JP2008068794A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】室内温度と設定温度と偏差に基づいて室温調整手段の作動を制御する車両用空調装置の空調フィーリングを適切に向上させる。
【解決手段】室内温度Trと設定温度Tsetとの偏差Enが予め定めた第1基準値Es1以上になったとき、および、偏差Enが予め定めた第3基準値Es3以下になったときに、室温調整手段を比例積分制御するための積分値を補正する制御定数Tを基準制御定数Tsに対して拡大する。これにより、室内温度Trと設定温度Tsetとの乖離が大きくなったときに、室温調整手段による室温調整度合を拡大できるので、空調フィーリングを適切に向上させることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両用空調装置に関する。
従来、特許文献1に、実際の室内温度と乗員が設定した車室内の目標温度(設定温度)との偏差に応じて、空調制御機器の制御定数を変更させる車両用空調装置が開示されている。この特許文献1の車両用空調装置では、例えば、急速に車室内温度を低下させるクールダウン時および急速に車室内温度を上昇させるウォームアップ時に室温調整手段を制御する制御定数を変更して、乗員の空調フィーリングを向上させている。
特開昭61−163012号公報
しかし、特許文献1では、例えば、室温調整手段の1つであるエアミックスドアの作動を制御するための制御定数を適切な値に変更することで、クールダウン時およびウォームアップ時の制御特性を最適化できることのみが記載されており、制御定数をどのように変更するかについての具体的内容については、開示されていない(特許文献1の第3頁、右下段落参照)。
本発明は、上記点に鑑み、室内温度と設定温度と偏差に基づいて室温調整手段の作動を制御する車両用空調装置の空調フィーリングを適切に向上させることを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明では、室内の実際の温度を検出する温度検出手段(32)と、室内の目標温度を設定する温度設定手段(36)と、室内の温度を調整する室温調整手段(8、17)と、積分要素を含む演算によって室温調整手段(8、17)の作動を制御する室温制御手段(S6)と、演算における積分値(SEn)の補正に用いられる制御定数(T)を決定する制御定数決定手段(S5)とを備え、制御定数決定手段(S5)は、温度検出手段(32)によって検出された室内温度(Tr)から温度設定手段(36)によって設定された設定温度(Tset)を減算した偏差(En)の絶対値が予め定めた基準値以上になったとき、制御定数(T)を予め定めた基準制御定数(Ts)に対して変化させるようになっている車両用空調装置を特徴とする。
これによれば、偏差(En)の絶対値が予め定めた基準値以上なったとき、制御定数(T)を予め定めた基準制御定数(Ts)に対して変化させるようになっているので、室内温度(Tr)と設定温度(Tset)との乖離が大きくなったときに、積分要素を含む演算における積分値(SEn)を補正して室温調整手段(8、17)による室内温度の調整度合を変更できる。
つまり、例えば、偏差(En)が予め定めた基準値以上になったときは、室温調整手段(8、17)による室内温度の低下度合を増加させることができる。さらに、偏差(En)が予め定めた基準値以下になったときは、室温調整手段(8、17)による室内温度の上昇度合を増加させることができる。その結果、空調フィーリングを適切に向上させることができる。
また、上記特徴の車両用空調装置において、室温制御手段(S6)は、積分値(SEn)に制御定数(T)を乗算して、積分値(SEn)を補正するようになっていてもよい。これによれば、制御定数(T)を変化させることで、容易に積分値(SEn)を変化させることができるので、容易に空調フィーリングを向上させることができる。
また、上述の特徴の車両用空調装置において、室温調整手段(8)として、例えば、送風機を採用して、室内に送風される空気の送風量を調整するようにしてもよい。さらに、室温調整手段(17)として、例えば、エアミックスドアを採用して、室内に送風される空気の温度を調整するようにしてもよい。
