JP2008037399A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 操舵アシスト用の電動モータ15を回転角センサ23の故障時にセンサレス制御により駆動可能で、しかも、信頼性の高いモータ制御を行う。
【解決手段】 電子制御ユニット30は、回転角センサ23の故障が検知されるとノーマルアシスト制御からセンサレスアシスト制御に切り替える。センサレスアシスト制御においては、アシスト停止指令部63は、角速度変換部56からモータ回転角速度ωm情報を入力する。そして、モータ回転角速度ωmと閾値ωm1とを比較し、モータ回転角速度ωmが閾値ωm1以上であるとき、PWM電圧発生部47にアシスト許可信号を出力してパワーアシストを継続させ、モータ回転角速度ωmが閾値ωm1未満であるとき、PWM電圧発生部47に停止指令信号を出力してパワーアシストを停止させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、運転者による操舵ハンドルの操舵操作をアシストするための電動モータを備えた電動パワーステアリング装置に関する。
従来から、操舵ハンドルに付与される操舵トルクを検出し、検出した操舵トルクに応じたアシストトルクを電動モータに発生させるようにした車両の電動パワーステアリング装置はよく知られている。例えば、特許文献1の電動パワーステアリング装置においては、操舵ハンドルに加えられた操舵トルクと車速とに基づいてコントローラにて電動モータの目標電流値を算出し、この目標電流値と電流検出器により検出されるモータ電流値(実電流値)との偏差に基づいて、電動モータに通電する目標電圧値を演算する。そして、コントローラにより目標電圧値に応じたデューティ比でインバータをスイッチング制御することで、インバータから電動モータに目標の3相電源電圧が印加されて所望のアシストトルクが得られる。
電動パワーステアリング装置の電動モータとしては、例えば3相永久磁石モータが使用される。そして、この電動モータの回転を3相電源により駆動制御する場合、普通、2相回転磁束座標系(d−q座標系)で記述されるベクトル制御が用いられる。このベクトル制御を行う場合、電動モータの回転角(ロータの電気的な回転角度位置)を検出し、この回転角に基づいて2相/3相座標変換(2相から3相への座標変換と、3相から2相への座標変換)が行われる。
このため、電動モータの回転角を検出する回転角センサが故障した場合には制御不能となってしまう。上記特許文献1のものにおいては、回転角センサとしてレゾルバセンサを用い、レゾルバセンサの出力が断線等によりその出力(周期波形信号の振幅値)が所定値以下になったときには、レゾルバセンサが故障していると判断する。そして、特許文献1のものは、レゾルバセンサの故障を検出した後であっても、レゾルバセンサの出力が所定レベル以上となる電動モータの回転角度位置ではアシスト制御を継続してアシストトルクを発生させ、運転者が急に操舵困難に陥らないようにしようとしている。
特開2003−26020
しかしながら、故障した回転角センサの検出信号を使って制御することは信頼性に欠け好ましくない。そこで、本願発明者は、操舵アシストトルクを発生させる電動モータとして、突極型永久磁石モータを使った場合には、その突極性(ロータ位置による磁気抵抗の変化)により回転角を推定することができることに着目し、センサレスにて電動モータの回転角を推定し、その推定値に基づいて電動モータを通電制御してアシスト制御を継続させることを考えた。
ところが、電動パワーステアリング装置においては、通常の電動モータと異なり、モータ回転速度が零近傍の極低速でも使用されることが多いため、モータ回転角の推定値の信頼性が低下してしまう。つまり、モータの突極性を利用した回転角の推定値は、モータ回転速度(回転角速度)が低速になるほど信頼性に欠ける。このため、電動パワーステアリング装置の電動モータをそのままセンサレス制御にて駆動すると、目標とするアシストトルクが得られず、場合によっては逆アシスト、つまり、目標とは反対方向にアシストトルクが働いてしまうという不具合を生じるおそれがある。
本発明の目的は、上記問題に対処するためになされたもので、操舵アシストトルクを発生させる電動モータをセンサレス制御により駆動可能で、しかも、信頼性の高い電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、操舵ハンドルの操舵により転舵輪を転舵する転舵機構と、上記転舵機構に設けられ、上記操舵ハンドルの操舵操作に対して操舵アシストトルクを発生する突極型永久磁石モータからなる電動モータと、上記電動モータの回転角情報を取得する回転角取得手段と、上記回転角取得手段により取得された回転角情報に基づいて、上記電動モータの回転を制御するモータ制御手段と、上記操舵ハンドルの操舵操作に応じた目標操舵アシストトルクを演算し、上記演算された目標操舵アシストトルクに基づいて、上記モータ制御手段に対して上記電動モータの通電指令を出力して操舵アシストトルクを発生させるアシスト制御手段とを備えた電動パワーステアリング装置において、上記電動モータの作動とともに回転して電動モータの回転角を検出する回転角センサと、上記電動モータの突極性を利用して上記電動モータの回転角を推定する回転角推定手段と、上記回転角センサの故障を検出するセンサ故障検出手段とを備え、上記回転角情報取得手段は、上記回転角センサの故障が検出されていない場合には上記回転角センサから上記回転角情報を取得し、上記回転角センサの故障が検出されたときには上記回転角推定手段から回転角情報を取得するように切り替え、上記アシスト制御手段は、上記センサ故障検出手段により上記回転角センサの故障が検出されている場合と故障が検出されていない場合とで、上記電動モータにより上記操舵アシストトルクを発生させるための制御態様を変更することにある。
上記のように構成した本発明によれば、電動モータの回転角(回転角度位置)を実際に検出する回転角センサと、電動モータの突極性を利用して回転角を推定する回転角推定手段とを備え、モータ制御手段により、回転角センサの故障が検出されていない場合には回転角センサからの回転角情報により電動モータの回転を制御し、回転角センサの故障が検出されているときには回転角推定手段により推定した回転角情報により電動モータの回転を制御する。モータ制御手段としては、例えば、電動モータの回転方向をq軸とするとともに回転方向と直交する方向をd軸とする2相回転磁束座標系で記述されるベクトル制御により電動モータの回転を制御する。
この場合、アシスト制御手段は、回転角センサの故障が検出されている場合と故障が検出されていない場合とで、電動モータにより操舵アシストトルクを発生させるための制御態様を変更する。従って、電動モータをセンサレス制御により駆動可能で、しかも、信頼性を向上することができる。
本発明の他の特徴は、上記アシスト制御手段は、上記センサ故障検出手段により上記回転角センサの故障が検出されている場合、上記電動モータの回転角速度が所定値未満にまで低下していると判断したときに、上記操舵アシストトルクの発生を停止するアシスト停止手段を備えたことにある。
この発明によれば、回転角センサの故障が検出されている場合には、回転角推定手段により推定された回転角情報により電動モータの回転を制御するが、電動モータの回転角速度が所定値未満にまで低下しているとき、アシスト停止手段が操舵アシストトルクの発生を停止する。電動モータの突極性を利用して回転角を推定する場合、モータ回転角速度が低い状態においては、回転角推定値に含まれる誤差が大きくなる。そこで、この発明では、電動モータの回転角速度が所定値未満にまで低下しているときには、回転角推定値に基づくモータ制御を行わないように操舵アシストトルクの発生を停止する。特に、電動モータを極低速度で駆動する電動パワーステアリング装置においては、回転角推定値の誤差が大きくなりやすいため有効である。この結果、電動パワーステアリング装置の安全性、信頼性が向上する。尚、電動モータの回転角速度の低下検出は、例えば、電動モータの回転によって生じる逆起電圧の振幅の減少に基づいて判断することができる。
本発明の他の特徴は、上記アシスト制御手段は、上記センサ故障検出手段により上記回転角センサの故障が検出されている場合、上記電動モータの回転角速度が所定値未満にまで低下していると判断したときに、上記回転角速度の低下に従って、上記電動モータにより発生させる操舵アシストトルクを少なくするアシスト低減手段を備えたことにある。
この発明によれば、回転角センサの故障が検出されている場合には、回転角推定手段により推定された回転角情報により電動モータの回転を制御するが、電動モータの回転角速度が所定値未満にまで低下しているとき、アシスト低減手段が、回転角速度の低下に従って電動モータにより発生させる操舵アシストトルクを少なくする。つまり、回転角推定値の信頼性が低くなる電動モータの回転角速度が遅いときには、その回転角速度が小さくなるに従って操舵アシストトルクを少なくするため、推定値誤差によるアシストトルクへの影響が少なくなり、運転者の操舵違和感を低減することができる。尚、操舵アシストトルクは、回転角速度が小さくなるに従って徐々に漸減すると良い。
本発明の他の特徴は、操舵ハンドルの操舵速度を検出する操舵速度検出手段を備え、上記アシスト制御手段は、上記電動モータの回転角速度の低下を、上記操舵速度検出手段の検出情報に基づいて判断することにある。
この発明によれば、操舵速度検出手段により操舵ハンドルの操舵速度を検出する。操舵ハンドルと電動モータとは転舵機構により連結されているため、操舵速度と電動モータの回転角速度とは比例関係にある。従って、電動モータの回転角速度の低下を操舵速度検出手段の検出情報に基づいて判断することができる。この結果、電動モータの回転角速度の低下を高精度に検出することができ、安全性、信頼性が向上する。
操舵速度検出手段としては、例えば、操舵ハンドルの操舵角を検出する操舵角センサを備え、この検出した操舵角の時間的変化(微分値)を操舵速度として演算により求めても良い。また、操舵角センサに代えて、例えば、レゾルバ式操舵トルクセンサを用いても良い。レゾルバ式操舵トルクセンサは、トーションバーの両端にそれぞれレゾルバセンサを設け、このレゾルバセンサで検出した回転角の角度差により操舵トルクを求めるものである。従って、このレゾルバセンサで検出した回転角の時間的変化(微分値)を操舵速度として演算により求めることができる。
本発明の他の特徴は、上記アシスト制御手段は、上記センサ故障検出手段により上記回転角センサの故障が検出されている場合には、上記電動モータにて発生させる操舵アシストトルクに脈動的なトルクを付加する脈動トルク付加手段を備えたことにある。
この発明によれば、回転角センサの故障が検出されている場合には、回転角推定手段により推定された回転角情報により電動モータの回転を制御して操舵アシストトルクを発生させるが、このとき、脈動トルク付加手段が働いて操舵アシストトルクに脈動的なトルクを付加する。例えば、操舵操作に応じて演算される目標操舵アシストトルクに脈動的なトルクを加算した値を、新たな目標操舵アシストトルクとして設定する。
従って、操舵アシストトルクにこの脈動的なトルクを付加することで、電動モータの回転角速度が所定値未満になることが抑制される。このため、回転角推定手段により推定される電動モータの回転角の推定精度が向上する。尚、操舵アシストトルクに付加するトルクは、高周波の脈動的トルクが好ましい。
本発明の他の特徴は、上記脈動的なトルクは、正弦波状トルクであることにある。
この発明によれば、脈動的なトルクを付加しても、操舵ハンドルの回転角を滑らかに変化させることができ、運転者に対して不快感を与えにくい。尚、正弦波状トルクとは、横軸に経過時間、縦軸にトルク値をとった場合に、そのトルク値の時間的推移を表す波形が正弦波状になることを意味する。
本発明の他の特徴は、上記脈動的なトルクは、矩形波状トルクあるいは台形波状トルクであることにある。
この発明によれば、電動モータの回転方向の切り替わりに要する時間が短くなり、回転角速度が低下する期間を短くすることができる。また、回転角速度の安定化を図ることができる。この結果、回転角推定手段による推定値の精度がさらに向上する。また、操舵ハンドルに周期的な振動が発生するため、運転者に対して異常状態が継続していることを認識させやすい。尚、矩形波状トルクあるいは台形波状トルクとは、横軸に経過時間、縦軸にトルク値をとった場合に、そのトルク値の時間的推移を表す波形が矩形波状あるいは台形波状になることを意味する。
本発明の他の特徴は、上記脈動的なトルクの周波数は、上記電動モータと上記操舵ハンドルとの間の伝達関数ゲインが所定値以下となる値に設定されることにある。
脈動的なトルクの振動の操舵ハンドルへの伝わりやすさ(伝達関数ゲイン)は、その脈動トルクの周波数に依存する。そこで、この発明においては、電動モータと操舵ハンドルとの間の伝達関数ゲインが所定値以下となるように脈動的トルクの周波数を設定することで、電動モータの回転角速度を大きく保ちつつ、トルク変化や振動を操舵ハンドルに伝わらないようにすることができる。この結果、運転者に不快感を与えにくくすることができる。尚、不快感の低減には、付加トルクとして正弦波状の脈動トルクを使うことで特に有効なものとなる。
本発明の他の特徴は、上記アシスト制御手段は、上記操舵ハンドルに加えられる操舵トルクを検出するトルクセンサから操舵トルク情報を取得して、上記操舵トルクが大きいほど上記目標操舵アシストトルクを大きく設定する目標アシストトルク設定手段を備え、上記脈動トルク付加手段は、上記センサ故障検出手段により上記回転角センサの故障が検出されている場合であって、上記トルクセンサにより検出される操舵トルクが所定値以下にまで低下したときには、上記脈動的なトルクの付加を停止することにある。
この発明によれば、操舵トルクが大きいほど目標アシストトルク設定手段により目標操舵アシストトルクが大きく設定される。また、トルクセンサにより検出される操舵トルクが所定値以下にまで低下した場合には、脈動トルク付加手段は、その作動を停止して脈動的なトルクの付加を停止する。つまり、操舵トルクが小さく目標操舵アシストトルクが小さく設定されるケースにおいては、人間工学上トルク変動を感じやすいため、こうしたケースでは脈動的なトルク付加を停止することで、運転者に与える不快感を低減することができる。例えば、不快感の低減に有効な正弦波状の付加トルクを使用する場合には、付加トルクを停止するときの操舵ハンドルトルクの大きさの閾値(所定値)として、1Nm〜3Nmの範囲における値が好ましい。
本発明の他の特徴は、上記アシスト制御手段は、上記センサ故障検出手段により上記回転角センサの故障が検出されている場合であって、上記脈動的なトルクの付加を停止した状態においては、上記電動モータの回転角速度が所定値未満にまで低下していると判断したときに、上記操舵アシストトルクの発生を停止することにある。
操舵トルクが所定位置以下にまで低下し脈動的なトルクの付加を停止した状態においては、電動モータの回転角速度が低下した状態が継続することがある。こうした場合、回転角推定値に含まれる誤差が大きくなる。そこで、この発明では、電動モータの回転角速度が所定値未満にまで低下しているときには、回転角推定値に基づくモータ制御を行わないように操舵アシストトルクの発生を停止する。この結果、信頼性と安全性とを向上することができる。
本発明の他の特徴は、上記目標アシストトルク設定手段は、上記検出した操舵トルクに基づいて上記目標操舵アシストトルクを設定する関係データとして、上記センサ故障検出手段により上記回転角センサの故障が検出されている場合に用いる故障時関係データと、上記故障が検出されていない場合に用いる正常時関係データとを別々に記憶し、上記故障時関係データは上記正常時関係データに比べて、目標操舵アシストトルクが零に設定されるアシスト不感帯域が広いことにある。
