JP2014146949A - イヤホン - Google Patents
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Abstract
【課題】 外部の音とイヤホンからの音を両方聞くことが可能であって、低音を出しやすくすることが可能なイヤホンを提供することを目的とする。
【解決手段】 イヤホン1であって、筒体2と、筒体2の一端に設けられた、外耳道に挿入するイヤーパッド3と、筒体2の側部に設けられた、電気信号に応じて音響振動を発生する圧電素子4が実装された伝達部材5と、を備え、イヤーパッド3は、筒体2の一端側から筒体2の他端側に向かって見たときに、筒体2で囲まれる領域のうち中央部分と重なる箇所に、圧電素子4が発生する音響振動を受けて振動する振動部分6と、筒体2で囲まれる領域のうち中央部分を取り囲む周辺部分と重なる箇所に、筒体2内の空間とつながる複数の貫通孔Hと、を備えている。
【選択図】図2
【解決手段】 イヤホン1であって、筒体2と、筒体2の一端に設けられた、外耳道に挿入するイヤーパッド3と、筒体2の側部に設けられた、電気信号に応じて音響振動を発生する圧電素子4が実装された伝達部材5と、を備え、イヤーパッド3は、筒体2の一端側から筒体2の他端側に向かって見たときに、筒体2で囲まれる領域のうち中央部分と重なる箇所に、圧電素子4が発生する音響振動を受けて振動する振動部分6と、筒体2で囲まれる領域のうち中央部分を取り囲む周辺部分と重なる箇所に、筒体2内の空間とつながる複数の貫通孔Hと、を備えている。
【選択図】図2
Description
本発明は、外界音、いわゆる外部の音を聞くことが可能なイヤホンに関する。
従来から、イヤホンの一種として、音が頭蓋骨に振動して入り、蝸牛等の内耳を刺激し、蝸牛にて振動を電気信号に変換し脳に伝える骨伝導式のイヤホンが提案されている(下記、特許文献1,2参照)。なお、特許文献1,2には、筒状の貫通部の外側部に振動素子を設けたイヤホンが示されており、外部の音とイヤホンからの音を両方聞くことが可能な技術が提案されている。
ところが、特許文献1,2の技術は、イヤホンを人体の外耳道に嵌める構造であるが、外耳道内の空間が貫通部を介して大気中に露出された構造となる。そのため、1kHz以下の低音を聞こうとしても、外耳道内で音がこもりにくく、低音を出すことが難しい。
本発明は、外部の音とイヤホンからの音を両方聞くことが可能であって、低音を出しやすくすることが可能なイヤホンを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一実施形態に係るイヤホンは、筒体と、前記筒体の一端に設けられた、外耳道に挿入するイヤーパッドと、前記筒体の側部に設けられた、電気信号に応じて音響振動を発生する圧電素子が実装された伝達部材と、を備え、前記イヤーパッドは、前記筒体の一端側から他端側に向かって見たときに、前記筒体で囲まれる領域のうち中央部分と重なる箇所に、前記圧電素子が発生する音響振動を受けて振動する振動部分と、前記筒体で囲まれる領域のうち前記中央部分を取り囲む周辺部分と重なる箇所に、前記筒体内の空間とつながる複数の貫通孔と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、外部の音とイヤホンからの音を両方聞くことが可能であって、低音を出しやすくすることが可能なイヤホンを提供することができる。
以下に添付図面を参照して、本発明にかかるイヤホンの実施形態を説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されないものとする。図1は、本実施形態に係るイヤホンを人の左耳に装着した状態を示している。図2は、本実施形態に係るイヤホンであって、筒体、イヤーパッドおよび伝達部材を示した概観斜視図である。図3は、本実施形態に係るイヤホンの平面図であって、イヤーパッド側から筒体側を見た状態を示している。図4は、図2のX−Xに沿ったイヤホンの断面図を示しており、筒体、イヤーパッドおよび伝達部材の断面を示している。図5は、図4の断面図において筒体および伝達部材を示している。図6は、図4の断面図においてイヤーパッドの取付部在を示している。図7は、図4の断面図においてイヤーパッドの弾性変形部材を示している。図8は、図4の断面図に相当した伝達部材および圧電素子を示している。
