JP2008177296A - 半導体装置、pnダイオード、igbt、及びそれらの製造方法 - Google Patents

半導体装置、pnダイオード、igbt、及びそれらの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008177296A
JP2008177296A JP2007008384A JP2007008384A JP2008177296A JP 2008177296 A JP2008177296 A JP 2008177296A JP 2007008384 A JP2007008384 A JP 2007008384A JP 2007008384 A JP2007008384 A JP 2007008384A JP 2008177296 A JP2008177296 A JP 2008177296A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
region
concentration
semiconductor substrate
defects
predetermined range
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007008384A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahide Sugiyama
隆英 杉山
Tadashi Misumi
忠司 三角
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp, Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2007008384A priority Critical patent/JP2008177296A/ja
Publication of JP2008177296A publication Critical patent/JP2008177296A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、上述した実情に鑑みてなされたものであり、半導体結晶中に形成欠陥を形成して半導体装置の特性を調節するにあたって、半導体装置間のばらつきが少ない半導体装置群を量産する製造方法を提供する。
【解決手段】不純物を導入した半導体領域と所定範囲B1に結晶欠陥を形成した結晶欠陥領域とを備えている半導体装置10aを製造する方法であって、半導体基板を熱処理することによって前記所定範囲に含まれている不純物の少なくとも一部を半導体基板外に排出する排出工程S2と、排出工程S2を実施した半導体基板に不純物を導入して半導体領域を形成する導入工程S4〜S10と、排出工程S2を実施した半導体基板の前記所定範囲B1に荷電粒子を打ち込むことによって前記所定範囲B1に結晶欠陥を形成する打ち込み工程S14を備えている。
【選択図】図4