また、上述の特徴の車両用空調装置において、具体的に、制御定数決定手段(S5)は、偏差(En)が予め定めた第1基準値(Es1)以上になってから、偏差(En)が予め定めた第2基準値(Es2)以下になるまで、制御定数(T)を基準制御定数(Ts)よりも大きい値に決定するようになっていてもよい。
これによれば、例えば、室内の急速冷房が要求されるクールダウン時等のように、偏差(En)が第1基準値(Es1)以上になった場合に、室温調整手段(8、17)による室内温度の低下度合を増加させることができる。
さらに、偏差(En)が第2基準値(Es2)以下になった場合は、上記の増加させた低下度合を基準制御定数(Ts)による基準的な低下度合に戻すことができる。その結果、必要に応じて室内温度の低下度合を増加させることができ、より一層、空調フィーリングを適切に向上させることができる。
また、上述の特徴の車両用空調装置において、具体的に、制御定数決定手段(S5)は、偏差(En)が予め定めた第3基準値(Es3)以下になってから、偏差(En)が予め定めた第4基準値(Es4)以上になるまで、制御定数(T)を基準制御定数(Ts)よりも大きい値に決定するようになっていてもよい。
これによれば、例えば、室内の急速暖房が要求されるウォームアップ時等のように、偏差(En)が第3基準値(Es3)以上になった場合に、室温調整手段(8、17)による室内温度の上昇度合を増加させることができる。
さらに、偏差(En)が第4基準値(Es4)以上になった場合は、上記の増加させた上昇度合を基準制御定数(Ts)による基準的な上昇度合に戻すことができる。その結果、必要に応じて室内温度の上昇度合を増加させることができ、より一層、空調フィーリングを適切に向上させることができる。
また、上述の特徴の車両用空調装置において、制御定数決定手段(S5)は、偏差(En)の絶対値の縮小にともなって、制御定数(T)と基準制御定数(Ts)との差を縮小させるようになっていてもよい。これによれば、偏差(En)の絶対値の縮小にともなって、室温調整手段(8、17)による室内温度の調整度合も縮小できるので、室温調整手段(8、17)の作動の急変動を抑制することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、図1〜7より、本発明の一実施形態を説明する。図1は本実施形態の車両用空調装置の全体構成図を示すもので、この車両用空調装置は油圧ショベルカー等の建設機械(建機)車両に適用されている。
まず、本実施形態の車両用空調装置は、乗員が着座するシート(図示せず)の後方下側部位、すなわちシート後方の床上に配置された空調ユニット1を備えている。この空調ユニット1は、その外殻を形成する樹脂製(例えば、ポリプロピレン製)のケース2を有し、ケース2の内部には、車室内へ向かって空気が流れる空気通路が形成される。
ケース2の空気通路の空気流れ最上流部には、内外気切替箱5が配置されている。この内外気切替箱5は、内気(車室内空気)を導入する内気導入口3および外気(車室外空気)を導入する外気導入口4を有し、その内部には内外気切替手段である内外気切替ドア6が回転自在に配置されている。
内外気切替ドア6はサーボモータ7によって駆動されるようになっており、内気導入口3より内気を導入する内気モード、外気導入口4より外気を導入する外気モード、および、内気と外気を同時に導入する内外気モードとを切り替えるものである。なお、サーボモータ7は、後述する空調制御装置30の制御信号によって駆動制御される。
内外気切替箱5の下流側には、車室内に向かって空気を送風する送風機8が配置されている。本実施形態では、送風機8として、遠心式の送風ファン8aを電動モータ8bにより回転駆動する電動式送風機を採用している。
電動モータ8bは後述する空調制御装置30から出力される制御電圧によって回転数制御され、この回転数制御によって車室内に向かって送風される送風空気量が調整される。従って、送風機8は、車室内の温度を調整する室温調整手段を構成する。
送風機8の下流側には、送風空気を冷却する冷却用熱交換器をなす蒸発器9が配置されている。この蒸発器9は、冷凍サイクル10を構成する要素の一つであり、蒸発器9に流入した低圧の冷媒が、送風機8によって送風された送風空気から吸熱して蒸発することで、送風空気を冷却するようになっている。
ここで、冷凍サイクル10について説明すると、この冷凍サイクル10は、蒸発器9、圧縮機11、凝縮器12、気液分離器13、膨張弁14等を有して構成される。
