JP5622127B2 - 還元析出型球状NiP微小粒子およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、異方性導電フィルム用の導電粒子として使用される金属微小粒子の他には、基板等の配線形成に使用される材料としても好ましい金属微小粒子と、その製造方法に関するものである。
地上デジタル放送の普及に伴い、LCD(Liquid Crystal Display)、あるいはPDP(Plasma Display Panel)などのFPD(Flat Panel Display)が急激に伸長している。そのドライバICや微細な配線回路の電気的な接続には、異方性導電フィルムが多く使用されている。
異方性導電フィルムは熱硬化性または、熱可塑性の絶縁性樹脂フィルム中に、導電粒子を分散させた接着剤であり、相対する配線の間に配置した後に熱圧着することで、導電粒子を介して配線間の導通を取り、面方向の隣接した配線間では電気的絶縁性を保つ接続材料である。その導電粒子には、ポリスチレンやアクリルなどの樹脂ボールの表面にNi、Auなどの金属材料をめっきして導電性を持たせた導電性樹脂ボール、Ni、Cu、Al、Au、Agなどの金属粉末、あるいはその表面に金属めっきをした粉末などが広く用いられている。
異方性導電フィルムの導電粒子として一般的に用いられている導電性樹脂ボールは、熱圧着時の圧力と温度により樹脂ボールが弾性変形するため、配線との接触面積を大きくできるなどの利点を有している。しかし、樹脂ボールが絶縁体であるため良好な導通が得られにくいばかりでなく、特別な処理によって表面への金属めっきが行わなければならないため、非常に高価になるという欠点がある。
一方、Ni粉末などの金属粉末は、TCP(Tape Carrier Package)とFPC(Flexible Printed Circuit)の接続、TCPとPWB(Printed Wiring Board)の接続などの異方性導電フィルムに使用されている。TCPやFPC、PWBなどの回路基板は、Cu、あるいはその上にSnめっきなどを施した、比較的軟らかく、酸化膜ができやすい材質によって微細な配線回路が形成されている。金属粉末を用いた異方性導電フィルムは、上記、配線回路上の酸化膜を突き破って導通を確保できるなどの特長がある。しかしながら、例えばガスアトマイズ法により得られた金属粉末を異方性導電フィルム用導電粒子とする場合、粒度分布のシャープな粒子を得ることが非常に困難である。不揃いの大きさの粒子から、異方性導電フィルムの仕様に耐えうる粒子サイズへの分級処理は、高価となる問題点がある。
そこで、上記の課題を鑑みては、本発明者は回路基板の微細配線接続に用いる異方性導電フィルムについて、それに分散させる導電粒子を提案している(特許文献1)。この導電粒子は、優れた導電特性を有している一方、高硬度かつ均一な形状および粒度分布をも達成していることから、異方性導電フィルムに適するものとなっている。
また、FPCあるいはガラス基板等への微細な回路配線の形成には、Agペーストによるスクリーン印刷法等が採用されている。この方法は、基板上に電気導電性の高いAgペーストで配線を印刷した後に、Agのエレクトロマイグレーションを防止するため、Ag配線をコートする形でカーボンペーストを積層印刷し、焼成して回路配線を形成する方法である。この方法に因れば、安価で大量に基板等を製造することが可能である。
特開2006−131978号公報
上記の背景技術においては、例えば異方性導電フィルム用導電粒子に注視すると、特許文献1の方法は、上記の課題に一定の効果を示す有効な手法ではあるが、この種のNiP微小粒子では、導電性樹脂ボールと比較した場合、粒子サイズにばらつきがあり、改善の余地があった。
