JP2008248398A - 紙の製造方法および紙 - Google Patents

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JP2008248398A JP2007087273A JP2007087273A JP2008248398A JP 2008248398 A JP2008248398 A JP 2008248398A JP 2007087273 A JP2007087273 A JP 2007087273A JP 2007087273 A JP2007087273 A JP 2007087273A JP 2008248398 A JP2008248398 A JP 2008248398A
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勇樹 平賀
Takashi Yamaguchi
崇 山口
Yuji Ono
裕司 小野
Koji Kutsuwa
幸二 久津輪
Tomohiro Higata
知弘 干潟
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Abstract

【課題】 引張強さや剛度など紙の強度(紙力)を向上させることが可能な紙の製造方法および強度を向上させた紙を提供すること。
【解決手段】 パルプ懸濁液にカチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマーを順次添加して調製した紙料を抄紙する紙の製造方法であって、前記紙料が填料を含有し、かつ前記填料が填料と処理剤とを混合した予備凝集填料であり、前記処理剤が(A)アニオン性多糖類と(B)カチオン性及び/又は両性アクリルアミド系共重合体とを複合化してなる複合化アクリルアミド系共重合体である紙の製造方法、およびこの方法で製造された紙。
【選択図】なし

Description

本発明は、填料を添加した紙料を抄紙する紙の製造方法とその方法により得られる紙に関する。
近年、環境保護意識の高まりと紙の製造コスト削減の点から、パルプ使用量の削減による紙の軽量・嵩高化が進行しつつある。しかし、これら軽量・嵩高紙は従来の紙と比較してパルプ配合量が減少するため、引張強さ等の各種強さや剛度(こわさ)など、紙の強度(紙力)の低下を生じ、品質上の問題となる場合がある。特に剛度については、E×t3(E:紙の弾性率、t:紙の厚さ)に比例するといわれており、厚さや弾性率が低下すると剛度も低下し、複写機や各種プリンターなどの情報処理機器での紙詰まりや、段ボールでの膨れなど、様々な障害をもたらす。また、嵩高剤を使用することで繊維間の水素結合量が減少し、引張強さや層間強度といった強さが著しく低下し、コート紙などの印刷時にブリスターなどの障害を引き起こす。
特に、新聞印刷用紙は、高速大量印刷に耐えうる品質を備えることが重要であり、中でも断紙に関係する引張り強さやこわさへの要求は極めて高い。しかし、脱墨パルプ等の古紙パルプ高配合化や、炭酸カルシウムを高配合する中性抄紙化の進行に伴って紙の強度は低下する傾向にあるために、これらの改善が求められている。
従来から、紙の強度を向上させるために、原料パルプ、表面処理(いわゆる外添)、薬品内添などの技術が種々検討されている。内添薬品としては、アクリルアミド系や澱粉等の紙力増強剤が知られており、例えば、アクリルアミド系については、アニオン性ポリアクリルアミドとマンニッヒ変性あるいはホフマン変性したカチオン性ポリアクリルアミドを併用する方法、あるいはこれらを混合して添加する方法が開示されている(非特許文献1、2参照)。しかし、薬品を内添する方法の場合は、大きな紙力増強効果を得るためには薬品の添加量を多くする必要があり、汚れ等の問題が発生しやすい。
一方、填料を紙中に多く留まらせ、かつ紙力の低下を少なく抑える技術として、填料を予備凝集させ、この凝集物を紙料へ添加する次のような技術がある。例えば、砕木パルプや再生パルプなどの低等級パルプを全パルプ中に30%以上含む紙料、特に新聞用紙料に、予備凝集填料を添加する紙の製造方法が開示されている(特許文献1参照)。填料としてはクレイ、チャイナクレイ、リトポン、硫酸塩フィラー、チタン顔料、二酸化チタン、サチンホワイト、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏、白亜などが挙げられており、凝集剤としては水溶性ビニルポリマー、ガム、硫酸アルミニウム、マンノガラクタン、アニオン系澱粉誘導体、カチオン系澱粉誘導体が挙げられている。しかし、凝集填料を用いた場合は表面強度の低下を招くなどの問題があるが、表面強度低下に対する有効な手段についての記述はない。
特開2000−129589号公報 紙パ技協誌、第45巻245〜249頁、紙パルプ技術協会発行 紙パ技協誌、第46巻986〜996頁、紙パルプ技術協会発行
従来は、上記のように紙の強度を十分に満たす手段や表面強度低下に対する有効な手段はなく、近年の軽量・嵩高化、あるいは古紙パルプや填料の高配合化に伴う引張強さや剛度等の低下を十分に抑制する技術は得られていない。
また、紙料にアニオン性とカチオン性の物質を添加し、両者のイオン的な結合を利用してセルロール繊維に定着させる技術が、非特許文献1、2に記載されている。しかし、非特許文献1、2に記載の併用処方あるいは混合処方を、アニオン性ポリアクリルアミドあるいはカチオン性ポリアクリルアミドを単独で添加する方法と比較してみると、剛度や引張強さ等の増強効果は若干高いものの満足し得る水準には到達しておらず、その効果は硫酸バンドの添加量の多寡に大きく左右され、また、その他に添加併用される薬品助剤によっても、効果の発現が一定しない等の問題点がある。
そこで、本発明は、紙の強度を向上させることが可能な紙の製造方法と、引張強さや剛度などの強度が向上した紙を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、パルプ懸濁液にカチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマーを順次添加して調製した紙料を抄紙する紙の製造方法であって、前記紙料が予備凝集填料を含有し、かつ前記予備凝集填料が填料と処理剤を混合したものであり、前記処理剤が(A)アニオン性多糖類と(B)カチオン性及び/又は両性アクリルアミド系共重合体とを複合化してなる複合化アクリルアミド系共重合体であることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、前記アニオン性ポリマーの添加量が前記カチオン性ポリマーの総添加量のアニオン要求量に対して0.5〜6倍であることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、前記カチオン性ポリマーがカチオン澱粉またはカチオン性ポリアクリルアミドであり、前記アニオン性ポリマーがカルボキシメチルセルロースまたはアニオン性ポリアクリルアミドであることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、前記処理剤の量が凝集される填料の0.1〜3.0固形分重量%であることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、 前記予備凝集填料のレーザー回折法により測定される平均粒子径が10〜80μmであることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、前記填料が炭酸カルシウムであることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、パルプ懸濁液にカチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマーを順次添加して調製し、填料を含有する紙料を抄紙して製造した紙であって、前記填料が、填料と処理剤とを混合した予備凝集填料であり、前記処理剤が(A)アニオン性多糖類と(B)カチオン性及び/又は両性アクリルアミド系共重合体とを複合化してなる複合化アクリルアミド系共重合体であるオフセット印刷用中性新聞用紙を特徴とする。
