JP2007332505A - 填料改質剤、填料スラリー及び製紙方法 - Google Patents

填料改質剤、填料スラリー及び製紙方法 Download PDF

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Abstract

【課題】填料を直接に添加して調製されて成るパルプスラリーを用いて抄紙された紙と同様の紙力、サイズ度を維持したまま、前記のようにして抄紙された紙よりも優れた不透明度向上効果を示し、更には印刷後のインクの裏抜けを抑制させることができる填料に改質することのできる填料改質剤、これを含有する填料スラリー、及びこれらを使用する製紙方法を提供する。
【解決手段】少なくともジアリルアミン化合物(A)と二酸化硫黄(B)とを共重合する共重合物を含み、パルプスラリーに添加される填料スラリーに填料と共に含まれる填料スラリー成分であることを特徴とする填料改質剤、この填料改質剤と填料とを含有する填料スラリー及びこの填料スラリーを配合して成るパルプスラリーを用いて抄紙する製紙方法。
【選択図】なし

Description

この発明は、填料改質剤、填料スラリー及び製紙方法に関し、更に詳しくは、従来使用されている填料が混合されてパルプスラリーを形成する以前に、填料と填料改質剤とを混合して成る填料スラリーを予め調製しておき、その填料スラリーが混合されて成るパルプスラリーを抄紙することにより、紙力、サイズ度を維持したまま、優れた不透明度向上効果を示し、更には、印刷後のインクの裏抜けを抑制した紙を製造することのできる填料改質剤、この填料改質剤を含有する填料スラリー及びこの填料スラリーを使用する製紙方法に関する。
近年の原木供給事情の悪化や環境保全の立場から、少ないパルプ量で、従来の品質を維持した紙が求められている。しかし、単にパルプ量を減らしただけでは、紙が薄くなって、不透明度が低下してしまう。特に新聞用紙、書籍用紙等に代表される印刷用紙においては、印刷後の不透明度、いわゆる印刷面と反対の面より印刷が透けて見える裏抜けが問題となり、さらには近年の紙の低坪量化、高品質化に伴い、不透明度、裏抜けに対する要求が高くなっている。
不透明度を向上させる、あるいは裏抜けの抑制には、填料を多く添加する方法が一般的であるが、紙の強度が低下するため、填料の添加量には限界があった。このような背景のもと、填料に添加剤を予め加えた後に、パルプへ添加することで、填料のパルプへの定着改善や、強度低下を抑制する方法が検討されている。この添加剤として具体的には、ガラス転移温度が30℃以下の重合体を用いる方法、カチオン化澱粉やカチオン化グアーガムを用いる方法、アクリル系ラッテクスを用いる方法などが知られている。(特許文献1〜3参照)
しかしながら、これらの方法によって得られる効果、特に不透明度、裏抜けに関しては、満足されるレベルではなく、更なる向上が求められている。また、水溶性陽イオン化ポリマーを使用することも開示されている(特許文献4参照)が、不透明度、裏抜けに関しての記載はない。さらには、ジアリルアミン塩やアルキルジアリルアミンと非イオン性ビニルモノマーを構成単位とする重合体やジアリルジメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミドとの共重合体で顔料を分散させてその分散液を使用する方法、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドのホモポリマー、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドと(メタ)アクリルアミドのコポリマーによる填料の前処理方法が記載されている(特許文献5、6、7、8参照)が、不透明度、裏抜けに関しては、満足されるレベルではないという問題がある。さらに、セルロース反応性サイズ剤とカチオン性分散剤を含む無機顔料についての記載があるが(特許文献9参照)、紙のサイズ度を改良することを目的とする内容である。なお、填料改質剤として、いわゆる脂肪酸アミド−エピクロロヒドリン樹脂が知られている(例えば、特許文献10参照)が、不透明度、裏抜けとしての効果は、不十分であった。
特開平8−41798号公報 特開平10−60794号公報 特開2004−100119号公報 特表2000−504794号公報 特公平6−104790号公報 特開昭57−48340号公報 特開2006−118092号公報 特開2006−118093号公報 特許第3032601号公報 特開2003−166195号公報
この発明は、従来から使用されている填料が直接に添加されることにより調製されたパルプスラリーで抄紙するのではなく、前記填料と填料改質剤とを混合することにより填料スラリーを予め調製しておき、そのようにして得られる填料スラリーを用いて調製されたパルプスラリーで抄紙すると、紙力、サイズ度を維持したまま、優れた不透明度向上効果を示し、更には印刷後のインクの裏抜けを抑制させることができる紙を製造し得ることを基礎にして完成された。この発明は、填料を直接に添加して調製されて成るパルプスラリーを用いて抄紙された紙と同様の紙力、サイズ度を維持したまま、前記のようにして抄紙された紙よりも優れた不透明度向上効果を示し、更には印刷後のインクの裏抜けを抑制させることができる填料に改質することのできる填料改質剤、これを含有する填料スラリー、及びこれらを使用する製紙方法を提供することを課題とする。
この発明者らは、少なくともジアリルアミン化合物と二酸化硫黄とを共重合した共重合物を含有する填料改質剤は、優れた不透明向上効果を示し、更には印刷後の印刷面の裏抜けが抑制されることを見出し、この発明を完成するに至った。
