JP2007264483A - パターン形成材料及びパターン形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄膜感光層であっても、優れた厚み均一性と基板への密着性とを両立することができるため、高解像度であり、かつ、感度と現像許容性とに優れ、高精細なパターンを形成可能なパターン形成材料、及び該パターン形成材料を用いたパターン形成方法の提供。
【解決手段】支持体と、該支持体上に感光層とを少なくとも有してなり、前記感光層が、バインダー、重合性化合物、光重合開始剤及びフッ素系界面活性剤を少なくとも含んでおり、前記バインダーが、分子中にカルボキシル基を含有する共重合体と、1分子中に1つのエポキシ基を有する飽和エポキシ化合物との開環付加反応物であり、ガラス転移温度(Tg)が300〜400Kであり、かつ、質量平均分子量が1,000〜10,000であり、前記感光層の厚みが、3〜10μmであることを特徴とするパターン形成材料、及び該パターン形成材料を用いたパターン形成方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、パッケージ基板を含むプリント配線基板分野において、ドライ・フィルム・レジスト(DFR)等に好適なパターン形成材料、及び該パターン形成材料を用いたパターン形成方法に関する。
ICチップやLSIチップなど半導体の高集積度の動向の中で、それを基板上に実装するにはパッケージ基板が使用されている。これまでパッケージ基板は主として、液状レジストまたはドライ・フィルム・レジスト(DFR)を用いて、サブトラクティブ法及びセミアディティブ法により製造されており、せいぜいL/S(ライン/スペース)=20μm/20μmの解像度が限界であった。
LSI高集積化の進行により、現在ではL/S=5μm/5μmの解像度が求められている。一般的に、前記解像度は、主に感光層の厚みに依存するとともに、実用的なパターンの解像度の限界は、厚みと同等であり、パターン形成後のパターンの厚みdとパターンの線幅Lとのアスペクト比が、d/L=1μm/1μmが限界である。また、形成されたパターンの導電性の必要上からも5μmのパターン高さが必要になる。従って、L/S=5μm/5μmを実現するためには感光層の厚みが5μm付近である必要がある。
しかしながら、従来の液状レジストでは、形成する感光層の厚みは約0.5〜3μmまでが有効であり、また、従来のDFRでは、感光層の厚みは約10〜50μmまでが有効であった。
前記液状レジストの場合の前記感光層の厚みの制限は、厚み5μm程度においてパターン再現性及び塗布膜平坦性の問題があるためである。この問題解決のため、水又はOH基含有マイクロカプセルを添加したポジ型キノンジアジドを塗布乾燥して使用する方法(特許文献1参照)、基板上に塗布された厚膜レジスト(厚み7μm)を回転ロールで平坦化する方法(特許文献2参照)、ネガ型の光重合性組成物を、バーコーターを用いて塗布乾燥して厚み7μmの感光層を形成する方法(特許文献3参照)等が提案されたが、これらの方法を用いても、前述した問題を解決するには至らなかった。
一方、DFR等のパターン形成材料の場合の、前記感光層の厚みの制限は、ラミネーション工程での基板密着性に問題があるためである。例えば、特許文献3の比較例1には、厚み7μmの感光層を有するパターン形成材料を用いた場合に、ライン欠けや断線が起きることが示されている。
これまで、前記パターン形成材料の高解像度化の試みは種々行われてきた。例えば、高解像度の感光層を得るために、低分子量バインダーが有効であることは公知である(特許文献4参照)が、低分子量バインダーを使用すると、現像時間が短くなり、現像許容度が狭くなるという問題があった。このため、高解像度パターンの安定生産が困難であった。また、ガラス転移温度の低いバインダーを使用することも公知である(特許文献5参照)が、ガラス転移温度の低いバインダーを用いると感光層に接する層間の接着性が高まり、剥離すべき時に、剥離困難となる。例えば、支持体上に感光層を形成する方式のパターン形成材料の場合は、該パターン形成材料を基板に積層し、露光した後に、支持体を感光層から剥離する必要があるが、支持体/感光層間の接着性が高すぎると、該支持体剥離時に音を発し、該感光層の微少な一部が該支持体に転移し、パターンの欠陥になりうる。
また、薄膜感光層の基板への密着性改良技術として、感光層と支持体との間に、クッション層(アルカリ不溶性熱可塑性樹脂層)を設けたパターン形成材料が提案されている(特許文献6参照)。該クッション層の存在により、既に形成されたパターンや基材への感光層の追従性が向上し、気泡を生ずることなく感光層を積層することができるが、該パターン形成材料が基材上へ積層された後、該クッション層を剥離してから、該感光層を直接露光するので、空気中の酸素の影響を受けて低感度になってしまうという問題があった。
また、支持体上にアルカリ可溶性熱可塑性樹脂層(クッション層)及び酸素透過性の低い中間層をこの順に形成し、該中間層上に、感光層を設けたパターン形成材料も提案されている(特許文献7参照)。該中間層を介して該感光層を露光するため、該中間層の効果で、感度の低下を抑制することができるが、厚みが厚く、未だ感度・解像度・密着性の点で不十分であった。
また、感光層の厚み均一性と基板への密着性を両立させるために、感光層にフッ素系界面活性剤を含有させることが提案されている(特許文献8参照)。しかしながら、特許文献 においても、厚みが厚く、解像度が不十分であった。
従って、現在パッケージ基板製造分野で必要とする、薄膜感光層であっても、優れた厚み均一性と基板への密着性とを両立することができ、解像度、感度、現像許容性に優れ、高精細なパターンを形成可能なパターン形成材料、及び該パターン形成材料を用いたパターン形成方法には、未だ適当なものがなく、更なる改良開発が望まれているのが現状である。
特開平3−220557号公報 特開平7−161721号公報 特開2003−140335号公報 特開2004−341477号公報 特開平7−281437号公報 特開2003−5364号公報 特開平5−173320号公報 特開2005−258229号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、薄膜感光層であっても、優れた厚み均一性と基板への密着性とを両立することができるため、高解像度であり、かつ、感度と現像許容性とに優れ、高精細なパターンを形成可能なパターン形成材料、及び該パターン形成材料を用いたパターン形成方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。
<1> 支持体と、該支持体上に感光層とを少なくとも有してなり、
前記感光層が、バインダー、重合性化合物、光重合開始剤及びフッ素系界面活性剤を少なくとも含んでおり、
前記バインダーが、分子中にカルボキシル基を含有する共重合体と、1分子中に1つのエポキシ基を有する飽和エポキシ化合物との開環付加反応物であり、ガラス転移温度(Tg)が300〜400Kであり、かつ、質量平均分子量が1,000〜10,000であり、
前記感光層の厚みが、3〜10μmであることを特徴とするパターン形成材料である。
<2> 感光層の厚みが5〜10μmである前記<1>に記載のパターン形成材料である。
<3> 分子中にカルボキシル基を含有する共重合体が、スチレン類及び二塩基性不飽和カルボン酸化合物由来の構造単位を有する共重合体であって、下記一般式(I)で表される前記<1>から<2>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
ただし、前記一般式(I)中、Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表す。Rは、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子置換で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、及び炭素数1〜4のアルコキシ基のいずれかを表す。Rは、水素原子、及び炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。Rは、水素原子、及び炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。Rは、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜11のビシクロアルキル基、炭素数6〜11のトリシクロアルキル基、炭素数7〜11のアラルキル基、炭素数6〜10のアリール基、及び(メタ)アクリロイルオキシアルキル基のいずれかを表す。mは、1〜5のいずれかの整数を表す。
また、x及びyは繰り返し単位の組成比(モル比)を表し、x+y=100であり、かつx:y=10〜90:10〜90である。
<4> バインダーが、下記一般式(II)で表される前記<3>に記載のパターン形成材料である。
ただし、前記一般式(II)中、Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表す。Rは、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子置換で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、及び炭素数1〜4のアルコキシ基のいずれかを表す。Rは、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原子、及び炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。Rは、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原子、及び炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。Rは、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜11のビシクロアルキル基、炭素数6〜11のトリシクロアルキル基、炭素数7〜11のアラルキル基、炭素数6〜10のアリール基、及び(メタ)アクリロイルオキシアルキル基のいずれかを表す。Rは、飽和エポキシ化合物中のエポキシ基と二塩基性不飽和カルボン酸化合物中のカルボキシル基との付加反応後の残基を表す。mは、1〜5のいずれかの整数を表す。
また、x、y、及びzは、繰り返し単位の組成比(モル比)を表し、x+y+z=100であり、かつx:y:z=10〜80:10〜80:10〜80である。
<5> フッ素系界面活性剤が、下記構造式(1)で表されるモノマーに由来する構造単位及び下記構造式(2)で表されるモノマーに由来する構造単位の少なくともいずれかと、ポリオキシアルキレン基を有するエチレン性不飽和モノマーに由来する構造単位とを有する共重合体である前記<1>から<4>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
ただし、前記構造式(1)及び(2)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原子及びメチル基のいずれかを表す。X及びXは、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、酸素原子及びNRのいずれかを表す。該Rは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、及び炭素数7〜24のアラルキル基のいずれかを表す。Z及びZは、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子の少なくともいずれかを有する置換基を表す。Rは、水素原子及びフッ素原子のいずれかを表す。l、n、p及びrは、0〜10のいずれかの整数を表す。m及びqは、0及び1のいずれかの整数を表す。o、s及びtは、1〜10のいずれかの整数を表す。
<6> 支持体と感光層との間ににクッション層を有する前記<1>から<5>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<7> クッション層の厚みが、5〜20μmである前記<6>に記載のパターン形成材料である。
<8> クッション層が、アルカリ可溶性及びアルカリ不溶性のいずれかである前記<6>から<7>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<9> クッション層と感光層との間に物質の移動を抑制可能な中間層を有する前記<6>から<8>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<10> 中間層が、酸素遮断性を有する前記<9>に記載のパターン形成材料である。
<11> 中間層の厚みが、厚みが1〜3μmである前記<9>から<10>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<12> 中間層が、アルカリ可溶性である前記<9>から<11>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<13> 支持体の中心線平均表面粗さが、1〜15nmである前記<1>から<12>に記載のパターン形成材料である。
<14> 感光層における支持体とは反対側の面上に保護フィルムを有し、該保護フィルムの中心線平均表面粗さが、感光層と接触する面では100nm以下であり、感光層と接触しない面では100〜800nmである前記<1>から<13>に記載のパターン形成材料である。
<15> 感光層が、該感光層に含まれる組成物が溶解、乳化、又は分散された、固形分濃度が5〜20質量%である感光性樹脂組成物溶液を、直径1μm以下のフィルターで濾過した後、塗布、乾燥して形成される前記<1>から<14>に記載のパターン形成材料である。
<16> 感光層が、感光性樹脂組成物溶液を、エクストルージョン方式の塗布ヘッドを備えた塗布機で塗布し、乾燥して形成される前記<1>から<15>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<17> 前記<1>から<16>のいずれかに記載のパターン形成材料における感光層を、加熱及び加圧の少なくともいずれかにより感光層と基材とが接するように該基材上に積層する積層工程と、
前記積層工程により積層された感光層を、光照射手段から照射される光により露光する露光工程と、
前記露光工程により露光された感光層を現像する現像工程とを有することを特徴とするパターン形成方法である。
<18> パターンが配線パターンであり、該配線パターンがセミアディティブ法によって形成される前記<17>に記載のパターン形成方法である。
<19> 積層を、ホットロール式ラミネーター及び真空ラミネーターのいずれかによって行う前記<17>から<18>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<20> 支持体と感光層との間にアルカリ可溶性のクッション層を有しており、積層工程後に、支持体及びクッション層を感光層上から剥離する剥離工程を有し、次いで、感光層を露光する露光工程を有する前記<17>から<19>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<21> 露光が、400〜410nmの波長の青紫色レーザ光を用いて行われる前記<17>から<20>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<22> 露光が、光照射手段、及び前記光照射手段からの光を受光し出射するn個(ただし、nは2以上の自然数)の2次元状に配列された描素部を有し、パターン情報に応じて前記描素部を制御可能な光変調手段を備えた露光ヘッドであって、該露光ヘッドの走査方向に対し、前記描素部の列方向が所定の設定傾斜角度θをなすように配置された露光ヘッドを用い、
前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部を指定し、
前記露光ヘッドについて、描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部の制御を行い、
前記感光層に対し、前記露光ヘッドを走査方向に相対的に移動させて行われる前記<17>から<21>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<22>に記載のパターン形成方法においては、前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部が指定され、描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部が制御される。前記露光ヘッドを、前記感光層に対し走査方向に相対的に移動させて露光が行われることにより、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上に形成される前記パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが均される。この結果、前記感光層への露光が高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像することにより、高精細なパターンが形成される。
<23> 露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部を指定する前記<22>に記載のパターン形成方法である。該<23>に記載のパターン形成方法においては、露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部が指定されることにより、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上のヘッド間つなぎ領域に形成される前記パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが均される。この結果、前記感光層への露光が高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像することにより、高精細なパターンが形成される。
<24> 露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部を指定する前記<22>に記載のパターン形成方法である。該<24>に記載のパターン形成方法においては、露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域以外におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部が指定されることにより、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上のヘッド間つなぎ領域以外に形成される前記パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが均される。この結果、前記感光層への露光が高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像することにより、高精細なパターンが形成される。
<25> 設定傾斜角度θが、N重露光数のN、描素部の列方向の個数s、前記描素部の列方向の間隔p、及び露光ヘッドを傾斜させた状態において該露光ヘッドの走査方向と直交する方向に沿った描素部の列方向のピッチδに対し、次式、spsinθideal≧Nδを満たすθidealに対し、θ≧θidealの関係を満たすように設定される前記<22>から<24>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<26> N重露光のNが、3以上の自然数である前記<22>から<25>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<26>に記載のパターン形成方法においては、N重露光のNが、3以上の自然数であることにより、多重描画が行われる。この結果、埋め合わせの効果により、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上に形成される前記パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが、より精密に均される。
<27> 使用描素部指定手段が、
描素部により生成され、被露光面上の露光領域を構成する描素単位としての光点位置を、被露光面上において検出する光点位置検出手段と、
前記光点位置検出手段による検出結果に基づき、N重露光を実現するために使用する描素部を選択する描素部選択手段と
を備える前記<22>から<26>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<28> 使用描素部指定手段が、N重露光を実現するために使用する使用描素部を、行単位で指定する前記<22>から<27>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<29> 光点位置検出手段が、検出した少なくとも2つの光点位置に基づき、露光ヘッドを傾斜させた状態における被露光面上の光点の列方向と前記露光ヘッドの走査方向とがなす実傾斜角度θ´を特定し、描素部選択手段が、前記実傾斜角度θ´と設定傾斜角度θとの誤差を吸収するように使用描素部を選択する前記<27>から<28>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<30> 実傾斜角度θ´が、露光ヘッドを傾斜させた状態における被露光面上の光点の列方向と前記露光ヘッドの走査方向とがなす複数の実傾斜角度の平均値、中央値、最大値、及び最小値のいずれかである前記<29>に記載のパターン形成方法である。
<31> 描素部選択手段が、実傾斜角度θ´に基づき、ttanθ´=N(ただし、NはN重露光数のNを表す)の関係を満たすtに近い自然数Tを導出し、m行(ただし、mは2以上の自然数を表す)配列された描素部における1行目から前記T行目の前記描素部を、使用描素部として選択する前記<29>から<30>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<32> 描素部選択手段が、実傾斜角度θ´に基づき、ttanθ´=N(ただし、NはN重露光数のNを表す)の関係を満たすtに近い自然数Tを導出し、m行(ただし、mは2以上の自然数を表す)配列された描素部における、(T+1)行目からm行目の前記描素部を、不使用描素部として特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する前記<29>から<30>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<33> 描素部選択手段が、複数の描素部列により形成される被露光面上の重複露光領域を少なくとも含む領域において、
(1)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積が最小となるように、使用描素部を選択する手段、
(2)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の描素単位数と、露光不足となる領域の描素単位数とが等しくなるように、使用描素部を選択する手段、
(3)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の面積が最小となり、かつ、露光不足となる領域が生じないように、使用描素部を選択する手段、及び
(4)理想的なN重露光に対し、露光不足となる領域の面積が最小となり、かつ、露光過多となる領域が生じないように、使用描素部を選択する手段
のいずれかである前記<27>から<32>に記載のパターン形成方法である。
<34> 描素部選択手段が、複数の露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域において、
(1)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積が最小となるように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、
(2)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の描素単位数と、露光不足となる領域の描素単位数とが等しくなるように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、
(3)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の面積が最小となり、かつ、露光不足となる領域が生じないように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、及び、
(4)理想的なN重露光に対し、露光不足となる領域の面積が最小となり、かつ、露光過多となる領域が生じないように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、
のいずれかである前記<27>から<33>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<35> 不使用描素部が、行単位で特定される前記<34>に記載のパターン形成方法である。
<36> 使用描素部指定手段において使用描素部を指定するために、使用可能な前記描素部のうち、N重露光のNに対し、(N−1)列毎の描素部列を構成する前記描素部のみを使用して参照露光を行う前記<22>から<35>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<36>に記載のパターン形成方法においては、使用描素部指定手段において使用描素部を指定するために、使用可能な前記描素部のうち、N重露光のNに対し、(N−1)列毎の描素部列を構成する前記描素部のみを使用して参照露光が行われ、略1重描画の単純なパターンが得られる。この結果、前記ヘッド間つなぎ領域における前記描素部が容易に指定される。
<37> 使用描素部指定手段において使用描素部を指定するために、使用可能な前記描素部のうち、N重露光のNに対し、1/N行毎の描素部行を構成する前記描素部のみを使用して参照露光を行う前記<22>から<36>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<37>に記載のパターン形成方法においては、使用描素部指定手段において使用描素部を指定するために、使用可能な前記描素部のうち、N重露光のNに対し、1/N行毎の描素部列を構成する前記描素部のみを使用して参照露光が行われ、略1重描画の単純なパターンが得られる。この結果、前記ヘッド間つなぎ領域における前記描素部が容易に指定される。
<38> 使用描素部指定手段が、光点位置検出手段としてスリット及び光検出器、並びに描素部選択手段として前記光検出器と接続された演算装置を有する前記<22>から<37>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<39> N重露光のNが、3以上7以下の自然数である前記<22>から<38>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<40> 光変調手段が、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成するパターン信号生成手段を更に有してなり、光照射手段から照射される光を該パターン信号生成手段が生成した制御信号に応じて変調させる前記<22>から<39>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<41> パターン情報が表すパターンの所定部分の寸法が、指定された使用描素部により実現できる対応部分の寸法と一致するように前記パターン情報を変換する変換手段を有する前記<22>から<40>のいずれかに記載のパターン形成方法。
<42> 光変調手段が、空間光変調素子である前記<22>から<41>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<43> 空間光変調素子が、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)である前記<42>に記載のパターン形成方法である。
<44> 描素部が、マイクロミラーである前記<22>から<43>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<45> 光照射手段が、2以上の光を合成して照射可能である前記<22>から<44>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<45>に記載のパターン形成方法においては、前記光照射手段が2以上の光を合成して照射可能であることにより、露光が焦点深度の深い露光光で行われる。この結果、前記感光層への露光が極めて高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像することにより、極めて高精細なパターンが形成される。
<46> 光照射手段が、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザビームを集光して前記マルチモード光ファイバに結合させる集合光学系とを有する前記<22>から<45>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<46>に記載のパターン形成方法においては、前記光照射手段により、前記複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザビームが前記集合光学系により集光され、前記マルチモード光ファイバに結合可能とすることにより、露光が焦点深度の深い露光光で行われる。この結果、前記感光層への露光が極めて高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像することにより、極めて高精細なパターンが形成される。
<47> 前記<17>から<46>のいずれかに記載のパターン形成方法により形成されたことを特徴とするパターンである。
本発明によれば、従来における問題を解決することができ、薄膜感光層であっても、優れた厚み均一性と基板への密着性とを両立することができるため、高解像度であり、かつ、感度と現像許容性とに優れ、高精細なパターンを形成可能なパターン形成材料、及び該パターン形成材料を用いたパターン形成方法を提供することができる。
(パターン形成材料)
本発明のパターン形成材料は、支持体と、該支持体上に感光層を有してなり、必要に応じて、該支持体と該感光層との間にクッション層、中間層、などを有していてもよく、更に必要に応じて、その他の層を有していてもよい。
また、前記パターン形成材料においては、前記感光層の厚みが、3〜10μmであることが必要であり、更に、5〜10μmであるのが好ましい。該厚みが3μm未満であると、得られるメッキレジストパターンの厚みが不足するので、メッキによる導体の導電性が満足されないことがあり、10μmを超えると、必要とする解像度が得られないことがある。
<支持体>
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記感光層を剥離可能であり、かつ光の透過性が良好であるのが好ましく、更に表面の平滑性が良好であるのがより好ましい。
前記支持体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、10〜30μmが好ましく、12〜25μmがより好ましい。該厚みが10μm未満であると、フィルムが柔軟過ぎて取り扱いに不便となり、30μmを超えると、解像度が低下することがあり、また、コスト面でも負荷が高く、好ましくない。
前記支持体は、合成樹脂製で、かつ透明であるものが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、セロファン、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリテトラフロロエチレン、ポリトリフロロエチレン、セルロース系フイルム、ナイロンフイルムなどの各種のプラスチックフイルムが挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートがより好ましい。これらは、1種で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、前記支持体としては、例えば、特開平4−208940号公報、特開平5−80503号公報、特開平5−173320号公報、特開平5−72724号公報などに記載の支持体を用いることもできる。
また、前記支持体は、中心線平均表面粗さ(Ra)が1〜15nmであるのが好ましく、2〜10nmがより好ましい。該中心線平均表面粗さ(Ra)が1nm未満であると、製膜加工中においてフィルム表面に傷がつきやすくなり、15nmを超えると、レジストパターンにギザツキが生じることがあり、パターン化導体のカケや断線の原因となる。
ここで、前記「中心線平均表面粗さ(Ra)」とは、粗さ曲線からその中心線の方向に測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸、粗さ曲線をY=f(X)で表したとき、下式によって求められる値をナノメートル(nm)で表したものをいう。
前記中心線平均表面粗さ(Ra)が1〜15nmの範囲の支持体としては、市販品を用いてもよく、例えば、東レ社製T60タイプや帝人社製Oタイプ、M62タイプ、X71タイプ等のフィルムに易滑処理を施してなるものが用いられる。易滑処理については、ポリエステル系、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、フッ素系等の樹脂をフィルム表面にコーティングすることにより行われる。
前記易滑処理されてなる支持体は、該易滑処理面どうしの静摩擦係数(μs)が1.0以下、動摩擦係数(μd)が0.8以下であることが好ましく、本発明の効果を顕著に発揮する。該静摩擦係数(μs)が1.0を超え、かつ該動摩擦係数(μd)が0.8を超えると、製膜加工中においてフィルム表面に傷がつきやすくなり好ましくない。ここで、静摩擦係数(μs)、動摩擦係数(μd)は、JISK7125に基づき測定することができる。
前記支持体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、長尺状が好ましい。前記長尺状の支持体の長さとしては、特に制限はなく、例えば、10〜20,000mの長さのものが挙げられる。
<感光層>
前記感光層は、バインダー、重合性化合物、光重合開始剤及びフッ素系界面活性剤を少なくとも含んでおり、必要に応じて適宜選択したその他の成分を含有してなる。
<<バインダー>>
前記バインダーは、分子中にカルボキシル基を含有する共重合体(以下、カルボキシル基含有共重合体という)と、1分子中に1つのエポキシ基を有する飽和エポキシ化合物との開環付加反応物であることを特徴とする。
前記バインダーのガラス転移温度(Tg)は、300〜400Kである必要があり、これらの中でも、320〜380Kがより好ましい。該Tgが300K未満であると、パターン形成材料をロール状巻物としたときに、端面から感光層が浸みだし互いに融着すること(以下端面融着と称す)や、使用時にレジストの粉状に飛び散り工程を汚染することがあり、一方、400Kを超えると、感光層そのものの膜質が堅くなり、スリット加工時や取り扱い時に、やはりレジストの粉が発生することがあるため好ましくない。
なお、前記ガラス転移温度(Tg)は、ASTM D3418−82に準じて測定することができる。具体的には、内熱式入力補償型の示差走査熱量計(パーキンエルマー社製のDSC−7)を用いて、試料を、室温から昇温速度20℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10分間放置、降温速度50℃/minで0℃まで試料を冷却して10分放置、窒素雰囲気(20cc/min)で再度150℃まで昇温速度20℃/minで加熱してDSC測定を行い、解析ソフト〔Tgジョブ〕を用い、ピーク立ち上がり温度を読み取ることにより求めることができる。
また、前記バイイダーの質量平均分子量は、1,000〜10,000である必要があり、これらの中でも、2,000〜8,000がより好ましい。該質量平均分子量が1,000未満であると、タッキネスを十分抑制できないという問題や、端面融着などを起こしやすく保存安定性が劣るという問題や、露光後の塗膜の耐湿性が悪く現像時に膜減りが生じ、解像度が大きく劣るという問題が起こることがある。一方、10,000を超えると、ラミネーション時の埋め込み性が悪くなる等の問題が起こることがあるため好ましくない。
なお、前記質量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定することができる。具体的には、予め反応生成物をサンプリングし、テトラヒドロフランに溶解した溶液を、昭和電工製A−801,802,803,804,805,806,807を連結した構成のカラムを用いて分離し、標準ポリスチレン樹脂の検量線を用い、分子量分布を測定することにより求めることができる。
−カルボキシル基含有共重合体−
前記カルボキシル基含有共重合体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記一般式(I)で表される、スチレン類及び二塩基性不飽和カルボン酸化合物由来の構造単位を有する共重合体を好適に挙げることができる。
ただし、前記一般式(I)中、Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表す。Rは、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子置換で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、及び炭素数1〜4のアルコキシ基のいずれかを表す。Rは、水素原子、及び炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。Rは、水素原子、及び炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。Rは、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜11のビシクロアルキル基、炭素数6〜11のトリシクロアルキル基、炭素数7〜11のアラルキル基、炭素数6〜10のアリール基、及び(メタ)アクリロイルオキシアルキル基のいずれかを表す。mは1〜5のいずれかの整数を表す。
また、x,yは繰り返し単位の組成比(モル比)を表し、x+y=100であり、かつx:y=10〜90:10〜90である。
−−スチレン類−−
前記カルボキシル基含有共重合体の構造単位を与える前記スチレン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、o−クロロメチルスチレン、m−クロロメチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、m−トリクロロメチルスチレン、α−メチルスチレン、などを挙げることができる。これらの中でも、スチレンがより好ましい。
−−二塩基性不飽和カルボン酸化合物−−
前記カルボキシル基含有共重合体の構造単位を与える前記二塩基性不飽和カルボン酸化合物としては、1分子中に少なくとも1個の不飽和基と含有する化合物であれば、特に制限はないが、例えば、二塩基性不飽和カルボン酸、二塩基性不飽和カルボン酸モノエステルが好ましい。
前記二塩基性不飽和カルボン酸又は二塩基性不飽和カルボン酸モノエステルとしては、具体的には、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル類、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、グルタコン酸、グルタコン酸モノエステル、シトラコン酸、シトラコン酸モノエステル、メサコン酸、メサコン酸モノエステル類、などが挙げられる。前記モノエステルとしては、炭素数1〜12のアルキルエステル、炭素数6〜10のアリールエステル、炭素数7〜11のアラルキルエステル、(メタ)アクリロイルオキシアルキルエステル、などが挙げられる。
これらの中でも、マレイン酸モノメチルエステルがより好ましく、マレイン酸モノ−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルエステルが特に好ましい。
本発明のバインダーとしては、前記一般式(I)で表されるカルボキシル基含有共重合体と1分子中に1つのエポキシ基を有する飽和エポキシ化合物との開環付加反応物の中でも、特に、下記一般式(II)で表される共重合体が好ましい。
ただし、前記一般式(II)中、R、R、R、R及びRは前記一般式(I)中のものと同じ基を表す。Rは、飽和エポキシ化合物中のエポキシ基と、前記一般式(I)で表されるカルボキシル基含有共重合体中のカルボキシル基との付加反応後の残基を表す。mは、1〜5のいずれかの整数を表す。
また、x,y、zは繰り返し単位の組成比(モル比)を表し、x+y+z=100であり、かつx:y:z=10〜80:10〜80:10〜80である。
−飽和エポキシ化合物−
前記飽和エポキシ化合物としては、1分子中に1つのエポキシ基を有する化合物であれば、特に制限はなく、例えば、下記一般式(III−1)〜(III−19)で表される化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ただし、前記一般式(III−1)〜(III−19)中、Rは、水素原子、炭素数1〜10のアルキル、アリール、及びアラルキル基のいずれかを表し、Rは、炭素数1〜10のアルキレン基を表し、Rは、炭素数1〜10の炭化水素基を表し、pは、0〜10のいずれかの整数を表す。
前記飽和エポキシ化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、フェニルグリシジルエーテル、グリシジルアセテート、及び3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアセテートのいずれかがより好ましい。
−バインダーの合成方法−
前記バインダーは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記カルボキシル基含有共重合体を合成後に、更に前記飽和エポキシ化合物を開環付加反応させて得ることができる。
−−カルボキシル基含有共重合体の合成−−
