JP2007186667A - 蓄熱性物質、蓄熱剤、蓄熱材、熱輸送媒体、蓄熱剤用融点調整剤、蓄熱剤用過冷却防止剤及び蓄熱剤または熱輸送媒体の主剤の製造方法 - Google Patents
蓄熱性物質、蓄熱剤、蓄熱材、熱輸送媒体、蓄熱剤用融点調整剤、蓄熱剤用過冷却防止剤及び蓄熱剤または熱輸送媒体の主剤の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】トリnブチルアルキルアンモニウム塩と水を含有してなることを特徴とする蓄熱性物質。臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムと水を含有してなることを特徴とする蓄熱性物質。トリnブチルアルキルアンモニウム塩と水を含有してなることを特徴とする蓄熱剤。臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムと水を含有してなることを特徴とする蓄熱剤。トリnブチルアルキルアンモニウム塩と水を含有してなることを特徴とする熱輸送媒体。臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムと水を含有してなることを特徴とする熱輸送媒体。
【選択図】図1
Description
なお、本発明では、蓄熱機能を有する物質を「蓄熱性物質」と称する。
また、本発明では、蓄熱性物質を含有し蓄熱に供される物質を「蓄熱剤」と称し、該蓄熱剤が容器等に充填または収容され、蓄熱に供されるものを「蓄熱材」と称する。
また、本発明では、蓄熱性物質を含有し直接又は間接的に熱輸送に供される物質を広く「熱輸送媒体」と称する。従って、冷温水機と空調機器との間の熱搬送を目的とする物質(例えば、冷温水機において蓄熱又は蓄冷し、熱利用する場所に設置されている空調機器に搬送されて放熱又は放冷することができる物質)に限らず、熱を蓄積した後又は蓄積しながら貯留される物質であって、そこから当該熱が取り出されて所望の目的に供されるものも「熱輸送媒体」に含まれる。例えば、蓄熱性物質に熱が蓄積される場所と、当該蓄熱性物質が蓄積している熱が利用される場所とが異なるが故にこれらの場所間で熱の移動が起こる場合には、当該蓄熱性物質は、最終的に熱輸送に貢献するものとして「熱輸送媒体」に含まれる。
また、本発明では、蓄熱剤の主剤を「蓄熱主剤」という。ただし、蓄熱剤の主成分若しくはその主成分以外の成分となる物質について説明する場合又は特に明記して蓄熱剤と区別して表現する場合を除き、蓄熱主剤を含めて蓄熱剤と称する。同様に、熱輸送媒体の主成分若しくはその主成分以外の成分となる物質について説明する場合又は特に明記して熱輸送媒体と区別して表現する場合を除き、熱輸送媒体の主剤を含めて熱輸送媒体と称する。
また、本発明では、主成分となる物質を「主剤」と称するが、これは成分比率が最大のものに限らず、蓄熱、熱輸送などの機能を発現する主要な構成物であって、複数成分のものも含まれる。
また、空調システムにおいては設備費や運転費の削減のため、熱媒体を輸送するポンプ動力の低減が求められており、熱輸送密度を増大させるために蓄熱密度の高い潜熱蓄熱熱輸送媒体を用いることが検討されている。
他方、テトラアルキルアンモニウム化合物の包接水和物は、水和物を生成する際の潜熱が大きいため、比較的蓄熱量が大きく、またパラフィンのように可燃性ではないため取り扱いも容易であり、非常に有用な蓄熱性物質である。
なお、調和融点とは水和物を生成する化合物の水溶液を冷却して水和物を生成する際、水溶液(液相)から水和物(固相)に変相する前後の組成が変わらない場合(例えばもとの水溶液中の水和物を生成する化合物濃度と同じ濃度の水和物を生じる)の温度をいう。なお、縦軸を融点温度、横軸を濃度とした状態図では極大点が調和融点となる。本発明では調和融点を与える濃度を調和濃度という。
調和濃度の水溶液を冷却すると、調和融点で水和物が生成しはじめ、水溶液が全て水和物になるまでこの融点温度で温度は一定になる。融解時も同様にこの一定の融点温度で融解する。また、水和物の凝固融解時の潜熱量は調和濃度で最大となる。
調和濃度より濃度が低くなるか高くなると、融解温度は調和融点より低くなる。
また、テトラアルキルアンモニウム化合物の他の例として、硝酸テトラnブチルアンモニウムは、調和融点がおよそ6.5℃であり、これも空調用蓄熱剤への応用が開示されている(特許文献2参照)。
まず原料となるヨウ化テトラnブチルアンモニウムが、下記の反応により合成される。
適当な溶媒の存在下、
トリnブチルアミン+1-ヨウ化ブタン→ヨウ化テトラnブチルアンモニウム
(n-C4H9)3N + nC4H9I → (n-C4H9)4N-I
そして、水を溶媒として、
ヨウ化テトラnブチルアンモニウム+硝酸銀→硝酸テトラnブチルアンモニウム+ヨウ化銀
(n-C4H9)4N-I + AgNO3 → (n-C4H9)4N-NO3 + AgI↓
の反応式にて硝酸テトラnブチルアンモニウムが合成される。析出したヨウ化銀はフィルタリングにより除去される。
このように、硝酸テトラnブチルアンモニウムは、原料のヨウ化テトラnブチルアンモニウム合成工程、硝酸テトラnブチルアンモニウム合成工程、ヨウ化銀除去工程という少なくとも3つの工程が必要である。
また、有機系水和物を主剤とする潜熱蓄熱剤としては、トリメチロールエタン(TME)水和物が知られており、TME−水−尿素の三成分系を中心とした検討がなされている(特許文献4参照)。
このように、蓄熱剤または熱輸送媒体により冷却されるべき対象あるいは蓄熱の目的に応じて蓄熱剤または熱輸送媒体の蓄熱温度が求められ、それに適合する調和融点を有する蓄熱剤または熱輸送媒体が求められ、また、これらの主剤となる蓄熱性物質が求められる。
また、ヨウ化銀などの副反応生成物が生じるという問題もある。
また、実用上の問題として、上述したトリメチロールエタンは水和物を生成する際に過冷却現象が大きいという問題がある。
また、水和物を生成する際の過冷却を防止するために微粒子を混入させても、微粒子が均一に分散されていないと過冷却防止効能がなくなるという問題や、凝固と融解を繰返すと微粒子が分離され過冷却防止効能がなくなるという問題がある。