請求項8に係る発明は、紙中灰分が3〜40固形分重量%であるオフセット印刷用中性新聞用紙を特徴とする。
請求項9に係る発明は、前記紙の上に表面処理剤が塗工されたオフセット印刷用中性新聞用紙であることを特徴とする。
本発明によれば、引張強さや曲げこわさなどの強度が顕著に向上し、強度に優れた紙を得ることができる。従って、本発明によれば、オフセット印刷時に断紙や紙粉発生が少なく、印刷品質に優れる新聞印刷用紙を得ることが可能となる。
1.パルプ原料
本発明の紙の原料となるパルプは、通常使用されているパルプであればよく特に限定は無いが、ケミカルパルプ(CP)、クラフトパルプ(KP)、砕木パルプ(GP)、ケミグラウンドパルプ(CGP)、リファイナーグラウンドパルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、セミケミカルパルプ(SCP)等の各種製造方法の針葉樹、広葉樹パルプ、また、これらの晒、未晒パルプ、更に脱墨パルプ(DIP)等を要求される品質に応じて単独あるいは混合して適宜配合したパルプである。
2.薬品の添加方法
本発明では、パルプ懸濁液にカチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマーを順次添加して紙料を調整する。ここでいうパルプ懸濁液とは、懸濁物としてパルプ繊維を含んでいればよく、その他に填料などが懸濁していてもよい。
パルプ繊維(セルロース繊維)はアニオン性に帯電しているため、まず、カチオン性ポリマーを添加することによって、パルプ繊維や填料の表面にカチオン性ポリマーが吸着される。次に、このカチオン性部位ができたパルプ繊維や填料にアニオン性ポリマーが添加されることによって、アニオン性ポリマーがパルプ繊維や填料に吸着される。さらに、このアニオン性部位ができたパルプ繊維や填料にカチオン性ポリマーが添加されることによって、カチオン性ポリマーがパルプ繊維や填料の表面に吸着される。このように、パルプ繊維の表面に各ポリマーが効率良く吸着されて連続的な三層のポリマー層が作り出されることにより、繊維間の強力な結合が形成される。また、上記の順序でポリマーを三層に吸着させたパルプ繊維や填料を含む紙料を抄紙した場合、剛度や引張強さなど強度が向上した紙を得ることができる。これに対し、カチオン性ポリマーまたはアニオン性ポリマーのいずれか片方を添加した場合(一段添加)や、カチオン性またはアニオン性ポリマー同士、カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマー、アニオン性ポリマーとカチオン性ポリマーを順次添加した場合(二段添加)は、引張強さや剛度などの強度の十分な向上効果が得られない。
本発明における強度向上の効果発現機構は十分に解明されてないが、おそらく、カチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマーを三層にパルプ繊維や填料に吸着させることにより、吸着したカチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーの複合体がパルプ繊維上に厚い層を形成するために、繊維壁が強化され単繊維のこわさが向上すること、さらに、カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーとの複合体は、カチオン性ポリマーやアニオン性ポリマーのポリマー単体よりも大きな複合体を形成するために、パルプ繊維同士やパルプ繊維と填料を結合しやすく、また水素結合量が多くなるために、紙の引張り弾性率(ヤング率)が向上し、その結果として引張りこわさや曲げこわさなどの剛度が向上するものと推測される。また、引張り強さや層間強度についても、剛度の効果発現機構と同様に、パルプ繊維同士の水素結合量が増加することによって、向上するものと推測される。
以下に薬品について詳しく説明する。
<カチオン性ポリマー>
本発明で使用するカチオン性ポリマーは、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基、第4級アンモニウム塩基を有するポリマーであり、例えば、カチオン化澱粉、カチオン性ポリアクリルアミド(PAM)、ポリビニルアミン、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(ポリDADMAC)、ポリアミドアミンエピクロロヒドリン(PAE)、ポリエチレンイミン(PEI)、キト酸などの水溶性のカチオン性ポリマー等が挙げられる。中でも、効果が良好で入手性も良いことからカチオン化澱粉、カチオン性ポリアクリルアミドが好ましい。カチオン化澱粉の場合、澱粉原料は特に限定はなく、コーン、タピオカ、ポテト、甘藷などが挙げられる。また、このカチオン澱粉の置換度(D.S.)も特に限定はなく、0.01〜0.06の範囲であればよい。
<アニオン性ポリマー>
本発明で使用するアニオン性ポリマーは、カルボキシル基、スルホン基、リン酸基等のアニオン性基を有するポリマーであり、例えば、CMC、ポリアクリル酸、アニオン性PAM、尿素燐酸化澱粉、琥珀酸変性澱粉などが挙げられる。中でも、効果が良好で入手性も良いことからCMC、アニオン性ポリアクリルアミドが好ましい。アニオン性ポリマーがCMCの場合、置換度は0.5〜1.5が好ましい。また、1%水溶液の粘度が2〜20000mPa・sのものが通常の水溶性CMCであり、これらを使用できるが、1%粘度が100mPa・s以上のものを使用することがより好ましい。
<添加率>
本発明のカチオン性ポリマーの総添加量は、少なすぎる場合は十分な剛度向上効果が得られず、一方、多すぎる場合は抄紙系の汚れが発生しやすくなり操業に悪影響が及ぼされることから、パルプ懸濁液の固形分重量に対して、0.02〜3.0固形分重量%が望ましく、好ましくは0.1〜2.0固形分重量%、さらに好ましくは0.25〜2.0固形分重量%である。なお、総添加量とは、先に添加するカチオン性ポリマーと後で添加するカチオン性ポリマーとの合計である。
また、アニオン性ポリマーの添加量は、少なすぎる場合は十分な剛度向上効果が得られず、一方、多すぎても剛度が低くなる傾向にあると同時に抄紙系の汚れも発生することから、アニオン性ポリマーの添加量がカチオン性ポリマーの総添加量のアニオン要求量に対して0.5〜6倍であることが望ましい。これを次の例で説明する。
