JP2008180734A - 電界センサおよびその調整方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電気光学結晶の自然複屈折率による感度低下の補償が可能な電界センサとその調整方法を提供する。
【解決手段】 電界センサは、光源1と、被測定信号に基づく電界が印加され、その電界に応じて複屈折率が変化し、その複屈折率に応じて、前記光源1から入射される光の偏光状態を変化させて出射する電気光学結晶7と、前記被測定信号に基づく電界を前記電気光学結晶7に印加するための一対の電極11,13と、当該電気光学結晶7から出射された光をP偏光成分とS偏光成分とに分離し、当該各偏光成分の強度の差分に応じた交流信号を得るためのPBS9,PD17,19,差動増幅器21と、前記電気光学結晶7が有する自然複屈折性による、前記電界が印加されていないときにおける、前記光源1から入射される光の偏光状態の変化を相殺するための1/4波長板6及び1/2波長板8と、を備える。
【選択図】 図7

Description

本発明は、測定対象の電界が印加される電気光学(Electro Optic)結晶(以下、“EO結晶”とする)にレーザ光を照射し、これを検出することにより印加された電界の電界強度を測定する電界センサと、かかる電界センサの調整方法に関する。
EO効果を利用した電界センサにおいては、交流の電界が印加されているEO結晶に光ビームを入射させ、EO結晶から出射された光を偏光ビームスプリッタ(Polarizing Beam Splitter:以下、PBSという)によりS偏光とP偏光とに分離し、2つの光検出器(Photo Detector:以下、PDという)によってそれぞれの偏光を独立に検出する。そして、各偏光の強度の差を差動アンプで検出する。
PBSに入射する直前の光ビームの偏光状態としては、円偏光であることが望ましい。円偏光のときの主なメリットを以下に列挙する。
(1)光ビームの強度変調度が最大となり、高感度の検出に寄与する。また、差動信号検出によってPDの出力信号の振幅を2倍に増幅することができる。
(2)差動信号検出によって光ビームの強度雑音を低減できるので、高感度の検出に寄与する。
(3)差動信号検出によって信号の直流成分を相殺できるので、信号処理回路の負担軽減に寄与する。
図1は、従来の電界センサの動作説明図である。
光源1から出射した光ビーム3は1/4波長板(Quarter Wave Plate:以下、QWPという)5とEO結晶7を透過後、PBS9に入射する。光ビーム3の偏光状態は、PBS9に入射する直前において円偏光になるように、QWP5によって調整されている。EO結晶7には、信号電極11およびグラウンド電極13を介して、交流の被測定信号15に応じた交流電界が印加される。光ビーム3は電界に応じてEO結晶7内にて偏光変調を受ける。偏光変調光はPBS9でSおよびP偏光成分に分離される。このとき、各偏光成分は強度変調光に変換されている。強度変調されたSおよびP偏光成分は互いに逆相に変化する。したがって、PD17および19で受光し、差動アンプ21を用いて差動信号検出することによって、より高感度な出力信号22を得ることが可能となる。
図2は、PBS9に入射する光ビームの偏光状態とそれに対応する電気信号の関係を示す図である。
図2(a)に示すように、PBS9に入射する光ビームの偏光状態が円偏光に保たれているならば、PBS9で分離されるSおよびP偏光成分の強度は等しい。
図2(b)に示すように、PBS9に入射する光ビームの偏光状態が円偏光に保たれているならば、PD17および19が出力する電気信号は、0.5Vmax(Vmaxは全光量に対応するPDの出力電圧)を基準値として被測定信号(この場合は正弦波)に対応した信号となり、互いに逆相に変化する。ここで、それぞれの信号の最大振幅をAとおく。
図2(c)に示すように、PBS9に入射する光ビームの偏光状態が円偏光に保たれているならば、差動アンプ21の出力信号の最大振幅は2Aとなり、直流成分は相殺される。またこの時には、PD17および19の出力信号に含まれている光強度雑音も大幅に低減される。
なお、上記技術は、例えば、特許文献1、特許文献2に開示されている。
特開2003−98205号公報 特開2001−324525号公報 特開2000−171488号公報
しかしながら、電界センサにあっては、図2(d)に示すように、PBS9に入射する光ビームが円偏光に保たれておらず楕円偏光になっているならば、PBS9で分離されるSおよびP偏光成分の強度にアンバランスが生じる。これは、主に温度変化によるものである。
図2(e)に示すように、PBS9に入射する光ビームが楕円偏光になっているならば、PD17および19の出力電気信号の直流成分にアンバランスが生じる(Vs≠VpかつVs+Vp=Vmax)。また、図2(b)の状態に比べて信号振幅rAが小さくなる(rA,0≦r<1)。
図2(f)に示すように、PBS9に入射する光ビームが楕円偏光になっているならば、差動アンプ21の出力電気信号には直流成分(Vp−Vs)が残る。振幅は2rAとなり、図2(c)の状態に比べて小さくなる。またこの時には、PD17および19の出力信号に含まれている光強度雑音を十分に低減することができない。
なお、光ビームがPBS9に入射する直前の偏光状態を常に円偏光に保つことは、温度変化のある場合には困難である。
以上のように、電界センサにおいては光ビームが楕円偏光に変化してしまうので、以下のデメリットが生じる。
(1)光ビームの強度変調度が低下するのでセンサとしての感度が低下する。
(2)SおよびP偏光成分の平均強度にアンバランスが生じ、差動信号検出によってレーザ強度雑音を十分に低減することが不可能であり、センサとしての感度が低下する。
(3)差動信号検出によって信号の直流成分を十分に低減できない。
次に、上記のような電界センサにおける、好ましくない反射光について説明する。
図3は、図1と同様の電界センサの構成を示す図であり、特に、偏光状態に基づく反射光に着目した図である。なお、図3においては、電極11,13は省略している。
電界センサ101において、レーザ光源1からP偏光108が照射され、このP偏光108はQWP5により円偏光109に変換される。
円偏光109は、EO結晶7により偏光変調され、偏光変調された光は、PBS9によりP偏光(成分)110とS偏光(成分)111とに分離され、P偏光110はPD19により受信され、電気信号に変換され、一方、S偏光111はPD17により受信され、電気信号に変換される。これらの電気信号は、図1に示した差動アンプ22等により差動増幅され、これに基づいて電界が測定される。
なお、以降の説明においては、適宜、上記のEO結晶7、PBS9、PD17および19を反射要素107と総称する。また、この反射要素107の詳細については後述する。
図4は、上記の電界センサ101における解決すべき課題について説明するための図である。
上述したように、電界センサ101においては、EO結晶7に円偏光が入射される。しかし、入射された光がEO結晶7を含む反射要素の各構成機器において反射され、それが反射戻り光112となり、これがQWP5によりS偏光113に変換され、この反射戻り光(S偏光)113がレーザ光源1に逆入射されると、電界センサ101の測定精度に影響を及ぼす場合がある。
また、反射光は、EO結晶端面はもとより、PDの受光面でも発生しやすい。このPDの受光面での反射光もレーザ光源1に逆入射されると、電界センサ101の測定精度に影響を及ぼす場合がある。
一方、上記のような電界センサは、図5に示すような、人体を伝わる電気信号を検出するものや、図6に示すような、被測定デバイス(Device Under Test:以下、DUTと称す)中の電気信号を検出するものに応用されている(特許文献3参照)。
図5に示すように、受信用電極RPは、人体100の被測定点に接触している。信号源Sinから送信用電極SPと人体100を介して、受信用電極RPに電気信号が入力されると、受信用電極RPにリード線で接続された、電界センサ内の信号電極11は、被測定点と同電位になる。
また、図6に示すように、金属針MNは、DUT201の被測定点に接触している。信号源SinからDUT201を介して、金属針MNに電気信号が入力されると、金属針MNにリード線LDで接続された、電界センサ内の信号電極11は、被測定点と同電位になる。
これ以降の動作は、図5と図6の場合で同一であり、先ず、信号電極11と大地グランド間に電界が発生する。この時の電気力線は、図5や図6に示すように、その一部がEO結晶7中を通過するので、EO結晶7内に電界が発生する。
EO結晶7内に電界が発生すると、その電界に応じてEO結晶7において複屈折率の変化が生じる。光源1から直接またはQWP5を介して、複屈折率が変化したEO結晶7に円偏光を入射させると、EO結晶7からは楕円偏光が出力される。楕円偏光は、2つのミラー14a、14bによって反射した後、PBS9に入射し、このPBS9で2つの直線偏光(SおよびP偏光)に分離される。このSおよびP偏光は2つのPD17、19によって検出され、それぞれの強度に比例した電気信号が差動アンプ21に入力する。この差動アンプ21の出力電気信号は、EO結晶7内の電界振幅に比例するので、差動アンプ21の出力電気信号を測定することにより、EO結晶7内の電界振幅を検出することが可能となる。また、EO結晶7内の電界振幅は、人体100やDUT201の被測定点の電位に比例しているので、この差動アンプ21の出力電気信号を検出することにより、被測定点の電位を検出することができる。
しかしながら、図5や図6に示したように、従来の電界センサにおいては、信号電極11から発生した電気力線のごく一部のみがEO結晶7内を通過するので、EO結晶7内の電界振幅が小さい。したがって、光源1からの光ビームの偏光状態を十分に変調できず、そのため、電界センサとして高い感度が得られない。
