JP2008085309A - 熱電変換モジュールおよびその製造方法ならびに熱電変換モジュールに用いられる熱電変換材料 - Google Patents

熱電変換モジュールおよびその製造方法ならびに熱電変換モジュールに用いられる熱電変換材料 Download PDF

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Abstract

【課題】使用に伴う熱特性の劣化や熱電変換モジュールの破損を抑制でき、長期信頼性の高い熱電変換モジュールを提供する。
【解決手段】P型とN型の熱電変換素子5(5a,5b)を、互いに半田9と電極2を介して複数接続して熱電変換素子5(5a,5b)の回路を形成する。例えば、この回路に流す電流の向きに応じて熱電変換素子5(5a,5b)の一端側を吸熱側の面と成し他端側を放熱側の面と成すペルチェモジュールを形成する。熱電変換素子5(5a,5b)は、BiとTeを主原料とし、SeとSbの少なくとも一方を添加して成る熱電変換材料に、AgとCuの少なくとも一方を添加して形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば光通信用部品、理化学機器、携帯用クーラ、半導体プロセス中でのプロセス温度管理等に用いられて冷却や加熱を行ったり、ゼーベック効果を利用して発電を行ったりする、熱電変換モジュールおよびその製造方法ならびに熱電変換モジュールに用いられる熱電変換材料に関するものである。
熱電変換モジュールであるペルチェモジュールは、光通信分野等の様々な分野に用いられている(例えば、特許文献1、2、参照)。
図7(a)には、ペルチェモジュールの一例が模式的な断面図により示されており、図7(b)には、このペルチェモジュールの分解斜視図が模式図により示されている。これらの図に示されるペルチェモジュールは、上下に互いに間隔を介して対向配置された基板6,7の間に、複数の熱電変換素子5(5a,5b)を立設配置して形成されている。
基板6,7は、電気絶縁性を有するアルミナ(Al)等のセラミック製の基板である。基板6,7の対向表面には複数の導通用の電極2が互いに間隔を介し、かつ、その位置を互いにずらした状態で形成されている。熱電変換素子5は、半田9によって電極2に固定され、導電材としての半田9と電極2とを介して複数直列に接続されており、熱電変換素子5の回路が形成されている。
熱電変換素子5(5a,5b)は、ペルチェ素子として一般的に知られており、P型半導体により形成されたP型(p型)の熱電変換素子5aと、N型半導体により形成されたN型(n型)の熱電変換素子5bとを有する。
P型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bは、それぞれ、例えばビスマス(Bi)・テルル(Te)の金属間化合物(BiTe)を主原料とし、アンチモン(Sb)、セレン(Se)等の元素を添加した熱電変換材料により形成されている。熱電変換素子5は、例えば円柱状や角柱状に形成され、その径は0.6〜3mm程度、長さ0.5〜3mm程度である。熱電変換素子5(5a,5b)の端面には、導電材としてのNiメッキ(図示せず)が設けられている。
P型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bは交互に配置され、電極2を介して直列に接続されてPN素子対が形成されている。また、基板7に形成された、熱電変換素子5の接続回路の端部に位置する電極2(2a)にはリード線28が半田10により接続されており、通電手段(図示せず)によってリード線28から電極2aに電流を流すと、P型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bに電流が流れる。
そして、熱電変換素子5(5a,5b)と電極2との接合部(界面)で冷却・加熱効果が生じる。つまり、前記接合部を流れる電流の方向によって熱電変換素子5(5a,5b)の一方の端部が発熱せしめられると共に他方の端部が冷却せしめられるいわゆるペルチェ効果が生じる。
このペルチェ効果によって熱電変換素子5(5a,5b)の一端側は吸熱側の面と成し、他端側は放熱側(発熱側)の面と成す。例えば図7(a)において、熱電変換素子5(5a,5b)の上端部が吸熱側の面と成すと、基板6の上側に設けられた部材の冷却(吸熱)が行われ、このとき、熱電変換素子5(5a,5b)の下端側が放熱側の面と成して、基板7側から放熱される。また、その逆に、ペルチェ効果によって熱電変換素子5(5a,5b)の上端部が放熱側の面と成すと、基板6を介し、基板6の上側に設けられた部材の加熱が行われる。
