JP6211717B2 - アゾ色素の製造方法、有機アミン塩及びその製造方法、並びに、アゾ化合物及びその製造方法 - Google Patents

アゾ色素の製造方法、有機アミン塩及びその製造方法、並びに、アゾ化合物及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アゾ色素の製造方法、有機アミン塩及びその製造方法、並びに、アゾ化合物及びその製造方法に関する。
アゾ色素は、インクジェットインク、熱転写材料、カラーフィルタ、ヘアダイ(染毛剤)、繊維染色材、昇華型色素など、種々の用途に用いることができる色素である。
例えば、優れた分光特性を有し、光、熱、空気、薬品などに対する堅牢性の高いアゾ色素として、テトラアルキル置換含窒素ヘテロ環結合型のアゾ色素が知られている(例えば、下記文献1参照)。
また、優れた色再現性及び光堅牢性を有するアゾ色素として、フェノール性水酸基を有する特定構造のアゾ色素が知られている(例えば、下記文献2参照)。
文献1:特開2000−355660号公報
文献2:特開2005−97623号公報
しかし、文献1及び文献2に記載のアゾ色素は、これらのアゾ色素を製造する際の収率が低い場合がある。
また、文献1及び文献2に記載のアゾ色素は、これらのアゾ色素を製造する際の中間体の取り扱い性(例えば濾過性)が低い場合があり、このため、これらのアゾ色素を製造する際の製造工程が煩雑である場合がある。
本開示の一の目的は、アゾ色素を簡易にかつ高収率で製造することができる、アゾ色素の製造方法及びアゾ化合物を提供することである。
また、本開示の別の目的は、アゾ色素を簡易にかつ高収率で製造することができ、取り扱い性(例えば濾過性)に優れた有機アミン塩を提供することである。
また、本開示の更に別の目的は、上記有機アミン塩を高収率で製造することができる有機アミン塩の製造方法、及び、上記アゾ化合物を高収率で製造することができるアゾ化合物の製造方法を提供することである。
上記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 下記式(A)で表されるジアゾニウム塩と下記式(B)で表される芳香族化合物とを、下記式(D)で表される有機アミン化合物の存在下で反応させることにより、下記式(C)で表されるアゾ化合物と下記式(D)で表される有機アミン化合物との塩である有機アミン塩を製造する有機アミン塩製造工程と、
上記有機アミン塩に対し、下記式(E)で表されるスルホニル化合物と塩素化剤とをこの順に反応させることにより、下記式(F)で表されるアゾ化合物を製造するアゾ化合物製造工程と、
下記式(F)で表されるアゾ化合物と下記式(G)で表されるアミン化合物とを反応させることにより、下記式(H)で表されるアゾ色素を製造するアゾ色素製造工程と、
を有するアゾ色素の製造方法。
式(A)中、Xは、ハロゲン原子を表す。
式(B)、式(C)、式(F)、及び式(H)中、Rは、電子吸引性基を表し、nは、0〜4の整数を表す。
式(D)中、R、R、及びRは、アルキル基を表す。R、R、及びRは、同一であっても異なっていてもよい。R、R、及びRのうちの2つは、互いに結合して環を形成していてもよい。
式(E)及び式(F)中、Rは、アルキル基又はアリール基を表す。
式(G)及び式(H)中、Rは、水素原子又はアルキル基を表す。式(G)及び式(H)のそれぞれにおいて、2つのRは、同一であっても異なっていてもよい。
<2> 式(B)、式(C)、式(F)、及び式(H)中、nが1〜4の整数であり、Rがハロゲン原子又はハロゲン化アルキル基である<1>に記載のアゾ色素の製造方法。
<3> 式(B)中、少なくとも1つのRが、式(B)中の−OH基に対するオルト位に結合しており、式(C)中、少なくとも1つのRが、式(C)中の−OH基に対するオルト位に結合しており、式(F)中、少なくとも1つのRが、式(F)中の−O−SO基に対するオルト位に結合しており、式(H)中、少なくとも1つのRが、式(H)中の−OH基に対するオルト位に結合している<2>に記載のアゾ色素の製造方法。
<4> 下記式(C)で表されるアゾ化合物と下記式(D)で表される有機アミン化合物との塩である有機アミン塩。
式(C)中、Rは、電子吸引性基を表し、nは、0〜4の整数を表す。
式(D)中、R、R、及びRは、アルキル基を表す。R、R、及びRは、同一であっても異なっていてもよい。R、R、及びRのうちの2つは、互いに結合して環を形成していてもよい。
<5> 式(C)中、nが1〜4の整数であり、Rがハロゲン原子又はハロゲン化アルキル基である<4>に記載の有機アミン塩。
<6> 式(C)中、少なくとも1つのRが、式(C)中の−OH基に対するオルト位に結合している<5>に記載の有機アミン塩。
<7> 下記式(A)で表されるジアゾニウム塩と下記式(B)で表される芳香族化合物とを、下記式(D)で表される有機アミン化合物の存在下で反応させることにより、下記式(C)で表されるアゾ化合物と下記式(D)で表される有機アミン化合物との塩である有機アミン塩を製造する有機アミン塩製造工程を有する有機アミン塩の製造方法。
式(A)中、Xは、ハロゲン原子を表す。
式(B)及び式(C)中、Rは、電子吸引性基を表し、nは、0〜4の整数を表す。
式(D)中、R、R、及びRは、アルキル基を表す。R、R、及びRは、同一であっても異なっていてもよい。R、R、及びRのうちの2つは、互いに結合して環を形成していてもよい。
<8> 式(B)及び式(C)中、nが1〜4の整数であり、Rがハロゲン原子又はハロゲン化アルキル基である<7>に記載の有機アミン塩の製造方法。
<9> 式(B)中、少なくとも1つのRが、式(B)中の−OH基に対するオルト位に結合しており、式(C)中、少なくとも1つのRが、式(C)中の−OH基に対するオルト位に結合している<8>に記載の有機アミン塩の製造方法。
<10> 下記式(C)で表されるアゾ化合物と下記式(D)で表される有機アミン化合物との塩である有機アミン塩に対し、下記式(E)で表されるスルホニル化合物と塩素化剤とをこの順に反応させることにより、下記式(F)で表されるアゾ化合物を製造するアゾ化合物製造工程を有するアゾ化合物の製造方法。
式(C)及び式(F)中、Rは、電子吸引性基を表し、nは、0〜4の整数を表す。
式(D)中、R、R、及びRは、アルキル基を表す。R、R、及びRは、同一であっても異なっていてもよい。R、R、及びRのうちの2つは、互いに結合して環を形成していてもよい。
式(E)及び式(F)中、Rは、アルキル基又はアリール基を表す。
<11> 式(C)及び式(F)中、nが1〜4の整数であり、Rがハロゲン原子又はハロゲン化アルキル基である<10>に記載のアゾ化合物の製造方法。
<12> 式(C)中、少なくとも1つのRが、式(C)中の−OH基に対するオルト位に結合しており、式(F)中、少なくとも1つのRが、式(F)中の−O−SO基に対するオルト位に結合している<11>に記載のアゾ化合物の製造方法。
<13> 下記式(F)で表されるアゾ化合物と下記式(G)で表されるアミン化合物とを反応させることにより、下記式(H)で表されるアゾ色素を製造するアゾ色素製造工程を有するアゾ色素の製造方法。
式(F)及び式(H)中、Rは、塩素原子を表し、nは、1又は2を表し、式(F1)中、少なくとも1つのR が、式(F1)中の−O−SO 基に対するオルト位に結合しており、式(H1)中、少なくとも1つのR が、式(H1)中の−OH基に対するオルト位に結合している
式(F)中、Rは、アルキル基又はアリール基を表す。
式(G)及び式(H)中、Rは、水素原子又はアルキル基を表す。式(G)及び式(H)のそれぞれにおいて、2つのRは、同一であっても異なっていてもよい。
<1> 下記式(F)で表されるアゾ化合物。

式(F)中、Rは、塩素原子を表し、Rは、アルキル基又はアリール基を表し、nは、1又は2を表し、式(F1)中、少なくとも1つのR が、式(F1)中の−O−SO 基に対するオルト位に結合している
