JP2008082517A - 防振装置 - Google Patents

防振装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008082517A
JP2008082517A JP2006266298A JP2006266298A JP2008082517A JP 2008082517 A JP2008082517 A JP 2008082517A JP 2006266298 A JP2006266298 A JP 2006266298A JP 2006266298 A JP2006266298 A JP 2006266298A JP 2008082517 A JP2008082517 A JP 2008082517A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elastic body
leg
outer cylinder
vibration isolator
fitting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006266298A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4903023B2 (ja
Inventor
Kinya Okajima
欣哉 岡島
Takashi Kawashima
隆 川嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2006266298A priority Critical patent/JP4903023B2/ja
Publication of JP2008082517A publication Critical patent/JP2008082517A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4903023B2 publication Critical patent/JP4903023B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Springs (AREA)

Abstract

【課題】 弾性体の二股とされる脚部の形状変化を阻止して、初期のバネ特性比を維持するのに伴い必要な方向のばね定数を確実に低減し続ける防振装置を得る。
【解決手段】 内筒金具16の外周面にゴム製の弾性体18が加硫接着され、弾性体18の一対の脚部26の端部が外筒金具12の内周面に圧接されて、円筒状の外筒金具12内にこの弾性体18が圧入される。一対の脚部26に、径方向外側が広がるようなV字形に切り欠かれた部分がそれぞれ設けられ、切り欠かれた部分により二股形状とされる部分が小脚部26Aとされる。脚部26の外側端とされる外筒金具12の内周側に接触可能な位置に、弾性体18と一体的に形成されて脚部26の切り欠かれた部分の両側の小脚部26A間をブリッジ状に繋ぐブリッジ部27が配置される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、弾性体の二股とされる脚部の形状変化を阻止して、初期のバネ特性比を維持するのに伴い必要な方向のばね定数を確実に低減し続け得る防振装置に係り、特に一般産業機械、自動車のエンジンマウントや自動車用サスペンションブッシュ等として用いられる防振装置に関する。
自動車用のエンジンマウントとして用いられる防振装置には、円筒状の外筒とこの外筒内に配置される内筒との間を連結するゴム製の弾性体や、外筒に固定されるブラケット金具を備えたものがある。このような防振装置は、例えば内筒が振動発生部であるエンジンに連結されると共に、ブラケット金具がボルト等により振動受部である車体へ連結されていて、エンジンからの振動が内筒に伝達されると、この振動により弾性体が変形するのに伴い内筒が外筒に対して相対変位する。この結果、弾性体の内部摩擦により振動エネルギーが吸収されて、車体への振動伝達が抑制される。
従来技術の防振装置として挙げられた特許文献1の構造を示す図9及び図10には、内筒116の外周面上に弾性体118を加硫接着して内筒116からの離脱を防止し、この内筒116に加硫接着された弾性体118の圧接部である脚部126をブラケット筒部である外筒112の内周面に圧入し、弾性体118を介して内筒116に連結された外筒112をエンジン又は車体側への連結用のブラケット金具120に固定する構造が示されている。
つまり、図9及び図10に示す特許文献1の防振装置によれば、内筒116及び弾性体118の外筒112内への組み込み工程を簡素化するために、内筒116と一体的に形成されたような弾性体118を外筒112内に圧入した構造になっている。