まず、圧縮機11は、冷凍サイクル10において、冷媒を吸入し、圧縮して吐出するもので、本実施形態では、周知の固定容量型圧縮機を採用している。圧縮機11には、電磁クラッチ11aおよびベルトVを介して車両走行用エンジンEから駆動力が伝達される。
また、この圧縮機11は、電磁クラッチ11aへの通電を断続させることにより、冷媒吐出能力が調整される。具体的には、電磁クラッチ11aへの通電を断続制御することによって、圧縮機11の作動時間と非作動時間の比率(稼働率)を変更して、圧縮機11の冷媒吐出能力を調整している。
なお、電磁クラッチ11aは、後述する空調制御装置30から出力される制御電圧によって断続制御される。
圧縮機11の冷媒吐出口には、凝縮器12が接続されている。凝縮器12は、圧縮機11から吐出された冷媒と送風ファン12aによって送風された外気とを熱交換させて、冷媒を冷却する放熱器である。なお、送風ファン12aは、電動モータ12bにより回転駆動され、電動モータ12bは後述する空調制御装置30から出力される制御電圧によって回転数制御される。
凝縮器12から流出した冷媒は、冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して余剰冷媒を貯える気液分離器13(レシーバ)に流入する。気液分離器13の液相冷媒出口側には、膨張弁14が接続されている。
膨張弁14は、気液分離器13で分離された液相冷媒を減圧膨張させるもので、本実施形態では、圧縮機11に吸入される冷媒の過熱度が所定値となるように絞り開度を制御する温度式膨張弁を採用している。
減圧膨張された冷媒は蒸発器9に流入して蒸発した後、再び圧縮機11に流入する。このように、本実施形態では、圧縮機11→凝縮器12→気液分離器13→膨張弁14→蒸発器9→圧縮機11の順で冷媒が循環する冷凍サイクルが構成されている。
一方、室内空調ユニット1において、蒸発器9の下流側には、ケース2内を流れる空気を加熱するヒータコア15が配置されている。このヒータコア15は、車両走行用エンジンEを冷却する冷却水を熱源として、蒸発器9通過後の空気(冷風)を再加熱する加熱用熱交換器である。なお、図示の都合上、図1では、エンジン冷却水回路を図示していない。
また、ヒータコア15の側方には、冷風バイパス通路16が形成されている。この冷風バイパス通路16は、蒸発器9通過後の冷風がヒータコア15を迂回して流れる通路を冷風形成する。
さらに、蒸発器9とヒータコア15との間には、エアミックスドア17が回転自在に配置されている。このエアミックスドア17はサーボモータ18により駆動されて、その回転位置(開度)が連続的に調整可能に構成されている。なお、サーボモータ18は、後述する空調制御装置30の制御信号によって駆動制御される。
そして、このエアミックスドア17の開度により、ヒータコア15を通過する空気量(温風量)とバイパス通路16を通過してヒータコア15をバイパスする空気量(冷風量)との割合が調節されて、車室内に吹き出す空気の温度が調整される。従って、エアミックスドア17は、室内の温度を調整する室温調整手段を構成する。
ケース2の空気通路の最下流部には、車両の前面窓ガラスに向けて空調風を吹き出すためのデフロスタ吹出口19、乗員の顔部に向けて空調風を吹き出すためのフェイス吹出口20、および乗員の足元部に向けて空調風を吹き出すためのフット吹出口21の計3種類の吹出口が設けられている。
これら吹出口19〜21の上流部にはデフロスタドア22、フェイスドア23およびフットドア24が回転自在に配置されている。これらの吹出口用ドア22〜24は、図示しないリンク機構を介して共通のサーボモータ25によって開閉操作される。このサーボモータ25も空調制御装置30の制御信号によって駆動制御される。
次に、本実施形態の電気制御部の概要を説明すると、空調制御装置30は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。この空調制御装置30は、そのROM内に空調装置制御用のプログラムを記憶しており、このプログラムに基づいて各種演算、処理を行う。
空調制御装置30の入力側には空調用センサ群からセンサ検出信号が入力され、また、車室内前部の計器盤付近に配置される空調操作パネル33に設けられた各種空調操作スイッチ34〜36から操作信号が入力される。
