JP2008056078A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】空調に係る環境条件が変化した場合であっても乗員が不快を感じ難い空調状態制御を行なうことが可能な車両用空調装置を提供すること。
【解決手段】空調制御装置の記憶手段では、外気温度TAMおよび日射量TSを軸とする2次元のマップ60上に区画した複数の領域61を形成し、形成した領域61毎の中心点62に対応した値として制御用設定温度TSETcを記憶している。そして、制御手段が空調制御を行うときには、外気温度TAMおよび日射量TSの検出点63が検出領域61Aの中心点62aと一致しない場合には、検出領域61Aおよび隣接領域61B〜61Dの中心点62a〜62dに対応した制御用設定温度TSETcに基づいて検出点63に対応する制御用設定温度TSETcを補間算出して用いる。
【選択図】図7

Description

本発明は、乗員の好みの設定温度を学習して空調制御に反映する車両用空調装置に関する。
従来技術として、下記特許文献1に開示された車両用空調装置がある。この車両用空調装置では、内気温度、外気温度、日射量からなる3つの環境条件をそれぞれ所定の範囲に区切って複数の領域を設定した3次元のマップを用意し、領域毎に設定温度を記憶するとともに、乗員による設定温度の手動操作があれば、操作時点の環境条件に対応した領域に記憶されている設定温度を変更後の設定温度に補正して記憶し、乗員の好みの設定温度を学習するようになっている。
そして、車室内の空調制御を行うときには、空調制御装置が、空調制御する時点での環境条件に対応した領域に記憶されている設定温度を用いて、車室内への空調空気の目標吹出温度等を決定し、空調状態を制御している。
特開2003−118348号公報
しかしながら、上記従来技術の車両用空調装置では、マップの各領域にそれぞれ1つの設定温度が記憶され、空調制御を行う時点での環境条件に対応する領域に記憶されている設定温度を用いて空調制御を行っている。
したがって、隣接する領域に記憶されている設定温度が異なり、空調を行っているときにこれら隣接する領域間の境界を跨ぐ環境条件の変化があった場合には、吹出温度等の空調状態が大きく変化し、設定温度を学習しているにも係らず乗員が不快を感じるという不具合を発生する場合があるという問題がある。
この不具合は、隣接する領域に記憶されている設定温度が大きく異なる場合には、一層顕著なものとなる。
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、空調に係る環境条件が変化した場合であっても、乗員が不快を感じ難い空調状態制御を行なうことが可能な車両用空調装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
乗員が希望する値に車室内の乗員設定温度を変更操作するための操作手段と、
車室内の空調に係る複数の環境条件の値をそれぞれ所定の範囲に区画して、複数の環境条件の値のそれぞれを変数とする多次元のマップ上に複数の領域を形成し、形成した領域毎にマップ上の一点を所定点として予め定め、この所定点に対応した値として制御用設定温度を記憶する記憶手段と、
複数の環境条件の検出値からなるマップ上の点を環境条件の検出点として特定する検出点特定手段と、
複数の領域のうち、特定された環境条件の検出点を含む領域を検出領域として抽出する抽出手段と、
記憶手段が記憶した制御用設定温度を用いて、車室内の空調状態を制御する制御手段とを備え、
記憶手段は、操作手段の操作により乗員設定温度が変更された場合には、変更操作時点における検出領域の所定点に対応した制御用設定温度の値を変更後の乗員設定温度の値に更新して記憶し、
制御手段は、検出点がいずれかの所定点以外の場合には、記憶手段の検出領域の所定点に記憶された制御用設定温度および検出領域の周囲の領域の所定点に記憶された制御用設定温度から補間算出した、検出点に対応する制御用設定温度に基づいて車室内の空調状態を制御することを特徴としている。
これによると、記憶手段は、車室内の空調に係る複数の環境条件の値を変数とする多次元マップ上に形成された複数の領域のそれぞれに予め所定点を定め、この所定点に対応した値として制御用設定温度を記憶する。また、乗員が乗員設定温度を変更操作したときには、変更操作時点における複数の環境条件の検出値を含む領域の所定点に対応した値を変更後の乗員設定温度の値に更新して記憶し制御用設定温度を学習する。
そして、制御手段が車室内を空調するときには、複数の環境条件の検出値(検出点)がマップ上のいずれの領域の所定点とも一致しない場合には、複数の環境条件の検出値が含まれる領域の所定点に記憶された制御用設定温度および周囲の領域の所定点に記憶された制御用設定温度から補間算出した複数の環境条件の検出値に対応した制御用設定温度に基づいて車室内の空調状態を制御することができる。
すなわち、乗員の好みを反映した制御用設定温度は、記憶手段のマップの各領域おいて予め定めた所定点に対応して記憶される。そして、車室内の空調状態制御時の環境条件検出値が所定点の値と乖離している場合であっても、複数の領域の所定点に対応して記憶された制御用設定温度から補間算出した環境条件検出値に対応した制御用設定温度を用いて車室内を空調制御することができる。
したがって、車室内を空調するときに、マップ上の隣接する領域間の境界を跨ぐ環境条件の変化があったとしても、環境条件の検出値の変化に応じて乗員の好みを反映して補間算出した制御用設定温度を用いて空調状態制御をすることができる。すなわち、所定点に記憶した制御用設定温度が異なる隣接する領域間の境界を跨ぐ環境条件の変化があったとしても、制御用設定温度は滑らかに変化して空調状態が急激に変化することがない。
このようにして、空調に係る環境条件が変化した場合であっても、乗員が不快を感じ難い空調状態制御を行なうことができる。
また、請求項2に記載の発明では、制御手段は、検出点がいずれかの所定点以外の場合には、車室内の空調状態を制御する制御処理周期毎に、検出点に対応した制御用設定温度を補間算出して、車室内の空調状態を制御することを特徴としている。
これによると、制御手段は、検出点がいずれかの所定点以外の場合には、車室内の空調状態を制御する制御処理周期毎に検出点に対応した制御用設定温度を補間算出する。したがって、記憶手段はマップ上の各領域の所定点のみに制御用設定温度を記憶すればよく、記憶手段の記憶容量の増大を抑制することができる。
また、請求項3に記載の発明では、
記憶手段は、制御手段が補間算出した制御用設定温度をマップ上に記憶し、
制御手段は、車室内の空調状態を制御するときに、記憶手段に記憶されたマップ上の検出点に対応した制御用設定温度に基づいて車室内の空調状態を制御することを特徴としている。
これによると、制御手段が車室内の空調状態を制御するときには、予め補間算出し記憶手段が記憶している制御用設定温度を用いればよい。したがって、車室内の空調状態を制御する制御処理周期毎に制御用設定温度を補間算出する必要がないので、制御手段の処理負担を低減することができる。
また、請求項4に記載の発明では、複数の環境条件は、2つの環境条件であることを特徴としている。
これによると、3つ以上の環境条件の値のそれぞれを変数とする3次元以上のマップを用いる場合より、記憶手段の記憶容量の増大を確実に抑制することができる。
また、請求項5に記載の発明では、2つの環境条件は、車室の外部の温度である外気温度および車室の内部に射し込む日射量であることを特徴としている。
乗員の設定温度の好みは、外気温度および日射量により差が出やすい。したがって、外気温度および日射量の値を変数とするマップを用いることにより、乗員が不快を感じることを容易に防止することが可能である。
また、請求項6に記載の発明では、マップ上で区画された領域の所定点は、その領域における複数の環境条件の値のそれぞれの中心値を組み合わせた中心点であることを特徴としている。