また、このような防振装置を自動車用エンジンマウント等に用いる場合、特に相互に直交する振動入力方向Sと振動入力方向Cとの間のばね定数の比であるバネ特性比を適切な範囲とすることが重要となる。そして、上記の特許文献1の構造によれば、弾性体118が外筒112に脚部126のみで繋がっていることから、それぞれ振幅方向とされるこれら振動入力方向Sと振動入力方向Cとの間のバネ特性比を変えることが可能となる。
特開2000−193004号公報
しかし、特許文献1の防振装置の構造では、ばね定数を高めるべき振動入力方向Cの弾性体118の脚部126が左右各一本の太い脚部126とそれぞれされている為、ばね定数が高くなり過ぎる結果、搭乗者に与える印象として、硬い感じで乗り心地の改善が十分とは言えなかった。
このような欠点を解消する手段として、脚部126に切り欠きを設けて脚部126を二股形状にすることで、振動入力方向Cのばね定数を低減する図11に示す構造が考えられ、このような構造が既に実施されている。つまり、弾性体118の脚部126の形状を図11に示すような二股に分かれた形とすることで、振動入力方向Sと振動入力方向Cとの間の比率を例えば1:2〜3程度の範囲にすることが可能となった。
但し、このように振動入力方向Cのばね定数を下げた構造の防振装置では、通常の振動が振動入力方向Sに沿って入力されて繰り返して振幅が生じた場合に、脚部126が外筒112に対して滑って脚部126の切り欠かれた部分を形成する内壁面126A同士が密着し、切り欠きにより存在していた空間Aが閉塞する閉塞現象が生じてしまう虞が有った。
つまり、通常の振動が振動入力方向Sに沿って入力されると、弾性体118の二股となった脚部126の外側端の外筒112との圧接部分に、振動の入力方向である振動入力方向Sに対して垂直になろうとする力Fが生じ、この力Fにより弾性体118の二股となっている脚部126の形状が変わって、空間Aが閉塞するようになる。これに伴って、バネ特性比が初期のものから変化してしまうことになる為、振動入力方向Cのばね定数が上昇してばね定数の低減効果が薄れてしまい、この結果として、乗り心地が完全には改善し得なかった。
本発明は上記事実を考慮し、弾性体の二股とされる脚部の形状変化を阻止して、初期のバネ特性比を維持するのに伴い必要な方向のばね定数を確実に低減し続け得る防振装置を提供することが目的である。
請求項1に係る防振装置は、筒状に形成される内筒と、
筒状に形成された前記内筒の外径よりも大きな内径を有する外筒と、
前記内筒の外周と前記外筒の内周の間に位置し、前記内筒の略中心から径方向外側に延出して前記外筒と接触する脚部を有する弾性部材と、
を備えた防振装置において、
前記脚部に切り欠き部を形成すると共に、当該切り欠き部に、当該切り欠き部が閉塞することを防止する閉塞阻止部を設けたことを特徴とする。
請求項1に係る防振装置の作用を以下に説明する。
本請求項では、筒状に形成される内筒の外径よりも外筒が大きな内径を有し、内筒の略中心から径方向外側に延出して外筒と接触する脚部を有した弾性部材が、これら内筒の外周と外筒の内周の間に位置している。また、弾性部材の脚部に形成された切り欠き部に閉塞阻止部を設け、切り欠き部が閉塞することをこの閉塞阻止部により防止している。
従って、本請求項では、脚部に切り欠き部を有しているものの、この切り欠き部に閉塞阻止部が配置されていることから、切り欠かれて二股形状とされた脚部の内壁面同士が、この切り欠き部の例えば内側に位置する閉塞阻止部の存在によって密着状態になり難くなる。
この結果として、本請求項に係る防振装置によれば、閉塞阻止部が脚部の切り欠き部に設けられていることで、二股形状となって変形し易くなっている脚部の形状変化をこの閉塞阻止部が防止して、弾性体のばね定数の上昇を抑えられるようになる。そしてこれに伴い、バネ特性比の初期特性を維持して、必要な方向のばね定数を確実に低減し続けられるようになった。
請求項2に係る防振装置の作用を以下に説明する。
本請求項は請求項1と同様の構成を有して同様な作用を奏する。但し本請求項では、前記内筒の外周と前記弾性部材は接着されて一体として形成されると共に、前記外筒の内周側に前記弾性部材が圧入されるという構成になっている。
つまり、本請求項では、内筒の外周に接着されて一体として形成された弾性体が、外筒の内周側に圧入されることで、内筒及び弾性体の外筒内への組み込み工程が簡素化された。
請求項3に係る防振装置の作用を以下に説明する。
本請求項は請求項1と同様の構成を有して同様な作用を奏する。但し本請求項では、前記閉塞阻止部が、外筒の内周側に接触可能な位置に配置されるという構成になっている。