そこで本発明は、上記の従来の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電気光学結晶の自然複屈折率による感度低下の補償が可能な電界センサとその調整方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、第1の態様に係る発明は、光源と、被測定信号に基づく電界が印加され、その電界に応じて複屈折率が変化し、その複屈折率に応じて、前記光源から入射される光の偏光状態を変化させて出射する電気光学結晶と、前記被測定信号に基づく電界を前記電気光学結晶に印加するための一対の電極と、当該電気光学結晶から出射された光をP偏光成分とS偏光成分とに分離し、当該各偏光成分の強度の差分に応じた交流信号を得る検出部と、前記電気光学結晶が有する自然複屈折性による、前記電界が印加されていないときにおける、前記光源から入射される光の偏光状態の変化を相殺する補償手段と、を備えた電界センサを要旨とする。
第2の態様に係る発明は、第1の態様に係る発明において、前記電気光学結晶に入射される光は任意の偏光であり、前記補償手段は、電気的主軸が前記電気光学結晶から出射した楕円偏光の主軸と一致し、その楕円偏光を直線偏光に変換する1/4波長板と、前記電界が印加されていないときの、前記1/4波長板からの直線偏光の偏波面が前記電気光学結晶の電気的主軸に対して有する角度を45°−φoとしたときに、電気的主軸が前記電気光学結晶の電気的主軸に対して有する角度が、n・45°−φo/2(ただし、nは整数)であることでもって、前記1/4波長板から出射する直線偏光の偏波面の角度を調整する1/2波長板と、を含むことを要旨とする。
第3の態様に係る発明は、第1の態様に係る発明において、前記電気光学結晶に入射される光は、偏波面が前記電気光学結晶の電気的主軸に対して有する角度が45°である直線偏光であり、前記補償手段は、電気的主軸が前記電気光学結晶の電気的主軸に対して有する角度は45°であり、前記電気光学結晶から出射する楕円偏光を直線偏光に変換する1/4波長板と、前記電界が印加されていないときの、前記電気光学結晶から出射した楕円偏光に含まれる位相差をφoとしたときに、電気的主軸が前記電気光学結晶の電気的主軸に対して有する角度が、n・45°−φo/2(ただし、nは整数)であることでもって、前記1/4波長板から出射する直線偏光の偏波面の角度を調整する1/2波長板と、を含むことを要旨とする。
第4の態様に係る発明は、第1の態様に係る発明において、前記電気光学結晶に入射される光は円偏光であり、前記補償手段は、電気的主軸が前記電気光学結晶の電気的主軸に対して有する角度は45°であり、前記電気光学結晶から出射する楕円偏光を直線偏光に変換する1/4波長板と、前記電界が印加されていないときの、前記電気光学結晶から出射した楕円偏光に含まれる位相差をφoとしたときに、電気的主軸が前記電気光学結晶の電気的主軸に対して有する角度が、n・45°−φo/2(ただし、nは整数)であることでもって、前記1/4波長板から出射する直線偏光の偏波面の角度を調整する1/2波長板と、を含むことを要旨とする。
第5の態様に係る発明は、第2乃至第4のいずれかの態様に係る発明において、前記φoは、φo=(2π/λ)(no−ne)Lに基づいて決定されることを要旨とする。
ここで、noは、前記電気光学結晶の常光に対する屈折率、
neは、前記電気光学結晶の異常光に対する屈折率、
λは、光の真空中における波長、
Lは、前記電気光学結晶の光の方向における長さ。
第6の態様に係る発明は、第1の態様に係る発明において、前記補償手段は、制御信号に基づいた電界を前記電気光学結晶に印加する一対の制御電極と、前記検出部により得られた前記交流信号に基づき、前記被測定信号に基づく電界が印加されていないときにおける、前記光源から入射される光の偏光状態の変化を相殺するような前記制御信号を生成する制御信号生成手段と、を含むことを要旨とする。
第7の態様に係る発明は、第1の態様に係る発明において、前記補償手段は、制御信号を前記被測定信号に加算する加算器と、前記検出部により得られた前記交流信号に基づき、前記被測定信号に基づく電界が印加されていないときにおける、前記光源から入射される光の偏光状態の変化を相殺するような前記制御信号を生成する制御信号生成手段と、を含むことを要旨とする。
第8の態様に係る発明は、第6または第7の態様に係る発明において、前記制御信号生成手段は、前記P偏光成分に基づく電気信号および前記S偏光成分に基づく電気信号をそれぞれ入力する第1バッファアンプおよび第2バッファアンプと、前記第1バッファアンプおよび第2バッファアンプの出力をそれぞれ入力する第1ローパスフィルタおよび第2ローパスフィルタと、前記第1ローパスフィルタおよび第2ローパスフィルタの出力を入力し、それらの出力の差分を積分する積分器と、を含むことを要旨とする。
また、上記目的を達成するため、第9の態様に係る発明は、光源と;被測定信号に基づく電界が印加され、その電界に応じて複屈折率が変化し、その複屈折率に応じて、入射される任意の偏光の偏光状態を変化させて出射する電気光学結晶と;前記被測定信号に基づく電界を前記電気光学結晶に印加するための一対の電極と;当該電気光学結晶から出射された光をP偏光成分とS偏光成分とに分離し、当該各偏光成分の強度の差分に応じた交流信号を得る検出部と;を備えた電界センサの調整方法であって、前記電気光学結晶から出射した楕円偏光を直線偏光に変換する1/4波長板を、その電気的主軸が前記楕円偏光の電気的主軸と一致するように設け、前記1/4波長板から出射する直線偏光の偏波面の角度を調整する1/2波長板を、前記電界が印加されていないときの、前記1/4波長板からの直線偏光の偏波面が前記電気光学結晶の電気的主軸に対して有する角度を45°−φoとしたときに、電気的主軸が前記電気光学結晶の電気的主軸に対して有する角度が、n・45°−φo/2(ただし、nは整数)となるように設けることを要旨とする。
また、上記目的を達成するため、第10の態様に係る発明は、光源と;被測定信号に基づく電界が印加され、その電界に応じて複屈折率が変化し、その複屈折率に応じて、偏波面が電気光学結晶の電気的主軸に対して有する角度が45°である直線偏光の偏光状態を変化させて出射する電気光学結晶と;前記被測定信号に基づく電界を前記電気光学結晶に印加するための一対の電極と;当該電気光学結晶から出射された光をP偏光成分とS偏光成分とに分離し、当該各偏光成分の強度の差分に応じた交流信号を得る検出部と;を備えた電界センサの調整方法であって、前記電気光学結晶から出射する楕円偏光を直線偏光に変換する1/4波長板を、電気的主軸が前記電気光学結晶の電気的主軸に対して45°の角度となるように設け、前記1/4波長板から出射する直線偏光の偏波面の角度を調整する1/2波長板を、前記電界が印加されていないときの、前記電気光学結晶から出射した楕円偏光に含まれる位相差をφoとしたときに、電気的主軸が前記電気光学結晶の電気的主軸に対して有する角度が、n・45°−φo/2(ただし、nは整数)となるように設けることを要旨とする。
また、上記目的を達成するため、第11の態様に係る発明は、光源と;被測定信号に基づく電界が印加され、その電界に応じて複屈折率が変化し、その複屈折率に応じて、入射される円偏光の偏光状態を変化させて出射する電気光学結晶と;前記被測定信号に基づく電界を前記電気光学結晶に印加するための一対の電極と;当該電気光学結晶から出射された光をP偏光成分とS偏光成分とに分離し、当該各偏光成分の強度の差分に応じた交流信号を得る検出部と;を備えた電界センサの調整方法であって、前記電気光学結晶から出射する楕円偏光を直線偏光に変換する1/4波長板を、電気的主軸が前記電気光学結晶の電気的主軸に対して45°の角度となるように設け、前記1/4波長板から出射する直線偏光の偏波面の角度を調整する1/2波長板を、前記電界が印加されていないときの、前記電気光学結晶から出射した楕円偏光に含まれる位相差をφoとしたときに、電気的主軸が前記電気光学結晶の電気的主軸に対して有する角度が、n・45°−φo/2(ただし、nは整数)となるように設けることを要旨とする。
第12の態様に係る発明は、第9乃至第11のいずれかの態様に係る発明において、前記φoは、φo=(2π/λ)(no−ne)Lに基づいて決定されることを要旨とする。
ここで、noは、前記電気光学結晶の常光に対する屈折率、
neは、前記電気光学結晶の異常光に対する屈折率、
λは、光の真空中における波長、
Lは、前記電気光学結晶の光の方向における長さ。
第13の態様に係る発明は、第9乃至第11のいずれかの態様に係る発明において、前記φoは、測定により決定されることを要旨とする。
また、上記目的を達成するため、第14の態様に係る発明は、光源と;被測定信号に基づく電界が印加され、その電界に応じて複屈折率が変化し、その複屈折率に応じて、前記光源から入射される光の偏光状態を変化させて出射する電気光学結晶と;前記被測定信号に基づく電界を前記電気光学結晶に印加するための一対の電極と;当該電気光学結晶から出射された光をP偏光成分とS偏光成分とに分離し、当該各偏光成分の強度の差分に応じた交流信号を得る検出部と;制御信号に基づいた電界を前記電気光学結晶に印加する一対の制御電極と;前記制御信号を生成する制御信号生成手段と;を備えた電界センサの調整方法であって、前記検出部により得られた前記交流信号を表示し、表示された前記交流信号に基づき、前記被測定信号に基づく電界が印加されていないときにおける、前記光源から入射される光の偏光状態の変化を相殺するような前記制御信号を生成するように前記制御信号生成手段を調整することを要旨とする。
また、上記目的を達成するため、第15の態様に係る発明は、光源と;被測定信号に基づく電界が印加され、その電界に応じて複屈折率が変化し、その複屈折率に応じて、前記光源から入射される光の偏光状態を変化させて出射する電気光学結晶と;前記被測定信号に基づく電界を前記電気光学結晶に印加するための一対の電極と;当該電気光学結晶から出射された光をP偏光成分とS偏光成分とに分離し、当該各偏光成分の強度の差分に応じた交流信号を得る検出部と;制御信号を前記被測定信号に加算する加算器と;前記制御信号を生成する制御信号生成手段と;を備えた電界センサの調整方法であって、前記検出部により得られた前記交流信号を表示し、表示された前記交流信号に基づき、前記被測定信号に基づく電界が印加されていないときにおける、前記光源から入射される光の偏光状態の変化を相殺するような前記制御信号を生成するように前記制御信号生成手段を調整することを要旨とする。