(カチオン性ポリマーのアニオン要求量)
カチオン性ポリマーの総添加量が1.0固形分重量%、カチオン電荷密度が+0.1meq/g、アニオン性ポリマーのアニオン電荷密度が−3.0meq/gの場合;
全カチオン性ポリマーのアニオン要求量は、0.1×1.0=0.10となる。
アニオン性ポリマーは、全カチオン性ポリマーのアニオン要求量の0.5〜6倍量を添加すると、(0.10×0.5)〜(0.10×6)=0.05〜0.6のアニオンとなる。
添加するアニオン性ポリマーのアニオン電荷密度は−3.0meq/gであるから、アニオン性ポリマーの添加量は、(0.05/3.0)〜(0.6/3)=0.0167〜0.2が必要である。
<添加時期>
紙の製造工程では、一般に、ミキシングチェストにおいて混合された原料パルプがマシンチェストへ送られ、次に種箱を通して安定した量のパルプ懸濁液を一次ファンポンプからの白水と共に抄紙マシンへと送り、ワイヤ上で均一なシートが形成される。本発明における各ポリマーの添加については、カチオン性ポリマーの一部をパルプ懸濁液に添加した後に、アニオン性ポリマーを添加し、その後にカチオン性ポリマーの残りを添加するが、これらの添加場所はミキシングチェストから一次ファンポンプの間であればよく、特に限定されるものではない。初めに添加するカチオン性ポリマーは、添加する全カチオン性ポリマーの25〜75%とすることが好ましく、40〜60%がより好ましい。
3.予備凝集填料
填料と混合する処理剤は、(A)アニオン性多糖類と、(B)カチオン性及び/又は両性アクリルアミド系共重合体(以下、「PAM」という。)とからなる複合化アクリルアミド系共重合体(以下、「複合化PAM」という。)が最適である。その理由としては、複合化PAMは、イオン性及びポリマー構造面で異なる特性を有する(A)アニオン性多糖類と、(B)カチオン性又は両性PAMからなり、当該多糖類のアニオン性で高分子量の広がり構造と、PAMのカチオン性及び親水的な特性によって、両者の特性を併せ持つポリイオンコンプレックスを形成するため、填料粒子に対する適度な凝集効果とパルプスラリーへの高い親和性を発揮することができるためであると考えられる。前記填料と処理剤を混合した予備凝集填料を紙料に添加する方法では、予め填料を凝集させているため、紙料中のアニオン性物質の影響を受けにくく、填料の歩留まりが大きく改善される。
また、通常、炭酸カルシウムなどの填料を含有するパルプスラリーにカチオン化澱粉やPAM系の紙力増強剤などの内添薬品を添加した場合、紙力増強剤が炭酸カルシウムに吸着することによって紙力増強剤の繊維への定着が阻害され、紙力増強効果に悪影響を及す。これに対し、複合化PAMで処理した填料を含有するパルプスラリーにカチオン化澱粉やPAM系の紙力増強剤などを添加した場合は、紙力増強剤が填料に吸着することがなく、繊維に効果的に定着することで、より少ない薬品量で大きな紙力向上効果が得られると考えられる。
すなわち、電荷特性の異なる特性の2成分を組み合わせた複合化PAMで填料を処理した被覆化填料は適度の凝集効果があって、パルプスラリーとの親和性に優れ、あるいはパルプスラリーに内添される薬品との相性が良いため、高填料内添紙において少ない薬品量(例えば原紙に対して0.01〜0.6重量%程度)でも大きな紙力増強効果を発揮することが可能である。
以下に予備凝集用の填料について詳しく説明する。
<填料>
予備凝集用の填料は公知のものを任意で使用でき、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、クレイ、焼成クレイ、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、デラミカオリン、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛などの無機填料、尿素−ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子などを1種類以上使用することができ、好ましくは炭酸カルシウム、更に好ましくは軽質炭酸カルシウムであり、より適度な凝集効果とパルプスラリーへの高い親和性をさらに発揮することができる。
さらに軽質炭酸カルシウムの形状は、ロゼッタ型、紡錘型、柱状型が好ましい。填料の平均粒子径は0.1〜20μm(0.5〜10μm、1〜5μmを含む)、比表面積は3〜20m2(5〜12m2を含む)が好ましい。
<平均粒子径>
前記予備凝集用の填料と処理剤を混合してなる予備凝集填料の平均粒子径は、特に紙の強度と紙粉量に影響し、平均粒子径は10〜80μmの範囲であり、下限の好ましい範囲は20μm以上、より好ましくは25μm以上であり、上限の好ましい範囲は60μm以下、より好ましくは40μm以下である。凝集の程度が弱く平均粒子径が10μm未満のときには、紙の強度は低くなり、反対に凝集の程度が強く平均粒子径が80μmを超えるときには、紙の強度は問題ないが、白色度が低下したり、紙粉量が多くなる場合がある。平均粒子径が10〜40μmであるとこれらのバランスの良い品質を得やすく特に好ましい。なお、本発明でいう平均粒子径は、レーザー回折法により測定される値である。
<処理剤>
本発明の複合化PAMは、(A)アニオン性多糖類と、(B)カチオン性及び/又は両性PAMとからなる。この場合、成分(B)からアニオン性PAMは排除される。
上記アニオン性多糖類(A)としては、酸置換基として、例えば、カルボキシル基、スルフェート基又はスルホネート基が導入されたデンプン類、アルギン酸類、セルロース類、ガム類などの誘導体を単用又は併用できる。アニオン性多糖類の具体的な製造方法としては、各種多糖類にクロロ酢酸などのアニオン化剤を作用させることで、カルボキシル基等を有する多糖類を製造できる。アニオン性多糖類の市販品としては、カルボキシメチルセルロース類(カルボキシメチルセルロース及びその塩;以下、CMCという)、アルギン酸類(アルギン酸及びその塩)、キサンタンガム、カルボキシメチルグアーガム、リン酸化グアーガム、カルボキシメチルデンプン、リン酸デンプンなどがある。本発明においては、当該アニオン性多糖類としてはCMC、アルギン酸類が好ましい。
上記成分(B)のうちの両性アクリルアミド系共重合体(便宜上、両性PAMという)は、(a)(メタ)アクリルアミドと、(b)カチオン性モノマーと、(c)アニオン性モノマーを構成成分とするものが挙げられる(共重合体の平均分子量は例えば20万〜400万)。
上記(メタ)アクリルアミド(a)としては、アクリルアミド(AMと略す)及び/又はメタクリルアミドが挙げられる。
上記カチオン性モノマー(b)は、1〜3級アミノ基含有(メタ)アクリルアミド、1〜3級アミノ基含有(メタ)アクリレート、4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリルアミド、4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート、ジアリルジアルキルアンモニウムハライドを始めとして、分子内にカチオン性基を1個乃至複数個有するものであり、例えば、4級アンモニウム塩基含有モノマーでは、下記の一般式(1)で示される化合物が代表例である。
