JP2002286731A - プローブ担体の製造方法およびその装置 - Google Patents

プローブ担体の製造方法およびその装置

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JP2002286731A
JP2002286731A JP2001092905A JP2001092905A JP2002286731A JP 2002286731 A JP2002286731 A JP 2002286731A JP 2001092905 A JP2001092905 A JP 2001092905A JP 2001092905 A JP2001092905 A JP 2001092905A JP 2002286731 A JP2002286731 A JP 2002286731A
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Shuzo Iwanaga
周三 岩永
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 予備吐出を行わずにプローブ溶液の固着を抑
制し、ノズルの目詰まりがなく、安定した吐出を得ら
れ、引いては製造コストの上昇を抑えることができるプ
ローブ担体の製造に好適な構成を有する液体吐出装置及
びこれを用いたプローブ担体の製造装置を提供するこ
と。 【解決手段】 担体上に複数種のプローブが異なる位置
に固定されたプローブ担体を製造するために異なるプロ
ーブを含有する異なるプローブ溶液をプローブ溶液毎に
吐出するための液体吐出装置に、プローブ溶液を収納す
る液体収納部とこれに接続される液体吐出用のノズルと
を有する液体吐出部を複数種のプローブに対応する個数
で設け、更に、ノズル内に供給されたプローブ溶液に超
音波振動を付与するための超音波振動子等の振動付与手
段を装着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、担体上に異なるプ
ローブを固定したプローブ担体を製造するための液体吐
出装置及びそれを用いたプローブ担体の製造装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】遺伝子DNAの塩基配列の解析、あるい
は、同時に多項目に関し、高信頼性で遺伝子診断などを
行う際、目的とする塩基配列を有するDNAを複数種の
プローブを用いて選別することが必要となる。この選別
作業に利用されるプローブ複数種を提供する手段とし
て、マイクロアレイ、DNAチップなどと呼ばれるDN
Aマイクロチップが注目を浴びている。また、薬剤等の
ハイスループット・スクリーニングやコンビナトリアル
・ケミストリーにおいても、対象となるタンパク質や、
薬物の溶液を多数(例えば、96種、384種、153
6種)を並べ、秩序立ったスクリーニングを行うことが
必要となる。その目的で多数種の薬剤を配列するための
手法、その状態での自動化されたスクリーニング技術、
専用の装置、一連のスクリーニング操作を制御し、また
結果を統計的に処理するためのソフトウェア等も開発さ
れてきている。
【0003】これら並列的なスクリーニング作業は、基
本的に、評価すべき物質に対して、選別する手段となる
既知のプローブを多数並べてなる、いわゆるプローブ・
アレイを利用することで、同じ条件の下、プローブに対
する作用、反応などの有無を検出するものである。一般
的に、どのようなプローブに対する作用、反応を利用す
るかは予め決定されており、従って、ひとつのプローブ
・アレイに搭載されるプローブ種は、例えば、塩基配列
の異なる一群のDNAプローブなど、大きく区分すると
一種類の物質である。すなわち、一群のプローブに利用
される物質は、例えば、DNA、タンパク質、合成され
た化学物質(薬剤)などである。多くの場合、一群をな
すプローブ複数種からなるプローブ・アレイを用いるこ
とが多いが、スクリーニング作業性質によっては、プロ
ーブとして、同一の塩基配列を有するDNA、同一のア
ミノ酸配列を有するタンパク質、同一の化学物質を多数
点並べ、アレイ状とした形態を利用することもあり得
る。これらは主として薬剤スクリーニング等に用いられ
る。
【0004】一群をなすプローブ複数種からなるプロー
ブ・アレイでは、具体的には、異なる塩基配列を有する
一群のDNA、異なるアミノ酸配列を有する一群のタン
パク質、あるいは異なる化学物質の一群について、その
一群を構成する複数種を、所定の配列順序に従って、ア
レイ状に基板上などに配置する形態をとることが多い。
なかでも、DNAプローブ・アレイは、遺伝子DNAの
塩基配列の解析や、同時に、多項目について、信頼性の
高い遺伝子診断を行う際などに用いられる。
【0005】この一群をなすプローブ複数種からなるプ
ローブ・アレイにおける課題のひとつは、できるだけ多
種類のプローブ、例えば、多種類の塩基配列を有するD
NAプローブを一つの基板上に載せることである。換言
するならば、如何に高密度にプローブをアレイ状に並べ
ることができるかである。
【0006】基板上にアレイ状にプローブ複数種を固定
する一つの方法として、米国特許(USP)5,42
4,186号公報に記載される、光分解性の保護基とフ
ォトリソグラフイーを用いた固相基板上でのDNAの逐
次伸長反応により、互いに異なる塩基配列を有するDN
Aプローブをアレイ状に作製する手法を挙げることがで
きる。この手法を利用すると、例えば、1cm2当たり