Description

本発明は、半導体装置とその製造方法に関する。特に、結晶欠陥を意図的に形成することによって、キャリアのライフタイムを調整した半導体装置とその製造方法に関する。
半導体装置のキャリア(電子と正孔)のライフタイムを制御する技術が知られている。例えば、特許文献1には、プロトンを打ち込むことによって、pn接合界面の近傍に結晶欠陥を形成したPNダイオードが開示されている。結晶欠陥は、キャリアの再結合中心として働く。したがって、PNダイオード中に結晶欠陥を形成すると、キャリアのライフタイムが短くなる。PNダイオード中に形成する結晶欠陥の量を制御することによって、PNダイオードのターンオフ後に現れる逆回復時にPNダイオードを流れる電流の時間に対する変化パターンを制御することができる。
また、バイポーラトランジスタであるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)においても、荷電粒子を打ち込むことによってドリフト領域内に結晶欠陥を形成し、それによってターンオフ時間を短縮化する技術が知られている。
上記に例示したように、半導体装置(例えば、PNダイオードやIGBT等)を構成する半導体結晶中に意図的に結晶欠陥を形成することによって、半導体装置の特性を調節する技術が知られている。
なお半導体結晶中には、結晶の成長時(結晶のインゴットの製造時)等に意図せずに形成された結晶欠陥が存在している。意図せず形成された結晶欠陥と、荷電粒子等を打ち込むことによって意図的に形成した結晶欠陥とを区別するため、以下の説明では、意図的に形成した結晶欠陥のことを形成欠陥という。
特開平8−102545号公報
半導体装置を構成する半導体結晶中には、意図的に導入した不純物と、結晶の成長時等に意図せずに混入した不純物が含まれている。両者を区別するために、以下の説明では、前者の不純物をドーパント不純物といい、後者の不純物を混入不純物という。
混入不純物が含まれている半導体結晶中に荷電粒子を打ち込むと、概して2種類の形成欠陥が形成される。すなわち、半導体結晶中の格子点(サイト)に原子が存在しない空孔型の欠陥と、半導体結晶中の混入不純物により形成される格子間型の欠陥が形成される。
例えば、炭素と酸素が混入しているシリコンの結晶中に荷電粒子を打ち込むと、以下の反応が起こる。まず、荷電粒子の打ち込みにより、格子点に存在していたシリコンが格子間位置にはじき出され、格子点に空孔が形成される。これによって、結晶中に多数の空孔型欠陥と格子間シリコンが生成される。生成された空孔型の欠陥は、他の空孔型の欠陥と所定の位置関係をとると安定な状態となる。これにより、2つの空孔型の欠陥により構成されるVV欠陥が形成される。また、格子間位置にはじき出されたシリコンは、結晶中の格子点に存在していた炭素と位置が入れ替わる。すなわち、格子点にあった炭素が格子間位置に移動し、格子間位置にあったシリコンが格子点に移動する。格子間位置にはじき出された炭素は、結晶中の格子間位置に存在している酸素と所定の位置関係をとると安定な状態となる。これにより、格子間位置の炭素と格子間位置の酸素によって構成されるC欠陥が形成される。
このように、半導体結晶中に荷電粒子を打ち込むと、空孔による欠陥(シリコンの場合にはVV欠陥)と、混入不純物による欠陥(シリコンの場合にはC欠陥)が形成される。これらの欠陥は、何れもキャリアの再結合中心として働く。したがって、空孔による欠陥と混入不純物による欠陥を半導体結晶中に形成することで、キャリアのライフタイムを変化させることができる。すなわち、空孔による欠陥と混入不純物による欠陥の形成量を適切に制御することで、半導体装置の特性を適切な特性に調節することができる。
荷電粒子を打ち込む際に半導体結晶中に形成される空孔による欠陥の量は、打ち込む荷電粒子の量によって制御することができる。一方、混入不純物による欠陥の量は、荷電粒子を打ち込む対象である半導体結晶中の混入不純物の量によっても左右される。すなわち、混入不純物の濃度が高い半導体結晶では混入不純物による欠陥が形成され易く、混入不純物の濃度が低い半導体結晶では混入不純物による欠陥が形成され難い。半導体結晶中の混入不純物の濃度は、半導体結晶のインゴット毎に大きくばらつく。同一インゴットでも、部位によって混入不純物の濃度がばらつく。したがって、荷電粒子を打ち込むことで形成される混入不純物による欠陥の形成量は、半導体基板毎に大きくばらつく。この結果、半導体結晶中に形成される形成欠陥の量(空孔による欠陥と混入不純物による欠陥の総量)も、半導体基板毎にばらつくこととなる。形成欠陥の量がばらつくと、製造した半導体装置の特性がばらついてしまう。従来の技術では、製造した半導体装置の特性のばらつきが大きいという問題があった。
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたものであり、半導体結晶中に形成欠陥を形成して半導体装置の特性を調節するにあたって、半導体装置間のばらつきが少ない半導体装置群を量産する製造方法を提供することを目的とする。
本発明の製造方法では、ドーパント不純物を導入した半導体領域と所定範囲に結晶欠陥を形成した結晶欠陥領域を備えている半導体装置を製造する。この製造方法は、半導体基板を熱処理することによって前記所定範囲(結晶欠陥領域を形成する範囲)に含まれている混入不純物の少なくとも一部を半導体基板外に排出する排出工程と、排出工程を実施した半導体基板にドーパント不純物を導入して半導体領域を形成する導入工程と、排出工程を実施した半導体基板の前記所定範囲に荷電粒子を打ち込むことによってその範囲に結晶欠陥(すなわち形成欠陥)を形成する打ち込み工程を備えている。
なお、上述したように、本発明において「ドーパント不純物」とは半導体結晶中に意図的に導入した不純物を意味し、「混入不純物」とは半導体結晶中に意図せずに混入した不純物を意味する。
この製造方法では、不純物を導入する工程と荷電粒子を打ち込む工程を実施する前に、排出工程を実施する。排出工程では、半導体基板を熱処理する。半導体基板を熱処理すると、熱拡散によって半導体基板に含まれている不純物(混入不純物)の少なくとも一部が半導体基板外に排出され、混入不純物の濃度が低下する。排出工程の実施後に、結晶欠陥を形成する工程を実施する。結晶欠陥を形成する工程では、荷電粒子を打ち込む。このとき、排出工程で混入不純物の濃度が低下した範囲に荷電粒子を打ち込む。混入不純物の濃度が低下した範囲に荷電粒子を打ち込むと、混入不純物による形成欠陥が形成され難い。すなわち、この製造方法によると、形成される結晶欠陥(形成欠陥)の大部分が空孔型の欠陥となる。上述したように、空孔型の欠陥の形成量は、荷電粒子を打ち込む量によって正確に制御することができる。したがって、この製造方法によれば、半導体基板に含まれていた混入不純物の濃度のばらつきにもかかわらず、形成される結晶欠陥(形成欠陥)の量を安定化することができる。半導体装置毎の特性のばらつきが少ない半導体装置群を量産することができる。
ドーパント不純物を導入する工程と、荷電粒子を打ち込む工程の前後関係は制約されない。前者を先に実施すれば、荷電粒子を打ち込む工程を実行する際にドーパント不純物が存在しているが、ドーパント不純物の導入量はコントロールされており、半導体基板毎にばらつくことが少ない。また、ドーパント不純物は結晶欠陥の形成にあまり関与しない。
本発明は、上記の課題を解決することができる第2の製造方法をも提供する。この製造方法は、半導体基板を熱処理することによって結晶欠陥領域を形成する範囲に含まれている炭素と酸素の少なくとも一方の濃度を低下させる排出工程と、排出工程を実施した半導体基板にドーパント不純物を導入して半導体領域を形成する導入工程と、排出工程を実施した半導体基板の表面から前記所定範囲に打ち込まれるエネルギーで荷電粒子を打ち込むことによって前記所定範囲に結晶欠陥を形成する打ち込み工程を備えている。
排出工程では、半導体基板を熱処理することによって結晶欠陥領域を形成する範囲に含まれている炭素と酸素の少なくとも一方の濃度を低下させる。排出工程の実施後に、結晶欠陥形成工程を実施する。このとき、結晶欠陥領域を形成する範囲では、炭素と酸素の少なくとも一方の濃度が低下している。炭素と酸素と少なくとも一方の濃度が低下していると、炭素と酸素が組み合わさって形成されるC欠陥が形成され難い。したがって、この製造方法によると、荷電粒子の打ち込み工程で形成される形成欠陥の多くが空孔型の欠陥となる。この製造方法によっても、形成欠陥の量を正確に制御することができ、ばらつきの少ない半導体装置群を量産することができる。
本発明は、所定範囲に結晶欠陥を形成した結晶欠陥領域を備えているPNダイオードを製造する方法をも提供する。この製造方法は、半導体基板を熱処理することによって前記所定範囲に含まれている混入不純物の少なくとも一部を半導体基板外に排出する排出工程と、排出工程を実施した半導体基板にドーパント不純物を導入して、前記所定範囲内にpn接合を形成する導入工程と、排出工程を実施した半導体基板の前記所定範囲に荷電粒子を打ち込むことによって前記所定範囲に結晶欠陥を形成する打ち込み工程を備えている。
この製造方法によれば、形成欠陥の量を正確に制御することができ、ばらつきの少ないPNダイオード群を量産することができる。
本発明は、所定範囲に結晶欠陥を形成した結晶欠陥領域を備えているIGBTを製造する方法をも提供する。この製造方法は、半導体基板を熱処理することによって前記所定範囲に含まれている混入不純物の少なくとも一部を半導体基板外に排出する排出工程と、排出工程を実施した半導体基板の上面側からドーパント不純物を導入して、ボディ領域とエミッタ領域を形成する上面側導入工程と、排出工程を実施した半導体基板の下面側からドーパント不純物を導入して、コレクタ領域を形成するにあたって、コレクタ領域とドリフト領域の界面が前記所定範囲に含まれるようにコレクタ領域を形成する下面側導入工程と、排出工程を実施した半導体基板の前記所定範囲に荷電粒子を打ち込むことによって前記所定範囲に結晶欠陥を形成する打ち込み工程を備えている。
この製造方法によれば、形成欠陥の量を正確に制御することができ、ばらつきの少ないIGBT群を量産することができる。
本発明は、更なるPNダイオードの製造方法をも提供する。この製造方法は、半導体基板上にエピタキシャル層を成長させる結晶成長工程と、エピタキシャル層の表面からエピタキシャル層内に留まるエネルギーで荷電粒子を打ち込むことによってエピタキシャル層内の前記所定範囲に結晶欠陥を形成する打ち込み工程を備えている。
この製造方法によっても、ばらつきの少ないPNダイオード群を量産することができる。
本発明は、更なるIGBTの製造方法をも提供する。この製造方法は、半導体基板を熱処理することによって半導体基板の表面部分に含まれている混入不純物の少なくとも一部を半導体基板外に排出する排出工程と、排出工程を実施した半導体基板上にエピタキシャル層を成長させる結晶成長工程と、エピタキシャル層の表面からエピタキシャル層内に留まるエネルギーで荷電粒子を打ち込むことによってエピタキシャル層内の前記所定範囲に結晶欠陥を形成する打ち込み工程を備えている。
この製造方法によっても、ばらつきの少ないIGBT群を量産することができる。
本発明は、新規な半導体装置をも提供する。この半導体装置は、荷電粒子を打ち込んで形成した結晶欠陥領域を備えている。この半導体装置は、炭素と酸素の少なくとも一方の濃度が半導体基板の表面に接近するのにつれて減少する濃度プロファイルを備えており、荷電粒子を打ち込んで形成した結晶欠陥の実質的な全部が、炭素と酸素の少なくとも一方の濃度が減少している範囲内に存在していることを特徴とする。
「結晶欠陥の実質的な全部が、炭素と酸素の少なくとも一方の濃度が減少している範囲内に存在している」とは、具体的には、「結晶欠陥(形成欠陥)のうち99.7%以上が前記範囲内に存在している」ことを意味する。半導体基板の目標位置(深さ)に荷電粒子を打ち込むと、形成欠陥はその目標位置(深さ)を中心とした正規分布にしたがって存在することとなる。したがって、前記範囲内に目標位置(深さ)を設定して荷電粒子を打ち込むと、形成欠陥の一部が前記範囲外に分布することがある。しかしながら、99.7%以上の形成欠陥が前記範囲内に存在していれば、前記範囲外に存在する0.3%未満の形成欠陥が半導体装置の特性に与える影響は無視できる。したがって、形成欠陥の99.7%が前記範囲内に存在していれば、形成欠陥の実質的な全部が前記範囲内に存在しているとしてよい。ばらつきの少ない半導体装置群が提供される。
なお、「炭素と酸素の少なくとも一方の濃度が減少している範囲」とは、炭素(または酸素)の濃度プロファイルが半導体基板の表面に接近するのにつれて減少する傾きを有している範囲を意味する。
