JP2007272939A - 光ピックアップ - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体レーザの近傍に搭載される半導体レーザ駆動LSIの発熱を低減し、高品質な情報の記録再生を実現できる、信頼性の高い光ピックアップを提供する。
【解決手段】半導体レーザ1は、LSI7からの電流i1と、電流供給回路8からの電流i2との合成電流によって駆動され、レーザ光L1を発する。電流供給回路8は、半導体レーザ1の駆動時すなわち、光ディスク50への情報の再生時および記録時に、しきい値以下の電流量の電流i2(オフセット電流)を半導体レーザ1に供給する。LSI7は半導体レーザの駆動時1に半導体レーザ1に電流i1(駆動電流)を供給して半導体レーザ1を発光させる。従来と比較してLSI7から半導体レーザに供給する電流i1を小さくすることができるのでLSIの消費電力を低減するとともに発熱を抑えることができる。
【選択図】図1
【解決手段】半導体レーザ1は、LSI7からの電流i1と、電流供給回路8からの電流i2との合成電流によって駆動され、レーザ光L1を発する。電流供給回路8は、半導体レーザ1の駆動時すなわち、光ディスク50への情報の再生時および記録時に、しきい値以下の電流量の電流i2(オフセット電流)を半導体レーザ1に供給する。LSI7は半導体レーザの駆動時1に半導体レーザ1に電流i1(駆動電流)を供給して半導体レーザ1を発光させる。従来と比較してLSI7から半導体レーザに供給する電流i1を小さくすることができるのでLSIの消費電力を低減するとともに発熱を抑えることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体レーザを駆動するLSI(Large Scale Integration)を搭載した光ピックアップに関し、特に、半導体レーザ駆動時におけるLSIの発熱を抑えることが可能な光ピックアップに関するものである。
大容量の情報の記録および再生が可能な装置として、従来から光ディスク装置が知られている。光ディスク装置において情報の記録および再生を行なう光ピックアップは、光源として半導体レーザを備えている。
光ディスク装置は半導体レーザから出射されたレーザ光を光ディスクに照射させることによって情報の記録および再生を行なう。再生時には光ピックアップは所定のパワーのレーザ光を光ディスクに集光し、光ディスクに記録されたピットを検出することによって光ディスクに記録された情報を読み取る。記録時には、光ピックアップは再生時よりも高いパワーで半導体レーザを発光させるとともに、記録する情報に応じてレーザパワーを変調して光ディスクにピットを形成する。
記録時には高い品質で安定した記録マークを形成するため、いわゆるライトストラテジと呼ばれるレーザパワーの制御がなされる。このような制御は記録すべきマークに対し加えられる熱量を均一化する目的や、マークの始端部と終端部とで熱バランスを調整する目的のために行なわれる。
ライトストラテジでは、チャネルクロック周波数でレーザパワーの変調が行なわれる。高速な記録を行なうとすればレーザパワーをより高める必要がある。このため半導体レーザを駆動する駆動電流も大きくなる。
また、高い品質で情報の記録および再生を行なうには、記録時のレーザパワーおよび再生時のレーザパワーを制御することも必要である。一般的に半導体レーザの光出力は温度の影響を受けやすい。よって半導体レーザが光ディスクに照射するレーザ光の発光量を所定の値に保つ制御が行なわれている。
一般に、光ピックアップには半導体レーザ駆動用のLSIが搭載されている。このようなLSIは半導体レーザに電流を供給したり、ライトストラテジに応じてレーザパワーの変調、あるいはレーザパワーの制御を行なったりする。
しかしながらLSIでは動作に伴う発熱が生じる。LSIの発熱が光ピックアップの動作特性に悪影響を及ぼすことが懸念される。
このような発熱の問題を解決するための提案が従来からされている。例えば、特開平11−354893号公報(特許文献1)に開示される半導体レーザ駆動装置は、半導体レーザ駆動部の電源電圧を、駆動部の動作が可能な最小電圧となるように制御する。これにより光ピックアップ上の発熱を抑え、より高速度な記録再生を実現可能にする。
また、特開2004−47010号公報(特許文献2)に開示される光学式ピックアップの電源制御回路は、半導体レーザ駆動部への電源供給を行なう電源回路と、半導体レーザ制御部に電源供給を行なう電源回路とを分離する。そして、半導体レーザ駆動部の電源電圧を半導体レーザ制御部の電源電圧よりも低くする。これにより、半導体レーザ駆動部の発熱を抑えることができる。
