JP2007514592A - 多用途車の運転室用のルーフ延長部 - Google Patents
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Abstract
本発明は、前方走行方向(36)に関して「右」と「左」である、左Aピラーと右Aピラー(22、20;54)とに加えて、前方走行方向に関してドア開口部の後ろに配置された、少なくとも1つの後方左ピラーと少なくとも1つの後方右ピラー(26、30、24、28、56)とを備える、多用途車の運転室用のルーフ延長部に関する。前記ルーフ延長部は、ルーフカバー(34)によって覆われている少なくとも2つのルーフボー(12、14、16、18;62、64、66)を備える。本発明によれば、第1のルーフボー(14、18;62、64)が左Aピラー(22、54)から後方右ピラー(24、28)へ延在する一方で、第2のルーフボー(12、16;66)が右Aピラー(20)から後方左ピラー(26、30;56)へ延在する。本発明のルーフ延長部は、多用途車の運転室を安定させるために使用される。
Description
本発明は、前方走行方向に左Aピラーと前方走行方向に右Aピラーとを備え、かつ前方走行方向においてドア開口部の後ろに配置された少なくとも1つの後方左ピラーと少なくとも1つの後方右ピラーとを備える多用途車の運転室用のルーフ延長部であって、ルーフカバーによって覆われている少なくとも2つのルーフボーを備えるルーフ延長部に関する。
特許文献1から多用途車の運転室用の支持フレームが知られている。支持フレームには全部で3つのルーフボーがあり、そのうち2つが走行方向に向けられていて、3つめは走行方向を横切って向けられている。ルーフボーは運転室の支持フレームを安定化させるのに役立つ。
本発明の目的は、優れた安定性があり、車両の衝突時にも運転室を安定させることができる、運転室用のルーフ延長部を提供することである。
この目的は、前方走行方向に左Aピラーと前方走行方向に右Aピラーと、前方走行方向においてドア開口部の後ろに配置された少なくとも1つの後方左ピラーと少なくとも1つの後方右ピラーとを備える多用途車の運転室用のルーフ延長部であって、ルーフカバーによって覆われている少なくとも2つのルーフボーを備えており、第1のルーフボーが左Aピラーから後方右ピラーへ延在し、第2のルーフボーが右Aピラーから後方左ピラーへ延在している、ルーフ延長部によって達成される。
Aピラーは、前方走行方向における多用途車の運転室の前方ピラーである。Aピラーは、前方走行方向において運転席のドアのドア開口部の前に配置されている。後方ピラーは、運転室の側壁に配置されるピラーと運転室の後壁に配置されるピラーの両方である。ルーフボーは、Aピラーから始まり、後方へ斜めに延在するように配置されている。いずれの場合もルーフボーは、一方の側のAピラーから他方の側の後方ピラーへ延在するので、ルーフボーは交差する。ルーフボーが走行方向又は走行方向を横切る方向だけに向けて配置されることのない、このようなルーフボーの位相幾何学的構造によって、運転室の構造にとりわけ優れた安定性が得られる。特に斜め前方から、力の作用を伴う衝突が起きたときに、運転室の乗員に対する高度な安全性が達成される。本発明による構造によって、このような衝突の場合に力の流れを良くすることが可能となる。運転室をさらに安定化するために、Aピラーから異なるピラーへ延在する複数のルーフボーを有するか、又はAピラーから始まる本発明によるルーフボーと、走行方向又は走行方向を横切って延在する他のルーフボーとを組み合わせることが、有利である。
本発明の一発展形態において、後方右ピラーとして右Bピラーが設けられ、後方左ピラーとして左Bピラーが設けられている。
Bピラーは、車両の前方走行方向においてドア開口部の後ろに配置されたピラーである。AピラーとBピラーとの間の力の流れを改良することが、いずれの場合も一方の側のAピラーから他方の側のBピラーへ延在するルーフボーによって、確実に行える。
本発明の一発展形態において、前方走行方向のルーフ中央の左側及び運転室の後壁に配置されているピラーが、後方左ピラーとして設けられ、前方走行方向のルーフ中央の右側及び運転室の後壁に配置されているピラーが、後方右ピラーとして設けられる。
これによって特に、運転室のフロント部分から運転室の後方部分への力の流れが改善される。