本発明は、新規なPNダイオードをも提供する。このPNダイオードは、アノード領域と、アノード領域と接しているドリフト領域と、ドリフト領域と接しているカソード領域を備えており、ドリフト領域のドーパント不純物濃度はアノード領域とカソード領域のドーパント不純物濃度よりも低く、所定範囲に荷電粒子を打ち込んで形成した結晶欠陥領域を備えている。そして、炭素と酸素の少なくとも一方の濃度が半導体基板の表面に接近するのにつれて減少する濃度プロファイルが形成されており、pn接合が、炭素と酸素の少なくとも一方の濃度が減少している範囲内に形成されており、荷電粒子を打ち込んで形成した結晶欠陥の実質的な全部が、炭素と酸素の少なくとも一方の濃度が減少している範囲内に存在していることを特徴とする。
このPNダイオードでは、荷電粒子を打ち込んで形成した結晶欠陥の実質的な全部が、炭素と酸素の少なくとも一方の濃度が減少している範囲内に存在している。したがって、ばらつきの少ないPNダイオード群が提供される。
本発明は、更なるPNダイオードをも提供する。このPNダイオードは、アノード領域と、アノード領域と接しているドリフト領域と、ドリフト領域と接しているカソード領域を備えており、ドリフト領域のドーパント不純物濃度はアノード領域とカソード領域のドーパント不純物濃度よりも低く、所定範囲に荷電粒子を打ち込んで形成した結晶欠陥領域を備えている。そして、半導体基板と、半導体基板上に形成されており、炭素と酸素の少なくとも一方の濃度が半導体基板における濃度よりも低い半導体層を有しており、荷電粒子を打ち込んで形成した結晶欠陥領域のうち結晶欠陥の濃度が最も高い領域が、半導体層内に存在していることを特徴とする。
このPNダイオードでは、荷電粒子を打ち込んで形成した結晶欠陥領域のうち結晶欠陥の濃度が最も高い領域が、半導体層内に存在している。したがって、ばらつきの少ないPNダイオード群が提供される。
本発明は、新規なIGBTをも提供する。このIGBTは、第1導電型のコレクタ領域と、コレクタ領域に接している第2導電型のドリフト領域と、ドリフト領域に接している第1導電型のボディ領域と、ボディ領域によってドリフト領域から離間されている第2導電型のエミッタ領域と、エミッタ領域とドリフト領域を離間させているボディ領域に絶縁膜を介して対向しているゲート電極を備えている。そして、炭素と酸素の少なくとも一方の濃度がコレクタ領域側の半導体基板の表面に接近するのにつれて減少する濃度プロファイルが形成されており、コレクタ領域とドリフト領域の界面が、炭素と酸素の少なくとも一方の濃度が減少している範囲内に形成されており、荷電粒子を打ち込んで形成した結晶欠陥の実質的な全部が、炭素と酸素の少なくとも一方の濃度が減少している範囲内に存在していることを特徴とする。
このIGBTでは、荷電粒子を打ち込んで形成した結晶欠陥の実質的な全部が、炭素と酸素の少なくとも一方の濃度が減少している範囲内に存在している。したがって、ばらつきの少ないIGBT群が提供される。
本発明は、更なるIGBTをも提供する。このIGBTは、第1導電型のコレクタ領域と、コレクタ領域に接している第2導電型のドリフト領域と、ドリフト領域に接している第1導電型のボディ領域と、ボディ領域によってドリフト領域から離間されている第2導電型のエミッタ領域と、エミッタ領域とドリフト領域を離間させているボディ領域に絶縁膜を介して対向しているゲート電極を備えている。そして、コレクタ領域とドリフト領域内には、炭素と酸素の少なくとも一方の濃度が、コレクタ領域側からドリフト領域側に向かうのにつれて減少して略一定値に収束する濃度プロファイルが形成されており、荷電粒子を打ち込んで形成した結晶欠陥領域のうち結晶欠陥の濃度が最も高い領域が、ドリフト領域内の炭素と酸素の少なくとも一方の濃度が略一定値に収束している範囲内に存在していることを特徴とする。
このIGBTでは、荷電粒子を打ち込んで形成した結晶欠陥領域のうち結晶欠陥の濃度が最も高い領域が、ドリフト領域内の炭素と酸素の少なくとも一方の濃度が略一定値に収束している範囲内に存在している。したがって、ばらつきの少ないIGBT群が提供される。
上記のバイポーラトランジスタの場合、ドリフト領域のうちコレクタ領域と接する領域に、その領域外のドリフト領域よりも第2導電型の不純物の濃度が高いバッファ領域が形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、IGBTの耐圧特性を向上させることができる。
下記に詳細に説明する実施例の主要な特徴を最初に列記する。
(特徴1)荷電粒子を打ち込んで形成した結晶欠陥を含んでいるバイポーラ型の半導体装置であって、半導体基板の少なくとも一部に炭素濃度が、7×1014atoms/cm以下であるという条件と、酸素濃度が、7×1017atoms/cm以下であるという条件の少なくとも一方を満たす範囲が形成されており、荷電粒子を打ち込んで形成した結晶欠陥の実質的な全部が、前記範囲内に存在している。
(第1実施例)
本発明の第1実施例に係る半導体装置及びその製造方法について図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施例のPNダイオード10aの概略構成を示している。
図示するように、PNダイオード10aは、半導体基板12と、半導体基板12の上面12aに形成されたアノード電極20と、下面12bに形成されたカソード電極22により構成されている。半導体基板12は、主にシリコンからなっている。半導体基板12の、上面12a側には、p型不純物(本実施例ではボロン)を含有するp型拡散層(アノード領域:p層)14が形成されている。p型拡散層14は、アノード電極20とオーミック接触している。p型拡散層14の下面12b側には、n型不純物(本実施例ではリン)を含有するn型ドリフト層(n層)16が形成されている。p型拡散層14とn型ドリフト層16の界面がpn接合界面30となっている。n型ドリフト層16の下面12b側には、n型不純物を高濃度に含有するn型拡散層(カソード領域:n層)18が形成されている。n型拡散層18は、カソード電極22とオーミック接触している。
また、半導体基板12の結晶中には、n型及びp型のドーパント不純物の他に、炭素及び酸素が不純物として混入している。炭素及び酸素は、半導体基板12の素材であるシリコンウエハを製造する際に、結晶中に意図せずに混入する不純物である。
図2(a)は、半導体基板12中の厚み方向(図1の矢印V1の方向)における炭素の濃度N1及び酸素の濃度N2の分布を示している。すなわち、図2(a)の横軸は、半導体基板12aの厚み方向の位置(深さ)を示しており、原点は半導体基板12の上面12aの位置、横軸の右端は半導体基板12の下面12bの位置を示している。カーブD1は炭素の濃度分布(濃度プロファイル)を示しており、そのスケールは左側の縦軸に示されている。カーブD2は酸素の濃度分布を示しており、そのスケールは右側の縦軸に示されている。図示するように、半導体基板12の厚み方向の中間部近傍では、炭素及び酸素の濃度は略一定(本実施例では、炭素は約1×1015atoms/cm、酸素は約1×1018atoms/cm)である。半導体基板12の上面12a側では、上面12aに向かうにしたがって炭素及び酸素の濃度が低下している。また、半導体基板12の下面12b側では、下面12bに向かうにしたがって炭素及び酸素の濃度が低下している。本実施例では、炭素と酸素の少なくとも一方の濃度が、半導体表面(上面12aまたは下面12b)に接近するのにつれて減少している領域を低濃度化フィールドという。すなわち、濃度分布(プロファイル)が半導体表面に接近するのにつれて減少する傾きを有している領域を低濃度化フィールドという。したがって、位置A1よりも上面12a側の領域は低濃度化フィールドB1であり、位置A2よりも下面12b側の領域は低濃度化フィールドB2である。また、図2の位置A3は、PNダイオード10aのpn接合界面30の位置を示している。図示するように、pn接合界面30(位置A3)は、低濃度化フィールドB1内に位置している。
低濃度化フィールドB1には、製造工程で意図的に形成された結晶欠陥(以下では、形成欠陥という)が多数存在している。後述するが、これらの形成欠陥は、ヘリウムイオンを半導体基板12中に打ち込むことにより形成される。ヘリウムイオンを打ち込むことによりシリコンの結晶中に形成される形成欠陥には、概して2種類の欠陥がある。
第1の欠陥は、C欠陥である。C欠陥は、結晶中の格子間位置に存在する炭素(以下では、格子間炭素Cという)と、格子間位置に存在する酸素(以下では、格子間酸素Oiという)によって構成される。格子間炭素Cと格子間酸素Oが特定の位置関係となっているとC欠陥となる。C欠陥は、キャリアの再結合中心となる性質を有する。また、C欠陥は、結晶中でホールをトラップする性質を有する。
第2の欠陥は、VV欠陥である。VV欠陥は、結晶中の格子点(サイト)の空孔により構成される。2つの空孔が特定の位置関係となっているとVV欠陥となる。VV欠陥は、キャリアの再結合中心となる性質を有する。VV欠陥は、半導体基板12中の電子をトラップし、ホールをトラップしない性質を有する。
本実施例のPNダイオード10aでは、形成欠陥が低濃度化フィールドB1内に形成されているので、形成欠陥の大部分は、VV欠陥である。
図2(b)は、PNダイオード10aの半導体基板12中の形成欠陥(大部分はVV欠陥)の量R1の分布を示している。横軸は、半導体基板12の厚さ方向の位置を示しており、図2(a)の横軸に対応している。図示するように、半導体基板12の低濃度化フィールドB1に、全ての形成欠陥が存在している。また、これら全ての形成欠陥は、低濃度化フィールドB1のうち、炭素の濃度が、7×1014atoms/cm以下であり、かつ、酸素の濃度が、7×1017atoms/cm以下である範囲B3に存在している。また、範囲B3のうち、n型ドリフト層16(図2(b)の位置A3より右側)内に多くの形成欠陥が存在している。半導体基板12に形成されている形成欠陥の量は、製造時に適切な量に調整されている。
一般に、半導体基板12中に存在している形成欠陥の量は、PNダイオードの特性に影響を与える。図3は、PNダイオード10aと同じ構造であり、形成欠陥の量が異なる2つのPNダイオードのターンオフ時の特性を示している。より詳細には、アノード電極−カソード電極間に所定の電圧(順方向電圧)を印加しておき、時刻t0において所定の逆方向電圧を印加したときに、PNダイオードを流れる電流I1の時間tに対する変化パターンを示している。図3のグラフC1は低濃度化フィールドB1に存在する形成欠陥の量が多いPNダイオードの特性を示しており、グラフC2は低濃度化フィールドB1に存在する形成欠陥の量が少ないPNダイオードの特性を示している。
図3に示すように、何れのPNダイオードも、順方向電圧を印加されている間は、順方向に電流IFが流れる。時刻t0においてPNダイオードに逆方向電圧が印加されると、電流I1は減少し、その後は逆電流が流れる。逆電流は、一旦増大した後に、半導体基板12中に残留しているキャリアの減少に伴って減少する。その後、逆電流はゼロとなる。
図3から分かるように、形成欠陥の量によって逆電流の変化特性は影響を受ける。上述したように、形成欠陥はキャリアの再結合中心となる。したがって、形成欠陥の量が多いとキャリアが再結合して消滅しやすい。一方、形成欠陥の量が少ないと、キャリアが再結合し難い。したがって、図2のグラフC2に示すように、形成欠陥の量が少ないPNダイオードは、逆電流が減衰し難い。
PNダイオードの特性は、逆電流のピーク値が低く、逆電流回復時の電流変化率が小さいことが好ましい。逆電流のピーク値が低いと、PNダイオードのターンオフ時の損失を低減させることができる。逆電流回復時の電流変化率が小さいと、その電流変化率と寄生インダクタンスの影響によってpn接合界面30に印加されるサージ電圧を低減させることができる。本実施例のPNダイオード10aは、製造時に適切な量の形成欠陥が形成されている。したがって、逆電流のピーク値は適切な値に抑えられており、逆電流回復時の電流変化率も適切な変化率となっている。したがって、逆電流による損失がそれほど大きくならず、逆電流回復時にpn接合界面30に過大なサージ電圧が印加されることも抑制されている。
上述したように、形成欠陥には、C欠陥とVV欠陥の2種類の欠陥がある。C欠陥は、ホールをトラップする性質を有している。PNダイオードのpn接合界面30の近傍にC欠陥が存在していると、順方向に電流が流れるときに、C欠陥によってホールがトラップされる。したがって、pn接合界面30の近傍に多数のホールが存在する状態となる。この状態において、PNダイオードに印加する電圧をオフすると、上述したようにpn接合界面30に逆電圧が印加される。pn接合界面30に逆電圧が印加されると、空乏層がpn接合界面30からアノード電極側及びカソード電極側に向かって広がろうとする。しかし、空乏層の広がりは、pn接合界面30の近傍でC欠陥によりトラップされているホールによって抑制されてしまう。すると、pn接合界面30の近傍に強い電界集中が発生し、アバランシェ降伏が生じやすい。すなわち、C欠陥が多数存在しているPNダイオードは、アバランシェ耐圧が低いという欠点がある。