特開平11−354893号公報
特開2004−47010号公報
近年の光ディスク装置では、大量の情報を高速に記録することが求められる。例えば、次世代DVD(Digital Versatile Disc)であるブルーレイディスク(Blu-ray Disc)の1倍速のチャネルクロック周波数は66MHzであるが、2倍速や4倍速での記録に対する要望が高まっている。
このような光ディスク装置で用いられる光ピックアップでは、記録時には100MHzを超える周波数でレーザパワーを変調するというライトストラテジが必要である。この場合、レーザパワーの立上りおよび立下り速度は、1n(ナノ)秒程度の早い速度であることが求められる。
このため、半導体レーザを駆動するLSIを半導体レーザの近傍に配置する必要がある。LSIと半導体レーザとの距離が長いと、これらの素子間の配線のインピーダンスに応じて半導体レーザに供給される駆動電流の波形が歪む。電流波形が歪むと、高い品質で情報の記録を実行できなくなる。
また、高速で情報を記録するには記録時のレーザパワーを高くする必要があるので半導体レーザを駆動する電流が大きくなる。10倍速を超える速度で記録を行なう光ピックアップでは100mAを超える駆動電流が必要になるものもある。駆動電流が大きくなるとLSIの消費電流が大きくなるとともに発熱量も大きくなる。
LSIを半導体レーザの近傍に配置するということは、大きな熱を発する発熱源を半導体レーザの近傍に配置することを意味する。半導体レーザの近傍には光ピックアップの品質にとって重要な光学系が配置されている。よって半導体レーザの周辺での発熱は光ピックアップの品質に悪影響を与えるおそれがある。
一方で近年の光ピックアップでは小型化の要求が高いために、放熱板等の放熱手段を半導体レーザ駆動用のLSIに設けることは容易ではない。
LSIの発熱の要因として、半導体レーザの無効電流の存在がある。半導体レーザの駆動電流には、レーザ発光(レーザ発振)が始まるしきい値が存在する。しきい値以下の駆動電流では半導体レーザは発光しないので、しきい値以下の駆動電流は無効電流となる。
しきい値以下の電流を半導体レーザに供給する場合にも、LSIでは電力が消費されて熱が生じる。つまり、半導体レーザの駆動時には、LSIの消費電力のうちのしきい値以下の駆動電流による消費電力がある程度の割合を占める。LSIから発生する熱についても同様である。
半導体レーザのしきい値電流を年々低下させるために開発が進められている。しかし半導体レーザによっては、しきい値以下の電流が駆動電流全体の30%以上におよぶものも存在する。上記した特開平11−354893号公報(特許文献1)および特開2004−47010号公報(特許文献2)では、しきい値電流以下の無効電流に起因するLSIの発熱への対策が何ら示されていない。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、半導体レーザの近傍に搭載される半導体レーザ駆動LSIの発熱を低減し、高品質な情報の記録再生を実現できる、信頼性の高い光ピックアップを提供することにある。
本発明は要約すれば、光ディスクに対する情報の記録および再生の少なくとも一方を行なう光ピックアップであって、半導体レーザと、半導体レーザの駆動時に、半導体レーザのしきい値電流以下の大きさを有するオフセット電流を供給する電流供給回路と、半導体レーザの駆動時に、半導体レーザに駆動電流を供給して半導体レーザを発光させる駆動回路とを備える。
好ましくは、光ピックアップは、光ディスクへの情報の記録を行なう。駆動回路は、光ディスクへの情報の記録時には、光ディスクに記録する情報に応じたパルス状の駆動電流を半導体レーザに供給する。
より好ましくは、駆動回路は、半導体レーザに対して電流供給回路よりも近い位置に配置される。
より好ましくは、電流供給回路と半導体レーザとの間に接続されるコイルをさらに備える。
好ましくは、電流供給回路は、しきい値電流の変化に対応させてオフセット電流を変化させる。
より好ましくは、しきい値電流は、半導体レーザの温度に応じて変化する。電流供給回路は、半導体レーザの温度を検知する温度検知部と、温度検知部の検知結果に応じてオフセット電流を変化させる電流可変部とを含む。
さらに好ましくは、温度検知部は、サーミスタである。
より好ましくは、しきい値電流は、半導体レーザの動作時間に応じて変化する。
より好ましくは、しきい値電流は、半導体レーザの動作時間に応じて変化する。
電流供給回路は、半導体レーザの動作時間を積算する積算部と、積算部の積算結果に応じてオフセット電流を変化させる電流可変部とを含む。
