以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。
図1において、撮像装置100は、例えばデジタルカメラ等から成る。シャッター12は撮像素子14への露光量を制御するためのシャッターである。撮影レンズ310に入射した光線は、絞り312、シャッター12を介して光学像として撮像素子14上に結像される。撮像素子14はCCD(Charge Coupled Device)等の固体撮像素子から成り、光学像を電気信号に変換してアナログ信号として出力する。A/D変換回路16は撮像素子14から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。撮像素子14とA/D変換回路16は撮像部15を構成する。タイミング発生回路18は撮像素子14、A/D変換回路16、D/A変換回路26にクロック信号や制御信号を供給するタイミング発生回路であり、メモリ制御回路22及びシステム制御回路50により制御される。
画像処理回路20は、A/D変換回路16からの画像データ或いはメモリ制御回路22からの画像データに対して所定の画素補間処理や色変換処理を行う。また、画像処理回路20においては、画像データを用いた所定の演算処理が必要に応じて行われ、得られた演算結果に基づいてシステム制御回路50がシャッター制御手段40、測距手段42に対して制御を行う。例えば、システム制御回路50は、シャッター制御手段40や測距手段42を制御して、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュ調光)処理を行うことができる。さらに、画像処理回路20では、画像データを用いた所定の演算処理が行われ、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理が行われている。
本実施の形態では、測距手段と測光手段を個別に備える構成としたため、測距手段42及び測光手段46を用いてAF処理、AE処理、EF処理の各処理を行い、画像処理回路20を用いたAF処理、AE処理の各処理を行わない構成とした。しかしながら、測距手段42及び測光手段46を用いてAF処理、AE処理、EF処理の各処理を行い、さらに、画像処理回路20を用いたAF処理、AE処理の各処理を行う構成としてもよい。
シャッター制御手段40は、測光手段46からの測光情報に基づいて、絞り312を制御する絞り制御手段340と連携しながら、シャッター12を制御する。測距手段42はAF(オートフォーカス)処理を行う。撮影レンズ310に入射した光線を、絞り312、不図示の測距用サブミラーを介して、測距手段42に入射させることにより、光学像として結像された画像の合焦状態を測定することができる。 メモリ制御回路22は、A/D変換回路16、タイミング発生回路18、画像処理回路20、画像表示メモリ24、D/A変換回路26、メモリ30、圧縮・伸長回路32を制御する。A/D変換回路16のデータが画像処理回路20、メモリ制御回路22を介して、或いはA/D変換回路16のデータが直接メモリ制御回路22を介して、画像表示メモリ24或いはメモリ30に書き込まれる。
画像表示メモリ24とD/A変換回路26と画像表示部28とは、TFT LCD等から成る画像表示部であり、画像表示メモリ24に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換回路26を介して画像表示部28により表示される。画像データを画像表示部28に逐次表示することで、電子ファインダー機能を実現することが可能である。また、画像表示部28は、システム制御回路50の指示により表示をON/OFFすることが可能である。表示がOFFにされた場合、撮像装置100の電力消費を大幅に低減することができる。
メモリ30は静止画像データや動画像データを格納するためのメモリであり、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像を格納するのに十分な記憶容量を備えている。これにより、複数枚の静止画像を連続して撮影する連射撮影やパノラマ撮影の場合にも、高速且つ大量の画像書き込みをメモリ30に対して行うことが可能となる。また、メモリ30をシステム制御回路50の作業領域として使用することが可能である。
圧縮・伸長回路32は、適応離散コサイン変換(ADCT)等により画像データを圧縮伸長する圧縮・伸長回路であり、メモリ30に格納された画像を読み込んで圧縮処理或いは伸長処理を行い、処理を終えたデータをメモリ30に書き込む。
測光手段46はAE処理を行うための測光手段であり、撮影レンズ310に入射した光線を、絞り312、不図示の測光用レンズを介して測光手段46に入射させることにより、光学像として結像された画像の露出状態を測定することができる。なお、ビデオTTL方式を用いてAE制御及びAF制御をすることも可能である。ビデオTTL方式を用いて制御する場合、撮像素子14により得られた画像データを画像処理回路20によって演算し、その演算結果に基づいてシステム制御回路50がシャッター制御手段40、絞り制御手段340、測距制御手段342に対して制御を行う。
さらに、測距手段42による測定結果と撮像素子14によって得られた画像データを画像処理回路20によって演算した演算結果とを共に用いてAF制御を行っても構わない。そして、測光手段46による測定結果と撮像素子14によって得られた画像データを画像処理回路20によって演算した演算結果とを共に用いて露出制御を行っても構わない。
また、測光手段46は、フラッシュ48と連携することによりEF(フラッシュ調光)処理機能も有するものである。フラッシュ48は、AF補助光の投光機能、フラッシュ調光機能も有する。
システム制御回路50は撮像装置100全体を制御する。メモリ52はシステム制御回路50の動作用の定数、変数、プログラム等を記憶するメモリである。表示部54は、システム制御回路50でのプログラムの実行に応じて、文字、画像、音声等を用いて動作状態やメッセージ等を表示する液晶表示装置、スピーカー等から成る。表示部54は、撮像装置100の操作部周辺の視認し易い位置に1つ或いは複数個所設置され、例えばLCDやLED、発音素子等の組み合わせにより構成されている。
