JP2007185879A - インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェットヘッドのすべてのインク吐出口において、インク増粘抑制及び異物除去ができるようにする。
【解決手段】インクジェットヘッド2aのインク吐出面30aに、振動子110aと、発生させた進行波の進行方向に関して、複数のノズル8を挟んで振動子110aの反対側に振動吸収子120aとを備える。進行波によってノズル8付近が攪拌され、且つ進行波は振動吸収子120aによって吸収されるので、進行波と反射波の重なり合いによる定常波の節点の発生を防止でき、すべてのノズル8においてインク増粘抑制効果及び異物除去効果が得られる。
【選択図】図6

Description

本発明は、ノズルからインクを吐出して画像を形成するインクジェットプリンタに関する。
インクジェットヘッドは、インクの吐出孔である多数のノズルと、各ノズルに連通するインク流路とを有している。インク流路には、インクを吐出するための圧力を発生させる圧力室が含まれている。ノズルから印刷媒体に対して所望の量のインクを吐出することにより、印刷媒体に画像を形成することができる。
このようなインクジェットヘッドにおいて、その出力速度の高速化のために、インクジェットヘッドの液滴吐出周波数が高速化され、さらに記録媒体へ吐出されたインクが瞬時に乾燥するように、乾燥性の高いインクが開発されてきた。しかしインクの乾燥性が高くなった場合に、インクが乾燥・増粘してノズルの目詰まりが発生し、その結果インクの吐出が乱れ、又は全く吐出できなくなるという吐出不良の原因となる。このような吐出不良は、インクジェットプリンタにおいてその出力休止時間が長くなれば、インクの乾燥性に関係なく同様に発生し得る。
このノズル目詰まりへの対策として、プリンタヘッドのインク吐出面にキャップを密着させてカバー内部の気体を排出し、それに伴いノズル内の増粘したインクや異物を吸引除去するといったパージ動作が行われている。しかしこのような方法でノズル内の増粘したインク、異物を確実に除去することは難しい。
また、特許文献1に開示されているノズルクリーナは、ノズル面をワイパーブレードでクリーニングし、且つ付着したインクを回収機構によって除去する。しかしながら、この技術でも、ノズル内のインクや異物の確実な除去はできない。さらに、近年はノズルが精密化しているため、特許文献1の技術ではノズルを損傷させてしまう可能性がある。
また、特許文献2に開示されているインクジェットプリンタヘッドには、それぞれがノズルに連通した各インク流路内に超音波振動子と圧力検出子が取り付けてられており、圧力検出子がノズルの目詰まりを検出すると、検出されたノズルのみに対して、超音波振動子を励振させながらインクの射出を行って、ノズル内の増粘インクの攪拌や異物を除去する構造となっている。その構造により、吐出口付近におけるインク粘度が低下し、さらにインクが吐出されない吐出口の回復が可能となる。
特開2001−205816号公報 特開2003−145782号公報
しかし、特許文献2の技術では、超音波振動子により励振されて生じた進行波と、その反射波とが重なり合って定常波が発生し、その節の部分では、振動による増粘インクの攪拌及び吐出口へ付着した異物の除去が全く行われず、吐出口付近のインク粘度の低下、及び、インクが吐出されない吐出口の回復というそれぞれの効果が得られないおそれがある。その場合、形成画像の品質が低下し、また、パージ時にインク吐出孔からインクを射出させることにより増粘インク及び異物の除去を行った場合に、大量にインクを消費してしまう。
本発明の目的は、すべてのインク吐出口において、吐出口付近の増粘インクの攪拌による吐出口付近におけるインク粘度の低下、及び、吐出口に付着した異物の除去によるインクが吐出されない吐出口の回復が可能となり、形成画像の品質の向上、及び、パージ時における廃インク量の低減を達成できるインクジェットヘッド及びインクジェット記録装置を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記目的を達成するために、本発明によるインクジェットヘッドは、インク吐出面に形成された複数の吐出口と、前記吐出口にそれぞれ連通して形成された複数の個別インク流路とを有する流路ユニットと、前記流路ユニットに配置されており、前記流路ユニットを媒体として前記インク吐出面に沿って進行する進行波を発生する振動子と、前記流路ユニットに配置されており、前記進行波の進行方向に関して、前記複数の吐出口を挟んで前記振動子と反対側に形成された前記進行波を吸収する振動吸収子とを備えている。
本発明によると、インク吐出口近傍で流路ユニットが振動するので、個別インク流路の吐出口付近の増粘したインクが攪拌される。そのために吐出口付近におけるインク粘度が低下する。また、吐出口に付着した異物が除去されることによって、インクが吐出されない吐出口の回復が可能となる。これらの結果、形成画像の品質の向上、及び、パージ時における廃インク量の低減が達成できる。
さらに、振動が振動吸収子によって吸収されるので、進行波と逆方向にインク吐出面を進行する反射波が発生しない。そのため、進行波と反射波が重なり合って定常波が発生することがないので、上記のような効果が得られない定常波の節点が生じない。したがって、すべての吐出口において上記のような効果が得られるようになる。
前記流路ユニットは、前記インク吐出面を有するノズルプレートを含む複数のプレートが積層されたものであり、前記振動子及び前記振動吸収子が前記インク吐出面に配置されていることが好ましい。これによると、ノズルプレートの振幅が大きくなるために、より大きなインク増粘抑制効果及び異物除去効果が得られる。
前記振動子及び前記振動吸収子は、圧電体と前記圧電体を挟む一対の電極とを含んでいることが好ましい。これによると、振動子及び振動吸収子の構造を簡単なものとすることができる。