[CH2=C(R1)−CO−A−R2−N+(R3)(R4)(R5)]X−・・・(1)
(式(1)中、R1はH又はCH3;R2はC1〜C3アルキレン基;R3、R4、R5はH、C1〜C3アルキル基、ベンジル基、CH2CH(OH)CH2N+(CH3)3X−であり、夫々同一又は異なっても良い;AはO又はNHである。;Xはハロゲン、アルキルスルフェートなどのアニオン。)
このカチオン性モノマー(b)としては、1〜3級アミノ基含有(メタ)アクリルアミド、1〜3級アミノ基含有(メタ)アクリレート、4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリルアミド、4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレートが好ましい。
上記1〜2級アミノ基含有(メタ)アクリルアミドは、アミノエチル(メタ)アクリルアミドなどの1級アミノ基含有(メタ)アクリルアミド、或は、メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、エチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドなどの2級アミノ基含有(メタ)アクリルアミドである。また、上記3級アミノ基含有(メタ)アクリルアミドは、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド(ジメチルアミノプロピルアクリルアミドはDMAPAAと略す)、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドを代表例とする。
上記1〜2級アミノ基含有(メタ)アクリレートは、アミノエチル(メタ)アクリレートなどの1級アミノ基含有(メタ)アクリレート、或は、メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの2級アミノ基含有(メタ)アクリレートである。また、上記3級アミノ基含有(メタ)アクリレートは、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート(ジメチルアミノエチルメタクリレートはDMと略す)、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートを代表例とする。
上記4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリルアミド、又は4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレートは、3級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリルアミド、又は3級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレートを塩化メチル、塩化ベンジル、硫酸メチル、エピクロルヒドリンなどの4級化剤を用いたモノ4級塩基含有モノマーであり、アクリルアミドプロピルベンジルジメチルアンモニウムクロリド、メタクリロイロキシエチルジメチルべンジルアンモニウムクロリド(DMBQと略す)、アクリロイロキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルアミノエチルトリエチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイロキシエチルトリエチルアンモニウムクロリドなどが挙げられる。
また、カチオン性モノマー(b)としては、高分子量化を図る見地から、分子内に2個の4級アンモニウム塩基を有するビス4級塩基含有モノマーを使用できる。具体的には、2個の4級アンモニウム塩基を有するビス4級塩基含有(メタ)アクリルアミド、或はビス4級塩基含有(メタ)アクリレートが挙げられる。ビス4級塩基含有(メタ)アクリルアミドの例としては、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドに、1−クロロ−2ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドを反応させて得られるビス4級塩基含有(メタ)アクリルアミド(DMAPAA−Q2と略す)がある。このDMAPAA−Q2は、上記カチオン性モノマーの一般式(1)において、R1=H、R2=プロピレン基、A=NH、R3とR4は各メチル基、R5=CH2CH(OH)CH2N+(CH3)3C−、X=塩素に相当する化合物である。
一方、前記4級アンモニウム塩基含有のカチオン性モノマー(b)に属するジアリルジアルキルアンモニウムハライドは、例えば、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドである。
前記両性PAMの構成単位であるアニオン性モノマー(c)は、α、β−不飽和カルボン酸類、α、β−不飽和スルホン酸類等である。
上記不飽和カルボン酸類は(メタ)アクリル酸(アクリル酸はAAと略す)、(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸(IAと略す)、(無水)シトラコン酸、そのナトリウム、カリウム、アンモニウム塩などである。
上記不飽和スルホン酸類は、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、その塩などである。
また、両性PAMにおいては、上記成分(a)〜(c)に、さらに架橋性モノマー(d)及び/又は連鎖移動剤(e)を使用して、共重合体に分岐架橋構造を持たせることができる((d)は共重合体に対して0.02〜0.5重量%程度、(e)は共重合体に対して0.1〜1.5重量%程度)。
上記架橋モノマー(d)は共重合体の分子量を増し、多糖類やパルプとの相互作用を増加させるために寄与し、メチレンビスアクリルアミド(MBAMと略す)、エチレンビス(メタ)アクリルアミドなどのビス(メタ)アクリルアミド類、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート類、ジメチルアクリルアミド(DMAMと略す)、メタクリロニトリルなどが使用できる。
上記連鎖移動剤は共重合体の粘度の増大を抑制し、分岐構造を増して分子量を調整する作用をし、イソプロピルアルコール(IPAと略す)、メタリルスルホン酸ナトリウム(SMSと略す)、アリルスルホン酸ナトリウム(SASと略す)、n−ドデシルメルカプタン、メルカプトエタノール、チオグリコール酸等のメルカプタン類などの公知の連鎖移動剤が使用できる。
さらに、上記両性PAMでは必要に応じて、他のモノマーとして、アクリロニトリルなどのノニオン系モノマーを使用しても差し支えない。
両性PAMの構成成分(a)〜(c)は夫々単用又は併用できる。
上記両性PAMにおける成分(a)〜(c)の含有量は任意であって、特には制限されないが、共重合体に対する(メタ)アクリルアミド(a)の含有量は65〜98.8モル%、カチオン性モノマー(b)は1〜20モル%、アニオン性モノマー(c)は0.2〜15モル%が好ましい。