この発明によれば、回転角センサの故障が検出されている場合においては、操舵トルクが所定値以下にまで低下したとき脈動的なトルクの付加を停止し、さらに、この状態においては、電動モータの回転角速度が所定値未満になると操舵アシストトルクの発生を停止する。そして、この発明では、目標アシストトルク設定手段が、操舵トルクと目標操舵アシストトルクとを関係付ける関係データを記憶するが、回転角センサの故障が検出されている場合と故障が検出されていない場合とで異なる関係データを記憶し、回転角センサの故障が検出されている場合には故障時関係データを使用し、故障が検出されていない場合には正常時関係データを使用する。
この場合、故障時関係データは、正常時関係データに比べて目標操舵アシストトルクが零に設定されるアシスト不感帯域が広い。つまり、操舵トルクと目標操舵アシストトルクとを関係付ける関係データにおいては、操舵トルクが所定値に満たない範囲では目標操舵アシストトルクが零に設定されるが、この目標操舵アシストトルクが零に設定されるアシスト不感帯の幅が、正常時関係データに比べて故障時関係データのほうが広い。従って、電動モータの回転角速度が所定値未満になって、操舵アシストトルクの発生を停止するときに、急激な操舵トルクの変動が発生せず、運転者に不快感を与えない。つまり、操舵トルク不感帯の幅を広くすることで、操舵アシストトルクの発生を停止するときには、目標操舵アシストトルクが零あるいは非常に小さな値に設定されているようにすることができ、操舵トルクの急激な変動を防止することができる。
また、本発明の他の特徴は、上記目標アシストトルク設定手段は、上記検出した操舵トルクに基づいて上記目標操舵アシストトルクを設定する関係データとして、上記センサ故障検出手段により上記回転角センサの故障が検出されている場合に用いる故障時関係データと、上記故障が検出されていない場合に用いる正常時関係データとを別々に記憶し、上記故障時関係データは上記正常時関係データに比べて、目標操舵アシストトルクが小さいことにある。
この発明によれば、回転角センサの故障が検出されていない場合と故障が検知されている場合とで、操舵トルクに対する目標操舵アシストトルクが異なるように設定され、故障検知時においては目標操舵アシストトルクが小さく設定される。従って、運転者は、通常時に比べてハンドル操作が重くなっていることを感じることにより、異常状態が継続していることを安全に認識することができる。
本発明の他の特徴は、上記脈動トルク付加手段は、上記目標操舵アシストトルクの減少に従って上記脈動トルクの振幅を減少させ、上記目標操舵アシストトルクの増加に従って上記脈動トルクの振幅を増大させることにある。
この発明の電動パワーステアリング装置においては、操舵アシストトルクによりステアリングシステムの剛性が変化する。つまり、操舵ハンドルから転舵輪までのあいだの転舵機構内には、バネ体(例えば、トーションバー)が含まれるが、操舵アシストトルクに応じてバネ捩れ状態の度合いが変化してステアリングシステムの剛性が変化する。例えば、操舵アシストトルクが小さく働いている状態においてはシステム剛性が低く、操舵アシストトルクが大きく働いている状態においてはシステム剛性が高くなる。従って、電動モータに対して一定の大きさの付加トルクを設定した場合には、システム剛性の大きさによって、電動モータの回転角速度を所定値以上に維持するのに必要な加振幅が得られない。
そこで、本発明では、目標操舵アシストトルクの増加に伴って付加トルクの振幅を増大することにより、常に、必要な加振幅が得られ、結果として、電動モータの回転角速度を常に所定値以上に保持することができる。従って、回転角推定手段による回転角推定値の精度を向上することができる。この結果、信頼性、安全性を向上することができる。
本発明の他の特徴は、操舵ハンドルの操舵状態を検出する操舵センサを備えるとともに、上記アシスト制御手段は、少なくとも上記操舵センサにより検出された操舵状態に応じて、上記操舵アシストトルクに付加する脈動的トルクの目標波形を算出する目標波形算出手段を備えたことにある。
この発明によれば、目標波形算出手段により脈動的トルクの波形を算出するため、最適なトルクを付加することができる。例えば、電動モータの回転角速度をできるだけ高速に維持したい場合には、モータ回転角速度の波形を矩形波状にする。一方、運転者への脈動的トルクの伝達を抑制しつつ電動モータの回転速度を高速に維持したい場合には、モータ回転角速度の波形を正弦波状にする。そして、目標とするモータ回転角度の波形を得るために、電動モータで発生させる脈動的トルクの目標波形(=目標電流波形)を算出する。
この場合、例えば、ステアリングシステムモデルに基づいて目標波形を算出する目標波形算出手段を備えるとよい。ステアリングシステムモデルは、システム剛性、システム慣性、システム質量、操舵アシストトルクなどから決定される。このうち、システム剛性や操舵アシストトルクは、操舵角や操舵トルクといった操舵状態量、および車速などのパラメータによって決定される。そこで、本発明においては、少なくとも操舵状態量をパラメータとして入力し、このパラメータから脈動トルクの目標波形を算出する。この結果、所望の波形にて脈動的トルクを付加することができる。
本発明の他の特徴は、上記電動モータの回転軸と上記転舵機構との連結部に、上記電動モータが大きな回転トルクを発生する高トルク域と小さな回転トルクを発生する低トルク域とで剛性が変化し、低トルク域では高トルク域よりも低剛性となる可変剛性体を設けたことにある。
脈動的トルクを操舵アシストトルクに付加することで、電動モータの回転角速度を所定値以上にして回転角推定精度を確保するが、この脈動的トルクが操舵ハンドルに伝わって運転者への不快感を招くおそれがある。そこで、この発明では、更に、電動モータの回転軸と転舵機構との連結部に、低トルク域では高トルク域よりも低剛性となる可変剛性体を設けることにより、脈動的トルクが操舵ハンドルに伝達されにくくしている。
一般に、運転者にとってハンドル操作する操舵トルクが小さい場合にはトルク変動を感じやすい。この場合には、電動モータの操舵アシストトルクも小さい。このとき、本発明においては、電動モータの回転軸と転舵機構との連結部に設けられる可変剛性体が低剛性になっているため、電動モータが脈動的付加トルクを発生したときに、その振動(脈動的なモータの回転)の発生が邪魔されにくく、所定のモータ回転角速度が確保される。しかも、その振動は可変剛性体にて吸収されるため転舵機構側に伝達されにくい。
一方、操舵ハンドルが強く回動操作された場合には、大きな操舵アシストトルクが必要となり電動モータが大きなトルクを発生する。この場合には、電動モータの回転軸と転舵機構との連結部に設けられる可変剛性体が高剛性になっているため、電動モータの回転トルクが転舵機構に確実に伝達され適正な操舵アシストトルクを発生させることができる。また、操舵トルクが大きい場合には、運転者にとって脈動的トルクによるトルク変動を感じにくいため、運転者に不快感を与えにくい。
本発明の他の特徴は、上記電動モータの回転軸と上記転舵機構との連結部における剛性特性を選択的に切り替え可能な剛性特性切替手段を備え、上記剛性特性切替手段は、上記電動モータが大きな回転トルクを発生する高トルク域と小さな回転トルクを発生する低トルク域とで剛性が変化し低トルク域では高トルク域よりも低剛性となる第1剛性特性と、上記低トルク域から上記高トルク域にわたって上記第1剛性特性の高トルク域での剛性と同程度の高剛性特性が得られる第2剛性特性とに切り替え可能で、上記センサ故障検出手段により上記回転角センサの故障が検出されている場合には上記第1剛性特性を選択し、上記故障が検出されていない場合には上記第2剛性特性を選択することにある。
この発明によれば、回転角センサの故障が検出されている場合と、故障が検出されていない場合とで、電動モータの回転軸と転舵機構との連結部における剛性特性を剛性特性切替手段により切り替える。回転角センサの故障が検出されている場合には、第1剛性特性が選択される。この第1剛性特性が選択された場合には、操舵アシストトルクが小さいときと大きいときとで、電動モータの回転軸と転舵機構との連結部の剛性が変化する。
操舵アシストトルクが小さいときには、電動モータの回転軸と転舵機構との連結部が低剛性になるため、電動モータが脈動的付加トルクを発生したときに、その振動(脈動的なモータの回転)の発生が邪魔されにくく、所定のモータ回転角速度が確保される。しかも、その振動は低剛性の連結部にて吸収されるため転舵機構側に伝達されにくい。従って、所定のモータ回転角速度の確保と、操舵ハンドルへの振動伝達抑制とが両立される。
一方、操舵アシストトルクが大きいときには、電動モータの回転軸と転舵機構との連結部が高剛性になるため、電動モータの回転トルクが転舵機構に確実に伝達され適正な操舵アシストトルクを発生させることができる。また、操舵トルクが大きい場合には、運転者にとって脈動的トルクによるトルク変動を感じにくく不快感を与えにくい。
また、回転角センサの故障が検出されていない場合には、第2剛性特性が選択される。従って、電動モータの回転軸と転舵機構との連結部が高剛性になるため、電動モータの回転トルクが転舵機構に確実に伝達され適正な操舵アシストトルクを発生させることができる。また、回転角センサの故障が検出されていない場合は、電動モータは脈動的付加トルクを発生しない。従って、操舵ハンドルへ付加トルクによる振動が伝達されることもない。
本発明の他の特徴は、上記転舵機構に設けられ、上記転舵輪の転舵角に対する上記操舵ハンドルの操舵角の比であるステアリングギヤ比を変更するギヤ比可変装置と、上記操舵アシストトルクに付加される脈動的なトルクが上記操舵ハンドルに伝わらないように、上記脈動的なトルクの振動に同期させ上記ギヤ比可変装置を制御するギヤ比制御手段とを備えたことにある。
この発明によれば、ギヤ比制御手段が脈動的なトルクの振動に同期させてギヤ比可変装置を制御し、操舵アシストトルクに付加される脈動的なトルクが操舵ハンドルに伝わらないようにする。従って、所定のモータ回転角速度の確保と、操舵ハンドルへの振動伝達抑制とを両立することができる。ギヤ比可変装置は、例えば、操舵ハンドルに連結される操舵軸に設けられ、操舵軸の出力回転角と操舵ハンドルの入力回転角との比を調整するように構成されるものである。
本発明の他の特徴は、操舵ハンドルの操舵により転舵輪を転舵する転舵機構と、上記転舵機構に設けられ、上記操舵ハンドルの操舵操作に対して操舵アシストトルクを発生する突極型永久磁石モータからなる電動モータと、上記電動モータの回転角情報を取得する回転角取得手段と、上記回転角取得手段により取得された回転角情報に基づいて、上記電動モータの回転を制御するモータ制御手段と、上記操舵ハンドルの操舵操作に応じた目標操舵アシストトルクを演算し、上記演算された目標操舵アシストトルクに基づいて、上記モータ制御手段に対して上記電動モータの通電指令を出力して操舵アシストトルクを発生させるアシスト制御手段とを備えた電動パワーステアリング装置において、上記回転角取得手段は、少なくとも、上記電動モータの突極性を利用して上記電動モータの回転角を推定する回転角推定手段を備え、上記アシスト制御手段は、上記電動モータの回転角速度が所定値未満であるときと、同回転速度が上記所定値以上であるときとで、上記電動モータにより上記操舵アシストトルクを発生させるための制御態様を変更することにある。
この発明によれば、電動モータの突極性を利用して回転角を推定する回転角推定手段を備え、この推定した回転角情報によりモータ制御手段が電動モータの回転を制御する。アシスト制御手段は、操舵ハンドルの操舵操作に応じた目標操舵アシストトルクを演算し、この演算された目標操舵アシストトルクに基づいて、モータ制御手段に対して電動モータの通電指令を出力して操舵アシストトルクを発生させる。
電動モータの突極性を利用して回転角度を推定する場合、モータ回転角速度が低い状態においては、回転角推定値に含まれる誤差が大きくなる。そこで、この発明では、電動モータの回転角速度が所定値未満にまで低下しているときと、所定値以上あるときとで、電動モータにより操舵アシストトルクを発生させるための制御態様を変更する。従って、電動モータをセンサレス制御により駆動可能で、しかも、信頼性を向上することができる。
本発明の他の特徴は、上記アシスト制御手段は、上記電動モータの回転角速度が所定値未満にまで低下したときに、上記操舵アシストトルクの発生を停止するアシスト停止手段を備えたことにある。
この発明によれば、電動モータの回転角速度が所定値未満にまで低下しているとき、アシスト停止手段が操舵アシストトルクの発生を停止する。電動モータの突極性を利用して回転角を推定する場合、モータ回転角速度が低い状態においては、回転角推定値に含まれる誤差が大きくなる。そこで、この発明では、電動モータの回転角速度が所定値未満にまで低下しているときには、回転角推定値に基づくモータ制御を行わないように操舵アシストトルクの発生を停止する。特に、電動モータを極低速度で駆動する電動パワーステアリング装置においては、回転角推定値の誤差が大きくなりやすいため有効である。この結果、電動パワーステアリング装置の安全性、信頼性が向上する。尚、電動モータの回転角速度の低下検出は、例えば、電動モータの回転によって生じる逆起電圧の振幅の減少に基づいて判断することができる。
本発明の他の特徴は、上記アシスト制御手段は、上記電動モータの回転角速度が所定値未満にまで低下していると判断したときに、上記回転角速度の低下に従って、上記電動モータにより発生させる操舵アシストトルクを少なくするアシスト低減手段を備えたことにある。
この発明によれば、電動モータの回転角速度が所定値未満にまで低下しているとき、アシスト低減手段が、回転角速度の低下に従って電動モータにより発生させる操舵アシストトルクを低減する。つまり、回転角推定値の信頼性が低くなる電動モータの回転角速度が遅いときには、その回転角速度の低下に従って操舵アシストトルクを低減するため、推定値誤差によるアシストトルクへの影響が少なくなり、運転者の操舵違和感を低減することができる。尚、操舵アシストトルクは、回転角速度が小さくなるに従って徐々に漸減すると良い。
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施系形態に係る車両の電動パワーステアリング装置を示す概略図である。
この車両の電動パワーステアリング装置は、大別すると、操舵ハンドルの操舵により転舵輪を転舵する転舵機構10と、転舵機構10に組み付けられ操舵アシストトルクを発生する電動モータ15と、操舵ハンドルの操舵状態に応じて電動モータ15の作動を制御する電子制御ユニット30とから構成される。
電動パワーステアリング装置は、操舵ハンドル11に上端を一体回転するように接続したステアリングシャフト12を備え、同シャフト12の下端にはピニオンギヤ13が一体回転するように接続されている。ピニオンギヤ13は、ラックバー14に形成されたラック歯と噛み合ってラックアンドピニオン機構を構成する。ラックバー14の両端には、図示しないタイロッドおよびナックルアームを介して左右前輪FW1,FW2が操舵可能に接続されている。左右前輪FW1,FW2は、ステアリングシャフト12の軸線回りの回転に伴うラックバー14の軸線方向の変位に応じて左右に操舵される。従って、操舵ハンドル11、ステアリングシャフト12、ラックアンドピニオン機構13,14、タイロッド、ナックルアーム等により転舵機構10が構成される。