<イヤホンの構成>
本実施形態に係るイヤホン1は、例えば、スマートフォン、ポータブルオーディオプレーヤーまたはポータブルメディアプレーヤー等の携帯音楽端末や、ラジオ等の無線通信端末に用いるものであって、耳に装着して使用する。
本実施形態に係るイヤホン1は、例えば、スマートフォン、ポータブルオーディオプレーヤーまたはポータブルメディアプレーヤー等の携帯音楽端末や、ラジオ等の無線通信端末に用いるものであって、耳に装着して使用する。
イヤホン1は、筒体2と、筒体2の一端に設けられた、外耳道に挿入するイヤーパッド3と、筒体2の側部に設けられた、電気信号に応じて音響振動を発生する圧電素子4が実装された伝達部材5と、を備えている。イヤーパッド3は、筒体2の一端側から筒体2の他端側を見たときに、筒体2で囲まれる領域のうち中央部分と重なる箇所に、圧電素子4が発生する音響振動を受けて振動する振動部分6と、筒体2で囲まれる領域のうち中央部分を取り囲む周辺部分と重なる箇所に、筒体2内の空間とつながる複数の貫通孔Hと、を備えている。また、イヤーパッド3は、一部が筒体2の一端の外縁に沿って取り付けられる取付部在31と、取付部在31の表面をカバーした弾性変形部材32と、を備えている。
筒体2は、円筒状であって、一端にイヤーパッド3を設けて、イヤーパッド3側を外耳道にはめて用いるものである。筒体2は、空洞Tが設けられている。そして、筒体2を外耳道にはめたときには、空洞Tによって外耳道内と外耳道外との空間がつながっている。なお、筒体2は、本実施形態では円筒状としたが、内側に空洞Tがあって人の耳に挿入可能であれば、形状は円筒状に限定されない。
また、筒体2は、人体と触れても無害な材料から構成されており、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンまたはABS樹脂等からなる。筒体2は、円筒状の外径が6mm以上20mm以下であって、内径が5mm以上19mm以下に設定されている。筒体2は、筒体2の一端から筒体2の他端までの長さが4mm以上20mm以下に設定されている。
筒体2は、筒体2の側面から筒体2の円筒状の軸と直交する方向に延在した延在部2aを有している。延在部2aは、伝達部材5が設けられている。伝達部材5は、延在部2a上に、接合部材7を介して設けられた圧電素子4を備えている。ここで、筒体2の円筒状の軸とは、空洞Tの軸方向と同軸である。なお、延在部2aは、筒体2と一体であっても
別体であっても構わない。かかる場合は、延在部2aは、筒体2の側面に、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコンまたはウレタンゴム等からなる接着材を介して接続される。
別体であっても構わない。かかる場合は、延在部2aは、筒体2の側面に、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコンまたはウレタンゴム等からなる接着材を介して接続される。
延在部2aは、矩形状の板状である。延在部2aは、例えば、剛性および弾性が大きい合成樹脂等の材料を好適に用いて形成することができる。そして、圧電素子4の音響振動は、接合部材7を介して延在部2aに伝わり、伝達部材5全体を振動させることができる。なお、延在部2aは、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコンまたはウレタンゴム等の絶縁材料から構成されている。また、延在部2aは、板状であって、例えば一辺の長さが15mm以上50mm以下であって、幅が3mm以上11mm以下、厚みが1mm以上10mm以下に形成されている。
