JP2010287729A - 加熱冷却試験装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱的特性と長期信頼性を両立可能な加熱冷却試験装置を提供する。
【解決手段】冷却装置10の上側に、絶縁性の板部材11を介してペルチェモジュール1を、その上側に、被温度試験部材を搭載するプレート12を配置して、これらを一体的に組み付け、ペルチェモジュール1の吸熱動作と放熱動作を交互に繰り返し行って前記被温度試験部材の冷却と加熱とを交互に繰り返す。ペルチェモジュール1は、プレート12の面方向に互いに間隔を介して複数配設された熱電変換素子5と、その上下に導通固定した電極2(2U,2D)を有する構成とし、上側電極2Uは絶縁性の上側基板6に固定して、上側基板6をその上側のプレート12に熱的に接触させる。下側電極2Dは、板部材11には固定せずに板部材11を介して冷却装置10に熱的に接触させる。
【選択図】図1
【解決手段】冷却装置10の上側に、絶縁性の板部材11を介してペルチェモジュール1を、その上側に、被温度試験部材を搭載するプレート12を配置して、これらを一体的に組み付け、ペルチェモジュール1の吸熱動作と放熱動作を交互に繰り返し行って前記被温度試験部材の冷却と加熱とを交互に繰り返す。ペルチェモジュール1は、プレート12の面方向に互いに間隔を介して複数配設された熱電変換素子5と、その上下に導通固定した電極2(2U,2D)を有する構成とし、上側電極2Uは絶縁性の上側基板6に固定して、上側基板6をその上側のプレート12に熱的に接触させる。下側電極2Dは、板部材11には固定せずに板部材11を介して冷却装置10に熱的に接触させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば光通信用部品、理化学機器、携帯用クーラ、半導体プロセス中でのプロセス温度管理等に用いられて冷却や加熱を行うペルチェモジュールを用いた加熱冷却試験装置に関するものである。
被温度試験部材の加熱や冷却を的確に行える装置として、ペルチェモジュールが知られている。ペルチェモジュールとして、様々なタイプのものが提案されており、その一例として、図5(a)、(b)に示すようなペルチェモジュール1が知られている(例えば、特許文献1〜3、参照。)。
このペルチェモジュール1は、上下に互いに間隔を介して対向配置された2枚の基板6,7(上側基板6と下側基板7)の間に、複数の熱電変換素子5(5a,5b)を、互いに間隔を介して立設配置して形成されている。なお、本明細書において、上下方向は、図5に示すような姿勢の状態における上下を意味しており、ペルチェモジュールを使用するときの姿勢は問わない。
基板6,7は、電気絶縁性を有するアルミナ(Al2O3)等のセラミック製の基板であり、図5(b)に示すように、基板6,7の対向表面には、熱電変換素子5に導通する複数の電極2が互いに間隔を介して形成されていて、上側基板6の表面の電極2と下側基板7の表面の電極2とは形成電極2の位置を互いにずらした状態で形成されている。
熱電変換素子5(5a,5b)は、対応する電極2を介して直列に接続されており、熱電変換素子5の接続回路が形成されている。なお、熱電変換素子5は、図示されていない半田によって前記電極2に固定されている。
また、熱電変換素子5(5a,5b)は、ペルチェ素子として一般的に知られており、P型半導体により形成されたP型の熱電変換素子5aと、N型半導体により形成されたN型の熱電変換素子5bとを有する。P型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bは交互に配置され、電極2を介して直列に接続されてPN素子対が形成されている。
P型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bは、それぞれ、例えばビスマス・テルル等の金属間化合物にアンチモン、セレン等の元素を添加することにより形成されており、その上下両端面には、前記半田との接合性を良好にするために、ニッケル(Ni)および、金(Au)メッキがされている。さらには、半田接合性を良好にするために、前記メッキ上に、予備半田が形成されていてもよい。
