が高い、ドップラー効果を応用して血流イメージングが可能等の特長を有し、循環器系(心臓の冠動脈)、消化器系(胃腸)、内科系(肝臓、膵臓、脾臓)、泌尿科系(腎臓、膀胱)、及び産婦人科系などで広く利用されている。このような医療用超音波診断装置に使用される超音波探触子は、高感度、高解像度の超音波の送受信を行うために、圧電無機の圧電効果が一般的に利用される。この場合、送信用圧電素子の振動モードとしては、単一型探触子であるシングル型または複数の探触子を2次元配置したアレイ型探触子がよく使用される。アレイ型は精細な画像を得ることができるので、診断検査のための医療用画像として広く普及している。
一方、高調波信号を用いたハーモニックイメージング診断は、従来のBモード診断では得られない鮮明な診断像が得られることから標準的な診断モダリティとなりつつある。ハーモニックイメージングは基本波に比較して、サイドローブレベルが小さいことにより、S/Nが良くコントラスト分解能が良くなること、周波数が高くなることによって、ビーム幅が細くなり横方向分解能が良くなること、近距離では音圧が小さく、音圧の変動が少ないため、多重反射が起こらないこと、焦点以遠の減衰は基本波並みであり、高調波の周波数を基本波とする超音波に比べ深速度を大きく取れること、という多くの利点を持っている。
ハーモニックイメージング用アレイ型超音波探触子の具体的な構造として、アレイを構成する各振動子エレメントが広帯域一体型の圧電振動子が用いられている。その広帯域特性の低周波側の周波数領域で基本波送信を行い、高周波側の周波数領域で高調波受信を行う方法が一般的に利用されている。このような状況下従来の超音波探触子において、感度向上を図る技術として、「微細な柱状の圧電素子を例えばエポキシ樹脂のような有機化合物で固めた振動子を超音波送受信素子として使用し、各微細な柱状の圧電素子(柱状無機材料)を縦振動を行わせることによって感度向上を図った技術」が知られている(特許文献1参照)。
基本波送信超音波のスペクトルと高調波受信超音波のスペクトルがなるべく重ならないように狭帯域超音波が用いられる。狭帯域超音波は一般に尾曳の長い超音波パルス信号なので、深さ方向分解能に悪影響を及ぼすことになる。
他のハーモニックイメージング用アレイ型超音波探触子の具体的な構造として、例えば、送信用圧電振動子と受信用圧電振動子を別体別配置とした送受信分離型探触子が提案されている(特許文献2、3参照)。例えば、基本波を送信し、高調波を含む超音波を受信するのに、第1の音響インピーダンスを有する配列された第1の複数の圧電素子からなる、中心周波数f1の超音波の送受信を担う圧電層と、第2の音響インピーダンスを有する配列された複数の第2の圧電素子からなり、第1の圧電層に重ねられ、中心周波数f2=2f1の超音波の受信を担う第2の圧電層を設けるなどが提案されているが(特許文献3参照)、充分な感度が得られていない。
さらに、超音波送受信素子の感度を向上するために、圧電無機素子を積層化し、見かけ上のインピーダンスを低下させ駆動回路との電気的な整合条件を良好にし、素子にかかる電界強度を大きくして大きな歪を発生させ送信感度を向上させることが行われている(特許文献5参照)。しかしながら、積層構造では送信感度が積層数に応じて増大するものの、受信感度は積層数に反比例するため、ハーモニックイメージングには不利となっている。
上記特許文献1に記載される複合振動子は、圧電無機材料をダイサ等の切断機によって切断することにより、柱状構造を構成したのち、切断溝をエポキシ樹脂等の有機材料で埋めることにより製造される。また、アレイ型探触子においても同様に各チャンネルの分割はダイサ等の切断機で行われる。
しかしながら、超音波探触子の送受信周波数は、圧電無機材料の厚みに依存するため、高周波になるほど、それらの柱状構造あるいはチャンネルピッチの寸法が小さくなる。したがってダイサ等の切断機による機械加工の工程が増加するとともに、無機材料の機械的強度が低下し、破損や加工時の熱や歪等による特性劣化が無視できなくなり、振動子あるいは探触子製造の歩留りの低下や性能劣化を誘発しやすくなるという問題点を含んでいた。また、所望する周波数に対応する送信用圧電素子を製作するためには両端面の研削および研磨が不可欠であり、製造コストを引き上げる要因となっている。このように無機材料を使用することは有機材料を使用することに比べて探触子の製造において解決すべき課題があった。