圧電素子4は、バイモルフ構造を有する圧電体で構成されている。圧電素子4は、分極された複数の圧電体層と複数の電極層とが交互に積層された構造である。そして、圧電素子4は、一方主面および他方主面が屈曲するように屈曲振動することで、音響振動が発生する。また、圧電素子4は、例えば、長さが10mm以上40mm以下、幅が2mm以上10mm以下、厚みが0.3mm以上5mm以下の直方体状の形状に設定されている。なお、圧電素子4を構成する圧電体層は、例えば、ジルコン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛、Bi層状化合物またはタングステンブロンズ構造化合物等の非鉛系圧電体材料等から成る。圧電素子4を構成する電極層は、例えば、銀またはパラジウムが含まれた合金や、この合金にセラミック成分やガラス成分を含有させたものから成る。
圧電素子4は、例えば次のような方法によって作製することができる。まず、圧電材料の粉末にバインダー、分散剤、可塑剤および溶剤を添加して掻き混ぜて、スラリーを作製し、得られたスラリーをシート状に成形し、グリーンシートを作製する。次に、グリーンシートに導体ペーストを印刷して電極層パターンを形成し、この電極層パターンが形成されたグリーンシートを積層して、積層成形体を作製した後に、脱脂、焼成し、所定寸法にカットすることにより積層体を得る。次に、表面電極を形成するための導体ペーストを印刷し、所定の温度で焼付けた後に、電極層を通じて直流電圧を印加して圧電体層の分極を行う。このようにして、圧電素子4を得ることができる。
圧電素子4は、延在部2a上に接合部材7を介して設けられている。接合部材7は、フィルム状の形状を有しており、圧電素子4の屈曲振動の振幅よりも大きい厚みを有している。また、接合部材7は、延在部2aよりも柔らかく変形しやすいもので形成されており、延在部2aよりもヤング率、剛性率または体積弾性率等の弾性率や剛性が小さい。すなわち、接合部材7は、変形可能であり、延在部2aよりも変形しやすい。なお、接合部材7は、圧電素子4の全周を取り囲むように設けられている。圧電素子4の全周を取り囲むように接合部材7を設けることで、圧電素子4と延在部2aとの接続強度を向上させることができ、圧電素子4が延在部2aから剥離しにくくすることができる。さらに、圧電素子4の振動を延在部2aに効率よく伝えることができる。
接合部材7は、図8に示すように、2層の粘着層71a,71bと、これらの間に配置された基部層72とからなる3層構造を有している。そして、延在部2aの上面に接合部材7の下面(粘着層71a)が全体的に固定されているとともに、圧電素子4の下面に接合部材7の上面(粘着層71b)が全体的に固定されている。
粘着層71a,71bは、粘弾性体で構成されており、その厚みは、例えば10μm以上50μm以下に設定される。粘着層71a,71bを構成する粘弾性体としては、例えばアクリル樹脂、シリコンまたはウレタンゴム等の高分子材料からなる。
基部層72は、粘着層71a,71bよりも高い剛性を有しており、その厚みは、例えば50μm以上200μm以下に設定される。基部層72は、ポリエステル等の樹脂を好適に用いて構成することができるが、例えば、粘着層71a,71bを構成する粘弾性体および不織布によって基部層72を構成することが望ましい。
また、基部層72は、不織布と粘着材とで構成されたもの、より詳細には、不織布に粘着材が含浸されたものであることが望ましい。そして、基部層72の厚み方向(2層の粘着層71a,71bの一方から他方へ向かう方向)の全体に渡って、少なくとも一部が粘弾性体で構成されていることが望ましい。これにより、延在部2aと圧電素子4の間に働く熱応力を緩和する効果と、圧電素子4の振動を延在部2aへ伝達する効果の両方を高めることができる。
伝達部材5は、圧電素子4から音響振動が発生させる。音響振動は、筒体2を介してイヤーパッド3に伝わる。また、伝達部材5は、耳にあてると軟骨を介して内耳に音を良好に伝達することができる。具体的には、圧電素子4が電気信号を受けて音響振動を発生し、その音響振動が筒体2に伝わり、イヤーパッド3の振動部分6を振動させる。また、筒体2を外耳道に嵌めた状態で、一部が耳珠近傍に当接し、耳珠近傍の軟骨および皮膚に音響振動を伝達することもできる。