一方、成分(B)のうちのカチオン性アクリルアミド系共重合体(便宜上、カチオン性PAMという)は、(メタ)アクリルアミド(a)とカチオン性モノマー(b)を構成成分とするものが挙げられる(共重合体の平均分子量は例えば20万〜400万)。
これらの(メタ)アクリルアミド(a)とカチオン性モノマー(b)は、上記両性PAMの構成モノマー成分として列挙した該当成分が同様に使用できる。
また、当該カチオン性PAMにおいても、上記成分(a)と(b)に、さらに、上記架矯性モノマー(d)及び/又は上記連鎖移動剤(e)を使用して、共重合体に分岐架橋構造を持たせるようにしても良い。さらに、このカチオン性PAMでは必要に応じて、他のモノマーとして、アクリロニトリルなどのノニオン系モノマーを使用しても差し支えない。
さらに、当該カチオン性PAMの構成成分(a)と(b)を夫々単用又は併用できる点は、前記両性PAMの場合と同じである。
上記カチオン性PAMにおける成分(a)と(b)の含有量は任意であって、特には制限されないが、共重合体に対する(メタ)アクリルアミドの含有量は85〜99モル%、カチオン性モノマー(b)は1〜15モル%が好ましい。
複合化PAMは、成分(A)と(B)を(例えば水に溶解し)混合して調製するか、成分(A)の存在下で成分(B)の構成モノマーを重合反応させて製造する。
上記混合方式での成分の組み合わせは次の(1)〜(3)の通りである。
(1)アニオン性多糖類と両性PAM
(2)アニオン性多糖類とカチオン性PAM
(3)アニオン性多糖類と両性PAMとカチオン性PAM
上記成分(A)と成分(B)を混合することで、多糖類の有するアニオン性で高分子量の広がり構造と、アクリルアミド系共重合体のカチオン性及び親水的な特性とを兼備するポリイオンコンプレックスが形成される。
一方、上記重合方式のように、構成モノマーを共重合反応して成分(B)を製造する際に成分(A)を共存させて複合化PAMを製造することもできる。
即ち、両性又はカチオン性PAMを製造する際の構成モノマーは、前述した通り、(a)アクリルアミド、(b)カチオン性モノマー、(c)アニオン性モノマーであるが、これらの構成モノマーをアニオン性多糖類の存在下で共重合反応させると、生成した両性又はカチオン性PAMの中にアニオン性多糖類が混在した状態になり、両者でポリイオンコンプレックスを形成することになる。
換言すると、本発明の複合化PAMは、カチオン性又は両性PAMを共重合反応して製造するに際して、アニオン性多糖類(A)を共重合反応前に添加しても良いし、共重合反応の後で添加しても差し支えなく、成分(A)と(B)の間でポリイオンコンプレックスを形成すれば良い。
本発明の複合化PAMを製造するに際して、成分(A)と成分(B)の混合比率(重量比)は、A/B=2/98〜45/55が好ましく、4/96〜30/70がより好ましく、10/90〜20/80がさらに好ましい。
アニオン性多糖類(A)が45重量%より多くなると、アニオンが過剰になって填料への吸着率が低下して、被覆化填料の粒子径が適正に増大せず、歩留りも低下する恐れがある。電荷特性の異なる2種の複合が本発明の特徴であるため、アニオン性多糖類(A)が2重量%より少なくなると、この複合化の効果が低減する。
<製造方法>
処理剤の量は凝集される填料に対して例えば0.1〜3.0固形分重量%とすることで、予備凝集填料の粒径を10〜80μmに調整しやすく、また凝集填料が抄紙機内で壊れ難くその形状を維持しやすい。処理剤の量が填料の0.1固形分重量%以下であると、凝集填料の平均粒子径は10μmより小さくなりやすく、紙力向上効果が得られ難い。一方、3.0固形分重量%以上添加してもそれ以上の紙力向上効果が十分得られず、また薬品使用コストが増加し、実用的には好ましくない。
予備凝集填料は水分散系で処理剤と填料を混合することで生成することができる。具体的には、予備凝集填料を製造する方法には、成分(A)と成分(B)によって予め調整した複合化PAMの液を填料スラリーに添加することが望ましいが、成分(A)と成分(B)の2液を別々に填料スラリーに添加しても差し支えない。
<添加時期>
予備凝集填料は、パルプ原料に添加される。抄紙工程では各種のパルプが混合されるミキサー以後、ヘッドボックス以前に添加されることが好ましい。ヘッドボックスへ添加することが最適である。
<添加割合>
予備凝集填料の添加割合は、3〜40固形分重量%である。好ましくは5〜30固形分重量%、さらに好ましくは7〜25固形分重量%である。3固形分重量%未満では、填料の歩留まりは良好で、オフセット輪転機での断紙、紙粉も問題ないが、不透明度が十分ではないため裏抜けが大きく、平滑度が低いため印面は優れないという問題が生じやすい。40固形分重量%を超えると、パルプ繊維分が少ないため填料の歩留まりが低下してしまい、また紙粉量も多く問題となりやすい。
本発明において、紙中灰分としては、3〜40固形分重量%が好ましい。紙中灰分は、添加される填料に由来するものの他、DIP等のパルプ原料などによって持ち込まれるものもあり、また、本発明の効果を損なわない範囲で上記のような処理をしない填料を加えても良い。このような填料としては、例えば、炭酸カルシウム、カオリン、クレイ、水和珪酸、ホワイトカーボン、酸化チタン、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。なお、本発明においては、紙中灰分の50%以上は予備凝集填料に基づくものであることが好ましい。より好ましくは70%以上である。
4.抄紙方法
<抄紙系>
本発明の紙は、酸性抄紙法で抄造される酸性紙でも、中性抄紙法で抄造される中性紙でもよいが、紙の保存性が良好なことから中性抄紙法で製造することが望ましい。また、中性抄紙法によればDIPを増配することができる。集荷された古紙は通常、アルカリ性の薬品のもとで処理されDIPが製造されるため、酸性抄紙の条件下ではDIPに含まれる炭酸カルシウムのカルシウムイオンが硫酸バンドと反応し石膏(硫酸カルシウム)となって析出する問題があり、酸性抄紙法でDIPを多量に使用することは難しい。さらに、中性抄紙法によれば、DIP由来の炭酸カルシウムを有効利用し省資源化を図ることもできる。
酸性抄紙法の場合は、紙の品種に応じて必要であればロジンサイズ剤、強化ロジンサイズ剤、合成サイズ剤等の公知の酸性抄紙用内添サイズ剤を使用できる。中性抄紙法の場合は、紙の品種に応じて必要であれば、公知の内添中性サイズ剤であるアルキルケテンダイマー(AKD)系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸(ASA)系サイズ剤、中性ロジンサイズ剤等を使用できる。
<その他添加剤>