前記課題を解決するための手段は、
(1)少なくともジアリルアミン化合物(A)と二酸化硫黄(B)とを共重合することによって得られる共重合物を含有し、パルプスラリー調製用の填料スラリーに填料と共に含まれる填料スラリー成分であることを特徴とする填料改質剤であり、
(2)前記(1)に記載の填料改質剤を含有することを特徴とする填料スラリーであり、
(3)前記(2)に記載の填料スラリーが混合されてなるパルプスラリーを用いて抄紙することを特徴とする製紙方法である。
この発明に係る填料改質剤は、少なくともジアリルアミン化合物と二酸化硫黄とを共重合させて成り、しかも填料と予め混合してなる填料スラリーの形態で使用されるので、この填料改質剤で改質された填料を含有する填料スラリーを用いて調製されたパルプスラリーで抄紙された紙に、優れた不透明度向上効果を付与すると共に、印刷後のインクの裏抜けを抑制させる効果を付与することができるという優れた効果を発現させることができる。また、この発明に係る填料スラリーは、従来から使用されている填料を直接に添加して調製されるパルプスラリーでは実現することのできない技術的効果として、優れた不透明度向上効果を有すると共に、印刷後のインクの裏抜けを抑制した紙を抄紙することのできるパルプスラリーを調製することができる。この発明に係る製紙方法によると、前記填料改質剤及び填料スラリーを使用することにより、優れた不透明度向上効果を有すると共に、印刷後のインクの裏抜けを抑制した紙を製造することができる。
この発明に係る填料改質剤は、少なくともジアリルアミン化合物(A)と二酸化硫黄(B)とを共重合することによって得ることができる。
前記ジアリルアミン化合物は、ジアリルアミン、ジメタアリルアミン又はこれらの有機酸若しくは無機酸の塩であり、有機酸としては、蟻酸、及び酢酸などが挙げられ、無機酸としては、塩酸、硫酸、リン酸、及び硝酸などが挙げられる。この発明におけるジアリルアミン化合物としては、これら一種又は二種以上を併用することができる。
この発明に係る填料改質剤は、少なくともジアリルアミン化合物(A)と二酸化硫黄(B)とを共重合することによって得ることができ、ジアリルアミン化合物(A)及び二酸化硫黄(B)と共重合可能なビニルモノマー(C)を共重合成分として填料改質剤としての効果を阻害しない範囲で、通常は10モル%以下で含有していても良い。
ジアリルアミン化合物及び二酸化硫黄と共重合可能なビニルモノマー(C)としては、ノニオン性ビニルモノマー(c1)、イオン性ビニルモノマー(c2)、及び多官能性ビニルモノマー(c3)が挙げられ、これら一種又は二種以上を併用して使用することができる。
前記ノニオン性ビニルモノマー(c1)としては、例えば(メタ)アクリルアミド((メタ)アクリルアミドはメタクリルアミド及びアクリルアミドのいずれかを示す。以下「(メタ)」はこれに準じて用いられる。)、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、及びN−t−オクチル(メタ)アクリルアミド等のN置換(メタ)アクリルアミドなどのアクリルアミド化合物、アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、スチレン誘導体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、並びにメチルビニルエーテル等を挙げることができ、これらは一種単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。これらの中でも(メタ)アクリルアミドが好ましい。
前記イオン性ビニルモノマー(c2)としては、カチオン性ビニルモノマー及びアニオン性ビニルモノマーを挙げることができる。
前記カチオン性ビニルモノマーとしては、例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、及びジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキルアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルであるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート化合物、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、及びジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド化合物、アルキルジアリルアミン、ジアルキルアリルアミン、及びアリルアミン等のアリルアミン化合物を始めとするアミノ基含有ビニルモノマー(「3級アミノ基含有ビニルモノマー、2級アミノ基含有ビニルモノマー、及び1級アミノ基含有ビニルモノマー」と称することもできる。)、前記アミノ基含有ビニルモノマーの塩酸、硫酸、ギ酸、及び酢酸などの無機酸又は有機酸の塩、前記3級アミノ基含有ビニルモノマーとメチルクロライド、及びメチルブロマイド等のアルキルハライド、ベンジルクロライド、及びベンジルブロマイド等のアラルキルハライド、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、エピクロロヒドリン、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、及びグリシジルトリアルキルアンモニウムクロライド等の4級化剤との反応によって得られる4級アンモニウム塩を含有するビニルモノマー、例えば2−ヒドロキシN,N,N,N’,N’−ペンタメチル−N’−[3−{(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ}プロピル]−1,3−プロパンジアミニウムジクロライド等を挙げることができ、これらは一種単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。