これによると、制御用設定温度の記憶に対応した所定点と空調制御を行うときの環境条件の検出点との同一領域内での乖離限界(乖離度合いの最大値)を小さくすることができる。したがって、同一領域の全域に渡って、乗員の設定温度の好みを反映した空調状態制御を精度良く行うことが容易である。
また、請求項7に記載の発明では、制御手段は、ファジー制御理論に基づいて前記補間算出を行うことを特徴としている。
これによると、簡便かつ精度良く前記所定点間の補間温度を算出することが可能である。
また、請求項8に記載の発明では、
予め登録された複数の搭乗予定者の中から車室内に搭乗した乗員を特定する乗員特定手段を備え、
記憶手段は、複数の搭乗予定者のそれぞれに対応してマップを有し、
制御手段は、乗員特定手段が特定した乗員に対応するマップの制御用設定温度を用いて、車室内の空調状態を制御することを特徴としている。
これによると、複数の搭乗予定者のいずれが乗員となったとしても、空調に係る環境条件が変化した場合に、乗員が不快を感じ難い空調状態制御を行なうことができる。
また、搭乗予定者の数だけマップを有することは記憶手段の記憶容量の増大に繋がりやすい。したがって、請求項2に記載の発明の車両用空調装置に請求項8に記載の発明を適用した複数の搭乗予定者のそれぞれについて設定温度の好みを反映した空調状態制御を行う車両用空調装置においては、記憶容量の増大を抑制できる効果は極めて大きい。
また、請求項9に記載の発明では、
制御手段が出力した温度情報を入力して温度を表示する表示手段を備え、
制御手段は、検出領域の所定点に記憶された制御用設定温度を温度情報として表示手段に出力することを特徴としている。
これによると、制御手段が空調状態制御を行なうときに、同一領域内で環境条件の検出点が変化し制御に用いる制御用設定温度が変化しても、表示手段が表示する温度はその領域の所定点に対応して記憶された制御用設定温度である。また、環境条件の検出点が隣接する領域に移動した場合には、表示手段の温度表示は、移動後の領域の所定点に対応して記憶された制御用設定温度に変更される。したがって、乗員が制御用設定温度を確認しやすいとともに、制御用設定温度が学習されていることを実感しやすい。
また、請求項10に記載の発明では、制御手段は、検出領域の所定点に記憶された制御用設定温度の値を予め指定した分解能の単位に合わせて温度情報として表示手段に出力することを特徴としている。
これによると、表示手段において指定分解能単位の表示を行なうことができ、乗員が制御用設定温度を認識し易い。
また、請求項11に記載の発明では、
制御手段が出力した温度情報を入力して温度を表示する表示手段を備え、
制御手段は、検出点に対応する制御用設定温度を温度情報として表示手段に出力することを特徴としている。
これによると、制御手段が空調状態制御を行なうときに、表示手段は常時制御手段が空調制御に用いている制御用設定温度を表示する。すなわち、環境条件の検出点が変化するのに伴ない制御に用いる制御用設定温度が変化した場合には、表示手段は変化する制御用設定温度を表示する。したがって、乗員が、実際に空調制御に用いられている制御用設定温度を認識できるとともに、環境条件の変化により制御用設定温度が滑らかに変化することを実感しやすい。
また、請求項12に記載の発明では、制御手段は、検出点に対応する制御用設定温度の値を予め指定した分解能の単位に合わせて温度情報として表示手段に出力することを特徴としている。
これによると、表示手段において指定分解能単位の表示を行なうことができ、乗員が制御用設定温度を認識し易い。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明を適用した第1の実施形態における車両用空調装置のシステム構成を示す模式図である。
車両用空調装置の室内ユニットを構成する空調ユニット10の空気流れ最上流側には外気導入口11aと内気導入口11bを有する内外気切替箱11が配置され、この内外気切替箱11内に内外気切替ドア12が回動自在に設置されている。
この内外気切替ドア12は外気導入口11aと内気導入口11bとの分岐点に配置され、アクチュエータ12aにより駆動されて、空調ユニット10に導入する空気を内気もしくは外気に切り替え、あるいは内気と外気の混合割合を調整する。
送風機13は内外気切替箱11内に空気を吸い込んで空調ユニット10の下流側に送風するものであり、ブロワモータ14と、その回転軸に連結された遠心式送風ファン15を有している。そして、この送風ファン15の下流にはエバポレータ16とヒータコア17が設けられている。
エバポレータ16は冷却用熱交換器であって、図示しない車両エンジンにより駆動されるコンプレッサ等と結合されて冷凍サイクルを構成し、その内部の低圧冷媒が空気から吸熱して蒸発することにより空気を冷却する。また、ヒータコア17は加熱用熱交換器であって、図示しない車両エンジンの冷却水(温水)が内部を循環し、このエンジン冷却水を熱源として空気を加熱する。
ヒータコア17の上流側には、吹出空気温度調整手段としてのエアミックスドア18が回動自在に設けられ、エアミックスドア18の開度はアクチュエータ18aにより駆動されて調節される。これによって、ヒータコア17を通過する空気とヒータコア17をバイパスする空気の割合とが調整され、車室内に吹き出す空気の温度が調整される。
空調ユニット10の最下流には、デフロスタ(DEF)吹出口19を開閉するデフロスタドア20、フェイス(FACE)吹出口21を開閉するフェイスドア22、およびフット(FOOT)吹出口23を開閉するフットドア24が設けられている。
これら各ドア20、22、24は吹出モード切替手段を構成するもので、アクチュエータ25により駆動されて各吹出口19、21、23を開閉することによって各種の吹出モード(フェイスモード、バイレベルモード、フットモード、フットデフモード、デフロスタモード等)が設定される。そして、各吹出モードに応じて開口した吹出口から、温度調整された空気が車室内へ吹き出される。
ここで、フェイスモード時は、フェイス吹出口21を全開し、デフロスタ吹出口19およびフット吹出口23を閉塞して、フェイス吹出口21のみから空調風を車室内の乗員上半身側へ吹き出す。
バイレベルモード時は、フェイス吹出口21およびフット吹出口23を全開し、デフロスタ吹出口19を閉塞して、フェイス吹出口21およびフット吹出口23の両方から乗員上半身側および乗員足元側へ空調風を略同量ずつ吹き出す。
フットモード時は、フェイス吹出口21を閉塞し、フット吹出口23を全開し、デフロスタ吹出口19を小開度だけ開口する。これにより、フット吹出口23から主に空調風を乗員足元側へ吹き出すと同時に、デフロスタ吹出口19から少量の空調風を車室内の窓ガラス内面側へ吹き出す。
デフロスタモード時は、フェイス吹出口21およびフット吹出口23を閉塞し、デフロスタ吹出口19を全開して、デフロスタ吹出口19のみから空調風を窓ガラス内面側へ吹き出す。
フットデフロスタモード時は、フェイス吹出口21を閉塞し、デフロスタ吹出口19およびフット吹出口23を全開して、フット吹出口23とデフロスタ吹出口19から空調風を略同量ずつ吹き出す。
空調制御装置30は制御手段としてのマイクロコンピュータ31を有し、送風量はマイクロコンピュータ31からの出力信号に基づいて駆動回路32を介してブロワモータ14の印加電圧(ブロワ電圧)を調整してモータ回転数を調整することにより制御される。なお、その他のアクチュエータ12a、18a、25も、マイクロコンピュータ31からの出力信号に基づいて駆動回路32にて制御される。
マイクロコンピュータ31は図示しない中央演算処理装置(CPU)、ROM、RAM、I/Oポート、A/D変換部、およびスタンバイRAM31a等を持ち、それ自体は周知のものである。
スタンバイRAM31aは本実施形態の記憶手段を構成するもので、車両エンジンの運転を断続するイグニションスイッチ(以下、IGと記す)オフの場合においても乗員の好みを学習した値を記憶(バックアップ)するためのRAMであり、IGがオフであっても車載バッテリーからIGを介さずに直接電源が供給される。また、マイクロコンピュータ31とバッテリーとの電気接続が遮断された状況でも短時間ならばマイクロコンピュータ31に電源を供給する図示しないバックアップ用の電源が設けられている。