つまり、本請求項では、閉塞阻止部を外筒の内周側に接触させた構造とすることで、閉塞阻止部自体の変形が外筒により抑止されて、切り欠き部の閉塞を防止する効果が一層高まるようになる。これに伴い、例えば脚部の外側端に閉塞阻止部を設けたことで、切り欠き部内の空間を増すことが可能となるのに伴って、脚部における切り欠き部の大きさをより大きく形成できるので、ばね定数を低減する効果も一層高まるようになる。
請求項4に係る防振装置の作用を以下に説明する。
本請求項は請求項1と同様の構成を有して同様な作用を奏する。但し本請求項では、閉塞阻止部が、弾性体と一体的に形成されると共に、脚部の切り欠き部により切り欠かれた部分の間をブリッジ状に繋ぐブリッジ部とされるという構成になっている。
つまり、本請求項では、閉塞阻止部を弾性体と一体的に形成されて脚部の切り欠かれた部分の間を繋ぐようなブリッジ部としたことで、閉塞阻止部の作製及び組み込みが簡易化されて製造容易となるのに伴い、防振装置の製造コストが低減される。
請求項5に係る防振装置の作用を以下に説明する。
本請求項は請求項1と同様の構成を有して同様な作用を奏する。但し本請求項では、外筒の内周面と内筒の外周面との間隔をL0とし、脚部の切り欠き部により切り欠かれた部分の深さをLlとしたとき、Ll≧L0/2の関係を有するという構成になっている。
つまり、本請求項によれば、切り欠かれた部分の切り欠き深さを前記のような範囲に設定しても、閉塞阻止部を有していることで、閉塞による動ばね定数の上昇を抑えることができる結果、ばね定数を容易に低減できるようになる。
以上説明したように本発明の上記構成によれば、弾性体の二股とされる脚部の形状変化を阻止して、初期のバネ特性比を維持するのに伴い必要な方向のばね定数を確実に低減し続け得る防振装置を提供できるという優れた効果を有し、例えば、一般産業機械、自動車のエンジンマウントや自動車用サスペンションブッシュ等として用いられる防振装置で特に優れた効果を発揮する。
本発明の最良の形態に係る防振装置を図を参照しつつ説明する。まず、本発明の最良の形態に係る防振装置の第1実施例を図1から図5に示し、これらの図に基づき本実施例を説明する。
図1から図5に示すように、車両のエンジンマウントとして適用される本実施例に係る所謂ブッシュタイプの防振装置10は、振動発生部であるエンジン(図示省略)に連結される円筒状の内筒金具16を中心部分に有しており、この内筒金具16の外周面の軸方向中間部には、それぞれ径方向へ突出する一対のストッパ支持部16Aが設けられている。そしてこれら一対のストッパ支持部16Aは、図1に示す中心軸O廻りの相互に対称的な位置にそれぞれ略直方体のブロック状に形成されて配置されている。
この内筒金具16の外周側には、ステンレス鋼等の金属からなる円筒状の外筒金具12が配置されている。また、図2から図4に示されるように中心軸Oに沿った外筒金具12の軸方向両側の端面12A,12Bから円筒壁部の一部を軸方向に相互に同一形状に突出される一対の位置決め部12Cが、この外筒金具12の中心軸O廻りの相互に対称的な位置に、それぞれ設けられている。尚、内筒金具16は、外筒金具12に対して小径とされると共に、軸方向に僅かに長く形成されている。
一方、内筒金具16の外周面には、それぞれ径方向に延出する略X字状に形成されたゴム製の弾性体18が加硫接着されていて、この加硫接着によって内筒金具16と一体的に形成されるように弾性体18が内筒金具16に固着されている。
また、この弾性体18の図1に示す形状は、中心軸Oを中心として互いに直交する軸線X,Yの方向に沿ってそれぞれ延出した形になっているが、この内の一対の脚部26が、それぞれ内筒金具16の中心から軸線Xに沿うように、径方向外側へ向けて放射状に延出されている。図1、図4及び図5に示すこの弾性体18の一対の脚部26には、径方向外側が広がるような切り欠き部であるV字形に切り欠かれた部分がそれぞれ設けられていて、この切り欠かれた部分により二股形状とされる部分が小脚部26Aとされ、これに伴い、この脚部26内に空間Aがそれぞれ存在している。
但し、脚部26の外側端とされる外筒金具12の内周側に接触可能な位置には、弾性体18と一体的に形成されて脚部26の切り欠かれた部分の両側の小脚部26A間をブリッジ状に繋ぐ閉塞阻止部であるブリッジ部27が配置されている。そして、図5に示すこのブリッジ部27の幅寸法D2は、弾性体18の脚部26における軸方向寸法D1の半分以下とされており、また、外筒金具12の内周面と内筒金具16の外周面との間隔L0と、脚部26の切り欠かれた部分の深さ寸法Llとの関係が、Ll≧L0/2とされている。
この結果、図1に示される組み立てられた状態では、外筒金具12の内周側に、弾性体18の二股になっている脚部26の外側端で圧接されつつこの弾性体18が圧入されて、外筒金具12が弾性体18を介して内筒金具16を支持することになる。