前記カルボキシル基含有共重合体の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記スチレン類と前記二塩基性不飽和カルボン酸化合物との共重合体は、該スチレン類と該二塩基性不飽和カルボン酸化合物との共重合反応によって得ることもできるし、対応するスチレン類と二塩基性不飽和カルボン酸無水物との共重合体に対する水又はアルコール類の付加反応によって得ることもできる。
上述したスチレン類と該二塩基性不飽和カルボン酸化合物との重合方法としては、特に制限はなく、塊状重合法、溶液重合法などの通常用いられる共重合反応法を用いることができる。これらの中でも、該溶液重合法は、溶媒によるラジカルの連鎖移動の差を利用したり、重合開始剤量や反応温度を調節することで低分子量重合体または共重合体を温和な条件で容易に得ることができるためより好ましい。該塊状重合法は、高温で重合させて停止反応速度を早めることで可能であるが、反応をコントロールしにくいという問題点がある。
前記溶液重合法で用いる反応溶媒としては、特に制限はなく、重合反応生成物であるポリマーによって適宜選択することができ、例えば、キシレン、トルエン、クメン、酢酸セロソルブ、イソプロピルアルコール、ベンゼン、などが好ましい。これらの中でも、モノマーとしてスチレンを用いる場合には、キシレン、トルエン及びクメンのいずれかがより好ましい。該溶液重合法においては、溶媒100質量部に対してビニルモノマー30質量部〜400質量部で行うのが好ましい。
また、前記溶液重合法においては、重合開始剤として、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)の少なくともいずれかをビニルモノマー100質量部に対して0.05質量部以上(好ましくは0.1〜15質量部)の濃度で用いることが好ましい。
前記溶液重合における反応温度としては、使用する溶媒、開始剤、得られるポリマー、によって異なるが、70〜230℃で行うのが好ましい。
前記溶液重合法においては、更に、重合終了時に溶液中で他の重合体を混合することも好ましく、複数の重合体を混合してもよい。
一方、本発明のハインダーは、上述したように、対応するスチレン類と二塩基性不飽和カルボン酸無水物との共重合体に対する水又はアルコール類の付加反応によっても得ることができる。
前記付加反応に好適なアルコール類としては、例えば、飽和アルコール類を挙げることができる。
前記飽和アルコール類としては、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ドデカノール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジシクロペンタニルアルコール、2−ジシクロペンタニルオキシエタノール、イソボルニルアルコール、アダマンチルアルコール、などが挙げられる。
また、前記開環付加反応はフェノール類を用いてもよく、好ましいフェノール類としては、フェノール、p−クレゾール、α−ナフトールを挙げることができる。
前記付加反応における反応温度としては、通常50〜200℃で行なうことができるが、ジエステルの生成及びゲル化を防止するために80〜150℃がより好ましい。
前記付加反応法としては、具体的には、まずスチレン−二塩基性不飽和カルボン酸酸無水物共重合体を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のグリコールモノエーテルエステル系等の適当な親水性の溶媒に溶解させる。次に前記水又はアルコール類を上述の反応温度にて4時間から40時間程度反応させる。反応の進行及び反応の完結は赤外吸収スペクトルにより酸無水物の吸収の減少を追跡しこれが消失する事で判定できる。一方、アルコール類をスチレン−二塩基性不飽和カルボン酸酸無水物共重合体よりも過剰に用いる場合等は該アルコール類が溶媒ともなりうるので無溶媒で直接反応させる事も可能である。
なお、反応促進剤として、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ペンタメチルジエチレントリアミン、などの第3級アミン類又は第4級アンモニウム塩などを使用することができる。また、反応中に重合物が生成するのを防止するために、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、tert−ブチルヒドロキノン、tert−ブチルカテコール、ベンゾキノン、フェノチアジン、などの公知の重合禁止剤を使用することもできる。
なお、上記スチレン−二塩基性不飽和カルボン酸酸無水物共重合体は、活性水素を含まない有機溶媒中で、スチレン類と二塩基性不飽和カルボン酸無水物とのラジカル共重合により得ることができるが、それらの酸無水物共重合体は市販のもの使用可能であり、例えば、スチレン−マレイン酸無水物共重合体としては、SMA1000(スチレン:無水マレイン酸(モル比)=50:50、Tg=428K、質量平均分子量=5,000)、SMA2000(スチレン:無水マレイン酸(モル比)=67:33、Tg=408K、質量平均分子量=7,500)、SMA3000(スチレン:無水マレイン酸(モル比)=75:25、Tg=398K、質量平均分子量=9,500)、などがSatomer社から入手可能である。
前記スチレン類と二塩基性不飽和カルボン酸化合物との共重合組成比としては、モル比で10〜90:90〜10が好ましく、20〜80:80〜20がより好ましく、40〜70:60〜30が特に好ましい。前記スチレン類の配合量が少なすぎて前記共重合組成比が10:90を外れると、得られるバインダーを含有する感光層の現像時間が短すぎることがあり、また、逆に前記スチレン類の配合量が多すぎて前記共重合組成比が90:10を外れると、得られるバインダーを含有する感光層の現像性が劣ることがある。
前記スチレン類と二塩基性不飽和カルボン酸化合物との共重合体のうち、特に好ましい具体例としては、スチレン−マレイン酸モノメチルエステル共重合体(スチレン:マレイン酸モノメチルエステル(モル比)=50:50、Tg=393K、質量平均分子量=5,900)、スチレン−マレイン酸モノメチルエステル共重合体(スチレン:マレイン酸モノメチルエステル(モル比)=67:33、Tg=388K、質量平均分子量=6,400)を挙げることができる。
−−カルボキシル基含有バインダーとエポキシ化合物との反応−−
前記バインダーは、前記カルボキシル基含有共重合体を合成後に、更に前記飽和エポキシ化合物を開環付加反応させて得ることができる。
前記カルボキシル基含有バインダーと前記エポキシ化合物との開環付加反応においては、通常、反応溶媒が使用される。前記カルボキシル基含有共重合体と前記飽和エポキシ化合物との開環付加反応に用いる反応溶媒としては、モノマーおよび重合体を溶解するものであれば特に制限なく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、メチルプロピレングリコール、メチルジプロピレングリコール等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノアルキルアセテート、ジプロピレングリコールモノアルキルアセテート、メチルプロピレングリコールアセテート等のエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;四塩化炭素、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素;などが用いられる。これらの中でも、反応温度より高い沸点を有し、かつ原料及び生成物を溶解するものがより好ましい。これらの反応溶媒は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記反応溶媒中の前記共重合体樹脂濃度としては、20〜60質量%が好ましい。該樹脂濃度が20質量%未満であると、十分な反応速度が得られないことがあり、60質量%を超えると、反応中にゲル化物が生じる恐れがある。
前記スチレン類と二塩基性不飽和カルボン酸化合物との共重合体と前記飽和エポキシ化合物との開環付加反応における反応温度としては、60〜130℃が好ましく、90〜120℃がより好ましい。該反応温度が60℃未満であると、実用上十分な反応速度が得られないことがあり、130℃を超えると、熱によるラジカル重合によって二重結合部が架橋し、ゲル化物が生じる恐れがある。
前記カルボキシル基含有共重合体と前記飽和エポキシ化合物との開環付加反応は、十分な反応速度を得るために、触媒を用いて行うのが好ましい。該触媒としては、ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、トリ−n−オクチルアミン等の3級アミン;テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩;テトラメチル尿素等のアルキル尿素;テトラメチルグアニジン等のアルキルグアニジン;トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等のホスフィン類;ジメチルスルフィド、ジフェニルスルフィド等のスルフィド類及びこれらの塩;などが挙げられる。これらの中でも、トリフェニルホスフィンがより好ましい。これらの触媒は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記触媒の含有量としては、前記飽和エポキシ化合物に対して、通常、0.01〜10質量%が好ましく、0.5〜5.0質量%がより好ましい。該含有量が飽和エポキシ化合物に対して0.01質量%未満であると、十分な反応速度が得られないことがあり、10質量%を超えると、生成した樹脂の諸物性に悪影響を及ぼす恐れがある。
以上のようにして得られる前記バインダーの酸価としては、50〜250mgKOH/gが好ましく、70〜220mgKOH/gがより好ましく、90〜190mgKOH/gが特に好ましい。該酸価が50mgKOH/g未満であると、希アルカリ水溶液での未硬化膜の除去が難しくなることがあり、250mgKOH/gを超えると、光硬化皮膜の耐現像性が劣ることがある。
なお、前記バインダーの酸価とは、1gの樹脂A中のカルボン酸の酸性を中和するのに必要な水酸化カリウムの質量(g)であり、JIS K0070に準じて通常の中和滴定法により測定することができる。
<<重合性化合物>>
前記重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ウレタン基を有する化合物、アリール基を有する化合物、ポリアルキレンオキサイド鎖を有する化合物、などを好適に挙げることができる。これらの重合性化合物は、1種単独で使用してもよいが、2種以上を併用してもよい。また、その他の重合性化合物と併用してもよい。
前記重合性化合物は、重合性基を2種以上有することが好ましい。
前記重合性基としては、例えば、エチレン性不飽和結合(例えば、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、スチリル基、ビニルエステルやビニルエーテル等のビニル基、アリルエーテルやアリルエステル等のアリル基など)、重合可能な環状エーテル基(例えば、エポキシ基、オキセタン基等)などが挙げられ、これらの中でもエチレン性不飽和結合がより好ましい。
−ウレタン基を有する化合物−
前記ウレタン基を有する化合物としては、ウレタン基を有する限り、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、特公昭48−41708号公報、特開昭51−37193号公報、特公平5−50737号公報、特公平7−7208号公報、特開2001−154346号公報、特開2001−356476号公報等に記載されている化合物などが挙げられ、例えば、分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物と分子中に水酸基を有するビニルモノマーとの付加物などが挙げられる。
前記分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’ジメチル−4,4’−ジフェニルジイソシアネート等のジイソシアネート;該ジイソシアネートを更に2官能アルコールとの重付加物(この場合も両末端はイソシアネート基);該ジイソシアネートのビュレット体やイソシアヌレート等の3量体;該ジイソシアネート若しくはジイソシアネート類と、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、グリセリン等の多官能アルコール、又はこれらのエチレンオキシド付加物等の得られる他官能アルコールとの付加体などが挙げられる。
前記分子中に水酸基を有するビニルモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体(ランダム、ブロック等)などの異なるアルキレンオキシド部を有するジオール体の片末端(メタ)アクリレート体などが挙げられる。
また、前記ウレタン基を有する化合物としては、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジ(メタ)アクリル化イソシアヌレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸のトリ(メタ)アクリレート等のイソシアヌレート環を有する化合物が挙げられる。これらの中でも、下記構造式(3)、及び構造式(4)のいずれかで表される化合物がより好ましく、テント性の観点から、前記構造式(4)で示される化合物を少なくとも含むことが特に好ましい。また、これらの化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ただし、前記構造式(3)及び(4)中、R、R、及びRは、それぞれ水素原子及びメチル基のいずれかを表す。X、X、及びXは、アルキレンオキサイドを表し、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記アルキレンオキサイド基としては、例えば、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基、ペンチレンオキサイド基、ヘキシレンオキサイド基、これらを組み合わせた基(ランダム、ブロックのいずれに組み合わされてもよい)などが好適に挙げられ、これらの中でも、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基、及びこれらの組み合わせた基のいずれかがより好ましく、エチレンオキサイド基、及びプロピレンオキサイド基のいずれかが特に好ましい。
前記構造式(3)及び(4)中、m、m、及びmは、1〜60のいずれかの整数を表し、2〜30のいずれかの整数が好ましく、4〜15のいずれかの整数がより好ましい。
前記構造式(3)及び(4)中、Y及びYは、炭素原子数2〜30の2価の有機基を表し、例えば、アルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、カルボニル基(−CO−)、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、イミノ基(−NH−)、イミノ基の水素原子が1価の炭化水素基で置換された置換イミノ基、スルホニル基(−SO−)、これらを組み合わせた基、など好適に挙げられ、これらの中でも、アルキレン基、アリーレン基、及びこれらを組み合わせた基のいずれかがより好ましい。
前記アルキレン基としては、分岐構造及び環状構造のいずれかを有していてもよく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ネオペンチレン基、ヘキシレン基、トリメチルヘキシレン基、シクロへキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、2−エチルヘキシレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基、オクタデシレン基、又は下記に示すいずれかの基などが好適に挙げられる。
前記アリーレン基としては、炭化水素基で置換されていてもよく、例えば、フェニレン基、トリレン基、ジフェニレン基、ナフチレン基、下記に示す基、などが好適に挙げられる。
前記これらを組み合わせた基としては、例えば、キシリレン基などが挙げられる。
前記アルキレン基、アリーレン基、及びこれらを組み合わせた基としては、更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アリール基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−エトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ブチリルオキシ基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)などが挙げられる。
前記構造式(3)及び(4)中、nは3〜6の整数を表し、重合性化合物を合成するための原料供給性などの観点から、3、4及び6のいずれかが好ましい。
前記構造式(3)及び(4)中、Zはn価(3価〜6価)の連結基を表し、例えば、下記に示すいずれかの基などが挙げられる。
ただし、Xは、アルキレンオキサイドを表す。mは、1〜20のいずれかの整数を表す。nは、3〜6のいずれかの整数を表す。Aは、n価(3価〜6価)の有機基を表す。
前記Aとしては、例えば、n価の脂肪族基、n価の芳香族基、若しくは、これらとアルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子、イミノ基、イミノ基の水素原子が1価の炭化水素基で置換された置換イミノ基、又はスルホニル基とを組み合わせた基が好ましく、n価の脂肪族基、n価の芳香族基、若しくはこれらとアルキレン基、アリーレン基、又は酸素原子とを組み合わせた基がより好ましく、n価の脂肪族基、n価の脂肪族基とアルキレン基又は酸素原子とを組み合わせた基が特に好ましい。
前記Aの炭素原子数としては、例えば、1〜100のいずれかの整数が好ましく、1〜50のいずれか整数がより好ましく、3〜30のいずれかの整数が特に好ましい。
前記n価の脂肪族基としては、分岐構造及び環状構造のいずれかを有していてもよい。
前記脂肪族基の炭素原子数としては、例えば、1〜30のいずれか整数が好ましく、1〜20いずれかの整数がより好ましく、3〜10のいずれかの整数が特に好ましい。
前記芳香族基の炭素原子数としては、6〜100のいずれかの整数が好ましく、6〜50のいずれかの整数がより好ましく、6〜30のいずれかの整数が特に好ましい。
前記n価の脂肪族基、又は芳香族基は、更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アリール基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−エトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ブチリルオキシ基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)などが挙げられる。
前記アルキレン基は、分岐構造及び環状構造のいずれかを有していてもよい。
前記アルキレン基の炭素原子数としては、例えば、1〜18のいずれかの整数が好ましく、1〜10のいずれかの整数がより好ましい。
前記アリーレン基は、炭化水素基で更に置換されていてもよい。
前記アリーレン基の炭素原子数としては、6〜18のいずれかの整数が好ましく、6〜10のいずれかの整数がより好ましい。
前記置換イミノ基の1価の炭化水素基の炭素原子数としては、1〜18のいずれかの整数が好ましく、1〜10のいずれかの整数がより好ましい。
前記Aの好ましい例は以下の通りである。
前記構造式(3)及び(4)で表される化合物としては、具体的には、下記構造式(5)〜(24)で表される化合物などが挙げられる。
ただし、前記構造式(5)〜(24)中、n、n、n及びmは、1〜60のいずれかの整数を表し、lは、1〜20のいずれかの整数を表し、Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表す。
前記ウレタン基を有する化合物の前記重合性化合物中における含有量は、70質量%以下が好ましく、20〜60質量%がより好ましく、30〜50質量%が更に好ましい。前記含有量が70質量%を超えると、解像、密着性などが悪化する場合がある。
−アリール基を有する化合物−
前記アリール基を有する化合物としては、アリール基を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アリール基を有する多価アルコール化合物、多価アミン化合物及び多価アミノアルコール化合物の少なくともいずれかと、不飽和カルボン酸とのエステル又はアミドなどが挙げられる。
前記アリール基を有する多価アルコール化合物、多価アミン化合物又は多価アミノアルコール化合物としては、例えば、ポリスチレンオキサイド、キシリレンジオール、ジ−(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,5−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、2、2−ジフェニル−1,3−プロパンジオール、ヒドロキシベンジルアルコール、ヒドロキシエチルレゾルシノール、1−フェニル−1,2−エタンジオール、2,3,5,6−テトラメチル−p−キシレン−α,α’−ジオール、1,1,4,4−テトラフェニル−1,4−ブタンジオール、1,1,4,4−テトラフェニル−2−ブチン−1,4−ジオール、1,1’−ビ−2−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン、1,1’−メチレン−ジ−2−ナフトール、1,2,4−ベンゼントリオール、ビフェノール、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(ヒドロキシフェニル)メタン、カテコール、4−クロルレゾルシノール、ハイドロキノン、ヒドロキシベンジルアルコール、メチルハイドロキノン、メチレン−2,4,6−トリヒドロキシベンゾエート、フロログリシノール、ピロガロール、レゾルシノール、α−(1−アミノエチル)−p−ヒドロキシベンジルアルコール、α−(1−アミノエチル)−p−ヒドロキシベンジルアルコール、3−アミノ−4−ヒドロキシフェニルスルホン、などが挙げられる。また、この他、キシリレンビス(メタ)アクリルアミド、ノボラック型エポキシ樹脂やビスフェノールAジグリシジルエーテル等のグリシジル化合物にα、β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物、フタル酸やトリメリット酸などと分子中に水酸基を含有するビニルモノマーから得られるエステル化物、フタル酸ジアリル、トリメリット酸トリアリル、ベンゼンジスルホン酸ジアリル、重合性化合物としてカチオン重合性のジビニルエーテル類(例えば、ビスフェノールAジビニルエーテル)、エポキシ化合物(例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等)、ビニルエステル類(例えば、ジビニルフタレート、ジビニルテレフタレート、ジビニルベンゼン−1,3−ジスルホネート等)、スチレン化合物(例えば、ジビニルベンゼン、p−アリルスチレン、p−イソプロペンスチレン等)が挙げられる。これらの中でも下記構造式(25)で表される化合物がより好ましい。
前記構造式(25)中、R4、Rは、水素原子及びアルキル基のいずれかを表す。
前記構造式(25)中、X及びXは、アルキレンオキサイド基を表し、1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。該アルキレンオキサイド基としては、例えば、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基、ペンチレンオキサイド基、ヘキシレンオキサイド基、これらを組み合わせた基(ランダム、ブロックのいずれに組み合わされてもよい)、などが好適に挙げられ、これらの中でも、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基、及びこれらを組み合わせた基のいずれかがより好ましく、エチレンオキサイド基、及びプロピレンオキサイド基のいずれかが特に好ましい。
前記構造式(25)中、m、及びmは、1〜60のいずれかの整数を表し、2〜30のいずれかの整数がより好ましく、4〜15のいずれかの整数が特に好ましい。
前記構造式(25)中、Tは、2価の連結基を表し、例えば、メチレン、エチレン、MeCMe、CFCCF、CO、SO、などが挙げられる。
前記構造式(25)中、Ar及びArは、置換基を有していてもよいアリール基を表し、例えば、フェニレン、ナフチレン、などが挙げられる。前記置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン基、アルコキシ基、これらの組合せなどが挙げられる。
前記アリール基を有する化合物の具体例としては、2,2−ビス〔4−(3−(メタ)アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリルオキシエトキシ)フェニル〕プロパン、フェノール性のOH基1個に置換したエトキシ基の数が2から20である2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシポリエトキシ)フェニル)プロパン(例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン等)、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリルオキシプロポキシ)フェニル〕プロパン、フェノール性のOH基1個に置換させたエトキシ基の数が2から20である2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン(例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシジプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタデカプロポキシ)フェニル)プロパン等)、これらの化合物のポリエーテル部位として同一分子中にポリエチレンオキシド骨格とポリプロピレンオキシド骨格の両方を含む化合物(例えば、WO01/98832号公報に記載の化合物、などが挙げられる。また、前記アリール基を有する化合物は、市販品として、新中村化学工業社製、BPE−200、BPE−500、BPE−1000、第一工業製薬社製、BPEM−10、BPE−4、BPE−10、BPE−20)、ビスフェノール骨格とウレタン基とを有する重合性化合物などが挙げられる。なお、これらは、ビスフェノールA骨格に由来する部分をビスフェノールF、ビスフェノールS等に変更した化合物であってもよい。
前記ビスフェノール骨格とウレタン基とを有する重合性化合物としては、例えば、ビスフェノールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等との付加物、重付加物として得られる末端に水酸基を有する化合物にイソシアネート基と重合性基とを有する化合物(例えば、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、α、α−ジメチル−ビニルベンジルイソシアネート等)などが挙げられる。
前記アリール基を有する化合物の前記重合性化合物中における含有量は、70質量%以下が好ましく、20〜60質量%がより好ましく、30〜50質量%が更に好ましい。前記含有量が70質量%を超えると、解像、密着性、テント性などが悪化する場合がある。
−−ポリアルキレンオキサイド鎖を有する化合物−−
前記ポリアルキレンオキサイド鎖を有する化合物としては、特に制限はなく、単官能モノマーであってもよいし、多官能モノマーであってもよい。
前記単官能モノマーとしては、例えば、下記構造式(i)で表される化合物が好適に挙げられる。
前記構造式(i)において、Rは、水素原子及びメチル基いずれかを表す。
Xは、炭素原子数が2〜6のアルキレン基を表し、環状構造よりも鎖状構造を有していることが好ましい。鎖状アルキレン基は、分岐を有していてもよい。該アルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、などが挙げられるが、これらの中でもエチレン基及びプロピレン基がより好ましい。
nは、1〜30の整数であって、nが2以上の場合、複数の(−X−O−)は互いに同一であっても、異なってもよく、(−X−O−)は互いに異なる場合には、例えば、エチレン基とプロピレン基との組み合わせなどが好適に挙げられる。
また、前記構造式(i)において、Rとしては、例えば、アルキル基、アリール基、アラルキル基などが挙げられ、これらの基は更に置換基により置換されていてもよい。
前記アルキル基としては、炭素数が1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、などが挙げられる。該アルキル基は、置換基を有してもよく、分岐や環構造を有していてもよい。
前記アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、などが挙げられる。該アラルキル基は置換基を有していてもよい。
前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、メトキシフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、クロロフェニル基、シアノフェニル基、ジブロモフェニル基、トリブロモフェニル基、ビフェニリル基、ベンジルフェニル基、α−ジメチル−ベンジルフェニル基、などが挙げられる。該アリール基は置換基を有していてもよい。
前記アルキル基、アラルキル基、及びアリール基における置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、シアノ基、などが挙げられる。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、などが挙げられる。
前記アリール基は、総炭素数6〜20が好ましく、6〜14がより好ましい。該アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、メトキシフェニル基、などが挙げられる。
前記アルケニル基としては、総炭素数2〜10が好ましく、2〜6がより好ましい。該アルケニル基としては、例えば、エチニル基、プロペニル基、ブチリル基などが挙げられる。
前記アルコキシ基としては、分岐していてもよく、総炭素数としては1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。該アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、2−メチルプロピルオキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。
前記構造式(i)で表される化合物としては、具体的には、下記構造式で表される化合物、などが挙げられる。ただし、下記式中、Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表す。nは1〜30のいずれかの整数を表し、m及びLはそれぞれ1以上の整数を表し、m+Lは1〜30のいずれかの整数を表す。Meはメチル基を表し、Buはブチル基を表す。
また、ポリアルキレンオキサイド鎖を有する化合物において、エチレン基及びプロピレン基の少なくともいずれかを有する化合物として、エチレン基又はプロピレン基の数が10〜30である、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールも好適に挙げられる。
前記ポリアルキレンオキサイド鎖を有する化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多官能モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜30であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール#400ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#600ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#1000ジメタクリレート等)、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜18であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(例えば、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ドデカプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等)、エチレングリコール鎖/プロピレングリコール鎖を少なくとも各々一つずつ有するアルキレングリコール鎖のジ(メタ)アクリレート(例えば、国際公開第01/98832号パンフレットに記載の化合物等)、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらの中でも、その入手の容易さ等の観点から、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコール鎖/プロピレングリコール鎖を少なくとも各々一つずつ有するアルキレングリコール鎖のジ(メタ)アクリレートなどがより好ましい。
前記ポリアルキレンオキサイド鎖を有する化合物の前記重合性化合物中における含有量は、0.1〜40質量%以下が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、1〜25質量%が更に好ましい。前記含有量が0.1質量%未満であると、剥離性や現像ラチチュード改良の効果が不十分になる場合があり、40質量%を超えると、解像、密着性、テント性などが悪化する場合がある。
−その他の重合性化合物−
本発明のパターン形成材料には、前記の重合性化合物以外の重合性化合物を用いてもよい。例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と多価アミン化合物とのアミドなどが挙げられる。
前記不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステルのモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルとして、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ベンタンジオール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、キシレノールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステル類の中でも、その入手の容易さ等の観点から、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジグリセリンジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどが好ましい。
前記イタコン酸と前記脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(イタコン酸エステル)としては、例えば、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4ーブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、及びソルビトールテトライタコネートなどが挙げられる。
前記クロトン酸と前記脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(クロトン酸エステル)としては、例えば、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネートなどが挙げられる。
前記イソクロトン酸と前記脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(イソクロトン酸エステル)としては、例えば、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネートなどが挙げられる。
前記マレイン酸と前記脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(マレイン酸エステル)としては、例えば、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレートなどが挙げられる。
前記多価アミン化合物と前記不飽和カルボン酸類から誘導されるアミドとしては、例えば、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、オクタメチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミンビス(メタ)アクリルアミド、などが挙げられる。
また、上記以外にも、前記重合性化合物として、例えば、ブタンジオール−1,4−ジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等のグリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているようなポリエステルアクリレートやポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー類、エポキシ化合物(例えば、ブタンジオール−1,4−ジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル)と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレート、日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に記載の光硬化性モノマー及びオリゴマー、アリルエステル(例えば、フタル酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、マロン酸ジアリル、ジアリルアミド(例えば、ジアリルアセトアミド等)、カチオン重合性のジビニルエーテル類(例えば、ブタンジオール−1,4−ジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル等)、エポキシ化合物(例えば、ブタンジオール−1,4−ジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等)、オキセタン類(例えば、1,4−ビス〔(3−エチルー3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン等)、エポキシ化合物、オキセタン類(例えば、WO01/2165号公報に記載の化合物)、N−β−ヒドロキシエチル−β−(メタクリルアミド)エチルアクリレート、N,N−ビス(β−メタクリロキシエチル)アクリルアミド、アリルメタクリレート等の異なったエチレン性不飽和二重結合を2個有する化合物などが挙げられる。
前記ビニルエステル類としては、例えば、ジビニルサクシネート、ジビニルアジペートなどが挙げられる。
これらの重合性化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記重合性化合物の前記感光層における含有量は、例えば、5〜90質量%が好ましく、15〜60質量%がより好ましく、20〜50質量%が特に好ましい。
前記含有量が、5質量%となると、テント膜の強度が低下することがあり、90質量%を超えると、保存時のエッジフュージョン(ロール端部からのしみだし故障)が悪化することがある。
<<光重合開始剤>>
前記光重合開始剤としては、前記重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、公知の光重合開始剤の中から適宜選択することができるが、例えば、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましく、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、重合性化合物の種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
また、前記光重合開始剤は、約300〜800nm(より好ましくは330〜500nm)の範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する成分を少なくとも1種含有していることが好ましい。
前記光重合開始剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有するもの、オキサジアゾール骨格を有するもの、オキサジアゾール骨格を有するもの等)、ホスフィンオキサイド、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、アシルホスフィンオキシド化合物、芳香族オニウム塩、ケトオキシムエーテルなどが挙げられる。
前記トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素化合物としては、例えば、若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物、英国特許第1388492号明細書に記載の化合物、特開昭53−133428号公報記載の化合物、独国特許第3337024号明細書に記載の化合物、F.C.Schaefer等によるJ.Org.Chem.;29、1527(1964)記載の化合物、特開昭62−58241号公報に記載の化合物、特開平5−281728号公報に記載の化合物、特開平5−34920号公報に記載の化合物、米国特許第4212976号明細書に記載の化合物、などが挙げられる。