マイクロコンピュータ31には、車室内計器盤に設置された空調操作部33から操作信号が入力される。この空調操作部33には、空調装置の自動制御状態を設定するオートスイッチ34、内外気吸込モードを手動で切替設定するための内外気切替スイッチ35、吹出モードを手動で切替設定するための吹出モード切替スイッチ36、ファン15の送風量を手動で切替設定するための送風量切替スイッチ37、乗員の好みの車室内温度(設定温度)を設定するための温度設定スイッチ38等が設けられている。
ここで、本実施形態においては、温度設定スイッチ38は、車室内の空調状態の希望状態(希望温度)を乗員が設定するための操作手段をなすものであり、乗員が希望する値に車室内の乗員設定温度を変更操作できるようになっている。ちなみに、本例では0.5℃刻みで希望する設定温度を設定可能となっている。
空調操作部33には、設定温度を表示するための表示手段としての温度表示部38aが設けられており、マイクロコンピュータ31が出力した温度情報信号を入力して温度を数値表示するようになっている。
また、マイクロコンピュータ31には、車室内の空調状態に影響を及ぼす環境条件を検出する環境条件検出手段としての各種センサからの信号が入力される。
具体的には、車室内の空気温度(内気温度)TRを検出する内気温検出手段としての内気温センサ39、車室外の空気温度(外気温度)TAMを検出する外気温検出手段としての外気温センサ40、車室内に入射する日射量TSを検出する日射量検出手段としての日射センサ41、蒸発器温度(具体的には蒸発器吹出空気温度)TEを検出する蒸発器温度検出手段としての蒸発器温度センサ42、ヒータコア17を循環するエンジン水温TWを検出する水温検出手段としての水温センサ43等からの各信号が、それぞれのレベル変換回路44を介してマイクロコンピュータ31に入力され、これらはマイクロコンピュータ31においてA/D変換されて読み込まれる。
また、温度設定スイッチ38からの信号もレベル変換回路44でレベル変換されてマイクロコンピュータ31に入力される。
なお、送風量切替スイッチ37は、具体的には、風量アップスイッチと風量ダウンスイッチからなり、風量アップスイッチは1回押されるごとにブロワ電圧(駆動用モータ14への印加電圧)を1レベル(0.25ボルト)上げる信号を出力し、風量ダウンスイッチは1回押されるごとにブロワ電圧を1レベル(0.25ボルト)下げる信号を出力する。
マイクロコンピュータ31は、車両に搭載された個人情報制御装置(以下、個人情報ECU)50から個人IDを入力するようになっている。個人情報ECU50は、予め登録された複数の搭乗予定者の中から、ドアロック解除キーの情報等に基づいて車室内に搭乗した乗員を特定し、特定した乗員の個人識別情報(個人ID)を、車両内通信網を介して出力するようになっている。
なお、個人情報ECU50が行う乗員の特定は、ドアロック解除キーの情報に基づくものに限定されず、例えば調整されたシート位置情報、調整されたステアリングホイール位置情報、調整されたルームミラー位置情報、室内カメラ画像情報、乗員が操作する乗員特定スイッチからの信号等のいずれか1つ、もしくは複数を組み合わせた情報に基づくものであってもよい。
次に、上記構成に基づき、本実施形態の車両用空調装置の作動について説明する。
図2は、マイクロコンピュータ31により実行される概略制御動作を示すフローチャートであり、IGオンとともに図2の制御をスタートする。
まず、ステップS100にて各種変換、フラグ等の初期値を設定する。そして、次のステップS105では、個人情報ECU50からの個人識別情報を入力し、車室内に搭乗した乗員を特定する。このステップS105は、予め登録された複数の搭乗予定者の中から実際に車室内に搭乗した乗員を特定する本実施形態における乗員特定手段である。
次のステップS110では空調操作部33の各種スィッチ34〜38の操作信号を読み込む。そして、次のステップS120では各種センサ39〜43からのセンサ検出信号(環境条件信号)を読み込む。
次のステップS130では、内気温を好みの温度に変更するために温度設定スイッチ38が操作された場合、スタンバイRAM31aに記憶されている制御用設定温度TSETcの値を変更後の乗員設定温度TSETの値に補正(学習)する。なお、ステップS130の詳細については後述する。
次のステップS140では、ステップS120で読み込んだ環境条件信号、およびスタンバイRAM31aに記憶されている学習後の制御用設定温度TSETc等に基づいて、車室内に吹き出す空気の目標吹出温度TAOを算出する。なお、TAOは環境条件(熱負荷条件)の変化にかかわらず車室内を制御用設定温度TSETcに維持するために必要な吹出空気温度である。
ここで、ステップS130およびステップS140の具体的処理を図3〜図12を用いて説明する。
スタンバイRAM31aには、図4(a)に示すように、2つの環境条件である外気温度TAMおよび日射量TSの値をそれぞれ所定の範囲に区切って複数の領域61を設定した、外気温TAMおよび日射量TSの値のそれぞれを変数とする2次元の制御用設定温度TSETcのマップ60、70、80が用意されている。本例では、外気温TAMを20℃の範囲で等間隔に区切り、日射量TSを100W/mの範囲で等間隔に区切っている。
ちなみに、スタンバイRAM31a内では、各マップはテーブルの形態で記憶されているが、実質的には図4に示したようなマップ60、70、80を表すものとして記憶されている。したがって、マップ60、70、80は、2つの環境条件である外気温度TAMおよび日射量TSを軸とする2次元マップであると言える。
マップ60、70、80は、予め登録された搭乗予定者A、B、Cのそれぞれに対応するマップである。図4(b)においてマップ60で例示するように、マップ60、70、80は、いずれも各領域61の2つの環境条件TAM、TSの値のそれぞれの中心値(中央値)を組み合わせた中心点62に制御用設定温度TSETcが記憶されるようになっており、各領域61には初期値として制御用設定温度の中心値(例えば25℃)が予め記憶されている。
そして、図2に示すステップ105で特定された乗員に対応するマップを抽出して(選択して)以下に示す制御を行う。
図3は、図2に示すステップS130における制御動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS131では、ステップS120で読み込んだ環境条件信号に基づいて、外気温TAMおよび日射量TSの検出値からなるマップ上の点を環境条件の検出点として特定し、マップに形成した複数の領域のうち、環境条件検出点を含む領域を検出領域として抽出する。
ステップS131は、本実施形態において、複数の環境条件TAM、TSの検出値からなるマップ上の点を環境条件の検出点として特定する検出点特定手段であるとともに、マップに形成した複数の領域のうち、検出点特定手段で特定した検出点を含む領域を検出領域として抽出する抽出手段であると言える。
ステップS131で環境条件が該当する抽出領域を抽出したら、次に、ステップS132では、ステップS110で読み込んだスイッチ操作信号に基づいて乗員が設定温度を手動で設定(変更)したかどうかを判定し、乗員による設定温度の手動操作があれば、ステップS133に進む。
そして、乗員による設定温度の手動操作があれば、ステップS133において、ステップS131で抽出した検出領域の中心点に記憶されている制御用設定温度TSETcの値を、変更後の乗員設定温度TSETの値に更新し、制御用設定温度TSETcを補正(学習)して記憶する。
次に、ステップS133からステップS134に進み、また、ステップS132で乗員による設定温度の手動操作なしと判定されたときもステップS134に進む。
ステップS134では、マップ上の環境条件の検出点を含む検出領域の中心点に記憶された制御用設定温度TSETcと、この検出領域の周囲の領域の中心点に記憶された制御用設定温度TSETcとから、環境条件の検出点における制御用設定温度TSETcを補間算出する。