この際、外筒金具12への弾性体18の圧入前における脚部26の外筒金具12との接触面は、外筒金具12の内周面の曲率半径より僅かに曲率半径が小さい凸状の曲面とされている。また、弾性体18の端部の軸方向における長さは、外筒金具12の端面12A,12B間の距離と等しくされており、弾性体18の図1に示す軸線Xに沿った自然長は、外筒金具12の内径より所定長だけ長くされている。以上より、弾性体18の軸線Xに沿った自然長と外筒金具12の内径との差だけ軸線Xに沿って弾性体18が圧縮され、この圧縮量に対応する加圧力で脚部26は外筒金具12の内周面に圧接している。
また、この外筒金具12の内周側に弾性体18が圧入された状態において、脚部26の外側に対応する外筒金具12の内周面には、径方向内側に突出して弾性体18の回転方向へずれを防止する突起13がそれぞれ位置している。これにより一対の脚部26の両側に計4つの突起13が存在していることになる。
他方、内筒金具16のストッパ支持部16Aを覆う一対のストッパ部28が、弾性体18の軸線Yに沿ってそれぞれ延出されていて、外筒金具12の内周面にそれぞれ一対のストッパ部28の端部を対向させている。つまり、この弾性体18の図1に示す形状は、中心軸Oを中心として互いに直交する軸線X,Yの方向に沿ってそれぞれ延出した形となっている。
さらに、内筒金具16のストッパ支持部16Aにより軸線Yに沿ったストッパ部28の部分の肉厚が薄くされるのに伴って、弾性体18の軸線Yに沿った自然長は、外筒金具12の内径より所定長だけ短くされている。これにより、内筒金具16と外筒金具12との間に外力が作用しておらず、弾性体18が弾性変形していない復元状態では、図1に示されるようにストッパ部28の端部は外筒金具12の内周面から離間している。そして、このストッパ部28の端面は凸状曲面とされている。
振動受部である車体(図示省略)にはブラケット金具20が固定されており、このブラケット金具20はステンレス鋼板等の金属板を図4に示すように屈曲することで、底板部30の軸方向両端部から側板部22,24が直角に屈曲された構造とされている。
この底板部30の両端部には、それぞれ板厚方向へ貫通する貫通穴30Aが形成されており、底板部30の上面には一対の貫通穴30A上にナット33が溶接等により固定されている。
従って、ブラケット金具20を車体へ固定する際には、車体側へ設けられたフランジ部を挿通したボルト(図示省略)をブラケット金具20の底面側からナット33にねじ込むことにより、ブラケット金具20が車体へ固定される。
ブラケット金具20の一対の側板部22,24は、外筒金具12の端面12A,12B間の距離に略等しい間隔を空けて相互に平行とされ且つ相互に同一形状となるように形成されている。さらに、外筒金具12の端面12A,12Bから突出する位置決め部12Cの突出長と側板部22,24の板厚とは、略等しくされている。そして、側板部22,24の中央部には、外筒金具12に対応する形状の開口部32がそれぞれ形成されている。
つまり、この開口部32は、図1から図4に示される側板部22,24の上端部付近を開口端32Aとする略U状に形成されており、開口端32Aとは逆側の開口部32の底部に、外筒金具12の位置決め部12Cに対応する凹部32Bが形成されている。また、開口部32の内周面における開口端32Aと凹部32Bとの間には、外筒金具12の内周面の曲率半径より所定長小さい曲率半径の凹状の曲面部32Cが形成されている。
この凹部32Bは、曲面部32Cを延長した仮想の曲面より径方向外側へ略U字状に凹んでおり、凹部32Bの底部は、外筒金具12の外周面の曲率半径と略等しい曲率半径の曲面とされている。但し、この凹部32Bの底部の周長は、図1に示されるように外筒金具12の位置決め部12Cの外周面の周長よりも僅かに長くされている。
ここで、開口部32の開口端32Aの周方向中心点と凹部32Bの底部の周方向中心点とを結ぶ直線は、ブラケット金具20の底板部30に対して所定角度傾いており、開口部32は前記直線を対称軸とし、この対称軸に対して対称的な形状とされている。また組立状態の防振装置10では、図1に示されるように軸方向から見てストッパ部28の軸線Yが開口部32の対称軸と一致するように弾性体18が固定されている。
また、本実施例の防振装置10が適用される車両では、エンジンの自重による荷重の大部分が図示しない他の防振装置等により支持される。従って、エンジンが防振装置10に搭載されたマウント状態であっても、エンジンからの振動が防振装置10に伝達されていない時には、外筒金具12と内筒金具16とが互いに略同軸的な位置に保持され、エンジンからの振動伝達時に弾性体18が変形して外筒金具12と内筒金具16とが相対変位する。
次に、本実施例に係る防振装置10の作用を説明する。
