JP2007168711A - 重荷重用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

重荷重用空気入りラジアルタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】主として偏平系重荷重空気入りラジアルタイヤ、特には小型ライトトラック用偏平空気入りラジアルタイヤにおけるベルト耐久性向上と軽量化の両立を実現する。
【解決手段】カーカス2と、2枚以上のスチールベルトプライからなるベルト層3と、少なくとも1枚のベルト補強層4とを備える重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、ベルト補強層4のコードがポリケトン繊維コードからなり、かつ、ベルト層3の最外層スチールコードとベルト補強層4のポリケトン繊維コードとの間隔が0.4mm以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ベルト耐久性向上と軽量化との両立を図った重荷重用空気入りラジアルタイヤ、主として偏平系重荷重空気入りラジアルタイヤ、特には小型ライトトラック用偏平空気入りラジアルタイヤに関する。
従来より、乗用車用の空気入りラジアルタイヤのベルト層外周には、ベルト層のセパレーション(コードと被覆ゴムとの剥離)を防止する目的で、ナイロン(ポリアミド)、アラミド(ケブラー(登録商標))、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)等の有機繊維の撚りコードを実質的にタイヤ周方向に螺旋状に巻回してなるベルト補強層を配設することが行われている。近年では、初期引張抵抗度が高いコードとしてポリケトン(PK)繊維コードを、かかるベルト補強層に適用することも知られている(例えば、特許文献1,2)。
しかし、偏平系重荷重用ラジアルタイヤ、特には小型ライトトラック用偏平空気入りラジアルタイヤにおいては、以下のような厳しい要求特性があることから、ベルト構造およびベルト補強材の選定も限られたものとなっており、ポリケトン(PK)繊維コードをベルト補強層に適用することは行われていなかった。
即ち、一般的に偏平系重荷重用ラジアルタイヤ、特には小型ライトトラック用偏平ラジアルタイヤにおいては、乗用車用タイヤに比べ使用内圧が高めに設定されているため、ベルト端部の成長歪が大きくなり、その結果、ベルトセパレーション故障に対して厳しい特性が求められている。
また、トレッドゴムのボリュームが乗用車用タイヤに比べ大きい(溝深さが深い)ため、トレッドの高発熱からベルト端部の成長歪が増加され易く、かかる観点からもベルトセパレーション故障に対して更なる厳しい特性が求められている。
上述のような厳しい要求特性を満たし、偏平系重荷重用空気入りラジアルタイヤのベルトセパレーション故障を防ぐためには、ベルト端部の成長歪を抑制する必要があるが、その有効な手段の一つとして、一般的に偏平系重荷重用空気入りラジアルタイヤではスチールベルト層を3枚にし、かつベルト層端部にナイロン補強層2枚を配置する構造を適用することが行われていた。
特開2000−14205号公報(特許請求の範囲等) 特開2001−334811号公報(特許請求の範囲等)
しかしながら、近年の自動車メーカーおよびタイヤメーカーの安全活動及び安全意識の高まりから、時として必要以上に高い空気圧で使用するユーザーが散見され、また、車両の高速化によりタイヤに対しても、高速時のベルト耐久性に対する要求レベルを従来以上に高く設定する必要が出てきている。その一方で、自動車メーカー及び社会の環境意識の高まりから、タイヤ転がり抵抗の低減要求が増しており、更なる軽量化が必要となってきている。
このようにベルト耐久性の向上と軽量化の両立を実現することが、近年の偏平系重荷重用ラジアルタイヤ、特には小型ライトトラック用偏平ラジアルタイヤにおける課題となっており、その解決が求められている。
そこで本発明の目的は、主として偏平系重荷重空気入りラジアルタイヤ、特には小型ライトトラック用偏平空気入りラジアルタイヤにおけるベルト耐久性向上と軽量化の両立を実現することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ベルト補強層の有機繊維コードとしてポリケトン繊維コードを所定の条件下で使用することにより、上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の重荷重用空気入りラジアルタイヤは、一対のビードコア間にトロイド状に延在する少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスと、該カーカスのクラウン部ラジアル方向に配置され、2枚以上のスチールベルトプライからなるベルト層と、該ベルト層のタイヤ半径方向外側に配置された少なくとも1枚のベルト補強層とを備える重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、