本発明の態様によれば、アゾ色素を簡易にかつ高収率で製造することができる、アゾ色素の製造方法及びアゾ化合物が提供される。
また、本発明の別の態様によれば、アゾ色素を簡易にかつ高収率で製造することができ、取り扱い性(例えば濾過性)に優れた有機アミン塩が提供される。
また、本発明の更に別の態様によれば、上記有機アミン塩を高収率で製造することができる有機アミン塩の製造方法、及び、上記アゾ化合物を高収率で製造することができるアゾ化合物の製造方法が提供される。
以下、本開示における、アゾ色素の製造方法、有機アミン塩及びその製造方法、並びに、アゾ化合物及びその製造方法について詳細に説明する。
本明細書中において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書中では、式(B)中のベンゼン環に結合している−OH基、式(C)中のベンゼン環に結合している−OH基、及び式(H)中のベンゼン環に結合している−OH基を、それぞれ、「フェノール性水酸基」と称することがある。
〔アゾ色素の製造方法(第1形態)〕
本開示のアゾ色素の製造方法の第1形態は、式(A)で表されるジアゾニウム塩と式(B)で表される芳香族化合物とを、式(D)で表される有機アミン化合物の存在下で反応させることにより、式(C)で表されるアゾ化合物と式(D)で表される有機アミン化合物との塩である有機アミン塩(以下、「特定有機アミン塩」ともいう)を製造する有機アミン塩製造工程と、特定有機アミン塩に対し、式(E)で表されるスルホニル化合物と塩素化剤とをこの順に反応させることにより、式(F)で表されるアゾ化合物(以下、「特定アゾ化合物」ともいう)を製造するアゾ化合物製造工程と、特定アゾ化合物と式(G)で表されるアミン化合物とを反応させることにより、式(H)で表されるアゾ色素(以下、「特定アゾ色素」ともいう)を製造するアゾ色素製造工程と、を有する。第1形態に係るアゾ色素の製造方法は、必要に応じ、その他の工程を有していてもよい。
式(A)中、Xは、ハロゲン原子を表す。
式(B)、式(C)、式(F)、及び式(H)中、Rは、電子吸引性基を表し、nは、0〜4の整数を表す。
式(D)中、R、R、及びRは、アルキル基を表す。R、R、及びRは、同一であっても異なっていてもよい。R、R、及びRのうちの2つは、互いに結合して環を形成していてもよい。
式(E)及び式(F)中、Rは、アルキル基又はアリール基を表す。
式(G)及び式(H)中、Rは、水素原子又はアルキル基を表す。式(G)及び式(H)のそれぞれにおいて、2つのRは、同一であっても異なっていてもよい。
第1形態に係るアゾ色素の製造方法では、有機アミン塩製造工程、アゾ化合物製造工程、及びアゾ色素製造工程の各工程において、目的物を高収率で製造することができる。その結果、第1形態に係るアゾ色素の製造方法によれば、最終の目的物である特定アゾ色素を高収率で製造できる。
有機アミン塩製造工程において、目的物(特定有機アミン塩)を高収率で製造できる理由としては、出発物質の一つとして、式(B)で表される芳香族化合物を用いていることが考えられる。
詳細には、有機アミン塩製造工程では、ジアゾニウム塩とカプラー化合物とのジアゾカップリング反応により、特定有機アミン塩が製造される。この際、カプラー化合物として、式(B)で表される芳香族化合物(より好ましくは、式(B)中のnが1〜4の整数である、電子吸引性基(R)を有する芳香族化合物)を用いることにより、上記ジアゾカップリング反応の効率を向上できると考えられる。その結果、目的物である特定有機アミン塩を、高収率で製造できると考えられる。
また、有機アミン塩製造工程において、目的物(特定有機アミン塩)を高収率で製造できる別の理由として、目的物(特定有機アミン塩)自体の性状も考えられる。
具体的には、有機アミン塩製造工程の目的物である特定有機アミン塩(即ち、式(C)で表されるアゾ化合物と式(D)で表される有機アミン化合物との塩である有機アミン塩)は、式(C)で表されるアゾ化合物単体(以下、「スルホン酸フリー体」ともいう)と比較して、取り扱い性(例えば濾過性)に優れる化合物である。有機アミン塩製造工程の目的物(特定有機アミン塩)が取り扱い性(例えば濾過性)に優れる化合物であることも、有機アミン塩製造工程の高収率化の理由と考えられる。
アゾ化合物製造工程において、目的物(特定アゾ化合物)を高収率で製造できる理由として、出発物質の一つである特定有機アミン塩(即ち、式(C)で表されるアゾ化合物と式(D)で表される有機アミン化合物との塩である有機アミン塩)が、式(C)で表されるアゾ化合物の有機アミン塩であることが考えられる。
詳細には、アゾ化合物製造工程において、出発物質の一つとして、式(C)で表されるアゾ化合物(好ましくは、式(C)中のnが1〜4の整数である、電子吸引性基(R)を有するアゾ化合物)の有機アミン塩を用いることにより、アゾ化合物製造工程における反応(フェノール性水酸基の保護反応、及び、スルホ基の塩素化反応)の効率を向上できると考えられる。その結果、アゾ化合物製造工程の目的物である特定アゾ化合物を、高収率で製造できると考えられる。
アゾ化合物製造工程において、目的物(特定アゾ化合物)を高収率で製造できる別の理由として、出発物質の一つである特定有機アミン塩が取り扱い性(例えば濾過性)に優れる化合物であることも考えられる。
アゾ色素製造工程において、目的物(特定アゾ色素)を高収率で製造できる理由として、出発物質の一つが、式(F)で表されるアゾ化合物であることが考えられる。
詳細には、アゾ色素製造工程において、出発物質の一つとして、式(F)で表されるアゾ化合物(より好ましくは、式(F)中のnが1〜4の整数である、電子吸引性基(R)を有するアゾ化合物)を用いることにより、アゾ色素製造工程における反応(SOClのSON(R化反応、及び、脱保護反応)の効率を向上できると考えられる。その結果、アゾ色素製造工程の目的物である特定アゾ色素を、高収率で製造できると考えられる。
また、第1形態に係るアゾ色素の製造方法では、取り扱い性(例えば濾過性)に優れた特定有機アミン塩を経由して特定アゾ色素を製造するため、特定アゾ色素を簡易に製造できる。
第1形態に係るアゾ色素の製造方法と比較して、上記文献1(特開2000−355660号公報)の実施例1(同文献段落0051〜0053)では、アゾ色素の収率が低くなっている。この理由の一つとして、上記文献1の実施例1では、カプラー化合物として、式(B)で表される芳香族化合物ではなく下記化合物(X1)を用いていることが考えられる。
上記文献1の実施例1におけるアゾ色素の収率が低いもう一つの理由として、上記文献1の実施例1では、中間体として、アゾ化合物の有機アミン塩(例えば上記特定有機アミン塩)ではなく、アゾ化合物自体(スルホン酸フリー体)を用いていることが考えられる。文献1の実施例1における、中間体としてのアゾ化合物(スルホン酸フリー体)は、下記化合物(X2)である。
更に、上記化合物(X2)は、アゾ化合物の有機アミン塩(例えば上記特定有機アミン塩)と比較して、潮解性が高いために濾過性が非常に悪く、取り扱いが難しい。
このため、上記文献1の実施例1は、第1形態に係るアゾ色素の製造方法と比較して煩雑である。
<アゾ色素>
本開示のアゾ色素の製造方法(第1形態及び後述の第2形態)によって製造される特定アゾ色素は、式(H)で表されるアゾ色素(特定アゾ色素)である。
特定アゾ色素は、色再現性に優れた色素である。
式(H)中、Rは、電子吸引性基を表し、Rは、水素原子又はアルキル基を表し、nは、0〜4の整数を表す。
式(H)における2つのRは、同一であっても異なっていてもよい。
式(H)中、Rで表される電子吸引性基としては、ハロゲン原子又はハロゲン化アルキル基が好ましく、ハロゲン原子が特に好ましい。
ここで、「ハロゲン化アルキル基」とは、少なくとも1つのハロゲン原子によって置換されたアルキル基を指す。置換されるアルキル基の例は、後述するRで表されるアルキル基の例と同様である。