また、蓄熱剤の潜熱量を低下させず融点を調整できる融点調整剤や、過冷却防止効能が高く凝固と融解を繰返しても過冷却防止効能を維持できる過冷却防止剤が求められていた。
本発明は係る課題を解決するためになされたものである。
トリnブチルアルキルアンモニウム塩と水を含有してなる水溶液を冷却してトリnブチルアルキルアンモニウム塩水和物を生成して該水和物を主成分とする蓄熱性物質とすることができる。
アルキルとしてnブチル以外のnペンチル、iso−ペンチルnプロピル、iso−プロピル、エチル、メチルnヘキシル、iso−ヘキシルnヘプチル、iso−ヘプチル、iso−ブチル等が挙げられる。
また、アンモニウム塩として、臭化アンモニウム塩、弗化アンモニウム塩、硝酸アンモニウム塩、亜硝酸アンモニウム塩、塩素酸アンモニウム塩、過塩素酸アンモニウム塩、臭素酸アンモニウム塩、よう素酸アンモニウム塩、炭酸アンモニウム塩、りん酸アンモニウム塩、タングステン酸アンモニウム塩、硫酸アンモニウム塩、水酸化アンモニウム塩、カルボン酸アンモニウム塩、ジカルボン酸アンモニウム塩、スルホン酸アンモニウム塩、ジスルホン酸アンモニウム塩等が挙げられる。
(3)また、本発明に係る蓄熱性物質は、臭化トリnブチルnペンチルアンモニウム水和物を主成分とすることを特徴とするものである。
また、臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムは、硝酸テトラnブチルアンモニウムよりも簡単な工程で製造でき(製造方法は後述する。)、低コストにて製造することができることを見出した。
このように本発明に係る蓄熱性物質は、5〜8℃の範囲に調和融点を持ち、蓄熱性能に優れ、低コストの蓄熱性物質であると言える。
また、臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムの腐食性を調査した結果、硝酸テトラnブチルアンモニウムよりもはるかに腐食性が低いことが判明し、この意味でも実用性が極めて高いことを見出した。
トリnブチルアルキルアンモニウム塩と水を含有してなる水溶液を冷却してトリnブチルアルキルアンモニウム塩水和物を生成して該水和物を主成分とする蓄熱剤とすることができる。
(5)また、本発明に係る蓄熱剤は、臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムと水を含有してなることを特徴とするものである。
(6)また、本発明に係る蓄熱剤は、臭化トリnブチルnペンチルアンモニウム水和物を主成分とすることを特徴とするものである。
アニオンとして、Br、F、Cl、C2H5COO、OH、CH3COO、HCOO、CH3SO3、CO3、PO4、HPO4、WO4、iC3H7COO、O3S(CH2)2SO3、sC4H9COO、NO3、(CH3)2CH(NH2)2COO、nC3H7SO3、CF3COO、CrO3、SO4が挙げられる。
また、アルキルとして、nブチル、isoブチル、nペンチル、isoペンチル、nプロピル、isoプロピル、エチル、メチル、nヘキシル、isoヘキシル、nヘプチル、isoヘプチル、isoブチル等が挙げられる。
テトラアルキルアンモニウム−アニオン塩の具体例としては、例えば、臭化テトラnブチルアンモニウムが挙げられる。
水和物生成物の水溶液を冷却して、水和物生成温度(融点)に達してさらに低温になっても水和物が生成されず水溶液の状態を保っている状態を過冷却というが、水和物を蓄熱剤に用いる場合にはこの過冷却が大きいと、水溶液を冷却するための冷媒温度を低くしなければならず、問題となる。従って、過冷却をできるだけ小さくし、過冷却を防止することが重要である。
過冷却防止剤としては、蓄熱主剤であるトリnブチルアルキルアンモニウム塩水和物の融点より5℃以上高い融点の水和物を生成するテトラアルキルアンモニウム化合物が好ましい。
テトラアルキルアンモニウム化合物は蓄熱主剤であるトリnブチルアルキルアンモニウム塩の類縁物質であるので、過冷却防止能を有している。つまり、トリnブチルアルキルアンモニウム塩蓄熱主剤と過冷却防止剤の水溶液を冷却すると先に過冷却防止剤の水和物が生成され、蓄熱主剤の水和物生成の核として作用し過冷却を防止することができる。
また、他の腐食抑制剤としては、ポリリン酸塩、トリポリリン酸塩、テトラポリリン酸塩、燐酸水素二塩、ピロ燐酸塩またはメタ珪酸塩のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、リチウム塩が挙げられ、金属表面に腐食を防止する被膜を形成して腐食を抑制することができる(被膜形成型腐食抑制剤という)。これらの被膜形成型腐食抑制剤と前述した脱酸型腐食抑制剤の亜硫酸塩またはチオ硫酸塩を併用することにより、さらに腐食を抑制することができる。
さらに、他の腐食抑制剤としてベンゾトリアゾールが挙げられる。
上記の腐食抑制剤を蓄熱剤に添加することにより、融点や蓄熱量を大きく変えずに腐食性の少ない蓄熱剤を提供することができる。
臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムの15%水溶液を調製し、4℃に冷却して水和物を生成し、水和物粒子が水溶液に分散した水和物スラリを調製することで、動粘度が水と同程度であり、流動性が高く搬送性に優れた熱輸送媒体となることを確認している。
蓄熱主剤にトリnブチルアルキルアンモニウム塩もしくはその水溶液を添加して蓄熱剤を調製することにより、蓄熱剤を冷却した際に水和物が生成する温度(混合物融点)を蓄熱主剤単独の融点より低く、あるいは高くすることができる。したがって、トリnブチルアルキルアンモニウム塩もしくはその水溶液の添加率を調整することにより、混合物融点を所望の範囲に調整することができる。このため、蓄熱剤により冷却されるべき対象あるいは蓄熱の目的に応じて求められる蓄熱剤の蓄熱温度に適合する融点を有する蓄熱剤を提供できる。
アニオンとして、Br、F、Cl、C2H5COO、OH、CH3COO、HCOO、CH3SO3、CO3、PO4、HPO4、WO4、iC3H7COO、O3S(CH2)2SO3、sC4H9COO、NO3、(CH3)2CH(NH2)2COO、nC3H7SO3、CF3COO、CrO3、SO4が挙げられる。
