JP2007177704A - 高圧ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】プランジャの摺動に伴う発熱による焼き付きを確実に抑制することのできる高圧ポンプを提供する。
【解決手段】加圧室35及び駆動カム22間のシリンダボディ29の摺動孔31にプランジャ32を往復摺動可能に嵌入する。駆動カム22及びコイルばね41により、プランジャ32を同駆動カム22側へ移動させることで加圧室35内に燃料10を吸入し、プランジャ32を加圧室35側へ移動させることで同加圧室35内の燃料10を加圧する。さらに、プランジャ32と摺動孔31の壁面46との間隙を、加圧室35から流出した燃料10の流通路47とする。こうした高圧燃料ポンプ17において、摺動孔31の壁面46について、プランジャ32が摺動に伴い高い面圧で接触する箇所の近傍に、流通路47を流れる燃料10を一時保持する燃料保持溝55を設ける。
【選択図】図3

Description

本発明は、シリンダボディの摺動孔内でプランジャを往復摺動させて加圧室の容積を変化させることで、その加圧室に液体を吸入する吸入行程と加圧室内の液体を加圧する加圧行程とを実行する高圧ポンプに関するものである。
例えば、車載エンジン等に組込まれて燃料噴射弁等に燃料を供給する高圧燃料ポンプとして、プランジャ式の高圧ポンプが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この高圧ポンプは、図20に示すように、シリンダボディ71と、そのシリンダボディ71の摺動孔72に往復摺動可能に嵌入されたプランジャ73と、摺動孔72の一端側(図20の上側)に設けられた加圧室74と、摺動孔72の他端側(図20の下側)に設けられたリフタ75及び駆動カム76とを備えている。リフタ75は、その内底部においてプランジャ73に当接されており、リフタガイド77によって往復摺動可能に案内される。リフタ75はばね78によって駆動カム76側へ付勢されている。そして、高圧ポンプ85は駆動カム76が回転することでプランジャ73を摺動孔72内で往復摺動させ、加圧室74の容積を変化させて燃料79を吸入・加圧する構成を採っている。
すなわち、プランジャ73が上死点に位置する状態から駆動カム76がさらに回転すると、駆動カム76の押上げ力が弱まり、ばね78により付勢されたリフタ75が下降させられ、プランジャ73が駆動カム76側へ移動する。これに伴い、加圧室74の容積が次第に増大し、その加圧室74内に燃料79が吸入される(吸入行程)。これに対し、プランジャ73が下死点に位置する状態から駆動カム76がさらに回転すると、駆動カム76の押上げ力が強まり、ばね78に抗してリフタ75が上昇させられ、プランジャ73が加圧室74側へ移動する。これに伴い、加圧室74の容積が次第に減少し、加圧室74内の燃料79が加圧される(加圧行程)。そして、加圧行程の途中で電磁スピル弁81が閉弁されることで、加圧室74からの燃料79の溢流が停止されて燃料79が高圧化される。燃料79の圧力が規定値を越えると、チェック弁82が開弁してその燃料79が燃料噴射弁側へ吐出される。
なお、図21に示すように、プランジャ73と摺動孔72の壁面83との間のわずかな間隙は上記加圧室74からの燃料79の流通路84となっており、この流通路84を流れる燃料79により潤滑・冷却を行い、プランジャ73の往復摺動に伴い発生する熱による焼付きを抑制するようにしている。
特開2001−41129号公報
ところで、上記高圧ポンプ85では、駆動カム76によってリフタ75が押上げられてプランジャ73が加圧室74側へ移動させられて燃料79が昇圧される加圧行程で、その駆動カム76の押上げ力Fuが加圧室74へ向かう力として発生する。これに加え、燃料79の昇圧時の反力Frが駆動カム76へ向かう力として発生する。
駆動カム76はそのベース円部76Aにおいてリフタ75の中心Cに接触する。そして、駆動カム76のリフタ75との接触箇所Paは、駆動カム76の回転とともに変位してリフタ75の中心Cから外れる。これが原因で、図21に示すように、リフタガイド77とのクリアランスによって許容される範囲内でリフタ75が傾く。プランジャ73はモーメントにより摺動孔72内で傾き、プランジャ73から摺動孔72の加圧室側端部Ep及び駆動カム側端部Edに対し、これを押圧する力(横力Fs)が作用する。
特に、近年ではエンジンの性能向上のために、高圧ポンプ85の燃料吐出量又は圧力を増加させる傾向にあり、この場合には上記横力Fsを増大させるおそれがある。すなわち、燃料吐出量を増加させる場合、電磁スピル弁81の閉弁時期を早めて、プランジャ73の下死点に近づけることが有効である。これは、加圧室74の容積が最大又はそれに近い状態となったときに燃料の溢流が停止されるからである。しかし、反面、燃料79の昇圧時の反力Frが大きくなり、これに伴い横力Fsが増大する。その結果、摺動孔72の駆動カム側端部Ed及び加圧室側端部Epではプランジャ73の摺動による発熱量が増加し、流通路84を流れる燃料79によっては、焼付きを確実に抑制できなくなるおそれがある。
なお、上記特許文献1では、プランジャ73と摺動孔72の壁面83とのクリアランスを駆動カム76側に比べて加圧室74側で大きくすることにより、プランジャ73が加圧室側端部Epよりも先に駆動カム側端部Edに接触するようにしている。しかし、駆動カム側端部Edについては特に対策を講じていない。そのため、依然として上述した不具合が発生するおそれがある。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、プランジャの摺動に伴う発熱による焼き付きを確実に抑制することのできる高圧ポンプを提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明では、加圧室及び駆動カム間のシリンダボディの摺動孔にプランジャを往復摺動可能に嵌入し、前記駆動カムにより前記プランジャを同駆動カム側へ移動させることで同加圧室内に液体を吸入し、前記駆動カムにより前記プランジャを前記加圧室側へ移動させることで同加圧室内の液体を加圧し、さらに、前記プランジャと前記摺動孔の壁面との間隙を、前記加圧室から流出した液体の流通路とする高圧ポンプにおいて、前記摺動孔の壁面について、前記プランジャが摺動に伴い高い面圧で接触する箇所の近傍に、前記流通路を流れる液体を一時保持する液体保持凹部を設けている。
上記の構成によれば、高圧ポンプでは、プランジャは駆動カムにより駆動されてシリンダボディの摺動孔内を往復摺動する。プランジャが駆動カム側(反加圧室側)へ移動させられるときには加圧室の容積が増大し、その内部に液体が吸入される。プランジャが加圧室側へ移動させられるときには加圧室の容積が減少し、その内部の液体が加圧される。加圧された液体の一部は、プランジャと摺動孔の壁面との間の流通路へ流出される。この流通路を流れる液体により、プランジャ及び同壁面が潤滑・冷却される。