抄造に際して、従来から使用されている各種のノニオン性、カチオン性の歩留まり剤、濾水度向上剤、紙力向上剤、嵩高剤等の製紙用内添助剤が必要に応じて適宜選択して使用される。また、例えば、硫酸バンド、塩化アルミニウム、アルミン酸ソーダや、塩基性塩化アルミニウム、塩基性ポリ水酸化アルミニウム等の塩基性アルミニウム化合物や、水に易分解性のアルミナゾル等の水溶性アルミニウム化合物、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄等の多価金属化合物、シリカゾル等が内添されてもよい。その他製紙用助剤として各種澱粉類、ポリアクリルアミド、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド、ポリアミン樹脂、ポリアミン、ポリエチレンイミン、植物ガム、ポリビニルアルコール、ラテックス、ポリエチレンオキサイド、親水性架橋ポリマー粒子分散物及びこれらの誘導体あるいは変成物等の各種化合物を使用できる。更に、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内添剤を用途に応じて適宜添加することもできる。
<抄紙機>
紙を抄造する抄紙機の型式は特に限定は無く、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、ヤンキー抄紙機、円網抄紙機等で適宜抄紙できる。紙の2面性を抑制する意味で、両面脱水機構を有しているギャップフォーマー、ハイブリッドフォーマー、オントップフォーマーなどが望ましい。プレス線圧、カレンダー条件などは、通常の操業範囲内で用いられる。
5.表面処理
本発明では、上記のようにして得られた紙の上に、必要に応じて表面処理剤を塗布してもよい。特に新聞用紙の場合、表面強度を向上させることができ望ましい。
<表面処理剤>
要求される品質に応じて、水溶性高分子物質、表面サイズ剤などの公知の表面処理薬品を単独または適宜配合して使用する。水溶性高分子物質としては、例えば、生澱粉や、酸化澱粉、エステル化澱粉、カチオン化澱粉、酵素変性澱粉、アルデヒド化澱粉、エーテル化澱粉(湿式低分子化ヒドロキシエチル化澱粉、乾式低分子化ヒドロキシエチル化澱粉等)などの変性澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコールなどの変性アルコール、スチレンブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミドなどが挙げられ、これらを単独または併用する。中でもエーテル化澱粉は優れた表面強度を与え好ましい。これら水溶性高分子物質の塗布量は特に限定されないが、0.05〜2g/m(固形分)程度である。
表面サイズ剤としては、スチレン−マレイン酸系共重合体樹脂、スチレン−アクリル酸系共重合体樹脂、α−オレフィン−マレイン酸系共重合体樹脂、アクリル酸エステル−アクリル酸系共重合体樹脂、カチオン性サイズ剤、アルキルケテンダイマー系サイズ剤などが挙げられるがこれらに制限されるものではない。また、中性抄紙の場合は、カチオン性表面サイズ剤が好ましく用いられる。
炭酸カルシウムが填料として使用される中性抄紙系では、カチオン性を示す硫酸バンドの使用量が少ないことから、カチオン性の表面サイズの方がより紙の表面付近に留まり、紙のサイズ性が向上する。サイズ性が向上すれば、オフセット印刷時に水のしみ込みが少なくなるため、表面強度をより高く維持できる。このようなカチオン性表面サイズ剤としては特に限定されないが、公知のものでは具体的に例えば、WO2005/003457号公報、特開2005-105488号公報、特開2005-248338号公報、特開2006-16712号公報、特開2006-16713号公報、特開2006-97179号公報、特開2006-152510号公報、特開2006-161259号公報、特開2006-322093号公報等に記載のカチオン性表面サイズ剤が挙げられる。また、本件出願人が出願中である特願2005-223106、特願2005-312381、特願2006-17607等に記載のカチオン性表面サイズ剤が挙げられる。
表面サイズ剤の塗布量は特に限定されないが、前記の水溶性高分子物質とともに使用されることが好ましく、その場合は水溶性高分子物質100部に対して表面サイズ剤1〜30部が適当であり、好ましくは1〜20部、さらに好ましくは1〜15部である。
<塗工方法>
原紙に表面処理剤を塗工する装置は、ブレードコーター、ゲートロールコーター、サイズプレスコーター、シムサイザー等の公用の装置を適宜用いればよい。好ましい方法として、新聞用紙の製造ではゲートロールコーターが挙げられる。
6.その他
<紙の用途>
本発明で製造される紙は、上質印刷用紙、中質印刷用紙、新聞用紙、グラビア印刷用紙、PPC用紙、レーザープリンター用紙、フォーム用紙、板紙原紙等に使用することができる。また、アート紙、キャストコート紙、上質コート紙、熱転写用紙等の各種のコート原紙にも使用することができる。中でも剛度向上が求められている新聞用紙、印刷用紙、板紙原紙に好適である。また、層間強度向上が重要な印刷用紙にも好適である。さらに、嵩高剤を内添して紙を低密度化する技術があるが、この嵩高剤は紙の引張強さや剛度等を著しく低下させるものがほとんどであり、このような低密度化した紙への強度付与に、本発明の製造方法は効果的に使用される。
<諸物性>
本発明によって紙がオフセット印刷用中性新聞用紙である場合、坪量は37〜52g/mの範囲が望ましい。現状、新聞用紙の規格の下限は40g/m程度であるが、技術的には40g/m未満の用紙も製造可能であり、例えば電話帳用紙として37g/m程度の用紙が製造されている。この他、通常のオフセット印刷用中性新聞用紙に求められる程度の平滑度、摩擦係数などを有すればよい。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、特にことわらない限り、部および%は重量部および重量%を示す。また、各例においてカチオン化澱粉、CMC、ポリアクリルアミド等の添加率は、パルプ固形分重量に対する固形分重量%である。
以下の実施例及び比較例で得られた紙の紙質および強度は、以下の方法で測定した。結果を表1に示す。
・坪量:JIS P 8124に準じて測定した。
・紙厚:JIS P 8118に準じて測定した。
・密度:JIS P 8118に準じて坪量と紙厚から求めた。
・引張り強さ:JIS P 8113に準じて測定した。
・曲げこわさ:ISO−2493に準じて、L&W Bending Tester(Lorentzen&Wettre社製)で、曲げ角度が15度の曲げこわさを測定した。
1.予備凝集填料調整方法
予備凝集填料はスタティックミキサーを用いて水に処理剤と填料を混合することで得た。なお、填料および予備凝集填料の平均粒子径はマルバーン(Malvern Instruments)社製マスターサイザー2000によって測定した。測定原理はレーザー回析法である。
以下では、本発明の複合化PAMの原材料としての両性またはカチオン性アクリルアミド系共重合体(PAM-1、PAM-2)、アニオン性アクリルアミド系共重合体(PAM-3)の合成例を述べる。
[PAM−1](合成例1)
水670部、50%アクリルアミド水溶液262部、60%メタクリロイロキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド18.6部、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド9.2部、イタコン酸3.9部、メチレンビスアクリルアミド0.1部、アリルスルホン酸ナトリウム0.5部の混合物を10%硫酸を用いてpH3に調整した。