また、アルキルとして、nブチル、isoブチル、nペンチル、isoペンチル、nプロピル、isoプロピル、エチル、メチル、nヘキシル、isoヘキシル、nヘプチル、isoヘプチル、isoブチル等が挙げられる。
テトラアルキルアンモニウム−アニオン塩の具体例としては、例えば、臭化テトラnブチルアンモニウムが挙げられる。
臭化トリnブチルnペンチルアンモニウム水和物を、例えばテトラアルキルアンモニウム化合物の水和物からなる蓄熱主剤に添加することにより、水和物が生成する温度(混合物融点)を蓄熱主剤単独の融点より低く、あるいは高くすることができる。
したがって、臭化トリnブチルペンチルアンモニウムもしくはその水溶液の添加率を調整することにより、混合物融点を所望の範囲に調整することができる。このため、蓄熱剤により冷却されるべき対象あるいは蓄熱の目的に応じて求められる蓄熱剤の蓄熱温度に適合する融点を有する蓄熱剤を提供できる。
融点調整剤としてトリnブチルアルキルアンモニウム塩を添加する蓄熱主剤としては、テトラアルキルアンモニウム化合物の水和物が類縁物質であり好ましい。テトラアルキルアンモニウム化合物としてはテトラアルキルアンモニウム−アニオン塩が挙げられる。
蓄熱主剤に、トリnブチルアルキルアンモニウム塩もしくはその水溶液を適量添加することにより蓄熱主剤の過冷却を効果的に防止することができる。蓄熱主剤が例えばテトラアルキルアンモニウム化合物水和物の場合には、トリnブチルアルキルアンモニウム塩は蓄熱主剤の類縁物質であるので、効果的な過冷却防止能を有している。つまり、テトラアルキルアンモニウム化合物蓄熱主剤と、過冷却防止剤として蓄熱主剤の融点より高い融点のトリnブチルアルキルアンモニウム塩もしくはその水溶液を添加した水溶液を冷却すると、先に過冷却防止剤のトリnブチルアルキルアンモニウム塩の水和物が生成され、蓄熱主剤の水和物生成の核として作用し過冷却を防止することができる。
過冷却防止剤のトリnブチルアルキルアンモニウム塩は蓄熱主剤のテトラアルキルアンモニウム化合物の類縁物質であるので、均一に分散されて過冷却防止能が高く、さらに蓄熱剤の凝固、融解が繰返されても分離することなく、過冷却防止能を維持することができる。
蓄熱主剤がテトラアルキルアンモニウム化合物水和物の場合に、過冷却防止剤として臭化トリnブチルisoペンチルアンモニウムを用いると、臭化トリnブチルisoペンチルアンモニウムは蓄熱主剤の類縁物質であるので、均一に分散されて過冷却防止能が高く、さらに蓄熱剤の凝固、融解が繰返されても分離することなく、過冷却防止能を維持することができる。
トリnブチルアミンと1-ブロモペンタンを、適切な溶媒を用いて反応させると、臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムが下式の反応により合成できることを見出した。
トリnブチルアミン + 1-ブロモペンタン →臭化トリnブチルnペンチルアンモニウム
(n-C4H9)3N + nC5H11Br → (n-C4H9)3(nC5H11)N-Br
すなわち、臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムは、上式のように1工程の合成方法で合成することができるので、合成にかかるコストを低くして製造できる。
また、本発明の蓄熱剤用融点調整剤は、蓄熱剤の潜熱量を低下させず融点を調整できる。
また、本発明の蓄熱剤用過冷却防止剤は、過冷却防止効能が高く凝固と融解を繰返しても過冷却防止効能を維持できる。
後述する製造方法により臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムを製造、精製し、30wt%〜50wt%の水溶液を調整した。水溶液について、DSC(差動走査型熱量計)測定を実施し水和物の融点と潜熱量を測定した。その結果、縦軸を融点温度、横軸を濃度とした状態図では34wt%で融点が極大となり、調和融点を与える濃度(以下調和濃度という)は34wt%であることを確認した。
また、調和融点は6℃で、その潜熱量は193J/gであった。
臭化トリnブチルnペンチルアンモニウム34wt%水溶液に、炭素鋼板またはアルミニウム板を浸漬し、90℃にて1週間保持したのち、重量減少量を測定して、それを腐食速度に換算した。
また、硝酸テトラnブチルアンモニウムのほぼ調和濃度である36wt%水溶液に対して、同様に腐食速度を測定した。
これらの結果を表2に示す。
臭化トリnブチルisoペンチルアンモニウムは、トリnブチルアミンと1ブロモ3メチルブタンを原料にし、臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムと同様の方法で合成できる。
臭化トリnブチルisoペンチルアンモニウム30wt%〜50wt%の水溶液を調整し、その水和物の調和融点と潜熱量を測定したところ、調和濃度33wt%、調和融点約17℃、潜熱227J/gであり、高い潜熱量を有する。
まず、製造、精製工程を説明し、その後具体例を示す。
1.原料仕込み工程
トリnブチルアミン(TBA)、1ブロモペンタン(PB)、溶媒(アセトニトリル)を容器に仕込む。
2.反応工程
常圧下、アルゴンガスを微量流通させ不活性ガス雰囲気下、温度80〜85℃下で反応させる。
3.濃縮工程
反応後の溶液を加熱し、TBA、PB、アセトニトリルを揮発させて生成物を濃縮する。なお、減圧下で濃縮工程を行うことにより効率が向上する。
濃縮液に水を加え、油層と水層に分離した溶液から油層を除去する。得られた水層にシクロヘキセンを加えて洗浄し、油層を除去する。さらに、得られた水層にnヘキサンを加えて洗浄し、油層を除去する。このように洗浄することにより残留している溶媒や原料を除去する。このように精製して得られた臭化トリnブチルnペンチルアンモニウム水溶液中の臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムの純度は99%になる。
トリnブチルアミンを278g、1-ブロモペンタン249g、溶媒のアセトニトリル400gを反応容器に仕込み、アルゴンを微量流通させながら、常圧下還流温度(80〜85℃)にて22時間反応させた。