ラックバー14には、操舵アシスト用の電動モータ15が組み付けられている。電動モータ15は、突極型3相永久磁石モータであるブラシレスモータによって構成されている。電動モータ15の回転軸は、ボールねじ機構16を介してラックバー14に動力伝達可能に接続されていて、その回転により左右前輪FW1,FW2の操舵をアシストする。ボールねじ機構16は、減速器および回転−直線変換器として機能するもので、電動モータ15の回転を減速するとともに直線運動に変換してラックバー14に伝達する。また、電動モータ15をラックバー14に組み付けるのに代えて、電動モータ15をステアリングシャフト12に組み付けて、電動モータ15の回転を減速器を介してステアリングシャフト12に伝達して同シャフト12を軸線周りに駆動するように構成してもよい。
ステアリングシャフト12には、操舵トルクセンサ21が設けられる。操舵トルクセンサ21は、ステアリングシャフト12に介装されて上端および下端をステアリングシャフト12に接続したトーションバー21cと、トーションバー21cの上端部と下端部とにそれぞれ組みつけられたレゾルバセンサ21a,21bとからなる。各レゾルバセンサ21a,21bは、トーションバー21cの上端および下端の回転角をそれぞれ検出して、検出した回転角信号を出力する。操舵ハンドル11が回動操作されると、ステアリングシャフト12に操舵トルクが働いてトーションバー21cが捩れる。
操舵トルクセンサ21は、このトーションバー21cの捩れ角に応じた2つのレゾルバセンサ21a,21bの検出回転角信号を出力する。従って、この操舵トルクセンサ21の出力信号により、トーションバーの捩れ角に対応した操舵トルクを検出できる。以下、この明細書においては、操舵トルクセンサ21の出力信号を、操舵トルクThを表す信号として説明する。また、操舵トルクThは、正負の値により操舵ハンドル11の右方向および左方向の操舵時における操舵トルクの大きさをそれぞれ表す。また、操舵トルクセンサ21をステアリングシャフト12に組み付けるのに代え、ラックバー14に組み付けて、ラックバー14の軸線方向の歪み量から操舵トルクを検出するようにしてもよい。
電動モータ15には、回転角センサ23が設けられる。この回転角センサ23は、電動モータ15内に組み込まれ、電動モータ15の回転子の回転角度位置に応じた検出信号を出力するもので、例えばレゾルバセンサにより構成される。この回転角センサ23からの検出信号は、電動モータ15の回転角θmおよび回転角速度ωmの計算に利用される。一方、この電動モータ15の回転角θmは、操舵ハンドル11の操舵角に比例するものであるので、本明細書では、この回転角θmは、操舵ハンドル11の操舵角としても共通に用いられる。また、電動モータ15の回転角速度ωmは、操舵ハンドル11の操舵角速度に比例するものであるため、本明細書では、この回転角速度ωmは、操舵ハンドル11の操舵角速度としても共通に用いられる。
次に、電動モータ15の作動を制御する電子制御ユニット30について説明する。
電子制御ユニット30は、CPU,ROM,RAM等からなるマイクロコンピュータを主要構成部品とするとともに、電動モータ15の駆動回路をも備えている。また、電子制御ユニット30は、操舵トルクセンサ21、回転角センサ23、車速センサ22を接続して各検出信号を入力する。車速センサ22は、車両の走行速度に応じた車速信号Vを出力する。
次に、第1実施形態としての電子制御ユニット30について詳細に説明する。図2は、プログラムの実行によって実現される前記マイクロコンピュータの機能を表す機能ブロックを含む電子制御ユニット30の全体ブロック図である。
電子制御ユニット30は、電動モータ15の回転方向をq軸とするとともに回転方向と直交する方向をd軸とする2相回転磁束座標系で記述されるベクトル制御によって電動モータ15の回転を制御する。尚、これらのq軸およびd軸について、表現方法を換えると、d軸が電動モータ15の永久磁石による界磁方向であり、q軸がそれに直交する方向、つまり電動モータ15のトルクの発生に起因する方向である。
電子制御ユニット30は、電動モータ15の回転角を検出する回転角センサ23に故障が検出されていないときに行う制御と、回転角センサに故障が検出されたときに行う制御とで、その態様を切り替える。
まず、故障が検出されていない通常時に働く機能構成から説明し、その後で、故障時にて働く追加機能構成について説明する。
電子制御ユニット30は、基本アシストトルク演算部31および補償値演算部32を備えている。基本アシストトルク演算部31は、図35に示すように、操舵トルクThと車速Vとに応じて基本アシストトルクTasを設定するための基本アシストマップを記憶する。基本アシストトルク演算部31は、操舵トルクセンサ21からの操舵トルクTh情報及び車速センサ22からの車速V情報を入力して、この基本アシストマップを参照することにより基本アシストトルクTasを計算する。この場合、基本アシストトルクTasは、操舵トルクThの増加にしたがって増加するとともに車速Vの増加にしたがって減少する。尚、本実施形態では、基本アシストトルクTasを基本アシストマップを用いて計算するようにしたが、基本アシストマップに代えて操舵トルクThおよび車速Vに応じて変化する基本アシストトルクTasを定義した関数を用意しておき、同関数を用いて基本アシストトルクTasを計算するようにしてもよい。
補償値演算部32は、前記車速Vと共に、電動モータ15の回転角θm(操舵ハンドル11の操舵角に相当)および回転角速度ωm(操舵ハンドル11の操舵角速度に相当)を入力し、基本アシストトルクTasに対する補償値Trtを計算する。すなわち、補償値演算部32は、基本的には、操舵角に比例して大きくなるステアリングシャフト12の基本位置への復帰力と、操舵角速度に比例して大きくなるステアリングシャフト12の回転に対する抵抗力に対応した戻しトルクとの和を補償値Trtとして計算する。また、前記補償値Trtは、車速Vの増加に従って増加する。
これらの計算された基本アシストトルクTasおよび補償値Trtは演算部33に入力される。演算部33は、基本アシストトルクTasと補償値Trtを加算し、加算結果を目標指令トルクT*としてq軸目標電流演算部34に出力する。従って、本実施形態においては、基本アシストトルク演算部31と補償値演算部32と演算部33とにより本発明の目標アシストトルク設定手段を構成している。
q軸目標電流演算部34は、前記目標指令トルクT*に比例したq軸目標電流Iq*を計算する。このq軸目標電流Iq*は、前記2相回転磁束座標系で記述されるベクトル制御におけるq軸成分電流であり、電動モータ15によって発生される回転トルクの大きさを制御するものである。
電子制御ユニット30は、電動モータ15の効率化および小型高出力化のための弱め界磁制御に関係した弱め界磁制御パラメータ演算部35を備えている。弱め界磁制御パラメータ演算部35は、詳しくは後述する電動モータ15の回転角速度ωm、電動モータ15に対するq軸指令電圧Vq*’および電動モータ15のq軸実電流Iqを入力し、第1〜第3パラメータマップを参照して、前記回転角速度ωm、q軸指令電圧Vq*’およびq軸実電流Iqに応じた第1〜第3パラメータCw,Cq,Ciを計算する。これらの第1〜第3パラメータCw,Cq,Ciは、d軸目標電流演算部36に出力される。d軸目標電流演算部36は、第1〜第3パラメータCw,Cq,Ciに正の係数kを乗算して、d軸目標電流Id*(=k・Cw・Cq・Ci)を計算する。このd軸目標電流Id*は、前記2相回転磁束座標系で記述されるベクトル制御におけるd軸成分電流であり、電動モータ15の界磁を弱めるためのものである。
次に、これらの第1〜第3パラメータCw,Cq,Ciについて説明しておく。第1パラメータマップは、図36の特性グラフに示すように、モータ回転角速度ωmが小さい部分では「0」を示し、モータ回転角速度ωmの大きい部分ではほぼ一定の正の値を示す第1パラメータCwを記憶している。言い換えれば、モータ回転角速度ωmが大きくなるに従って大きくなる値を示す第1パラメータCwを記憶している。したがって、この特性に従って決定される第1パラメータCwは、電動モータ15の回転速度が大きな領域で弱め界磁電流を大きくすることを意味し、電動モータ15を出力トルク重視の特性から回転速度重視の特性に変更する。また、この第1パラメータCwは、電動モータ15の回転速度が遅いとき、すなわち操舵ハンドル11の回動速度が遅いときに、無駄な弱め界磁電流が流れることを防止する。
第2パラメータマップは、図37の特性グラフに示すように、電動モータ15のq軸指令電圧Vq*’が小さい部分では「0」を示し、q軸指令電圧Vq*’の大きい部分ではほぼ一定の正の値を示す第2パラメータCqを記憶している。言い換えれば、q軸指令電圧Vq*’が大きくなるに従って大きくなる値を示す第2パラメータCqを記憶している。このq軸指令電圧Vqが大きいことは、詳しくは後述するq軸指令電流ΔIqが大きいこと、すなわちq軸目標電流Iq*(補正q軸目標電流Iq*’)と電動モータ15の実q軸電流Iqとの偏差が大きいことを意味し、前記偏差が大きくなるに従って電動モータ15の弱め界磁電流は大きくなる。これにより、第2パラメータCqは、車両走行中に操舵ハンドル11をゆっくりかつ小さく回動操作した場合に、前記偏差が大きなときに弱め界磁制御を行って電動モータ15の回転速度を上昇させ、前記偏差が小さなときには無駄な弱め界磁電流が流れることを防止する。
第3パラメータマップは、図38の特性グラフに示すように、q軸実電流Iqの小さい部分ではほぼ一定の正の値を示すとともにq軸実電流Iqの大きい部分では「0」を示す第3パラメータCiを記憶している。言い換えれば、q軸実電流Iqが大きくなるに従って小さくなる値を示す第1パラメータCiを記憶している。この第3パラメータCiは、モータ回転角速度ωmが大きな状態で、操舵ハンドル11をさらに速く回動操作した場合に、電動モータ15による操舵アシストトルクが減少制御されて、操舵ハンドル11の操舵トルクが増加することを回避する。尚、本実施形態では、これらの第1〜第3パラメータCw,Cq,Ciを第1〜第3パラメータマップを用いて計算するようにしたが、これらのマップに代えてモータ回転角速度ωm、q軸指令電圧Vq*’およびq軸実電流Iqに応じて変化する第1〜第3パラメータCw,Cq,Ciをそれぞれ定義した関数を用意しておき、同関数を用いて第1〜第3パラメータCw,Cq,Ciを計算するようにしてもよい。
前記計算されたq軸目標電流Iq*およびd軸目標電流Id*はq軸目標電流補正演算部37に出力される。q軸目標電流補正演算部37は、q軸目標電流演算部34からq軸目標電流Iq*を入力し、d軸目標電流演算部36からd軸目標電流Id*を入力する。そして、q軸目標電流補正演算部37は、図39に示す補正係数マップを参照して、d軸目標電流Id*に対応した補正係数αを算出するとともに、q軸目標電流Iq*をその補正係数αで除算することにより、q軸目標電流Iq*を補正した補正q軸目標電流Iq*’を計算して(Iq*’=Iq*/α)、その計算結果である補正q軸目標電流Iq*’を演算部38に出力する。
この補正係数マップは、q軸目標電流補正演算部37に設けられており、d軸目標電流Id*の増加に従って減少する正の補正係数αを記憶している。これにより、補正q軸目標電流Iq*’は、d軸目標電流Id*が大きくなる従ってq軸目標電流Iq*を大きくなる側に補正した値を示す。
尚、本実施形態では、補正係数αを補正係数マップを用いて計算するようにしたが、補正係数マップに代えてd軸目標電流Id*に応じて変化する補正係数αを定義した関数を用意しておき、同関数を用いて補正係数αを計算するようにしてもよい。
演算部38は、補正q軸目標電流Iq*’からq軸実電流Iqを減算し、減算結果をq軸指令電流ΔIqとして比例積分制御部(PI制御部)41に出力する。演算部39は、d軸目標電流Id*からd軸実電流Idを減算し、減算結果をd軸指令電流ΔIdとして比例積分制御部(PI制御部)42に出力する。比例積分制御部41および比例積分制御部42は、q軸指令電流ΔIqおよびd軸指令電流ΔIdに基づいて、q軸実電流Iqおよびd軸実電流Idが補正q軸目標電流Iq*’およびd軸目標電流Id*にそれぞれ追従するようにq軸指令電圧Vq*およびd軸指令電圧Vd*を計算する。
比例積分制御部41および比例積分制御部42により算出されたq軸指令電圧Vq*およびd軸指令電圧Vd*は、非干渉補正値演算部43及び演算部44,45により補正されてq軸補正指令電圧Vq*およびd軸補正指令電圧Vd*’として2相/3相座標変換部46に出力される。非干渉補正値演算部43は、q軸実電流Iqとd軸実電流Idとモータ回転角速度ωmとに基づいて、q軸指令電圧Vq*およびd軸指令電圧Vd*のための非干渉補正値−ωm・(φa+La・Id),ωm・La・Iqを計算する。尚、前記インダクタンスLa及び磁束φaは、予め決められた定数である。
演算部44、45は、q軸指令電圧Vq*およびd軸指令電圧Vd*から非干渉補正値−ωm・(φa+La・Id),ωm・La・Iqをそれぞれ減算して、q軸補正指令電圧Vq*’(=Vq*+ωm・(φa+La・Id))およびd軸補正指令電圧Vd*’(=Vd*−ωm・La・Iq)を算出する。
2相/3相座標変換部46は、q軸補正指令電圧Vq*’およびd軸補正指令電圧Vd*’を3相指令電圧Vu*,Vv*,Vw*に変換して、同変換した3相指令電圧Vu*,Vv*,Vw*をPWM電圧発生部47に出力する。PWM電圧発生部47は、3相指令電圧Vu*,Vv*,Vw*に対応したPWM制御電圧信号UU,VU,WVをインバータ回路48に出力する。インバータ回路48は、前記PWM制御電圧信号UU,VU,WVに対応した3相の励磁電圧Vu,Vv,Vwを発生して、同励磁電圧Vu,Vv,Vwを3相の励磁電流路を介して電動モータ15にそれぞれ印加する。
3相の励磁電流路のうちの2つには電流センサ51,52が設けられ、各電流センサ51,52は、電動モータ15に対する3相の励磁電流Iu,Iv,Iwのうちの2つの励磁電流Iu,Iwを検出して3相/2相座標変換部53に出力する。この3相/2相座標変換部53には、演算部54にて前記実電流Iu,Iwに基づいて計算された励磁電流Ivも出力されている。3相/2相座標変換部53は、これらの3相実電流Iu,Iv,Iwを2相実電流Id,Iqに変換する。
また、回転角センサ23からの出力信号は、回転角変換部55および故障検知部61に出力される。回転角センサ23として使用されるレゾルバセンサは、電動モータ15のロータとともに回転する図示しないレゾルバロータと、モータケーシングに固定されるレゾルバステータとを備え、レゾルバロータには励磁コイルである1次巻線が設けられ、レゾルバステータにはπ/2だけ位相のずれた一対の検出用コイルである2次巻線が設けられる。そして1次巻線を正弦波信号により励磁することにより、2次巻線に2種類の誘起電圧信号を出力させる。回転角変換部55は、回転角センサ23から出力された誘起電圧信号に基づいて、モータ回転角(電気角θ)を算出する。回転角変換部55は、算出したモータ回転角情報を回転角θmaとして回転角選択部60に出力する。
レゾルバセンサの場合、巻線が断線したり絶縁不良を起こしたりすることがある。そこで、故障検知部61では、回転角センサ23の出力信号の振幅を監視し、その振幅が予め設定した許容範囲から外れた場合には、回転角センサ23が故障していると判断してセンサ故障信号failを出力する。また、レゾルバセンサの一対の2次巻線の誘起電圧信号を比べて故障を検出する。例えば、2次巻線の一方から正弦波信号が出力されているときに、他方の2次巻線から一定値信号が出力されているときなど、2つの検出信号状態の組み合わせが矛盾するケースにおいても故障検知部61はセンサ故障信号failを出力する。
センサ故障信号failは、回転角選択部60および回転角推定部62に出力される。回転角選択部60は、電動モータ15の回転制御に使うモータ回転角(電気角)情報を出力するもので、回転角変換部55から出力されるモータ回転角検出値θma、および、回転角推定部62から出力されるモータ回転角推定値θmbを入力し、センサ故障信号failの有無に応じて何れか一方のモータ回転角(θmaまたはθmb)を選択して、モータ回転角θmとして出力する。つまり、回転角選択部60は、故障検知部61からセンサ故障信号failを入力していない状況においては、回転角変換部55から入力したモータ回転角検出値θmaをモータ回転角θmとして出力し、センサ故障信号failを入力している状況においては、回転角推定部62から入力したモータ回転角推定値θmbをモータ回転角θmとして出力する。