表示部54の表示内容としては、例えば、シングルショット/連写撮影表示、セルフタイマー表示、圧縮率表示、記録画素数表示、記録枚数表示、残撮影可能枚数表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示、赤目緩和表示、マクロ撮影表示がある。また、ブザー設定表示、時計用電池残量表示、電池残量表示、エラー表示、複数桁の数字による情報表示、記録媒体200,210の着脱状態表示、レンズユニット300の着脱状態表示、通信I/F動作表示、日付・時刻表示がある。さらに、外部コンピュータとの接続状態を示す表示、合焦表示、撮影準備完了表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、フラッシュ充電完了表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示、記録媒体書き込み動作表示等がある。
不揮発性メモリ56は記憶されたデータ等を電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。
動画1モードスイッチ60、動画2モードスイッチ61、シャッタースイッチSW1 62、シャッタースイッチSW2 64、再生スイッチ66、及び操作部70は、システム制御回路50の各種の動作指示を入力するための操作手段である。操作手段は、スイッチやダイアル、タッチパネル、視線検知によるポインティング、音声認識装置等の1つ或いは複数の組み合わせで構成される。
ここで、これらの操作手段の具体的な説明を行う。
動画1モードスイッチ60は、動画撮影動作モードの始動(ON)又は終了(OFF)の指示をユーザから受け付けて、通常の静止画撮影モードと動画撮影モードを切り替えるモード切り替えスイッチである。動画2モードスイッチ61は、動画撮影モード(第1の撮影動作モード)中に他の動画撮影モード(第2の撮影動作モード)への始動(ON)又は終了(OFF)の指示を受け付けて、第1の撮影動作モードと第2の撮影動作モードを切り替えるモード切り替えスイッチである。
シャッタースイッチSW1 62は、不図示のシャッターボタンの操作途中でONとなり、AF処理、AE処理、AWB処理、EF処理等の動作開始を指示するためのスイッチである。
シャッタースイッチSW2 64は、不図示のシャッターボタンの操作完了でONとなり、動画1モードスイッチ60の状態がOFF状態に保持されている場合には静止画撮影動作に移行し、ON状態に保持されている場合には動画撮影動作に移行するためのスイッチである。そして、それぞれの撮影動作モードに移行すると、露光処理、現像処理、及び記録処理という一連の処理が実行される。露光処理では、撮像素子14から出力された信号がA/D変換回路16、メモリ制御回路22を介してメモリ30に画像データとして書き込まれる。現像処理では、画像処理回路20やメモリ制御回路22により画像データに対して演算処理が行われる。記録処理では、メモリ30から画像データを読み出し、圧縮・伸長回路32で圧縮を行い、記録媒体200或いは記録媒体210に画像データが書き込まれる。
再生スイッチ66は、撮影モード状態において、撮影した画像データをメモリ30或いは記録媒体200,210から読み出して画像表示部28に表示する再生動作の開始を指示するためのスイッチである。
操作部70は、各種ボタンやタッチパネル等から成る操作部である。操作部70には、メニューボタン、セットボタン、マクロボタン、マルチ画面再生改ページボタン、フラッシュ設定ボタン、単写/連写/セルフタイマー切り替えボタン、メニュー移動+(プラス)ボタン、メニュー移動−(マイナス)ボタンがあってもよい。
また、操作部70には、再生画像移動+(プラス)ボタン、再生画像−(マイナス)ボタン、撮影画質選択ボタン、露出補正ボタン、日付/時間設定ボタン、パノラマモード等の撮影及び再生を実行する際に各種機能の選択及び切り替えを設定する選択/切り替えボタンがあってもよい。更に、操作部70には、パノラマモード等の撮影及び再生を実行する際に各種機能の決定及び実行を設定する決定/実行ボタン、画像表示部28のON/OFFを設定する画像表示ON/OFFスイッチ、撮影直後に撮影した画像データを自動再生するクイックレビュー機能を設定するクイックレビューON/OFFスイッチがあってもよい。
また、操作部70には、JPEG圧縮の圧縮率を選択するため或いは撮像部15の信号をそのままデジタル化して記録媒体に記録するCCDRAWモードを選択するためのスイッチである圧縮モードスイッチ、再生モード、マルチ画面再生・消去モード、PC接続モード等の各機能モードを設定することができる再生スイッチがあってもよい。
さらに、操作部70には、シャッタースイッチSW1 62を押したならばオートフォーカス動作を開始し一旦合焦したならばその合焦状態を保ち続けるワンショットAFモードとシャッタースイッチSW1 62を押している間は連続してオートフォーカス動作を続けるサーボAFモードとを設定することができるAFモード設定スイッチがあってもよい。なお、上記プラスボタン及びマイナスボタンの各機能は、回転ダイアルスイッチを備えることによって、より軽快に数値や機能を選択することが可能となる。
電源スイッチ72は、撮像装置100の電源ON/電源OFFの切り替えを行うことができる。また、電源スイッチ72は、撮像装置100に対して着脱可能なレンズユニット300、不図示の外部ストロボ、及び記録媒体200,210等の各種付属装置の電源ON/電源OFFの切り替えを行うことも可能である。リアルタイムクロック回路74は、各種タイマー機能を有し、例えば、日時をカウントしてシステム制御回路50からの要求に応じて日時情報を返信する。
電源制御手段80は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成される。電源制御手段80は、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行い、それら検出結果を記録媒体200を含む各部へ供給する。また、電源制御手段80は、システム制御回路50の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間に記録媒体を含む各部へ供給する。
コネクタ82,84は、電源制御手段80と電源86とを接続する接続手段である。電源86は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池、NiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。