本発明の一発展形態において、第1のルーフボーは左Aピラーから右Bピラーへ延在し、第2のルーフボーは右Aピラーから左Bピラーへ延在し、さらに第3のルーフボーが、左Aピラーから、運転室の後壁の、前方走行方向のルーフ中央の右側に配置されているピラーへ延在し、第4のルーフボーが、右Aピラーから、運転室の後壁の、前方走行方向のルーフ中央の左側に配置されているピラーへ延在する。
したがって、このような構造は少なくとも4つのルーフボーを備え、いずれの場合もそのうちの2つが同じAピラーから始まる。Aピラーのこれらの2つのルーフボーは、一方が車両の反対側のBピラーへ延在し、他方が車両の反対側の後壁に配置されているピラーへ延在する。この構造によって、運転室の2つの側面間、及び運転室の前方領域と後方領域との間の両方において、非常に良い力の流れを確実に得る。安定性が高くなり、ゆえに運転室の乗員の安全性が確実になる。
本発明の一発展形態において、Aピラーから始まる2つのルーフボーは、Aピラーへの接続領域で一つにされる。
その際、分岐点で2つのルーフボーに枝分かれする1つのルーフボーだけが、Aピラーから始まる。このような実施形態によって、2つのルーフボーの接続領域を一体型に設計することが可能となる。
本発明の一発展形態において、4つのルーフボーはたこ形領域(kite−shaped area)を取り囲み、その一方の対角線が走行方向に延在し、その他方の対角線が走行方向を横切って延在している。
たこ形領域は、その対角線の1つに対して軸対称的な四辺形領域である。ルーフボーが形成するたこ形領域は、走行方向に向かう対角線に対して軸対称的である。前方走行方向の前側において、たこ形領域は、Aピラーから運転室の反対側のBピラーへ延在するルーフボーによって範囲を定められる。前方走行方向の後側において、たこ形領域は、Aピラーから運転室の後壁に配置されているピラーへ延在するルーフボーによって範囲を定められる。
本発明の一発展形態において、ルーフ延長部は、たこ形領域に配置される、たこ形のルーフハッチを備える。
ルーフボーの配置によっては、とりわけ大きなルーフハッチとすることも可能である。このようなルーフハッチによって、運転者が殊のほか簡単に外に出られる。
本発明の一発展形態において、ルーフ延長部は、ルーフボーの1つに略平行に位置合わせされた長方形のルーフハッチを備える。
本発明の一発展形態において、ルーフボーが接続される、水平に配置された全周フレームが設けられている。
フレームがあることで、ルーフ延長部の安定性がさらに高まる。さらに、フレームがあることによって、ルーフ延長部が運転室に接続される前に、ルーフ延長部を別々に組み立てることができる。その際同時に、フレームはルーフボーを覆うルーフカバーの限界を構成することができる。
本発明の一発展形態において、ルーフ延長部は、4つの側面部分と、水平に位置合わせされた中央部とを有するハイルーフとして設計され、いずれの場合も4つのルーフボーは3つの部分を有し、その第1部分と第3部分は、いずれの場合もハイルーフの側面部分の1つに平行に延在し、その第2部分は、ハイルーフの中央部分に平行に延在している。
その際、側面部分は、運転室の側面領域又は前方領域又は後方領域で平面を形成するように、好ましくは配置される。各ルーフボーの第1部位は、Aピラーの1つから、左又は右側面部分に平行してか、又は前方走行方向の前面に位置する側面部分に平行してかのいずれかで、水平に位置合わせされた中央部のレベルまで延在する。ルーフボーの第2部位は、水平に位置合わせされた中央部上を延在する。これに、ルーフボーの第3部位が続き、これは左又は右側面部分に平行して、又は前方走行方向において後部に位置する側面部分に平行して、後方ピラーまで延在する。ハイルーフとしてのルーフ延長部の実施形態は、特に空気力学が関係する範囲では有利である。運転室と多用途車の上部構造との間の移行部に起因する空気抵抗を、ハイルーフによって減少することができる。
本発明の一発展形態において、いずれの場合も一方の側のAピラーから、いずれの場合も他方の側のBピラーへ延在する2つのルーフボーが、ハイルーフの水平に位置合わせされた中央部と、ハイルーフの前方走行方向の前面に位置する側面部分との間の移行領域で交差する。
この構造によって安定性が高くなり、ゆえに安全性が高まる。
本発明の一発展形態において、いずれの場合も一方の側のAピラーから、いずれの場合も運転室の後壁の、前方走行方向の他方の側に配置されているピラーへ延在する2つのルーフボーが、ハイルーフの水平に位置合わせされた中央部領域で交差する。