前記アニオン性ビニルモノマーとしては、例えばカルボキシル基含有ビニルモノマー、スルホン酸基含有ビニルモノマー及びホスホン酸基(−PO(OH))含有ビニルモノマー等を挙げることができる。
前記カルボキシル基含有ビニルモノマーとして、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和トリカルボン酸、及び不飽和テトラカルボン酸等及びそれらの塩等を挙げることができ、前記スルホン酸基含有ビニルモノマーとして不飽和スルホン酸等及びそれらの塩等を挙げることができ、前記ホスホン酸基含有ビニルモノマーとして不飽和ホスホン酸等及びそれらの塩等を挙げることができ、これらは、一種単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。
前記不飽和モノカルボン酸として、例えばアクリル酸、メタクリル酸等を挙げることができ、前記不飽和モノカルボン酸の塩として、例えば不飽和カルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩及びアンモニウム塩等を挙げることができ、これらは、一種単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。
前記不飽和ジカルボン酸として具体的には、例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、及びシトラコン酸等を挙げることができ、前記不飽和ジカルボン酸の塩として具体的には、例えば不飽和ジカルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、及びアンモニウム塩等を挙げることができ、これらは、一種単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。
前記不飽和トリカルボン酸として具体的には、例えばアコニット酸、3−ブテン−1,2,3−トリカルボン酸、及び4−ペンテン−1,2,4−トリカルボン酸等を挙げることができ、前記不飽和トリカルボン酸の塩として具体的には、例えば不飽和トリカルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩及びアンモニウム塩等を挙げることができ、これらは、一種単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。
前記不飽和テトラカルボン酸として具体的には、例えば1−ペンテン−1,1,4,4−テトラカルボン酸、4−ペンテン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、3−ヘキセン−1,1,6,6―テトラカルボン酸等を挙げることができ、前記不飽和テトラカルボン酸の塩として具体的には、例えば不飽和テトラカルボン酸のナトリウム塩、及びカリウム塩等のアルカリ金属塩及びアンモニウム塩等を挙げることができ、これらは、一種単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。
前記不飽和スルホン酸として具体的には、例えばビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等を挙げることができ、前記不飽和スルホン酸の塩として具体的には、例えば不飽和スルホン酸のナトリウム塩、及びカリウム塩等のアルカリ金属塩及びアンモニウム塩等を挙げることができ、これらは、一種単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。
前記不飽和ホスホン酸として具体的には、例えばビニルホスホン酸及びα−フェニルビニルホスホン酸等を挙げることができ、前記不飽和ホスホン酸の塩として具体的には、例えば前記不飽和ホスホン酸のナトリウム塩、及びカリウム塩等のアルカリ金属塩及びアンモニウム塩等を挙げることができ、これらは、一種単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。
前記アニオン性ビニルモノマーとしては、例えば紙質向上効果及び経済性等の点から不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸及びこれらの塩から成る群から選択される少なくとも一種が好ましく、特にイタコン酸、アクリル酸及びそれらの塩よりなる群から選択される少なくとも一種が特に好ましい。
また、前記多官能性ビニルモノマー(c3)としては、例えば、ジ(メタ)アクリレート化合物、ビス(メタ)アクリルアミド化合物、ジビニルエステル化合物等の2官能性ビニルモノマー、エポキシアクリレート化合物、ウレタンアクリレート化合物、3官能性ビニルモノマー、4官能性ビニルモノマー、水溶性アジリジニル化合物等を挙げることができ、これらは一種単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。