前記振動子及び前記振動吸収子が、3以上の電極と、隣り合う前記電極間に配置された2以上の圧電体とを含んでおり、1つおきの前記電極同士がそれぞれ電気的に接続されていもよい。これによると、発生する進行波の振幅がより大きくなるために、より大きなインク増粘抑制効果及び異物除去効果が得られ、且つ効率的な進行波の吸収が可能となる。
複数の前記電極は、前記振動子と前記振動吸収子とを結ぶ方向に関して互いに対向していることが好ましい。これによると、進行波を確実に所望の方向に進行させることができる。
インクジェットヘッドは、前記振動吸収子の複数の前記電極に接続された抵抗をさらに備えていることが望ましい。これによると、振動吸収子で発生した電力を消費することができる。
前記振動子は、超音波振動を発生することが好ましい。これによると、周波数が大きいために、より大きなインク増粘抑制効果及び異物除去効果が得られる。
本発明のインクジェット記録装置は、上記のインクジェットヘッドと、前記振動子に進行波を発生させるための命令を生成する振動制御手段とを備えている。これによると、進行波を発生するタイミングを調整することができる。
前記振動制御手段は、間欠的に前記命令を生成してもよい。これによると、振動が印字へ与える悪影響を少なくすることができる。
前記振動制御手段は、連続的に前記命令を生成してもよい。印字中においてもインク増粘抑制効果及び異物除去効果が得られる。
別の観点において、本発明のインクジェット記録装置は、上記のインクジェットヘッドと、前記振動吸収子の複数の前記電極に接続された抵抗とを備えている。これによると、振動吸収子で発生した電力を消費することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について説明する。
まず、図1を参照して、本発明に係る第一の実施形態に係るインクジェットプリンタについて説明する。図1に示すプリンタ1は、平面視において図1紙面と直交する方向に細長い矩形である4つの固定されたインクジェットヘッド2a、2b、2c、2dを有するラインヘッド型カラーインクジェットプリンタである。プリンタ1には、図中下方に給紙装置14が、図中上方に紙受け部16が、図中中央部に搬送ユニット20がそれぞれ設けられている。さらに、プリンタ1には、これらの動作を制御する制御装置100が設けられている。
給紙装置14は、積層された複数の矩形印刷用紙Pを収容可能な用紙収容部15と、用紙収容部15内において最も上にある印刷用紙Pを1枚ずつ搬送ユニット20に向けて送り出す給紙ローラ45とを有している。用紙収容部15内には、印刷用紙Pがその長辺と平行な方向に給紙されるように収容されている。用紙収容部15と搬送ユニット20との間には、搬送経路に沿って、二対の送りローラ18a、18b、19a、19bが配置されている。給紙装置14から排出された印刷用紙Pは、その一方の短辺を先端として、送りローラ18a、18bによって図1中上方へ送られ、その後送りローラ19a、19bによって搬送ユニット20に向けて左方へと送られる。
給紙ローラ45の回転軸は、軸線とこの軸線が用紙収容部15の内側壁と交差する点から搬送方向に延びた線分とが鋭角になるように配置されている。具体的には、給紙ローラ45は、内側壁から遠いほど搬送ユニットに近づくように3°傾いている。そのため、給紙ローラ45によってピックアップされた印刷用紙Pは、印刷用紙Pの一方の長辺が用紙収容部15の内側壁に強制的に近づけられるように、用紙収容部15の内側壁からやや傾いた方向に進行する。用紙収容部15の内側壁は、搬送ユニット20による印刷用紙Pの搬送方向と平行である。そして、印刷用紙Pの一方の短辺が送りローラ18a、18bに達する前に、印刷用紙Pの一方の長辺が用紙収容部15の内側壁と当接する。その後、印刷用紙Pは、印刷用紙Pの一方の長辺と用紙収容部15の内側壁とが当接した状態のまま、用紙収容部15の内側壁に沿って送りローラ18a、18bに向けて進行する。このように給紙ローラ45を用紙収容部15の内側壁に対して傾けるという簡単な構成によって、印刷用紙Pの連続供給を確保しつつ、印刷用紙Pの斜行を補正することができるようになっている。そして、送りローラ18a、18bによって狭持された印刷用紙Pは、送りローラ19a、19bを経て搬送ユニット20に向けて送り出される。
搬送ユニット20は、エンドレスの搬送ベルト11と、搬送ベルト11が巻き掛けられた2つのベルトローラ6、7とを有している。搬送ベルト11の長さは、2つのベルトローラ6、7間に巻き掛けられた搬送ベルト11に所定の張力が発生するような長さに調整されている。2つのベルトローラ6、7に巻き掛けられることによって、搬送ベルト11には、ベルトローラ6、7の共通接線をそれぞれ含む互いに平行な2つの平面が形成されている。これら2つの平面のうちインクジェットヘッド2と対向する方が印刷用紙Pの搬送面27となる。給紙装置14から送り出された印刷用紙Pは、その上面(印刷面)にインクジェットヘッド2a〜2dによって印刷が施されつつ搬送面27上を搬送されて、紙受け部16に到達する。紙受け部16では、印刷が施された複数の印刷用紙Pが重なり合うように載置される。
4つのインクジェットヘッド2a〜2dは、それぞれ、その下端にヘッド本体13a、13b、13c、13dを有している。ヘッド本体13a〜13dは、後述するように、ノズル8に連通した圧力室を10含む個別インク流路32が多数形成された流路ユニット4(図4参照)と、多数の圧力室10のうち、所望の圧力室10内のインクに圧力を与えることができるアクチュエータユニット21とが貼り合わされたものである。