回転角推定部62は、故障検知部61からセンサ故障信号failが入力されているときに回転角センサ23を用いずにモータの突極性を利用してセンサレスにてモータ回転角を推定する。センサレスにてモータ回転角(電気角)を算出により推定する手法は種々知られている。ここでセンサレスでの回転角の算出方法の一例を示す。例えば、モータが所定の回転速度以上で運転している場合には、次式(1),(2)に示す電圧方程式を用いて回転角の算出を行う。
Vd−R・Id−p(Ld・Id)+ω・Lq・Iq=0 ……(1)
Vq−R・Iq−p(Lq・Iq)−ω・Ld・Id−E=0 ……(2)
ここで、Vはモータに印加される電圧値、Iはモータ巻線に流れる電流値、Lは巻線のインダクタンスを示している。V,I,Lに付けられた添え字dおよびqは、それぞれの値がモータのいわゆるd軸、q軸方向の値であることを意味している。上式の他の変数について、Rはモータコイル抵抗、ωはモータの電気的回転角速度、Eはモータの回転によって生じる逆起電圧を示している。モータの電気的角速度ωは、モータの機械的な角速度に極対数を乗じて求められる値である。また、pは時間微分演算子である。つまり、
p(Ld・Id)=d(Ld・Id)/dt
である。
この電圧方程式(1),(2)は、d軸、q軸について常に成立する方程式である。センサレスでモータを制御する場合、まず、モータの制御装置は、ある推定された回転角θcに基づいて上記方程式を演算する。このとき、演算結果には推定された回転角θcと現実の回転角θとの誤差角Δθに応じた演算誤差が生じる。つまり、算出された電流および電圧値を用いて上述の電圧方程式(1),(2)を計算すれば、本来は値0となるべき両方程式が0以外の値となる。前のタイミングにおける回転角に、現タイミングにおける電圧値、電流値等を用いて計算された方程式(1),(2)の誤差を考慮した補正を行うことにより、現タイミングにおける回転角を算出することができる。
回転角を演算する方法の具体例を以下に示す。先に示した電圧方程式(1),(2)において、時間微分(d/dt)を時間差分(変化量/時間)に置き換えて変形すると次式(3)〜(5)が得られる。
ΔId=Id(n)−Idm
=Id(n)−Id(n−1)−t(Vd−R・Id+ω・Lq・Iq)/Ld
……(3)
ΔIq=Iq(n)−Iqm
=Iq(n)−Iq(n−1)−t(Vq−R・Iq+ω・Ld・Id−E(n−1))/Lq ……(4)
E(n)=E(n−1)−k1・ΔIq ……(5)
ここで、Id,Iqはd軸、q軸の電流、すなわち磁化電流およびトルク電流、Ld,Lqはd軸、q軸方向のインダクタンス、Vd,Vqは巻線に印加される電圧値を示している。それぞれの変数に付けられた(n)等は、上記演算が周期的に繰り返し実行されていることを踏まえて付されており、(n)は現タイミングにおける値であり、(n−1)は前タイミングにおける値を意味している。Idm、Iqmは磁化電流およびトルク電流のそれぞれのモデル値、即ち推定した回転角が正しいと仮定した場合に電圧方程式に基づいて求められる電流の理論値を意味する。k1は、逆起電圧E(n),E(n−1)、ΔIqとを関係付け、回転角の算出に用いられる定数であり、実験的に定められるものである。尚、この演算が実行される周期は、上式における時間tである。
上式(5)で算出されるモータの回転によって生じる逆起電圧E(n)は、モータ回転角速度ωに比例する。従って、モータ回転角速度ωは次式(6)のように表すことができる。
ω=k2・E(n) ……(6)
また、モータの回転角θ(n)は、モータ回転角速度ωを使って表すと次式(7)のように表すことができる。
θ(n)=k3・θ(n−1)・ω ……(7)
従って、モータの回転角θ(n)は、逆起電圧E(n)を用いて次式(8)のように算出することができる。
θ(n)=k・θ(n−1)・E(n) ……(8)
この式(8)における逆起電圧E(n)は、式(5)により求めた値を代入すればよい。
k(=k2・k3)は、実験により求めた比例定数である。
尚、回転角をセンサレスにて検出する手法は、上記以外にも種々提案されているため、任意のものを採用することができる。
図2の機能ブロック構成の説明に戻る。回転角選択部60は、選択したモータ回転角情報である回転角θmを角速度変換部56、2相/3相座標変換部47、3相/2相座標変換部53、補償値演算部32に出力する。角速度変換部56は、回転角θmを微分して回転子の固定子に対する回転角速度ωmを計算する。尚、角速度変換部56は、回転角センサ23の故障が検知されている場合には、回転角推定部62の回転角推定に当たって逆起電圧Eから算出したモータ回転角速度をそのまま利用する。モータ回転角速度ωmは、前述した弱め界磁制御パラメータ演算部35、補償値演算部32、非干渉補正値演算部43などに出力されて利用される。
次に、上記のように構成した実施形態の動作について説明する。運転者が操舵ハンドル11を回動操作すると、この回動操作は、ステアリングシャフト12およびピニオンギヤ13を介してラックバー14に伝達されて、ラックバー14の軸線方向の変位により左右前輪FW1,FW2が操舵される。これと同時に、操舵トルクセンサ21はステアリングシャフト12に付与される操舵トルクThを検出し、電動モータ15が電子制御ユニット30によりサーボ制御されて前記操舵トルクThに応じたアシストトルクでラックバー14を駆動するので、左右前輪FW1,FW2は電動モータ15の駆動力によりアシストされながら操舵される。
この電子制御ユニット30によるサーボ制御においては、基本アシストトルク演算部31、補償値演算部32及び演算部33が、前記検出操舵トルクTh、車速V、電動モータ15の回転角θm(操舵ハンドル11の操舵角に対応する)および電動モータ15の回転角速度ωm(操舵ハンドル11の操舵角速度に対応する)に基づいて目標指令トルクT*を計算するとともに、q軸目標電流演算部34がこの目標指令トルクT*に基づいてq軸目標電流Iq*を計算する。また、d軸目標電流演算部36が、弱め界磁制御パラメータ演算部35にてモータ回転角速度ωm、q軸指令電圧Vqおよびq軸実電流Iqに基づいて計算された第1〜第3パラメータCw,Cq,Ciを用いて、d軸目標電流Iq*を計算する。
そして、演算部38,39、比例積分制御部41,42、2相/3相座標変換部46、PWM電圧発生部47及びインバータ回路48が、電流センサ51,52、3相/2相座標変換部53及び演算部54によってフィードバックされたd軸実電流Idおよびq軸実電流Iqを用いて、電動モータ15を制御する。また、非干渉補正値演算部43及び演算部44,45は、d,q軸間で干渉し合う速度起電力を打ち消すために比例積分制御部41,42からのq軸指令電圧Vq*およびd軸指令電圧Vd*を補正する。
以下、上述したように電動モータ15の通電を制御して所望の操舵アシストトルクを発生させる制御をアシスト制御と呼ぶ。
電子制御ユニット30は、こうしたアシスト制御を行うに当たっては、回転角センサ23の故障が検出されていない場合には回転角センサ23にて検出した検出回転角θmaを使用して電動モータ15を制御し、回転角センサ23の故障が検出されている場合には回転角推定部62により推定した推定回転角θmbを使用して電動モータ15を制御する。
以下、回転角推定部62により推定した推定回転角θmbに基づいて行うアシスト制御態様をセンサレスアシスト制御と呼び、回転角センサ23の故障が検出されず回転角センサ23にて検出した回転角θmaに基づいて行うアシスト制御態様をノーマルアシスト制御と呼ぶ。
次に、回転角センサ23の故障が検出されて、回転角推定部62により推定した推定回転角θmbに基づいてアシスト制御を行うときに働く機能部について説明する。
第1実施形態としての電子制御ユニット30は、上述した各機能部に加えて、図2に太線枠で示すように、アシスト停止指令部63を備える。アシスト停止指令部63は、角速度変換部56からモータ回転角速度ωm情報を入力するとともに、故障検知部61から故障判定信号を入力する。
推定回転角θmbの実際の回転角に対する誤差は、図13に示すように、モータ回転角速度ωmが大きいほど小さく、逆に、モータ回転角速度ωmが小さいほど大きくなる特性を有する。アシスト停止指令部63は、図13に示す特性から、予め設定されたモータ回転角θmの許容誤差範囲E1の境界(許容限界値)に対応するモータ回転角速度ωm1をアシスト制御停止判定用の閾値として記憶する。
尚、本願明細書中において、モータ回転角速度ωm、モータ回転角θm、操舵トルクTh、操舵アシストトルクTas、操舵角θhなどの大小比較を論じる場合は、それらの絶対値についての比較である。
アシスト停止指令部63は、故障検知部61からセンサ故障信号failが入力されていないとき、つまり、ノーマルアシスト制御が行われる場合には非アクティブ状態となり作動しないが、故障検知部61からセンサ故障信号failが入力されているとき、つまり、センサレスアシスト制御が行われる場合にはアクティブ状態となる。
アシスト停止指令部63は、アクティブ状態においては、角速度変換部56から入力したモータ回転角速度ωmと閾値ωm1とを比較する。そして、モータ回転角速度ωmが閾値ωm1以上であるときアシスト制御を継続させ、モータ回転角速度ωmが閾値ωm1未満であるときにアシストトルクの発生を停止(以下、パワーアシストの停止と呼ぶ)させる。
つまり、電子制御ユニット30は、回転角センサ23の故障が検知されているときにアシスト停止指令部63をアクティブにしてモータ回転速度ωmと閾値ωm1との比較判定を行うように制御態様を変更し、更に、モータ回転速度ωmと閾値ωm1との大小関係に応じてパワーアシストの停止/継続を切り替えるように制御態様を変更する。
パワーアシストを停止させるにあたって、本実施形態においては、アシスト停止指令部63からPWM電圧発生部47に停止指令信号を出力する。PWM電圧発生部47は、アシスト停止指令部63から停止指令信号を入力した場合には、インバータ回路48へのPWM制御電圧信号UU,VU,WVを停止し、インバータ回路48のスイッチング素子をオフ状態に維持する。また、モータ回転角速度ωmが閾値ωm1以上であるときは、アシスト停止指令部63は、PWM電圧発生部47にアシスト許可信号を出力してセンサレスアシスト制御を継続させる。
図12は、操舵状態(操舵角θh、操舵角速度ωh)に応じてアシスト停止指令部63から出力される信号(停止指令信号:OFF、許可信号:ON)の変化を表す。
尚、アシスト停止指令部63は、モータ回転角速度ωmの閾値ωm1への低下を判断するに当たっては、電動モータ15で発生する逆起電圧Eの振幅の低下に基づいて判断するとよい。つまり、図14に示すようにモータ回転角速度ωmは逆起電圧Eと比例関係にあり、逆起電圧Eは、回転角推定部62にて回転角θmbを推定する過程にて算出されている。従って、この逆起電圧Eが所定値未満か否かを判断することによりパワーアシストの停止/許可を切り替えるようにする。これによれば、モータ回転角速度低下判定が容易で、しかも判定精度が高い。
この第1実施形態の電動パワーステアリング装置によれば、回転角センサ23が故障しても、回転角推定値に基づくセンサレス制御によりアシスト制御を実施することができるため、軽い力でハンドル操作を行うことができる。また、モータ回転角速度ωmが低くなって回転角推定値の信頼性が低下しているときには、パワーアシストを停止するため、誤った操舵アシストトルクの発生を防止し、安全性を確保することができる。つまり、回転角センサ23の故障時においても、安全にパワーアシストを行うことができ、運転者にとって非常に好ましいものとなる。
次に、第2実施形態の電動パワーステアリング装置について説明する。図3は、第2実施形態の電動パワーステアリング装置の電子制御ユニット30の機能を表すもので、第1実施形態のアシスト停止指令部63に代えて太枠線で示すアシストゲイン変更指令部64を備えたものである。他の構成については、第1実施形態と同一であるため、図面に同一符号を付して説明は省略する。
このアシストゲイン変更指令部64は、角速度変換部56からモータ回転角速度ωm情報を入力するとともに、回転角センサ23の故障が検知されているときに故障検知部61からセンサ故障信号failを入力する。
上述したように、推定回転角θmbの実際の回転角に対する誤差は、モータ回転角速度ωmが大きいほど小さく、逆に、モータ回転角速度ωmが小さいほど大きくなる特性を有する。そこで、この第2実施形態においては、回転角θmbの推定誤差が操舵アシストトルクへ大きく影響しないように、モータ回転角速度ωmが小さいほど操舵アシストトルクを小さくするように補正する補正ゲインK1xを設定する。
この補正ゲインK1xは、図15(A)に示すように、モータ回転角速度ωmが小さくなるに従って徐々に小さい値に設定される。このモータ回転角速度ωmに対する補正ゲインK1x(≦1)は、アシストゲイン変更指令部64に参照マップとして記憶されるが、図15(A)のものに限らず、例えば、図15(B)〜(D)に示す特性のものなど、モータ回転角速度ωmが小さくなるに従って低減率を大きく(補正ゲインK1xを小さく)設定するものであれば任意に設定できる。
アシストゲイン変更指令部64は、センサレスアシスト制御を行っているあいだ、参照マップを参照してモータ回転角速度ωmに応じた補正ゲインK1xを算出し、この補正ゲインK1x情報をPWM電圧発生部47に出力する。PWM電圧発生部47は、2相/3相座標変換部46から出力された3相指令電圧Vu*,Vv*,Vw*に対応したPWM制御電圧信号UU,VU,WVを算出し、さらにこのPWM制御電圧信号UU,VU,WVに補正ゲインK1xを乗じた電圧信号に補正してインバータ回路48に出力する。
従って、モータ回転角速度ωmが小さいほどインバータ回路48に出力されるPWM制御電圧信号UU,VU,WVが小さな値に補正される。この結果、モータ回転角速度ωmの低下に従って電動モータ15の通電量が低減補正され、操舵アシストトルクが小さくなる。つまり、回転角推定値の信頼性が低くなるモータ回転角速度ωmが小さいときには、その回転角速度の低下に従って操舵アシストトルクを漸減するため、推定値誤差によるアシストトルクへの影響が少なくなり、運転者の操舵違和感を低減することができる。また、パワーアシストが突然停止しないため、操舵感が急変することも抑制できる。
次に、第3実施形態の電動パワーステアリング装置について説明する。図4は、第3実施形態の電動パワーステアリング装置の電子制御ユニット30の機能を表すもので、第1実施形態のアシスト停止指令部63へ入力されるモータ回転角速度ωm信号に代えて、操舵ハンドル11の操舵角θh信号を用いるものである。この例では、図1に示す電動パワーステアリング装置のシステム構成において、操舵ハンドル11の回転角度位置を検出する操舵角センサ24(図1に破線にて示す)を備えている。他の構成については、第1実施形態と同一であるため、図面に同一符号を付して説明は省略する。
この第3実施形態における電子制御ユニット30は、操舵速度検出部65およびアシスト停止指令部63’を備える。この操舵速度検出部65は、操舵角センサ24から操舵角θh信号を入力し、この操舵角θhの時間的変化(微分値)を演算して操舵速度ωhを算出する。操舵速度検出部65は、算出した操舵速度ωh情報をアシスト停止指令部63’に出力する。操舵ハンドル11と電動モータ15とは転舵機構10により機械的に連結されているため、操舵速度とモータ回転角速度とは比例関係にある。従って、アシスト停止指令部63’は、モータ回転角速度ωm信号に代えて操舵速度ωhを入力することで、モータ回転角速度ωmの低下を判断する。