で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が好ましく、フッ素原子又は塩素原子がより好ましい。
で表されるハロゲン化アルキル基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜3がより好ましい。
上記ハロゲン化アルキル基において、アルキル基に置換するハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が好ましく、フッ素原子又は塩素原子がより好ましく、フッ素原子が特に好ましい。
上記ハロゲン化アルキル基としては、パーフルオロアルキル基が好ましく、トリフルオロメチル基が特に好ましい。
式(H)において、アゾ色素を製造する際の収率をより向上させる観点から、nは、1〜4の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましい。
式(H)において、アゾ色素を製造する際の収率をより向上させる観点からみた特に好ましい形態は、nが、1〜4の整数(より好ましくは1又は2)であり、かつ、Rが、ハロゲン原子又はハロゲン化アルキル基(より好ましくは、ハロゲン原子)である形態である。
また、式(H)において、nが1〜4の整数であるときは、少なくとも1つのRが、式(H)中の−OH基(即ち、フェノール性水酸基)に対するオルト位に結合することが好ましい。
式(H)において、特に好ましい形態は、nが1〜4の整数(より好ましくは1又は2)であり、Rがハロゲン原子又はハロゲン化アルキル基(より好ましくは、ハロゲン原子)であり、少なくとも1つのRが、式(H)中の−OH基(即ち、フェノール性水酸基)に対するオルト位に結合している形態である。
式(H)中、Rで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、等が挙げられる。
式(H)中のRとしては、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、水素原子、メチル基、又はエチル基が更に好ましく、水素原子又はメチル基が更に好ましく、水素原子が特に好ましい。
以下、式(H)で表されるアゾ色素の例示化合物(アゾ色素(1)〜(30))を示すが、式(H)で表されるアゾ色素は、以下の具体例に限定されることはない。
以上で説明した特定アゾ色素は、インクジェットインク、熱転写材料、カラーフィルタ、ヘアダイ(染毛剤)、繊維染色材、昇華型色素など、種々の用途に用いることができる。
次に、第1形態に係るアゾ色素の製造方法の各工程について説明する。
<有機アミン塩製造工程>
有機アミン塩製造工程は、式(A)で表されるジアゾニウム塩と式(B)で表される芳香族化合物とを、式(D)で表される有機アミン化合物の存在下で反応させることにより、式(C)で表されるアゾ化合物と式(D)で表される有機アミン化合物との塩である有機アミン塩(特定有機アミン塩)を製造する工程である。
式(A)中、Xは、ハロゲン原子を表す。
式(B)及び式(C)中のR及びnは、それぞれ、式(H)中のR及びnと同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(D)中、R、R、及びRは、アルキル基を表す。R、R、及びRは、同一であっても異なっていてもよい。R、R、及びRのうちの2つは、互いに結合して環を形成していてもよい。
有機アミン塩製造工程は、ジアゾカップリング反応により特定有機アミン塩を製造する工程である。本工程では、目的物である特定有機アミン塩を高収率で製造できる。
有機アミン塩製造工程において、目的物である特定有機アミン塩の収率をより向上させる観点から、nが1〜4の整数(より好ましくは1又は2)であることが好ましく、nが1〜4の整数(より好ましくは1又は2)であり、かつ、Rがハロゲン原子又はハロゲン化アルキル基(更に好ましくはハロゲン原子)であることがより好ましい。
また、式(B)及び式(C)において、nが1〜4の整数であるときは、目的物である特定有機アミン塩の収率をより向上させる観点から、少なくとも1つのRが、フェノール性水酸基に対するオルト位に結合していることが好ましい。
より詳細には、式(B)において、nが1〜4の整数であるときは、少なくとも1つのRが、式(B)中の−OH基(即ち、フェノール性水酸基)に対するオルト位に結合していることが好ましい。式(B)において、特に好ましい形態は、nが1〜4の整数(より好ましくは1又は2)であり、Rがハロゲン原子又はハロゲン化アルキル基(より好ましくは、ハロゲン原子)であり、少なくとも1つのRが、式(B)中の−OH基(即ち、フェノール性水酸基)に対するオルト位に結合している形態である。
また、式(C)において、nが1〜4の整数であるときは、少なくとも1つのRが、式(C)中の−OH基(即ち、フェノール性水酸基)に対するオルト位に結合していることが好ましい。式(C)において、特に好ましい形態は、nが1〜4の整数(より好ましくは1又は2)であり、Rがハロゲン原子又はハロゲン化アルキル基(より好ましくは、ハロゲン原子)であり、少なくとも1つのRが、式(C)中の−OH基(即ち、フェノール性水酸基)に対するオルト位に結合している形態である。
式(A)で表されるジアゾニウム塩は、下記式(PA)で表されるアミン化合物を出発物質とし、公知の方法によって製造することができる。
式(D)中、R、R、及びRで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、等が挙げられる。
式(D)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜3のアルキル基であることがより好ましく、メチル基又はエチル基であることが特に好ましい。
式(D)で表される有機アミン化合物として、具体的には、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリn−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリn−ブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリアミルアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジエチル−n−ブチルアミン、メチルジ−n−ブチルアミン、メチルエチル−n−ブチルアミン、ドデシルジメチルアミン、ヘキサメチレンテトラミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ−7−セン(DBU)、1,4−ジアザビシクロ[2.2,2]オクタン(DABCO)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−メチルピロリジン、N−エチルピロリジン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジエチルシクロヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン等が挙げられる。
有機アミン塩製造工程における反応温度は、−10℃〜20℃が好ましく、−5℃〜10℃がより好ましく、−5℃〜5℃が特に好ましい。
有機アミン塩製造工程における反応時間は、0.3時間〜3時間が好ましく、0.3時間〜2時間がより好ましい。