10000種類以上の配列が異なるDNAを搭載したD
NAプローブ・アレイの調製も可能でなる。なお、この
手法では、逐次伸長反応によりDNAを合成する際、4
種の塩基(A、T、C、G)毎に、それぞれ専用のフォ
トマスクを用いてフォトリソグラフイー工程をおこな
い、アレイの所定箇所に何れかの塩基を選択的に伸長さ
せることで、所望の塩基配列を有する複数種のDNAを
所定の配列で基板上に合成する。従って、DNAの鎖長
が長くなると、調製に要するコストは高くなり、また、
長時間を要する。加えて、各伸長段階における、ヌクレ
オチド合成の効率は100%ではないため、設計した塩
基配列に欠損を生じたDNAの比率も小さくない。さら
に、合成の際、光分解性の保護基を用いる場合、通常の
酸分解性の保護基を用いる場合と比べて合成効率が落ち
るため、最終的に得られるアレイにおいて、設計した塩
基配列通りのDNAの占める割合が小さくなるという問
題もある。
【0007】また、固相基板上で直接合成した生成物を
そのまま使用するものであるため、設計した塩基配列通
りのDNAから欠損のある塩基配列を有するDNAを精
製分別により取り除くことは勿論不可能である。その他
に、最終的に得られるアレイにおいて、基板上に合成さ
れているDNAの塩基配列を確認することができないと
いう問題を秘めている。これは仮に、工程上のミスなど
により、ある伸長段階で所定の塩基の伸長がほとんどな
されてなく、全くの不良品であった場合、この不良品プ
ローブ・アレイを用いたスクリーニングは、誤った結果
を与えるが、それを未然に防止する術が全くないことを
意味している。この塩基配列を確認することができない
ということが、この手法における最大かつ本質的な問題
である。
【0008】前記の手法とは別な方法として、プローブ
用のDNAを予め合成、精製し、場合によってはその塩
基長を確認した上で、各DNAをマイクロディスペンサ
ーのようなデバイスにより基板上に供給し、プローブ・
アレイを調製する手法も提案されている。PCT公開公
報WO95/355O5号には、キャピラリーを用い
て、DNAをメンブラン上へ供給する手法が記載されて
いる。この手法を適用すると、原理的には、1cm2
たり1000個程度のDNAアレイの調製が可能であ
る。基本的には、各プローブ毎に一本のキヤピラリー状
ディスペンス・デバイスでプローブ溶液を基板上の所定
位置へ供給し、その作業を繰り返すことで、プローブ・
アレイを調製する手法である。各プローブ毎に専用のキ
ヤピラリーを用意すれば、問題はないが、仮に、少数の
キヤピラリーを用いて、同じ作業を行おうとすれば、相
互汚染を防止するため、プローブ種を入れ替える際、キ
ャピラリーを十分に洗浄する必要がある。また、供給す
る位置もその度毎に制御する必要がある。従って、多種
類のプローブを高密度に配列するアレイの調製に適して
いる手法とはいえない。加えて、プローブ溶液の基板へ
の供給は、キヤピラリー先端を基板に直接接触させ、タ
ッピングして行うため、再現性・信頼性も完全とはいえ
ない。
【0009】また、特に薬剤のハイスループット・スク
リーニングに利用される96ウェル、あるいは、384
ウェルのマイクロプレートに対して、個々のウェル毎
に、異なる薬剤溶液を供給するためマイクロ・ディスペ
ンサー・デバイスも、例えば、Robbins Scientific 社
からHYDRATMの商品名で市販されている。これは、基本
的には、マイクロシリンジを2次元状に配列したもので
あり、最少吐出量は100nlである。仮に、これをア
レイ形成に適用すると、この最少吐出量によりその密度
は制限され、高密度化には限界がある。
【0010】その他の手法として、基板上においてDN
Aの固相合成を行う際、各伸長段階毎に、インクジェッ
ト法により合成に必要な物質の溶液を基板上に供給する
手法も提案されている。例えば、欧州特許公告公報EP 0
703 825B1号には、DNAの固相合成において利用され
る、ヌクレオチドモノマー、ならびに、アクティベ−タ
ーをそれぞれ別のピエゾ・ジェット・ノズルより供給す
ることにより、それぞれ所定の塩基配列を有するDNA
複数種を固相合成する方法が記載されている。このイン
クジェット法による供給(塗布)は、上記キャピラリー
を用いた溶液の供給(塗布)に比べ、供給量の再現性な
ど信頼性も高く、また、ノズルの構造も微細化が可能な
ものであり、プローブ・アレイの高密度化には適した特
徴を有している。しかしながら、この手法は、基板上で
のDNAの逐次伸長反応を応用するものなので、先に述
べた米国特許USP 5,424,186号公報に記載
される手法における最大の課題である、基板上に合成さ
れているDNAの塩基配列を確認することができないな
どの問題点は依然として残っている。各伸長段階毎に、
専用のマスクを用いるフォトリソグラフィーの工程を行
うという煩雑さは解消されるものの、プローブ・アレイ
に不可欠な要件である、各ポイントに所定のプローブが
固定されているという点に、若干の問題を含むものであ
る。なお、前記EP 0,703,825B1号公報に
は、単独に形成されたピエゾ・ジェット・ノズルを複数
個使用する方法しか記載されておらず、この少数のノズ
ルを用いる際には、前述のキャピラリーを用いる手法と
同様に、高密度のプローブ・アレイ製造には必ずしも適
しているとはいえない。
【0011】また、特開平11-187900号公報には、プロ
ーブを含む液体をサーマルインクジェットヘッドにより
液滴として固相に付着させて、プローブを含むスポット