空調用センサ群としては、具体的には、蒸発器9の空気吹出部に配置されて蒸発器吹出空気温度Teを検出する蒸発器温度センサ31、車室内の実際の温度を検出する温度検出手段をなす内気温センサ32等が設けられる。
空調操作パネル33には各種空調操作スイッチとして、圧縮機11の作動指令信号を出すエアコンスイッチ34、空調自動制御状態の指令信号を出すオートスイッチ35、および車室内目標温度を設定する温度設定手段をなす温度設定スイッチ36等が設けられる。
一方、空調制御装置30の出力側には、サーボモータ7、18、25、電動モータ8b、12b等が接続され、これらの機器の作動が空調制御装置30の出力信号により制御される。
次に、本実施形態において、空調制御装置30が実行する制御処理を図2のフローチャートに基づいて説明する。この制御ルーチンは、図示しない車両走行用エンジンのイグニッションスイッチの投入状態で、オートスイッチ35が投入されるとスタートする。
まず、ステップS1ではフラグ、タイマ等の初期化がなされる。具体的には、後述するクールダウン制御の設定解除、ウォームアップ制御の設定解除、基準制御定数Tsの設定(具体的には、Ts=0.05)、および、積分値SEnの初期化(具体的には、SEn=0)がなされる。
次のステップS2で空調操作パネル33の操作信号を読込む。そして、次のステップS3で、車両環境状態の信号、すなわち、空調用センサ群により検出された検出信号を読込む。
次に、ステップS4にて、内気温センサ32の検出温度である車室内温度(内気温)Trと温度設定スイッチ36によって設定された設定温度Tsetとの偏差Enを算出する。具体的には、次の数式F1により算出する。
En=Tr−Tset…(F1)
次に、ステップS5にて、制御定数Tを決定する。つまり、このステップS5は、本実施形態における制御定数決定手段である。なお、制御定数Tとは、サンプリング周期τ(本実施形態では、10秒)を予め定めた積分定数で除した値であり、室温調整手段8、17による温度調整度合が適切な調整度合になるように、後述する積分値SEnを補正するための定数である。
ここで、ステップS5の詳細については、図3のフローチャートにより説明する。まず、ステップS501にて、偏差Enが第1基準値Es1(本実施形態では、Es1=5)以上になっているか否かを判定する。ステップS501において、En≧Es1になっている場合はステップS502へ進み、En≧Es1になっていない場合はステップS503へ進む。
ステップS501にて、偏差Enが第1基準値Es1以上になっている場合は、内気温Trが設定温度Tsetに対して大幅に高くなっているものとして、ステップS502において、車室内の急速冷房を行うクールダウン制御が設定されて、ステップS504へ進む。
ステップS504では、制御定数Tが次の数式F2により決定されてステップS6へ進む。
T=Ts+0.05×(En−1)/4…(F2)
ここで、上記のクールダウン制御が設定されると、制御定数Tは、基準制御定数Tsよりも大きい値に決定される。
具体的には、後述するステップS503、S505で説明するように、クールダウン制御の設定中においては、偏差Enは必ず第2基準値Es2より大きい値となるので、ステップS504で決定される制御定数Tは、基準制御定数Tsよりも大きい値になる。さらに、数式F2では、偏差Enの絶対値の縮小にともなって、制御定数Tと基準制御定数Tsとの差も縮小される。
次に、ステップS503では、偏差Enが第2基準値Es2(本実施形態では、Es2=1)以下になっているか否かが判定される。ステップS503において、En≦Es2になっている場合はステップS505へ進み、En≦Es2になっていない場合はステップS506へ進む。
ステップS503にて、偏差Enが第2基準値Es2以下になっている場合は、内気温Trと設定温度Tsetとの差の絶対値が小さくなったものとして、ステップS505にてクールダウン制御が強制的に解除されて、ステップS507へ進む。
一方、ステップS503にて、En≦Es2になっていない場合は、ステップS506において、クールダウン制御が設定されているか否かが判定される。そして、クールダウン制御が設定されていれば、ステップS504へ進み、上述の数式F2によって、制御定数Tが決定されて、ステップS6へ進む。
また、ステップS506において、クールダウン制御が設定されていなければ、ステップS513へ進み、制御定数Tが基準制御定数Tsに決定されて、ステップS6へ進む。