本発明の電界センサによれば、電気光学結晶の自然複屈折率による感度低下を補償することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
先ず、電気光学結晶の自然複屈折率による感度低下の補償が可能な電界センサとその調整方法に係る実施の形態を第1乃至第8の実施の形態として説明する。なお、ここでは、光の進行方向をz軸、鉛直上向きをy軸、水平方向をx軸と定義する。
<第1の実施の形態>
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る電界センサの構成を示す図である。
第1の実施の形態に係る電界センサは、電界の結合で複屈折率が変化する電気光学(Electro Optic)結晶(以下、“EO結晶”とする)7と、該EO結晶7に電界を結合させるために当該EO結晶7を挟んで設けられた一対の電極11,13と、EO結晶7に光を入射させる光源1と、EO結晶7から出射する楕円偏光を直線偏光にする1/4波長板(Quarter Wave Plate:以下、QWPという)6と、当該直線偏光の位相を調整する1/2波長板(Half Wave Plate:以下、HWPという)8と、該HWP8から出射する直線偏光をP偏光成分とS偏光偏光成分に分離する偏光ビームスプリッタ(Polarizing Beam Splitter:以下、PBSと称す)9と、当該各偏光成分を電気信号に変換する2つの光検出器(Photo Detector:以下、PDと称す)17,19と、該各光検出器で得られた各電気信号の差分を増幅する差動アンプ(増幅器)21と、を備える。
第1の実施の形態に係る電界センサでは、光源1から出射した直線偏光がEO結晶7に入射する。このとき、A点における直線偏光の偏波面はEO結晶7の電気的主軸に対して45°をなすように設定されている。
EO結晶7は自然複屈折性を有しており、EO結晶7に電界が印加されない場合において、B点における光は楕円偏光になっている。QWP6の電気的主軸は、EO結晶7の電気的主軸に対して45°をなすように設定されている。B点における楕円偏光は、このように設定されたQWP6を透過することによって、直線偏光に変換される。
したがってC点における光は直線偏光になっているが、一般にその偏波面とEO結晶7の電気的主軸がなす角度は、A点におけるその角度とは異なる。C点における直線偏光は、適当な角度に配置されたHWP8によって、PBS9に対するP偏光成分とS偏光成分を1:1の割合で含むような直線偏光に変換される。ここで、P偏光とはPBS9を透過する直線偏光であり、S偏光とはPBS9で反射する直線偏光である。PBS9の配置の仕方は任意であるが、PおよびS偏光を水平面(x−z面)内に分離するようにPBS9を配置するのが普通であるので、本実施の形態においてもそのような配置を採用したものとして説明を続ける。
P偏光の偏波面はx−z平面に一致し、S偏光の偏波面はy−z平面に一致している。したがってD点における直線偏光の偏波面は、x−z平面と45°の角度をなしている。
D点における直線偏光に含まれるPおよびS成分の比は1:1であるので、PD19およびPD17で検出される光量は等しい。PD19および17は受光強度に比例したレベルの電気信号を出力するので、差動アンプ21が出力する電気信号のレベルはゼロである。EO結晶7に電界が印加された場合には、D点における直線偏光の偏波面がx−z平面となす角度が45°からδだけずれる。δはEO結晶7中の電界振幅Aに比例する。したがって電界が印加されるとPD17および19が検出する光量にアンバランスが生じ、差動アンプ21は電界Aに比例したレベルの電気信号を出力する。したがって、差動アンプ21の出力電気信号を検出することにより、EO結晶7に印加されている電界を検出することが可能になる。EO結晶7中の電界は、EO結晶7に付随した電極間の電位差に比例するので、差動アンプ21の出力電気信号を検出することは、電極間電位差を検出することと等価である。
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る電界センサの偏光状態を示す図である。ここでは、光はz軸の正方向(紙面の裏から表)に向かって進むように記載している。また、EO結晶7の電気的主軸の1つであるslow軸とfast軸をそれぞれx軸(水平方向)とy軸(鉛直方向)に一致させている。
図8(a)は、A点における光の偏光状態を表したものであり、直線偏光の偏波面はx軸(EO結晶7のslow軸)に対して45°の角度をなしている。
図8(b)は、B点における光の偏光状態を表したものであり、EO結晶7の複屈折性により楕円偏光となっている。またこの楕円の主軸はx軸に対して45°の角度をなしている。
図8(c)は、C点における光の偏光状態とQWP6の電気的主軸の関係を表したものである。sおよびf軸は、それぞれQWP6のslowおよびfast軸を表しており、s軸はx軸に対して45°の角度をなしている。点Bにおける楕円偏光は、直線偏光に変換される。EO結晶7の自然複屈折性によって光の独立な偏光成分間に生じた位相変化量(EO結晶7から出射する楕円偏光に含まれる位相差)をφoとすると、その直線偏光の偏波面がx軸となす角度は、45°−φoである。
図8(d)は、D点における光の偏光状態とHWP8の電気的主軸の関係を表したものである。sおよびf軸は、それぞれHWP8のslowおよびfast軸を表している。点線は、C点における光の偏光状態を表している。HWP8のslow軸(s軸)がx軸となす角度を、次式のように設定すると、直線偏光の偏波面とx軸のなす角度を45°に補正できる。このとき、D点の直線偏光の偏波面とy軸(EO結晶7のfast軸)のなす角度も同時に45°に補正できるのは勿論である。
45°−φo/2
また、φoの値は、次式もしくは測定によって決定することが可能である。
φo=(2π/λ)(no−ne)L
ここでλは結晶に入射する光の(真空中における)波長、Lはz方向に関する結晶の長さ、noとneはそれぞれ常光と異常光に対するEO結晶7の屈折率である。
かかる補正によって、D点においては、SおよびP偏光成分の強度が等しくなっているために、差動アンプ21の出力電気信号のレベルはゼロとなる。
図8(e)は、EO結晶7に被測定電界A(t)が印加された場合におけるD点の偏光状態の変化を表したものである。例として、A(t)=Aosinωtという変化をする交流電界が印加された場合を説明する。この場合、EO結晶7内で光の独立な偏光成分間に生じる位相差φ(t)は、φ(t)=φo+δosinωtという形で表される。したがってD点では、直線偏光の偏波面とx軸がなす角度θ(t)は45°±δoの間を角周波数ωで振動することになる。数式で表すと、θ(t)=45°+δosinωtである。
<第2の実施の形態>
図9は、本発明の第2の実施の形態に係る電界センサの構成を示す図である。
第1の実施の形態の電界センサとの違いは、光源1とEO結晶7の間にQWP5が挿入されていることである。
光源1を出射した直線偏光は、このQWP5によって円偏光に変換される。したがって、EO結晶7には円偏光が入射する。第1の実施の形態のように直線偏光をEO結晶7に入射させる場合、EO結晶7内で効率よく偏光変調を行うためには、偏波面を電気的主軸に対して45°に設定する必要がある。それに対して円偏光を用いた場合には、偏波面と電気的主軸とに角度の設定を行う必要が無くなるので、本発明の電界センサを製造する際の工程が簡素化される。
図10は、本発明の第2の実施の形態に係る電界センサの偏光状態を示す図である。なお、図10(a)〜(e)は、図8(a)〜(e)に順番どおりに対応する。
ここでは、右回り円偏光を結晶に入射した場合について示している。第2の実施の形態に係る電界センサの偏光状態は、図8におけるφoをφo+90°に置き換えた場合と同じになる。
すなわち、HWP8のslow軸(s軸)がx軸となす角度を、次式のように設定すると、直線偏光の偏波面とx軸のなす角度を45°に補正できる。
−φo/2
また図示しないが、左回り円偏光を入射した場合には、φoをφo−90°に置き換えた場合と同じになる。
さて、これまで説明したHWP8の角度調整に鑑みると、QWP6からの直線偏光の偏波面がy軸(EO結晶7のfast軸)に対して有する角度を45°−φoとした場合であっても、D点の偏波面とEO結晶7の電気的主軸とのなす角度を45°に補正できる。また、HWP8のs軸(またはf軸)がx軸(またはy軸)に対して有する角度を、n・45°−φo/2(ただし、nは整数)とした場合であっても、D点の偏波面とEO結晶7の電気的主軸とのなす角度を45°に補正できる。
図11は、第1および第2の実施の形態の電界センサの波形図である。
図11(a)は、被測定電界の波形A(t)=Aosinωt、図11(b)は、被測定電界および該電界による複屈折率の変化に起因して光の独立な偏光成分間に生じる位相差δ(t)=δosinωtを表す。当然のことながら、A(t)とδ(t)の波形は同じである。図11(c)は、図7や図9のD点における直線偏光の偏波面の、x軸に対する角度θ(t)=45°+δosinωtを表す。この偏波面はθ(t)=45°のときを中心として正弦波状に振動する。図11(d)および図11(e)は、それぞれPD19および17の出力電気信号の波形(V1(t)およびV2(t))を表している。PD19、PD17の出力電気信号のレベルは当該PDに入射する光強度に比例すること、さらにPD19およびPD17にはそれぞれPおよびS偏光が入射することを考慮すると、以下の関係が成立する。ただし、最後の式変形ではδo<<90°という条件を用いた。被測定電界に起因する位相変化は一般に極めて小さいので、この条件は十分実用的である。
V1(t)∝cosθ(t)=0.5{1−sin2(δosinωt)}≒0.5−δosinωt
