JP2009192043A - 船舶推進装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スラスト力の変動があっても音および衝撃を小さく抑制できる船舶推進装置を提供する。
【解決手段】ドライブシャフト12の下端に固定された駆動ベベルギア15と、プロペラシャフト14に回動自在にはめ込まれ駆動ベベルギア15と噛み合っている前進ベベルギア16および後進ベベルギア17と、プロペラシャフト14に取り付けられ、プロペラシャフト14と一緒に回転するとともに、プロペラシャフト軸方向に移動して、前進ベベルギア16または後進ベベルギア17と噛み合ってプロペラシャフト14を回転させるドッグクラッチ18とを備えており、プロペラシャフト14は、前進ベベルギア16と皿ばね7を構成部材とする前進側緩衝部材9を介して接触可能な船舶推進装置である。
【選択図】図2
【解決手段】ドライブシャフト12の下端に固定された駆動ベベルギア15と、プロペラシャフト14に回動自在にはめ込まれ駆動ベベルギア15と噛み合っている前進ベベルギア16および後進ベベルギア17と、プロペラシャフト14に取り付けられ、プロペラシャフト14と一緒に回転するとともに、プロペラシャフト軸方向に移動して、前進ベベルギア16または後進ベベルギア17と噛み合ってプロペラシャフト14を回転させるドッグクラッチ18とを備えており、プロペラシャフト14は、前進ベベルギア16と皿ばね7を構成部材とする前進側緩衝部材9を介して接触可能な船舶推進装置である。
【選択図】図2
Description
本発明は、船舶推進装置に関するものである。
船外機等に搭載される船舶推進装置は、例えば特許文献1に記載されているように、鉛直方向に延びるドライブシャフトをエンジンにより回転させ、そのドライブシャフトの回転をベベルギアを用いた回転方向変換機構によって水平方向に延びるプロペラシャフトの回転に変換し、そのプロペラシャフトに取り付けられたプロペラを回転駆動させて所要の推進力を発生させるものである。
上記の回転方向変換機構においては、前進側のベベルギアまたは後進側のベベルギアがドッグクラッチに噛み合うことよってプロペラシャフトに前進側の回転または後進側の回転を与えるようになっている。すなわち、回転方向変換機構の一部である前後進シフト機構によって、ドッグクラッチを前進後進いずれのベベルギアにも噛み合っていないニュートラルの状態から何れか一方のベベルギアに噛み合わせて船舶を前進または後進させるのである。
特開平9−301282号公報
特開平11−129988号公報
上述のような従来技術では、エンジンの駆動力変動によってプロペラシャフトに掛かるスラスト力が変動することが課題となっている。このスラスト力の変動というのは、エンジンを所定の回転数で駆動させ続ける運転をしたときに、エンジンの回転変動及びトルク変動が生じ、プロペラの駆動力に変動が生じるため発生するものである。このようなスラスト力の変動が生じると、ベベルギアとプロペラシャフトとの接触する部分が接触したり離れたりして、接触する際に音及び振動が発生し、快適さを損なってしまうことが判明した。特に2サイクルエンジンの場合はエンジンの音および振動が大きいため、スラスト力変動による音および振動は気にならなかったが、4サイクルエンジンではエンジン音が小さく振動も小さいため、スラスト力変動による音および振動が気になるようになってきた。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、スラスト力の変動があっても音および衝撃を小さく抑制できる船舶推進装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の船舶推進装置は、一方向に回転するドライブシャフトの下端に固定された駆動ベベルギアと、プロペラシャフトに回動自在にはめ込まれ前記駆動ベベルギアと噛み合っている前進ベベルギアおよび後進ベベルギアと、前記プロペラシャフトに取り付けられ、該プロペラシャフトと一緒に回転するとともに、プロペラシャフト軸方向に移動して、前記前進ベベルギアまたは後進ベベルギアと噛み合ってプロペラシャフトを回転させるドッグクラッチとを備え、前記プロペラシャフトは、前記前進ベベルギアと前進側緩衝部材を介して接触可能であり、前記前進側緩衝部材は、前記プロペラシャフトと前記前進ベベルギアとの間で弾性変形する弾性部材を構成部材として少なくとも含んでいる構成とした。