ところで、上記高圧ポンプでは、駆動カムによってプランジャが加圧室側へ移動させられて同加圧室内の液体が昇圧される際に、摺動孔に対し同プランジャが傾く。傾いたプランジャから摺動孔の壁面に対し、これを押圧する力(横力)が作用する。この横力によりプランジャが同壁面に対し高い面圧で接触して摺動する箇所では、他の箇所よりも多く発熱する。
この点、摺動孔の壁面に液体保持凹部が設けられた請求項1に記載の発明では、流通路へ流出した加圧室内の液体の一部は、その流通路を流れる過程で液体保持凹部に一時保持される。液体保持凹部は、プランジャが摺動に伴い高い面圧で接触する箇所の近傍に設けられており、流通路中、この液体保持凹部の設けられた箇所では、他の箇所よりも液体のボリュームが大きい。そのため、液体保持凹部内のボリュームの大きな液体により、面圧の高い箇所の潤滑・冷却が強化される。その結果、こうした液体保持凹部のない場合に比べ、プランジャの摺動に伴う発熱による焼き付きを確実に抑制することができるようになる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記液体保持凹部は、前記摺動孔の前記壁面における駆動カム側端部の近傍に設けられているとする。
ここで、プランジャが駆動カムによって加圧室側へ移動させられて同加圧室内の液体が昇圧される際、同プランジャは、シリンダボディにおける摺動孔の長さ方向については、その両端部(駆動カム側端部、加圧室側端部)に対し高い面圧で接触する。摺動孔の駆動カム側端部及び加圧室側端部ではプランジャの摺動による発熱量が他の箇所よりも多くなり、焼付きを抑制するために多くの量の液体が必要となる。一方、高圧ポンプでは、加圧室における液体のボリュームが大きく、加圧室に近い側の加圧室側端部についてはその放熱が促される反面、加圧室から遠ざかった駆動カム側端部では液体のボリュームが十分でないおそれがある。
この点、液体保持凹部が、摺動孔の壁面について駆動カム側端部の近傍に設けられている請求項2に記載の発明では、液体は、流通路を流れる過程で、同液体保持凹部に一時保持される。流通路中、液体保持凹部の設けられた駆動カム側端部の近傍では、他の箇所よりも液体のボリュームが大きくなる。そのため、プランジャが摺動孔の壁面について駆動カム側端部に対し高い面圧で接触しても、その接触部分と、同駆動カム側端部に対応して設けられた液体保持凹部内の多くの液体との間で熱交換が効率よく行われる。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の発明において、前記液体保持凹部は前記摺動孔の壁面の周方向に形成されており、同液体保持凹部を、前記プランジャが前記加圧室側へ移動するときに前記摺動孔の壁面に接触する側の接触側領域と、接触しない側の非接触側領域とに区分した場合、前記接触側領域は前記非接触側領域よりも大きな断面積を有するものであるとする。
高圧ポンプにおいて、駆動カムによってプランジャが加圧室側へ移動させられて同加圧室内の液体が昇圧される際、同プランジャは摺動孔に対し傾き、駆動カム側端部に接触する。この際、プランジャは、摺動孔の壁面の全周にわたって均一の強さで接触するわけではなく、特定の箇所に強く接触して多く発熱する。
この点、請求項3に記載の発明では、液体保持凹部の断面積が周方向について一様ではなく、接触側領域の断面積が非接触側領域の断面積よりも大きく設定されている。接触側領域は、プランジャが加圧室側へ移動するときに摺動孔の壁面に接触する側の領域であり、上記プランジャの摺動に伴う発熱量の多い箇所に対応している。非接触側領域は、プランジャが加圧室側へ移動するときに上記壁面に接触しない側の領域であり、プランジャの摺動に伴う発熱量が上記接触側領域よりも少ない箇所に対応している。そして、液体保持凹部の領域と断面積の大小との関係についての上記設定により、液体保持凹部に保持される液体の量は、接触側領域で多く、非接触側領域で少なくなる。液体保持凹部において、プランジャ及び摺動孔の壁面に接触する液体のボリュームは、接触側領域で大きく、非接触側領域で小さくなる。
従って、発熱量の多い箇所については断面積の大きな接触側領域の液体によって、発熱量の少ない箇所については断面積の小さな非接触側領域の液体によって、それぞれ過不足なく潤滑・冷却することできる。
なお、上記液体保持凹部について、接触側領域の断面積を非接触側領域の断面積よりも大きくするために、請求項4に記載の発明によるように、液体保持凹部を非接触側領域よりも接触側領域において深く形成してもよい。また、請求項5に記載の発明によるように、液体保持凹部を、非接触側領域よりも接触側領域において幅広に形成してもよい。さらに、請求項6に記載の発明によるように、接触側領域を、摺動孔の長さ方向に並べられた状態で設けられ、かつ非接触側領域よりも数の多い溝部により構成してもよい。
請求項7に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記液体保持凹部は、前記摺動孔の前記壁面について、前記駆動カム側端部の近傍に加え、加圧室側端部の近傍に設けられているとする。
ここで、プランジャが駆動カムによって加圧室側へ移動させられて同加圧室内の液体が昇圧される際、同プランジャは、シリンダボディにおける摺動孔の長さ方向については、上述したように駆動カム側端部に加え、加圧室側端部に対しても高い面圧で接触する。摺動孔の加圧室側端部でも、駆動カム側端部ほどではないにせよ、プランジャの摺動による発熱量が他の箇所よりも多くなる。高圧ポンプでは、加圧室における液体のボリュームが大きく、加圧室に近い側の加圧室側端部についてはその放熱が促されるとはいえ、焼付きを抑制するために他の箇所よりも多くの量の液体を必要とする。
この点、液体保持凹部が、摺動孔の壁面について、駆動カム側端部の近傍に加え、加圧室側端部の近傍にも設けられている請求項7に記載の発明では、液体は、流通路を流れる過程で、両液体保持凹部に一時保持される。流通路中、それぞれ液体保持凹部の設けられた駆動カム側端部の近傍及び加圧室側端部の近傍では、他の箇所よりも液体のボリュームが大きくなる。そのため、プランジャが摺動孔の壁面について加圧室側端部及び駆動カム側端部に対し高い面圧で接触しても、その接触部分と、同端部の近傍に設けられた液体保持凹部内の多くの液体との間で熱交換が効率よく行われる。
請求項8に記載の発明では、請求項7に記載の発明において、前記駆動カム側端部の近傍に位置する液体保持凹部は、前記加圧室側端部の近傍に位置する液体保持凹部よりも大きな断面積を有するものであるとする。
上述したように、高圧ポンプでは、加圧室に近い側の加圧室側端部については加圧室における液体のボリュームが大きいことから、放熱が促される。これに対し、加圧室から遠ざかった駆動カム側端部では、液体のボリュームが小さい。そのため、駆動カム側端部では、その潤滑・冷却のために、加圧室側端部よりも多くの液体が必要となる。
この点、請求項8に記載の発明では、駆動カム側端部の近傍に位置する液体保持凹部の断面積が、加圧室側端部の近傍に位置する液体保持凹部の断面積よりも大きく設定されている。こうした設定により、流通路を流れる液体は、加圧室側の液体保持凹部よりも駆動カム側の液体保持凹部に多く保持される。摺動孔の両端部においてプランジャと接触する液体のボリュームは、駆動カム側端部において加圧室側端部よりも大きくなる。