を固相上に形成する方法が開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の印字
あるいは画像形成を行うプリンティング用のインクジェ
ットヘッドでは、インクジェットヘッドの未使用時・休
止時の放置により、インクジェットヘッドのノズルに満
たされたインクに含まれる水分が、ノズルから外気へと
蒸発し、これにより、ノズル近傍のインクの粘度が上が
って、この状態で吐出を行おうとしても、ノズルの目詰
まりによって不吐出になったり、正常な吐出が行われ
ず、適正な吐出量が確保できなかったり、着弾精度が悪
くなることがあった。
【0013】そこで、通常のプリンティング用のインク
ジェットヘッドでは予備吐出が行われている。この予備
吐出は、紙面などへの正規の吐出を行う前に、例えば紙
面以外に吐出を行うことで、ノズル近傍の粘度の上がっ
たインクを排出する目的で行われる。この予備吐出後に
正規の粘度のインクがノズル内に供給された時点で、紙
面などへの正規の吐出を行えば、正常な吐出を達成する
ことができる。
【0014】しかしながら、本発明者は、プローブアレ
イ製造用の液体吐出装置で、この予備吐出を行うこと
は、必ずしも適しているとは言えないことを見出した。
なぜなら、プローブアレイ用のプローブ溶液は、インク
に対して価格がはるかに高い場合が多いからである。予
備吐出される溶液を捨てることでさえ無視できない場合
が多いのである。このような高価格のプローブを用いて
予備吐出を行うと、プローブ担体の製造コストがアップ
することになる。
【0015】本発明の目的は、予備吐出をなるべく行わ
ずにプローブ溶液の固着を抑制し、ノズルの目詰まりが
なく、安定した吐出を得られ、引いては製造コストの上
昇を抑えることができるプローブ担体の製造に好適な構
成を有する液体吐出装置及びこれを用いたプローブ担体
の製造装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決し得る
本発明の液体吐出装置は、標的物質と特異的に結合可能
な複数種のプローブが担体上の異なる位置に固定された
プローブ担体を製造するために異なるプローブを含有す
る異なるプローブ溶液をプローブ溶液毎に吐出するため
の液体吐出装置であって、プローブ溶液を収納する液体
収納部とこれに連通した液体吐出用のノズルとを有する
液体吐出部を前記複数種のプローブに応じた個数備え、
かつ、前記ノズル内に供給されたプローブ溶液に振動を
与えるための振動付与手段を有することを特徴とする液
体吐出装置である。
【0017】プローブ溶液への振動付与手段としては、
超音波振動子、圧電素子、回転力を利用して振動を与え
るモータ、往復運動を利用して振動を与えるソレノイド
などが上げられるが、超音波振動を付与するのが溶液の
攪拌という観点から好ましく、設置の簡便さから超音波
振動子を用いるのが好ましい。
【0018】プローブ溶液に付与される振動はノズルか
らの液体の吐出性を確保するためのものであり、例えば
ノズルからのプローブ溶液の吐出を行う直前や装置が駆
動している際に定期的に振動の付与が行われる。
【0019】本発明にかかる液体吐出装置は、振動付与
手段を2以上有することができ、その際、2以上の振動
付与手段に、振動方向に異なる振動付与手段が含まれる
ようにしてもよい。
【0020】本発明にかかる液体吐出装置における各液
体吐出部は、液体収納部を構成する貫通口を有する収納
部プレートと、この貫通口に対応した位置にノズルを有
する液体吐出基板とを積層することで形成されたもので
あることが好ましい。このような積層構成においては、
振動付与手段は、前記収納部プレート及び前記液体吐出
基板の少なくとも一方に設けることができる。更に、振
動付与手段は、収納部プレートと液体吐出基板の境界面
に配置することもできる。また、振動付与手段はノズル
近傍に設けることもできる。
【0021】一方、本発明にかかる液体吐出装置は、ノ
ズルからの液体の吐出のための液体吐出エネルギー発生
素子を有する構成をとることができ、この液体吐出エネ
ルギー発生素子としては、熱エネルギーを発生し、プロ
ーブ溶液を加熱して膜沸騰させ、その圧力で前記吐出口
から液体を吐出させるヒータ素子が好ましい。更に、液
体吐出部は、ヒータ素子の駆動によりノズルからプロー
ブ溶液を吐出させる際にプローブ溶液に気泡が発生し、
この気泡がノズルを介して外気と連通する構造を有する
ものが好ましい。
【0022】本発明にかかるプローブ担体製造用の装置
は、担体上に複数種のプローブが異なる位置に固定され
たプローブ担体の製造装置であって、上記構成の液体吐
出装置と、この液体吐出装置の有する液体吐出部の駆動
手段とを有することを特徴とするものである。
【0023】上述の構成とすることで、液体吐出装置に
設けられた振動付与手段を振動させてノズル内にあるプ
ローブ溶液に振動を与えることが可能となる。これによ
り、未使用時や休止時に放置されることで、粘度が上が
ってしまったノズル内のプローブ溶液と、通常粘度を保
っているノズル奥側のプローブ溶液が混合、攪拌される
こととなり、ノズル内には、ほぼ通常粘度に近いプロー
ブ溶液が供給されたこととなる。よって、プローブ溶液
の固着を抑制し、ノズルの目詰まりが無く、安定した吐
出を得ることが、予備吐出をしなくても可能となる。
【0024】本明細書において、担体上に固定されたプ
ローブは、特定の標的物質に対して特異的に結合可能な
ものである。更に、このプローブには、特定の標的によ