多官能性ビニルモノマーとしては、前記の他に、水溶性多官能エポキシ化合物や、シリコン系化合物等も挙げることができ、これらは、一種単独で用いても良いし、二種以上を併用してもよい。
前記ジ(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、及びグリセリンジ(メタ)アクリレート等を挙げることができ、これらは一種単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。
前記ビス(メタ)アクリルアミド化合物としては、例えばメチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−ビスアクリルアミド酢酸、N,N’−ビスアクリルアミド酢酸メチル、及びN,N−ベンジリデンビスアクリルアミド等を挙げることができ、これらは一種単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。
前記ジビニルエステル化合物としては、例えば、アジピン酸ジビニル、及びセバシン酸ジビニル等を挙げることができ、これらは一種単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。
前記以外の2官能性ビニルモノマーとしては、例えば、アリル(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジアリルサクシネート、ジアリルアクリルアミド、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン、N,N−ジアリルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアリルジメチルアンモニウム、ジアリルクロレンデート、及びグリシジル(メタ)アクリレート等を挙げることができ、これらは一種単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。
前記3官能性ビニルモノマーとしては、例えば、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−S−トリアジン、トリアリルイソシアヌレート、N,N−ジアリルアクリルアミド、トリアリルアミン、及びトリアリルトリメリテート等を挙げることができ、これらは一種単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。前記4官能性ビニルモノマーとしては、例えば、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラアリルピロメリテート、N,N,N’,N’−テトラアリル−1,4−ジアミノブタン、テトラアリルアミン塩、及びテトラアリルオキシエタン等を挙げることができ、これらは一種単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。
前記水溶性アジリジニル化合物としては、例えば、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、及び4,4’−ビス(エチレンイミンカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等を挙げることができ、これらは一種単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。
前記水溶性多官能エポキシ化合物としては、例えば、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテル、(及びポリ)グリセリントリグリシジルエーテル等を挙げることができ、これらは一種単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。
前記シリコン系化合物としては、例えば、3−(メタ)アクリロキシメチルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジクロロシラン、3−(メタ)アクリロキシオクタデシルトリアセトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシ−2,5−ジメチルヘキシルジアセトキシメチルシラン、及びビニルジメチルアセトキシシラン等を挙げることができ、これらは一種単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。
ジアリルアミン化合物と二酸化硫黄を共重合する方法は、特公昭45−343号や特開2005−60491号などに記載されているような一般的な方法で製造することができ、特に制限はない。通常、上記ジアリルアミン化合物と二酸化硫黄を含む水性溶液に、室温下または加熱条件下で重合触媒を加えることにより重合が行われる。
ジアリルアミン化合物と二酸化硫黄のモル比は1:0.3〜1.3であることが好ましい。ジアリルアミン化合物と二酸化硫黄を共重合したものは、市販品を使用することができる。例えば、日東紡績株式会社から市販されているPAS−92やPAS−84などを挙げることができる。
この発明に係る填料改質剤は、前記ジアリルアミン化合物と二酸化硫黄の共重合物の化合物そのものであってもよく、またこの発明の目的を阻害しない限り、前記特定の化合物と他の添加剤あるいは溶剤とを含有しても良い。
前記他の添加剤としては分散剤、消泡剤、防腐剤などを挙げることができる。
前記溶媒としては例えば水、及びイソプロピルアルコール等のアルコール等を挙げることができる。