伝達部材5は、筒体2の側面に設けられ、延在部2aに設けられている。なお、伝達部材5は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコンまたはウレタンゴム等の樹脂でコーティングされても良い。さらに、使用者に耳の形状に合わせて、伝達部材5の位置を調整して位置決めされている。
伝達部材5は、圧電素子4を制御する信号が伝わる電気配線8が接続されている。そして、電気配線8の一端が、圧電素子4と接続されている。また、電気配線8の他端が、圧電素子4を制御する電気回路や圧電素子4に電源を供給する電源と電気的に接続されている。
イヤーパッド3は、人の耳介内に挿入した状態では、伝達部材5からの音響振動を気導音に変換して人に伝えることができ、さらに外部からの音を人に伝えるものである。イヤーパッド3は、図1に示すように、筒体2で囲まれる領域の中央部分と重なる箇所に、伝達部材5からの音響振動を受けて振動する振動部分6と、中央部分を取り囲む周辺部分と重なる箇所に、筒体2内の空洞Tとつながる複数の貫通孔H(H1,H2)とを備えている。また、イヤーパッド3は、具体的には、取付部在31と、取付部在31に取り付けられた弾性変形部材32とを備えている。取付部在31は、一部が筒体2の一端の外縁に沿って取り付けられている。弾性変形部材32は、取付部在31の表面をカバーしている。
取付部在31は、イヤーパッド3の一部であって、筒体2の一端に取り付けるものである。取付部在31は、筒体2の一端側から筒体2の他端側の方向に延在した円筒部31aを有しており、イヤーパッド3の振動部分6が円筒部31aの延在した基部に設けられている。取付部在31は、円筒部31aの一端側の端部を塞ぐように振動部分6が設けられている。さらに、取付部在31は、円筒部31aの他端側の端部から側方に広がるように、支持部31bが設けられている。支持部31bの外延部は、筒体2の一端の外縁に沿って取り付けられる。取付部在31は、弾性変形可能であって、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコンまたはウレタンゴム等の樹脂からなる。さらに、取付部在31の円筒部31aの一端側の端部を塞ぐ振動部分6は、例えば、カーボン、液晶ポリマーフィルムまたはカーボンナノチューブ等の振動膜から構成されても良い。
筒体2が圧電素子4からの音響振動によって振動し、筒体2に連結された取付部在が振
動し、嵌合に連結された振動部分6が振動する。さらに、振動部分6と外耳道との間で空気が振動して鼓膜を震わせることができる。つまり、イヤーパッド3を外耳道に嵌めると、振動部分6の振動が鼓膜と振動部分6との間の空気を震わせて、気導音が外耳道内の鼓膜を振動させることができる。なお、取付部在31は、円筒部31aの外径が3mm以上7mm以下であって、内径が2mm以上6mm以下に設定されている。取付部在31は、一端側から他端側までの長さが、6mm以上15mm以下に設定されている。
動し、嵌合に連結された振動部分6が振動する。さらに、振動部分6と外耳道との間で空気が振動して鼓膜を震わせることができる。つまり、イヤーパッド3を外耳道に嵌めると、振動部分6の振動が鼓膜と振動部分6との間の空気を震わせて、気導音が外耳道内の鼓膜を振動させることができる。なお、取付部在31は、円筒部31aの外径が3mm以上7mm以下であって、内径が2mm以上6mm以下に設定されている。取付部在31は、一端側から他端側までの長さが、6mm以上15mm以下に設定されている。
また、支持部31bには、複数の貫通孔H1が設けられている。貫通孔H1は、筒体2の一端側から筒体2の他端側をみたときに、円筒部3ayを中心として放射状に配置されている。貫通孔H1の大きさは、筒体2の一端側から筒体2の他端側を見たときに、矩形状に形成されており、一辺の長さが0.2mm以上4mm以下に設定されている。貫通孔H1の深さは、周囲の部材の厚みに相当し、例えば0.5mm以上3mm以下に設定されている。なお、本実施形態では、貫通孔H1の一方から見た形状を矩形状としたが、例えば、円状や楕円状等であってもよい。