前記ベルト補強層のコードがポリケトン繊維コードからなり、かつ、前記ベルト層の最外層スチールベルトプライのスチールコードと前記ベルト補強層のポリケトン繊維コードとの間隔が0.4mm以上であることを特徴とするものである。
前記ベルト層の最外層スチールベルトプライのスチールコードと前記ベルト補強層のポリケトン繊維コードとの間隔は、好ましくは0.5〜0.6mmである。前記ベルト層と前記ベルト補強層との間に、未加硫時の厚みが0.5mm以上であるゴムシートを好適に配設することができる。また、前記ベルト層の端部と、これに隣接するベルト補強層端部との間に端部ゴムが配設されているか、あるいは、ベルト端部が厚いコンター押出しにより成型された未加硫ゴムがスチールベルトプライゴムとして貼り付けられていてもよい。さらに、前記ベルト補強層は、前記ベルト層の端部において2層からなることが好ましい。さらにまた、前記ポリケトン繊維コードは、下記式(I)および(II)、
σ≧−0.01E+1.2 (I)
σ≧0.02 (II)
(上記式中、Eは25℃における49N荷重時の弾性率(cN/dtex)であり、σは177℃における熱収縮応力(cN/dtex)である)で表される関係を満足することが好ましい。さらに、本発明は、小型ライトトラック用偏平ラジアルタイヤにおいて、特に好適である。
本発明によれば、主として偏平系重荷重空気入りラジアルタイヤ、特には小型ライトトラック用偏平空気入りラジアルタイヤにおいて、ベルト耐久性向上と軽量化の両立を図ることができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1に、本発明の重荷重用空気入りラジアルタイヤの概略断面図を示す。図示するように、本発明のラジアルタイヤは、一対のビードコア1間にトロイド状に延在する少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカス2と、そのクラウン部ラジアル方向に配置され、2枚以上のスチールベルトプライからなるベルト層3と、そのタイヤ半径方向外側に配置され、有機繊維コードが実質的にタイヤ周方向に巻回されてなる少なくとも1枚のベルト補強層4とを有する。ここで、図示する好適例のベルト補強層4は、2枚のベルト補強層4のうち、タイヤ半径方向内側の1枚はベルト層3の全幅を覆って配置され、タイヤ半径方向外側のもう1枚はショルダー部のみに配置されているが、かかる配置に制限されるものではなく、以下の実施例に示すように、その枚数および配置箇所を適宜選定することができる。また、ベルト補強層4のコーティングゴムも、特に制限はなく、従来ベルト補強層に用いられている各種配合ゴムを用いることができる。
本発明においては、ベルト補強層4のコードがポリケトン繊維コードからなることが肝要である。以下、その理由につき、詳述する。
昨今の小型ライトトラック用偏平ラジアルタイヤにおける重要性能として、ベルト耐久性能、特には高速時におけるベルト耐久性能と、軽量化とが挙げられる。ベルト耐久性を向上させるには、ベルト枚数を増やし(例えば、2枚から3枚へ)、ベルト端部にベルト補強層を配置(なしから1枚へ、あるいは1枚から2枚へ)することが有用な手段である。しかし、この場合、重構造となってしまい、軽量化が達成できない。逆にベルト枚数を減らし(例えば、3枚から2枚へ)、ベルト端部のベルト補強層を減らす(例えば、2枚から1枚へ、あるいは1枚からなしへ)ことで軽量化は達成できるが、この場合、ベルト耐久性能が悪化してしまうことになる。このようにベルト耐久性能と軽量化とは、本来、二律背反的関係にあり、両者を両立させることはかなり困難とされてきた。しかし、本発明では、PK繊維コードをベルト補強層に所定の条件下で使用することによりこの困難を克服し、両者の両立を実現したのである。
即ち、本発明では、先ず、PK繊維コードの熱収縮応力特性(特に高温時)を活用し、当該コードをベルト補強層に用いることで、高速走行時もしくは高荷重時のベルト端成長歪を抑制し、ベルト耐久性の向上を実現した。