I/F90,94はメモリカードやハードディスク等の記録媒体200,210とシステムバスとを接続するインタフェースである。コネクタ92,96は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体200,210とI/F90,94とを接続する接続手段である。記録媒体着脱検知手段98は、コネクタ92,96に記録媒体200,210が装着されているか否かを検知するセンサである。
通信手段110は、RS232CやUSB、IEEE1394、P1284、SCSI、モデム、LAN、無線通信、等の各種通信機能を有する。コネクタ(アンテナ)112は、通信手段110により撮像装置100を他の機器と接続するコネクタ或いは無線通信の場合はアンテナである。I/F120は、撮像装置100内のシステム制御回路50とレンズユニット300とを接続するためのインタフェースである。
記録媒体200は、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される記録部202と、撮像装置100との間のインタフェースであるI/F204と、撮像装置100と接続を行うコネクタ206とを備える。記録媒体210は、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される記録部212と、撮像装置100との間のインタフェースであるI/F214と、撮像装置100と接続を行うコネクタ216とを備える。
絞り制御手段340は、測光手段46からの測光情報に基づいて、シャッター12を制御するシャッター制御手段40と連携しながら、絞り312を制御する。測距制御手段342は撮影レンズ310のフォーカシングを制御する。ズーム制御手段344は撮影レンズ310のズーミングを制御する。
レンズシステム制御回路350は、絞り、測距、ズームを司るレンズユニット全体を制御する。レンズシステム制御回路350は、動作用の定数、変数、プログラム等を記憶するメモリやレンズユニット300固有の番号等の識別情報、管理情報、開放絞り値や最小絞り値、焦点距離等の機能情報、現在や過去の各設定値などを保持する不揮発メモリの機能も備えている。
次に、図1の撮像装置100における撮影動作を図2を参照して説明する。
図2は、図1の撮像装置100で実行される基本的な撮影動作の流れを示すフローチャートである。本処理は、メモリ等に格納されたプログラムに基づいてシステム制御回路50により実行される処理である。
図2において、電池交換等を含む電源投入により、システム制御回路50はフラグや制御変数等を初期化し、撮像装置100の各部において必要な所定の初期設定を行う(ステップS201)。
次に、システム制御回路50は、電源スイッチ72が電源ONの位置にあるか電源OFFの位置にあるかを判断し(ステップS202)、電源スイッチ72の設定位置が電源OFFの位置に設定されていたときは(ステップS202で電源OFF)、ステップS203の終了処理を行う。ステップS203の終了処理では、システム制御回路50は、各表示部の表示を終了状態に変更し、フラグや制御変数等を含む必要なパラメータや設定値、設定モードを不揮発性メモリ56に記録する。そして、システム制御回路50は、電源制御手段80により画像表示部28を含む撮像装置100内各部の不要な電源を遮断する。その後、ステップS202に戻る。
一方、電源スイッチ72が電源ONに設定されていたときは(ステップS202で電源ON)、システム制御回路50は、電源制御手段80により電源86の残容量や動作情況を調査して撮像装置100の動作に問題があるか否か(電源OK?)を判断する(ステップS204)。この結果、電源86に問題があるときは(ステップS204でNO)、表示部54を用いて画像や音声により所定の警告表示を行った後に(ステップS205)、ステップS202に戻る。一方、電源86に問題が無いときは(ステップS204でYES)、ステップS206に進む。
ステップS206では、システム制御回路50は、記録媒体に対する画像データの記録再生動作に問題があるか否か(記録媒体OK?)の判断を行う(ステップS206)。ここでは、記録媒体200或いは記録媒体210が装着されているか否かの判断、記録媒体200或いは記録媒体210に記録された画像データの管理情報の取得、そして、記録媒体200或いは記録媒体210の動作状態が撮像装置100の動作に問題があるか否か等の判断が行われる。
ステップS206の判断の結果、問題があるときは(ステップS206でNO)、システム制御回路50は、表示部54を用いて画像や音声により所定の警告表示を行った後に(ステップS205)、ステップS202に戻る。一方、ステップS206の判断の結果、問題が無いときは(ステップS206でYES)、ステップS207に進む。
ステップS207では、電子ファインダーモードを実行する。電子ファインダーモードでは、システム制御回路50がシャッター12を開いた状態で、タイミング発生回路18を介して撮像素子14に対し、ライン間引き或いはライン加算などの方法で読み出し画素数をファインダー表示に適したライン数の信号に減らして、ファインダー動画として必要なレートに速めるファインダーモード駆動を行う。そして、上述した露光処理及び現像処理を行い、メモリ30から画像データを読み出し、撮影した被写体の画像データを画像表示部28にファインダー画像として逐次表示する。
次に、システム制御回路50は、シャッタースイッチSW1 62の状態を検知し、シャッタースイッチSW1 62が押されていないときは(ステップS208でOFF)、ステップS202に戻る。一方、シャッタースイッチSW1 62が押されたときは(ステップS208でON)、システム制御回路50は、さらに、動画1モードスイッチ60の状態を検知して(ステップS209)、動画1モードスイッチ60がOFFのときは(ステップS209でOFF)、動画モードフラグをリセット(ステップS210)してステップS212へ進む。一方、動画1モードスイッチ60がONのときは(ステップS209でON)、動画モードフラグをセットして(ステップS211)、ステップS212に進む。
ステップS212では、測距処理を行って撮影レンズ10の焦点を被写体に合わせ、測光処理を行って絞り値(Av値)及びシャッター時間(Tv値)を決定する測距・測光・WB(ホワイトバランス)検知の処理を行い、ステップS213に進む。
