JP2008148086A

JP2008148086A - 軟骨伝導スピーカ

Info

Publication number: JP2008148086A
Application number: JP2006334100A
Authority: JP
Inventors: Toru Kato; 透加藤; Kiyota Oshino; 喜代太押野
Original assignee: WECOM KENKYUSHO KK
Current assignee: WECOM KENKYUSHO KK
Priority date: 2006-12-12
Filing date: 2006-12-12
Publication date: 2008-06-26

Abstract

【課題】軟骨に接触させて用いるスピーカを提供する。
【解決手段】電極板の表裏両面にＰＺＴ（チタン酸ジルコン酸鉛重合体）の薄膜を形成してなる２枚の圧電振動子と、該２枚の圧電振動子を互いに平行に所定の間隔を保ちつつその周辺を連結するスペーサと、前記２枚の圧電振動子に互いに逆動作させるべく、二つの極性を持つ電気信号のうち、一方を前記圧電振動子の電極板に、もう一方を前記圧電振動子のＰＺＴ薄膜部分に伝える導線と、前記２枚の圧電振動子のうち、一方を弾性部材を介して固定するケースと、前記２枚の圧電振動子のうち、もう一方を弾性部材を介して使用者の耳近傍の軟骨に接触させる接触パッドとからなる。
【選択図】図１

Description

本発明は、軟骨伝導スピーカ、すなわち、電気信号を人間が感知可能な振動に変換するスピーカであって、人体の耳介付近の軟骨に接触させて用いるものである。

特許文献１には、骨伝導スピーカーが開示されている。特許文献２には、圧電型変換器を備えたヘッドホンが開示されている。
特開２００５−１５１１８３号公報特開２００３−０３２７６８号公報

従来の骨伝導スピーカーは、頬骨、顎骨、頭蓋骨などの硬い骨に接触させて用いることを前提に開発されていた。本願の発明者は、軟骨部分、特に外耳道軟骨部に接触させて用いるスピーカーを開発できれば、使用するものにとって、快適な使用感の得られるものが提供できるのではないかと気づいた。本発明の解決しようとする課題は、軟骨に接触させて用いるスピーカを提供することにある。

本発明の軟骨伝導スピーカは、電極板の表裏両面にＰＺＴ（チタン酸ジルコン酸鉛重合体）の薄膜を形成してなる２枚の圧電振動子と、該２枚の圧電振動子を互いに平行に所定の間隔を保ちつつその周辺を連結するスペーサと、前記２枚の圧電振動子に互いに逆動作させるべく、二つの極性を持つ電気信号のうち、一方を前記圧電振動子の電極板に、もう一方を前記圧電振動子のＰＺＴ薄膜部分に伝える導線と、前記２枚の圧電振動子のうち、一方を弾性部材を介して固定するケースと、前記２枚の圧電振動子のうち、もう一方を弾性部材を介して使用者の耳近傍の軟骨に接触させる接触パッドとからなるものである。

請求項２に記載の発明は、請求項１の軟骨伝導スピーカであって、前記圧電振動子を構成する電極板の厚さが４０ミクロン（マイクロメートル）から６０ミクロンの間であり、ＰＺＴの薄膜の厚さが８０ミクロンから１２０ミクロンの間であるものである。

請求項３に記載の発明は、請求項１又は２のいずれかに記載の軟骨伝導スピーカであって、前記２枚の圧電振動子を平行に保持する間隔が０．８ミリメートルから１．２ミリメートルの間である。

請求項４に記載の発明は、請求項１、２又は３のいずれかに記載の軟骨伝導スピーカであって、前記２枚の圧電振動子を構成する電極板が、およそ楕円形状を有し、その長径が１０ミリメートルから１５ミリメートルの間であり、その短径が６ミリメートルから１０ミリメートルの間である。

請求項５に記載の発明は、請求項１、２、３又は４のいずれかに記載の軟骨伝導スピーカであって、前記圧電振動子とケース、圧電振動子と接触パッドの間に介在する弾性部材の中心部分がゴム、周辺部分がドーナッツ形状をしたスポンジである。

請求項６に記載の発明は、請求項１,２,３,４又は５のいずれかに記載の軟骨伝導スピーカであって、前記圧電振動子を構成する電極板が４２ニッケル（ニッケルと鉄の合金）である。

請求項７に記載の発明は、請求項１、２、３，４，５又は６のいずれかに記載の軟骨伝導スピーカであって、前記接触パットが、粘着性を有し、使用者の耳介近くの軟骨に粘着させて用いるものである。

本発明は、以上のように構成されているから、軟骨に接触させて用いるのに適している。人体の軟骨自身の弾力性を利用できるので、スピーカ自体の構造を簡素化でき、しかも圧迫感なしに良好な接触が得られるという利点がある。