ここで、ステップS131〜S134の制御動作による制御作動例を、図を用いて説明する。ここでは、ステップS105において、3人の搭乗予定者A、B、Cの中から乗員Aが特定され、図5に示すように、乗員Aに対応したマップ60が選択された場合を例に説明する。
図5は、マップ60の全体構成を示す図であり、図6および図7は、その要部構成を示す図である。
まず、ステップS131を実行し、ステップS120で読み込んだ環境条件信号に基づいて、外気温TAMが5℃、日射量TSが380W/mと検出したら、図6(a)に示すように、マップ60上に検出点63を特定し、マップ60の複数の領域61のうち、環境条件検出点63を含む領域を検出領域61Aとして抽出する。
次に、ステップS132で乗員による設定温度を26℃とする手動操作があったと判断した場合には、ステップS133を実行し、図6(a)に示すように、抽出領域61Aの中心点62aに記憶されている制御用設定温度TSETcの値を、変更後の乗員設定温度TSETの値である26℃に更新して記憶し、学習を反映した図6(b)に示すマップ60とする。
マップ60全体としては、図5(a)に示す状態から図5(b)に示す状態に制御用設定温度TSETcが更新されたマップとなる。
次に、ステップS134を実行し、マップ60上の検出領域61Aの中心点62aに記憶された制御用設定温度TSETcと、この検出領域の隣接する周囲の領域61B、61C、61Dの中心点62b、62c、62dに記憶された制御用設定温度TSETcとから、ファジー制御理論に基づきメンバーシップ関数を用いて検出点63における制御用設定温度TSETcを補間算出する。
具体的には、検出領域61Aの中心点62a、およびこの中心点62aとともに検出点63を取り囲む隣接領域61B、61C、61Dの中心点62b、62c、62dに対応して記憶された制御用設定温度TSETcを用い、メンバーシップ関数により4つの中心点62a〜62dへの帰属の程度を加味して(各中心点62a〜62dに記憶された制御用設定温度TSETcの重み付けをして)、検出点63における制御用設定温度TSETcを補間算出する。
本例のように、検出点63が外気温TAM5℃、日射量TS380W/mの場合には、外気温TAMについては図8(a)に示すメンバーシップ関数から、日射量TSについては図8(b)に示すメンバーシップ関数から、下記数式1により検出点63における制御用設定温度TSETcを25.525℃と補間算出する。
(数1)
(0.75×0.7×26+0.25×0.7×25+0.75×0.3×25
+0.25×0.3×25)
/(0.75×0.7+0.25×0.7+0.75×0.3+0.25×0.3)
=25.525(℃)
すなわち、図7に示すマップを表す定数テーブル(ファジー制御のためのファジーテーブル)と図8に示すメンバーシップ関数とから、図9に示すように、検出領域61Aの中心点62aおよび隣接領域61B、61C、61Dの中心点62b、62c、62dを結ぶ滑らかな曲面上において(曲面の図示は省略)、検出点63の制御用設定温度TSETc25.525℃が算出される。
ちなみに、ステップS134を実行するときには、検出点63の検出領域61A内の位置に応じて、検出点63に対応する制御用設定温度TSETcの補間算出に用いる制御用設定温度TSETcを記憶する周囲の領域の中心点は、検出点63を取り囲む中心点となるように適宜変更される。
例えば、図10に示す位置に検出点63がある場合には、検出領域61Aの中心点62a、およびこの中心点62aとともに検出点63を取り囲む隣接領域61D、61E、61Fの中心点62d、62e、62fに対応して記憶された制御用設定温度TSETcを用い、メンバーシップ関数により4つの中心点62a、62d〜62fへの帰属の程度を加味して、検出点63における制御用設定温度TSETcを補間算出する。
また、例えば、図11に示す位置に検出点63がある場合には、検出領域61Aの中心点62a、およびこの中心点62aとともに検出点63を取り囲む隣接領域61F、61G、61Hの中心点62f、62g、62hに対応して記憶された制御用設定温度TSETcを用い、メンバーシップ関数により4つの中心点62a、62f〜62hへの帰属の程度を加味して、検出点63における制御用設定温度TSETcを補間算出する。
また、例えば、図12に示す位置に検出点63がある場合には、検出領域61Aの中心点62a、およびこの中心点62aとともに検出点63を取り囲む隣接領域61B、61H、61Iの中心点62b、62h、62iに対応して記憶された制御用設定温度TSETcを用い、メンバーシップ関数により4つの中心点62a、62b、62h、62iへの帰属の程度を加味して、検出点63における制御用設定温度TSETcを補間算出する。
作動例も加えて上述したように、ステップS134では、ステップS140でTAO算出に用いる制御用設定温度TSETcが決定される。
ステップS134を実行するときに、検出点63が中心点62aと一致している場合には、ファジー制御理論に基づくメンバーシップ関数を用いた算出を行うと、中心点62aに対応して記憶された制御用設定温度TSETcの値が算出される。
したがって、ステップS134では、検出点63が中心点62aと一致する第1状態の場合には、一致した中心点62aに対応して記憶された制御用設定温度TSETcが算出されたことになり、検出点63が中心点62aと一致しない第2状態の場合には、4つの中心点(例えば中心点62a〜62d)に対応して記憶された制御用設定温度TSETcからTAO算出に用いる制御用設定温度TSETcが補間算出されたことになる。
すなわち、ステップS134では、検出点63が中心点62aと一致する場合には、一致した中心点62aに対応して記憶された制御用設定温度TSETcをTAO算出に用いる制御用設定温度TSETcと決定し、検出点63が中心点62aと一致しない場合には、4つの中心点(例えば中心点62a〜62d)に対応して記憶された制御用設定温度TSETcから補間算出した算出温度をTAO算出に用いる制御用設定温度TSETcと決定する。
次にステップS140に進み、ステップS134で決定した制御用設定温度TSETc等に基づいて、下記の数式2により目標吹出温度TAOを算出する。
(数2)
TAO=KSET×TSETc−KR×TR−KAM×TAM−KS×TS+C
但し、KSET、KR、KAM、KSは係数、Cは定数であり、TSETc、TR、TAM、TSはそれぞれ上記した制御用設定温度、内気温度、外気温度、日射量である。
次に、図2に示すステップS150に進み、送風量を決めるブロワ電圧を図13の制御特性(マップ)により上記TAOに基づいて決定する。
次に、ステップS160に進み、TAOに対するエアミックスドア18の開度SWを下記数式3に基づいて算出する。
(数3)
SW=(TAO−TE)/(TW−TE)×100(%)
次に、ステップS170に進み、内外気切替ドア12による内外気吸込モードを図14の制御特性(マップ)によりTAOに基づいて決定する。次に、ステップS180にて吹出モードドア20、22、24による吹出モードを図15の制御特性(マップ)によりTAOに基づいて決定する。
次に、ステップS190に進み、上記各ステップS150〜S180で決定された各種制御信号を、駆動回路32を介してブロワモータ24、および各アクチュエータ12a、18a、25に加えて、ブロワモータ24の回転数および各アクチュエータ12a、18a、25の作動を制御する。
次のステップS200では、制御処理周期であるt秒経過したか判定し、t秒経過後にステップS110に戻り、上記処理を繰り返す。
本実施形態では、上述した送風量制御(実質的にはブロワ電圧制御)、吹出温度制御(実質的にはエアミックスドア18開度制御)、内外気吸込モード制御、および吹出モード制御が、空調状態制御に相当する。
なお、マイクロコンピュータ31は、図2に示す制御動作を実行しているときには、常時、環境条件の検出点63が存在する検出領域61Aの中心点62aに記憶された制御用設定温度TSETcを温度情報として温度表示部38aに出力し、温度表示部38aは入力した温度情報を設定温度として表示する。
