JP2007277528A - ポリアゾ化合物錯塩の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、染料系偏光膜用のポリアゾ化合物錯塩の製造方法に関する。
車載用カーナビゲーションや液晶プロジェクターなどの液晶表示装置(LCD)、プロジェクションテレビなどのフラットパネル表示装置(FPD)には、高い偏光度はもとより、高温下にて長時間、光を照射しても透過率が低下しないという耐光性を有する偏光膜が求められており、このような偏光膜としては、ポリアゾ化合物錯塩を含む偏光膜が提案されている。
最近、高い偏光度と優れた耐光性を偏光膜に与えるポリアゾ化合物錯塩として、式(I)で表されるポリアゾ化合物錯塩が特許文献1に記載されている。
最近、高い偏光度と優れた耐光性を偏光膜に与えるポリアゾ化合物錯塩として、式(I)で表されるポリアゾ化合物錯塩が特許文献1に記載されている。
(式中、Meは、銅、ニッケル、亜鉛、又は鉄を表す。Aは、1〜3個の−SO3Qを有するナフチルを表す。該ナフチルはアルキル又はアルコキシが結合していてもよい。Qは水素、アルカリ金属、有機アンモニウム又はアンモニウムを表す。分子内のQは、互いに異なっていてもよい。R1及びR2は、それぞれ独立に、水素、アルキル、又はアルコキシを表し、R3は、アミノまたは水酸基を表す。Rは水素又はメチルを表す。)
ポリアゾ化合物錯塩(I)のMeが銅の場合の具体的な製造方法としては、式(II)で示されるポリアゾ化合物に水を加え、無水硫酸銅、モノエタノールアミンを加えて95℃に加熱し、反応させ、30℃まで冷却し、pH調整して粗ポリアゾ化合物錯塩(I)を含む水溶液を得た後、塩化ナトリウムで塩析してポリアゾ化合物錯塩(I)を濾過する方法が開示されている。
本発明者らが検討したところ、粗ポリアゾ化合物錯塩(I)を含む水溶液から塩析して、得られる精ポリアゾ化合物錯塩(I)を取り出す際の濾過比抵抗は10の12乗(m/kg)から10の13乗(m/kg)であり、工業的に濾過するには時間がかかり過ぎるという問題があった。また、塩析に対応するための晶析釜および濾過器の材質は耐腐食性のものを用いなければならないという問題があった。
本発明の目的は、腐食性のしやすい塩析を行わなくとも、粗ポリアゾ化合物錯塩(I)を含む水溶液から精ポリアゾ化合物錯塩(I)を低い濾過比抵抗で製造する方法を提供することである。
本発明の目的は、腐食性のしやすい塩析を行わなくとも、粗ポリアゾ化合物錯塩(I)を含む水溶液から精ポリアゾ化合物錯塩(I)を低い濾過比抵抗で製造する方法を提供することである。
このような状況下、本発明者らは鋭意検討した結果、粗ポリアゾ化合物錯塩(I)を含む水溶液に特定の有機溶媒を特定の温度で混合すると、結晶として得られる精ポリアゾ化合物錯塩(I)が、10の11乗(m/kg)台の低い濾過比抵抗で濾過して取り出すことができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、式(II)で示されるポリアゾ化合物から得られる粗ポリアゾ化合物錯塩(I)を含む水溶液、並びに、炭素数3以下のアルコール及びアセトンからなる群から選ばれる有機溶媒を、50〜80℃の温度範囲にて混合し、精ポリアゾ化合物錯塩(I)を析出させたのち、濾過する精ポリアゾ化合物錯塩(I)の製造方法である。
(式中、Meは、銅、ニッケル、亜鉛、又は鉄を表す。Aは、1〜3個の−SO3Qを有するナフチルを表す。該ナフチルはアルキル又はアルコキシが結合していてもよい。Qは水素、アルカリ金属、有機アンモニウム又はアンモニウムを表す。分子内のQは、互いに異なっていてもよい。R1及びR2は、それぞれ独立に、水素、アルキル、又はアルコキシを表し、R3は、アミノまたは水酸基を表す。Rは水素又はメチルを表す。)
すなわち、本発明は、式(II)で示されるポリアゾ化合物から得られる粗ポリアゾ化合物錯塩(I)を含む水溶液、並びに、炭素数3以下のアルコール及びアセトンからなる群から選ばれる有機溶媒を、50〜80℃の温度範囲にて混合し、精ポリアゾ化合物錯塩(I)を析出させたのち、濾過する精ポリアゾ化合物錯塩(I)の製造方法である。