有機アミン塩製造工程における反応溶媒としては、例えば、水、アミド系溶媒(例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン)、スルホン系溶媒(例えばスルホラン)、スルホキシド系溶媒(例えばジメチルスルホキシド)、ウレイド系溶媒(例えばテトラメチルウレア)、エーテル系溶媒(例えばジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル)、ケトン系溶媒(例えばアセトン、シクロヘキサノン)、炭化水素系溶媒(例えばトルエン、キシレン、n−デカン)、ハロゲン系溶媒(例えばテトラクロロエタン,クロロベンゼン)、アルコール系溶媒(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、シクロヘキサノール、フェノール)、ピリジン系溶媒(例えばピリジン、γ−ピコリン、2,6−ルチジン)、及びエステル系溶媒(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル)からなる群から選択される少なくとも1種(即ち、単一溶媒でも混合溶媒でもよい)を用いることができる。
有機アミン塩製造工程において、式(A)で表されるジアゾニウム塩に対する式(B)で表される芳香族化合物の使用量は、0.5モル倍〜1.5モル倍が好ましく、0.7モル倍〜1.3モル倍がより好ましい。
有機アミン塩製造工程において、式(B)で表される芳香族化合物に対する式(D)で表される有機アミン化合物の使用量は、1.5モル倍〜6.0モル倍が好ましく、2.0モル倍〜5.0モル倍がより好ましく、2.5モル倍〜4.5モル倍がより好ましい。
有機アミン塩製造工程では、式(A)で表されるジアゾニウム塩と式(B)で表される芳香族化合物との式(D)で表される有機アミン化合物の存在下での反応後の混合物に対し、酸を添加することにより、特定有機アミン塩を析出させることが好ましい。
添加する酸としては、塩酸(好ましくは濃塩酸)、硫酸、リン酸等が挙げられる。
添加する酸の量は、式(D)で表される有機アミン化合物の量に対し、0.40モル倍〜0.95モル倍であることが好ましく、0.50モル倍〜0.90モル倍であることがより好ましく、0.60モル倍〜0.85モル倍であることが特に好ましい。
添加する酸の量が式(D)で表される有機アミン化合物の量に対して0.95モル倍以下であると、特定有機アミン塩をより製造し易い。
<アゾ化合物製造工程>
アゾ化合物製造工程は、式(C)で表されるアゾ化合物と式(D)で表される有機アミン化合物との塩である有機アミン塩(特定有機アミン塩)に対し、式(E)で表されるスルホニル化合物と塩素化剤とをこの順に反応させることにより、式(F)で表されるアゾ化合物(特定アゾ化合物)を製造する工程である。
式(C)及び式(F)中のR及びnは、それぞれ、式(H)中のR及びnと同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(D)中、R、R、及びRについては前述したとおりである。
式(E)及び式(F)中、Rは、アルキル基又はアリール基を表す。
アゾ化合物製造工程では、特定有機アミン塩に対し、式(E)で表されるスルホニル化合物を反応させることにより、式(C)で表されるアゾ化合物中のフェノール性水酸基を保護する(以下、「保護段階」ともいう)。ここで、「フェノール性水酸基の保護」とは、フェノール性水酸基を−O−SO基に変化させることを指す。
更に、アゾ化合物製造工程では、上記保護段階後の反応生成物(例えば、式(C)で表されるアゾ化合物中のフェノール性水酸基が保護された化合物)に対し、塩素化剤を反応させることにより、上記反応生成物中のスルホ基の塩素化を行う(以下、「塩素化段階」ともいう)。ここで、「スルホ基の塩素化」とは、スルホ基(−SOH基)を−SOCl基に変化させることを指す。
アゾ化合物製造工程では、目的物である特定アゾ化合物を高収率で製造することができる。
アゾ化合物製造工程では、目的物である特定アゾ化合物の収率をより向上させる観点から、式(C)及び式(F)において、nが1〜4の整数(より好ましくは1又は2)であることが好ましく、nが1〜4の整数(より好ましくは1又は2)であり、かつ、Rがハロゲン原子又はハロゲン化アルキル基(更に好ましくはハロゲン原子)であることがより好ましい。
また、式(C)において、nが1〜4の整数であるときは、少なくとも1つのRが、式(C)中の−OH基(即ち、フェノール性水酸基)に対するオルト位に結合していることが好ましい。式(C)において、特に好ましい形態は、nが1〜4の整数(より好ましくは1又は2)であり、Rがハロゲン原子又はハロゲン化アルキル基(より好ましくは、ハロゲン原子)であり、少なくとも1つのRが、式(C)中の−OH基(即ち、フェノール性水酸基)に対するオルト位に結合している形態である。
また、式(F)において、nが1〜4の整数であるときは、少なくとも1つのRが、式(F)中の−O−SO基に対するオルト位に結合していることが好ましい。式(F)において、特に好ましい形態は、nが1〜4の整数(より好ましくは1又は2)であり、Rがハロゲン原子又はハロゲン化アルキル基(より好ましくは、ハロゲン原子)であり、少なくとも1つのRが、式(F)中の−O−SO基に対するオルト位に結合している形態である。
式(E)及び式(F)中、Rで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、等が挙げられる。
で表されるアルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基又はエチル基が更に好ましく、メチル基が特に好ましい。
式(E)及び式(F)中、Rで表されるアリール基としては、フェニル基又はナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
としては、アルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基が更に好ましく、メチル基又はエチル基が更に好ましく、メチル基が特に好ましい。
また、上記塩素化剤としては、オキシ塩化リン、塩化チオニル、五塩化リンなどが挙げられ、オキシ塩化リン、塩化チオニルが好ましく、オキシ塩化リンが特に好ましい。
アゾ化合物製造工程における反応溶媒としては、例えば、アミド系溶媒(例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチルー2−ピロリドン)、スルホン系溶媒(例えばスルホラン)、スルホキシド系溶媒(例えばジメチルスルホキシド)、ウレイド系溶媒(例えばテトラメチルウレア)、エーテル系溶媒(例えばジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル)、ケトン系溶媒(例えばアセトン、シクロヘキサノン)、炭化水素系溶媒(例えばトルエン、キシレン、n−デカン)、ハロゲン系溶媒(例えばテトラクロロエタン,クロロベンゼン)、アルコール系溶媒(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、シクロヘキサノール、フェノール)、ピリジン系溶媒(例えばピリジン、γ―ピコリン、2,6−ルチジン)、及びエステル系溶媒(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル)からなる群から選択される少なくとも1種(即ち、単一溶媒でも混合溶媒でもよい)を用いることができる。
アゾ化合物製造工程において、保護段階(特定有機アミン塩中のフェノール性水酸基の保護を行う段階)の反応温度は、30℃〜70℃が好ましく、40℃〜65℃がより好ましく、45℃〜60℃が特に好ましい。
保護段階の反応時間は、0.3時間〜5時間が好ましく、0.3時間〜3時間がより好ましく、0.5時間〜2時間がより好ましい。
アゾ化合物製造工程において、塩素化段階(保護段階後の反応生成物中のスルホ基の塩素化を行う段階)の反応温度は、30℃〜70℃が好ましく、40℃〜65℃がより好ましく、45℃〜60℃が特に好ましい。
保護段階の反応時間は、0.3時間〜5時間が好ましく、0.3時間〜3時間がより好ましく、1時間〜3時間がより好ましい。
アゾ化合物製造工程において、特定有機アミン塩に対する式(E)で表されるスルホニル化合物の使用量は、1.0モル倍〜3.0モル倍が好ましく、1.1モル倍〜2.0モル倍がより好ましい。