好ましくは、光ピックアップは、光ディスクに対して情報の記録および再生を行なう。駆動回路は、光ディスクに対する情報の記録時と再生時とで駆動電流のピーク値を変化させる。
本発明によれば、高速かつ高品質な情報の記録を可能とする光ピックアップを提供することができる。
以下において、本発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
[実施の形態1]
図1は、本実施の形態の光ピックアップ100の概略ブロック図である。
図1は、本実施の形態の光ピックアップ100の概略ブロック図である。
図1を参照して、光ピックアップ100は、情報の記録および再生を行なうために光ディスク50に対してレーザ光L1を照射する。なお、光ピックアップ100は情報の記録および再生のいずれか一方のみ行なうよう構成されていてもよい。
光ディスク50は、たとえばBD(ブルーレイディスク)である。ただし光ディスク50は、HD−DVD(High Definition DVD)であってもよい。また、光ディスク50は、上記のようないわゆる次世代DVDに限定されない。光ディスク50は、たとえばDVD−ROM,DVD−RAM,DVD−RW,DVD+RW,DVD−R,DVD+R等の現行のDVDであってもよい。また、光ディスク50はCD−ROM,CD−R,CD−RW等のCDであってもよい。また、光ディスク50はたとえばMD等の光磁気ディスクであってもよい。
光ピックアップ100は、半導体レーザ1と、コリメータレンズ2と、ビームスプリッタ3と、対物レンズ4と、フォトダイオード5,6と、LSI7と、電流供給回路8とを備える。LSI7は、本発明の光ピックアップにおける「駆動回路」に対応する。
半導体レーザ1は、LSI7からの電流i1と、電流供給回路8からの電流i2との合成電流によって駆動され、レーザ光L1を発する。
電流供給回路8は、半導体レーザ1の駆動時、すなわち、光ディスク50への情報の再生時および記録時に、しきい値以下の電流量の電流i2(オフセット電流)を半導体レーザ1に供給する。
LSI7は半導体レーザ1の駆動時に、半導体レーザ1に電流i1(駆動電流)を供給して半導体レーザ1を発光させる。本実施の形態によれば、従来と比較してLSI7から半導体レーザに供給する電流i1を小さくすることができるので、LSIの消費電力を低減するとともに発熱を抑えることができる。
なお、電流i1の大きさは情報の再生時よりも情報の記録時のほうが大きい。すなわち、LSI7は、光ディスクに対する情報の記録時と再生時とで電流i1のピーク値を変化させる。これにより、記録時および再生時に半導体レーザの光出力の制御を容易にすることができる。
光ディスク50への情報の再生時には、半導体レーザ1から出射されたレーザ光L1は、コリメータレンズ2、ビームスプリッタ3、および対物レンズ4などの光学系を経て光ディスク50に照射される。
コリメータレンズ2は半導体レーザ1から出射されたレーザ光L1を平行な光にする。ビームスプリッタ3は、半導体レーザ1から出射されたレーザ光L1の一部を分離する。対物レンズ4は、ビームスプリッタ3から出たレーザ光L1を光ディスク50の表面に集光する。
光ディスク50からの反射光L3は、再び、対物レンズ4に入射し再生光学系(図示せず)を経て、フォトダイオード5に入射する。フォトダイオード5は反射光L3を再生信号S1に光電変換する。再生信号S1は光ピックアップ100の外部に出力される。
半導体レーザ1から出射されたレーザ光L1のうちビームスプリッタ3によって分離されたレーザ光L2はフォトダイオード6に入射する。フォトダイオード6は、レーザ光L2を受けて、レーザパワーを検出する。フォトダイオード6からの出力信号S2は、光ピックアップ100の外部に出力されて、光ディスク装置が備える制御回路10に入力される。
制御回路10では、半導体レーザ1から光ディスク50に照射されるレーザ光L1のパワーを所定のパワーに制御するために、LSI7に対してフィードバック制御を行なう。なお、この制御は、APC(自動光出力制御)と一般に呼ばれる制御である。なおAPCの機能は、LSI7の内部に備えられていてもよい。これにより光ピックアップ100の中でフィードバック制御ループを構成することが可能になる。
光ディスク50への情報の記録時における光ピックアップ100の動作は再生時における動作とほぼ同様である。LSI7は、制御回路10から記録パワーやライトストラテジを設定するための設定信号SD、記録すべき情報の信号であるデータ信号DATA、およびクロック信号CLKを受ける。LSI7は、これらの信号に基づいて電流i1を変化させる。つまり、LSI7は光ディスク50に記録する情報に応じたパルス状の電流i1を半導体レーザ1に供給する。これにより半導体レーザの出射光は記録光パルス波形に変調される。