ヘッド本体13a〜13dは、平面視において図1紙面と直交する方向に細長い直方体形状を有している。4つのヘッド本体13a〜13dは、図1紙面における左右方向に沿って互いに近接配置されている。4つのヘッド本体13a〜13dの各底面(インク吐出面)には、微小径を有する多数のノズル8が設けられている(図3参照)。ノズル8から吐出されるインク色は、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)、ブラック(K)のいずれかであって、1つのヘッド本体に属する多数のノズル8から吐出されるインク色は同じである。なおかつ、4つのヘッド本体13a〜13dに属する多数のインク吐出口からは、マゼンタ、イエロー、シアン、ブラックの4色から選択された互いに異なる色のインクが吐出される。
ヘッド本体13a〜13dの底面と搬送ベルト11の搬送面27との間には、僅かな隙間が形成されている。印刷用紙Pは、この隙間を貫通する搬送経路に沿って図1中右から左へと搬送される。4つのヘッド本体13a〜13dの下方を印刷用紙Pが順次通過する際、印刷用紙Pの上面に向けてノズル8からインクが画像データに応じて吐出されることで、印刷用紙P上に所望のカラー画像が形成される。
搬送ベルト11の外周面11aには、粘着性のシリコンゴムによる処理が施されている。したがって、搬送ユニット20は、一方のベルトローラ6が図中反時計回り(図1中の矢印A方向)に回転することによって、送りローラ18a、18b、19a、19bによって搬送されてくる印刷用紙Pを、搬送ベルト11の外周面11aにその粘着力によって保持しながら紙受け部16に向けて搬送できる。
2つのベルトローラ6、7は、搬送ベルト11の内周面11bと接している。搬送ユニット20の2つのベルトローラ6、7のうち、搬送経路の下流側に位置するベルトローラ6は、搬送モータ74と接続されている。搬送モータ74は、制御装置100の制御に基づいて回転駆動される。他方のベルトローラ7は、ベルトローラ6の回転に伴って搬送ベルト11から付与される回転力によって回転する従動ローラである。
ベルトローラ7の近傍にはニップローラ38とニップ受けローラ39とが、搬送ベルト11を挟むように配置されている。ニップローラ38及びニップ受けローラ39は、ベルトローラ7の軸方向の長さと略同等の長さを有する回転自在の筒体を有している。ニップローラ38は、搬送ユニット20に供給された印刷用紙Pを搬送面27に押し付けることができるように、図示しないばねによって下方に付勢されている。そしてニップローラ38とニップ受けローラ39とが、搬送ベルト11と共に印刷用紙Pを挟み込むため、印刷用紙Pは搬送面27に確実に粘着させられる。
搬送ユニット20の図1中左方には剥離プレート40が設けられている。剥離プレート40は、その右端が印刷用紙Pと搬送ベルト11との間に入り込むことによって、搬送ベルト11の搬送面27に粘着させられているカット紙を搬送面27から剥離する。
搬送ユニット20と紙受け部16との間には、二対の送りローラ21a、21b、22a、22bが配置されている。搬送ユニット20から排出された印刷用紙Pは、その一方の短辺を先端として、送りローラ21a、21bによって図1中上方へ送られ、送りローラ22a、22bによって紙受け部16へ送られる。
図1に示すように、ニップローラ38と最も上流側にあるインクジェットヘッド2a〜2dとの間には、発光素子と受光素子とから構成される光学センサである紙面センサ33が配置されている。紙面センサ33は、搬送経路上の検出位置に向けて発光素子から光を照射し、受光素子で反射光を受光する。紙面センサ33からの出力信号レベルは、検出位置上における印刷用紙Pの有無による反射光の強さの違いを反映している。つまり、出力信号レベルが急激に増加した時刻に、印刷用紙Pの先端が検出位置に到達したことになる。紙面センサ33からの出力信号によって印刷用紙Pの先端が検出位置に到達したことが分かるので、それに合わせて印刷信号がインクジェットヘッド2a〜2dに供給される。
次に、図2及び図3を参照して、ヘッド本体13a〜13dの詳細について説明する。図2は、図1に示したヘッド本体の内、一例として13aの平面図を示したものである。ここには示していないが、ヘッド本体13b〜13dもヘッド本体13aと同様の構造である。図3は、図2の一点鎖線で囲まれたブロックの拡大平面図である。図2及び図3に示すように、ヘッド本体13aは、圧力室群9を構成する多数の圧力室10やノズル8が形成された流路ユニット4を有している。流路ユニット4の上面には、千鳥状になって2列に配列された複数の台形のアクチュエータユニット21が接着されている。より詳細には、各アクチュエータユニット21は、その平行対向辺(上辺及び下辺)が流路ユニット4の長手方向に沿うように配置されている。また、隣接するアクチュエータユニット21の斜辺同士が、流路ユニット4の幅方向にオーバーラップしている。
アクチュエータユニット21の接着領域に対向した流路ユニット4の下面は、インク吐出領域となっている。図3に示すように、インク吐出領域の表面には、多数のノズル8がマトリクス状に多数配列されている。1つのノズル8に連通された圧力室10もマトリクス状に配列されており、1つのアクチュエータユニット21の接着領域に対向した流路ユニット4の下面に存在する複数の圧力室10が、1つの圧力室群9を構成している。本実施形態では、等間隔に流路ユニット4の長手方向に並ぶ圧力室10の列が、短手方向に互いに平行に16列配列されている。全体として、600dpiの解像度で画像形成が可能となっている。
また、各ノズル8は、先細形状のノズルとなっており、平面形状が略菱形の圧力室10、及びアパーチャ12を介してマニホールド流路5の分岐流路である副マニホールド流路5aと連通している。流路ユニット4の内部では、このように副マニホールド流路5aの出口から圧力室10を介して対応するノズル8に至る複数の個別インク流路が形成されている。流路ユニット4の上面に設けられているマニホールド流路5の開口部5bは、図示しないインク流出流路と接合されている。そして、図示しないインクタンクからインク流出流路を介して流路ユニット4にインクが供給されるようになっている。尚、図2及び図3において、図面を分かりやすくするために、アクチュエータユニット21の下方にあって破線で描くべき圧力室10(圧力室群9)、開口部5b、アパーチャ12を実線で描いている。