ここでステップS212の測距・測光・WB検知を具体的に説明する。
システム制御回路50は、撮像部15、測距手段42、及び測距制御手段342を用いてAF処理を開始する。システム制御回路50と絞り制御手段340或いは測距制御手段342との間の各種信号のやり取りは、I/F120、レンズシステム制御回路350を介して行われる。
システム制御回路50は、撮影レンズ310に入射した光線を、絞り312、不図示のレンズマウント、ミラー、測距用サブミラーを介して、測距手段42に入射させる。これにより、光学像として結像された画像の合焦状態を判断し、測距(AF)が合焦と判断されるまで、測距制御手段342を用いて撮影レンズ310を駆動しながら、測距手段42を用いて合焦状態を検出するAF制御を実行する。
測距(AF)が合焦と判断されたならば、システム制御回路50は、撮影画面内の複数の測距点の中から合焦した測距点を決定し、決定した測距点データと共に測距データ及び/又は設定パラメータを当該システム制御回路50の内部メモリ或いはメモリ52に記憶する。続いて、システム制御回路50は、測光手段46を用いてAE処理を開始する。
システム制御回路50は、撮影レンズ310に入射した光線を、絞り312、不図示の測光用レンズを介して、測光手段46に入射させることにより、光学像として結像された画像の露出状態を測定し、露出(AE)が適正と判断されるまで、露光制御手段40を用いて測光処理を行う。
露出(AE)が適正と判断したならば、システム制御回路50は、測光データ及び/又は設定パラメータをシステム制御回路50の内部メモリ或いはメモリ52に記憶し、測光処理ステップS206で検出した露出(AE)結果に応じて、感度値(Dv値)、絞り値(Av値)、シャッター速度(Tv値)を決定する。
そして、ここで決定したシャッター速度(Tv値)に応じて、システム制御回路50は、撮像素子14の電荷蓄積時間を決定する。さらに、システム制御回路50は、ここで決定した感度値(Dv値)に応じて、A/D変換回路16の入力Dレンジを決定する。
さらに、システム制御回路50は、測距(AF)及び適正露出(AE)した後、撮影した被写体の画像データに対して画像処理回路20により所定の演算処理を行う。そして、得られた演算結果に基づいてWB(ホワイトバランス)処理のためのWB設定パラメータをシステム制御回路50の内部メモリ或いはメモリ52に記憶して、ステップS122の測距・測光・WB処理を終了する。
次に、シャッタースイッチSW2 64の状態を検知し(ステップS213)、シャッタースイッチSW2 64が押されたときは(ステップS213でON)、動画モードフラグを確認して(ステップS214)、リセットされていたときは(ステップS214でリセット)、ステップS216で静止画撮影処理を行い、ステップS202へ戻る。一方、動画モードフラグがセットされていたときは(ステップS214でセット)、ステップS217で動画撮影処理を行い、ステップS202へ戻る。
一方、ステップS213において、シャッタースイッチSW2 64が押されていないときは(ステップS213でOFF)、シャッタースイッチSW1 62がOFFされるまで(ステップS215でOFF)、ステップS213,S215の処理を繰り返す。一方、シャッタースイッチSW1 62がOFFされたときは(ステップS215でOFF)、ステップS202に戻る。
図3は、図2のステップS216の静止画撮影処理の詳細を示すフローチャートである。
本静止画撮影処理では、システム制御回路50と絞り制御手段340或いは測距制御手段342との間の各種信号のやり取りは、インタフェース120、レンズシステム制御回路350を介して行われる。
図3において、システム制御回路50は、システム制御回路50の内部メモリ或いはメモリ52に記憶された絞り値(Av値)、シャッター速度(Tv値)などの露出条件や測光データに従い、絞り制御手段340によって絞り312を所定の絞り値まで駆動して、撮影条件を設定する(ステップS301)。
次に、システム制御回路50は、タイミング発生回路18によって、静止画撮影のための撮像レートの設定(ステップS302)、CCD駆動モードの設定(ステップS303)及び電子シャッターの設定(ステップS304)を行う。続いて、シャッター制御手段40によりシャッター12を開けて撮像素子14の露光を開始する(CCD蓄積開始:ステップS305)。
次に、システム制御回路50は、撮像素子14の露光を測光データに従って所定時間行い、シャッター制御手段40によりシャッター12を閉じて(ステップS306)、撮像素子14の露光を終了する。
ステップS307の撮像信号の読み出し処理では、システム制御回路50は、撮像素子14から電気信号を読み出し、読み出した電気信号を、A/D変換回路16、画像処理回路20、及びメモリ制御回路22を介して、或いはA/D変換回路16から直接メモリ制御回路22を介して、静止画像データに変換する。そして、静止画像データを静止画ファイルとしてメモリ30内の所定領域へ書き込む(静止画記録:ステップS308)。一連の処理を終えたならば、静止画撮影処理を終了して、図2の処理へリターンする。
上述したステップS308の静止画記録処理では、システム制御回路50は、メモリ30内の所定領域に書き込まれた画像データの一部をメモリ制御回路22を介して読み出して、現像処理を行うために必要なWB(ホワイトバランス)積分演算処理、OB(オプティカルブラック)積分演算処理を行い、演算結果をシステム制御回路50の内部メモリ或いはメモリ52に記憶する。
そして、システム制御回路50は、メモリ制御回路22そして必要に応じて画像処理回路20を用いて、メモリ30内の所定領域に書き込まれた画像データを読み出して、システム制御回路50の内部メモリ或いはメモリ52に記憶した演算結果を用いて、AWB処理、ガンマ変換処理、色変換処理を含む各種現像処理を行う。
そして、システム制御回路50は、メモリ30内の所定領域に書き込まれた画像データを読み出して、設定したモードに応じた画像圧縮処理を圧縮・伸長回路32により行い、メモリ30内の画像記憶バッファ領域の空き画像部分に、撮影して一連の処理を終えた画像データの書き込みを行う。空き画像部分は、メモリ30内の画像記憶用に割り当てられたバッファ領域の「空き部分」を意味する。