図2は、図1の光ピックアップ100のうち、特にLSI7および電流供給回路8の構成を説明する図である。
図2を参照して、LSI7は、駆動部200と出力段トランジスタ201とを備える。なお、図2では出力段トランジスタ201はPNPトランジスタであるが、出力段トランジスタ201はNPNトランジスタであってもよい。また、出力段トランジスタ201はバイポーラトランジスタに限定されず、MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタであってもよい。
以下では出力段トランジスタ201はPNPトランジスタであるとして説明する。PNPトランジスタのエミッタ端子は電源ノードに接続されて電源電位VCCが与えられ、ベース端子は駆動部200に接続され、コレクタ端子は半導体レーザ1のアノード端子に接続される。
駆動部200は、PNPトランジスタを駆動するため、設定信号SD、データ信号DATA、およびクロック信号CLKを受けてPNPトランジスタのベース端子に制御信号を出力する。
電流供給回路8は、一方端が電源ノードに接続される抵抗202を含む。なお図2では電流供給回路8の最も簡単な構成の例を示すが、電流供給回路8の構成は他の構成であってもよい。
半導体レーザ1は、所定の再生パワーあるいは所定の記録パワーの光を発する。このため半導体レーザ1にはLSI7内部の出力段トランジスタ201によって電流i1が供給されるとともに電流供給回路8の抵抗202を介して電流i2が供給される。なお、半導体レーザ1のカソード端子は接地されている。
コイル203は抵抗202と半導体レーザ1のアノード端子との間に接続される。コイル203によって電流供給回路8は高周波的に半導体レーザ1から切り離される。記録時には電流i1は高速(たとえば100MHz程度の周波数)で変化する。すなわち電流i1はパルス電流となる。コイル203は抵抗202や、抵抗202から半導体レーザ1までの配線に高周波電流が流れるのを防ぐために設けられる。
抵抗202から半導体レーザ1までの配線には寄生容量が存在する。コイル203を設けていない場合には、この寄生容量によって電流i1の立上がり時および立下り時に波形のなまりが生じることが起こり得る。抵抗202と半導体レーザ1との間にコイル203を設けることで電流i1(パルス電流)の波形のなまりを防ぐことができる。
これにより光ディスクへの情報の記録時には、レーザパワーの強度を瞬時に所望のパワーまで上昇させることができる。よって記録マークの始終端部の熱バランスを調整することができ、記録マークの歪みを防ぐことができる。つまり本実施の形態によれば、高い品質の記録マークを高速に光ディスクに記録できる。
図3は、半導体レーザの駆動電流(順電流)と出射パワーとの関係を示す図である。
図3を参照して、グラフの横軸は駆動電流量(単位;mA)を示し、縦軸は出射パワー(単位;mW)を示す。
図3を参照して、グラフの横軸は駆動電流量(単位;mA)を示し、縦軸は出射パワー(単位;mW)を示す。
電流供給回路8から供給される電流i2は、半導体レーザ1のしきい値電流Ith以下の電流量である。光ディスクへの情報の記録時には、図3に示すパルス状の電流i1がLSI7から半導体レーザ1に供給される。これにより半導体レーザ1はパルス光を出力する。光ディスクへの情報の再生時にはLSI7は半導体レーザ1に連続的に電流を供給し、半導体レーザ1は連続光を発する。LSI7は電流i1の大きさを制御することで、所定のパワーPoで発光させるように半導体レーザ1を制御する。
ここで、電流i2は、半導体レーザ1のしきい値電流Ith以下の値に設定されている。電流i2について何らの制御を行なわなくともLSI7による半導体レーザ1のパワー制御動作には特に影響を与えない。
再び図2を参照しながら説明する。LSI7内部の出力段トランジスタ201のエミッタ端子の電位は電源電位VCCであり、コレクタ端子の電位Vcは、半導体レーザ1の動作電圧(順方向電圧)Vopに等しい。よって出力段トランジスタ201での電圧降下Vh(エミッタ・コレクタ間電圧)は、Vcc−Vopに等しい。なお、LSI7の出力段は、ヘッドルームと呼ばれることもあり、出力段での電圧降下Vhはヘッドルーム電圧と呼ばれることもある。
LSI7の出力段では、電圧降下Vhと電流i1の乗算で表される電力P(P=Vh×i1)が消費される。仮に、電流供給回路8が存在しない場合には、LSI7の出力段トランジスタ201で消費される電力Pは、P=Vh×(i1+i2)となる。この場合には電流i2による電力(Vh×i2)の分だけLSI7の発熱が大きくなる。つまり、本実施の形態によれば従来よりもLSIの消費電力を低減できる。なお、抵抗202の抵抗値をRとすると、電流供給回路8からの電流i2の電流量はi2=(Vcc―Vop)/Rと示される。