次に、ステップS507では、偏差Enが第3基準値Es3(本実施形態では、Es3=−5)以下になっているか否かが判定される。ステップS507において、En≦Es3になっている場合はステップS508へ進み、En≦Es3になっていない場合はステップS509へ進む。
ステップS507にて、偏差Enが第3基準値Es3以下になっている場合は、内気温Trが設定温度Tsetに対して大幅に低くなっているものとして、ステップS508において、車室内の急速暖房を行うウォームアップ制御が設定されて、ステップS510へ進む。
ステップS510では、制御定数Tが次の数式F3により決定されてステップS6へ進む。
T=Ts+0.05×(En+1)/−4…(F3)
ここで、上記のウォームアップ制御が設定されると、制御定数Tは、基準制御定数Tsよりも大きい値に決定される。
具体的には、後述するステップS509、S511で説明するように、ウォームアップ制御の設定中においては、偏差Enは必ず第4基準値Es4より小さい値となるので、ステップS510で決定される制御定数Tは、基準制御定数Tsよりも大きい値になる。さらに、数式F3では、偏差Enの絶対値の縮小にともなって、制御定数Tと基準制御定数Tsとの差も縮小される。
次に、ステップS509では、偏差Enが第4基準値Es4(本実施形態では、Es4=−1)以上になっているか否かが判定される。ステップS509において、En≧Es4になっている場合はステップS511へ進み、En≧Es4になっていない場合はステップS512へ進む。
ステップS509にて、偏差Enが第4基準値Es4以上になっている場合は、内気温Trと設定温度Tsetとの差の絶対値が小さくなったものとして、ステップS511にてウォームアップ制御が強制的に解除されて、ステップS513へ進む。ステップS513では、制御定数Tを基準制御定数Tsとして、ステップS6へ進む。
一方、ステップS509にて、En≧Es4になっていない場合は、ステップS512において、ウォームアップ制御が設定されているか否かが判定される。そして、ウォームアップ制御が設定されていれば、ステップS510へ進み、上述の数式F3によって、制御定数Tが決定されて、ステップS6へ進む。
また、ステップS512において、ウォームアップ制御が設定されてなければ、ステップS513へ進み、制御定数Tが基準制御定数Tsに決定されて、ステップS6へ進む。
上記の如く、制御定数Tが決定されると、図2に示すように、ステップS6へ進み、各空調制御機器(室温調整手段)8、17の制御がなされる。ここで、ステップS6の詳細については、図4のフローチャートにより説明する。
まず、ステップS601にて、次の数式F4により制御値Yを演算する。この制御値Yは、室温調整手段8、17を制御するための実際の出力信号をマップから読み出す際に用いる値である。
Y=T×(SEn+En)+En…(F4)
ここで、SEnは、サンプリング周期毎に偏差Enを毎回加算した積分値である。
また、制御定数Tは、数式F4に示すように、積分値SEnの補正に用いられる定数としての役割を担い、偏差Enが大きい場合は制御値Yを大きい値としやすく、偏差Enが小さい場合は制御値Yを小さい値としやすくなっている。
次に、ステップS602にて、送風機8により送風される空気の送風量を決定する。具体的には制御値Yに基づいて、予め空調制御装置30に記憶された図5に示す制御マップを参照して決定する。本実施形態では、図5に示すように、制御値Yが0〜−2の領域では送風量を低下させ、制御値Yが0より増加するに従って風量を増加させ、さらに、制御値Yが−2よりも低下するに従って風量を増加させるようになっている。
次に、ステップS603にて、エアミックスドアの開度を決定する。具体的には制御値Yに基づいて、予め空調制御装置30に記憶された図6に示す制御マップを参照して決定する。本実施形態では、図6に示すように、制御値Yの低下にともなって、ヒータコア15をバイパスする空気量(冷風量)を最大とする最大冷房側から、ヒータコア15を通過する空気量(温風量)を最大とする最大暖房側へ徐々に変化させるようになっている。
次に、ステップS604にて、ステップS602、S603で決定された制御状態が得られるように、空調制御装置30より室温調整手段8、17の駆動装置8b、18に対して出力信号が出力される。
