JP2007161140A - 車両のシートベルト装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】温度環境の変化によるウェビングの張力変動を可及的に少なくして、ウェビングの張力を常に精度良く制御することのできる車両のシートベルト装置を提供する。
【解決手段】シート2に着座した乗員を拘束するウェビング5が巻回されるリール12と、このリール12を駆動しウェビング5に張力を付与して乗員を拘束するモータ10と、このモータ10への供給電流を制御するモータ制御手段41を設け、さらに、室温センサ37と外気温センサ38を設ける。モータ制御手段41によるモータ10への供給電流を、室温センサ37と外気温センサ38の検知結果に応じて調整する。
【選択図】図1

Description

この発明は、車両のシートに着座した乗員をウェビングによって拘束するシートベルト装置に関するものである。
車両に装備されるシートベルト装置は乗員拘束用のウェビングがリトラクタ内のリールに巻回され、装着時にリトラクタから引き出されるようになっている。
近年、この種のシートベルト装置として、ウェビングが巻回されるリールを電動モータによって駆動できるようにし、緊急時のウェビングの張力付与をモータ駆動で行うものが案出されている(例えば、特許文献1参照)。
このシートベルト装置では、車両に搭載したレーダ等の挙動検出センサが車両の不安定挙動を検出すると、コントローラがモータの電流制御を行ってウェビングに張力を付与し、これにより、ウェビングの弛みを取って乗員を適度な力でシートに拘束する。
特開2003−212443号公報
しかし、この従来の車両のシートベルト装置においては、リール駆動用のモータや、そのモータの動力伝達系のおかれた温度環境の影響を特に考慮することなくモータへの供給電流を一様に制御しているため、モータに同量の電流を供給して同様のウェビングの張力を得ようとした場合にあっても、低温時や高温時に実際に発生する張力が低下してしまう。
即ち、モータの動力伝達系の周囲の温度が低下すると、その動力伝達系に塗布されているグリースの粘度が温度低下に応じて高まり、その粘度の高まったグリースが動力伝達系のフリクションの増加を招き、ウェビングの張力を低下させる。
また、モータの周囲の温度が上昇すると、モータコイルの内部抵抗が高まり、その内部抵抗がコイルに実際に流れる電流を減少させ、ウェビングの張力を低下させる。特に、駆動力が大きくコイル巻数の多いモータを使用する場合には内部抵抗の影響が大きく現れ、ウェビングの張力低下の傾向が顕著となる。
そこでこの発明は、温度環境の変化によるウェビングの張力変動を可及的に少なくして、ウェビングの張力を常に精度良く制御することのできる車両のシートベルト装置を提供しようとするものである。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、シート(例えば、後述の実施形態におけるシート2)に着座した乗員を拘束するウェビング(例えば、後述の実施形態におけるウェビング5)が巻回されるリール(例えば、後述の実施形態におけるリール12)と、このリールを駆動しウェビングに張力を付与して乗員を拘束するモータ(例えば、後述の実施形態におけるモータ10)と、このモータへの供給電流を制御するモータ制御手段(例えば、後述の実施形態におけるモータ制御手段41)と、を備えた車両のシートベルト装置(例えば、後述の実施形態におけるシートベルト装置1)において、温度を検知する温度検知手段(例えば、後述の実施形態における室温センサ37,外気温センサ38)を設け、前記モータ制御手段による前記モータへの供給電流を、前記温度検知手段の検知結果に応じて調整するようにした。
これにより、温度環境の変化があると、そのことが温度検知手段によって検知され、モータに供給される電流が温度検知手段の検知結果に応じて調整されるようになる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両のシートベルト装置において、車室内の温度を検知する室温検知部(例えば、後述の実施形態における室温センサ37)と、外気温を検知する外気温検知部(例えば、後述の実施形態における外気温センサ38)によって前記温度検知手段を構成し、前記モータ制御手段による前記モータへの供給電流を、前記室温検知部と外気温検知部の温度検知結果に応じて調整するようにした。