次に、図4を参照して、ヘッド本体13aの断面構造について詳細に説明する。図4は、図3のIV−IV線における断面図である。図4に示すように、ヘッド本体13aは、流路ユニット4とアクチュエータユニット21とが貼り合わされたものである(図2参照)。そして、流路ユニット4は、上から、キャビティプレート22、ベースプレート23、アパーチャプレート24、サプライプレート25、マニホールドプレート26、27、28、カバープレート29及びノズルプレート30が積層された積層構造を有している。
キャビティプレート22は、圧力室10となるほぼ菱形の孔が多数形成された金属プレートである。ベースプレート23は、各圧力室10とこれに対応するアパーチャ12とを連通させるための連通孔及び各圧力室10とこれに対応するノズル8とを連通させるための連通孔が多数形成された金属プレートである。アパーチャプレート24は、各アパーチャ12となる孔及び各圧力室10とこれに対応するノズル8とを連通させるための連通孔が多数形成された金属プレートである。サプライプレート25は、各アパーチャ12と副マニホールド流路5aとを連通させるための連通孔及び各圧力室10とこれに対応するノズル8とを連通させるための連通孔が多数形成された金属プレートである。マニホールドプレート26、27、28は、副マニホールド流路5aとなる孔、及び各圧力室10とこれに対応するノズル8とを連通させるための多数の連通孔が形成された金属プレートである。カバープレート29は、各圧力室10とこれに対応するノズル8とを連通させるための連通孔が多数形成された金属プレートである。ノズルプレート30は、ノズル8が多数形成された金属プレートである。これら9枚の金属プレートは、個別インク流路32が形成されるように、互いに位置合わせして積層される。
次に、図5を参照して、アクチュエータユニット21の構成について説明する。図5(a)はアクチュエータユニット21と圧力室10との部分拡大断面図であり、図5(b)はアクチュエータユニット21の表面に形成された個別電極の形状を示す平面図である。
図5(a)に示すように、アクチュエータユニット21は、4枚の圧電シート41、42、43、44が積層された積層構造を有している。これら圧電シート41〜44は、それぞれ厚みが15μm程度で同じになるように形成されている。いずれの圧電シート41〜44も、ヘッド本体13a内の1つのインク吐出領域内に形成された多数の圧力室10に跨って配置されるように連続した層状の平板(連続平板層)となっている。圧電シート41〜44は、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料からなるものである。
最上層の圧電シート41上には、各圧力室10に対向する個別電極35が形成されている。最上層の圧電シート41とその下側の圧電シート42との間には、シート全面に形成された略2μmの厚みの共通電極34が介在している。なお、圧電シート42と圧電シート43の間に、電極は配置されていない。これら個別電極35及び共通電極34は共に、例えばAg−Pd系などの金属材料からなる。
個別電極35は、略1μmの厚みで、図5(b)に示すように、図3に示した圧力室10とほぼ相似である略菱形の平面形状を有している。略菱形の個別電極35における鋭角部の一方は延出され、その先端に、個別電極35と電気的に接続された、略160μmの径を有する円形のランド部36が設けられている。ランド部36は、例えばガラスフリットを含む金からなり、図5(a)に示すように、個別電極35における延出部表面上に接着されている。
共通電極34は接地されている。これにより、共通電極34は、すべての圧力室10に対応する領域において等しくグランド電位に保たれている。また、個別電極35は、各圧力室10に対応して選択的に電位を制御することができるように、各個別電極35ごとに、制御装置100の一部である図示しないドライバICに電気的に接続されている。なお、本実施形態では、図示しないが、アクチュエータユニット21の四隅部に表面電極が形成され、共通電極34が圧電シート41に貫通形成されたスルーホールを介して各表面電極と電気的に接続されている。つまり、共通電極34は、表面電極を介して設置されている。
次に、アクチュエータユニット21の駆動方法について述べる。アクチュエータユニット21における圧電シート41の分極方向はその厚み方向である。つまり、アクチュエータユニット21は、上側(つまり、圧力室10とは離れた)1枚の圧電シート41を活性部が存在する層とし且つ下側(つまり、圧力室10に近い)3枚の圧電シート42〜44を非活性部とした、いわゆるユニモルフタイプの構成となっている。従って、個別電極35を共通電極に対して正又は負の所定電位とすると、例えば電界と分極とが同方向であれば圧電シート41中の電極に挟まれた電界印加部分が活性部として働き、圧電横効果により分極方向と直角方向に縮む。一方、圧電シート42〜44は、電界の影響を受けないため自発的には縮まない。そのため、上層の圧電シート41と下層の圧電シート42〜44との間で、分極方向と垂直な方向への歪みに差を生じることとなり、圧電シート41〜44全体が非活性側に凸となるように変形しようとする(ユニモルフ変形)。このとき、図5(a)に示したように、圧電シート41〜44の下面は圧力室を区画するキャビティプレート22の上面に固定されているので、結果的に圧電シート41〜44は圧力室側へ凸になるように変形する。さらに、圧力室10の容積が低下して、インクの圧力が上昇し、ノズル8からインクが吐出される。その後、個別電極35を共通電極34と同じ電位に戻すと、圧電シート41〜44は元の形状になって圧力室10の容積が元の容積に戻るので、インクをマニホールド流路5側から吸い込む。