V2(t)∝sinθ(t)=0.5{1+sin2(δosinωt)}≒0.5+δosinωt
したがってV1(t)およびV2(t)は、それぞれ図11(d)および図11(e)に示した通り、同一の直流成分を有し、互いに逆相で変動する。図11(f)は差動アンプ21の出力電気信号Vdiff(t)=V2(t)−V1(t)∝2δosinωtの波形を示している。差動演算を行うことにより、直流成分を除去し、さらに振幅を2倍に増幅することができる。Vdiff(t)の波形は被測定電界A(t)の波形と同じであるので、Vdiff(t)を検出することにより、A(t)に関する情報を抽出することが可能になる。
<第3の実施の形態>
図12は、第3の実施の形態における電界センサの構成図である。
第3の実施の形態の電界センサでは、第1および第2の実施の形態と同様、交流の電界が印加されているEO結晶に光ビームを入射させ、EO結晶から出射された光をPBSによりS偏光とP偏光とに分離し、各偏光の強度の差分を差動アンプで検出する構成をとる。
即ち、図12にあっては、光源1から出射した光ビーム3はQWP5とEO結晶7を透過後、PBS9に入射する。PBS9に入射する直前の光ビームの偏光状態は、所定の周囲温度において円偏光になるように、QWP5によって調整されている。EO結晶7には、信号電極11およびグラウンド電極13を介して被測定信号15(例えば、数kHzから数百MHzの交流)に応じた電界が印加される。光ビーム3は、電界に応じてEO結晶7内にて偏光変調される。偏光変調光はPBS9でSおよびP偏光成分に分離される。このとき、各偏光成分は強度変調光に変換されている。強度変調されたSおよびP偏光成分は互いに逆相に変化する。PD17および19はSおよびP偏光成分を受光し、出力を差動アンプ21によって差動演算することによって、出力信号22が得られる。
次に、かかる構成を有する電界センサが、例えば、前述の所定の周囲温度とは異なる周囲温度の環境に置かれた場合や、QWP5だけでは偏光調整がしきれずに、さらなる調整が必要な場合の調整方法について説明する。具体的には、この調整方法は、電界センサの実験や、電界センサを用いた製品の出荷段階での特性の合わせ込みなどで実施される。
さて、第3の実施の形態における電界センサのEO結晶7には、調整のための信号が与えられる制御電極23と、制御グラウンド電極25が設けられている。
図13は、第3の実施の形態における電極の配置図である。
図13(a)や図13(b)に示すように、信号電極11とグラウンド電極13とをEO結晶7を挟むようにして設け、同じように、制御電極23と制御グラウンド電極25とをEO結晶7を挟むようにして設ければ、EO結晶7に均一に電界が印加されるので好ましい。なお、図13(c)に示すように、各電極をEO結晶7の片側に設ければ、EO結晶7が薄い場合に電極を実装しやすくなる。また、図13(d)のように、グラウンド電極を分割してもよい。また、図13(e)のようにグラウンド電極13と制御グラウンド電極25とを共通にすれば電界センサを簡素に構成にできる。
図12に戻り、説明する。
この電界センサの調整には、出力信号22を、例えば図2(f)に示すように表示する表示器27と、制御電極23に制御信号(直流電圧)31を与える可変直流電源31とが用いられる。
例えば、調整者は、表示器27に表示された出力信号22の直流成分が無くなるように、可変直流電源31の電圧(制御信号29の電圧)を調整する(変更する)。制御信号29が制御電極23に与えられると、EO結晶7内には、被測定信号15による分の電界だけでなく、制御信号29による分の電界が印加され、後者の電界により光ビームの偏光状態を円偏光に補正することができる。また、光強度雑音を十分に低減することができる。
<第4の実施の形態>
図14は、第4の実施の形態における電界センサの構成図である。
以下、第3の実施の形態の調整方法との差異を説明し、同一の事項については説明を省略する。
第4の実施の形態の電界センサは、EO結晶7に制御電極23と制御グラウンド電極25が設けられておらず、電極としては、信号電極11とグラウンド電極13だけが設けられている。また、第4の実施の形態の電界センサは、被測定信号15の信号経路に加算器33を有し、加算後の被測定信号15Aが信号電極11に与えられる。
図15は、加算器33の回路図である。
加算器33は、コンデンサ331とコイル332とを直列接続して構成され、コイル332に接続されていない方の、コンデンサ331の端子に被測定信号15が与えられ、コンデンサ331に接続されていない方の、コイル332の端子に制御信号29が与えられ、コンデンサ331とコイル332との接続点の信号を被測定信号15AとしてEO結晶7に与えられる。コンデンサ331は高周信号である被測定信号15を通過させるが低周波信号である制御信号29を遮断する。一方、コイル332は低周波信号である制御信号29を通過させるが高周波信号である被測定信号15を遮断する。したがって、被測定信号15に対し制御信号29を加算することができる。なお、加算器33は、ディジタル回路により構成してもよい。
この電界センサの調整にも表示器27と可変直流電源31とが用いられる。
例えば、調整者は、表示器27に表示された出力信号22の直流成分が無くなるように、可変直流電源31の電圧(制御信号29の電圧)を調整する(変更する)。制御信号29が加算器33に与えられると、EO結晶7内には、被測定信号15による分の電界だけでなく、制御信号29による分の電界が印加され、後者の電界により光ビームの偏光状態を円偏光に補正することができる。また、光強度雑音を十分に低減することができる。
<第5の実施の形態>
図16(a)は、第5の実施の形態における電界センサの構成図である。
第5の実施の形態における電界センサは電波測定に用いられるので、反射型光学系を有する。以下、第3の実施の形態の電界センサとの差異を説明し、同一の構成については説明を省略する。
第5の実施の形態における電界センサは、EO結晶7に設けられた電極に与えられる被測定信号15を測定するのでなく、空間を伝播してEO結晶7に直接入射する被測定電波や、図16(b)に示すような測定対象の電気回路から発生する電界を測定するものであるので、信号電極11とグラウンド電極13を備えていない。
また、この電界センサにあっては、PBS9に代えて、光源1からEO結晶7の方に、順にPBS91および92が設けられている。QWP5は、PBS92とEO結晶7の間に設けられ、PBS91とPBS92との間にHWP37とファラデー回転子39とが設けられている。そして、EO結晶7の光ビーム入射面と反対側の面には誘電体鏡71が設けられ、この誘電体鏡71の面に被測定電波16が入射される。
かかる構成を有する第5の実施の形態の電界センサでは、光源1からの光ビーム3は、PBS91、HWP37、ファラデー回転子39、PBS92およびQWP5を通り抜けてからEO結晶7に入射する。そして誘電体鏡71に反射しEO結晶7を出射してから再びQWP5を通過した後に、PBS92に入射する。PBS92は光ビーム3をSおよびP偏光成分に分離し、S偏光成分はPD17に入射する。一方、PBS92を透過したP偏光成分は、ファラデー回転子39とHWP37によってS偏光に変換された後、PBS91に入射する。PBS91はS偏光をPD19に入射させる。
図17は、第5の実施の形態における電極の配置図である。
図17(a)に示すように、制御電極23と制御グラウンド電極25とをEO結晶7を挟むようにして設けてもよいし、図17(b)に示すように、各電極をEO結晶7の片側に設けてもよい。また、図17(c)に示すように制御グラウンド電極25を分割してもよい。このように、第5の実施の形態にあっては、被測定信号が与えられる電極が不要なので簡素な構成になる。
この電界センサの調整にも表示器27と可変直流電源31とが用いられる。
例えば、調整者は、表示器27に表示された出力信号22の直流成分が無くなるように、可変直流電源31の電圧(制御信号29の電圧)を調整する(変更する)。制御信号29が加算器33に与えられると、EO結晶7内には、被測定信号15による分の電界だけでなく、制御信号29による分の電界が印加され、後者の電界により光ビームの偏光状態を円偏光に補正することができる。また、光強度雑音を十分に低減することができる。
<第6の実施の形態>
図18は、第6の実施の形態における電界センサの構成図である。
第6の実施の形態の電界センサでは、第1および第2の実施の形態と同様、交流の電界が印加されているEO結晶に光ビームを入射させ、EO結晶から出射された光をPBSによりS偏光とP偏光とに分離し、各偏光の強度の差分を差動アンプで検出する構成をとる。
即ち、図18にあっては、光源1から出射した光ビーム3はQWP5とEO結晶7を透過後、PBS9に入射する。PBS9に入射する直前の光ビームの偏光状態は、所定の周囲温度において円偏光になるように、QWP5によって調整されている。EO結晶7には、信号電極11およびグラウンド電極13を介して被測定信号15(例えば、数kHzから数百MHzの交流)に応じた電界が印加される。光ビーム3は、電界に応じてEO結晶7内にて偏光変調される。偏光変調光はPBS9でSおよびP偏光成分に分離される。このとき、各偏光成分は強度変調光に変換されている。強度変調されたSおよびP偏光成分は互いに逆相に変化する。PD17および19はSおよびP偏光成分を受光し、出力を差動アンプ21が差動信号検出することによって、出力信号22が得られる。
さらに第6の実施の形態では、出力信号に含まれる直流成分に応じた電圧を有する制御信号を生成し、EO結晶に設けられた制御電極に当該制御信号が与えられる。なお、図18では、制御信号は、差動アンプ21の入力信号から生成しているが、差動アンプ21の出力信号22から生成することも可能である。