図16は、モータ回転角速度ωmに対する、回転角推定値θmbの実際の回転角との誤差、および操舵角センサ24(外部センサ)により検出される回転角(モータ回転角に換算した値)の実際の回転角との誤差を表す。操舵角センサ24により検出される回転角の誤差は、モータ回転角速度ωmに関係なく一定範囲となっている。一方、回転角推定部62により推定される回転角推定値θmbは、モータ回転速度ωmが大きいほど小さく、逆に、モータ回転角速度ωmが小さいほど大きくなる特性を有する。
従って、操舵角センサ24により検出される回転角θhの誤差が、回転角推定部62により推定される回転角推定値θmbの誤差より小さくなるモータ回転速度ωmの小さな範囲A1においては、操舵角センサ24により検出した操舵角θhを使ってモータ回転角速度ωmを算出し、逆に、操舵角センサ24により検出される回転角θhの誤差が、回転角推定部62により推定される回転角推定値θmbの誤差より大きくなるモータ回転速度ωmの大きな範囲A2においては、回転角推定部62により推定した回転角推定値θmbを使ってモータ回転角速度ωmを算出するとよい。
パワーアシストの停止を行うか否かを判断するためのモータ回転角速度ωmの閾値ωm1は、範囲A1に存在する。従って、アシスト停止指令部63’は、故障検知部61からセンサ故障信号failが入力されている状況においては、操舵速度検出部65から出力された操舵速度ωhと予め設定した閾値ωh1との大小関係を常に判断し、操舵速度ωhが閾値ωh1を下回ったときに、モータ回転角速度ωmが閾値ωm1にまで下回ったとみなしてPWM電圧発生部47に停止指令信号を出力してパワーアシストを停止させる。一方、操舵速度ωhが閾値ωh1以上あるときには、モータ回転角速度ωmが閾値ωm1以上あるとみなしてPWM電圧発生部47にアシスト許可信号を出力してアシスト制御を継続させる。また、アシスト停止指令部63’は、故障検知部61からセンサ故障信号failが入力されていない状況においては、第1実施形態と同様に非作動状態となる。従って、アシスト制御が継続される。
この第3実施形態によれば、回転角センサ23を用いずに外部センサとして操舵角センサ24の検出信号を使ってモータ回転角速度ωmの低下を判定するため、その判定精度が良好である。従って、電動パワーステアリング装置の信頼性、安全性がさらに向上する。
尚、操舵速度検出部65は、操舵角センサ24に代えて操舵トルクセンサ21に設けられるレゾルバセンサ21aあるいはレゾルバセンサ21bの回転角信号を入力するようにしてもよい。この場合においても、同様の作用効果が得られる。
また、第2実施形態においても、上述した操舵速度検出部65を設けて、アシストゲイン変更指令部64へ入力されるモータ回転角速度ωm信号に代えて、操舵速度検出部65にて検出した操舵角速度ωhを用いても良い。
次に、第4実施形態の電動パワーステアリング装置について説明する。図5は、第4実施形態の電動パワーステアリング装置の電子制御ユニット30の機能を表すもので、第1実施形態のアシスト停止指令部63に代えて太枠線で示す正弦波トルク付加部66を備えたものである。他の構成については、第1実施形態と同一であるため、図面に同一符号を付して説明は省略する。尚、図中の破線に示す構成は、後述する第12実施形態に適用する構成であり、この第4実施形態に適用するものではない。
正弦波トルク付加部66は、故障検知部61から故障判定信号を入力する。故障検知部61は、回転角センサ23の故障を検知すると故障判定信号としてセンサ故障信号failを出力する。正弦波トルク付加部66は、このセンサ故障信号failを入力すると、図17に示すような、高周波の正弦波トルク指令を演算部33に出力する。この演算部33は、先の実施形態においては、基本アシストトルク演算部31で算出された基本アシストトルクTasと、補償値演算部32で算出された補償値Trtとを加算し、その加算結果を目標指令トルクT*としたが、この第4実施形態においては、更に、正弦波トルク付加部66から出力された正弦波トルク指令値をも加算して目標指令トルクT*とする。
回転角センサ23の故障が検出されている場合には、回転角推定部62により推定された推定回転角θmbにより電動モータ15の回転が制御されるが、このとき、モータ回転角速度ωmが低下すると推定回転角θmbの推定精度が悪くなる。特に、電動パワーステアリング装置においては、電動モータ15を極めて低速で回転させることが多いため、回転角の推定は難しい。そこで、本実施形態においては、回転角センサ23の故障が検出されている場合には、その制御態様を変更して正弦波トルクを目標指令トルクに付加することで、モータ回転角速度ωmが所定値未満に維持されてしまうことを防止し、推定回転角θmbの推定精度を向上することができる。以下、操舵アシストトルクに付加する高周波トルクを付加トルクと呼ぶ。
正弦波トルクを操舵アシストトルクに付加した場合、それによる振動が操舵ハンドル11に伝達される。しかし、この付加トルクの波形を正弦波状にしているため、操舵ハンドル11の回転角を滑らかに変化させることができ、運転者に対して不快感を与えにくくすることができる。
また、操舵ハンドル11への振動の伝わりやすさ(伝達関数ゲイン)は、付加トルクの周波数に関係する。図18は、付加トルクの周波数と、操舵ハンドル11に伝わる振動の振幅との関係を表す。本実施形態においては、この特性に基づいて、振動の振幅が予め設定した閾値aよりも小さくなる付加トルクの周波数を設定する。尚、付加トルクの周波数をあまり高くすると電動モータ15の回転が追従できなくなるため、電動モータ15の追従可能範囲内にて付加トルクの周波数を設定する。また、高周波トルクを操舵アシストトルクに付加する後述の他の実施形態においても、この周波数の設定は同様に適用できるものである。
従って、この第4実施形態によれば、モータ回転角速度ωmを大きく保ちつつ、トルク変化や振動を操舵ハンドル11に伝わらないようにすることができる。この結果、運転者に不快感を与えにくくすることができる。
次に、第5実施形態の電動パワーステアリング装置について説明する。図6は、第5実施形態の電動パワーステアリング装置の電子制御ユニット30の機能を表すもので、第4実施形態の構成に、更に、太枠線で示すトルク付加ゲイン乗算部67を加えたものである。他の構成については、第4実施形態と同一であるため、図面に同一符号を付して説明は省略する。
正弦波トルク付加部66から出力される高周波の正弦波トルク指令は、トルク付加ゲイン乗算部67に入力される。トルク付加ゲイン乗算部67は、操舵トルクセンサ21から操舵トルクTh情報を入力し、その操舵トルクThに応じて設定されるトルク付加ゲインK2xを正弦波トルク指令値に乗じる。そして、トルク付加ゲイン乗算部67は、正弦波トルク指令値にトルク付加ゲインK2xを乗じた値を演算部33に出力する。
このトルク付加ゲインK2xは、図19(A)に示すように、操舵トルクThが所定値Th1以下の場合に値0に設定され(K2x=0)、操舵トルクThが所定値Th1を超える場合に値1に設定される(K2x=1)。この操舵トルクThとトルク付加ゲインK2xとの関係は、トルク付加ゲイン乗算部67に記憶される。従って、操舵トルクThが所定値Th1以下の場合には、演算部33に出力される正弦波トルク指令値が「0」となり、正弦波トルクが付加されない。逆に、操舵トルクThが所定値Th1を超える場合には、演算部33に対して、正弦波トルク付加部66から出力された正弦波トルク指令値がそのまま出力される。
操舵アシストトルクは、主に基本アシストトルク演算部31にて操舵トルクThと車速Vに応じて算出され、基本アシストマップ(図35)に示すように、操舵トルクセンサ21により検出される操舵トルクThが大きくなるにしたがって操舵アシストトルクおよび操舵アシストトルク勾配(操舵アシストトルク/操舵トルク)が大きくなるように設定される。このように操舵トルクThに応じて操舵アシストトルクが設定されるシステムにおいては、操舵トルクが小さい場合に、運転者にとって正弦波トルクによるトルク変動を感じやすい。そこで、この第5実施形態においては、トルク付加ゲイン乗算部67を設けて、操舵トルクThが所定値Th1以下の場合には、正弦波トルク指令値を「0」に、つまり、正弦波トルクの付加を停止させるようにして、運転者に与える不快感を低減する。
正弦波トルク付加を停止する判定基準となる操舵トルクThの閾値Th1としては、2Nm±1Nmが好ましい(Th1=2Nm±1Nm)。この閾値Th1の設定は、基本アシストマップの特性に基づいて行う。
尚、操舵トルクの低下に伴って正弦波トルクの付加を停止する場合、急に停止するのではなく、正弦波トルクの大きさを徐々に小さくしていって停止するようにしてもよい。例えば、図19(B)に示すように、操舵トルクThの低下にともなって閾値Th2〜Th1のあいだでトルク付加ゲインK2xを一次関数的に低下させるようにしてもよい。また、トルク付加ゲインK2xを段階的に低下させるようにしてもよい。こうした、操舵トルクThとトルク付加ゲインK2xとの関係は、マップ等によりトルク付加ゲイン乗算部67に記憶される。また、後述する第7実施形態のように矩形波トルクを付加するものにおいても、トルク付加ゲイン乗算部67を設けるようにしてもよい。
次に、第6実施形態の電動パワーステアリング装置について説明する。図7は、第6実施形態の電動パワーステアリング装置の電子制御ユニット30の機能を表すもので、第5実施形態の構成に、更に、太枠線で示すアシストマップ変更指令部68とアシスト停止指令部63とを加え、基本アシストトルク演算部31に代えて基本アシストトルク演算部31’を備えたものである。他の構成については、第5実施形態と同一であるため、図面に同一符号を付して説明は省略する。
基本アシストトルク演算部31’は、回転角センサ23にて検出した回転角θmaに基づいて電動モータ15の回転を制御するノーマルアシスト制御を行う場合と、推定回転角θmbに基づいて行うセンサレスアシスト制御を行う場合とで異なる基本アシストマップを記憶する。図20(A)は、ノーマルアシスト制御用の基本アシストマップを表し、図20(B)は、センサレスアシスト制御用の基本アシストマップを表す。ノーマルアシスト制御用の基本アシストマップは、本発明の正常時関係データに相当するもので、この実施形態においては、以下、ノーマルアシストマップと呼び、センサレスアシスト制御用の基本アシストマップは、本発明の故障時関係データに相当するもので、この実施形態においては、以下、センサレスアシストマップと呼ぶ。この図における各マップでは、特定の車速Vにおける操舵トルクThに対する基本アシストトルクTasを示すが、車速Vの増加にしたがって基本アシストトルクTasが小さく設定される点は前述の通りである(図35参照)。また、図20(B)における破線の特性は、図20(A)のノーマルアシストマップ特性を対比用に表したものである。
各アシストマップにおいては、操舵トルクThが所定値に満たない範囲では基本アシストトルクTasが「0」に設定されるが、この基本アシストトルクTasが「0」に設定される操舵トルクThの範囲をアシスト不感帯と呼ぶ。そして、アシスト不感帯の幅は、ノーマルアシストマップ特性に比べてセンサレスアシストマップ特性のほうが広く設定されている。このセンサレスアシストマップにおける不感帯の値Th0(操舵トルクThが低下して基本アシストトルクTasが0となるときの操舵トルクThの大きさ)は、次式に示す大きさに設定するとよい。
Th0≧Th1−0.3Nm ……(10)
ここで、Th1は、付加トルクの停止を判定する上記所定値Th1である。
また、操舵トルクThに対する基本アシストトルクTasの大きさについても、センサレスアシストマップにおいてはノーマルアシストマップと比べて小さく設定される。
電子制御ユニット30は、この基本アシストトルク演算部31’にマップ変更指令を出力するアシストマップ変更指令部68を備える。アシストマップ変更指令部68は、回転角センサ23の故障が検知されているときに故障検知部61からセンサ故障信号failを入力するように設けられ、このセンサ故障信号failを入力したときに基本アシストトルク演算部31’に対してマップ変更指令を出力する。
基本アシストトルク演算部31’は、アシストマップ変更指令部68からマップ変更指令が出力されていない場合、つまり、回転角センサ23の故障が検知されていない場合には、ノーマルアシストマップに基づいて基本アシストトルクTasを演算する。そして、アシストマップ変更指令部68からマップ変更指令を入力すると、基本アシストトルクTasを演算するためのアシストマップをノーマルアシストマップからセンサレスアシストマップに切り替える。
電子制御ユニット30は、更に、アシスト停止指令部63を備える。このアシスト停止指令部63は、第1実施形態のものと同一である。つまり、アシスト停止指令部63は、故障検知部61からセンサ故障信号failが入力されていないときには作動しないが、故障検知部61からセンサ故障信号failが入力されている場合には、角速度変換部56から入力したモータ回転角速度ωmと閾値ωm1とを比較し、角速度変換部56から入力したモータ回転角速度ωmが閾値ωm1以上であるときアシスト制御を継続させ、モータ回転角速度ωmが閾値ωm1未満であるときにPWM電圧発生部47に停止指令信号を出力してパワーアシストを停止させる。
この第6実施形態において、電子制御ユニット30は、故障検知部61により回転角センサ23の故障が検出されると、そのセンサ故障信号failに基づいて正弦波トルク付加部66が高周波の正弦波トルク指令を出力する。トルク付加ゲイン乗算部67は、この正弦波トルク指令を入力するとともに操舵トルクセンサ21から操舵トルクTh情報を入力し、その操舵トルクThに応じて設定されるトルク付加ゲインK2xを正弦波トルク指令値に乗じ、このトルク付加ゲインK2xを乗じた正弦波トルク指令値を演算部33に出力する。トルク付加ゲインK2xは、図19(A)に示すように、操舵トルクThが所定値Th1以下の場合に値0に設定され、操舵トルクThが所定値Th1を超える場合には値1に設定される。従って、操舵トルクThが所定値Th1以下の場合には、演算部33に出力される正弦波トルク指令値は「0」となって正弦波トルクが付加されない。また、操舵トルクThが所定値Th1を超える場合には、演算部33に対して、正弦波トルク付加部66から出力された正弦波トルク指令値がそのまま出力される。
また、故障検知部61により回転角センサ23の故障が検出されているときには、この正弦波トルクの付加制御と並行して、アシスト停止指令部63およびアシストマップ変更指令部68が作動する。
アシストマップ変更指令部68は、上述したように基本アシストトルク演算部31’に対してマップ変更指令を出力し、基本アシストトルクTasを演算するためのアシストマップをノーマルアシストマップからセンサレスアシストマップに切り替える。
アシスト停止指令部63は、モータ回転角速度ωmが閾値ωm1未満であるときにPWM電圧発生部47に停止指令信号を出力してパワーアシストを停止させるように作動するが、正弦波トルクが付加されている状態においては、モータ回転角速度ωmが閾値ωm1以上に維持されてパワーアシストを継続させる。尚、モータ回転角速度ωmは、正弦波トルク付加時においてもモータ回転方向が切り替わるときに瞬時的に閾値ωm1を下回るが、この瞬時的なモータ回転角速度ωmの低下に対しては、回転角推定精度にあまり影響しないため、アシスト停止指令部63はパワーアシストを継続させる。
そして、操舵トルクThが所定値Th1以下になると正弦波トルク付加が停止され、パワーアシストの継続が維持されなくなる。つまり、正弦波トルク付加の停止により、モータ回転角速度ωmを閾値ωm1以上に維持できなくなくなり、モータ回転角速度ωmが閾値ω1を下回ったときにパワーアシストが停止する。