このとき、マイクロコンピュータ31は、検出領域61Aの中心点62aに記憶された制御用設定温度TSETcの値を予め指定した分解能の単位に合わせて(本例では温度表示部38aの表示単位である0.5℃単位で)温度情報として温度表示部38aに出力し、温度表示部38aは入力した温度情報を設定温度として表示する。
すなわち、温度表示部38aには、空調状態制御に用いられる制御用設定温度TSETcの値に係らず、検出領域61Aの中心点62aに対応して記憶された制御用設定温度TSETcの値が、表示単位である0.5℃単位で表示される。
上述の構成および作動によれば、空調制御装置30のスタンバイRAM31aでは、外気温度TAMおよび日射量TSの値のそれぞれを変数とする2次元のマップ60上に区画した複数の領域61を形成し、形成した領域61毎の中心点62に対応した値として制御用設定温度TSETcを記憶しており、制御用設定温度TSETcの学習も各領域61の中心点62で行っている。
そして、マイクロコンピュータ31は、外気温度TAMおよび日射量TSの検出点63が検出領域61Aの中心点62aと一致する場合には、中心点62aに対応して記憶された制御用設定温度TSETcに基づいて目標吹出温度TAOを算出して空調状態を制御し、外気温度TAMおよび日射量TSの検出点63が検出領域61Aの中心点62aと一致しない場合には、検出領域61Aおよび隣接領域の中心点に対応して記憶された制御用設定温度TSETcに基づいて検出点63に対応した制御用設定温度TSETcを補間算出し、目標吹出温度TAOを算出して空調状態の制御を行なう。
すなわち、制御用設定温度TSETcは、スタンバイRAM31aのマップ60の各領域61の中心点62に対応してそれぞれ1つ記憶され、車室内の空調状態制御時の外気温度TAMおよび日射量TSの検出点63が検出領域61Aの中心点62aと乖離している場合であっても(検出点63が中心点62aにあるか否かに係らず)、中心点62aおよび周囲の領域の中心点に対応して記憶された制御用設定温度TSETcから補間算出した検出点63に対応した制御用設定温度TSETcを用いて車室内を空調制御することができる。
したがって、車室内を空調するときに、マップ60上の隣接する領域61間の境界を跨ぐように外気温度TAMおよび日射量TSの少なくともいずれかが変化したとしても(検出領域61Aが隣の領域に移動したとしても)、環境条件の検出値の変化に応じて、乗員の好みを反映して補間算出した制御用設定温度TSETcを用いて空調状態制御を行なうことができる。
すなわち、外気温度TAMおよび日射量TSの検出値からなる検出点63が、中心点62に記憶した制御用設定温度TSETcが異なる隣接する領域61間を仕切る境界を跨いで移動した場合であっても、境界で制御用設定温度TSETcが急激に変化することがなく滑らかに変化するので、空調状態が急激に変化して乗員が不快を感じることを防止できる。
また、空調制御装置30は、図2に示すルーチンを廻して車室内の空調状態を制御する制御処理周期毎に、検出点に対応した制御用設定温度を補間算出して、車室内の空調状態を制御する。すなわち、車室内の空調状態を制御する制御処理周期毎に検出点63に対応した制御用設定温度TSETcを補間算出する。したがって、空調制御装置30のスタンバイRAM31aはマップ上の各領域の中心点のみに制御用設定温度TSETcを記憶すればよく、スタンバイRAM31aの記憶容量の増大を抑制することができる。
また、従来技術として前述した車両用空調装置では、マップの各領域にそれぞれ1つの設定温度が記憶され、空調制御を行う時点での環境条件が同一領域内にある場合には、環境条件が異なっても同一の設定温度を用いて空調制御を行っていた。
したがって、乗員が設定温度を手動操作で変更した時点での環境条件と、空調制御を行う時点での環境条件とが、同一領域内で比較的大きく乖離しているときには、設定温度を学習しているにも係らず乗員が不快を感じるという不具合を発生する場合があった。
この不具合の対策として、環境条件を更に細かく区切って領域数を増大させ、1つの領域サイズを小さくして、乗員が設定温度を手動操作で変更した時点での環境条件と空調制御を行う時点での環境条件との同一領域内での乖離限界を小さくするという手段もあるが、この手段を採用すると、空調制御装置の記憶手段が必要とする記憶容量が増大するという問題がある。
これに対し、本実施形態の構成および作動によれば、車室内の空調状態を制御するときに、マップ60上で区画された同一領域内であっても、外気温度TAMおよび日射量TSの検出値の変化に応じて乗員の好みを反映した補間算出温度を制御用設定温度TSETcとして用いることができる。すなわち、マップ60の領域61を細かく仕切り領域数を増大させなくても、乗員の好みに合った空調制御を行うことができる。
これにより、同一領域内の環境条件変化に対しても、スタンバイRAM31aの記憶容量を増大させなくとも、乗員が不快を感じることを防止することができる。
このようにして、空調に係る環境条件が変化した場合であっても、乗員が不快を感じ難い空調状態制御を行なうことができる。そして、これに伴ない、乗員が不快を感じ難いので、煩雑な温度設定スイッチ38の操作の頻度も低減することができる。
また、予め登録された複数の搭乗予定者の中から車室内に搭乗した乗員を特定し、2次元マップ60、70、80の中から搭乗した乗員に対応したマップを選択し、選択したマップが学習している乗員の好みに合った設定温度に基づいて、空調状態制御を行うことができる。
したがって、予め登録された複数の搭乗予定者の全てに対して不快を感じ難い空調状態制御を行うことができる。さらに、搭乗予定者の数だけマップを有することはスタンバイRAM31aの記憶容量の増大に繋がりやすいため、それぞれのマップのための記憶容量を増大させず、全体の記憶容量の増大を抑制できる効果は極めて大きい。
また、マイクロコンピュータ31は、ファジー制御理論に基づいて制御用設定温度TSETcを補間算出している。したがって、簡便かつ精度良く中心点間の補間温度を算出することができる。
また、マップ60、70、80は、2つの環境条件である外気温TAMおよび日射量TSの値を変数とする2次元マップとしている。したがって、3つ以上の環境条件の値のそれぞれを変数とする3次元以上のマップを用いる場合より、スタンバイRAM31aの記憶容量の増大を確実に抑制することができる。
さらに、マップの軸とする2つの環境条件は、乗員の設定温度TSETの好みに差が出やすい外気温TAMおよび日射量TSとしている。したがって、2次元マップを用いても乗員が不快を感じることを容易に防止することが可能である。
また、スタンバイRAM31aは、マップの各領域61の中心点62に対応して制御用設定温度TSETcを記憶している。したがって、制御用設定温度TSETcの記憶に対応した中心点62と空調制御を行うときの環境条件の検出点63との同一領域内での乖離限界(乖離度合いの最大値)を小さくすることができる。このようにして、同一領域の全域に渡って、乗員の設定温度TSETの好みを反映した空調状態制御を精度良く行うことが容易である。
また、温度表示部38aは、常に環境条件の検出点63を含む検出領域61Aの中心点62aに対応して記憶された制御用設定温度TSETcを表示する。したがって、空調制御中は、同一領域内で環境条件の検出点63が変化し制御に用いる制御用設定温度TSETcが変化しても、温度表示部38aが表示する設定温度は変化しない。さらに、環境条件の検出点63が隣接する領域に移動した場合には、温度表示部38aの温度表示は、移動後の領域の中心点62aに対応して記憶された設定温度TSETに変更される。
すなわち、温度表示部38aは常に検出領域61Aの中心点62aに対応して記憶された設定温度TSETを表示する。したがって、表示温度が頻繁に変化しないので乗員が制御用設定温度TSETcを確認しやすいとともに、検出点63が領域間の境界を跨いで移動した場合には制御用設定温度TSETcが学習されていることを実感しやすい。