実際の駆動手順は、予め個別電極35を共通電極34より高い電位(以下高電位と称す)にしておき、吐出要求があるごとに個別電極35を共通電極34と一旦同じ電位(以下低電位と称す)とし、その後所定のタイミングにて再び高電位とする。これにより、個別電極35が低電位になるタイミングで、圧電シート41〜44が元の形状に戻り、圧力室10の容積が初期状態(両電極の電位が異なる状態)と比較して増加する。このとき、圧力室10内に負圧が与えられ、インクがマニホールド流路5側から圧力室10内に吸い込まれる。その後再び個別電極35を所定のタイミングで高電位にすると、圧電シート41〜44が圧力室10側へ凸となるように変形し、圧力室10の容積低下により圧力室10内圧力が正圧となりインクへの圧力が上昇し、インク滴が吐出される。つまり、インク滴を吐出させるため、高電位を基準とするパルスを個別電極35に供給することになる。このパルス幅は、圧力室10内において圧力波がマニホールド流路5からノズル8まで片道伝播する時間長さであるAL(Acoustic Length)が理想的である。圧力室10が個別インク流路32のほぼ中央に配置されている本実施形態では、圧力室10内部が負圧状態から正圧状態に反転するときに両者の圧力が合わさり、より強い圧力でインク滴を吐出させることができる。
また、階調印刷においては、ノズル8から吐出されるインク滴の数、つまりインク吐出回数で調整されるインク量(体積)で階調表現が行われる。このため、指定された階調表現に対応する回数のインク吐出を、指定されたドット領域に対応するノズル8から連続して行う。一般に、インク吐出を連続して行う場合は、インク滴を吐出させるために供給するパルスとパルスとの間隔をALとすることが好ましい。これにより、先に吐出されたインク滴を吐出させるときに発生した圧力の残余圧力波と、後に吐出させるインク滴を吐出させるときに発生する圧力の圧力波との周期が一致し、これらが重畳してインク滴を吐出するため圧力を増幅させることができる。
次に、図6を参照して、超音波振動を発生させるための振動子、及び、発生した超音波振動を吸収するための振動吸収子の構成について説明する。図6(a)はインクジェットヘッド2a〜2dが並べて設けられた状態を示す底面図である。また、図6(b)は、インクジェットヘッド2aのノズルプレート30部分の側面図である。
インクジェットヘッド2a〜2dは、それらをインク吐出面(底面)側から見た図である図6(a)に示すように、用紙搬送方向に垂直な長手方向を有する細長い長方形状であり、その下面に取り付けられるノズルプレート30には、インクを下方に向けて吐出するための微小径のノズル8が多数並べて形成されている。これらのノズル8は、圧力室10と同様にマトリクス状に配置されている。
図6(a)及び図6(b)に示すように、インクジェットヘッド2a〜2dそれぞれについて、ノズルプレート30のインク吐出面30aの長手方向についての一端近傍には、超音波振動を発生させるための振動子110a〜110dが、他端近傍には超音波振動を吸収するための振動吸収子120a〜120dが設けられており、振動子110a〜110dと、振動吸収子120a〜120dとは、ノズルプレート30に多数形成されたノズル8を挟んで、互いに対向するように配置されている。
図7(a)、図7(b)は、それぞれ、インクジェットヘッド2aのノズルプレート30に設置した振動子110a、振動吸収子120a及びその周辺の等価回路図である。110b〜110d、120b〜120dについても同様の構造となっている。
まず図7(a)を参照して振動子110aの構造について説明する。ノズルプレート30のインク吐出面30aの長手方向についての一端近傍には、2本の電極113a、113bが設けられており、これらのそれぞれから電極111a〜111c、112a〜112cの各3本ずつの電極が分岐しており、電極113a、113bのそれぞれで櫛歯状の電極を形成している。そして、電極111a〜111cと電極112a〜112cとが、互いに直接接触することなく、ノズルプレート30の長手方向について互いに対向するようにそれぞれが配置される。より詳細には、端から111a、112a、111b、112b、111c、112cの順序で並べられる。
また、これらの隣り合う電極は圧電体114上に配置されている。具体的には、図中斜線で示した圧電体114上に、一定の間隔で電極111a、112a〜111c、112cが配置されている。仮に、電極間隔をd、駆動周波数をfとすると、速度v=2dfの表面波が発生される。圧電体の材料としては圧電セラミクスを用いる。ここで、圧電体114の、電極に挟まれている部分を圧電体部分114a〜114eとする。これらは、図7(a)の電極と破線とに囲まれた部分に相当する。
交流電源150a及び150bは、ヘッド本体13aの外側であって、制御装置100の内部に位置している。また電極113a、113bには、交流電源150a及び150bよりそれぞれに対して、同周期で且つ90度の位相差がある交流電圧が導線を通して印加される。また交流電源150a及び150bは、それぞれが安定した電位基準を得るために接地されている(160a及び160b)。
次に、図7(b)を参照して振動吸収子120aの構造について説明する。ノズルプレート30のインク吐出面30aの、長手方向について振動子110aに対する他端近傍には2本の電極123a、123bが設けられており、これらのそれぞれから電極121a〜121c、122a〜122cの各3本ずつの電極が分岐しており、電極123a、123bのそれぞれで櫛歯状の電極を形成している。そして、電極121a〜121cと電極122a〜122cとが、互いに直接接触することなく、ノズルプレート30の長手方向について互いに対向するようにそれぞれが配置される。より詳細には、端から121a、122a、121b、122b、121c、122cの順序で並べられる。