弾性変形部材32は、外耳道にはめて、外耳道の皮膚表面と直接接するものである。弾性変形部材32は、取付部在31の表面の多くをカバーするものである。弾性変形部材32は、変形可能な弾性体から構成されていることで、人の力で簡単に変形させて外耳道内に嵌めることができる。また、弾性変形部材32の一端は、図7に示すように、外耳道に嵌めやすいように湾曲して、外耳道の内面が傷つかないように調整されている。また、弾性変形部材32の他端には、端面が開口している空洞部32hが設けられている。
また、弾性変形部材32の他端は、図4に示すように、弾性変形部材32の他端側は、取付部在31と間を空けて設けられている。弾性変形部材32は、空洞部32hと貫通孔H2とつながっており、弾性変形部材32において弾性変形部材32の一端側の空間と弾性変形部材32の他端側の空間とはつながっている。イヤーパッド3を外耳道に嵌めた状態では、空洞部32hは外界とつながっており、外部の音が空洞部32hから貫通孔H2を通って鼓膜に伝わる。
弾性変形部材32は、図7に示すように、取付部在31の円筒部31aを嵌めることが可能な中央孔Cが設けられている。弾性変形部材32の中央孔Cに取付部在31の円筒部31aを嵌めた状態で、弾性変形部材32の一端側に振動部分6が位置する。また、弾性変形部材32は、筒体2の一端側から筒体2の他端側をみたときに、筒体2で囲まれる領域である中央部分を取り囲む周辺部分と重なる箇所に、筒体2内の空洞Tとつながった複数の貫通孔H2が設けられている。そして、取付部在31の貫通穴H1と弾性変形部材32の貫通穴H2の間には空間としての空洞部32hがあり、貫通孔H2と貫通孔H1の位置がずれても、空間的につながっているので、外部の音を鼓膜に伝えることができる。
貫通孔H2は、貫通孔H1と繋がっており、弾性変形部材32の中央孔Cを中心として放射状に配置されている。貫通孔H2の大きさは、筒体2の一端側から筒体2の他端側を見たときに、矩形状に形成されており、一辺の長さが0.2mm以上4mm以下に設定されている。貫通孔H2の深さは、周囲の部材の厚みに相当し、例えば0.5mm以上10mm以下に設定されている。なお、本実施形態では、貫通孔H2の一方から見た形状を矩形状としたが、例えば、円状や楕円状等であってもよい。
弾性変形部材3の一端は、弾性変形部材3の他端に比べて外径が小さくなるように形成されている。弾性変形部材3の一端を小さくすることで、弾性変形部材3の一端を外耳道内に嵌めやすくすることができる。さらに、弾性変形部材3の一端と弾性変形部材3の他端との間には、外径が弾性変形部材3の他端よりも小さくなっている箇所を形成されていても構わない。弾性変形部材3の一端と弾性変形部材3の他端との間に、弾性変形部材3
の他端の外径よりも小さくなっている箇所を設けることで、外耳道の形状は複雑にカーブするように鼓膜につながっているが、外耳道の複雑な形状に対応するように嵌まりやすくすることができる。
の他端の外径よりも小さくなっている箇所を設けることで、外耳道の形状は複雑にカーブするように鼓膜につながっているが、外耳道の複雑な形状に対応するように嵌まりやすくすることができる。
また、弾性変形部材3は、弾性変形可能であって、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコンまたはウレタンゴム等の樹脂からなる。弾性変形部材3は、円筒状の外径が8mm以上15mm以下であって、内径が3mm以上7mm以下に設定されている。弾性変形部材3は、弾性変形部材3の一端から他端までの長さが6mm以上15mm以下に設定されている。