一連の撮影の実行に伴い、システム制御回路50は、メモリ30内の画像記憶バッファ領域に記憶した画像データを読み出して、I/F90或いはI/F94、コネクタ92或いはコネクタ96を介して、メモリカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)カード等の記録媒体200或いは記録媒体210へ書き込みを行う記録処理を開始する。この記録開始処理は、メモリ30内の画像記憶バッファ領域の空き画像部分に、撮影して一連の処理を終えた画像データの書き込みが新たに行われる度に、その画像データに対して実行される。
なお、記録媒体200或いは記録媒体210へ画像データの書き込みを行っている間、書き込み動作中であることを明示するために、表示部54において例えばLEDを点滅させる等の記録媒体書き込み動作表示を行う。また、記録媒体に記録される画像データを画像表示部28に適した画像サイズにリサイズした画像データを画像表示メモリに別途生成し、これを予め決められた撮影画像表示時間だけ画像表示部28に画像表示する。
図4は、図2のステップS217の動画撮影処理の詳細を示すフローチャートである。
本動画撮影処理では、システム制御回路50と絞り制御手段340或いは測距制御手段342との間の各種信号のやり取りは、インタフェース120、レンズシステム制御回路350を介して行われる。
図4において、システム制御回路50は、システム制御回路50の内部メモリ或いはメモリ52に記憶された絞り値(Av値)、シャッター速度(Tv値)などの露出条件や測光データに従い、絞り制御手段340によって絞り312を所定の絞り値まで駆動して、撮影条件を設定する(ステップS401)。
次に、システム制御回路50は、タイミング発生回路18によって、第1の動画撮影のための撮像レートの設定(ステップS402)、CCD駆動モードの設定(ステップS403)及び電子シャッターの設定(ステップS404)を行う。続いて、撮像素子14の露光を開始すると共に撮像信号の読み出し処理を行う(ステップS405)。
ステップS405の撮像信号の読み出し処理では、システム制御回路50は、撮像素子14から電気信号を読み出し、読み出された電気信号を、A/D変換回路16、画像処理回路20、及びメモリ制御回路22を介して、或いはA/D変換回路16から直接メモリ制御回路22を介して、所定のフィールド数により構成される動画像データに変換する。そして、当該動画像データをメモリ30内の所定領域へ書き込む(動画記録:ステップS406)。
次に、シャッタースイッチSW2 64の状態を検知し、シャッタースイッチSW2 64が押されたままであるか否かを検知する(ステップS407)。この結果、シャッタースイッチSW2 64が押されている間は(ステップS407でON)、処理をステップS405に戻し、読み出された動画像データをメモリ30内の所定領域に順次、書き込み続ける。
一方、シャッタースイッチSW2 64が押されていないことを検知したときは(ステップS407でOFF)、シャッタースイッチSW1 62の状態を検知し、シャッタースイッチSW1 62が押されているか否かを検知する(ステップS408)。この結果、シャッタースイッチSW1 62も押されていないことを検知したときは(ステップS408でOFF)、さらに、動画2モードスイッチ61が押されているか否かを判断する(ステップS409)。この判断の結果、動画2モードスイッチ61が押されていなければ(ステップS409でOFF)、ステップS405に戻る。
一方、ステップS408にて、シャッタースイッチSW1 62が押されていることを検知したときは(ステップS408でON)、動画撮影処理を終了してリターンする。
ステップS409の判断の結果、動画2モードスイッチ61が押されていたときは(ステップS409でON)、タイミング発生回路18によって、第2の動画撮影のための撮像レートの設定(ステップS410)、CCD駆動モードの設定(ステップS411)及び電子シャッターの設定(ステップS412)を行う。次に、撮像素子14の露光を開始すると共に撮像信号の読み出し処理を行う(ステップS413)。
ステップS413の撮像信号の読み出し処理では、システム制御回路50は、撮像素子14から電気信号を読み出し、読み出された電気信号を、A/D変換回路16、画像処理回路20、及びメモリ制御回路22を介して、或いはA/D変換回路16から直接メモリ制御回路22を介して、所定のフィールド数により構成される動画像データに変換する。そして、動画像データを動画像ファイルとしてメモリ30内の所定領域へ書き込む(動画記録:ステップS414)。
次に、動画2モードスイッチ61の状態を検知して(ステップS415)、動画2モードスイッチ61が押されている間は(ステップS415でON)、ステップS413以降の処理を続けて、第2の動画撮影、記録動作(ステップS413〜S414)を繰り返す。
一方、動画2モードスイッチ61の状態を検知して(ステップS415)、動画2モードスイッチ61が離されたときは(ステップS415でOFF)、ステップS402に戻り、ステップS402以降の処理を繰り返す。
次に、図3の静止画撮影処理及び図4の動画撮影処理において作成される静止画ファイル及び動画ファイルの詳細を図5を参照して説明する。
図5は、図3の静止画撮影処理及び図4の動画撮影処理における静止画ファイル及び動画ファイルの作成タイミングとプロセスの一例を模式的に示したタイミングチャートである。
図5において、まず、動画1モードスイッチ60(以下、「動画1モードSW」と略す。)がOFFの場合、シャッタースイッチSW1 62(以下、「SW1」と略す。)が押されてからシャッタースイッチSW2 64(以下、「SW2」と略す。)が押されるまでの間(P1)に測距・測光・WB検知の処理(例えば、図2のステップS212)が行われる。
測距・測光・WB検知処理の結果に基づいて、測距データ、感度値(Dv値)、絞り値(Av値)、シャッター速度(Tv値)などの露出条件や測光データ、WB(ホワイトバランス)処理のためのWB設定パラメータ等の撮影パラメータ(撮影条件)が変更又は更新される。その後、静止画撮影処理のための撮影条件の最適化が行われる。SW2が押された後(P2)には、静止画撮影処理(図2のステップS216)が行われる。
一方、動画1モードSWがONの場合、SW1が押されてからSW2が押されるまでの間(P3)に上述した測距・測光・WB検知の処理が行われる。そして、静止画撮影処理の場合と同様に、検知結果に基づいて、測距データ、感度値(Dv値)、絞り値(Av値)、シャッター速度(Tv値)などの露出条件や測光データ、WB(ホワイトバランス)処理のためのWB設定パラメータ等の撮影パラメータが変更又は更新される。その後、一連の動画撮影処理のための撮影条件の最適化が行われる。SW2が押された後は、最初に、第1の撮影動作モードに移行して動画像データの作成が始まる(P4)。