って認識され得るオリゴヌクレオチドやポリヌクレオチ
ド、あるいはその他のポリマーなどが含まれる。用語
「プローブ」は、個々のポリヌクレオチド分子などのプ
ローブ機能を有する分子、および分散した位置に表面固
定された同じ配列のポリヌクレオチドなどの同じプロー
ブ機能を有する分子の集団の両方をいい、しばしばリガ
ンドと呼ばれる分子も含まれる。また、プローブ及び標
的は、しばしば交換可能に使用され、プローブは、リガ
ンド−抗リガンド(レセプターと呼ぶこともある)対の
一部として標的と結合し得るか、または結合するように
なり得るものである。本発明におけるプローブ及び標的
は、天然において見出されるような塩基、またはその類
似物を含み得る。
【0025】また、担体上に支持されるプローブの一例
としては、標的核酸とハイブリダイゼーション可能な塩
基配列よりなるオリゴヌクレオチドの一部にリンカーを
介して担体との結合部を有するもので、担体との結合部
において担体表面に連結された構造を有するものを挙げ
ることができる。なお、このような構成の場合における
担体と結合部のオリゴヌクレオチドの分子内での位置
は、所望とするハイブリダイゼーション反応を損なわな
い範囲内において特に限定されない。
【0026】本発明の方法が適用されるプローブ・アレ
イに採用されるプローブは、その使用目的に応じて、適
宜選択されるものであるが、本発明の方法を好適に実施
する上では、プローブとしては、DNA、RNA、cD
NA(コンプリメンタリーDNA)、PNA、オリゴヌ
クレオチド、ポリヌクレオチド、その他の核酸、オリゴ
ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、酵素、酵素に対
する基質、抗体、抗体に対するエピトープ、抗原、ホル
モン、ホルモンレセプター、リガンド、リガンドレセプ
ター、オリゴ糖及びポリ糖から選択される少なくとも1
種であることが好ましい。
【0027】本発明においては、これらのプローブの複
数種を、それぞれ独立した領域、例えばドット状スポッ
トとして担体表面に固定したものをプローブ担体とい
い、所定の間隔で配列されたものをプローブ・アレイと
いう。
【0028】一方、プローブは担体表面に結合可能な構
造を有しており、担体上へのプローブの固定がこの結合
可能な構造を介して行われていることが望ましい。その
際、プローブが有する担体表面に結合可能な構造は、ア
ミノ基、メルカプト基、カルボキシル基、水酸基、酸ハ
ライド化物(ハロホルミル基;−COX)、ハライド化
物(−X)、アジリジン、マレイミド基、スクシイミド
基、イソチオシアネート基、スルフォニルクロリド基
(−SO2Cl)、アルデヒド基(ホルミル基;−CH
O)、ヒドラジン及びヨウ化アセトアミドなどの有機官
能基の少なくとも1種をを導入する処理により形成され
たものであることが好ましい。また、プローブ側の担体
への結合に必要な構造に応じて、担体の表面に必要とさ
れる処理を施してもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明にかかる液体吐出装置は、
プローブ担体の製造に必要とされる複数のプローブの溶
液の個数に応じた個数の液体吐出部を有する。この液体
吐出部は、液体収納部とこれに接続されたノズルとを少
なくとも備えるものである。更に、本発明にかかる液体
吐出装置は、ノズル内に供給されたプローブ溶液に振動
を付与する振動付与手段を有する。
【0030】ノズルの配置に関しては、プローブ・アレ
イのプローブスポットの配置パターンに一対一で対応し
たパターンで複数のノズルを配置することで、液体吐出
装置を担体に対して相対的に走査することなく、位置合
せのみで一括して各プローブスポットを同時に形成する
ようにすることができる。あるいは、担体に対して液体
吐出装置を相対的に走査して、所定のプローブスポット
の配置を得るように複数のノズルを配置してもよい。
【0031】したがって、担体を保持する担体保持手段
と、液体吐出装置と、これらの位置合せ手段または液体
吐出装置を担体に対して相対的に走査する走査手段とを
設けてプローブ担体の製造装置を構成することができ
る。この装置は、液体吐出装置の駆動手段を有し、ホス
トコンピュータなどの外部からの指令で液体吐出装置が
作動するようにしてもよく、製造装置内に自動運転、例
えば振動付与手段の駆動のタイミングを自動制御するこ
とが可能なようなプログラムを有するコンピュータが設
けられたものでもよい。
【0032】本発明にかかる液体吐出装置では、より多
数のノズルを用いることで、各プローブを所望の液量ず
つ担体に吐出して、プローブスポットの多種高密度化を
達成することができる。
【0033】一度に一個のノズルから吐出されるプロー
ブ溶液の量は、プローブ溶液の粘度、プローブ溶液と担
体の親和性、プローブと担体との反応性などの様々の要
素を考慮の上で、形成されるドット状のプローブスポッ
トのサイズや形状に応じて、適宜選択されるものであ
る。プローブ溶液は水性溶媒を用いることが一般的であ
り、本発明の方法においては、液体吐出吐出装置の各ノ
ズルから吐出されるプローブ溶液の液滴は、一般的に、
その液量を0.1ピコリットルから100ピコリットル
の範囲に選択し、その液量に合わせてノズル径などを設
計・調整することが好ましい。
【0034】このプローブ溶液の付与によって担体上に
形成されるドット状のスポットが形成される単位領域
(アレイ単位)の占める面積は、0.01(例えば0.