本実施形態に係るイヤホン1は、外耳道にイヤーパッド3を嵌めた状態で、伝達部材5で発生させた音響振動を筒体2を介してイヤーパッド3の振動部分6に伝え、振動部分6を振動させる。そして、振動部分6にて気導音を発生させて、外耳道内の鼓膜に気導音を伝えることができる。さらに、筒体2内の空間としての空洞Tとつながったイヤーパッド3の貫通孔H2、H1を通って、外界音を鼓膜に伝えることができる。その結果、イヤホン1を使用した場合は、音響振動による気導音と外部の外界音の両方を鼓膜に伝えて、人に音を伝えることができる。そして、イヤーパッド3を外耳道に嵌めた状態では、鼓膜と振動部分6との間に僅かな隙間を設けて、その隙間で音を鼓膜と振動部分6との間でこもらせて共振させやすくすることができ、低音を発生させることができる。そこで、本実施形態に係るイヤホン1によれば、鼓膜を塞ぐように振動部分6を設けて、鼓膜と振動部分6との間に僅かな隙間をつくり出すことで、1kHz以下の低音を共振させやすくすることができる。
また、イヤホン1を外耳道内に嵌めた状態で、振動部分6を取付部在31の一端に設けて、鼓膜と振動部分6との間の距離を短くなるようにすることができる。そして、振動部分6と鼓膜との間の僅かな隙間をより小さくすることができ、その僅かな隙間内で音をよりこもりやすくすることができ、良質な低音を発生させやすくすることができる。
本実施形態に係るイヤホン1は、複数の貫通孔Hは、図1に示すように、筒体2の空洞Tの中央部分を中心として放射状に配置したことで、外界音が鼓膜に伝わるまでの音について偏りを発生させにくくすることができる。貫通孔Hがイヤーパッド3に偏って配置されていた場合は、鼓膜に偏った方向から音が伝わろうとするため、音をきれいに聞き取りにくくなる。そこで、イヤーパッド3に偏りが発生しないように、複数の貫通孔Hを設けることで、複数の貫通孔Hを介して音がスムーズに鼓膜まで伝わることができ、外界音を聞き取りやすくすることが出来る。また、複数の貫通孔Hは、取付部在31および弾性変形部材32の両方を貫通して設けられていることで、外界音がスムーズに貫通孔Hを介して鼓膜に伝えることができる。
本実施形態に係るイヤホン1は、イヤーパッド3を外耳道に嵌めて使用した状態で、外耳道外に位置する伝達部材5の一部が耳珠に当接するとさらによい。伝達部材の振動が耳珠を振動させ、耳の軟骨を経由して蝸牛に伝わり、音に変換される。また、伝達部材5の振動が筒体2に伝達し、筒体2が振動することで取付部在31が振動すると、弾性変形部材32を介して耳の外耳道を振動させ、伝達された振動が耳の外耳道の表面を振動させ、外耳道表面で気導音が発生し、鼓膜まで到達する。さらに、弾性変形部材32を介して外耳道を振動させることで、伝達された振動が軟骨を経由して蝸牛に伝わり、音に変換される。
イヤーパッド3は、外耳道に嵌まることで、人の上下運動の動作によっても外れにくく、良好に耳介に固定し続けることができる。また、仮にイヤーパッド3そのものが大きく振動する構造と比較して、イヤーパッド3そのものが大きく振動することがなく、外耳道
の表面とこすれて徐々に外れ落ちるような虞を低減することができる。さらに、耳珠に接触する伝達部材5に圧電素子4を設けて、伝達部材5そのものを振動させて、イヤーパッド3や筒体2が振動しにくい構造を実現することができる。
の表面とこすれて徐々に外れ落ちるような虞を低減することができる。さらに、耳珠に接触する伝達部材5に圧電素子4を設けて、伝達部材5そのものを振動させて、イヤーパッド3や筒体2が振動しにくい構造を実現することができる。
また、圧電素子4を用いた場合は、骨伝導スピーカーと異なり、圧電素子にて発生される音響振動が小さくてすむ。そのため、耳珠近傍に圧電素子4を配置しても、使用者の顔が振動しすぎることがなく、頭蓋骨を振動させにくくすることができる。その結果、使用者が長時間使用しても頭痛が発生するような虞が少なく、長時間快適に使用することができる。
なお、本発明は上述の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。以下、本発明の実施形態の変形例について説明する。なお、本発明の実施形態の変形例に係るイヤホンのうち、本発明の実施形態に係るイヤホンと同様な部分については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。なお、イヤーパッドは、ポリウレタン等のスポンジであってもよい。