前記若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物としては、例えば、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−クロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−トリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジクロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−n−ノニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロルエチル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記英国特許第1388492号明細書に記載の化合物としては、例えば、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メチルスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシスチリル)−4−アミノ−6−トリクロルメチル−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記特開昭53−133428号公報に記載の化合物としては、例えば、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(アセナフト−5−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記独国特許第3337024号明細書に記載の化合物としては、例えば、2−(4−スチリルフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−メトキシスチリル)フェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(1−ナフチルビニレンフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−クロロスチリルフェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−チオフェン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−チオフェン−3−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−フラン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、などが挙げられる。
前記F.C.Schaefer等によるJ.Org.Chem.;29、1527(1964)記載の化合物としては、例えば、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−メチル−6−トリ(ブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−メトキシ−4−メチル−6−トリクロロメチル−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記特開昭62−58241号公報に記載の化合物としては、例えば、2−(4−フェニルエチニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−ナフチル−1−エチニルフェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−トリルエチニル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−メトキシフェニル)エチニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−イソプロピルフェニルエチニル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−エチルフェニルエチニル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記特開平5−281728号公報に記載の化合物としては、例えば、2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジクロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジブロモフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記特開平5−34920号公報に記載の化合物としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチルアミノ)−3−ブロモフェニル]−1,3,5−トリアジン、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−s−トリアジン化合物、更に2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジンなどが挙げられる。
前記米国特許第4212976号明細書に記載の化合物としては、例えば、オキサジアゾール骨格を有する化合物(例えば、2−トリクロロメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール;2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−n−ブトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール等)などが挙げられる。
前記ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビスイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’─テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−シアノフェニル)−4,4’,5.5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−シアノフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−エチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−エチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−エチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−フェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−フェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−フェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’─テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−シアノフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジシアノフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリシアノフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−エチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジエチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリエチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−フェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジフェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリフェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾールが挙げられる。
前記オキシム誘導体としては、例えば、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノブタン−2−オン、2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オンなどが挙げられる。
また、上記以外の光重合開始剤として、アシルホスフィンオキサイド類が用いられ、例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフェニルホスフィンオキサイド、LucirinTPOなどが挙げられる。
さらに、上記以外の光重合開始剤として、N−フェニルグリシンなど、ポリハロゲン化合物(例えば、四臭化炭素、フェニルトリブロモメチルスルホン、フェニルトリクロロメチルケトンなど)、アミン類(例えば、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸n−ブチル、4−ジメチルアミノ安息香酸フェネチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−フタルイミドエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−メタクリロイルオキシエチル、ペンタメチレンビス(4−ジメチルアミノベンゾエート)、3−ジメチルアミノ安息香酸のフェネチル、ペンタメチレンエステル、4−ジメチルアミノベンズアルデヒド、2−クロル−4−ジメチルアミノベンズアルデヒド、4−ジメチルアミノベンジルアルコール、エチル(4−ジメチルアミノベンゾイル)アセテート、4−ピペリジノアセトフェノン、4−ジメチルアミノベンゾイン、N,N−ジメチル−4−トルイジン、N,N−ジエチル−3−フェネチジン、トリベンジルアミン、ジベンジルフェニルアミン、N−メチル−N−フェニルベンジルアミン、4−ブロム−N,N−ジメチルアニリン、トリドデシルアミン、クリスタルバイオレットラクトン、ロイコクリスタルバイオレットなど)、メタロセン類(例えば、ビス(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフロロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、η−シクロペンタジエニル−η−クメニル−アイアン(1+)−ヘキサフロロホスフェート(1−)など)、特開昭53−133428号公報、特公昭57−1819号公報、同57−6096号公報、米国特許第3615455号明細書に記載された化合物などが挙げられる。
前記ケトン化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン、2−エトキシカルボニルベンゾルフェノン、ベンゾフェノンテトラカルボン酸又はそのテトラメチルエステル、4,4’−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン類(例えば、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビスジシクロヘキシルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジヒドロキシエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンジル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、フェナントラキノン、フルオレノン、2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノールオリゴマー、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類(例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール)、などが挙げられる。
前記光重合開始剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤の特に好ましい例としては、後述する露光において、波長が405nmのレーザ光に対応可能である、前記ホスフィンオキサイド類、前記α−アミノアルキルケトン類、前記トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素化合物と後述する増感剤としてのアミン化合物とを組合せた複合光開始剤、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、あるいは、チタノセンなどが挙げられる。
前記光重合開始剤の前記感光層における含有量は、0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましく、0.5〜15質量%が特に好ましい。
<<フッ素系界面活性剤>>
前記フッ素系界面活性剤は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記構造式(1)で示されるモノマーに由来する構造単位及び下記構造式(2)で表されるモノマーに由来する構造単位の少なくともいずれかと、ポリオキシアルキレン基を有するエチレン不飽和モノマーに由来する構造単位とを有する共重合体が好ましい。
ただし、前記構造式(1)及び(2)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原子及びメチル基のいずれかを表す。X及びXは、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、酸素原子及びNRのいずれかを表す。該Rは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、及び炭素数7〜24のアラルキル基のいずれかを表す。Z及びZは、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子の少なくともいずれかを有する置換基を表す。Rは、水素原子及びフッ素原子のいずれかを表す。l、n、p及びrは、0〜10のいずれかの整数を表す。m及びqは、0及び1のいずれかの整数を表す。o、s及びtは、1〜10のいずれかの整数を表す。
前記構造式(1)又は(2)で表されるモノマーとしては、具体的には、下記構造式(26)〜(44)で表されるモノマーなどを挙げることができる。
ただし、前記構造式(42)〜(44)において、Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表す。
次に、前記ポリオキシアルキレン基を有するエチレン性不飽和モノマーについて説明する。本明細書において前記ポリオキシアルキレン基を有するエチレン性不飽和モノマーとは、分子中にエチレン性不飽和基とポリオキシアルキレン基とを有する共重合可能なモノマーを意味し、このような化合物であれば特に制限はない。
前記エチレン性不飽和基としては、例えば、原料の入手性、感光性樹脂組成物中の配合物に対する相溶性、そのような相溶性を制御することの容易性、或いは重合反応性の観点から、(メタ)アクリルエステル基及びその類縁基のいずれかが挙げられる。
前記ポリオキシアルキレン基は、(OR)xで表すことができ、該Rは、2〜4の炭素原子を有するアルキレン基を表し、具体的には、−CHCH−、−CHCHCH−、−CH(CH)CH−、−CHCHCHCH−、−CH(CH)CH(CH)−が挙げられる。前記xは、整数を表し、2〜50のいずれかの整数が好ましく3〜30のいずれかの整数がより好ましい。また、前記xが2以上の整数である場合、前記Rは互いに同一であってもよく異なっていてもよい。すなわち、前記ポリオキシアルキレン基中のオキシアルキレン単位は、ポリオキシプロピレンのように、同一のオキシアルキレン単位のみで構成されてもよく、オキシプロピレン単位とオキシエチレン単位とが連結したもののように、異なる2種以上のオキシアルキレン単位が規則的又は不規則に連結したものでもよい。
前記ポリオキシアルキレン基の末端に結合する原子又は基としては、特に制限はなく、水素原子であってもよく、他の任意の基であってもよいが、水素原子、アルキル基(例えば、炭素数1〜20のアルキル基)、アラルキル基(例えば、炭素数7〜24のアラルキル基)、アリール基(例えば、炭素数6〜10のアリール基)が好適に挙げられる。また、前記アリール基は、更にアルキル基(例えば、炭素数1〜10のアルキル基)、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
前記ポリオキシアルキレン基は、1つ又はそれ以上の連鎖結合(例えば、−CONH−Ph−NHCO−、−S−等:Phはフェニレン基を表す)を有していてもよく、また、前記ポリオキシアルキレン基を分岐鎖状とするため、連鎖結合部位に3又はそれ以上の原子価を有する原子を有していてもよい。
前記ポリオキシアルキレン基の分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、250〜3,000が好ましい。
前記ポリオキシアルキレン基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、下記構造式(45)で表される化合物が挙げられる。
ただし、前記構造式(45)中、Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表す。Xは、酸素原子及びNRのいずれかを表す。該Rは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、及び炭素数7〜24のアラルキル基のいずれかを表す。Yは、置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルキレン基を表す。Rは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、及び炭素数7〜24のアラルキル基のいずれかを表す。fは整数をし、2以上の整数の場合、Yは互いに同一であってもよく異なっていてもよい。
前記構造式(45)において、前記Yは、例えば、炭素数2〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基が好ましく、前記fは、2〜50のいずれかの整数が好ましく、3〜30のいずれかの整数がより好ましい。
前記構造式(1)(2)及び(45)における置換基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルキル基(例えば炭素数1〜12のアルキル基)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜12のアルコキシ基)、アリール基(例えば炭素数6〜12のアリール基)、スルファモイル基、カルボキシル基などが挙げられる。
前記ポリオキシアルキレン基を有するエチレン性不飽和モノマーとしてのポリ(オキシアルキレン)アクリレート及びメタクリレートの調製方法としては、例えば、市販のヒドロキシポリ(オキシアルキレン)材料、例えば、旭電化工業(株)製、プルロニック、アデカポリエーテル;グリコ・プロダクス社製、カルボワックス;Rohm and Haas社製、トリトン;第一工業製薬(株)製、P.E.G等を公知の方法によりアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸クロリド、メタクリル酸クロリド、無水アクリル酸等と反応させる方法が挙げられる。また、公知の方法で製造したポリ(オキシアルキレン)ジアクリレート、ポリ(オキシアルキレン)ジメタクリレート等を用いることもできる。
前記ポリオキシアルキレン基を有するエチレン性不飽和モノマーの市販品としては、例えば、日本油脂株式会社製の水酸基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとして、ブレンマーPE−90、ブレンマーPE−200、ブレンマーPE−350、ブレンマーAE−90、ブレンマーAE−200、ブレンマーAE−400、ブレンマーPP−1000、ブレンマーPP−500、ブレンマーPP−800、ブレンマーAP−150、ブレンマーAP−400、ブレンマーAP−550、ブレンマーAP−800、ブレンマー50PEP−300、ブレンマー70PEP−350B、ブレンマーAEPシリーズ、ブレンマー55PET−400、ブレンマー30PET−800、ブレンマー55PET−800、ブレンマーAETシリーズ、ブレンマー30PPT−800、ブレンマー50PPT−800、ブレンマー70PPT−800、ブレンマーAPTシリーズ、ブレンマー10PPB−500B、ブレンマー10APB−500B等が挙げられる。
また、前記ポリオキシアルキレン基を有するエチレン性不飽和モノマーの市販品としては、更に、日本油脂株式会社製のアルキル末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしてブレンマーPME−100、ブレンマーPME−200、ブレンマーPME−400、ブレンマーPME−1000、ブレンマーPME−4000、ブレンマーAME−400、ブレンマー50POEP−800B、ブレンマー50AOEP−800B、ブレンマーPLE−200、ブレンマーALE−200、ブレンマーALE−800、ブレンマーPSE−400、ブレンマーPSE−1300、ブレンマーASEPシリーズ、ブレンマーPKEPシリーズ、ブレンマーAKEPシリーズ、ブレンマーANE−300、ブレンマーANE−1300、ブレンマーPNEPシリーズ、ブレンマーPNPEシリーズ、ブレンマー43ANEP−500、ブレンマー70ANEP−550等;共栄社化学株式会社製、ライトエステルMC、ライトエステル130MA、ライトエステル041MA、ライトアクリレートBO−A、ライトアクリレートEC−A、ライトアクリレートMTG−A、ライトアクリレート130A、ライトアクリレートDPM−A、ライトアクリレートP−200A、ライトアクリレートNP−4EA、ライトアクリレートNP−8EA等が挙げられる。
上述の前記ポリオキシアルキレン基を有するエチレン性不飽和モノマーは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記フッ素系界面活性剤としての前記共重合体の好ましい例としては、例えば、前記構造式(1)で表されるモノマーと、ポリ(オキシエチレン)アクリレート及びポリ(オキシエチレン)メタクリレートの少なくともいずれかと、ポリ(オキシアルキレン)アクリレート及びポリ(オキシアルキレン)メタクリレートの少なくともいずれかとの3種以上のモノマーを共重合した共重合体が挙げられる。なお、この場合、前記ポリ(オキシアルキレン)アクリレート及びポリ(オキシアルキレン)メタクリレートは、前記ポリ(オキシエチレン)アクリレート及びポリ(オキシエチレン)メタクリレート以外のポリ(オキシアルキレン)アクリレート及びポリ(オキシアルキレン)メタクリレートである。
前記共重合体は、前記構造式(1)及び(2)の少なくともいずいれかのモノマーに由来する構造単位及び前記ポリオキシアルキレン基を有するエチレン性不飽和モノマーに由来する構造単位の他に、これらと共重合可能な他のモノマーに由来する構造単位を更に有する共重合体であってもよい。
前記共重合可能な他のモノマーの共重合比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、全モノマー中、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
前記共重合可能な他のモノマーとしては、例えば、Polymer Handbook 2nd ed., J. Brandrup, WileyInterscience(1975), Chapter 2, P1〜483記載のものが挙げられ、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、イタコン酸ジアルキル類、フマール酸のジアルキルエステル類及びモノアルキルエステル類等から選択され、かつ付加重合性不飽和結合を少なくとも1個有する化合物などが挙げられる。
前記アクリル酸エステル類の付加重合性不飽和結合を少なくとも1個有する化合物としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、クロルエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等、メタクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、クロルエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ベンジルメタクリレート、メトキシベンジルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレートなどが挙げられる。
前記アクリルアミド類の付加重合性不飽和結合を少なくとも1個有する化合物としては、例えば、アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド(例えば、アルキル基として炭素数1〜3のもの)、N,N−ジアルキルアクリルアミド(例えば、アルキル基として炭素数1〜3のもの)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミドなどが挙げられる。
前記メタクリルアミド類の付加重合性不飽和結合を少なくとも1個有する化合物としては、例えば、メタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド(例えば、アルキル基として炭素数1〜3のもの)、N,N−ジアルキルメタクリルアミド(例えば、アルキル基としては炭素数1〜3のもの)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルメタクリルアミドなどが挙げられる。
前記アリル化合物の付加重合性不飽和結合を少なくとも1個有する化合物としては、例えば、アリルエステル類(例えば、酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリル等)、アリルオキシエタノールなどが挙げられる。
前記ビニルエーテル類の付加重合性不飽和結合を少なくとも1個有する化合物としては、例えば、アルキルビニルエーテル(例えば、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル等ビニルエステル類:ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレートなどが挙げられる。
前記イタコン酸ジアルキル類の付加重合性不飽和結合を少なくとも1個有する化合物としては、例えば、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
前記フマール酸のジアルキルエステル類又はモノアルキルエステル類の付加重合性不飽和結合を少なくとも1個有する化合物としては、例えば、ジブチルフマレート、クロトン酸、イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイロニトリル、スチレンなどが挙げられる。
前記構造式(1)で表されるモノマー及び構造式(2)で表されるモノマーの少なくともいずれかの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記共重合体の全質量に対して5〜90質量%が好ましく、10〜80質量%がより好ましく、20〜70質量%が更に好ましく、40〜70質量%が特に好ましい。
前記ポリオキシアルキレン基を有するエチレン性不飽和モノマーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記共重合体の全質量に対して、10〜95質量%が好ましく、15〜70質量%がより好ましく、20〜60質量%が特に好ましい。
前記共重合体の質量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、3,000〜100,000が好ましく、6,000〜80,000がより好ましい。前記共重合体は、ブロック、ランダム、グラフトのいずれの共重合体であってよいが、ランダム共重合体が好ましい。
前記共重合体の調製方法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ラジカル重合法、カチオン重合法、アニオン重合法等の重合機構に基づき、溶液重合法、塊状重合法、エマルジョン重合法、滴下重合法等によって調製することができるが、これらの中でも、ラジカル重合法がより好ましい。
前記ラジカル重合法を使用する調製方法の一例としては、前記フルオロ脂肪族基を有する(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレン基を有する(メタ)アクリレート等のモノマーを有機溶媒中、汎用のラジカル重合開始剤を添加し、重合させることにより前記共重合体を調製することができる。また、この場合に、その他の付加重合性不飽和化合物を添加して上記と同じ方法により調製することができる。
また、前記調製方法とは別に、光増感剤や光開始剤の存在下での光重合又は放射線や熱をエネルギー源とする重合によっても前記共重合体を調製することができる。
前記共重合体の調製に用いる重合開始剤としては、特に制限はなく、公知の重合開始剤の中から適宜選択することができるが、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ジアシル等の過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、フェニルアゾトリフェニルメタン等のアゾ化合物;Mn(acac)等の金属キレート化合物;リビングラジカル重合を引き起こす遷移金属触媒などが挙げられる。
また、前記共重合体の調製には、必要に応じて、ラウリルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、エチルチオグリコール酸、オクチルチオグリコール酸、カップリング基含有チオール化合物(例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等)の連鎖移動剤等の添加剤を使用することができる。
前記共重合体の調製は、溶媒の存在下であってもよく、溶媒非存在下であってもよいが、作業性等の観点から溶媒の存在下が好ましい。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、iso−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のエステル類、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−オキシプロピオン酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル等のモノカルボン酸エステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の極性溶剤、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、エチルセロソルブアセテート等のエーテル類、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコール類及びそのエステル類、1,1,1−トリクロルエタン、クロロホルム等のハロゲン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族類、更にパーフロロオクタン、パーフロロトリ−n−ブチルアミン等のフッ素化イナートリキッド類等が挙げられる。
前記共重合体は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用して使用してもよい。
前記共重合体は、ダイキンファインケミカル、アヅマックス、ヒドラス化学、セントラル薬品、和光純薬等から市販されており、これらの市販品を使用することもできる。
前記共重合体の前記感光層に対する含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.001〜10質量%が好ましい。
前記含有量が、0.001質量%未満では、前記感光層の面状が悪化し、該感光層の厚みが均一にならないことがあり、10質量%を超えると、前記感光層の密着性が悪化することがある。
<<その他の成分>>
前記その他の成分としては、例えば、還元剤、水素供与体、増感剤、重合禁止剤、可塑剤、発色剤、着色剤、などが挙げられ、更に基材表面への密着促進剤及びその他の助剤類(例えば、顔料、導電性粒子、充填剤、消泡剤、難燃剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、熱架橋剤、表面張力調整剤、連鎖移動剤等)を併用してもよい。これらの成分を適宜含有させることにより、目的とするパターン形成材料の安定性、写真性、焼きだし性、膜物性等の性質を調整することができる。
−還元剤及び水素供与体化合物−
前記還元剤としては、フリーラジカルと反応することができ、前記発色剤の発色を抑制することができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、アルキル置換ハイドロキノン、カテコール、アルキル置換カテコール、フェノチアジン、ピロガロール、及びフェニドンなどが挙げられる。これらの中でも、フェニドンがより好ましい。
前記水素供与体化合物としては、特に制限はないが、例えば、−SH基を有する化合物、−CHX−(X=R)基(RはO、N、及びSのいずれかを含む置換基を表す)を有する化合物などが挙げられる。
前記−SH基を有する化合物としては、例えば、下記構造式で表される化合物が挙げられる。
前記−CHX−(X=R)基を有する化合物としては、例えば、N−フェニルグリシン、ジメチルアミノ桂皮酸、ジメチルアミノベンズアルデヒドなどが挙げられる。
これらの水素供与体化合物の中でも、前記還元剤と同様の観点から、N−フェニルグリシンが好ましい。
−増感剤−
前記増感剤は、後述する光照射手段として可視光線や紫外光・可視光レーザなどにより適宜選択することができる。
前記増感剤は、活性エネルギー線により励起状態となり、他の物質(例えば、ラジカル発生剤、酸発生剤等)と相互作用(例えば、エネルギー移動、電子移動等)することにより、ラジカルや酸等の有用基を発生することが可能である。
前記増感剤としては、特に制限はなく、公知の増感剤の中から適宜選択することができるが、例えば、公知の多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、インドカルボシアニン、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、アクリドン類(例えば、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドン等)、クマリン類(例えば、3−(2−ベンゾフロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン等があげられ、他に特開平5−19475号、特開平7−271028号、特開2002−363206号、特開2002−363207号、特開2002−363208号、特開2002−363209号等の各公報に記載のクマリン化合物など)が挙げられる。
前記光重合開始剤と前記増感剤との組合せとしては、例えば、特開2001−305734号公報に記載の電子移動型開始系[(1)電子供与型開始剤及び増感色素、(2)電子受容型開始剤及び増感色素、(3)電子供与型開始剤、増感色素及び電子受容型開始剤(三元開始系)]などの組合せが挙げられる。
前記増感剤の含有量としては、感光層の全成分に対し、0.05〜30質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましく、0.2〜10質量%が特に好ましい。
前記含有量が、0.05質量%未満となると、活性エネルギー線への感度が低下し、露光プロセスに時間がかかり、生産性が低下することがあり、30質量%を超えると、前記感光層から保存時に析出することがある。
−重合禁止剤−
前記重合禁止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記重合禁止剤は、前記露光により前記光重合開始剤から発生した重合開始ラジカル成分に対して水素供与(又は、水素授与)、エネルギー供与(又は、エネルギー授与)、電子供与(又は、電子授与)などを実施し、重合開始ラジカルを失活させ、重合開始を禁止する役割をはたす。
前記重合禁止剤としては、孤立電子対を有する化合物(例えば、酸素、窒素、硫黄、金属等を有する化合物)、パイ電子を有する化合物(例えば、芳香族化合物)などが挙げられ、具体的には、フェノール性水酸基を有する化合物、イミノ基を有する化合物、ニトロ基を有する化合物、ニトロソ基を有する化合物、芳香環を有する化合物、複素環を有する化合物、金属原子を有する化合物(有機化合物との錯体を含む)などが挙げられる。これらの中でも、フェノール性水酸基を有する化合物、イミノ基を有する化合物、芳香環を有する化合物、複素環を有する化合物がより好ましい。
前記フェノール性水酸基を有する化合物は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、フェノール性水酸基を少なくとも2個有する化合物が好ましい。該フェノール性水酸基を少なくとも2個有する化合物において、少なくとも2個のフェノール性水酸基は、同一の芳香環に置換されていてもよく、同一分子内における異なる芳香環に置換されているもよい。
前記フェノール性水酸基を少なくとも2個有する化合物は、例えば、下記構造式(46)で表される化合物がより好ましい。
前記構造式(46)において、Zは、置換基を表し、mは、2以上の整数を表す。nは0以上の整数を表す。該m及びnは、m+n=6となるように選ばれる整数が好ましい。また、nが2以上の整数である場合、前記Zは互いに同一であってもよく異なっていてもよい。
前記mが2未満であると、解像度が悪化することがある。
前記構造式Zにおける置換基としては、例えば、カルボキシル基、スルホ基、シアノ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、ヒドロキシ基、炭素数30以下のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基)、炭素数30以下のアリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)、炭素数30以下のアルキルスルホニルアミノカルボニル基(例えば、メチルスルホニルアミノカルボニル基、オクチルスルホニルアミノカルボニル基)、アリールスルホニルアミノカルボニル基(例えば、トルエンスルホニルアミノカルボニル基)、炭素数30以下のアシルアミノスルホニル基(例えば、ベンゾイルアミノスルホニル基、アセチルアミノスルホニル基、ピバロイルアミノスルホニル基)、炭素数30以下のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシエトキシ基、フェネチルオキシ基等)、炭素数30以下のアリールチオ基、アルキルチオ基(例えば、フェニルチオ基、メチルチオ基、エチルチオ基、ドデシルチオ基等)、炭素数30以下のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、p−トリルオキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基等)、ニトロ基、炭素数30以下のアルキル基、アルコキシカルボニルオキシ基(例えば、メトキシカルボニルオキシ基、ステアリルオキシカルボニルオキシ基、フェノキシエトキシカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、クロロフェノキシカルボニルオキシ基)、炭素数30以下のアシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等)、炭素数30以下のアシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、モルホリノカルボニル基、ピペリジノカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、モルホリノスルホニル基、ピペリジノスルホニル基等)、炭素数30以下のアルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、トルフルオロメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ドデシルスルホニル基)、アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基、ナフタレンスルホニル基、ピリジンスルホニル基、キノリンスルホニル基)、炭素数30以下のアリール基(例えばフェニル基、ジクロロフェニル基、トルイル基、メトキシフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、t−オクチルフェニル基、ナフチル基等)、置換アミノ基(例えば、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アシルアミノ基等)、置換ホスホノ基(例えば、ホスホノ基、ジエチルホスホノ基、ジフェニルホスホノ基)、複素環式基(例えば、ピリジル基、キノリル基、フリル基、チエニル基、テトラヒドロフルフリル基、ピラゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、イソキノリル基、チアジアゾリル基、モルホリノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、インドリル基、イソインドリル基、チオモルホリノ基)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、ジメチルウレイド基、フェニルウレイド基等)、スルファモイルアミノ基(例えば、ジプロピルスルファモイルアミノ基等)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、エトキシカルボニルアミノ基等)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェニルオキシカルボニルアミノ基)、アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基等)、アリールスルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル基等)、シリル基(例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ基等)等が挙げられる。