また、これらの隣り合う電極-は圧電体124上に配置されている。具体的には、図中斜線で示した圧電体124上に、一定の間隔で電極121a、122a〜121c、122cが配置されている。ここで、圧電体124の、電極に挟まれている部分を圧電体部分124a〜124eとする。これらは、図7(b)の電極と破線とに囲まれた部分に相当する。
また、電極123aと123bとは、抵抗125を介して電気的に接続されている。抵抗125は、本実施形態においてはヘッド本体13aの上に位置している。しかしこの形態に限られるものではなく、ヘッド本体13aの外に位置していてもよい(このようにした実施形態については、第二の実施形態として後述する)。振動子110aから伝播してきた表面波(機械エネルギー)は、振動吸収子120aで再び電気エネルギーに変換され、さらに抵抗125によって消費される。
次に、上記のように構成したヘッド本体13aの動作を説明する。
制御装置100内の交流電源150a、150bによって、振動子110aの電極113a、113bに電圧が印加されると、電極111a〜111c及び112a〜112cに挟まれた圧電体部分114a〜114eに逆圧電効果が生じる。具体的には、電極111aと電極112aにより電界を加えられた圧電体部分114a、また、112aと111bにより電界を加えられた圧電体部分114b、以下同様にそれぞれ電界を与えられた圧電体部分114c、114d、114eに、ノズルプレート30の長手方向の歪み変形が発生し、交流電源150a及び150bの周波数に相関する振動が励起される。本実施形態においては、150a及び150bを高周波交流電源とすることにより、振動子110aにより超音波振動を発生させる。
また振動子110aは、弾性部材であるノズルプレート30のインク吐出面30a上に配置されているために、インク吐出面30a上において、励起された超音波振動が、振動子110aより伝達される。
また前述のように、圧電体部分114a〜114eの歪み変形はノズルプレート30の長手方向に生じる。そのため、励起される超音波振動の進行波の進行方向は、ノズルプレート30の長手方向について振動子110a側に対する他端の方向(図6(a)、図7(a)の矢印A方向)となるため、超音波振動の進行波がノズルプレート30上に多数形成されたノズル8に伝達されることになる。
上記より得られる作用を、図8を用いて以下に説明する。図8は図4の一点鎖線で囲まれた部分の拡大断面図である。励振されてノズルプレート30上を進行波として伝達される超音波振動は図8のようにそれぞれのノズル8に到達し、インク130に対して矢印C方向へ攪拌力を与える。そのため、ノズル8付近においてインクのメニスカスに微振動が生じ、インク増粘を抑制する。また、ノズル8に付着している異物に対する異物除去効果を有するため、インクが吐出されない状態になっているノズル8の回復が可能となる。これらの結果、形成画像の品質の向上、及び、インクのパージ時における廃インク量の低減が達成できる。
また、振動子110aをノズルプレート30の吐出面30aに設置していることで、ノズルプレート30a上を伝わる進行波の振幅が大きくなり、より大きなインク増粘抑制効果及び異物除去効果が得られる。さらに、振動子110aが超音波振動を発生させるので、振動の周波数が大きいことにより、より大きなインク増粘抑制効果及び異物除去効果が得られる。
一方、振動吸収子120aについては、電極121a〜121c及び122a〜122cに挟まれた圧電体部分124a〜124eに歪み変形が加わることで、正圧電効果が生じる。具体的には、上記のように振動子110aで発生した超音波振動の進行波がノズルプレート30上を伝達して振動吸収子120aに到達し(図6(a)、図7(b)の矢印B)、伝達された超音波振動により圧電体部分124a〜124eに歪み変形が生じることで起電力が発生する。その起電力は、圧電体部分124aについては電極121a及び122a間に、圧電体部分124bについては電極122a及び121b間に、以下同様に圧電体部分124c〜124eについては、各電極121b、121c、122b、122c間へ電位差として伝えられる。つまり、振動子110aから伝播してきた表面波(機械エネルギー)は、振動吸収子120aで再び電気エネルギーに変換され、電極123a、123bを通して電気抵抗125において消費される。この結果、振動子110aで発生した進行波を振動吸収子120aにおいて吸収することができるので、進行波と逆方向に吐出面30aを進行する反射波の発生を防止できる。もし進行波と反射波が重なり合って定常波が発生した場合、生じた定常波の節点において上記のインク増粘抑制効果及び異物除去効果が得られなくなるが、上記のような振動吸収子120aの作用により、全ての吐出口においてインク増粘抑制効果及び異物除去効果が得られる。
また、振動子110a及び振動吸収子120aは、圧電体と、その圧電体部分を間に挟む6本の電極とを含んだ構成となっている。圧電体の材料として用いる圧電セラミクスは、電気機械変換効率が高く、また比較的自由な形状を作ることができるために、振動子110a及び振動吸収子120aの構造を簡単なものとすることが可能である。また、その6本の電極が、ノズルプレート30の長手方向について互いに対向しているために、振動子110aで発生させた進行波を、インク吐出面30aにおいて確実に多数のノズル8付近を振動させる方向へ進行させることができる。