次に、ステップS605にて、次の数式F5に示すように、積分値SEnに偏差Enが加算(積分演算)される。
SEn=SEn+En…(F5)
そして、図1のステップS7へ進む。
従って、ステップS6は、数式F5に示される積分要素を含む演算によって(より具体的には、比例積分制御(PI制御)によって)、室温調整手段である送風機8、エアミックスドア17の作動を制御する室温制御手段を構成する。
次に、図1のステップS7にて、サンプリング周期τの間待機し、サンプリング周期τの経過を判定するとステップS2に戻るようになっている。
本実施形態の車両用空調装置では、上記の制御を行うので、内気温Trと設定温度Tsetとの偏差Enの絶対値が縮小されるように、室温調整手段8、17の作動が制御される。その結果、例えば、日射センサや外気温センサ等を設けることなく、車室内温度(内気温)Trを設定温度Tsetに近づけることができるので、車両用空調装置の低コスト化が図れる。
さらに、積分値SEnに制御定数Tを乗算することで積分値SEnを補正するので、建設機械車両等のように、乗員の乗降するドアが頻繁に開閉されやすく、車室内の急速冷暖房が要求される頻度の高い車両では、空調フィーリングを適切かつ確実に向上させることができる。
より詳細には、偏差Enが第1基準値Es1以上になってから、第2基準値Es2以下になるまで、制御定数Tを基準制御定数Tsよりも大きい値に決定するので、車室内の急速冷房が要求されるクールダウン時には、室温調整手段8、17による室内温度の低下度合を増加させることができる。
また、偏差Enが第3基準値Es3以下になってから、第4基準値Es4以上になるまで、制御定数Tを基準制御定数Tsよりも大きい値に決定するので、車室内の急速暖房が要求されるウォームアップ時には、室温調整手段8、17による室内温度の上昇度合を増加させることができる。その結果、空調フィーリングを適切に向上させることができる。
さらに、数式F2、F3に示すように、偏差Enの絶対値の縮小にともなって、制御定数Tと基準制御定数Tsとの差が縮小するように制御定数Tが決定されるので、室温調整手段8、17の作動の急変動を抑制することもできる。
ここで、本実施形態の車両用空調装置による空調フィーリング向上効果を、図7により、具体的に説明する。図7の実線は、本実施形態の車両用空調装置によるクールダウン時の内気温Trの経時的変化を示し、破線は、制御定数Tを変化させることなく基準制御定数Tsにて室温調整手段8、17を制御する車両用空調装置(以下、比較例空調装置という。)によるクールダウン時の内気温Trの経時的変化を示す。
図7に示すように、本実施形態の車両用空調装置では、クールダウンに要する時間(クールダウン時間)Tc1が、比較例空調装置のクールダウン時間Tc2に対して、縮小している。このことは、本実施形態の車両用空調装置によれば、クールダウン時に急速に車室内を冷房できることを意味している。
また、本実施形態の車両用空調装置では、設定温度Tsetよりも内気温Trが低くなるオーバーシュート量Os1が、比較例空調装置のオーバーシュート量Os2に対して、拡大している。一般的に、クールダウン時は乗員の体温も上昇しているので、このように適度なオーバーシュート量の拡大は、より一層、空調フィーリングを向上させる。
なお、図7では、クールダウン時の空調フィーリング向上効果を示しているが、もちろん、ウォームアップ時にも同様の効果を得ることができる。
(その他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、建機用車両に本発明の車両用空調装置を適用した例を説明したが、本発明の車両用空調装置の適用はこれに限定されない。例えば、トラクター等の農業用車両や、バス車両および普通車両に適用してもよい。
(2)上述の実施形態では、空調フィーリングを向上させるために、オーバーシュート量を拡大させているが、このオーバーシュート量は、車両用空調装置が適用される車両に応じて適切に調整することができる。具体的には、上述の数式F2、F3における偏差Enの係数を変更して、オーバーシュート量を調整してもよい。
(3)上述の実施形態では、ステップS6において制御値Yに基づいて送風機8およびエアミックスドア17の作動を制御しているが、さらに、この制御値Yに基づいて内外気切替ドア6の作動および吹出口用ドア22〜24の作動を制御してもよい。