この発明に係る填料改質剤と填料との接触は、パルプスラリー内で行わずに、パルプスラリーを調製する以前に行う必要がある。この発明に係る填料改質剤と填料とその他のパルプスラリー形成成分とを混合してパルプスラリーを調製しても、十分な効果が得られないからである。この発明に係る填料改質剤と填料との接触は、填料スラリーの調製という形で行うことができる。
前記填料スラリーの調製は、公知の任意の方法により行うことができ、湿潤あるいは乾燥のいずれかの雰囲気下において填料と填料改質剤とを混合することにより、行うことができる。混合に際しては、適宜の溶媒例えば水を使用するのが好ましい。
前記、填料としては一般的に使用されているものであれば良く、特に制限はないが例えば、粉砕した天然の石灰石、沈降性炭酸カルシウム(PCC)、クレー、焼成クレー、カオリン、タルク、シリカ、沈降性シリカ、アルミノ珪酸塩、二酸化チタン、ホワイトカーボンなどが挙げられ、特に好ましくは、沈降性炭酸カルシウム(PCC)、タルク、ホワイトカーボンを挙げることができる。
この発明に係る填料スラリーにおける填料改質剤の填料に対する混合比率は、特に制限はないが、好ましくは、一般的な填料に対して填料改質剤を固形分換算で0.02〜5%、更に好ましくは0.1〜3%が好ましい。填料改質剤の量が0.02%よりも少ない場合には、不透明度向上効果が得られるものの実用的ではない場合があり、また、5%よりも多い場合には、使用する填料によっては過度の凝集を引き起こし、一方、紙の地合いが悪化することがあり、填料改質剤を増量したことに見合う不透明度向上効果を期待することができない場合がある。
この発明の填料スラリーは、前記のようにこの発明の填料改質剤と前記填料とを混合することにより得ることができる。混合方法は、これらが均一に混合されていればよく公知の手段が用いられる。
この発明の製紙方法は、前記のようにして得られるこの発明の填料スラリーとパルプスラリーを形成する他の成分とを混合して得られるパルプスラリーを抄紙する方法である。
この発明の製紙方法に使用されるパルプスラリーは、パルプを含有し、前記パルプが水溶媒で分散されることによりスラリー状になった形態を有する。この発明におけるパルプスラリーは、硫酸アルミニウムを用いる酸性系、または、硫酸アルミニウムを全く用いないかあるいは少量用いる中性系のいずれのパルプスラリーであっても良い。
前記パルプとしては、クラフトパルプ、及びサルファイトパルプの晒並びに未晒化学パルプ、砕木パルプ、機械パルプ、及びサーモメカニカルパルプ等の晒並びに未晒高収率パルプ、新聞古紙、雑誌古紙、段ボール古紙及び脱墨古紙等の古紙パルプを挙げることができ、これらの一種又は二種以上を使用することができる。また、パルプスラリーにはパルプ以外の種々の添加剤も必要に応じて用いることができる。
前記種々の添加剤としては、この発明の填料改質剤で改良された改質填料以外の填料、サイズ剤、乾燥紙力向上剤、湿潤紙力向上剤、紙厚向上剤、歩留り向上剤、及び濾水性向上剤等を挙げることができ、各々の紙種に要求される物性に応じて各種の添加剤が適宜に選択され、使用される。
前記填料としては、クレー、タルク、及び炭酸カルシウム等が挙げられ、これらは単独で用いても良く、二種以上を併用しても良い。サイズ剤としては、ステアリン酸ナトリウムのような脂肪酸石鹸のサイズ剤、ロジン、強化ロジン、及びロジンエステル系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸の水性エマルション、2−オキセタノンの水性エマルション、パラフィンワックスの水性エマルション、カルボン酸と多価アミンとの反応により得られるカチオン性サイズ剤及び脂肪族オキシ酸と脂肪族アミン又は脂肪族アルコールとの反応物の水性エマルション、カチオン性スチレン系サイズ剤等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、二種以上を併用しても良い。
乾燥紙力向上剤としては、アニオン性ポリアクリルアミド、カチオン性ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミド、カチオン化澱粉、及び両性澱粉等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、二種以上を併用しても良い。湿潤紙力向上剤としては、ポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、及び尿素・ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、アニオン性ポリアクリルアミドを併用しても良い。紙厚向上剤としては、脂肪酸と多価アルコールとのエステル化合物、脂肪酸、高級アルコールのアルキレンオキサイド付加物、脂肪酸アミド、脂肪酸とポリアルキレンポリアミンとのアミドのエピクロロヒドリン付加物、長鎖アルキル基を有するイミダゾリン系化合物、カチオン系界面活性剤等が挙げられ、これらは単独で用いても良く、二種以上を併用しても良い。歩留り向上剤としては、アニオン性、カチオン性、又は両性の高分子量ポリアクリルアミド、シリカゾルとカチオン化澱粉の併用、及びベントナイトとカチオン性高分子量ポリアクリルアミドの併用等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、二種以上を併用しても良い。濾水性向上剤としては、ポリエチレンイミン、カチオン性又は両性又はアニオン性ポリアクリルアミド等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、二種以上を併用しても良い。また、サイズプレス、ゲートロールコーター、ビルブレードコーター、カレンダーなどで、澱粉、ポリビニルアルコール及びアクリルアミド系ポリマー等の表面紙力向上剤、染料、コーティングカラー、表面サイズ剤、並びに防滑剤などを必要に応じて塗布しても良い。これらは単独で用いても良く、二種以上を併用しても良い。