従って、加圧室内の液体により放熱が促進される摺動孔の加圧室側端部については、断面積の小さな液体保持凹部内の液体によって、また、上記放熱の促進効果が少ない駆動カム側端部については、断面積の大きな液体保持凹部内の液体によって、それぞれ過不足なく潤滑・冷却することができる。
なお、液体保持凹部の断面積を上記のように加圧室側と駆動カム側とで異ならせるために、請求項9に記載の発明によるように、駆動カム側端部の近傍に位置する液体保持凹部を、加圧室側端部の近傍に位置する液体保持凹部よりも深く形成してもよい。また、請求項10に記載の発明によるように、駆動カム側端部の近傍に位置する液体保持凹部を、加圧室側端部の近傍に位置する液体保持凹部よりも幅広に形成してもよい。さらに、請求項11に記載の発明によるように、駆動カム側端部の近傍に位置する液体保持凹部を、摺動孔の長さ方向に並べられた状態で設けられ、かつ加圧室側端部の近傍に位置する液体保持凹部よりも数の多い溝部により構成してもよい。
(第1実施形態)
以下、本発明の高圧ポンプをエンジンの燃料供給系に設けられる高圧燃料ポンプに具体化した第1実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。
図1に示すように、エンジンの気筒毎に設けられた複数の燃料噴射弁11には、共通の高圧燃料配管であるデリバリパイプ12が接続されており、同デリバリパイプ12内の燃料が各燃料噴射弁11に分配供給される。各燃料噴射弁11は開閉制御されることにより、対応する気筒の燃焼室に高圧の燃料を直接噴射供給する。噴射された燃料は、燃焼室内の空気と混ざり合って混合気となる。
デリバリパイプ12に高圧の燃料を供給するための燃料供給装置13は、燃料タンク14内に固定された低圧燃料ポンプ15と、エンジンに固定され、かつ低圧燃料通路16を介して低圧燃料ポンプ15に接続された高圧燃料ポンプ17とを備えている。
低圧燃料ポンプ15は、バッテリを電源とする電動モータ(図示略)によって駆動され、燃料タンク14内から燃料10を吸上げ、低圧燃料通路16に吐出する。なお、図1中の18は、低圧燃料通路16内の燃料圧力(フィード圧)を一定にするためのプレッシャレギュレータであり、19は低圧燃料通路16内の燃料10の脈動を低減するためのパルセーションダンパである。
高圧燃料ポンプ17は、図2及び図3に示すように、エンジンのカムシャフト21によって駆動され、上記低圧燃料通路16を通じて低圧燃料ポンプ15から送られてくる燃料10を、略円柱状をなすプランジャ32の往復摺動によって吸入・加圧するタイプのポンプである。
より詳しくは、矢印で示すように時計回り方向へ回転するカムシャフト21上には、高圧燃料ポンプ17を駆動するための駆動カム22が設けられている。駆動カム22は、円板状をなすベース円部23と、そのベース円部23から突出する複数のカムノーズ24とからなる。
高圧燃料ポンプ17は、孔25を有するブラケット26を備えており、このブラケット26においてエンジンのシリンダヘッドに固定されている。孔25は駆動カム22の近傍に位置しており、両端を開放した略円筒状のリフタガイド27がこの孔25に挿通されている。リフタガイド27の一方(図2及び図3の上方)の開放端には、略円筒状をなすシート28を介してシリンダボディ29の他端部(図2及び図3の下端部)が装着されている。シリンダボディ29には両端を開放した摺動孔31が貫通形成されている。摺動孔31の中心線Lは、カムシャフト21の回転中心Rと同一平面(面P)上に位置している。そして、この摺動孔31に上記プランジャ32が往復摺動可能に嵌入されている。
シリンダボディ29には、その一端側(図2の上側)からカバー33が被せられている。このカバー33は、上記ブラケット26に対しボルト34によって締結されている。この締結により、カバー33とブラケット26との間でシリンダボディ29が保持されている。
シリンダボディ29には、摺動孔31に連通した状態で加圧室35が形成されている。加圧室35は上記低圧燃料通路16に接続されており、低圧燃料ポンプ15から吐出された燃料10が同低圧燃料通路16を通じて加圧室35に流入可能となっている。また、加圧室35は、高圧燃料通路36を介して上記デリバリパイプ12に接続されている(図1参照)。シリンダボディ29において、加圧室35と高圧燃料通路36との接続箇所には、加圧室35内の燃料10の圧力が規定値を越えた場合にのみ開弁するチェック弁37が設けられている。
駆動カム22の回転をプランジャ32に伝達して摺動孔31内で往復摺動させ、加圧室35の容積を変化させるために、次の構造が採られている。リフタガイド27内には、有底円筒状をなすリフタ38が上記中心線Lに沿う方向(摺動孔31の長さ方向)へ往復摺動可能に挿嵌支持されている。一方、上記プランジャ32の一部(図2及び図3の下部)は、シリンダボディ29から突出してリフタガイド27内に入り込んでいる。プランジャ32の駆動カム22側の端部外周にはリテーナ39が装着されており、このリテーナ39とシート28との間にコイルばね41が圧縮された状態で介装されている。このコイルばね41により、リテーナ39を介しプランジャ32がリフタ38の内底面に押付けられるとともに、リフタ38が駆動カム22に押付けられている。
プランジャ32の上記中心線Lに沿う方向(摺動孔31の長さ方向)における位置は、駆動カム22のリフタ38との接触箇所に応じて異なる。例えば、駆動カム22がベース円部23においてリフタ38の中心Cに接触するときには、プランジャ32は可動範囲においてカムシャフト21の回転中心Rに最も近づいた箇所(下死点)に位置する。このときプランジャ32は加圧室35から最も待避した箇所に位置しており、従って、加圧室35の容積は採り得る範囲の最大となっている。
これに対し、駆動カム22がカムノーズ24においてリフタ38と接触するときには、プランジャ32は可動範囲において上記下死点よりも加圧室35側に位置する。
図7に示すように、駆動カム22が所定のカムノーズ24のベース円部23から最も離れた箇所(先端部)においてリフタ38の中心Cと接触するときには、プランジャ32はその可動範囲においてカムシャフト21の回転中心Rから最も遠ざかった箇所(上死点)に位置する。このとき、プランジャ32の端部(図7の上端部)は加圧室35内に最も突出した箇所に位置しており、従って、加圧室35の容積は採り得る範囲の最小となっている。
そして、加圧室35の容積は、図8に示すように、プランジャ32が上死点から下死点に向けて移動する行程(吸入行程)では徐々に増大する。また、加圧室35の容積は、図6に示すように、プランジャ32が下死点から上死点に向けて移動する行程(加圧行程)では徐々に減少する。