(4)上述の実施形態では、圧縮機11の制御についての説明を省略しているが、空調制御装置30が、室温調整手段8、17に加えて、圧縮機11の作動を制御してもよい。具体的には、蒸発器吹出空気温度Teが予め定めた温度範囲になるように、空調制御装置30が電磁クラッチ11aを断続制御してもよい。
さらに、上述の実施形態では、固定容量型圧縮機を採用しているが、可変容量型圧縮機を採用し、吐出容量の変化させることで冷媒吐出能力を調整してもよい。また、電動圧縮機を採用し、電動モータの回転数を調整することで冷媒吐出能力を調整してもよい。
一実施形態の車両用空調装置の全体構成図である。 一実施形態の空調制御装置の制御を示すフローチャートである。 一実施形態の空調制御装置の制御の要部を示すフローチャートである。 一実施形態の空調制御装置の制御の別の要部を示すフローチャートである。 一実施形態の送風機の送風量を決定するための制御特性図である。 一実施形態のエアミックスドアの開度を決定するための制御特性図である。 一実施形態の車両用空調装置による内気温Trの変化を示すグラフである。
符号の説明
8…送風機、17…エアミックスドア、32…内気温センサ、
36…温度設定スイッチ、S5…制御定数決定手段、S6…室温制御手段
En…偏差、SEn…積分値、T…制御定数、Ts…基準制御定数、
Tr…内気温、Tset…設定温度、Es1…第1基準値、Es2…第2基準値、
Es3…第3基準値、Es4…第4基準値。

Claims (7)

  1. 室内の実際の温度を検出する温度検出手段(32)と、
    前記室内の目標温度を設定する温度設定手段(36)と、
    前記室内の温度を調整する室温調整手段(8、17)と、
    積分要素を含む演算によって前記室温調整手段(8、17)の作動を制御する室温制御手段(S6)と、
    前記演算における積分値(SEn)の補正に用いられる制御定数(T)を決定する制御定数決定手段(S5)とを備え、
    前記制御定数決定手段(S5)は、前記温度検出手段(32)によって検出された室内温度(Tr)から前記温度設定手段(36)によって設定された設定温度(Tset)を減算した偏差(En)の絶対値が予め定めた基準値以上になったとき、前記制御定数(T)を予め定めた基準制御定数(Ts)に対して変化させるようになっていることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記室温制御手段(S6)は、前記積分値(SEn)に前記制御定数(T)を乗算して、前記積分値(SEn)を補正するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記室温調整手段(8)は、前記室内に送風される空気の送風量を調整するようになっていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記室温調整手段(17)は、前記室内に送風される空気の温度を調整するようになっていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  5. 前記制御定数決定手段(S5)は、前記偏差(En)が予め定めた第1基準値(Es1)以上になってから、前記偏差(En)が予め定めた第2基準値(Es2)以下になるまで、前記制御定数(T)を前記基準制御定数(Ts)よりも大きい値に決定するようになっていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  6. 前記制御定数決定手段(S5)は、前記偏差(En)が予め定めた第3基準値(Es3)以下になってから、前記偏差(En)が予め定めた第4基準値(Es4)以上になるまで、前記制御定数(T)を前記基準制御定数(Ts)よりも大きい値に決定するようになっていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  7. 前記制御定数決定手段(S5)は、前記偏差(En)の絶対値の縮小にともなって、前記制御定数(T)と前記基準制御定数(Ts)との差を縮小させるようになっていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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