本実施例では、円筒状に形成されてエンジンに連結される内筒金具16の外周面と一体的に形成されるようにこの内筒金具16に固着される弾性体18が、内筒金具16の中心から径方向外側へ向けて放射状に延出する形の脚部26を有している。また、脚部26の外側端で接しつつ弾性体18が、内筒金具16の外径より大きな内径を有した外筒金具12の内周側に圧入されることで、この外筒金具12が弾性体18を介して内筒金具16を支持するようになっている。
この為、本実施例では、エンジンからの軸線Yに沿った振動入力方向Sの振動が内筒金具16に伝達されると、弾性体18が弾性変形するのに伴い、弾性体18の内部摩擦により振動エネルギーが吸収されて振動が減衰し、ブラケット金具20に連結された車体に振動が伝達され難くなる。この際、このような弾性体18の内部摩擦による振動エネルギーの吸収は、主として弾性体18が軸線Xに沿って弾性変形することにより行われる。また、エンジンから内筒金具16へ軸線Yに沿った方向の過大な荷重が伝達された場合には、ストッパ部28が外筒金具12の内周面に当接して、ストッパ部28の軸線Yに沿った方向の弾性変形が制限される。
そして、弾性体18の脚部26にはV字形に切り欠かれた部分が設けられているが、この脚部26の切り欠かれた部分の内側に、弾性体18と一体的に形成されつつ、脚部26の切り欠かれた部分の小脚部26A間をブリッジ状に繋ぐ閉塞阻止部であるブリッジ部27が配置されている。この為、このブリッジ部27が外筒金具12の内周側に接触可能な位置とされる脚部26の外側端に存在することになるのに伴って、この脚部26の小脚部26A内に架け渡されたブリッジ部27が、この切り欠かれた部分を形成する小脚部26A間の閉塞を防止するようになる。
従って、本実施例では、脚部26に切り欠かれた部分を有しているものの、この切り欠かれた部分の内側にブリッジ部27が配置されていることから、切り欠かれて二股形状とされた脚部26の内壁面同士が、この切り欠かれた部分の内側に位置するブリッジ部27の存在によって密着状態になり難くなる。
この結果として、本実施例に係る防振装置10によれば、ブリッジ部27が脚部26の切り欠かれた部分の内側に存在することで、二股形状となって変形し易くなっている脚部26の形状の変化をこのブリッジ部27が防止して、弾性体18のばね定数の上昇を抑えられるようになる。そしてこれに伴い、バネ特性比の初期特性を維持して、必要な方向のばね定数を確実に低減し続けられるようになった。
この一方、本実施例では、ブリッジ部27が弾性体18と一体的に形成されて脚部26の切り欠かれた部分の間を繋ぐようなブリッジ部27としたことで、閉塞阻止部の作製及び組み込みが簡易化されて製造容易となるのに伴い、防振装置10の製造コストが低減されるようにもなった。
さらに、ブリッジ部27を外筒金具12の内周側に接触させた構造とすることで、ブリッジ部27自体の変形が外筒金具12により抑止されて、切り欠かれた部分の閉塞を防止する効果が一層高まるようになる。また、脚部26の外側端にブリッジ部27を設けたことで、切り欠かれた部分内の空間を増すことが可能となるのに伴って、脚部26における切り欠かれた部分の大きさをより大きく形成することができるので、ばね定数を低減する効果も一層高まるようになる。
他方、本実施例では、ブリッジ部27の幅寸法D2が、弾性体18の脚部26における軸方向寸法D1の半分以下とされるだけでなく、外筒金具12の内周面と内筒金具16の外周面との間隔L0と脚部26の切り欠かれた部分の深さ寸法Llとの関係が、Ll≧L0/2とされている。
つまり、本実施例では、脚部26の外側端にブリッジ部27を形成するのに伴い、ブリッジ部27の幅寸法D2を脚部26における軸方向寸法D1の半分以下としても、弾性体18のばね定数の上昇を抑える効果を充分に発揮できるようになる。これに伴い、ばね定数の上昇を抑えながらブリッジ部27のゴム量を減らすことが出来るので、防振装置10の軽量化も図れるようになる。
また、本実施例によれば、ブリッジ部27を有していることで、切り欠かれた部分の切り欠き深さである深さ寸法Llを間隔L0に対して前記のように大きく設定しても、脚部26の閉塞による動ばね定数の上昇を抑えられる結果、ばね定数を容易に低減できるようになる。
次に、本発明の最良の形態に係る防振装置の第2実施例を図6に示し、この図に基づき本実施例を説明する。尚、第1実施例で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付して、重複した説明を省略する。図6に示すように本実施例に係る防振装置10は、第1実施例の防振装置10とほぼ同様の構造となっている。
但し、本実施例ではブリッジ部が弾性体18と一体的に形成されて脚部26の切り欠かれた部分の間を繋ぐ形とされているものの、脚部26の切り欠かれた部分の中程にブリッジ部42が位置した構造とされている。