(式中、Meは、銅、ニッケル、亜鉛、又は鉄を表す。Aは、1〜3個の−SO3Qを有するナフチルを表す。該ナフチルはアルキル又はアルコキシが結合していてもよい。Qは水素、アルカリ金属、有機アンモニウム又はアンモニウムを表す。分子内のQは、互いに異なっていてもよい。R1及びR2は、それぞれ独立に、水素、アルキル、又はアルコキシを表し、R3は、アミノまたは水酸基を表す。Rは水素又はメチルを表す。)
本発明によれば、粗ポリアゾ化合物錯塩(I)から精ポリアゾ化合物錯塩(I)を低い濾過比抵抗で製造することができる。また、塩析しないことから、晶析釜、濾過器等の材質の腐食を著しく抑制することができる。
以下、本発明について説明する。
本発明のポリアゾ化合物錯塩(I)中のMeは、銅、ニッケル、亜鉛及び鉄からなる群から選ばれる遷移金属を表す。中でも銅が好ましい。
本発明のポリアゾ化合物錯塩(I)中のMeは、銅、ニッケル、亜鉛及び鉄からなる群から選ばれる遷移金属を表す。中でも銅が好ましい。
Aは、1〜3個の−SO3Qを有するナフチルを表す。該ナフチルはアルキル又はアルコキシが結合していてもよい。
ここで、アルキルとしては、例えば、メチル、エチル、プロピル等の炭素数1〜4のアルキルが挙げられ、中でもメチルが好ましい。アルコキシとしては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ等の炭素数1〜4のアルコキシが挙げられ、中でもメトキシが好ましい。
ここで、アルキルとしては、例えば、メチル、エチル、プロピル等の炭素数1〜4のアルキルが挙げられ、中でもメチルが好ましい。アルコキシとしては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ等の炭素数1〜4のアルコキシが挙げられ、中でもメトキシが好ましい。
Aとしては、例えば、5−スルホ−2−ナフチル、6−スルホ−2−ナフチル、7−スルホ−2−ナフチル、8−スルホ−2−ナフチル、4−スルホ−1−ナフチル、5−スルホ−1−ナフチル、6−スルホ−1−ナフチル、7−スルホ−1−ナフチルなどの−SO3Qを1個有するナフチル;1,5−ジスルホ−2−ナフチル、6,8−ジスルホ−2−ナフチル、4,8−ジスルホ−2−ナフチル、5,7−ジスルホ−2−ナフチル、3,6−ジスルホ−2−ナフチル、3,6−ジスルホ−1−ナフチル、4,6−ジスルホ−1−ナフチルなどの−SO3Qを2個有するナフチル;1,5,7−トリスルホ−2−ナフチル、3,6,8−トリスルホ−2−ナフチル、4,6,8−トリスルホ−2−ナフチルなどの−SO3Qを3個有するナフチル等が挙げられる。
Aとしては、染色性の観点から、−SO3Qを2〜3個有するナフチルが好ましく、特に、1,5−ジスルホ−2−ナフチル、6,8−ジスルホ−2−ナフチル、4,8−ジスルホ−2−ナフチル、5,7−ジスルホ−2−ナフチル、3,6−ジスルホ−2−ナフチルが好ましい。
Aとしては、染色性の観点から、−SO3Qを2〜3個有するナフチルが好ましく、特に、1,5−ジスルホ−2−ナフチル、6,8−ジスルホ−2−ナフチル、4,8−ジスルホ−2−ナフチル、5,7−ジスルホ−2−ナフチル、3,6−ジスルホ−2−ナフチルが好ましい。
Qは、水素;リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属;エタノールアミン、アルキルアミンなどの有機アミンの4級アンモニウム;アンモニウムを表す。中でも、アルカリ金属及び水素が好ましく、とりわけナトリウム及び水素が好適である。
ポリアゾ化合物(I)中のQは互いに異なっていてもよい。すなわち、例えば、1分子内に−SO3H、−SO3Naが同時に含まれていてもよい。
ポリアゾ化合物(I)中のQは互いに異なっていてもよい。すなわち、例えば、1分子内に−SO3H、−SO3Naが同時に含まれていてもよい。
R1及びR2は、それぞれ独立に、水素、アルキル又はアルコキシを表す。アルキル、アルコキシとしては、前記のナフチルに結合し得る基として例示された基と同じ基が例示される。