1μm×0.1μ)μm2から40000(例えば20
0μm×200μm)μm2が一般的であるが、これ
は、アレイ自体の大きさ、アレイ・マトリクスの密度に
より決まる。
【0035】溶液収納部(リザーバー)のサイズ、容量
も、ノズルから一度に吐出するプローブ溶液の量、ま
た、作製を予定するアレイ枚数によって適宜選択される
ものであり、一概に決めることができない。なお、液体
吐出装置をシリコンなどからなる基板を加工して、一体
型に形成する際には、ノズル径、それから一度に吐出す
るプローブ溶液の量は自ずから一定の範囲となり、後述
するようにノズルの開口部に対向する基板の表面に形成
したサイズで十分な場合もある(図7参照)。
【0036】一方、一度にノズルから吐出するプローブ
溶液の量が比較的多く、また、調製する必要なアレイ枚
数が多い場合には、プローブ溶液を液体リザーバーに追
加することにより、全アレイ枚数を調製する際に必要と
なる溶液量を賄うことができる。それとは別に、基板一
方の表面に配置する液体リザーバーに付設され、さらに
増量用の液体収納部(リザーバー)を具備する構造とし
ても良い。その際、プローブ溶液の追加は、増量用の溶
液収納部を介して行われ、必要に応じて溶液収納部の形
状自体は、プローブ溶液の供給が容易に行えるものにし
ておくことができる。
【0037】先に述べたように、本発明の液体吐出装置
は、プローブ・アレイの製造用として用いる場合には、
このアレイに用いられるプローブ毎に、対をなす液体リ
ザーバーとノズルを対応させてアレイ状に配置した構成
を採ることができる。この場合における対をなす液体リ
ザーバーとノズルの数は、特に限定されるものではな
く、必要とされるアレイのプローブ種に応じて選択され
るものである。なお、ドットの径、ドット数、その塗布
密度、あるいは、アレイ形状には、液体吐出装置の製造
方法により自ずから制限はあるものの、対をなす液体リ
ザーバーとノズルの総数は、基本的にはプローブ種によ
り決定される。
【0038】一般に、基板上に二次元アレイ状に配置す
るプローブは、大きな意味における種類は同じ種類とす
る。すなわち、各プローブは溶液として、液体吐出装置
から吐出できる限り、そのプローブ自体の種類は特に重
要な要素ではない。
【0039】なお、本発明における液体吐出装置および
それを用いたプローブ担体の製造装置の各構成要素に
は、プリント用のインクジェット記録方式、あるいはそ
れを採用したヘッドや記録装置で使用されているものか
ら、本発明の目的に応じて適宜選択したもの、あるいは
本発明の目的に応じて構造等を変更したものを選択して
用いることができる。そのようなインクジェット記録方
式についての一例としては、特にインクジェット記録方
式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエ
ネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電
気熱変換体やレーザ光等)を備え、上記熱エネルギによ
りインクの状態変化を生起させる方式の記録ヘッド、記
録装置を挙げることができ、これらにおいて用いられた
構成を利用することで優れた効果をもたらすものであ
る。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が達
成できるからである。
【0040】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0041】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0042】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0043】加えて、シリアルタイプのものでも、装置
本体に固定された記録ヘッド、あるいは装置本体に装着
されることで装置本体との電気的な接続や装置本体から
のインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの
記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインク
タンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを
用いた場合にも本発明は有効である。
【0044】また、記録装置の構成として、記録ヘッド
の吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加することは
本発明の効果を一層安定できるので、好ましいものであ
る。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対しての
キャッピング手段、クリーニング手段、加圧或は吸引手
段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或はこれら
の組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手段、記録と
は別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げることができ
る。
【0045】上述した各インクに対して最も有効なもの
は、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0046】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明する。なお、ここに示す実施例は、本発明の好ま
しい実施の形態の一例ではあるものの、本発明は、これ
ら実施例により限定されるものではない。
【0047】(実施例1)図1は本発明の第一の実施例
における液体吐出装置の構成を示す概略斜視図であり、
図2は図1の液体吐出装置を一部分解した斜視図であ
る。図1、図2において、1は液体吐出基板、21は超
音波振動子、22はプローブ溶液を入れる液体リザーバ
ー、23は液体リザーバーとなる貫通口の必要数を配列
した液体リザーバープレートである。
【0048】また、図3(a)は、液体吐出基板の概略
図、図3(b)はノズル近傍の断面図である。
【0049】2はTaN、TaSiN、TaAl等から
成り、溶液を吐出するエネルギー発生素子となるヒー
タ、6はノズル、7は流路、8は基板裏面から流路を通
してノズルに溶液を供給する供給口、10は絶縁膜、1
1は保護膜、12はノズル材、13は耐キャビテーショ
ン膜である。
【0050】液体吐出基板は図3(a)で示すように、
7×12mm程度の大きさからなる。横方向に1.27
mm(20dpi相当)の間隔で8個の供給口が形成さ
れており、これらを一組としたノズル群が、さらに縦方
向にも1.27mmの間隔で5行配置されているが、こ
れら5行のノズル群は、それぞれ、図に示す通り、0.
254mm(100dpi)ずつのズレを持って、すな
わちオフセットを持って配置されている。この構成によ
り、1つの液体吐出基板で40個のノズルが形成されて
いる。
【0051】図3(b)において、絶縁膜10は、シリ
コン基板を熱酸化して作製される熱酸化膜、CVDによ
り作製される、酸化膜、窒化膜、等いずれの膜でもよ
い。保護膜11は、CVDにより作製される、酸化膜、
窒化膜、等いずれの膜でもよい。ノズル6、流路7、を
形成しているノズル材12の形成は、あらかじめノズル
および流路を有したノズル材を半導体基板に貼り付けて
も、フォトリソグラフィー技術を用い半導体プロセスの
延長で形成しても良い。特に、半導体チップがより大き
な面積で作製される必要がある場合、前記ノズルおよび
流路を有したノズル材を半導体基板に貼り付ける方法で
はチップの作製が困難となるため、フォトリソグラフィ
ー技術を用いた製法が望まれる。
【0052】供給口8は、TMAH溶液を用いたシリコ
ンの異方性エッチングにより作製され、四角錐型の形状
になる。供給口の寸法は、本発明の形状では、上下でそ
れぞれ0.1mmと1mm程度になる。また、基板の厚
さは0.6〜0.7mmのものを使用している。供給口
が上記寸法であるとき、供給口内の体積は約0.23μlで
あるが、本実施例では吐出量を20〜25pl程度で設
定するものとすると、供給口内に含まれるプローブ溶液
だけで、約1万枚程度のプローブアレイを作製できる。
用途によっては、これで十分な量である場合もあるが、
本実施例では、さらにプローブ溶液を大量にリザーブし
ておくために、図1あるいは図2に示す液体リザーバー
プレート23中に貫通口からなる液体リザーバー22を
配している。液体リザーバープレート23は、厚さ0.5
〜10mm程度のものであり、液体吐出基板1に接着等の
方法で積層結合されている。なお、供給口8のみでプロ
ーブ溶液の必要量の供給が可能であれば、液体リザーバ
ープレート23を用いることなく供給口8を液体リザー
バーとして使用することもできる。
【0053】液体リザーバー22から供給されたプロー
ブ溶液は、液体吐出基板1の供給口8を通り、さらに流
路7をとおってノズル内に満たされる。ヒータ素子2に
電圧が印加されると、ヒータ素子近傍のプローブ溶液が
加熱され膜沸騰により発泡を起こし、溶液は不図示の固
相基板に向けて吐出される。液体リザーバーには、各々
異なる複数種のプローブ溶液が注入されているため、各
ノズルからは異なる種類のプローブ溶液が吐出されるこ
ととなる。
【0054】液体吐出装置の吐出の休止時、あるいは一
定期間放置された時には、ノズルの開口部(吐出口)2
5から水分が外気へと蒸発するため、ノズル内の溶液の
粘度が上がってしまう。粘度があがった状態で吐出しよ
うとしても、ノズルの目詰まりによる不吐出が起きた
り、安定な吐出が得られない場合がある。
【0055】そこで、図1に示すように、超音波振動子
21を設けておき、液体の吐出直前にこれを振動させる
ことで、ノズル内の粘度の上昇した溶液と、ノズルの奥
側(流路〜供給口)の粘度の上がっていない溶液が混合
し、攪拌作用により、ノズル近傍にも粘度の上がってい
ない溶液が再度満たされることとなる。これにより、上
述の不具合をなくし、安定した吐出が可能となる。
【0056】また、液体吐出装置が長期間吐出されずに
放置された場合には、ノズル内の粘度がかなり上昇して
おり、吐出直前に振動をおこなっても、うまく混合でき
ない場合がある。このような場合には、一定期間毎に超
音波振動子21を振動させて、粘度の上昇を抑えること
で、吐出が可能になる。なお、一定期間というのは、プ
ローブ溶液の蒸発速度、粘度に応じた吐出特性、要求さ
れる吐出性能等に応じて、任意に決めればよい。
【0057】超音波振動子21の設置場所であるが、図
1に示すように液体リザーバープレート23の裏面側の
いずれかの場所に設けたり、図4(a)のように、液体
リザーバープレート23の表面側あるいは、液体リザー
バープレート23の表面側であって液体吐出基板1に接
する場所に設けてもよい。また、図4(b)に示すよう
に液体吐出基板1に設けてもよいし、図4(c)に示す
ように、液体リザーバープレート23と液体吐出基板1
の間(界面)に組みこんでもよい。図4(c)では、液
体吐出基板1に、超音波振動子21を埋め込む穴を開
け、液体リザーバープレート23をかぶせる構成として
いるが、逆に液体リザーバープレート23に穴を開けて
超音波振動子21を埋め込んだり、液体リザーバープレ
ート23と液体吐出基板1の両方に穴をあけて組み込ん
でもよい。
【0058】上述のように、超音波振動子21を設置す
る場所の例を挙げたが、どこに設置するかは、液体吐出
装置を有する液体吐出装置(不図示)の構成によって決
めたり、例えば他部品などと干渉しない場所などに設置
する、液体吐出装置自体の構成によって決めたり、例え
ば液体吐出装置の構成部品の大きさ、各部品の関係、最
も適した振動を与えられる場所などに設置すればよい。
【0059】(実施例2)図5(a)、(b)は本発明
の第二の実施例における液体吐出装置の概略斜視図であ
る。図5では、超音波振動子21が、液体吐出装置に複
数設置された状態となっており、図5(a)では四隅
に、図5(b)では4辺に、超音波振動子が配置してい
る。超音波振動子を複数、二次元的に配置することで、
より適当な振動が得られる場合がある。特に、本発明の
ように、二次元アレイ状のノズルを有する液体吐出装置
においては、二次元的な超音波振動子の配置により、各
ノズル共に、振動がよく伝わる場合があり、好ましい。
図5(a)、(b)では超音波振動子を4個にしている
が、特に超音波振動子の数を限定するものではない。
【0060】設置する超音波振動子の個数は、液体吐出
装置の大きさ、ノズルの数、プローブ溶液の蒸発速度、
初期および上昇時の粘度、等によって決めればよい。ま
た、図6には、本実施例の変形例を示す。図6に示す液
体吐出装置においても複数の超音波振動子を設けている
が、それぞれの超音波振動子は図に示すような(矢印)
方向の振動方向を有しており、それぞれ振動方向が異な
る。このように、振動方向の異なる振動子を設けること
で、各方向ともに振動が与えられ、より混合、攪拌効果
が高くなる。各振動子は、同時に駆動してもよいし、一
つずつ駆動してもよい。
【0061】超音波振動子を振動させるタイミングは、
実施例1と同様であり、安定な吐出も得られるが、複数
振動子を設置し、また場合によっては、異なる振動方向
を有する振動子を設置することで、プローブ溶液の固着
に対して、より効果のある液体吐出装置を提供できる。
【0062】(実施例3)図7は、本発明の第三の実施
例における液体吐出装置のノズル近傍の断面図である。
図7は、図3(b)に示したノズル近傍断面図と基本的
には同様であるが、ノズル近傍に超音波振動子21(ハ
ッチング部)を設けている。ここでは、一つのノズルの
断面図を示しているが、他のノズルにも同様に超音波振
動子を配置している。このように、ノズル近傍に超音波
振動子を配置することで、前記実施例よりもより混合・
攪拌能力が高くなるため、プローブ溶液の固着に対して
は、効果が高い。また、各々の振動子を別個に動作させ
ることで、粘度の上昇が大きいプローブ溶液を含むノズ
ルは超音波パワーを上げたりなど、より制御が行いやす
くなる。
【0063】本実施例の構成では、液体吐出装置自体の
製造コストが高くなる可能性もあるが、より高価なプロ
ーブ溶液を使用する場合や、吐出をしない放置期間が長
い場合などに利用することができる。
【0064】本実施例においても、プローブ溶液の固着
を抑制し、安定した吐出を行える液体吐出装置が提供で
きる。
【0065】なお、超音波振動子からの超音波振動の出
力や振動数は、ノズル内におけるプローブ溶液の攪拌、
混合が効果的に行われるように設定される。尚、上述の
実施例においては超音波振動子(超音波エネルギー)の
周波数を2〜30KHz、出力:50〜1000W、時
間:数秒〜数分の条件下で超音波を付与することにより
行い、安定な吐出を得ることができた。
【0066】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、予備吐出を行わずに、プローブ溶液の固着を
抑制し、ノズルの目詰まりがなく、安定した吐出を得ら
れ、引いては製造コストが少なくてすむプローブ担体を
調整できる、プローブ担体製造用の装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例における液体吐出装置の
構成を示す概略斜視図である。
【図2】図1の液体吐出装置の分解斜視図である。
【図3】(a)は液体吐出基板の裏面を示す模式図、
(b)は液体吐出基板のノズル近傍の断面図である。
【図4】(a)、(b)は本発明の第一の実施例の変形
例における液体吐出装置の構成を示す概略斜視図であ
り、(c)は本発明の第一の実施例の別の変形例におけ
る液体吐出装置の構成を示す概略分解斜視図である。
【図5】(a)、(b)は本発明の第二の実施例におけ
る液体吐出装置の概略斜視図である。
【図6】本発明の第二の実施例の変形例における液体吐
出装置の概略斜視図である。
【図7】本発明の第三の実施例における液体吐出装置の
ノズル近傍断面図である。
【符号の説明】
1 液体吐出基板 2 ヒータ 6 ノズル 7 流路 8 供給口 10 絶縁膜 11 保護膜 12 ノズル材 13 耐キャビテーション膜 20 液体吐出装置 21 超音波振動子 22 液体リザーバー 23 液体リザーバープレート 25 吐出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/566 C12N 15/00 F

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 標的物質と特異的に結合可能な複数種の
    プローブが担体上の異なる位置に固定されたプローブ担
    体を製造するために異なるプローブを含有する異なるプ
    ローブ溶液をプローブ溶液毎に吐出するための液体吐出
    装置であって、 プローブ溶液を収納する液体収納部とこれに連通した液
    体吐出用のノズルとを有する液体吐出部を前記複数種の
    プローブに応じた個数備え、かつ、前記ノズル内に供給
    されたプローブ溶液に振動を与えるための振動付与手段
    を有することを特徴とする液体吐出装置。
  2. 【請求項2】 前記振動付与手段は、前記ノズル内に供
    給されたプローブ溶液に超音波による振動を与えること
    を特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 【請求項3】 前記振動付与手段は、超音波振動子であ
    る請求項1または2に記載の液体吐出装置。
  4. 【請求項4】 前記振動付与手段は、前記ノズル内のプ
    ローブ溶液に振動を与えて前記プローブ溶液を前記ノズ
    ル内で攪拌させるものである請求項1〜3のいずれかに
    記載の液体吐出装置。
  5. 【請求項5】 前記液体吐出部は、前記ノズル内のプロ
    ーブ溶液に前記振動付与手段により振動が付与された後
    に前記ノズルからプローブ溶液を吐出することを可能と
    する構成を有する請求項1〜4のいずれかに記載の液体
    吐出装置。
  6. 【請求項6】 前記振動付与手段は、前記ノズル内のプ
    ローブ溶液に所定のタイミングで振動を付与することを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液体吐出装
    置。
  7. 【請求項7】 前記振動付与手段を2以上有する請求項
    1〜6のいずれかにに記載の液体吐出装置。
  8. 【請求項8】 前記2以上の振動付与手段は、振動の伝
    達方向が異なることを特徴とする請求項7に記載の液体
    吐出装置。
  9. 【請求項9】 前記液体吐出部の各々は、前記液体収納
    部を構成する貫通口を有する収納部プレートと、該貫通
    口に対応した位置に前記ノズルを有する液体吐出基板と
    が積層されていることを特徴とする請求項1〜8のいず
    れかに記載の液体吐出装置。
  10. 【請求項10】 前記振動付与手段が、前記収納部プレ
    ート及び前記液体吐出基板の少なくとも一方に設けられ
    ている請求項9に記載の液体吐出装置。
  11. 【請求項11】 前記振動付与手段が、前記収納部プレ
    ートと前記液体吐出基板との境界面に配置されている請
    求項9または10に記載の液体吐出装置。
  12. 【請求項12】 前記振動付与手段とノズルとが、前記
    液体吐出基板に設けられている請求項1〜11のいずれ
    かに記載の液体吐出装置。
  13. 【請求項13】 前記液体吐出部は、前記ノズルからの
    液体の吐出のための液体吐出エネルギー発生素子を有す
    る請求項1〜12のいずれかに記載の液体吐出装置。
  14. 【請求項14】 前記液体吐出エネルギー発生素子が、
    熱エネルギーを発生し、前記プローブ溶液を加熱して膜
    沸騰させ、その圧力で前記吐出口から液体を吐出させる
    ヒータ素子である請求項13に記載の液体吐出装置。
  15. 【請求項15】 前記液体吐出部は、前記ヒータ素子の
    駆動により前記ノズルからプローブ溶液を吐出させる際
    にプローブ溶液に気泡が発生し、該気泡が該ノズルを介
    して外気と連通する構造を有する請求項14に記載の液
    体吐出装置。
  16. 【請求項16】 前記プローブが一本鎖核酸プローブで
    ある請求項1〜14のいずれかに記載の液体吐出装置。
  17. 【請求項17】 前記一本鎖核酸プローブが一本鎖DN
    Aプローブを含む請求項16記載の液体吐出装置。
  18. 【請求項18】 前記一本鎖核酸プローブがRNAプロ
    ーブを含む請求項16記載の液体吐出装置。
  19. 【請求項19】 前記一本鎖核酸プローブが一本鎖PN
    Aプローブを含む請求項16記載の液体吐出装置。
  20. 【請求項20】 担体上に標的物質と特異的に結合可能
    な複数種のプローブが異なる位置に固定されたプローブ
    担体の製造装置であって、 請求項1〜19のいずれかに記載の液体吐出装置と、 該液体吐出装置が有する前記液体吐出部の駆動手段とを
    有することを特徴とするプローブ担体の製造装置。
  21. 【請求項21】 担体上に標的物質と特異的に結合可能
    な複数種のプローブが異なる位置に固定されたプローブ
    担体の製造方法であって、異なるプローブを含有する異
    なるプローブ溶液を、プローブ溶液毎に収納する液体収
    納部とこれに連通した液体吐出用のノズルとを有する液
    体吐出部に供給する工程と、前記ノズル内に供給された
    プローブ溶液に振動を付与する工程を有することを特徴
    とするプローブ担体の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記振動を付与する工程は、前記ノズ
    ル内に供給されたプローブ溶液に超音波による振動を付
    与する工程である請求項21に記載のプローブ担体の製
    造方法。
  23. 【請求項23】 前記振動を付与する工程は、前記ノズ
    ル内のプローブ溶液に振動を付与し、前記プローブ溶液
    を前記ノズル内で攪拌させる工程である請求項21に記
    載のプローブ担体の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記振動を付与する工程の後に、前記
    ノズルからプローブ溶液を吐出する工程を有する請求項
    21〜23のいずれかに記載のプローブ担体の製造方
    法。
  25. 【請求項25】 前記振動を付与する工程は、前記ノズ
    ル内のプローブ溶液に所定のタイミングで振動を付与す
    る工程であることを特徴とする請求項21〜24のいず
    れかに記載のプローブ担体の製造方法。
  26. 【請求項26】 前記振動を付与する工程は、2以上の
    振動付与手段により振動を付与する工程である請求項2
    1〜25のいずれかに記載のプローブ担体の製造方法。
  27. 【請求項27】 前記2以上の振動付与手段は、振動の
    伝達方向が異なることを特徴とする請求項26に記載の
    プローブ担体の製造方法。
  28. 【請求項28】 前記ノズルからプローブ溶液を吐出す
    る工程は、液体吐出エネルギーを発生させることにより
    吐出する請求項21〜27のいずれかに記載のプローブ
    担体の製造方法。
  29. 【請求項29】 前記ノズルからプローブ溶液を吐出す
    る工程は、熱エネルギーを発生し、前記プローブ溶液を
    加熱して膜沸騰させ、その圧力で前記吐出口から液体を
    吐出させる工程である請求項28に記載のプローブ担体
    の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007185879A (ja) * 2006-01-13 2007-07-26 Brother Ind Ltd インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置
JP2016116489A (ja) * 2014-12-22 2016-06-30 株式会社リコー 液滴形成装置
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