特に情報の記録時にはLSI7は大電流(たとえば100mAの電流)を高速(たとえば100MHz程度)でスイッチングを行なう。よってLSI7においては出力段トランジスタ201のスイッチングロスによる発熱も問題となる可能性がある。本実施の形態によればLSI7は電流i1の立上り時間および立下り時間を短くでき、出力段トランジスタ201のスイッチングロスによる発熱を低減することができる。
次に、本実施の形態の光ピックアップ100におけるLSI7および電流供給回路8の配置について説明する。
図4は、本実施の形態の光ピックアップ100の斜視図である。
光ピックアップ100には、半導体レーザ1が設けられる。また、半導体レーザ1の周辺には光学素子やフォトダイオード等が配置される。対物レンズ4は、対物レンズの位置を変位させるアクチュエータ401に備えられる。
光ピックアップ100には、半導体レーザ1が設けられる。また、半導体レーザ1の周辺には光学素子やフォトダイオード等が配置される。対物レンズ4は、対物レンズの位置を変位させるアクチュエータ401に備えられる。
フォトダイオード5(再生信号検出用フォトダイオード)およびフォトダイオード6(レーザパワー検出用フォトダイオード)の各々に入出力される信号等は、FPC(フレキシブルプリント回路)と呼ばれる配線基板402によって、光ピックアップ100から入出力される。
配線基板402と一体に接続された回路基板には、LSI7、および電流供給回路8が搭載される。
光ディスクへの情報の記録時には、LSI7は半導体レーザ1に供給する電流を高速に変化させる必要がある。電流i1の立上り時および立下り時に波形のなまりが生じないように、LSI7は半導体レーザ1の近傍に配置されるとともに、LSI7と半導体レーザ1との間の配線は、極力短くなるように設計される。
なお配線基板402は半導体レーザ1とLSI7との間のインピーダンスを低く抑えるために、2層で構成し、かつ、2層のうちの一方をグランド(GND)層とすることが望ましい。
一方、電流供給回路8は低周波の一定電流を半導体レーザ1に供給するだけなので、半導体レーザ1の近傍に配置する必要はない。電流供給回路8の発熱による光学素子への影響を避けるために、電流供給回路8は半導体レーザ1を含む光学素子から離れた場所に配置することが好ましい。要するに、本実施の形態において、LSI7は、半導体レーザ1に対して電流供給回路8よりも近い位置に配置される。
電流供給回路8は放熱効果の大きい場所に配置することが好ましい。たとえば電流供給回路8は光ピックアップ100の筐体において金属肉厚の大きな場所である側面や、光ディスク装置の放熱のために設けられた送風機による風が当たる場所などに配置されてもよい。
ここで、コイル203は、半導体レーザ1の近くに配置する必要がある。情報の記録時にはLSI7は電流i1を高速に変化させる。コイル203を半導体レーザ1の近くに配置することで、LSI7による高速な電流駆動への影響(波形のなまり)を防ぎ、高い周波数帯域において半導体レーザ1から電流供給回路8までの配線を高周波的に分離することが可能になる。
以上のように実施の形態1によれば、半導体レーザ1のしきい値電流以下の電流を半導体レーザに供給する電流供給回路を、半導体レーザを駆動するLSIとは別に備える。これによりLSIによる半導体レーザのレーザパワーの制御動作に影響を与えることなく、LSIの発熱を抑えることができる。
また、実施の形態1によれば、半導体レーザ駆動用のLSIとは別に電流供給回路を備えることで、発熱源の一部(すなわち電流供給回路)を、半導体レーザ1およびその周辺の光学素子から離すことが可能となる。これにより半導体レーザとLSIとの距離を短くして高速で半導体レーザを駆動できるとともに、半導体レーザ周辺の温度上昇を抑えることができる。
[実施の形態2]
実施の形態2では、電流供給回路はしきい値電流の変化に対応させて電流を変化させる。半導体レーザのしきい値電流には温度依存性がある。電流供給回路は半導体レーザの温度変化に応じて電流供給回路から半導体レーザに供給する電流量を制御する。
実施の形態2では、電流供給回路はしきい値電流の変化に対応させて電流を変化させる。半導体レーザのしきい値電流には温度依存性がある。電流供給回路は半導体レーザの温度変化に応じて電流供給回路から半導体レーザに供給する電流量を制御する。
なお、実施の形態2の光ピックアップの全体構成は図1に示す光ピックアップ100の全体構成と同様であるので以後の説明は繰り返さない。