前記構造式(46)で表される化合物としては、例えば、アルキルカテコール(例えば、カテコール、レゾルシノール、1,4−ヒドロキノン、2−メチルカテコール、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、2−エチルカテコール、3−エチルカテコール、4−エチルカテコール、2−プロピルカテコール、3−プロピルカテコール、4−プロピルカテコール、2−n−ブチルカテコール、3−n−ブチルカテコール、4−n−ブチルカテコール、2−tert−ブチルカテコール、3−tert−ブチルカテコール、4−tert−ブチルカテコール、3,5−di−tert−ブチルカテコール等)、アルキルレゾルシノール(例えば、2−メチルレゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、2−エチルレゾルシノール、4−エチルレゾルシノール、2−プロピルレゾルシノール、4−プロピルレゾルシノール、2−n−ブチルレゾルシノール、4−n−ブチルレゾルシノール、2−tert−ブチルレゾルシノール、4−tert−ブチルレゾルシノール等)、アルキルヒドロキノン(例えば、メチルヒドロキノン、エチルヒドロキノン、プロピルヒドロキノン、tert−ブチルヒドロキノン、2,5−di−tert−ブチルヒドロキノン等)、ピロガロール、フロログルシンなどが挙げられる。
また、前記フェノール性水酸基を有する化合物は、例えば、前記フェノール性水酸基を少なくとも1個有する芳香環が互いに2価の連結基で連結された化合物も好ましい。
前記2価の連結基としては、例えば、1〜30個の炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、SO、SO等を有する基が挙げられる。前記硫黄原子、酸素原子、SO、及びSOは、直接結合していてもよい。
前記炭素原子及び酸素原子は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、上述した前記構造式(46)におけるZが挙げられる。
また、前記芳香環は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、上述した前記構造式(46)におけるZが挙げられる。
前記フェノール性水酸基を有する化合物の具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールM、感熱紙に顕色剤として用いられる公知のビスフェノール化合物、特開2003−305945号公報に記載のビスフェノール化合物、酸化防止剤として用いられるヒンダードフェノール化合物などが挙げられる。また、4−メトキシフェノール、4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、β−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−4−クレゾール、サリチル酸メチル、ジエチルアミノフェノール等の置換基を有するモノフェノール化合物なども挙げられる。
前記フェノール性水酸基を有する化合物の市販品としては、本州化学社製のビスフェノール化合物が挙げられる。
前記イミノ基を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、分子量が50以上のものが好ましく、分子量が70以上のものがより好ましい。
前記イミノ基を有する化合物は、イミノ基で置換された環状構造を有することが好ましい。該環状構造としては、芳香環及び複素環の少なくともいずれかが縮合しているものが好ましく、芳香環が縮合しているものがより好ましい。また、前記環状構造では、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を有していてもよい。
前記イミノ基を有する化合物の具体例としては、フェノチアジン、フェノキサジン、ジヒドロフェナジン、ヒドロキノリン、これらの化合物を上述した前記構造式(46)におけるZで置換した化合物、などが挙げられる。
前記イミノ基で置換された環状構造を有する化合物としては、ヒンダードアミンを一部に有するヒンダードアミン誘導体が好ましい。
前記ヒンダードアミンとしては、例えば、特開2003−246138号公報に記載のヒンダードアミンが挙げられる。
前記ニトロ基を有する化合物又は前記ニトロソ基を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、分子量が50以上のものが好ましく、分子量が70以上のものがより好ましい。
前記ニトロ基を有する化合物又は前記ニトロソ基を有する化合物の具体例としては、ニトロベンゼン、ニトロソ化合物とアルミニウムとのキレート化合物等が挙げられる。
前記芳香環を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記芳香環が孤立電子対を有する置換基(例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する置換基)で置換されているものが好ましい。
前記芳香環を有する化合物の具体例としては、例えば、上述のフェノール性水酸基を有する化合物、上述のイミノ基を有する化合物、アニリン骨格を一部に有する化合物(例えば、メチレンブルー、クリスタルバイオレット等)が挙げられる。
前記複素環を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、該複素環が、窒素、酸素、硫黄等の孤立電子対を有する原子を有するものが好ましい。
前記複素環を有する化合物の具体例としては、ピリジン、キノリンなどが挙げられる。
前記金属原子を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記金属原子としては、前記重合開始剤から発生したラジカルと親和性を有する金属原子である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、アルミニウム、チタンなどが挙げられる。
前記重合禁止剤の中でも、フェノール性水酸基を少なくとも2個有する化合物、イミノ基で置換された芳香環を有する化合物、イミノ基で置換された複素環を有する化合物が好ましく、イミノ基が環状構造の一部を構成している化合物、ヒンダードアミン化合物が特に好ましい。具体的には、カテコール、フェノチアジン、フェノキサジン、ヒンダードアミン、及びこれらの誘導体のいずれかが好ましい。
前記重合禁止剤は、一般に市販の重合性化合物中に微量に含まれているが、本発明においては、解像度を向上させる観点から、市販の前記重合性化合物中に含まれる重合禁止剤とは別に上述の重合禁止剤を含ませるものである。よって、前記重合禁止剤は、安定性付与のために市販の前記重合性化合物中に含まれる4−メトキシフェノール等のモノフェノール系化合物を除いた化合物が好ましい。
なお、前記重合禁止剤は、パターン形成材料の製造工程において、感光性樹脂組成物溶液に予め添加してもよい。
前記重合禁止剤の含有量は、前記感光層の前記重合性化合物に対して0.005〜0.5質量%が好ましく、0.01〜0.4質量%がより好ましく、0.02〜0.2質量%が特に好ましい。前記含有量が、0.005質量%未満であると、解像度が低下することがあり、0.5質量%を超えると、活性エネルギー線に対する感度が低下することがある。
なお、前記重合禁止剤の含有量は、安定性付与のために市販の前記重合性化合物中に含まれる4−メトキシフェノール等のモノフェノール系化合物を除いた含有量を表す。
−可塑剤−
前記可塑剤は、前記感光層の膜物性(可撓性)をコントロールするために添加してもよい。
前記可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジフェニルフタレート、ジアリルフタレート、オクチルカプリールフタレート等のフタル酸エステル類;トリエチレングリコールジアセテート、テトラエチレングリコールジアセテート、ジメチルグリコースフタレート、エチルフタリールエチルグリコレート、メチルフタリールエチルグリコレート、ブチルフタリールブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカブリル酸エステル等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;4−トルエンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルアセトアミド等のアミド類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセパケート、ジオクチルセパケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレート等の脂肪族二塩基酸エステル類;クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル、4,5−ジエポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル等、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類が挙げられる。
前記可塑剤の含有量としては、前記感光層の全成分に対して0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜40質量%がより好ましく、1〜30質量%が特に好ましい。
−発色剤−
前記発色剤は、露光後の前記感光層に可視像を与える(焼きだし機能)ために添加される。
前記発色剤としては、例えば、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン(ロイコクリスタルバイオレット)、トリス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン、トリス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ジブチルアミノフェニル)−〔4−(2−シアノエチル)メチルアミノフェニル〕メタン、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−2−キノリルメタン、トリス(4−ジプロピルアミノフェニル)メタン等のアミノトリアリールメタン類;3,6−ビス(ジメチルアミノ)−9−フェニルキサンチン、3−アミノ−6−ジメチルアミノ−2−メチル−9−(2−クロロフェニル)キサンチン等のアミノキサンチン類;3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(2−エトキシカルボニルフェニル)チオキサンテン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)チオキサンテン等のアミノチオキサンテン類;3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9,10−ジヒドロ−9−フェニルアクリジン、3,6−ビス(ベンジルアミノ)−9,10−ジビドロ−9−メチルアクリジン等のアミノ−9,10−ジヒドロアクリジン類;3,7−ビス(ジエチルアミノ)フェノキサジン等のアミノフェノキサジン類;3,7−ビス(エチルアミノ)フェノチアゾン等のアミノフェノチアジン類;3,7−ビス(ジエチルアミノ)−5−ヘキシル−5,10−ジヒドロフェナジン等のアミノジヒドロフェナジン類;ビス(4−ジメチルアミノフェニル)アニリノメタン等のアミノフェニルメタン類;4−アミノ−4’−ジメチルアミノジフェニルアミン、4−アミノ−α、β−ジシアノヒドロケイ皮酸メチルエステル等のアミノヒドロケイ皮酸類;1−(2−ナフチル)−2−フェニルヒドラジン等のヒドラジン類;1,4−ビス(エチルアミノ)−2,3−ジヒドロアントラキノン類のアミノ−2,3−ジヒドロアントラキノン類;N,N−ジエチル−4−フェネチルアニリン等のフェネチルアニリン類;10−アセチル−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン等の塩基性NHを含むロイコ色素のアシル誘導体;トリス(4−ジエチルアミノ−2−トリル)エトキシカルボニルメンタン等の酸化しうる水素を有していないが、発色化合物に酸化しうるロイコ様化合物;ロイコインジゴイド色素;米国特許3,042,515号及び同第3,042,517号に記載されているような発色形に酸化しうるような有機アミン類(例、4,4’−エチレンジアミン、ジフェニルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4,4’−メチレンジアミントリフェニルアミン、N−ビニルカルバゾール)等が挙げられる。これらの中でも、ロイコクリスタルバイオレット等のトリアリールメタン系化合物がより好ましい。
更に、前記発色剤は、前記ロイコ体を発色させるためなどの目的で、ハロゲン化合物と組み合わせることが一般に知られている。
前記ハロゲン化合物としては、例えば、ハロゲン化炭化水素(例えば、四臭化炭素、ヨードホルム、臭化エチレン、臭化メチレン、臭化アミル、臭化イソアミル、ヨウ化アミル、臭化イソブチレン、ヨウ化ブチル、臭化ジフェニルメチル、ヘキサクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,1,2,2−テトラブロモエタン、1,2−ジブロモ−1,1,2−トリクロロエタン、1,2,3−トリブロモプロパン、1−ブロモ−4−クロロブタン、1,2,3,4−テトラブロモブタン、テトラクロロシクロプロペン、ヘキサクロロシクロペンタジエン、ジブロモシキロヘキサン、1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(4−クロロフェニル)エタンなど);ハロゲン化アルコール化合物(例えば、2,2,2−トリクロロエタノール、トリブロモエタノール、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、1,1,1−トリクロロ−2−プロパノール、ジ(ヨードヘキサメチレン)アミノイソプロパノール、トリブロモ−t−ブチルアルコール、2,2,3−トリクロロブタン−1,4−ジオールなど);ハロゲン化カルボニル化合物(例えば1,1−ジクロロアセトン、1,3−ジクロロアセトン、ヘキサクロロアセトン、ヘキサブロモアセトン、1,1,3,3−テトラクロロアセトン、1,1,1−トリクロロアセトン、3,4−ジブロモ−2−ブタノン、1,4−ジクロロ−2−ブタノン−ジブロモシクロヘキサノン等);ハロゲン化エーテル化合物(例えば2−ブロモエチルメチルエーテル、2−ブロモエチルエチルエーテル、ジ(2−ブロモエチル)エーテル、1,2−ジクロロエチルエチルエーテル等);ハロゲン化エステル化合物(例えば、酢酸ブロモエチル、トリクロロ酢酸エチル、トリクロロ酢酸トリクロロエチル、2,3−ジブロモプロピルアクリレートのホモポリマー及び共重合体、ジブロモプロピオン酸トリクロロエチル、α,β−ジグロロアクリル酸エチル等);ハロゲン化アミド化合物(例えば、クロロアセトアミド、ブロモアセトアミド、ジクロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリブロモアセトアミド、トリクロロエチルトリクロロアセトアミド、2−ブロモイソプロピオンアミド、2,2,2−トリクロロプロピオンアミド、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミドなど);硫黄やリンを有する化合物(例えば、トリブロモメチルフェニルスルホン、4−ニトロフェニルトリブロモメチルスルホン、4−クロルフェニルトリブロモメチルスルホン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート等)、2,4−ビス(トリクロロメチル)6−フェニルトリアゾールなどが挙げられる。有機ハロゲン化合物では、同一炭素原子に結合した2個以上のハロゲン原子を持つハロゲン化合物が好ましく、1個の炭素原子に3個のハロゲン原子を持つハロゲン化合物がより好ましい。前記有機ハロゲン化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、トリブロモメチルフェニルスルホン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−フェニルトリアゾールが特に好ましい。
前記発色剤の含有量としては、前記感光層の全成分に対して0.01〜20質量%が好ましく、0.05〜10質量%がより好ましく、0.1〜5質量%が特に好ましい。また、前記ハロゲン化合物の含有量としては、前記感光層の全成分に対し0.001〜5質量%が好ましく、0.005〜1質量%がより好ましい。
−着色剤−
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、赤色、緑色、青色、黄色、紫色、マゼンタ色、シアン色、黒色等の公知の顔料又は染料が挙げられ、具体的には、ビクトリア・ピュアブルーBO(C.I.42595)、オーラミン(C.I.41000)、ファット・ブラックHB(C.I.26150)、モノライト・イエローGT(C.I.ピグメント・イエロー12)、パーマネント・イエローGR(C.I.ピグメント・イエロー17)、パーマネント・イエローHR(C.I.ピグメント・イエロー83)、パーマネント・カーミンFBB(C.I.ピグメント・レッド146)、ホスターバームレッドESB(C.I.ピグメント・バイオレット19)、パーマネント・ルビーFBH(C.I.ピグメント・レッド11)、ファステル・ピンクBスプラ(C.I.ピグメント・レッド81)、モナストラル・ファースト・ブルー(C.I.ピグメント・ブルー15)、モノライト・ファースト・ブラックB(C.I.ピグメント・ブラック1)、カーボンブラックが挙げられる。
また、カラーフィルタの作製に好適な前記着色剤として、例えば、C.I.ピグメント・レッド97、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド168、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド180、C.I.ピグメント・レッド192、C.I.ピグメント・レッド215、C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー15:6、C.I.ピグメント・ブルー22、C.I.ピグメント・ブルー60、C.I.ピグメント・ブルー64、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー83、C.I.ピグメント・バイオレット23、特開2002−162752号公報の(0138)〜(0141)に記載のもの等が挙げられる。前記着色剤の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましい。また、カラーフィルタを作製する場合は、前記平均粒子径として、0.5μm以下が好ましい。
−−染料−−
前記染料としては、塗布面状の検査時における視認性等の取り扱い性を向上させるために添加され、前記感光層の塗布面状及び露光感度を低下させないものが好ましい。
前記染料としては、吸収波長が前記発色剤による発色後の吸収波長との差が大きく、露光波長に対して吸収がないものが好ましい。
また、前記染料の吸収波長としては、前記感光層が検査時の視認性に優れ、作業者の視覚に刺激を与えない緑色を呈することが好ましいため、500〜650nmに最大吸収波長を有することが好ましい。
前記染料としては、該染料0.5質量%のメチルエチルケトン溶解液の孔径0.45μmフィルターでの濾過圧が、0.3MPa以下の染料である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、トリアリルメタン骨格を有する化合物であるのが好ましい。また、前記染料は、イオン性染料であるのが好ましく、該イオン性染料のカウンターアニオンが、例えば、芳香族酸、カルボン酸、リン酸等を有するものが特に好ましい。
前記芳香族酸としては、例えば、ナフタレンスルホン酸、フェニルスルホン酸、などが挙げられ、これらの中でも、溶解性の観点から、ナフタレンスルホン酸がより好ましい。
前記トリアリルメタン骨格を有する化合物としては、有機溶剤に対する溶解性に優れ、前記感光層の塗布面状の検査時における視認性などの取り扱い性に優れ、該感光層の塗布面状及び露光感度の低下させない観点から、アリルスルホン酸化合物を使用するのが好ましく、ナフタレンスルホン酸化合物がより好ましい。
前記ナフタレン酸化合物としては、例えば、ビクトリアピュアブルーNAPSが好適に挙げられる。
−−有機溶剤に対する溶解度−−
前記染料は、該染料0.5質量%のメチルエチルケトン溶解液の孔径0.45μmフィルターでの濾過圧が、0.3MPa以下であることが好ましい。該濾過圧は、以下のようにして測定することができる。なお、濾過圧の測定は、室温、大気圧の条件下で行った。
(1)染料をメチルエチルケトン溶液に0.5質量%溶解する。
(2)シリンジ(テルモ社製、SS−20ESZ;直径1.5cm、長さ9.5cm)に、孔径0.45μmのフィルター(ADVANTEC社製、DISMIC;25HP045AN)を接続し、該フィルターを介して、シリンジ内に充填した着色染料0.5質量%のメチルエチルケトン溶解液を濾過する。この際の濾過速度は50cc/分とする。
(3)前記濾過の際の、シリンジに作用する圧力を圧力計で計測し、着色染料0.5質量%メチルエチルケトン溶解液の濾過圧とする。
前記濾過圧が、0.3MPa以下であることにより、着色染料の有機溶剤に対する溶解性に優れ、感光層の面状や露光感度を低下させることがなく、また、未溶解物の残渣を生じにくいものとなる。前記濾過圧が、0.3MPaを超えると、溶解性に劣り、未溶解物により感光層の面状故障の発生、露光感度の低下を招いたり、着色染料の残渣を生じ易くなることがある。
前記染料の含有量は、前記感光層の全成分に対して0.001〜20質量%が好ましく、0.03〜3質量%がより好ましく、0.05〜0.1質量%が特に好ましい。前記含有量が、0.001質量%未満であると、発色性が低下して面状検査時の視認性に乏しくなり、20質量%を超えると、発色剤による発色を確認できなくなることがある。
−密着促進剤−
各層間の密着性、及びパターン形成材料と基材との密着性を向上させるために、各層に公知のいわゆる密着促進剤を用いることができる。
前記密着促進剤としては、例えば、特開平5−11439号公報、特開平5−341532号公報、及び特開平6−43638号公報等に記載の密着促進剤が好適挙げられる。具体的には、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、3−モルホリノメチル−1−フェニル−トリアゾール−2−チオン、3−モルホリノメチル−5−フェニル−オキサジアゾール−2−チオン、5−アミノ−3−モルホリノメチル−チアジアゾール−2−チオン、及び2−メルカプト−5−メチルチオ−チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、アミノ基含有ベンゾトリアゾール、シランカップリング剤などが挙げられる。
前記密着促進剤の含有量としては、前記感光層の全成分に対して0.001質量%〜20質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましく、0.1質量%〜5質量%が特に好ましい。
前記感光層は、例えば、J.コーサー著「ライトセンシテイブシステムズ」第5章に記載されているような有機硫黄化合物、過酸化物、レドックス系化合物、アゾ又はジアゾ化合物、光還元性色素、有機ハロゲン化合物などを含んでいてもよい。
前記有機硫黄化合物としては、例えば、ジ−n−ブチルジサルファイド、ジベンジルジサルファイド、2−メルカプトベンズチアゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、チオフェノール、エチルトリクロロメタンスルフェネート、2−メルカプトベンズイミダゾールなどが挙げられる。
前記過酸化物としては、例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイドを挙げることができる。
前記レドックス化合物は、過酸化物と還元剤の組合せからなるものであり、第一鉄イオンと過硫酸イオン、第二鉄イオンと過酸化物などを挙げることができる。
前記アゾ及びジアゾ化合物としては、例えば、α,α’−アゾビスイリブチロニトリル、2−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、4−アミノジフェニルアミンのジアゾニウム類が挙げられる。
前記光還元性色素としては、例えば、ローズベンガル、エリスロシン、エオシン、アクリフラビン、リポフラビン、チオニンが挙げられる。
<クッション層>
前記クッション層は、後述の基材上に、パターン形成材料が積層されてなる積層体形成時の積層条件下において軟化し、前記感光層の凹凸追従性を促進する機能を有するため、前記支持体と前記感光層との間に設けることが好ましい。前記凹凸追従性が促進された結果、該基材と該感光層との間に気泡が形成されるのを防ぎ、該感光層の基板密着性を改善することができる。
前記クッション層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、熱可塑性樹脂を含むものが好ましく、該軟化点が80℃以下の熱可塑性樹脂を含むものがより好ましい。
前記クッション層は、アルカリ可溶性であってもよく、アルカリ不溶性であってもよいが、アルカリ可溶性が好ましい。
前記クッション層がアルカリ可溶性である場合には、前記熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、公知のものが使用でき、例えば、特開平5−173320号公報に記載の樹脂を好適に挙げることができる。
前記クッション層がアルカリ不溶性である場合には、前記熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、公知のものが使用でき、例えば、特開2003−5364号公報に記載の樹脂を好適に挙げることができる。
前記クッション層を有する場合には、前記パターン形成材料の層間接着力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、各層の層間接着力の中で、前記感光層と前記クッション層との接着力が、最も小さいことが好ましい。このような層間接着力とすることにより、前記積層体から前記支持体及びクッション層を剥離し、前記感光層を露光した後、現像液を用いて該感光層を現像することができる。また、前記支持体を残したまま、前記感光層を露光した後、前記積層体から前記支持体及び前記クッション層を剥離し、現像液を用いて該感光層を現像することもできる。
前記層間接着力の調整方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記熱可塑性樹脂中に各種のポリマー、過冷却物質、密着改良剤、界面活性剤、離型剤などを添加する方法、前記熱可塑性樹脂の共重合比を調整する方法などが挙げられる。
前記クッション層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、1〜100μmが好ましく、5〜50μmがより好ましく、10〜30μmが特に好ましい。
前記厚みが、1μm未満になると、基材の表面における凹凸や、気泡等への凹凸追従性が低下し、高精細なパターンを形成できないことがあり、100μmを超えると、材料コスト面で不利になることがある。
<中間層>
前記中間層は、物質の移動を抑制可能とし、感度、現像性等の感光性樹脂が持つ基本的性質の経時安定性を向上させる観点から、前記クッション層と前記感光層との間に設けることが好ましい。
前記物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、酸素、水、前記感光層及びクッション層の少なくともいずれかに含まれる物質が挙げられる。
前記中間層は、物質の移動を抑制可能である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、水溶性であってもよく、水不溶性であってもよいが、現像液に溶解するほうが好ましいので、水溶性乃至水分散性であることが好ましく、アルカリ性液に対して可溶性であることも好ましい。該中間層が、アルカリ性液に対して不溶性である場合には、露光後、前記中間層をアルカリ性液で除去する際に、前記中間層を別途除去する工程が必要となり、生産工程が増えるという問題がある。
前記中間層は、酸素遮断性であるのが好ましい。
前記中間層における前記酸素透過率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、温度23℃、相対湿度60%の条件下で、50cc/m・day・atm以下が好ましく、25cc/m・day・atm以下がより好ましい。
ここで、前記酸素透過率は、例えば、ASTM standards D1434−82(1986)に記載の方法に準拠して測定できる。
前記中間層としては水またはアルカリ水溶液に分散または溶解し、物質の移動を抑制可能である限り、特に制限はなく、公知のものが使用でき、例えば、特開平5−173320号公報に記載の組成物を好適に挙げることができる。
前記中間層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.1〜30μmが好ましく、0.5〜10μmがより好ましく、1〜5μmが特に好ましい。
前記厚みが、0.1μm未満であると、物質の移動を抑制する機能が低下し、感光層とクッション層の間で、経時的な成分移動が起きることがあり、また、酸素の遮断能が劣化して感光層の感度が低下することがある。一方、該厚みが、30μmを超えると、柔軟性が劣り、フィルムの取り扱い性が悪くなることがある。
前記パターン形成材料が、前記クッション層と前記感光層との間に前記中間層を有する場合には、前記パターン形成材料の層間接着力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、各層の層間接着力の中で、前記支持体と前記クッション層との間の層間接着力が、最も小さくてもよく、前記クッション層と前記中間層との間の層間接着力が最も小さくてもよく、前記中間層と前記感光層との間の層間接着力が最も小さくてもよいが、これらの中でも、前記クッション層と前記中間層との間の層間接着力が最も小さいのがより好ましい。
<保護フイルム>
前記保護フィルムは、本発明のパターン形成材料をロール状にして用いる場合に、粘着性を有する前記感光層が前記支持体に転着し、該感光層に壁などが付着するのを防止する目的で、該感光層に積層して用いられる。
前記保護フィルムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、テフロン(登録商標)フィルム、などを挙げることができる。これらの中でも、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムがより好ましい。
前記保護フィルムの厚みとしては、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5〜50μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。該厚みが5μm未満であると、保護フィルムとしての強度が不足し、感光層に保護フィルムを張り合わせる際に、破断しやすい傾向があり、50μmを超えると、コスト負荷が高くなり、保護フィルムをラミネートする際にシワが発生しやすい傾向がある。
前記保護フィルムにおいても、前記支持体と同様に、前記感光層と接触する面については表面平滑性が重要である。本発明における保護フィルムは、該保護フィルムの中心線平均表面粗(Ra)さが、該感光層と接触する面では100nm以下であり、かつ該感光層と接触しない面では100〜800nmであるのが好ましく、該感光層と接触する面では10nm以下であり、かつ該感光層と接触しない面では150〜400nmであるのがより好ましい。
前記中心線平均表面粗さ(Ra)が、前記感光層と接触する面において100nmを超えると、前記保護フィルムの表面形状が該感光層側に転写し、感光性層が凹み、ラミネート時のエアーボイドの原因となることがある。
一方、前記中心線平均表面粗さ(Ra)が、前記感光層と接触しない面において100nm未満であると、ラミネート時の前記保護フィルム巻き取りの際にシワが発生し、作業性よくラミネートできないことがあり、該感光層と接触しない面において800nmを超えると、該感光層の塗布乾燥時及びスリット時の巻き取りテンションにより、該感光層と接触しない面の表面形状が該感光層に転写し、ラミネーターによる基板積層時のエアーボイドの原因となることがある。
また、前記保護フィルムは、該保護フィルムの中に含まれる直径80μm以上のフィシュアイの個数が5個/m以下であることが好ましい。ここで、前記「フィッシュアイ」とは、材料を熱溶融、混練し、押し出し延伸又はキャスティング法によりフィルムを製造する際に、材料の異物、未溶解物、酸化劣化物等がフィルム中に取り込まれたもののことである。また、前記「フィッシュアイの直径」とは、フィッシュアイの最大径を意味する。
このようなフィッシュアイレベルの良好なフィルムは、材料の選定、混練方法の適正化、材料溶融後の濾過等を行うことにより製造することができる。前記フィッシュアイの直径の大きさは材料によっても異なるが、約10μm〜1mmであり、フィルム表面からの高さは約1〜50μmである。
ここで、フィッシュアイの大きさは、例えば、光学顕微鏡、接触型表面粗さ計、レーザ光を用いた非接触型表面測定機、走査型電子顕微鏡等を使用し測定可能である。
また、前記支持体と前記保護フィルムとの静摩擦係数としては、0.3〜1.4が好ましく、0.5〜1.2がより好ましい。該静摩擦係数が、0.3未満であると、滑り過ぎるため、ロール状にした場合に巻ズレが発生することがあり、1.4を超えると、良好なロール状に巻くことが困難となることがある。
このような保護フィルムは、市販のものとして、例えば、王子製紙(株)製アルファンMA−410、E−200、信越フィルム(株)製などのポリプロピレンフィルム、帝人(株)製PS−25等のPSシリーズなどのポリエチレンテレフタレートフィルム、などを挙げることができる。また、市販のフィルムをサンドブラスト加工して用いてもよい。
前記パターン形成材料は、例えば、円筒状の巻芯に巻き取って、長尺状でロール状に巻かれて保管されることが好ましい。前記長尺状のパターン形成材料の長さとしては、特に制限はなく、例えば、10〜20,000mの範囲から適宜選択することができる。また、ユーザーが使いやすいようにスリット加工し、100〜1,000mの範囲の長尺体をロール状にしてもよい。なお、この場合には、前記支持体が一番外側になるように巻き取られることが好ましい。また、前記ロール状のパターン形成材料をシート状にスリットしてもよい。保管の際、端面の保護、エッジフュージョンを防止する観点から、端面にはセパレーター(特に防湿性のもの、乾燥剤入りのもの)を設置することが好ましく、また梱包も透湿性の低い素材を用いる事が好ましい。
前記保護フィルムは、前記保護フィルムと前記感光層との接着性を調整するために表面処理してもよい。前記表面処理は、例えば、前記保護フィルムの表面に、ポリオルガノシロキサン、弗素化ポリオレフィン、ポリフルオロエチレン、ポリビニルアルコール等のポリマーからなる下塗層を形成させる。該下塗層の形成は、前記ポリマーの塗布液を前記保護フィルムの表面に塗布した後、30〜150℃(特に50〜120℃)で1〜30分間乾燥させることにより形成させることができる。
<<その他の層>>
本発明の感光性ソルダーレジストフイルムは、前記感光層、前記支持体、前記クッション層、前記中間層、前記保護フイルムの他に、剥離層、接着層、光吸収層、表面保護層などのその他の層を有してもよい。
前記その他の層の前記感光性ソルダーレジストフイルムにおける配置、厚み等は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<パターン形成材料の形態>
以下に、本発明のパターン形成材料の例について、図面を参照しながら説明する。
前記パターン形成材料の形態としては、前記支持体の一方の面上に、前記感光層を備えていれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下に示す第1から第4の形態のパターン形成材料を好適に挙げることができる。
−第1の形態のパターン形成材料−
図35は、第1の形態に係るパターン形成材料の一例を示す断面図である。
第1の形態に係るパターン形成材料は、前記支持体の一方の面上に、前記感光層、前記保護フィルムを備えてなる。
即ち、図35に示すように、第1の形態に係るパターン形成材料は、支持体502の一方の面上に、感光層503、保護フィルム501がこの順に積層されてなるものである。
−第2の形態のパターン形成材料−
図36は、第2の形態に係るパターン形成材料の一例を示す断面図である。
第2の形態に係るパターン形成材料は、前記支持体の一方の面上に、前記クッション層、前記感光層、前記保護フィルムをこの順に備えてなる。
即ち、図36に示すように、第2の形態に係るパターン形成材料は、支持体502の一方の面上に、クッション層504、感光層503、保護フィルム501がこの順に積層されてなるものである。
−第3の形態のパターン形成材料−
図37は、第3の形態に係るパターン形成材料の一例を示す断面図である。
第3の形態に係るパターン形成材料は、前記支持体の一方の面上に、前記クッション層前記中間層、前記感光層、前記保護フィルムをこの順に備えてなる。
即ち、図37に示すように、第2の形態に係るパターン形成材料は、支持体502の一方の面上に、クッション層504、中間層505、感光層503、保護フィルム501がこの順に積層されてなるものである。
−第4の形態のパターン形成材料−
図38は、第4の形態に係るパターン形成材料の一例を示す断面図である。
第4の形態に係るパターン形成材料は、前記支持体の少なくとも一方の面上に、前記中間層、前記感光層、前記保護フィルムをこの順に備えてなる。
即ち、図38に示すように、第2の形態に係るパターン形成材料は、支持体502の一方の面上に、中間層505、感光層503、保護フィルム501がこの順に積層されてなるものである。
<パターン形成材料の製造方法>
前記パターン形成材料は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、前記感光層、及び必要に応じてクッション層、中間層、などのその他の層に含まれる材料を、水又は溶剤に溶解、乳化又は分散させて、それぞれの塗布液を調製する。
ここで、前記感光層の形成用塗布液を調製する場合、該感光層の成分を溶解、乳化又は分散させた感光性樹脂組成物溶液は、固形分濃度が5〜20質量%であるように調製されるのが好ましい。
また、前記塗布液、特に前記感光性樹脂組成物溶液は、調製後に直径1μm以下のフィルターで濾過することが好ましい。該濾過を行うことにより、塗布液中に含まれる材料の異物、未溶解物、酸化劣化物などを除くことができ、塗布乾燥後の各層の平坦性を高めることができる。
前記塗布液の溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−n−アミル、硫酸メチル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息香酸エチル、及びメトキシプロピルアセテートなどのエステル類;トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン、モノクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノールなどのエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキサイド、スルホランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、公知の界面活性剤を添加してもよい。
次に、前記支持体上に前記塗布液を塗布し、乾燥させて各層を形成し、パターン形成材料を製造することができる。
例えば、前記第一の形態のパターン形成材料は、前記感光性樹脂組成物溶液を支持体上に塗布し、乾燥させて感光層を形成し、その上に保護フィルムを形成することによりパターン形成材料を製造することができる。
前記第二の形態のパターン形成材料は、前記支持体上に前記クッション層の成分を溶解、乳化又は分散させたクッション層塗布液を塗布し、乾燥させてクッション層を形成し、該クッション層上に前記感光性樹脂組成物溶液を塗布し、乾燥させて感光層を形成し、更にその上に保護フィルムを形成することによりパターン形成材料を製造することができる。
前記第二の形態のパターン形成材料の場合、前記クッション層と前記支持体の密着性を高めるために、該支持体に対して各種の処理を行ってもよい。例えば、下塗り層の塗設、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、高周波照射処理、グロー放電処理、活性プラズマ照射処理、レーザ光線照射処理などを挙げることができる。
また、前記第二の形態のパターン形成材料においては、積層工程後に、前記支持体のみを剥がす場合には、該支持体は未処理のものが適している。一方、積層工程後に、該支持体及び該クッション層を剥がす場合には、前記感光性樹脂組成物溶液には、該クッション層を溶解する溶剤や、膨潤する溶剤を使用しないことが重要である。
前記第三の形態のパターン形成材料は、前記支持体上に前記クッション層塗布液を塗布し、乾燥させてクッション層を形成し、該クッション層上に前記中間層の成分を溶解、乳化又は分散させた中間層塗布液を塗布し、乾燥させて中間層を形成し、該中間層上に前記感光性樹脂組成物溶液を塗布し、乾燥させて感光層を形成し、更にその上に保護フィルムを形成することによりパターン形成材料を製造することができる。
前記第三の形態のパターン形成材料においても、積層工程後に、前記支持体のみを剥がす場合には、該支持体は未処理のものが適している。一方、積層工程後に、該支持体及び該クッション層を剥がす場合には、前記感光性樹脂組成物溶液には、該クッション層を溶解する溶剤や、膨潤する溶剤を使用しないことが重要である。
前記第四の形態のパターン形成材料は、前記支持体上に前記中間層の成分を溶解、乳化又は分散させた中間層塗布液を塗布し、乾燥させて中間層を形成し、該中間層上に前記感光性樹脂組成物溶液を塗布し、乾燥させて感光層を形成し、更にその上に保護フィルムを形成することによりパターン形成材料を製造することができる。
前記第四の形態のパターン形成材料においても、積層工程後に、前記支持体のみを剥がす場合には、前記第三の形態のパターン形成材料の場合と同様に、該支持体は未処理のものが適している。
前記塗布液の塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、スリットコート法、エクストルージョンコート法、カーテンコート法、ダイコート法、ワイヤーバーコート法、ナイフコート法等の各種の方法を挙げることができる。
これらの方法の中でも、前記感光層を塗布する場合は、塗布層の平滑性が得られるエクストルージョン法が特に好ましい。
塗布後の前記乾燥としては、通常はウエッブ搬送しつつ、熱風を吹き出しつつ、乾燥器中で、塗膜を加熱乾燥して溶剤を除去する。該熱風の向きとしては、特に制限はなく、例えば、垂直上昇流、垂直下降流、水平対向流、水平並行流、などを任意に選定することができる。