このような構成によりスラスト力変動が生じたときに、プロペラシャフトと前進ベベルギアとの間の衝突による衝撃を弾性部材が吸収し弱める。
本発明によれば、プロペラシャフトと前進ベベルギアとの間に弾性変形する弾性部材を配置しているので、スラスト力変動が生じても衝撃・振動や音の発生を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1に実施形態1に係る船舶推進装置を備えた船外機1の概略を示す。
図1に実施形態1に係る船舶推進装置を備えた船外機1の概略を示す。
<船外機1の構成>
この船外機1は推進ユニット2を有し、そのハウジング部分がカウル3とアッパーケース4とロアーケース5により構成されていて、上方のカウル3にはクランク軸10aを縦置きにしたエンジン10が収納され、下方のロアーケース5にはエンジン10によって回転駆動されるプロペラ6が設けられている。エンジン10は、気筒10bがクランク軸10aに対して船体20と反対側に位置するように配置されている。アッパーケース4からロアーケース5にはエンジン10のクランク軸10aからの動力伝達機構11や排気通路など(図示せず)が収納されていて、エンジン10によって動力伝達機構11を介してプロペラ6が回転駆動される。動力伝達機構11はドライブシャフト12、シフト切換機構13及びプロペラシャフト14などから構成され、エンジン10の回転がドライブシャフト12に伝えられ、シフト切換機構13においてドライブシャフト12の回転を90°変換した回転にしてプロペラシャフト14を回転させる。
この船外機1は推進ユニット2を有し、そのハウジング部分がカウル3とアッパーケース4とロアーケース5により構成されていて、上方のカウル3にはクランク軸10aを縦置きにしたエンジン10が収納され、下方のロアーケース5にはエンジン10によって回転駆動されるプロペラ6が設けられている。エンジン10は、気筒10bがクランク軸10aに対して船体20と反対側に位置するように配置されている。アッパーケース4からロアーケース5にはエンジン10のクランク軸10aからの動力伝達機構11や排気通路など(図示せず)が収納されていて、エンジン10によって動力伝達機構11を介してプロペラ6が回転駆動される。動力伝達機構11はドライブシャフト12、シフト切換機構13及びプロペラシャフト14などから構成され、エンジン10の回転がドライブシャフト12に伝えられ、シフト切換機構13においてドライブシャフト12の回転を90°変換した回転にしてプロペラシャフト14を回転させる。
この船外機1は船体20の後端部に取付けられるが、船体20の後尾板20aにはクランプブラケット21が固定され、このクランプブラケット21にはスイベルブラケット22がチルト軸23によって回動自在に枢着され、このスイベルブラケット22には推進ユニット2が操舵軸24回りに回動自在に枢着されている。
<シフト切換機構13>
図2はシフト切換機構13およびその周辺の断面図である。シフト切換機構13では、ドライブシャフト12の下端に固定された駆動ベベルギア15に常に噛み合っている前進ベベルギア16及び後進ベベルギア17のいずれかに、プロペラシャフト14と一緒に回転するドッグクラッチ18が噛み合うようになることによって前進と後進とを切り換える。この切換は船体内にあるシフトレバーの操作によって行われ、シフトレバーが操作されると船外機1の前方側に設けられたシフトロッド30が時計方向あるいは反時計方向に回転する。この回転によって、プロペラシャフト14の前に置かれたシフトスリーブ40およびピン32,ドッグクラッチ18がプロペラシャフト14の軸方向に沿って、前あるいは後に移動して前進・中立・後進を切り換える。なお図2では、ドッグクラッチ18は前進ベベルギア16及び後進ベベルギア17のいずれにも噛み合っていないニュートラルな状態を示している。なお本実施形態の船舶推進装置は、駆動ベベルギア15と前進ベベルギア16と後進ベベルギア17とドッグクラッチ18とを備えている。