図5は、実施の形態2の光ピックアップの主要部の構成を示す図である。
図5および図2を参照して、実施の形態2の光ピックアップは電流供給回路8の内部構成が実施の形態1の光ピックアップに含まれる電流供給回路8の構成と異なる。この点で実施の形態2の光ピックアップは実施の形態1の光ピックアップと異なる。なお、LSI7の構成は実施の形態1と実施の形態2とで同様であるので以後の説明は繰り返さない。
図5および図2を参照して、実施の形態2の光ピックアップは電流供給回路8の内部構成が実施の形態1の光ピックアップに含まれる電流供給回路8の構成と異なる。この点で実施の形態2の光ピックアップは実施の形態1の光ピックアップと異なる。なお、LSI7の構成は実施の形態1と実施の形態2とで同様であるので以後の説明は繰り返さない。
電流供給回路8は、電流可変部500とサーミスタ501とを含む。サーミスタ501は負の温度特性を持った抵抗素子であり、半導体レーザ1の温度(雰囲気温度)を検知する。
電流可変部500は、サーミスタ501の検知結果に応じて電流i2を変化させる。電流可変部500は、抵抗502,503とトランジスタ504とを含む。なおトランジスタ504はNPNトランジスタであってもよい。また、トランジスタ504はバイポーラトランジスタに限定されず、MOSトランジスタであってもよい。
トランジスタ504は半導体レーザ1に電流i2を供給する。トランジスタ504のエミッタ端子は抵抗503を介して電源ノードに接続される。トランジスタ504のコレクタ端子はコイル203を介して半導体レーザ1に接続される。トランジスタ504のベース端子には、抵抗502の一方端とサーミスタ501の一方端とが接続される。
抵抗502の他方端は電源ノードに接続されて、電源電位VCCが印加される。サーミスタ501の他方端は接地ノードに接続される。
半導体レーザ1に供給される電流i2は、次の式(1)および式(2)に従って表される。
i2={VCC−(Vb+Vbe)}/R3 …(1)
Vb=VCC×{R1/(R1+R2)} …(2)
ここで、Vbはトランジスタ504のベース電位、Vbeはトランジスタ504のエミッタ・ベース間電圧、R1はサーミスタ501の抵抗値、R2は抵抗502の抵抗値、R3は抵抗503の抵抗値である。
Vb=VCC×{R1/(R1+R2)} …(2)
ここで、Vbはトランジスタ504のベース電位、Vbeはトランジスタ504のエミッタ・ベース間電圧、R1はサーミスタ501の抵抗値、R2は抵抗502の抵抗値、R3は抵抗503の抵抗値である。
サーミスタ501がNTCタイプのサーミスタの場合、サーミスタ501は負の温度特性を有する。つまり温度が上昇すると抵抗値R1が低下する。このため、温度上昇に伴って電流i2も増加する。
一方、半導体レーザ1のしきい値電流Ithの温度特性は、一般に以下の式(3)で示される。式(3)で示されるように、半導体レーザ1のしきい値電流Ithは温度上昇に伴って増加する。
Ith=I0exp(Tj/TO) …(3)
ここでI0は係数、Tjは半導体レーザの温度[K]、TOは特性温度と呼ばれる温度である。特性温度TOは半導体レーザによって100〜160[K]程度のバラツキがある。
ここでI0は係数、Tjは半導体レーザの温度[K]、TOは特性温度と呼ばれる温度である。特性温度TOは半導体レーザによって100〜160[K]程度のバラツキがある。
図6は、半導体レーザのしきい値電流の温度依存性を示す図である。
図6を参照して、グラフの横軸は半導体レーザに供給する駆動電流(順電流IF)の大きさ(単位;mA)を示し、グラフの縦軸は半導体レーザの光出力(出射パワー)Po(単位;mW)を示す。半導体レーザの雰囲気温度Tcが−10℃,25℃,50℃,70℃の各温度における順電流−光出力特性の曲線から、しきい値電流は雰囲気温度Tcが高くなるほど大きくなる傾向があることが分かる。
図6を参照して、グラフの横軸は半導体レーザに供給する駆動電流(順電流IF)の大きさ(単位;mA)を示し、グラフの縦軸は半導体レーザの光出力(出射パワー)Po(単位;mW)を示す。半導体レーザの雰囲気温度Tcが−10℃,25℃,50℃,70℃の各温度における順電流−光出力特性の曲線から、しきい値電流は雰囲気温度Tcが高くなるほど大きくなる傾向があることが分かる。
再び図5を参照しながら説明する。半導体レーザの温度特性は、個々の半導体レーザ間でバラツキが大きい。このため、適切な温度係数を持つサーミスタ501を選択しても、しきい値電流Ithの温度変化に対して電流i2を精度よく変化させることは困難である。しかしながら、実施の形態2では半導体レーザの温度上昇に応じて電流i2を増加させることができる。このためLSI7からの電流i1の増加を抑えることができる。その結果、実施の形態2では半導体レーザの温度1が上昇してもLSI7の発熱を抑えることが可能になる。