また、温度表示部38aでは、予め指定された分解能の単位(本例では温度表示部38aの表示単位である0.5℃単位)の表示を行なうことができるので、乗員が制御用設定温度TSETcを認識し易い。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について図16および図17に基づいて説明する。
本第2の実施形態は、前述の第1の実施形態では空調状態を制御する制御処理周期毎に検出点63に対応した制御用設定温度TSETcを補間算出していたのに対し、予め制御用設定温度TSETcを補間算出して記憶しておく点が異なる。
なお、第1の実施形態と同様の部分については、同一の符号をつけ、その説明を省略する。
図16に図2ステップS130の制御動作のフローチャートを示すように、本実施形態では、ステップS132において、乗員による設定温度の手動操作がされたと判断した場合には、ステップS233において、ステップS131で抽出した抽出領域61Aの中心点62aに記憶されている制御用設定温度TSETcの値を、変更後の乗員設定温度TSETの値に更新し、制御用設定温度TSETcを補正(学習)して記憶する。
更に、マップ上の環境条件の検出点63を含む検出領域61Aの中心点62aに記憶された制御用設定温度TSETcと、この検出領域の周囲の領域の中心点に記憶された制御用設定温度TSETcとから、中心点間の制御用設定温度TSETcを補間算出し、補間算出した制御用設定温度TSETcもマップ上で補正(学習)して記憶する。
ステップS233を実行したらステップS234に進み、また、ステップS132で乗員による設定温度の手動操作なしと判定した場合もステップS234に進む。
ステップS234では、マップ上に記憶された制御用設定温度TSETcの中から、ステップS131で検出した環境条件の検出点63に対応する制御用設定温度TSETcを読み出し、ステップS140でTAO算出に用いる制御用設定温度TSETcが決定される。
ここで、図16に示す制御動作による制御作動例を、図を用いて説明する。ここでは、第1の実施形態と同様に、ステップS105において3人の搭乗予定者A、B、Cの中から乗員Aが特定され、乗員Aに対応したマップ60が選択された場合を例に説明する。
図17は、マップ60の要部構成を示す図である。
まず、ステップS131を実行し、ステップS120で読み込んだ環境条件信号に基づいて、マップ60上に検出点63を特定し、マップ60の複数の領域61のうち、環境条件検出点63を含む領域を検出領域61Aとして抽出する。
次に、ステップS132で乗員による設定温度を例えば25℃から26℃とする手動操作があったと判断した場合には、ステップS233を実行し、図17に示すように、抽出領域61Aの中心点62aに記憶されている制御用設定温度TSETcの値を、変更後の乗員設定温度TSETの値である26℃に更新して記憶する。
これに加えて、マップ60上の検出領域61Aの中心点62aに記憶された制御用設定温度TSETcと、この検出領域の隣接する周囲の領域61B〜61Iの中心点62b〜62iに記憶された制御用設定温度TSETcとから、ファジー制御理論に基づきメンバーシップ関数を用いて中心点間の制御用設定温度TSETcを補間算出し、マップ60上に更新記憶する。
なお、図17では、領域61B〜61Iの符号を省略している。
具体的には、第1の実施形態で図6、図7を用いて説明したマップ60上の検出領域61Aの中心点62aに記憶された制御用設定温度TSETcと、この検出領域の隣接する周囲の領域61B、61C、61Dの中心点62b、62c、62dに記憶された制御用設定温度TSETcとから、ファジー制御理論に基づきメンバーシップ関数を用いて中心点62a〜62dに取り囲まれた範囲における制御用設定温度TSETcを補間算出し更新記憶する。
更に、図10を用いて説明したマップ60上の検出領域61Aの中心点62aに記憶された制御用設定温度TSETcと、この検出領域に隣接する周囲の領域61D、61E、61Fの中心点62d、62e、62fに記憶された制御用設定温度TSETcとから、ファジー制御理論に基づきメンバーシップ関数を用いて中心点62a、62d〜62fに取り囲まれた範囲における制御用設定温度TSETcを補間算出し更新記憶する。
更に、図11を用いて説明したマップ60上の検出領域61Aの中心点62aに記憶された制御用設定温度TSETcと、この検出領域に隣接する周囲の領域61F、61G、61Hの中心点62f、62g、62hに記憶された制御用設定温度TSETcとから、ファジー制御理論に基づきメンバーシップ関数を用いて中心点62a、62f〜62hに取り囲まれた範囲における制御用設定温度TSETcを補間算出し更新記憶する。
更に、図12を用いて説明したマップ60上の検出領域61Aの中心点62aに記憶された制御用設定温度TSETcと、この検出領域に隣接する周囲の領域61B、61H、61Iの中心点62b、62h、62iに記憶された制御用設定温度TSETcとから、ファジー制御理論に基づきメンバーシップ関数を用いて中心点62a、62b、62h、62iに取り囲まれた範囲における制御用設定温度TSETcを補間算出し更新記憶する。
このように、ステップS233が実行されると、マップ60の中心点62a〜62i間は、図17に示すように、学習を反映して制御用設定温度TSETcが滑らかな曲面として表されるマップ60となる(マップ60が更新される)。
そして、ステップS234が実行されると、図17に示すマップ60上の滑らかな曲面内(曲面上の点の中から)から、環境条件の検出点63に対応する制御用設定温度TSETcが読み出される。
図17では、検出点63が外気温TAM5℃、日射量TS380W/mの場合を例示しているので、第1の実施形態と同様に、25.525℃が読み出される。
上述の構成および作動によれば、空調制御装置30は、スタンバイRAM31aの外気温度TAMおよび日射量TSの値のそれぞれを変数とする2次元のマップ60上に区画した複数の領域61を形成し、乗員により設定温度が変更されたときには、変更された乗員設定温度TSETの値を環境条件検出領域61Aの中心点62aに対応する制御用設定温度TSETcの値として更新するだけでなく、検出領域61Aの中心点62aと周囲の領域の中心点との間で補間算出した制御用設定温度TSETcの値を更新する。
そして、車室内の空調制御を行なう際には、マップ60上に記憶された制御用設定温度TSETcの中から、環境条件の検出点63に対応する制御用設定温度TSETcを読み出し、目標吹出温度TAOの算出に用いる。
すなわち、乗員の好みを学習する度に、検出領域61Aの中心点62aと周囲の領域の中心点との間の制御用設定温度TSETcが補間算出されて更新され、空調制御時には、検出点63に対応して記憶されている制御用設定温度TSETcが読み出される。
したがって、車室内を空調するときに、マップ60上の隣接する領域61間の境界を跨ぐように外気温度TAMおよび日射量TSの少なくともいずれかが変化したとしても、環境条件の検出値の変化に応じて、予め乗員の好みを反映して補間算出して記憶していた制御用設定温度TSETcを用いて空調状態制御を行なうことができる。
すなわち、外気温度TAMおよび日射量TSの検出値からなる検出点63が、中心点62に記憶した制御用設定温度TSETcが異なる隣接する領域61間を仕切る境界を跨いで移動した場合であっても、境界で制御用設定温度TSETcが急激に変化することがなく滑らかに変化するので、空調状態が急激に変化して乗員が不快を感じることを防止できる。
また、車室内の空調状態を制御するときに、マップ60上で区画された同一領域内であっても、外気温度TAMおよび日射量TSの検出値の変化に応じて乗員の好みを反映した補間算出温度を制御用設定温度TSETcとして用いることができる。
このようにして、空調に係る環境条件が変化した場合であっても、乗員が不快を感じ難い空調状態制御を行なうことができる。そして、これに伴ない、乗員が不快を感じ難いので、煩雑な温度設定スイッチ38の操作の頻度も低減することができる。