図5(b)において、例えば下側基板7に形成された、熱電変換素子5の接続回路の端部に位置する電極2(2a)には、リード線28が半田により半田付けされて接続されている。このペルチェモジュール1において、通電手段によってリード線28から電極2(図5(a)、参照)に電流を流すと、P型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bに電流が流れる。
そして、熱電変換素子5(5a,5b)と電極2との接合部(界面)で冷却・加熱効果が生じる。つまり、前記接合部を流れる電流の方向によって熱電変換素子5(5a,5b)の一方の端部が発熱せしめられると共に他方の端部が冷却せしめられるいわゆるペルチェ効果が生じる。
このペルチェ効果によって熱電変換素子5(5a,5b)の一方の端部、例えば上端部が発熱(放熱)せしめられると、この熱が上側の基板6を介して、基板6の上側に設けられた部材に伝えられ、この部材の加熱が行われる。また、その逆に、ペルチェ効果によって熱電変換素子5(5a,5b)の例えば上端部が冷却せしめられると、基板6を介し、基板6の上側に設けられた部材の冷却(吸熱)が行われる。
なお、ペルチェモジュールの種類として、図5(c)に示すように、2枚の基板を設けずに、素子配列基板30に設けた素子嵌合孔3に熱電変換素子5(5a,5b)を嵌合し、これらの熱電変換素子5(5a,5b)を、電極2を介して接続して熱電変換素子5の接続回路を形成したものもある。この種のタイプのペルチェモジュールは、フルスケルトンタイプと呼ばれている。
ところで、例えば光通信用のデバイス等、様々な分野で用いられる部材の耐久試験の一つとして、その部材の冷却と加熱とを交互に繰り返し行う加熱冷却試験が行われている。この加熱冷却試験は、ヒートサイクル試験と呼ばれており、被温度試験部材の冷却と加熱とを交互に何千回といった回数繰り返し行う試験である。このヒートサイクル試験によって被温度試験部材に破損や劣化が生じないかどうかを観測し、被温度試験部材が厳しい温度変化に耐えうるかどうかをみることは、前記デバイス等の耐久性をみる上で、重要なことの一つである。ヒートサイクル試験において、被温度試験部材の加熱と冷却とをペルチェモジュールを用いて行うことが行われている。
しかしながら、図5(a)、(b)に示したタイプのペルチェモジュールを用いてヒートサイクル試験を行うと、加熱や冷却の温度制御特性は優れているものの、その熱ストレスによって、電極と熱電変換素子との接合部の劣化が生じて、ペルチェモジュール自体が劣化してしまうという問題が生じ、ヒートサイクル試験の長期信頼性が低下してしまうといった問題があった。
また、図5(c)に示したフルスケルトンタイプのペルチェモジュールを用いてヒートサイクル試験を行えば、前記熱ストレスによる劣化が生じにくいものの、素子配列基板30に設けた素子嵌合孔3に熱電変換素子5(5a,5b)を嵌合する構造から、熱電変換素子5(5a,5b)の実装密度が低く、図5(a)、(b)に示したタイプのペルチェモジュールを用いた場合に比べ、熱的性質がよくなかった。そのため、従来は、熱的特性と長期信頼性との両立を図れる加熱冷却試験装置の実現が難しかった。
本発明は、前記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、熱的特性と長期信頼性との両立を図れる加熱冷却試験装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成をもって課題を解決するための手段としている。すなわち、第1の発明は、冷却装置の上側に絶縁性の板部材が配置され、該板部材の上側にはペルチェモジュールが配置され、該ペルチェモジュールの上側には被温度試験部材を搭載するプレートが配置されて、該プレートと前記ペルチェモジュールと前記板部材と前記冷却装置とが一体的に組み付けられ、前記ペルチェモジュールの吸熱動作と放熱動作を交互に繰り返し行って前記被温度試験部材の冷却と加熱とを交互に繰り返す加熱冷却試験装置であって、