反応後の溶液を、減圧下30℃程度にて、原料と溶媒を除去して生成物を濃縮した。
得られた濃縮液に水を400g加え、油層と水槽に分離した溶液から油層を除去した。
得られた水層にシクロヘキセン300gを加えて洗浄した後、油層を除去した。更に得られた水層にnヘキサン300gを加えて洗浄した後、油層を除去した。
濃縮液に溶媒として酢酸エチルを加え、必要であれば加熱して全体を一様にする。得られた液を30℃以下に冷却し、更に臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムの固体粉末を極少量添加して、再結晶により臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムを析出させる。結晶をろ過し、更に乾燥して残留した溶媒等の不純物を除去して、臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムの純度を99%以上に精製できる。5℃以下で再結晶させると、収率や効率の面で更に好ましい。
(1)純度と潜熱量の関係
臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムの純度と水和物潜熱量の関係について調べた。
上記の製造、精製工程のうち、精製工程中の有機溶媒による洗浄を経ずに製造した場合、臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムの純度は94%であった。そこで、この粗製品と精製品とを混合し、純度94〜99%の臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムを生成し、それぞれの水和物の潜熱量を計測した。測定結果を表3に示す。
臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムとテトラアルキルアンモニウム化合物とを混合することで融点調整ができることを見出したので、以下詳細に説明する。
臭化トリnブチルnペンチルアンモニウム(TBPAB)とテトラアルキルアンモニウム化合物の一例として臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB)のそれぞれ調和濃度水溶液を等量含有する混合水溶液の融点温度と潜熱量を計測した。図1はこの測定結果を示すグラフであり、縦軸が潜熱量、横軸が融解温度を示している。
図1から分かるように、混合水溶液から生成する水和物は、臭化トリnブチルnペンチルアンモニウム水和物と臭化テトラnブチルアンモニウム水和物のそれぞれ単独の場合の融点温度の間で、融解することが判明した。また、混合物の総潜熱量はそれぞれ単独の潜熱量の総和とほぼ等しいことを確認した。
したがって、臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムと、テトラアルキルアンモニウム化合物との配合組成を調整することにより、混合物融点を所望の範囲に調整することができる。このため、蓄熱剤により冷却されるべき対象あるいは蓄熱の目的に応じて求められる蓄熱剤の蓄熱温度に適合する融点を有する蓄熱剤を提供できる。
アルキルとして、nブチル以外の nペンチル、isoペンチル、nプロピル、isoプロピル、エチル、メチル、nヘキシル、isoヘキシル、nヘプチル、isoヘプチル、isoブチル等が挙げられる。
また、アンモニウム塩として、臭化アンモニウム塩、弗化アンモニウム塩、塩化アンモニウム塩、硝酸アンモニウム塩、亜硝酸アンモニウム塩、塩素酸アンモニウム塩、過塩素酸アンモニウム塩、臭素酸アンモニウム塩、よう素酸アンモニウム塩、炭酸アンモニウム塩、りん酸アンモニウム塩、タングステン酸アンモニウム塩、硫酸アンモニウム塩、水酸化アンモニウム塩、カルボン酸アンモニウム塩、ジカルボン酸アンモニウム塩、スルホン酸アンモニウム塩、ジスルホン酸アンモニウム塩等が挙げられる。
蓄熱主剤として臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムを用いる場合、フッ化テトラブチルアンモニウムを過冷却防止剤として添加することにより効果的に過冷却を防止できる。蓄熱主剤と過冷却防止剤の水溶液を冷却すると先に過冷却防止剤の水和物が生成され、生成された過冷却防止剤の水和物が蓄熱主剤の水和物生成の核として作用し過冷却を防止する。
以下、過冷却防止剤の適切な添加率を検討したので、詳細に説明する。
多くの場合、冷房空調において室内機から吹き出す冷空気の温度は一般に15℃程度であり、高くとも18℃程度である。それ以上に高い温度であると、空調対象の空間に向けて送り出すべき空気量を増やさない限り、同レベルの空調効果を得ることが困難になり、それどころか却って空調効率が低下する。そのため、冷空気に冷熱を供給する潜熱蓄熱剤は、空気との熱交換に必要な温度差(約2℃)を考慮して、16℃以下の潜熱を蓄熱できるものであることが要求される。
また、空調向けの潜熱蓄熱剤の典型例である氷の場合、0℃以下で冷却する必要があったため、冷凍機のCOPが低くなり、冷房に必要なエネルギーが大きくなり省エネルギー化ができないという問題があった。COPを高いまま維持し、省エネルギーを実現するためには、空調向けの潜熱蓄熱剤は、5℃以上、低くとも3℃以上で蓄熱できるものであることが要求される。上記の理由から、3℃〜16℃の温度範囲で蓄熱できる空調向けの潜熱蓄熱剤が望まれている。
DSC(差動走査型熱量計)測定により3〜16℃の温度範囲の潜熱量を求め、さらに潜熱量の変化を調べるため、過冷却防止剤を添加しないものの潜熱量との比を潜熱量比として表す。また、融点を示すが、 ここでの融点はDSC測定結果において横軸に温度、縦軸に比熱をとったグラフのピーク値とした。 さらに、過冷却防止性能について、3℃に冷却して数分以内に水和物結晶の成長が認められること、過冷却防止剤を入れない場合に比べて水和物結晶成長速度が大きくなっていること、1000回の凝固融解の繰り返しで過冷却防止性能の低下がないことが満たされた場合を○とし、満たされない場合を×とした。