図2はシフト切換機構13およびその周辺の断面図である。シフト切換機構13では、ドライブシャフト12の下端に固定された駆動ベベルギア15に常に噛み合っている前進ベベルギア16及び後進ベベルギア17のいずれかに、プロペラシャフト14と一緒に回転するドッグクラッチ18が噛み合うようになることによって前進と後進とを切り換える。この切換は船体内にあるシフトレバーの操作によって行われ、シフトレバーが操作されると船外機1の前方側に設けられたシフトロッド30が時計方向あるいは反時計方向に回転する。この回転によって、プロペラシャフト14の前に置かれたシフトスリーブ40およびピン32,ドッグクラッチ18がプロペラシャフト14の軸方向に沿って、前あるいは後に移動して前進・中立・後進を切り換える。なお図2では、ドッグクラッチ18は前進ベベルギア16及び後進ベベルギア17のいずれにも噛み合っていないニュートラルな状態を示している。なお本実施形態の船舶推進装置は、駆動ベベルギア15と前進ベベルギア16と後進ベベルギア17とドッグクラッチ18とを備えている。
ドッグクラッチ18はプロペラシャフト14の外周面に対してスプライン係合によって、前後方向に摺動可能に且つプロペラシャフト14に対しては回転不能に設置されている。そしてプロペラシャフト14に設けられた長孔33内に挿通されたピン32の両端がドッグクラッチ18に連結されており、このピン32をプロペラシャフト14内に配置されたプランジャ31が後方または前方に移動させることによってドッグクラッチ18が前進ベベルギア16または後進ベベルギア17に噛み合うようになる。なお、長孔33はプロペラシャフト14軸方向に長く開いている。
プロペラ6が回転することによって生じるプロペラシャフト14軸方向の推力は、プロペラシャフト14から前進ベベルギア16または後進ベベルギア17を介して船体20に伝えられる。この推力を伝える際にプロペラシャフト14は、前進ベベルギア16とは前進側緩衝部材9を介して接触し、後進ベベルギア17とは後進側緩衝部材19を介して接触する。即ち、プロペラシャフト14が前進側緩衝部材9に直接接触し、前進側緩衝部材9が前進ベベルギア16と直接接触しており、プロペラシャフト14と前進ベベルギア16とは直接接触していない。プロペラシャフト14と後進ベベルギア17との関係も同様である。これら前進側緩衝部材9および後進側緩衝部材19により、プロペラシャフト14と、前進ベベルギア16および後進ベベルギア17とが直接接触して摩耗することが防止される。ドッグクラッチ18が前進ベベルギア16及び後進ベベルギア17のいずれにも噛み合っていないニュートラルな状態では、ドッグクラッチ18と両ベベルギア16,17との間にはトルクが伝達されず、2つの緩衝部材9,19もドッグクラッチ18またはベベルギア16,17に接触していないか接触していても連れ回りをしているだけの状態である。
<前進側緩衝部材9>
前進側緩衝部材9について図3を参照にしてさらに説明を行う。
前進側緩衝部材9について図3を参照にしてさらに説明を行う。
図3に示すように、本実施形態においては前進側緩衝部材9は弾性部材である皿ばね7とシム部材8とから構成されている。シム部材8とは2つの物体間のスペース(空隙)を調整するため、その2つの物体間に挟み込む部材のことである。ここではシム部材8は平板からなるドーナツ状(中央に孔が設けられた)の円板である。前進側緩衝部材9は、前進ベベルギア16、皿ばね7、シム部材8、プロペラシャフト14の順番で配置されている。
上記構成によって、スラスト力変動が生じたときに衝撃や音が発生するのを防止したり小さくなるよう抑制したりすることができる。即ち、エンジン10の回転数やトルクの変動が生じた場合、プロペラシャフト14に掛かっている前進側のスラスト力(推力)が変動し、それによりプロペラシャフト14と前進ベベルギア16との間の距離が変動する。そのため、前進ベベルギア16、皿ばね7、シム部材8およびプロペラシャフト14が互いに離れたり、逆に互いに接触して押し付けられたりして衝撃や音が発生する原因となるのであるが、弾性部材である皿ばね7が変形することにより上記距離の変動をかなりの程度吸収することができる。衝撃や音は、互いに離れたプロペラシャフト14と前進ベベルギア16とが再び前方側へのスラスト力によって距離を縮めて前進側緩衝部材9を介して衝突するときに発生するのであるが、この衝突力を皿ばね7が変形することによって吸収するため衝撃や音の発生を防止・抑制することができるのである。
エンジン10の回転数変動(むら)やトルクの変動(むら)によるスラスト力変動(むら)はシフトインの状態のときに最も大きくなるので、次にシフト切換とシフトインについて説明する。
<シフト切換とシフトインについて>