第1実施例のPNダイオード10aでは、低濃度化フィールドB1に形成欠陥が形成されており、それらの形成欠陥の大部分がVV欠陥である。すなわち、C欠陥が非常に少ない。したがって、PNダイオード10aは、ターンオフ時にアバランシェ降伏し難い。
次に、PNダイオード10aの製造方法について、図4のフローチャートに基づいて説明する。PNダイオード10aは、n型シリコンからなるシリコンウエハから製造される。このシリコンウエハの厚さは、半導体基板12と略同じ厚さとなっている。また、加工前のシリコンウエハ中には、略均一な濃度で炭素及び酸素が混入している。また、加工前のシリコンウエハ中の炭素及び酸素の濃度は、シリコンウエハにより大きく異なる。なお、以下では、一例として、炭素が約1×1015atoms/cmの濃度で略均一に存在しており、酸素が約1×1018atoms/cmの濃度で略均一に存在しているシリコンウエハからPNダイオード10aを製造する場合について説明する。
ステップS2では、シリコンウエハを熱処理する。具体的には、シリコンウエハを、1250℃の温度に約25時間保持する。これによって、シリコンウエハの表面部分から、結晶中に混入していた炭素及び酸素が雰囲気中に抜け出す。したがって、シリコンウエハの表面部分の炭素と酸素の濃度が低下する。これによって、シリコンウエハ中の炭素と酸素の厚さ方向における濃度分布が、図2(a)と略同じ濃度分布となり、シリコンウエハ中に低濃度化フィールドB1、B2が形成される。
ステップS4では、シリコンウエハの下面12b側からn型不純物であるリンを注入し、シリコンウエハの下面12bから所定深さの位置までの領域のリンの濃度を上昇させる。
ステップS6では、シリコンウエハを熱処理する。これによって、シリコンウエハ中に注入されたリンが拡散し、活性化する。すなわち、ステップS4でリンを注入した領域近傍にリンが拡散し、活性化する。これによって、リンが拡散した領域がn型拡散層18となる。
ステップS8では、シリコンウエハの上面12a側からp型不純物であるボロンを注入し、シリコンウエハの上面12aから所定深さの位置までの領域のボロンの濃度を上昇させる。すなわち、低濃度化フィールドB1の上面12a近くの領域のボロン濃度を上昇させる。
ステップS10では、シリコンウエハを熱処理する。これによって、シリコンウエハ中に注入されたボロンが拡散し、活性化する。すなわち、ステップS8でボロンを注入した領域近傍にボロンが拡散し、活性化する。これによって、ボロンが拡散した領域がp型拡散層14となる。p型拡散層14とn型拡散層18の間の領域は、キャリア濃度が低いn型ドリフト層16となる。上述したように、ステップS8では、低濃度化フィールドB1の上面12a近くの領域のボロン濃度を上昇させている。したがって、p型拡散層14は低濃度化フィールドB1の上面12a側に形成される。すなわち、低濃度化フィールドB1内にpn接合界面30が形成される。
ステップS12では、蒸着により、シリコンウエハの上面12aにアノード電極20を形成する。
ステップS14では、シリコンウエハの上面12a側から、ヘリウムイオンを打ち込む。これによって、シリコンウエハ中に結晶欠陥(形成欠陥)を形成する。このとき、ヘリウムイオンを打ち込むエネルギー調整し、低濃度化フィールドB1内にのみ形成欠陥が形成されるようにヘリウムイオンを打ち込む。より詳細には、低濃度化フィールドB1内の、炭素濃度が7×1014atoms/cm以下であり、酸素濃度が7×1017atoms/cm以下である範囲B3にのみ形成欠陥を形成する。特に、範囲B3内のn型ドリフト層16内に多数の形成欠陥を形成する。すなわち、図2(b)に示す分布で形成欠陥が形成されるように、ヘリウムイオンを打ち込む。
ヘリウムイオンをシリコンウエハに打ち込むと、シリコンウエハ中で以下の反応が起きる。
(反応1) Si → V+Si
(反応2) V+V → VV欠陥
(反応3) Si+C → C
(反応4) C+O → C欠陥
(反応1)では、結晶格子中の格子点に存在するシリコン(Si)がヘリウムイオンの打ち込みにより格子点から格子間位置にはじき出される。これによって、格子間位置に存在するシリコン(Si)が生成されるとともに、シリコンがはじき出された後の格子点が空孔(V)となる。格子間位置のシリコン(Si)と空孔(V)は、エネルギー状態が不安定であるので、(反応2)及び(反応3)が起こる。
(反応2)では、(反応1)によって生成された2つの空孔(V)が結晶格子内で所定の位置関係をとり、安定した状態となる。すなわち、VV欠陥が形成される。
(反応3)では、結晶格子中の格子点に混入不純物として存在する炭素(C)と(反応1)で生成された格子間位置のシリコン(Si)との位置が入れ替わる。これによって、格子間位置に存在する炭素(C)が生成される。格子間位置の炭素(C)は、エネルギー状態が不安定であるので、(反応4)が起こる。
(反応4)では、(反応3)で生成された格子間位置の炭素(C)と、結晶格子中の格子間位置に混入不純物として存在する酸素(O)とが所定の位置関係をとり、安定した状態となる。すなわち、C欠陥が形成される。
以上に説明したように、シリコンウエハにヘリウムイオンを打ち込むと、シリコンウエハ中にVV欠陥とC欠陥が形成される。
上記の反応式から分かるように、(反応1)及び(反応2)は、ヘリウムイオンを打ち込む量に応じて起こる。したがって、VV欠陥が形成される量は、ヘリウムイオンを打ち込む量によって調整することができる。一方、(反応3)は、シリコンウエハ中に存在する炭素(C)の量(すなわち、濃度)によって、反応の起こりやすさが左右される。また、(反応4)は、(反応3)で生成される炭素(C)の量と、シリコンウエハ中に存在する酸素(O)の量(すなわち、濃度)によって、反応の起こりやすさが左右される。したがって、C欠陥が形成される量は、シリコンウエハ中に存在する炭素と酸素の濃度によって大きく左右される。上述したように、シリコンウエハの低濃度化フィールドB1では、炭素及び酸素の濃度が低下している。したがって、低濃度化フィールドB1では(反応3)及び(反応4)が非常に起こり難い。すなわち、低濃度化フィールドB1では、C欠陥が形成され難い。したがって、シリコンウエハ中に、C欠陥をあまり形成することなく、VV欠陥を形成することができる。
なお、シリコンウエハにヘリウムイオンを打ち込むと、VV欠陥及びC欠陥が形成されると共に、エネルギー状態が不安定な種々の形成欠陥も形成される。
ステップS16では、シリコンウエハを熱処理する。具体的には、シリコンウエハを400℃の温度に約1時間保持する。この条件でシリコンウエハを熱処理すると、シリコンウエハ中に存在しているエネルギー状態が不安定な形成欠陥が消滅し、エネルギー状態が安定しているVV欠陥がシリコンウエハ中に残る。すなわち、シリコンウエハ中の形成欠陥の大部分がVV欠陥となる。
ステップS18では、蒸着により、シリコンウエハの下面12bにカソード電極22を形成する。
ステップS20では、シリコンウエハをダイシングによって複数に分割する。これによって複数のPNダイオード10aが製造される。
以上に説明したように、この製造方法では、熱処理によりシリコンウエハに低濃度化フィールドB1を形成する。そして、低濃度化フィールドB1にpn接合界面30を形成し、pn接合界面30近傍の低濃度化フィールドB1に形成欠陥を形成する。低濃度化フィールドB1では、炭素と酸素の濃度が低いため、C欠陥が形成され難い。特に、本実施例では、炭素濃度が7×1014atoms/cm以下であり、酸素濃度が7×1017atoms/cm以下である範囲B3に形成欠陥を形成する。これらの濃度にまで炭素及び酸素の濃度が低下していると、C欠陥が形成される量がVV欠陥に比べて非常に少なくなり、VV欠陥の量によるPNダイオード10aの特性への影響が支配的となる。すなわち、ヘリウムイオンの打ち込み量により、PNダイオード10aの特性を非常に正確に制御することができる。この製造方法によれば、加工前(ステップS2の実施前)のシリコンウエハ中の炭素と酸素の濃度に左右されることなく、製造するPNダイオード10aの逆電流回復時の特性を正確に制御することができ、製造するPNダイオード10aの逆電流回復時の特性のバラツキを少なくすることができる。
また、この製造方法によれば、C欠陥をあまり形成することなく、VV欠陥を形成することができる。したがって、逆電流回復時の特性が適切な特性に調整されているとともに、ターンオフ時にアバランシェ降伏し難いPNダイオード10aを製造することができる。
なお、第1実施例のPNダイオード10aでは、低濃度化フィールドB1の大部分の領域で炭素と酸素の両方の濃度が低下されているが、炭素と酸素の少なくとも一方の濃度が低下されていればよい。上述の(反応3)及び(反応4)から分かるように、炭素と酸素の少なくとも一方の濃度が低下されていれば、C欠陥が形成される量を低下させることができる。特に、炭素と酸素のうち、加工前のシリコンウエハ中における濃度が低い方の元素の濃度を低下させることが好ましい。加工前のシリコンウエハ中における濃度が低い方の元素の濃度を低下させると、よりC欠陥の生成量を低減させることができる。
また、シリコンウエハ中に窒素、ゲルマニウム、フッ素等の不純物が混入している場合には、形成欠陥を形成するときに、これらの元素に起因した欠陥が形成される場合がある。これらの元素に起因する欠陥も、再結合中心となるので、製造する素子の特性に影響を与える。また、これらの元素に起因する欠陥が形成される量は、これらの元素のシリコンウエハ中における濃度によって左右される。形成欠陥を形成する量(VV欠陥と前記元素に起因する欠陥の総量)が正確に制御できない場合には、窒素、ゲルマニウム、フッ素等の濃度を低下させ、その濃度を低下させたフィールドに形成欠陥を形成するようにしてもよい。
また、第1実施例の製造方法では、低濃度化フィールドB1内のpn接合界面30近傍に形成欠陥を形成したが、pn接合界面30から離れた低濃度化フィールドに形成欠陥を形成してもよい。例えば、低濃度化フィールドB2に形成欠陥を形成してもよい。低濃度化フィールドB2に形成欠陥を形成しても、PNダイオード10aの逆電流回復時の特性を制御することができる。
また、第1実施例の製造方法では、シリコンウエハを熱処理することにより炭素及び酸素の濃度を低下させた。この熱処理の条件は、上記の条件以外にも、種々の条件を採用することができる。例えば、熱処理時の温度、時間、雰囲気の圧力、雰囲気のガスの種類等を変更することにより、特定の元素の濃度を低下させても良い。
また、第1実施例の製造方法では、ヘリウムイオンを打ち込むことによって形成欠陥を形成したが、他の荷電粒子を打ち込むことによって形成欠陥を形成してもよい。例えば、電子、プロトン等、種々の荷電粒子を打ち込むことによっても形成欠陥を形成することができる。
また、第1実施例の製造方法では、ステップS16の熱処理の条件を調節することにより、シリコンウエハに残るVV欠陥の量をさらに調節することもできる。このようにステップS16を行うことにより、より正確にVV欠陥の量を調節することができる。
(第2実施例)
次に、第2実施例のPNダイオード10b及びその製造方法について説明する。なお、PNダイオード10bの各部の説明においては、第1実施例のPNダイオード10aと同様の構成を有するものについては、同じ参照番号を用いて説明する。
図5はPNダイオード10bの概略構成を示している。PNダイオード10bは、第1実施例のPNダイオード10aと同様に、半導体基板12、アノード電極20、カソード電極22によって構成されている。半導体基板12は、第1実施例と同様に、p型拡散層14、n型ドリフト層16、n型拡散層18によって構成されている。但し、第2実施例のPNダイオード10bでは、n型ドリフト層16が、第1ドリフト層16aと第2ドリフト層16bによって構成されている。第1ドリフト層16aと第2ドリフト層16bは、略同程度の濃度のn型不純物を含んでいる。しかし、第1ドリフト層16aと第2ドリフト層16bでは、炭素及び酸素の濃度が異なる。図6(a)は、半導体基板12中の厚み方向(図5の矢印V2の方向)における炭素濃度N1及び酸素濃度N2の分布を示している。図6(a)のカーブD3は炭素の濃度分布を示しており、そのスケールは左側の縦軸に示されている。図6(a)のカーブD4は酸素の濃度分布を示しており、そのスケールは右側に縦軸に示されている。図6(a)の位置A4は、第1ドリフト層16aと第2ドリフト層16bの界面を示しており、位置A5はpn接合界面30の位置を示している。図から分かるように、第2ドリフト層16b及びn型拡散層18中(位置A4より右側)の炭素濃度は約1×1015atoms/cmであり、酸素濃度は約1×1018atoms/cmとなっている。一方、第1ドリフト層16a及びp型拡散層14中(位置A4より左側)の炭素濃度は、約1×1014atoms/cmであり、酸素濃度は約1×1016atoms/cmとなっている。すなわち、第1ドリフト層16a及びp型拡散層14中の炭素と酸素の濃度は、第2ドリフト層16b及びn型拡散層18中よりも低い。