なお、ペルチェモジュールには、上記例の他に、例えば、図7(c)の側面図に示すように、熱電変換素子5(5a,5b)の上下に基板を設けないタイプのモジュールも提案されている。この図に示すペルチェモジュールは、複数の貫通の素子嵌合孔3を形成した絶縁性基板30に、P型とN型の熱電変換素子5(5a,5b)を嵌合して形成されており、熱電変換素子5(5a,5b)の素子嵌合孔3への貫通方向の一端側(ここでは上側)と他端側(ここでは下側)には、それぞれ電極2が配置され、電極2と熱電変換素子5(5a,5b)とが半田9により接合されている。
電極2は、対応するP型の熱電変換素子5aの端面とN型の熱電変換素子5bの端面と同一方向に伸張し、熱電変換素子5(5a,5b)の端面間に掛け渡して設けられ、前記P型とN型の熱電変換素子5(5a,5b)を直列に接続している。熱電変換素子5(5a,5b)の回路は、図示されていないリード端子とリード線とを介して電源回路等に接続されており、このタイプのペルチェモジュールも、図7(a)に示したペルチェモジュールと同様に、ペルチェ効果による加熱と冷却の動作を行う。
特開平9−181362号公報 特開平10−178216号公報
ところで、上記ペルチェモジュール等の熱電変換モジュールは、使用していくうちに、その使用環境の変化によって内部抵抗値の上昇が生じ、それに伴い、熱特性の性能劣化が生じたり、ときには熱電変換モジュールの破損に至ったりすることがあった。
本発明は、上記従来の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、使用に伴う熱特性の劣化や熱電変換モジュールの破損を抑制でき、長期信頼性の高い熱電変換モジュールおよびその製造方法ならびに熱電変換モジュールに用いられる熱電変換材料を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成をもって課題を解決するための手段としている。すなわち、第1の発明の熱電変換モジュールは、P型とN型の熱電変換素子を互いに導電材を介して複数接続して熱電変換素子の回路を形成し、該回路に流す電流の向きに応じて前記熱電変換素子の一端側を吸熱側の面と成し他端側を放熱側の面と成す機能と、前記熱電変換素子の一端側と他端側との温度差を用いて発電を行う機能との少なくとも一方を備えた熱電変換モジュールにおいて、前記熱電変換素子はBiとTeを主原料とし、SeとSbの少なくとも一方を添加して成る熱電変換材料に、Ag(銀)とCu(銅)の少なくとも一方を添加して形成した構成をもって課題を解決する手段としている。
また、第2の発明の熱電変換モジュールは、P型とN型の熱電変換素子を互いに導電材を介して複数接続して熱電変換素子の回路を形成し、該回路に流す電流の向きに応じて前記熱電変換素子の一端側を吸熱側の面と成し他端側を放熱側の面と成す機能と、前記熱電変換素子の一端側と他端側との温度差を用いて発電を行う機能との少なくとも一方を備えた熱電変換モジュールにおいて、前記導電材は半田とNiメッキの少なくとも一方を有して、これら半田とNiメッキの少なくとも一方にAgとCuの少なくとも一方が添加されている構成をもって課題を解決する手段としている。
さらに、第3の発明の熱電変換モジュールの製造方法は、上記第2の発明の熱電変換モジュールを設定温度で設定時間エージングすることにより、導電材に含まれているAgとCuを熱電変換素子内に拡散させることを特徴とする。
さらに、第4の発明の熱電変換材料は、上記第1または第2の発明の熱電変換モジュールの熱電変換素子を形成する熱電変換材料であって、BiとTeを主原料とし、SeとSbの少なくとも一方を添加して成る熱電変換材料に、AgとCuの少なくとも一方を添加したことを特徴とする。
本発明の熱電変換モジュールにおいて、熱電変換素子が、BiとTeを主原料としてSeとSbの少なくとも一方を添加して成る熱電変換材料に、AgとCuの少なくとも一方を添加して形成されているものにおいては、AgやCuの添加によって、熱電変換素子の電気伝導性を高めることができ、電気抵抗値を小さくできるので、熱電変換モジュールの内部抵抗値の上昇を抑制することができ、熱特性の劣化や熱電変換モジュールの破損を抑制できる。
また、本発明において、対応する熱電変換素子同士を接続する導電材が半田とNiメッキの少なくとも一方を有して、これら半田とNiメッキの少なくとも一方にAgとCuの少なくとも一方が添加されているものにおいては、熱電変換モジュールの使用に伴い、熱電変換素子の一端側または他端側が加熱される毎に、導電材に含まれるAgやCuが熱電変換素子内に拡散される(熱電変換素子を形成する熱電変換材料の隙間に入り込んでいく)ので、熱電変換素子の電気伝導性を高めることができ、電気抵抗値を小さくでき、熱電変換モジュールの内部抵抗値の上昇を抑制することができ、熱特性の劣化や熱電変換モジュールの破損を抑制できる。