図1及び図2に示すように、高圧燃料ポンプ17には低圧燃料通路16及び加圧室35間を連通又は遮断するために電磁スピル弁42が組込まれている。電磁スピル弁42は、ボルト43によってカバー33に締付け固定されている。電磁スピル弁42は電磁ソレノイドを備えており、この電磁ソレノイドに通電されていないときには開弁して、低圧燃料通路16及び加圧室35間を連通させる。また、電磁スピル弁42は、電磁ソレノイドに通電されているときには閉弁して低圧燃料通路16及び加圧室35間を遮断する。
電磁スピル弁42は、加圧室35の容積が増大する吸入行程の全ての期間にわたって開弁状態にされる。そのため、吸入行程中には低圧燃料通路16から燃料10が加圧室35に吸入される。また、電磁スピル弁42は、一般には加圧室35の容積が減少する加圧行程では任意のタイミングで閉弁される。加圧行程において電磁スピル弁42が閉弁されるまでの開弁期間中は、加圧室35内の燃料10は低圧燃料通路16に溢流させられる。上記電磁スピル弁42の閉弁タイミングから加圧行程終了までの閉弁期間に、加圧室35内の燃料10が加圧される。そして、この加圧により燃料10の圧力が規定値を越えると、チェック弁37が開弁して加圧室35内の燃料10が高圧燃料通路36へ吐出される。
ここで、加圧行程での電磁スピル弁42の閉弁タイミングを変更すると、加圧行程中に加圧室35から低圧燃料通路16に溢流される燃料10の量が変化する。このため、電磁スピル弁42の閉弁タイミングを調整することで高圧燃料ポンプ17の燃料吐出量を調整することが可能である。
例えば、電磁スピル弁42の通電制御を通じて上記閉弁タイミングを早め、加圧行程中に加圧室35から低圧燃料通路16に溢流する燃料10の量を少なくすると、加圧行程での電磁スピル弁42の閉弁期間中に加圧室35から高圧燃料通路36へ吐出される燃料10の量が多くなる。プランジャ32が下死点に達したとき、すなわち吸入行程から加圧行程に切り替わるタイミングで電磁スピル弁42を閉弁させると燃料10の溢流量が最小となり、加圧室35から高圧燃料通路36への吐出量が最大となる。
また、電磁スピル弁42の通電制御を通じて上記閉弁タイミングを遅らせ、加圧行程中に加圧室35から低圧燃料通路16に溢流する燃料10の量を多くすると、加圧行程での電磁スピル弁42の閉弁期間中に加圧室35から高圧燃料通路36へ吐出される燃料10の量が少なくなる。
ところで、本実施形態の高圧燃料ポンプ17では、エンジンの性能向上のために、電磁スピル弁42の閉弁時期がプランジャ32の下死点に設定されている。こうした設定により、加圧室35の容積が採り得る範囲の最大となったときに電磁スピル弁42を閉弁し、高圧燃料ポンプ17の燃料吐出量を最大となるようにしている。
なお、図1及び図3に示すように、高圧燃料ポンプ17の少なくとも一部はシリンダヘッド内に位置しており、その周囲には、同シリンダヘッド内の動弁機構等を潤滑するための油が存在している。駆動カム22のリフタ38との接触箇所は、この油によって潤滑・冷却される。また、リフタガイド27及びリフタ38の外周壁等には透孔44,45が設けられており、これらの透孔44,45を通ってリフタ38内に入り込んだ油によって、プランジャ32とリフタ38の内底部との接触箇所が潤滑・冷却される。
また、プランジャ32と摺動孔31の壁面46との間隙は円環状をなし、主として加圧室35の容積が減少させられるとき(加圧行程)に加圧室35から流出する燃料10の一部の流通路47となっている。そして、加圧室35内の燃料10の一部が流通路47を通過することで、プランジャ32と摺動孔31の壁面46との間の潤滑・冷却が行われる。流通路47を流れる燃料10は摺動孔31の駆動カム22側の開放端48から流出することとなるが、上述したように、リフタ38内には油が存在している。これらの燃料10及び油が混ざり合うのを防止するために、上記シート28の内周面にはシール部材49が取付けられている。シール部材49は略円筒状をなしており、その駆動カム22側の端部(図3の下端部)においてプランジャ32の外周面に相対摺動可能に密着している。シール部材49内の空間は、開放端48から流出した燃料10を一時貯留する貯留室51を構成している。この貯留室51は、リターン通路54(図1参照)により燃料タンク14に接続されており、貯留室51内の燃料10はこのリターン通路54を通って燃料タンク14に戻される。
図1に示すように、デリバリパイプ12にはリリーフ弁52が取付けられており、このリリーフ弁52がリリーフ通路53を介して燃料タンク14に接続されている。リリーフ弁52は、デリバリパイプ12内の燃圧が過度に高くなって所定値を越えると開弁する。この開弁により、デリバリパイプ12内の高圧の燃料10がリリーフ通路53を通じて燃料タンク14に戻される。
ところで、上記の構成を有する高圧燃料ポンプ17では、図6に示すように、駆動カム22によってリフタ38が押上げられてプランジャ32が加圧室35側へ移動させられる加圧行程で、その駆動カム22の押上げ力Fuが加圧室35側へ向かう力として発生する。これに加え、プランジャ32の上記移動に伴い加圧室35内の燃料10が昇圧される際に、その反力Frが駆動カム22側へ向かう力として発生する。駆動カム22のリフタ38との接触箇所Paが、その駆動カム22の回転とともに変位してリフタ38の中心Cから外れ、これが原因でリフタガイド27とのクリアランスによって許容される範囲内でリフタ38が傾く。このとき、プランジャ32はモーメントにより摺動孔31内で特定の方向へ、すなわち図6の時計回り方向へ傾く。こうして傾いたプランジャ32から摺動孔31の加圧室側端部Ep及び駆動カム側端部Edに対し、これを押圧する力(横力Fs)が作用する。
特に、本実施形態の高圧燃料ポンプ17では、上述したように、エンジンの性能向上を意図して燃料10の吐出量又は燃圧を増加させるために電磁スピル弁42の閉弁時期が、プランジャ32の下死点に設定されている。しかし、この設定により、加圧行程の初期において燃料10の昇圧による反力Frが大きくなり、上記横力Fsが増大する。その結果、摺動孔31の加圧室側端部Ep及び駆動カム側端部Edではプランジャ32による面圧が高くなり、同プランジャ32の摺動に伴う発熱量が増加し、焼付きを抑制するために多くの量の燃料10が必要となる。
この点、加圧室35に近い側の加圧室側端部Epについては、同加圧室35における燃料10のボリュームが大きいことから、同加圧室側端部Epが潤滑されるとともに、放熱が促される。しかし、加圧室35から遠ざかった駆動カム側端部Edについては、流通路47を通じて適量の燃料10が供給されず、同駆動カム側端部Edが十分に潤滑・冷却されないおそれがある。
そこで、本実施形態では、加圧行程において駆動カム側端部Edにおいて潤滑・冷却が確実に行われるように、以下の工夫がなされている。図4及び図5に示すように摺動孔31の壁面46について、駆動カム側端部Edの近傍には、流通路47を流れる燃料10を一時保持する液体保持凹部として単一の燃料保持溝55が設けられている。駆動カム側端部Edの近傍では、上述したようにプランジャ32が摺動中最も高い面圧で接触する。燃料保持溝55は、摺動孔31の中心線Lの周りにおいて、壁面46の全周にわたって形成されており、円環状をなしている。