本発明方法において、前記感光層塗布液の前記乾燥に用いる熱風乾燥機の風速は、段階的に変更することができ、例えば、最初2m/秒の風速で乾燥したのち、さらに風速を上げて乾燥することができる。該風速が2m/秒未満であると、塗膜表面の温度が短時間に上昇しないので、必要な塗膜強度が得られないおそれがある。
前記乾燥の条件としては、各成分の種類、使用割合等によっても異なるが、通常50〜120℃で30秒間〜15分間程度である。乾燥ゾーンは多数に区分されていてもよく、温度及び風量を各ゾーンで個別に設定することも可能である。
(パターン形成方法)
本発明のパターン形成方法は、本発明のパターン形成材料における感光層を基材の表面に積層する積層工程、露光工程、及び現像工程を少なくとも含み、適宜選択したその他の工程を含む。
[積層工程]
前記積層工程は、前記パターン形成材料を、加圧及び加熱の少なくともいずれかにより感光層が基材の表面側となるように積層する工程である。
前記加熱温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、15〜180℃が好ましく、60〜140℃がより好ましい。
前記加圧の圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.1〜1.0MPaが好ましく、0.2〜0.8MPaがより好ましい。
前記加熱及び加圧の少なくともいずれかを行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ホットロール式ラミネーター(例えば、大成ラミネータ社製、VP−II)、真空ラミネーター(例えば、ニチゴーモートン社製、V130)などが好適に挙げられる。
<基材>
前記基材としては、特に制限はなく、公知の材料の中から表面平滑性の高いものから凸凹のある表面を有するものまで適宜選択することができるが、板状の基材(基板)が好ましく、具体的には、公知のプリント配線板形成用基板(例えば、銅張積層板)、ガラス板(例えば、ソーダガラス板等)、合成樹脂性のフィルム、紙、金属板などが挙げられる。
前記プリント配線板形成用基板としては、ガラスエポキシ基板、エポキシ含浸アラミド不織布、ポリイミド等の絶縁層の表面に、銅箔層をメッキ箔やスパッタ箔として設けたものが好適に挙げられる。前記スパッタ箔を設ける場合には、銅箔と絶縁層との密着性を向上させる目的で、他の金属箔(Ni、Cr等)を下地層として設けてもよい。
前記基材表面は、積層される前記パターン形成材料との密着性を向上させる目的で、化学研磨などの方法により、0.5〜2μm程度の凹凸を形成してもよい。
[露光工程]
前記露光工程は、本発明のパターン形成材料における感光層に対し、露光を行う工程である。本発明の前記パターン形成材料については上述の通りである。
前記露光の対象としては、支持体上に、感光層を有するパターン形成材料における該感光層である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記基材上に、前記パターン形成材料が積層されてなる積層体に対して行われることが好ましい。
前記積層体への露光としては、例えば、積層された前記パターン形成材料の前記支持体を介して前記感光層を露光してもよいし、前記支持体を剥離した後、前記感光層を露光してもよいが、該支持体と該感光層との間に、クッション層、中間層、などのその他の層を有していない場合は、図39に示すように、該支持体を介して該感光層を露光するのが好ましい。
また、前記パターン形成材料が、前記支持体と前記感光層との間にクッション層を有している場合には、図40に示すように、該支持体を該クッション層と共に剥離した後、該感光層を露光するのが好ましい。
また、前記パターン形成材料が、前記支持体と前記感光層との間に前記クッション層及び中間層前記をこの順に有している場合は、図41に示すように、該支持体を該クッション層と共に剥離した後、該中間層を介して該感光層を露光するのが好ましい。
また、前記パターン形成材料が、前記支持体と前記感光層との間に酸素遮断性の中間層を有している場合は、図42に示すように、該支持体を剥離した後、該中間層を介して該感光層を露光するのが好ましい。
前記露光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デジタル露光、アナログ露光等が挙げられるが、これらの中でもデジタル露光が好ましい。
前記デジタル露光としては、例えば、光照射手段、及び該光照射手段からの光を受光し出射するn個(ただし、nは2以上の自然数)の2次元状に配列された描素部を有し、パターン情報に応じて前記描素部を制御可能な光変調手段を備えた露光ヘッドであって、該露光ヘッドの走査方向に対し、前記描素部の列方向が所定の設定傾斜角度θをなすように配置された露光ヘッドを用い、
前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部を指定し、
前記露光ヘッドについて、描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部の制御を行い、
前記感光層に対し、前記露光ヘッドを走査方向に相対的に移動させて露光を行う方法が好ましい。
前記「N重露光」とは、前記感光層の被露光面上の露光領域の略すべての領域において、前記露光ヘッドの走査方向に平行な直線が、前記被露光面上に照射されたN本の光点列(画素列)と交わるような設定による露光を指す。ここで、「光点列(画素列)」とは、前記描素部により生成された描素単位としての光点(画素)の並びうち、前記露光ヘッドの走査方向となす角度がより小さい方向の並びを指すものとする。なお、前記描素部の配置は、必ずしも矩形格子状でなくてもよく、たとえば平行四辺形状の配置等であってもよい。 ここで、露光領域の「略すべての領域」と述べたのは、各描素部の両側縁部では、描素部列を傾斜させたことにより、前記露光ヘッドの走査方向に平行な直線と交わる使用描素部の描素部列の数が減るため、かかる場合に複数の露光ヘッドをつなぎ合わせるように使用したとしても、該露光ヘッドの取付角度や配置等の誤差により、走査方向に平行な直線と交わる使用描素部の描素部列の数がわずかに増減することがあるため、また、各使用描素部の描素部列間のつなぎの、解像度分以下のごくわずかな部分では、取付角度や描素部配置等の誤差により、走査方向と直交する方向に沿った描素部のピッチが他の部分の描素部のピッチと厳密に一致せず、走査方向に平行な直線と交わる使用描素部の描素部列の数が±1の範囲で増減することがあるためである。なお、以下の説明では、Nが2以上の自然数であるN重露光を総称して「多重露光」という。さらに、以下の説明では、本発明の露光装置又は露光方法を、描画装置又は描画方法として実施した形態について、「N重露光」及び「多重露光」に対応する用語として、「N重描画」及び「多重描画」という用語を用いるものとする。
前記N重露光のNとしては、2以上の自然数であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3以上の自然数が好ましく、3以上7以下の自然数がより好ましい。
<パターン形成装置>
本発明のパターン形成方法に係るパターン形成装置の一例について図面を参照しながら説明する。
前記パターン形成装置としては、いわゆるフラットベッドタイプの露光装置とされており、図1に示すように、前記感光性転写材料における少なくとも前記感光層が積層されてなるシート状の感光性積層体12(以下、「感光材料12」、「感光層12」ということがある)を表面に吸着して保持する平板状の移動ステージ14を備えている。4本の脚部16に支持された厚い板状の設置台18の上面には、ステージ移動方向に沿って延びた2本のガイド20が設置されている。ステージ14は、その長手方向がステージ移動方向を向くように配置されると共に、ガイド20によって往復移動可能に支持されている。なお、このパターン形成装置10には、ステージ14をガイド20に沿って駆動するステージ駆動装置(図示せず)が設けられている。
設置台18の中央部には、ステージ14の移動経路を跨ぐようにコの字状のゲート22が設けられている。コの字状のゲート22の端部の各々は、設置台18の両側面に固定されている。このゲート22を挟んで一方の側にはスキャナ24が設けられ、他方の側には感光材料12の先端及び後端を検知する複数(たとえば2個)のセンサ26が設けられている。スキャナ24及びセンサ26はゲート22に各々取り付けられて、ステージ14の移動経路の上方に固定配置されている。なお、スキャナ24及びセンサ26は、これらを制御する図示しないコントローラに接続されている。
ここで、説明のため、ステージ14の表面と平行な平面内に、図1に示すように、互いに直交するX軸及びY軸を規定する。
ステージ14の走査方向に沿って上流側(以下、単に「上流側」ということがある。)の端縁部には、X軸の方向に向かって開く「く」の字型に形成されたスリット28が、等間隔で10本形成されている。各スリット28は、上流側に位置するスリット28aと下流側に位置するスリット28bとからなっている。スリット28aとスリット28bとは互いに直交するとともに、X軸に対してスリット28aは−45度、スリット28bは+45度の角度を有している。
スリット28の位置は、前記露光ヘッド30の中心と略一致させられている。また、各スリット28の大きさは、対応する露光ヘッド30による露光エリア32の幅を十分覆う大きさとされている。また、スリット28の位置としては、隣接する露光済み領域34間の重複部分の中心位置と略一致させてもよい。この場合、各スリット28の大きさは、露光済み領域34間の重複部分の幅を十分覆う大きさとする。
ステージ14内部の各スリット28の下方の位置には、それぞれ、後述する使用描素部指定処理において、描素単位としての光点を検出する光点位置検出手段としての単一セル型の光検出器(図示せず)が組み込まれている。また、各光検出器は、後述する使用描素部指定処理において、前記描素部の選択を行う描素部選択手段としての演算装置(図示せず)に接続されている。
露光時における前記パターン形成装置の動作形態はとしては、露光ヘッドを常に移動させながら連続的に露光を行う形態であってもよいし、露光ヘッドを段階的に移動させながら、各移動先の位置で露光ヘッドを静止させて露光動作を行う形態であってもよい。
<<露光ヘッド>>
各露光ヘッド30は、後述する内部のデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)36の各描素部(マイクロミラー)列方向が、走査方向と所定の設定傾斜角度θをなすように、スキャナ24に取り付けられている。このため、各露光ヘッド30による露光エリア32は、走査方向に対して傾斜した矩形状のエリアとなる。ステージ14の移動に伴い、感光層12には露光ヘッド30ごとに帯状の露光済み領域34が形成される。図2及び図3Bに示す例では、2行5列の略マトリックス状に配列された10個の露光ヘッドが、スキャナ24に備えられている。
なお、以下において、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドを示す場合は、露光ヘッド30mnと表記し、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドによる露光エリアを示す場合は、露光エリア32mnと表記する。
また、図3A及び図3Bに示すように、帯状の露光済み領域34のそれぞれが、隣接する露光済み領域34と部分的に重なるように、ライン状に配列された各行の露光ヘッド30の各々は、その配列方向に所定間隔(露光エリアの長辺の自然数倍、本実施形態では2倍)ずらして配置されている。このため、1行目の露光エリア3211と露光エリア3212との間の露光できない部分は、2行目の露光エリア3221により露光することができる。
露光ヘッド30の各々は、図4及び図5に示すように、入射された光を画像データに応じて描素部ごとに変調する光変調手段(描素部ごとに変調する空間光変調素子)として、DMD36(米国テキサス・インスツルメンツ社製)を備えている。このDMD36は、データ処理部とミラー駆動制御部とを備えた描素部制御手段としてのコントローラに接続されている。このコントローラのデータ処理部では、入力された画像データに基づいて、露光ヘッド30ごとに、DMD36上の使用領域内の各マイクロミラーを駆動制御する制御信号を生成する。また、ミラー駆動制御部では、画像データ処理部で生成した制御信号に基づいて、露光ヘッド30ごとに、DMD36の各マイクロミラーの反射面の角度を制御する。
図4に示すように、DMD36の光入射側には、光ファイバの出射端部(発光点)が露光エリア32の長辺方向と一致する方向に沿って一列に配列されたレーザ出射部を備えたファイバアレイ光源38、ファイバアレイ光源38から出射されたレーザ光を補正してDMD上に集光させるレンズ系40、このレンズ系40を透過したレーザ光をDMD36に向けて反射するミラー42がこの順に配置されている。なお図4では、レンズ系40を概略的に示してある。
上記レンズ系40は、図5に詳しく示すように、ファイバアレイ光源38から出射されたレーザ光を平行光化する1対の組合せレンズ44、平行光化されたレーザ光の光量分布が均一になるように補正する1対の組合せレンズ46、及び光量分布が補正されたレーザ光をDMD36上に集光する集光レンズ48で構成されている。
また、DMD36の光反射側には、DMD36で反射されたレーザ光を感光層12の被露光面上に結像するレンズ系50が配置されている。レンズ系50は、DMD36と感光層12の被露光面とが共役な関係となるように配置された、2枚のレンズ52及び54からなる。
本実施形態では、ファイバアレイ光源38から出射されたレーザ光は、実質的に5倍に拡大された後、DMD36上の各マイクロミラーからの光線が上記のレンズ系50によって約5μmに絞られるように設定されている。
−光変調手段−
前記光変調手段としては、n個(ただし、nは2以上の自然数)の2次元状に配列された前記描素部を有し、前記パターン情報に応じて前記描素部を制御可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、空間光変調素子が好ましい。
前記空間光変調素子としては、例えば、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)タイプの空間光変調素子(SLM;Special Light Modulator)、電気光学効果により透過光を変調する光学素子(PLZT素子)、液晶光シャッタ(FLC)などが挙げられ、これらの中でもDMDが好適に挙げられる。
また、前記光変調手段は、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成するパターン信号生成手段を有することが好ましい。この場合、前記光変調手段は、前記パターン信号生成手段が生成した制御信号に応じて光を変調させる。
前記制御信号としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デジタル信号が好適に挙げられる。
以下、前記光変調手段の一例について図面を参照しながら説明する。
DMD36は図6に示すように、SRAMセル(メモリセル)56上に、各々描素(ピクセル)を構成する描素部として、多数のマイクロミラー58が格子状に配列されてなるミラーデバイスである。本実施形態では、1024列×768行のマイクロミラー58が配されてなるDMD36を使用するが、このうちDMD36に接続されたコントローラにより駆動可能すなわち使用可能なマイクロミラー58は、1024列×256行のみであるとする。DMD36のデータ処理速度には限界があり、使用するマイクロミラー数に比例して1ライン当りの変調速度が決定されるので、このように一部のマイクロミラーのみを使用することにより1ライン当りの変調速度が速くなる。各マイクロミラー58は支柱に支えられており、その表面にはアルミニウム等の反射率の高い材料が蒸着されている。なお、本実施形態では、各マイクロミラー58の反射率は90%以上であり、その配列ピッチは縦方向、横方向ともに13.7μmである。SRAMセル56は、ヒンジ及びヨークを含む支柱を介して通常の半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSのものであり、全体はモノリシック(一体型)に構成されている。
DMD36のSRAMセル(メモリセル)56に、所望の2次元パターンを構成する各点の濃度を2値で表した画像信号が書き込まれると、支柱に支えられた各マイクロミラー58が、対角線を中心としてDMD36が配置された基板側に対して±α度(たとえば±10度)のいずれかに傾く。図7Aは、マイクロミラー58がオン状態である+α度に傾いた状態を示し、図7Bは、マイクロミラー58がオフ状態である−α度に傾いた状態を示す。このように、画像信号に応じて、DMD36の各ピクセルにおけるマイクロミラー58の傾きを、図6に示すように制御することによって、DMD36に入射したレーザ光Bはそれぞれのマイクロミラー58の傾き方向へ反射される。
図6には、DMD36の一部を拡大し、各マイクロミラー58が+α度又はα度に制御されている状態の一例を示す。それぞれのマイクロミラー58のオンオフ制御は、DMD36に接続された上記のコントローラによって行われる。また、オフ状態のマイクロミラー58で反射したレーザ光Bが進行する方向には、光吸収体(図示せず)が配置されている。
−光照射手段−
前記光照射手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(超)高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、ハロゲンランプ、複写機用などの蛍光管、LED、半導体レーザ等の公知光源、又は2以上の光を合成して照射可能な手段が挙げられ、これらの中でも2以上の光を合成して照射可能な手段が好ましい。
前記光照射手段から照射される光としては、例えば、支持体を介して光照射を行う場合には、該支持体を透過し、かつ用いられる光重合開始剤や増感剤を活性化する電磁波、紫外から可視光線、電子線、X線、レーザ光などが挙げられ、これらの中でもレーザ光が好ましく、2以上の光を合成したレーザ(以下、「合波レーザ」と称することがある)がより好ましい。また支持体を剥離してから光照射を行う場合でも、同様の光を用いることができる。
前記紫外から可視光線の波長としては、例えば、300〜1,500nmが好ましく、320〜800nmがより好ましく、330nm〜650nmが特に好ましい。
前記レーザ光の波長としては、例えば、200〜1,500nmが好ましく、300〜800nmがより好ましく、330nm〜500nmが更に好ましく、400nm〜450nmが特に好ましい。
前記合波レーザを照射可能な手段としては、例えば、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射したレーザビームを集光して前記マルチモード光ファイバに結合させる集合光学系とを有する手段が好ましい。
以下、前記合波レーザを照射可能な手段(ファイバアレイ光源)について図を参照しながら説明する。
ファイバアレイ光源38は、図8に示すように、複数(たとえば14個)のレーザモジュール60を備えており、各レーザモジュール60には、マルチモード光ファイバ62の一端が結合されている。マルチモード光ファイバ62の他端には、マルチモード光ファイバ62より小さいクラッド径を有する光ファイバ64が結合されている。図9に詳しく示すように、光ファイバ64のマルチモード光ファイバ62と反対側の端部は走査方向と直交する方向に沿って7個並べられ、それが2列に配列されてレーザ出射部66が構成されている。
光ファイバ64の端部で構成されるレーザ出射部66は、図9に示すように、表面が平坦な2枚の支持板68に挟み込まれて固定されている。また、光ファイバ64の光出射端面には、その保護のために、ガラス等の透明な保護板が配置されるのが望ましい。光ファイバ64の光出射端面は、光密度が高いため集塵しやすく劣化しやすいが、上述のような保護板を配置することにより、端面への塵埃の付着を防止し、また劣化を遅らせることができる。
このような光ファイバは、例えば、図25に示すように、クラッド径が大きいマルチモード光ファイバ62のレーザ光出射側の先端部分に、長さ1〜30cmのクラッド径が小さい光ファイバ64を同軸的に結合することにより得ることができる。2本の光ファイバは、光ファイバ64の入射端面が、マルチモード光ファイバ62の出射端面に、両光ファイバの中心軸が一致するように融着されて結合されている。上述した通り、光ファイバ64のコア64aの径は、マルチモード光ファイバ62のコア62aの径と同じ大きさである。
また、長さが短くクラッド径が大きい光ファイバにクラッド径が小さい光ファイバを融着させた短尺光ファイバを、フェルールや光コネクタ等を介してマルチモード光ファイバ62の出射端に結合してもよい。コネクタ等を用いて着脱可能に結合することで、クラッド径が小さい光ファイバが破損した場合等に先端部分の交換が容易になり、露光ヘッドのメンテナンスに要するコストを低減できる。なお、以下では、光ファイバ64を、マルチモード光ファイバ62の出射端部と称する場合がある。
マルチモード光ファイバ62及び光ファイバ64としては、ステップインデックス型光ファイバ、グレーテッドインデックス型光ファイバ、及び複合型光ファイバの何れでもよい。例えば、三菱電線工業株式会社製のステップインデックス型光ファイバを用いることができる。本実施の形態では、マルチモード光ファイバ62及び光ファイバ64は、ステップインデックス型光ファイバであり、マルチモード光ファイバ62は、クラッド径=125μm、コア径=50μm、NA=0.2、入射端面コートの透過率=99.5%以上であり、光ファイバ64は、クラッド径=60μm、コア径=50μm、NA=0.2である。
一般に、赤外領域のレーザ光では、光ファイバのクラッド径を小さくすると伝搬損失が増加する。このため、レーザ光の波長帯域に応じて好適なクラッド径が決定されている。しかしながら、波長が短いほど伝搬損失は少なくなり、GaN系半導体レーザから出射された波長405nmのレーザ光では、クラッドの厚み{(クラッド径−コア径)/2}を800nmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の1/2程度、通信用の1.5μmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の約1/4にしても、伝搬損失は殆ど増加しない。従って、クラッド径を60μmと小さくすることができる。
但し、光ファイバのクラッド径は60μmには限定されない。従来のファイバアレイ光源に使用されている光ファイバのクラッド径は125μmであるが、クラッド径が小さくなるほど焦点深度がより深くなるので、光ファイバのクラッド径は80μm以下が好ましく、60μm以下がより好ましく、40μm以下が更に好ましい。一方、コア径は少なくとも3〜4μm必要であることから、光ファイバ64のクラッド径は10μm以上が好ましい。
レーザモジュール60は、図26に示す合波レーザ光源(ファイバアレイ光源)によって構成されている。この合波レーザ光源は、ヒートブロック110上に配列固定された複数(例えば、7個)のチップ状の横マルチモード又はシングルモードのGaN系半導体レーザLD1、LD2、LD3、LD4、LD5、LD6、及びLD7と、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各々に対応して設けられたコリメータレンズL1、L2、L3、L4、L5、L6及びL7と、1つの集光レンズ200と、1本のマルチモード光ファイバ62と、から構成されている。なお、半導体レーザの個数は7個には限定されない。例えば、クラッド径=60μm、コア径=50μm、NA=0.2のマルチモード光ファイバには、20個もの半導体レーザ光を入射することが可能であり、露光ヘッドの必要光量を実現して、且つ光ファイバ本数をより減らすことができる。
GaN系半導体レーザLD1〜LD7は、発振波長が総て共通(例えば、405nm)であり、最大出力も総て共通(例えば、マルチモードレーザでは100mW、シングルモードレーザでは30mW)である。なお、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、350nm〜450nmの波長範囲で、上記の405nm以外の発振波長を備えるレーザを用いてもよい。
前記合波レーザ光源は、図27及び図28に示すように、他の光学要素と共に、上方が開口した箱状のパッケージ400内に収納されている。パッケージ400は、その開口を閉じるように作成されたパッケージ蓋410を備えており、脱気処理後に封止ガスを導入し、パッケージ400の開口をパッケージ蓋410で閉じることにより、パッケージ400とパッケージ蓋410とにより形成される閉空間(封止空間)内に上記合波レーザ光源が気密封止されている。
パッケージ400の底面にはベース板420が固定されており、このベース板420の上面には、前記ヒートブロック110と、集光レンズ200を保持する集光レンズホルダー450と、マルチモード光ファイバ62の入射端部を保持するファイバホルダー460とが取り付けられている。マルチモード光ファイバ62の出射端部は、パッケージ400の壁面に形成された開口からパッケージ外に引き出されている。
また、ヒートブロック110の側面にはコリメータレンズホルダー440が取り付けられており、コリメータレンズL1〜L7が保持されている。パッケージ400の横壁面には開口が形成され、この開口を通してGaN系半導体レーザLD1〜LD7に駆動電流を供給する配線470がパッケージ外に引き出されている。
なお、図28においては、図の煩雑化を避けるために、複数のGaN系半導体レーザのうちGaN系半導体レーザLD7にのみ番号を付し、複数のコリメータレンズのうちコリメータレンズL7にのみ番号を付している。
図29は、前記コリメータレンズL1〜L7の取り付け部分の正面形状を示すものである。コリメータレンズL1〜L7の各々は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取った形状に形成されている。この細長形状のコリメータレンズは、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することによって形成することができる。コリメータレンズL1〜L7は、長さ方向がGaN系半導体レーザLD1〜LD7の発光点の配列方向(図29の左右方向)と直交するように、上記発光点の配列方向に密接配置されている。
一方、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、発光幅が2μmの活性層を備え、活性層と平行な方向、直角な方向の拡がり角が各々例えば10°、30°の状態で各々レーザビームB1〜B7を発するレーザが用いられている。これらGaN系半導体レーザLD1〜LD7は、活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶように配設されている。
したがって、各発光点から発せられたレーザビームB1〜B7は、上述のように細長形状の各コリメータレンズL1〜L7に対して、拡がり角度が大きい方向が長さ方向と一致し、拡がり角度が小さい方向が幅方向(長さ方向と直交する方向)と一致する状態で入射することになる。つまり、各コリメータレンズL1〜L7の幅が1.1mm、長さが4.6mmであり、それらに入射するレーザビームB1〜B7の水平方向、垂直方向のビーム径は各々0.9mm、2.6mmである。また、コリメータレンズL1〜L7の各々は、焦点距離f1=3mm、NA=0.6、レンズ配置ピッチ=1.25mmである。
集光レンズ200は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取って、コリメータレンズL1〜L7の配列方向、つまり水平方向に長く、それと直角な方向に短い形状に形成されている。この集光レンズ200は、焦点距離f=23mm、NA=0.2である。この集光レンズ200も、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することにより形成される。
また、DMDを照明する光照射手段に、合波レーザ光源の光ファイバの出射端部をアレイ状に配列した高輝度のファイバアレイ光源を用いているので、高出力で且つ深い焦点深度を備えたパターン形成装置を実現することができる。更に、各ファイバアレイ光源の出力が大きくなることで、所望の出力を得るために必要なファイバアレイ光源数が少なくなり、パターン形成装置の低コスト化が図られる。
また、光ファイバの出射端のクラッド径を入射端のクラッド径よりも小さくしているので、発光部径がより小さくなり、ファイバアレイ光源の高輝度化が図られる。これにより、より深い焦点深度を備えたパターン形成装置を実現することができる。例えば、ビーム径1μm以下、解像度0.1μm以下の超高解像度露光の場合にも、深い焦点深度を得ることができ、高速且つ高精細な露光が可能となる。したがって、高解像度が必要とされる薄膜トランジスタ(TFT)の露光工程に好適である。
また、前記光照射手段としては、前記合波レーザ光源を複数備えたファイバアレイ光源に限定されず、例えば、1個の発光点を有する単一の半導体レーザから入射されたレーザ光を出射する1本の光ファイバを備えたファイバ光源をアレイ化したファイバアレイ光源を用いることができる。
また、複数の発光点を備えた光照射手段としては、例えば、図30に示すように、ヒートブロック110上に、複数(例えば、7個)のチップ状の半導体レーザLD1〜LD7を配列したレーザアレイを用いることができる。また、図31Aに示す、複数(例えば、5個)の発光点111aが所定方向に配列されたチップ状のマルチキャビティレーザ110が知られている。マルチキャビティレーザ111は、チップ状の半導体レーザを配列する場合と比べ、発光点を位置精度良く配列できるので、各発光点から出射されるレーザビームを合波し易い。但し、発光点が多くなるとレーザ製造時にマルチキャビティレーザ111に撓みが発生し易くなるため、発光点111aの個数は5個以下とするのが好ましい。
前記光照射手段としては、このマルチキャビティレーザ111や、図31Bに示すように、ヒートブロック110上に、複数のマルチキャビティレーザ111が各チップの発光点111aの配列方向と同じ方向に配列されたマルチキャビティレーザアレイを、レーザ光源として用いることができる。
また、合波レーザ光源は、複数のチップ状の半導体レーザから出射されたレーザ光を合波するものには限定されない。例えば、図32に示すように、複数(例えば、3個)の発光点111aを有するチップ状のマルチキャビティレーザ111を備えた合波レーザ光源を用いることができる。この合波レーザ光源は、マルチキャビティレーザ111と、1本のマルチモード光ファイバ62と、集光レンズ200と、を備えて構成されている。マルチキャビティレーザ111は、例えば、発振波長が405nmのGaN系レーザダイオードで構成することができる。
前記構成では、マルチキャビティレーザ111の複数の発光点111aの各々から出射したレーザビームBの各々は、集光レンズ200によって集光され、マルチモード光ファイバ62のコア62aに入射する。コア62aに入射したレーザ光は、光ファイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
マルチキャビティレーザ111の複数の発光点111aを、上記マルチモード光ファイバ62のコア径と略等しい幅内に並設すると共に、集光レンズ200として、マルチモード光ファイバ62のコア径と略等しい焦点距離の凸レンズや、マルチキャビティレーザ111からの出射ビームをその活性層に垂直な面内のみでコリメートするロッドレンズを用いることにより、レーザビームBのマルチモード光ファイバ62への結合効率を上げることができる。
また、図33に示すように、複数(例えば、3個)の発光点を備えたマルチキャビティレーザ111を用い、ヒートブロック110上に複数(例えば、9個)のマルチキャビティレーザ111が互いに等間隔で配列されたレーザアレイ140を備えた合波レーザ光源を用いることができる。複数のマルチキャビティレーザ111は、各チップの発光点111aの配列方向と同じ方向に配列されて固定されている。
この合波レーザ光源は、レーザアレイ140と、各マルチキャビティレーザ111に対応させて配置した複数のレンズアレイ114と、レーザアレイ140と複数のレンズアレイ114との間に配置された1本のロッドレンズ113と、1本のマルチモード光ファイバ130と、集光レンズ120と、を備えて構成されている。レンズアレイ114は、マルチキャビティレーザ110の発光点に対応した複数のマイクロレンズを備えている。
上記の構成では、複数のマルチキャビティレーザ111の複数の発光点111aの各々から出射したレーザビームBの各々は、ロッドレンズ113により所定方向に集光された後、レンズアレイ114の各マイクロレンズにより平行光化される。平行光化されたレーザビームLは、集光レンズ200によって集光され、マルチモード光フアイバ62のコア62aに入射する。コア62aに入射したレーザ光は、光フアイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
更に他の合波レーザ光源の例を示す。この合波レーザ光源は、図34A及び図34Bに示すように、略矩形状のヒートブロック180上に光軸方向の断面がL字状のヒートブロック182が搭載され、2つのヒートブロック間に収納空間が形成されている。L字状のヒートブロック182の上面には、複数の発光点(例えば、5個)がアレイ状に配列された複数(例えば、2個)のマルチキャビティレーザ111が、各チップの発光点111aの配列方向と同じ方向に等間隔で配列されて固定されている。
略矩形状のヒートブロック180には凹部が形成されており、ヒートブロック180の空間側上面には、複数の発光点(例えば、5個)がアレイ状に配列された複数(例えば、2個)のマルチキャビティレーザ110が、その発光点がヒートブロック182の上面に配置されたレーザチップの発光点と同じ鉛直面上に位置するように配置されている。
マルチキャビティレーザ111のレーザ光出射側には、各チップの発光点111aに対応してコリメートレンズが配列されたコリメートレンズアレイ184が配置されている。コリメートレンズアレイ184は、各コリメートレンズの長さ方向とレーザビームの拡がり角が大きい方向(速軸方向)とが一致し、各コリメートレンズの幅方向が拡がり角が小さい方向(遅軸方向)と一致するように配置されている。このように、コリメートレンズをアレイ化して一体化することで、レーザ光の空間利用効率が向上し合波レーザ光源の高出力化が図られると共に、部品点数が減少し低コスト化することができる。
また、コリメートレンズアレイ184のレーザ光出射側には、1本のマルチモード光ファイバ62と、このマルチモード光ファイバ62の入射端にレーザビームを集光して結合する集光レンズ200と、が配置されている。
前記構成では、レーザブロック180、182上に配置された複数のマルチキヤビティレーザ111の複数の発光点111aの各々から出射したレーザビームBの各々は、コリメートレンズアレイ184により平行光化され、集光レンズ200によって集光されて、マルチモード光フアイバ62のコア62aに入射する。コア62aに入射したレーザ光は、光フアイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
前記合波レーザ光源は、上記の通り、マルチキャビティレーザの多段配置とコリメートレンズのアレイ化とにより、特に高出力化を図ることができる。この合波レーザ光源を用いることにより、より高輝度なファイバアレイ光源やバンドルファイバ光源を構成することができるので、本発明のパターン形成装置のレーザ光源を構成するファイバ光源として特に好適である。
なお、前記各合波レーザ光源をケーシング内に収納し、マルチモード光ファイバ62の出射端部をそのケーシングから引き出したレーザモジュールを構成することができる。
また、合波レーザ光源のマルチモード光ファイバの出射端に、コア径がマルチモード光ファイバと同一で且つクラッド径がマルチモード光ファイバより小さい他の光ファイバを結合してファイバアレイ光源の高輝度化を図る例について説明したが、例えば、クラッド径が125μm、80μm、60μm等のマルチモード光ファイバを、出射端に他の光ファイバを結合せずに使用してもよい。
<<使用描素部指定手段>>
前記使用描素部指定手段としては、描素単位としての光点の位置を被露光面上において検出する光点位置検出手段と、前記光点位置検出手段による検出結果に基づき、N重露光を実現するために使用する描素部を選択する描素部選択手段とを少なくとも備えることが好ましい。
以下、前記使用描素部指定手段による、N重露光に使用する描素部の指定方法の例について説明する。
(1)単一露光ヘッド内における使用描素部の指定方法
本実施形態(1)では、パターン形成装置10により、感光材料12に対して2重露光を行う場合であって、各露光ヘッド30の取付角度誤差に起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的な2重露光を実現するための使用描素部の指定方法を説明する。
露光ヘッド30の走査方向に対する描素部(マイクロミラー58)の列方向の設定傾斜角度θとしては、露光ヘッド30の取付角度誤差等がない理想的な状態であれば、使用可能な1024列×256行の描素部を使用してちょうど2重露光となる角度θidealよりも、若干大きい角度を採用するものとする。
この角度θidealは、N重露光の数N、使用可能なマイクロミラー58の列方向の個数s、使用可能なマイクロミラー58の列方向の間隔p、及び露光ヘッド30を傾斜させた状態においてマイクロミラーによって形成される走査線のピッチδに対し、下記式1、
spsinθideal≧Nδ(式1)
により与えられる。本実施形態におけるDMD36は、上記のとおり、縦横の配置間隔が等しい多数のマイクロミラー58が矩形格子状に配されたものであるので、
pcosθideal=δ(式2)
であり、上記式1は、
stanθideal=N(式3)
となる。本実施形態(1)では、上記のとおりs=256、N=2であるので、前記式3より、角度θidealは約0.45度である。したがって、設定傾斜角度θとしては、たとえば0.50度程度の角度を採用するとよい。パターン形成装置10は、調整可能な範囲内で、各露光ヘッド30すなわち各DMD36の取付角度がこの設定傾斜角度θに近い角度となるように、初期調整されているものとする。
図10は、上記のように初期調整されたパターン形成装置10において、1つの露光ヘッド30の取付角度誤差、及びパターン歪みの影響により、被露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。以下の図面及び説明においては、各描素部(マイクロミラー)により生成され、被露光面上の露光領域を構成する描素単位としての光点について、第m行目の光点をr(m)、第n列目の光点をc(n)、第m行第n列の光点をP(m,n)とそれぞれ表記するものとする。
図10の上段部分は、ステージ14を静止させた状態で感光材料12の被露光面上に投影される、使用可能なマイクロミラー58からの光点群のパターンを示し、下段部分は、上段部分に示したような光点群のパターンが現れている状態でステージ14を移動させて連続露光を行った際に、被露光面上に形成される露光パターンの状態を示したものである。
なお、図10では、説明の便宜のため、使用可能なマイクロミラー58の奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンを分けて示してあるが、実際の被露光面上における露光パターンは、これら2つの露光パターンを重ね合わせたものである。
図10の例では、設定傾斜角度θを上記の角度θidealよりも若干大きい角度を採用した結果として、また露光ヘッド30の取付角度の微調整が困難であるために、実際の取付角度と上記の設定傾斜角度θとが誤差を有する結果として、被露光面上のいずれの領域においても濃度むらが生じている。具体的には、奇数列のマイクロミラーによる露光パターン及び偶数列のマイクロミラーによる露光パターンの双方で、複数の描素部列により形成された、被露光面上の重複露光領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となり、描画が冗長となる領域が生じ、濃度むらが生じている。
さらに、図10の例では、被露光面上に現れるパターン歪みの一例であって、被露光面上に投影された各画素列の傾斜角度が均一ではなくなる「角度歪み」が生じている。このような角度歪みが生じる原因としては、DMD36と被露光面間の光学系の各種収差やアラインメントずれ、及びDMD36自体の歪みやマイクロミラーの配置誤差等が挙げられる。
図10の例に現れている角度歪みは、走査方向に対する傾斜角度が、図の左方の列ほど小さく、図の右方の列ほど大きくなっている形態の歪みである。この角度歪みの結果として、露光過多となっている領域は、図の左方に示した被露光面上ほど小さく、図の右方に示した被露光面上ほど大きくなっている。
上記したような、複数の描素部列により形成された、被露光面上の重複露光領域における濃度むらを軽減するために、前記光点位置検出手段としてスリット28及び光検出器の組を用い、露光ヘッド30ごとに実傾斜角度θ´を特定し、該実傾斜角度θ´に基づき、前記描素部選択手段として前記光検出器に接続された前記演算装置を用いて、実際の露光に使用するマイクロミラーを選択する処理を行うものとする。
実傾斜角度θ´は、光点位置検出手段が検出した少なくとも2つの光点位置に基づき、露光ヘッドを傾斜させた状態における被露光面上の光点の列方向と前記露光ヘッドの走査方向とがなす角度により特定される。
以下、図11及び12を用いて、前記実傾斜角度θ´の特定、及び使用画素選択処理について説明する。
−実傾斜角度θ´の特定−
図11は、1つのDMD36による露光エリア32と、対応するスリット28との位置関係を示した上面図である。スリット28の大きさは、露光エリア32の幅を十分覆う大きさとされている。
本実施形態(1)の例では、露光エリア32の略中心に位置する第512列目の光点列と露光ヘッド30の走査方向とがなす角度を、上記の実傾斜角度θ´として測定する。具体的には、DMD36上の第1行目第512列目のマイクロミラー58、及び第256行目第512列目のマイクロミラー58をオン状態とし、それぞれに対応する被露光面上の光点P(1,512)及びP(256,512)の位置を検出し、それらを結ぶ直線と露光ヘッドの走査方向とがなす角度を実傾斜角度θ´として特定する。
図12は、光点P(256,512)の位置の検出手法を説明した上面図である。
まず、第256行目第512列目のマイクロミラー58を点灯させた状態で、ステージ14をゆっくり移動させてスリット28をY軸方向に沿って相対移動させ、光点P(256,512)が上流側のスリット28aと下流側のスリット28bの間に来るような任意の位置に、スリット28を位置させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標を(X0,Y0)とする。この座標(X0,Y0)の値は、ステージ14に与えられた駆動信号が示す上記の位置までのステージ14の移動距離、及び、既知であるスリット28のX方向位置から決定され、記録される。