また、本発明の熱電変換モジュールの製造方法によれば、導電材にAgとCuの少なくとも一方が含まれている熱電変換モジュールを設定温度で設定時間エージングすることにより、導電材に含まれているAgとCuを熱電変換素子内に拡散させることにより、AgとCuによる熱電変換素子の電気伝導性向上効果をより一層高めることができ、電気抵抗値をより一層小さくできるので、熱電変換モジュールの内部抵抗値の上昇をより一層効率的に抑制することができ、熱特性の劣化や熱電変換モジュールの破損を抑制できる。
さらに、本発明の熱電変換モジュールの熱電変換素子を形成する熱電変換材料は、BiとTeを主原料とし、SeとSbの少なくとも一方を添加して成る熱電変換材料に、AgとCuの少なくとも一方を添加することにより、上記のように、熱電変換素子の電気伝導性を高めることができ、熱電変換モジュールの熱特性の劣化や熱電変換モジュールの破損を抑制できる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、本実施形態例の説明において、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略または簡略化する。
図1には、本発明に係る熱電変換モジュールの第1実施形態例が模式的な断面図により示されている。本実施形態例の熱電変換モジュールは、図7(a)、(b)に示した従来例の熱電変換モジュールとほぼ同様に構成されており、本実施形態例が従来例と異なる特徴的なことは、熱電変換素子5(5a,5b)を形成する熱電変換材料に、AgとCuの少なくとも一方の添加材1を添加して形成したことである。なお、図1では、熱電変換素子5(5a,5b)に添加材1が添加されている状態を模式的に示している。
熱電変換素子5(5a,5b)は、熱電変換材料を周知の単結晶製造方法または周知の焼結材製造方法を用いて製造されるものである。本実施形態例では、BiとTeを主原料とし、この主成分に、SeとSbの少なくとも一方を添加する際、AgやCuを微量添加して熱電変換材料を形成し、その後、単結晶製造方法または焼結材製造方法等の適宜の方法により加熱して熱電変換素子5(5a,5b)を製造している。
本実施形態例は以上のように構成されており、熱電変換素子5(5a,5b)を形成する熱電変換材料にAgとCuの少なくとも一方の添加材1を添加することにより、熱電変換素子5(5a,5b)の電気伝導性を高めることができ、電気抵抗値を小さくできるので、熱電変換モジュールの内部抵抗値の上昇を抑制することができ、熱特性の劣化や熱電変換モジュールの破損を抑制できる。
図2には、本発明に係る熱電変換モジュールの第2実施形態例が模式的な断面図により示されている。第2実施形態例の熱電変換モジュールは、図7(a)、(b)に示した従来例の熱電変換モジュールとほぼ同様に構成されており、第2実施形態例が従来例と異なる特徴的なことは、半田9に、AgとCuの少なくとも一方の添加材1を添加して形成したことである。
半田9は、Sn(スズ)を主原料としており、第2実施形態例では、この半田9に対して0.1wt%以上の適宜の量の添加材1を半田9に添加している。なお、図2は、熱電変換素子5(5a,5b)に添加材1が添加されている状態を模式的に示している。
また、第2実施形態例の熱電変換モジュールは、設定温度で設定時間エージングすることにより、導電材に含まれている添加材1を熱電変換素子内に拡散させて製造されている。
図3に示すように、熱電変換素子5(5a,5b)の端面には、Niメッキ11が設けられており、上記エージングを行うと、半田9に添加されている添加材1が、図の矢印に示すように、Niメッキ11の谷間から熱電変換素子5(5a,5b)の熱電変換材料の隙間に入り込んでいく。なお、図3は、Niメッキ11の谷間が分かりやすくなるように、Niメッキ11や半田9の凹凸を誇張して示している。
また、熱電変換モジュールの使用に伴い、熱電変換素子5(5a,5b)の一端側または他端側が加熱される毎に、Niメッキ11の谷間から添加材1が熱電変換素子5(5a,5b)の熱電変換材料の隙間に入り込んでいく。そのため、第2実施形態例の熱電変換モジュールは、該熱電変換モジュールを使用することによって、熱電変換素子5(5a,5b)の電気伝導性を使用前に比べて高めることができ、電気抵抗値を小さくできるので、熱電変換モジュールの内部抵抗値の上昇を抑制することができ、熱特性の劣化や熱電変換モジュールの破損を抑制できる。