上記従来技術の課題を解決するために、特に超音波の送信時と受信時における動作を分離したアレイ型超音波探触子を採用する場合において、送信用圧電素子に無機材料を使用し、受信用圧電素子に高感度有機圧電素子材料を使用することにより、高感度な超音波探触子を得ることが提案された。しかしながら、有機材料に圧電性を付与するためには、高電圧を掛ける処理や出力の高いコロナ放電処理をするなどの効果的な分極処理をする必要があった。ところが、この処理を施す際に、有機材料(有機膜層)が破損したり、絶縁破壊されてしまうという欠点があり高い電圧を掛けられないという課題があった。この課題に対しては、有機多孔質膜の分極処理において、誘電体で挟む或いは、多孔質の穴に誘電油を注入すること等が提案されているが(特許文献4参照)、絶縁体で挟んで保護すると、確かに絶縁破壊は避けられるが、分極処理の効率が低下してしまいひいては感度が低下してしまう。更には、絶縁油の拭き取りを十分に行わないと、電極設置の際に、表面の電極焼き付けが不具合となる問題になる。即ち、清浄面にするコストがかかってしまう等の問題があった。
特開昭63−252140号公報 特開平8−187245号公報 特開平11−276478号公報 特開平6−342947号公報 特開2005−235878号公報
本発明の目的は、送信用圧電層と受信用圧電層をこの順に有する超音波を送受信する超音波探触子において、受信用圧電層特には有機受信用圧電層を、絶縁破壊の発生なしに高度、好適、安定、安価に、分極処理することで、特に感度に優れた超音波探触子を提供することにある。また、該特に感度に優れた超音波探触子を性能安定、容易、高収率、安価に製造できる超音波探触子の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の態様の1つは、送信用圧電層と受信用圧電層をこの順に有する超音波を送受信する超音波探触子であり、該受信用圧電層の上に剥離可能な誘電体層を設けて分極処理されたものであることを特徴とする超音波探触子にある。
複層探触子に誘電体層を設け、直流又は交流の電圧を印加処理しての分極処理を示す概念図。 複層探触子に誘電体層を設け、コロナ放電処理しての分極処理を示す概念図。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1)送信用圧電層、電極層、および、受信用圧電層をこの順に有する超音波を送受信する超音波探触子であり、該受信用圧電層の上に剥離可能な誘電体層を加圧密着して受信用圧電層の分極処理を行うものであって、前記誘電体層が、有機薄膜であり、かつ無機誘電体微粒子を含有することを特徴とする超音波探触子。
(2)前記誘電体層は、分極処理の際には前記受信用圧電層に密着され、分極処理の後には該受信用圧電層から剥離される、ことを特徴とする前記(1)に記載の超音波探触子。
)前記無機誘電体微粒子が、水晶、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、ニオブ酸タンタル酸カリウム[K(Ta,Nb)O3]、チタン酸バリウム(BaTiO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、およびチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記(又は(2)に記載の超音波探触子。
)前記送信用圧電層が無機材料からなり、前記受信用圧電層が有機材料からなることを特徴とする前記(1)〜()のいずれか1項に記載の超音波探触子。
)前記分極処理が直流又は交流の1kV/m〜1MV/mの高電圧パルス電圧印加処理であることを特徴とする前記(1)〜()のいずれか1項に記載の超音波探触子。
)前記分極処理がコロナ放電処理であることを特徴とする前記(1)〜()のいずれか1項に記載の超音波探触子。
)超音波を送受信する超音波探触子の製造方法であり、送信用圧電層の上に電極層を積層し、該送信用圧電層の分極処理を行い、該電極層の上に受信用圧電層を積層し、該受信用圧電層の上に剥離可能な誘電体層を加熱密着し、該受信用圧電層の分極処理を行い、該分極処理の後に該誘電体層を剥離するものであり、前記剥離可能な誘電体層が、有機薄膜であり、かつ無機誘電体微粒子を含有することを特徴とする超音波探触子の製造方法。