この発明において、填料改質剤と共に填料スラリーの形態で添加された填料のパルプスラリーにおける含有量は、この発明の目的を達成することができる限り特に制限はなく、製造しようとする紙質に応じて適宜選択することができる。パルプスラリー中に含まれる填料の含有量は、パルプスラリー乾燥重量に対して通常0.5〜40%であり、好ましくは1〜30%である。パルプスラリーにおける填料の含有量が0.5%未満では不透明度向上効果があるもののそれが現れにくく、40%を越えると紙力、サイズ効果等の紙質へ悪影響を及ぼす可能性がある。
前記、パルプスラリーのpHは3〜8であることが好ましく、pH6〜8であることが好ましい。
この発明の填料スラリーを添加してパルプスラリーを形成する場合に、従来のパルプスラリーを調製する手順において填料の添加の代わりに填料スラリーが添加されることができ、より具体的には、パルプの水性分散液に又はファンポンプ部の白水中にこの発明の填料スラリーを添加することができる。
この発明の製紙方法によって得られる紙としては、特に制限されないが、各種の紙、及び板紙が挙げられる。紙の種類としては、PPC用紙、インクジェット印刷用紙、レーザープリンター用紙、フォーム用紙、熱転写紙、感熱記録原紙、感圧記録原紙等の記録用紙、印画紙及びその原紙、アート紙、キャストコート紙、上質コート紙等のコート原紙、クラフト紙、純白ロール紙等の包装用紙、ティシュペーパー、トイレットペーパー、タオルペーパー、キッチンペーパーなどの家庭用薄葉紙、その他壁紙原紙、ノート用紙、書籍用紙、各種印刷用紙、新聞用紙等の各種紙(洋紙)、マニラボール、白ボール、チップボール等の紙器用板紙、ライナー、石膏ボード原紙等の板紙が挙げられる。
以下、この発明の実施例及び比較例を挙げて具体的に説明するが、この発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、各例中、%は特記しない限りすべて質量%である。
(比較例1)(比較例用填料改質剤の製造)
攪拌機、温度計、還流冷却器及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、65%ジアリルジメチルアンモニウムクロライド24.9gをイオン交換水249gとともに仕込み、窒素ガスを通じて反応系内の酸素を除去した。ついで、60℃に昇温し、重合開始剤として、過硫酸アンモニウム0.3gを投入したあと、50%アクリルアミド水溶液56.9g及びイオン交換水76.2gの混合溶液を5時間かけて滴下した。滴下終了後、4時間保温したのち、冷却することにより、モノマーユニットとしてジアリルジメチルアンモニウムクロライド20モル%、アクリルアミド 80モル%を含有する共重合物水溶液を得た。これを比較例用填料改質剤1とした。
比較例2(比較例用填料改質剤の製造)
前記比較例1においてアクリルアミドを使用しないこと以外は比較例1と同様にして重合体水溶液を得た。これを比較例用填料改質剤2とした。
(比較例3)(比較例用填料改質剤の製造)(特許文献8の実施例に相当する)
温度計、冷却器、撹拌機、及び窒素導入管を備えた5リットル四つ口丸底フラスコに、テトラエチレンペンタミン1,000g (5.28モル)を仕込み、 130℃に昇温した後、ステアリン酸/パルミチン酸混合物(混合重量比 65:35 ) 3011g( 10.96モル)を徐々に加えた。 170℃にまで昇温し、生成する水を除去しながら5時間反応させ、ワックス状のアミド系化合物を得た。このアミド化合物 50.0g(残存アミノ基量 0.16モル)とイソプロピルアルコール(以下、IPAと略記する) 5.6gと水290.4gとを温度計、還流冷却器、撹拌機、及び滴下ロートを備えた1,000mlの四つ口フラスコに仕込み(固形分 50%)、 80℃にまで昇温した後、1時間攪拌した。アミド化合物が、サスペンジョンとなったことを確認した後、 50℃まで冷却し、エピクロロヒドリン14.8g( 0.16 モル)を加え、 50℃にて 30分反応させた後、次いで、 80℃にて4時間反応させた後、冷却して固形分 15%のアミド系樹脂を得た。これを比較例用填料改質剤3とした。
実施例1(填料スラリーの調製)
填料改質剤としてジアリルアミン塩酸塩と二酸化硫黄の共重合物(日東紡績株式会社製のPAS−92、固形分20%)(以下、「填料改質剤1」又は「共重合物1」と略することがある) 1.0gを沈降性炭酸カルシウムスラリー(奥多摩工業(株)製TP121の水分散液。以下、単に「沈降性炭酸カルシウムスラリー」と略することがある。固形分20%。) 200gに添加し、均一に攪拌することにより、填料改質剤1にて処理した填料を得た(填料改質剤1:沈降性炭酸カルシウム=0.5:100 (質量比))。この填料を填料スラリー1とした。
実施例2(填料スラリーの調製)
填料改質剤としてジアリルアミン塩酸塩と二酸化硫黄とマレイン酸の共重合物(日東紡績株式会社製のPAS−84、固形分30%)(以下、「填料改質剤2」又は「共重合物2」と略することがある) 0.67gを沈降性炭酸カルシウムスラリー(固形分20%) 200gに添加し、均一に攪拌することにより、填料改質剤2にて処理した填料を得た(填料改質剤2:沈降性炭酸カルシウム=0.5:100 (質量比))。この填料を填料スラリー2とした。