ここで、上記加圧行程において摺動孔31に対し傾き、駆動カム側端部Edに接触する際、同プランジャ32は、摺動孔31の壁面46の全周にわたって均一の強さで接触するわけではなく、特定の箇所に強く接触して多く発熱する。
これに対しては、第1実施形態では上述したカムシャフト21の回転中心Rと摺動孔31の中心線Lとを通る面P(図3参照)を基準とし、燃料保持溝55を、上記面Pにより仕切られる2つの領域に分けて考えている。一方の領域は、プランジャ32が加圧室35側へ移動する加圧行程において、摺動孔31の壁面46に接触する側(図4及び図5において面Pよりも左側)の接触側領域Tdcである。同接触側領域Tdcは円弧状(略半円環状)をなし、上記プランジャ32の摺動に伴う発熱量の特に多い箇所に対応している。
他方の領域は、プランジャ32が加圧行程において上記壁面46に接触しない側(図4及び図5において面Pよりも右側)の非接触側領域Tdnである。同非接触側領域Tdnは円弧状(略半円環状)をなし、プランジャ32の摺動に伴う発熱量が上記接触側領域Tdcよりも少ない箇所に対応している。
図4において網掛けで示すように、接触側領域Tdcにおいて上記中心線Lを含む面での断面積をSdcとし、非接触側領域Tdnの上記中心線Lを含む面での断面積をSdnとすると、両領域Tdc,Tdnは、「Sdc>Sdn」の関係を満たすように形成されている。
具体的には、燃料保持溝55の底面56は、周方向のどの箇所においても摺動孔31の中心線Lに平行に形成されている。また、燃料保持溝55の相対向する側面57,58は、周方向のどの箇所においても中心線Lに対し直交している。従って、燃料保持溝55は、周方向のどの箇所においても矩形の断面形状を有していることとなる。また、接触側領域Tdcの幅(摺動孔31の中心線Lに沿う方向における長さ)をWdcとし、非接触側領域Tdnの幅をWdnとすると、両幅Wdc,Wdnは、「Wdc=Wdn」の関係を満たしている。
さらに、接触側領域Tdcの深さをDdcとし、非接触側領域Tdnの深さをDdnとすると、両深さDdc,Ddnは、「Ddc>Ddn」の関係を満たしている。このように、燃料保持溝55が非接触側領域Tdnよりも接触側領域Tdcにおいて深く形成されている。
上記各種関係を有する燃料保持溝55を実現するために、図5に示すように同燃料保持溝55は、その中心線L1を摺動孔31の中心線Lに対し偏心させた状態で形成されている。中心線L1の中心線Lに対する偏心方向は、両領域Tdc,Tdnの境界部分(面P)を基準とし、それよりもプランジャ32の加圧行程において、駆動カム22がリフタ38に接触する側(図5の左側)である。
こうした構成とすることにより、接触側領域Tdcの深さDdc(断面積Sdc)は、境界部分(面P)において最小となり、同境界部分(面P)から離れるに従い徐々に大きくなる。同深さDdc(断面積Sdc)は同境界部分(面P)から最も離れた箇所で最大となる。また、非接触側領域Tdnの深さDdn(断面積Sdn)は、境界部分(面P)において最大となり、同境界部分(面P)から離れるに従い徐々に小さくなる。同深さDdn(断面積Sdn)は同境界部分(面P)から最も離れた箇所で最小となる。
なお、図8に示すようにプランジャ32は、駆動カム22側へ移動する吸入行程では上記加圧行程とは逆方向へ、この場合反時計回り方向へ傾く。このとき、上述した反力Frが小さく、それに伴って横力Fsが小さい。そのため、上記加圧行程のようなプランジャ32の摺動に伴う発熱、焼付きの問題は起こりにくい。
前記のように構成された本実施形態の高圧燃料ポンプ17では、プランジャ32は回転する駆動カム22により駆動されて摺動孔31内を往復摺動する。図8に示すように、プランジャ32が駆動カム22側へ移動させられる吸入行程では加圧室35の容積が増大し、ここに燃料10が吸入される。これに対し、図6に示すように、プランジャ32が加圧室35側へ移動させられる加圧行程では加圧室35の容積が減少し、その内部の燃料10が加圧される。この加圧に伴い、加圧室35内の燃料10の一部は流通路47へ流出される。この流通路47を流れる燃料10により、プランジャ32と摺動孔31の壁面46との間の潤滑・冷却が行われる。
特に、壁面46について駆動カム側端部Edの近傍に燃料保持溝55が設けられた第1実施形態では、加圧行程で流通路47へ流出した加圧室35内の燃料10の一部は、その流通路47を流れる過程で燃料保持溝55に一時保持される。流通路47中、この燃料保持溝55が近くに設けられた駆動カム側端部Edでは、他の箇所よりも燃料10のボリュームが大きくなる。
そのため、プランジャ32が摺動に伴い、摺動孔31の壁面46について駆動カム側端部Edに対し最も高い面圧で接触しても、その接触部分と、同駆動カム側端部Edの近傍に設けられた燃料保持溝55内のボリュームの大きな燃料10との間で熱交換が効率よく行われる。
また、第1実施形態では、燃料保持溝55の断面積Sdc,Sdnが周方向について同一ではなく、接触側領域Tdcの断面積Sdcが非接触側領域Tdnの断面積Sdnよりも大きく設定されている(図4参照)。この設定により、燃料保持溝55に保持される燃料10の量は、接触側領域Tdcで多く、非接触側領域Tdnで少なくなる。燃料保持溝55において、プランジャ32及び摺動孔31の駆動カム側端部Edに接する燃料10のボリュームは、接触側領域Tdcで大きく、非接触側領域Tdnで小さくなる。接触側領域Tdcでは非接触側領域Tdnよりも燃料10との熱交換量が多くなり、接触側領域Tdcにおいて駆動カム側端部Ed等が効率よく潤滑・冷却される。
以上詳述した第1実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)摺動孔31の壁面46における駆動カム側端部Edの近傍に燃料保持溝55を設け、プランジャ32が加圧室35側へ移動させられる加圧行程において、流通路47へ流出した加圧室35内の燃料10の一部を、燃料保持溝55に一時保持させるようにしている(図6参照)。そのため、燃料保持溝55内のボリュームの大きな燃料10により、駆動カム側端部Edの潤滑・冷却を強化することができ、こうした燃料保持溝55のない場合に比べ、プランジャ32の摺動に伴う発熱による焼き付きを確実に抑制することができるようになる。
(2)燃料保持溝55を、プランジャ32の摺動に伴う発熱量の特に多い接触側領域Tdcと、同発熱量が接触側領域Tdcほど多くない非接触側領域Tdnとに区分し、接触側領域Tdcの断面積Sdcを、非接触側領域Tdnの断面積Sdnよりも大きく設定している(図4及び図5参照)。こうした設定により、燃料保持溝55において、プランジャ32及び摺動孔31の駆動カム側端部Edに接触する燃料10のボリュームを、接触側領域Tdcで大きく、非接触側領域Tdnで小さくしている。
従って、発熱量の多い箇所については断面積Sdcの大きな接触側領域Tdcの燃料10によって、また発熱量のさほど多くない箇所については断面積Sdnの小さな非接触側領域Tdnの燃料10によって、それぞれ過不足なく潤滑・冷却することが可能となる。