前記ペルチェモジュールは、前記プレートの面方向に互いに間隔を介して複数配設された熱電変換素子と、該熱電変換素子の温度変化が大きい面側である上端面に導通固定されて前記プレートの面方向に互いに間隔を介して複数配設された上側電極と、該上側電極の上側に固定された絶縁性の上側基板と、前記熱電変換素子の温度変化が小さい面側である下端面に導通固定されて前記プレートの面方向に互いに間隔を介して複数配設された下側電極とを有して、該下側電極は前記熱電変換素子のみに固定されて、前記ペルチェモジュールの冷却装置側に設けられている前記絶縁性の板部材には固定されていない構成であり、
前記ペルチェモジュールの前記上側基板と前記上側電極とが前記ペルチェモジュールの上側に配置された前記プレートに熱的に接触し、前記ペルチェモジュールの前記下側電極が該ペルチェモジュールの下側に配置された前記板部材を介して前記冷却装置に熱的に接触している構成をもって課題を解決する手段としている。
前記ペルチェモジュールは、前記プレートの面方向に互いに間隔を介して複数配設された熱電変換素子と、該熱電変換素子の温度変化が大きい面側である上端面に導通固定されて前記プレートの面方向に互いに間隔を介して複数配設された上側電極と、該上側電極の上側に固定された絶縁性の上側基板と、前記熱電変換素子の温度変化が小さい面側である下端面に導通固定されて前記プレートの面方向に互いに間隔を介して複数配設された下側電極とを有して、該下側電極は前記熱電変換素子のみに固定されて、前記ペルチェモジュールの冷却装置側に設けられている前記絶縁性の板部材には固定されていない構成であり、
前記ペルチェモジュールの前記上側基板と前記上側電極とが前記ペルチェモジュールの上側に配置された前記プレートに熱的に接触し、前記ペルチェモジュールの前記下側電極が該ペルチェモジュールの下側に配置された前記板部材を介して前記冷却装置に熱的に接触している構成をもって課題を解決する手段としている。
また、第2の発明は、冷却装置の上側にペルチェモジュールが配置され、該ペルチェモジュールの上側には被温度試験部材を搭載するプレートが配置されて、該プレートと前記ペルチェモジュールと前記冷却装置とが一体的に組み付けられ、前記ペルチェモジュールの吸熱動作と放熱動作を交互に繰り返し行って前記被温度試験部材の冷却と加熱とを交互に繰り返す加熱冷却試験装置であって、
前記ペルチェモジュールは、前記プレートの面方向に互いに間隔を介して複数配設された熱電変換素子と、該熱電変換素子の温度変化が大きい面側である上端面に導通固定されて前記プレートの面方向に互いに間隔を介して複数配設された上側電極と、該上側電極の上側に固定された絶縁性の上側基板と、前記熱電変換素子の温度変化が小さい面側である下端面に導通固定されて前記プレートの面方向に互いに間隔を介して複数配設された下側電極と、該下側電極の下側に設けられた絶縁性の下側基板とを有して、該下側基板に前記下側電極が柔軟性の接着部材を介して接着されることにより、該下側電極は前記下側基板に対し、前記下側電極と前記熱電変換素子の温度変化に伴う熱膨張と熱収縮に応じた移動が可能と成しており、
前記下側基板と前記下側電極とが前記ペルチェモジュールの下側に配置された前記冷却装置に熱的に接触し、前記ペルチェモジュールの前記上側基板と前記上側電極とが該ペルチェモジュールの上側に配置された前記プレートに熱的に接触している構成をもって課題を解決する手段としている。
前記ペルチェモジュールは、前記プレートの面方向に互いに間隔を介して複数配設された熱電変換素子と、該熱電変換素子の温度変化が大きい面側である上端面に導通固定されて前記プレートの面方向に互いに間隔を介して複数配設された上側電極と、該上側電極の上側に固定された絶縁性の上側基板と、前記熱電変換素子の温度変化が小さい面側である下端面に導通固定されて前記プレートの面方向に互いに間隔を介して複数配設された下側電極と、該下側電極の下側に設けられた絶縁性の下側基板とを有して、該下側基板に前記下側電極が柔軟性の接着部材を介して接着されることにより、該下側電極は前記下側基板に対し、前記下側電極と前記熱電変換素子の温度変化に伴う熱膨張と熱収縮に応じた移動が可能と成しており、