したがって、潜熱量の低下がなく、冷却温度と融点との差が3℃程度でも過冷却解除性が十分となるフッ化テトラnブチルアンモニウム調和濃度水溶液の添加率は、7〜16%が好ましい。
また、フッ化テトラnブチルアンモニウムを調和濃度水溶液として添加する例を挙げたが、フッ化テトラnブチルアンモニウム三水和物等の粉末を添加する場合であっても同様の過冷却解除効果がある。
(i-C5H11)4N-F、(i-C5H11)4N-Cl、(i-C5H11)4N-C2H5COO、(n-C4H9)4N-OH、(i-C5H11)4N-CH3COO、(i-C5H11)4N-HCOO、(i-C5H11)4N-CH3SO3、((n-C4H9)4N)2-CO3、((n-C4H9)4N)3-PO4、((n-C4H9)4N)2-HPO4、(n-C4H9)4N-Cl、((n-C4H9)4N)2-WO4
(n-C4H9)4N-Br
臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムは硝酸テトラnブチルアンモニウムに比べて大幅に腐食性が低いが、臭素イオンを含むため炭素鋼に対して腐食性があるので、腐食抑制剤を添加して腐食を抑制することが好ましい。
腐食抑制剤としては、例えば亜硫酸塩、チオ硫酸塩または亜硝酸塩のナトリウム塩、リチウム塩が挙げられ、蓄熱剤に添加して溶存する酸素を消費して腐食を抑制することができる(脱酸型腐食抑制剤という)。
また、他の腐食抑制剤としては、ポリリン酸塩、トリポリリン酸塩、テトラポリリン酸塩、燐酸水素二塩、ピロ燐酸塩またはメタ珪酸塩のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、リチウム塩が挙げられ、金属表面に腐食を防止する被膜を形成して腐食を抑制することができる(被膜形成型腐食抑制剤という)。これらの被膜形成型腐食抑制剤と前述した脱酸型腐食抑制剤の亜硫酸塩またはチオ硫酸塩を併用することにより、さらに腐食を抑制することができる。
さらに、他の腐食抑制剤としてベンゾトリアゾールが挙げられる。
上記の腐食抑制剤を添加することにより、融点や蓄熱量を大きく変えずに腐食性の少ない蓄熱剤を提供することができる。
臭化トリnブチルnペンチルアンモニウム調和濃度水溶液に、表5に示すように腐食抑制剤を添加して、炭素鋼板を浸漬し90℃にて1週間保持したのち、重量減少量を測定して、それを腐食速度に換算し、結果を表5に示す。
また、これらの腐食抑制剤は他のトリnブチルアルキルアンモニウム塩の腐食に対しても抑制する効果がある。
臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムの15%水溶液を調製し、4℃に冷却して水和物を生成し、水和物粒子が水溶液に分散した水和物スラリを調製した。この水和物スラリは動粘度が水と同程度であり、流動性が高く搬送性に優れているので、蓄熱量の高い熱輸送媒体として好適である。
このように、トリnブチルアルキルアンモニウム塩の調和濃度より小さい濃度の水溶液を冷却して調製した水和物スラリは熱輸送媒体として好適である。また、調和濃度や調和濃度より大きい濃度の水溶液でも与える冷熱量を調整することでスラリ状とすることができ、これらも熱輸送媒体として利用できる。
また、必要に応じて、別途、適宜選択した界面活性剤又は抵抗低減剤を添加するなどして抵抗低減措置を追加してもよい。
このような、マイクロカプセル化または界面活性剤又は抵抗低減剤の添加により流動性を高めることができ、熱輸送媒体を輸送するポンプ動力の低減を図ることができる。
上記の実施形態ではトリnブチルアルキルアンモニウム塩のうち主に臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムを例に挙げて冷熱(特に20℃未満の熱)を蓄熱する蓄熱剤や熱輸送媒体として用いることを述べたが、トリnブチルアルキルアンモニウム塩のうち水和物融点温度が20℃以上のもの(好ましくは20〜30℃のもの)は、温室や床暖房等に適用される温熱を蓄熱する蓄熱剤または熱輸送媒体として用いることができる。
このような高温蓄熱剤としては、フッ化トリnブチルイソペンチルアンモニウム、フッ化トリnブチルnペンチルアンモニウムが挙げられる。
図2は本実施例の空調設備の説明図である。図2に示す空調設備は、室外ユニット1と負荷側の機器2とから構成され、この負荷側の機器2はたとえば複数の室内ユニット14を備えている。また、上記の室外ユニット1は、冷凍装置3と蓄熱装置4から構成されている。
上記の冷凍装置3は、圧縮機5を備えており、フロン等の冷媒を圧縮し、凝縮器6で冷却して凝縮させる。そして、この凝縮された冷媒は制御弁7、膨脹弁8を介して流通されて蒸発し、冷熱を生成する。なお、蒸発膨脹した冷媒は再び上記の圧縮機5により圧縮される。
図3は本実施例の空調設備の説明図である。図2と同一のものには同一の符号が付してある。本実施例の空調設備は貯蔵された水和物スラリをフロン等の冷媒と熱交換して負荷側に供給するとともに、蓄熱槽10内に貯蔵されている水和物スラリを冷熱源として使用するのと並行して冷凍装置を運転可能としたものである。
本実施例のものは、昼間の負荷運転の場合には冷凍装置を作動させ、凝縮器6を通過したガス状または液状の一部の冷媒を上記の冷媒熱交換器20に供給して蓄熱槽10内の水和物スラリと熱交換して冷却または凝縮し、この冷媒を熱負荷側の室内ユニット14等に送る。また、これらの室内ユニット14から戻された冷媒は、再び圧縮器5により圧縮され、凝縮器6に送られる。
図4は本実施例に係る空調設備の説明図である。図2と同一のものには同一の符号が付してある。本実施例の空調設備は、蓄熱槽10内に貯蔵された水和物スラリの冷熱をフロン等の冷媒と熱交換して負荷側に供給する水和物スラリのみを冷熱源とする運転と、冷凍装置を冷熱源とする運転との少なくとも一つを運転可能としたものである。
本実施例のものは、第1の戻り配管である冷媒の戻り配管23の途中に冷媒ガスポンプ31を設けるとともに、切換え用の弁32,33,34,35を設け、冷凍装置の圧縮器5を経由せずに、冷媒を室内ユニット14と第1の熱交換器である冷媒熱交換器20との間で循環させ、この冷媒と水和物スラリとを熱交換させることができるものである。