図4は運転者がシフト切換操作を行うシフトレバー70を示す概略図である。シフトレバー70が図に実線で示されている位置あるときは、シフト切換機構13がニュートラルな状態であってドッグクラッチ18は前進ベベルギア16及び後進ベベルギア17のいずれにも噛み合っていない。シフトレバー70を図の左側の方に傾けていくと、ニュートラルの位置から約20度傾いた符号80で示す位置において前進側のシフトインの状態になる。
図4は運転者がシフト切換操作を行うシフトレバー70を示す概略図である。シフトレバー70が図に実線で示されている位置あるときは、シフト切換機構13がニュートラルな状態であってドッグクラッチ18は前進ベベルギア16及び後進ベベルギア17のいずれにも噛み合っていない。シフトレバー70を図の左側の方に傾けていくと、ニュートラルの位置から約20度傾いた符号80で示す位置において前進側のシフトインの状態になる。
シフトインとはドッグクラッチ18がニュートラルな状態から前進ベベルギア16あるいは後進ベベルギア17にちょうど噛み合った状態のことであり、シフトインの状態ではエンジン10の回転数は比較的低回転の所定の回転数(本実施形態では約700rpm)に保持され、ドライブシャフト12も同様にある回転数で回転する。さらに左側にシフトレバー70を傾けていくと、ドッグクラッチ18が前進ベベルギア16に噛み合ったままエンジン10の回転数が大きくなっていき、その回転数に合わせてプロペラシャフト14が前進側に回転する。
逆にシフトレバー70をニュートラルの位置から図の右側に傾けていくと、約20度傾いた符号81の位置で後進側のシフトインの状態になる。さらに右側にシフトレバー70を傾けていくと、ドッグクラッチ18が後進ベベルギア17に噛み合ったままエンジン10の回転数が大きくなっていき、その回転数に合わせてプロペラシャフト14が後進側に回転する。
シフトレバー70が前進側のシフトインの位置80と後進側のシフトインの位置81との間にあるときには、エンジン10およびドライブシャフト12は一定の低い回転数で回転している。ニュートラルの状態からシフトインの状態になるときには、回転している前進ベベルギア16あるいは後進ベベルギア17に停止しているドッグクラッチ18が噛み合うため、このときのエンジン回転数をできるだけ低回転にしてドッグクラッチ18がはじかれて噛み合わなかったり、傷ついたりすることを防いでいる。
シフトインのときにはエンジン10の回転数が低いため、回転数が少し変わったりエンジン10トルクが少し変わっただけでもプロペラ6から生じる推力の変動度合い(むら)が、エンジン10の回転数が高いときに比べて相対的に大きくなる。さらにエンジン10回転数が低いためエンジン音が相対的に小さく、従ってスラスト力変動によって生じる衝撃や音がエンジン10の回転数が高いときに比較して大きく感じられるのである。このため、本実施形態の皿ばね7を含む前進側緩衝部材9の衝撃や音の発生を防止・抑制する効果はシフトインの状態のときにより大きく発揮される。
<緩衝部材の詳細>
前進側緩衝部材9は皿ばね7の他にシム部材8を有している。このシム部材8によってニュートラルな状態における、前進ベベルギア16、前進側緩衝部材9、プロペラシャフト14の間のそれぞれの間隙を調整することができる。即ち、船舶推進装置の各部品の寸法および組み付け精度に所定の誤差範囲があるため、皿ばね7だけでは前進ベベルギア16と前進側緩衝部材9との間隙、および前進側緩衝部材9とプロペラシャフト14との間の間隙が大きくなりすぎて、スラスト力変動によって発生する衝撃力が皿ばね7の弾性変形では吸収しきれない場合が発生する。しかし本実施形態では、シム部材8により間隙を調整しているので、皿ばね7による衝撃力の吸収が最も効果的に行われる。
前進側緩衝部材9は皿ばね7の他にシム部材8を有している。このシム部材8によってニュートラルな状態における、前進ベベルギア16、前進側緩衝部材9、プロペラシャフト14の間のそれぞれの間隙を調整することができる。即ち、船舶推進装置の各部品の寸法および組み付け精度に所定の誤差範囲があるため、皿ばね7だけでは前進ベベルギア16と前進側緩衝部材9との間隙、および前進側緩衝部材9とプロペラシャフト14との間の間隙が大きくなりすぎて、スラスト力変動によって発生する衝撃力が皿ばね7の弾性変形では吸収しきれない場合が発生する。しかし本実施形態では、シム部材8により間隙を調整しているので、皿ばね7による衝撃力の吸収が最も効果的に行われる。