基本的な目的は同様に、本発明によるルーフ延長部を有する多用途車の運転室によって達成される。
このような運転室は、ルーフボーの数と構造に応じた優れた安定性があり、乗員に対する高度な安全性を確実にする。ルーフ延長部は、運転室に取り外し可能に、又は固定して接続することができる。
本発明の特徴と利点はさらに、特許請求の範囲、及び図面とともに、下記の本発明の2つの好ましい実施形態の説明から明らかになる。
図1は、4つのルーフボー12、14、16、18を有する本発明によるルーフ延長部10を示す。さらに、2つのAピラー20、22、2つのBピラー24、26及び2つの後壁ピラー28、30も示してある。さらに、ルーフボー12、14、16、18が接続されるフレーム32も設けられている。ルーフカバー34が破線で示してある。
Aピラー20、22は、前方走行方向36においてフロントガラス38の左右に位置しており、ドア開口部40、42の前に取り付けられている。Bピラー24、26は、前方走行方向36においてドア開口部40、42の後ろに取り付けられている。後壁ピラー28、30は、前方走行方向36において後部に取り付けられている。全周にわたりつながっているフレーム32は、6つのピラー20、22、24、26、28、30すべての上に載っている。4つのルーフボー12、14、16、18はフレームから始まる。2つのルーフボー12、14は、Aピラー20、22からBピラー24、26へ延在する。その際、ルーフボーは、いずれの場合もルーフボー12、14の第1部分12a、14aが、ルーフカバー34の走行方向36前方に面した部分に平行に延在し、いずれの場合も第2部分12b、14bが、ルーフカバー34の水平な中央部に平行に延在し、及びいずれの場合も第3部分12c、14cが、ルーフカバー34の左又は右の部分に延在するように設計される。これに関しては、2つのルーフボー12、14は、第1のルーフボー12の第1部分12aと第2部分12bの間、及び第2のルーフボー14の第1部分14aと第2部分14bの間で交差する。したがって交差位置は、ルーフの略前端において、ルーフカバー34の中央部と、前方走行方向36に面した、ルーフカバー34のフロント部分との間に配置されている。第3のルーフボー16と第4のルーフボー18は、Aピラー20、22から後壁ピラー28、30へ延在する。その際、ルーフボーは、いずれの場合も第1部分16a、18aが、ルーフカバー34の走行方向36前方に面した部分と、ルーフカバー34の左又は右の部分との間の移行領域に延在し、いずれの場合も第2部分16b、18bが、ルーフカバー34の中央部に平行に延在し、及びいずれの場合も第3部分16c、18cが、ルーフカバー34の前方走行方向36後部に位置する部分に延在するように設計される。第3のルーフボー16と第4のルーフボー18は、ルーフカバー34の水平な中央部の後方領域で交差する。
図示したルーフボー構成によって、前方走行方向36とは反対方向に、運転室に作用する力に対しては、確実に優れた安定性を与える。ルーフボー12、14、16、18の位相幾何学的構造は、とりわけ、斜め前方方向44から運転室に力が作用するとき、たとえば斜め前方から衝突した場合における安定性を確実にするのに適している。
図2は、本発明によるルーフ延長部58の第2の実施形態の斜視図を示す。図は、フロントガラス50、ドア開口部52、及び左Aピラー54と左Bピラー56を有する多用途車の運転室の部分を示す。運転室は、フレーム60と、複数のルーフボー62、64、66とを備える、本発明によるルーフ延長部58を備えている。
この実施形態に特有の特徴は、左Aピラー54から始まるルーフボー62、64が、共通接続領域68を有することである。ルーフボー62、64は、この共通接続領域68によってフレーム60に接続される。接続領域68の上では、2つのルーフボー62、64が分かれて、互いに離れて延在する。その際、接続領域68は、その形状とサイズにおいて、同時にルーフボー62及び64へ力が流れることが確実となるように設計される。
Claims (13)
- 前方走行方向(36)に左Aピラー(22;54)と、前方走行方向に右Aピラー(20)と、前方走行方向においてドア開口部の後ろに配置された少なくとも1つの後方左ピラーと少なくとも1つの後方右ピラー(26、30、24、28、56)とを備える多用途車の運転室用のルーフ延長部であって、ルーフ延長部が、ルーフカバー(34)によって覆われている少なくとも2つのルーフボー(12、14、16、18;62、64、66)を備えるものにおいて、