図18に示すように、電界センサは、PD17に接続されたバッファアンプ43と、PD19に接続されたバッファアンプ44と、バッファアンプ43の出力に接続されたローパスフィルタ(以下、LPFという)45と、バッファアンプ44の出力に接続されたLPF47と、LPF45および47からの出力の差分をとり、それを積分する積分器49を備える。また、EO結晶7には、制御信号付与手段たる制御電極23および制御グラウンド電極25が設けられている。積分器49の出力電圧は、制御電極23と制御グラウンド電極25の間に印加される。なお、LPF45および47によって環境温度の変化に起因する極めて低い周波数成分(直流成分)の信号のみが積分器に入力される。したがって温度変化によるドリフトのみが低減される。一方、被測定信号15に起因する高周波成分の信号は、LPF45および47で遮断されるので、積分器49に入力されることは無い。そして積分器49は、当該低周波成分のみからなる2つの信号の差分を積分し、制御信号29として出力する。差動アンプ21へは、PD17およびPD19から、低周波成分と高周波成分の両方を含んだ信号が与えられる。
図19(a)は、積分器49(スイッチトキャパシタ積分器)の回路図であり、図19(b)は、積分器49を駆動するドライブ信号の波形図である。
スイッチトキャパシタ積分器とした場合の積分器49は、連動する2つの開閉器からなりその一方の開閉器の一端がLPF45に接続され、他方の開閉器の一端がLPF47に接続されたスイッチ491と、このスイッチ491の一方の開閉器の他端と他方の開閉器の他端の間に接続されたコンデンサ492と、連動する2つの開閉器からなりその開閉器の一端と他方の開閉器の一端が前記コンデンサ492に接続されたスイッチ493と、差動アンプであって、スイッチ493の一方の開閉器の他端がマイナス入力端子に他方の開閉器の他端がプラス入力端子に接続され、このプラス入力端子が電圧Vbでバイアスされた差動アンプ495と、この差動アンプ495のマイナス入力端子と出力端子との間に接続されたコンデンサ494と、差動アンプ495の出力端子と制御電極29に接続されたバッファアンプ496とから構成されている。なお、(コンデンサ492の容量)<<(コンデンサ494の容量)である。また、差動アンプ495が正負電源タイプの場合は、そのプラス入力端子を接地して、すなわちバイアスをかけずに使用してもよい。
スイッチ491に与えられるドライブ信号D1とスイッチ493に与えられるドライブ信号D2は、スイッチ491とスイッチ493とが同時に閉じることがないように、また交互に閉じるように印加されるので、コンデンサ492が充電された後にその電荷がコンデンサ494に転送される。そのため、差動アンプ495は、LPF45とLPF47の出力差の積分値に比例した大きさの電圧を出力し、これがバッファアンプ496を通過後、制御信号29として制御電極23に与えられる。すなわち、制御信号29は、出力信号22の直流成分に応じた電圧を有する信号になり、制御電極23に与えられる。
なお、第6の実施の形態における電極の配置は、図13を参照して説明した第3の実施の形態における電極の配置と同様である。
かかる構成を有する第6の実施の形態の電界センサでは、積分器49(制御信号生成手段)が出力信号22に含まれる直流成分に応じた電圧を有する制御信号29を生成する。この制御信号29が制御電極23に与えられると、EO結晶7内には、被測定信号15による分の電界だけでなく、制御信号29による分の電界が印加され、後者の電界により光ビームの偏光状態を円偏光に補正することができる。また、光強度雑音を十分に低減することができる。
<第7の実施の形態>
図20は、第7の実施の形態における電界センサの構成図である。
以下、第6の実施の形態の電界センサとの差異を説明し、同一の構成については説明を省略する。
第7の実施の形態の電界センサは、EO結晶7に制御電極23と制御グラウンド電極25が設けられておらず、電極としては、信号電極11とグラウンド電極13だけが設けられている。また、第7の実施の形態の電界センサは、被測定信号15に対し制御信号29を加算する加算器33を有し、加算後の被測定信号15Aが信号電極11に与えられる。なお、加算器33は制御信号付与手段に相当する。
なお、第7の実施形態における加算器33の構成は、図15を参照して説明した第4の実施の形態における加算器33の構成と同様である。
かかる構成を有する第7の実施の形態の電界センサでは、積分器49(制御信号生成手段)が出力信号22に含まれる直流成分に応じた電圧を有する制御信号29を生成する。この制御信号29が加算器33に与えられると、EO結晶7内には、被測定信号15による分の電界だけでなく、制御信号29による分の電界が印加され、後者の電界により光ビームの偏光状態を円偏光に補正することができる。また、光強度雑音を十分に低減することができる。
<第8の実施の形態>
図21(a)は、第8の実施の形態における電界センサの構成図である。
第8の実施の形態における電界センサは電波測定に用いられるので、反射型光学系を有する。以下、第6の実施の形態の電界センサとの差異を説明し、同一の構成については説明を省略する。
第8の実施の形態における電界センサは、EO結晶7に設けられた電極に与えられる被測定信号15を測定するのでなく、空間を伝播してEO結晶7に直接入射する被測定電波や、図21(b)に示すような測定対象の電気回路などから発生する電界を測定するものであるので、信号電極11とグラウンド電極13を備えていない。
また、この電界センサにあっては、PBS9に代えて、光源1からEO結晶7の方に、順にPBS91および92が設けられている。QWP5は、PBS92とEO結晶7の間に設けられ、PBS91とPBS92との間にHWP37とファラデー回転子39とが設けられている。そして、EO結晶7の光ビーム入射面と反対側の面には誘電体鏡71が設けられ、この誘電体鏡71の面に被測定電波16が入射される。
かかる構成を有する第3の実施の形態の電界センサでは、光源1からの光ビーム3は、PBS91、HWP37、ファラデー回転子39、PBS92およびQWP5を通り抜けてからEO結晶7に入射する。そして誘電体鏡71で反射しEO結晶7を出射してから、QWP5によって適当な偏光状態に調整されPBS92に入射する。PBS92は光ビーム3をSおよびP偏光成分に分離し、S偏光成分はPD17に入射する。一方、PBS92を透過したP偏光成分は、ファラデー回転子39とHWP37でS偏光に変換された後に、PBS91に入射する。PBS91は、そのS偏光成分をPD19に入射させる。
なお、第8の実施の形態における電極の配置は、図17を参照して説明した第5の実施の形態における電極の配置と同様である。
かかる構成を有する第8の実施の形態の電界センサにあっては、第6の実施の形態と同様に、積分器49により、出力信号22に含まれる直流成分に応じた電圧を有する制御信号29が生成され、この制御信号29が制御電極23に与えられると、EO結晶7内には、被測定信号15による分の電界だけでなく、制御信号29による分の電界が印加され、PBS92に入射する光の偏光状態が適切に調整され、PD17およびPD19に入射する光強度を等しくすることができる。また、光強度雑音を十分に低減することができる。
次に、反射戻り光がレーザ光源に入射することを防止可能な電界センサに係る実施の形態を第9乃至第14の実施の形態として説明する。
<第9の実施の形態>
図22は、第9の実施の形態における電界センサの構成図である。
電界センサ101aは、レーザ光源1、QWP5、EO結晶7、PBS9、PD17、PD19、レーザ光源1とQWP5との間に設けられた第2のPBS51を有する。なお、検知されるべき電界が存在する際に、これに起因してEO結晶7に電圧を印加する電極の記載は省略している。
なお、以降の説明においては、適宜、上記のEO結晶7、PBS9、PD17および19を反射要素107と総称する。
電界センサ101aにより電界を測定するにあたっては、レーザ光源1からP偏光108が照射され、このP偏光108はQWP5により円偏光109に変換される。
円偏光109は、EO結晶7により偏光変調され、PBS9によりP偏光(成分)110とS偏光(成分)111とに分離され、P偏光110はPD19により受信され、電気信号に変換され、一方、S偏光111はPD17により受信され、電気信号に変換される。これらの電気信号は、図示しない差動アンプ等により差動増幅され、これに基づいて電界が測定される。
図23は、図22の電界センサ101aの基本原理を説明するための図である。なお、本図においては、反射要素107を鏡に見立てている。
反射要素107において発生した反射戻り光(円偏光)112は、QWP5によりS偏光113に変換され、PBS51により偏光分離される。
上記のように、反射戻り光(S偏光)113をPBS51により偏光分離することにより、この反射戻り光113がレーザ光源1に入射することを防止できる。
なお、本実施の形態においては、電界センサ101aが、反射戻り光(S偏光)を偏光分離する手段(偏光分離手段)としてPBS51を備える場合を示したが、これに限定されず、グラントムソンプリズムやウォラストンプリズムといった2つの独立な直線偏光を空間的に分離する素子や、偏光板のように特定の直線偏光のみが透過する素子を有する構成とすることもできる。
<第10の実施の形態>
図24は、第10の実施の形態における電界センサの構成図である。
電界センサ101bは、レーザ光源1、QWP5、EO結晶7、PBS9、PD17、PD19、第2のPBS51を有する。
この電界センサ101bと図22の電界センサ101aとの差異は、レーザ光源1の位置を変更した点にある。
電界センサ101bにより電界を測定するにあたっては、レーザ光源1からS偏光115が照射され、このS偏光115は、PBS51によりQWP5に入射され、このQWP5により円偏光109に変換される。
円偏光109は、EO結晶7により偏光変調され、PBS9によりP偏光(成分)110とS偏光(成分)111とに分離され、P偏光110はPD19により受信され、電気信号に変換され、一方、S偏光111はPD17により受信され、電気信号に変換される。これらの電気信号は、図示しない差動増幅器等により差動増幅され、これに基づいて電界が測定される。
なお、以降の説明においては、適宜、上記のEO結晶7、PBS9、PD17および19を反射要素107と総称する。
図25は、図24の電界センサ101bの基本原理を説明するための図である。なお、本図においては、反射要素107を鏡に見立てている。
反射要素107において発生した反射戻り光(円偏光)117は、QWP5によりP偏光116に変換され、PBS51により偏光分離される。
上記のように、レーザ光源から発せられるレーザ光は115のようなS偏光でもよく、反射戻り光(P偏光)116をPBS51により偏光分離することにより、この反射戻り光116がレーザ光源1に入射することを防止できる。
なお、本実施の形態においては、電界センサ101bが、反射戻り光(P偏光)を偏光分離する手段(偏光分離手段)としてPBS51を備える場合を示したが、これに限定されず、グラントムソンプリズムやウォラストンプリズムといった2つの独立な直線偏光を空間的に分離する素子を有する構成とすることもできる。
<第11の実施の形態>
図26は、第11の実施の形態における電界センサの構成図である。
電界センサ101cは、レーザ光源1、QWP5、EO結晶7、PBS9、PD17、PD19、第2のPBS51、HWP53を有する。
この電界センサ101cと図24の電界センサ101bとの差異は、レーザ光源1とPBS51との間にHWP53を設けた点にある。
電界センサ101cにより電界を測定するにあたっては、レーザ光源1からP偏光108が照射され、このP偏光108は、HWP53によりS偏光115に変換され、PBS51によりQWP5に入射され、このQWP5により円偏光109に変換される。
円偏光109は、EO結晶7により偏光変調され、PBS9によりP偏光(成分)110とS偏光(成分)111とに分離され、P偏光110はPD19により受信され、電気信号に変換され、一方、S偏光111はPD17により受信され、電気信号に変換される。これらの電気信号は、図示しない差動アンプ等により差動増幅され、これに基づいて電界が測定される。
なお、以降の説明においては、適宜、上記のEO結晶7、PBS9、PD17および19を反射要素107と総称する。
図27は、図26の電界センサ101cの基本原理を説明するための図である。なお、本図においては、反射要素107を鏡に見立てている。
反射要素107において発生した反射戻り光(円偏光)117は、QWP5によりP偏光116に変換され、PBS51により偏光分離される。
上記のように、レーザ光源1から発せられたP偏光108をS偏光115に変換し、その後にEO結晶7に入射させてもよく、反射戻り光(P偏光)116をPBS51により偏光分離することにより、この反射戻り光116がレーザ光源1に入射することを防止できる。
なお、本実施の形態においては、電界センサ101cが、反射戻り光(P偏光)を偏光分離する手段(偏光分離手段)としてPBS51を備える場合を示したが、これに限定されず、グラントムソンプリズムやウォラストンプリズムといった2つの独立な直線偏光を空間的に分離する素子を有する構成とすることもできる。
<第12の実施の形態>
図28は、第12の実施の形態における電界センサの構成図である。
電界センサ101dは、レーザ光源1、QWP5、EO結晶7、PBS9、PD17、PD19、第2のPBS51、プリズム55を有する。
この電界センサ101dは、図22の電界センサ101aにプリズム55を設けたものである。
電界センサ101dにより電界を測定するにあたっては、レーザ光源1からP偏光108が照射され、このP偏光108はプリズム55において進行方向が変更されることによりQWP5に入射され、このQWP5により円偏光109に変換される。
円偏光109は、EO結晶7により偏光変調され、PBS9によりP偏光(成分)110とS偏光(成分)111とに分離され、P偏光110はPD19により受信され、電気信号に変換され、一方、S偏光11はPD17により受信され、電気信号に変換される。これらの電気信号は、図示しない差動アンプ等により差動増幅され、これに基づいて電界が測定される。
なお、以降の説明においては、適宜、上記のEO結晶7、PBS9、PD17および19を反射要素107と総称する。
図29は、図28の電界センサ101dの基本原理を説明するための図である。なお、本図においては、反射要素107を鏡に見立てている。
反射要素107において発生した反射戻り光(円偏光)117は、QWP5によりS偏光120に変換され、プリズム55により進行方向が変換されるとともにPBS51に入射され、このPBS51により偏光分離される。
上記のように、P偏光108の進行方向を変更し、その後にQWP5に入射させ、反射戻り光(S偏光)120の進行方向を変更し、その後にPBS51に入射させる構成とすることにより、レーザ光源を配置するにあたっての自由度が拡大し、また、PBS51により反射戻り光120を偏光分離することにより、この反射戻り光120がレーザ光源1に入射することを防止できる。
なお、本実施の形態においては、電界センサ101dが、反射戻り光(S偏光)を偏光分離する手段(偏光分離手段)としてPBS51を備える場合を示したが、これに限定されず、グラントムソンプリズムやウォラストンプリズムといった2つの独立な直線偏光を空間的に分離する素子や、偏光板のように特定の直線偏光のみが透過する素子を有する構成とすることもできる。
<第13の実施の形態>
図30は、第13の実施の形態における電界センサの構成図である。
電界センサ101eは、レーザ光源1、QWP5、EO結晶7、PBS9、PD17、PD19、第2のPBS51、プリズム55を有する。
この電界センサ101eと図28の電界センサ101dとの差異は、プリズム55の位置を変更し、レーザ光源1に隣接配置した点にある。
電界センサ101eにより電界を測定するにあたっては、レーザ光源1からP偏光108が照射され、このP偏光108はプリズム55において進行方向が変更されることによりQWP5に入射され、このQWP5により円偏光109に変換される。
円偏光109は、EO結晶7により偏光変調され、PBS9によりP偏光(成分)110とS偏光(成分)111とに分離され、P偏光110はPD19により受信され、電気信号に変換され、一方、S偏光111はPD17により受信され、電気信号に変換される。これらの電気信号は、図示しない差動増幅器等により差動増幅され、これに基づいて電界が測定される。
なお、以降の説明においては、適宜、上記のEO結晶7、PBS9、PD17および19を反射要素107と総称する。
図31は、図30の電界センサ101eの基本原理を説明するための図である。なお、本図においては、反射要素107を鏡に見立てている。
反射要素107において発生した反射戻り光(円偏光)117は、QWP5によりS偏光120に変換されるとともにPBS51に入射され、このPBS51により偏光分離される。
上記のように、P偏光108の進行方向を変更し、その後にQWP5に入射させる構成とすることにより、レーザ光源を配置するにあたっての自由度が拡大し、また、PBS51により反射戻り光120を偏光分離することにより、この反射戻り光120がレーザ光源1に入射することを防止できる。
なお、本実施の形態においては、電界センサ101eが、反射戻り光(S偏光)を偏光分離する手段(偏光分離手段)としてPBS51を備える場合を示したが、これに限定されず、グラントムソンプリズムやウォラストンプリズムといった2つの独立な直線偏光を空間的に分離する素子や、偏光板のように特定の直線偏光のみが透過する素子を有する構成とすることもできる。
<第14の実施の形態>
上述した第9乃至第13の実施の形態においては、EO結晶の入射面での反射光を主として問題にしたが、この第14の実施の形態は、さらに、PDの受光面での反射光を問題としており、PDの受光面での反射光もレーザ光源側に戻らないような工夫がなされている。
図32は、第14の実施の形態における電界センサの構成図である。
ここでは、第9の実施の形態における電界センサとの差異を説明し、同一の構成については説明を省略する。
第14の実施の形態における電界センサ101fは、特に、PBS9とPD17との間にQWP57を備え、PBS9とPD19との間にQWP59を備えている。
かかる構成を有する電界センサ101fにおいて、EO結晶7からの円偏光109のうち、P偏光110はPBS9を透過し、S偏光111はPBS9で反射する。
PBS9を透過したP偏光110はQWP59により円偏光109に変換され、その一部はPD19の受光面で反射する。しかし、その反射した円偏光109は再びQWP59を透過することによりS偏光120に変換され、PBS9で反射される。すなわち、PD19の受光面での反射光が光源1に戻る不都合を防止できる。
一方、PBS9で反射したS偏光111はQWP57により円偏光109に変換され、その一部はPD17の受光面で反射する。しかし、その反射した円偏光109は再びQWP57を透過することによりP偏光116に変換され、PBS9を透過する。すなわち、PD17の受光面での反射光が光源1に戻る不都合を防止できる。
次に、電気光学結晶内の電界振幅を高めることによって高い感度が得られる電界センサに係る実施の形態を第15の実施の形態として説明する。
<第15の実施の形態>
図33は、本発明の電界センサを人体の電気信号検出に用いた構成例を示す図であり、図34は、本発明の電界センサをDUTの電圧測定に用いた構成例を示す図である。本実施の形態の電界センサの構成要素のうち、図5や図6に示した電界センサの構成要素と同一のものには同一符号を付与することで要素説明を省略する。また、本実施の形態の電界センサは、EO結晶7内の電界を検出するときに、図5や図6を参照して説明したように動作するので動作説明を省略する。
図33や図34の電界センサでは、EO結晶7の第1の電極である信号電極11を設けた面の対向面に第2の電極である対向電極12が設けられている。さらに、電界センサの感度を高めるための補助電極61がリード線LDで対向電極12に接続されている。
なお、第2の電極は、信号電極11を設けた面と同一の面に設けても良いし(導波路構造を有するEO変調素子でいうスロット電極構造)、その隣の面に設けてもよい。
補助電極61は、電界センサ内の全ての部品および回路(差動アンプ21や光源1を駆動する回路等)ならびに電界センサの筐体から絶縁されている。また、対向電極12と補助電極61の間は、信号電極11と対向電極12の間よりも離れているが、この理由については後述する。
図33や図34の電界センサでは、信号電極11と対向電極12でコンデンサC1が形成され、さらに補助電極61と大地グランドでコンデンサC2が形成されるので、電気力線は、それぞれのコンデンサの電極間に集中することとなり、EO結晶7内の電界振幅を大きくすることができ、これにより、電界センサの感度を高めることができる。
また、信号電極11と大地グランド間の電位差をφ、コンデンサC1の静電容量をC1、コンデンサC2の静電容量をC2、コンデンサC1の電極間電位差をφ1、コンデンサC2の電極間電位差をφ2とすると次の2式が成り立つ。
φ1=φ・C2/(C1+C2)
φ2=φ・C1/(C1+C2)
したがって、EO結晶7内の電界振幅は、コンデンサC1の電極間電位差φ1に比例するので、EO結晶7内の電界振幅を大きくするには、静電容量C2>C1(好ましくはC2>>C1)となるように設計すればよい。
なお、EO結晶7は、通常は、ごく小さいものなので、対向電極12と補助電極61を設けるだけでも感度が向上するが、静電容量C2をさらに大きくしてさらに感度を上げるには、例えば、補助電極61の表面積を大きくすればよい。また、補助電極61の形状を、例えば、棒状(紐状を含む)、平板状、球状(半球状を含む)などとすれば、製造上の支障なく、その表面積を大きくすることができる。
また、静電容量C2を大きくするには、図35に示すように、補助電極61を、信号電極11や対向電極12の近くに設けるよりは、図36に示すように、信号電極11や対向電極12から遠ざけ、好ましくは、補助電極61を大地グランドに近づければよい。なお、補助電極61が電界センサから離れると、電界センサが取り扱いにくいので、例えば、当該電極同士を伸縮可能な部材で接続して、対向電極12と補助電極61との間の距離を可変にするのが好ましい。さらには、携帯電話のアンテナのように、補助電極61を筐体に収納できるようにしてもよい。
また、補助電極61が、信号電極11や対向電極12の近くにあるときには、電界を検出する感度が低くなるので、対向電極12と補助電極61とが離れたときに限って動作するように、例えば、補助電極61が対向電極12の近くにあるときには、光源1や光検出器17、19および差動アンプ21への電力供給を遮断し、対向電極12と補助電極61とが所定の距離以上離れたときには電力供給がなされるようなスイッチ機構を設けることが好ましい。
具体的には、例えば、図35および36に示すように、補助電極61をレールに沿って移動可能なように構成するとともにそのレール上にスイッチ63を設け、補助電極61が対向電極12から離れる方向に移動してスイッチ63上を通過したときにスイッチ63をオンにして電力供給を行い、一方、補助電極61が対向電極12に近づく方向に移動してスイッチ63上を通過したときにスイッチ63をオフにして電力供給を遮断するような機構を設けることができる。また、補助電極61を対向電極12から所定の距離以上離れた位置Aと対向電極12のごく近くの位置Bのいずれかに固定可能とするとともに、位置Aにスイッチを設け、位置Aに補助電極61が固定されたときにスイッチをオンにして電力供給を行い、一方、補助電極61が位置Bに固定されたときには位置Aのスイッチをオフにして電力供給を遮断するような機構を設けることができる。
このような機構を設けることにより、常に高い感度で検出することが可能な電界センサを実現することができる。
本発明の電界センサによれば、電気光学結晶の自然複屈折率による感度低下を補償することができる。
本発明は、円偏光状態にある反射光をP偏光またはS偏光に変換し、これを偏光ビームスプリッタ等で除去する。したがって、反射光がレーザ光源に入射することを防止可能な電界センサを提供することが可能となる。
本発明の電界センサによれば、電気光学結晶に設けた第2の電極と、該第2の電極に電気的に接続され、且つ、第2の電極と十分な距離離すことができる補助電極と、を備えたことで、電気光学結晶内の電界振幅が高まり、よって電界センサの感度を高めることができる。
図1は、従来の電界センサの構成を示すブロック図である。 図2は、PBSに入射する光ビームの偏光状態とそれに対応する電気信号の関係を示す図である。 図3は、従来の電界センサの構成を示すブロック図である。 図4は、図3の電界センサにおける課題を説明するための図である。 図5は、従来の電界センサを人体の電気信号検出に用いた構成例を示す図である。 図6は、従来の電界センサをDUTの電圧測定に用いた構成例を示す図である。 図7は、本発明の第1の実施の形態に係る電界センサの構成を示す図である。 図8は、本発明の第1の実施の形態に係る電界センサの偏光状態を示す図である。 図9は、本発明の第2の実施の形態に係る電界センサの構成を示す図である。 図10は、本発明の第2の実施の形態に係る電界センサの偏光状態を示す図である。 図11は、第1または第2の実施の形態の電界センサのEO結晶が自然複屈折率を有する場合の波形図である。 図12は、第3の実施の形態における電界センサの構成図である。 図13は、第3の実施の形態における電極の配置図である。 図14は、第4の実施の形態における電界センサの構成図である。 図15は、加算器の回路図である。 図16は、第5の実施の形態における電界センサの構成図である。 図17は、第5の実施の形態における電極の配置図である。 図18は、第6の実施の形態における電界センサの構成図である。 図19は、積分器(スイッチトキャパシタ積分器)の回路図とドライブ信号の波形図である。 図20は、第7の実施の形態における電界センサの構成図である。 図21は、第8の実施の形態における電界センサの構成図である。 図22は、第9の実施の形態における電界センサの構成図である。 図23は、図22の電界センサの基本原理を説明するための図である。 図24は、第10の実施の形態における電界センサの構成図である。 図25は、図24の電界センサの基本原理を説明するための図である。 図26は、第11の実施の形態における電界センサの構成図である。 図27は、図26の電界センサの基本原理を説明するための図である。 図28は、第12の実施の形態における電界センサの構成図である。 図29は、図28の電界センサの基本原理を説明するための図である。 図30は、第13の実施の形態における電界センサの構成図である。 図31は、図30の電界センサの基本原理を説明するための図である。 図32は、第14の実施の形態における電界センサの構成図である。 図33は、本発明の電界センサを人体の電気信号検出に用いた構成例を示す図である。 図34は、本発明の電界センサをDUTの電圧測定に用いた構成例を示す図である。 図35は、補助電極を、信号電極や対向電極の近くに設けた状態を示す図である。 図36は、補助電極を、信号電極や対向電極から遠ざけた状態を示す図である。
符号の説明
1 光源
5,6 1/4波長板
7 EO結晶
8,37,53,57,59 1/2波長板
9,51,91 偏光ビームスプリッタ
11 信号電極
12 対向電極
13 グラウンド電極
17,19 光検出器
21 差動増幅器
23 制御電極
25 制御グラウンド電極
27 表示器
31 可変直流電源
33 加算器
39 ファラデー回転子
71 誘電体鏡
43,44 バッファアンプ
45,47 LPF
49 積分器
55 プリズム
61 補助電極
63 スイッチ
101,101a,101b,101c,101d,101e,101f 電界センサ
107 反射要素

Claims (15)

  1. 光源(1)と、
    被測定信号に基づく電界が印加され、その電界に応じて複屈折率が変化し、その複屈折率に応じて、前記光源(1)から入射される光の偏光状態を変化させて出射する電気光学結晶(7)と、
    前記被測定信号に基づく電界を前記電気光学結晶(7)に印加するための一対の電極(11,13)と、
    当該電気光学結晶(7)から出射された光をP偏光成分とS偏光成分とに分離し、当該各偏光成分の強度の差分に応じた交流信号を得る検出部(9,17,19,21)と、
    前記電気光学結晶(7)が有する自然複屈折性による、前記電界が印加されていないときにおける、前記光源(1)から入射される光の偏光状態の変化を相殺する補償手段((6,8),(27,31,29,23,25),(27,31,29,33),(43,44,45,47,49,29,23,25),(43,44,45,47,49,29,33))と、
    を備えたことを特徴とする電界センサ。
  2. 前記電気光学結晶(7)に入射される光は任意の偏光であり、
    前記補償手段は、
    電気的主軸が前記電気光学結晶(7)から出射した楕円偏光の主軸と一致し、その楕円偏光を直線偏光に変換する1/4波長板(6)と、
    前記電界が印加されていないときの、前記1/4波長板(6)からの直線偏光の偏波面が前記電気光学結晶(7)の電気的主軸に対して有する角度を45°−φoとしたときに、電気的主軸が前記電気光学結晶(7)の電気的主軸に対して有する角度が、n・45°−φo/2(ただし、nは整数)であることでもって、前記1/4波長板(6)から出射する直線偏光の偏波面の角度を調整する1/2波長板(8)と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の電界センサ。
  3. 前記電気光学結晶(7)に入射される光は、偏波面が前記電気光学結晶(7)の電気的主軸に対して有する角度が45°である直線偏光であり、
    前記補償手段は、
    電気的主軸が前記電気光学結晶(7)の電気的主軸に対して有する角度は45°であり、前記電気光学結晶(7)から出射する楕円偏光を直線偏光に変換する1/4波長板(6)と、