本発明は、互いに逆動作をする圧電振動子を２枚、スペーサを介して互いに平行に設けて、それを簡易なケースに収めて構成される軟骨伝導スピーカである。圧電振動子は、４０ミクロン（マイクロメートル）から６０ミクロンの厚さの４２ニッケル（ニッケルと鉄との合金)からなる電極板の両面にＰＺＴ（チタン酸ジルコン酸鉛重合体）の薄膜を８０ミクロンから１２０ミクロンの厚さで形成してなるものを用いる。二つの圧電振動子を逆動作させるべく、マイナス側の導線が電極板に結線され、プラス側の導線は、ＰＺＴ薄膜部分の外側になる部分に結線される。そして、それぞれの圧電振動子の表裏両面のＰＺＴ部分は、さらに別の導線にて互いに結線される。軟骨伝導スピーカ全体の大きさは、外耳道軟骨に接触させるのにふさわしい大きさをしており、たとえば、長径が１２ミリメートル、短径が８ミリメートルの楕円形状をもつ圧電振動子からなるものとする。二つの圧電振動子は、１ミリメートル程度の距離を保って平行に保持されるようにその周辺部をスペーサで連結される。こうして形成された２枚の圧電振動子は、その前側（人体の軟骨、好ましくは外耳道軟骨に当接する側）を、中心部をゴムからなる接触子を介して、その周辺部をドーナッツ形状のスポンジからなる制振パットを介して、やわらかい素材からなる接触パット（好ましくは粘着性をもつ粘着パット）にカバーされる。また、２枚の圧電振動子の後ろ側は、合成樹脂からなるケースによりカバーされる。このようにして、構成される軟骨伝導スピーカは、その接触パットを使用者の外耳道軟骨部に当接され、二本の導線をアンプを介してＭＰ３プレイヤーなどの音楽機器に接続されて、スピーカとして用いられる。

以下、図１、２、３，４及び５を参照しつつ、実施例１について説明する。図１は、軟骨伝導スピーカの断面を示す図である。圧電振動子３，４は、それぞれ４２ニッケルからなる電極板の表裏両面にＰＺＴ（チタン酸ジルコン酸鉛重合体）の薄膜を形成してなる。導線の結線については、煩雑をさけるため、図１においては省略してある。圧電振動子３，４は、それぞれ楕円形状をしており、長径が１２ミリメートル、短径が８ミリメートルである。その二つの圧電振動子は、周辺部において、スペーサ５により連結されている。プラスチック（合成樹脂）からなるケース１と、やわらかい素材からなる接触パット２が、軟骨伝導スピーカの外観を構成する部材である。接触パット２は、粘着性を持たせて、外耳道軟骨に接触しやすくすることができる。圧電振動子３，４は、ケース１、接触パット２に対して、その中心部分においてゴムからなるリヤ固定子６、フロント接触子７により固定され、その周辺部分においてスポンジからなるドーナッツ形状のリヤ制振パット８、フロント制振パット９により取り付けバランスを補助される。リヤ固定子６は、周辺より振動を取り出す為のセンター固定子（センター取り付け子）である。フロント接触子７は、振動エネルギーを伝えるための接触子（接触振動子）である。リヤ制振パット８は、寄生振動等を押さえ、また、圧電振動子の取り付けバランスを補助するためのクッションの役目を果たす。フロント制振パット９は、寄生振動等を押さえ、また、圧電振動子の取り付けバランスを補助するためのクッションの役目を果たす。

図２は、軟骨伝導スピーカの外観を示す斜視図である。外観を構成する部材は、ケース１、接触パット２、そして導線１０，１１のみである。ケース１には、導線１０，１１の取り出し口が設けられる。接触パット２は、ケース１に嵌め合わさる構造とすることができる。

図３は、軟骨伝導スピーカを構成する２枚の圧電振動子の部分の外観を示す斜視図である。フロント圧電振動子３は、接触パット２に当接する側の圧電振動子である。リヤ圧電振動子４は、ケース１に当接する側の圧電振動子である。導線１０は、二つの圧電振動子３，４をそれぞれ構成する部材のうちの電極板に結線されるマイナス側の導線である。導線１１は、二つの圧電振動子３，４を構成する部材のうちのＰＺＴ薄膜部分の外側２箇所に結線されるプラス側の導線である。ほかに、それぞれの圧電振動子の表裏のＰＺＴ薄膜部分を互いに結線する導線１２，１３があるが、煩雑を避けるために図３においては、図示を省略した。

図４は、２枚の圧電振動子の部分の断面図である。前述したように、導線１０,１１が結線されるほかに、導線１２がフロント圧電振動子を構成する電極板７１の表裏両面に設けられたＰＺＴ薄膜部分６１と６２とを結線し、導線１３が、リヤ圧電振動子を構成する電極板７２の表裏両面に設けられたＰＺＴ薄膜部分６３と６４とを結線する。これにより、二つの圧電振動子が互いに逆向きの振動をすることになる。