また、FPCや基板等への配線形成用材料として評価すれば、例えば配線間隔が0.2mm以下といった、より微細な配線を形成する場合には、スクリーン印刷の精度、すなわち、Ag配線とそれに積層するエレクトロマイグレーション防止用のカーボンペースト印刷時の位置ズレにより、高精度の配線回路の形成が困難であるという問題点がある。そこで、配線形成用材料においては、このエレクトロマイグレーションの課題からくる回路配線の精度劣化を解消すべく、Agペーストに代替する導電粒子が求められる。
本発明の目的は、特に異方性導電フィルムの導電粒子に使用するのに最適で、単分散性と導電特性に優れた球状NiP微小粒子およびその製造方法を提供することである。またこれに加えては、FPCあるいはガラス基板等の回路配線を形成するのに最適で、耐マイグレーション性と導電特性、ならびに低温焼結性にも優れた球状NiP微小粒子およびその製造方法を提供するものである。
本発明者は、高精度の微細回路に適用可能な異方性導電フィルム用の導電粒子について詳細に検討した。そして、基板等への回路配線を微細かつ高精度に形成できる材料としても、それに適した導電粒子を検討した。その結果、先に提案した特許文献1の異方性導電フィルム用導電粒子にCuを含む組成とすることで、粒子サイズのばらつきを抑制することが可能であり、更に粒子自体の導電特性を向上させるという結果を得た。
すなわち、本発明は、Niを主体にPを含む成分組成、例えば1〜15質量%のPを含む成分組成からなる球状NiP微小粒子において、その成分組成には0.01〜18質量%のCuを含み、平均粒径d50が1〜70μmであり、かつその粒度分布が[(d90−d10)/d50]≦0.8(d90、d10、d50:積算分布曲線において、90体積%、10体積%、50体積%を示す粒子径)であることを特徴とする還元析出型球状NiP微小粒子である
そして、本発明は、ニッケル塩の水溶液と、pH調製剤およびpH緩衝剤の混合水溶液と、リンを含む還元剤水溶液とを混合して還元析出させて、Niを主体にPを含む球状NiP微小粒子を製造する方法であり、上記本発明の還元析出型球状NiP微小粒子を製造する方法であって、前記ニッケル塩の水溶液はCuを含み、混合して還元析出を開始させる時のpHが7超のアルカリ性になるように調製することを特徴とする還元析出型球状NiP微小粒子の製造方法である。前記ニッケル塩の水溶液は、モル比にて、Ni/Cu=4.0〜10000となるよう、Cuを含むことが好ましい。
本発明のCuを含む還元析出型球状NiP微小粒子は、その粒子が球状となっていることから、熱硬化性または熱可塑性の絶縁性樹脂フィルム中に配合した場合、粒子の凝集が少なく分散性が良好であり、異方性導電フィルムの導電粒子に使用した際に電極間のショートが抑制される。また、それとともに、従来良好な接続信頼性が得られにくかった材質であるAlやCr電極等の酸化皮膜を形成しやすい金属電極間の接続においても、低い接続抵抗と高い接続信頼性を得ることが可能となる。
更に本発明の上記球状NiP微小粒子は、その成分組成が、Ni基の金属粒子であることから、耐マイグレーション性と導電特性に優れるとともに、微細で均一な粒子サイズを呈していることから、FPCあるいはガラス基板等の回路配線を形成する場合には、低温での焼結性が良好であり、基板へのダメージを少なくすることが可能となる。
本発明の球状NiP微小粒子の一例を示す電子顕微鏡写真である。 本発明の球状NiP微小粒子の一例を示す電子顕微鏡写真である。 本発明の球状NiP微小粒子の断面構造の一例を示す、電子顕微鏡写真である。 図3の断面に観察される、Ni濃度分布のマッピング写真である。 図3の断面に観察される、Cu濃度分布のマッピング写真である。 図3の断面に観察される、P濃度分布のマッピング写真である。 本発明の球状NiP微小粒子の一例を示す電子顕微鏡写真である。
本発明の特徴は、Niを主体に、少なくとも半金属であるPを必須に含有して構成された、例えば特許文献1に示されるような還元析出型球状NiP微小粒子のうちでは、これにCuが含有されたものは、粒子サイズのばらつき抑制に効果があることを、明らかにしたところにある。そして具体的には、そのCu含有量が0.01〜18質量%の成分組成としたところにある。