前記下側基板と前記下側電極とが前記ペルチェモジュールの下側に配置された前記冷却装置に熱的に接触し、前記ペルチェモジュールの前記上側基板と前記上側電極とが該ペルチェモジュールの上側に配置された前記プレートに熱的に接触している構成をもって課題を解決する手段としている。
さらに、第3の発明は、前記第1または第2の発明の構成に加え、上側基板は電極よりも線膨張係数が小さい板部材により形成されている構成をもって課題を解決する手段としている。
第1の発明の加熱冷却試験装置は、冷却装置の上側に、絶縁性の板部材を介してペルチェモジュールを配置し、該ペルチェモジュールの上側には被温度試験部材を搭載するプレートを配置して、該プレートと前記ペルチェモジュールと前記冷却装置とを一体的に組み付けており、前記ペルチェモジュールの吸熱動作と放熱動作を交互に繰り返し行って前記被温度試験部材の冷却と加熱とを交互に繰り返す。なお、ペルチェモジュールは、プレートの面方向に互いに間隔を介して複数配設された熱電変換素子を有している。
前記冷却と加熱とを交互に繰り返す動作によって、ペルチェモジュールは、熱電変換素子とその上下両側に固定されている電極との接合部に、その電極と熱電変換素子の熱膨張率の違いに伴う歪み(以下、熱歪みともいう)が生じて劣化が生じる。
しかしながら、本発明者は、第1の発明に適用するペルチェモジュールを、熱電変換素子の上下のうち一方にのみ基板を設けたハーフスケルトンタイプのモジュールとして、その配設態様を適切にすることにより、ペルチェモジュールの加熱冷却動作を繰り返しても、劣化を抑制できることを見いだし、その構成を第1の発明に適用した。つまり、第1の発明は、熱電変換素子の温度変化が大きい面側である上端面に導通固定した上側電極を上側基板に固定し、前記熱電変換素子の温度変化が小さい面側である下端面に導通固定した下側電極は前記熱電変換素子のみに固定して、前記ペルチェモジュールの下側に設けられている前記絶縁性の板部材には固定されていない構成とし、ペルチェモジュールの上側基板と上側電極とを、ペルチェモジュールの上側に配置された前記プレートに熱的に接触させ、前記ペルチェモジュールの前記下側電極を該ペルチェモジュールの下側に配置された前記板部材を介して前記冷却装置に熱的に接触させることにしたので、前記熱歪みによる劣化の生じる割合を低減できる。
なお、この理由を、本発明者は以下のように推測している。第1の発明の加熱冷却試験装置において、ペルチェモジュールの下側には冷却装置が設けられており、ペルチェモジュールの下側の面が冷却装置によって冷却されることから、ペルチェモジュールの下側の面よりも、被温度試験部材を搭載するプレートと熱的に接触している上側の面の方が、ペルチェモジュールの加熱動作と冷却動作とによる温度差が大きく(温度変化が大きく)、熱歪みを受けやすいと考えられる。
それに対し、第1の発明の加熱冷却試験装置は、熱電変換素子の温度変化が大きい上側の面には、上側電極を介して絶縁性の上側基板が固定されているので、電極と熱電変換素子との熱膨張率の差に伴って熱電変換素子が基板面方向にスライド移動しようとしても、上側基板に押さえられる態様となって移動できず、前記熱歪みを緩和できると考えられる。
以上のように、第1の発明は、ペルチェモジュールの前記熱歪みによる劣化を抑えて耐久性を向上させることができ、また、適用しているハーフスケルトンタイプのペルチェモジュールは、フルスケルトンタイプのペルチェモジュールと異なり、熱電変換素子の上側に基板を設けて、その基板に電極を固定しているので、実装密度を高くできるので、第1の発明の加熱冷却試験装置は、熱的特性と長期信頼性との両立を図ることができる。