)前記無機誘電体微粒子が、水晶、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、ニオブ酸タンタル酸カリウム[K(Ta,Nb)O3]、チタン酸バリウム(BaTiO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、およびチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記()に記載の超音波探触子の製造方法。
)前記送信用圧電層が無機材料からなり、前記受信用圧電層が有機材料からなることを特徴とする前記(又は(8)に記載の超音波探触子の製造方法。
10)前記分極処理が直流又は交流の1kV/m〜1MV/mの高電圧パルス電圧印加処理であることを特徴とする前記()〜()のいずれか1項に記載の超音波探触子の製造方法。
11)前記分極処理がコロナ放電処理であることを特徴とする前記()〜()のいずれか1項に記載の超音波探触子の製造方法。
本発明によれば、送信用圧電層と受信用圧電層をこの順に有する超音波を送受信する超音波探触子において、受信用圧電層特には有機受信用圧電層を、絶縁破壊の発生なしに高度、好適、安定、安価に、分極処理、分極化でき得るようにすることで、特に感度に優れた超音波探触子を提供することができる。また、該特に感度に優れた超音波探触子を性能安定、容易、高収率、安価に製造できる超音波探触子の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明はこれらに限定されない。
本発明の超音波探触子は、送信用圧電層と受信用圧電層をこの順に有する超音波を送受信する超音波探触子であり、該受信用圧電層の上に剥離可能な誘電体層を設けて分極処理されたものであることを一つの特徴とする。
以下、本発明の実施の形態について、図1、図2を用いて説明する。
図1には複層探触子に誘電体層を設け、直流又は交流の電圧を印加処理して分極処理する概念図を示す。図2には、複層探触子に誘電体層を設け、コロナ放電処理にて分極処理する概念図を示す。
以下に、図1を用いて本発明の実施の形態における超音波探触子の製造方法の一例を説明する。
最初に送信用圧電層3を製作する。
図1に示すごとく送受信分離型圧電素子は送信用圧電層3と電極2を介して受信用圧電層1を積層した構造になっている。送信用圧電層3は、図1に示すように薄い圧電薄板と電極層の積層構造をなしてもよい。このような構造は例えば圧電無機グリーンシート(グリーンシートは焼成前のシートを表す)に白金ペースト等によって電極を印刷形成したものを焼成前に積層して一体で焼結することによって作製することが出来る。電極層の構成材料としては、金、銀、白金、パラジウム等が挙げられる。グリーンシートは厚みは任意に設定でき、高周波の送信には薄膜構造になるが、通常は1mm以下にすることが容易で、かつ電極の有無により層の厚みを任意に設定できる。有機の受信用圧電層1は、送信用圧電層3と同様に有機ポリマーシートを積層して製作することが可能である。その場合には、白金ペーストを使用した電極層の印刷工程なしでポリマーシートのみを積層することで受信圧電層1を形成しても良いし、図1に示すように電極層を積層の間に予め印刷して挿入しても良い。受信用圧電層1の上には、本発明に係る誘電体層4が設けられる。図1中、5は印加電極を表す。
(誘電体層)
本発明に係る誘電体層に用いられる誘電体は、高い誘電率を有する物質であり、広いバンドギャップを有し、直流電圧に対しては絶縁体として振る舞い、多くの有機樹脂、無機焼結体、雲母、油などがある。誘電性の発現は誘電体内部に電気双極子が生じて分極することによる。分極は電子分極、イオン分極、配向分極、空間電荷分極等に分類されるが、本発明では、これら何れかを含むものである。誘電体内部では電子は自由に動くことができないが、誘電体に外から電界を与えると、誘電体中の原子又は分子はプラスの電荷に偏った部分と、マイナスの電荷に偏った部分に分かれる。配向分極は誘電体を構成する分子が極性を持っている場合で、電界がかかっていないときには、分子はランダムな方向を向いているため全体としては電気的双極子を持たないが、電界を与えると分子が配向するために双極子が生じる。さらに電界を充分に長時間かけていると電荷担体が誘電体の中を移動して双極子を生じる。このような誘電体を本発明の有機圧電素子の上に配置して有機圧電層を分極処理することで、高電圧の直流や交流、コロナ放電処理を可能にする。図2中、6はコロナ放電電極を表す。