次に、動画2モードスイッチ61(以下、「動画2モードSW」と略す。)がONになると、ON期間だけ(P5)第2の撮影動作モードに移行する。動画2モードSWがOFFになると、第1の撮影動作モードに戻る(P6)。再び、動画2モードSWがONになると、ON期間だけ(P7)第2の撮影動作モードに移行し、動画2モードSWがOFFになると、第1の撮影動作モードに戻る。SW1が再度押された時点で、第1の撮影動作モードが終了する(P8)。
静止画撮影モードにおける撮像サイズは、撮像部15におけるCCD(撮像素子14)の有効画素の全画素を読み出して構成される最大画像サイズとなるように対応したCCD駆動設定となっている。また、撮像レートは、読み出す画像サイズが大きい分だけ読み出しに時間がかかるため、遅い設定にせざるを得ない(例えば、数コマ/秒)。
また、第1の撮影動作モードにおける動画像データは、動画にふさわしい撮像レート(例えば、60コマ/秒)に設定されており、このレートで読み出すことのできる比較的小さな画像サイズ(スモール)に対応して、CCDの有効画素の全画素から所定の画素を間引いて読み出すCCD駆動設定となっている。
一方、第2の撮影動作モードにおける動画像データは、動画像として、被写体の動きをある程度カバーできる撮像レート(例えば、15コマ/秒)で、後から1コマずつ抜き出してきて写真用途としてもプリントアウトできる中間クラスの画像サイズ(ミドル)に対応して、CCDの有効画素の全画素から所定の画素を間引いて読み出すCCD駆動設定となっている。
図5において、P4,P5,P6,P7,P8期間で、スモール、ミドル、スモール、ミドルのそれぞれの画像サイズで、メモリ30内の所定領域に順次書き込まれたそれぞれの動画像は、この順番で1つの動画ファイルとしてマージされて作成される。
また、この動画ファイルには、付帯情報として、それぞれの動画像毎に、少なくとも画像サイズを示す水平、垂直の構成画素数と撮像信号のフレームレートとが併せて記録される。最終的に、システム制御回路50は、メモリ30内の画像記憶バッファ領域に記憶した付帯情報を含むこれら一連の動画ファイルを読み出して、I/F90或いはI/F94、コネクタ92或いはコネクタ96を介して、メモリカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)カード等の記録媒体200或いは記録媒体210へ書き込みを行う。
このようにして、メモリカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)カード等の記録媒体に書き込まれた動画ファイルを再生する際には、別途、上記付帯情報としてファイル内に記録されている水平、垂直の構成画素数と撮像信号のフレームレートに基づいて、例えば、スモール、ミドルそれぞれの画像サイズの違いやフレームレートの違いを変倍処理やフレーム補間により一方の動画像形式に合わせるなどのアプリケーションを用いることで、後から一連の動画サイズとして鑑賞することが可能である。
また、上記の一連の動画ファイルは複数の静止画ファイルの連なりによって構成されており、例えば、ミドルサイズの動画領域から特定の静止画ファイルを抽出して、これをハードプリントすることで、後から写真として利用することも可能である。
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態に係る撮像装置は、その構成(図1)が上記第1の実施の形態に係る撮像装置と同じであり、その説明を省略する。以下に、上記第1の実施の形態と異なる点のみを説明する。
上記第1の実施の形態では、AE制御、AF制御、AWB制御、AGC制御などに使用される撮影パラメータを決める測距・測光・WB検知などの処理を、撮影動作モード毎に区別することなく、各動作処理に移行する前に共通して1度だけ行うものとして説明した(図2のステップS212)。
しかし、実際の動画撮影においては、静止画撮影の場合と異なり、被写体及びそれを取り巻く光源などの周囲環境が時間と共に刻々と変化しているため、これらの状態に合わせて測距・測光・WB検知などの処理もその都度行う必要がある。そして、その結果をAE制御、AF制御、AWB制御、AGC制御などに使用される撮影パラメータを通じて、撮影条件に反映させることが望ましい。
そこで、上記第1の実施の形態に対して、動画撮影であることを考慮して、撮影シーンの変化に動画撮影中の撮影パラメータを追従させるように為したのが、本発明の第2の実施の形態である。
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る撮像装置の静止画ファイル及び動画ファイルの作成タイミングとプロセスの一例を模式的に示したタイミングチャートである。図6に示すタイミングチャートは、図5に示したタイミングチャートに対して、測距・測光・WB検知のタイミングとその検知結果から撮影パラメータを算出して変更するタイミングとが異なる。
図6において、まず、動画1モードSWがOFFの場合、SW1が押されてからSW2が押されるまでの間(P1)に測距・測光・WB検知の処理(図2のステップS212)が行われる。
測距・測光・WB検知処理の結果に基づいて、測距データ、感度値(Dv値)、絞り値(Av値)、シャッター速度(Tv値)などの露出条件や測光データ、WB(ホワイトバランス)処理のためのWB設定パラメータ等の撮影パラメータが変更又は更新される。その後、静止画撮影処理のための撮影条件の最適化が行われる。SW2が押された後(P2)には、静止画撮影処理(図2のステップS216)が行われる。
一方、動画1モードSWがONの場合、SW1が押されてからSW2が押されるまでの間(P3)に測距・測光・WB検知の処理が行われる。そして、静止画撮影処理の場合と同様に、測距・測光・WB検知処理の結果に基づいて、測距データ、感度値(Dv値)、絞り値(Av値)、シャッター速度(Tv値)などの露出条件や測光データ、WB(ホワイトバランス)処理のためのWB設定パラメータ等の撮影パラメータが変更又は更新される。その後、一連の動画撮影処理のための撮影条件の最適化が行われる。ここまでのプロセス(P1,P2,P3)は、上記第1の実施の形態における図5のP1〜P3と全く同様である。SW2が押された後には、最初に、第1の撮影動作モードに移行して動画像データの作成が始まる(P4)。