次に、ステージ14を移動させ、スリット28をY軸に沿って図12における右方に相対移動させる。そして、図12において二点鎖線で示すように、光点P(256,512)の光が左側のスリット28bを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標(X0,Y1)を、光点P(256,512)の位置として記録する。
次いで、ステージ14を反対方向に移動させ、スリット28をY軸に沿って図12における左方に相対移動させる。そして、図12において二点鎖線で示すように、光点P(256,512)の光が右側のスリット28aを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標(X0,Y2)を光点P(256,512)の位置として記録する。
以上の測定結果から、光点P(256,512)の被露光面上における位置を示す座標(X,Y)を、X=X0+(Y1−Y2)/2、Y=(Y1+Y2)/2の計算により決定する。同様の測定により、P(1,512)の位置を示す座標も決定し、それぞれの座標を結ぶ直線と、露光ヘッド30の走査方向とがなす傾斜角度を導出し、これを実傾斜角度θ´として特定する。
‐使用描素部の選択‐
このようにして特定された実傾斜角度θ´を用い、前記光検出器に接続された前記演算装置は、下記式4
ttanθ´=N(式4)
の関係を満たす値tに最も近い自然数Tを導出し、DMD36上の1行目からT行目のマイクロミラーを、本露光時に実際に使用するマイクロミラーとして選択する処理を行う。これにより、第512列目付近の露光領域において、理想的な2重露光に対して、露光過多となる領域と、露光不足となる領域との面積合計が最小となるようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
ここで、上記の値tに最も近い自然数を導出することに代えて、値t以上の最小の自然数を導出することとしてもよい。その場合、第512列目付近の露光領域において、理想的な2重露光に対して、露光過多となる領域の面積が最小になり、かつ露光不足となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
また、値t以下の最大の自然数を導出することとしてもよい。その場合、第512列目付近の露光領域において、理想的な2重露光に対して、露光不足となる領域の面積が最小になり、かつ露光過多となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
図13は、上記のようにして実際に使用するマイクロミラーとして選択されたマイクロミラーが生成した光点のみを用いて行った露光において、図10に示した被露光面上のむらがどのように改善されるかを示した説明図である。
この例では、上記の自然数TとしてT=253が導出され、第1行目から第253行目のマイクロミラーが選択されたものとする。選択されなかった第254行目から第256行目のマイクロミラーに対しては、前記描素部制御手段により、常時オフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に関与しない。図13に示すとおり、第512列目付近の露光領域では、露光過多及び露光不足は、ほぼ完全に解消され、理想的な2重露光に極めて近い均一な露光が実現される。
一方、図13の左方の領域(図中のc(1)付近)では、前記角度歪みにより、被露光面上における光点列の傾斜角度が中央付近(図中のc(512)付近)の領域における光線列の傾斜角度よりも小さくなっている。したがって、c(512)を基準として測定された実傾斜角度θ´に基づいて選択されたマイクロミラーのみによる露光では、偶数列による露光パターン及び奇数列による露光パターンのそれぞれにおいて、理想的な2重露光に対して露光不足となる領域がわずかに生じてしまう。
しかしながら、図示の奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンとを重ね合わせてなる実際の露光パターンにおいては、露光量不足となる領域が互いに補完され、前記角度歪みによる露光むらを、2重露光による埋め合わせの効果で最小とすることができる。
また、図13の右方の領域(図中のc(1024)付近)では、前記角度歪みにより、被露光面上における光線列の傾斜角度が、中央付近(図中のc(512)付近)の領域における光線列の傾斜角度よりも大きくなっている。したがって、c(512)を基準として測定された実傾斜角度θ´に基づいて選択されたマイクロミラーによる露光では、図に示すように、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域がわずかに生じてしまう。
しかしながら、図示の奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンとを重ね合わせてなる実際の露光パターンにおいては、露光過多となる領域が互いに補完され、前記角度歪による濃度むらを、2重露光による埋め合わせの効果で最小とすることができる。
本実施形態(1)では、上述のとおり、第512列目の光線列の実傾斜角度θ´が測定され、該実傾斜角度θ´を用い、前記式(4)により導出されたTに基づいて使用するマイクロミラー58を選択したが、前記実傾斜角度θ´の特定方法としては、複数の描素部の列方向(光点列)と、前記露光ヘッドの走査方向とがなす複数の実傾斜角度をそれぞれ測定し、それらの平均値、中央値、最大値、及び最小値のいずれかを実傾斜角度θ´として特定し、前記式4等によって実際の露光時に実際に使用するマイクロミラーを選択する形態としてもよい。
前記平均値又は前記中央値を実傾斜角度θ´とすれば、理想的なN重露光に対して露光過多となる領域と露光不足となる領域とのバランスがよい露光を実現することができる。例えば、露光過多となる領域と、露光量不足となる領域との合計面積が最小に抑えられ、かつ、露光過多となる領域の描素単位数(光点数)と、露光不足となる領域の描素単位数(光点数)とが等しくなるような露光を実現することが可能である。
また、前記最大値を実傾斜角度θ´とすれば、理想的なN重露光に対して露光過多となる領域の排除をより重要視した露光を実現することができ、例えば、露光不足となる領域の面積を最小に抑え、かつ、露光過多となる領域が生じないような露光を実現することが可能である。
さらに、前記最小値を実傾斜角度θ´とすれば、理想的なN重露光に対して露光不足となる領域の排除をより重要視した露光を実現することができ、例えば、露光過多となる領域の面積を最小に抑え、かつ、露光不足となる領域が生じないような露光を実現することが可能である。
一方、前記実傾斜角度θ´の特定は、同一の描素部の列(光点列)中の少なくとも2つの光点の位置に基づく方法に限定されない。例えば、同一描素部列c(n)中の1つ又は複数の光点の位置と、該c(n)近傍の列中の1つ又は複数の光点の位置とから求めた角度を、実傾斜角度θ´として特定してもよい。
具体的には、c(n)中の1つの光点位置と、露光ヘッドの走査方向に沿って直線上かつ近傍の光点列に含まれる1つ又は複数の光点位置とを検出し、これらの位置情報から、実傾斜角度θ´を求めることができる。さらに、c(n)列近傍の光点列中の少なくとも2つの光点(たとえば、c(n)を跨ぐように配置された2つの光点)の位置に基づいて求めた角度を、実傾斜角度θ´として特定してもよい。
以上のように、パターン形成装置10を用いた本実施形態(1)の使用描素部の指定方法によれば、各露光ヘッドの取付角度誤差やパターン歪みの影響による解像度のばらつきや濃度のむらを軽減し、理想的なN重露光を実現することができる。
(2)複数露光ヘッド間における使用描素部の指定方法<1>
本実施形態(2)では、パターン形成装置10により、感光材料12に対して2重露光を行う場合であって、複数の露光ヘッド30により形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域において、2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)のX軸方向に関する相対位置の、理想的な状態からのずれに起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的な2重露光を実現するための使用描素部の指定方法を説明する。
各露光ヘッド30すなわち各DMD36の設定傾斜角度θとしては、露光ヘッド30の取付角度誤差等がない理想的な状態であれば、使用可能な1024列×256行の描素部マイクロミラー58を使用してちょうど2重露光となる角度θidealを採用するものとする。
この角度θidealは、上記の実施形態(1)と同様にして前記式1〜3から求められる。本実施形態(2)において、パターン形成装置10は、各露光ヘッド30すなわち各DMD36の取付角度がこの角度θidealとなるように、初期調整されているものとする。
図14は、上記のように初期調整されたパターン形成装置10において、2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)のX軸方向に関する相対位置の、理想的な状態からのずれの影響により、被露光面上のパターンに生じる濃度むらの例を示した説明図である。各露光ヘッドのX軸方向に関する相対位置のずれは、露光ヘッド間の相対位置の微調整が困難であるために生じ得るものである。
図14の上段部分は、ステージ14を静止させた状態で感光材料12の被露光面上に投影される、露光ヘッド3012と3021が有するDMD36の使用可能なマイクロミラー58からの光点群のパターンを示した図である。図14の下段部分は、上段部分に示したような光点群のパターンが現れている状態でステージ14を移動させて連続露光を行った際に、被露光面上に形成される露光パターンの状態を、露光エリア3212と3221について示したものである。
なお、図14では、説明の便宜のため、使用可能なマイクロミラー58の1列おきの露光パターンを、画素列群Aによる露光パターンと画素列群Bによる露光パターンとに分けて示してあるが、実際の被露光面上における露光パターンは、これら2つの露光パターンを重ね合わせたものである。
図14の例では、上記したX軸方向に関する露光ヘッド3012と3021との間の相対位置の、理想的な状態からのずれの結果として、画素列群Aによる露光パターンと画素列群Bによる露光パターンとの双方で、露光エリア3212と3221の前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光の状態よりも露光量過多な部分が生じてしまっている。
上記したような、複数の前記露光ヘッドにより被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域に現れる濃度むらを軽減するために、本実施形態(2)では、前記光点位置検出手段としてスリット28及び光検出器の組を用い、露光ヘッド3012と3021からの光点群のうち、被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域を構成する光点のいくつかについて、その位置(座標)を検出する。該位置(座標)に基づいて、前記描素部選択手段として前記光検出器に接続された演算装置を用いて、実際の露光に使用するマイクロミラーを選択する処理を行うものとする。
−位置(座標)の検出−
図15は、図14と同様の露光エリア3212及び3221と、対応するスリット28との位置関係を示した上面図である。スリット28の大きさは、露光ヘッド3012と3021による露光済み領域34間の重複部分の幅を十分覆う大きさ、すなわち、露光ヘッド3012と3021により被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域を十分覆う大きさとされている。
図16は、一例として露光エリア3221の光点P(256,1024)の位置を検出する際の検出手法を説明した上面図である。
まず、第256行目第1024列目のマイクロミラーを点灯させた状態で、ステージ14をゆっくり移動させてスリット28をY軸方向に沿って相対移動させ、光点P(256,1024)が上流側のスリット28aと下流側のスリット28bの間に来るような任意の位置に、スリット28を位置させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標を(X0,Y0)とする。この座標(X0,Y0)の値は、ステージ14に与えられた駆動信号が示す上記の位置までのステージ14の移動距離、及び、既知であるスリット28のX方向位置から決定され、記録される。
次に、ステージ14を移動させ、スリット28をY軸に沿って図16における右方に相対移動させる。そして、図16において二点鎖線で示すように、光点P(256,1024)の光が左側のスリット28bを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標(X0,Y1)を、光点P(256,1024)の位置として記録する。
次いで、ステージ14を反対方向に移動させ、スリット28をY軸に沿って図16における左方に相対移動させる。そして、図16において二点鎖線で示すように、光点P(256,1024)の光が右側のスリット28aを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標(X0,Y2)を、光点P(256,1024)として記録する。
以上の測定結果から、光点P(256,1024)の被露光面における位置を示す座標(X,Y)を、X=X0+(Y1−Y2)/2、Y=(Y1+Y2)/2の計算により決定する。
−不使用描素部の特定−
図14の例では、まず、露光エリア3212の光点P(256,1)の位置を、上記の光点位置検出手段としてスリット28と光検出器の組により検出する。続いて、露光エリア3221の第256行目の光点行r(256)上の各光点の位置を、P(256,1024)、P(256,1023)・・・と順番に検出していき、露光エリア3212の光点P(256,1)よりも大きいX座標を示す露光エリア3221の光点P(256,n)が検出されたところで、検出動作を終了する。そして、露光エリア3221の光点列c(n+1)からc(1024)を構成する光点に対応するマイクロミラーを、本露光時に使用しないマイクロミラー(不使用描素部)として特定する。
例えば、図14において、露光エリア3221の光点P(256,1020)が、露光エリア3212の光点P(256,1)よりも大きいX座標を示し、その露光エリア3221の光点P(256,1020)が検出されたところで検出動作が終了したとすると、図17において斜線で覆われた部分70に相当する露光エリア3221の第1021行から第1024行を構成する光点に対応するマイクロミラーが、本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定される。
次に、N重露光の数Nに対して、露光エリア3212の光点P(256,N)の位置が検出される。本実施形態(2)では、N=2であるので、光点P(256,2)の位置が検出される。
続いて、露光エリア3221の光点列のうち、上記で本露光時に使用しないマイクロミラーに対応する光点列として特定されたものを除き、最も右側の第1020列を構成する光点の位置を、P(1,1020)から順番にP(1,1020)、P(2,1020)・・・と検出していき、露光エリア3212の光点P(256,2)よりも大きいX座標を示す光点P(m,1020)が検出されたところで、検出動作を終了する。
その後、前記光検出器に接続された演算装置において、露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標と、露光エリア3221の光点P(m,1020)及びP(m−1,1020)のX座標とが比較され、露光エリア3221の光点P(m,1020)のX座標の方が露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標に近い場合は、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−1,1020)に対応するマイクロミラーが本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定される。
また、露光エリア3221の光点P(m−1,1020)のX座標の方が露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標に近い場合は、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−2,1020)に対応するマイクロミラーが、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定される。
さらに、露光エリア3212の光点P(256,N−1)すなわち光点P(256,1)の位置と、露光エリア3221の次列である第1019列を構成する各光点の位置についても、同様の検出処理及び使用しないマイクロミラーの特定が行われる。
その結果、たとえば、図17において網掛けで覆われた領域72を構成する光点に対応するマイクロミラーが、実際の露光時に使用しないマイクロミラーとして追加される。これらのマイクロミラーには、常時、そのマイクロミラーの角度をオフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に使用されない。
このように、実際の露光時に使用しないマイクロミラーを特定し、該使用しないマイクロミラーを除いたものを、実際の露光時に使用するマイクロミラーとして選択することにより、露光エリア3212と3221の前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積を最小とすることができ、図17の下段に示すように、理想的な2重露光に極めて近い均一な露光を実現することができる。
なお、上記の例においては、図17において網掛けで覆われた領域72を構成する光点の特定に際し、露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標と、露光エリア3221の光点P(m,1020)及びP(m−1,1020)のX座標との比較を行わずに、ただちに、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−2,1020)に対応するマイクロミラーを、本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定してもよい。その場合、前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域の面積が最小になり、かつ露光不足となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
また、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−1,1020)に対応するマイクロミラーを、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定してもよい。その場合、前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光に対して露光不足となる領域の面積が最小になり、かつ露光過多となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
さらに、前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重描画に対して露光過多となる領域の描素単位数(光点数)と、露光不足となる領域の描素単位数(光点数)とが等しくなるように、実際に使用するマイクロミラーを選択することとしてもよい。
以上のように、パターン形成装置10を用いた本実施形態(2)の使用描素部の指定方法によれば、複数の露光ヘッドのX軸方向に関する相対位置のずれに起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的なN重露光を実現することができる。
(3)複数露光ヘッド間における使用描素部の指定方法<2>
本実施形態(3)では、パターン形成装置10により、感光材料12に対して2重露光を行う場合であって、複数の露光ヘッド30により形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域において、2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)のX軸方向に関する相対位置の理想的な状態からのずれ、並びに各露光ヘッドの取付角度誤差、及び2つの露光ヘッド間の相対取付角度誤差に起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的な2重露光を実現するための使用描素部の指定方法を説明する。
各露光ヘッド30すなわち各DMD36の設定傾斜角度としては、露光ヘッド30の取付角度誤差等がない理想的な状態であれば、使用可能な1024列×256行の描素部(マイクロミラー58)を使用してちょうど2重露光となる角度θidealよりも若干大きい角度を採用するものとする。
この角度θidealは、前記式1〜3を用いて上記(1)の実施形態と同様にして求められる値であり、本実施形態では、上記のとおりs=256、N=2であるので、角度θidealは約0.45度である。したがって、設定傾斜角度θとしては、たとえば0.50度程度の角度を採用するとよい。パターン形成装置10は、調整可能な範囲内で、各露光ヘッド30すなわち各DMD36の取付角度がこの設定傾斜角度θに近い角度となるように、初期調整されているものとする。
図18は、上記のように各露光ヘッド30すなわち各DMD36の取付角度が初期調整されたパターン形成装置10において、2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)の取付角度誤差、並びに各露光ヘッド3012と3021間の相対取付角度誤差及び相対位置のずれの影響により、被露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。
図18の例では、図14の例と同様の、X軸方向に関する露光ヘッド3012と3021の相対位置のずれの結果として、一列おきの光点群(画素列群A及びB)による露光パターンの双方で、露光エリア3212と3221の被露光面上の前記露光ヘッドの走査方向と直交する座標軸上で重複する露光領域において、理想的な2重露光の状態よりも露光量過多な領域74が生じ、これが濃度むらを引き起こしている。
さらに、図18の例では、各露光ヘッドの設定傾斜角度θを前記式(1)を満たす角度θidealよりも若干大きくしたことによる結果、及び各露光ヘッドの取付角度の微調整が困難であるために、実際の取付角度が上記の設定傾斜角度θからずれてしまったことの結果として、被露光面上の前記露光ヘッドの走査方向と直交する座標軸上で重複する露光領域以外の領域でも、一列おきの光点群(画素列群A及びB)による露光パターンの双方で、複数の描素部列により形成された、被露光面上の重複露光領域である描素部列間つなぎ領域において、理想的な2重露光の状態よりも露光過多となる領域76が生じ、これがさらなる濃度むらを引き起こしている。
本実施形態(3)では、まず、各露光ヘッド3012と3021の取付角度誤差及び相対取付角度のずれの影響による濃度むらを軽減するための使用画素選択処理を行う。
具体的には、前記光点位置検出手段としてスリット28及び光検出器の組を用い、露光ヘッド3012と3021のそれぞれについて、実傾斜角度θ´を特定し、該実傾斜角度θ´に基づき、前記描素部選択手段として光検出器に接続された演算装置を用いて、実際の露光に使用するマイクロミラーを選択する処理を行うものとする。
−実傾斜角度θ´の特定−
実傾斜角度θ´の特定は、露光ヘッド3012ついては露光エリア3212内の光点P(1,1)とP(256,1)の位置を、露光ヘッド3021については露光エリア3221内の光点P(1,1024)とP(256,1024)の位置を、それぞれ上述した実施形態(2)で用いたスリット28と光検出器の組により検出し、それらを結ぶ直線の傾斜角度と、露光ヘッドの走査方向とがなす角度を測定することにより行われる。
−不使用描素部の特定−
そのようにして特定された実傾斜角度θ´を用いて、光検出器に接続された演算装置は、上述した実施形態(1)における演算装置と同様、下記式4
ttanθ´=N(式4)
の関係を満たす値tに最も近い自然数Tを、露光ヘッド3012と3021のそれぞれについて導出し、DMD36上の第(T+1)行目から第256行目のマイクロミラーを、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定する処理を行う。
例えば、露光ヘッド3012についてはT=254、露光ヘッド3021についてはT=255が導出されたとすると、図19において斜線で覆われた部分78及び80を構成する光点に対応するマイクロミラーが、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定される。これにより、露光エリア3212と3221のうちヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積を最小とすることができる。
ここで、上記の値tに最も近い自然数を導出することに代えて、値t以上の最小の自然数を導出することとしてもよい。その場合、露光エリア3212と3221の、複数の露光ヘッドにより形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光量過多となる面積が最小になり、かつ露光量不足となる面積が生じないようになすことができる。
あるいは、値t以下の最大の自然数を導出することとしてもよい。その場合、露光エリア3212と3221の、複数の露光ヘッドにより形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光不足となる領域の面積が最小になり、かつ露光過多となる領域が生じないようになすことができる。
複数の露光ヘッドにより形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して、露光過多となる領域の描素単位数(光点数)と、露光不足となる領域の描素単位数(光点数)とが等しくなるように、本露光時に使用しないマイクロミラーを特定することとしてもよい。
その後、図19において斜線で覆われた領域78及び80を構成する光点以外の光点に対応するマイクロミラーに関して、図14から17を用いて説明した本実施形態(3)と同様の処理がなされ、図19において斜線で覆われた領域82及び網掛けで覆われた領域84を構成する光点に対応するマイクロミラーが特定され、本露光時に使用しないマイクロミラーとして追加される。
これらの露光時に使用しないものとして特定されたマイクロミラーに対して、前記描素部素制御手段により、常時オフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に関与しない。
以上のように、パターン形成装置10を用いた本実施形態(3)の使用描素部の指定方法によれば、複数の露光ヘッドのX軸方向に関する相対位置のずれ、並びに各露光ヘッドの取付角度誤差、及び露光ヘッド間の相対取付角度誤差に起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的なN重露光を実現することができる。
以上、パターン形成装置10による使用描素部指定方法ついて詳細に説明したが、上記実施形態(1)〜(3)は一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更が可能である。
また、上記の実施形態(1)〜(3)では、被露光面上の光点の位置を検出するための手段として、スリット28と単一セル型の光検出器の組を用いたが、これに限られずいかなる形態のものを用いてもよく、たとえば2次元検出器等を用いてもよい。
さらに、上記の実施形態(1)〜(3)では、スリット28と光検出器の組による被露光面上の光点の位置検出結果から実傾斜角度θ´を求め、その実傾斜角度θ´に基づいて使用するマイクロミラーを選択したが、実傾斜角度θ´の導出を介さずに使用可能なマイクロミラーを選択する形態としてもよい。さらには、たとえばすべての使用可能なマイクロミラーを用いた参照露光を行い、参照露光結果の目視による解像度や濃度のむらの確認等により、操作者が使用するマイクロミラーを手動で指定する形態も、本発明の範囲に含まれるものである。
なお、被露光面上に生じ得るパターン歪みには、上記の例で説明した角度歪みの他にも、種々の形態が存在する。
一例としては、図20Aに示すように、DMD36上の各マイクロミラー58からの光線が、異なる倍率で露光面上の露光エリア32に到達してしまう倍率歪みの形態がある。
また、別の例として、図20Bに示すように、DMD36上の各マイクロミラー58からの光線が、異なるビーム径で被露光面上の露光エリア32に到達してしまうビーム径歪みの形態もある。これらの倍率歪み及びビーム径歪みは、主として、DMD36と被露光面間の光学系の各種収差やアラインメントずれに起因して生じる。
さらに別の例として、DMD36上の各マイクロミラー58からの光線が、異なる光量で被露光面上の露光エリア32に到達してしまう光量歪みの形態もある。この光量歪みは、各種収差やアラインメントずれのほか、DMD36と被露光面間の光学要素(たとえば1枚レンズである図5のレンズ52及び54)の透過率の位置依存性や、DMD36自体による光量むらに起因して生じる。これらの形態のパターン歪みも、被露光面上に形成されるパターンに解像度や濃度のむらを生じさせる。
上記の実施形態(1)〜(3)によれば、本露光に実際に使用するマイクロミラーを選択した後の、これらの形態のパターン歪みの残留要素も、上記の角度歪みの残留要素と同様、多重露光による埋め合わせの効果で均すことができ、解像度や濃度のむらを、各露光ヘッドの露光領域全体にわたって軽減することができる。
<<参照露光>>
上記の実施形態(1)〜(3)の変更例として、使用可能なマイクロミラーのうち、(N−1)列おきのマイクロミラー列、又は全光点行のうち1/N行に相当する隣接する行を構成するマイクロミラー群のみを使用して参照露光を行い、均一な露光を実現できるように、前記参照露光に使用されたマイクロミラー中、実際の露光時に使用しないマイクロミラーを特定することとしてもよい。
前記参照露光手段による参照露光の結果をサンプル出力し、該出力された参照露光結果に対し、解像度のばらつきや濃度のむらを確認し、実傾斜角度を推定するなどの分析を行う。前記参照露光の結果の分析は、操作者の目視による分析であってもよい。
図21A及び図21Bは、単一露光ヘッドを用い、(N−1)列おきのマイクロミラーのみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図21Aに実線で示した奇数列の光点列に対応するマイクロミラーのみを使用して参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記サンプル出力された参照露光結果に基づき、解像度のばらつきや濃度のむらを確認したり、実傾斜角度を推定したりすることで、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図21Bに斜線で覆って示す光点列に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、奇数列の光点列を構成するマイクロミラー中、本露光において実際に使用されるものとして指定される。偶数列の光点列については、別途同様に参照露光を行って、本露光時に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、奇数列の光点列に対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に使用するマイクロミラーを指定することにより、奇数列及び偶数列双方のマイクロミラーを使用した本露光においては、理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
図22は、複数の露光ヘッドを用い、(N−1)列おきのマイクロミラーのみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図22に実線で示した、X軸方向に関して隣接する2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)の奇数列の光点列に対応するマイクロミラーのみを使用して、参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記出力された参照露光結果に基づき、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成されるヘッド間つなぎ領域以外の領域における解像度のばらつきや濃度のむらを確認したり、実傾斜角度を推定したりすることで、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図22に斜線で覆って示す領域86及び網掛けで示す領域88内の光点列に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、奇数列の光点を構成するマイクロミラー中、本露光時において実際に使用されるものとして指定される。偶数列の光点列については、別途同様に参照露光を行って、本露光時に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、奇数列目の画素列に対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に実際に使用するマイクロミラーを指定することにより、奇数列及び偶数列双方のマイクロミラーを使用した本露光においては、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域において、理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
図23は、単一露光ヘッドを用い、全光点行数の1/N行に相当する隣接する行を構成するマイクロミラー群のみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図23Aに実線で示した1行目から128(=256/2)行目の光点に対応するマイクロミラーのみを使用して参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記サンプル出力された参照露光結果に基づき、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図23Bに斜線で覆って示す光点群に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、第1行目から第128行目のマイクロミラー中、本露光時において実際に使用されるものとして指定され得る。第129行目から第256行目のマイクロミラーについては、別途同様に参照露光を行って、本露光時に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、第1行目から第128行目のマイクロミラーに対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に使用するマイクロミラーを指定することにより、全体のマイクロミラーを使用した本露光においては、理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
図24は、複数の露光ヘッドを用い、X軸方向に関して隣接する2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)について、それぞれ全光点行数の1/N行に相当する隣接する行を構成するマイクロミラー群のみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図24に実線で示した第1行目から第128(=256/2)行目の光点に対応するマイクロミラーのみを使用して、参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記サンプル出力された参照露光結果に基づき、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成されるヘッド間つなぎ領域以外の領域における解像度のばらつきや濃度のむらを最小限に抑えた本露光が実現できるように、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図24に斜線で覆って示す領域90及び網掛けで示す領域92内の光点列に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、第1行目から第128行目のマイクロミラー中、本露光時において実際に使用されるものとして指定される。第129行目から第256行目のマイクロミラーについては、別途同様に参照露光を行って、本露光に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、第1行目から第128行目のマイクロミラーに対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に使用するマイクロミラーを指定することにより、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域において理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
以上の実施形態(1)〜(3)及び変更例においては、いずれも本露光を2重露光とする場合について説明したが、これに限定されず、2重露光以上のいかなる多重露光としてもよい。特に3重露光から7重露光程度とすることにより、高解像度を確保し、解像度のばらつき及び濃度むらが軽減された露光を実現することができる。
また、上記の実施形態及び変更例に係る露光装置には、さらに、画像データが表す2次元パターンの所定部分の寸法が、選択された使用画素により実現できる対応部分の寸法と一致するように、画像データを変換する機構が設けられていることが好ましい。そのように画像データを変換することによって、所望の2次元パターンどおりの高精細なパターンを被露光面上に形成することができる。
[現像工程]
前記現像工程は、前記露光工程により前記パターン形成材料における感光層を露光し、該感光層の露光した領域を硬化させた後、未硬化領域を除去することにより現像し、パターンを形成する工程である。
前記現像工程は、例えば、現像手段により好適に実施することができる。
前記現像手段としては、現像液を用いて現像することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記現像液を噴霧する手段、前記現像液を塗布する手段、前記現像液に浸漬させる手段などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、前記現像手段は、前記現像液を交換する現像液交換手段、前記現像液を供給する現像液供給手段などを有していてもよい。
前記現像液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルカリ性液、水系現像液、有機溶剤などが挙げられ、これらの中でも、弱アルカリ性の水溶液が好ましい。該弱アルカリ性液の塩基成分としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、硼砂などが挙げられる。
前記弱アルカリ性の水溶液のpHとしては、例えば、約8〜12が好ましく、約9〜11がより好ましい。前記弱アルカリ性の水溶液としては、例えば、0.1〜5質量%の炭酸ナトリウム水溶液又は炭酸カリウム水溶液などが挙げられる。
前記現像液の温度としては、前記感光層の現像性に合わせて適宜選択することができるが、例えば、約25℃〜40℃が好ましい。
前記現像液は、界面活性剤、消泡剤、有機塩基(例えば、エチレンジアミン、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、ジエチレントリアミン、トリエチレンペンタミン、モルホリン、トリエタノールアミン等)や、現像を促進させるため有機溶剤(例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類、ラクトン類等)などと併用してもよい。また、前記現像液は、水又はアルカリ水溶液と有機溶剤を混合した水系現像液であってもよく、有機溶剤単独であってもよい。
[その他工程]
前記その他の工程としては、特に制限はなく、公知のパターン形成における工程の中から適宜選択することが挙げられるが、例えば、エッチング工程、メッキ工程などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
プリント配線板の製造をサブトラクティブ法で行う場合においては、前記現像工程後にエッチング工程が行われ、図43に示すセミアディティブ法で行う場合においては、前記現像工程後にメッキ工程及びエッチング工程が行われる。
−エッチング工程−
前記エッチング工程としては、公知のエッチング処理方法の中から適宜選択した方法により行うことができる。
前記エッチング処理に用いられるエッチング液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記金属層が銅で形成されている場合には、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素系エッチング液などが挙げられ、これらの中でも、エッチングファクターの点から塩化第二鉄溶液が好ましい。
前記エッチング工程により不要部(パターン部以外の前記金属層)を除去することにより、前記基材の表面にパターンを形成することができる。
前記パターンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、配線パターンなどが好適に挙げられる。
−メッキ工程−
前記メッキ工程としては、公知のメッキ処理の中から適宜選択した適宜選択した方法により行うことができる。
前記メッキ処理としては、例えば、硫酸銅メッキ、ピロリン酸銅メッキ等の銅メッキ、ハイスローはんだメッキ等のはんだメッキ、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)メッキ、スルファミン酸ニッケル等のニッケルメッキ、ハード金メッキ、ソフト金メッキ等の金メッキなど処理が挙げられる。
前記メッキ工程によりメッキ処理した後に硬化膜を除去することにより、また更に必要に応じて不要部をエッチング処理等で除去することにより、前記基材の表面にパターンを形成することができる。
〔プリント配線板の製造方法〕