比較例4〜8(填料スラリーの調製)
前記実施例1にて使用した填料改質剤を表1に記載の比較例用填料改質剤1〜5に代えたこと以外は実施例1と同様にして填料スラリーを得た。得られた填料スラリーを填料スラリー3〜7とした。
Figure 2007332505
表1中の略号は、填料改質剤1:ジアリルアミン塩酸塩と二酸化硫黄の共重合物(日東紡績株式会社製のPAS−92)、填料改質剤2:ジアリルアミン塩酸塩と二酸化硫黄とマレイン酸の共重合物(日東紡績株式会社製のPAS−84)、比較例用填料改質剤1:比較例1によって得られたもの、比較例用填料改質剤2:比較例2によって得られたもの、比較例用填料改質剤3:比較例3によって得られたもの、比較例用填料改質剤4:ジアリルアミン塩酸塩とマレイン酸の共重合物(日東紡績株式会社製のPAS−410)、比較例用填料改質剤5:ジアリルジメチルアンモニウムクロライドと二酸化硫黄の共重合物(日東紡績株式会社製のPAS−A−120L)である。
実施例3(填料スラリーの調製)
填料改質剤として填料改質剤1 0.18gを沈降性炭酸カルシウムスラリー(固形分 20%) 200gに添加し、均一に攪拌することにより、前記填料改質剤1にて処理した填料スラリーを得た(填料改質剤1:沈降性炭酸カルシウム=0.09:100 (質量比))。この填料スラリーを填料スラリー8とした。
実施例4(填料スラリーの調製)
填料改質剤として填料改質剤1 8.0gを沈降性炭酸カルシウムスラリー(固形分 20%) 200gに添加し、均一に攪拌することにより、前記填料改質剤1にて処理した填料スラリーを得た(填料改質剤1:沈降性炭酸カルシウム=4:100 (質量比))。この填料スラリーを填料スラリー9とした。
実施例5(填料スラリーの調製)
前記実施例1にて使用した沈降性炭酸カルシウムをタルクに代えたこと以外は実施例1と同様にして填料改質剤1により処理した填料スラリーを得た。この填料スラリーを填料スラリー10とした。
実施例6(填料スラリーの調製)
前記実施例1にて使用した沈降性炭酸カルシウムをホワイトカーボンに代えたこと以外は実施例1と同様にして填料改質剤1により処理した填料スラリーを得た。この填料スラリーを填料スラリー11とした。
実施例7(抄紙操作)
脱墨パルプ(以下において、DIPと略することがある。)を、カナディアン・スタンダード・フリーネス220に調整した濃度 2.4 %のパルプスラリーに、硫酸バンドをパルプに対して 0.5%加えた後、カチオン性澱粉(日本NSC(株)製、CATO304)をパルプに対して 0.5%添加した。攪拌した後、pH 7.5 に調整した水道水を用いてパルプ濃度を 0.6%に調整し、次いで実施例1の填料スラリー1をパルプに対して 20%になるように添加した後、角型シートマシンにて抄紙して、坪量 40g/mの手抄き紙を得た。得られた手抄き紙を 23℃、RH 50%の条件下に 24時間調湿した後、紙中灰分量、不透明度、印刷後不透明度、内部結合強度、ステキヒトサイズ度を下記方法により測定した。測定結果を表2に示した。なお、前記薬品の添加率はパルプ絶乾重量に対する固形分重量比である。
紙中灰分量:JIS P8251 灰分試験方法(525℃燃焼法)
不透明度:JIS P8149 不透明度試験方法
印刷後不透明度:JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.45 新聞用紙−印刷後不透明度試験方法
内部結合強度…JAPAN −TAPPI 紙パルプ試験法No. 18−2 紙及び板紙−内部結合強さ試験方法−第2部:インターナルボンドテスタ法
サイズ度…JIS P 8122 紙のステキヒトサイズ度試験方法
実施例8、比較例9〜13(抄紙操作)
前記実施例7の填料スラリー1を填料スラリー2,3〜7(実施例2、比較例4〜8で調製された填料スラリー)に代えたこと以外は実施例7と同様にして紙中灰分量、不透明度、印刷後不透明度、内部結合強度、ステキヒトサイズ度の測定を行った。測定結果を表2に示した。
実施例9,10(抄紙操作)
前記実施例7の填料スラリー1を填料スラリー8,9(実施例3,4で調製された填料スラリー)に代えたこと以外は実施例7と同様にして紙中灰分量、不透明度、印刷後不透明度、内部結合強度、ステキヒトサイズ度の測定を行った。測定結果を表2に示した。
比較例14
前記実施例7におけるのと同じ種類の填料スラリーを、填料改質剤による処理をしていない沈降性炭酸カルシウムに代えたこと以外は実施例7と同様にして行い、紙中灰分量、不透明度、印刷後不透明度、内部結合強度、ステキヒトサイズ度の測定を行った。測定結果を表2に示した。
比較例15
前記比較例14における沈降性炭酸カルシウムのパルプに対する添加量を20%から、21%に代えたこと以外は実施例14と同様にして手抄き紙を得た。得られた手抄き紙を 23℃、RH 50%の条件下に 24時間調湿した後、実施例7と同様にして紙中灰分量、不透明度、印刷後不透明度、内部結合強度、ステキヒトサイズ度の測定を行った。測定結果を表2に示した。
比較例16(抄紙操作)