また、実施の形態2では半導体レーザの温度検出にサーミスタを用いる。これにより極めて簡単な回路で、電流供給回路8の電流量の制御を行なうことができる。
ここで、サーミスタ501は、半導体レーザ1の温度を検出する必要があることから、半導体レーザ1の近傍に配置することが好ましい。近年では、サーミスタは、1×0.5mmのサイズのものも開発されていることから、半導体レーザ1のパッケージ内部に備えることも可能である。
なお、本発明における「温度検知部」はサーミスタに限定されず、たとえば熱電対を用いてもよい。
このように実施の形態2では、半導体レーザのしきい値電流の温度変化に応じ、電流供給回路は半導体レーザに供給する電流(半導体レーザのしきい値以下の電流)を変化させる。電流供給回路は、半導体レーザの温度を検知する温度検知部(サーミスタ)と、温度検知部の検知結果に応じて電流を変化させる電流可変部とを含む。これにより実施の形態2では、半導体レーザの温度が上昇しても、半導体レーザ駆動用のLSIの発熱を抑えることができる。
[実施の形態3]
半導体レーザのしきい値電流は、半導体レーザの温度だけでなく、半導体レーザの動作時間に応じても変化する。言い換えれば半導体レーザを長期間使用するうちに、次第にしきい値電流が変化する。実施の形態3ではしきい値電流の変化に応じて、電流供給回路から半導体レーザに供給する電流量を制御する。
半導体レーザのしきい値電流は、半導体レーザの温度だけでなく、半導体レーザの動作時間に応じても変化する。言い換えれば半導体レーザを長期間使用するうちに、次第にしきい値電流が変化する。実施の形態3ではしきい値電流の変化に応じて、電流供給回路から半導体レーザに供給する電流量を制御する。
なお、実施の形態3の光ピックアップの全体構成は図1に示す光ピックアップ100の全体構成と同様であるので以後の説明は繰り返さない。
図7は、実施の形態3の光ピックアップの主要部の構成を示す図である。
図7および図5を参照して、実施の形態3の光ピックアップは電流供給回路8の内部構成が実施の形態2の光ピックアップに含まれる電流供給回路8の構成と異なる。この点で実施の形態3の光ピックアップは実施の形態2の光ピックアップと異なる。なお、LSI7の構成は実施の形態2と実施の形態3とで同様であるので以後の説明は繰り返さない。
図7および図5を参照して、実施の形態3の光ピックアップは電流供給回路8の内部構成が実施の形態2の光ピックアップに含まれる電流供給回路8の構成と異なる。この点で実施の形態3の光ピックアップは実施の形態2の光ピックアップと異なる。なお、LSI7の構成は実施の形態2と実施の形態3とで同様であるので以後の説明は繰り返さない。
電流供給回路8は、電流可変部500Aと積算部510とを含む。積算部510はLSI7の駆動部200から信号SOPを受ける。
駆動部200は出力段トランジスタ201を駆動する期間(すなわち半導体レーザ1を駆動する期間)、信号SOPを出力する。積算部510は信号SOPが入力される時間をカウントする機能を備える。これにより積算部510は半導体レーザ1の動作時間を積算する。
電流可変部500Aは、積算部510の積算結果に応じて電流i2を変化させる。電流可変部500Aは、複数の抵抗505およびスイッチ506を含む点で電流可変部500と異なる。電流可変部500Aの他の部分は電流可変部500と同様であるので以後の説明は繰り返さない。
複数の抵抗505のうちの1つの抵抗はトランジスタ504のベース端子と接地ノードとの間に接続される。複数の抵抗505の残りの抵抗は、各々の一方端がトランジスタ504のベース端子に接続され、各々の他方端がスイッチ506を介して接地ノードに接続される。
積算部510は半導体レーザの動作時間の積算結果に応じて複数のスイッチ506の各々の導通および非導通を制御する。これによりトランジスタ504のベース端子と接地ノードとの間の抵抗値が変化する。トランジスタ504のベース端子と接地ノードとの間の抵抗値をR3とすると、上述の式(1)および式(2)に従って電流i2が定められる。
図8は、半導体レーザの光出力−駆動電流特性の経時変化を示す図である。
図8を参照して、グラフの横軸は駆動電流(順電流)の大きさ(単位;mA)を示し、グラフの縦軸は半導体レーザの光出力を示す。
図8を参照して、グラフの横軸は駆動電流(順電流)の大きさ(単位;mA)を示し、グラフの縦軸は半導体レーザの光出力を示す。