本実施形態では、皿ばね7がシム部材8よりも前進ベベルギア16に近い位置に配置され、前進ベベルギア16、皿ばね7、シム部材8、プロペラシャフト14の順番に置かれている。プロペラシャフト14はドッグクラッチ18とのスプライン係合を行うためにスプライン加工がなされており、前進側緩衝部材9と接触する面にはその加工によるバリが存している場合がある。皿ばね7にバリが接触すると皿ばね7が傷つき、弾性が低下してしまう場合があるため、本実施形態においてはプロペラシャフト14にシム部材8が接触する配置としている。
また、後進ベベルギア17とプロペラシャフト14との間には後進側緩衝部材19を配置している。後進側緩衝部材19はシム部材であり、後進ベベルギア17とプロペラシャフト14との間隙を小さくするとともに、後進ベベルギア17とプロペラシャフト14とが直接接触して摩擦しあわないようにするためのものである。後進ベベルギア17とプロペラシャフト14との衝突力は、前進ベベルギア16とプロペラシャフト14との衝突力よりも小さく、後進側緩衝部材19に弾性部材が含まれていなくてもスラスト力変動によって発生する衝撃や音はシム部材によって間隙を小さくすることにより、十分小さくすることができる。
さらに、前進側緩衝部材9の皿ばね7とシム部材8とは鉄系の硬い合金からなっており、後進側緩衝部材19は軸受け用等に用いられる銅系の柔らかい合金からなっていて、後進側緩衝部材19の素材の方が前進側緩衝部材9の素材よりも硬度が小さく柔らかい。プロペラシャフト14とベベルギア16,17との間の相対的な回転数は、前進側より後進側の方が高く、従って後進側の方が摩擦の対策が必要であるが、本実施形態では鉄系の合金からなるプロペラシャフト14やベベルギア16,17とは異なる合金である銅系の合金を後進側緩衝部材19に用いているので、焼き付きが起こりにくく、また潤滑油の保持性も高いため、潤滑性が高く保たれる。なお、後進側緩衝部材19の厚み(プロペラシャフト軸方向に沿った厚み)は、前進側緩衝部材9の皿ばね7またはシム部材8の厚み(プロペラシャフト軸方向に沿った厚み)よりも大きい。具体的には、前進側緩衝部材9の皿ばね7とシム部材8とはSK5(炭素工具鋼)からなっており、炭素鋼や合金鋼からなっていてもよい。
本実施形態のシフト切換機構13において前進側のシフトイン状態である場合には、プロペラ6の回転により発生する前進側のスラスト力によってプロペラシャフト14が前進側緩衝部材9を介して前進ベベルギア16に接触して前進ベベルギア16を押していくが、この状態では皿ばね7の弾性変形の度合いは100%にまでは達しておらず、さらなる弾性変形が可能である。即ち、シフトインにおけるエンジン回転数では、プロペラ6の回転によるスラスト力は比較的小さいため、皿ばね7の弾性変形の度合いは100%に達していないのである。従って、前進側のシフトインの状態においてスラスト力が変動しても、皿ばね7のさらなる変形によってその力の変動分を吸収することができる。そしてこのシフトインの状態からエンジン10の回転数を上げていくと、スラスト力が大きくなって皿ばね7の弾性変形の度合いが段々大きくなっていき、エンジン10の回転数が最大になる前に皿ばね7の弾性変形限界に達して皿ばね7は略平担になる。ここでエンジン10が最大回転数になっても皿ばね7がまだ弾性変形する余裕があると仮定すると、回転数が低いときのスラスト力変動によって却って振動が大きくなったり振動が長時間続くようになってしまう。
(その他の実施形態)
上記の実施形態は本発明の例示であり、本発明はこの例に限定されない。例えば、後進側緩衝部材19も前進側緩衝部材9と同じ構成にして皿ばね7を含むようにしても構わない。前進側緩衝部材9を皿ばね7だけで構成しても効果は実施形態1よりも劣るものの、実用上十分な効果は得られる。また前進側緩衝部材9の弾性部材としてウェーブワッシャなど、皿ばね7以外のものを用いてもよい。
上記の実施形態は本発明の例示であり、本発明はこの例に限定されない。例えば、後進側緩衝部材19も前進側緩衝部材9と同じ構成にして皿ばね7を含むようにしても構わない。前進側緩衝部材9を皿ばね7だけで構成しても効果は実施形態1よりも劣るものの、実用上十分な効果は得られる。また前進側緩衝部材9の弾性部材としてウェーブワッシャなど、皿ばね7以外のものを用いてもよい。