従って、閉塞阻止部とされるブリッジ部42は、第1実施例と異なって、外筒金具12の内周側に接触しない構造となっているが、本実施例に係る防振装置10によっても、二股形状となって変形し易くなっている脚部26の形状の変化をこのブリッジ部42が防止し、バネ特性比の初期特性を維持して、必要な方向のばね定数を確実に低減し続けられるようになる。
次に、本発明の最良の形態に係る防振装置の第3実施例を図7に示し、この図に基づき本実施例を説明する。尚、第1実施例で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付して、重複した説明を省略する。図7に示すように本実施例に係る防振装置10は、第1実施例の防振装置10とほぼ同様の構造となっている。
但し、本実施例では、閉塞阻止部がウレタン或いは発泡ゴム等により形成された弾性部材44により構成されるという相違を、第1実施例に対して有している。つまり、第1実施例では、閉塞阻止部であるブリッジ部27が弾性体18と一体的に形成されて脚部26の切り欠かれた部分の間を繋ぐような構造とされているが、本実施例では閉塞阻止部を弾性体18と別部材の弾性部材44としたことにより、第1実施例と同様の作用の他に、弾性体18を加硫接着する際に金型の構造が簡素化されて、製造コストが低減されるという効果を奏するようになる。
次に、本発明の最良の形態に係る防振装置の第4実施例を図8に示し、この図に基づき本実施例を説明する。尚、第1実施例で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付して、重複した説明を省略する。図8に示すように本実施例に係る防振装置10は、第1実施例の防振装置10とほぼ同様の構造となっている。
但し、本実施例では、脚部26の切り欠かれた部分の内壁面に当接する位置に突出するように、外筒金具12の内周側に突起46が形成され、この突起46が閉塞阻止部を構成するようにした。尚、この突起46は、外筒金具12を例えばプレス加工等により加圧して塑性変形することで形成できるが、外筒金具12とは別部材を外筒金具12の内周面に固着することでも、形成可能である。
以上より、切り欠かれて二股形状とされた脚部26の内壁面同士が、この切り欠かれた部分の内側に位置する突起46の存在によって密着状態になり難くなる。この為、第1実施例と同様に、二股形状となって変形し易くなっている脚部26の形状の変化をこの突起46が防止し、バネ特性比の初期特性を維持して、必要な方向のばね定数を確実に低減し続けられるようになった。
尚、上記各実施例において、弾性体18の一対の脚部26がV字形に切り欠かれて二股形状にそれぞれされているが、一対の脚部26を弾性体18の根本部分である内筒金具16寄り部分から、2本の小脚部26Aが独立している形にそれぞれ形成する構造としても良い。また、上記各実施例においてブリッジ部等の閉塞阻止部は、小脚部26A間をブリッジ状に繋ぐ構造とされているが、閉塞阻止部をストッパ部28を跨ぐ形に形成し、小脚部26A間の接近をこの閉塞阻止部で引っ張って阻止する構造としても良い。
さらに、上記第1実施例において脚部の閉塞を阻止できれば良いので、ブリッヂ部の幅寸法を弾性体の脚部における軸方向寸法の半分以下としたが、脚部における軸方向寸法の全体に亘ってブリッヂ部を形成しても良い。
また、上記実施例において振動発生部側に内筒金具16を連結し、振動受け部側にブラケット金具20を連結するような構成としたが、この逆の構成としても良い。また、ブラケット金具20を用いずに外筒金具12を振動受け部側に直接連結しても良い。
他方、上記実施例において、車両等の車体に入力されるエンジンの振動の防振を目的としたが、本発明を例えば自動車用サスペンションブッシュとして用いても良く、また、車両以外の一般産業機械等の防振にも用いても良い。
本発明の第1実施例に係る防振装置を示す正面図である。 本発明の第1実施例に係る防振装置を示す斜視図である。 本発明の第1実施例に係る防振装置を示す側面図である。 本発明の第1実施例に係る防振装置を示す分解斜視図である。 本発明の第1実施例に係る防振装置に適用された弾性体を示す図であって、(A)は平面図であり、(B)は正面図である。 本発明の第2実施例に係る防振装置を示す正面図であって、一部破断した状態の図である。 本発明の第3実施例に係る防振装置を示す正面図であって、一部破断した状態の図である。 本発明の第4実施例に係る防振装置を示す正面図であって、一部破断した状態の図である。 従来技術に係る防振装置を示す正面図である。 従来技術に係る防振装置を示す斜視図である。 別の従来技術に係る防振装置に適用された弾性体を示す正面図である。
符号の説明
10 防振装置
12 外筒金具
16 内筒金具
18 弾性体
20 ブラケット金具
26 脚部
27 ブリッジ部(閉塞阻止部)
42 ブリッジ部(閉塞阻止部)
44 弾性部材(閉塞阻止部)
46 突起(閉塞阻止部)