また、本実施例のものは、切換え用の弁32,33,34,35を操作することにより、蓄熱槽10内の水和物スラリのみを冷熱源とする運転、冷凍装置のみによる運転、蓄熱槽10内の水和物スラリと冷凍装置を冷熱源とする並行運転のいずれも選択可能であり、状況に応じた柔軟な運転が可能である。
図5は本実施例の包接水和物スラリ製造装置の説明図である。本実施例の包接水和物スラリ製造装置は、図5に示すように、包接水和物スラリを製造する水和物生成蒸発器(以下、円筒形熱交換器41という)が設置されている。この円筒形熱交換器41は、上部に開口部42を有する大気開放型の円筒容器43によって構成され、下部には漏斗状部44が一体に設けられている。さらに、円筒形熱交換器41の円筒容器43の外周面にはジャケット43aが形成され、円筒容器43の内周面は冷却面43bに形成されている。
円筒形熱交換器41の外部には冷凍装置50が設けられ、この冷凍装置50には円筒形熱交換器41の内部に包接水和物の生成温度以下の温度に冷却された冷却用流体としてのブラインを供給するためのブラインポンプ51を備えた供給用冷媒配管52が設けられ、円筒形熱交換器41のジャケット43aに接続されている。また、円筒形熱交換器41には戻り用冷媒配管53が接続され、冷凍装置50に循環するようになっている。
このとき、電動機55の作動により回転軸56が回転し、回転撹拌翼57が回転して冷却面43bを摺擦するため、冷却面43bに付着した包接水和物は掻落とされる。包接水和物が掻落とされることによって包接水和物が溶液中に分散してクリーム状の包接水和物スラリW1となるとともに、包接水和物スラリW1は回転撹拌翼57によって撹拌されるため流動性を維持できる。
システムの起動時には水和物スラリがなく、蓄熱槽64内にゲスト化合物(臭化トリnブチルnペンチルアンモニウム)を含む水溶液のみが収容されている。水溶液中のゲスト化合物の濃度は空調システムの空調負荷に応じて設定する。この濃度を変えることによって、空調システムの空調負荷に適するように水和物スラリの熱密度や冷水温度を変えることができる。
そして、潜熱熱交換器63aは融解運転に入る。潜熱熱交換器の伝熱面での水和物スラリの付着は、たとえば各々の潜熱熱交換器の上流側配管に取り付けた流量計(図示せず)で水和物スラリの流量を監視し、潜熱熱交換器へ流入する水和物スラリの流量の減少が検出されたことに基づいて判断することができる。同様に、潜熱熱交換器の伝熱面での水和物スラリの付着は、圧力損失の増大や潜熱熱交換器へ供給される冷水または水和物スラリの出入口温度差を計測することによる交換熱量の減少によっても判断することができる。
図7は本実施例の蓄熱ユニット装置を組み込んだヒートポンプ式空調装置の構成を説明する説明図である。この例のヒートポンプ式空調装置は、既設のヒートポンプ式空調装置として室外機81と室内機85を2本の冷媒配管で接続していたものに、新たに蓄熱ユニット装置83を後から組み込んだものであり、室外機81と、蓄熱ユニット装置83と、複数の室内機85とから構成される。
室外機81と蓄熱ユニット装置83とは2本の冷媒配管87、89で接続され、蓄熱ユニット装置83と室内機85とは同様に2本の冷媒配管91、93で接続されている。既設のヒートポンプ式空調装置において、冷媒配管87および冷媒配管91は主として液冷媒が流れる液冷媒配管、冷媒配管89および冷媒配管93は主としてガス冷媒が流れるガス冷媒配管である。
蓄熱剤105は、本発明に係る臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムの水溶液を用いる。臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムの調和融点Tmは9℃であり、冷媒の蒸発温度Teより高く凝縮温度Tcより低い融点である。なお、蒸発温度Te、凝縮温度Tcとは、既設ヒートポンプ式空調装置の設計蒸発温度および設計凝縮温度のことをいう。
このように、臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムはその調和融点Tmが上記の範囲であることから、蓄熱ユニット装置83を既設ヒートポンプ式空調装置にそのまま取り付けて冷暖房能力を増強させることができる。
一端側が冷媒配管87に接続され他端側が冷媒配管91に接続される配管109(本発明の第1配管に相当)、一端側が冷媒配管89に接続され他端側が冷媒配管93に接続される配管111(本発明の第2配管に相当)を備えている。そして、配管109には冷媒配管87に近い方から順に開閉弁113(本発明の第1開閉弁に相当)、開閉弁115(本発明の第2開閉弁に相当)が設けられている。また、配管111には開閉弁117(本発明の第3開閉弁に相当)が設けられている。
また、蓄熱用熱交換器107の他端側は3つの配管127、129、131を介して、配管111および配管109に接続されている。すなわち、配管127を介して配管111における開閉弁117よりも冷媒配管89に近い位置に接続され、配管129を介して配管109における開閉弁113よりも冷媒配管87に近い位置に接続され、配管131を介して配管109における開閉弁115よりも冷媒配管91に近い側に接続されている。そして、配管127には開閉弁133(本発明の第5開閉弁に相当)が、配管129には開閉弁135(本発明の第7開閉弁に相当)が、配管131には開閉弁137(本発明の第6開閉弁に相当)が設けられている。
なお図7において、室外機81、室内機85は主要な構成機器のみを図示した代表的な構成を示しており、必要に応じてアキュムレータや制御弁などが接続されたり、構成機器が複数組設置されてもよい。すなわち、室外機と室内機が2本の冷媒配管で接続されているヒートポンプ式空調装置であれば、室外機および室内機における機器構成は問わない。
図8は本実施例に係る蓄熱装置の説明図である。このものは、貯留槽151を備え、その内部には冷媒液たとえば水152が貯留されている。また、153は冷凍機であって、上記の貯留槽151の内部の水152は、配管154,155を介して上記の冷凍機153との間を循環し、冷却され、冷熱を蓄熱する。