本発明に係る誘電体層に用いられる好ましい誘電体薄膜としては、耐熱性・耐電圧性に優れた薄膜が用いられ、例示すれば、ポリビニルブチラール、ポリオレフィン、ポリシクロオレフィン、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリスルホン、シリコーン及びその誘導体からなる樹脂等である。ポリビニルブチラールは、化審法の既存化学物質として(6)−708(CASNo.63148−65−2)を代表例に挙げることができる。ポリアミドは、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミドMXD6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、メトキシ化ポリアミド(既存化学句物質(7)−383)等である。ポリイミドは、NASAが開発した既存化学物質番号(7)−2211(CASNo.611−79−0)を挙げることができる。シリコーンとしては、既存化学物質(7)−476、(7)−474、(7)−477、(7)−483、(7)−485等が挙げられる。
さらには、上記素材としてエポキシ化合物としては、ポリフェノール型、ポリグリシジルアミン型、アルコール型、エステル型などがあるが、特に脂環式型が好ましく、既存化学物質番号で3−2452、3−3453、4−47、5−1052等が好ましい。脂環式型は耐熱性もよく、接着力もよいので好ましく使用できる。
更に上記素材を詳しく例示すると、ポリエチレン、ポリプロピレンやα−ポリオレフィンなどのオレフィン系樹脂の薄膜、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ弗化ビニリデン、ポリカーボネート、四弗化エチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどの合成樹脂の薄膜、それらの2種類以上の共重合体やブレンド成形物や無極性ガラス板などが挙げられる。上記誘電体薄膜の誘電率を上げるには、無機の誘電材料の微粒子を含有させてもよい。そのような微粒子としては、後述する無機圧電素子に使用する素材を挙げることができる。
これら誘電体樹脂膜の使用量は、求める感度、周波数特性などで適宜選択されるが、膜厚にして、10nmから200μm、好ましくは50μmから150μmである。
これら樹脂の使用方法は、DMSO、DMF、DME、アセトン、メチルエチルケトン等の溶媒、又はこれらの混合溶媒に溶解して使用してもよいし、溶媒を使用せず、バルクを溶解温度まで加温して熱溶解して使用してもよい。
(送信用圧電層と受信用圧電層)
送信用圧電層と受信用圧電層はそれぞれ、インピーダンスを適宜選択したものとなることが好ましい。また、送信用圧電層をグリーンシートの積層工法によって焼成製作し分極処理を施した後、受信用圧電層を後から被覆し分極処理を施してもよいし、あるいは、あらかじめシートとして塗布乾燥され、1軸延伸されたシートを重ねて加工したものを受信用圧電層として使用して接着した構造としてもよい。特に、あらかじめ圧電効果が最大となるように一軸延伸し又は2軸延伸した高分子薄膜を受信用圧電層として使用して積層することができる。
(送信用圧電層)
送信用圧電層の材料はPZTが屡々使用されるが、近年は鉛を含まないものが推奨される。水晶、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、ニオブ酸タンタル酸カリウム[K(Ta,Nb)O3]、チタン酸バリウム(BaTiO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、又はチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)等である。尚、PZTはPb(Zr1−nTix)O3(0.47≦n≦1)が好ましい。
(有機受信用圧電層)