この第6実施形態によれば、故障検知部61により回転角センサ23の故障が検出されているときには、正弦波トルクがセンサレスアシストマップにより設定される基本アシストトルクTasに付加されてモータ回転速度ωmの低下を防止する。この場合、センサレスアシストマップの使用により操舵アシストトルクが全体的に低減されているため、運転者にとって通常よりもハンドル操作が重く感じる。このため、運転者は、異常状態であることを常に安全に認識することができる。
また、操舵トルクThが所定値Th1以下に低下すると正弦波トルクの付加を停止する。この正弦波トルクの付加の停止により、モータ回転角速度ωmを高い値に維持することができなくなる。そして、モータ回転角速度ωmが閾値ωm1を下回るとパワーアシストを停止する。この場合、アシストトルクを演算するためのアシストマップとして、アシスト不感帯の広いセンサレスアシストマップが使用されているため、操舵トルクThの低下に対して早めに基本アシストトルクTas(目標操舵アシストトルク)が低下する。従って、パワーアシストが停止されるときには、ほぼ基本アシストトルクTasが「0」になっている。この結果、パワーアシストの停止による急激なトルク変動が発生しなく、運転者に不快感を与えない。これは、上記式(10)に示すようにアシスト不感帯の値Th0を設定することで実現される。
尚、上記式(10)において、Th0=Th1−0.3Nmとした場合には、操舵トルクThの低下により付加トルクが停止されるときには、操舵トルクThが0.3Nmだけアシスト不感帯の外になっているため若干のトルク変動が生じるが、このトルク変動は、運転者に不快感を与えない許容できる程度となっている。また、Th0≧Th1とすれば、必ずパワーアシストが停止されるときには、先に基本アシストトルクTasが「0」になっているため不快なトルク変動は発生しない。
次に、第7実施形態の電動パワーステアリング装置について説明する。図8は、第7実施形態の電動パワーステアリング装置の電子制御ユニット30の機能を表すもので、第4実施形態の正弦波トルク付加部66に代えて太枠線で示す矩形波トルク付加部69を備えたものである。他の構成については、第4実施形態と同一であるため、図面に同一符号を付して説明は省略する。
矩形波トルク付加部69には、故障検知部61から故障判定信号を入力する。故障検知部61は、回転角センサ23の故障を検知すると故障判定信号としてセンサ故障信号failを出力する。矩形波トルク付加部69は、このセンサ故障信号failを入力すると、高周波の矩形波トルク指令を演算部33に出力する。図21の上段は、このトルク指令値の波形を表す。この矩形波トルク指令により電動モータ15を駆動したときの電流波形も同様なものとなる。図20の中段は、この矩形波トルク指令により電動モータ15を駆動したときのモータ回転角の推移を、図20の下段は、そのときのモータ回転角速度を表す。
この演算部33は、第4実施形態と同様に、基本アシストトルク演算部31で算出された基本アシストトルクTasと、補償値演算部32で算出された補償値Trtと、矩形波トルク付加部69から出力された矩形波トルク指令値を加算して目標指令トルクT*とする。
回転角センサ23の故障が検出されている場合には、回転角推定部62により推定された推定回転角により電動モータ15の回転が制御されるが、このとき、モータ回転角速度ωmが低下すると推定回転角θmbの推定精度が悪くなる。特に、電動パワーステアリング装置においては、電動モータを極めて低速で回転させることが多いため、回転角の推定は難しい。そこで、第7実施形態においては、矩形波トルクを目標指令トルクに付加することで、モータ回転角速度が所定値未満に維持されてしまうことを防止し、推定回転角の推定精度を向上することができる。
特に、この第7実施形態では、矩形波状の付加トルクを与えるため電動モータ15の回転方向の切り替わりに要する時間が短くなり、モータ回転角速度の低下する期間を短くすることができる。回転角を推定する場合、瞬時的なモータ回転角速度の低下はあまり問題ない。従って、実質的なモータ回転角速度の安定化を図ることができる。この結果、回転角推定部62による推定値の精度がさらに向上する。また、操舵ハンドル11に周期的な振動が発生するため、運転者に対して異常状態が継続していることを認識させやすい。
尚、矩形波トルク付加部69により付加される高周波トルクは、正方形や長方形の一部を描くような波形に限らず、例えば、図21に示すような略台形波形状にしてもよい。
次に、第8実施形態の電動パワーステアリング装置について説明する。図9は、第8実施形態の電動パワーステアリング装置の電子制御ユニット30の機能を表すもので、第7実施形態の構成に、更に、太枠線で示すトルク付加ゲイン乗算部70を加えたものである。他の構成については、第7実施形態と同一であるため、図面に同一符号を付して説明は省略する。
矩形波トルク付加部69から出力される高周波の矩形波トルク指令は、トルク付加ゲイン乗算部70に入力される。トルク付加ゲイン乗算部70は、基本アシストトルク演算部31から基本アシストトルクTas情報を入力し、その基本アシストトルクTasに応じて設定されるトルク付加ゲインK3xを矩形波トルク指令値に乗じる。そして、トルク付加ゲイン乗算部70は、矩形波トルク指令値にトルク付加ゲインK3xを乗じた値を演算部33に出力する。
このトルク付加ゲインK3xは、基本アシストトルクTasの減少に従って小さな値に設定される。つまり、トルク付加ゲインK3xは、基本アシストトルクTasが小さくなるほど矩形波トルクの振幅を小さくするように働く。図23は、基本アシストトルクTasに対するトルク付加ゲインK3xの関係を、4つの例((A)〜(D))にて表したものである。この基本アシストトルクTasに対するトルク付加ゲインK3xの関係は、ゲインマップとしてトルク付加ゲイン乗算部70に記憶される。
電動パワーステアリング装置においては、操舵アシストトルクによりステアリングシステムの剛性が変化する。つまり、操舵ハンドル11から転舵輪FW1,FW2までのあいだの転舵機構10内には、バネ体(例えば、トーションバー)が含まれるが、操舵アシストトルクに応じてバネ捩れ状態の度合いが変化してステアリングシステムの剛性が変化する。例えば、操舵アシストトルクが小さく働いている状態においてはシステム剛性が低く、操舵アシストトルクが大きく働いている状態においてはシステム剛性が高くなる。従って、電動モータ15に対して一定の大きさの付加トルクを設定した場合には、システム剛性の大きさによって、モータ回転角速度ωmを所定値以上に維持するのに必要な加振幅が得られない。
そこで、この第8実施形態では、基本アシストトルク演算部31にて演算される基本アシストトルクTas(目標操舵アシストトルクに相当する)の増加に伴って矩形波トルクの振幅を増大することにより、常に、必要な加振幅が得られ、結果として、モータ回転角速度ωmを常に所定値以上に保持することができる。従って、回転角推定部62による回転角推定値θmbの精度を向上することができる。この結果、信頼性、安全性を向上することができる。
尚、基本アシストトルクTasとトルク付加ゲインK3xとを関係付けるゲインマップは、操舵アシストトルクと付加トルクとの適合性や、システムモデルから算出すると良い。また、矩形波トルク付加部69に代えて正弦波トルク付加部66を用いて正弦波トルクを操舵アシストトルクに付加する構成であってもよい。
次に、第9実施形態の電動パワーステアリング装置について説明する。図10は、第9実施形態の電動パワーステアリング装置の電子制御ユニット30の機能を表すもので、第4実施形態の正弦波トルク付加部66に代えて太枠線で示す付加トルク波形算出部71とトルク付加部72を備えたものである。他の構成については、第4実施形態と同一であるため、図面に同一符号を付して説明は省略する。
付加トルク波形算出部71およびトルク付加部72は、故障検知部61から回転角センサ23の故障判定信号を入力し、回転角センサ23の故障によりセンサ故障信号failが入力されているときにアクティブとなり、センサ故障信号failが入力されていないときに非アクティブとなる。
付加トルク波形算出部71は、操舵角センサ24により検出される操舵角θh情報と、操舵トルクセンサ21により検出される操舵トルクTh情報と、車速センサ22により検出される車速V情報とを入力する。そして、この3つの情報(θh,Th,V)に基づいて付加トルクの波形を算出する。つまり、上述した第4〜第8実施形態においては、予め波形の設定された高周波トルク(正弦波トルク、矩形波トルク)を基本アシストトルクTasに付加してモータ回転角速度ωmを高く維持するようにしたが、この第9実施形態においては、走行中の操舵情報(θh,Th)および車速情報Vに基づいて付加トルクの波形を算出する。
回転角の推定精度を上げるためには、モータ回転角速度ωmを所定値以上に保持する必要がある。そこで、図24(A)に示すように、モータ回転角速度の目標値を矩形波状に設定する。この場合、モータ回転方向の切り替わりに要する時間が最小となり、モータ回転角速度を所定値以上に保持することができる。
付加トルク波形算出部71は、この矩形波状のモータ回転角速度を得るための付加トルク波形を算出する。この付加トルク波形の算出に当たっては、ステアリングシステムモデルを考慮する。ステアリングシステムモデルは、システム剛性、システム慣性、システム質量、操舵アシストトルクなどから決定される。このうち、システム剛性や操舵アシストトルクは、操舵角θhや操舵トルクThといった操舵状態量、および車速Vなどのパラメータによって決定される。
そこで、この第9実施形態においては、このパラメータからステアリングシステムモデルを求め、そのシステムモデルに応じた付加トルクの目標波形を算出する。例えば、システム剛性の高低に応じて、モータ回転角速度ωmを所定値以上に維持するために必要な付加トルクの振幅が異なる。そこで、付加トルク波形算出部71は、システム剛性が高いほど付加トルクの振幅を大きくする。また、システム慣性や質量に応じて、電動モータ15の回転の応答性が変化する。そこで、付加トルク波形算出部71は、付加トルクの立ち上げ勾配、立ち下げ勾配等を変更する。
従って、付加トルク波形算出部71は、操舵角θh、操舵トルクTh、車速Vによって決定されるステアリングシステムモデルにとって最適な付加トルク波形を算出する。この場合、付加トルク波形算出部71は、3つのパラメータ(θh,Th,V)によって付加トルク波形を算出する波形マップ(図示略)を記憶し、この波形マップを参照して求めるようにする。あるいは、関数を使って算出するようにしてもよい。例えば、図24(A)に示すモータ回転角速度の波形を得ようとした場合、3つのパラメータ(θh,Th,V)に基づいて図24(B)に示すトルク波形が計算される。
付加トルク波形算出部71にて算出されたトルク波形信号は、トルク付加部72に出力される。トルク付加部72は、付加トルク波形算出部71から出力されたトルク波形信号に基づいて、高周波のトルク指令を演算部33に出力する。演算部33は、基本アシストトルク演算部31で算出された基本アシストトルクTasと、補償値演算部32で算出された補償値Trtと、トルク付加部72から出力されたトルク指令値を加算して目標指令トルクT*とする。
この第9実施形態によれば、所望のモータ回転速度特性が得られるような付加トルク波形を付加トルク波形算出部71によりステアリングシステムモデルに基づいて算出するため、最適なトルクを付加することができる。尚、この例では、目標モータ回転角速度を矩形波状にしているが、運転者への振動の伝達抑制を重視する場合には、モータ回転角速度の波形を正弦波状にするとよい。
次に、第10実施形態の電動パワーステアリング装置について説明する。
この第10実施形態の電動パワーステアリング装置は、ステアリングギヤ比可変装置を使って、付加トルクの振動が操舵ハンドル11に伝達されないようにするもので、先の第4〜第9実施形態においてステアリングギヤ比可変装置を追加して適用できるものである。ここでは、第4実施形態にステアリングギヤ比可変装置を追加した例にて説明する。
この第10実施形態の電動パワーステアリング装置は、図25に示すように、ステアリングシャフト12が上シャフト12aと下シャフト12bとに2分割され、上シャフト12aの上端に操舵ハンドル11が固定され、下シャフト12bの下端部にピニオンギヤ13がラックバー14に形成されたラック歯と噛み合ってラックアンドピニオン機構を構成する。ラックバー14に組みつけられる構成については、図1に示す先の実施形態と同様であるので図面に同一符号を付して説明を省略する。下シャフト12bには、先の実施形態と同じ操舵トルクセンサ21を備える。
上シャフト12aと下シャフト12bとの間には、左右前輪FW1,FW2の転舵角に対する操舵ハンドル11の回転角の比であるステアリングギヤ比を変更するための、言い換えれば下シャフト12bに対する上シャフト12aの回転角の比を可変とするためのステアリングギヤ比可変装置100が介装されている。ステアリングギヤ比可変装置100は、上シャフト12aの下端部に一体回転するように接続された円筒状のケーシング101を備えている。このケーシング101内には、ステアリングギヤ比可変アクチュエータを構成する電動モータ102が固定されている。電動モータ102の出力軸102aは、ケーシング101に回転可能に支持されていて、下端にて下シャフト12bに一体回転可能に接続されている。
また、電動モータ102は減速機構103を備え、電動モータ102の回転は減速されてその出力軸102aに出力される。上シャフト12aおよび下シャフト12bには、それぞれシャフトの回転角を検出する回転角センサ104a,104bを備える。この回転角センサ104a,104bは、例えば、レゾルバセンサにより構成される。回転角センサ104a,104bは、上シャフト12aおよび下シャフト12bの回転角位置に応じた回転角信号を出力する。従って、この2つの回転角位置の差を算出することにより上シャフト12aと下シャフト12bとの回転角度差θd(以下、差動角θdと呼ぶ)を検出することができる。
以下、この明細書においては、2つの回転角センサ104a,104bをあわせて回転角センサ104と呼び、この回転角センサ104から差動角θdを表す信号を出力するものとして説明する。
第10実施形態における電子制御ユニット30の機能構成について、図11を用いて説明する。この実施形態の電子制御ユニット30は、第4実施形態のものに、さらに、本発明のギヤ比制御手段に相当する差動角制御部73およびモータ駆動回路74を設けたものである。
電子制御ユニット30は、第4実施形態と同様に、正弦波トルク付加部66を備え、故障検知部61からセンサ故障信号failを入力すると、この正弦波トルク付加部66から演算部33に正弦波トルク指令を出力して、電動モータ15の目標指令トルクに正弦波トルクを付加する。これにより、モータ回転角速度ωmが所定値未満に維持されてしまうことを防止する。この場合、モータ回転角速度ωmを所定値以上に維持しようとすると、付加トルクの振幅大きくなり、付加トルクによる振動が操舵ハンドル11に伝達され運転者に不快感を与えるおそれがある。そこで、この第10実施形態では、差動角制御部73およびモータ駆動回路74によりステアリングギヤ比可変装置100の作動を制御して振動伝達を防止する。
差動角制御部73は、正弦波トルク付加部66からの高周波の正弦波トルク指令を入力し、後述する差動角制御によりモータ駆動回路74に制御指令を出力してステアリングギヤ比可変装置100の電動モータ102を駆動する。
図26は、差動角制御部73が実行する差動角制御ルーチンを表すフローチャートである。この差動角制御ルーチンは、制御プログラムとして差動角制御部73の記憶回路内に記憶され、繰り返し実行される。