PNダイオード10bの半導体基板12中には、形成欠陥が存在している。図6(b)は、半導体基板12中の厚さ方向(図5の矢印V2の方向)における形成欠陥の量R1の分布を示している。図示するように、半導体基板12中の形成欠陥の全てが、第1ドリフト層16a及びp型拡散層14中(位置A4より左側)に存在している。特に、第1ドリフト層16a中(位置A5より右側)に多数の形成欠陥が存在している。後に詳述するが、PNダイオード10bに形成されている形成欠陥は、大部分がVV欠陥であり、C欠陥は非常に少ない。形成されているVV欠陥の量は、適切な量に調整されている。したがって、PNダイオード10bは、逆電流回復時の特性が適切な特性となっている。また、半導体基板12中にC欠陥が少ないので、PNダイオード10bはアバランシェ降伏し難い。
図7は、PNダイオード10bを製造するときのフローチャートを示している。この製造方法では、略均一な濃度で炭素及び酸素が存在しているn型のシリコンウエハからPNダイオード10bを製造する。このシリコンウエハの下面12b側の表面部分には、リンを高濃度に含む層(すなわち、n型拡散層18)が予め形成されている。シリコンウエハの残りの領域(n型拡散層18以外の領域)はリンの濃度が低い第2ドリフト層16bとなっている。このシリコンウエハの厚さは、第2ドリフト層16bとn型拡散層18を合わせた厚さ(図5の厚さT1)と略同じ厚さとなっている。
ステップS22では、シリコンウエハの上面に、第2ドリフト層16bと略同じ濃度のn型不純物を含有するエピタキシャル層を成長させる。これにより、エピタキシャル層を含めたシリコンウエハの厚さを、半導体基板12と略同じ厚さとする。エピタキシャル層は、気層成長法(本実施例では、化学気層成長法(CVD))により成長させる。気層成長法では、炭素及び酸素等の混入不純物の濃度が非常に低い結晶を成長させることができる。したがって、エピタキシャル層中の炭素及び酸素の濃度は非常に低い。これにより、エピタキシャル層を含めたシリコンウエハ中の炭素と酸素の濃度分布が、図6(a)に示す濃度分布となる。
ステップS24では、上面12a側からエピタキシャル層にp型不純物であるボロンを注入し、エピタキシャル層の上面12a側の領域のボロンの濃度を上昇させる。ステップS26では、シリコンウエハ(エピタキシャル層を含む)を熱処理し、注入したボロンを拡散、活性化させる。これによって、図5に示すように、エピタキシャル層の上面12a側にp型拡散層14が形成される。エピタキシャル層のp型拡散層14以外の領域は、第1ドリフト層16aとなる。
ステップS28では、蒸着により、エピタキシャル層の上面12aにアノード電極20を形成する。
ステップS30では、第1実施例の製造方法のステップS14と同様にして、上面12a側からエピタキシャル層にヘリウムイオンを打ち込む。これによって、エピタキシャル層中に形成欠陥が形成される。エピタキシャル層は炭素及び酸素の濃度が低いので、C欠陥をあまり形成することなく、VV欠陥を形成することができる。
ステップS32では、シリコンウエハを熱処理する。具体的には、シリコンウエハを400℃の温度に約1時間保持する。この熱処理によって、シリコンウエハ中に存在しているエネルギー状態が不安定な形成欠陥が消滅し、エネルギー状態が安定しているVV欠陥がシリコンウエハ中に残る。すなわち、シリコンウエハ中の形成欠陥の大部分がVV欠陥となる。
ステップS34では、蒸着により、シリコンウエハの下面12bにカソード電極22を形成する。
ステップS36では、エピタキシャル層を含むシリコンウエハをダイシングする。これにより複数のPNダイオード10bが製造される。
以上に説明したように、第2実施例の製造方法によっても、結晶中にC欠陥が形成されることを抑制しながらVV欠陥を形成することができる。したがって、製造するPNダイオード10bの特性を正確に制御することができる。
(第3実施例)
次に、第3実施例のトレンチゲート電極を有するIGBT50aについて説明する。図8は、IGBT50aの概略構成を示している。図示するように、IGBT50aは、半導体基板51と、エミッタ電極70と、コレクタ電極72と、により構成されている。コレクタ電極72は、半導体基板51の下面51bに形成されている。エミッタ電極70は、半導体基板51の上面51aに形成されている。
半導体基板51は、主にシリコンからなっている。半導体基板51のコレクタ電極72と接する領域には、p型コレクタ層52が形成されている。p型コレクタ層52は、コレクタ電極72とオーミック接触している。p型コレクタ層52の上側には、n型ドリフト層54が形成されている。n型ドリフト層54は、n型不純物の濃度が高い第1ドリフト層(バッファ層)54aと、n型不純物の濃度が低い第2ドリフト層54bにより形成されている。第1ドリフト層54aは、p型コレクタ層52の上側に形成されており、第2ドリフト層54bは、その第1ドリフト層54aの上側に形成されている。n型ドリフト層54の上側には、p型ボディ層56が形成されている。p型ボディ層56の上側には、n型エミッタ領域58とp型ボディコンタクト領域60が形成されている。半導体基板51の上面51aには複数のトレンチが形成されている。各トレンチは、半導体基板51の上面51aからn型ドリフト層54の上端に接する深さまで伸びている。各トレンチの壁面(側面、底面)には、SiOの絶縁膜が形成されている。各トレンチ内には、ゲート電極74が形成されている。n型エミッタ領域58は、半導体基板51の上面51a側の表面部分のうち、各トレンチ(トレンチの絶縁膜)と接する領域にそれぞれ形成されている。n型エミッタ領域58は、エミッタ電極70とオーミック接触している。p型ボディコンタクト領域60は、半導体基板51の上面51a側の表面部分のうち、n型エミッタ領域58が形成されていない領域に形成されている。p型ボディコンタクト領域60は、p型ボディ層56よりもp型不純物の濃度が高い。p型ボディコンタクト領域60は、エミッタ電極70とオーミック接触している。
また、半導体基板51の結晶中には、炭素及び酸素が不純物として混入している。半導体基板51には、炭素及び酸素の濃度を低下させたフィールドが形成されている。
図9(a)は、半導体基板51中の厚み方向(図8の矢印V3の方向)における炭素の濃度N1及び酸素の濃度N2の分布を示している。図9(a)のカーブD5は炭素の濃度分布を示しており、そのスケールは左側の縦軸に示されている。図9(a)のカーブD6は酸素の濃度分布を示しており、そのスケールは右側に縦軸に示されている。図9(a)の位置A6は、p型コレクタ層52と、n型ドリフト層54の界面の位置を示している。また、位置A7は、第1ドリフト層54aと第2ドリフト層54bの界面の位置を示している。位置A8は、n型ドリフト層54とp型ボディ層56の界面の位置を示している。図示するように、半導体基板51の厚み方向の中間部近傍では、炭素及び酸素の濃度は略一定(本実施例では、炭素は約1×1015atoms/cm、酸素は約1×1018atoms/cm)である。半導体基板51の上面51a側では、上面51aに向かうにしたがって炭素及び酸素の濃度が低下している。また、半導体基板51の下面51b側では、下面51bに向かうにしたがって炭素及び酸素の濃度が低下している。したがって、位置A9よりも上面51a側の領域は低濃度化フィールドB3となっており、位置A10よりも下面51b側の領域は低濃度化フィールドB4となっている。図示するように、p型コレクタ層52とn型ドリフト層54の界面(位置A6)は、低濃度化フィールドB4内に位置している。
半導体基板51には、ヘリウムイオンを打ち込むことにより形成された複数の形成欠陥が存在している。これらの形成欠陥の大部分は、VV欠陥である。図9(b)は、半導体基板51中の形成欠陥の量R1の分布(厚さ方向における分布)を示している。図示するように、全ての形成欠陥は低濃度化フィールドB4内に存在している。特に、第1ドリフト層54a(位置A6とA7の間)と、第2ドリフト層54b(位置A7とA8の間)に多くの形成欠陥が存在している。
一般に、半導体基板51中に存在している形成欠陥の量は、IGBTの特性に影響を与える。図10は、IGBT50aと同じ構造であり、形成欠陥の量が異なる2つのIGBTのターンオフ時の特性(電流I1の時間tに対する変化)を示している。より詳細には、エミッタ−コレクタ間に順方向に電圧を印加しておき、時刻t1においてゲート電圧をONからOFFに切り替えたときの、エミッタ−コレクタ間を流れる電流I1の時間tに対する変化パターンを示している。図10のグラフC4は、存在している形成欠陥の量が多いIGBTの特性を示しており、グラフC5は存在している形成欠陥の量が少ないIGBTの特性を示している。上述したように、形成欠陥はキャリアの再結合中心として作用する。したがって、形成欠陥の量が多いと、IGBTのターンオフ時に半導体基板51中に残っているキャリアが再結合により消滅しやすい。すなわち、形成欠陥の量が多いと、グラフC4に示すように、IGBTのターンオフ時間(電流が0になるまでの時間)が短くなる。しかしながら、形成欠陥の量が多すぎると、ON抵抗が高くなり、ON時の損失が増えるという問題がある。一方、形成欠陥の量が少ないと、ターンオフ時間が長くなってしまう。したがって、半導体基板51中に存在する形成欠陥の量は、適切な量に調節されていることが好ましい。
本実施例のIGBT50aでは、製造時に、低濃度化フィールドB4内に形成する形成欠陥の量が適切な量に調節されている。したがって、ターンオフ時の特性が適切な特性となっている。
また、上述したように、C欠陥は、ホールをトラップする性質を有する。IGBTのn型ドリフト層54中にC欠陥が形成されていると、n型ドリフト層54中のホールの濃度が高くなる。すると、IGBTがターンオフするときに、空乏層がn型ドリフト層54とp型ボディ層56の界面からn型ドリフト層54中に広がることが、n型ドリフト層54中のホールにより抑制される。したがって、n型ドリフト層54とp型ボディ層56の界面に高い電界が発生し、アバランシェ降伏し易い。
本実施例のIGBT50aでは、低濃度化フィールドB4内の形成欠陥は大部分がVV欠陥であり、C欠陥が非常に少ない。したがって、IGBT50aは、アバランシェ降伏し難い。
図11は、IGBT50aを製造するときのフローチャートを示している。この製造方法では、略均一な濃度で炭素及び酸素が存在しているn型のシリコンウエハからIGBT50aを製造する。このシリコンウエハの厚さは、半導体基板51と略同じ厚さとなっている。
ステップS42では、シリコンウエハを熱処理する。熱処理は、第1実施例のステップS2と略同じ条件で実施する。これによって、シリコンウエハの表面部分から、結晶中に混入していた炭素及び酸素が雰囲気中に抜け出す。したがって、シリコンウエハの表面部分の炭素と酸素の濃度が低下する。これによって、シリコンウエハ中の炭素と酸素の厚さ方向における濃度分布が、図9(a)と略同じ濃度分布となり、低濃度化フィールドB3、B4が形成される。
ステップS44では、シリコンウエハの上面51a側の各半導体領域(p型ボディ層56、n型エミッタ領域58、p型ボディコンタクト領域60)を形成するために、シリコンウエハの上面51aからリン及びボロンのドーパント不純物を注入する。このドーパント不純物注入工程は、シリコンウエハ上にレジストマスク等を形成することによって、注入する領域を選択して行う。また、注入深さを調整し、各領域に対応する深さにドーパント不純物を注入する。これにより、p型ボディ層56、n型エミッタ領域58、p型ボディコンタクト領域60のそれぞれに対応する領域にドーパント不純物が注入される。
ステップS46では、シリコンウエハを熱処理し、ステップS46で注入したリン及びボロンを拡散、活性化させる。これによって、図8に示すように、p型ボディ層56、n型エミッタ領域58、p型ボディコンタクト領域60が形成される。
ステップS48では、シリコンウエハの上面51aにトレンチを形成する。そして、トレンチの壁面に絶縁膜を形成し、トレンチ内にゲート電極74を形成する。トレンチ、絶縁膜及びゲート電極74は、公知の技術を用いて形成することができるが、ここではその詳細についての説明を省略する。