R1は、水素、メチル、メトキシであることが好ましく、R2は、水素、メチル、メトキシであることが好ましい。
R1は、水素、メチル、メトキシであることが好ましく、R2は、水素、メチル、メトキシであることが好ましい。
R3は、アミノまたは水酸基を表す。R3の結合位置としては、通常、ベンゾイルアミノに対してオルト位又はパラ位であり、好ましくは、ベンゾイルアミノに対してパラ位である。
化合物(II)の製造方法について例示する。先ず、式(III)
(式中、A、R1、R2、Rは、それぞれ前記と同じ意味を表す。)
で示されるビスアゾ化合物(III)を、酸性の水性媒体中、0〜40℃の条件下で亜硝酸塩、好ましくは亜硝酸ナトリウムと反応させてジアゾ化する。
(式中、A、R1、R2、Rは、それぞれ前記と同じ意味を表す。)
で示されるビスアゾ化合物(III)を、酸性の水性媒体中、0〜40℃の条件下で亜硝酸塩、好ましくは亜硝酸ナトリウムと反応させてジアゾ化する。
得られたジアゾ化合物を式(IV)で示される化合物と水性媒体中、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの酸、好ましくは塩酸又は硫酸で、0〜40℃、pH6〜11、好ましくはpH6〜8、とりわけ好ましくはpH7程度に調整することにより、式(II)で表される化合物を得ることができる。pHを6〜11に調整することにより、濾過性の優れた精ポリアゾ化合物錯塩(I)を与える傾向があることから好ましい。
(式中、R3は、前記と同じ意味を表す。)
(式中、R3は、前記と同じ意味を表す。)
次に、粗ポリアゾ化合物錯塩(I)の製造方法を式(I)のMeが銅である場合について例示する。前記で得られた式(II)で表される化合物を含む水溶液中に硫酸銅、塩化銅、酢酸銅などの銅塩、好ましくは硫酸銅を加えて、約70〜100℃で加熱する。銅塩には、さらに必要に応じて、炭酸リチウム、炭酸水素リチウムなどのリチウム塩、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどのナトリウム塩、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムなどのカリウム塩、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ピリジンなどのアミン等を添加してもよい。
かくして粗ポリアゾ化合物錯塩(I)を含む水溶液を得ることができる。該水溶液における水の含有量は、通常、該水溶液100重量部に対して50〜70重量部程度であり、好ましくは、55〜65重量部程度である。水の含有量が50重量部以上であると、粗ポリアゾ化合物錯塩(I)中の精ポリアゾ化合物錯塩(I)の含有量が向上する傾向があることから好ましく、70重量部以下であると、精ポリアゾ化合物錯塩(I)の収率が向上する傾向にあることから好ましい。
続いて、粗ポリアゾ化合物錯塩(I)を含む水溶液に、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどの炭素数1〜3のアルコール及びアセトンからなる群から選ばれる少なくとも1種の有機溶媒を混合させる。中でもエタノールが濾過性の優れた精ポリアゾ化合物錯塩(I)を与える傾向があることから好ましい。
有機溶媒の混合量としては、粗ポリアゾ化合物錯塩(I)1重量部(固形分)に対して、通常、10〜20重量部、好ましくは12〜15重量部である。有機溶媒の混合量が10重量部以上であると濾過性の優れた精ポリアゾ化合物錯塩(I)を与える傾向があることから好ましく、20重量部以下であると精ポリアゾ化合物錯塩(I)の収率が向上する傾向があることから好ましい。ここで、固形分とは、有機溶媒と混合する前の粗ポリアゾ化合物錯塩(I)における水分重量を除いた重量を表す。
有機溶媒の混合量としては、粗ポリアゾ化合物錯塩(I)1重量部(固形分)に対して、通常、10〜20重量部、好ましくは12〜15重量部である。有機溶媒の混合量が10重量部以上であると濾過性の優れた精ポリアゾ化合物錯塩(I)を与える傾向があることから好ましく、20重量部以下であると精ポリアゾ化合物錯塩(I)の収率が向上する傾向があることから好ましい。ここで、固形分とは、有機溶媒と混合する前の粗ポリアゾ化合物錯塩(I)における水分重量を除いた重量を表す。