また、約120℃でのPK繊維コードの高温時熱収応力が従来のナイロン繊維コードに比べて約2倍であることより、従来の構造からベルト枚数を減らすか、もしくはベルト端でのベルト補強層の枚数を減らすことが可能となり、軽量化も同時に実現することができることがわかった。
本発明においては、上述のように、PK繊維コードの熱収縮応力特性を活用するにあたり、ベルト層3の最外層スチールベルトプライのスチールコードとベルト補強層4のポリケトン繊維コードとの間隔を0.4mm以上、好ましくは0.5mm以上とすることも肝要である。これにより、PK繊維コードの熱収縮によるベルト層3の最外層スチールベルトプライのスチールコードとベルト補強層4のポリケトン繊維コードとの接触に起因する故障を回避することができる。但し、軽量化の点からは0.6mm以下が好ましい。
かかる間隔を設けるために、好適には、ベルト層3とベルト補強層4との間に、未加硫時の厚みが0.5mm以上であるゴムシートを配設する。また、図2に示すように、ベルト層3の端部にのみベルト補強層4を配置する場合には、ベルト層3の端部と、これに隣接するベルト補強層4の端部の間に端部ゴム5を配設することが好ましい。あるいは、図示はしないが、ベルト端部が厚いコンター押出しにより成型された未加硫ゴムをスチールベルトプライゴムとして貼り付けてもよい。
本発明に用いるPK繊維コードは、具体的には、以下に詳述するPK繊維コードが好適である。即ち、コード1本あたりの総デシテックスが1000〜6000デシテックスであるマルチフィラメント撚りのPK繊維である。1本あたりの総デシテックスが1000〜6000デシテックスの範囲内であるコードであれば、高剛性で、かつ、有機繊維のメリットであるスチールコード対比の軽量化が達成できる。総デシテックスが1000デシテックス未満では高剛性なベルト補強層4を1枚で構成できず、一方、6000デシテックスを超えると、ベルト補強層のゲージが厚くなってしまい、タイヤ重量増加となってしまう。
また、本発明に用いるPK繊維コードは、所期の効果を得る上で、下記式(I)および(II)で表される関係を満足することが好ましい。
σ≧−0.01E+1.2 (I)
σ≧0.02 (II)
但し、σが1.5より大きくなると加硫時の収縮力が大きくなりすぎ、結果的にタイヤ内部のコード乱れやゴムの配置乱れを引き起こし、耐久性悪化やユニフォミティー悪化を招くおそれがあるため、上限として、下記式、
1.5≧σ
で表される関係を満足することが好ましい。ここで、熱収縮応力σは、一般的なディップ処理を施した加硫前の上記PK繊維コードの、25cmの長さ固定サンプルを5℃/分の昇温スピードで加熱して、177℃時にコードに発生する応力(単位:cN/dtex)であり、また、弾性率Eは、同様のPK繊維コードの25℃における49N荷重時の弾性率であって、JISのコード引張り試験によるSSカーブの49N時の接線より算出される単位cN/dtexの弾性率である。
また、上記PK繊維コードは、さらに、下記式(III)、
α=T×D1/2 (III)
(式中、Tは撚り数(回/100mm)であり、Dはコードの総繊度(dtex)である)で定義される撚り係数αが850〜4000の範囲であることが好ましい。PK繊維コードの撚り係数αが850未満では、熱収縮応力が十分に確保できず、一方、4000を超えると、弾性率が十分に確保できず、ベルト補強能が小さくなる。
さらに、上記PK繊維コードは、繊度が500〜3000dtexのポリケトンからなるフィラメント束を2本撚り合わせてなることが好ましい。PK繊維コードに用いるフィラメント束の繊度が500dtex未満では、弾性率・熱収縮応力ともに不十分となる一方、3000dtexを超えると、コード径が太くなって、打ち込みを密にできなくなる。
さらにまた、上記PK繊維コードは、高温下で収縮し、室温に戻すと伸長する可逆性を有することが好ましい。これにより、高温下、即ち、高速走行時においてはベルト補強層内のPK繊維コードが収縮して、十分なタガ効果を発揮することによりトレッドの迫り出しを十分に抑制することができる一方、低温下、即ち、低速走行時においてはベルト補強層内のPK繊維コードが伸長して、タイヤの接地面積を十分に確保することができる。
上記PK繊維コードの原料のポリケトンとしては、下記一般式(IV)、
Figure 2007168711
(式中、Aは不飽和結合によって重合された不飽和化合物由来の部分であり、各繰り返し単位において同一であっても異なっていてもよい)で表される繰り返し単位から実質的になるものが好適であり、その中でも、繰り返し単位の97モル%以上が1−オキソトリメチレン[−CH2−CH2−CO−]であるポリケトンが好ましく、99モル%以上が1−オキソトリメチレンであるポリケトンが更に好ましく、100モル%が1−オキソトリメチレンであるポリケトンが最も好ましい。