Claims (5)

  1. 筒状に形成される内筒と、
    筒状に形成された前記内筒の外径よりも大きな内径を有する外筒と、
    前記内筒の外周と前記外筒の内周の間に位置し、前記内筒の略中心から径方向外側に延出して前記外筒と接触する脚部を有する弾性部材と、
    を備えた防振装置において、
    前記脚部に切り欠き部を形成すると共に、当該切り欠き部に、当該切り欠き部が閉塞することを防止する閉塞阻止部を設けたことを特徴とする防振装置。
  2. 前記内筒の外周と前記弾性部材は接着されて一体として形成されると共に、前記外筒の内周側に前記弾性部材が圧入されることを特徴とする請求項1記載の防振装置。
  3. 前記閉塞阻止部が、外筒の内周側に接触可能な位置に配置されることを特徴とする請求項1記載の防振装置。
  4. 閉塞阻止部が、弾性体と一体的に形成されると共に、脚部の切り欠き部により切り欠かれた部分の間をブリッジ状に繋ぐブリッジ部とされることを特徴とする請求項1記載の防振装置。
  5. 外筒の内周面と内筒の外周面との間隔をL0とし、脚部の切り欠き部により切り欠かれた部分の深さ寸法をLlとしたとき、
    Ll≧L0/2の関係を有することを特徴とする請求項1記載の防振装置。
JP2006266298A 2006-09-29 2006-09-29 防振装置 Expired - Fee Related JP4903023B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006266298A JP4903023B2 (ja) 2006-09-29 2006-09-29 防振装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006266298A JP4903023B2 (ja) 2006-09-29 2006-09-29 防振装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008082517A true JP2008082517A (ja) 2008-04-10
JP4903023B2 JP4903023B2 (ja) 2012-03-21