これにより、モータや動力伝達系の周囲の温度がより正確に検出されるようになる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の車両のシートベルト装置において、前記温度検知手段による検知温度が低温側の第1の閾値以下の場合と、高温側の第2の閾値以上の場合にのみ、前記モータ制御手段による前記モータへの供給電流を増加調整するようにした。
これにより、温度検知手段による検知温度が第1の閾値と第2の閾値の間の範囲にあるときには、モータは基本の電流制御によって運転され、検知温度が第1の閾値以下の場合と第2の閾値以上のときには、基本の電流制御に対して供給電流を増大させて運転される。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両のシートベルト装置において、モータ制御手段を、通常温度時に前記モータに供給する電流供給情報を記憶する基本制御記憶部(例えば、後述の実施形態における基本制御記憶部43)と、この基本制御記憶部に記憶されている電流供給情報に基づいて、前記モータへの供給電流を制御する電流制御部(例えば、後述の実施形態における電流制御部44)と、前記基本制御記憶部の記憶に基づく供給電流を前記温度検知手段の検知結果に応じて補正する電流補正手段(例えば、後述の実施形態における電流補正手段145)と、この電流補正手段による補正量を設定範囲内に制限する補正制限手段(例えば、後述の実施形態における補正制限手段50)と、を備えた構成とした。
これにより、通常温度時には、電流制御部が基本制御記憶部に記憶されている電流供給情報に基づいてそのままモータの供給電流が制御される。また、通常温度からはずれたことが温度検知手段によって検知されると、電流補正手段が、基本制御記憶部の記憶に基づく供給電流を温度検知手段の検知結果に応じて補正する。このとき、通常は補正された供給電流によってモータが運転されるが、電流補正手段による電流補正量が設定範囲以上である場合には、その補正量が補正制限手段によって設定範囲内に制限される。
この発明においては、モータに供給される電流が、温度検知手段によって検知される温度に応じて調整されるため、温度環境の変化によるウェビングの張力変動を可及的に少なくすることができる。したがって、この発明によれば、ウェビングの張力をより精度良く制御することができる。
請求項2に記載の発明によれば、モータや動力伝達系の周囲の温度をより正確に検出できるため、実際のグリースの粘度やモータコイルの内部抵抗の変化により即した電流制御を行うことができる。
請求項3に記載の発明によれば、温度検知手段による検知温度が第1の閾値以下の場合と第2の閾値以上の場合にだけ、供給電流を増大してモータを運転することから、モータ制御の複雑化を回避し、装置作動の安定化を図ることができる。
請求項4に記載の発明によれば、電流補正手段による電流補正量が補正制限手段によって制限されるため、温度検知手段やシステムの異常等によってウェビングの張力が必要以上に大きく変動するのを未然に防止することができる。
以下、この発明の一実施形態を、図1〜図7を参照して説明する。
図1は、この発明にかかるシートベルト装置1の全体概略構成を示すものであり、同図中2は、乗員3の着座するシートである。この実施形態のシートベルト装置1は、いわゆる三点式のシートベルト装置であり、図示しないセンタピラーに取り付けられたリトラクタ4からウェビング5が上方に引き出され、そのウェビング5がセンタピラーの上部側に支持されたスルーアンカ6に挿通されるとともに、ウェビング5の先端がシート2の車室外側寄りのアウタアンカ7を介して車体フロアに固定されている。そして、ウェビング5のスルーアンカ6とアウタアンカ7の間にはタングプレート8が挿通されており、そのタングプレート8は、シート2の車体内側寄りの車体フロアに固定されたバックル9に対して脱着可能となっている。
ウェビング5は、初期状態でリトラクタ4に巻き取られており、乗員3が手で引き出してタングプレート8をバックル9に固定することにより、乗員3の主に胸部と腹部をシート2に対して拘束する。このシートベルト装置1の場合、衝突時におけるウェビング5の引き込みが電動式のモータ10によって行われ、このモータ10がプリテンション機構を構成するようになっている。
リトラクタ4は、図2〜図4に示すようにケーシング11に回転可能に支持されたリール12にウェビング5が巻回されるとともに、ケーシング11の一端側に突出したリール12の軸12aに遊星歯車式の減速機構13が係合され、その減速機構13が複数の歯車群から成るモータ側動力伝達系22を介してモータ10の回転軸10aに連係されている。