(3)プランジャ32は、摺動孔31の壁面46の全周にわたって均一の強さで接触するわけではなく、接触側領域Tdcの特定の部分、すなわち接触側領域Tdcにおいて境界部分(面P)から最も遠ざかった箇所に最も強く接触して多く発熱する。この箇所から離れるに従い面圧が低くなって発熱量が少なくなる。
この点、第1実施形態では、接触側領域Tdcの深さDdc(断面積Sdc)を非接触側領域Tdnとの境界部分(面P)から離れるに従い徐々に大きくしている。また、非接触側領域Tdnの深さDdn(断面積Sdn)を、接触側領域Tdcとの境界部分(面P)から離れるに従い徐々に小さくしている。そのため、各領域Tdc,Tdnの周方向における断面積をプランジャ32の摺動に伴う発熱量に応じた大きさとすることができ、流通路47に流出した加圧室35内の燃料10の一部を発熱の程度に応じた量に分配・保持し、その燃料10によってより過不足なく潤滑・冷却することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態について、図9及び図10を参照して説明する。
プランジャ32が駆動カム22によって加圧室35側へ移動させられて同加圧室35内の燃料10が昇圧される加圧行程では、同プランジャ32は、シリンダボディ29における摺動孔31の長さ方向については、上述したように駆動カム側端部Edに加え、加圧室側端部Epに対しても最も高い面圧で接触する。摺動孔31の加圧室側端部Epでは、加圧室35における燃料10のボリュームが大きく放熱が促されるとはいえ、プランジャ32の摺動による発熱量が他の箇所よりも多くなる点では、駆動カム側端部Edと同様である。そのため、加圧室側端部Epでは、焼付きを抑制するために他の箇所よりも多くの量の燃料10を要する。
そこで、第2実施形態では、液体保持凹部として、摺動孔31の壁面46について、駆動カム側端部Edの近傍に燃料保持溝55を設けるとともに、加圧室側端部Epの近傍に燃料保持溝61を設けている。
燃料保持溝61は、摺動孔31の中心線Lの周りにおいて、壁面46の全周にわたって形成されており、円環状をなしている。燃料保持溝61の底面62は、周方向のどの箇所においても中心線Lに対し平行である。また、燃料保持溝61の相対向する側面63,64は、周方向のどの箇所においても中心線Lに対し直交している。従って、燃料保持溝61は、周方向のどの箇所においても矩形の断面形状を有していることとなる。表現を変えると、図10の上部において網掛けで示すように、燃料保持溝61の断面積をSpとすると、この断面積Spは、周方向のどの箇所においても同一である。また、燃料保持溝61の深さをDpとし、幅をWpとすると、これらの深さDp及び幅Wpは、燃料保持溝61の周方向のどの箇所においても同一である。
一方、燃料保持溝55は、摺動孔31の中心線Lの周りにおいて、壁面46の全周にわたって形成されており、円環状をなしている。燃料保持溝61の底面56は、周方向のどの箇所においても中心線Lに対し平行である。また、燃料保持溝55の相対向する側面57,58は、周方向のどの箇所においても中心線Lに対し直交している。従って、燃料保持溝55は、周方向のどの箇所においても矩形の断面形状を有していることとなる。表現を変えると、図10の下部において網掛けで示すように、燃料保持溝55の断面積をSdとすると、この断面積Sdは周方向のどの箇所においても同一である。また、燃料保持溝55の深さをDdとし、幅をWdとすると、これらの深さDd及び幅Wdは、燃料保持溝55の周方向のどの箇所においても同一である。
さらに、両燃料保持溝61,55は、断面積Sp,Sdについて「Sp<Sd」の関係が満たされるように形成されている。この関係成立のために、本実施形態では、燃料保持溝55の幅Wdと燃料保持溝61の幅Wpとが同一に設定され、燃料保持溝55の深さDdが燃料保持溝61の深さDpよりも大きく設定されている。
上記以外の構成は第1実施形態と同様である。そのため、第1実施形態と同様の箇所、部材等については同一の符号を付して説明を省略する。
上記のように、燃料保持溝61が、摺動孔31の壁面46について、駆動カム側端部Edの近傍に加え、加圧室側端部Epの近傍にも設けられている第2実施形態では、燃料10は、流通路47を流れる過程で、同燃料保持溝61,55に一時保持される。流通路47中、燃料保持溝61が近くに設けられた加圧室側端部Ep、及び燃料保持溝55が近くに設けられた駆動カム側端部Edでは、他の箇所よりも燃料10のボリュームが大きくなる。そのため、プランジャ32が最も高い面圧で接触する加圧室側端部Ep及び駆動カム側端部Edと、燃料保持溝61,55内の多くの燃料10との間で熱交換が効率よく行われる。
また、第2実施形態では、燃料保持溝55の断面積Sdが燃料保持溝61の断面積Spよりも大きいことから、流通路47を流れる燃料10は、加圧室35側の燃料保持溝61よりも駆動カム22側の燃料保持溝55に多く保持される。摺動孔31の両端部においてプランジャ32と接触する燃料10のボリュームは、駆動カム側端部Edにおいて加圧室側端部Epよりも大きくなる。
従って、第2実施形態によれば、上記(1)に加え、次の効果が得られる。
(4)摺動孔31の壁面46について、駆動カム側端部Edの近傍の燃料保持溝55に加え、加圧室側端部Epの近傍に燃料保持溝61を設けることで、流通路47の他の箇所よりも燃料10のボリュームを大きくしている(図9参照)。そのため、燃料保持溝55,61内のボリュームの大きな燃料10により、駆動カム側端部Ed及び加圧室側端部Epの潤滑・冷却を強化することができる。加圧行程でプランジャ32が、摺動孔31の壁面46について加圧室側端部Ep及び駆動カム側端部Edに対し高い面圧で接触しても、その接触部分と、同端部Ep,Edの近傍に設けられた燃料保持溝61,55内の多くの燃料10との間で熱交換を効率よく行うことができる。燃料保持溝55,61を何ら設けない場合はもちろんのこと、燃料保持溝55のみを設けた場合に比べて、プランジャ32の摺動に伴う発熱による焼き付きを、より一層確実に抑制することができるようになる。
(5)駆動カム側端部Edの近傍に設けた燃料保持溝55の断面積Sdを、加圧室側端部Epの近傍に設けた燃料保持溝61の断面積Spよりも大きく設定している(図10参照)。こうした設定により、流通路47を流れる燃料10を、加圧室35側の燃料保持溝61よりも駆動カム22側の燃料保持溝55に多く分配・保持させ、摺動孔31の両端部Ed,Epにおいてプランジャ32と接触する燃料10のボリュームを、駆動カム側端部Edにおいて加圧室側端部Epよりも大きくしている。
このため、加圧室35内の燃料10により放熱が促進される摺動孔31の加圧室側端部Epについては、断面積Spの小さな燃料保持溝61内の燃料10によって、また、放熱の促進効果の少ない駆動カム側端部Edについては、断面積Sdの大きな燃料保持溝55内の燃料10によって、それぞれ過不足なく潤滑・冷却することが可能となる。