そして、この通りのCuを含んだ球状NiP微小粒子は、その平均粒径d50が1〜70μmであり、かつその粒度分布が[(d90−d10)/d50]≦0.8という、粒子サイズの揃った球状NiP微小粒子である。含有元素においてCuを選択した球状NiP微小粒子は、平均粒径が1〜70μmといった大径側での上記ばらつき抑制効果に優れる。
そして、本発明の球状NiP微小粒子を製造するにおいては、例えば、Cuを含むニッケル塩の水溶液と、pH調製剤およびpH緩衝剤の混合水溶液と、リンを含む還元剤水溶液とを混合して還元析出させる無電解還元法により製造する方法であって、その還元析出を開始する混合水溶液のpHが7超のアルカリ性になるように調製することが好適である。前記Cuを含むニッケル塩の水溶液は、モル比にて、Ni/Cu=4.0〜10000となるよう、Cu量が調製されていることが望ましい。
先ず、本発明の球状NiP微小粒子は、Niを主体にPを必須に含む、例えば1〜15質量%のPを含むような成分組成が基本となる。これについては、異方性導電フィルム用の導電粒子として用いる場合、その必要な硬さと導電性を付与する有効な方法として、本発明者は、粒子の中心部分では結晶構造を有し、表層部分においては非結晶に金属間化合物を分散させた構造の球状NiP微小粒子を、特許文献1で提案している。
そして、特許文献1の方法によれば、これは粒度分布の均一性確保に一定の効果を示す有効な手法であるが、本発明者は鋭意検討を重ねた結果、特許文献1の球状NiP微小粒子のうちでも、特にCuを添加したものこそ、粒子のばらつきが更に抑制され、導電性をも向上させることが可能であることをつきとめた。
本発明の、還元析出型球状NiP微小粒子においてのCu含有量は、0.01〜18質量%であることが望ましい。Cuの含有量を0.01質量%未満とした場合には、粒子のばらつきを抑制する効果が得られにくい。また、Cu含有量が18質量%を超えると、粒子同士が凝集しやすくなって単分散性が損なわれやすいばかりでなく、例えば異方性導電フィルムに適用した場合、それにより接続される回路基板の微細配線に適応しうる、例えば20μm以下サイズの粒子が得られにくい。更に望ましくは、0.40〜17質量%のCuを含む成分組成とすることにより、粒子サイズにばらつきが少なく、導電性に優れた金属微小粒子を得ることが容易となる。
本発明のCuを含む還元析出型球状NiP微小粒子の平均粒径は、d50の数値を0.1〜70μmとすることが望ましいが(d50:積算分布曲線において、50体積%を示す粒径)、この粒径は用途に応じて選定する必要がある。しかしながら、この粒径が0.1μm未満の場合には、粒子が凝集しやすくなるため、取り扱いが非常に困難となる。一方、平均粒径d50が70μmを超えると、粒子を成長させるに多大な時間を要し、効率良く均一な粒子を得ることが困難となる。好ましくは、50μm以下、さらには30μm以下とする。なお、20μmを超えると、異方性導電フィルム用の導電粒子や、FPC、基板等の配線形成に使用される材料としては、その機能上の使用が難しくなってくる。
ここで、本発明の球状NiP微小粒子を、例えば異方性導電フィルム用導電粒子として用いる場合には、d50の数値を1〜20μmとすることが望ましい。この粒径が1μm未満であると、異方導電接続された時に、TCPやFPC、PWBなどの回路基板に形成されている微細配線の高さばらつきを緩衝できず接触が不安定となり、接続信頼性が低下する。一方、d50が20μmを超えると、配線間隔が数十μmといった狭ピッチの微細配線の接続において、絶縁性が低下し、安定した接続信頼性が確保できない可能性がある。よって、本発明の球状NiP微小粒子は、特に異方性導電フィルム用の導電粒子として最適にするためには、d50の値は1〜70μmとする。1〜20μmが好ましく、更には1〜10μmを好ましいとするが、この粒径は異方性導電フィルムにより接続される配線間隔および電極の形状に合わせて任意に選定することが望ましい。