第1のルーフボー(14、18;62、64)が前記左Aピラー(22、54)から前記後方右ピラー(24、28)へ延在し、第2のルーフボー(12、16;66)が前記右Aピラー(20)から前記後方左ピラー(26、30;56)へ延在していることを特徴とするルーフ延長部。 - 右Bピラー(24)が前記後方右ピラーとして設けられ、左Bピラー(26;56)が前記後方左ピラーとして設けられていることを特徴とする請求項1に記載のルーフ延長部。
- 前方走行方向(36)のルーフ中央の左側及び運転室の後壁に配置されているピラー(30)が、前記後方左ピラー(30)として設けられ、前方走行方向(36)のルーフ中央の右側及び運転室の後壁に配置されているピラー(28)が、前記後方右ピラー(28)として設けられていることを特徴とする請求項1あるいは2に記載のルーフ延長部。
- 前記第1のルーフボー(14;62)は、前記左Aピラー(22;54)から右Bピラー(24)に延在し、前記第2のルーフボー(12;66)は、前記右Aピラー(20)から左Bピラー(26;56)に延在し、第3のルーフボー(18;64)が、前記左Aピラー(22;54)から、運転室の後壁の、前方走行方向のルーフ中央の右側に配置されているピラー(28)へ延在し、第4のルーフボー(16)が、前記右Aピラー(20)から、運転室の後壁の、前方走行方向(36)の、ルーフ中央の左側に配置されているピラー(30)へ延在していることを特徴とする請求項1に記載のルーフ延長部。
- Aピラー(54)から始まる前記2つのルーフボー(62、64)は、前記Aピラー(54)への接続領域(68)で一つにされることを特徴とする請求項4に記載のルーフ延長部。
- 前記4つのルーフボー(12、14、16、18;62、64、66)はたこ形領域を取り囲み、その一方の対角線が走行方向(36)に延在し、及びその他方の対角線が走行方向(36)を横切って延在していることを特徴とする請求項4あるいは5に記載のルーフ延長部。
- 前記ルーフ延長部は、前記たこ形領域に配置された、たこ形のルーフハッチを備えることを特徴とする請求項6に記載のルーフ延長部。
- 前記ルーフ延長部は、前記ルーフボーの1つに略平行に位置合わせされた長方形のルーフハッチを備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のルーフ延長部。
- 前記ルーフボー(12、14、16、18;62、64、66)が接続される、水平に配置された全周フレーム(32;60)が設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のルーフ延長部。
- ルーフ延長部が、4つの側面部分と、水平に位置合わせされた中央部とを備え、前記ルーフボー(12、14、16、18;62、64、66)は、いずれの場合も3つの部分(12a、12b、12c、14a、14b、14c、16a、16b、16c、18a、18b、18c)を有し、その第1部分及び第3部分(12a、12c、14a、14c、16a、16c、18a、18c)は、いずれの場合もハイルーフの側面部分の1つに平行に延在し、その第2部分(12b、14b、16b、18b)は、ハイルーフの中央部分に平行に延在していることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のルーフ延長部。
- 一方の側の前記Aピラー(20、22)から、他方の側の前記Bピラー(24、26)へ延在する2つのルーフボー(12、14)が、いずれの場合も、ハイルーフの水平に位置合わせされた中央部と、前方走行方向(36)の前面に位置する側面部分との間の移行領域で交差することを特徴とする請求項10に記載のルーフ延長部。
- 一方の側の前記Aピラー(20、22)から、運転室の後壁の、走行方向(36)のルーフ中央の他方の側に配置されているピラー(28、30)へ延在する2つのルーフボー(16、18)が、いずれの場合も、ハイルーフの水平に位置合わせされた中央部領域で交差することを特徴とする請求項10あるいは11に記載のルーフ延長部。
- 運転室が請求項1〜12のいずれか1項に記載のルーフ延長部を備えることを特徴とする多用途車用の運転室。
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