また、スタンバイRAM31aは、マイクロコンピュータ31が補間算出した制御用設定温度TSETcをマップ上に記憶し、マイクロコンピュータ31は、車室内の空調状態を制御するときに、スタンバイRAM31aに記憶されたマップ上の検出点63に対応した制御用設定温度TSETcに基づいて車室内の空調状態を制御する。したがって、車室内の空調状態を制御する制御処理周期毎に制御用設定温度TSETcを補間算出する必要がないので、マイクロコンピュータ31の処理負担を低減することができる。
(他の実施形態)
上記各実施形態では、制御用設定温度TSETcを、環境条件の検出領域61Aの中心点62aと検出領域61Aに隣接する周囲の領域の中心点との間で補間算出するものであったが、これに限定されるものではなく、検出領域61Aの中心点62aと検出領域61Aから離間する周囲の領域の中心点との間で補間算出するものであってもよい。
乗員が変更操作した乗員設定温度TSETの変更度合いに応じて、検出領域とともに制御用設定温度TSETcを補間算出するための対象領域の範囲(検出領域からの離間度合い)を変更するものであってもよい。また、乗員が変更操作した乗員設定温度TSETの値(すなわち検出領域61Aの中心点62aの変更後の値)と検出領域61Aに隣接する領域の中心点の値との乖離度合いに応じて、検出領域とともに制御用設定温度TSETcを補間算出するための対象領域の範囲(検出領域からの離間度合い)を変更するものであってもよい。
例えば、乗員が設定温度を5℃以上変更した場合、もしくは変更後の設定温度が隣接領域のいずれかの中心点に記憶された設定温度と5℃以上異なる場合には、検出領域の中心点と隣接領域よりも外周側の領域の中心点との間で制御用設定温度TSETcを補間算出するものであってもよい。これに加えて、例えば乗員が設定温度を8℃以上変更した場合、もしくは変更後の設定温度が隣接領域のいずれかの中心点に記憶された設定温度と8℃以上異なる場合には、さらに外周側の領域の中心点との間で制御用設定温度TSETcを補間算出するものであってもよい。
上記例の一つを説明すると、上記第1の実施形態では、図6(a)に示すように検出点63が検出領域61A内において中心点62aより中心点62c側(図示右下側)にある場合には、検出領域61Aの中心点62aと検出領域61Aに隣接する領域61B〜61Dの中心点62b〜62dとの間で制御用設定温度TSETcを補間算出していた。
これに対して、図18に例示するように、中心点62aで更新される設定温度の値が5℃以上(図18の例では5℃)上昇した場合等には、検出領域61Aの中心点62aと検出領域61Aに対し隣接領域を挟んで離間する領域(隣接領域の外周側に隣接する領域)61J、61L、61Nの中心点62j、62l、62nとの間で制御用設定温度TSETcを補間算出するものであってもよい。
このとき、補間算出に用いた4つの中心点62a、62j、62l、62nの間に位置する中心点62b〜62dに対応する制御用設定温度TSETcの値も補間算出して更新しておくことが好ましい。さらに、同様の補間算出を、中心点62a、62n、62p、62r間、中心点62a、62r、62t、62v間、中心点62a、62v、62x、62j間で3回行ない、中心点62e〜62iに対応する制御用設定温度TSETcの値も補間算出して更新しておくことが好ましい。
図18の例では、当該更新により、中心点62b〜62iに対応する制御用設定温度TSETcが変更されている。
また、別の例を説明すると、上記第2の実施形態では、図17に示すように検出領域61Aの中心点62aに対応する制御用設定温度TSETcが更新された場合には、検出領域61Aの中心点62aと検出領域61Aに隣接する領域61B〜61I(図17では符号省略)の中心点62b〜62iとの間で制御用設定温度TSETcを補間算出してマップ上に記憶する制御用設定温度TSETcを更新していた。
これに対して、上述の図18の例示と同様に中心点62aで更新される設定温度の値が5℃以上上昇した場合等には、図19に例示するように、検出領域61Aの中心点62aと検出領域61Aに対し隣接領域を挟んで離間する領域61J、61L、61Nの中心点62j、62l、62nとの間、中心点62aと検出領域61Aに対し同様に離間する領域61N、61P、61Rの中心点62n、62p、62rとの間、中心点62aと検出領域61Aに対し同様に離間する領域61R、61T、61Vの中心点62r、62t、62vとの間、中心点62aと検出領域61Aに対し同様に離間する領域61V、61X、61Jの中心点62v、62x、62jとの間で制御用設定温度TSETcの補間算出を4回行なう。これにより、中心点62l、62p、62t、62xで囲まれた範囲を、学習を反映して制御用設定温度TSETcが滑らかな曲面として表されるマップ60となるように、マップ上の制御用設定温度TSETcを更新するものであってもよい。
また、上記各実施形態では、温度表示部38aは、常に環境条件の検出点63を含む検出領域61Aの中心点62aに対応して記憶された制御用設定温度TSETcを、予め指定された分解能の単位で表示するものであったが、検出点63に対応する制御用設定温度TSETcを予め指定された分解能の単位で表示するものであってもよい。
これによると、環境条件の検出点63が変化し制御に用いる制御用設定温度TSETcが変化した場合には、温度表示部38aは変化する制御用設定温度TSETcを表示する。したがって、乗員が、実際に空調制御に用いられている制御用設定温度TSETcを認識できるとともに、環境条件の変化に伴ない制御用設定温度TSETcが滑らかに変化することを実感しやすい。
また、温度表示部38aが検出点63を含む検出領域61Aの中心点62aに対応して記憶された制御用設定温度TSETcを表示する場合、および検出点63に対応する制御用設定温度TSETcを表示する場合のいずれにおいても、表示は予め指定された分解能の単位に限定されるものではない。
また、上記各実施形態では、表示手段である温度表示部38aは、制御手段であるマイクロコンピュータ31からの温度情報を入力して制御用設定温度TSETcを数値表示するものであったが、これに限定するものではなく、例えば、温度を色表示するものであってもかまわない。一例としては、制御用設定温度が比較的高い場合には赤色に表示し、比較的低い場合には青色に表示し、これらの中間温度の場合には温度に応じて赤と青の中間色を徐々に変化するものであってもよい。
また、制御用設定温度TSETcの告知手段は、温度表示部38a等の表示手段に限定されるものではない。音声等の発音手段により行なうものであってもよい。また、表示手段等の告知手段を設けないものであってもよい。
また、上記各実施形態では、中心点間における制御用設定温度TSETcの補間算出をファジー制御理論に基づいて行っていたが、補間算出方法はこれに限定されるものではない。例えば、直線補間を行うものであってもよい。具体的には、環境条件の検出点63を取り囲む中心点62aを含む3つの中心点を通る平面上で制御用設定温度TSETcを算出するものであってもよい。
また、上記各実施形態では、制御用設定温度TSETcのマップ60、70、80は、空調に係る環境条件のうち、外気温TAMおよび日射量TSを軸とする2次元マップであったが、他の環境条件を軸とするマップであってもよい。例えば、外気温TAM、日射量TS以外に、内気温TR、IRセンサ等で検出した乗員の表面温度、湿度センサで検出した車室内の湿度RH等を採用するものであってもよい。また、制御用設定温度TSETcのマップは3次元以上の多次元マップであってもよい。
また、上記各実施形態では、マップ上で区画した複数の領域61毎において中心点62に対応して制御用設定温度TSETcを記憶したが、中心点62に限定されず、複数の領域61のそれぞれにおいて予め1つずつ設定した所定点に対応して制御用設定温度TSETcを記憶するものであってもよい。
また、上記各実施形態では、マップの外気温TAMおよび日射量TSの軸を等間隔に区画して複数の領域61を形成していたが、区画する間隔は等間隔でなくてもよい。すなわち、複数の領域61のサイズは均一なくてもよい。ただし、領域サイズを変化させる場合には、環境条件が乗員にとってきびしい値となるほど、環境条件の軸を区画する間隔を大きくする、すなわち、領域サイズを大きくするほうが好ましい。