<第一変形例>
図9、図10および図11は、第一変形例に係るイヤホン1xに関する。図9は、第一変形例に係るイヤホン1xを人の左耳に装着した状態であって、図1に相当する。図10は、第一変形例に係るイヤホン1xであって、図4に相当する。図11は、第一変形例に係るイヤホン1xの取付部在31xであって、図6に相当する。
図9、図10および図11は、第一変形例に係るイヤホン1xに関する。図9は、第一変形例に係るイヤホン1xを人の左耳に装着した状態であって、図1に相当する。図10は、第一変形例に係るイヤホン1xであって、図4に相当する。図11は、第一変形例に係るイヤホン1xの取付部在31xであって、図6に相当する。
上述した実施形態では、イヤーパッド3の弾性変形部材32にのみ、貫通孔H2を設けた構造であったが、これに限られない。第一変形例に係るイヤホン1xは、取付部在31xの振動部分6の保持部31axにも貫通孔H2が設けられても良い。
第一変形例に係るイヤホン1xは、イヤーパッド1xを筒体2の一端側から筒体2の他端側をみたときに、筒体2で囲まれる領域の中央部分を取り囲む周辺部分と重なる箇所に、筒体2内の空間とつながる複数の貫通孔Hを有している。イヤーパッド1xの取付部在31xは、円筒部31axから支持部31bxにかけて設けられた貫通孔H11と、支持部31bxに設けられた貫通孔H12とを有している。
貫通孔H11,H12は、筒体2の空洞Tとつながっている。そして、外部の音が、筒体2の空洞Tをとおって、さらに貫通孔H11をとおって鼓膜に伝わる。貫通孔H11をとおる音は、イヤーパッド3xの弾性変形部材32xに邪魔されずに、スムーズに鼓膜にまで伝わるため、外部の音をより聞きやすくすることができる。
<第二変形例>
図12および図13は、第二変形例に係るイヤホン1yに関する。図12は、第二変形例に係るイヤホン1yの断面図であって、図4に相当する。図13は、第二変形例に係るイヤホン1yの断面図であって、図12のイヤーパッド3yである。
図12および図13は、第二変形例に係るイヤホン1yに関する。図12は、第二変形例に係るイヤホン1yの断面図であって、図4に相当する。図13は、第二変形例に係るイヤホン1yの断面図であって、図12のイヤーパッド3yである。
上述した実施形態および第一変形例では、イヤーパッド3、3xに空洞部32h、32hxが設けられていたが、これに限られない。第二変形例に係るイヤホン1yは、イヤーパッド3yの弾性変形部材32yに空洞部が存在しなくても良い。
第二変形例に係るイヤホン1yは、弾性変形部材32yの端部が取付部在32yの支持部31byと接続しているとともに、取付部在32yの貫通孔H1yと弾性変形部材32yの貫通孔H2yとが一致している構造である。弾性変形部材32yの端部の端面に空洞部を設けないことで、上述した実施形態のように、空洞部32hを介して外界と貫通孔H
2とをつなげないことができる。空洞部をなくしたことで、イヤーパッド3yを外耳道に嵌めた状態で、鼓膜と振動部分6との間から音が空洞部を介して漏れでにくくすることができる。その結果、鼓膜と振動部分6との間で発生させた低音が外部に漏れでにくく、良質な低音を発生させやすくすることができる。
2とをつなげないことができる。空洞部をなくしたことで、イヤーパッド3yを外耳道に嵌めた状態で、鼓膜と振動部分6との間から音が空洞部を介して漏れでにくくすることができる。その結果、鼓膜と振動部分6との間で発生させた低音が外部に漏れでにくく、良質な低音を発生させやすくすることができる。
1 イヤホン
2 筒体
2a 延在部
3 イヤーパッド
31 取付部在
31a 円筒部
31b 支持部
32 弾性変形部材
32h 空洞部
4 圧電素子
5 伝達部材
6 振動部分
7 接合部材
8 電気配線
H 貫通孔
T 空洞
C 中央孔
2 筒体
2a 延在部
3 イヤーパッド
31 取付部在
31a 円筒部
31b 支持部