減速機構13は、サンギヤ14が駆動入力用の外歯15に一体に結合されるとともに、複数のプラネタリギヤ16を支持するキャリア17がリール12の軸12aに結合されている。そして、プラネタリギヤ16に噛合したリングギヤ18の外周側には複数のラチェット歯19が形成され、このラチェット歯19が後述するクラッチ20の一部を構成するようになっている。このクラッチ20は、コントローラ21による制御によってモータ10とリール12の間の動力伝達系を適宜断接する。
モータ側動力伝達系22は、サンギヤ14と一体の外歯15に常時噛合される小径の第1コネクトギヤ23と、この第1コネクトギヤ23と同軸にかつ一体に回転し得るように設けられた大径の第2コネクトギヤ24と、この第2コネクトギヤ24とモータギヤ25(モータ10の回転軸10aと一体)の間にあって動力伝達可能に常時噛合される第1,第2アイドラギヤ26,27と、を備えている。モータ10の正転方向の駆動力は、図3中の実線矢印で示すように各ギヤ25,27,26を通して第2,第1コネクトギヤ24,23へと伝達され、さらに外歯15を介してサンギヤ14に伝達された後にプラネタリギヤ16とキャリア17を介してリール12に伝達される。このモータ10の正転方向の駆動力は、ウェビング5を引き込む方向にリール12を回転させる。ただし、サンギヤ14からプラネタリギヤ16に伝達された駆動力は、リングギヤ18が固定されているときに前記のようにすべてキャリア17側に伝達されるが、リングギヤ18の回転が自由な状態においては、プラネタリギヤ16の自転によってリングギヤ18を空転させる。クラッチ20は、リングギヤ18の回転のロックとロック解除を制御することによって、リール12(キャリア17)に対するモータ駆動力の伝達をオン・オフ操作する。
ここで、クラッチ20について図3,図4を参照して説明する。
クラッチ20は、図示しないケーシングに回動可能に支持され、先端部に係止爪28を有するパウル29と、このパウル29を操作するクラッチスプリング30と、パウル29の係止爪28に係合可能な前記リングギヤ18のラチェット歯19と、を備え、係止爪28は、パウル29がラチェット歯19方向に操作されたときに、ラチェット歯19の傾斜面とほぼ直交する面に突き当たり、リングギヤ18の一方向の回転をロックするようになっている。
また、クラッチスプリング30は付根部側が円弧状に湾曲し、その湾曲部31が第1コネクトギヤ23の軸部の外周に巻き付いた状態で係止されている。そして、クラッチスプリング30の先端部はパウル29方向に延出し、パウル29の操作窓32に係合するようになっている。なお、クラッチスプリング30の湾曲部31は摩擦によって第1コネクトギヤ23の軸部に係合しており、第1コネクトギヤ23との間に設定値以上のトルクが作用すると、そのトルクによって第1コネクトギヤ23との間で滑りを生じる。
したがって、このクラッチ20は、モータ10が正転方向(図3中の実線矢印参照。)に回転すると、クラッチスプリング30が、図4の実線で示す姿勢から鎖線で示す姿勢に変化し、これによってパウル29の係止爪28が図3に示すようにラチェット歯19に噛合してリングギヤ18の回転をロックする。
このようにリングギヤ18の回転がロックされると、前述のようにサンギヤ14に伝達された回転力がすべてキャリア17の回転となってリール12に伝達されるようになる(クラッチオン状態)。
一方、このクラッチオン状態からモータ10が逆転すると、第1コネクトギヤ23が、図3中の点線矢印で示すように回転して、クラッチスプリング30を図4中の実線で示すように回動させる。これにより、パウル29の係止爪28がラチェット歯19から引き離され、リングギヤ18のロックが解除される。
このようにリングギヤ18のロックが解除されると、前述のようにサンギヤ14に伝達された回転力がプラネタリギヤ16を自転させ、このときリングギヤ18を空転させてキャリア17(リール12)側に動力が伝達されないようにする(クラッチオフ状態)。
また、リトラクタ4には、図1,図2に示すように、車両に設定値以上の減速度が作用したときにウェビング5の引き出しを機械的にロックする周知の緊急ロック機構33が設けられている。