アゾ化合物製造工程において、特定有機アミン塩に対する塩素化剤の使用量(モル比〔塩素化剤/特定有機アミン塩〕)は、1.0モル倍〜4.0モル倍が好ましく、1.5モル倍〜3.0モル倍がより好ましく、2.0モル倍〜3.0モル倍が特に好ましい。
また、アゾ化合物製造工程における保護段階の反応は、アルカリ性化合物の存在下で行うことが好ましい。これにより、フェノール性水酸基の反応性を向上させることができる。
アルカリ性化合物としては、前述した式(D)で表される有機アミン化合物が挙げられる。
式(E)で表されるスルホニル化合物に対する上記アルカリ性化合物の使用量は、1.0モル倍〜3.0モル倍が好ましく、1.3モル倍〜2.3モル倍がより好ましい。
また、アゾ化合物製造工程において、保護段階後であって塩素化段階前には、保護段階後の反応溶液に対し、四級アンモニウム塩を添加することが好ましい。これにより、フリーのスルホン酸とペアを作ることにより、溶解を助け、反応の進行を加速できる。
添加する四級アンモニウム塩としては、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラプロピルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、トリブチルメチルアンモニウムクロライ ド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
<アゾ色素製造工程>
アゾ色素製造工程は、特定アゾ化合物(式(F)で表されるアゾ化合物)と式(G)で表されるアミン化合物とを反応させることにより、特定アゾ色素(式(H)で表されるアゾ色素)を製造する工程である。
式(F)で表されるアゾ化合物及び式(H)で表されるアゾ色素については前述したとおりである。
式(G)中のRは、式(H)中のRと同義であり、好ましい範囲も同様である。
なお、前述の式(F1)は、式(F)に含まれるものであり、前述の式(H1)は、式H)に含まれるものである。
アゾ色素製造工程は、式(F)で表されるアゾ化合物中の−SOCl基を−SON(R基に変化(スルホンアミド化)させ、かつ、式(F)で表されるアゾ化合物中の−SO基をフェノール性水酸基に変化(脱保護)させる工程である。
アゾ色素製造工程によれば、目的物である特定アゾ色素(式(H)で表されるアゾ色素)を高収率で製造することができる。
アゾ色素製造工程における反応温度は、25℃〜55℃が好ましく、30℃〜50℃がより好ましく、35℃〜45℃が特に好ましい。
有機アミン塩製造工程における反応時間は、1〜5時間が好ましく、2〜4時間がより好ましい。
また、アゾ色素製造工程は、
低温(好ましくは−5℃〜10℃、より好ましくは−5℃〜5℃)の温度条件で特定アゾ化合物と式(G)で表されるアミン化合物とを反応させる低温段階と、
低温段階後に高温(好ましくは25℃〜55℃、より好ましくは30℃〜50℃、特に好ましくは35℃〜45℃)の温度条件で特定アゾ化合物と式(G)で表されるアミン化合物とを(好ましくは1〜5時間、より好ましくは2〜4時間)反応させる高温段階と、
を含む態様が特に好ましい。
この態様によれば、特定アゾ色素の収率を更に向上させることができる。この理由は、まず低温段階でスルホンアミド化が進行し、次いで高温段階で脱保護が進行することにより、−SOCl基とフェノール性水酸基との反応(−SOCl基へのフェノール性水酸基の攻撃)が抑制され、その結果、特定アゾ色素が高収率で生成されるためと考えられる。
アゾ色素製造工程における反応溶媒としては、例えば、アミド系溶媒(例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチルー2−ピロリドン)、スルホン系溶媒(例えばスルホラン)、スルホキシド系溶媒(例えばジメチルスルホキシド)、ウレイド系溶媒(例えばテトラメチルウレア)、エーテル系溶媒(例えばジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル)、ケトン系溶媒(例えばアセトン、シクロヘキサノン)、炭化水素系溶媒(例えばトルエン、キシレン、n−デカン)、ハロゲン系溶媒(例えばテトラクロロエタン,クロロベンゼン)、アルコール系溶媒(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、シクロヘキサノール、フェノール)、ピリジン系溶媒(例えばピリジン、γ―ピコリン、2,6−ルチジン)、及びエステル系溶媒(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル)からなる群から選択される少なくとも1種(即ち、単一溶媒でも混合溶媒でもよい)を用いることができる。
アゾ色素製造工程において、式(F)で表されるアゾ化合物に対する式(G)で表されるアミン化合物の使用量は、3モル倍〜30モル倍が好ましく、5モル倍〜20モル倍がより好ましく、8モル倍〜16モル倍が特に好ましい。
〔アゾ色素の製造方法(第2形態)〕
本開示のアゾ色素の製造方法の第2形態は、式(F)で表されるアゾ化合物と式(G)で表されるアミン化合物とを反応させることにより、式(H)で表されるアゾ色素(特定アゾ色素)を製造するアゾ色素製造工程を有する。第2形態は、必要に応じその他の構成を有していてもよい。
第2形態におけるアゾ色素製造工程は、第1形態におけるアゾ色素製造工程と同義であり、好ましい範囲も同様である。このため、第2形態によれば、特定アゾ色素を高収率で製造することができる。
また、第2形態の出発物質の一つである式(F)で表されるアゾ化合物は、高収率で得られ、容易に準備できる物質である。第2形態の出発物質の別の一つである式(G)で表されるアミン化合物も、容易に準備できる物質である。これらの理由により、第2形態によれば、特定アゾ色素を簡易に製造できる。
〔有機アミン塩〕
本開示の有機アミン塩は、式(C)で表されるアゾ化合物と式(D)で表される有機アミン化合物との塩(特定有機アミン塩)である。
本開示の有機アミン塩は、「アゾ色素の製造方法(第1形態)」の項で説明した特定有機アミン塩と同義であり、好ましい範囲も同様である。このため、本開示の有機アミン塩は、特定アゾ化合物を製造するための中間体、又は特定アゾ色素を製造するための中間体として有用である。
本開示の有機アミン塩を中間体として用いることにより、特定アゾ化合物及び特定アゾ色素を簡易にかつ高収率で製造することができる。
また、本開示の有機アミン塩は、取り扱い性(例えば濾過性)に優れた化合物である。
〔有機アミン塩の製造方法〕
本開示の有機アミン塩の製造方法は、式(A)で表されるジアゾニウム塩と式(B)で表される芳香族化合物とを、式(D)で表される有機アミン化合物の存在下で反応させることにより、式(C)で表されるアゾ化合物と式(D)で表される有機アミン化合物との塩である有機アミン塩(特定有機アミン塩)を製造する有機アミン塩製造工程を有する。
本開示の有機アミン塩の製造方法における有機アミン塩製造工程は、本開示のアゾ色素の製造方法の第1形態における有機アミン塩製造工程と同義であり、好ましい範囲も同様である。このため、本開示の有機アミン塩の製造方法によれば、目的物である特定有機アミン塩を高収率で製造することができる。
また、本開示の有機アミン塩の製造方法は、目的物(特定有機アミン塩)の取り扱い性(例えば濾過性)に優れる方法である。このため、特定有機アミン塩を簡易に製造できる。
〔アゾ化合物〕
本開示のアゾ化合物は、式(F)で表されるアゾ化合物(特定アゾ化合物)である。
本開示のアゾ化合物は、「アゾ色素の製造方法」の項で説明した特定アゾ化合物と同義であり、好ましい範囲も同様である。このため、本開示のアゾ化合物は、特定アゾ色素を製造するための中間体として有用である。
本開示のアゾ化合物を中間体として用いることにより、特定アゾ色素を高収率で製造することができる。
〔アゾ化合物の製造方法〕