有機受信用圧電層としては、高分子圧電膜であるフッ化ビニリデン/3フッ化エチレン共重合体を好ましい例として挙げることができる。例えば、製膜後の熱処理工程(強誘電−常誘電相転移点と融点との間の温度の熱を印加することで結晶性を高める工程)時の徐冷速度は1℃/分〜50℃/分が好ましく、1℃/分より小さいと生産性が低くなるし、50℃/分より大きいと冷却設備が大きくなるので好ましくない。
有機受信用圧電層の原料ポリマーの分子量に関しては、一般に、高分子では分子量の増加にともなって高分子特有の柔軟性やしなやかさを持った圧電膜となる。P(VDF−TrFE)および/またはP(VDF−TeFE)において、230℃における溶融流動速度(Melt Flow Rate)が0.03g/min以下、より好ましくは、0.02g/min以下、更に好ましくは、0.01g/minである高分子圧電体を使用すると高感度な圧電層用の薄膜が得られる。上記記載中の、VDFはフッ化ビニリデンを示し、TrFEは3フッ化エチレンを示し、TeFEはテトラフルオロエチレンを示す。
一方、フッ化ビニリデン/3フッ化エチレンの場合、共重合比によって厚み方向の電気機械結合定数(圧電効果)が変化するので、例えば、前者の共重合比が60モル%〜99モル%が好ましいが、無機送信用圧電層と有機受信用圧電層を重ねる時に使用する有機結合剤の使用方法にもよるので、その最適値は変化する。最も好ましい前記前者の共重合比の範囲は85モル%〜99モル%である。フッ化ビニリデンを85モル%〜99モル%にして、パーフルオロアルキルビニルエーテル、パーフルオロアルコキシエチレン、パーフルオロヘキサエチレン等を1モル%〜15モル%にしたポリマーは、無機送信用圧電層と有機受信用圧電層との組み合わせにおいて、送信基本波を抑制して、高調波受信の感度を高めることができる。従来は、テトラフルオロエチレンや3フッ化エチレンがよいとされていたが、本発明の複合素子では、パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)やパーフルオロアルコキシエチレン(PAE)、パーフルオロヘキサエチレンを使用することができる。
本発明の有機受信用圧電層の高分子の合成は、数種のモノマーを開始剤を使用して共重合するラジカル重合法、光増感剤を使用して光重合する方法、モノマーを低い圧力雰囲気下において、低温で蒸発させながら、薄膜形成する蒸着重合法などがある。本発明においていずれの重合法を採用するかは、モノマ種や共重合組成比などで適宜選択することができる。本発明の有機受信用圧電層に使用する好ましい態様の1つとしてポリ尿素の場合は、蒸着重合法を採用するのが好ましい。ポリ尿素用のポリマーとして、一般式として(−NH−R−CO−)n構造を示すことができるが、ここでRが任意の置換基で置換されてもよいアルキレン基、フェニレン基、2価のヘテロ環基、ヘテロ環基を含んでもよい。ポリ尿素は尿素誘導体とその他のモノマーとの共重合体であってもよい。好ましいポリ尿素として、4,4′−ジアミノジフェニルメタン(MDA)と4,4′−ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)を使用する芳香族ポリ尿素を挙げることができる。
(有機受信用圧電層と誘電体層の密着)
本発明において、剥離可能とは、分極処理前に備え、その後、とりはずすことができることをいう。誘電体層は最終的な探触子には必要とならない。
有機受信用圧電層(高分子圧電膜)と誘電体層(誘電膜)とを密着させる密着方法としては、加圧密着や接着剤密着があり、剥離性を得るために、剥離性の高い誘電膜を使用する方法や誘電膜を剥離可能なホットメルト架橋剤などを使用して接着させることができるが、誘電膜剥離後の面を清浄に保つには、加圧密着が好ましい。加圧は1Pa〜1GPaの範囲で任意に設定することができる。1GPa以下の加圧には、特殊な加圧器が必要でないので、設備の点から好ましい。また、1Pa以上では、加圧、密着が十分となり好ましい。より好ましくは、1kPa〜1MPaが製造の上で都合がよい。
(分極処理)
本発明に係る分極処理は分極が最大になるまで実施することが好ましく、直流又は交流電圧印加処理、或いは、コロナ放電処理することにより分極が可能である。このような分極分布状態の形成を充分にせしめるには温度によっても異なる。