図3に示すように、実施形態1では前側緩衝部材9の皿ばね7は中央に穴が開いた円板であり、その外周側が前進ベベルギア16に接触するように配置されているが、逆に内周側が前進ベベルギア16に接触するように配置しても構わない。実施形態1のように皿ばね7の外周側が前進ベベルギア16に接触するように配置すると、逆の配置に比べて皿ばね7にかかる引っ張り力が小さくなり皿ばね7が破壊されにくいので好ましい。
また、本発明は船外機にはもちろん、船内機、船内外機(いわゆるスタンドライブ)にも適用することができる。
以上説明したように、本発明に係る船舶推進装置は、スラスト力変動による衝撃や音の発生を防止・抑制し、船外機等に有用である。
7 皿ばね(弾性部材)
8 シム部材
9 前進側緩衝部材
12 ドライブシャフト
14 プロペラシャフト
15 駆動ベベルギア
16 前進ベベルギア
17 後進ベベルギア
18 ドッグクラッチ
19 後進側緩衝部材
8 シム部材
9 前進側緩衝部材
12 ドライブシャフト
14 プロペラシャフト
15 駆動ベベルギア
16 前進ベベルギア
17 後進ベベルギア
18 ドッグクラッチ
19 後進側緩衝部材
Claims (12)
- 一方向に回転するドライブシャフトの下端に固定された駆動ベベルギアと、
プロペラシャフトに回動自在にはめ込まれ前記駆動ベベルギアと噛み合っている前進ベベルギアおよび後進ベベルギアと、
前記プロペラシャフトに取り付けられ、該プロペラシャフトと一緒に回転するとともに、プロペラシャフト軸方向に移動して、前記前進ベベルギアまたは後進ベベルギアと噛み合ってプロペラシャフトを回転させるドッグクラッチとを備え、
前記プロペラシャフトは、前記前進ベベルギアと前進側緩衝部材を介して接触可能であり、
前記前進側緩衝部材は、前記プロペラシャフトと前記前進ベベルギアとの間で弾性変形する弾性部材を構成部材として少なくとも含んでいる、船舶推進装置。 - 請求項1に記載されている船舶推進装置であって、
前記前進側緩衝部材はシム部材を構成部材として含んでいる、船舶推進装置。 - 請求項2に記載されている船舶推進装置であって、
前記弾性部材は、前記シム部材よりも前記前進ベベルギアに近い位置に配置されている、船舶推進装置。 - 請求項2に記載されている船舶推進装置であって、
前記プロペラシャフトは、前記後進ベベルギアと後進側緩衝部材を介して接触可能である、船舶推進装置。 - 請求項4に記載されている船舶推進装置であって、
前記弾性部材およびシム部材は鉄系の合金からなり、前記後進側緩衝部材は銅系の合金からなっており前記弾性部材よりも硬度が小さい、船舶推進装置。 - 請求項4に記載されている船舶推進装置であって、
前記後進側緩衝部材の、プロペラシャフト軸方向に沿った厚みは、前記弾性部材または前記シム部材の、プロペラシャフト軸方向に沿った厚みよりも大きい、船舶推進装置。 - 請求項1に記載されている船舶推進装置であって、
前記プロペラシャフトは、前記後進ベベルギアと後進側緩衝部材を介して接触可能である、船舶推進装置。 - 請求項7に記載されている船舶推進装置であって、
前記弾性部材は鉄系の合金からなり、前記後進側緩衝部材は銅系の合金からなっており前記弾性部材よりも硬度が小さい、船舶推進装置。 - 請求項1に記載されている船舶推進装置であって、
前記ドッグクラッチが前記前進ベベルギアと噛み合っており、且つ前記ドライブシャフトがシフトイン状態の回転数によって回転している状態において、前記弾性部材の変形度合いはさらなる弾性変形可能な変形度合いである、船舶推進装置。 - 請求項9に記載されている船舶推進装置であって、
前記ドッグクラッチが前記前進ベベルギアと噛み合っている状態において、前記ドライブシャフトの回転数がシフトイン状態の回転数よりも大きくなり最大回転数に達する前に前記弾性部材は弾性変形限界に達する、船舶推進装置。 - 請求項1に記載されている船舶推進装置であって、
前記弾性部材は皿ばねである、船舶推進装置。 - 請求項11に記載されている船舶推進装置であって、
前記ドッグクラッチが前記前進ベベルギアと噛み合っている状態において、前記ドライブシャフトの回転数がシフトイン状態の回転数よりも大きくなり最大回転数に達する前に前記皿ばねは略平担な状態になる、船舶推進装置。
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