有機溶媒の混合方法としては、例えば、粗ポリアゾ化合物塩(I)を含む水溶液に、1時間以上、好ましくは2時間以上かけて徐々に添加する方法が、濾過性の優れた精ポリアゾ化合物錯塩(I)を与える傾向があることから好ましい。
有機溶媒を混合する際に、塩化ナトリウムなどのハロゲン化アルカリ金属塩、硫酸ナトリウムなどの硫酸アルカリ金属塩などの塩を混合させて塩析させてもよいが、精ポリアゾ化合物錯塩(I)を与える晶析釜や、精ポリアゾ化合物錯塩(I)を取り出す濾過器の腐食性の観点から、ハロゲン化アルカリ金属塩及び硫酸アルカリ金属塩の含有量は、粗ポリアゾ化合物塩(I)を含む水溶液の1重量%以下、好ましくは0.01重量%以下、とりわけ好ましくは、実質的に塩を含有しないことが好ましい。
粗ポリアゾ化合物錯塩(I)を含む水溶液に有機溶媒を混合する際に、混合液は50℃〜還流温度、好ましくは60〜70℃の温度範囲に調整される。50℃以上であると濾過性の優れた精ポリアゾ化合物錯塩(I)を与える傾向があることから好ましい。
保温中は攪拌動力0.1〜0.4[kw/m3]程度で攪拌すると、濾過性の優れた精ポリアゾ化合物錯塩(I)を与える傾向があることから好ましい。
保温中は攪拌動力0.1〜0.4[kw/m3]程度で攪拌すると、濾過性の優れた精ポリアゾ化合物錯塩(I)を与える傾向があることから好ましい。
続いて、有機溶媒を混合させた水溶液を15℃〜25℃に冷却させ、精ポリアゾ化合物錯塩(I)を結晶として析出させる。冷却時間は1時間以上、好ましくは2時間以上かけて除々に冷却する方法が、濾過性の優れた精ポリアゾ化合物錯塩(I)を与える傾向があることから好ましい。
かくして精ポリアゾ化合物錯塩(I)は結晶として析出し、濾過することにより取り出すことができる。濾過としては、重力濾過、真空濾過、加圧濾過、遠心濾過、圧搾濾過などが挙げられるが、本発明の製造方法は、濾過比抵抗が低いことから、重力濾過でも工業的な製造方法として採用することができる。
ここで、本発明の製造方法における精ポリアゾ化合物錯塩(I)の濾過比抵抗は、通常、8×1010[m/kg]〜9×1011[m/kg]程度、好ましくは1×1011[m/kg]〜5×1011[m/kg]程度である。
ここで、本発明の製造方法における精ポリアゾ化合物錯塩(I)の濾過比抵抗は、通常、8×1010[m/kg]〜9×1011[m/kg]程度、好ましくは1×1011[m/kg]〜5×1011[m/kg]程度である。
濾過終了後、精ポリアゾ化合物錯塩(I)の乾燥を促進するために、上記有機溶媒で洗浄してもよい。さらに、必要に応じて精ポリアゾ化合物錯塩(I)を乾燥してもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例により、何ら限定されるものではない。例中の「%」及び「部」は、特記ない限り、重量%及び重量部である。
(実施例1)
<本化合物の製造例>
式(III-1)で示されるビスアゾ化合物17部と亜硝酸ナトリウム3部を水150部に加えた後、20〜30℃で35%塩酸12部を加えて2時間攪拌し、ジアゾ化した。過剰の亜硝酸ナトリウムはスルファミン酸を加えて消去され、ジアゾ液を得た。尚、ビスアゾ化合物(III-1)はナトリウム塩の形式で示した。
<本化合物の製造例>
式(III-1)で示されるビスアゾ化合物17部と亜硝酸ナトリウム3部を水150部に加えた後、20〜30℃で35%塩酸12部を加えて2時間攪拌し、ジアゾ化した。過剰の亜硝酸ナトリウムはスルファミン酸を加えて消去され、ジアゾ液を得た。尚、ビスアゾ化合物(III-1)はナトリウム塩の形式で示した。
次いで炭酸ナトリウム水溶液を用いてpHを7に維持しながら、ナトリウム塩の形で表された下記式(IV-1)で示される化合物を含む液中に、上記ジアゾ液を1時間かけて添加した。添加終了後、更に1時間攪拌して、前記式(II-1)で示されるポリアゾ化合物を得た。尚、化合物(IV-1)はナトリウム塩の形式で示した。