また、上記各実施形態では、スタンバイRAM31aは、予め登録された3名の搭乗予定者にそれぞれ対応する3つのマップ60、70、80を有していたが、2名以上の複数の搭乗予定者のそれぞれについてマップを有し、搭乗した乗員に対応して使い分けるものであってもよい。また、設定温度TSETのマップを1つしか備えない場合であっても、本発明を適用して有効である。
また、上記各実施形態では、記憶手段としてスタンバイRAMを用いたが、これに限らず、他の記憶素子を用いるものであってもよい。
また、上記各実施形態における外気温TAMの分解能20℃、日射量TSの分解能100W/m、設定温度TSETの初期値25℃等の実数値は例示であって、適宜設定可能な数値である。
本発明を適用した第1の実施形態における車両用空調装置のシステム構成を示す模式図である。 マイクロコンピュータ31により実行される概略制御動作を示すフローチャートである。 図2に示すステップS130における制御動作を示すフローチャートである。 (a)、(b)は、設定温度のマップを説明するための図である。 (a)、(b)は、乗員に対応して選択されたマップ全体を示す図である。 図5に示すマップの要部を示す図であり、(a)は設定温度の学習を説明するための図であり、(b)は学習後の状態を示す図である。 図5に示すマップの要部を示す図であり、制御用設定温度補間算出を説明するための図である。 (a)、(b)は、制御用設定温度の補間算出に用いるメンバーシップ関数を示すグラフである。 制御用設定温度補間算出を説明するための図である。 図5に示すマップの要部を示す図であり、制御用設定温度補間算出を説明するための図である。 図5に示すマップの要部を示す図であり、制御用設定温度補間算出を説明するための図である。 図5に示すマップの要部を示す図であり、制御用設定温度補間算出を説明するための図である。 送風量(ブロワ電圧)の特性図である。 内外気吸込モードの特性図である。 吹出モードの特性図である。 第2の実施形態における図2に示すステップS130の制御動作を示すフローチャートである。 マップの要部構成を示す図であり、制御用設定温度を補間算出して記憶する動作を説明するための図である。 他の実施形態におけるマップの要部を示す図であり、制御用設定温度補間算出を説明するための図である。 他の実施形態におけるマップの要部を示す図であり、制御用設定温度を補間算出して記憶する動作を説明するための図である。
符号の説明
30 空調制御装置
31 マイクロコンピュータ(制御手段)
31a スタンバイRAM(記憶手段)
38 温度設定スイッチ(操作手段)
38a 温度表示部(表示手段)
60、70、80 マップ
61 領域
61A 検出領域
61B〜61I 隣接領域(周囲の領域)
61J〜61Y 周囲の領域
62、62a〜62y 中心点(所定点)
63 検出点
S105 乗員特定手段
S131 検出点特定手段、抽出手段(検出領域抽出手段)
S133 学習手段
S134 補間算出手段
S233 補間算出・学習手段
TAM 外気温度(環境条件)
TS 日射量(環境条件)
TSET 乗員設定温度
TSETc 制御用設定温度(算出温度)

Claims (12)

  1. 乗員が希望する値に車室内の乗員設定温度を変更操作するための操作手段と、
    前記車室内の空調に係る複数の環境条件の値をそれぞれ所定の範囲に区画して、前記複数の環境条件の値のそれぞれを変数とする多次元のマップ上に複数の領域を形成し、形成した前記領域毎に前記マップ上の一点を所定点として予め定め、前記所定点に対応した値として制御用設定温度を記憶する記憶手段と、
    前記複数の環境条件の検出値からなる前記マップ上の点を環境条件の検出点として特定する検出点特定手段と、
    前記複数の領域のうち、前記検出点を含む領域を検出領域として抽出する抽出手段と、
    前記記憶手段が記憶した前記制御用設定温度を用いて、前記車室内の空調状態を制御する制御手段とを備え、
    前記記憶手段は、前記操作手段の操作により前記乗員設定温度が変更された場合には、変更操作時点における前記検出領域の前記所定点に対応した前記制御用設定温度の値を変更後の前記乗員設定温度の値に更新して記憶し、
    前記制御手段は、前記検出点がいずれかの前記所定点以外の場合には、前記記憶手段の前記検出領域の前記所定点に記憶された前記制御用設定温度および前記検出領域の周囲の領域の前記所定点に記憶された前記制御用設定温度から補間算出した、前記検出点に対応する前記制御用設定温度に基づいて前記車室内の空調状態を制御することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記制御手段は、前記検出点がいずれかの前記所定点以外の場合には、前記車室内の空調状態を制御する制御処理周期毎に、前記検出点に対応した前記制御用設定温度を補間算出して、前記車室内の空調状態を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記記憶手段は、前記制御手段が補間算出した前記制御用設定温度を前記マップ上に記憶し、
    前記制御手段は、前記車室内の空調状態を制御するときに、前記記憶手段に記憶された前記マップ上の前記検出点に対応した前記制御用設定温度に基づいて前記車室内の空調状態を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  4. 前記複数の環境条件は、2つの環境条件であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  5. 前記2つの環境条件は、前記車室の外部の温度である外気温度および前記車室内に射し込む日射量であることを特徴とする請求項4に記載の車両用空調装置。
  6. 前記所定点は、前記領域における複数の環境条件の値のそれぞれの中心値を組み合わせた中心点であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  7. 前記制御手段は、ファジー制御理論に基づいて前記補間算出を行うことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  8. 予め登録された複数の搭乗予定者の中から前記車室内に搭乗した乗員を特定する乗員特定手段を備え、
    前記記憶手段は、前記複数の搭乗予定者のそれぞれに対応して前記マップを有し、
    前記制御手段は、前記乗員特定手段が特定した乗員に対応する前記マップの前記制御用設定温度を用いて、前記車室内の空調状態を制御することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  9. 前記制御手段が出力した温度情報を入力して温度を表示する表示手段を備え、
    前記制御手段は、前記検出領域の前記所定点に記憶された前記制御用設定温度を前記温度情報として前記表示手段に出力することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  10. 前記制御手段は、前記検出領域の前記所定点に記憶された前記制御用設定温度の値を予め指定した分解能の単位に合わせて前記温度情報として前記表示手段に出力することを特徴とする請求項9に記載の車両用空調装置。
  11. 前記制御手段が出力した温度情報を入力して温度を表示する表示手段を備え、
    前記制御手段は、前記検出点に対応する前記制御用設定温度を前記温度情報として前記表示手段に出力することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  12. 前記制御手段は、前記検出点に対応する前記制御用設定温度の値を予め指定した分解能の単位に合わせて前記温度情報として前記表示手段に出力することを特徴とする請求項11に記載の車両用空調装置。
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