本開示のアゾ化合物の製造方法は、式(C)で表されるアゾ化合物と式(D)で表される有機アミン化合物との塩である有機アミン塩(特定有機アミン塩)に対し、式(E)で表されるスルホニル化合物と塩素化剤とをこの順に反応させることにより、式(F)で表されるアゾ化合物(特定アゾ化合物)を製造するアゾ化合物製造工程を有する。
本開示のアゾ化合物の製造方法におけるアゾ化合物製造工程は、本開示のアゾ色素の製造方法の第1形態におけるアゾ化合物製造工程と同義であり、好ましい範囲も同様である。このため、本開示のアゾ化合物の製造方法によれば、目的物である特定アゾ化合物を高収率で製造することができる。
また、本開示のアゾ化合物の製造方法は、出発物質(特定有機アミン塩)の取り扱い性(例えば濾過性)に優れる方法である。更に、前述したとおり、出発物質(特定有機アミン塩)は、高収率で得られ、容易に準備できる物質である。これらの理由により、本開示のアゾ化合物の製造方法によれば、特定アゾ化合物を簡易に製造できる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下において、「%」は、特に断りが無い限り「質量%」を意味する。
〔実施例1−1〕
≪特定有機アミン塩(トリエチルアミン塩(7)−a)の合成≫
式(C)で表されるアゾ化合物と式(D)で表される有機アミン化合物との塩である有機アミン塩(特定有機アミン塩)の一例である、トリエチルアミン塩(7)−aの合成を行った。以下、詳細を説明する。
<ジアゾニウム塩(7)−4B)の合成>
アミン化合物(7)−4Aを原料とし、下記反応スキームに従い、ジアゾニウム塩(7)−4Bを合成した。
ジアゾニウム塩(7)−4Bは、式(A)で表されるジアゾニウム塩の一例である。
上記反応スキームの詳細は以下のとおりである。
アミン化合物(7)−4A(45g:0.195モル)を水酸化ナトリウム水溶液(260mL)に添加し、攪拌した。得られた混合物に、35%塩酸水溶液(71.3g:0.683モル)を滴下し、1時間攪拌した。得られた混合物を撹拌しながら5℃まで冷却し、冷却後の混合物に、水(60mL)に溶かした亜硝酸ナトリウム(20.2g:0.293モル)をゆっくり滴下した。得られた混合物を冷却下で30分攪拌し、ジアゾニウム塩(7)−4Bを含むジアゾ液を得た。
<トリエチルアミン塩(7)−aの合成>
下記反応スキームに従い、ジアゾニウム塩(7)−4Bとオルトクロロフェノール(芳香族化合物(7)−5)とを反応させることにより、トリエチルアミン塩(7)−aを合成した。
ここで、オルトクロロフェノール(化合物(7)−5)は、式(B)で表される芳香族化合物の例である。また、トリエチルアミン塩(7)−aは、式(C)で表されるアゾ化合物と式(D)で表される有機アミン化合物との塩である有機アミン塩の例である。
なお、本実施例の反応スキーム中では、便宜上、トリエチルアミン塩(7)−aの構造を、アゾ化合物とトリエチルアミン(EtN)とを並べた構造として示している。しかし、実際のトリエチルアミン塩(7)−aは、アゾ化合物の一価のアニオンと、トリエチルアミン(EtN)の一価のカチオンと、からなる塩である。後述する他のトリエチルアミン塩の構造についても同様である。
上記反応スキームの詳細は以下のとおりである。
芳香族化合物(7)−5(25.1g:0.195モル)を、水(120mL)とアセトニトリル(240mL)との混合溶液に添加し、攪拌した。得られた混合物にトリエチルアミン(65g:0.642モル)を添加し、撹拌しながら0℃まで冷却した。得られた混合物を0℃に維持したまま、この混合物に、上記で調製した、ジアゾニウム塩(7)−4Bを含むジアゾ液を徐々に加えた。上記ジアゾ液を全て加えた後、得られた混合物を冷却下(0℃)で1時間攪拌し、次いで濃塩酸(17.1g:0.469モル)を滴下したところ、結晶が析出した。析出した結晶を濾取してアセトンで洗浄し、さらに乾燥させることにより、粗結晶を得た。
得られた粗結晶を、メタノールと水とを用いて再結晶させることにより、トリエチルアミン塩(7)−aの結晶を82.7g得た(収率90%)。
−トリエチルアミン塩(7)−aのNMRデータ−
1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 1.19 (t, 9H), 3.10 (q, 6H), 7.23 (d, 1H), 7.74 (dd, 1H), 7.78 (dd, 1H), 7.96 (dd, 1H), 8.09 (d, 1H), 8.43 (dd, 1H), 8.84 (brs, 1H), 11.62 (brs, 1H).
以上のように、ジアゾニウム塩(7)−4Bと芳香族化合物(7)−5と、を反応させることにより、特定有機アミン塩であるトリエチルアミン塩(7)−aを高収率で合成することができた。
更に、トリエチルアミン塩(7)−aは、濾過性に優れており、取り扱い性に優れていた。この理由は、トリエチルアミン塩(7)−aが、スルホン酸フリー体(後述の化合物(X3))ではなく、有機アミン塩であるためと考えられる。
〔比較例1〕
比較例1は、上記実施例1−1とは異なり、トリエチルアミン塩(7)−aではなくスルホン酸フリー体(下記「化合物(X3)」)として結晶を取り出す例である。
具体的には、上記トリエチルアミン塩(7)−aの合成において、濃塩酸(17.1g:0.469モル)の量を増やすことにより、スルホン酸フリー体(化合物(X3))として結晶を取り出す。
しかし、比較例1で得られる結晶(化合物(X3))は、潮解性をもつため、濾過性が非常に悪く、取扱いが難しい。
〔実施例1−2〕
≪式(F)で表されるアゾ化合物(アゾ化合物(7)−c)の合成≫
下記反応スキームに従い、実施例1−1で合成されたトリエチルアミン塩(7)−aとメタンスルホニルクロライド(MsCl)とを反応させてアゾ化合物(7)−bを合成し、得られたアゾ化合物(7)−bとオキシ塩化リン(POCl)とを反応させてアゾ化合物(7)−cを合成した。
ここで、メタンスルホニルクロライド(MsCl)は、式(E)で表されるスルホニル化合物の例であり、オキシ塩化リン(POCl)は、塩素化剤の例であり、アゾ化合物(7)−cは、式(F)で表されるアゾ化合物の例である。
なお、「Ms」は、メシル基(即ち、メチルスルホニル基)を表す。
上記反応スキームの詳細は以下のとおりである。
即ち、実施例1−1で合成されたトリエチルアミン塩(7)−a(65g:0.134モル)を、ジメチルアセトアミド(DMAc)160mLとアセトニトリル20mLとの混合溶媒に加え、得られた混合物にトリエチルアミン(EtN)(29.3g:0.290モル)を添加した。得られた混合物を撹拌しながら40℃まで昇温することにより、アルカリ溶液を調製した。
メタンスルホニルクロライド(MsCl)(19g:0.166モル)をアセトニトリル20mLに加え、得られた混合物を攪拌した後、この混合物を、上記で調製されたアルカリ溶液に滴下した。得られた混合物を50℃で1時間攪拌した後、ここにベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(BTEAC)(37.7g:0.166モル)を添加した。
以上により、アゾ化合物(7)−bを含む反応液を得た。
アゾ化合物(7)−bを含む反応液を50℃で攪拌しているところに、オキシ塩化リン(POCl)(48.7g:0.317モル)を滴下し、55℃で2時間攪拌した。
得られた反応液を10℃まで冷却し、水(200mL)を滴下することで晶析した。析出した結晶を濾取した後、水洗し、乾燥させることにより、アゾ化合物(7)−cの結晶を54.7g得た(収率85%)。
−アゾ化合物(7)−cのNMRデータ−
1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 3.63 (s, 1H), 7.81-7.84 (m, 3H), 8.15 (dd, 1H), 8.33 (d, 1H), 8.51 (dd, 1H).