また、振動子110a、振動吸収子120aのそれぞれについて、対向して配置された一対の櫛歯状電極の、隣り合う電極間に複数(5つ)の圧電体部分が配置されていることにより、振動子110aにおいて発生する超音波振動の振幅を、圧電体部分が一つの場合に比べてより大きくすることができ、より大きなインク増粘抑制効果及び異物除去効果が得られる。且つ、発生した超音波振動の進行波を振動吸収子120aにおいて効率的に吸収できる。
また、振動吸収子120aの各電極と、ノズルプレート30の吐出面30aに置かれた抵抗125とが電気的に接続されていることにより、圧電体部分124a〜124eで発生した電力を消費することができる。
本実施形態においては、150a及び150bを高周波交流電源とすることにより、振動子110aにより超音波振動を発生させる。ここで振動子110aは、弾性部材であるノズルプレート30のインク吐出面30a上に配置されているため、インク吐出面30a上において、励起された超音波振動が、振動子110aより伝達される。
また前述のように、圧電体部分114a〜114eの歪み変形は、ノズルプレート30の長手方向に生じる。そのため、励起される超音波振動の進行波の進行方向は、ノズルプレート30長手方向について振動子110a側一端に対向する他端の方向(図6(a)、図7(a)の矢印A方向)となるため、超音波振動の進行波がノズルプレート30上に多数形成されたノズル8に伝達されることになる。
抵抗125においては、振動吸収子120aの正圧電効果により発生した電力が消費されて熱が発生する。そのためプリンタ1は、発生した熱によるヘッド本体13aその他の機器に対する悪影響を排除するため、冷却ファンなどの冷却機構、及び、排気口などの熱放出機構を、抵抗125周辺に有していることが望ましい。
さらにプリンタ1の制御装置100は、内部に交流電源150a及び150bを有し、振動子110aに対して進行波を発生させるための命令を生成する。このような構成とすることで、振動子110aが進行波を発生するタイミングを調整することができる。
そして、上記の制御装置100は、振動子110aが印字中には動作せず、例えば、印刷用紙補充動作などの印字動作が行われていない場合のみに動作するように、交流電源150a、150bに命令を出す。この動作を示すタイムチャートを図9に示した。図9の(a)はプリンタ1の印字タイミングを示し、(b)は上記のように制御装置100により間欠的振動をするように命令された振動子110aの振動タイミングを示している。図9の横軸は図9に共通の時間を表し、Sはプリンタ1が印刷用紙一枚について印字動作をするのに要する時間である。図9の(a)、(b)から分かるように、プリンタ1が印字中には振動子100は動作せず、印字中でないときに動作している。このような構成にすることにより、印字中に振動子110aが振動を発生させることがないので、振動が印字へ与える悪影響を少なくすることができる。
制御装置100については、振動子110aに対して間欠的に進行波の発生命令を生成する上記のような構成には限定されず、制御装置100の設定を変えることにより、振動子110aに対して連続的に進行波の発生命令を生成するようにすることも可能である。このような構成にした場合のタイムチャートは図9の(c)で示される。このような構成により、振動子110aは印字中でも進行波を発生させるため、印字中においてもインク増粘抑制効果、異物除去効果が得られる。
次に、図10に基づき、本発明の第二の実施形態に係るインクジェットプリンタについて説明する。図10には、振動吸収子と接続される抵抗をインクジェットヘッド本体の外部に配置した、本実施形態に係るインクジェットヘッド本体313aにおける振動吸収子の等価回路図を示した。なお、本実施形態においては、上記の第一の実施形態の構成部材と同様の部分(200、220a、221a〜221c、222a〜222c、223a、223b、224、224a〜224e、230、230a、313a、325)については、第一実施形態の符号(100、120a、121a〜121c、122a〜122c、123a、123b、124、124a〜124e、30、30a、13a、125)の部分にそれぞれ順に合致させて示しており、かかる同様の部分の説明が省略されることがある。
第二の実施形態に係るインクジェットヘッド本体313aにおいては、振動吸収子220aと電気的に接続された抵抗325は、ヘッド本体313aの外部である制御装置200内部に設けられている。このように、振動吸収子220aの各電極と、制御装置200の内部に設置された抵抗325とが電気的に接続されていることにより、圧電体部分224a〜224eで発生した電力を消費することができる。また、第一の実施形態と違い、抵抗325をヘッド本体313aの外部に設置していることにより、ヘッド本体313aの構造を単純なものとすることができ、且つヘッド本体の過度な温度上昇を抑制してインク吐出特性の変化を防止できる。
以上、本発明の好適な各実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
例えば、上記の実施形態においては、本発明のラインヘッド型インクジェットプリンタへの適用について述べているが、シリアルヘッド型プリンタにも同様に適用できる。
また、上記の実施形態においては、振動子と振動吸収子について、5つの圧電体部分と、二本の電極が対向配置され、圧電体を挟むようにそれぞれの電極から3本ずつ分岐した合計6本の電極とが配置されていたが、圧電体部分とそれを挟む電極の構造はこれに限られたものではなく、圧電体部分の数は幾つあってもよいし、それに合わせて、本発明の効果が得られる構成の範囲内で、適当な数の電極を配置すればよい。
さらに、上述の振動子110aには、振動子110aの、振動吸収子120aと反対側に反射器を設けても良い。これにより、振動子110aで発生した表面波の伝播方向を振動吸収子120a側に規制することができる。なお、反射器は、振動子110aと同じ圧電体上に形成された反射電極により構成されている。反射電極は、振動子110a用の電極111a、112a等と平行に配置された電極群と各電極を全て接続する短絡電極とからなる。