また、第2の発明の加熱冷却試験装置は、第1の発明の加熱冷却試験装置に設けた絶縁性の板部材を除き、ペルチェモジュールの構成を、熱電変換素子の上端面と下端面に、それぞれ電極を導通固定し、下側に配置された下側電極を下側基板に柔軟性の接着部材を介して接着することにより、該下側電極が、前記下側基板に対し、前記下側電極と前記熱電変換素子の温度変化に伴う熱膨張と熱収縮に応じた移動が可能と成すものである。
つまり、第2の発明に適用しているペルチェモジュールは、熱電変換素子の上下両側に基板を設けているが、熱電変換素子および下側電極が下側基板に強固に固定されているわけではなく、熱膨張収縮に伴い、柔軟性の接着部材を介して基板の面方向等に動くことができる構成であるため、ハーフスケルトンタイプのペルチェモジュールの下側にプレートを配置した構成と同様の効果を奏することができる。
さらに、本発明において、上側基板を、電極よりも線膨張係数が小さい板部材により形成することにより、電極と半田との熱膨張率の差に伴って熱電変換素子が基板面方向にスライド移動しようとする動きを、上側基板によって効率的に押さえることが可能と考えられ、前記効果を発揮できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、本実施例の説明において、従来例と同一名称部分には、同一符号を付し、その重複説明は、省略または簡略化する。
図1には、本発明に係る加熱冷却試験装置の第1実施例が模式的な断面図によりに示されている。同図に示すように、例えば金属製のブロックや筐体を備えた冷却装置10の上側に、アルミナ等の絶縁性の板部材11を介してペルチェモジュール1が配置され、該ペルチェモジュール1の上側には、被温度試験部材を搭載するプレート12が配置されている。そして、プレート12とペルチェモジュール1と冷却装置10とが、ねじ13を介して一体的に組み付けられて、本実施例の加熱冷却試験装置が形成されている。なお、冷却装置10は、例えば冷媒を通すパイプを有する構成や、空冷用のファン等を有する構成を適用できるが、これらの構成を有していなくてもよく、また、側面にフィン等を設けてもよい。
また、図1において、符号9は、熱伝導グリースを示しており、冷却装置10と板部材11とが熱伝導グリース9を介して熱的に接続されている。同様に、板部材11とペルチェモジュール1の電極2とが、また、ペルチェモジュール1の上側基板6とプレート12とが、それぞれ、熱伝導グリース9を介して熱的に接続されている。なお、熱伝導グリース9の代わりに、熱伝導シートを適用することもできる。
本実施例の加熱冷却試験装置は、ペルチェモジュール1の吸熱動作と放熱動作を交互に繰り返し行って前記被温度試験部材の冷却と加熱とを交互に繰り返す加熱冷却試験装置であり、本実施例で適用しているペルチェモジュール1は、熱電変換素子5の下側には基板を設けずに上側にのみ基板(上側基板6)を設け、その上側基板6に、リード線28を接続するための電極2aを設けたハーフスケルトンタイプのペルチェモジュールである。
つまり、本実施例において、ペルチェモジュール1の上側電極2(2U)は、熱電変換素子5の温度変化が大きい面側である上端面に導通固定されて前記プレート12の面方向に互いに間隔を介して複数配設されており、該上側電極2Uの上側に、絶縁性の上側基板6が固定されており、下側電極2(2D)は、熱電変換素子5の温度変化が小さい面側である下端面に導通固定されて、プレート12の面方向に互いに間隔を介して複数配設され、熱電変換素子5のみに固定されている。つまり、下側電極2Dは、ペルチェモジュール1の下側に設けられている絶縁性の板部材11には固定されていない構成であり、下側電極2(2D)は、板部材11を介し、冷却装置10に熱的に接触している。ペルチェモジュール1の上側基板6と上側電極2Uは、その上側のプレート12に熱的に接触している。また、上側基板6はCuやAg等により形成されている電極2よりも線膨張係数が小さい板部材(例えばアルミナ)により形成されている。