高分子圧電膜(有機受信用圧電層)は、分極処理を、直流電圧印加処理又は交流電圧印加処理、或いはコロナ放電処理にて行う場合、単位処理速度は1〜1000kW/(m2/min)が好ましい。1kW/(m2/min)以上の場合には分極処理の効果が得られ、かつ、1000kW/(m2/min)以下の場合には誘電加熱で絶縁破壊が生じることがなく好ましい。より好ましくは50W/(m2/min)〜900kW/(m2/min)であり、最も好ましくは100W/(m2/min)〜100kW/(m2/min)である。電圧としては、好ましくは1V/m〜10MV/m、より好ましくは1kV/m〜1MV/mであり、交流の周波数としては、好ましくは10Hz〜100MHz、より好ましくは100Hz〜40MHz、更に好ましくは1kH〜30MHzである。電流密度としては、好ましくは0.1mA〜100A、より好ましくは1mA〜10Aである。上記範囲の上限以下の電圧、電流或いは周波数の場合には高分子膜の絶縁破壊が生じることがなく好ましく、上記範囲の下限以上の場合には分極が生じる閾値以上となり、圧電効果が生じて好ましい。
連続印加に比較してパルス電圧印加の場合は、印加時間が短いので、高電圧を印加することができる。直流、交流電圧印加処理及びコロナ放電処理の処理速度は、それぞれの装置の電極の長さLmと処理速度Vm/minの積で出力Wpを割った値(Wp/(L×V))で表される。有機受信用圧電層の直流又は交流の単位長当たりの電圧は、1〜1GV/mの範囲が好ましい。より好ましくは100V/m〜10MV/m、更に好ましくは、1kV/m〜1MV/mである。この電圧範囲の上限以下の場合には誘電体があっても有機圧電膜まで破壊が進むことがなく好ましい。また、この範囲の下限以上の場合には、分極発現して好ましい。分極処理時間は、1秒〜12時間、作業工程を考えると1秒〜3時間、好ましくは1時間以内、更には10分以内が好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例1
《送信用圧電層の作製》
〈膜S1:鉛を含まないチタン酸系圧電層の作製〉
成分原料であるCaCO3、La23、Bi23およびTiO2、および副成分原料であるMnOを準備し、成分原料については、成分の最終組成が(Ca0.97La0.03)Bi4.01Ti415となるように秤量した。次に、純水を添加し、純水中でジルコニア製メディアを入れたボールミルにて8時間混合し、十分に乾燥を行い、混合粉体を得た。得られた混合粉体を、仮成形し、空気中、800℃で2時間仮焼成を行い仮焼物を作製した。次に、得られた仮焼物に純水を添加し、純水中でジルコニア製メディアを入れたボールミルにて微粉砕を行い、乾燥することにより圧電セラミックス原料粉末を作製した。微粉砕においては、微粉砕を行う時間および粉砕条件を変えることにより、粒子径100nmの圧電セラミックス原料粉末を得た。得られた圧電セラミックス原料粉末にバインダーとして純水を6質量%添加し、プレス成形して、厚み100μmの板状仮成形体とし、この板状仮成形体を真空パックした後、235MPaの圧力でプレスにより成形した。次に、上記の成形体を焼成した。最終的に厚さは20μmの焼結体を得た。なお、焼成温度は、1100℃であった。得られた焼結体に1.5(MV/m)以上の電界を1分間印加して分極処理を施した。
〈膜S2:圧電層PZTの作製〉
本発明に使用するPZTとは、鉛、ジルコニウム、チタンの成分がPb(Zr1−nTi)O3(0.47≦n≦1)の式の範囲内のものであり、ここでは、n=0.2のPZTを調製した。それぞれの酸化物を秤量して純水を添加し、純水中でジルコニア製メディアを入れたボールミルにて8時間混合し、十分に乾燥を行い、混合粉体を得た。得られた混合粉体を、仮成形し、空気中、800℃で2時間仮焼を行い仮焼物を作製した。次に、得られた仮焼物に純水を添加し、純水中でジルコニア製メディアを入れたボールミルにて微粉砕を行い、乾燥することにより圧電セラミックス原料粉末を作製した。それぞれ粒子径の異なる各圧電セラミックス原料粉末にバインダーとして純水を6質量%添加し、プレス成形して、厚み530μmの板状仮成形体とし、この板状仮成形体を真空パックした後、235MPaの圧力でプレスにより成形した。次に、上記の成形体を焼成して最終焼結体の厚さ41μmの焼結体を得た。なお、焼成温度は、それぞれ780℃であった。1.5×Ec(MV/m)以上の電界を1分間印加して分極処理を施した。