かかるポリケトンは、部分的にケトン基同士、不飽和化合物由来の部分同士が結合していてもよいが、不飽和化合物由来の部分とケトン基とが交互に配列している部分の割合が90質量%以上であることが好ましく、97質量%以上であることが更に好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
また、上記式(IV)において、Aを形成する不飽和化合物としては、エチレンが最も好ましいが、プロピレン、ブテン、ペンテン、シクロペンテン、ヘキセン、シクロヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、スチレン、アセチレン、アレン等のエチレン以外の不飽和炭化水素や、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、ビニルアセテート、アクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリレート、ウンデセン酸、ウンデセノール、6−クロロヘキセン、N−ビニルピロリドン、スルニルホスホン酸のジエチルエステル、スチレンスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、ビニルピロリドンおよび塩化ビニル等の不飽和結合を含む化合物等であってもよい。
さらに、上記ポリケトンの重合度としては、下記式(V)、
Figure 2007168711
(上記式中、tおよびTは、純度98%以上のヘキサフルオロイソプロパノールおよび該ヘキサフルオロイソプロパノールに溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度管の流過時間であり、Cは、上記希釈溶液100mL中の溶質の質量(g)である)で定義される極限粘度[η]が、1〜20dL/gの範囲内にあることが好ましく、3〜8dL/gの範囲内にあることがより一層好ましい。極限粘度が1dL/g未満では、分子量が小さ過ぎて、高強度のポリケトン繊維コードを得ることが難しくなる上、紡糸時、乾燥時および延伸時に毛羽や糸切れ等の工程上のトラブルが多発することがあり、一方、極限粘度が20dL/gを超えると、ポリマーの合成に時間およびコストがかかる上、ポリマーを均一に溶解させることが難しくなり、紡糸性および物性に悪影響が出ることがある。
さらにまた、PK繊維は、結晶化度が50〜90%、結晶配向度が95%以上の結晶構造を有することが好ましい。結晶化度が50%未満の場合、繊維の構造形成が不十分であって十分な強度が得られないばかりか加熱時の収縮特性や寸法安定性も不安定となるおそれがある。このため、結晶化度としては50〜90%が好ましく、より好ましくは60〜85%である。
上記ポリケトンの繊維化方法としては、(1)未延伸糸の紡糸を行った後、多段熱延伸を行い、該多段熱延伸の最終延伸工程で特定の温度および倍率で延伸する方法や、(2)未延伸糸の紡糸を行った後、熱延伸を行い、該熱延伸終了後の繊維に高い張力をかけたまま急冷却する方法が好ましい。上記(1)または(2)の方法でポリケトンの繊維化を行うことで、上記ポリケトン繊維コードの作製に好適な所望のフィラメントを得ることができる。
ここで、上記ポリケトンの未延伸糸の紡糸方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができ、具体的には、特開平2−112413号、特開平4−228613号、特表平4−505344号に記載されているようなヘキサフルオロイソプロパノールやm−クレゾール等の有機溶剤を用いる湿式紡糸法、国際公開第99/18143号、国際公開第00/09611号、特開2001−164422号、特開2004−218189号、特開2004−285221号に記載されているような亜鉛塩、カルシウム塩、チオシアン酸塩、鉄塩等の水溶液を用いる湿式紡糸法が挙げられ、これらの中でも、上記塩の水溶液を用いる湿式紡糸法が好ましい。
例えば、有機溶剤を用いる湿式紡糸法では、ポリケトンポリマーをヘキサフルオロイソプロパノールやm−クレゾール等に0.25〜20質量%の濃度で溶解させ、紡糸ノズルより押し出して繊維化し、次いでトルエン、エタノール、イソプロパノール、n−ヘキサン、イソオクタン、アセトン、メチルエチルケトン等の非溶剤浴中で溶剤を除去、洗浄してポリケトンの未延伸糸を得ることができる。