本実施例は、以上のように構成されており、本発明者は、図4に示す比較例の加熱冷却試験装置との耐久性の違いを実験により検証した。なお、比較例は、同図に示すように、本実施例と同様に、冷却装置10とプレート12の間に、ペルチェモジュール1と板部材11とを設けているが、ペルチェモジュール1の構成を異なる構成とし、また、板部材11をペルチェモジュール1の上側に設けている。つまり、比較例においては、ペルチェモジュール1は、上側基板6を有しておらず、熱電変換素子5の下側の電極2を下側基板7に固定し、上側の電極2を、熱伝導グリース9を介して板部材11に接触させている。
図2には、本発明者が、本実施例の加熱冷却試験装置の耐久性試験を行った結果が、比較例の加熱冷却試験装置の試験結果と共に示されている。図2において、特性線aが本実施例の加熱冷却試験装置における熱ストレス信頼性試験結果を示し、特性線b群が、比較例における熱ストレス信頼性試験結果を示す。この耐久性試験は、プレート12に設けた温度検出手段の温度を、25℃から80℃に上昇させてから再び25℃に下降させる動作を1サイクルとして、加熱と冷却とを繰り返して行い、そのサイクル数とペルチェモジュール1の回路(熱電変換素子5と電極2を有して形成される回路)の抵抗変化率との関係を求めたものである。
図2から明らかなように、比較例の加熱冷却試験装置は、耐久性試験開始直後から抵抗変化率が上昇し、ペルチェモジュール1の回路の劣化が生じているのに対し、本実施例においては、ペルチェモジュール1の回路の劣化の生じる割合が小さく、耐久性を格段に向上できることが確認できた。
次に、図3に基づき、本発明に係る加熱冷却試験装置の第2実施例について説明する。なお、図3は、模式的な断面図であり、第2実施例の説明において、第1実施例と同一名称部分には、同一符号を付し、その重複説明は、省略または簡略化する。
同図に示すように、冷却装置10の上側にペルチェモジュール1が配置され、該ペルチェモジュール1の上側にプレート12が配置され、該プレート12とペルチェモジュール1と冷却装置10とが一体的に組み付けられて、第2実施例の加熱冷却試験装置が形成されている。第2実施例も第1実施例と同様に、ペルチェモジュール1の吸熱動作と放熱動作を交互に繰り返し行って前記被温度試験部材の冷却と加熱とを交互に繰り返す加熱冷却試験装置である。
また、第2実施例に適用されているペルチェモジュール1においては、熱電変換素子5の下側の面に絶縁性の下側基板7が設けられており、この下側基板7に下側電極2Dが柔軟性の接着部材14を介して接着され、下側電極2Dは、下側基板7に対し、下側電極2Dと熱電変換素子5の温度変化に伴う熱膨張と熱収縮に応じた移動が可能と成している。第2実施例では、下側電極2Dと下側基板7とが冷却装置10に熱的に接触している。接着部材14は、例えばゴム成分を有しており、この接着部材14を介して、熱電変換素子5の下側の電極2を下側基板7に接着することにより、熱電変換素子5と電極2とが、熱による膨張収縮に伴い、下側基板7に対して移動可能と成している(強固に固定されてはいない)。第2実施例も、第1実施例と同様の効果を奏することができる。
なお、本発明は前記実施例に限定されることなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、前記各実施例では、ねじ13によって、プレート12と冷却装置10とを固定したが、ねじ13以外の、クランプなどの固定手段を用いて、プレート12と冷却装置10とを固定し、プレート12と冷却装置10とペルチェモジュール1と(第1実施例においては、さらに板部材11)を一体的に組み付けて加熱冷却試験装置を形成してもよい。
また、ペルチェモジュール1の上側基板6、下側基板7、電極2、熱電変換素子5を形成する材料や、形状、寸法等は、特に限定されるものでなく、適宜設定されるものである。
本発明の冷却装置は、熱的特性と長期信頼性との両立を図れるので、光部品や電気部品等、様々な被温度試験部材(被温度試験部品)の加熱冷却試験用として利用できる。
1 ペルチェモジュール
2 電極
5 熱電変換素子
6 上側基板
7 下側基板
9 熱伝導グリース
10 冷却装置
11 板部材
12 プレート
14 接着部材
2 電極
5 熱電変換素子
6 上側基板
7 下側基板