本発明者は、前記エージングによる効果を確認するために、以下の実験を行った。つまり、Snの半田9に、AgとCuの少なくとも一方を添加して熱電変換モジュールを形成した場合と、半田9に、AgとCuのいずれも添加せずに、代わりにSbを添加して熱電変換モジュールを形成した場合(比較例)とについて、150℃で1000時間エージング処理を行い、エージング処理時間と内部抵抗値との関係について検討した。
なお、この検討は、表1に示す各組成のサンプルについて行った。つまり、半田9のSnにCuのみ0.7重量%添加した(Sn99.3%)サンプルA1〜A3と、SnにAgのみ3.5重量%添加した(Sn96.5%)サンプルB1〜B3と、SnにAgを0.5重量%とCuを3.0重量%添加した(Sn96.5%)サンプルC1〜C3を用いて、熱電変換モジュールをそれぞれ作成し、前記エージングテストを行った。また、第2実施形態例の比較例として、半田9のSnにSbを5%添加したサンプルD1〜D3を用いて熱電変換モジュールを形成した場合についても、同様のエージングテストを行った。なお、サンプルD1〜D3の組成は、従来、一般的に使用されている半田9の組成である。
Figure 2008085309
前記エージングテスト結果が、図4に示されている。なお、図4において、□は、サンプルA1〜A2を用いた結果を示し、●は、サンプルB1〜B3を用いた結果を示し、○は、サンプルC1〜C3を用いた結果を示し、×は、サンプルD1〜D3を用いた結果を示している。
図4から明らかなように、比較例のサンプルD1〜D3を用いた場合(比較例)は、いずれも、エージング時間が長くなるにつれて、内部抵抗値が上昇したが、AgとCuの少なくとも一方を添加したサンプルA1〜C3を用いた場合(第2実施形態例)は、いずれも、エージングによる内部抵抗値の上昇が抑制できることが分かった。特に、Agのみを添加したサンプルB1〜B3および、AgとCuの両方を添加したサンプルC1〜C3を用いた場合は、エージング時間が長くなるにつれて、いずれもサンプルにおいても、内部抵抗値が下降した。
つまり、この実験により、第2実施形態例の熱電変換モジュールは、内部抵抗値の上昇を抑制することができ、熱特性の劣化や熱電変換モジュールの破損を抑制できることが確認できた。
また、本発明者は、前記エージングによる効果を確認するために、さらに、以下の実験を行った。つまり、Snの半田9に、AgとCuの少なくとも一方を添加したサンプルを用いた熱電変換モジュールと、Sn100%とした半田のサンプル(比較例)を用いた熱電変換モジュールについて、それぞれ、150℃で1000時間エージング処理を行い、予め定めた一定の電流を流した際の、吸熱面温度と吸熱量(最大吸熱量)とについて、エージング処理前とエージング処理後の値を測定し、それぞれの変化率について求めた。その結果が、表2、表3に、それぞれ示されている。また、表2の結果が図5(a)に、表3の結果が図5(b)にそれぞれグラフとして示されている。
Figure 2008085309
Figure 2008085309
なお、表2に示すように、吸熱面温度についての検討は、AgとCuの少なくとも一方を添加したサンプルを用いた熱電変換モジュールについて3つずつ検討を行い、比較例のサンプルEを用いた熱電変換モジュールについては、2つ検討を行った。また、表3に示すように、吸熱量についての検討は、各組成について、いずれも、2つずつ検討を行った。
これらの結果から、AgとCuのいずれも添加せずに熱電変換モジュールを形成した場合に比べ、AgとCuの少なくとも一方を添加して熱電変換モジュールを形成した場合には、吸熱面温度の変化率と吸熱量の変化率とが共に高めであり、性能向上が顕著であった。吸熱面温度の変化率は、AgとCuの両方を添加して熱電変換モジュールを形成した場合に特に大きく、また、吸熱量の変化率は、Cuのみを添加したサンプルA1、A2と、AgとCuの両方を添加したサンプルC1、C2を用いた熱電変換モジュールは、Ag、Cuの添加無しのサンプルE1、E2を用いた熱電変換モジュールに比べ、10倍以上の大きな変化率となった。
これらの結果は、半田9に含まれているAgとCuがエージングによって熱電変換素子5(5a,5b)内に入り込んでいくための効果と考えられ、第2実施形態例の性能向上効果が確認された。