そして、本発明の還元析出型球状NiP微小粒子においては、d50を上記の1μm以上、更には5μm以上の大径側に調整して、かつその時の粒子サイズのばらつき抑制効果に優れるのは、Cuを単独含有させたときである。本発明の還元析出型球状NiP微小粒子は、その成分組成に上記のCuを含むことで、特に平均粒径d50が1〜70μmの大径側での該粒度分布調整に有利である。
次に、本発明の球状NiP微小粒子を、FPCあるいはガラス基板等の回路配線を形成する材料として用いる場合であっても、その平均粒径d50は用途に合わせて任意に選定するが、0.1〜10μmとすることが望ましい。d50が10μmを超えると、微細な配線間隔に適用できない場合があり、また回路配線を形成する時の焼結温度が上昇して、基板へダメージを与える懸念がある。一方、d50が0.1μm未満であると、粒子の取り扱いが非常に困難となるばかりでなく、粒子自体が高価であることから、量産への対応が難しくなる。
次に、本発明の還元析出型球状NiP微小粒子は、均一な粒度分布を呈しているところにも特徴がある。粒度分布が[(d90−d10)/d50]>0.8の場合には(d90、d10:積算分布曲線において、90体積%、10体積%を示す粒径)、例えば異方性導電接続された際に、導通に関与する粒子が少なくなるため、接続信頼性が低くなる可能性がある。よって、この式で与えられる粒度分布はできるだけ小さい値を取ることが望ましいが、この値を小さくするための分級処理等には多大なコストを要するため、粒度分布の[(d90−d10)/d50]は0.8以下であることが好ましい。より好ましくは、0.7以下である。
本発明の球状NiP微小粒子の、好ましい製造方法について説明する。先ず、本発明者は、特許文献1において、ニッケル塩水溶液とPを含む還元剤水溶液とを混合して還元析出させることで、Niを主体にPを含む球状NiP微小粒子を製造する、すなわち無電解還元法を提案した。この還元析出の基本原理は、本発明の球状NiP微小粒子の製造にも利用することができるが、この場合、本発明で重要となるのは、そのニッケル塩水溶液中にCuイオンを添加することである。つまり、還元剤の酸化反応によって放出された自由電子により、Niイオンが還元されると共にCuが還元析出して、粒子サイズのばらつきの小さいCuを含んだNiP微小粒子を得ることが可能となる。
上記の反応メカニズムについて詳細に説明する。本発明の採用する無電解還元法では、ニッケル塩の水溶液とリンを含む還元剤水溶液とを混合した直後の、反応の初期過程において、先ず、リンを含む還元剤、すなわちホスフィン酸の酸化反応が起こる。その酸化反応の進行に伴い、溶液内に生成されたホスホン酸イオンが蓄積され、その限界濃度に達すると、ホスホン酸イオンと遊離Niイオンとが結合して、球状NiP微小粒子の核となるホスホン酸ニッケルを生成する。そして、上記の核の表面、すなわちNi表面においてホスフィン酸イオンは触媒活性を示し、反応の素過程である水素の脱離反応を経て酸化反応を起こす。その酸化反応の際に放出された自由電子により、Ni、Cuの金属イオンが連続して還元析出し、目標とする球状NiP微小粒子を形成する。
ところで、一般的な無電解Ni−Pめっきにおいては、被めっき物以外にめっき皮膜が析出したり、めっき液の自然分解の防止のために、チオ尿素などの硫黄化合物、あるいはPb、Bi、Tl、Sbなどの重金属イオンなどが安定剤として用いられている。上記の安定剤は、めっき液の自然分解の原因となる沈殿物に、Niよりも優先して吸着し、触媒毒として作用するものである。そして、Cuは、上記の重金属に次いで、触媒活性を低下させる元素として知られている。本発明の球状NiP微小粒子を製造するにおいては、ニッケル塩の水溶液に、Cuを添加することによって、無電解還元法の反応途中過程において、その触媒毒の作用により、後発のホスホン酸ニッケルの生成が抑制できているものと判断している。そして、この結果としては、本発明の製造方法によって得られた球状NiP微小粒子の、その断面における成分分布を分析したところ、その中心部にはCuイオンが濃密に分布していることを確認している(後述する図3〜6のFE−SEM(電界放出型走査電子顕微鏡)像の通り)。