差動角制御部73は、センサ故障信号failを入力すると、本制御ルーチンを開始し、まず、ステップS11において、正弦波トルク付加部66から出力される正弦波トルク指令を入力する(S11)。図27の上段の波形は、この正弦波トルクの波形を表す。その下段の波形が、この正弦波トルク指令により電動モータ15を駆動したときのモータ回転角を表す。続いて、差動角制御部73は、ステップS12において、この正弦波トルク指令に同期させて目標差動角θd*を設定する。目標差動角θd*は、図27に示すように、操舵アシストトルクに付加される正弦波トルク成分をステアリングギヤ比可変装置100で打ち消すように、正弦波トルク指令に対して所定の位相差を設けて設定される。
続いて、差動角制御部73は、ステップS13において、回転角センサ104により検出される現時点の実際の差動角θd情報を入力する。次に、ステップS14において、目標差動角θd*と実差動角θdとの偏差Δθd(=θd*−θd)を算出する。そして、ステップS15において、この偏差Δθdに基づいてモータ制御指令をモータ駆動回路74に出力する。つまり、偏差Δθdが零になるように設定される制御量でモータ制御指令を出力する。モータ駆動回路74は、インバータ回路等により構成され、差動角制御部73からのモータ制御指令にしたがってステアリングギヤ比可変装置100の電動モータ102に通電する。
本制御ルーチンは所定の短い周期で繰り返し実施され、操舵アシストトルクに付加された正弦波トルク成分を打ち消すようにステアリングギヤ比可変装置100が動作する。この結果、図27の下段波形に示すように、正弦波トルクにより操舵ハンドル11に伝達される振動を許容範囲内に抑えることができ、運転者に不快感を与えない。つまり、所定のモータ回転角速度の確保による回転角推定精度の向上と、操舵ハンドル11への振動伝達抑制とを両立することができる。尚、ステアリングギヤ比可変装置100を用いて付加トルクの振動を低減する場合、付加トルクの周波数(差動角の周波数も同じ周波数となる)は、車両の横共振周波数、縦共振周波数、タイヤ周りの共振周波数より十分に高い周波数に設定する。
次に、第11実施形態の電動パワーステアリング装置について、図28〜図30を用いて説明する。
この第11実施形態の電動パワーステアリング装置は、電動モータ15の出力軸と転舵機構10との連結部に剛性が変化する可変剛性部を設け、電動モータ15の出力トルクに応じて可変剛性部の剛性を変化させるもので、操舵アシストトルクに高周波のトルクを付加する先の第4〜第9実施形態において適用できるものである。この説明に当たって、図1に示した構成と同一機能を有する構成については同一符号を付して簡単な説明にとどめる。
この第11実施形態の電動パワーステアリング装置は、操舵アシストトルクをステアリングシャフトに働かせるタイプの電動パワーステアリング装置である。この第11実施形態の電動パワーステアリング装置における転舵機構10’は、操舵ハンドル11に上端を一体回転するように接続したステアリングシャフト12を備え、同シャフト12の下端にはピニオンギヤ13が一体回転するように接続されている。ピニオンギヤ13は、ラックバー14に形成されたラック歯と噛み合ってラックアンドピニオン機構を構成する。ラックバー14の両端には、図示しないタイロッドおよびナックルアームを介して左右前輪FW1,FW2が操舵可能に接続されている。左右前輪FW1,FW2は、ステアリングシャフト12の軸線回りの回転に伴うラックバー14の軸線方向の変位に応じて左右に操舵される。
ステアリングシャフト12には、その途中に、ステアリングシャフトと一体的に回転する減速ギヤ17が設けられる。この減速ギヤ17の入力軸17aは、操舵アシスト用の電動モータ15の出力軸15aと連結装置18により連結される。従って、電動モータ15にて発生するトルクは、連結装置18を介して減速ギヤ17に入力され、ステアリングシャフト12に対して操舵アシストトルクを付与する。
尚、この実施形態においては、転舵機構10’は、操舵ハンドル11、ステアリングシャフト12、減速ギヤ17、ラックアンドピニオン機構、タイロッド、ナックルアーム等により構成される。
連結装置18は、図29に示すように、電動モータ15の出力軸15aの先端と、減速ギヤ17の入力軸17aの先端とをかみ合わせた状態で覆う円筒状の連結ケーシング18aを備える。電動モータ15の出力軸15a(以下、モータ軸15aと呼ぶ)は円柱状に形成され、その先端には、断面U字状に軸方向に切り欠かれた溝15bが形成される。この溝15bの両側を形成し向かい合う突片15c、15dは、減速ギヤ17の入力軸17a(以下、減速ギヤ軸17aと呼ぶ)に回転力を伝達する部位となり四角柱状に形成される。以下、この向かい合う突片15c,15dを、連結出力片15c,15dと呼ぶ。
減速ギヤ軸17aは円柱状に形成され、その先端は、向かい合う側面が軸方向に平坦に削られることによって中央に四角柱状体17bが形成される。以下、この四角柱状体17bを連結入力片17bと呼ぶ。この連結入力片17bは、モータ軸15aの溝15b内に、溝15bの両側の連結出力片15c、15dから所定の隙間をあけた状態で挿入される。この状態で、モータ軸15aの先端と減速ギヤ軸17aの先端とが連結ケーシング18aにより覆われる。この連結ケーシング18a内には、弾性部材19(エラストマ)が充填される。従って、モータ軸15aと減速ギヤ軸17aとは、非接触状態で弾性部材19を介して連結されることになる。
図30は、図29においてA−A線に沿って切断した断面図を表し、(A)は、非作動状態、つまり、電動モータ15が回転トルクを発生していないときの連結状態を表す。この場合、向かいあう連結出力片15c,15dの中間位置に、連結入力片17bが連結出力片15c,15dの向かい合う面と平行に配置される。また、連結出力片15c,15dと連結入力片17bとの間に弾性部材19が介装される。この状態から電動モータ15に回転トルクを発生させると、その回転トルクが小さい場合には、図30(B)に示すように、モータ軸15aが回転しても、弾性部材19が変形して、その回転トルクが減速ギヤ軸17aに伝わりにくい。つまり、弾性部材19の変形により、モータ軸15aの回転角度に対して減速ギヤ軸17aの回転角度が少ない。そして、電動モータ15の回転トルクが増大すると、弾性部材19のそれ以上の変形が抑えられ、弾性部材19が変形した状態で連結出力片15c、15dの回転トルクが連結入力片17bに伝達され減速ギヤ軸17aが回転する。
このため、この連結装置18は、図31に示すように、電動モータ15の出力トルクが小さい低トルク域においては、トルク増大に対して差動角(モータ軸15aと減速ギヤ軸17aとの回転角度差)の増大率が大きい。つまり、低剛性特性を有する。また、電動モータ15の出力トルクが大きい高トルク域においては、トルク増大に対して差動角の増大率が小さい。つまり、高剛性特性を有する。このように、電動モータ15の出力トルクに応じて連結装置18の剛性特性が変化し、低トルク域においては高トルク域に比べて低剛性に変化する。尚、低剛性特性を有する範囲は、モータ回転角において左右方向それぞれ5deg〜25deg以下の角度が好ましい。
先の第4〜第9実施形態においては、回転角センサ23の故障が検出されているときには、高周波のトルク(正弦波トルクや矩形波トルク)を操舵アシストトルクに付加することで、モータ回転角速度ωmを所定値以上にして維持して回転角推定精度を確保するが、この付加トルクが操舵ハンドル11に振動として伝わって運転者への不快感を招くおそれがある。そこで、この第11実施形態においては、モータ軸15aと減速ギヤ軸17aとの連結部に、低トルク域では高トルク域よりも低剛性となる可変剛性特性を有する連結装置18を設けることにより、付加トルクによる振動が操舵ハンドル11に伝達されにくくしている。
一般に、運転者にとってハンドル操作力(操舵トルク)が小さい場合にはトルク変動を感じやすい。この場合には、電動モータ15の操舵アシストトルクも小さい。このとき、電動モータ15と転舵機構10’との連結部に設けられる連結装置18が低剛性となっているため、電動モータ15が高周波トルクを発生したとき、その回転動作が邪魔されることなく所定の振幅の振動が得られて大きなモータ回転角速度ωmが確保される。しかも、その振動は連結装置18の弾性部材19にて吸収されるため操舵ハンドル11に伝達されにくい。
一方、操舵ハンドル11が強く回動操作された場合には、電動モータ15が大きな操舵アシストトルクを発生する。この場合には、連結装置18の剛性が高くなるため、電動モータ15の回転トルクが転舵機構10’に確実に伝達され適正な操舵アシストトルクを発生させることができる。また、ハンドル操作力が大きい場合には、運転者にとって付加トルクによるトルク変動を感じにくいため、運転者に不快感を与えにくい。
次に、第12実施形態の電動パワーステアリング装置について、図32〜図34を用いて説明する。
この第12実施形態の電動パワーステアリング装置は、第11実施形態とは、電動モータと減速ギヤとの連結部の構成が異なるもので、操舵アシストトルクに高周波のトルクを付加する先の第4〜第9実施形態において適用できるものである。この説明に当たって、第11実施形態とは相違する特徴部分についてのみ説明する。
この第12実施形態の電動パワーステアリング装置は、ステアリングシャフト12に設けられる減速ギヤとしてウォームギヤ110が用いられる。図32は、この減速ギヤ部の構造を簡単に表すもので、ステアリングシャフト12の軸方向から視た概略図である。ウォームギヤ110は、ステアリングシャフト12に固着されるウォームホイール111と、ウォームホイール111と噛み合う円筒ウォーム112とからなる。円筒ウォーム112は、その軸方向両端に回転軸であるウォーム軸112a,112bが突出して形成される。一方のウォーム軸112aは、電動モータ15の出力軸15aと連結されるとともに第1支持ベアリング113により回転可能に支持される。他方のウォーム軸112bは、第2支持ベアリング114により回転可能に支持される。
この第2支持ベアリング114は、押し込みアクチュエータ115により連結される。この押し込みアクチュエータ115は、電子制御ユニット30から通電されることにより作動して第2支持ベアリング114を前方(図面の矢印a方向)に押す。これにより、円筒ウォーム112の歯列112cは、図33(A)に示すように、ウォームホイール111の歯列111aに所定の荷重にて押し込まれる。以下、このギヤの噛み合い位置を第1噛合位置と呼ぶ。
この押し込みアクチュエータ115としては、例えば、ソレノイドやピエゾ素子等が使用され、電子制御ユニット30からの通電により押し込み荷重を調整する。また、ウォームホイール111の歯列111aは、樹脂により形成されている。
また、押し込みアクチュエータ115は、電子制御ユニット30からの通電が断たれているとき、第2支持ベアリング114の押し込み力を解除する。この場合、第2支持ベアリングは、図示しないバネ等により所定位置にまで引き戻される(図面の矢印b方向)。これにより、円筒ウォーム112の歯列112cとウォームホイール111の歯列111aとの間には、図33(B)に示すように、所定のクリアランスCが形成される。以下、このギヤの噛み合い位置を第2噛合位置と呼ぶ。
例えば、第4〜第9実施形態においては、回転角センサ23の故障が検出されたとき、高周波のトルクを操舵アシストトルクに付加することでモータ回転角速度ωmを所定値以上に維持して回転角推定精度を確保するが、この付加トルクが操舵ハンドル11に振動として伝わって運転者への不快感を招くおそれがある。そこで、この第12実施形態においては、回転角センサ23の故障が検知されたとき、押し込みアクチュエータ115を作動させてウォームギヤ110の噛合状態を、第1噛合位置から第2噛合位置に変化させる。これにより、電動モータ15とステアリングシャフト12との間の剛性が変化する。
図34は、ウォームギヤ110の剛性特性を表し、(A)は第1噛合位置における剛性特性を、(B)は第2噛合位置における剛性特性を表す。第2噛合位置においては、円筒ウォーム112の歯列112cとウォームホイール111の歯列111aとの間にクリアランスCが形成されるため、電動モータ15の回転初期においては円筒ウォーム112の回転に対してウォームホイール111の回転角が少ない。しかも、ウォームホイール111の歯列111aが樹脂により形成されているため、その樹脂変形分も回転角差に現れる。
このため、図34(B)に示すように、電動モータ15の出力トルクの低い低トルク域においては、トルク増大に対して差動角(円筒ウォーム112とウォームホイール111との回転角度差)の増大率が大きい。つまり、低剛性特性を有する。また、電動モータ15の出力トルクの高い高トルク域においては、トルク増大に対して差動角の増大率が小さい。つまり、高剛性特性を有する。このように、ウォームギヤ110が第2噛合位置に設定されているときには、電動モータ15の出力トルクに応じてウォームギヤ110の剛性特性が変化し、低トルク域においては高トルク域に比べて低剛性に変化する。
一方、ウォームギヤ110が第1噛合位置に設定されているときには、図34(A)に示すように、一定の高剛性特性を有する。この剛性の大きさは、第2噛合位置における高トルク域での剛性と同程度に設定される。
この押し込みアクチュエータ115は、電子制御ユニット30により駆動制御される。例えば、図5の破線にて示すように、電子制御ユニット30は、アクチュエータ駆動回路116を備える。この例は、第4実施形態において、剛性特性切替機構を設けたケースを示すが、高周波トルクを操舵アシストトルクに付加する構成の他の実施形態においても適用することができる。アクチュエータ駆動回路116は、故障検知部61から回転角センサ23の故障判定信号を入力し、回転角センサ23の故障によりセンサ故障信号failが入力されていないとき、押し込みアクチュエータ115に対して電源出力してウォームギヤ110を第1噛合位置に設定し、センサ故障信号failが入力されているとき、押し込みアクチュエータ115への電源出力を遮断してウォームギヤ110を第2噛合位置に設定する。
この第12実施形態の電動パワーステアリング装置によれば、回転角センサ23の故障が検出されて高周波トルクを操舵アシストトルクに付加する場合、ウォームギヤ110の噛合位置を第2噛合位置に切り替えることで、第11実施形態と同様の作用効果が得られる。つまり、ハンドル操作力が小さいケースでは、ウォームギヤ110が低剛性になっているため、モータ回転角速度ωmを所定値以上に確保して回転角推定精度の低下を防止するとともに、付加トルクによる振動の操舵ハンドル11への伝達を抑制して、運転者に不快感を与えないようにすることができる。また、操舵ハンドル11が強く回動操作された場合には、電動モータ15が大きな操舵アシストトルクを発生し、ウォームギヤ110の剛性が高くなるため、電動モータ15の回転トルクがステアリングシャフト12に確実に伝達され適正な操舵アシストトルクを発生させることができる。また、ハンドル操作力が大きい場合には、運転者にとって付加トルクによるトルク変動を感じにくいため、運転者に不快感を与えにくい。
以上、本実施形態の電動パワーステアリング装置について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、第11,12実施形態においては、操舵アシストトルクをステアリングシャフトに働かせるコラム式電動パワーステアリング装置の例を示したが、ラックに操舵アシストトルクを働かせるラック式電動パワーステアリング装置に適用することもできる。
また、ノーマルアシスト制御とセンサレスアシスト制御とでアシストマップを切り替えるアシストマップ変更指令部68は、第6実施形態に限らず他の実施形態にも適用することできる。