《受信用圧電層の作製》
〈膜M1の作製〉
P(VDF−PFA)(組成モル比:VDF/パーフロオロアルキルビニルエーテル=90/20)膜をDMF(ジメチルホルムアミド)溶液から流延して厚さ100μmの膜を作製し、さらにこれを140℃で結晶化を行った。
〈膜M2の作製〉
P(VDF−TrE)(組成モル比:VDF/トリ弗化エチレン=75/25)膜をDMF(ジメチルホルムアミド)/アセトン混合溶液から流延して厚さ100μmの膜を作製し、さらにこれを140℃で結晶化を行った。
〈膜M3の作製〉
P(VDF−HFP)(組成モル比:VDF/HFP(ヘキサフルオロプロピレン)=86/12)膜をDMF(ジメチルホルムアミド)溶液から流延して厚さ100μmの膜を作製し、さらにこれを138℃で結晶化を行った。
〈膜M4の作製〉
P(VDF−HFP)(組成モル比:VDF/HFP(ヘキサフルオロプロピレン)=86/12)膜をDMF(ジメチルホルムアミド)溶液に溶解し、更にカーボンナノチューブを3質量%添加してブレンダーで混練後流延して厚さ100μmの膜を作製した。
〈膜M5の作製〉
モノマーとして、4,4′−ジアミノジフェニルメタン(MDA)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)を選択し、蒸着重合を実施した。2×10-3Paの真空チャンバー内にMDAを受け皿に入れ100℃に加温し、MDIを66℃に加温してチャンバーの上部に基板として、あらかじめ作製した上記送信用圧電層(表DI比は1.1であった。1記載の種類:膜S2)上に膜M5(厚さ20μm)として蒸着させた。得られたMDA/M
上記送信用圧電層(膜S1、膜S2)は予め成型し、電極焼き付け取り付け後に分極処理(電圧1MV)を実施した。そして、該送信用圧電層の上に、上記受信用圧電層(膜M1〜膜M4)を表1、表2記載の組み合わせになるように、重ねて圧着接着させ「送信用圧電層の上に受信用圧電層を重層複合化した試料(超音波探触子)」を作製した。
《誘電体層の作製》
誘電膜Uの作製
P(VDF−TrE−TeE)(組成モル比:VDF/トリ弗化エチレン/4弗化エチレン=70/20/10)膜をDMF(ジメチルホルムアミド)/アセトン混合溶液に溶解後、上述のPZT(n=0.25)の焼結後、微粒子化して平均粒子径0.3μmとしたものを36質量%添加し、流延してドライ膜厚100μmの膜を作製した。
上記得られた誘電体層(誘電膜U)を、上記「送信用圧電層の上に受信用圧電層を重層複合化した試料(超音波探触子)」の受信用圧電層の上に、5MPaの圧力で密着させ本発明に係る剥離可能な誘電体層を施した。
後、表1、表2記載の条件(印加方法)にて、かつ、図1、図2に示すようにして印加して、分極処理を行った。
尚、直流、交流高電圧分極処理用の電源はそれぞれ下記電源を使用した。即ち、直流高圧電源はパルス電子技術(株)製のHDV−100K1US(1−100kV)、交流高圧電源は春日電機社製KAC15−5VA(0−15kV、5mA)、高圧交流パルス発生器はパルス電子技術(株)製PG−3K02(電圧1−3kV、0.2A、パルス幅2−20μS、繰り返し周波数10−100Hz)、およびコロナ放電処理用は春日電機社製のCT−0112を使用した(使用したコロナ放電装置の出力は1kW、使用周波数は35kHz、放電照射量単位はW/(m2/min)である。)。
分極処理後、誘電体層はゆっくりと剥離し、その後、有機圧電層の外表面には金電極を蒸着で取り付けて超音波探触子試料101〜141(表1、表2に記載)を試作し、7.5MHzの基本周波数f1を発信させ、受信高調波f2として15MHzの受信相対感度(送信電圧に対する受信電圧の比から定数を掛けて受信相対感度を求めた。)を求めた。
受信相対感度は、ソノーラメディカルシステム社(Sonora Medical System,Inc:2021Miller Drive Longmont,Colorado(0501 USA))の音響強度測定システムModel805(1〜50MHz)測定システムを使用した。
また、尚、有機圧電層上に整合層及び無機圧電層下にバッキング層を測定に際してエポキシ接着剤で1μ厚で接着させた。
結果を表1、表2に示す。