以上のように、出発物質として、特定有機アミン塩であるトリエチルアミン塩(7)−aを用いることにより、アゾ化合物(7)−cが高収率で得られることが確認された。
〔実施例1−3〕
≪式(H)で表されるアゾ色素(アゾ色素(7))の合成≫
下記反応スキームに従い、実施例1−2で合成されたアゾ化合物(7)−cを出発物質とし、アゾ色素(7)を合成した。アゾ色素(7)は、式(H)で表されるアゾ色素の一例である。
上記反応スキームの詳細は以下のとおりである。
実施例1−2で合成されたアゾ化合物(7)−c(54.7g:0.117モル)を、0℃に冷却したジメチルアセトアミド(DMAc)(200mL)に加え、攪拌した。得られた混合物を0℃に維持し、かつ、攪拌しながら、この混合物に28%アンモニア水溶液(85.7g:1.41モル)を滴下した。得られた混合物を40℃まで昇温し、40℃で3時間撹拌した。得られた反応液に、水(500mL)を添加した後、濃塩酸(82mL)を滴下し、攪拌した。
上記撹拌後の反応液を20℃まで冷却したところ、結晶が析出した。析出した結晶を濾取した後、水洗し、乾燥させることにより、粗結晶を得た。
得られた粗結晶を、テトラヒドロフランと水とを用いて再結晶させることにより、アゾ色素(7)の結晶を38.8g得た(収率90%)。
−アゾ色素(7)のNMRデータ−
1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 7.23 (d, 1H), 7.63 (s, 2H), 7.92 (dd, 1H), 7.99 (dd, d, 2H), 8.14 (d, 1H), 8.73 (dd, 1H), 11.74 (brs, 1H).
以上のように、出発物質として、アゾ化合物(7)−cを用いることにより、アゾ色素(7)が高収率で得られた。
〔実施例2−1〕
≪特定有機アミン塩(トリエチルアミン塩(1)−a)の合成≫
実施例1−1において、芳香族化合物(7)−5を、同じモル数の下記芳香族化合物(1)−5に変更したこと以外は実施例1−1と同様にして、トリエチルアミン塩(1)−aを合成した(収率89.7%)。
〔実施例2−2〕
≪式(F)で表されるアゾ化合物(アゾ化合物(1)−c)の合成≫
実施例1−2において、トリエチルアミン塩(7)−aを、同じモル数の上記トリエチルアミン塩(1)−aに変更したこと以外は実施例1−2と同様にして、アゾ化合物(1)−cを合成した(収率90.0%)。
〔実施例2−3〕
≪式(H)で表されるアゾ色素(アゾ色素(1))の合成≫
実施例1−3において、アゾ化合物(7)−cを、同じモル数のアゾ化合物(1)−cに変更したこと以外は実施例1−3と同様にして、アゾ色素(1)を合成した(収率89.5%)。
−アゾ色素(1)のNMRデータ−
H−NMR(300MHz、溶媒:ジメチル−dスルホキシド、標準物質:テトラメチルシラン) [8.75ppm(1H、s)、7.93ppm(2H、m)、7.63ppm(2H、s)、7.22ppm(1H、s)]
〔実施例3−3〕
≪式(H)で表されるアゾ色素(アゾ色素(2))の合成≫
実施例1−3において、アンモニアを、同じモル数のメチルアミンに変更したこと以外は実施例1−3と同様にして、アゾ色素(2)を合成した(収率89.7%)。
−アゾ色素(2)のNMRデータ−
H−NMR(300MHz、溶媒:ジメチル−dスルホキシド、標準物質:テトラメチルシラン)[12.7ppm(1H、s)]、[8.7ppm(1H、s)、8.3ppm(1H、d)、7.98ppm(2H、m)、7.85ppm(1H、d)、7.73ppm(1H、q)]、[2.5ppm(3H、s)]
〔実施例4−1〕
≪特定有機アミン塩(トリエチルアミン塩(9)−a)の合成≫
実施例1−1において、芳香族化合物(7)−5を、同じモル数の下記芳香族化合物(9)−5に変更したこと以外は実施例1−1と同様にして、トリエチルアミン塩(9)−aを合成した(収率89.8%)。
〔実施例4−2〕
≪式(F)で表されるアゾ化合物(アゾ化合物(9)−c)の合成≫
実施例1−2において、トリエチルアミン塩(7)−aを、同じモル数のトリエチルアミン塩(9)−aに変更したこと以外は実施例1−2と同様にして、アゾ化合物(9)−cを合成した(収率90.0%)。
〔実施例4−3〕
≪式(H)で表されるアゾ色素(アゾ色素(9))の合成≫
実施例1−3において、アゾ化合物(7)−cを、同じモル数のアゾ化合物(9)−cに変更したこと以外は実施例1−3と同様にして、アゾ色素(9)を合成した(収率89.6%)。
〔実施例5−1〕
≪特定有機アミン塩(トリエチルアミン塩(14)−a)の合成≫
実施例1−1において、芳香族化合物(7)−5を、同じモル数の下記芳香族化合物(14)−5に変更したこと以外は実施例1−1と同様にして、トリエチルアミン塩(14)−aを合成した(収率80.0%)。
〔実施例5−2〕
≪式(F)で表されるアゾ化合物(アゾ化合物(14)−c)の合成≫
実施例1−2において、トリエチルアミン塩(7)−aを、同じモル数のトリエチルアミン塩(14)−aに変更したこと以外は実施例1−2と同様にして、アゾ化合物(14)−cを合成した(収率84.5%)。
〔実施例5−3〕
≪式(H)で表されるアゾ色素(アゾ色素(14))の合成≫
実施例1−3において、アゾ化合物(7)−cを、同じモル数のアゾ化合物(14)−cに変更したこと以外は実施例1−3と同様にして、アゾ色素(14)を合成した(収率81.3%)。
〔実施例6−1〕
≪特定有機アミン塩(トリエチルアミン塩(22)−a)の合成≫
実施例1−1において、アミン化合物(7)−4Aを、同じモル数の下記アミン化合物(22)−4Aに変更したこと以外は実施例1−1と同様にして、トリエチルアミン塩(22)−aを合成した(収率80.2%)。
この実施例6−1では、下記ジアゾニウム塩(22)−4Bと、前述の芳香族化合物(7)−5と、の反応が行われる。
〔実施例6−2〕
≪式(F)で表されるアゾ化合物(アゾ化合物(22)−c)の合成≫
実施例1−2において、トリエチルアミン塩(7)−aを、同じモル数のトリエチルアミン塩(22)−aに変更したこと以外は実施例1−2と同様にして、アゾ化合物(22)−cを合成した(収率75.0%)。
〔実施例6−3〕
≪式(H)で表されるアゾ色素(アゾ色素(22))の合成≫
実施例1−3において、アゾ化合物(7)−cを、同じモル数のアゾ化合物(22)−cに変更したこと以外は実施例1−3と同様にして、アゾ色素(22)を合成した(収率82.2%)。