また、本実施形態においては、回転角センサ23を備え、回転角センサ23の故障時にのみ回転角推定値によるセンサレスアシスト制御を行うようにしているが、回転角センサ23を備えずに常にセンサレスアシスト制御を行う構成であってもよい。
尚、本発明におけるモータ制御手段は、モータ回転角情報に基づいて電動モータの回転を制御するもので、本実施形態においては、電子制御ユニット30の2相/3相座標変換部46、PWM電圧発生部47、インバータ回路48、電流センサ51,52、3相/2相座標変換部53、回転角変換部55、角速度変換部56、演算部44,45,54、非干渉補正値演算部43等から構成されるが、こうした構成に限るものではない。
また、本発明のアシスト制御手段は、目標操舵アシストトルクを演算し、その演算されたアシストトルクに基づいて電動モータに通電指令をするもので、本実施形態においては、電子制御ユニット30の基本アシストトルク演算部31、補償値演算部32、演算部33、q軸目標電流演算部34、弱め界磁制御パラメータ演算部35、d軸目標電流演算部36、q軸目標電流補正演算部37、演算部38,39、比例積分制御部41,42、および、各実施形態ごとに設けた追加機能部(アシスト停止指令部63、アシストゲイン変更指令部64、操舵速度検出部65、正弦波トルク付加部66、トルク付加ゲイン乗算部67、アシストマップ変更指令部68、矩形波トルク付加部69、トルク付加ゲイン乗算部70、付加トルク波形算出部71、トルク付加部72、差動角制御部73)から構成されるが、こうした構成に限るものではない。
本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の概略図である。 第1実施形態に係る電子制御ユニットの機能構成を示すブロック図である。 第2実施形態に係る電子制御ユニットの機能構成を示すブロック図である。 第3実施形態に係る電子制御ユニットの機能構成を示すブロック図である。 第4実施形態および第12実施形態に係る電子制御ユニットの機能構成を示すブロック図である。 第5実施形態に係る電子制御ユニットの機能構成を示すブロック図である。 第6実施形態に係る電子制御ユニットの機能構成を示すブロック図である。 第7実施形態に係る電子制御ユニットの機能構成を示すブロック図である。 第8実施形態に係る電子制御ユニットの機能構成を示すブロック図である。 第9実施形態に係る電子制御ユニットの機能構成を示すブロック図である。 第10実施形態に係る電子制御ユニットの機能構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係り、操舵状態に応じたパワーアシストの作動/停止タイミングを表す説明図である。 第1実施形態に係り、モータ回転角速度に応じた回転角推定値誤差とパワーアシストの作動範囲を表す説明図である。 第1実施形態に係り、モータ回転角速度と逆起電圧振幅との関係を表すグラフである。 第2実施形態に係り、モータ回転角速度と補正ゲインK1xとの関係を表すグラフである。 第3実施形態に係り、モータ回転角速度と回転角誤差との関係を表すグラフである。 第4実施形態に係り、正弦波トルクを表すグラフである。 第4実施形態に係り、正弦波トルクの周波数と操舵ハンドルに伝わる振動の振幅との関係を表すグラフである。 第5実施形態に係り、操舵トルクとトルク付加ゲインK2xとの関係を表すグラフである。 第6実施形態に係り、アシストマップを表すグラフである。 第7実施形態に係り、矩形波トルク、モータ回転角、モータ回転角速度を表すグラフである。 第7実施形態に係り、台形波トルクを表すグラフである。 第8実施形態に係り、アシストトルクとトルク付加ゲインK3xとの関係を表すグラフである。 第9実施形態に係り、目標回転角速度とモータトルクを表すグラフである。 第10実施形態に係る電動パワーステアリング装置の操舵機構の概略構成図である。 第10実施形態に係り、差動角制御ルーチンを表すフローチャートである。 第10実施形態に係り、付加トルク、モータ回転角、目標差動角、ハンドルトルクを表すグラフである。 第11実施形態に係る電動パワーステアリング装置の操舵機構の概略構成図である。 第11実施形態に係り、連結装置の軸方向断面図である。 第11実施形態に係り、図29におけるA−A断面図である。 第11実施形態に係り、剛性特性を表すグラフである。 第12実施形態に係り、減速機構部の概略構成図である。 第12実施形態に係り、ウォームギヤの噛合状態を表す説明図である。 第12実施形態に係り、剛性特性を表すグラフである。 共通の実施形態に係り、アシストマップを表すグラフである。 共通の実施形態に係り、モータ回転速度と第1パラメータとの関係を表すグラフである。 共通の実施形態に係り、q軸指令電圧と第2パラメータとの関係を表すグラフである。 共通の実施形態に係り、q軸実電流と第3パラメータとの関係を表すグラフである。 共通の実施形態に係り、d軸目標電流と補正係数αとの関係を表すグラフである。
符号の説明
10,10’…操舵機構、11…操舵ハンドル、12…ステアリングシャフト、15…電動モータ、17…減速ギヤ、18…連結装置、19…弾性部材、21…操舵トルクセンサ、22…車速センサ、23…回転角センサ、24…操舵角センサ、30…電子制御ユニット、31、31’…基本アシストトルク演算部、60…回転角選択部、61…故障検知部、62…回転角推定部、63,63’…アシスト停止指令部、64…アシストゲイン変更指令部、65…操舵速度検出部、66…正弦波トルク付加部、67…トルク付加ゲイン乗算部、68…アシストマップ変更指令部、69…矩形波トルク付加部、70…トルク付加ゲイン乗算部、71…付加トルク波形算出部、72…トルク付加部、73…差動角制御部、74…モータ駆動回路、100…ステアリングギヤ比可変装置、110…ウォームギヤ、111…ウォームホイール、112…円筒ウォーム、115…押し込みアクチュエータ、116…アクチュエータ駆動回路、FW1,FW2…左右前輪(転舵輪)。

Claims (20)

  1. 操舵ハンドルの操舵により転舵輪を転舵する転舵機構と、
    上記転舵機構に設けられ、上記操舵ハンドルの操舵操作に対して操舵アシストトルクを発生する突極型永久磁石モータからなる電動モータと、
    上記電動モータの回転角情報を取得する回転角取得手段と、
    上記回転角取得手段により取得された回転角情報に基づいて、上記電動モータの回転を制御するモータ制御手段と、
    上記操舵ハンドルの操舵操作に応じた目標操舵アシストトルクを演算し、上記演算された目標操舵アシストトルクに基づいて、上記モータ制御手段に対して上記電動モータの通電指令を出力して操舵アシストトルクを発生させるアシスト制御手段と
    を備えた電動パワーステアリング装置において、
    上記電動モータの作動とともに回転して電動モータの回転角を検出する回転角センサと、
    上記電動モータの突極性を利用して上記電動モータの回転角を推定する回転角推定手段と、
    上記回転角センサの故障を検出するセンサ故障検出手段とを備え、
    上記回転角情報取得手段は、上記回転角センサの故障が検出されていない場合には上記回転角センサから上記回転角情報を取得し、上記回転角センサの故障が検出されたときには上記回転角推定手段から回転角情報を取得するように切り替え、
    上記アシスト制御手段は、上記センサ故障検出手段により上記回転角センサの故障が検出されている場合と故障が検出されていない場合とで、上記電動モータにより上記操舵アシストトルクを発生させるための制御態様を変更することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 上記アシスト制御手段は、上記センサ故障検出手段により上記回転角センサの故障が検出されている場合、上記電動モータの回転角速度が所定値未満にまで低下していると判断したときに、上記操舵アシストトルクの発生を停止するアシスト停止手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 上記アシスト制御手段は、上記センサ故障検出手段により上記回転角センサの故障が検出されている場合、上記電動モータの回転角速度が所定値未満にまで低下していると判断したときに、上記回転角速度の低下に従って、上記電動モータにより発生させる操舵アシストトルクを少なくするアシスト低減手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 操舵ハンドルの操舵速度を検出する操舵速度検出手段を備え、
    上記アシスト制御手段は、上記電動モータの回転角速度の低下を、上記操舵速度検出手段の検出情報に基づいて判断することを特徴とする請求項2または請求項3記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 上記アシスト制御手段は、上記センサ故障検出手段により上記回転角センサの故障が検出されている場合には、上記電動モータにて発生させる操舵アシストトルクに脈動的なトルクを付加する脈動トルク付加手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 上記脈動的なトルクは、正弦波状トルクであることを特徴とする請求項5記載の電動パワーステアリング装置。
  7. 上記脈動的なトルクは、矩形波状トルクあるいは台形波状トルクであることを特徴とする請求項5記載の電動パワーステアリング装置。
  8. 上記脈動的なトルクの周波数は、上記電動モータと上記操舵ハンドルとの間の伝達関数ゲインが所定値以下となる値に設定されることを特徴とする請求項5ないし請求項7の何れか一項記載の電動パワーステアリング装置。
  9. 上記アシスト制御手段は、上記操舵ハンドルに加えられる操舵トルクを検出するトルクセンサから操舵トルク情報を取得して、上記操舵トルクが大きいほど上記目標操舵アシストトルクを大きく設定する目標アシストトルク設定手段を備え、
    上記脈動トルク付加手段は、上記センサ故障検出手段により上記回転角センサの故障が検出されている場合であって、上記トルクセンサにより検出される操舵トルクが所定値以下にまで低下したときには、上記脈動的なトルクの付加を停止することを特徴とする請求項5ないし請求項8の何れか一項記載の電動パワーステアリング装置。
  10. 上記アシスト制御手段は、上記センサ故障検出手段により上記回転角センサの故障が検出されている場合であって、上記脈動的なトルクの付加を停止した状態においては、上記電動モータの回転角速度が所定値未満にまで低下していると判断したときに、上記操舵アシストトルクの発生を停止することを特徴とする請求項9記載の電動パワーステアリング装置。
  11. 上記目標アシストトルク設定手段は、上記検出した操舵トルクに基づいて上記目標操舵アシストトルクを設定する関係データとして、上記センサ故障検出手段により上記回転角センサの故障が検出されている場合に用いる故障時関係データと、上記故障が検出されていない場合に用いる正常時関係データとを別々に記憶し、上記故障時関係データは上記正常時関係データに比べて、目標操舵アシストトルクが零に設定されるアシスト不感帯域が広いことを特徴とする請求項10記載の電動パワーステアリング装置。
  12. 上記目標アシストトルク設定手段は、上記検出した操舵トルクに基づいて上記目標操舵アシストトルクを設定する関係データとして、上記センサ故障検出手段により上記回転角センサの故障が検出されている場合に用いる故障時関係データと、上記故障が検出されていない場合に用いる正常時関係データとを別々に記憶し、上記故障時関係データは上記正常時関係データに比べて、目標操舵アシストトルクが小さいことを特徴とする請求項9ないし請求項11の何れか一項記載の電動パワーステアリング装置。
  13. 上記脈動トルク付加手段は、上記目標操舵アシストトルクの減少に従って上記脈動トルクの振幅を減少させ、上記目標操舵アシストトルクの増加に従って上記脈動トルクの振幅を増大させることを特徴とする請求項5記載の電動パワーステアリング装置。
  14. 操舵ハンドルの操舵状態を検出する操舵センサを備えるとともに、
    上記アシスト制御手段は、少なくとも上記操舵センサにより検出された操舵状態に応じて、上記操舵アシストトルクに付加する脈動的トルクの目標波形を算出する目標波形算出手段を備えたことを特徴とする請求項5記載の電動パワーステアリング装置。
  15. 上記電動モータの回転軸と上記転舵機構との連結部に、上記電動モータが大きな回転トルクを発生する高トルク域と小さな回転トルクを発生する低トルク域とで剛性が変化し、低トルク域では高トルク域よりも低剛性となる可変剛性体を設けたことを特徴とする請求項5記載の電動パワーステアリング装置。
  16. 上記電動モータの回転軸と上記転舵機構との連結部における剛性特性を選択的に切り替え可能な剛性特性切替手段を備え、
    上記剛性特性切替手段は、上記電動モータが大きな回転トルクを発生する高トルク域と小さな回転トルクを発生する低トルク域とで剛性が変化し低トルク域では高トルク域よりも低剛性となる第1剛性特性と、上記低トルク域から上記高トルク域にわたって上記第1剛性特性の高トルク域での剛性と同程度の高剛性特性が得られる第2剛性特性とに切り替え可能で、上記センサ故障検出手段により上記回転角センサの故障が検出されている場合には上記第1剛性特性を選択し、上記故障が検出されていない場合には上記第2剛性特性を選択することを特徴とする請求項5記載の電動パワーステアリング装置。
  17. 上記転舵機構に設けられ、上記転舵輪の転舵角に対する上記操舵ハンドルの操舵角の比であるステアリングギヤ比を変更するギヤ比可変装置と、
    上記操舵アシストトルクに付加される脈動的なトルクが上記操舵ハンドルに伝わらないように、上記脈動的なトルクの振動に同期させ上記ギヤ比可変装置を制御するギヤ比制御手段と
    を備えたことを特徴とする請求項5記載の電動パワーステアリング装置。
  18. 操舵ハンドルの操舵により転舵輪を転舵する転舵機構と、
    上記転舵機構に設けられ、上記操舵ハンドルの操舵操作に対して操舵アシストトルクを発生する突極型永久磁石モータからなる電動モータと、
    上記電動モータの回転角情報を取得する回転角取得手段と、
    上記回転角取得手段により取得された回転角情報に基づいて、上記電動モータの回転を制御するモータ制御手段と、
    上記操舵ハンドルの操舵操作に応じた目標操舵アシストトルクを演算し、上記演算された目標操舵アシストトルクに基づいて、上記モータ制御手段に対して上記電動モータの通電指令を出力して操舵アシストトルクを発生させるアシスト制御手段と
    を備えた電動パワーステアリング装置において、
    上記回転角取得手段は、少なくとも、上記電動モータの突極性を利用して上記電動モータの回転角を推定する回転角推定手段を備え、
    上記アシスト制御手段は、上記電動モータの回転角速度が所定値未満であるときと、同回転速度が上記所定値以上であるときとで、上記電動モータにより上記操舵アシストトルクを発生させるための制御態様を変更することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  19. 上記アシスト制御手段は、上記電動モータの回転角速度が所定値未満にまで低下したときに、上記操舵アシストトルクの発生を停止するアシスト停止手段を備えたことを特徴とする請求項18記載の電動パワーステアリング装置。
  20. 上記アシスト制御手段は、上記電動モータの回転角速度が所定値未満にまで低下していると判断したときに、上記回転角速度の低下に従って、上記電動モータにより発生させる操舵アシストトルクを少なくするアシスト低減手段を備えたことを特徴とする請求項18記載の電動パワーステアリング装置。
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