更に加えては、上記の作用において、特に粒子サイズのばらつき抑制に適当な条件としては、前記ニッケル塩の水溶液に、モル比にて、Ni/Cu=4.0〜10000となるようCuを調製添加したときを設定した。Ni/Cu比が低くなると、個々の粒子サイズ自体は大きく調製できる一方では、粒度分布としてのばらつきは小さくなる傾向が認められる。また、同比が高くなると、個々の粒子サイズ自体は小さく調製できる一方では、やはり粒度分布としてのばらつきは小さくなる傾向が認められる。上記のモル比においては、Ni/Cu=約4.56に調製したニッケル塩の水溶液を使用した時の還元析出反応が100%完遂すれば、得られた球状NiP微小粒子に含まれる理論Cu量は、同P含有量が約7質量%の時で、18質量%である。また、Ni/Cu=約9999に調製したニッケル塩の水溶液を使用した時の還元析出反応が100%完遂すれば、得られた球状NiP微小粒子に含まれる理論Cu量は、同P含有量が約7質量%の時で、0.01質量%である。
そして、これらの方法において、もう一つ重要となるのが、還元析出を開始させる時のpHの調製である。これが7超のアルカリ性になるように調製することで、析出反応を速やかに進行させ、Cuを含んだNiP微小粒子を効率良く得ることが可能となる。また、この作用効果に併せては、本微小粒子の反応初期にあたる中心部のP濃度を低くすることをも可能とする(同図3〜6の通り)。これについては、本微小粒子の導電性および硬度を向上させるためには有利な手法として、特許文献1でも説明している。
なお、上記の手法によって提供される、本発明のCuを含む還元析出型NiP微小粒子であっても、特許文献1に同様、それは更なる硬度付与のための加熱処理や、および/または、接続抵抗を低くするためのAu等の表面被覆処理を施してもよい。
(実施例1)
硫酸ニッケル六水和物と硫酸銅五水和物とを、NiとCuのモル比がNi/Cu=239となるよう調製して、純水に溶解し、金属塩水溶液を15(dm)作製した。次に、酢酸ナトリウムを純水に溶解して、1.0(kmol/m)の濃度とし、更に水酸化ナトリウムを加えてpH調製水溶液を15(dm)作製した。そして、上記の金属塩水溶液とpH調製水溶液を撹拌混合し、30(dm)の混合水溶液とし、pHを測定すると8.1の値を示した。そして、上記の混合水溶液をNガスでバブリングしながら外部ヒーターにより343(K)に加熱保持し、撹拌を続けた。
次に、純水に1.8(kmol/m)の濃度でホスフィン酸ナトリウムを溶解した還元剤水溶液を15(dm)作製し、こちらも外部ヒーターによって343(K)に加熱した。そして、上記、30(dm)の混合水溶液と15(dm)の還元剤水溶液を、温度が343±1(K)となるように調製した後に混合し、無電解還元法によって微小粒子を得た。
上記のようにして得られた微小粒子を乾燥させた後、レーザー回折散乱法による粒度分布計で粒子サイズを測定した。平均粒径d50の値は3.7μmで、d90とd10はそれぞれ、5.3μmと2.8μmあり、[(d90−d10)/d50]の式で与えられる粒度分布は0.68であった。粒子の形状をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察した結果は図1の通りであり、単分散の球形状であることが確認された。そして、微小粒子の成分組成を分析した結果は、下記の表1に示す通り、Cuが0.40質量%含まれたNiP微小粒子であった。
(実施例2)
硫酸ニッケル六水和物と硫酸銅五水和物との割合を、NiとCuのモル比がNi/Cu=5となるように調製し、金属塩水溶液、pH調製水溶液と還元剤水溶液の液量を、それぞれ0.25(dm)とした以外は、実施例1と同様にして、無電解還元法により微小粒子を作製した。なお、混合水溶液のpHは9.0であった。