図５は、軟骨伝導スピーカをＭＰ３プレイヤーに接続する場合のブロック図である。ＭＰ３プレイヤー４０から出力される音声信号は、アンプ３０を介して増幅されて、軟骨伝導スピーカ２０に入力されて、その内部の圧電振動子を振動させ、その振動が接触パット２を介して、使用者の外耳道軟骨に伝わる。これにより、使用者は、音楽などを楽しむことができる。なお、ＭＰ３プレイヤー４０の代わりに、ＭＤプレイヤー、ＣＤプレイヤー、携帯電話機、ＤＶＤプレイヤー、ラジオなど、音を出力する他の機器を用いることができる。

上述した実施例１においては、電極板の厚さを４０ミクロンから６０ミクロンとし、ＰＺＴ薄膜の厚さを８０ミクロンから１２０ミクロンとしたが、仕様条件により、電極板・圧電セラミックス等の厚さ・大きさを変更して製作することが可能である。また、２枚の圧電振動子を平行に保持する間隔を０．８ミリメートルから１．２ミリメートルとしたが、この間隔を最大５ミリメートル程度まで広げても実用的に使用可能であることが確認された。また、電極板の形状をおよそ楕円形状としたが、長方形の形状や、円形状のものも実用可能であることが確認できた。さらに、圧電振動子とケース、圧電振動子と接触パッドの間に介在する弾性部材の中心部分をゴム、周辺部分をドーナッツ形状のスポンジとしたが、スポンジの代わりにフェルトを用いることもできる。電極板の材質を４２ニッケルとしたが、真鍮などの比較的硬い金属板を用いることもできる。さらに、接触パッドは粘着性のものとしたが、フック状のもので固定して用いることとする他の実施例も可能である。この軟骨伝導スピーカを当接させる人体の部位としては、外耳道軟骨が適切であるが、それに限るわけではなく、耳介のうらがわの軟骨部分に接触させて眼鏡のつるにて固定するなどの他の使用法も可能である。

携帯電話、ＭＰ３プレイヤー、ＣＤプレイヤー、ＤＶＤプレイヤー、持ち運びテレビなど、音声を楽しむものに広く用いることができる。

軟骨伝導スピーカの断面を示す図である。軟骨伝導スピーカの外観を示す斜視図である。軟骨伝導スピーカを構成する２枚の圧電振動子の部分の外観を示す斜視図である。２枚の圧電振動子の部分の断面図である。軟骨伝導スピーカをＭＰ３プレイヤーに接続する場合のブロック図である。

符号の説明

１ケース
２接触パット
３フロント圧電振動子
４リヤ圧電振動子
５スペーサー
６リヤ固定子
７フロント接触子
８リヤ制振パット
９フロント制振パット
１０，１１，１２，１３導線
２０軟骨伝導スピーカ
３０アンプ
４０ＭＰ３プレイヤー
６１，６２，６３，６４ＰＺＴ薄膜部分
７１，７２電極板

Claims

電極板の表裏両面にＰＺＴ（チタン酸ジルコン酸鉛重合体）の薄膜を形成してなる２枚の圧電振動子と、
該２枚の圧電振動子を互いに平行に所定の間隔を保ちつつその周辺を連結するスペーサと、
前記２枚の圧電振動子に互いに逆動作させるべく、二つの極性を持つ電気信号のうち、一方を前記圧電振動子の電極板に、もう一方を前記圧電振動子のＰＺＴ薄膜部分に伝える導線と、
前記２枚の圧電振動子のうち、一方を弾性部材を介して固定するケースと、
前記２枚の圧電振動子のうち、もう一方を弾性部材を介して使用者の耳近傍の軟骨に接触させる接触パッドと
からなる軟骨伝導スピーカ。
請求項１の軟骨伝導スピーカであって、前記圧電振動子を構成する電極板の厚さが４０ミクロン（マイクロメートル）から６０ミクロンの間であり、
ＰＺＴの薄膜の厚さが８０ミクロンから１２０ミクロンの間である
軟骨伝導スピーカ。
請求項１又は２のいずれかに記載の軟骨伝導スピーカであって、前記２枚の圧電振動子を平行に保持する間隔が０．８ミリメートルから１．２ミリメートルの間である軟骨伝導スピーカ。
請求項１，２又は３のいずれかに記載の軟骨伝導スピーカであって、前記２枚の圧電振動子を構成する電極板が、およそ楕円形状を有し、その長径が１０ミリメートルから１５ミリメートルの間であり、その短径が６ミリメートルから１０ミリメートルの間である軟骨伝導スピーカ。
請求項１，２，３又は４のいずれかに記載の軟骨伝導スピーカであって、
前記圧電振動子とケース、圧電振動子と接触パッドの間に介在する弾性部材の中心部分がゴム、周辺部分がドーナッツ形状をしたスポンジである
軟骨伝導スピーカ。
請求項１，２，３，４又は５のいずれかに記載の軟骨伝導スピーカであって、
前記圧電振動子を構成する電極板が４２ニッケル（ニッケルと鉄の合金）である軟骨伝導スピーカ。
請求項１，２，３，４，５又は６のいずれかに記載の軟骨伝導スピーカであって、
前記接触パットが、粘着性を有し、使用者の耳介近くの軟骨に粘着させて用いる軟骨伝導スピーカ。