また、この容器内には、所定量の空気またはその他のガスが封入されて空間部を形成しており、この蓄熱体180の全体の見かけ上の比重が周囲の冷媒液たとえば水と等しくなるように構成され、この水中を自由に浮遊できるように構成されている。
この場合に、貯留槽151内の水152が冷却されると、蓄熱体180の容器の壁を介して内部の臭化トリnブチルnペンチルアンモニウム水溶液が冷却されて水和物粒子を生成し、水和物スラリが生成される。貯留槽151内の水が冷熱源として使用されると、上記とは逆に蓄熱体180の内部の水和物スラリが融解する。このように水和物の潜熱により、蓄熱量が増大する。
本実施例の冷蔵自動販売機は、例えば上記冷蔵庫の場合と同様に臭化トリnブチルnペンチルアンモニウム水溶液を容器に封入して蓄冷体とし、商品貯蔵庫の内壁面に配置する。そして、前記容器と内壁面との間に蒸発器を配置するようにする。
このようにすることで、高い潜熱量を有する臭化トリnブチルnペンチルアンモニウム水和物を用いて蓄冷できるので、商品の冷蔵に要する電力消費量を低減することができる。
蓄熱主剤と融点の異なる水和物を生成する臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムを蓄熱主剤に添加して蓄熱剤を調製することにより、蓄熱剤を冷却した際に水和物が生成する温度(混合物融点)を蓄熱主剤単独の融点より低く、あるいは高くすることができる。したがって、臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムの添加率を調整することにより、混合物融点を所望の範囲に調整することができる。このため、蓄熱剤により冷却されるべき対象あるいは蓄熱の目的に応じて求められる蓄熱剤の蓄熱温度に適合する融点を有する蓄熱剤を提供できる。
テトラアルキルアンモニウム化合物としてはテトラアルキルアンモニウム−アニオン塩が挙げられる。
アニオンとして、Br、F、Cl、C2H5COO、OH、CH3COO、HCOO、CH3SO3、CO3、PO4、HPO4、WO4、iC3H7COO、O3S(CH2)2SO3、sC4H9COO、NO3、(CH3)2CH(NH2)2COO、nC3H7SO3、CF3COO、CrO3、SO4が挙げられる。
また、アルキルとして、nブチル、isoブチル、nペンチル、isoペンチル、nプロピル、isoプロピル、エチル、メチル、nヘキシル、isoヘキシル、nヘプチル、isoヘプチル、isoブチル等が挙げられる。
蓄熱主剤に、トリnブチルアルキルアンモニウム塩を適量添加することにより蓄熱主剤の過冷却を効果的に防止することができる。
蓄熱主剤が例えばテトラアルキルアンモニウム化合物水和物の場合には、トリnブチルアルキルアンモニウム塩は蓄熱主剤の類縁物質であるので、効果的な過冷却防止能を有している。
過冷却防止剤のトリnブチルアルキルアンモニウム塩の融点より融点が低い別のトリnブチルアルキルアンモニウム塩又はその水和物が蓄冷主剤であっても、効果的な過冷却防止能を発揮する。
つまり、テトラアルキルアンモニウム化合物やトリnブチルアルキルアンモニウム塩又はその水和物の蓄熱主剤に、過冷却防止剤として蓄熱主剤の融点より高い融点のトリnブチルアルキルアンモニウム塩を添加した水溶液を冷却すると、先に過冷却防止剤の水和物が生成され、蓄熱主剤の水和物生成の核として作用し過冷却を防止することができる。
蓄熱主剤の臭化テトラnブチルアンモニウムの調和濃度水溶液(融点12℃)に、過冷却防止剤として臭化トリnブチルisoペンチルアンモニウムの調和濃度水溶液(融点17℃)を1〜20重量%の範囲で添加して蓄熱剤を調製することにより、蓄熱剤の過冷却を防ぎ短時間で確実に蓄熱剤の水和物を生成することができる。さらに蓄熱剤の凝固、融解が繰返されても分離することなく、過冷却防止能を維持することができる。
同様に、蓄熱主剤の臭化テトラnブチルアンモニウムの調和濃度水溶液に、過冷却防止剤としてフッ化トリnブチルisoペンチルアンモニウムの調和濃度水溶液(融点27℃)を添加したり、蓄熱主剤の臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムの調和濃度水溶液(融点6℃)に、過冷却防止剤として臭化トリnブチルisoペンチルアンモニウムの調和濃度水溶液(融点17℃)を添加して蓄熱剤を調製することにより、蓄熱剤の過冷却を防ぐことができる。
また、過冷却防止剤としてのトリnブチルアルキルアンモニウム塩の添加方法は、調和濃度水溶液を添加する方法だけに限らず、粉末のトリnブチルアルキルアンモニウム塩を添加してもよい。
上記の過冷却防止剤の添加率の数値範囲は一例であって、本発明に係る過冷却防止剤の添加率はこれに限定されないことは言うまでもない。
保冷剤をプラスチック製容器や袋体に充填して保冷材を作成して、予めこの保冷材を冷却しておき、断熱性のある壁材で構成された保冷容器に生鮮魚貝類や生鮮食品と共に収納して流通、貯蔵に供する。
臭化トリnブチルnペンチルアンモニウム(TBPAB)水和物の調和融点(6℃)における潜熱量は193J/gであり、大きい潜熱量を有しているので、凝固した水和物が融解し蓄熱した冷熱を放出し終わるまでの時間が長く、融解温度に維持される時間が長いので、保冷剤として用いる場合に被保冷物を適冷温度に維持する時間が長く優れている。
また、凝固融解を少なくとも1000回繰返しても相分離や蓄熱性能の低下がないことを確認した。また、臭化トリnブチルnペンチルアンモニウム水和物は、毒性もなく生鮮食品の保冷剤として好ましい。
臭化トリnブチルnペンチルアンモニウム水和物はこのような特性を有しているため、0℃より高く10℃未満の範囲に適冷温度を有する被保冷物の保冷剤として好適である。
臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムの調和濃度未満の水溶液を冷却して生成した水和物では、融解温度領域を調和融点より低い温度の領域にすることができるので、被保冷物を一定の温度領域に保冷可能な保冷剤として用いることができる。