そして、レーザー回折散乱法により、粒径の分布を確認したところ、平均粒径d50値が8.9μm、[(d90−d10)/d50]値が0.58であり、図2のSEM写真に示す球状NiP微小粒子を得た。また、粒子の断面観察試料を作製し、FE−SEM(電界放出型走査電子顕微鏡)により各元素の分布を観察したところ、図3〜6の通り、粒子中心から外側に向かって約2/3より内側に、Cuが濃密に分布していることが確認された。なお、成分組成の分析結果は、表1に示す通りの、Cuが14.36質量%であることが確認された。
(実施例3)
硫酸ニッケル六水和物と硫酸銅五水和物の割合を、モル比にてNi/Cu=39となるように調製し、そして、pH緩衝剤を酢酸ナトリウムとマレイン酸二ナトリウムとし、それぞれの濃度を0.65(kmol/m)、0.175(kmol/m)に変更してpH調製水溶液を調製した以外は、実施例1と同様にして、無電解還元法により微小粒子を製造した。なお、混合水溶液のpHは8.2であった。
得られた微小粒子の粒径を、レーザー回折散乱法の粒度分布計により測定した結果、平均粒径d50値は67.1μmで、[(d90−d10)/d50]値は0.51であった。また、上記の微小粒子をSEMにより観察した結果は図7の通りであり、単分散の球形状であることが確認された。なお、成分組成の分析結果は、表1に示す通りの、Cuが2.750質量%であることが確認された。
(実施例4)
特許文献1に従い、Cuを添加しないニッケル塩水溶液と、水酸化ナトリウム0.9(kmol/m)および酢酸ナトリウム1.0(kmol/m)の混合水溶液を、それぞれ0.25(dm)作製し、外部から加熱しながら撹拌を行ない、2液を混合して混合水溶液とし、Nガスを流してバブリングを行なって、混合水溶液の温度が343±1(K)となるように調製した。
一方で、純水に1.8(kmol/m)の濃度でホスフィン酸ナトリウムを溶解した還元剤水溶液を0.25(dm)作製し、こちらも外部ヒーターによって343(K)に加熱し、実施例1と同様な方法により、球状NiP微小粒子を得た。レーザー回折散乱法により、粒度分布を確認したところ平均粒径d50値が2.9μm、[(d90−d10)/d50]値は0.76であった。そして、表1の成分組成の分析結果から、Cuは不純物のレベル(0.001質量%未満)でしか確認されなかった。
均一な粒子サイズを有する本発明の球状NiP微小粒子は、異方性導電フィルム用の導電粒子の他には、同様な特性を必要とする異方性導電ペーストやヒートシールコネクタなどの、導電粒子としても適用できる。

Claims (4)

  1. Niを主体にPを含む成分組成からなる球状NiP微小粒子において、その成分組成には0.01〜18質量%のCuを含み、平均粒径d50が1〜70μmであり、かつその粒度分布が[(d90−d10)/d50]≦0.8(d90、d10、d50:積算分布曲線において、90体積%、10体積%、50体積%を示す粒子径)であることを特徴とする還元析出型球状NiP微小粒子。
  2. Niを主体に1〜15質量%のPを含む成分組成からなることを特徴とする請求項1に記載の還元析出型球状NiP微小粒子。
  3. ニッケル塩の水溶液と、pH調製剤およびpH緩衝剤の混合水溶液と、リンを含む還元剤水溶液とを混合して還元析出させて、Niを主体にPを含む球状NiP微小粒子を製造する方法であり、請求項1または2に記載の還元析出型球状NiP微小粒子を製造する方法であって、前記ニッケル塩の水溶液はCuを含み、混合して還元析出を開始させる時のpHが7超のアルカリ性となるように調製することを特徴とする還元析出型球状NiP微小粒子の製造方法。
  4. 前記ニッケル塩の水溶液は、モル比にて、Ni/Cu=4.0〜10000となるCuを含むことを特徴とする請求項に記載の還元析出型球状NiP微小粒子の製造方法。
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