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・上記第1実施形態では、燃料保持溝55における接触側領域Tdcの断面積Sdcを非接触側領域Tdnの断面積Sdnよりも大きくする構成として、接触側領域Tdcの深さDdcを非接触側領域Tdnの深さDdnよりも大きく設定した。これに代えて、図11及び図12に示すように、「Ddc=Ddn」のもとで、接触側領域Tdcの幅Wdcを非接触側領域Tdnの幅Wdnよりも大きく設定してもよい。この場合、接触側領域Tdcの幅Wdcを、非接触側領域Tdnとの境界部分(面P)で最小とし、同境界部分から離れるに従って徐々に増大させるようにしてもよい。同様に、非接触側領域Tdnの幅Wdnを、接触側領域Tdcとの境界部分(面P)で最大とし、同境界部分から離れるに従って徐々に減少させるようにしてもよい。
なお、図11は、接触側領域Tdcの側面58と非接触側領域Tdnの側面58とが中心線Lに直交する同一の面上に位置し、接触側領域Tdcの側面57と非接触側領域Tdnの側面57とが互いに異なる面上に位置する例を示している。
また、図12は、接触側領域Tdcの側面58と非接触側領域Tdnの側面58とが互いに異なる面上に位置し、接触側領域Tdcの側面57と非接触側領域Tdnの側面57とが互いに異なる面上に位置する例を示している。
上述した図11の例においても図12の例においても、断面積Sdc,Sdnの間に、「Sdc>Sdn」の関係が成立する。
さらに、図13及び図14に示すように、燃料保持溝55の接触側領域Tdcを、摺動孔31の長さ方向に並べられた状態で設けられ、かつ非接触側領域Tdnよりも数の多い溝部55A,55Bにより構成してもよい。図13及び図14は、非接触側領域Tdnに1つの溝部55Aが設けられ、接触側領域Tdcに2つの溝部55A,55Bが設けられた例を示している。非接触側領域Tdnの溝部55A、及び接触側領域Tdcの溝部55Aはいずれも円弧状(略半円環状)をなし、自身の両端部において相手側の溝部55Aとつながっている。両溝部55A,55Aは全体として円環状をなしている。
また、接触側領域Tdcの溝部55Bは溝部55Aと同様に円弧状(略半円環状)をなしている。この溝部55Bについては、例えば図14に示すように、壁面46に円環状の凹部を加工することにより得ることができる。この場合、円環状の凹部を両溝部55A,55Aよりも小径とするとともに、前者の中心線L2を後者の中心線L3(摺動孔31の中心線Lと同一)から偏心させる。中心線L2の中心線L3,Lに対する偏心方向は、両領域Tdc,Tdnの境界部分(面P)を基準とし、それよりもプランジャ32の加圧行程において、駆動カム22がリフタ38に接触する側(図14の左側)である。この場合、溝部55A,55Bの各断面積の総和が燃料保持溝55の断面積Sdcとなり、「Sdc>Sdn」の関係が成立する。
なお、上記加工に伴い、非接触側領域Tdnにおいて接触側領域Tdcの溝部55Bと同一の面上には、その溝部55Bの両端部につながる一対の溝部55Cが形成される(図14参照)。しかし、これらの溝部55C,55Cは容積が小さく、潤滑・冷却を強化する作用をほとんど発揮しない。従って、非接触側領域Tdnには、接触側領域Tdcの溝部55Bに相当する溝部が実質上設けられておらず、溝部55Aのみが設けられている(すなわち、溝部の数は「1」である)といえる。
また、図示しないが、以下の(i)〜(iii )の事項を適宜組み合わせて実施してもよい。
(i)接触側領域Tdcの深さDdcを非接触側領域Tdnの深さDdnよりも大きくする(図4参照)。
(ii)接触側領域Tdcの幅Wdcを非接触側領域Tdnの幅Wdnよりも大きくする(図11及び図12参照)。
(iii )燃料保持溝55の接触側領域Tdcを非接触側領域Tdnよりも数の多い溝部により構成する(図13参照)。
・第1実施形態において、接触側領域Tdcの断面積Sdcと、非接触側領域Tdnの断面積Sdnとを同一に設定してもよい。この場合にも上記(1)と同様の効果が得られる。
・上記第2実施形態では、燃料保持溝55の断面積Sdを燃料保持溝61の断面積Spよりも大きくする構成として、燃料保持溝55の深さDdを燃料保持溝61の深さDpよりも大きく設定した(図10参照)。これに代えて、図15に示すように、「Dd=Dp」のもとで、燃料保持溝55の幅Wdを燃料保持溝61の幅Wpよりも大きく設定してもよい。
また、図16に示すように、燃料保持溝55を、摺動孔31の長さ方向(図16の上下方向)に並べられた状態で設けられ、かつ燃料保持溝61の溝部61Aよりも数の多い溝部55A,55Bにより構成してもよい。ただし、各溝部61A,55A,55Bの断面積は互いに同一である。図16は、燃料保持溝61が1つの溝部61Aにより構成され、燃料保持溝55が2つの溝部55A,55Bにより構成された例を示している。この場合、溝部55A,55Bの各断面積の総和が燃料保持溝55の断面積Sdとなる。
なお、断面積Sp,Sdの間に、「Sp<Sd」の関係を成立させることを条件に、各溝部61A,55A,55Bの断面積を変更してもよい。この場合、溝部61A,55A,55Bの断面積が違いに異なってもよい。
また、図示しないが、以下の(iv)〜(vi)の事項を適宜組み合わせて実施してもよい。
(iv)燃料保持溝55の深さDdを燃料保持溝61の深さDpよりも大きくする(図10参照)。
(v)燃料保持溝55の幅Wdを燃料保持溝61の幅Wpよりも大きくする(図15参照)。
(vi)燃料保持溝55を燃料保持溝61よりも数の多い溝部により構成する(図16参照)。
・図17〜図19に示すように、第1実施形態の内容と第2実施形態の内容とを組み合わせて実施してもよい。すなわち、摺動孔31の壁面46について、駆動カム側端部Edの近傍に燃料保持溝55を設け、加圧室側端部Epの近傍に燃料保持溝61を設ける。燃料保持溝55における接触側領域Tdcの断面積Sdcを、燃料保持溝61の断面積Spよりも、また非接触側領域Tdnの断面積Sdnよりも大きく設定する。このように組み合わせた場合には、上述した(1)〜(5)の効果が得られる。特に、燃料保持溝55,61の各部の断面積をプランジャ32の摺動に伴う発熱量に応じた大きさとすることができ、流通路47に流出した加圧室35内の燃料10の一部を発熱の程度に応じた量に分配・保持し、その燃料10によって過不足なく潤滑・冷却することが可能となる。
なお、図17〜図19では、共通事項として、非接触側領域Tdnの断面積Sdnを加圧室35側の燃料保持溝61の断面積Spと同一に設定している。
また、図17〜図19は、燃料保持溝55における接触側領域Tdcの断面積Sdcを非接触側領域Tdnの断面積Sdn(=Sp)よりも大きくする構成において互いに相違している。図17では、「Wdc=Wdn」のもとで、接触側領域Tdcの深さDdcを非接触側領域Tdnの深さDdnよりも大きく設定している。