ステップS50では、蒸着により、シリコンウエハの上面51aにエミッタ電極70を形成する。
ステップS52では、シリコンウエハの下面51bから、注入深さを調整してリンを注入する。これによって、第1ドリフト層54aに対応する領域に、リンが注入される。
ステップS54では、シリコンウエハの下面51bから、注入深さを調整してボロンを注入する。これによって、p型コレクタ層52に対応する領域に、ボロンが注入される。
ステップS56では、レーザアニール装置により、シリコンウエハの下面51b側の表面部分を局所的に加熱することによって、ステップS52、S54で注入したリン及びボロンを拡散、活性化させる。これによって、図8に示すように、シリコンウエハにp型コレクタ層52と第1ドリフト層54aが形成される。第1ドリフト層54aとp型ボディ層56の間の領域は、n型不純物の濃度が低い第2ドリフト層54bとなる。
ステップS58では、下面51b側からシリコンウエハにヘリウムイオンを打ち込む。この工程は、低濃度化フィールドB4内の第1ドリフト層54a及び第2ドリフト層54b中に多くの形成欠陥が形成されるように、ヘリウムイオンを打ち込むエネルギーを調整して行う。これによって、低濃度化フィールドB4内に形成欠陥が形成される。低濃度化フィールドB4内は炭素及び酸素の濃度が低いので、あまりC欠陥を形成することなく、VV欠陥を形成することができる。
ステップS60では、シリコンウエハを熱処理する。具体的には、シリコンウエハを400℃の温度に約1時間保持する。この熱処理によって、シリコンウエハ中に存在しているエネルギー状態が不安定な形成欠陥が消滅し、エネルギー状態が安定しているVV欠陥がシリコンウエハ中に残る。すなわち、シリコンウエハ中の形成欠陥の大部分がVV欠陥となる。
ステップS62では、蒸着により、シリコンウエハの下面51bにコレクタ電極72を形成する。
ステップS64では、シリコンウエハをダイシングする。これにより複数のIGBT50aが製造される。
以上に説明したように、第3実施例の製造方法によると、結晶中にC欠陥が形成されることを抑制しながら、VV欠陥を形成することができる。したがって、製造するIGBT50aの特性を正確に制御することができる。また、アバランシェ降伏し難いIGBT50aを製造することができる。
(第4実施例)
次に、第4実施例のIGBT50bについて説明する。なお、IGBT50bの各部の説明においては、第3実施例のIGBT50aと同様の構成を有するものについては、同じ参照番号を用いて説明する。
IGBT50bは、図8に示す第3実施例のIGBT50aと略同様に構成されている。但し、IGBT50bのp型コレクタ層52の厚さは、第3実施例のIGBT50aよりもかなり厚い。また、IGBT50bの半導体基板51中の炭素と酸素の濃度分布は、第1実施例のIGBT50aと異なる。図12(a)は、半導体基板51中の厚み方向V4における炭素の濃度N1及び酸素の濃度N2の分布を示している。図12(a)のカーブD7は炭素の濃度分布を示しており、そのスケールは左側の縦軸に示されている。図12(a)のカーブD8は酸素の濃度分布を示しており、そのスケールは右側に縦軸に示されている。図12(a)の位置A11は、p型コレクタ層52とn型ドリフト層54の界面の位置を示している。また、位置A12は、第1ドリフト層54aと第2ドリフト層54bの界面の位置を示している。また、位置A13は、n型ドリフト層54とp型ボディ層56の界面の位置を示している。図から分かるように、IGBT50bでは、p型コレクタ層52中(位置A11より右側)の厚さ方向中央部近傍では、炭素の濃度は、約1×1015atoms/cmであり、酸素の濃度は約1×1018atoms/cmとなっている。炭素と酸素の濃度は、p型コレクタ層52の厚さ方向中央部近傍から上面51a側へ向かうにつれて減少し、ドリフト層54内で略一定値(炭素濃度は、約1×1014atoms/cm、酸素濃度は約1×1016atoms/cm)に収束する。すなわち、p型コレクタ層52とn型ドリフト層54内に、炭素と酸素の濃度がp型コレクタ層52側からn型ドリフト領域54側に向かうのにつれて減少して略一定値に収束する濃度プロファイルが形成されている。また、炭素及び酸素の濃度は、p型コレクタ層52の厚さ方向中央部近傍から下面51b側へ向かうにつれて減少する。
IGBT50bの半導体基板51中には、形成欠陥が存在している。図12(b)は、半導体基板51中に存在する形成欠陥の量R1の厚み方向における分布を示している。図示するように、n型ドリフト層54(位置A11とA13の間)及びp型コレクタ層52(位置11よりも右側)中には、形成欠陥が存在しており、その大部分はn型ドリフト層54中に存在している。特に、第1ドリフト層54a(位置A11とA12の間)に多数の形成欠陥が存在している。また、結晶欠陥の濃度が最も高い領域は、第1ドリフト層54a内の炭素と酸素の濃度が略一定値に収束している範囲(すなわち、グラフD7、D8の傾きが略0となっている範囲)内に存在している。n型ドリフト層54中に存在している形成欠陥は、大部分がVV欠陥であり、C欠陥は非常に少ない。また、図示するように、n型ドリフト層54中に存在している形成欠陥は、p型コレクタ層52中に存在している形成欠陥よりも圧倒的に多い。したがって、IGBT50bのターンオフ時の特性は、n型ドリフト層54中に存在している形成欠陥により左右される。n型ドリフト層54中のVV欠陥の量は、適切な量に調整されている。したがって、IGBT50bは、ターンオフ時の特性が適切な特性となっている。また、n型ドリフト層54中にC欠陥が少ないので、IGBT50bは、ターンオフ時にアバランシェ降伏し難い。
図13は、IGBT50bを製造するときのフローチャートを示している。この製造方法では、略均一な濃度で炭素及び酸素が存在しているp型のシリコンウエハからIGBT50bを製造する。このシリコンウエハの厚さは、p型コレクタ層52と略同じ厚さとなっている。
ステップS70では、エピタキシャル層の形成前にシリコンウエハを熱処理する。熱処理は、第1実施例のステップS6と略同じ条件で実施する。これによって、シリコンウエハの表面部分から、結晶中に混入していた炭素及び酸素が雰囲気中に抜け出す。したがって、シリコンウエハの表面部分の炭素と酸素の濃度が低下する。これによって、シリコンウエハ中の炭素と酸素の厚さ方向における濃度分布が、図14に示す濃度分布となる。なお、図14の横軸は、原点がシリコンウエハの上面の位置、右端がシリコンウエハの下面の位置を示しており、図12(a)の横軸のp型コレクタ層52の部分に対応している。
ステップS72では、エピタキシャル成長によって、シリコンウエハの上面に、高濃度のリン(n型不純物)を含有する第1のエピタキシャル層(第1ドリフト層54a)を成長させる。また、ステップS74では、成長させた第1ドリフト層54aの上に、エピタキシャル成長によって、低濃度のリンを含有する第2のエピタキシャル層を成長させる。
エピタキシャル成長によると、炭素及び酸素の濃度が低い層を成長させることができる。また、エピタキシャル成長により第1ドリフト層54aを成長させる際には、シリコンウエハ(p型コレクタ層52)中の炭素及び酸素の一部が第1ドリフト層54a中に拡散する。したがって、p型コレクタ層52との界面近傍の第1ドリフト層54aでは、炭素と酸素の濃度が若干上昇する。また、第1ドリフト層54aとの界面近傍のシリコンウエハ(p型コレクタ層52)では、炭素と酸素の濃度が若干低下する。これによって、第1ドリフト層54a及び第2エピタキシャル層を含むシリコンウエハの厚さ方向における炭素と酸素の濃度分布が、図12(a)と略同じ濃度分布となる。
ステップS76では、p型ボディ層56、n型エミッタ領域58、p型ボディコンタクト領域60を形成するために、上面51a側から第2エピタキシャル層にリン及びボロンのドーパント不純物を注入する。このドーパント不純物注入工程は、第3実施例のステップS44と同様に、注入する領域を選択して行う。また、注入深さを調整し、各領域に対応する深さにドーパント不純物を注入する。これにより、p型ボディ層56、n型エミッタ領域58、p型ボディコンタクト領域60のそれぞれに対応する領域にドーパント不純物が注入される。
ステップS78では、シリコンウエハを熱処理し、ステップS74で注入したリン及びボロンを拡散、活性化させる。これによって、図8に示すように、p型ボディ層56、n型エミッタ領域58、p型ボディコンタクト領域60が形成される。第1ドリフト層54aとp型ボディ層56の間の領域は、n型不純物の濃度が低い第2ドリフト層54bとなる。
ステップS80では、第3実施例のステップS48と略同様にして、第2エピタキシャル層の上面51aにトレンチを形成し、そのトレンチ内に絶縁膜及びゲート電極74を形成する。
ステップS82では、蒸着により、第2エピタキシャル層の上面51aにエミッタ電極70を形成する。
ステップS84では、下面51b側からシリコンウエハにヘリウムイオンを打ち込む。この工程は、n型ドリフト層54(すなわち、第1ドリフト層54aと第2ドリフト層54b)中に多くの形成欠陥が形成されるようにヘリウムイオンの打ち込むエネルギーを調整して行う。これによって、n型ドリフト層54及びp型コレクタ層52中に形成欠陥が形成される。n型ドリフト層54では、炭素及び酸素の濃度が低いので、あまりC欠陥を形成することなく、VV欠陥を形成することができる。
ステップS86では、シリコンウエハを熱処理する。具体的には、シリコンウエハを400℃の温度に約1時間保持する。この熱処理によって、シリコンウエハ中に存在しているエネルギー状態が不安定な形成欠陥が消滅し、エネルギー状態が安定しているVV欠陥がシリコンウエハ中に残る。すなわち、シリコンウエハ中の形成欠陥の大部分がVV欠陥となる。
ステップS88では、蒸着により、シリコンウエハの下面51bにコレクタ電極72を形成する。
ステップS90では、シリコンウエハをダイシングする。これにより複数のIGBT50aが製造される。
以上に説明したように、第4実施例の製造方法によると、n型ドリフト層54中に、C欠陥が形成されることが抑制しながら、VV欠陥を形成することができる。したがって、製造するIGBT50bの特性を正確に制御することができる。また、アバランシェ降伏し難いIGBTを製造することができる。
以上、第1〜第4実施例の製造方法で説明したように、本発明の製造方法では、熱処理またはエピタキシャル成長によって、炭素及び酸素の濃度が低い領域を形成する。そして、その領域に荷電粒子を打ち込むことにより、C欠陥が形成されることを抑制しながら、VV欠陥を形成する。したがって、製造する半導体装置の特性のバラツキを抑制することができる。また、アバランシェ降伏し難い半導体装置を製造することができる。
なお、第1〜第4実施例では、PNダイオード及びIGBTの製造方法について説明したが、本発明の製造方法によって他の半導体装置を製造することもできる。例えば、NPN型またはPNP型のバイポーラトランジスタ、サイリスタ等、種々のバイポーラ動作する半導体装置を製造することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
PNダイオード10aの概略構成を示す図。 PNダイオード10aの半導体基板12中の炭素と酸素の濃度分布及び形成欠陥の分布を示す図。 PNダイオードのターンオフ特性を示す図。 PNダイオード10aの製造方法を示すフローチャート。 PNダイオード10bの概略構成を示す図。 PNダイオード10bの半導体基板12中の炭素と酸素の濃度分布及び形成欠陥の分布を示す図。 PNダイオード10bの製造方法を示すフローチャート。 IGBT50aの概略構成を示す図。 IGBT50aの半導体基板12中の炭素と酸素の濃度分布及び形成欠陥の分布を示す図。 IGBTのターンオフ特性を示す図。 IGBT50aの製造方法を示すフローチャート。 IGBT50bの半導体基板12中の炭素と酸素の濃度分布及び形成欠陥の分布を示す図。 IGBT50bの製造方法を示すフローチャート。 ステップS70実施後のシリコンウエハ中の炭素と酸素の濃度分布を示す図。
符号の説明
10a:PNダイオード
10b:PNダイオード
12:半導体基板
12a:上面
12b:下面
14:p型拡散層
16:n型ドリフト層
16a:第1ドリフト層
16b:第2ドリフト層
18:n型拡散層
20:アノード電極
22:カソード電極
30:pn接合界面
50a:IGBT
50b:IGBT
51:半導体基板
51a:上面
51b:下面
52:p型コレクタ層
54:n型ドリフト層
54a:第1ドリフト層
54b:第2ドリフト層
56:p型ボディ層
58:n型エミッタ領域
60:p型ボディコンタクト領域
70:エミッタ電極
72:コレクタ電極
74:ゲート電極