Family

ID=39353587

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006266298A Expired - Fee Related JP4903023B2 (ja) 2006-09-29 2006-09-29 防振装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4903023B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012197877A (ja) * 2011-03-22 2012-10-18 Bridgestone Corp 防振装置
JP2012219899A (ja) * 2011-04-07 2012-11-12 Bridgestone Corp 防振装置
WO2014034091A1 (ja) * 2012-08-28 2014-03-06 東海ゴム工業株式会社 筒形防振装置
CN109353206A (zh) * 2018-11-07 2019-02-19 安徽中鼎减震橡胶技术有限公司 一种带有新型外套管结构的发动机减振装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57156649A (en) * 1981-02-23 1982-09-28 Westinghouse Electric Corp Electric drive device
JP2005163976A (ja) * 2003-12-04 2005-06-23 Tokai Rubber Ind Ltd 筒形防振マウント

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57156649A (en) * 1981-02-23 1982-09-28 Westinghouse Electric Corp Electric drive device
JP2005163976A (ja) * 2003-12-04 2005-06-23 Tokai Rubber Ind Ltd 筒形防振マウント

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012197877A (ja) * 2011-03-22 2012-10-18 Bridgestone Corp 防振装置
JP2012219899A (ja) * 2011-04-07 2012-11-12 Bridgestone Corp 防振装置
WO2014034091A1 (ja) * 2012-08-28 2014-03-06 東海ゴム工業株式会社 筒形防振装置
JP2014043916A (ja) * 2012-08-28 2014-03-13 Tokai Rubber Ind Ltd 筒形防振装置
US9200690B2 (en) 2012-08-28 2015-12-01 Sumitomo Riko Company Limited Cylindrical vibration-damping device
CN109353206A (zh) * 2018-11-07 2019-02-19 安徽中鼎减震橡胶技术有限公司 一种带有新型外套管结构的发动机减振装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4903023B2 (ja) 2012-03-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006234046A (ja) 防振装置
JP2002295560A (ja) 筒型ゴムマウント
KR101648427B1 (ko) 다이나믹 댐퍼
US10451133B2 (en) Tubular vibration-damping device
JP4903023B2 (ja) 防振装置
WO2015045041A1 (ja) 筒型防振装置
JP2010060022A (ja) 防振ブッシュ
JP2009108906A (ja) 防振装置
US9127743B2 (en) Chassis bushing with integrated travel limiter
JP4833883B2 (ja) 防振装置
JP4026609B2 (ja) 筒型ダイナミックダンパ
JP2004156628A (ja) 液体封入式防振装置
JP2008106867A (ja) ストラットマウント
WO2006077622A1 (ja) 防振装置
JP2017145863A (ja) 防振装置
JP2012127441A (ja) 防振ブッシュ、及び該防振ブッシュを備えたトルクロッド
JP4958690B2 (ja) 防振装置用筒状部材及び防振装置
JP5693386B2 (ja) 防振装置
WO2012132105A1 (ja) 防振装置
JP2020067157A (ja) 防振ブッシュ
JP7121719B2 (ja) ブラケット付き筒型防振装置
JP2018141531A (ja) 防振装置
JP6182077B2 (ja) 筒形防振装置
JP2019203566A (ja) 液封入式防振装置
JP5829239B2 (ja) 防振装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090907

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101029

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101102

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110329

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110530

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111206

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120104

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4903023

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150113

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees