JP2007182981A - 船舶用の弾性継手 - Google Patents

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茂明 中川
Toshio Imanaka
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Abstract

【課題】舶用エンジンにおいて、エンジンと減速逆転機とを連結する弾性継手の捩じれ剛性を改良することを目的とする。
【解決手段】駆動軸1から従動軸6へ弾性体8…の捩じれ剛性を利用してトルク変動を緩衝しつつ回転を伝達するように構成された弾性継手3において、弾性体8…の捩じれ剛性が、トルク伝達動力の増大に伴って増加するようにされ、かつその増加率が低トルク伝達動力時は低く、一定のトルク伝達動力に達した後は前記増加率より高い増加率となるようにする。
【選択図】図5

Description

本発明は、船舶のエンジン動力をプロペラへ伝達する、船舶用の弾性継手に関する。
船舶に搭載されるエンジンには、駆動軸に同軸に設けられたフライホイールと弾性継手(例えば、特許文献1,2)等の継手を介して減速逆転機が接続され、この減速逆転機にプロペラシャフトが接続される。こうして、エンジンの出力は、駆動軸、フライホイール、弾性継手(カップリング)、及び舶用減速逆転機を介してプロペラシャフトに伝達され、これら構成要素により舶用駆動系が構成されている(例えば、特許文献3)。
上記弾性継手は、船舶の離着岸時のようにエンジンが低速かつ頻繁に正逆転を繰り返して使用される際のトルク変動の衝撃を吸収し、減速逆転機のギャなどの歯打ち音の発生を抑え、船舶の乗り心地を良くするといった機能を有している。
特開平7‐35150号公報 米国特許第6244964号明細書 米国特許第4679673号明細書
従来の弾性継手は、低トルク時のトルク変動を吸収することを目的としているので、弾性継手の捩じりばねの剛性が低く抑えられている。従って、高速航走時の高回転高トルクのようにトルク伝達動力が大きくなると、捩じれ剛性の低さが原因してプロペラ伝動系の共振現象が発生しやすくなり、高速航走中に異常振動を発生させて、駆動系の機構や各部材の破損の原因となる問題があった。
もっとも、トルク伝達動力の増大にあわせて弾性継手の捩じれ剛性を増大させることもあるが、例えば図14の捩じれ剛性とトルク伝達動力との相関を示すグラフのように、捩じれ剛性の増加率が低く、上記した高速航走時のプロペラ伝動系の共振現象を十分に抑えることはできない問題があった。
そこで、本発明は、上記問題を解消すべく、エンジンと減速逆転機とを連結する弾性継手の捩じれ剛性を改良することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る船舶用の弾性継手は、第1の発明として、エンジンの動力を、弾性体を介してプロペラへ伝達するよう構成された船舶用の弾性継手であって、所定の低トルク伝達動力時において、該弾性継手のねじり剛性を与える少なくとも一つの低剛性要素と、所定の高トルク伝達動力時において、前記低剛性要素より高い弾性継手のねじり剛性を与える少なくとも一つの高剛性要素と、を含むことを特徴とする。
前記弾性継手は、その捩れ剛性がトルク伝達動力の増大に伴って増加するように構成されており、前記高剛性要素による捩れ剛性の増加率が、前記低剛性要素による捩れ剛性の増加率の30倍以上であることが好ましい。
また、前記弾性継手は、該弾性継手の捩じれ剛性が高トルク伝達動力時には前記弾性継手を構成する弾性体の変形比例限度近傍の高剛性値となるように構成されているこが好ましい。
更に、前記弾性継手は、高トルク伝達動力時の前記弾性継手の剛性値が低トルク伝達動力時の剛性値に対し100倍以上に設定してあることが好ましい。
また、上記課題を解決するため、本発明に係る船舶用の弾性継手は、第2の発明として、エンジンの動力を、弾性体を介してプロペラへ伝達するよう構成された船舶用の弾性継手であって、内周に複数の第1凹部を有する外輪と、該外輪内に該外輪と同軸に支持され且つ前記複数の第1凹部に対応する第2凹部を外周に備えた内輪と、を有し、前記弾性体は、対向させた前記第1凹部及び第2凹部によって形成される空間にそれぞれ収容され、前記弾性体の少なくとも一つは、その内部に硬質材が装填されていることを特徴とする。
また、上記課題を解決するため、本発明に係る船舶用の弾性継手は、第3の発明として、エンジンの動力を、弾性体を介してプロペラへ伝達するよう構成された船舶用の弾性継手であって、外輪と、該外輪内に該外輪と同軸に支持され内輪と、を有し、前記弾性体は、前記外輪又は内輪の一方に固定され、前記外輪又は内輪の他方に形成された凹部に収容され、前記弾性体の少なくとも一つは、その内部に硬質材が装填されていることを特徴とする。
前記第2,第3の発明において、前記弾性体は、少なくとも一つの弾性体の硬質材が、他の弾性体の硬質材と異なる外径を有していることが好ましい。
あるいは、前記第2、第3の発明において、前記弾性体の内部に、二種以上の剛性の異なる硬質材が同心状に装填されていても良い。
また、上記課題を解決するため、本発明に係る船舶用の弾性継手は、第4の発明として、エンジンの動力を弾性体を介してプロペラへ伝達するよう構成された船舶用の弾性継手であって、内周に複数の第1凹部を有する外輪と、該外輪内に該外輪と同軸に支持され且つ前記複数の第1凹部に対応する第2凹部を外周に備えた内輪と、を有し、前記弾性体は、対向させた前記第1凹部及び第2凹部によって形成される空間にそれぞれ収容され、前記弾性体は、異種材料で形成されている2以上の部分を結合することにより形成されていることを特徴とする。
また、上記課題を解決するため、本発明に係る船舶用の弾性継手は、第5の発明として、エンジンの動力を弾性体を介してプロペラへ伝達するよう構成された船舶用の弾性継手であって、外輪と、該外輪内に該外輪と同軸に支持され内輪と、を有し、前記弾性体は、前記外輪又は内輪の一方に固定され、前記外輪又は内輪の他方に形成された凹部に収容され、前記弾性体は、異種材料で形成されている2以上の部分を結合することにより形成されていることを特徴とする。
また、上記課題を解決するため、本発明に係る船舶用の弾性継手は、第6の発明として、エンジンの動力を弾性体を介してプロペラへ伝達する、船舶用の弾性継手であって、内周に複数の第1凹部を有する外輪と、該外輪内に該外輪と同軸に支持され且つ前記複数の第1凹部に対応する第2凹部を外周に備えた内輪と、対向させた前記第1凹部及び第2凹部によって形成される空間にそれぞれ収容された弾性体と、を含み、各凹部の押圧斜面は、変形作用末端領域および変形作用始端領域からなる変形領域を有し、前記変形作用末端領域の傾きが前記変形作用始端領域の傾きよりも大きいことを特徴とする。その結果、この弾性継手は、高トルク伝達動力伝動時に前記弾性体に対する変形率を前記傾きに応じて急激に増加させ、もって前記弾性体の捩じれ剛性を急激に増加させることができる。なお、ここで、“変形率”とは、圧縮及び剪断による変形量の割合のことである。
また、上記課題を解決するため、本発明に係る船舶用の弾性継手は、第7の発明として、エンジンの動力を弾性体を介してプロペラへ伝達する、船舶用の弾性継手であって、内周に複数の第1凹部を有する外輪と、該外輪内に該外輪と同軸に支持され且つ前記複数の第1凹部に対応する第2凹部を外周に備えた内輪と、対向させた第1凹部及び第2凹部によって形成される空間にそれぞれ収容された弾性体と、を含み、前記弾性体のいくつかが、トルク伝達動力がゼロである初期状態において前記凹部の内面と隙間を有して収納されていることを特徴とする。
また、上記課題を解決するため、本発明に係る船舶用の弾性継手は、第8の発明として、エンジンの動力を弾性体を介してプロペラへ伝達する、船舶用の弾性継手であって、外輪と、該外輪内に該外輪と同軸に支持され内輪と、を有し、前記弾性体は、前記外輪又は内輪の一方に固定され、前記外輪又は内輪の他方に形成された凹部に収容され、前記弾性体のいくつかが、トルク伝達動力がゼロである初期状態において前記凹部の内面と隙間を有して収納されていることを特徴とする。
前記第7、第8の発明において、前記全ての凹部の内面の輪郭を同じ形状と寸法とし、前記弾性体のいくつかを、他の弾性体に比し小径に形成しても良い。
あるいは、前記第7、第8の発明において、全ての前記弾性体を同じ大きさとし、前記凹部の幾つかを、他の凹部と異なる深さとしても良い。
また、前記第7、第8の発明において、前記隙間を有しない空間に収容された弾性体の少なくとも一つを、与圧され圧縮変形させた状態で前記空間内に挿入しても良い。
さらに、前記第7、第8の発明において、隙間を有する空間に収容された弾性体の少なくとも一つが、隙間を有しない空間に収容された弾性体と異なる弾性を有するものとしても良い。
この発明は以上のように構成されているので、離着岸時のように低速かつ頻繁にプロペラ軸の正逆転を繰り返すような場合、弾性継手の低い捩じれ剛性によってトルク変動が有効に吸収され、減速逆転機のギャなどの歯打ち音の発生を抑えることができ、乗り心地を良くすることができる。一方高速で航走する場合、弾性継手の捩じれ剛性が高くなるので捩じれ振動による共振現象が回避されやすくなり駆動系の各部材の破損を防ぐことが可能となる。
この時の捩じれ剛性の高い側を弾性継手を構成する各弾性体の変形比例限度近傍としておけば、高い剛性値となったとき弾性体の弾性変形が極めて小さくなる。従って、弾性継手の捩じれ剛性を高くでき、高トルク伝達動力時での振動吸収性能が低下し、共振現象がより回避されやすくなる。
なお、高トルク伝達動力時の捩じれ剛性値を低トルク伝達動力時の捩じれ剛性値に対し100倍以上とすれば上記効果を確実に得ることができる。特に300倍といった高い増加率にしておけば高トルク伝達動力回転時での振動吸収性能が非常に低下し、共振現象を効果的に回避し得る。
また、弾性体をゴム系素材から成るブロックとすると共にこれらブロックが収納される内外輪との寸法関係を調整すること、及びゴム系素材の材料選定により弾性体の弾性を異ならせておくことで弾性継手の捩じれ剛性の変化具合を調整することが容易に可能となる。また、ゴム系素材の材料が同じでも弾性体に硬質材を装填した場合は、弾性変形する厚みが薄くなり、弾性部分が変形した後、急激に弾性が変化するので、より確実に高速時での弾性継手の高い捩じれ剛性を得ることができる。
この船舶用の弾性継手は、通常の減速逆転機を備えた小型から大型まで各種の船舶に容易に実施することができる。
図1は船舶用の弾性継手の要部を示す縦断面図であり、図2は弾性継手部分の分解斜視図、図3は弾性継手部分の断面図である。
図1において、図外のエンジンに連結された駆動軸1にフライホイール2が設けられ、このフライホイール2の中心部分に弾性継手3が同心に設けられている。そして、この弾性継手3に舶用減速逆転機4の入力軸6が接続されている。なお、図において、プロペラシャフト及びプロペラは図示省略している。
そして、舶用減速逆転機4は、ケーシング13と、ケーシング13の一端開口部に挿入された入力軸6と、入力軸6に固定された前進用ハウジングギア14、入力軸6に回動自在に外嵌された前進用ピニオンギア15、前進用ハウジングギア14と前進用ピニオンギア15との間に介在された摩擦クラッチ16、ケーシング13の他端開口部から突出し図示しないプロペラシャフトが取り付けられる出力軸17、出力軸17に固定されピニオンギア15と噛み合うアウトプットギア18とを備えている。
摩擦クラッチ16は、ハウジングギア14に固定された摩擦板とピニオンギア15に固定された摩擦板とが相互に噛み合い、油圧プッシャー19に押圧されることよって摩擦係合できるようになっている。
上記の船舶用エンジンの駆動系における弾性継手3は、図2、図3に示すように、フライホイール2に固着される外輪5と、舶用減速逆転機4の入力軸6にスプライン嵌合される内輪7と、外輪5と内輸7との間に収容された複数個の弾性ブロック8と、を備えている。外輪5の内周には複数の湾曲した第1凹部5a…が設けられ、また内輪7の外周部には複数の湾曲した第2凹部7a…が設けられている。
そして、それぞれの第1凹部5a、第2凹部7aは互いに対向する位置に同数設けられていて、互いに対向する第1凹部5a,第2凹部7aによってそれぞれ空間S…が形成されている。
その空間S…の各々に弾性ブロック8…が挿入されている。弾性ブロック8は、ゴム系素材、具体的には、NBR、SBRなどの機械的強度特性に優れた合成ゴムや硬質ウレタンなどの弾性を有するプラスチック等によって形成され、またその形状も図示のように円柱ロール状に形成され得る。
なお、外輪5と内輪7の側面には、弾性ブロック8の抜け落ちを防止する円環状の閉止部材9,10が、ボルト11、12により着脱可能に固定されている。また、図示例では、内輪7に固定される閉止部材10は、付加マスを兼ねている。閉止部材10を構成する付加マスの数を調節することにより慣性モーメントを調節することができるようにされている。
外輪5内面に形成された第1凹部5aと内輪7外面に形成された第2凹部7aは、空間Sを形成して対向させた時に、図3に示すように互いに対向する傾斜面を有している。
弾性ブロック8はこの対向する傾斜面間に挟まれている。そして、フライホイール2の回転は、外輪5から弾性ブロック8を介して内輪7へと伝えられるようにされている。
すなわち、フライホイール2が矢印方向へ回転すると外輪5も同時に回転し、図4に拡大して示すように第1凹部5aの傾斜面が弾性ブロック8の外面を転がすように押す。一方第1凹部5aの傾斜面と第2凹部7aの傾斜面とは次第に間隔が狭まる関係に設けられているので、ブロック8はトルク伝達動力が大きくなるほど点線で示すように対向する傾斜面間に挟み込まれていく。これによってブロック8はそのほとんどがせん断力によって弾性変形するとともに第2凹部7aの傾斜面へ力を伝え、周方向押圧力によって内輪7を回転させる。
そして、第1凹部5aの傾斜面と第2凹部7aの傾斜面とは、それぞれ変形作用始端側(領域R)は傾斜角θが小さくされ、変形作用末端側(領域Q)は傾斜角θが大きくされ、急傾斜とされている。
従って、フライホイール2から伝えられるトルク伝達動力が小さいときは、第1凹部5aの傾斜面から弾性ブロック8に加わる力も小さい。
このため弾性ブロック8の変形量も小さく、そのばね弾性もより大きく残存していて緩衝効果も十分に発揮され、内外輪5、7間にトルク変動が生じてもこれらは弾性ブロック8によって緩衝される。すなわち、この場合は、前記変形作用始端側が、低剛性要素として作用する。
一方、トルク伝達動力が大きくなるに伴い外輪5は内輪7に対して大きく矢印方向へ相対移動しようとし、弾性ブロック8もその力に押されて変形作用末端側Qへと移動してせん断力に大きな圧縮力が加わるため強く変形される。
従って弾性継手3は、トルク伝達動力が大きくなるほど弾性ブロック8が強く変形された状態で動力の伝達を行うこととなる。
この変形により、トルク伝達動力に応じ弾性継手3の捩じれ剛性が急激に高くされる。すなわち、変形作用末端側Qが高剛性要素として作用する。
そして、この高い捩じれ剛性により高トルク回転時における共振を抑えることができるのである。
図5は、この実施の形態におけるトルク伝達動力(Nm)と捩じれ剛性(kNm/rad)との相関を示したグラフである。変形作用始端側(範囲R)すなわち低速運転時など、トルク伝達動力が0から100Nmを越えるあたりの小さい間は、捩じれ剛性は1.5kNm/radよりわずかに増大する程度の小さな増加率とされているが、トルク伝達動力が100Nmを超え200Nmを過ぎると第1凹部5aの傾斜面と、第2凹部7aの傾斜角θの相互作用により弾性ブロック8の圧縮力が急激に増大し、弾性継手3の捩じれ剛性の増加率がグラフに実線でA〜Cで示すように高められる。高トルク伝達動力時における捩れ剛性の増加率は、低トルク伝達動力時における捩れ剛性の増加率の30倍以上であることが望ましい。
そして、トルク伝達動力が300Nmを超えるあたりで、最も変形される弾性ブロック8は変形比例限界に近い程度まで変形され、この場合は弾性継手3の捩じれ剛性が極限まで高められる。この時のグラフで示された最大の捩じれ剛性は実線Aで示すように450kNm/radであり、この程度の剛性となれば弾性継手の弾性に起因する共振現象はほぼ完全に解消される。なお、それよりも低いグラフの実線BあるいはCであっても共振現象は、点線で示す従来の弾性継手に比べ、有効に解消される。
上記実施の形態における弾性ブロック8を剪断力と圧縮力とにより変形させる第1凹部5aの傾斜面と第2凹部7aの傾斜面の構成として、図6に示すような構成としても良い。
即ち、第1凹部5a、第2凹部7aの圧縮作用末端側にさらに急激に立ち上がる面5b、7bを設け、最終的にこの立ち上がり面5b、7b間に弾性ブロック8が挟まれるようにする。このようにした場合、次第に傾斜面により変形圧縮された弾性ブロック8は、最終的にはせん断力と圧縮力によって同時に変形圧縮されることとなり、結局この変形圧縮された弾性ブロック8…により弾性継手3全体の捩じれ剛性は著しく高められる。
なお、トルク伝達動力が一定値を超えると急激な捩じれ剛性の増大化を図るために、図7に示すように、いくつかの弾性ブロック8sは、その外周と空間S内壁との間に隙間Hがあるようにしても良い。
この場合、当初は空間S内壁との間に隙間Hのない弾性ブロック8しか圧縮されないので弾性継手3の捩じれ剛性の上昇率は低く抑えられる。しかし、ある程度変形が進むとそれ以後は空間Sとの隙間がなくなった他の弾性ブロック8sによる圧縮変形が始まる。これによって急激に捩じれ剛性が増加するようにすることもできる。すなわち、間隙Hのない弾性ブロック8が低剛性要素であり、間隙Hのある弾性ブロック8sが高剛性要素である。
この隙間の形成は、図7に示すように、空間Sを形成する第1凹部5a、第2凹部7aは同じ形状及び寸法とし、一部の弾性ブロック8の径を小さくすることによって設けられる。
逆に、全部の弾性ブロック8の径は同じとしておき、図8に点線で示すように第1凹部5a、第2凹部7aの内面を深く掘り下げ、この掘り下げた量が隙間Hとなるようにすることもできる。
この場合、空間S内面と隙間Hを有する弾性ブロック8と隙間Hを有しない弾性ブロック8との弾性を異ならせることにより、弾性継手3の捩じれ剛性の多様な調整ができる。例えば、隙間Hを有する弾性ブロック8の弾性を他の弾性ブロック8より低くしておけば、より急激な捩じれ剛性の増加率が得られ、その逆の関係とすれば緩やかな捩じれ剛性の増加率とすることができる。
また、他の構成例として、図9に示すように第1凹部5a、第2凹部7aの形状を半割り楕円状とし、変形作用末端側Qにおける変形率の上昇を急激にすることもできる。
上記の各構成例において、弾性ブロック8として空間Sよりも外径の大きいものを用意し、与圧して圧縮変形させ、この状態で空間Sに圧入するようにしても良い。
この場合は、初期圧縮力により、比較的早期に高い捩じれ剛性とすることができる。
さらに、捩じれ剛性の増加率を上昇させるための構成として、図10に示すように弾性ブロック8内に硬質材21を装填し、外周の弾性ブロック8が変形した後は硬質材21の剛性が発揮させるようにして弾性継手3の捩じれ剛性の増加率が高められるようにしても良い。すなわち、外周の弾性ブロック8が低剛性要素として作用し、硬質材21が高剛性要素として作用する。
硬質材21も弾性ブロック8と同様、円柱ロール状に成形したものとし、弾性ブロック8と同心的に装填する。
この場合、硬質材21の材質としては、硬質ゴム、硬質プラスチック、金属などが使用される。さらに、硬質材21を異径のものを複数用意しておいたり、また或いは、この場合図11に示すように、硬質材として硬軟二種以上の硬質材21a、21bを用意し、中心へ行くほど硬質な材質の芯材とし、これらの硬度に応じて捩じれ剛性を急激に高めるようにしても良い。
上記の形態例に限らず、弾性ブロック8は、異種材料で形成されている2以上の部分を結合することにより形成するができる。たとえば、弾性ブロック8を、図12や図13に示すように、第1の部分8aと、第1の部分8aより柔らかい異種の弾性材料で形成された第2の部分8bと、を結合させることによって形成し、低速時(低トルク伝達動力時)は柔らかい第2の部分8bを変形させ、高速時(高トルク伝達動力時)にはそれより硬い弾性材料で形成した第1の部分8aを変形させることにより、低速時は弾性継手の捩れ剛性を小さく、高速時には弾性継手の捩れ剛性を大きくすることができる。このような変形率の異なる異種材料部分の組み合わせは、本発明の範囲内において、当業者であれば様々な組み合わせの態様を実施し得ることは明らかである。
このようにして弾性変形率の異なる弾性ブロック8をあらかじめ用意し、必要なトルク伝達動力の大きさや伝動系の各要素の持つ固有振動数などに応じてこれらの組み合わせを変化させ、捩じれ剛性の増加率を任意に選択するように構成することもできる。
なお、この組み合わせとしては、ゴム系素材だけの弾性ブロック、硬質材21が一種だけ装填されたもの、装填された硬質材21の径の異なるもの、装填された硬質材21の硬度の異なるもの、硬質材21が二重に装填されたもの、これら硬質材21の硬度の異なるものなどを任意に組み合わせることによって弾性継手3の捩じれ剛性が選択決定される。
上記実施形態では内輪と外輪の双方に形成された凹部に弾性体が収容されている。しかしながら、図14に示すように、弾性体8、8sは、内輪7に固定され、外輪5の内周面に形成された凹部5aに収容されてもよい。
また、上記実施形態では、弾性体は内輪または外輪の凹部に収容されている。しかしながら、弾性継手を構成する弾性体は、図15に示すように、そのような凹部に収容されない場合もある。図15の実施形態について説明する。弾性体8は、フライホイール2と舶用減速逆転機の入力軸6に係合するディスク6aとの間に固定されている。複数本の硬質ロッド21cが、弾性体8の周囲に等間隔で配置されている。硬質ロッド21cは、フライホール2には固定されているが、ディスク6aには固定されておらず、図16の断面図に示すように、一定量の隙間を有するスロット6bに嵌め込まれている。従って、低トルク時には弾性体8が低剛性要素として作用し、高トルク時には硬質ロッド21cが高剛性要素として作用する。
以上説明したように、この発明の船舶用エンジンの弾性継手は、トルク伝達動力が小さい状態の時は、低剛性要素によって、捩じれ剛性が低く、トルク変動に伴う歯打ち音の発生などが有効に防止でき、一方高速航走時のようにトルク伝達動力が大きい場合は、高剛性要素によって、捩じれ剛性が非常に高くなり、機構各部の共振現象の発生も有効に回避することができるのである。
船舶用の弾性継手の要部を示す縦断面図である。 弾性継手部分の分解斜視図である。 弾性継手部分の断面図である。 弾性継手内の弾性ブロックの作用説明図である。 弾性継手のトルク伝達動力と捩じれ剛性との関係を示すグラフである。 弾性継手の他の構成例の断面図である。 弾性継手のさらに他の構成例の断面図である。 弾性継手のさらに他の構成例の要部拡大断面図である。 弾性継手のさらに他の構成例の断面図である。 弾性継手のさらに他の構成例の断面図である。 弾性継手のさらに他の構成例の要部拡大断面図である。 弾性体の変更例を拡大して示す斜視図である。 弾性体の他の変更例の変形過程を拡大して示す縦断面図である。 本発明に係る弾性継手の他の実施形態を示す断面図である。 本発明に係る弾性継手の更に他の実施形態を示す断面図である。 図15のXVI-XVI線断面図である。 従来の弾性継手のトルク伝達動力と捩じれ剛性との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 駆動軸
2 フライホイール
3 弾性継手
4 舶用減速逆転機
6 入力軸
5 外輪
5a 外輪の湾曲凹部
7 内輪
7a 内輪の湾曲凹部
8 弾性ブロック
21 硬質材
Q 変形作用末端側
R 変形作用始端側
S 空間

Claims (17)

  1. エンジンの動力を、弾性体を介してプロペラへ伝達するよう構成された船舶用の弾性継手であって、
    所定の低トルク伝達動力時において、該弾性継手のねじり剛性を与える少なくとも一つの低剛性要素と、所定の高トルク伝達動力時において、前記低剛性要素より高い弾性継手のねじり剛性を与える少なくとも一つの高剛性要素と、を含むことを特徴とする、船舶用の弾性継手。
  2. 前記弾性継手は、その捩れ剛性がトルク伝達動力の増大に伴って増加するように構成されており、前記高剛性要素による捩れ剛性の増加率が、前記低剛性要素による捩れ剛性の増加率の30倍以上であることを特徴とする請求項1記載の船舶用の弾性継手。
  3. 前記弾性継手は、該弾性継手の捩じれ剛性が高トルク伝達動力時には前記弾性継手を構成する弾性体の変形比例限度近傍の高剛性値となるように構成された請求項1に記載の船舶用の弾性継手。
  4. 前記弾性継手は、高トルク伝達動力時の前記弾性継手の剛性値が低トルク伝達動力時の剛性値に対し100倍以上に設定してある請求項1に記載の船舶用の弾性継手。
  5. エンジンの動力を、弾性体を介してプロペラへ伝達するよう構成された船舶用の弾性継手であって、
    内周に複数の第1凹部を有する外輪と、
    該外輪内に該外輪と同軸に支持され且つ前記複数の第1凹部に対応する第2凹部を外周に備えた内輪と、を有し、
    前記弾性体は、対向させた前記第1凹部及び第2凹部によって形成される空間にそれぞれ収容され、
    前記弾性体の少なくとも一つは、その内部に硬質材が装填されていることを特徴とする船舶用の弾性継手。
  6. エンジンの動力を、弾性体を介してプロペラへ伝達するよう構成された船舶用の弾性継手であって、
    外輪と、
    該外輪内に該外輪と同軸に支持され内輪と、を有し、
    前記弾性体は、前記外輪又は内輪の一方に固定され、前記外輪又は内輪の他方に形成された凹部に収容され、
    前記弾性体の少なくとも一つは、その内部に硬質材が装填されていることを特徴とする船舶用の弾性継手。
  7. 前記弾性体は、少なくとも一つの弾性体の硬質材が、他の弾性体の硬質材と異なる外径を有していることを特徴とする請求項5又は6に記載の船舶用の弾性継手。
  8. 前記弾性体の内部に、二種以上の剛性の異なる硬質材が同心状に装填されている請求項5又は6に記載の船舶用の弾性継手。
  9. エンジンの動力を弾性体を介してプロペラへ伝達するよう構成された船舶用の弾性継手であって、
    内周に複数の第1凹部を有する外輪と、
    該外輪内に該外輪と同軸に支持され且つ前記複数の第1凹部に対応する第2凹部を外周に備えた内輪と、を有し、
    前記弾性体は、対向させた前記第1凹部及び第2凹部によって形成される空間にそれぞれ収容され、
    前記弾性体は、異種材料で形成されている2以上の部分を結合することにより形成されていることを特徴とする船舶用の弾性継手。
  10. エンジンの動力を弾性体を介してプロペラへ伝達するよう構成された船舶用の弾性継手であって、
    外輪と、
    該外輪内に該外輪と同軸に支持され内輪と、を有し、
    前記弾性体は、前記外輪又は内輪の一方に固定され、前記外輪又は内輪の他方に形成された凹部に収容され、
    前記弾性体は、異種材料で形成されている2以上の部分を結合することにより形成されていることを特徴とする船舶用の弾性継手。
  11. エンジンの動力を弾性体を介してプロペラへ伝達する、船舶用の弾性継手であって、
    内周に複数の第1凹部を有する外輪と、
    該外輪内に該外輪と同軸に支持され且つ前記複数の第1凹部に対応する第2凹部を外周に備えた内輪と、
    対向させた前記第1凹部及び第2凹部によって形成される空間にそれぞれ収容された弾性体と、を含み、
    各凹部の押圧斜面は、変形作用末端領域および変形作用始端領域からなる変形領域を有し、前記変形作用末端領域の傾きが前記変形作用始端領域の傾きよりも大きいことを特徴とする船舶用の弾性継手。
  12. エンジンの動力を弾性体を介してプロペラへ伝達する、船舶用の弾性継手であって、
    内周に複数の第1凹部を有する外輪と、
    該外輪内に該外輪と同軸に支持され且つ前記複数の第1凹部に対応する第2凹部を外周に備えた内輪と、
    対向させた第1凹部及び第2凹部によって形成される空間にそれぞれ収容された弾性体と、を含み、
    前記弾性体のいくつかが、トルク伝達動力がゼロである初期状態において前記凹部の内面と隙間を有して収納されている、船舶用の弾性継手。
  13. エンジンの動力を弾性体を介してプロペラへ伝達する、船舶用の弾性継手であって、
    外輪と、
    該外輪内に該外輪と同軸に支持され内輪と、を有し、
    前記弾性体は、前記外輪又は内輪の一方に固定され、前記外輪又は内輪の他方に形成された凹部に収容され、
    前記弾性体のいくつかが、トルク伝達動力がゼロである初期状態において前記凹部の内面と隙間を有して収納されている、船舶用の弾性継手。
  14. 前記全ての凹部の内面の輪郭が同じ形状と寸法を有し、且つ、前記弾性体のいくつかが、他の弾性体に比し小径に形成されている請求項12又は13に記載の船舶用の弾性継手。
  15. 全ての前記弾性体が同じ大きさであり、且つ、前記凹部の幾つかが、他の凹部と異なる深さ有する請求項12又は13に記載の船舶用の弾性継手。
  16. 前記隙間を有しない空間に収容された弾性体の少なくとも一つが、与圧され圧縮変形させた状態で前記空間内に挿入されている請求項12又は13に記載の船舶用の弾性継手。
  17. 隙間を有する空間に収容された弾性体の少なくとも一つは、隙間を有しない空間に収容された弾性体と異なる弾性を有する請求項12又は13に記載の船舶用の弾性継手。
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