Claims (13)

  1. ドーパント不純物を導入した半導体領域と所定範囲に結晶欠陥を形成した結晶欠陥領域とを備えている半導体装置を製造する方法であって、
    半導体基板を熱処理することによって前記所定範囲に含まれている混入不純物の少なくとも一部を半導体基板外に排出する排出工程と、
    排出工程を実施した半導体基板にドーパント不純物を導入して半導体領域を形成する導入工程と、
    排出工程を実施した半導体基板の前記所定範囲に荷電粒子を打ち込むことによって前記所定範囲に結晶欠陥を形成する打ち込み工程と、
    を備えている半導体装置の製造方法。
  2. ドーパント不純物を導入した半導体領域と所定範囲に結晶欠陥を形成した結晶欠陥領域とを備えている半導体装置を製造する方法であって、
    半導体基板を熱処理することによって前記所定範囲に含まれている炭素と酸素の少なくとも一方の濃度を低下させる排出工程と、
    排出工程を実施した半導体基板にドーパント不純物を導入して半導体領域を形成する導入工程と、
    排出工程を実施した半導体基板の表面から前記所定範囲に打ち込まれるエネルギーで荷電粒子を打ち込むことによって前記所定範囲に結晶欠陥を形成する打ち込み工程と、
    を備えている半導体装置の製造方法。
  3. 所定範囲に結晶欠陥を形成した結晶欠陥領域を備えているPNダイオードを製造する方法であって、
    半導体基板を熱処理することによって前記所定範囲に含まれている混入不純物の少なくとも一部を半導体基板外に排出する排出工程と、
    排出工程を実施した半導体基板にドーパント不純物を導入して、前記所定範囲内にpn接合を形成する導入工程と、
    排出工程を実施した半導体基板の前記所定範囲に荷電粒子を打ち込むことによって前記所定範囲に結晶欠陥を形成する打ち込み工程と、
    を備えているPNダイオードの製造方法。
  4. 所定範囲に結晶欠陥を形成した結晶欠陥領域を備えているIGBTを製造する方法であって、
    半導体基板を熱処理することによって前記所定範囲に含まれている混入不純物の少なくとも一部を半導体基板外に排出する排出工程と、
    排出工程を実施した半導体基板の上面側からドーパント不純物を導入して、ボディ領域とエミッタ領域を形成する上面側導入工程と、
    排出工程を実施した半導体基板の下面側からドーパント不純物を導入して、コレクタ領域を形成するにあたって、コレクタ領域とドリフト領域の界面が前記所定範囲に含まれるようにコレクタ領域を形成する下面側導入工程と、
    排出工程を実施した半導体基板の前記所定範囲に荷電粒子を打ち込むことによって前記所定範囲に結晶欠陥を形成する打ち込み工程と、
    を備えているIGBTの製造方法。
  5. 所定範囲に結晶欠陥を形成した結晶欠陥領域を備えているPNダイオードを製造する方法であって、
    半導体基板上にエピタキシャル層を成長させる結晶成長工程と、
    エピタキシャル層の表面からエピタキシャル層内に留まるエネルギーで荷電粒子を打ち込むことによってエピタキシャル層内の前記所定範囲に結晶欠陥を形成する打ち込み工程と、
    を備えているPNダイオードの製造方法。
  6. 所定範囲に結晶欠陥を形成した結晶欠陥領域を備えているIGBTを製造する方法であって、
    半導体基板を熱処理することによって半導体基板の表面部分に含まれている混入不純物の少なくとも一部を半導体基板外に排出する排出工程と、
    排出工程を実施した半導体基板上にエピタキシャル層を成長させる結晶成長工程と、
    エピタキシャル層の表面からエピタキシャル層内に留まるエネルギーで荷電粒子を打ち込むことによってエピタキシャル層内の前記所定範囲に結晶欠陥を形成する打ち込み工程と、
    を備えているIGBTの製造方法。
  7. 所定範囲に荷電粒子を打ち込んで形成した結晶欠陥領域を備えている半導体装置であって、
    炭素と酸素の少なくとも一方の濃度が半導体基板の表面に接近するのにつれて減少する濃度プロファイルが形成されており、
    荷電粒子を打ち込んで形成した結晶欠陥の実質的な全部が、炭素と酸素の少なくとも一方の濃度が減少している範囲内に存在していることを特徴とする半導体装置。
  8. アノード領域と、アノード領域と接しているドリフト領域と、ドリフト領域と接しているカソード領域を備えており、ドリフト領域のドーパント不純物濃度はアノード領域とカソード領域のドーパント不純物濃度よりも低く、所定範囲に荷電粒子を打ち込んで形成した結晶欠陥領域を備えているPNダイオードであって、
    炭素と酸素の少なくとも一方の濃度が半導体基板の表面に接近するのにつれて減少する濃度プロファイルが形成されており、
    pn接合が、炭素と酸素の少なくとも一方の濃度が減少している範囲内に形成されており、
    荷電粒子を打ち込んで形成した結晶欠陥の実質的な全部が、炭素と酸素の少なくとも一方の濃度が減少している範囲内に存在していることを特徴とするPNダイオード。
  9. アノード領域と、アノード領域と接しているドリフト領域と、ドリフト領域と接しているカソード領域を備えており、ドリフト領域のドーパント不純物濃度はアノード領域とカソード領域のドーパント不純物濃度よりも低く、所定範囲に荷電粒子を打ち込んで形成した結晶欠陥領域を備えているPNダイオードであって、
    半導体基板と、
    半導体基板上に形成されており、炭素と酸素の少なくとも一方の濃度が半導体基板における濃度よりも低い半導体層を有しており、
    荷電粒子を打ち込んで形成した結晶欠陥領域のうち結晶欠陥の濃度が最も高い領域が、半導体層内に存在していることを特徴とするPNダイオード。
  10. アノード領域とドリフト領域の界面が、半導体層内に形成されていることを特徴とする請求項9に記載のPNダイオード。
  11. 所定範囲に荷電粒子を打ち込んで形成した結晶欠陥領域を備えているIGBTであって、
    第1導電型のコレクタ領域と、
    コレクタ領域に接している第2導電型のドリフト領域と、
    ドリフト領域に接している第1導電型のボディ領域と、
    ボディ領域によってドリフト領域から離間されている第2導電型のエミッタ領域と、
    エミッタ領域とドリフト領域を離間させているボディ領域に絶縁膜を介して対向しているゲート電極を備えており、
    炭素と酸素の少なくとも一方の濃度がコレクタ領域側の半導体基板の表面に接近するのにつれて減少する濃度プロファイルが形成されており、
    コレクタ領域とドリフト領域の界面が、炭素と酸素の少なくとも一方の濃度が減少している範囲内に形成されており、
    荷電粒子を打ち込んで形成した結晶欠陥の実質的な全部が、炭素と酸素の少なくとも一方の濃度が減少している範囲内に存在していることを特徴とするIGBT。
  12. 所定範囲に荷電粒子を打ち込んで形成した結晶欠陥領域を備えているIGBTであって、
    第1導電型のコレクタ領域と、
    コレクタ領域に接している第2導電型のドリフト領域と、
    ドリフト領域に接している第1導電型のボディ領域と、
    ボディ領域によってドリフト領域から離間されている第2導電型のエミッタ領域と、
    エミッタ領域とドリフト領域を離間させているボディ領域に絶縁膜を介して対向しているゲート電極を備えており、
    コレクタ領域とドリフト領域内には、炭素と酸素の少なくとも一方の濃度が、コレクタ領域側からドリフト領域側に向かうのにつれて減少して略一定値に収束する濃度プロファイルが形成されており、
    荷電粒子を打ち込んで形成した結晶欠陥領域のうち結晶欠陥の濃度が最も高い領域が、ドリフト領域内の炭素と酸素の少なくとも一方の濃度が略一定値に収束している範囲内に存在していることを特徴とするIGBT。
  13. ドリフト領域のうちコレクタ領域と接する領域に、その領域外のドリフト領域よりも第2導電型の不純物の濃度が高いバッファ領域が形成されていることを特徴とする請求項11又は12に記載のIGBT。
JP2007008384A 2007-01-17 2007-01-17 半導体装置、pnダイオード、igbt、及びそれらの製造方法 Pending JP2008177296A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007008384A JP2008177296A (ja) 2007-01-17 2007-01-17 半導体装置、pnダイオード、igbt、及びそれらの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007008384A JP2008177296A (ja) 2007-01-17 2007-01-17 半導体装置、pnダイオード、igbt、及びそれらの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008177296A true JP2008177296A (ja) 2008-07-31