    前記電界が印加されていないときの、前記電気光学結晶(7)から出射した楕円偏光に含まれる位相差をφoとしたときに、電気的主軸が前記電気光学結晶(7)の電気的主軸に対して有する角度が、n・45°−φo/2(ただし、nは整数)であることでもって、前記1/4波長板(6)から出射する直線偏光の偏波面の角度を調整する1/2波長板(8)と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の電界センサ。
  4. 前記電気光学結晶(7)に入射される光は円偏光であり、
    前記補償手段は、
    電気的主軸が前記電気光学結晶(7)の電気的主軸に対して有する角度は45°であり、前記電気光学結晶(7)から出射する楕円偏光を直線偏光に変換する1/4波長板(6)と、
    前記電界が印加されていないときの、前記電気光学結晶(7)から出射した楕円偏光に含まれる位相差をφoとしたときに、電気的主軸が前記電気光学結晶(7)の電気的主軸に対して有する角度が、n・45°−φo/2(ただし、nは整数)であることでもって、前記1/4波長板(6)から出射する直線偏光の偏波面の角度を調整する1/2波長板(8)と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の電界センサ。
  5. 前記φoは、φo=(2π/λ)(no−ne)Lに基づいて決定されることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の電界センサ。
    ここで、noは、前記電気光学結晶の常光に対する屈折率、
    neは、前記電気光学結晶の異常光に対する屈折率、
    λは、光の真空中における波長、
    Lは、前記電気光学結晶の光の方向における長さ。
  6. 前記補償手段は、
    制御信号(29)に基づいた電界を前記電気光学結晶に印加する一対の制御電極(23,25)と、
    前記検出部(9,17,19,21)により得られた前記交流信号に基づき、前記被測定信号に基づく電界が印加されていないときにおける、前記光源(1)から入射される光の偏光状態の変化を相殺するような前記制御信号(29)を生成する制御信号生成手段((27,31),(43,44,45,47,49))と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の電界センサ。
  7. 前記補償手段は、
    制御信号(29)を前記被測定信号に加算する加算器(33)と、
    前記検出部(9,17,19,21)により得られた前記交流信号に基づき、前記被測定信号に基づく電界が印加されていないときにおける、前記光源(1)から入射される光の偏光状態の変化を相殺するような前記制御信号(29)を生成する制御信号生成手段((27,31),(43,44,45,47,49))と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の電界センサ。
  8. 前記制御信号生成手段は、
    前記P偏光成分に基づく電気信号および前記S偏光成分に基づく電気信号をそれぞれ入力する第1バッファアンプおよび第2バッファアンプ(43,44)と、
    前記第1バッファアンプおよび第2バッファアンプ(43,44)の出力をそれぞれ入力する第1ローパスフィルタおよび第2ローパスフィルタ(45,47)と、
    前記第1ローパスフィルタおよび第2ローパスフィルタ(45,47)の出力を入力し、それらの出力の差分を積分する積分器(49)と、
    を含むことを特徴とする請求項6または7に記載の電界センサ。
  9. 光源(1)と;被測定信号に基づく電界が印加され、その電界に応じて複屈折率が変化し、その複屈折率に応じて、入射される任意の偏光の偏光状態を変化させて出射する電気光学結晶(7)と;前記被測定信号に基づく電界を前記電気光学結晶(7)に印加するための一対の電極(11,13)と;当該電気光学結晶(7)から出射された光をP偏光成分とS偏光成分とに分離し、当該各偏光成分の強度の差分に応じた交流信号を得る検出部(9,17,19,21)と;を備えた電界センサの調整方法であって、
    前記電気光学結晶(7)から出射した楕円偏光を直線偏光に変換する1/4波長板(6)を、その電気的主軸が前記楕円偏光の電気的主軸と一致するように設け、
    前記1/4波長板(6)から出射する直線偏光の偏波面の角度を調整する1/2波長板(8)を、前記電界が印加されていないときの、前記1/4波長板(6)からの直線偏光の偏波面が前記電気光学結晶(7)の電気的主軸に対して有する角度を45°−φoとしたときに、電気的主軸が前記電気光学結晶(7)の電気的主軸に対して有する角度が、n・45°−φo/2(ただし、nは整数)となるように設けることを特徴とする電界センサの調整方法。
  10. 光源(1)と;被測定信号に基づく電界が印加され、その電界に応じて複屈折率が変化し、その複屈折率に応じて、偏波面が電気光学結晶(7)その電気的主軸に対して有する角度が45°である直線偏光の偏光状態を変化させて出射する電気光学結晶(7)と;前記被測定信号に基づく電界を前記電気光学結晶(7)に印加するための一対の電極(11,13)と;当該電気光学結晶(7)から出射された光をP偏光成分とS偏光成分とに分離し、当該各偏光成分の強度の差分に応じた交流信号を得る検出部(9,17,19,21)と;を備えた電界センサの調整方法であって、
    前記電気光学結晶(7)から出射する楕円偏光を直線偏光に変換する1/4波長板(6)を、電気的主軸が前記電気光学結晶(7)の電気的主軸に対して45°の角度となるように設け、
    前記1/4波長板(6)から出射する直線偏光の偏波面の角度を調整する1/2波長板(8)を、前記電界が印加されていないときの、前記電気光学結晶(7)から出射した楕円偏光に含まれる位相差をφoとしたときに、電気的主軸が前記電気光学結晶(7)の電気的主軸に対して有する角度が、n・45°−φo/2(ただし、nは整数)となるように設けることを特徴とする電界センサの調整方法。
  11. 光源(1)と;被測定信号に基づく電界が印加され、その電界に応じて複屈折率が変化し、その複屈折率に応じて、入射される円偏光の偏光状態を変化させて出射する電気光学結晶(7)と;前記被測定信号に基づく電界を前記電気光学結晶(7)に印加するための一対の電極(11,13)と;当該電気光学結晶(7)から出射された光をP偏光成分とS偏光成分とに分離し、当該各偏光成分の強度の差分に応じた交流信号を得る検出部(9,17,19,21)と;を備えた電界センサの調整方法であって、
    前記電気光学結晶(7)から出射する楕円偏光を直線偏光に変換する1/4波長板(6)を、電気的主軸が前記電気光学結晶(7)の電気的主軸に対して45°の角度となるように設け、
    前記1/4波長板(6)から出射する直線偏光の偏波面の角度を調整する1/2波長板(8)を、前記電界が印加されていないときの、前記電気光学結晶(7)から出射した楕円偏光に含まれる位相差をφoとしたときに、電気的主軸が前記電気光学結晶(7)の電気的主軸に対して有する角度が、n・45°−φo/2(ただし、nは整数)となるように設けることを特徴とする電界センサの調整方法。
  12. 前記φoは、φo=(2π/λ)(no−ne)Lに基づいて決定されることを特徴とする請求項9乃至11のいずれかに記載の電界センサの調整方法。
    ここで、noは、前記電気光学結晶の常光に対する屈折率、
    neは、前記電気光学結晶の異常光に対する屈折率、
    λは、光の真空中における波長、
    Lは、前記電気光学結晶の光の方向における長さ。
  13. 前記φoは、測定により決定されることを特徴とする請求項9乃至11のいずれかに記載の電界センサの調整方法。
  14. 光源(1)と;被測定信号に基づく電界が印加され、その電界に応じて複屈折率が変化し、その複屈折率に応じて、前記光源(1)から入射される光の偏光状態を変化させて出射する電気光学結晶(7)と;前記被測定信号に基づく電界を前記電気光学結晶(7)に印加するための一対の電極(11,13)と;当該電気光学結晶(7)から出射された光をP偏光成分とS偏光成分とに分離し、当該各偏光成分の強度の差分に応じた交流信号を得る検出部(9,17,19,21)と;制御信号(29)に基づいた電界を前記電気光学結晶(7)に印加する一対の制御電極(23,25)と;前記制御信号(29)を生成する制御信号生成手段(31)と;を備えた電界センサの調整方法であって、
    前記検出部(9,17,19,21)により得られた前記交流信号を表示し、
    表示された前記交流信号に基づき、前記被測定信号に基づく電界が印加されていないときにおける、前記光源(1)から入射される光の偏光状態の変化を相殺するような前記制御信号(29)を生成するように前記制御信号生成手段(31)を調整することを特徴とする電界センサの調整方法。
  15. 光源(1)と;被測定信号に基づく電界が印加され、その電界に応じて複屈折率が変化し、その複屈折率に応じて、前記光源(1)から入射される光の偏光状態を変化させて出射する電気光学結晶(7)と;前記被測定信号に基づく電界を前記電気光学結晶(7)に印加するための一対の電極(11,13)と;当該電気光学結晶(7)から出射された光をP偏光成分とS偏光成分とに分離し、当該各偏光成分の強度の差分に応じた交流信号を得る検出部(9,17,19,21)と;制御信号(29)を前記被測定信号に加算する加算器(33)と;前記制御信号(29)を生成する制御信号生成手段(31)と;を備えた電界センサの調整方法であって、
    前記検出部(9,17,19,21)により得られた前記交流信号を表示し、
    表示された前記交流信号に基づき、前記被測定信号に基づく電界が印加されていないときにおける、前記光源(1)から入射される光の偏光状態の変化を相殺するような前記制御信号(29)を生成するように前記制御信号生成手段(31)を調整することを特徴とする電界センサの調整方法。
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