ところで、車両には、図1に示すように前方の制止物体や前方走行車両等を検出するレーダ35(前方状況検出手段)と、車体に作用する横方向の加速度を検出する加速度センサ36(車体挙動検出手段)と、車室内の温度を検知する室温センサ37(室温検知部,温度検知手段)と、車外の温度を検知する外気温センサ38(外気温検知部,温度検知手段)と、が設けられ、これらがいずれもコントローラ21に接続されている。
コントローラ21は、レーダ35の検出信号を基にして車両の衝突の可能性の有無を判定する衝突可能性判定手段39と、加速度センサ36の検出信号を基にして車両が不安定状態にあるかどうかを判定する車両状態判定手段40と、モータ10への供給電流を制御するモータ制御手段41と、室温センサ37と外気温センサ38の検出信号を受けてリトラクタ4付近の温度が設定温度域内にあるかどうかを判定する温度域判定手段42と、を備えている。モータ制御手段41は、衝突可能性判定手段39が衝突の可能性有りと判定したとき、または、車両の旋回時等に車両状態判定手段40が不安定状態であると判定したときにモータ10への供給電流を制御する。例えば、モータ10の駆動回路がPWM駆動回路であればデューティー比を制御することによって供給電流を制御する。
このとき、モータ10には供給電流量に応じた駆動力が発生し、この駆動力が前述の動力伝達系を介してウェビング5に所定の張力として付与される。即ち、モータ10への供給電流量を所定の制御目標値に制御することにより、ウェビング5に作用する張力を制御するものと言える。
モータ制御手段41は、モータ10の駆動回路に対する基本的な電流制御プログラムを記憶した基本制御記憶部43と、この基本制御記憶部に記憶されている電流制御プログラムを読み込んでモータ10(駆動回路)に供給する電流を制御する電流制御部44と、温度域判定手段42の判定結果を受けて電流制御部44による基本制御を補正する電流補正手段45と、を備えている。なお、この実施形態の場合、衝突可能性判定手段39が車両の衝突可能性有りと判定したときには温度に応じた電流補正手段45による補正は行わず、車両状態判定手段40が不安定状態であると判定したときにのみ温度に応じた電流補正手段45による補正を行う。
室温センサ37は、シート下等の車室内に臨む部位に設置され、外気温センサ38は、外気を取り入れる吸気部等の外気に晒される部位に設置されている。この実施形態の場合、温度域判定手段42は室温センサ37と外気温センサ38の各検出値を平均して用いるようにしている。以下、この値をセンサ37,38の「検出値」と呼ぶ。ただし、温度域判定手段42では、室温センサ37と外気温センサ38の各検出値に対し、リトラクタ4の設置部位に応じた重み付けを行った演算値を用いるようにしても良い。
温度域判定手段42は、センサ37,38の検出値が低温側の第1の閾値Tと高温側の第2の閾値Tの間の範囲にあるかどうかを判定し、電流補正手段45は、検出値が第1の閾値T以下、または、第2の閾値T以上である旨の信号を温度域判定手段42から受けたときに、モータ10に供給する電流が基本制御電流に対して設定レベルだけ増加するように電流制御部44の出力を補正する。
即ち、モータ10とその動力伝達系(モータ側動力伝達系22、及び、減速機構13)にはグリースが塗布されて用いられているが、このグリースは周囲の環境温度が低下するとそれに伴って粘度が高まり、それによって動力の伝達効率が低下する。このため、このシートベルト装置1においては、グリース粘度の増加による動力伝達効率の低下を補うように、センサ37,38の検出値が低温側の第1の閾値T以下になったときに電流制御部44の出力を増大させるようにしている。
また、モータ10のコイルの内部抵抗は温度が高くなるほど大きくなり、その分実際にモータ10に流れる電流が低下する。このとき、温度とモータ10に実際に流れる電流の関係は、例えば図6に示すようになる。このため、このシートベルト装置1においては、内部抵抗の増大による電流低下を補うように、センサ37,38の検出値が高温側の第2の閾値T以上になったときに電流制御部44の出力を増大させるようにしている。なお、リトラクタ4の周囲の温度が第1の閾値T以下の場合には、コイルの内部抵抗の低下によるウェビング張力の増大よりも、グリース粘度の増加によるウェビング張力の減少の方が大きくなる。このため、温度が第1の閾値T以下の状況下では前述のように電流制御部44の出力を増大させる。
以下、コントローラ21によるモータ10の制御を図5のフローチャートを参照して説明する。なお、ここではレーダ35の前方検出に基づくモータ10の制御(危険検出時における乗員の予備拘束)については説明を省略するものとする。