本発明の前記パターン形成方法は、プリント配線板の製造、特にスルーホール又はビアホールなどのホール部を有するプリント配線板の製造等に好適に使用することができる。以下、本発明のパターン形成方法を利用したスルーホールを有するプリント配線板の製造方法の一例について説明する。
(1)積層工程
まずスルーホールを有し、表面が金属メッキ層で覆われたプリント配線板形成用基板を用意する。前記プリント配線板形成用基板としては、例えば、銅張積層基板及びガラス−エポキシなどの絶縁基材に銅メッキ層を形成した基板、又はこれらの基板に層間絶縁膜を積層し、銅メッキ層を形成した基板(積層基板)を用いることができる。
次に、前記パターン形成材料上に保護フィルムを有する場合には、該保護フィルムを剥離して、前記パターン形成材料における感光層が前記プリント配線板形成用基板の表面に接するようにして加圧ローラを用いて圧着する(積層工程)。これにより、前記プリント配線板形成用基板と前記積層体とをこの順に有する積層体が得られる。
前記パターン形成材料の積層温度としては、特に制限はなく、例えば、室温(15〜30℃)、又は加熱下(30〜180℃)が挙げられ、これらの中でも、加温下(60〜140℃)がより好ましい。
前記圧着ロールのロール圧としては、特に制限はなく、例えば、0.1〜1MPaが好ましい。
前記圧着の速度としては、特に制限はなく、1〜3m/分が好ましい。
また、前記プリント配線板形成用基板を予備加熱しておいてもよく、また、減圧下で積層してもよい。
(2)露光工程
次に、前記積層体の基材とは反対側の面から、光を照射して感光層を硬化させる。なおこの際、必要に応じて(例えば、支持体の光透過性が不十分な場合など)支持体を剥離してから露光を行ってもよい。
また、露光後の時点で、前記支持体を未だ剥離していない場合には、前記積層体から前記支持体を剥離する。
(3)現像工程
次に、前記プリント配線板形成用基板上の感光層の未硬化領域を、適当な現像液にて溶解除去して、配線パターン形成用の硬化層とスルーホールの金属層保護用硬化層のパターンを形成し、前記プリント配線板形成用基板の表面に金属層を露出させる。
また、現像後に必要に応じて後加熱処理や後露光処理によって、硬化部の硬化反応を更に促進させる処理をおこなってもよい。現像は上記のようなウエット現像法であってもよく、ドライ現像法であってもよい。
(4)配線部形成工程
その後、前記形成したパターンを用いて、前記プリント配線板形成用基板をエッチング処理した後に硬化した前記感光層を剥離する方法(例えば、サブトラクティブ法)、または、メッキ処理した後に硬化した前記感光層を剥離し、不要な銅箔層をエッチング処理する方法(例えば、図43に示すセミアディティブ法)により処理すればよい。
これらの中でも、工業的に有利なテンティングでプリント配線板を形成するためには、前記サブトラクティブ法が好ましいが、より解像度の高い(ライン/スペースの小さな)パターンを形成するためには、前記セミアディティブ法がより好ましい。
前記セミアディティブ法は、例えば、図43に示すように、予め無電解銅めっき509aを施した絶縁層507上に硬化膜508を形成し、次いで、該硬化膜508のパターン間に電解銅めっき509bを施した後に、該硬化膜508を剥離液を用いて剥離除去し、最後にクイックエッチングを行い、該電解銅めっき509bのパターンをマスクにして予め絶縁層507上に施した該無電解銅めっき509aをエッチングして、配線パターン(509a+509b)を得て半導体パッケージ基板を製造する方法である。
前記エッチング液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記金属層が銅で形成されている場合には、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素系エッチング液などが挙げられる。これらの中でも、エッチングファクターの点から塩化第二鉄溶液がより好ましい。
前記硬化した感光層を剥離するには、強アルカリ水溶液などで処理し、プリント配線基板上から剥離片として除去する。。
前記強アルカリ水溶液における塩基成分としては、特に制限はなく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記強アルカリ水溶液のpHとしては、例えば、約12〜14が好ましく、約13〜14がより好ましい。
前記強アルカリ水溶液としては、特に制限はなく、例えば、1〜10質量%の水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液などが挙げられる。
また、プリント配線板は、多層構成のプリント配線板であってもよい。
なお、前記パターン形成材料は上記のエッチングプロセスのみでなく、メッキプロセスに使用してもよい。前記メッキ法としては、例えば、硫酸銅メッキ、ピロリン酸銅メッキ等の銅メッキ、ハイスローはんだメッキ等のはんだメッキ、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)メッキ、スルファミン酸ニッケル等のニッケルメッキ、ハード金メッキ、ソフト金メッキ等の金メッキなどが挙げられる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
実施例の感光性樹脂組成物に含まれるバインダーとして、ポリマーP1〜P6(合成例1〜6)、比較例の感光性樹脂組成物に含まれるバインダーである、ポリマーP7〜P13(比較合成例1〜7)を以下のように合成した。得られたポリマーP1〜P13の物性を表1〜3に示す。
(合成例1)
−ポリマーP1の合成−
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート、及び窒素導入管を備えた2Lセパラブルフラスコ内で、酸素濃度7%混気雰囲気下、SMA2000(Sartomer社製、スチレン−無水マレイン酸共重合体(共重合組成モル比:スチレン/マレイン酸無水物=67/33、質量平均分子量=7,500、Tg=408K))102.1gと、水3.2gとを溶剤であるジオキサン205gに溶解し、100℃で約8時間撹拌した。その後、ベンジルアルコール16.2gを添加し、反応物の赤外吸収スペクトルを逐次測定しながら、酸無水物基の吸収が消失するまで、さらに100℃で4時間撹拌した。その後、フェニルグリシジルエーテル15.0gとベンジルトリエチルアンモニウムクロリド2.0gを混合して70℃で6時間撹拌後、室温まで冷却し、固形分濃度が40質量%のポリマーP1溶液を得た。
得られた前記ポリマーP1溶液の一部をn−ヘキサンに沈殿し、固形分酸価と質量平均分子量を測定したところ、それぞれ168mgKOH/gと7,700であった。また、ガラス転移温度(Tg)は365Kであった。したがって、得られた前記ポリマーP1は、下記構造式(P1)で表される共重合体であることが判った。
ただし、前記構造式(P1)中、数字は繰返し単位のモル比を表す。
(合成例2)
−ポリマーP2の合成−
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート、及び窒素導入管を備えた2Lセパラブルフラスコ内で、酸素濃度7%混気雰囲気下、上記のSMA2000を102.1gと、水4.1gとを溶剤であるジオキサン209gに溶解し、100℃で約8時間撹拌した。その後、ベンジルアルコール10.8gを添加し、反応物の赤外吸収スペクトルを逐次測定しながら、酸無水物基の吸収が消失するまで、さらに100℃で4時間撹拌した。その後、フェニルグリシジルエーテル22.5gとベンジルトリエチルアンモニウムクロリド2.0gを混合して70℃で6時間撹拌後、室温まで冷却し、固形分濃度が40質量%のポリマーP2溶液を得た。
得られた前記ポリマーP2溶液の一部をn−ヘキサンに沈殿し、固形分酸価と質量平均分子量を測定したところ、それぞれ165mgKOH/gと7,840であった。また、ガラス転移温度(Tg)は339Kであった。したがって、得られた前記ポリマーP2は、下記構造式(P2)で表される共重合体であることが判った。
ただし、前記構造式(P2)中、数字は繰返し単位のモル比を表す。
(合成例3)
−ポリマーP3の合成−
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート、及び窒素導入管を備えた2Lセパラブルフラスコ内で、酸素濃度7%混気雰囲気下、上記のSMA2000を102.1gと、水5.0gとを溶剤であるジオキサン209gに溶解し、100℃で約8時間撹拌した。その後、ベンジルアルコール5.4gを添加し、反応物の赤外吸収スペクトルを逐次測定しながら、酸無水物基の吸収が消失するまで、さらに100℃で4時間撹拌した。その後、フェニルグリシジルエーテル27.0gとベンジルトリエチルアンモニウムクロリド2.0gを混合して70℃で6時間撹拌後、室温まで冷却し、固形分濃度が40質量%のポリマーP3溶液を得た。
得られた前記ポリマーP3溶液の一部をn−ヘキサンに沈殿し、固形分酸価と質量平均分子量を測定したところ、それぞれ173mgKOH/gと7,840であった。また、ガラス転移温度(Tg)は393Kであった。したがって、得られた前記ポリマーP3は、下記構造式(P3)で表される共重合体であることが判った。
ただし、前記構造式(P3)中、数字は繰返し単位のモル比を表す。
(合成例4)
−ポリマーP4の合成−
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート、及び窒素導入管を備えた2Lセパラブルフラスコ内で、酸素濃度7%混気雰囲気下、SMA1000(Sartomer社製、スチレン−無水マレイン酸共重合体(共重合組成モル比:スチレン/マレイン酸無水物=50/50、質量平均分子量=5,000、Tg=428K)101.1gと、水3.6gとを溶剤であるジオキサン251gに溶解し、100℃で約5時間撹拌した。その後、ベンジルアルコール32.4gを添加して、反応物の赤外吸収スペクトルを逐次測定しながら、酸無水物基の吸収が消失するまで、さらに100℃で8時間攪拌した。その後、フェニルグリシジルエーテル30gとベンジルトリエチルアンモニウムクロリド2.0gを混合して70℃で6時間撹拌後、室温まで冷却し、固形分濃度が40質量%のポリマーP4溶液を得た。
得られた前記ポリマーP4溶液の一部をn−ヘキサンに沈殿し、固形分酸価と質量平均分子量を測定したところ、それぞれ168mgKOH/gと6,250であった。また、ガラス転移温度(Tg)は374Kであった。したがって、得られた前記ポリマーP4は、下記構造式(P4)で表される共重合体であることが判った。
ただし、前記構造式(P4)中、数字は繰返し単位のモル比を表す。
(合成例5)
−ポリマーP5の合成−
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート、及び窒素導入管を備えた2Lセパラブルフラスコ内で、酸素濃度7%混気雰囲気下、上記のSMA1000を101.1gと、水1.8gとを溶剤であるジオキサン246gに溶解し、100℃で約5時間撹拌した。その後ベンジルアルコール43.3gを添加して、反応物の赤外吸収スペクトルを逐次測定しながら、酸無水物基の吸収が消失するまで、さらに100℃で約8時間撹拌した。そして、グリシジルベンゾエート17.8gとベンジルトリエチルアンモニウムクロリド2.0gを混合して70℃で6時間撹拌後、室温まで冷却し、固形分濃度が40質量%のポリマーP5溶液を得た。
得られた前記ポリマーP5溶液の一部をn−ヘキサンに沈殿し、固形分酸価と質量平均分子量を測定したところ、それぞれ171mgKOH/gと6,140であった。また、ガラス転移温度(Tg)は350Kであった。したがって、得られた前記ポリマーP5は、下記構造式(P5)で表される共重合体であることが判った。
ただし、前記構造式(P5)中、数字は繰返し単位のモル比を表す。
(合成例6)
−ポリマーP6の合成−
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート、及び窒素導入管を備えた2Lセパラブルフラスコ内で、酸素濃度7%混気雰囲気下、上記のSMA1000を101.1gと、ベンジルアルコール54.1gを溶剤であるジオキサン260gに溶解し、100℃で約10時間撹拌した。その後、グリシジルベンゾエート17.8gとベンジルトリエチルアンモニウムクロリド2.0gを混合して70℃で6時間撹拌後、室温まで冷却し、固形分濃度が40質量%のポリマーP6溶液を得た。
得られた前記ポリマーP6溶液の一部をn−ヘキサンに沈殿し、固形分酸価と質量平均分子量を測定したところ、それぞれ130mgKOH/gと6,470であった。また、ガラス転移温度(Tg)は343Kであった。したがって、得られた前記ポリマーP6は、下記構造式(P6)で表される共重合体であることが判った。
ただし、前記構造式(P6)中、数字は繰返し単位のモル比を表す。
(比較合成例1)
−ポリマーP7の合成−
メタクリル酸25g、メタクリル酸メチル50g及びスチレン25gを2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬製、V−65)0.04gを開始剤とし、トルエン/メチルセロソルブ混合溶媒(質量比:4/6)150g中で、窒素気流下で、80℃、10時間撹拌後、室温まで冷却し、固形分濃度が40質量%のポリマーP7溶液を得た。
得られた前記ポリマーP7溶液の固形分酸価と質量平均分子量を測定したところ、それぞれ163mgKOH/gで、質量平均分子量が25,000であった。また、ガラス転移温度(Tg)は401Kであった。したがって、得られた前記ポリマーP7は、下記構造式(P7)で表される共重合体であることが判った。
ただし、前記構造式(P7)中、数字は繰返し単位のモル比を表す。
(比較合成例2)
−ポリマーP8の合成−
メタクリル酸100g、メタクリル酸メチル160g、及びスチレン100gをアゾビスイソブチロニトリル4gを開始剤とし、メチルエチルケトン750g中で、窒素気流下、80℃で8時間撹拌し、アゾビスイソブチロニトリル3gをメチルエチルケトン溶液として添加し、さらに12時間加熱撹拌後、室温まで冷却し、メチルエチルケトン278gを加え、固形分濃度が35質量%のポリマーP8溶液を得た。
得られた前記ポリマーP8溶液の固形分酸価と質量平均分子量を測定したところ、それぞれ171mgKOH/gで、質量平均分子量が50,000であった。また、ガラス転移温度(Tg)は403Kであった。したがって、得られた前記ポリマーP8は、下記構造式(P8)で表される共重合体であることが判った。
ただし、前記構造式(P8)中、数字は繰返し単位のモル比を表す。
(比較合成例3)
−ポリマーP9の合成−
スチレン208.4g及び無水マレイン酸196gをアゾビスイソブチロニトリル16gを開始剤とし、メチルエチルケトン1,420g中で、窒素気流下、80℃で8時間撹拌し、アゾビスイソブチロニトリル12gをメチルエチルケトン溶液として添加し、さらに12時間加熱撹拌後、室温まで冷却し、メチルエチルケトン1,600gを加え、固形分濃度が35質量%のスチレン/無水マレイン酸共重合体を得た。得られたポリマーを多量のn−ヘキサン中に沈降し、固体を真空乾燥し、NMR分析及びGPCによって分子量を測定したところ、共重合比が1/1で質量平均分子量がポリスチレン換算で43,000であることが分かった。(以下、本ポリマーをSMA−1と称す)
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート、及び窒素導入管を備えた2Lセパラブルフラスコ内で、酸素濃度7%混気雰囲気下、上記のSMA−1を101.1gと、水1.8gとを溶剤であるジオキサン261gに溶解し、反応物の赤外吸収スペクトルを逐次測定しながら、酸無水物基の吸収が消失するまで、100℃で約8時間撹拌した。その後、グリシジルベンゾエート71.3gとベンジルトリエチルアンモニウムクロリド2.0gを混合して70℃で6時間撹拌後、室温まで冷却し、固形分濃度が40質量%のポリマーP9溶液を得た。
得られた前記ポリマーP9溶液の固形分酸価と質量平均分子量を測定したところ、それぞれ186mgKOH/gで、質量平均分子量が58,400であった。また、ガラス転移温度(Tg)は406Kであった。したがって、得られた前記ポリマーP9は、下記構造式(P9)で表される共重合体であることが判った。
ただし、前記構造式(P9)中、数字は繰返し単位のモル比を表す。
(比較合成例4)
−ポリマーP10の合成−
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート、及び窒素導入管を備えた2Lセパラブルフラスコ内で、酸素濃度7%混気雰囲気下、上記のSMA−1を101.1gと、水9.0gとを溶剤であるジオキサン278gに溶解し、反応物の赤外吸収スペクトルを逐次測定しながら、酸無水物基の吸収が消失するまで、100℃で約8時間撹拌した。その後、フェニルグリシジルエーテル75.1gとベンジルトリエチルアンモニウムクロリド2.0gを混合して70℃で6時間撹拌後、室温まで冷却し、固形分濃度が40質量%のポリマーP10溶液を得た。
得られた前記ポリマーP10溶液の固形分酸価と質量平均分子量を測定したところ、それぞれ151mgKOH/gで、質量平均分子量が59,600であった。また、ガラス転移温度(Tg)は295Kであった。したがって、得られた前記ポリマーP10は、下記構造式(P10)で表される共重合体であることが判った。
ただし、前記構造式(P10)中、数字は繰返し単位のモル比を表す。
(比較合成例5)
−ポリマーP11の合成−
スチレン208.4g及び無水マレイン酸196gをアゾビスイソブチロニトリル120gを開始剤とし、メチルエチルケトン1,420g中で、窒素気流下、アゾビスイソブチロニトリルの20質量%メチルエチルケトン溶液を添加しつつ、80℃で8時間撹拌し、その後、アゾビスイソブチロニトリル12gをメチルエチルケトン溶液として添加し、さらに12時間加熱撹拌後、室温まで冷却し、メチルエチルケトン1,600gを加え、固形分濃度が35質量%のスチレン/無水マレイン酸共重合体を得た。得られたポリマーを多量のn−ヘキサン中に沈降し、固体を真空乾燥し、NMR分析及びGPCによって分子量を測定したところ、共重合比が1/1で質量平均分子量がポリスチレン換算で700であることが分かった。(以下、本ポリマーをSMA−2と称す)
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート、及び窒素導入管を備えた2Lセパラブルフラスコ内で、酸素濃度7%混気雰囲気下、上記のSMA−2を101.1gと、水9gとを溶剤であるジオキサン261gに溶解し、反応物の赤外吸収スペクトルを逐次測定しながら、酸無水物基の吸収が消失するまで、100℃で約8時間撹拌した。その後、グリシジルベンゾエート71.3gとベンジルトリエチルアンモニウムクロリド2.0gを混合して70℃で6時間撹拌後、室温まで冷却し、固形分濃度が40質量%のポリマーP11溶液を得た。
得られた前記ポリマーP11溶液の固形分酸価と質量平均分子量を測定したところ、それぞれ186mgKOH/gで、質量平均分子量が950であった。また、ガラス転移温度(Tg)は405Kであった。したがって、得られた前記ポリマーP11は、下記構造式(P11)で表される共重合体であることが判った。
ただし、前記構造式(P11)中、数字は繰返し単位のモル比を表す。
(比較合成例6)
−ポリマーP12の合成−
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート、及び窒素導入管を備えた2Lセパラブルフラスコ内で、酸素濃度7%混気雰囲気下、上記のSMA−2を101.1gと、水9.0gとを溶剤であるジオキサン278gに溶解し、反応物の赤外吸収スペクトルを逐次測定しながら、酸無水物基の吸収が消失するまで、100℃で約8時間撹拌した。その後、フェニルグリシジルエーテル75.1gとベンジルトリエチルアンモニウムクロリド2.0gを混合して70℃で6時間撹拌後、室温まで冷却し、固形分濃度が40質量%のポリマーP12溶液を得た。
得られた前記ポリマーP12溶液の固形分酸価と質量平均分子量を測定したところ、それぞれ150mgKOH/gで、質量平均分子量が970であった。また、ガラス転移温度(Tg)は293Kであった。したがって、得られた前記ポリマーP12は、下記構造式(P12)で表される共重合体であることが判った。
ただし、前記構造式(P12)中、数字は繰返し単位のモル比を表す。
(比較合成例7)
−ポリマーP13の合成−
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート、及び窒素導入管を備えた2Lセパラブルフラスコ内で、酸素濃度7%混気雰囲気下、上記のSMA1000を101.1gとベンジルアルコール54.1gとを溶剤であるジオキサン246gに溶解し、反応物の赤外吸収スペクトルを逐次測定しながら、酸無水物基の吸収が消失するまで、100℃で約8時間撹拌した。その後、室温まで冷却し、固形分濃度が40質量%のポリマーP13溶液を得た。
得られた前記ポリマーP13溶液の固形分酸価と質量平均分子量を測定したところ、それぞれ180mgKOH/gで、質量平均分子量が5,800であった。また、ガラス転移温度(Tg)は385Kであった。したがって、得られた前記ポリマーP13は、下記構造式(P13)で表される共重合体であることが判った。
ただし、前記構造式(P13)中、数字は繰返し単位のモル比を表す。
合成例1〜6及び比較合成例1〜7で得られたポリマーP1〜P13の物性を表1〜3に示す。
(実施例1)
本発明のパターン形成方法を用いて、サブトラクティブ法により、プリント基板を製造し、その性能を評価した。
<積層体の製造>
−パターン形成材料の製造−
前記支持体として、幅30cm、厚み16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、商品名:16QS52、中心線平均表面粗さ=12nm)を用いた。下記の組成からなる感光性樹脂組成物溶液F1(固形分濃度=15質量%、粘度=15mPa・s)を調製し、1μmφのフィルターを通してインライン濾過し、水平対向流式熱風乾燥機を備えたエクストルージョン型塗布ヘッドに導いて、該支持体表面に塗り付け、温度50℃〜120℃の乾燥ゾーンを順次通過させて乾燥させて、該支持体上に厚み7μmの感光層を形成した。
[感光性樹脂組成物溶液F1の組成]
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・ポリマーP1溶液: 349質量部
・下記構造式(46)で表される重合性化合物
(第一工業製薬社製、GX8702c): 4.33質量部
・下記構造式(47)で表される重合性化合物
(第一工業製薬社製、BPEM−10F): 44.33質量部
・下記構造式(48)で表される重合性化合物
(東亞合成社製、アロニックスM270): 6.4質量部
・ポリエチレングリコールジメタクリレート
(新中村化学社製、NKエステル23G): 16.8質量部
・光重合開始剤としての2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール: 18.5質量部
・増感剤としての10−(n−ブチル)−2−クロロアクリドン: 1.0質量部
・重合禁止剤としてのフェノキサジン: 0.032質量部
・発色剤としてのロイコクリスタルバイオレット: 1.1質量部
・染料としてのビクトリアピュアブルー・ナフタレンスルホン酸塩:0.186質量部
・還元剤としてのフェニドン: 0.022質量部
・水素供与体化合物としてのN−フェニルグリシン: 0.370質量部
・フッ素系界面活性剤A(下記構造式(49)のモノマー/下記構造式(50)のモノマーの共重合体(共重合組成(質量比):60/40)): 0.78質量部
・溶剤としてのメチルエチルケトン: 604質量部
・溶剤としてのプロピレングリコールモノメチルエーテル: 562質量部
・溶剤としてのシクロヘキサノン: 107質量部
・溶剤としてのメタノール: 67質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
なお、得られた感光層における有機溶剤の残存量は、0.30質量%であった。
ただし、前記構造式(46)中、m+nは20を表す。なお、前記構造式(46)で表される化合物は、ウレタン基を有する重合性化合物の一例である。
ただし、前記構造式(47)中、m+nは10を表す。なお、前記構造式(47)で表される化合物は、アリール基を有する重合性化合物の一例である。
ただし、前記構造式(48)中、nは12を表す。なお、前記構造式(48)で表される化合物は、ポリアルキレンオキサイド鎖を有する化合物の一例である。
前記支持体上に形成した前記感光層について、下記の方法により、中心線平均表面粗さを測定した。
(1)感光層の中心線平均表面粗さ
次に、上記で得られた感光層の表面の中心線平均表面粗さを測定した。
前記中心線平均表面粗さRa(nm)は、非接触3次元表面解析装置(WYKO社、商品名:RST/PLUS)を用いて、368μm×238μmの面積のRaを測定した。なお、該Raの定義は、JIS表面粗さ(B0601)に従った。測定は、30cm×30cmの各試料について、3cm間隔で碁盤目状に100分割し、各正方形領域の中心について測定を行ない、100回の測定からその平均値と標準偏差を求めた。中心線平均表面粗さ(Ra)は、得られた粗さ曲線からその中心線の方向に測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸、粗さ曲線をY=f(X)で表したとき、下記式によって求められる値をナノメートル(nm)で表す。感光層の平均粗さは低いほどよいが、厚みの5%以下が好ましく、より好ましくは3%以下であり、特に好ましくは2%以下である。
前記支持体上の感光層の上に、前記保護フィルムとして、厚み12μm、、フィッシュアイ数3ヶ/mのポリプロピレンフィルム(王子製紙社製、商品名:アルファンE−200、感光層と接触しない面の中心線平均表面粗さ=480nm、感光層と接触する面の中心線平均表面粗さ=452nm)を積層し、パターン形成材料を製造した。
前記製造したパターン形成材料について、下記の方法により、保護フィルムの剥離性を評価した。
(2)保護フィルム剥離性
前記パターン形成材料から保護フィルムを剥離する工程において、剥離力の測定を行った。
前記保護フィルムの剥離力の測定は、JIS K−6854−2に準じ、具体的には、前記パターン形成材料から幅4.5cm×長さ8cmに切り出したサンプルを、前記保護フィルムが表面側となるように台座上に両面テープで固定し、該サンプルから該保護フィルムを、フォースゲージを用いて、引っ張り速度160cm/minで引き剥がすときの該感光層と該保護フィルムとの剥離力を測定して求めた。測定は5回行い、その平均値で表した。結果を表7に示す。10〜50gfであれば剥離性が良好である。
−積層体の製造−
次に、前記基材として、表面を、メタリップSP100(日本表面化学社製商品名)の10質量%水溶液で化学研磨により整面し、水洗、乾燥したフレキシブル配線版用片面銅張り積層板(FCCL)(日鉱マテリアルズ(株)製、商品名:マキナス、銅箔の厚み5μm、中心線平均表面粗さ0.1μm)を調製した。該銅張積層板上に、前記パターン形成材料の保護フィルムを剥がしながら、該パターン形成材料の感光層が前記銅張り積層板の銅箔面に接するようにしてホットロール式ラミネーター(大成ラミネーター社製、商品名:MODEL8B−720−PH)を用いて圧着させ、前記銅張積層板と、前記感光層と、前記支持体とがこの順に積層された積層体を調製した。
圧着条件は、圧着ロール温度105℃、圧着ロール圧力0.3MPa、ラミネート速度2m/分とした。600mm×600mmサイズの基板の場合、約30秒を要した。
製造した前記積層体について、下記の方法により、支持体の剥離性、現像許容度、露光感度、解像度、密着度、耐エッチング性、耐めっき性、及びエッジラフネスの評価を行った。結果を表7に示す。
(3)支持体剥離性
前記積層体から支持体を剥離する工程において、該積層体を形成後に、パターン露光しない状態で、室温まで冷却後、剥離力の測定を行った。
前記支持体の剥離力の測定は、JIS K−6854−2に準じ、具体的には、パターン形成材料と銅張り積層板の積層体サンプルから幅4.5cm×長さ8cmに切り出したサンプルを、前記支持体が表面側となるように台座上に両面テープで固定し、該サンプルから該支持体を、フォースゲージを用いて、引っ張り速度160cm/minで引き剥がすときの該感光層と該支持体との剥離力を測定して求めた。測定は5回行い、その平均値で表した。30gf〜200gfであれば剥離性が良好である。
<現像工程>
前記積層体から前記支持体を剥がし取り銅張積層板上の前記感光層の全面に30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を0.15MPaの圧力にてスプレーし、未硬化の領域を溶解除去した。その後、水洗し、乾燥させ、レジストパターンを形成した。
なお、炭酸ナトリウム水溶液のスプレー開始から銅張積層板上の感光層が溶解除去されるまでに要した時間を測定し、これを最短現像時間とした。
この結果、前記最短現像時間は、8秒であった。この最短現像時間が短いほど、現像性に優れる。
(4)現像許容度
支持体上の感光層を、前記現像工程における条件下で現像する際に、最短現像時間の1.5倍から3倍まで、レジストパターンの線幅やパターン形状が変化しないことが求められる。これらの性能が変化しない時間を「現像許容度」と定義する。該現像許容度が良好かどうかを顕微鏡を用いて目視観察し、下記のような基準で判定した。
−評価基準−
○:最短現像時間の1.5倍及び3倍で現像した時に線幅・形状に変化無し
△:最短現像時間の1.5倍及び3倍で現像した時に線幅・形状に変化は有るが、1.5倍と2倍の現像までは変化無し
×:最短現像時間の1.5倍及び3倍で現像した時に線幅・形状に変化有り
(5)露光感度
前記積層体におけるパターン形成材料の前記感光層に対し、前記支持体側から、前記光照射手段としての405nmのレーザ光源を有するパターン形成装置を用いて、0.1mJ/cmから21/2倍間隔で100mJ/cmまでの光エネルギー量の異なる光を照射して露光し(以下感度テストパターンと称す)、前記感光層の一部の領域を硬化させた。室温にて10分間静置した後、前記積層体から支持体を剥がし取り、銅張積層板上の感光層の全面に、炭酸ナトリウム水溶液(30℃、1質量%)をスプレー圧0.15MPaにて前記現像工程で求めた最短現像時間の2倍の時間スプレーし、未硬化の領域を溶解除去して、残った硬化領域の厚みを測定した。次いで、光の照射量と、硬化層の厚みとの関係をプロットして感度曲線を得る。こうして得た感度曲線から硬化領域の厚みが塗布厚みの95%(6.7μm)以上となった時の光エネルギー量を、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量とした。
(6)解像度
前記積層体を室温(23℃、55%RH)にて10分間静置した後、前記支持体上から、前記パターン形成装置を用いて、ライン/スペース(L/S)=1/1でライン幅3μm〜20μmまで1μm刻みで各線幅の露光を行った(以下解像度テストパターンと称す)。この際の露光量は、前記露光感度の測定で求めた前記パターン形成材料の感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量である。室温にて10分間静置した後、前記積層体から支持体を剥がし取った。銅張積層板上の感光層の全面に、前記現像液として炭酸ナトリウム水溶液(30℃、1質量%)をスプレー圧0.15MPaにて前記現像工程で求めた最短現像時間の2倍の時間スプレーし、未硬化領域を溶解除去した。この様にして得られた硬化樹脂パターン付き銅張積層板の表面を光学顕微鏡で観察し、硬化樹脂パターンのラインにツマリ、ヨレ等の異常のない最小のライン幅を測定し、これを解像度とした。該解像度は数値が小さいほど良好である。
(7)密着度
前記積層体を室温(23℃、55%RH)にて10分間静置した後、前記支持体上から、前記パターン形成装置を用いて、ライン/スペース(L/S)==1/5でライン幅3μm〜20μmまで1μm刻みで各線幅の露光を行った。この際の露光量は、前記露光感度の測定で求めた前記パターン形成材料の感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量である。室温にて10分間静置した後、前記積層体から支持体を剥がし取った。銅張積層板上の感光層の全面に、前記現像液として炭酸ナトリウム水溶液(30℃、1質量%)をスプレー圧0.15MPaにて前記現像工程で求めた最短現像時間の2倍の時間スプレーし、未硬化領域を溶解除去した。この様にして得られた硬化樹脂パターン付き銅張積層板の表面を光学顕微鏡で観察し、硬化樹脂パターンのラインにツマリ、ヨレ等の異常のない最小のライン幅を測定し、これを密着度とした。該密着度は数値が小さいほど良好である。
(8)エッチング性
前記露光感度の測定で求めた前記パターン形成材料の感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量で、前記解像度テストパターンを照射して作製したレジストパターンを有する銅張り積層板を、35Be(ボーメ)の塩化第2鉄水溶液を用いて、エッチング処理を行い、得られる金属パターンのエッジの切れを顕微鏡を用いて目視観察し、下記のような基準で判定した。レジストの耐エッチング性が劣ると、銅パターンの肩が丸くなり、最悪の場合は断線が起こる。
−評価基準−
○:断線無く、銅パターンの肩が丸くなっていない。
×:銅パターンの肩が丸くなっている、または断線がある。
(9)耐めっき性
前記露光感度の測定で求めた前記パターン形成材料の感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量で、前記解像度テストパターンを露光し、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液にて現像した。この試料を脱脂、水洗し、3.0A/dmで30分間硫酸銅めっきし、水洗・ホウフッ化水素酸浸漬後、1.5A/dmで10分間ハンダめっきし水洗した。エアブラシで水分を除き、セロテープ(登録商標、積水化学製、24mm幅)を密着させ急激にはがし、剥離の有無によって耐めっき性を評価した。評価基準は以下の通りである。レジストの耐めっき性が悪いと、剥離が起きる。
−評価基準−
○:剥離なし
△:一部に剥離あり
×:大部分に剥離あり
(10)剥離時間
前記積層体を室温(23℃、55%RH)にて10分間静置した後、前記支持体上から、前記パターン形成装置を用いて、全面に露光を行った。この際の露光量は、前記露光感度の測定で求めた前記パターン形成材料の感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量である。室温にて10分間静置した後、前記積層体から支持体を剥がし取った。銅張積層板上の感光層の全面に、前記現像液として炭酸ナトリウム水溶液(30℃、1質量%)をスプレー圧0.15MPaにて前記現像工程で求めた最短現像時間の2倍の時間スプレーした。これを乾燥した後、3質量%の水酸化ナトリウム水溶液中に基板を立てかけるように浸漬し、膜が完全に剥離するまでの時間を測定した。この時間が短いほど良好である。
(11)エッジラフネスの測定
前記パターン形成装置を用いて、前記露光ヘッドの走査方向と直交する方向の横線パターンが形成されるように露光を行った以外は、前記解像度の測定と同様にしてパターンを形成した。得られたパターンのうち、ライン幅30μmのラインの任意の5箇所について、レーザ顕微鏡(VK−9500、キーエンス(株)製;対物レンズ50倍)を用いて観察し、視野内のエッジ位置のうち、最も膨らんだ箇所(山頂部)と、最もくびれた箇所(谷底部)との差を絶対値として求め、観察した5箇所の平均値を算出し、これをエッジラフネスとした。該エッジラフネスは、値が小さい程、良好な性能を示すため好ましい。
(実施例2)
表6に示すように、実施例1において、塗布液の給液量を変更することにより感光層の厚みを5μmに代えた以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料及び感光性積層体を製造した。
得られた前記パターン形成材料を用い、前記実施例1と同様に、感光層の中心線平均表面粗さ、及び保護フィルムの剥離性の評価を行った。また、得られた前記感光性積層体を用い、実施例1と同様に、支持体の剥離性、現像許容度、露光感度、解像度、密着度、耐エッチング性、耐めっき性、及びエッジラフネスの評価を行った。結果を表7に示す。なお、最短現像時間は6秒であった。
(実施例3)
表6に示すように、実施例1において、塗布液の給液量を変更することにより感光層の厚みを3μmに代えた以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料及び感光性積層体を製造した。
得られた前記パターン形成材料を用い、前記実施例1と同様に、感光層の中心線平均表面粗さ、及び保護フィルムの剥離性の評価を行った。また、得られた前記感光性積層体を用い、実施例1と同様に、支持体の剥離性、現像許容度、露光感度、解像度、密着度、耐エッチング性、耐めっき性、及びエッジラフネスの評価を行った。結果を表7に示す。なお、最短現像時間は4秒であった。
(実施例4)
表6に示すように、実施例1において、塗布液の給液量を変更することにより感光層の厚みを10μmに代えた以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料及び感光性積層体を製造した。
得られた前記パターン形成材料を用い、前記実施例1と同様に、感光層の中心線平均表面粗さ、及び保護フィルムの剥離性の評価を行った。また、得られた前記感光性積層体を用い、実施例1と同様に、支持体の剥離性、現像許容度、露光感度、解像度、密着度、耐エッチング性、耐めっき性、及びエッジラフネスの評価を行った。結果を表7に示す。なお、最短現像時間は13秒であった。
(実施例5)
表6に示すように、実施例1において、感光性樹脂組成物溶液F1を、表4に示す感光性樹脂組成物溶液F2(固形分濃度=15質量%、粘度=15mPa・s)に代えた以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料及び感光性積層体を製造した。
得られた前記パターン形成材料を用い、前記実施例1と同様に、感光層の中心線平均表面粗さ、及び保護フィルムの剥離性の評価を行った。また、得られた前記感光性積層体を用い、実施例1と同様に、支持体の剥離性、現像許容度、露光感度、解像度、密着度、耐エッチング性、耐めっき性、及びエッジラフネスの評価を行った。結果を表7に示す。なお、最短現像時間は8秒であった。
(実施例6)
表6に示すように、実施例1において、感光性樹脂組成物溶液F1を、表4に示す感光性樹脂組成物溶液F3(固形分濃度=15質量%、粘度=16mPa・s)に代えた以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料及び感光性積層体を製造した。
得られた前記パターン形成材料を用い、前記実施例1と同様に、感光層の中心線平均表面粗さ、及び保護フィルムの剥離性の評価を行った。また、得られた前記感光性積層体を用い、実施例1と同様に、支持体の剥離性、現像許容度、露光感度、解像度、密着度、耐エッチング性、耐めっき性、及びエッジラフネスの評価を行った。結果を表7に示す。なお、最短現像時間は8秒であった。
(実施例7)
表6に示すように、実施例1において、感光性樹脂組成物溶液F1を、表4に示す感光性樹脂組成物溶液F4(固形分濃度=15質量%、粘度=18mPa・s)に代えた以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料及び感光性積層体を製造した。
得られた前記パターン形成材料を用い、前記実施例1と同様に、感光層の中心線平均表面粗さ、及び保護フィルムの剥離性の評価を行った。また、得られた前記感光性積層体を用い、実施例1と同様に、支持体の剥離性、現像許容度、露光感度、解像度、密着度、耐エッチング性、耐めっき性、及びエッジラフネスの評価を行った。結果を表7に示す。なお、最短現像時間は8秒であった。
(実施例8)
表6に示すように、実施例1において、感光性樹脂組成物溶液F1を、表4に示す感光性樹脂組成物溶液F5(固形分濃度=15質量%、粘度=19mPa・s)に代えた以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料及び感光性積層体を製造した。
得られた前記パターン形成材料を用い、前記実施例1と同様に、感光層の中心線平均表面粗さ、及び保護フィルムの剥離性の評価を行った。また、得られた前記感光性積層体を用い、実施例1と同様に、支持体の剥離性、現像許容度、露光感度、解像度、密着度、耐エッチング性、耐めっき性、及びエッジラフネスの評価を行った。結果を表7に示す。なお、最短現像時間は8秒であった。
(実施例9)
表6に示すように、実施例1において、感光性樹脂組成物溶液F1を、表4に示す感光性樹脂組成物溶液F6(固形分濃度=15質量%、粘度=18mPa・s)に代えた以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料及び感光性積層体を製造した。
得られた前記パターン形成材料を用い、前記実施例1と同様に、感光層の中心線平均表面粗さ、及び保護フィルムの剥離性の評価を行った。また、得られた前記感光性積層体を用い、実施例1と同様に、支持体の剥離性、現像許容度、露光感度、解像度、密着度、耐エッチング性、耐めっき性、及びエッジラフネスの評価を行った。結果を表7に示す。なお、最短現像時間は8秒であった。
(実施例10)
表6に示すように、実施例1において、感光性樹脂組成物溶液F1を、表4に示す感光性樹脂組成物溶液F7(固形分濃度=15質量%、粘度=15mPa・s)に代えた以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料及び感光性積層体を製造した。ただし、感光性樹脂組成物溶液F7において使用したフッ素系界面活性剤Bは下記構造式(51)のモノマー/下記構造式(52)のモノマーの共重合体(共重合組成(質量比):40/60、質量平均分子量60,000)である。
得られた前記パターン形成材料を用い、前記実施例1と同様に、感光層の中心線平均表面粗さ、及び保護フィルムの剥離性の評価を行った。また、得られた前記感光性積層体を用い、実施例1と同様に、支持体の剥離性、現像許容度、露光感度、解像度、密着度、耐エッチング性、耐めっき性、及びエッジラフネスの評価を行った。結果を表7に示す。なお、最短現像時間は8秒であった。
(実施例11)
表6に示すように、実施例2において、前記銅張り積層板への感光層の圧着時に、ラミネーターとして、ホットロール式ラミネーターの代わりに、真空ラミネーター(ニチゴーモートン社製、商品名:V130)を使用し、真空脱気後、0.2MPaで加圧した後で、常圧で70℃で加熱した後で室温まで冷却して積層体を製造した以外は、実施例2と同様にしてパターン形成材料及び感光性積層体を製造した。
なお、基板サイズが600mm×600mmの場合、真空ラミネーターの脱気にかかった時間は40秒であり、大気圧に戻してから10秒間加熱し、基板への積層工程全体にかかった時間は約60秒であった。