一方、水溶液を用いる湿式紡糸法では、例えば、亜鉛塩、カルシウム塩、チオシアン酸塩、鉄塩等の水溶液に、ポリケトンポリマーを2〜30質量%の濃度で溶解させ、50〜130℃で紡糸ノズルから凝固浴に押し出してゲル紡糸を行い、さらに脱塩、乾燥等してポリケトンの未延伸を得ることができる。ここで、ポリケトンポリマーを溶解させる水溶液には、ハロゲン化亜鉛と、ハロゲン化アルカリ金属塩またはハロゲン化アルカリ土類金属塩とを混合して用いることが好ましく、凝固浴には、水、金属塩の水溶液、アセトン、メタノール等の有機溶媒等を用いることができる。
また、得られた未延伸糸の延伸法としては、未延伸糸を該未延伸糸のガラス転移温度よりも高い温度に加熱して引き伸ばす熱延伸法が好ましく、さらに、かかる未延伸糸の延伸は、上記(2)の方法では一段で行ってもよいが、多段で行うことが好ましい。熱延伸の方法としては、特に制限はなく、例えば、加熱ロール上や加熱プレート上に糸を走行させる方法等を採用することができる。ここで、熱延伸温度は、110℃〜(ポリケトンの融点)の範囲内が好ましく、総延伸倍率は、好適には10倍以上とする。
上記(1)の方法でポリケトンの繊維化を行う場合、上記多段熱延伸の最終延伸工程における温度は、110℃〜(最終延伸工程の一段前の延伸工程の延伸温度−3℃)の範囲が好ましく、また、多段熱延伸の最終延伸工程における延伸倍率は、1.01〜1.5倍の範囲が好ましい。一方、上記(2)の方法でポリケトンの繊維化を行う場合、熱延伸終了後の繊維にかける張力は、0.5〜4cN/dtexの範囲が好ましく、また、急冷却における冷却速度は、30℃/秒以上であることが好ましく、更に、急冷却における冷却終了温度は、50℃以下であることが好ましい。熱延伸されたポリケトン繊維の急冷却方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができ、具体的には、ロールを用いた冷却方法が好ましい。なお、こうして得られるポリケトン繊維は、弾性歪みの残留は大きいため、通常、緩和熱処理を施し、熱延伸後の繊維長よりも繊維長を短くすることが好ましい。ここで、緩和熱処理の温度は、50〜100℃の範囲が好ましく、また、緩和倍率は、0.980〜0.999倍の範囲が好ましい。
上記PK繊維コードは、上記ポリケトンのフィラメントを複数本撚り合わせてなるマルチフィラメント撚りのPK繊維からなり、例えば、上記ポリケトンからなるフィラメント束に下撚りをかけ、次いでこれを2本または3本合わせて、逆方向に上撚りをかけることで、撚糸コードとして得ることができる。
また、PK繊維コードの高い熱収縮特性を最も効果的に活用するには、加工時の処理温度や使用時の成型品の温度が、最大熱収縮応力を示す温度(最大熱収縮温度)と近い温度であることが望ましい。具体的には、必要に応じて行われる接着剤処理におけるRFL処理温度や加硫温度等の加工温度が100〜250℃であること、また、繰り返し使用や高速回転によってタイヤ材料が発熱した際の温度は100〜200℃にもなることなどから、最大熱収縮温度は、好ましくは100〜250℃の範囲内、より好ましくは150〜240℃範囲内である。
本発明においては、所期の効果を得る上で、上記ポリケトン繊維コードは、単線または2本線により巻回し、好ましくは巻き付け密度を35〜50/50mmとする。
本発明の空気入りタイヤにおいては、ベルト補強層4以外の点については、特に制限されるものではない。例えば、図示はしないが、タイヤの最内層には通常インナーライナーが配置され、トレッド表面には、適宜トレッドパターンが形成される。また、本発明の空気入りタイヤにおいて、タイヤ内に充填する気体としては、通常のあるいは酸素分圧を変えた空気、または、窒素等の不活性ガスを用いることができる。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
それぞれ図3の(a)〜(d)に示すようにベルト層3およびベルト補強層4を配設した空気入りラジアルタイヤを、下記表1および以下に示す条件に従い、常法により試作した。
(タイヤサイズ):205/65R16
(カーカスプライコード):PET 1670dtex/2、撚り数40×40/10cm、打込み数100本/10cm、角度0°
(ベルトプライコード):(1+6)×0.37mmスチールコード、打込み数40本/10cm、角度70°
(ベルト補強層コード):打込み数40本/50mm
(PK繊維コードの弾性率E):162(各供試タイヤを解剖して取り出し、25℃、49N荷重時の弾性率をEとして、JISのコード引張り試験によるSSカーブの49N時の接線より算出した(単位:cN/dtex))