次いでポリアゾ化合物(II-1)25部を水50部に加え、無水硫酸銅6部、モノエタノールアミン8部を加えて95℃に加熱し、12時間反応させて、粗ポリアゾ化合物錯塩(I-1)を含む水溶液を得た。次いで、該水溶液を65℃まで冷却したのち、65℃に保ちながら178部のエタノールを2時間かけて添加し、その後、25℃まで2時間かけて冷却し結晶を析出させた。析出した結晶を0.5m2の濾過器(多田化学機器工業)を用いて、147kPa(1.5kgf/cm2)加圧で濾過を実施し、精ポリアゾ化合物(I-1)24部(ポリアゾ化合物に対し収率は96%)を得た。その時の濾過比抵抗は2.1×1011[m/kg]であった。
(実施例2)
実施例1と同様にして得られた粗ポリアゾ化合物錯塩(I-1)を含む水溶液181部を52℃まで冷却したのち、52℃に保ちながら286部のエタノールを2時間かけて添加し、その後、25℃まで2時間かけて冷却し結晶を析出させた。析出した結晶を0.0028m2の濾過器を用いて、49kPa(0.5kgf/cm2)加圧で濾過を実施し、精ポリアゾ化合物(I-1)48部(ポリアゾ化合物に対し収率は95%)を得た。その時の濾過比抵抗は4.5×1011[m/kg]であった。
実施例1と同様にして得られた粗ポリアゾ化合物錯塩(I-1)を含む水溶液181部を52℃まで冷却したのち、52℃に保ちながら286部のエタノールを2時間かけて添加し、その後、25℃まで2時間かけて冷却し結晶を析出させた。析出した結晶を0.0028m2の濾過器を用いて、49kPa(0.5kgf/cm2)加圧で濾過を実施し、精ポリアゾ化合物(I-1)48部(ポリアゾ化合物に対し収率は95%)を得た。その時の濾過比抵抗は4.5×1011[m/kg]であった。
(実施例3)
実施例1と同様にして得られた粗ポリアゾ化合物錯塩(I-1)を含む水溶液181部を65℃まで冷却したのち、65℃に保ちながら286部のエタノールを2時間かけて添加し、その後25℃まで2時間かけて冷却し結晶を析出させた。析出した結晶を0.0028m2の濾過器を用いて、29kPa(0.3kgf/cm2)加圧で濾過を実施し、精ポリアゾ化合物(I-1)48部(ポリアゾ化合物に対し収率は95%)を得た。その時の濾過比抵抗は2.3×1011[m/kg]であった。
実施例1と同様にして得られた粗ポリアゾ化合物錯塩(I-1)を含む水溶液181部を65℃まで冷却したのち、65℃に保ちながら286部のエタノールを2時間かけて添加し、その後25℃まで2時間かけて冷却し結晶を析出させた。析出した結晶を0.0028m2の濾過器を用いて、29kPa(0.3kgf/cm2)加圧で濾過を実施し、精ポリアゾ化合物(I-1)48部(ポリアゾ化合物に対し収率は95%)を得た。その時の濾過比抵抗は2.3×1011[m/kg]であった。
(実施例4)
実施例1と同様にして得られた粗ポリアゾ化合物錯塩(I-1)を含む水溶液181部を還流温度(80℃)まで冷却したのち、65℃に保ちながら286部のエタノールを2時間かけて添加し、その後25℃まで2時間かけて冷却し結晶を析出させた。析出した結晶を0.0028m2の濾過器を用いて、49kPa(0.5kgf/cm2)加圧で濾過を実施し、精ポリアゾ化合物(I-1)48部(ポリアゾ化合物に対し収率は95%)を得た。その時の濾過比抵抗は1.9×1011[m/kg]であった。
実施例1と同様にして得られた粗ポリアゾ化合物錯塩(I-1)を含む水溶液181部を還流温度(80℃)まで冷却したのち、65℃に保ちながら286部のエタノールを2時間かけて添加し、その後25℃まで2時間かけて冷却し結晶を析出させた。析出した結晶を0.0028m2の濾過器を用いて、49kPa(0.5kgf/cm2)加圧で濾過を実施し、精ポリアゾ化合物(I-1)48部(ポリアゾ化合物に対し収率は95%)を得た。その時の濾過比抵抗は1.9×1011[m/kg]であった。
(比較例1)