まず、ステップS101においては、加速度センサ36とセンサ37,38によって車両に作用している横加速度とリトラクタ4の周囲の温度を検出し、つづくステップS102において、車両に作用している横加速度が設定加速度以上であるかどうかを判定する。ここで、横加速度が設定加速度未満と判定した場合にはステップS101に戻り、設定加速度以上と判定した場合には次のステップS103へと進む。なお、上記の設定加速度は緊急ロック機構33の作動加速度(0.3〜0.45G)と同等、若しくは、それよりも小さく設定する。
ステップS103においては、リトラクタ4の周囲の温度が設定温度範囲内(第1の閾値Tと第2の閾値Tの間の温度)であるかどうかを判定し、周囲の温度が設定温度範囲内であると判定した場合には、ステップS104に進んで通常の基本電流制御を行い、設定温度範囲内でない(第1の閾値T以下、または、第2の閾値T以上)と判定した場合には、ステップS105に進んで基本制御電流を増加させる。
以上のように、このシートベルト装置1においては、リトラクタ4の周囲の温度が設定温度範囲の間(通常温度時)は、基本制御記憶部43の電流制御プログラムによってそのままモータ10の供給電流が制御されるが、リトラクタ4の周囲の温度が低温側の第1の閾値T以下、或いは、高温側の第2の閾値T以上になると、温度変化によるウェビング5の張力低下を補うように基本制御電流が増加調整されるため、リトラクタ4の周囲の温度環境が大きく変化した場合においても、ウェビング5に所望通りの安定した張力を発生させることができる。特に、高温時のモータ10の内部抵抗の増加は駆動力の大きい大型のモータほど大きくなるため、このシートベルト装置1の電流補正は有効なものとなる。
図7は、周囲の温度による電流補正を行わない場合の温度変化とウェビング5に作用する張力の関係を示すものである。この例の場合、温度環境が低温側、高温側のいずれに変化してもウェビング5の張力がる程度大きく低下するが、この実施形態のシートベルト装置1においては、周囲の温度変化に応じて電流補正を行うようにしているため、低温時、高温時のいずれの場合にも、常温時と殆ど変わらないウェビング5の張力を得ることができる。
また、この実施形態のシートベルト装置1においては、リトラクタ4の周囲の温度が低温側の第1の閾値T以下の場合と、高温側の第2の閾値T以上の場合にのみ電流補正を行うようにしているため、モータ制御の複雑化を回避することができる。したがって、これにより装置作動の安定化を図ることができる。
つづいて、図8に示すこの発明の他の実施形態について説明する。
この実施形態のシートベルト装置101は、全体的な構成は上記の実施形態とほぼ同様であるが、コントローラ121において温度域判定を行わず、常に環境温度に応じた電流補正を行う点で大きく異なっている。なお、この実施形態においては、上記の実施形態と同一部分に同一符号を付し、重複する部分については説明を省略するものとする。
このシートベルト装置101では、室温センサ37と外気温センサ38の検出値がコントローラ121に入力されると、電流補正手段145が温度に応じた電流補正値を出力し、この電流補正値が補正制限手段50を介して電流制御部44に入力される。電流制御部44では、基本制御電流に対して電流補正手段145の出力に応じた補正を行い、補正された電流値の指令をモータ10の駆動回路に出力する。補正制限手段50は、電流補正手段145の出力が規定範囲を超えた場合にその出力値を制限し、規定範囲内の値を電流制御部44に出力する。
このシートベルト装置101は、以上のようにコントローラ121で温度域判定を行わずに常に環境温度に応じた電流補正を行うため、環境温度の変動によるウェビング5の張力変化をより少なくすることができる。
そして、さらにこのシートベルト装置101は、電流補正手段145から電流制御部44に出力される電流補正値を、補正制限手段50によって規定範囲内の値に制限するようにしているため、センサ37,38の故障やシステムの信号異常等の原因によって電流補正手段145から出力される電流補正値が必要以上に大きくなった場合にも、ウェビング張力の必要外の大きな変動を無くすことができる。
また、温度変化に起因する張力の変化度合いは、発生させようとする張力が小さいほど、即ち低電流でモータ10を駆動しようとするほど大きくなる。したがって、周知の機械式緊急ロック機構を用いずに乗員の移動を抑える程度の低電流を流して乗員を拘束する場合に用いると、ウェビング5を通して乗員に保持力を過不足なく作用させることができる。このため、低電流の範囲でモータ10を制御する状況下においては、乗員に与える拘束による不快感を低減できるとともに保持力を最適化できることから特に有効である。