なお、本発明は上記実施形態例に限定されることはなく、様々な態様を採り得る。例えば、上記第1実施形態例では、熱電変換素子5(5a,5b)を形成する熱電変換材料に微量のAgやCuを添加し、第2実施形態例では、半田9に対して表1に示した添加量のAgやCuを添加したが、AgやCuの添加量は特に限定されるものでなく、適宜設定されるものである。例えば熱電変換素子5(5a,5b)を形成する熱電変換材料に微量のAgやCuを添加する場合、AgやCuの添加量と電気抵抗値とペルチェ効果との相関データ等に基づいて添加量を決定するとよい。
また、上記第1実施形態例のように、熱電変換素子5(5a,5b)の熱電変換材料に添加材11を添加する場合は、Ag、Cuの代わりに、または、これらと共に、Auを添加しても同様の効果を奏することができる。さらに、熱電変換素子5(5a,5b)を形成するBiとTe、SeとSbを有する材料に対し、電気伝導性を高める他の材料を添加してもよい。
さらに、上記第1実施形態例のように、熱電変換素子5(5a,5b)の熱電変換材料に添加材11を添加し、かつ、上記第2実施形態例のように、半田9にAgやCuを添加してもよい。また、Niメッキ11にCuとAgの少なくとも一方を添加してもよい。
さらに、上記各実施形態例は、上下に基板6,7を有するタイプの熱電変換モジュールとしたが、本発明は、例えば、図7(c)に示したようなタイプの熱電変換モジュールに適用してもよいし、図6に示すようなタイプの熱電変換モジュールに適用してもよく、様々なタイプの熱電変換モジュールに適用される。また、その大きさや形状も適宜設定されるものである。
なお、図6に示すタイプの熱電変換モジュールは、熱電変換素子5(5a,5b)の端面に形成したNiメッキ11を介してP型とN型の熱電変換素子5(5a,5b)を交互に接合して形成されるものであり、熱電変換素子5(5a,5b)の間に介設したフィン15により、冷暖房を行う用途等に用いられる。
さらに、上記説明は熱電変換モジュールとしてのペルチェモジュールについて述べたが、本発明の熱電変換モジュールは、ゼーベック効果を利用して発電を行う発電モジュールとしても適用できるものである。
本発明に係る熱電変換モジュールの第1実施形態例を模式的に示す断面図である。 本発明に係る熱電変換モジュールの第2実施形態例を模式的に示す断面図である。 第2実施形態例の熱電変換モジュールの半田と熱電変換素子との接合面の状態と添加材拡散形態を模式的に示す説明図である。 熱電変換モジュールのエージングによる内部抵抗値の変化状況例を示すグラフである。 熱電変換モジュールのエージングによる熱的特性変化例を示すグラフである。 本発明の熱電変換モジュールの他の実施形態例を模式的に示す説明図である。 熱電変換モジュールの代表例を模式的に示す説明図である。
符号の説明
1 添加材
2 電極
5,5a,5b 熱電変換素子
6,7 基板
9 半田
11 Niメッキ
30 絶縁性基板

Claims (4)

  1. P型とN型の熱電変換素子を互いに導電材を介して複数接続して熱電変換素子の回路を形成し、該回路に流す電流の向きに応じて前記熱電変換素子の一端側を吸熱側の面と成し他端側を放熱側の面と成す機能と、前記熱電変換素子の一端側と他端側との温度差を用いて発電を行う機能との少なくとも一方を備えた熱電変換モジュールにおいて、前記熱電変換素子はBiとTeを主原料とし、SeとSbの少なくとも一方を添加して成る熱電変換材料に、AgとCuの少なくとも一方を添加して形成したことを特徴とする熱電変換モジュール。
  2. P型とN型の熱電変換素子を互いに導電材を介して複数接続して熱電変換素子の回路を形成し、該回路に流す電流の向きに応じて前記熱電変換素子の一端側を吸熱側の面と成し他端側を放熱側の面と成す機能と、前記熱電変換素子の一端側と他端側との温度差を用いて発電を行う機能との少なくとも一方を備えた熱電変換モジュールにおいて、前記導電材は半田とNiメッキの少なくとも一方を有して、これら半田とNiメッキの少なくとも一方にAgとCuの少なくとも一方が添加されていることを特徴とする熱電変換モジュール。
  3. 請求項2記載の熱電変換モジュールを設定温度で設定時間エージングすることにより、導電材に含まれているAgとCuを熱電変換素子内に拡散させることを特徴とする熱電変換モジュールの製造方法。
  4. 請求項1または請求項2記載の熱電変換モジュールの熱電変換素子を形成する熱電変換材料であって、BiとTeを主原料とし、SeとSbの少なくとも一方を添加して成る熱電変換材料に、AgとCuの少なくとも一方を添加したことを特徴とする熱電変換材料。
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