9 熱伝導グリース
10 冷却装置
11 板部材
12 プレート
14 接着部材
Claims (3)
- 冷却装置の上側に絶縁性の板部材が配置され、該板部材の上側にはペルチェモジュールが配置され、該ペルチェモジュールの上側には被温度試験部材を搭載するプレートが配置されて、該プレートと前記ペルチェモジュールと前記板部材と前記冷却装置とが一体的に組み付けられ、前記ペルチェモジュールの吸熱動作と放熱動作を交互に繰り返し行って前記被温度試験部材の冷却と加熱とを交互に繰り返す加熱冷却試験装置であって、
前記ペルチェモジュールは、前記プレートの面方向に互いに間隔を介して複数配設された熱電変換素子と、該熱電変換素子の温度変化が大きい面側である上端面に導通固定されて前記プレートの面方向に互いに間隔を介して複数配設された上側電極と、該上側電極の上側に固定された絶縁性の上側基板と、前記熱電変換素子の温度変化が小さい面側である下端面に導通固定されて前記プレートの面方向に互いに間隔を介して複数配設された下側電極とを有して、該下側電極は前記熱電変換素子のみに固定されて、前記ペルチェモジュールの冷却装置側に設けられている前記絶縁性の板部材には固定されていない構成であり、
前記ペルチェモジュールの前記上側基板と前記上側電極とが前記ペルチェモジュールの上側に配置された前記プレートに熱的に接触し、前記ペルチェモジュールの前記下側電極が該ペルチェモジュールの下側に配置された前記板部材を介して前記冷却装置に熱的に接触していることを特徴とする加熱冷却試験装置。 - 冷却装置の上側にペルチェモジュールが配置され、該ペルチェモジュールの上側には被温度試験部材を搭載するプレートが配置されて、該プレートと前記ペルチェモジュールと前記冷却装置とが一体的に組み付けられ、前記ペルチェモジュールの吸熱動作と放熱動作を交互に繰り返し行って前記被温度試験部材の冷却と加熱とを交互に繰り返す加熱冷却試験装置であって、
前記ペルチェモジュールは、前記プレートの面方向に互いに間隔を介して複数配設された熱電変換素子と、該熱電変換素子の温度変化が大きい面側である上端面に導通固定されて前記プレートの面方向に互いに間隔を介して複数配設された上側電極と、該上側電極の上側に固定された絶縁性の上側基板と、前記熱電変換素子の温度変化が小さい面側である下端面に導通固定されて前記プレートの面方向に互いに間隔を介して複数配設された下側電極と、該下側電極の下側に設けられた絶縁性の下側基板とを有して、該下側基板に前記下側電極が柔軟性の接着部材を介して接着されることにより、該下側電極は前記下側基板に対し、前記下側電極と前記熱電変換素子の温度変化に伴う熱膨張と熱収縮に応じた移動が可能と成しており、
前記下側基板と前記下側電極とが前記ペルチェモジュールの下側に配置された前記冷却装置に熱的に接触し、前記ペルチェモジュールの前記上側基板と前記上側電極とが該ペルチェモジュールの上側に配置された前記プレートに熱的に接触していることを特徴とする加熱冷却試験装置。 - 上側基板は電極よりも線膨張係数が小さい板部材により形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の加熱冷却試験装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2018107424A (ja) * | 2016-12-26 | 2018-07-05 | 三菱マテリアル株式会社 | ケース付熱電変換モジュール |
JP2018148037A (ja) * | 2017-03-06 | 2018-09-20 | 昭和電線ケーブルシステム株式会社 | 熱電変換モジュール |
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2009
- 2009-06-11 JP JP2009140332A patent/JP2010287729A/ja active Pending
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