第1の撮影動作モードでは、一連のフィールド信号を連続して読み出すことにより動画像の読み出しが行われているが、この期間に、数フィールドに1度の割合で連続して測距・測光・WB検知の処理が行われる。測距・測光・WB検知処理の結果に基づいて、測距データ、感度値(Dv値)、絞り値(Av値)、シャッター速度(Tv値)などの露出条件や測光データ、WB(ホワイトバランス)処理のためのWB設定パラメータ等の撮影パラメータが変更又は更新される。
動画2モードSWがONになると、ON期間だけ(P5)第2の撮影動作モードに移行する。
第2の撮影動作モードにおいても、一連のフィールド信号を連続して読み出すことにより動画像の読み出しが行われているが、同様に、この期間に、数フィールドに1度の割合で連続して測距・測光・WB検知の処理が行われる。測距・測光・WB検知処理の結果に基づいて、測距データ、感度値(Dv値)、絞り値(Av値)、シャッター速度(Tv値)などの露出条件や測光データ、WB(ホワイトバランス)処理のためのWB設定パラメータ等の撮影パラメータが変更又は更新される。
動画2モードSWOFFになると、第1の撮影動作モードに戻る(P6)。再び、動画2モードSWがONになると、ON期間だけ(P7)第2の撮影動作モードに移行し、動画2モードSWがOFFになると、第1の撮影動作モードに戻る。SW1が再度押された時点で、第1の撮影動作モードが終了する(P8)。
ここで、撮影パラメータの算出・設定方法の第1として、測距・測光・WB検知毎の結果から、焦点制御条件、露出条件、及びWB設定パラメータを、直後に読み出されるフィールド信号から直ちに所定の目標値に最適化されるようなタイミングで撮影条件に反映させる方法がある(図6の撮影パラメータの最適化タイミング1)。
この方法だと、動画像データから特定のフィールド画像を抽出した場合、例えば、自動露出制御、自動焦点制御、自動ホワイトバランス制御、及び自動感度制御に関して、より高い精度の(目標値に近い)静止画を得易いというメリットがある。その反面、被写体の動きに応じて検知毎に、より大きな制御幅で、測距制御、絞り制御用のモーター駆動が行われるために消費電力がその分大きくなる。また、検知毎に、露出条件、WB設定パラメータが大きく変わるので、一連の動画像として再生した場合に、フィールド信号間の撮影パラメータの差異による明暗や色相の変化が、ちらつきとして認識され易いというデメリットがある。
また、撮影パラメータの算出・設定方法の第2として、測距・測光・WB検知毎の結果から、焦点制御条件、露出条件、及びWB設定パラメータを、直後に読み出されるフィールド信号に対して、所定のレベルだけ目標値に近づくように設定して、段階的に、自動露出制御、自動焦点制御、自動ホワイトバランス制御、自動感度制御を行わせることで、制御幅を抑え、消費電力の低減と動画像のちらつきを抑える方法がある(図6の撮影パラメータの最適化タイミング2)。
この方法だと、動画像データから特定のフィールド画像を抽出した場合、制御幅を抑えた分だけ自動露出制御、自動焦点制御、自動ホワイトバランス制御、及び自動感度制御に関して、精度の低い(目標値から離れた)静止画になり易い。
また、撮影パラメータの算出・設定方法の第3として、第1の撮影動作モードにおいては、測距・測光・WB検知毎の結果から焦点制御条件、露出条件、及びWB設定パラメータを、直後に読み出されるフィールド信号に対して、所定のレベルだけ目標値に近づくように設定して、段階的に、自動露出制御、自動焦点制御、自動ホワイトバランス制御、自動感度制御を行わせる。かつ、第2の撮影動作モードにおいては、測距・測光・WB検知毎の結果から、焦点制御条件、露出条件、WB設定パラメータを、直後に読み出されるフィールド信号から直ちに所定の目標値に最適化されるようなタイミングで撮影条件に反映させる方法がある(図6の撮影パラメータの最適化タイミング3)。
この撮影パラメータの算出・設定方法の第3が、本発明による効果を最もよく引き出すことが可能な実施の形態の一例と考えられる。すなわち、第1の撮影動作モードにおける動画像データは、動画にふさわしい撮像レート(60コマ/秒)に設定されており、このレートで読み出すことのできる比較的小さな画像サイズ(スモール)に対応して、CCDの有効画素の全画素から所定の画素を間引いて読み出すCCD駆動設定となっている。
また、第2の撮影動作モードにおける動画像データは、動画像として、被写体の動きをある程度カバーできる撮像レート(たとえば15コマ/秒)で、後から1コマずつ抜き出してきて写真用途としてもプリントアウトできる中間クラスの画像サイズ(ミドル)に対応して、CCDの有効画素の全画素から所定の画素を間引いて読み出すCCD駆動設定となっている。
そして、第1の撮影動作モードにおいては、消費電力を抑え、かつ、動画像のちらつきを抑えることで動画像の鑑賞に適した撮影パラメータの算出、設定が行われ、第2の撮影動作モードにおいては、自動露出制御、自動焦点制御、自動ホワイトバランス制御、自動感度制御等に関してより高い精度の(目標値に近い)静止画を得ることで、後から1コマずつ抜き出してきて写真用途としてプリントアウトに、さらに適した撮影パラメータの算出・設定が行われる。
[第3の実施の形態]
本発明の第3の実施の形態に係る撮像装置は、その構成(図1)が上記第1の実施の形態に係る撮像装置と同じであり、その説明を省略する。以下に、上記第1の実施の形態と異なる点のみを説明する。
撮像装置が動画撮影に関して2つの撮影動作モードを有し、第1の撮影動作モードが始動している期間中に第2の撮影動作モードを始動して撮影を行い、一連の映像信号情報として記録媒体に記憶すると共に、第2の撮影動作モードの撮像解像度を、第1の撮影動作モードの撮像解像度よりも大きく設定できるようにした。これにより、上記実施の形態に係る撮像装置では、動画中の数コマを取り出して、後から静止画撮影の場合と同様に、写真画質でプリントすることができるという効果を奏するが、この第2の撮影動作モードは、撮像素子の露光と読み出しが同時に連続して行われる、所謂動画読み出しモードに限定されるものではない。例えば、第2の撮影動作モードにおいて、静止画撮影処理の機能を利用して、高速且つ連続して静止画撮影を行うことで、一連の静止画像を生成して動画像を構成するように為したのが、本発明の第3の実施の形態である。