図18では、「Ddc=Ddn」のもとで、接触側領域Tdcの幅Wdcを非接触側領域Tdnの幅Wdnよりも大きくしている。この場合、上述した図12と同様に、接触側領域Tdcの幅Wdcを、非接触側領域Tdnとの境界部分(面P)で最小とし、同境界部分から離れるに従って徐々に増大させるようにしてもよい。同様に、非接触側領域Tdnの幅Wdnを、接触側領域Tdcとの境界部分(面P)で最大とし、同境界部分から離れるに従って徐々に減少させるようにしてもよい。
図19では、燃料保持溝55の接触側領域Tdcを、摺動孔31の長さ方向(図19の上下方向)に並べられた状態で設けられ、かつ非接触側領域Tdnよりも数の多い溝部55A,55Bにより構成している。図19は、非接触側領域Tdnを1つの溝部55Aにより構成し、接触側領域Tdcを2つの溝部55A,55Bにより構成した例を示している。この場合、溝部55A,55Bの各断面積の総和が接触側領域Tdcの断面積Sdとなり、「Sdc>Sdn」の関係が成立する。
また、図示はしないが、図17〜図19の「深さ」、「幅」及び「溝部の数」についての事項を適宜組み合わせて実施してもよい。
・摺動孔31の壁面46について、プランジャ32が高面圧で摺動する箇所である駆動カム側端部Ed及び加圧室側端部Epのうち、後者(加圧室側端部Ep)の近傍にのみ燃料保持溝61を設けてもよい。
・加圧室側端部Epの近傍に燃料保持溝61を設ける実施形態についても、燃料保持溝55と同様に、プランジャ32が加圧行程で摺動孔31の壁面46に接触する側の接触側領域と、接触しない側の非接触側領域とに区分し、接触側領域の断面積を非接触側領域の断面積よりも大きく設定してもよい。
・燃料保持溝55,61の断面形状を上記各実施形態とは異なる形状に変更してもよい。例えば、底面56,62を中心線Lに対し傾斜させてもよい。また、側面57,58,63,64を中心線Lに対し斜めに交わる(直交を除く)面によって構成してもよい。さらには、上記断面形状を矩形以外の形状、例えば三角形状、半円形状等に変更してもよい。
・本発明は、加圧行程において、電磁スピル弁42が下死点を若干過ぎてから閉弁する高圧燃料ポンプにも適用することができる。
・本発明はエンジンの高圧燃料ポンプ17以外の高圧ポンプにも適用することができる。
・駆動カム22をエンジンのカムシャフト21とは別に設け、その駆動カム22によってプランジャ32を往復摺動させてもよい。
本発明を具体化した第1実施形態の高圧燃料ポンプを用いた燃料供給系を示す概略構成図。 図1における高圧燃料ポンプの内部構造を示す断面図。 図2におけるA部を拡大して示す断面図。 図3におけるB部を拡大して示す断面図。 図4におけるC−C線断面図。 図3の状態から駆動カムがさらに回転してプランジャが上昇するとき(加圧行程)の高圧燃料ポンプについて、A部の状態を示す断面図。 図6の状態から駆動カムがさらに回転してプランジャが上死点に達したときの高圧燃料ポンプについて、A部の状態を示す断面図。 図7の状態から駆動カムがさらに回転してプランジャが下降するとき(吸入行程)の高圧燃料ポンプについて、A部の状態を示す断面図。 本発明を具体化した第2実施形態において、図3のA部に対応して高圧燃料ポンプの内部構造を示す断面図。 図9におけるD部を拡大して示す断面図。 図4のB部において、燃料保持溝の別の実施形態を示す断面図。 同じく図4のB部において、燃料保持溝の別の実施形態を示す断面図。 同じく図4のB部において、燃料保持溝の別の実施形態を示す断面図。 図13におけるE−E線断面図。 図10のD部において、燃料保持溝の別の実施形態を示す断面図。 同じく図10のD部において、燃料保持溝の別の実施形態を示す断面図。 同じく図10のD部において、燃料保持溝の別の実施形態を示す断面図。 同じく図10のD部において、燃料保持溝の別の実施形態を示す断面図。 同じく図10のD部において、燃料保持溝の別の実施形態を示す断面図。 背景技術における高圧燃料ポンプの断面図。 図20におけるF部を拡大して示す断面図。
符号の説明
10…燃料(液体)、17…高圧燃料ポンプ(高圧ポンプ)、22…駆動カム、29…シリンダボディ、31…摺動孔、32…プランジャ、35…加圧室、46…摺動孔の壁面、47…流通路、55,61…燃料保持溝(液体保持凹部)、55A,55B,61A…溝部、Dd,Ddc,Ddn,Dp…深さ、Ed…駆動カム側端部、Ep…加圧室側端部、Sd,Sdc,Sdn,Sp…断面積、Tdc…接触側領域、Tdn…非接触側領域、Wd,Wdc,Wdn,Wp…幅。

Claims (11)

  1. 加圧室及び駆動カム間のシリンダボディの摺動孔にプランジャを往復摺動可能に嵌入し、前記駆動カムにより前記プランジャを同駆動カム側へ移動させることで同加圧室内に液体を吸入し、前記駆動カムにより前記プランジャを前記加圧室側へ移動させることで同加圧室内の液体を加圧し、さらに、前記プランジャと前記摺動孔の壁面との間隙を、前記加圧室から流出した液体の流通路とする高圧ポンプにおいて、
    前記摺動孔の壁面について、前記プランジャが摺動に伴い高い面圧で接触する箇所の近傍に、前記流通路を流れる液体を一時保持する液体保持凹部を設けることを特徴とする高圧ポンプ。
  2. 前記液体保持凹部は、前記摺動孔の前記壁面における駆動カム側端部の近傍に設けられている請求項1に記載の高圧ポンプ。
  3. 前記液体保持凹部は前記摺動孔の壁面の周方向に形成されており、同液体保持凹部を、前記プランジャが前記加圧室側へ移動するときに前記摺動孔の壁面に接触する側の接触側領域と、接触しない側の非接触側領域とに区分した場合、前記接触側領域は前記非接触側領域よりも大きな断面積を有する請求項2に記載の高圧ポンプ。
  4. 前記液体保持凹部は、前記非接触側領域よりも前記接触側領域において深く形成されている請求項3に記載の高圧ポンプ。
  5. 前記液体保持凹部は、前記非接触側領域よりも前記接触側領域において幅広に形成されている請求項3又は4に記載の高圧ポンプ。
  6. 前記接触側領域は、前記摺動孔の長さ方向に並べられた状態で設けられ、かつ前記非接触側領域よりも数の多い溝部により構成されている請求項3に記載の高圧ポンプ。
  7. 前記液体保持凹部は、前記摺動孔の前記壁面について、前記駆動カム側端部の近傍に加え、加圧室側端部の近傍に設けられている請求項2に記載の高圧ポンプ。
  8. 前記駆動カム側端部の近傍に位置する液体保持凹部は、前記加圧室側端部の近傍に位置する液体保持凹部よりも大きな断面積を有する請求項7に記載の高圧ポンプ。
  9. 前記駆動カム側端部の近傍に位置する液体保持凹部は、前記加圧室側端部の近傍に位置する液体保持凹部よりも深く形成されている請求項8に記載の高圧ポンプ。
  10. 前記駆動カム側端部の近傍に位置する液体保持凹部は、前記加圧室側端部の近傍に位置する液体保持凹部よりも幅広に形成されている請求項8又は9に記載の高圧ポンプ。
  11. 前記駆動カム側端部の近傍に位置する液体保持凹部は、前記摺動孔の長さ方向に並べられた状態で設けられ、かつ前記加圧室側端部の近傍に位置する液体保持凹部よりも数の多い溝部により構成されている請求項8に記載の高圧ポンプ。
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