表1、表2から明らかなように、本発明の試料の場合には、相対感度が優れていることがわかる。
以上のように本発明によれば、無機送信用圧電素子と受信用有機圧電素子を複合化した超音波探触子の分極処理をしても、絶縁破壊をなくして感度を高めることが可能であることがわかる。
本発明によれば、送信用圧電層と受信用圧電層をこの順に有する超音波を送受信する超音波探触子において、受信用圧電層特には有機受信用圧電層を、絶縁破壊の発生なしに高度、好適、安定、安価に、分極処理、分極化でき得るようにすることで、特に感度に優れた超音波探触子を提供することができることがわかる。また、該特に感度に優れた超音波探触子を性能安定、容易、高収率、安価に製造できる超音波探触子の製造方法を提供することができることがわかる。

Claims (11)

  1. 送信用圧電層、電極層および受信用圧電層をこの順に有する超音波を送受信する超音波探触子であり、該受信用圧電層の上に剥離可能な誘電体層を加圧密着して受信用圧電層の分極処理を行うものであって、
    前記誘電体層が、有機薄膜であり、かつ無機誘電体微粒子を含有することを特徴とする超音波探触子。
  2. 前記誘電体層は、分極処理の際には前記受信用圧電層に密着され、分極処理の後には該受信用圧電層から剥離される、ことを特徴とする請求1に記載の超音波探触子。
  3. 前記無機誘電体微粒子が、水晶、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、ニオブ酸タンタル酸カリウム[K(Ta,Nb)O3]、チタン酸バリウム(BaTiO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、およびチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波探触子。
  4. 前記送信用圧電層が無機材料からなり、前記受信用圧電層が有機材料からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の超音波探触子。
  5. 前記分極処理が直流又は交流の1kV/m〜1MV/mの高電圧パルス電圧印加処理であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の超音波探触子。
  6. 前記分極処理がコロナ放電処理であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の超音波探触子。
  7. 超音波を送受信する超音波探触子の製造方法であり、送信用圧電層の上に電極層を積層し、該送信用圧電層の分極処理を行い、該電極層の上に受信用圧電層を積層し、該受信用圧電層の上に剥離可能な誘電体層を加圧密着し、該受信用圧電層の分極処理を行い、該分極処理の後に該誘電体層を剥離するものであり、
    前記剥離可能な誘電体層が、有機薄膜であり、かつ無機誘電体微粒子を含有することを特徴とする超音波探触子の製造方法。
  8. 前記無機誘電体微粒子が、水晶、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、ニオブ酸タンタル酸カリウム[K(Ta,Nb)O3]、チタン酸バリウム(BaTiO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、およびチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項7に記載の超音波探触子の製造方法。
  9. 前記送信用圧電層が無機材料からなり、前記受信用圧電層が有機材料からなることを特徴とする請求項7又は8に記載の超音波探触子の製造方法。
  10. 前記分極処理が直流又は交流の1kV/m〜1MV/mの高電圧パルス電圧印加処理であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の超音波探触子の製造方法。
  11. 前記分極処理がコロナ放電処理であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の超音波探触子の製造方法。
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