図7は、本発明の第3の実施の形態に係る撮像装置の第1の撮影動作モードと第2の撮影動作モードの動作を説明するための動作説明図である。
図7では、動画1モードSWがON状態にあり、且つ動画2モードSWがOFF状態にあるときは、第1の撮影動作モードによる撮影動作が行われる。図7における期間Tfは第1の撮影動作モード期間である。
第1の撮影動作モードにおける動画は、動画にふさわしい撮像レート(例えば、60コマ/秒)に設定されており、この撮像レートで読み出すことのできる比較的小さな画像サイズ(スモール)に対応して、CCDの有効画素の全画素から所定の画素を間引いて読み出すCCD駆動設定となっている。
Tfcは撮像素子14であるCCDの上記駆動における1フィールド信号(1コマ)を出力する期間である。このとき、メカニカルシャッターは開いた状態に保持されている。そして、第1の撮影動作モード期間の露出制御はメカニカル絞りでの絞り値とCCDの電子シャッターによるシャッター秒時とを変えることで為される。CCDの電子シャッターはPD(CCD内部のフォトダイオード)の深さ方向に設けられるポテンシャルバリアの開閉で為される。メカニカルシャッターは、シャッターSW2押下の後の撮影制御シーケンスの中で制御されるシャッターである。
図7において、ΦVsubパルスは、電子シャッターのためのパルスでパルスHighでPDに蓄積された信号電荷がCCDの深さ方向(基板、サブストレート)に吐き出される。したがって、第1の撮影動作モード期間における1フィールド信号あたりのシャッター秒時は、電子シャッターパルスが停止したところから、PDからVCCD(垂直ライン転送用CCD)に電荷が読み出される(Tfcの最初)までの時間Tfeとなる。第1の撮影動作モード期間中では、このようにしてPDに露光・蓄積された電気信号が、連続的にフィールド信号として読み出される。
一方、動画1モードSWがON状態にあり、且つ動画2モードSWがON状態に変わると、第2の撮影動作モードによる撮影動作に移行する。図7における期間Tsは第2の撮影動作モード期間である。
第2の撮影動作モードにおける露光条件は、上記第1の実施の形態において説明した静止画撮影処理の場合と同様に、絞り値とシャッター秒時とで決定される。絞り値はメカニカル絞りの絞り開口径、シャッター秒時はCCDの電子シャッターパルスを露光開始時間とし、メカニカルシャッター閉で終了するシャッター秒時(Tse)とによって決定される。
メカニカルシャッターが閉じられると、通常、PDの信号電荷読み出しの前にCCDの転送部で、VCCD(垂直CCD)の不要電荷の吐き出しのためにVCCDを高速で転送段数分以上の転送(VCCDクリア)が行われる。VCCDクリア後にPDの信号電荷がVCCDに読み出され、順次各画素の電荷が読み出される。不要電荷とは、露光、蓄積された信号電荷の転送部での残留分のことである。
このように、第1の撮影動作モードにおける駆動時とは異なり、第2の撮影動作モードにおける静止画読み出し時にはメカニカルシャッターを閉じた状態でスミアやブルーミングの要因となる強い光の遮断を行いながら転送部の不要電荷を一掃できるため、スミアやOBブルーミングの発生を回避できる。
そして、第2の撮影動作モードにおける画像データは、動画2モードSWがON状態に保持されている間、再びメカニカルシャッターを開き、上記静止画撮影処理を繰り返すことにより、動画像として、被写体の動きをある程度カバーできる撮像レート(例えば、15コマ/秒)で高速連写が可能なように、かつ、後から1コマずつ抜き出してきて写真用途としてもプリントアウトできる中間クラスの画像サイズ(ミドル)に対応して、CCDの有効画素の全画素から所定の画素を間引いて読み出すCCD駆動設定となっている。そして、動画2モードスイッチ61がOFFになると、再び、第1の撮影動作モードに戻る。
このように、第2の撮影動作モードにおいて、上述した静止画撮影処理の機能を利用してメカニカルシャッターを用いた高速連写を行うことで、一連の静止画像を生成して動画像を構成するようにすれば、後から、静止画として抜き出してきて鑑賞する際にも、通常の動画では避けがたいスミアやブルーミング等の画質劣化要因を排除して、さらに本格的な写真画質の静止画像を得ることができる。
上記各実施の形態によれば、例えば、小画像サイズの第1の撮影動作モードで動画記録を行い、抽出したい特定シーンのみ画像サイズの拡大を図ることが可能となる。その結果、動作スピードの増大や動画ファイル全体の記憶容量の増大を引き起こすことなく、ユーザが動画の撮影中に所望のシーンで撮影条件の異なる撮影モードに変更することができ、当該所望のシーンにおける画像を銀塩写真と同様の画質や画像サイズで印刷することができる。
本発明の目的は、上述した各実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記録媒体を、システム或いは装置に供給することによっても達成される。その場合、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行する。該記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した各実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
また、プログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク等を用いることができる。また、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD±R、DVD−RAM、DVD±RW等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。また、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した各実施の形態の機能が実現されるだけではない。すなわち、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
更に、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。そして、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。