臭化トリnブチルnペンチルアンモニウム(TBPAB)の調和濃度未満である例えば18%水溶液を冷却して生成した調和濃度未満水和物の融解開始温度は4℃で、融解温度は融解の進行に伴い次第に高くなるように変化し、融解終了温度は6℃である。その融解時の潜熱量は144J/gで、水和物が融解した水溶液の比熱は3.8J/g・Kであって、大きいため昇温しにくい。また、凝固融解を少なくとも1000回繰返しても相分離や蓄熱性能の低下がないことを確認した。調和濃度水和物にくらべて潜熱量は少なくなるが、4〜6℃の範囲で保冷可能な保冷剤として用いることができる。
臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムの調和濃度水和物(TBPAB、融点6℃)と、臭化テトラnブチルアンモニウムの調和濃度水和物(TBAB、融点12℃)とを重量比率で50:50と30:70の比率で混合した混合水和物の融解温度、潜熱量、水溶液の比熱を調べ、表7に示した。
表7に示すように融解温度は8〜9℃で、潜熱量は184〜186J/gであって大きい潜熱量を有していて、水和物が融解した水溶液の比熱は3.6〜3.7J/g・Kであって、大きいため昇温しにくく、また、凝固融解を少なくとも1000回繰返しても相分離や蓄熱性能の低下がないことを確認した。8〜9℃の温度範囲で保冷可能な保冷剤として用いることができる。
保冷剤を充填する容器または袋体としては、保冷材の容器または袋体として用いられている公知のものを用いることができる。例えば、金属箔(アルミニウム箔など)をラミネートした合成樹脂フィルムからなるフレキシブルな材質のシートで形成された袋体や容器(ゼリー飲料や詰め替え用シャンプーが入っているような袋・パック)、プラスチック成形容器などが挙げられる。
保冷剤をプラスチック製容器や袋体に充填して保冷材を作成して、予めこの保冷材を冷却しておき、保冷容器に被保冷物と共に収納して流通、貯蔵に供することができる。
保冷剤実施例1、3と比較例としてパラフィン(nテトラデカン)それぞれ3kgをポリエチレン製袋に充填した保冷材を、0℃に冷却して凝固させ、保冷材を真空断熱パネルを用いた容量20lの保冷箱の底面に装着し、保冷箱を30℃の恒温室に置き、保冷箱内部の温度の経時変化を測定した。
保冷剤実施例1では6℃で一定のまま、3.5日経過後に保冷剤の融解が終了し温度が上昇した。
保冷剤実施例3では8℃で一定のまま、3.5日経過後に保冷剤の融解が終了し温度が上昇した。
比較例では6℃で一定のまま、2.7日経過後に保冷剤の融解が終了し温度が急上昇した。
保冷剤実施例1,3は比較例にくらべて、保冷時間が長く、また融解後の温度上昇が小さく保冷剤として好適である。
冬季に生鮮野菜、食品の凍結を防止する冷却防止剤として用いることができる。
Claims (22)
- トリnブチルアルキルアンモニウム塩と水を含有してなることを特徴とする蓄熱性物質。
- 臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムと水を含有してなることを特徴とする蓄熱熱性物質。
- 臭化トリnブチルnペンチルアンモニウム水和物を主成分とすることを特徴とする蓄熱熱性物質。
- トリnブチルアルキルアンモニウム塩と水を含有してなることを特徴とする蓄熱剤。
- 臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムと水を含有してなることを特徴とする蓄熱剤。
- 臭化トリnブチルnペンチルアンモニウム水和物を主成分とすることを特徴とする蓄熱剤。
- 臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムと、テトラアルキルアンモニウム化合物及び水を含有してなることを特徴とする蓄熱剤。
- 臭化トリnブチルnペンチルアンモニウム水和物と、テトラアルキルアンモニウム化合物の水和物を含有してなることを特徴とする蓄熱剤。
- 臭化トリnブチルnペンチルアンモニウム水和物と、臭化テトラnブチルアンモニウム水和物を含有してなることを特徴とする蓄熱剤。
- 臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムが、トリブチルアミンと1ブロモペンタンとから合成されることを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載の蓄熱剤。
- 過冷却防止剤を添加したことを特徴とする請求項4〜10のいずれか一項に記載の蓄熱剤。
- 腐食抑制剤を添加したことを特徴とする請求項4〜11のいずれか一項に記載の蓄熱剤。
- トリnブチルアルキルアンモニウム塩と水を含有してなることを特徴とする熱輸送媒体。
- 臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムと水を含有してなることを特徴とする熱輸送媒体。
- 臭化トリnブチルnペンチルアンモニウム水和物を主成分とすることを特徴とする熱輸送媒体。
- 臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムを含む水溶液であって、冷却すると水和物を生成してスラリとなることを特徴とする熱輸送媒体。
- 臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムが、トリブチルアミンと1ブロモペンタンとから合成されることを特徴とする請求項14〜16のいずか一項に記載の熱輸送媒体。
- トリnブチルアルキルアンモニウム塩を含有してなることを特徴とする蓄熱剤用融点調整剤。
- 臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムを含有してなることを特徴とする蓄熱剤用融点調整剤。
- トリnブチルアルキルアンモニウム塩を含有してなることを特徴とする蓄熱剤用過冷却防止剤。
- 臭化トリnブチルisoペンチルアンモニウムを含有してなることを特徴とする蓄熱剤用過冷却防止剤。
- トリブチルアミンと1ブロモペンタンとから臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムを合成し、これを蓄熱剤または熱輸送媒体の主剤とすることを特徴とする蓄熱剤または熱輸送媒体の主剤の製造方法。
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