得られた前記パターン形成材料を用い、前記実施例1と同様に、感光層の中心線平均表面粗さ、及び保護フィルムの剥離性の評価を行った。また、得られた前記感光性積層体を用い、実施例1と同様に、支持体の剥離性、現像許容度、露光感度、解像度、密着度、耐エッチング性、耐めっき性、及びエッジラフネスの評価を行った。結果を表7に示す。なお、最短現像時間は6秒であった。
(実施例12)
表6に示すように、実施例2において、下記の組成からなるアルカリ可溶性のクッション層組成物塗布液C1を調製し、1μmφのフィルターを用いて濾過し、前記エクストルージョン型塗布ヘッドを備えた塗布機を用いて、前記支持体上に、厚み14.6μmのクッション層を形成し、更に、下記の組成からなる中間層組成物塗布液I1を調製し、1μmφのフィルターを用いて濾過し、前記エクストルージョン型塗布ヘッドを備えた塗布機を用いて、該クッション層上に、厚み1.6μmの中間層を形成した以外は、実施例2と同様にしてパターン形成材料、及び積層体を調製した。
得られた前記パターン形成材料を用い、前記実施例1と同様に、感光層の中心線平均表面粗さ、及び保護フィルムの剥離性の評価を行った。また、得られた前記感光性積層体を用い、実施例1と同様に、支持体の剥離性、現像許容度、露光感度、解像度、密着度、耐エッチング性、耐めっき性、及びエッジラフネスの評価を行った。結果を表7に示す。
なお、各評価においては、前記支持体を剥離した後、前記クッション層及び前記中間層を介して前記感光層の露光を行った。また、最短現像時間は11秒であった。
[クッション層塗布液C1の組成]
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・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=55/28.8/11.7/4.5、質量平均分子量=90,000): 150質量部
・前記構造式(47)で表される重合性化合物: 65質量部
・テトラエチレングリコールジメタクリレート: 15質量部
・p−トルエンスルホンアミド: 5質量部
・ベンゾフェノン: 10質量部
・メチルエチルケトン: 300質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
[中間層塗布液I1の組成]
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・ポリビニルアルコール
(クラレ(株)製、商品名:PVA205、鹸化率=88%): 130質量部
・ポリビニルピロリドン
(GAFコーポレーション社製、商品名:K−90): 60質量部
・フッ素系界面活性剤Aとしての前記構造式(49)のモノマー/前記構造式(50)のモノマーの共重合体(共重合組成(質量比):60/40): 10質量部
・蒸留水: 3,350質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
なお、得られた中間層における酸素透過率は、20cc/m・day・atmであった。
(実施例13)
支持体として、厚み16μm、幅30cmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、商品名:支持体16QS52)の表面をコロナ処理し、更にそのコロナ処理面に、ゼラチン水溶液を塗布乾燥して乾燥膜厚が0.08μm厚のゼラチン下塗り層を形成したものを用い、そのゼラチン下塗り層の表面に、実施例12と同様にして、クッション層塗布液C1を塗布乾燥した。更に、該クッション層上に、下記組成の中間層塗布液I2を塗布乾燥し、さらにその上に、感光層組成物塗布液F1を塗布乾燥して、感光性樹脂層を7μm厚で形成することによりパターン形成材料を調製した。また実施例12と同様にして基板積層体を形成した。
得られた前記パターン形成材料を用い、前記実施例1と同様に、感光層の中心線平均表面粗さ、及び保護フィルムの剥離性の評価を行った。また、得られた前記感光性積層体を用い、実施例1と同様に、支持体の剥離性、現像許容度、露光感度、解像度、密着度、耐エッチング性、耐めっき性、及びエッジラフネスの評価を行った。結果を表7に示す。
なお、各評価においては、前記支持体を剥離した後、前記クッション層及び前記中間層を介して前記感光層の露光を行った。また、最短現像時間は9秒であった。
[中間層塗布液I2の組成]
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・ポリビニルアルコール
(クラレ(株)製、商品名:PVA105、鹸化率=98.5%): 130質量部
・ポリビニルピロリドン
(GAFコーポレーション社製、商品名:K−90): 60質量部
・フッ素系界面活性剤Aとしての前記構造式(49)のモノマー/前記構造式(50)のモノマーの共重合体(共重合組成(質量比):60/40): 10質量部
・蒸留水: 3,350質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
なお、得られた中間層における酸素透過率は、10cc/m・day・atmであった。
(実施例14)
表6に示すように、実施例2において、支持体として、厚み16μm、幅30cmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、商品名:支持体16QS52)の表面をコロナ処理したものを用い、更に、下記の組成からなるアルカリ不溶性のクッション層組成物塗布液C2を調製し、1μmφのフィルターを用いて濾過し、前記エクストルージョン型塗布ヘッドを備えた塗布機を用いて、該支持体上に、厚み14.6μmのクッション層を形成した以外は、実施例2と同様にしてパターン形成材料、及び積層体を調製した。
得られた前記パターン形成材料を用い、前記実施例1と同様に、感光層の中心線平均表面粗さ、及び保護フィルムの剥離性の評価を行った。また、得られた前記感光性積層体を用い、実施例1と同様に、支持体の剥離性、現像許容度、露光感度、解像度、密着度、耐エッチング性、耐めっき性、及びエッジラフネスの評価を行った。結果を表7に示す。
なお、各評価において、前記クッション層を前記支持体と共に剥離した後、前記感光層の露光を行った。また、支持体の剥離性の評価は、クッション層−感光層間の剥離性を評価した。また、最短現像時間は6秒であった。
[クッション層塗布液C2の組成]
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・エチレン/酢酸ビニル共重合体溶液(三井デュポンポリケミカル(株)製、商品名:エバフレックス45X、酢酸ビニル含有量:46質量%): 17質量部
・トルエン: 83質量部
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(実施例15)
表6に示すように、実施例1において、酸素遮断性の中間層塗布液I3として、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学社製、商品名:TC−5S、重合度340)4%水溶液を調製し、1μmφのフィルターを用いて濾過し、前記エクストルージョン型塗布ヘッドを備えた塗布機を用いて、該支持体上に、厚み1.6μmの中間層を形成した以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料、及び積層体を調製した。なお、得られた中間層の酸素透過率は20cc/m・day・atmであった。
得られた前記パターン形成材料を用い、前記実施例1と同様に、感光層の中心線平均表面粗さ、及び保護フィルムの剥離性の評価を行った。また、得られた前記感光性積層体を用い、実施例1と同様に、支持体の剥離性、現像許容度、露光感度、解像度、密着度、耐エッチング性、耐めっき性、及びエッジラフネスの評価を行った。結果を表7に示す。
なお、各評価においては、前記支持体を剥離した後、前記中間層を介して前記感光層の露光を行った。また、最短現像時間は8秒であった。
(実施例16)
表6に示すように、実施例15において、前記銅張り積層板への感光層の圧着時に、ラミネーターとして、ホットロール式ラミネーターの代わりに、真空ラミネーター(ニチゴーモートン社製、商品名:V130)を使用し、真空脱気後、0.2MPaで加圧した後で、常圧で70℃で加熱した後で室温まで冷却して積層体を製造した以外は、実施例2と同様にしてパターン形成材料及び感光性積層体を製造した。
なお、基板サイズが600mm×600mmの場合、真空ラミネーターの脱気にかかった時間は40秒であり、大気圧に戻してから10秒間加熱し、基板への積層工程全体にかかった時間は約60秒であった。
得られた前記パターン形成材料を用い、前記実施例1と同様に、感光層の中心線平均表面粗さ、及び保護フィルムの剥離性の評価を行った。また、得られた前記感光性積層体を用い、実施例1と同様に、支持体の剥離性、現像許容度、露光感度、解像度、密着度、耐エッチング性、耐めっき性、及びエッジラフネスの評価を行った。結果を表7に示す。
なお、各評価において、前記支持体を剥離した後、前記中間層を介して前記感光層の露光を行った。また、最短現像時間は8秒であった。
(実施例17)
本発明のパターン形成方法を用いて、セミアディティブ法により、プリント基板を製造し、その性能を評価した。
<積層体の製造>
−基材の調製−
600mm×600mmサイズの銅回路形成済みの内装基板の両面上に、市販の絶縁層形成用フィルム(味の素ファインテクノ社製、商品名:ABF−45SH)で層間絶縁層を形成し、炭酸ガスインパクトレーザ穴開け機(住友重機械社製、商品名:SLR−210T)により、直径80μmの貫通スルーホールを開け、過マンガン酸カリウム65g/Lと水酸化ナトリウム40g/Lの混合水溶液に、液温70℃で20分間浸漬し、デスミアを行った。
その後、下記の処理剤を用いて下記の工程(1)〜(5)により、無電解銅めっき層を形成し、基材を調製した。
(1) 前処理剤(メルテックス社製、商品名:PC236)に、上記基板を25℃で2分間浸漬させた後、2分間純水で洗浄した。
(2) 触媒付与剤(メルテックス社製、商品名:アクチベータ444)に、上記基板を25℃で6分間浸漬させた後、2分間純水で洗浄した。
(3) 活性化処理剤(メルテックス社製、商品名:PA491)に、上記基板を25℃で10分間浸漬させた後、2分間純水で洗浄した。
(4) 無電解銅めっき液(メルテックス社製、商品名:CU390)に、上記基板を25℃、pH12.8の条件で20分間浸漬させた後、5分間純水で洗浄した。
(5) 100℃で15分間乾燥させた。この結果、絶縁基板上に、厚み0.3μmの無電解銅めっき膜が形成された。
−積層体の製造−
前記実施例12と同様に製造したパターン形成材料を用い、前記基材上に、該パターン形成材料の保護フィルムを剥がしながら、該パターン形成材料の感光層が前記基材の無電解銅めっき膜面に接するようにして前記ホットロール式ラミネーターを用いて、2m/分のラミネート速度で圧着させ、前記基材と、前記クッション層と、前記中間層と、前記感光層と、前記支持体とがこの順に積層された積層体を調製した。600mm×600mmサイズの基板の場合、上記積層工程にかかった時間は30秒であった。
得られた前記感光性積層体を用い、実施例1と同様に、支持体の剥離性、現像許容度、露光感度、解像度、密着度、耐エッチング性、耐めっき性、及びエッジラフネスの評価を行った。結果を表7に示す。なお、最短現像時間は11秒であった。
<露光及び現像>
前記と同様に製造した積層体を用い、該積層体から、前記支持体を剥離した後、前記クッション層及び前記中間層を介して、前記の解像度パターンを有する405nm光レーザ照射装置を用いてパターン露光した(露光量=8mJ/cm)。その後、前記のように1質量%炭酸ナトリウム水溶液で現像した。
<めっき工程>
引き続き、脱脂処理剤(メルテックス社製、商品名:PC455)に、25℃、30秒間浸漬させ、2分間水洗後、下記組成の電解銅めっき液を用いて、25℃、2.4A/100cm2 、10分間の条件で電解銅めっきを行なった。この結果、約5μmの銅が析出した。
[電解銅めっき液の組成]
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・CuSO・5HO(硫酸銅5水和物、粉末): 75g/L
・HSO(硫酸): 190g/L
・Cl(HCl水溶液): 50mg/L
・カバーグリーム(メルテックス社製、商品名:PCM): 5ml/L
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
<硬化膜剥離>
次に、3質量%水酸化ナトリウム水溶液でレジストの剥離を行った後に、硫酸20g/Lと過酸化水素10g/Lの組成のエッチング液を用いてパターン部以外の銅をエッチング処理により除去した。該エッチング処理後のパターンの最小回路胴体幅/回路導体間隔(L/S)は5μm/5μmであった。
(実施例18)
実施例1において、パターン形成装置を、下記に説明するものに代えて2重露光を行った以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料及び感光性積層体を製造した。
得られた前記パターン形成材料を用い、前記実施例1と同様に、感光層の中心線平均表面粗さ、及び保護フィルムの剥離性の評価を行った。また、得られた前記感光性積層体を用い、実施例1と同様に、支持体の剥離性、現像許容度、露光感度、解像度、密着度、耐エッチング性、耐めっき性、及びエッジラフネスの評価を行った。結果を表7に示す。なお、最短現像時間は8秒であった。
<<パターン形成装置>>
前記光照射手段として図8〜9及び図25〜29に示した合波レーザ光源と、前記光変調手段として図6に概略図を示した主走査方向にマイクロミラー58が1024個配列されたマイクロミラー列が、副走査方向に768組配列された内、1024個×256列のみを駆動するように制御したDMD36と、図5A又は図5Bに示した光を前記パターン形成材料に結像する光学系とを有する露光ヘッド30を備えたパターン形成装置10を用いた。
各露光ヘッド30すなわち各DMD36の設定傾斜角度としては、使用可能な1024列×256行のマイクロミラー58を使用してちょうど2重露光となる角度θidealよりも若干大きい角度を採用した。この角度θidealは、N重露光の数N、使用可能なマイクロミラー58の列方向の個数s、使用可能なマイクロミラー58の列方向の間隔p、及び露光ヘッド30を傾斜させた状態においてマイクロミラーによって形成される走査線のピッチδに対し、下記式1、
spsinθideal≧Nδ(式1)
により与えられる。本実施形態におけるDMD36は、上記のとおり、縦横の配置間隔が等しい多数のマイクロミラー58が矩形格子状に配されたものであるので、
pcosθideal=δ(式2)
であり、上記式1は、
stanθideal=N(式3)
であり、s=256、N=2であるので、角度θidealは約0.45度である。したがって、設定傾斜角度θとしては、たとえば0.50度を採用した。
まず、2重露光における解像度のばらつきと露光むらを補正するため、被露光面の露光パターンの状態を調べた。結果を図18に示した。図18においては、ステージ14を静止させた状態で積層体12の被露光面上に投影される、露光ヘッド3012と3021が有するDMD36の使用可能なマイクロミラー58からの光点群のパターンを示した。また、下段部分に、上段部分に示したような光点群のパターンが現れている状態でステージ14を移動させて連続露光を行った際に、被露光面上に形成される露光パターンの状態を、露光エリア3212と3221について示した。なお、図18では、説明の便宜のため、使用可能なマイクロミラー58の1列おきの露光パターンを、画素列群Aによる露光パターンと画素列群Bによる露光パターンとに分けて示したが、実際の被露光面上における露光パターンは、これら2つの露光パターンを重ね合わせたものである。
図18に示したとおり、露光ヘッド3012と3021の間の相対位置の、理想的な状態からのずれの結果として、画素列群Aによる露光パターンと画素列群Bによる露光パターンとの双方で、露光エリア3212と3221の前記露光ヘッドの走査方向と直交する座標軸上で重複する露光領域において、理想的な2重露光の状態よりも露光過多な領域が生じていることが判る。
前記光点位置検出手段としてスリット28及び光検出器の組を用い、露光ヘッド3012ついては露光エリア3212内の光点P(1,1)とP(256,1)の位置を、露光ヘッド3021については露光エリア3221内の光点P(1,1024)とP(256,1024)の位置を検出し、それらを結ぶ直線の傾斜角度と、露光ヘッドの走査方向とがなす角度を測定した。
実傾斜角度θ´を用いて、下記式4
ttanθ´=N(式4)
の関係を満たす値tに最も近い自然数Tを、露光ヘッド3012と3021のそれぞれについて導出した。露光ヘッド3012についてはT=254、露光ヘッド3021についてはT=255がそれぞれ導出された。その結果、図19において斜線で覆われた部分78及び80を構成するマイクロミラーが、本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定された。
その後、図19において斜線で覆われた領域78及び80を構成する光点以外の光点に対応するマイクロミラーに関して、同様にして図19において斜線で覆われた領域82及び網掛けで覆われた領域84を構成する光点に対応するマイクロミラーが特定され、本露光時に使用しないマイクロミラーとして追加された。
これらの露光時に使用しないものとして特定されたマイクロミラーに対して、前記描素部素制御手段により、常時オフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に関与しないように制御した。
これにより、露光エリア3212と3221のうち、複数の前記露光ヘッドで形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積を最小とすることができる。
(比較例1)
表3に示すように、実施例1において、感光性樹脂組成物溶液F1を、表4に示す感光性樹脂組成物溶液F8(比較合成例1のポリマーP1含有、固形分濃度=15質量%、粘度=15mPa・s、但しフッ素系界面活性剤を含まない)に代えた以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料及び感光性積層体を製造した。
得られた前記パターン形成材料を用い、前記実施例1と同様に、感光層の中心線平均表面粗さ、及び保護フィルムの剥離性の評価を行った。また、得られた前記感光性積層体を用い、実施例1と同様に、支持体の剥離性、現像許容度、露光感度、解像度、密着度、耐エッチング性、耐めっき性、及びエッジラフネスの評価を行った。結果を表4に示す。なお、最短現像時間は8秒であった。
(比較例2)
表6に示すように、実施例1において、感光性樹脂組成物溶液F1を、表5に示す感光性樹脂組成物溶液F9(比較合成例1のポリマーP7含有、固形分濃度=48.1質量%、粘度=140mPa・s、但しフッ素系界面活性剤を含まない)に代えた以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料及び感光性積層体を製造しようとしたが、前記支持体上に、感光層を塗りつけることができなかった。
(比較例3)
表6に示すように、実施例1において、感光性樹脂組成物溶液F1を、表5に示す感光性樹脂組成物溶液F10(比較合成例1のポリマーP7含有、固形分濃度=15質量%、粘度=25mPa・s、但しフッ素系界面活性剤を含まない)に代えた以外は、実施例1と同様にして、感光層厚み5.0μmのパターン形成材料及び感光性積層体を製造した。
得られた前記パターン形成材料を用い、前記実施例1と同様に、感光層の中心線平均表面粗さ、及び保護フィルムの剥離性の評価を行った。また、得られた前記感光性積層体を用い、実施例1と同様に、支持体の剥離性、現像許容度、露光感度、解像度、密着度、耐エッチング性、耐めっき性、及びエッジラフネスの評価を行った。結果を表7に示す。なお、最短現像時間は8秒であった。
(比較例4)
表6に示すように、実施例1において、感光性樹脂組成物溶液F1を、表5に示す感光性樹脂組成物溶液F11(比較合成例2のポリマーP8含有、固形分濃度=50.1質量%、粘度=142mPa・s、但しフッ素系界面活性剤を含まない)に代えた以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料及び感光性積層体を製造した。
得られた前記パターン形成材料を用い、前記実施例1と同様に、感光層の中心線平均表面粗さ、及び保護フィルムの剥離性の評価を行った。また、得られた前記感光性積層体を用い、実施例1と同様に、支持体の剥離性、現像許容度、露光感度、解像度、密着度、耐エッチング性、耐めっき性、及びエッジラフネスの評価を行った。結果を表7に示す。なお、最短現像時間は5秒であった。
(比較例5)
表6に示すように、実施例1において、感光性樹脂組成物溶液F1を、表5に示す感光性樹脂組成物溶液F12(比較合成例2のポリマーP8含有、固形分濃度=15質量%、粘度=25mPa・s、但しフッ素系界面活性剤を含まない)に代えた以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料及び感光性積層体を製造した。
得られた前記パターン形成材料を用い、前記実施例1と同様に、感光層の中心線平均表面粗さ、及び保護フィルムの剥離性の評価を行った。また、得られた前記感光性積層体を用い、実施例1と同様に、支持体の剥離性、現像許容度、露光感度、解像度、密着度、耐エッチング性、耐めっき性、及びエッジラフネスの評価を行った。結果を表7に示す。なお、最短現像時間は10秒であった。
(比較例6)
表6に示すように、実施例1において、感光性樹脂組成物溶液F1を、表5に示す感光性樹脂組成物溶液F11(比較合成例2のポリマーP8含有、固形分濃度=50.1質量%、粘度=142mPa・s、但しフッ素系界面活性剤を含まない)に代え、前記の表面を化学研磨済みの銅張積層板上に、前記感光層塗布液F10をバーコーターで直接塗布し、80℃で4分間乾燥し厚み7μmのフォトレジスト層を形成した以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料及び感光性積層体を製造した。
得られた前記パターン形成材料を用い、前記実施例1と同様に、感光層の中心線平均表面粗さ、及び保護フィルムの剥離性の評価を行った。また、得られた前記感光性積層体を用い、実施例1と同様に、支持体の剥離性、現像許容度、露光感度、解像度、密着度、耐エッチング性、耐めっき性、及びエッジラフネスの評価を行った。結果を表7に示す。なお、最短現像時間は8秒であった。
(比較例7)
表6に示すように、前記の表面を化学研磨した銅張積層板上に、市販のポジ型フォトレジスト(富士フイルムエレクトロニクスマテリアル社製、商品名:FH−2413F、固形分濃度=22質量%、粘度=13mPa・s、この塗布液をF13とする。)を、乾燥厚みが5μmになるようにバーコーターで塗布し、乾燥後、120℃で2分間プリベークして、感光性積層体を製造した。
得られた前記感光性積層体を用い、実施例1と同様に、現像許容度、露光感度、解像度、密着度、耐エッチング性、耐めっき性、及びエッジラフネスの評価を行った。結果を表4に示す。なお、最短現像時間は10秒であった。また、前記ポジ型フォトレジストを用い、前記実施例1と同様に、感光層の中心線平均表面粗さの評価を行った。結果を表7に示す。なお、比較例7は、支持体及び保護フィルムを有していないため、支持体剥離性及び保護フィルムの剥離性の評価は行わなかった。
また、この比較例7においては、現像液として2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用い、剥離液としては、モノエタノールアミン/ジメチルスルホキシド混合液(質量混合比=7/3)を用いた。
(比較例8)
表6に示すように、実施例1において、塗布液の給液量を変更することにより感光層の厚みを1μmに代えた以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料及び感光性積層体を製造した。
得られた前記パターン形成材料を用い、前記実施例1と同様に、感光層の中心線平均表面粗さ、及び保護フィルムの剥離性の評価を行った。また、得られた前記感光性積層体を用い、実施例1と同様に、支持体の剥離性、現像許容度、露光感度、解像度、密着度、耐エッチング性、耐めっき性、及びエッジラフネスの評価を行った。結果を表7に示す。なお、最短現像時間は3秒であった。
(比較例9)
表6に示すように、実施例1において、塗布液の給液量を変更することにより感光層の厚みを12μmに代えた以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料及び感光性積層体を製造した。
得られた前記パターン形成材料を用い、前記実施例1と同様に、感光層の中心線平均表面粗さ、及び保護フィルムの剥離性の評価を行った。また、得られた前記感光性積層体を用い、実施例1と同様に、支持体の剥離性、現像許容度、露光感度、解像度、密着度、耐エッチング性、耐めっき性、及びエッジラフネスの評価を行った。結果を表7に示す。なお、最短現像時間は17秒であった。
(比較例10)
表6に示すように、実施例1において、感光性樹脂組成物溶液F1を、表5に示す感光性樹脂組成物溶液F14(比較合成例3のポリマーP9含有、固形分濃度=15質量%、粘度=23mPa・s)に代えた以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料及び感光性積層体を製造した。
得られた前記パターン形成材料を用い、前記実施例1と同様に、感光層の中心線平均表面粗さ、及び保護フィルムの剥離性の評価を行った。また、得られた前記感光性積層体を用い、実施例1と同様に、支持体の剥離性、現像許容度、露光感度、解像度、密着度、耐エッチング性、耐めっき性、及びエッジラフネスの評価を行った。結果を表7に示す。なお、最短現像時間は10秒であった。
(比較例11)
表6に示すように、実施例1において、感光性樹脂組成物溶液F1を、表5に示す感光性樹脂組成物溶液F15(比較合成例4のポリマーP10含有、固形分濃度=15質量%、粘度=25mPa・s)に代えた以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料及び感光性積層体を製造した。
得られた前記パターン形成材料を用い、前記実施例1と同様に、感光層の中心線平均表面粗さ、及び保護フィルムの剥離性の評価を行った。また、得られた前記感光性積層体を用い、実施例1と同様に、支持体の剥離性、現像許容度、露光感度、解像度、密着度、耐エッチング性、耐めっき性、及びエッジラフネスの評価を行った。結果を表7に示す。なお、最短現像時間は12秒であった。
(比較例12)
表6に示すように、実施例1において、感光性樹脂組成物溶液F1を、表5に示す感光性樹脂組成物溶液F16(比較合成例5のポリマーP11含有、固形分濃度=15質量%、粘度=10mPa・s)に代えた以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料及び感光性積層体を製造した。
得られた前記パターン形成材料を用い、前記実施例1と同様に、感光層の中心線平均表面粗さ、及び保護フィルムの剥離性の評価を行った。また、得られた前記感光性積層体を用い、実施例1と同様に、支持体の剥離性、現像許容度、露光感度、解像度、密着度、耐エッチング性、耐めっき性、及びエッジラフネスの評価を行った。結果を表7に示す。なお、最短現像時間は5秒であった。
(比較例13)
表6に示すように、実施例1において、感光性樹脂組成物溶液F1を、表5に示す感光性樹脂組成物溶液F17(比較合成例6のポリマーP12含有、固形分濃度=15質量、粘度=8mPa・s)に代えた以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料及び感光性積層体を製造した。
得られた前記パターン形成材料を用い、前記実施例1と同様に、感光層の中心線平均表面粗さ、及び保護フィルムの剥離性の評価を行った。また、得られた前記感光性積層体を用い、実施例1と同様に、支持体の剥離性、現像許容度、露光感度、解像度、密着度、耐エッチング性、耐めっき性、及びエッジラフネスの評価を行った。結果を表7に示す。なお、最短現像時間は6秒であった。
(比較例14)
表6に示すように、実施例1において、感光性樹脂組成物溶液F1を、表5に示す感光性樹脂組成物溶液F18(比較合成例7のポリマーP13含有、固形分濃度=15質量%、粘度=15mPa・s)に代えた以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料及び感光性積層体を製造した。
得られた前記パターン形成材料を用い、前記実施例1と同様に、感光層の中心線平均表面粗さ、及び保護フィルムの剥離性の評価を行った。また、得られた前記感光性積層体を用い、実施例1と同様に、支持体の剥離性、現像許容度、露光感度、解像度、密着度、耐エッチング性、耐めっき性、及びエッジラフネスの評価を行った。結果を表7に示す。なお、最短現像時間は8秒であった。
*BPE500:新中村化学工業社製商品名、重合性化合物
*BPE200:新中村化学工業社製商品名、重合性化合物
*UA−21:新中村化学社製商品名、下記に示す構造式で表される化合物(nの平均値は4)
*感光層塗布液F13は市販ポジ型フォトレジストである。
表7の結果から、実施例1〜18のパターン形成材料は、耐エッチング性、耐めっき性、レジスト剥離性などに影響を及ぼすことなく、優れた厚み均一性と基板への密着性とを両立し、解像度、感度、及び現像許容性に優れていることが判った。
また、実施例18のパターン形成材料から得られたパターンは、2重露光によって解像度のばらつきと露光むらを補正したため、実施例1〜17のパターン形成材料から得られたパターンと比較して、エッジラフネスが小さく、高精細であることが判った。
本発明のパターン形成材料は、薄膜感光層であっても、優れた厚み均一性と基板への密着性とを両立することができるため、高解像度であり、かつ、感度と現像許容性とに優れるので、各種パターンの形成用、配線パターン等の永久パターンの形成用、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等の液晶構造部材の製造用、ホログラム、マイクロマシン、プルーフなどのパターン形成用などに好適に用いることができるが、特に高精細な配線パターンの形成に好適に用いることができる。また、本発明のパターン形成方法及びパターン形成装置に好適に用いることができる。
本発明の前記パターン形成方法は、本発明の前記パターン形成材料を用いるため、各種パターンの形成、配線パターン等の永久パターンの形成、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等の液晶構造部材の製造、ホログラム、マイクロマシン、プルーフなどの製造に好適に使用することができ、特に高精細な配線パターンの形成に好適に使用することができる。
図1は、パターン形成装置の一例の外観を示す斜視図である。 図2は、パターン形成装置のスキャナの構成の一例を示す斜視図である。 図3Aは、感光層の被露光面上に形成される露光済み領域を示す平面図である。 図3Bは、各露光ヘッドによる露光エリアの配列を示す平面図である。 図4は、露光ヘッドの概略構成の一例を示す斜視図である。 図5Aは、露光ヘッドの詳細な構成の一例を示す上面図である。 図5Bは、露光ヘッドの詳細な構成の一例を示す側面図である。 図6は、図1のパターン形成装置のDMDの一例を示す部分拡大図である。 図7Aは、DMDの動作を説明するための斜視図である。 図7Bは、DMDの動作を説明するための斜視図である。 図8は、ファイバアレイ光源の構成の一例を示す斜視図である。 図9は、ファイバアレイ光源のレーザ出射部における発光点の配列の一例を示す正面図である。 図10は、露光ヘッドの取付角度誤差及びパターン歪みがある際に、被露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。 図11は、1つのDMDによる露光エリアと、対応するスリットとの位置関係を示した上面図である。 図12は、被露光面上の光点の位置を、スリットを用いて測定する手法を説明するための上面図である。 図13は、選択されたマイクロミラーのみが露光に使用された結果、被露光面上のパターンに生じるむらが改善された状態を示す説明図である。 図14は、隣接する露光ヘッド間に相対位置のずれがある際に、被露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。 図15は、隣接する2つの露光ヘッドによる露光エリアと、対応するスリットとの位置関係を示した上面図である。 図16は、被露光面上の光点の位置を、スリットを用いて測定する手法を説明するための上面図である。 図17は、図14の例において選択された使用画素のみが実動され、被露光面上のパターンに生じるむらが改善された状態を示す説明図である。 図18は、隣接する露光ヘッド間に相対位置のずれ及び取付角度誤差がある際に、被露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。 図19は、図18の例において選択された使用描素部のみを用いた露光を示す説明図である。 図20Aは、倍率歪みの例を示した説明図である。 図20Bは、ビーム径歪みの例を示した説明図である。 図21Aは、単一露光ヘッドを用いた参照露光の第一の例を示した説明図である。 図21Bは、単一露光ヘッドを用いた参照露光の第一の例を示した説明図である。 図22は、複数露光ヘッドを用いた参照露光の第一の例を示した説明図である。 図23Aは、単一露光ヘッドを用いた参照露光の第二の例を示した説明図である。 図23Bは、単一露光ヘッドを用いた参照露光の第二の例を示した説明図である。 図24は、複数露光ヘッドを用いた参照露光の第二の例を示した説明図である。 図25は、マルチモード光ファイバの構成を示す図の一例である。 図26は、合波レーザ光源の構成を示す平面図の一例である。 図27は、レーザモジュールの構成を示す平面図の一例である。 図28は、図27に示すレーザモジュールの構成を示す側面図の一例である。 図29は、図27に示すレーザモジュールの構成を示す部分側面図である。 図30は、レーザアレイの構成を示す斜視図の一例である。 図31Aは、マルチキャビティレーザの構成を示す斜視図の一例である。 図31Bは、図31Aに示すマルチキャビティレーザをアレイ状に配列したマルチキャビティレーザアレイの斜視図の一例である。 図32は、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。 図33は、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。 図34Aは、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。 図34Bは、図34Aの光軸に沿った断面図の一例である。 図35は、第一の形態のパターン形成材料の一例をを示す断面図である。 図36は、第二の形態のパターン形成材料の一例をを示す断面図である。 図37は、第三の形態のパターン形成材料の一例をを示す断面図である。 図38は、第四の形態のパターン形成材料の一例をを示す断面図である。 図39は、第一の形態のパターン形成材料を使用して基板上にパターンを形成する方法を示す説明図である。 図40は、第二の形態のパターン形成材料を使用して基板上にパターンを形成する方法を示す説明図である。 図41は、第三の形態のパターン形成材料を使用して基板上にパターンを形成する方法を示す説明図である。 図42は、第四の形態のパターン形成材料を使用して基板上にパターンを形成する方法を示す説明図である。 図43は、セミアディティブ法における本発明のパターン形成方法を説明するための工程図の一例である。
符号の説明
B1〜B7 レーザビーム
L1〜L7 コリメータレンズ
LD1〜LD7 GaN系半導体レーザ
10 パターン形成装置
12 感光層(感光材料)
14 移動ステージ
18 設置台
20 ガイド
22 ゲート
24 スキャナ
26 センサ
28 スリット
30 露光ヘッド
32 露光エリア
36 デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)
38 ファイバアレイ光源
58 マイクロミラー(描素部)
60 レーザモジュール
62 マルチモード光ファイバ
64 光ファイバ
66 レーザ出射部
110 ヒートブロック
111 マルチキャビティレーザ
113 ロッドレンズ
114 レンズアレイ
140 レーザアレイ
200 集光レンズ
501 保護フィルム
502 支持体
503 感光層
504 クッション層
505 中間層
506 銅箔層
507 絶縁層
508 硬化膜
509a 無電解銅めっき
509b 電解銅めっき

Claims (10)

  1. 支持体と、該支持体上に感光層とを少なくとも有してなり、
    前記感光層が、バインダー、重合性化合物、光重合開始剤及びフッ素系界面活性剤を少なくとも含んでおり、
    前記バインダーが、分子中にカルボキシル基を含有する共重合体と、1分子中に1つのエポキシ基を有する飽和エポキシ化合物との開環付加反応物であり、ガラス転移温度(Tg)が300〜400Kであり、かつ、質量平均分子量が1,000〜10,000であり、
    前記感光層の厚みが、3〜10μmであることを特徴とするパターン形成材料。
  2. 感光層の厚みが5〜10μmである請求項1に記載のパターン形成材料。
  3. 分子中にカルボキシル基を含有する共重合体が、スチレン類及び二塩基性不飽和カルボン酸化合物由来の構造単位を有する共重合体であって、下記一般式(I)で表される請求項1から2のいずれかに記載のパターン形成材料。
    ただし、前記一般式(I)中、Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表す。Rは、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、及び炭素数1〜4のアルコキシ基のいずれかを表す。Rは、水素原子、及び炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。Rは、水素原子、及び炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。Rは、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜11のビシクロアルキル基、炭素数6〜11のトリシクロアルキル基、炭素数7〜11のアラルキル基、炭素数6〜10のアリール基、及び(メタ)アクリロイルオキシアルキル基のいずれかを表す。mは、1〜5のいずれかの整数を表す。
    また、x及びyは、繰り返し単位の組成比(モル比)を表し、x+y=100であり、かつx:y=10〜90:10〜90である。
  4. バインダーが、下記一般式(II)で表される請求項3に記載のパターン形成材料。
    ただし、前記一般式(II)中、Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表す。Rは、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子置換で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、及び炭素数1〜4のアルコキシ基のいずれかを表す。Rは、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原子、及び炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。Rは、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原子、及び炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。Rは、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜11のビシクロアルキル基、炭素数6〜11のトリシクロアルキル基、炭素数7〜11のアラルキル基、炭素数6〜10のアリール基、及び(メタ)アクリロイルオキシアルキル基のいずれかを表す。Rは、飽和エポキシ化合物中のエポキシ基と二塩基性不飽和カルボン酸化合物中のカルボキシル基との付加反応後の残基を表す。mは、1〜5のいずれかの整数を表す。
    また、x、y、及びzは、繰り返し単位の組成比(モル比)を表し、x+y+z=100であり、かつx:y:z=10〜80:10〜80:10〜80である。
  5. フッ素系界面活性剤が、下記構造式(1)で表されるモノマーに由来する構造単位及び下記構造式(2)で表されるモノマーに由来する構造単位の少なくともいずれかと、ポリオキシアルキレン基を有するエチレン性不飽和モノマーに由来する構造単位とを有する共重合体である請求項1から4のいずれかに記載のパターン形成材料。
    ただし、前記構造式(1)及び(2)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原子及びメチル基のいずれかを表す。X及びXは、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、酸素原子及びNRのいずれかを表す。該Rは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、及び炭素数7〜24のアラルキル基のいずれかを表す。Z及びZは、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子の少なくともいずれかを有する置換基を表す。Rは、水素原子及びフッ素原子のいずれかを表す。l、n、p及びrは、0〜10のいずれかの整数を表す。m及びqは、0及び1のいずれかの整数を表す。o、s及びtは、1〜10のいずれかの整数を表す。
  6. 支持体と感光層との間ににクッション層を有する請求項1から5のいずれかに記載のパターン形成材料。
  7. クッション層と感光層との間に物質の移動を抑制可能な中間層を有する請求項6に記載のパターン形成材料。
  8. 中間層が、酸素遮断性を有する請求項7に記載のパターン形成材料。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載のパターン形成材料における感光層を、加熱及び加圧の少なくともいずれかにより感光層と基材とが接するように該基材上に積層する積層工程と、
    前記積層工程により積層された感光層を、光照射手段から照射される光により露光する露光工程と、
    前記露光工程により露光された感光層を現像する現像工程とを有することを特徴とするパターン形成方法。
  10. パターンが配線パターンであり、該配線パターンがセミアディティブ法によって形成される請求項9に記載のパターン形成方法。
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