Family

ID=39704116

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007008384A Pending JP2008177296A (ja) 2007-01-17 2007-01-17 半導体装置、pnダイオード、igbt、及びそれらの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008177296A (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010161237A (ja) * 2009-01-08 2010-07-22 Toyota Motor Corp 半導体装置の製造方法
JP2011146673A (ja) * 2009-12-16 2011-07-28 Toyota Central R&D Labs Inc ダイオードとその製造方法
JP2011222550A (ja) * 2010-04-02 2011-11-04 Toyota Central R&D Labs Inc Pinダイオード
JP2012243888A (ja) * 2011-05-18 2012-12-10 Mitsubishi Electric Corp 半導体素子の製造方法
JP2013131656A (ja) * 2011-12-22 2013-07-04 Sumitomo Electric Ind Ltd 半導体装置およびその製造方法
JP2015017019A (ja) * 2013-07-12 2015-01-29 グローバルウェーハズ・ジャパン株式会社 シリコン単結晶及びその製造方法
WO2015087485A1 (ja) * 2013-12-10 2015-06-18 信越半導体株式会社 シリコン単結晶基板の欠陥濃度評価方法
JP2015142079A (ja) * 2014-01-30 2015-08-03 シャープ株式会社 光電変換装置
JP2018173379A (ja) * 2017-03-31 2018-11-08 株式会社デンソー 光検出器及び測距装置
US10134832B2 (en) 2015-06-30 2018-11-20 Fuji Electric Co., Ltd. Semiconductor device and method of manufacturing the same
CN109411344A (zh) * 2017-08-18 2019-03-01 英飞凌科技股份有限公司 包括cz半导体本体的半导体器件以及制造包括cz半导体本体的半导体器件的方法
JP2019211429A (ja) * 2018-06-08 2019-12-12 株式会社デンソー 測距装置
WO2020217683A1 (ja) * 2019-04-26 2020-10-29 富士電機株式会社 半導体装置および製造方法
JP2021082829A (ja) * 2014-11-14 2021-05-27 インフィネオン テクノロジーズ アーゲーInfineon Technologies Ag 半導体装置を形成する方法および半導体装置
JP7456349B2 (ja) 2020-10-08 2024-03-27 三菱電機株式会社 半導体装置および半導体装置の製造方法

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58200544A (ja) * 1982-05-19 1983-11-22 Hitachi Ltd 半導体装置の製造方法
JPS6196740A (ja) * 1984-10-18 1986-05-15 Matsushita Electronics Corp 半導体装置の製造方法
JPH0396281A (ja) * 1989-09-08 1991-04-22 Fuji Electric Co Ltd 伝導度変調型mosfetの製造方法
JPH0738102A (ja) * 1993-07-20 1995-02-07 Fuji Electric Co Ltd 高耐圧半導体装置の製造方法
JP2002522901A (ja) * 1998-08-05 2002-07-23 エムイーエムシー・エレクトロニック・マテリアルズ・インコーポレイテッド 高性能シリコンパワーデバイスにおける不均一少数キャリア寿命分布
JP2003318412A (ja) * 2002-02-20 2003-11-07 Fuji Electric Co Ltd 半導体装置およびその製造方法
JP2004510333A (ja) * 2000-09-22 2004-04-02 インフィネオン テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト 高電圧ダイオードおよびその製造方法
JP2005513783A (ja) * 2001-12-15 2005-05-12 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 局所的に縮小した寿命領域を有する半導体装置およびその半導体装置の製造
JP2006108616A (ja) * 2004-09-09 2006-04-20 Fuji Electric Holdings Co Ltd 逆阻止型絶縁ゲート形半導体装置およびその製造方法
JP2006352101A (ja) * 2005-05-20 2006-12-28 Toyota Motor Corp 半導体装置及びその製造方法

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58200544A (ja) * 1982-05-19 1983-11-22 Hitachi Ltd 半導体装置の製造方法
JPS6196740A (ja) * 1984-10-18 1986-05-15 Matsushita Electronics Corp 半導体装置の製造方法
JPH0396281A (ja) * 1989-09-08 1991-04-22 Fuji Electric Co Ltd 伝導度変調型mosfetの製造方法
JPH0738102A (ja) * 1993-07-20 1995-02-07 Fuji Electric Co Ltd 高耐圧半導体装置の製造方法
JP2002522901A (ja) * 1998-08-05 2002-07-23 エムイーエムシー・エレクトロニック・マテリアルズ・インコーポレイテッド 高性能シリコンパワーデバイスにおける不均一少数キャリア寿命分布
JP2004510333A (ja) * 2000-09-22 2004-04-02 インフィネオン テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト 高電圧ダイオードおよびその製造方法
JP2005513783A (ja) * 2001-12-15 2005-05-12 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 局所的に縮小した寿命領域を有する半導体装置およびその半導体装置の製造
JP2003318412A (ja) * 2002-02-20 2003-11-07 Fuji Electric Co Ltd 半導体装置およびその製造方法
JP2006108616A (ja) * 2004-09-09 2006-04-20 Fuji Electric Holdings Co Ltd 逆阻止型絶縁ゲート形半導体装置およびその製造方法
JP2006352101A (ja) * 2005-05-20 2006-12-28 Toyota Motor Corp 半導体装置及びその製造方法

Cited By (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010161237A (ja) * 2009-01-08 2010-07-22 Toyota Motor Corp 半導体装置の製造方法
JP2011146673A (ja) * 2009-12-16 2011-07-28 Toyota Central R&D Labs Inc ダイオードとその製造方法
US8698285B2 (en) 2009-12-16 2014-04-15 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Reverse recovery using oxygen-vacancy defects
US8846544B2 (en) 2009-12-16 2014-09-30 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Reverse recovery using oxygen-vacancy defects
JP2011222550A (ja) * 2010-04-02 2011-11-04 Toyota Central R&D Labs Inc Pinダイオード
JP2012243888A (ja) * 2011-05-18 2012-12-10 Mitsubishi Electric Corp 半導体素子の製造方法
US9153661B2 (en) 2011-12-22 2015-10-06 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Semiconductor device and method for manufacturing same
JP2013131656A (ja) * 2011-12-22 2013-07-04 Sumitomo Electric Ind Ltd 半導体装置およびその製造方法
KR101611707B1 (ko) * 2013-07-12 2016-04-11 글로벌웨어퍼스 재팬 가부시키가이샤 실리콘 단결정 및 그 제조 방법
JP2015017019A (ja) * 2013-07-12 2015-01-29 グローバルウェーハズ・ジャパン株式会社 シリコン単結晶及びその製造方法
JP2015115404A (ja) * 2013-12-10 2015-06-22 信越半導体株式会社 シリコン単結晶基板の欠陥濃度評価方法
WO2015087485A1 (ja) * 2013-12-10 2015-06-18 信越半導体株式会社 シリコン単結晶基板の欠陥濃度評価方法
US9773710B2 (en) 2013-12-10 2017-09-26 Shin-Etsu Handotai Co., Ltd. Method for evaluating concentration of defect in silicon single crystal substrate
JP2015142079A (ja) * 2014-01-30 2015-08-03 シャープ株式会社 光電変換装置
JP2021082829A (ja) * 2014-11-14 2021-05-27 インフィネオン テクノロジーズ アーゲーInfineon Technologies Ag 半導体装置を形成する方法および半導体装置
JP7140860B2 (ja) 2014-11-14 2022-09-21 インフィネオン テクノロジーズ アーゲー 半導体装置を形成する方法および半導体装置
US10134832B2 (en) 2015-06-30 2018-11-20 Fuji Electric Co., Ltd. Semiconductor device and method of manufacturing the same
JP2018173379A (ja) * 2017-03-31 2018-11-08 株式会社デンソー 光検出器及び測距装置
JP2019062189A (ja) * 2017-08-18 2019-04-18 インフィネオン テクノロジーズ アーゲーInfineon Technologies Ag Cz半導体ボディを含む半導体装置およびcz半導体ボディを含む半導体装置を製造する方法
CN109411344A (zh) * 2017-08-18 2019-03-01 英飞凌科技股份有限公司 包括cz半导体本体的半导体器件以及制造包括cz半导体本体的半导体器件的方法
JP7193267B2 (ja) 2017-08-18 2022-12-20 インフィネオン テクノロジーズ アーゲー Cz半導体ボディを含む半導体装置およびcz半導体ボディを含む半導体装置を製造する方法
CN109411344B (zh) * 2017-08-18 2024-01-02 英飞凌科技股份有限公司 包括cz半导体本体的半导体器件以及制造包括cz半导体本体的半导体器件的方法
JP2019211429A (ja) * 2018-06-08 2019-12-12 株式会社デンソー 測距装置
WO2020217683A1 (ja) * 2019-04-26 2020-10-29 富士電機株式会社 半導体装置および製造方法
JPWO2020217683A1 (ja) * 2019-04-26 2021-10-14 富士電機株式会社 半導体装置および製造方法
JP7251616B2 (ja) 2019-04-26 2023-04-04 富士電機株式会社 半導体装置および製造方法
US11710766B2 (en) 2019-04-26 2023-07-25 Fuji Electric Co., Ltd. Semiconductor device containing an oxygen concentration distribution
JP7456349B2 (ja) 2020-10-08 2024-03-27 三菱電機株式会社 半導体装置および半導体装置の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008177296A (ja) 半導体装置、pnダイオード、igbt、及びそれらの製造方法
US8361893B2 (en) Semiconductor device and substrate with chalcogen doped region
JP5236279B2 (ja) 電流抑制層を備える絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ
JP5328930B2 (ja) 電流シフト領域を有する半導体デバイスおよび関連方法
JP5090740B2 (ja) ブール成長された炭化ケイ素ドリフト層を使用してパワー半導体デバイスを形成する方法
US9324783B2 (en) Soft switching semiconductor device and method for producing thereof
US20160307993A1 (en) Semiconductor device and method of manufacturing semiconductor device
JP6272488B2 (ja) 半導体装置の製造方法
US10607839B2 (en) Method of reducing an impurity concentration in a semiconductor body
JP2006352101A (ja) 半導体装置及びその製造方法
US9905655B2 (en) Method for reducing bipolar degradation in an SIC semiconductor device and semiconductor device
JP2008211171A (ja) バイポーラ型半導体装置、その製造方法およびツェナー電圧の制御方法
JP2016063190A (ja) 炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法、炭化珪素エピタキシャル基板および炭化珪素半導体装置
US10079281B2 (en) Semiconductor devices and methods for forming a semiconductor device
US9590047B2 (en) SiC bipolar junction transistor with reduced carrier lifetime in collector and a defect termination layer
JP5127235B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP5080744B2 (ja) 半導体デバイス及びその製造方法
CN107039253B (zh) 用于处理硅晶圆的方法
JP2019067982A (ja) 炭化珪素半導体装置
KR101386132B1 (ko) 트렌치 구조를 갖는 SiC MOSFET 및 그 제조방법
JP6961088B2 (ja) 半導体装置及び半導体装置の製造方法
US20150111347A1 (en) Electronic device structure with a semiconductor ledge layer for surface passivation
US20230049926A1 (en) Epitaxial field stop region for semiconductor devices
Schustereder Challenges for ion implantation in power device processing
JP6445480B2 (ja) Soi基板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090724

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120327

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120329

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120528

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121127

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130604