次いで、温度を60℃に昇温し、2%過硫酸アンモニウム水溶液16部、2%亜硫酸ソーダ水溶液4部を添加して、温度60〜85℃で3時間反応させ、PAM-1を得た。
[PAM−2](合成例2)
水670部、50%アクリルアミド水溶液262部、60%メタクリロイロキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド40.5部、ジメチルアミノエチルメタクリレート18.9部、98%アクリル酸6.2部、メタリルスルホン酸ナトリウム0.5部の混合物を10%硫酸を用いてpH3に調整した。
次いで、温度を60℃に昇温し、2%過硫酸アンモニウム水溶液16部、2%亜硫酸ソーダ水溶液4部を添加して、温度60〜85℃で3時間反応させ、PAM-2を得た。
[PAM−3](合成例3)
水670部、50%アクリルアミド水溶液262部、98%アクリル酸33.2部、アリルスルホン酸ナトリウム0.5部の混合物を10%硫酸を用いてpH3に調整した。
次いで、温度を60℃に昇温し、2%過硫酸アンモニウム水溶液16部、2%亜硫酸ソーダ水溶液4部を添加して、温度60〜85℃で3時間反応させ、PAM-3を得た。
次に、上記合成例1で得られたPAM−1(両性PAM)とアニオン性多糖類(CMC)とを混合調整し、複合化PAM-C1を製造する例を述べる。
また、アニオン性多糖類を使用せず、上記合成例2、3で得られたPAM-2(カチオン性PAM)とPAM-3(アニオン性PAM)とを混合調整し、PAM-C2を製造する例を述べる。
[複合化PAM1(PAM-C1)]
CMC(アニオン性多糖類:A成分)と両性PAM-1(B成分)をそれぞれ1%溶液としてA/B=15/85の重量比で水系で混合し、PAM-C1(複合化PAM1)を得た。
[複合化PAM2(PAM-C2)]
アニオン性多糖類(CMC)を使用せずに、カチオン性PAM(PAM-2:B成分)とアニオン性PAM(PAM-3:非B成分)をPAM-2/PAM-3=85/15の重量比で水系で混合し、PAM-C2(複合化PAM2:なお、「複合化」は成分A(アニオン性多糖類)と成分B(両性/カチオン性PAM)の複合体を意味するので、厳密にはアニオン性多糖類を使用しないPAM-C2は複合化PAMではないが、後述する表の記載の都合上、複合化PAMと称する)を得た。
次に複合化PAMと填料を混合した予備凝集填料の調整方法を示す。
[予備凝集填料1]
填料を重質炭酸カルシウム(平均粒子径1.5μm)、処理剤を複合化PAM-C1とし、重質炭酸カルシウム/PAM-C1=100/0.7の混合比で予備凝集させ、平均粒子径27μmの予備凝集填料を得た。
[予備凝集填料2]
填料を軽質炭酸カルシウム(ロゼッタ型、平均粒子径3μm)、処理剤を複合化PAM-C1とし、軽質炭酸カルシウム/PAM-C1=100/0.7の混合比で予備凝集させ、平均粒子径38μmの予備凝集填料を得た。
[予備凝集填料3]
填料を軽質炭酸カルシウム(ロゼッタ型、平均粒子径3μm)、処理剤を複合化PAM-C1とし、軽質炭酸カルシウム/PAM-C1=100/0.2の混合比で予備凝集させ、平均粒子径14μmの予備凝集填料を得た。
[予備凝集填料4]
填料を軽質炭酸カルシウム(ロゼッタ型、平均粒子径3μm)、処理剤を複合化PAM-C1とし、軽質炭酸カルシウム/ PAM-C1=100/2.5の混合比で予備凝集させ、平均粒子径41μmの予備凝集填料を得た。
2.オフセット印刷用中性新聞用紙の製造
[実施例1]
脱墨パルプ(DIP)100部からなるスラリーに、ミキシングボックスにおいて、硫酸バンド1.5重量%、カチオン性ポリアクリルアミド(カチオン電荷密度+1.0meq/g)を0.05重量%添加し、その後マシンチェストにおいてアニオン性ポリアクリルアミド(アニオン電荷密度−1.5meq/g)を0.1重量%添加し、その後種箱においてカチオン性ポリアクリルアミド(カチオン電荷密度+1.0meq/g)を0.05重量%添加し、さらに填料として上記の予備凝集填料2を紙中灰分が15重量%となるように添加し、歩留り向上剤(製品名R-300、ソマール(株)社製)0.01重量%を添加して、ツインワイヤー抄紙機にて坪量44g/mとなるように中性抄紙し、オンマシンのゲートロールコーターでヒドロキシエチル化澱粉を両面で塗工量が0.6g/mになるように塗工し、オフセット印刷用新聞用紙を得た。
[実施例2]
脱墨パルプ(DIP)100部からなるスラリーに、ミキシングボックスにおいて、硫酸バンド1.5重量%、カチオン化澱粉(カチオン電荷密度+0.1meq/g)を0.5重量%添加し、その後マシンチェストにおいてアニオン性ポリアクリルアミド(アニオン電荷密度−1.5meq/g)を0.1重量%添加し、その後種箱においてカチオン化澱粉(カチオン電荷密度+0.1meq/g)を0.5重量%添加し、さらに填料として上記の予備凝集填料2を紙中灰分が15重量%となるように添加し、歩留り向上剤(製品名R-300、ソマール(株)社製)0.01重量%を添加して、ツインワイヤー抄紙機にて坪量44g/mとなるように中性抄紙し、オンマシンのゲートロールコーターでヒドロキシエチル化澱粉を両面で塗工量が0.6g/mになるように塗工し、オフセット印刷用新聞用紙を得た。
[比較例1]
予備凝集填料2に代えて軽質炭酸カルシウム(ロゼッタ型、平均粒子径3μm)を用いた以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を得た。
[比較例2]
予備凝集填料2に代えて軽質炭酸カルシウム(ロゼッタ型、平均粒子径3μm)を用いた以外は、実施例2と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を得た。
[比較例3]
予備凝集填料2に代えて軽質炭酸カルシウム(ロゼッタ型、平均粒子径3μm)を用い、かつ上記PAM−C1を軽質炭酸カルシウム/PAM−C1=100/0.7の混合比となるように軽質炭酸カルシウムとは別に添加した以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を得た。
[比較例4]
予備凝集填料2に代えて軽質炭酸カルシウム(ロゼッタ型、平均粒子径3μm)を用い、かつ上記PAM−C1を軽質炭酸カルシウム/PAM−C1=100/0.7の混合比となるように軽質炭酸カルシウムとは別に添加した以外は、実施例2と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を得た。
[比較例5]
ミキシングボックスにおいてカチオン性ポリアクリルアミド(カチオン電荷密度+1.0meq/g)を添加せず、その後マシンチェストにおいてアニオン性ポリアクリルアミド(アニオン電荷密度−1.5meq/g)を添加せず、その後種箱においてカチオン性ポリアクリルアミド(カチオン電荷密度+1.0meq/g)を添加しないこと以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を得た。
[比較例6]