2014年9月30日に出願された日本国特許出願2014−201291の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (14)

  1. 下記式(A)で表されるジアゾニウム塩と下記式(B)で表される芳香族化合物とを、下記式(D)で表される有機アミン化合物の存在下で反応させることにより、下記式(C)で表されるアゾ化合物と下記式(D)で表される有機アミン化合物との塩である有機アミン塩を製造する有機アミン塩製造工程と、
    前記有機アミン塩に対し、下記式(E)で表されるスルホニル化合物と塩素化剤とをこの順に反応させることにより、下記式(F)で表されるアゾ化合物を製造するアゾ化合物製造工程と、
    下記式(F)で表されるアゾ化合物と下記式(G)で表されるアミン化合物とを反応させることにより、下記式(H)で表されるアゾ色素を製造するアゾ色素製造工程と、
    を有するアゾ色素の製造方法。


    式(A)中、Xは、ハロゲン原子を表す。
    式(B)、式(C)、式(F)、及び式(H)中、Rは、電子吸引性基を表し、nは、0〜4の整数を表す。
    式(D)中、R、R、及びRは、アルキル基を表す。R、R、及びRは、同一であっても異なっていてもよい。R、R、及びRのうちの2つは、互いに結合して環を形成していてもよい。
    式(E)及び式(F)中、Rは、アルキル基又はアリール基を表す。
    式(G)及び式(H)中、Rは、水素原子又はアルキル基を表す。式(G)及び式(H)のそれぞれにおいて、2つのRは、同一であっても異なっていてもよい。
  2. 前記式(B)、前記式(C)、前記式(F)、及び前記式(H)中、前記nが1〜4の整数であり、前記Rがハロゲン原子又はハロゲン化アルキル基である請求項1に記載のアゾ色素の製造方法。
  3. 前記式(B)中、少なくとも1つの前記Rが、前記式(B)中の−OH基に対するオルト位に結合しており、
    前記式(C)中、少なくとも1つの前記Rが、前記式(C)中の−OH基に対するオルト位に結合しており、
    前記式(F)中、少なくとも1つの前記Rが、前記式(F)中の−O−SO基に対するオルト位に結合しており、
    前記式(H)中、少なくとも1つの前記Rが、前記式(H)中の−OH基に対するオルト位に結合している請求項2に記載のアゾ色素の製造方法。
  4. 下記式(C)で表されるアゾ化合物と下記式(D)で表される有機アミン化合物との塩である有機アミン塩。


    式(C)中、Rは、電子吸引性基を表し、nは、0〜4の整数を表す。
    式(D)中、R、R、及びRは、アルキル基を表す。R、R、及びRは、同一であっても異なっていてもよい。R、R、及びRのうちの2つは、互いに結合して環を形成していてもよい。
  5. 前記式(C)中、前記nが1〜4の整数であり、前記Rがハロゲン原子又はハロゲン化アルキル基である請求項4に記載の有機アミン塩。
  6. 前記式(C)中、少なくとも1つの前記Rが、前記式(C)中の−OH基に対するオルト位に結合している請求項5に記載の有機アミン塩。
  7. 下記式(A)で表されるジアゾニウム塩と下記式(B)で表される芳香族化合物とを、下記式(D)で表される有機アミン化合物の存在下で反応させることにより、下記式(C)で表されるアゾ化合物と下記式(D)で表される有機アミン化合物との塩である有機アミン塩を製造する有機アミン塩製造工程を有する有機アミン塩の製造方法。


    式(A)中、Xは、ハロゲン原子を表す。
    式(B)及び式(C)中、Rは、電子吸引性基を表し、nは、0〜4の整数を表す。
    式(D)中、R、R、及びRは、アルキル基を表す。R、R、及びRは、同一であっても異なっていてもよい。R、R、及びRのうちの2つは、互いに結合して環を形成していてもよい。
  8. 前記式(B)及び前記式(C)中、前記nが1〜4の整数であり、前記Rがハロゲン原子又はハロゲン化アルキル基である請求項7に記載の有機アミン塩の製造方法。
  9. 前記式(B)中、少なくとも1つの前記Rが、前記式(B)中の−OH基に対するオルト位に結合しており、
    前記式(C)中、少なくとも1つの前記Rが、前記式(C)中の−OH基に対するオルト位に結合している請求項8に記載の有機アミン塩の製造方法。
  10. 下記式(C)で表されるアゾ化合物と下記式(D)で表される有機アミン化合物との塩である有機アミン塩に対し、下記式(E)で表されるスルホニル化合物と塩素化剤とをこの順に反応させることにより、下記式(F)で表されるアゾ化合物を製造するアゾ化合物製造工程を有するアゾ化合物の製造方法。


    式(C)及び式(F)中、Rは、電子吸引性基を表し、nは、0〜4の整数を表す。
    式(D)中、R、R、及びRは、アルキル基を表す。R、R、及びRは、同一であっても異なっていてもよい。R、R、及びRのうちの2つは、互いに結合して環を形成していてもよい。
    式(E)及び式(F)中、Rは、アルキル基又はアリール基を表す。
  11. 前記式(C)及び前記式(F)中、前記nが1〜4の整数であり、前記Rがハロゲン原子又はハロゲン化アルキル基である請求項10に記載のアゾ化合物の製造方法。
  12. 前記式(C)中、少なくとも1つの前記Rが、前記式(C)中の−OH基に対するオルト位に結合しており、
    前記式(F)中、少なくとも1つの前記Rが、前記式(F)中の−O−SO基に対するオルト位に結合している請求項11に記載のアゾ化合物の製造方法。
  13. 下記式(F)で表されるアゾ化合物と下記式(G)で表されるアミン化合物とを反応させることにより、下記式(H)で表されるアゾ色素を製造するアゾ色素製造工程を有するアゾ色素の製造方法。


    式(F)及び式(H)中、Rは、塩素原子を表し、nは、1又は2を表し、式(F1)中、少なくとも1つのR が、式(F1)中の−O−SO 基に対するオルト位に結合しており、式(H1)中、少なくとも1つのR が、式(H1)中の−OH基に対するオルト位に結合している
    式(F)中、Rは、アルキル基又はアリール基を表す。
    式(G)及び式(H)中、Rは、水素原子又はアルキル基を表す。式(G)及び式(H)のそれぞれにおいて、2つのRは、同一であっても異なっていてもよい。
  14. 下記式(F)で表されるアゾ化合物。


    式(F)中、Rは、塩素原子を表し、Rは、アルキル基又はアリール基を表し、nは、1又は2を表し、式(F1)中、少なくとも1つのR が、式(F1)中の−O−SO 基に対するオルト位に結合している
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