32 弾性変形部材
32h 空洞部
4 圧電素子
5 伝達部材
6 振動部分
7 接合部材
8 電気配線
H 貫通孔
T 空洞
C 中央孔
Claims (5)
- 筒体と、
前記筒体の一端に設けられた、外耳道に挿入するイヤーパッドと、
前記筒体の側部に設けられた、電気信号に応じて音響振動を発生する圧電素子が実装された伝達部材と、を備え、
前記イヤーパッドは、前記筒体の一端側から他端側に向かって見たときに、前記筒体で囲まれる領域のうち中央部分と重なる箇所に、前記圧電素子が発生する音響振動を受けて振動する振動部分と、前記筒体で囲まれる領域のうち前記中央部分を取り囲む周辺部分と重なる箇所に、前記筒体内の空間とつながる複数の貫通孔と、を備えたことを特徴とするイヤホン。 - 請求項1に記載のイヤホンであって、
前記複数の貫通孔は、前記イヤーパッドを前記筒体の一端側から他端側に向かって見たときに、前記中央部分を中心として放射状に配置されていることを特徴とするイヤホン。 - 請求項1または請求項2に記載のイヤホンであって、
前記イヤーパッドは、一部が前記筒体の一端の外縁に沿って取り付けられる取付部材と、前記取付部材に取り付けられた弾性変形部材と、を備えていることを特徴とするイヤホン。 - 請求項3に記載のイヤホンであって、
前記取付部材は、前記筒体の一端側から他端側に向かう方向に延在した円筒部を有しており、前記振動部分が、前記円筒部の延在した基部に設けられていることを特徴とするイヤホン。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のイヤホンであって、
前記伝達部材は、前記イヤーパッドを外耳道に挿入した状態で一部が耳珠に接触することを特徴とするイヤホン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013013917A JP2014146949A (ja) | 2013-01-29 | 2013-01-29 | イヤホン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013013917A JP2014146949A (ja) | 2013-01-29 | 2013-01-29 | イヤホン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014146949A true JP2014146949A (ja) | 2014-08-14 |
Family
ID=51426873
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013013917A Pending JP2014146949A (ja) | 2013-01-29 | 2013-01-29 | イヤホン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014146949A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017103618A (ja) * | 2015-12-02 | 2017-06-08 | 興弘 小林 | インナーイヤホン |
JP2018064258A (ja) * | 2016-10-11 | 2018-04-19 | 興弘 小林 | インナーイヤー型イヤホン |
JP2022031060A (ja) * | 2020-08-07 | 2022-02-18 | 興弘 小林 | 電気音響アクチュエータ |
USD962198S1 (en) * | 2019-09-03 | 2022-08-30 | Toong In Electronic Corp. | Earplug |
-
2013
- 2013-01-29 JP JP2013013917A patent/JP2014146949A/ja active Pending
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