ミキシングボックスにおいてカチオン性ポリアクリルアミド(カチオン電荷密度+1.0meq/g)を0.1重量%添加し、その後種箱においてカチオン性ポリアクリルアミド(カチオン電荷密度+1.0meq/g)を添加しないこと以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を得た。
[比較例7]
ミキシングボックスにおいてカチオン化澱粉(カチオン電荷密度+0.1meq/g)を1.0重量%添加し、その後種箱においてカチオン化澱粉(カチオン電荷密度+0.1meq/g)を添加しないこと以外は、実施例2と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を得た。
[比較例8]
ミキシングボックスにおいてカチオン性ポリアクリルアミド(カチオン電荷密度+1.0meq/g)を0.2重量%添加し、その後マシンチェストにおいてアニオン性ポリアクリルアミド(アニオン電荷密度−1.5meq/g)を添加せず、その後種箱においてカチオン性ポリアクリルアミド(カチオン電荷密度+1.0meq/g)を添加しないこと以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を得た。
[比較例9]
ミキシングボックスにおいて、カチオン化澱粉(カチオン電荷密度+0.1meq/g)を2.0重量%添加し、その後マシンチェストにおいてアニオン性ポリアクリルアミド(アニオン電荷密度−1.5meq/g)を添加せず、その後種箱においてカチオン化澱粉(カチオン電荷密度+1.0meq/g)を添加しないこと以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を得た。
[比較例10]
ミキシングボックスにおいてカチオン性ポリアクリルアミド(カチオン電荷密度+1.0meq/g)を0.1重量%添加し、その後種箱においてカチオン性ポリアクリルアミド(カチオン電荷密度+1.0meq/g)を添加せず、かつ予備凝集填料2に代えて軽質炭酸カルシウム(ロゼッタ型、平均粒子径3μm)を用いた以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を得た。
[比較例11]
ミキシングボックスにおいて、カチオン化澱粉(カチオン電荷密度+0.1meq/g)を1.0重量%添加し、その後種箱においてカチオン化澱粉(カチオン電荷密度+0.1meq/g)を添加せず、かつ予備凝集填料2に代えて軽質炭酸カルシウム(ロゼッタ型、平均粒子径3μm)を用いた以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を得た。
[比較例12]
脱墨パルプ(DIP)100部からなるスラリーに、硫酸バンドを1.5重量%、填料として軽質炭酸カルシウム(ロゼッタ型、平均粒子径3μm)を紙中灰分が15重量%となるように添加し、歩留り向上剤(製品名R-300、ソマール(株)社製)0.01重量%を添加して、ツインワイヤー抄紙機にて坪量44g/mとなるように中性抄紙し、オンマシンのゲートロールコーターでヒドロキシエチル化澱粉を両面で塗工量が0.6g/mになるように塗工し、オフセット印刷用新聞用紙を得た。
[比較例13]
上記PAM−C1を軽質炭酸カルシウム/PAM−C1=100/0.7の混合比となるように軽質炭酸カルシウムとは別に添加した以外は、比較例12と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を得た。
Figure 2008248398
表1から、カチオン性ポリマー/アニオン性ポリマー/カチオン性ポリマーの三段添加を行い、かつ予備凝集填料を用いた本発明の実施例1、2は、三段添加および/または予備凝集填料を用いない比較例1〜13に比べて、引張強さや曲げこわさなどの強度が向上していることが明らかである。具体的には、次のことがわかる。
ア.比較例1および2は予備凝集していない通常の填料を用いた例、比較例3および4は填料と処理剤とを紙料に別々に添加した例であるが、予備凝集填料を用いた本発明の実施例1および2に比べて、強度が不十分である。
イ.比較例5は三段添加を行わない例、比較例6および7はカチオン性ポリマー/アニオン性ポリマーの二段添加の例、比較例8および9はカチオン性ポリマーを一段添加した例であるが、本発明の実施例1および2と同量の薬品を使用しても、二段添加あるいは一段添加の場合には強度が劣る。
ウ.比較例10および11は、カチオン性ポリマー/アニオン性ポリマーの二段添加でかつ通常の填料を用いた例であるが、本発明の実施例1、2に比べて強度が劣る。
エ.比較例12および比較例13は、カチオン性ポリマー/アニオン性ポリマー/カチオン性ポリマーの三段添加を行わず、かつ比較例12は通常の填料を用いた例、比較例13は填料と処理剤とを紙料に別々に添加した例であるが、本発明の実施例1、2に比べて強度が劣る。

Claims (9)

  1. パルプ懸濁液にカチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマーを順次添加して調製した紙料を抄紙する紙の製造方法であって、前記紙料が予備凝集填料を含有し、かつ前記予備凝集填料が填料と処理剤を混合したものであり、前記処理剤が(A)アニオン性多糖類と(B)カチオン性及び/又は両性アクリルアミド系共重合体とを複合化してなる複合化アクリルアミド系共重合体であることを特徴とする紙の製造方法。
  2. 前記アニオン性ポリマーの添加量が前記カチオン性ポリマーの総添加量のアニオン要求量に対して0.5〜6倍であることを特徴とする請求項1記載の紙の製造方法。
  3. 前記カチオン性ポリマーがカチオン澱粉またはカチオン性ポリアクリルアミドであり、前記アニオン性ポリマーがカルボキシメチルセルロースまたはアニオン性ポリアクリルアミドであることを特徴とする請求項1または2記載の紙の製造方法。
  4. 前記処理剤の量が凝集される填料の0.1〜3.0固形分重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の紙の製造方法。
  5. 前記予備凝集填料のレーザー回折法により測定される平均粒子径が10〜80μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の紙の製造方法。
  6. 前記填料が炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の紙の製造方法。
  7. パルプ懸濁液にカチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマーを順次添加して調製し、填料を含有する紙料を抄紙して製造した紙であって、前記填料が、填料と処理剤とを混合した予備凝集填料であり、前記処理剤が(A)アニオン性多糖類と(B)カチオン性及び/又は両性アクリルアミド系共重合体とを複合化してなる複合化アクリルアミド系共重合体であることを特徴とする紙。
  8. 紙中灰分が3〜40固形分重量%であることを特徴とする請求項7記載の紙。
  9. 前記紙の上に表面処理剤が塗工されたオフセット印刷用中性新聞用紙である請求項7または8記載の紙。
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