図8に示す順電流−光出力特性の曲線から、半導体レーザの動作時間がt0,t1,…t5,t6と経過するに従って、しきい値電流が大きくなることが分かる。
以上のように実施の形態3によれば、半導体レーザの動作時間に応じて電流供給回路8は半導体レーザに供給する電流(半導体レーザのしきい値以下の電流)を変化させる。これにより実施の形態3では長期間にわたり半導体レーザ駆動用のLSIの動作時における発熱を抑えることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の光ピックアップの半導体レーザの駆動制御技術は、高速かつ高品質な情報の記録が要求される光ピックアップに好適に用いることができる。したがって、本発明は、単に、光ピックアップを製造する産業分野のみならず、発光素子や光ディスク装置を製造する産業分野や、光ピックアップに関する他の各種電子・電気部品を製造する産業分野に対しても適用することができる。
1 半導体レーザ、2 コリメータレンズ、3 ビームスプリッタ、4 対物レンズ、5,6 フォトダイオード、7 LSI、8 電流供給回路、10 制御回路、50 光ディスク、100 光ピックアップ、200 駆動部、201 出力段トランジスタ、202,502,503,505 抵抗、203 コイル、401 アクチュエータ、402 配線基板、500,500A 電流可変部、501 サーミスタ、504 トランジスタ、506 スイッチ、510 積算部、L1,L2 レーザ光、L3 反射光。
Claims (9)
- 光ディスクに対する情報の記録および再生の少なくとも一方を行なう光ピックアップであって、
半導体レーザと、
前記半導体レーザの駆動時に、前記半導体レーザのしきい値電流以下の大きさを有するオフセット電流を供給する電流供給回路と、
前記半導体レーザの駆動時に、前記半導体レーザに駆動電流を供給して前記半導体レーザを発光させる駆動回路とを備える、光ピックアップ。 - 前記光ピックアップは、前記光ディスクへの情報の記録を行ない、
前記駆動回路は、前記光ディスクへの情報の記録時には、前記光ディスクに記録する情報に応じたパルス状の前記駆動電流を前記半導体レーザに供給する、請求項1に記載の光ピックアップ。 - 前記駆動回路は、前記半導体レーザに対して前記電流供給回路よりも近い位置に配置される、請求項2に記載の光ピックアップ。
- 前記電流供給回路と前記半導体レーザとの間に接続されるコイルをさらに備える、請求項2に記載の光ピックアップ。
- 前記電流供給回路は、前記しきい値電流の変化に対応させて前記オフセット電流を変化させる、請求項1に記載の光ピックアップ。
- 前記しきい値電流は、前記半導体レーザの温度に応じて変化し、
前記電流供給回路は、
前記半導体レーザの温度を検知する温度検知部と、
前記温度検知部の検知結果に応じて前記オフセット電流を変化させる電流可変部とを含む、請求項5に記載の光ピックアップ。 - 前記温度検知部は、サーミスタである、請求項6に記載の光ピックアップ。
- 前記しきい値電流は、前記半導体レーザの動作時間に応じて変化し、
前記電流供給回路は、
前記半導体レーザの動作時間を積算する積算部と、
前記積算部の積算結果に応じて前記オフセット電流を変化させる電流可変部とを含む、請求項5に記載の光ピックアップ。 - 前記光ピックアップは、前記光ディスクに対して情報の記録および再生を行ない、
前記駆動回路は、前記光ディスクに対する情報の記録時と再生時とで前記駆動電流のピーク値を変化させる、請求項1に記載の光ピックアップ。
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JP2006093845A JP2007272939A (ja) | 2006-03-30 | 2006-03-30 | 光ピックアップ |
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JP2014011466A (ja) * | 2012-06-27 | 2014-01-20 | Samsung Electronics Co Ltd | Led駆動装置、led駆動方法及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 |
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2006
- 2006-03-30 JP JP2006093845A patent/JP2007272939A/ja active Pending
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