実施例1と同様にして得られた粗ポリアゾ化合物錯塩(I-1)を含む水溶液を25℃まで冷却したのち、1780部の塩化ナトリウムを一括で添加し結晶を析出させた。析出した結晶を0.5m2の濾過器(多田化学機器工業)を用いて、147kPa(1.5kgf/cm2)加圧で濾過を実施し、精ポリアゾ化合物(I-1)2400部(ポリアゾ化合物に対し収率は96%)を得た。その時の濾過比抵抗は1.0×1013[m/kg]であった。
実施例1と同様にして得られた粗ポリアゾ化合物錯塩(I-1)を含む水溶液を25℃まで冷却したのち、1780部の塩化ナトリウムを一括で添加し結晶を析出させた。析出した結晶を0.5m2の濾過器(多田化学機器工業)を用いて、147kPa(1.5kgf/cm2)加圧で濾過を実施し、精ポリアゾ化合物(I-1)2400部(ポリアゾ化合物に対し収率は96%)を得た。その時の濾過比抵抗は1.0×1013[m/kg]であった。
(比較例2)
実施例1と同様にして得られた粗ポリアゾ化合物錯塩(I-1)を含む水溶液を25℃まで冷却したのち、25℃に保ちながら17800部のエタノールを2時間かけて添加し結晶を析出させた。析出した結晶を0.5m2の濾過器(多田化学機器工業)を用いて、147kPa(1.5kgf/cm2)加圧で濾過を実施し、精ポリアゾ化合物(I-1)2400部(ポリアゾ化合物に対し収率は96%)を得た。その時の濾過比抵抗は1.3×1013[m/kg]であった。
実施例1と同様にして得られた粗ポリアゾ化合物錯塩(I-1)を含む水溶液を25℃まで冷却したのち、25℃に保ちながら17800部のエタノールを2時間かけて添加し結晶を析出させた。析出した結晶を0.5m2の濾過器(多田化学機器工業)を用いて、147kPa(1.5kgf/cm2)加圧で濾過を実施し、精ポリアゾ化合物(I-1)2400部(ポリアゾ化合物に対し収率は96%)を得た。その時の濾過比抵抗は1.3×1013[m/kg]であった。
(比較例3)
実施例1と同様にして得られた粗ポリアゾ化合物錯塩(I-1)を含む水溶液90部を20℃まで冷却したのち、20℃に保ちながら143部のエタノールを2時間かけて添加し、その後25℃まで2時間かけて冷却し結晶を析出させた。析出した結晶を0.0028m2の濾過器を用いて、147kPa(1.5kgf/cm2)加圧で濾過を実施し、精ポリアゾ化合物(I-1)24部(ポリアゾ化合物に対し収率は95%)を得た。その時の濾過比抵抗は1.5×1014[m/kg]であった。
実施例1と同様にして得られた粗ポリアゾ化合物錯塩(I-1)を含む水溶液90部を20℃まで冷却したのち、20℃に保ちながら143部のエタノールを2時間かけて添加し、その後25℃まで2時間かけて冷却し結晶を析出させた。析出した結晶を0.0028m2の濾過器を用いて、147kPa(1.5kgf/cm2)加圧で濾過を実施し、精ポリアゾ化合物(I-1)24部(ポリアゾ化合物に対し収率は95%)を得た。その時の濾過比抵抗は1.5×1014[m/kg]であった。
Claims (4)
- 式(II)で示されるポリアゾ化合物から得られる粗ポリアゾ化合物錯塩(I)を含む水溶液、並びに、炭素数3以下のアルコール及びアセトンからなる群から選ばれる有機溶媒を、50〜80℃の温度範囲にて混合し、精ポリアゾ化合物錯塩(I)を析出させたのち、濾過する精ポリアゾ化合物錯塩(I)の製造方法。
(式中、Meは、銅、ニッケル、亜鉛、又は鉄を表す。Aは、1〜3個の−SO3Qを有するナフチルを表す。該ナフチルはアルキル又はアルコキシが結合していてもよい。Qは水素、アルカリ金属、有機アンモニウム又はアンモニウムを表す。分子内のQは、互いに異なっていてもよい。R1及びR2は、それぞれ独立に、水素、アルキル、又はアルコキシを表し、R3は、アミノまたは水酸基を表す。Rは水素又はメチルを表す。) - 有機溶媒がエタノールであることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- Meが銅であることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
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