(PK繊維コードの熱収縮応力σ):2.6(各供試タイヤを解剖して取り出し、177℃時における熱収縮応力をσとして、25cmの長さ固定サンプルを5℃/分の昇温スピードで加熱し、177℃時に発生する応力を測定し、発生する力より算出した(単位:cN/dtex))
得られた各供試タイヤにつき、下記評価方法に従い評価を行った。これらの結果を、下記の表1に併せて示す。
(ベルト耐久性)
供試タイヤを内圧600kPaにてJATMA標準リムである16×5.5Jのリムに装着し、JATMAの最大荷重条件である1030kgにてドラム上を100km/hにて走行させ、故障に至るまでの距離を、従来例1のタイヤを100として指数で表示した。数値が大なるほど結果が良好である。
(ベルト端走行歪性)
ベルト耐久試験走行前のベルト端部のタイヤ周長と走行24時間後のベルト端部のタイヤ周長との比をベルト端走行歪とし、従来例1のタイヤを100として指数で表示した。数値が大なるほど結果が良好である。
(タイヤ質量)
従来例1のタイヤの質量の逆数を100として指数表示した。数値が大なるほど結果が良好である。
Figure 2007168711
本発明の一実施の形態に係る空気入りタイヤを示す概略断面図である。 ベルト層とベルト補強層との間に端部ゴムを配設した状態を示す模式的断面図である。 実施例におけるベルト補強層の配置状態を示す模式的断面図である。
符号の説明
1 ビードコア
2 カーカス
3 ベルト層
4 ベルト補強層
5 端部ゴム

Claims (8)

  1. 一対のビードコア間にトロイド状に延在する少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスと、該カーカスのクラウン部ラジアル方向に配置され、2枚以上のスチールベルトプライからなるベルト層と、該ベルト層のタイヤ半径方向外側に配置された少なくとも1枚のベルト補強層とを備える重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、
    前記ベルト補強層のコードがポリケトン繊維コードからなり、かつ、前記ベルト層の最外層スチールベルトプライのスチールコードと前記ベルト補強層のポリケトン繊維コードとの間隔が0.4mm以上であることを特徴とする重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記ベルト層の最外層スチールベルトプライのスチールコードと前記ベルト補強層のポリケトン繊維コードとの間隔が0.5〜0.6mmである請求項1記載の重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記ベルト層と前記ベルト補強層との間に、未加硫時の厚みが0.5mm以上であるゴムシートが配設されている請求項1または2記載の重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  4. 前記ベルト層の端部と、これに隣接するベルト補強層端部との間に端部ゴムが配設されている請求項1〜3のうちいずれか一項記載の重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  5. ベルト端部が厚いコンター押出しにより成型された未加硫ゴムがスチールベルトプライゴムとして貼り付けられている請求項1〜3のうちいずれか一項記載の重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  6. 前記ベルト補強層が前記ベルト層の端部において2層からなる請求項1〜4のうちいずれか一項記載の重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  7. 前記ポリケトン繊維コードが、下記式(I)および(II)、
    σ≧−0.01E+1.2 (I)
    σ≧0.02 (II)
    (上記式中、Eは25℃における49N荷重時の弾性率(cN/dtex)であり、σは177℃における熱収縮応力(cN/dtex)である)で表される関係を満足する請求項1〜6のうちいずれか一項記載の重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  8. 小型ライトトラック用偏平空気入りラジアルタイヤである請求項1〜7のうちいずれか一項記載の重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
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