また、上記の実施形態においては、振動子と振動吸収子をノズルプレートのインク吐出面(流路ユニットの下面)に設置したが、これには限られず、本発明の効果が得られる構成の範囲内で、例えば流路ユニットの内部や上面に設置してもよい。
また、図10(b)に示す間欠的振動のタイミングは、このようなタイミングに限定されるものではなく、これより頻度が少なくてもよい。例えば、印字前のみ、又はパージ時のみに振動していてもよい。
また、交流電源150a、150bは、どちらか片方だけを設置していてもよい。
また、上記の実施形態においては、振動子、振動吸収子を一つのヘッドにつきそれぞれ一つずつ、長手方向の両端近傍に配置しているが、これには限らず、それぞれ2つ以上あってもよいし、その配置もノズルを挟んで互いに対向していれば、長手方向の両端近傍位置には限定されない。
本発明に係る第一実施形態に係るプリンタの概略構成図。 図1に示すヘッドの本体の平面図。 図2に描かれた一点鎖線で囲まれた領域の拡大図。 図3のIV-IV線に沿った断面図。 (a)はアクチュエータユニット21と圧力室10との部分拡大断面図。(b)はアクチュエータユニット21の表面に形成された個別電極の形状を示す平面図。 (a)は図1に示すヘッドの底面図。(b)は図1に示すヘッドのノズルプレート部分の側面図。 本発明の第一実施形態に係る振動子及びその周辺の等価回路図。 本発明の第一実施形態に係る振動吸収子及びその周辺の等価回路図。 本発明によるノズル部分でのインクの攪拌状態を表す、図4に描かれた一点鎖線で囲まれた領域の拡大図。 (a)はプリンタの印字タイミングを表すタイムチャート。(b)は間欠的に振動する振動子の振動タイミングを表すタイムチャート。(c)は連続的に振動する振動子の振動タイミングを表すタイムチャート。 本発明の第二実施形態に係る振動吸収子及びその周辺の等価回路図。
符号の説明
1 プリンタ
4 流路ユニット
5 マニホールド流路
5a 副マニホールド流路
8 ノズル
10 圧力室
13、313a ヘッド本体
21 アクチュエータユニット
30、230 ノズルプレート
30a、230a インク吐出面
100、200 制御装置
110a 振動子
120a、220a 振動吸収子
111a〜111c、112a〜112c、121a〜121c、122a〜122c、221a〜221c、222a〜222c、113a、113b、123a、123b、223a、223b 電極
114、124、224 圧電体
114a〜114e、124a〜124e、224a〜224e 圧電体部分
125、325 抵抗
150a、150b 交流電源

Claims (11)

  1. インク吐出面に形成された複数の吐出口と、前記吐出口にそれぞれ連通して形成された複数の個別インク流路とを有する流路ユニットと、
    前記流路ユニットに配置されており、前記流路ユニットを媒体として前記インク吐出面に沿って進行する進行波を発生する振動子と、
    前記流路ユニットに配置されており、前記進行波の進行方向に関して、前記複数の吐出口を挟んで前記振動子と反対側に形成された前記進行波を吸収する振動吸収子とを備えていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記流路ユニットは、前記インク吐出面を有するノズルプレートを含む複数のプレートが積層されたものであり、
    前記振動子及び前記振動吸収子が前記インク吐出面に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記振動子及び前記振動吸収子が、圧電体と前記圧電体を挟む一対の電極とを含んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記振動子及び前記振動吸収子が、3以上の電極と、隣り合う前記電極間に配置された2以上の圧電体とを含んでおり、1つおきの前記電極同士がそれぞれ電気的に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットヘッド。
  5. 複数の前記電極が、前記振動子と前記振動吸収子とを結ぶ方向に関して互いに対向していることを特徴とする請求項3又は4に記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記振動吸収子の複数の前記電極に接続された抵抗をさらに備えていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
  7. 前記振動子が超音波振動を発生することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドと、
    前記振動子に進行波を発生させるための命令を生成する振動制御手段とを備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  9. 前記振動制御手段が間欠的に前記命令を生成することを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記振動制御手段が連続的に前記命令を生成することを特徴とする請求項8に記載のインクジェットヘッド記録装置。
  11. 請求項3〜5のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドと、
    前記振動吸収子の複数の前記電極に接続された抵抗とを備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。
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