DIPを、カナディアン・スタンダード・フリーネス220に調整した濃度 2.4 %のパルプスラリーに、硫酸バンドをパルプに対して 0.5%加えた後、カチオン性澱粉(日本NSC(株)製、CATO304)をパルプに対して 0.5%添加した。攪拌した後、pH 7.5 に調整した水道水を用いてパルプ濃度を 0.6%に調整し、次いで共重合物1をパルプに対して固形分換算で 0.1%添加し、その後、填料改質剤による処理をしていない沈降性炭酸カルシウムスラリー(固形分 20%)をパルプに対して20%添加した後、角型シートマシンにて抄紙して、坪量 40g/mの手抄き紙を得た。得られた手抄き紙を 23℃、RH 50%の条件下に 24時間調湿した後、実施例7と同様にして紙中灰分量、不透明度、印刷後不透明度、内部結合強度、ステキヒトサイズ度の測定を行った。測定結果を表2に示した。なお、前記薬品の添加率はパルプ絶乾重量に対する固形分重量比である。
比較例17
前記比較例16において共重合物1を共重合物2に代えたこと以外は比較例16と同様にして行い、実施例7と同様にして紙中灰分量、不透明度、印刷後不透明度、内部結合強度、ステキヒトサイズ度の測定を行った。測定結果を表2に示した。
実施例11(抄紙操作)
DIPを、カナディアン・スタンダード・フリーネス220に調整した濃度 2.4 %のパルプスラリーに、硫酸バンドをパルプに対して 0.5%加えた後、カチオン性澱粉(日本NSC(株)製、CATO304)をパルプに対して 0.5%添加した。攪拌した後、pH 7.5 に調整した水道水を用いてパルプ濃度を 0.6%に調整し、次いで実施例5の填料スラリー10をパルプに対して 10%添加した後、角型シートマシンにて抄紙して、坪量 40g/mの手抄き紙を得た。得られた手抄き紙を 23℃、RH 50%の条件下に 24時間調湿した後、実施例7と同様にして紙中灰分量、不透明度、印刷後不透明度の測定を行った。測定結果を表3に示した。なお、前記薬品の添加率はパルプ絶乾重量に対する固形分重量比である。
実施例12(抄紙操作)
前記実施例11の填料スラリー10を填料スラリー11(実施例6で調製された填料スラリー)に代えたこと以外は実施例11と同様にして行い、実施例7と同様にして紙中灰分量、不透明度、印刷後不透明度の測定を行った。測定結果を表3に示した。
実施例13(抄紙操作)
DIPを、カナディアン・スタンダード・フリーネス220に調整した濃度 2.4 %のパルプスラリーに、硫酸バンドをパルプに対して 0.5%加えた後、カチオン性澱粉(日本NSC(株)製、CATO304)をパルプに対して 0.5%添加した。攪拌した後、pH 7.5 に調整した水道水を用いてパルプ濃度を 0.6%に調整し、次いで実施例1の填料スラリー1をパルプに対して15%添加し、さらに実施例5の填料スラリー10をパルプに対して 5%になるように添加した後、角型シートマシンにて抄紙して、坪量 40g/mの手抄き紙を得た。得られた手抄き紙を 23℃、RH 50%の条件下に 24時間調湿した後、実施例7と同様にして紙中灰分量、不透明度、印刷後不透明度の測定を行った。測定結果を表3に示した。なお、前記薬品の添加率はパルプ絶乾重量に対する固形分重量比である。
実施例14(抄紙操作)
前記実施例13の填料スラリー10を填料スラリー11(実施例6で調製された填料スラリー)に代えたこと以外は実施例13と同様にして行い、実施例7と同様にして紙中灰分量、不透明度、印刷後不透明度の測定を行った。測定結果を表3に示した。
比較例18,19
前記実施例11における填料スラリー10を、填料改質剤1による処理をしていないタルクスラリーに代えたこと(比較例18)、又は填料改質剤1による処理をしていないホワイトカーボンスラリーに代えたこと(比較例19)以外は、前記実施例11と同様にして行い、実施例7と同様にして紙中灰分量、不透明度、印刷後不透明度の測定を行った。測定結果を表3に示した。
比較例20
前記実施例13における填料スラリー10及び填料スラリー1を、填料改質剤による処理をしていないタルクスラリー及び填料改質剤による処理をしていない沈降性炭酸カルシウムスラリーに代えたこと以外は実施例13と同様にして行い、実施例7と同様にして紙中灰分量、不透明度、印刷後不透明度の測定を行った。測定結果を表3に示した。
比較例21
前記実施例14における填料スラリー11及び填料スラリー1を、填料改質剤による処理をしていないホワイトカーボンスラリー及び填料改質剤による処理をしていない沈降性炭酸カルシウムスラリーに代えたこと以外は実施例14と同様にして行い、実施例7と同様にして紙中灰分量、不透明度、印刷後不透明度の測定を行った。測定結果を表3に示した。
Figure 2007332505
(*1)実施例7〜8は、填料改質剤1〜2で処理した沈降性炭酸カルシウムを含有する填料スラリーを添加することによりパルプスラリーを調製したのに対して、比較例16〜17においては、沈降性炭酸カルシウムと共重合物1〜2(填料改質剤1〜2と共重合物としては同じ)を予め混合して填料スラリーを調整することなく、沈降性炭酸カルシウムと共重合物1〜2とを別々に添加してパルプスラリーを調製した。
Figure 2007332505
表2,3に示される結果から明らかなように、この発明に係る填料改質剤は、従来の填料を改質することにより紙力、サイズ度を維持したまま、不透明度、印刷後不透明度向上効果を奏することができる。

Claims (3)

  1. 少なくともジアリルアミン化合物(A)と二酸化硫黄(B)とを共重合することによって得られる共重合物を含有し、パルプスラリー調製用の填料スラリーに填料と共に含まれる填料スラリー成分であることを特徴とする填料改質剤。
  2. 前記請求項1に記載の填料改質剤を含有することを特徴とする填料スラリー。
  3. 前記請求項2に記載の填料スラリーが混合されてなるパルプスラリーを用いて抄紙することを特徴とする製紙方法。
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