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、上記の各実施形態においては、温度検知手段として室温センサ37と外気温センサ38の二つを用いたが、リトラクタ4の設置部位によってはいずれか一方のみを使用するようにしても良い。また、上記の実施形態の場合、温度検知手段(室温センサ37、及び、外気温センサ38)を、シートベルト制御手段を構成するコントローラ21に直接接続しているが、シートベルト装置1とは別のシステムで用いる温度検知手段の信号を車内ネットワークによる通信によって得るようにしても良い。
また、上記の実施形態においては、横加速度を設定加速度と比較することによって車両の不安定挙動の判定を行っているが、この場合の設定加速度は常に一定である必要はなく、車両の状態に応じて適宜変更されるものであっても良い。
また、車両状態判定手段は横加速度のみならず、例えばロール角やヨーレート、車輪速度、操舵角等を検出するセンサを別途設け、これらのセンサから得られた検出信号を複合的に処理することにより車両状態を判定するものであってもよく、少なくとも乗員に所定以上の慣性加速度が作用するか否かが判定できればその構成は問わない。
さらに、最初に説明した実施形態においても、電流補正手段45と電流補正部44の間に補正制限手段を介装するようにしても良い。この場合にも、何らかの原因で電流補正値が必要以上に大きくなるのを防止することができる。
この発明の一実施形態のシートベルト装置を示す全体概略構成図。 同実施形態のシートベルト装置を側面側から見た概略構成図。 同実施形態のシートベルト装置の動力伝達系を正面側から見た概略構成図。 同実施形態の動力伝達系の一部の拡大図。 同実施形態のシートベルト装置の制御の流れを示すフローチャート。 モータ供給電流に対する電流補正を行わないときのモータに流れる実電流と環境温度の関係を示す特性図。 モータ供給電流に対する電流補正を行わないときのウェビングの張力と環境温度の関係を示す特性図。 この発明の他の実施形態のシートベルト装置を示す全体概略構成図。
符号の説明
1,101…シートベルト装置
2…シート
5…ウェビング
10…モータ
12…リール
37…室温センサ(室温検知部,温度検知手段)
38…外気温センサ(外気温検知部,温度検知手段)
41…モータ制御手段
43…基本制御記憶部
44…電流制御部
50…補正制限手段
145…電流補正手段

Claims (4)

  1. シートに着座した乗員を拘束するウェビングが巻回されるリールと、このリールを駆動しウェビングに張力を付与して乗員を拘束するモータと、このモータへの供給電流を制御するモータ制御手段と、を備えた車両のシートベルト装置において、
    温度を検知する温度検知手段を設け、
    前記モータ制御手段による前記モータへの供給電流を、前記温度検知手段の検知結果に応じて調整することを特徴とする車両のシートベルト装置。
  2. 車室内の温度を検知する室温検知部と、外気温を検知する外気温検知部によって前記温度検知手段を構成し、
    前記モータ制御手段による前記モータへの供給電流を、前記室温検知部と外気温検知部の温度検知結果に応じて調整することを特徴とする請求項1に記載の車両のシートベルト装置。
  3. 前記温度検知手段による検知温度が低温側の第1の閾値以下の場合と、高温側の第2の閾値以上の場合にのみ、前記モータ制御手段による前記モータへの供給電流を増加調整することを特徴とする請求項1または2に記載の車両のシートベルト装置。
  4. モータ制御手段は、
    通常温度時に前記モータに供給する電流供給情報を記憶する基本制御記憶部と、
    この基本制御記憶部に記憶されている電流供給情報に基づいて前記モータへの供給電流を制御する電流制御部と、
    前記基本制御記憶部の記憶に基づく供給電流を前記温度検知手段の検知結果に応じて補正する電流補正手段と、
    この電流補正手段による補正量を設定範囲内に制限する補正制限手段と、
    を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両のシートベルト装置。

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